WO2006090664A1

WO2006090664A1 - 情報記録媒体、再生装置および再生方法

Info

Publication number: WO2006090664A1
Application number: PCT/JP2006/302951
Authority: WO
Inventors: Ryuichiro Takamatsu; Hideyuki Kuwano; Shigeki Matsunaga; Wataru Ikeda
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co., Ltd.
Priority date: 2005-02-23
Filing date: 2006-02-20
Publication date: 2006-08-31

Abstract

　それぞれ映像データおよび音声データの少なくとも一方を含む複数のタイトルと、複数のタイトルそれぞれに関する情報が記録されたＩｎｄｅｘ　Ｔａｂｌｅと、複数のタイトルの再生順を制御するための、複数のタイトルのそれぞれと関連付けられた複数のシナリオ制御記述データとが記録された情報記録媒体であって、複数のシナリオ制御記述データのそれぞれは、複数のフォーマットのうちのいずれかのフォーマットで記述されており、関連付けられたタイトルが再生装置により再生される場合に処理されるデータであり、Ｉｎｄｅｘ　Ｔａｂｌｅには、複数のシナリオ制御記述データそれぞれのフォーマットを識別するための識別子が記録されている。

Description

明細書

情報記録媒体、再生装置および再生方法

技術分野

[0001] 本発明は、 Blu— ray Disc (BD)—ROM等、 AVストリームデータを記録した情報記録媒体、その情報記録媒体を再生する再生装置及び再生方法に関する。

背景技術

[0002] 映像データを記録した情報記録媒体の代表格は、 DVD (以下、「Standard Difi nition (SD)—DVD」ともいう。）である。以下に従来の DVDについて説明する。

[0003] 図 1は、 SD— DVDの構造を示す図である。図 1の下段に示すように、 DVDデイスク上にはリードインからリードアウトまでの間に論理アドレス空間が設けられている。その論理アドレス空間には先頭力ファイルシステムのボリューム情報が記録され、続 V、て映像音声などのアプリケーションデータが記録されて、る。

[0004] ファイルシステムとは、 ISO9660や Universal Disc Format (UDF)等の規格により定められたデータを管理する仕組みのことであり、ディスク上のデータをディレクトリまたはファイルと呼ばれる単位で表現する仕組みである。

[0005] 日常使っているパーソナルコンピュータ（PC)の場合でも、 File Allocation Tabl es (FAT)または NT File System (NTFS)と呼ばれるファイルシステムにより、ディレクトリゃファイルという構造でノヽードディスクに記録されたデータがコンピュータ上で表現され、ユーザピリティを高めている。

[0006] SD— DVDの場合、 UDF及び ISO9660の両方のファイルシステムが使用されている。両方を合わせて「UDFブリッジ」とも呼ばれる。記録されているデータは UDFまたは ISO9660どちらのファイルシステムドライバによってもデータの読み出しができるようになっている。なお、ここで取り扱う DVDはパッケージメディア用の ROMデイスクであり、物理的に書き込みが不可能である。

[0007] DVD上に記録されたデータは、 UDFブリッジを通して、図 1左上に示すようなディレクトリまたはファイルとして見ることができる。ルートディレクトリ（図 1における「ROO T」）の直下に「VIDEO TS」と呼ばれるディレクトリが置かれ、ここに DVDのアプリケーシヨンデータが記録されている。アプリケーションデータは、複数のファイルとして記録され、主なファイルとして以下の種類のファイルがある。

VIDEO— TS. IFO ディスク再生制御情報ファイル

VTS— 01— 0. IFO ビデオタイトルセット # 1再生制御情報ファイル VTS 01 0. VOB ビデオタイトルセット # 1ストリームファイル上記例に示すように 2つの拡張子が規定されている。 riFOjは再生制御情報が記録されたファイルであることを示す拡張子であり、「VOB」は AVデータである MPEG ストリームが記録されたファイルであることを示す拡張子である。

[0009] 再生制御情報とは、 DVDで採用されたインタラクテイビティ (ユーザの操作に応じて再生を動的に変化させる技術)を実現するための情報や、メタデータのような、 AVデータに付属する情報などのことである。また、 DVDでは一般的に再生制御情報のことをナビゲーシヨン情報と呼ぶことがある。

[0010] 再生制御情報ファイルは、ディスク全体を管理する「VIDEO— TS. IFO」と、個々のビデオタイトルセット毎の再生制御情報である「VTS— 01— 0. IFO」がある。なお、 DVDでは複数のタイトル、言い換えれば複数の異なる映画や楽曲を 1枚のディスクに記録することが可能である。ここで、ファイル名ボディにある「01」はビデオタイトルセットの番号を示しており、例えば、ビデオタイトルセット # 2の場合は、「VTS— 02— 0. IFO」となる。

[0011] 図 1の右上部は、 DVDのアプリケーション層での DVDナビゲーシヨン空間であり、上述した再生制御情報が展開された論理構造空間である。「VIDEO— TS. IFOJ 内の情報は、 VIDEO Manager Information (VMGI)として、「VTS— 01— 0. I FO」または、他のビデオタイトルセット毎に存在する再生制御情報は Video Title Set Information (VTSI)として DVDナビゲーシヨン空間に展開される。

[0012] VTSIの中には Program Chain (PGC)と呼ばれる再生シーケンスの情報である Program Chain Information (PGCI)が記述されている。 PGCIは、 Cellの集合とコマンドと呼ばれる一種のプログラミング情報によって構成されている。 Cell自身は

VOB (Video Objectの略であり、 MPEGストリームを指す）の一部区間または全部区間を指定する情報であり、 Cellの再生は、当該 VOBの Cellによって指定された区間を再生することを意味して、る。

[0013] コマンドは、 DVDの仮想マシンによって処理されるものであり、例えば、ウェブべ一ジを表示するブラウザ上で実行される Java (登録商標)スクリプトなどに近、ものである。し力しながら Java (登録商標)スクリプトが論理演算の他にウィンドウやブラウザの制御（例えば、新しいブラウザのウィンドウを開くなど）を行うのに対して、 DVDのコマンドは、論理演算の他に AVタイトルの再生制御、例えば、再生するチヤプタの指定などを実行するだけのものである点で異なっている。

[0014] Cellはディスク上に記録されて、る VOBの開始及び終了アドレス (論理アドレス）をその内部情報として有しており、プレーヤは、 Cellに記述された VOBの開始及び終了アドレス情報を使ってデータの読み出し、再生を実行する。

[0015] 図 2は、 AVデータである MPEGストリーム中に埋め込まれているナビゲーシヨン情報を説明する概要図である。 SD— DVDの特長であるインタラクテイビティは上述した「VIDEO— TS. IFO」や「VTS— 01— 0. IFO」などに記録されているナビゲーション情報だけによつて実現されて、るのではなぐ幾つかの重要な情報はナビゲーション 'パック（ナビパックまたは、 NV_PCKという。）と呼ばれる専用キャリアを使い VO B内に映像、音声データと一緒に多重化されている。

[0016] ここでは簡単なインタラクテイビティの例としてメニュー画面について説明する。メ- ユー画面上には、幾つかのボタンが現れ、それぞれのボタンには当該ボタンが選択実行された時の処理が定義されている。また、メニュー画面上では一つのボタンが選択されており（ハイライトによって選択ボタン上に半透明色がオーバーレイされている )、ユーザは、リモコンの上下左右キーを使って、選択状態のボタンを上下左右の何れかのボタンに移動させることが出来る。

[0017] リモコンの上下左右キーを使って、選択実行したいボタンまでノヽイライトを移動させ

、決定する (決定キーを押す)ことによって対応するコマンドのプログラムが実行される

。一般的には対応するタイトルやチヤプタの再生がコマンドによって実行されている。

[0018] 図 2の左上部は NV—PCKに格納される情報の概要を示している。 NV— PCK内には、ノ、イライトカラー情報と個々のボタン情報などが含まれている。ノ、イライトカラー情報には、カラーパレット情報が記述され、オーバーレイ表示されるハイライトの半透明色が指定される。

[0019] ボタン情報には、個々のボタンの位置情報である矩形領域情報と、当該ボタンから他のボタンへの移動情報 (ユーザの上下左右キー操作それぞれに対応する移動先ボタンの指定）と、ボタンコマンド情報（当該ボタンが決定された時に実行されるコマンド）とが記述されている。

[0020] メニュー画面上のハイライトは、図 2の右上部に示すように、オーバーレイ画像として作られる。オーバーレイ画像は、ボタン情報の矩形領域情報にカラーパレット情報の色を付した物である。このオーバーレイ画像は右部に示す背景画像と合成されて画面上に表示される。

[0021] 上述のようにして、 DVDではメニュー画面を実現して!/、る。また、何故、ナビゲーシヨンデータの一部を NV—PCKを使ってストリーム中に埋め込んで!/、るのかにつ、ては、以下の理由からである。すなわち、ストリームと同期して動的にメニュー情報を更新、例えば、映画再生中の途中 5分〜 10分の間にだけメニュー画面を表示するといつた、同期タイミングが問題となりやすい処理を、問題なく実現できるようにするためである。

[0022] 図 3は、 DVDにおける VOBの構成を示す概要図である。図に示すように、映像、音声、字幕などのデータ（1の段）は、 MPEGシステム（ISOZIEC13818— 1)規格に基づいて、パケット及びパック化し（2の段）、それぞれを多重化して 1本の MPEG プログラムストリームにしている（3の段)。また、上述した通りインタラクティブを実現するためのボタンコマンドを含んだ NV—PCKも一緒に多重化をされている。

[0023] MPEGシステムの多重化の特徴として、多重化する個々のデータは、そのデコード順に基づくビット列になっているが、多重化されるデータ間、即ち、映像、音声、字幕の間は必ずしも再生順、言ヽ換えればデコード順に基づ！ヽてビット列が形成されて V、るわけではな、ことが挙げられる。

[0024] これは MPEGシステムストリームのデコーダモデル（4の段、一般に System Targ et Decoder,または STDと呼ばれる）が多重化を解ヽた後に個々のエレメンタリストリームに対応するデコーダバッファを持ち、デコードタイミングまでに一時的にデータを蓄積して、る事に由来して、る。

[0025] このデコーダバッファは、個々のエレメンタリストリーム毎にサイズが異なり、映像に対しては、 232kB、音声に対しては 4kB、字幕に対しては 52kBをそれぞれ有している。このため、各デコーダバッファへのデータ入力タイミングは個々のエレメンタリストリームで異なるため、 MPEGシステムストリームとしてビット列を形成する順番と表示（デコード)されるタイミングにずれが生じている。

[0026] 即ち、映像データと並んで多重化されている字幕データが必ずしも同一タイミングでデコードされて、るわけでは無、。

[0027] 上述のような DVDに関する技術は、以下の特許文献 1に記載されている。

特許文献 1：特許第 2813245号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0028] このように、 DVD等の情報記録媒体には、映像データまたは音声データの少なくとも一方が含まれるタイトルという単位で複数記録されている。また、それら複数のタイトルの再生順を制御するための情報である再生制御データが記録されて、る。情報記録媒体を再生するプレーヤは、再生制御データを処理することにより、再生するタイトルの順番を制御することができる。

[0029] ここで、次世代の情報記録媒体である BD— ROMは、高度で汎用的なプログラム言語により記述されたシナリオ制御記述データと関連付けられたタイトルの記録が予定されている。シナリオ制御記述データは、本発明の情報記録媒体および再生装置における再生制御データの一例である。

[0030] つまり、上述のような DVD互換のフォーマットのシナリオ制御記述データと関連付けられたタイトルだけでなぐ例えば、 XML (extensible Markup Language)とスタリブトとから構成されるフォーマットのシナリオ制御記述データと関連付けられたタイ卜ノレち記録されること〖こなる。

[0031] 従って、シナリオ制御記述データのフォーマットが異なるタイトルが混在する BD— R OMが流通することが考えられる。しかしながら、従来のプレーヤでは、このような BD ROMに対して適応的に再生等の処理をすることができない。 [0032] また、映像出力手段を設けないオーディオ専用プレーヤなどのように、一部機能が制限されたプレーヤなどでは、すべてのフォーマットそれぞれについての処理部を実装しないものも考えられる。これらのプレーヤでは、対応しないフォーマットのシナリオ制御記述データと関連付けられたタイトルの再生指示を受けた場合、何も再生されないことになる。

[0033] このような場合にお、ては、ユーザは、あるタイトルにつ!/、てプレーヤでなぜ何も再生されないのかが分力ず、プレーヤが故障したのではないか、操作を間違ったのではないかなど、ユーザに混乱を招くこととなる。更に、再生させようとする不要な操作をさせてしまうことも考えられる。

[0034] また、プレーヤは、非対応のフォーマットのシナリオ制御記述データに対する処理指示を受けることで、誤動作を引き起こしかねない。

[0035] 本発明は、上記課題を考慮し、再生制御データのフォーマットが異なるタイトルが混在する情報記録媒体であっても、情報記録媒体の再生に際しユーザおよび再生装置に不要な負担を掛けな、情報記録媒体、再生装置および再生方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0036] 上記目的を達成するために、本発明の情報記録媒体は、それぞれ映像データおよび音声データの少なくとも一方を含む複数のタイトルと、前記複数のタイトルそれぞれに関する情報が記録された管理情報と、前記複数のタイトルの再生順を制御するための、前記複数のタイトルのそれぞれと関連付けられた複数の再生制御データとが記録された情報記録媒体であって、前記複数の再生制御データのそれぞれは、複数のフォーマットのうちのいずれかのフォーマットで記述されており、関連付けられたタイトルが再生装置により再生される場合に処理されるデータであり、前記管理情報には、前記複数の再生制御データそれぞれのフォーマットを識別するための識別情報が記録されている。

[0037] この構成により、本発明の情報記録媒体は、情報記録媒体を再生する再生装置に、タイトルごとの再生制御データのフォーマットの識別情報を与えることができる。

[0038] 例えば、情報記録媒体の一例である BD— ROMにお、て、シナリオ制御記述データのフォーマットが複数存在する場合、タイトルごとに、関連付けられたシナリオ制御記述データのフォーマットの識別情報が記録される。これにより、 BD—ROMは、再生装置である BD— ROMプレーヤに、各シナリオ制御記述データを正しく識別させることができ、それぞれのフォーマットに応じた処理を行わせることが可能となる。

[0039] また、本発明の再生装置は、上記情報記録媒体を再生する再生装置であって、前記識別情報により前記再生制御データのフォーマットを識別する識別手段と、前記識別手段により識別されたフォーマットに応じて、前記再生制御データについての処理を行う制御データ処理手段と、前記再生制御データ処理手段による前記処理に応じたタイトルの再生を行う再生手段とを備える。

[0040] この構成により、本発明の再生装置は、異なるフォーマットの再生制御データが情報記録媒体に混在している場合であっても、再生対象のタイトルごとに、各タイトルに関連付けられた再生制御データのフォーマットを識別することができる。更に、そのフォーマットに応じた適切な処理を行うことができる。

[0041] さらに、本発明は、本発明の再生装置の特徴的な構成部をステップとする方法として実現したり、それらのステップを含むプログラムとして実現したり、そのプログラムが格納された、 CD— ROM等の記憶媒体として実現したり、集積回路として実現することもできる。プログラムは、通信ネットワーク等の伝送媒体を介して流通させることもできる。

発明の効果

[0042] 上述のように、本発明の再生装置で本発明の情報記録媒体を再生する場合、再生装置は、再生対象のタイトルを選択しシナリオ制御記述データを読み込む際、いずれのフォーマットで記述されたデータかを識別可能である。更に、識別したフォーマツトに従った適切な処理が可能である。つまり、シナリオ制御記述データのフォーマットが異なるタイトルが混在する情報記録媒体にお!、ても、情報記録媒体を再生するプレーャは確実に各フォーマットのシナリオ制御記述データに従って再生等の処理を実行することが可能となる。

[0043] これにより、ユーザに不要な心配や操作をさせることがない。また、プレーヤに対しても、各フォーマットに応じた適切な処理部にシナリオ制御記述データを処理させることができる。従って、非対応のフォーマットのシナリオ制御記述データを処理させようとすること〖こよる誤動作等を引き起こさせることがない。

[0044] このように、本発明は、再生制御データのフォーマットが異なるタイトルが混在する情報記録媒体であっても、情報記録媒体の再生に際しユーザおよび再生装置に不要な負担を掛けな!/、情報記録媒体、再生装置および再生方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

[0045] [図 1]図 1は、 SD— DVDの構造を示す図である。

[図 2]図 2は、 AVデータである MPEGストリーム中に埋め込まれているナビゲーシヨン情報を説明する概要図である。

[図 3]図 3は、 DVDにおける VOBの構成を示す概要図である。

[図 4]図 4は、 BD— ROMのデータ階層を示す図である。

[図 5]図 5は、 BD— ROMに記録されている論理データの構造を示す図である。

[図 6]図 6は、 BD— ROMを再生する BD— ROMプレーヤの基本的な構成の概要を示す図である。

[図 7]図 7は、図 6に示すプレーヤの構成を詳細化したブロック図である。

[図 8]図 8は、 BD— ROMのアプリケーション空間を示す図である。

[図 9]図 9は、 MPEGストリーム（VOB)の構成を示す図である。

[図 10]図 10は、 MPEGストリームにおけるパックの構成を示す図である。

[図 11]図 11は、 AVデータとプレーヤ構成との関係を説明するための図である。

[図 12]図 12は、トラックバッファを使った VOBデータ連続供給モデルを説明するための図である。

[図 13]図 13は、 VOB管理情報ファイルの内部構造を示す図である。

[図 14]図 14は、 VOBU情報の詳細を説明するための図である。

[図 15]図 15は、タイムマップを使ったアドレス情報取得方法を説明するための図である。

[図 16]図 16は、プレイリスト情報の構成を示す図である。

[図 17]図 17は、イベントハンドラテーブルの構成を示す図である。 [図 18]図 18は、 BD—ROM全体情報である BD. INFOの構成を示す図である。

[図 19]図 19は、グローバルイベントハンドラテーブルの構成を示す図である。

[図 20]図 20は、タイムイベントの例を示す図である。

[図 21]図 21は、ユーザのメニュー操作によるユーザイベントの例を示す図である。

[図 22]図 22は、グローバルイベントの例を示す図である。

[図 23]図 23は、プログラムプロセッサの機能的な構成を説明するための図である。

[図 24]図 24は、システムパラメータ（SPRM)の一覧を示す図である。

[図 25]図 25は、 2つの選択ボタンを持つメニュー画面の制御に係るイベントハンドラにおけるプログラムの例を示す図である。

[図 26]図 26は、メニュー選択のユーザイベントに係るイベントハンドラにおけるプログラムの例を示す図である。

[図 27]図 27は、 BD— ROMプレーヤにおける AVデータ再生の基本処理の流れを示すフローチャートである。

[図 28]図 28は、 BD— ROMプレーヤにおけるプレイリスト再生開始から VOB再生終了までの処理の流れを示すフローチャートである。

[図 29]図 29 (A)は、 BD— ROMプレーヤにおけるタイムイベントに係る処理の流れを示すフローチャートであり、図 29 (B)は、 BD— ROMプレーヤにおけるユーザィべントに係る処理の流れを示すフローチャートである。

[図 30]図 30は、 BD— ROMプレーヤにおける字幕データの処理の流れを示すフロ一チャートである。

[図 31]図 31は、 XHTMLおよびスクリプトを利用したシナリオ制御に関わるモジユール構成、制御の流れ、およびイベントなどの伝わり方の一例を示す図である。

[図 32]図 32は、 Index Tableと XHTMLファイルとの関係を説明する図である。

[図 33]図 33は、動的なシナリオ制御を可能とする XHTMLファイルとスクリプトフアイルの例を示す図である。

[図 34]図 34は、シナリオ制御記述データのフォーマットが異なるタイトルが 1つの BD ROMに混在する場合の" Index Table"を示す図である。

[図 35]図 35は、 Index Table内に定義された各タイトル情報の詳細を示す図である [図 36]図 36は、実施の形態 1の BD— ROMプレーヤにおける、フォーマット識別子を利用する機能構成を示す図である。

[図 37]図 37は、拡張されたプレーヤのシステムパラメータを示す図である。

[図 38]図 38は、プレーヤタイプに応じて再生タイトルを切り替える例を示す図である。

[図 39]図 39は、実施の形態 2におけるオーディオ専用プレーヤの機能的な構成を示す機能ブロック図である。

[図 40]図 40は、 FirstPlayタイトルが高機能シナリオデータと関連付けられている場合を説明するための図である。

[図 41]図 41は、 FirstPlayタイトルが高機能シナリオデータと関連付けられている場合の、実施の形態 2におけるオーディオ専用プレーヤの処理の流れを示すフローチヤートである。

[図 42]図 42は、実施の形態 2のオーディオ専用プレーヤにおけるユーザへの再生不可についての通知方法の例を示す模式図である。

[図 43]図 43は、再生の途中で高機能シナリオデータに関連付けられたタイトルが存在する場合の実施の形態 2における再生タイトルの遷移例を説明するための図である。

[図 44]図 44は、再生の途中で高機能シナリオデータに関連付けられたタイトルが存在する場合の実施の形態 2におけるオーディオ専用プレーヤの処理の流れを示すフローチャートである。符号の説明

1 BD— ROMプレーヤ

2 オーディオ専用プレーヤ

104 BD-ROM

202 光ピックアップ

203 プログラム記録メモリ

204 管理情報記録メモリ

205 AV記録メモリ 206 プログラム処理部

207 管理情報処理部

208 プレゼンテーション処理部

209 イメージプレーン

210 ビデ才プレーン

211 合成処理部

220 フォーマット識別部

221 制御データ処理部

221a XHTML + Script処理部

221b DVD互換処理部

222 通知部

222a 情報表示部

222b 音声出力部

302 プログラムプロセッサ

303 UOマネージャ

305 シナリオプロセッサ

306 プレゼンテーションコントローラ

307 クロック

308 イメージメモリ

309 トラックノッファ

310 デマノレチプレクサ

311 イメージプロセッサ

312 ビデオプロセッサ

313 サウンドプロセッサ

317 ドライブコントローラ

発明を実施するための最良の形態

以下、添付の図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態ついて説明する。 [0048] (実施の形態 1)

まず、 BD— ROMおよび BD— ROMを再生する BD— ROMプレーヤの基本的な構成および動作について、図 1〜図 30を用いて説明する。

[0049] (ディスク上の論理データ構造）

図 4は、 BD— ROMのデータ階層を示す図である。

[0050] 図 4に示すように、ディスク媒体である BD—ROM104上には、 AVデータ 103と、

AVデータに関する管理情報及び AV再生シーケンスなどの BD管理情報 102と、ィンタラタティブを実現する BD再生プログラム 101とが記録されている。

[0051] なお、各タイトルの実体データは、 AVデータ 103として存在し、各タイトルのシナリォ制御記述データ（以下、単に「シナリオ」ともいう。）は、 BD管理情報 102として存在する。

[0052] なお、本実施の形態では、映画などの AVコンテンツを再生するための AVアプリケーシヨンを主眼において BD— ROMの説明を行う力 BD— ROMを CD— ROMや DVD— ROMの様にコンピュータ用途の記録媒体として使用することも当然のことな力可能である。

[0053] 図 5は、上述の BD— ROM104に記録されている論理データの構造を示す図である。 BD— ROM104は、他の光ディスク、例えば DVDや CDなどと同様にその内周から外周に向けてらせん状に記録領域を持ち、内周のリードインと外周のリードアウトの間に論理データを記録できる論理アドレス空間を有している。また、リードインの内側には Burst Cutting Area (BCA)と呼ばれる、ドライブでしか読み出せない特別な領域がある。この領域はアプリケーション力も読み出せないため、例えば著作権保護技術などに利用されることがよくある。

[0054] 論理アドレス空間には、ファイルシステム情報 (ボリューム）を先頭に映像データなどのアプリケーションデータが記録されて、る。ファイルシステムとは従来技術で説明した通り、 UDFや ISO9660等の規格により定められたデータを管理する仕組みのことであり、通常の PCと同じように記録されている論理データをディレクトリ、ファイル構造を使って読み出しする事が可能になって、る。

[0055] 本実施の形態の場合、 BD—ROM104上のディレクトリ、ファイル構造は、ルートディレクトリ（ROOT)直下に BD VIDEOディレクトリが置かれている。このディレクトリは BD— ROMで扱う AVデータや管理情報などのデータ（図 4に示す BD再生プログラム 101、 BD管理情報 102、 AVデータ 103)が記録されているディレクトリである。

[0056] BDVIDEOディレクトリの下には、次の 7種類のファイルが記録されている。

[0057] BD. INFO (ファイル名固定）

「BD管理情報」の一つであり、 BD— ROM全体に関する情報を記録したファイルである。 BD— ROMプレーヤは最初にこのファイルを読み出す。

[0058] BD. PROG (ファイル名固定）

「BD再生プログラム」の一つであり、 BD— ROM全体に関わるプログラムを記録したファイルである。

[0059] XXX. PL (「XXX」は可変、拡張子「PL」は固定）

「BD管理情報」の一つであり、シナリオを記録するプレイリスト (Play List)情報を記録したファイルである。プレイリスト毎に 1つのファイルを持っている。

[0060] XXX. PROG (「XXX」は可変、拡張子「PROG」は固定）

「BD再生プログラム」の一つであり、上述したプレイリスト毎のプログラムを記録したファイルである。プレイリストとの対応はファイルボディ名（「XXX」がー致する）によつて識別される。

[0061] YYY. VOB (「YYY」は可変、拡張子「VOB」は固定）

「AVデータ」の一つであり、 VOB (従来例で説明した VOBと同じ)を記録したフアイルである。 1つの VOBは 1つのファイルに対応する。

[0062] YYY. VOBI (「YYY」は可変、拡張子「VOBI」は固定）

「BD管理情報」の一つであり、 AVデータである VOBに関わる管理情報を記録したファイルである。 VOBとの対応はファイルボディ名（「YYY」が一致する）によって識別される。

[0063] ZZZ. PNG (「ΖΖΖ」は可変、拡張子「PNG」は固定）

「AVデータ」の一つであり、字幕及びメニュー画面を構成するためのイメージデータである PNG (World Wide Web Consortium (W3C)によって標準化された画像フォーマットであり「ビング」と読む。）形式のイメージファイルである。 1つの PNGィメージは 1つのファイルに対応する。

[0064] (プレーヤの構成）

次に、上述の BD— ROM104を再生するプレーヤの構成につ!、て図 6及び図 7を用いて説明する。

[0065] 図 6は、 BD— ROM104を再生する BD— ROMプレーヤの基本的な構成の概要を示す図である。

[0066] 図 6に示す BD— ROMプレーヤにおいて、 BD—ROM104上のデータは、光ピックアップ 202を通して読み出される。読み出されたデータはそれぞれのデータの種類に応じて専用のメモリに記録される。 BD再生プログラム（「BD. PROG」または「XXX . PROG」ファイル）はプログラム記録メモリ 203に、 BD管理情報（「： BD. INFO」、「X XX. PL」または「YYY. VOBI」ファイル）は管理情報記録メモリ 204に、 AVデータ（「YYY. VOB」または「ZZZ. PNG」ファイル）は AV記録メモリ 205にそれぞれ記録される。

[0067] プログラム記録メモリ 203に記録された BD再生プログラムはプログラム処理部 206 によって処理される。管理情報記録メモリ 204に記録された BD管理情報は管理情報処理部 207によって処理される。また、 AV記録メモリ 205に記録された AVデータはプレゼンテーション処理部 208によって処理される。

[0068] プログラム処理部 206は、管理情報処理部 207から再生するプレイリストの情報やプログラムの実行タイミングなどのイベント情報を受け取りプログラムの処理を行う。また、プログラムで再生するプレイリストを動的に変更する事が可能であり、この場合は管理情報処理部 207に対して変更後のプレイリストの再生命令を送ることで実現する

[0069] プログラム処理部 206は、更に、ユーザからのイベント、例えば、ユーザが操作するリモコン力ものリクエストを受け付け、ユーザイベントに対応するプログラムがある場合は、実行処理する。

[0070] 管理情報処理部 207は、プログラム処理部 206の指示を受け、その指示に対応するプレイリスト及びそのプレイリストに対応した VOBの管理情報を解析する。更に、プレゼンテーシヨン処理部 208に再生の対象となる AVデータの再生を指示する。 [0071] また、管理情報処理部 207は、プレゼンテーション処理部 208から基準時刻情報を受け取り、時刻情報に基づいてプレゼンテーション処理部 208に AVデータ再生の停止指示を行う。更に、プログラム処理部 206に対してプログラム実行タイミングを示すイベントを生成する。

[0072] プレゼンテーション処理部 208は、映像、音声、および字幕それぞれのデータに対応するデコーダを持ち、管理情報処理部 207からの指示に従い、 AVデータのデコード及び出力を行う。映像データ及び字幕データは、デコード後にそれぞれの専用プレーンに描画される。具体的には、映像データはビデオプレーン 210に描画され、字幕データ等のイメージデータはイメージプレーン 209に描画される。更に、 2つのプレーンに描画された映像の合成処理が合成処理部 211によって行われ TVなどの表示デバイスへ出力される。

[0073] 図 6で示すように、 BD— ROMプレーヤは図 4で示した BD— ROM104に記録されて、るデータ構成に基づ!/、た構成をとつて、る。

[0074] 図 7は、図 6に示すプレーヤの構成を詳細化したブロック図である。図 6に示す各構成部と、図 7に示す各構成部との対応は以下の通りである。

[0075] AV記録メモリ 205はイメージメモリ 308とトラックバッファ 309に対応する。プログラム処理部 206はプログラムプロセッサ 302と UO (User Operation)マネージャ 303 に対応する。管理情報処理部 207はシナリオプロセッサ 305とプレゼンテーションコントローラ 306とに対応する。プレゼンテーション処理部 208はクロック 307、デマルチプレクサ 310、イメージプロセッサ 311、ビデオプロセッサ 312とサウンドプロセッサ 313とに対応する。

[0076] BD—ROM104から読み出された VOBデータ（MPEGストリーム）はトラックバッファ 309に、イメージデータ（PNG)はイメージメモリ 308にそれぞれ記録される。

[0077] デマルチプレクサ 310は、クロック 307から得られる時刻に基づき、トラックバッファ 3 09に記録された VOBデータを抜き出す。更に、 VOBデータに含まれる映像データをビデオプロセッサ 312に音声データをサウンドプロセッサ 313にそれぞれ送り込む

[0078] ビデオプロセッサ 312及びサウンドプロセッサ 313はそれぞれ MPEGシステム規格で定められる通りに、デコーダバッファとデコーダ力もそれぞれ構成されている。即ち

、デマルチプレクサ 310から送りこまれる映像、音声それぞれのデータは、それぞれのデコーダバッファに一時的に記録され、クロック 307に従い個々のデコーダでデコード処理される。

[0079] イメージメモリ 308に記録された PNGデータは、次の 2つの処理方法がある。 PNG データが字幕用の場合は、プレゼンテーションコントローラ 306によってデコードタイミングが指示される。クロック 307からの時刻情報をシナリオプロセッサ 305がー且受け、適切な字幕表示が行えるように、字幕表示時刻（開始及び終了）になればプレゼンテーシヨンコントローラ 306に対して字幕の表示、非表示の指示を出す。プレゼンテーシヨンコントローラ 306からデコード/表示の指示を受けたイメージプロセッサ 31 1は対応する PNGデータをイメージメモリ 308から抜き出し、デコードし、イメージプレーン 209に描画する。

[0080] また、 PNGデータカ -ユー画面用の場合は、プログラムプロセッサ 302によってデコードタイミングが指示される。プログラムプロセッサ 302が!、つイメージのデコードを指示するかは、プログラムプロセッサ 302が処理している BDプログラムに因るものであって一概には決まらな!/ヽ。

[0081] イメージデータ及び映像データは、図 6で説明したようにそれぞれデコード後にィメージプレーン 209およびビデオプレーン 210に描画され、合成処理部 211によって合成出力される。

[0082] BD—ROM104から読み出された管理情報 (シナリオ、 AV管理情報）は、管理情報記録メモリ 204に記録される力シナリオ情報（「BD. INFO」及び「XXX. PL」）はシナリオプロセッサ 305によって読み出され処理される。また、 AV管理情報（「YYY . VOBI」）はプレゼンテーションコントローラ 306によって読み出され処理される。

[0083] シナリオプロセッサ 305は、プレイリストの情報を解析し、プレイリストによって参照されている VOBとその再生位置をプレゼンテーションコントローラ 306に指示し、プレゼンテーシヨンコントローラ 306は対象となる VOBの管理情報（「YYY. VOBI」）を解祈して、対象となる VOBを読み出すようにドライブコントローラ 317に指示を出す。

[0084] ドライブコントローラ 317はプレゼンテーションコントローラ 306の指示に従い、光ピックアップを移動させ、対象となる AVデータの読み出しを行う。読み出された AVデータは、上述したようにイメージメモリ 308またはトラックバッファ 309に記録される。

[0085] また、シナリオプロセッサ 305は、クロック 307の時刻を監視し、管理情報で設定されているタイミングでイベントをプログラムプロセッサ 302に投げる。

[0086] プログラム記録メモリ 203に記録された BDプログラム（「BD. PROG」または「XXX . PROG」）は、プログラムプロセッサ 302によって実行処理される。プログラムプロセッサ 302が BDプログラムを処理するのは、シナリオプロセッサ 305からイベントが送られてきた場合か、 UOマネージャ 303からイベントが送られてきた場合である。

[0087] UOマネージャ 303は、ユーザからリモコンキーによってリクエストが送られてきた場合に、当該リクエストに対応するイベントを生成しプログラムプロセッサ 302に送る。

[0088] このような各構成部の動作により、 BD— ROMの再生がおこなわれる。

[0089] (アプリケーション空間）

図 8は、 BD— ROMのアプリケーション空間を示す図である。

[0090] BD— ROMのアプリケーション空間では、プレイリスト（PlayList)がーつの再生単位になって!/、る。プレイリストはセル（Cell)の再生シーケンス力も構成される静的なシナリオと、プログラムによって記述される動的なシナリオとを有している。プログラムによる動的なシナリオが無い限り、プレイリストは個々のセルを順に再生するだけであり、また、全てのセルの再生を終了した時点でプレイリストの再生は終了する。

[0091] 一方で、プログラムは、プレイリストを超えての再生記述や、ユーザの選択またはプレーャの状態に応じて再生する対象を動的に変えることが可能である。典型的な例としてはメニュー画面を介した再生対象の動的変更が挙げられる。 BD— ROMの場合、メニューとはユーザの選択によって再生するシナリオ、即ちプレイリストを動的に選択するための機能の構成要素の 1つである。

[0092] また、ここで言うプログラムは、時間イベントまたはユーザイベントによって実行されるイベントハンドラの事である。

[0093] 時間イベントは、プレイリスト中に埋め込まれた時刻情報に基づいて生成されるィべントである。図 7で説明したシナリオプロセッサ 305からプログラムプロセッサ 302に送られるイベントがこれに相当する。時間イベントが発行されると、プログラムプロセッサ 302は IDによって対応付けられるイベントハンドラを実行処理する。上述した通り、実行されるプログラムが他のプレイリストの再生を指示することが可能であり、この場合には、現在再生されているプレイリストの再生は中止され、指定されたプレイリストの再生へと遷移する。

[0094] ユーザイベントは、ユーザのリモコンキー操作によって生成されるイベントである。ュ一ザイベントは大きく 2つのタイプに分けられる。一つ目は、リモコンが備えるカーソルキー（「上」「下」「左」「右」キー）または「決定」キーの操作によって生成されるメニュー選択のイベントである。

[0095] メニュー選択のイベントに対応するイベントハンドラはプレイリスト内の限られた期間でのみ有効である。つまり、プレイリストの情報として、個々のイベントハンドラの有効期間が設定されている。プログラムプロセッサ 302は、リモコンの「上」「下」「左」「右」キーまたは「決定」キーが押された時に有効なイベントハンドラを検索して、有効なィベントハンドラがある場合は当該イベントハンドラが実行処理される。他の場合は、メニュー選択のイベントは無視されることになる。

[0096] 二つ目のユーザイベントは、「メニュー」キーの操作によって生成されるメニュー画面呼び出しのイベントである。メニュー画面呼び出しのイベントが生成されると、グロ一バルイベントハンドラが呼ばれる。グローバルイベントハンドラはプレイリストに依存せず、常に有効なイベントハンドラである。この機能を使うことにより、 DVDのメニューコールを実装することができる。メニューコールを実装することにより、タイトル再生中に音声、字幕メニューなどを呼び出し、音声または字幕を変更後に中断した地点力のタイトル再生を実行することができる。

[0097] プレイリストで静的シナリオを構成する単位であるセル（Cell)は VOB (MPEGストリーム）の全部または一部の再生区間を参照したものである。セルは VOB内の再生区間を開始、終了時刻の情報として持っている。個々の VOBと一対になっている VOB 管理情報 (VOBI)は、その内部にタイムマップ (Time Mapまたは TM)を有しており、このタイムマップによって上述した VOBの再生、終了時刻を VOB内（即ち対象となるファイル「YYY. VOBJ内）での読み出し開始アドレス及び終了アドレスを導き出すことが可能である。なおタイムマップの詳細は図 14を用いて後述する。 [0098] (VOBの詳細）

図 9は、本実施の形態で使用する MPEGストリーム (VOB)の構成を示す図である。図 9に示すように、 VOBは複数の Video Object Unit (VOBU)によって構成されている。 VOBUは、 MPEGビデオストリームにおける Group Of Pictures (GOP )を基準とする単位であり、音声データも含んだ多重化ストリームとしての一再生単位である。

[0099] VOBUは 0. 4秒から 1. 0秒の再生時間を持ち、通常は 0. 5秒の再生時間を持つている。これは MPEGの GOPの構造が通常は 15フレーム Z秒（NTSCの場合）であることによって導力れるものである。

[0100] VOBUは、その内部に映像データであるビデオパック（V— PCK)と、音声データであるオーディオパック (A— PCK)とを有している。各パックは 1セクタで構成され、本実施の形態の場合は 2kB単位で構成されて、る。

[0101] 図 10は、 MPEGストリームにおけるパックの構成を示す図である。

[0102] 図 10に示すように、映像データ及び音声データといったエレメンタリデータは、ペイロードと呼ばれるパケットのデータ格納領域に先頭力順次入れられて、く。ペイ口一ドにはパケットヘッダが付けられ 1つのパケットを構成する。

[0103] パケットヘッダには、ペイロードに格納してあるデータがどのストリームのデータであるのかを示す情報、映像データであるのか音声データであるのかを示す情報、また、映像データまたは音声データがそれぞれ複数ストリームある場合は、どのストリームのデータなのかを識別するための ID (stream— id)、および、当該ペイロードのデコード及び表示時刻情報であるタイムスタンプである Decode Time Stamp (DTS)及び Presentation Time Stamp (PTS)が記録されている。

[0104] DTSおよび PTSは必ずしも全てのパケットヘッダに記録されている訳ではなぐ M PEGによって記録するルールが規定されている。ルールの詳細については MPEG システム（ISOZIEC13818— 1)規格書に記述されているので省略する。

[0105] パケットには更にヘッダ (パックヘッダ）が付けられ、パックを構成する。パックヘッダには、当該パックがいつデマルチプレクサを通過し、個々のエレメンタリストリームのデコーダバッファに入力されるかを示すタイムスタンプである Svstem Clock Refer ence (SCR)が記録されて!、る。

[0106] (VOBのインターリーブ記録）

図 11及び図 12を用いて VOBファイルのインターリーブ記録につ!、て説明する。

[0107] 図 11は、 AVデータと BD— ROMプレーヤの構成との関係を説明するための図である。

[0108] 図 11上段の図は、図 7を用いて上述したプレーヤ構成図の一部である。図の通り、 BD— ROM上のデータは、光ピックアップを通して VOB即ち MPEGストリームであればトラックバッファ 309へ入力され、 PNG即ちイメージデータであればイメージメモリ 308へと入力される。

[0109] トラックバッファ 309は First— In First— Out (FIFO)であり、入力された VOBのデータは入力された順にデマルチプレクサ 310へと送られる。この時、上述した SCR に従って個々のパックはトラックバッファ 309から引き抜かれデマルチプレクサ 310を介してビデオプロセッサ 312またはサウンドプロセッサ 313へとデータが送り届けられる。

[0110] 一方で、イメージデータの場合は、どのイメージを描画するかはプレゼンテーションコントローラ 306 (図 7参照）によって指示される。また、描画に使ったイメージデータは、字幕用イメージデータの場合は同時にイメージメモリ 308から削除される力メ- ユー用のイメージデータの場合は、イメージメモリ内にそのまま残される。これはメ-ュ一の描画はユーザ操作に依存するところがあるため、同一イメージを複数回描画する可能 ¾があるためである。

[0111] 図 11下段の図は、 BD— ROM上での VOBファイル及び PNGファイルのインターリーブ記録を示す図である。

[0112] 一般的に ROM、例えば CD— ROMや DVD— ROMの場合、一連の連続再生単位となる AVデータは連続記録されている。連続記録されている限り、ドライブは順次データを読み出しプレーヤ側に送り届けるだけで良い。しかしながら、連続再生すベき AVデータが分断されてディスク上に離散配置されている場合は、個々の連続区間の間でシーク操作が入ることになり、この間データの読み出しが止まることになる。つまり、データの供給が止まる可能性がある。 [0113] BD— ROMの場合も同様に、 VOBファイルは連続領域に記録することができる方が望ましいが、例えば字幕データのように VOBに記録されている映像データと同期して再生されるデータがあり、 VOBファイルと同様に字幕データも何らかの方法によつて BD— ROM力も読み出す事が必要になる。

[0114] 字幕データの読み出し方法の一手段として、 VOBの再生開始前に一まとめで字幕用のイメージデータ（PNGファイル）を読み出してしまう方法がある。しかしながら、この場合には一時記録に使用する大量のメモリが必要となり、現実的ではない。

[0115] そこで、本実施の形態では、 VOBファイルを幾つかのブロックに分けて、 VOBファィルとイメージデータとをインターリーブ記録する方式を使用する。

[0116] 図 11下段はそのインターリーブ記録を説明するための図である。 VOBファイルとィメージデータを適切にインターリーブ配置することで、上述したような大量の一時記録メモリ無しに、必要なタイミングでイメージデータをイメージメモリに格納することが可能になる。し力しながらイメージデータを読み出している際には、 VOBデータの読み込みは当然のことながら停止することになる。

[0117] 図 12は、上記のインターリーブ記録における問題を解決するトラックバッファ 309を使った VOBデータ連続供給モデルを説明するための図である。

[0118] 既に説明したように、 VOBのデータは、ー且トラックバッファ 309に蓄積される。トラックバッファ 309へのデータ入力レートをトラックバッファ 309からのデータ出力レートより高く設定すると、 BD— ROM力データを読み出し続けている限り、トラックバッファ 309のデータ蓄積量は増加をして、くことになる。

[0119] ここでトラックバッファ 309への入力レートを Va、トラックバッファからの出力レートを Vbとする。図 12の上段の図に示すように VOBの一連続記録領域が論理アドレスの" al"から" a2"まで続くとする。また、 "a2"から" a3"の間は、イメージデータが記録されていて、 VOBデータの読み出しが行えない区間であるとする。

[0120] 図 12の下段の図は、トラックバッファ 309の蓄積量を示す図である。横軸が時間、縦軸がトラックバッファ 309内部に蓄積されているデータ量を示している。時刻" tl" が VOBの一連続記録領域の開始点である" al"の読み出しを開始した時刻を示している。 [0121] この時刻以降、トラックバッファ 309にはレート Va—Vbでデータが蓄積されていくことになる。このレートは言うまでもなくトラックバッファの入出力レートの差である。時刻 "t2"は一連続記録領域の終了点である" a2"のデータを読み込む時刻である。即ち時刻" tl"から" t2"の間レート Va—Vbでトラックバッファ内はデータ量が増加していき、時刻" t2"でのデータ蓄積量は B (t2)は下記の（式 1)によって求めることができる

[0122] B (t2) = (Va-Vb) X (t2~tl) (式 1)

この後、 BD— ROM上のアドレス" a3"まではイメージデータが続くため、トラックバッファへの入力は 0となり、出力レートである" Vb"でトラックバッファ内のデータ量は減少していくことになる。このデータ量の減少は読み出し位置" a3"まで、つまり、時刻でいう" t3"まで続く。

[0123] ここで大事なことは、時刻" t3"より前にトラックバッファに蓄積されているデータ量が 0になると、デコーダへ供給する VOBのデータが無くなってしまい、 VOBの再生がストップしてしまうことである。し力しながら、時刻" t3"でトラックバッファにデータが残つて、る場合には、 VOBの再生がストップすることなく連続して行われることを意味している。

[0124] この VOBの再生がストップすることなく連続して行われるための条件は下記の（式 2 )によって示すことができる。

[0125] B (t2) ≥ Vb X (t3— 12) (式 2)

即ち、（式 2)を満たすようにイメージデータの配置を決めればよい事になる。

[0126] (ナビゲーシヨンデータ構造）

図 13力ら図 19を用いて、 BD— ROMに記録されたナビゲーシヨンデータ（BD管理情報)の構造について説明をする。

[0127] 図 13は、 VOB管理情報ファイル（"YYY. VOBI")の内部構造を示す図である。

[0128] VOB管理情報は、当該 VOBのストリーム属性情報 (Attribute)とタイムマップ (T MAP)とを有している。ストリーム属性情報は、ビデオ属性 (Video)、オーディオ属性 (Audio # 0〜Audio # m)個々に持つ構成となっている。特にオーディオストリームの場合は、 VOBが複数本のオーディオストリームを同時に持つことができることから、オーディオストリーム数 (Number)によって、オーディオ属性のデータフィールドの数が特定される。

[0129] 下記はビデオ属性 (Video)の持つフィールドとそれぞれが持ち得る値の例である。

[0130] 圧縮方式（Coding)：

MPEG1

MPEG2

MPEG4

解像度（Resolution)：

1920x1080

1280x720

720x480

720x565

アスペクト it (Aspect)：

4 : 3

16 : 9

フレームレ¹ ~~ト (Framerate)：

60

59. 94

50

30

29. 97

25

24

下記はオーディオ属性 (Audio)の持つフィールドとそれぞれが持ち得る値の例でめる。

[0131] 圧縮方式（Coding)：

AC 3

MPEG1 MPEG2

LPCM

チャンネル数（Ch)：

1〜8

m 属性 (Language)：

JPN、 ENG、 · · ·

タイムマップ (TMAP)は VOBU毎の情報を持つテーブルであって、当該 VOBが有する VOBU数（Number)と各 VOBU情報（VOBU # l〜VOBU # n)を持つ。

[0132] 個々の VOBU情報は、 VOBUの再生時間長（Duration)と VOBUのデータサイズ（Size)とを有している。

[0133] 図 14は、 VOBU情報の詳細を説明するための図である。

[0134] 広く知られているように、 MPEGストリームは時間的側面とデータサイズとしての側面との 2つの物理量についての側面を有している。例えば、音声の圧縮規格である A udio Code number 3 (AC3)は固定ビットレートでの圧縮を行っているため、時間とアドレスとの関係は 1次式によって求めることができる。

[0135] しかしながら MPEGビデオデータの場合、個々のフレームは固定の表示時間、例えば NTSCの場合、 1フレームは 1Z29. 97秒の表示時間を持つが、個々のフレームの圧縮後のデータサイズは絵の特性や圧縮に使ったピクチャタイプ、、わゆる IZ PZBピクチャによってデータサイズは大きく変わってくる。従って、 MPEGビデオの場合は、時間とアドレスとの関係は一般式の形で表現することは不可能である。

[0136] 当然の事として、 MPEGビデオデータを多重化している MPEGストリーム、即ち VO Bについても、時間とデータとを一般式の形で表現することは不可能である。これに代わって、 VOB内での時間とアドレスとの関係を結びつけるのがタイムマップ (TMA P)である。図 14に示すように、 VOBU毎に VOBU内のフレーム数と、 VOBU内のパック数とをそれぞれエントリとして持つテーブルがタイムマップ (TMAP)である。

[0137] 図 15を使って、タイムマップ (TMAP)の使い方を説明する。

[0138] 図 15は、タイムマップを使ったアドレス情報取得方法を説明するための図である。

[0139] 図 15に示すように時刻情報 (Time)が与えられた場合、まずは当該時刻がどの VO BUに属するのかを検索する。具体的には、タイムマップの VOBU毎のフレーム数を加算して行き、フレーム数の和が、当該時刻をフレーム数に換算した値を超えるまたは一致する VOBUが当該時刻に対応する VOBUになる。

[0140] 次に、タイムマップの VOBU毎のサイズを当該 VOBUの直前の VOBUまで力卩算して行き、その値が与えられた時刻を含むフレームを再生するために読み出すべきパックの先頭アドレス（Address)になっている。

[0141] このようにして、 MPEGストリームにおいて、与えられた時刻情報に対応するァドレスを得ることができる。

[0142] 次に図 16を使って、プレイリスト情報（"XXX. PL")の内部構造を説明する。

[0143] 図 16は、プレイリスト情報の構成を示す図である。

[0144] プレイリスト情報は、セルリスト（CellList)とイベントリスト（EventList)とから構成されている。

[0145] セルリスト（CellList)は、プレイリスト内の再生セルシーケンスを示す情報であり、本リストの記述順でセルが再生される事になる。

[0146] セルリスト（CellList)の中身は、セルの数（Number)と各セル情報（Cell # l〜Cel l # n)である。

[0147] 各セル情報（Cell #〜Cell # n)は、 VOBファイル名 (VOBName)、当該 VOB内での有効区間開始時刻（In)及び有効区間終了時刻 (Out)と、字幕テーブル (Subt itleTable)を持っている。

[0148] 有効区間開始時刻 (In)及び有効区間終了時刻 (Out)は、それぞれ当該 VOB内でのフレーム番号で表現され、上述したタイムマップ (TMAP)を使うことによって再生に必要な VOBデータのアドレスを得る事ができる。

[0149] 字幕テーブル (SubtitleTable)は、当該 VOBと同期再生される字幕情報を持つテ一ブルである。字幕は音声同様に複数の言語を持つことができ、字幕テーブル (Sub titleTable)は言語数 (Number)とそれに続く個々の言語ごとのテーブル (Langua ge # 1〜： Language # k)とから構成されて、る。

[0150] 各言語のテーブル (Language # 1〜： Language # k)は、言語情報（Language)と

、表示される字幕の字幕情報数 (Number)と、表示される字幕の字幕情報 (Speech # l〜Speech #j)とから構成され、各字幕情報（Speech# l〜Speech #j)は対応するイメージデータファイル名（Name)、字幕表示開始時刻（In)及び字幕表示終了時刻 (Out)と、字幕の表示位置 (Position)とから構成されて、る。

[0151] イベントリスト (EventList)は、当該プレイリスト内で発生するイベントを定義したテ一ブルである。イベントリストは、イベント数（Number)に続いて個々のイベント（Eve nt # l〜Event # m)とから構成され、各イベント（Event # l〜Event # m)は、ィべントの種類 (Type)、イベントの ID (ID)、イベント生成時刻（Time)と有効期間（Dura tion)とから構成されて、る。

[0152] 図 17は、個々のプレイリスト毎のイベントハンドラ（時間イベントと、メニュー選択用のユーザイベント）を持つイベントハンドラテーブル ("XXX. PROG")の構成を示す図である。

[0153] イベントハンドラテーブルは、定義されているイベントハンドラ Zプログラム数 (Num ber)と個々のイベントハンドラ Zプログラム（Program # l〜Program # n)を有している。各イベントハンドラ Zプログラム（Program # l〜Program # n)内の記述は、ィベントハンドラ開始の定義（く event— handler >タグ）と上述したイベントの IDと対になるイベントハンドラの ID (event— handler id)を持ち、その後に当該プログラムが "function"に続く括弧" { "ど ' } "との間に記述される。

[0154] 次に図 18を用いて BD— ROM全体に関する情報（"BD. INFO")の内部構造について説明をする。

[0155] 図 18は、 BD— ROM全体情報である BD. INFOの構成を示す図である。

[0156] BD— ROM全体情報は、タイトルリスト（TitleList)とグローバルイベント用のィベントリスト（EventList)とから構成されてヽる。

[0157] タイトルリスト（TitleList)は、ディスク内のタイトル数（Number)と、これに続く各タィトル情報 (Title # l〜Title # n)と力ら構成されて、る。

[0158] 各タイトル情報（Titlel〜Title # n)は、タイトルに含まれるプレイリストのテーブル (

PLTalble)とタイトル内のチヤプタリスト（ChapterList)とを含んで!/、る。プレイリストのテーブル（PLTable)はタイトル内のプレイリストの数（Number)と、プレイリスト名（

Name)即ちプレイリストのファイル名を有して!/、る。 [0159] チヤプタリスト（ChapterList)は、当該タイトルに含まれるチヤプタ数（Number)と各チヤプタ情報（Chapter # l〜Chapter # n)と力構成され、各チヤプタ情報（Ch apter # l〜Chapter # n)は当該チヤプタが含むセルのテーブル (CellTable)を持ち、セルのテーブル (CellTable)はセル数（Number)と各セルのエントリ情報（Cell Entry # l〜CellEntry # k)とから構成されて、る。セルのエントリ情報（CellEntry # l〜CellEntry # k)は当該セルを含むプレイリスト名と、プレイリスト内でのセル番号によって記述されている。

[0160] イベントリスト（EventList)は、グローバルイベントの数（Number)と各グローバルイベントの情報（Event # l〜Event # m)とを持っている。ここで注意すべきは、最初に定義されるグローバルイベントは、ファーストイベント（FirstEvent)と呼ばれ、 BD ROMがプレーヤに挿入された時、最初に実行されるイベントである。各グローバルイベントの情報（Event # l〜Event # m)はイベントタイプ（Type)とイベントの ID (ID)だけを持っている。

[0161] 図 19は、グローバルイベントハンドラテーブル（"BD. PROG")の構成を示す図である。本テーブルは、図 17で説明したイベントハンドラテーブルと同一内容であり、その説明は省略する。

[0162] (イベント発生のメカニズム）

図 20から図 22を使ってイベント発生のメカニズムについて説明する。

[0163] 図 20は、タイムイベントの例を示す図である。

[0164] 上述したとおり、タイムイベントはプレイリスト情報（"XXX. PL")のイベントリスト（Ev entList)で定義される。

[0165] タイムイベントとして定義されて、るイベント、即ちイベントタイプ (Type)力 S"TimeE vent"の場合、イベント生成時刻（"tl")になった時点で、 ID"Exl"を持つタイムィべントがシナリオプロセッサ 305からプログラムプロセッサ 302に対して出力される。プログラムプロセッサ 302は、イベント ID"Exl"を持つイベントハンドラを探し、対象のィベントハンドラを実行処理する。例えば、本実施の形態の場合では、 2つのボタンィメージの描画を行うことなどが可能である。

[0166] 図 21は、ユーザのメニュー操作によるユーザイベントの例を示す図である。 [0167] 上述したとおり、メニュー操作によるユーザイベントもプレイリスト情報（"XXX. PL") のイベントリスト（EventList)で定義される。

[0168] ユーザイベントとして定義されるイベント、即ちイベントタイプ（Type)力 ' UserEven t"の場合、イベント生成時刻 ("tl")になった時点で、当該ユーザイベントがレディとなる。この時、イベント自身は未だ生成されてはいない。当該イベントは、有効規格情報 (Duration)で記される期間（"T1")レディ状態にある。

[0169] 図 21に示すように、ユーザによりリモコンキーの「上」「下」「左」「右」キーの、ずれかのキー、または「決定」キーが押された場合、まず UOイベントが UOマネージャ 303 によって生成されプログラムプロセッサ 302に出力される。プログラムプロセッサ 302 は、シナリオプロセッサ 305に対して UOイベントを流し、シナリオプロセッサ 305は U Oイベントを受け取った時刻に有効なユーザイベントが存在するかを検索する。

[0170] シナリオプロセッサ 305は、検索の結果、対象となるユーザイベントがあった場合、ユーザイベントを生成し、プログラムプロセッサ 302に出力する。プログラムプロセッサ 302では、イベント ID、例えば、図 21に示す例の場合では" Evl"を持つイベントハンドラを探し、対象のイベントハンドラを実行処理する。本例の場合、プレイリスト # 2の再生を開始する。

[0171] 生成されるユーザイベントには、どのリモコンキーがユーザによって押されたかの情報は含まれていない。選択されたリモコンキーの情報は、 UOイベントによってプログラムプロセッサ 302に伝えられ、仮想プレーヤが持つレジスタに記録保持される。ィベントハンドラのプログラムは、このレジスタの値を調べ、分岐処理を実行することが可能である。

[0172] 図 22は、グローバルイベントの例を示す図である。

[0173] 上述のように、グローバルイベントは BD— ROM全体情報（"BD. INFO")のィべントリスト（EventList)で定義される。

[0174] グローバルイベントとして定義されるイベント、即ちイベントタイプ (Type)が" Global

Event"であるイベントは、ユーザのリモコンキー操作があった場合にのみ生成される

[0175] ユーザによりメニューキーが押された場合、先ず UOイベントが UOマネージャ 303 によって生成されプログラムプロセッサ 302に出力される。プログラムプロセッサ 302 は、シナリオプロセッサ 305に対して UOイベントを流す。シナリオプロセッサ 305は、該当するグローバルイベントを生成し、プログラムプロセッサ 302に送る。プログラムプロセッサ 302は、イベント ID"menu，，を持つイベントハンドラを探し、対象のイベントハンドラを実行する。例えば、図 22に示す例の場合、プレイリスト # 3の再生を開始している。

[0176] 本実施の形態では、単にメニューキーと呼んでいる力 DVDを再生するプレーヤにおけるリモコンのように複数のメニューキーがあってもよい。各メニューキーに対応する IDをそれぞれ定義することで各メニューキーに対応する適切な処理が可能である。

[0177] (仮想プレーヤマシン）

図 23は、プログラムプロセッサの機能的な構成を説明するための図である。

[0178] 図 23を用いてプログラムプロセッサ 302の機能的な構成を説明する。

[0179] プログラムプロセッサ 302は、内部に仮想プレーヤマシンを持つ処理モジュールである。仮想プレーヤマシンは BD— ROMとして定義された機能モデルであって、各 B D— ROMプレーヤの実装には依存しないものである。即ち、どの BD— ROMプレーャにお、ても同様の機能を実行できることを保証して！/、る。

[0180] 仮想プレーヤマシンは大きく 2つの機能を持っている。プログラミング関数とプレーャ変数 (レジスタ）である。

[0181] プログラミング関数は、 Java (登録商標） Scriptをベースとして、以下に記す 3つの機能を BD— ROM固有関数として定義している。

[0182] リンク関数:現在の再生を停止し、指定するプレイリスト、セル、時刻からの再生を開始する

Link (PL # , Cell # , time)

PL # ：プレイリスト名

Cell # ：セル番号

time ：セル内での再生開始時刻

PNG描画関数：指定 PNGデータをイメージプレーンに描画する Draw (File, X, Y)

File ： PNGファイル名

X ： X座標位置

Y ： Y座標位置

イメージプレーンクリア関数:イメージプレーンの指定領域をクリアする Clear (X, Y, W, H)

X ： X座標位置

Y ： Y座標位置

W ： X方向幅

H ： Y方向幅

また、プレーヤ変数は、プレーヤの状態を示すシステムパラメータ（SPRM)と、一般用途として使用可能なゼネラルパラメータ（GPRM)とがある。

[0183] 図 24は、システムパラメータ（SPRM)の一覧を示す図である。

[0184] SPRM (0) ：言語コード

SPRM (l) ：音声ストリーム番号

SPRM (2) ：字幕ストリーム番号

SPRM (3) ：アングル番号

SPRM (4) ：タイトル番号

SPRM (5) ：チヤプタ番号

SPRM (6) ：プログラム番号

SPRM (7) ：セル番号

SPRM (8) ：選択キー情報

SPRM (9) ：ナビゲーシヨンタイマー

SPRM (10) ：再生時刻情報

SPRM (11) ：カラオケ用ミキシングモード

SPRM (12) ：パレンタル用国情報

SPRM (13) ：ノレンタノレレべノレ

SPRM (14) ：プレーヤ設定値 (ビデオ） SPRM(15) ：プレーヤ設定値 (オーディオ）

SPRM(16) ：音声ストリ -ム用語コード

SPRM(17) ：音声ストリ -ム用言語コード (拡張)

SPRM(18) ：字幕ストリ -ム用語コード

SPRM(19) ：字幕ストリ -ム用言語コード (拡張)

SPRM(20) ：プレーヤリ一ジョンコード

SPRM(21) ：予備

SPRM(22) ：予備

SPRM(23) ：再生状態

SPRM(24) ：予備

SPRM(25) ：予備

SPRM(26) ：予備

SPRM(27) ：予備

SPRM(28) ：予備

SPRM(29) ：予備

SPRM(30) ：予備

SPRM(31) ：予備

なお、本実施の形態では、仮想プレーヤのプログラミング関数を Java (登録商標） Scriptベースとしたが、 Java (登録商標） Scriptではなぐ UNIX (登録商標） OS などで使われている B— Shellや、 Perl Scriptなど他のプログラミング関数であってもよ、。言、換えれば、本発明における使用プログラム言語 «Java (登録商標） Scr iptに限定されるものでは無、。

[0185] (プログラムの例）

図 25及び図 26は、イベントハンドラにおけるプログラムの例を示す図である。

[0186] 図 25は、 2つの選択ボタンを持つメニュー画面の制御に係るイベントハンドラにおけるプログラムの例を示す図である。

[0187] セル（PlayList#l. Cell # 1)先頭でタイムイベントを使って図 25左側のプログラムが実行される。ここでは、最初にゼネラルパラメータの一つ GPRM(O)に" 1"がセットされている。 GPRM (O)は、当該プログラムの中で、選択されているボタンを識別するのに使っている。最初の状態では、左側に配置するボタン 1が選択されている状態を初期値として持たされて、る。

[0188] 次に、 PNGの描画を描画関数である" Draw"を使ってボタン 1、ボタン 2それぞれについて行っている。ボタン 1は、座標（10、 200)を起点（左上端）として PNGィメージ" lblack. png"を描画している。ボタン 2は、座標（330, 200)を起点（左上端）として PNGイメージ" 2white. png"を描画して!/、る。

[0189] また、本セル最後ではタイムイベントを使って図 25右側のプログラムが実行される。

ここでは、 Link関数を使って当該セルの先頭力も再度再生するように指定している。

[0190] 図 26は、メニュー選択のユーザイベントに係るイベントハンドラにおけるプログラムの例を示す図である。

[0191] 「左」キー、「右」キー、「決定」キー何れかのリモコンキーが押された場合それぞれに対応するプログラムがイベントハンドラに書かれて、る。ユーザによりリモコンキーが押された場合、図 21を用いて説明したように、ユーザイベントが生成され、図 26のイベントハンドラが起動されることになる。本イベントハンドラでは、選択ボタンを識別して!/、る GPRM (0)の値と、選択されたリモコンキーを識別する SPRM (8)を使って以下のように分岐処理を行って!/、る。

[0192] 条件 1)ボタン 1が選択されている、かつ、選択キーが「右」キーの場合

GPRM (0)を 2に再設定して、選択状態にあるボタンを右のボタン 2に変更する。ボタン 1、ボタン 2のイメージをそれぞれ書き換える。

[0193] 条件 2)選択キーが「決定 (OK)」の場合で、ボタン 1が選択されて、る場合

プレイリスト # 2の再生を開始する。

[0194] 条件 3)選択キーが「決定 (OK)」の場合で、ボタン 2が選択されて、る場合

プレイリスト # 3の再生を開始する。

[0195] 図 26に示すプログラムは、上記のように解釈され実行される。

[0196] (プレーヤ処理フロー）

図 27から図 30を用いてプレーヤでの処理の流れを説明する。

[0197] 図 27は、 BD— ROMプレーヤにおける AVデータ再生の基本処理の流れを示すフローチャートである。

[0198] BD— ROMが挿入されると（S101)、 BD— ROMプレーヤは" BD. INFO"の読み込みと解析（S 102)、および、 "BD. PROG"の読み込み（S 103)を実行する。 "BD . INFO"及び" BD. PROG"は共に管理情報記録メモリ 204にー且格納され、シナリォプロセッサ 305によって解析される。

[0199] 続いて、シナリオプロセッサ 305は、 "BD. INFO"ファイル内のファーストイベント（ FirstEvent)情報に従い、最初のイベントを生成する（S 104)。生成されたファーストイベントは、プログラムプロセッサ 302で受け取られ、当該イベントに対応するイベントハンドラを実行処理する（S 105)。

[0200] ファーストイベントに対応するイベントハンドラには、最初に再生するべきプレイリストを指定する情報が記録されていることが期待される。仮に、プレイリスト再生が指示されていない場合には、プレーヤは何も再生することなぐユーザイベントを受け付けるのを待ち続けるだけになる（S201で No)。ユーザからのリモコン操作を受け付けると（ S201で Yes)、 UOマネージャ 303はプログラムプロセッサ 302に対する UOイベントを生成する（S202)。

[0201] プログラムプロセッサ 302は、 UOイベントがメニューキーによるものであるかを判別し（S203)、メニューキーの場合（S203で Yes)は、シナリオプロセッサ 305に UOィベントを流し、シナリオプロセッサ 305がユーザイベントを生成する（S204)。プロダラムプロセッサ 302は生成されたユーザイベントに対応するイベントハンドラを実行処理する（S205)。

[0202] 図 28は、 BD— ROMプレーヤにおけるプレイリスト再生開始から VOB再生終了までの処理の流れを示すフローチャートである。

[0203] 上述したように、ファーストイベントハンドラまたはグローバノレイベントハンドラによつてプレイリスト再生が開始される（S301)。シナリオプロセッサ 305は、再生対象のプレイリスト再生に必要な情報として、プレイリスト情報" XXX. PL"の読み込みと解析（ S302)、および、プレイリストに対応するプログラム情報" XXX. PROG"の読み込みを行う（S303)。

[0204] 続いてシナリオプロセッサ 305は、プレイリストに登録されているセル情報に基づいてセルの再生を開始する（S304)。セル再生は、シナリオプロセッサからプレゼンテーシヨンコントローラ 306に対して要求が出される事を意味し、プレゼンテーションコントローラ 306は AVデータ再生を開始する（S 305)。

[0205] AVデータの再生が開始されると、プレゼンテーションコントローラ 306は、再生するセルに対応する VOBの情報ファイル" XXX. VOBI"を読み込み（S402)、解析する。プレゼンテーションコントローラ 306は、タイムマップを使って再生開始する VOBU とそのアドレスを特定し、ドライブコントローラ 317に読み出しアドレスを指示する。ドライブコントローラ 317は対象となる VOBデータ" YYY. VOB"を読み出す（S403)。

[0206] 読み出された VOBデータはデコーダに送られ再生が開始される（S404)。 VOB再生は、当該 VOBの再生区間が終了するまで続けられ (S405)、終了すると次のセルが存在する場合（S406で Yes)、 Cellの再生（S304)へ移行する。また、次のセルが無い場合（S406で No)は、再生に係る処理が終了する。

[0207] 図 29は、 AVデータ再生開始後力ものイベント処理の流れを示すフローチャートである。

[0208] 図 29 (A)は、 BD— ROMプレーヤにおけるタイムイベントに係る処理の流れを示すフローチャートである。

[0209] なお、 BD— ROMプレーヤはイベントドリブン型のプレーヤモデルである。プレイリストの再生を開始すると、タイムイベント系、ユーザイベント系、字幕表示系のイベント処理プロセスがそれぞれ起動され、平行してイベント処理を実行するようになる。

[0210] BD— ROMプレーヤにおいてプレイリスト再生の再生が開始されると（S501)、プレイリスト再生が終了していないことが確認され（S502で No)、シナリオプロセッサ 305 は、タイムイベント発生時刻になつたかを確認する。タイムイベント発生時刻になっている場合（S503で Yes)には、シナリオプロセッサ 305はタイムイベントを生成する（S 504)。プログラムプロセッサ 302はタイムイベントを受け取り、イベントハンドラを実行処理する（S505)。

[0211] また、タイムイベント発生時刻になっていない場合（S503で No)、および、イベントハンドラの実行処理が終了した場合、プレイリスト再生の終了確認 (S502)以降の処理を繰り返す。 [0212] また、プレイリスト再生が終了したことが確認されると（S502で Yes)、タイムイベント系の処理は強制的に終了する。

[0213] 図 29 (B)は、 BD— ROMプレーヤにおけるユーザイベントに係る処理の流れを示すフローチャートである。

[0214] BD— ROMプレーヤ 1においてプレイリストの再生が開始されると（S601)、プレイリスト再生が終了していないことが確認され（S602で No)、 UOマネージャ 303は、 U Oの受け付けがあつたかを確認する。 UOの受け付けがあった場合（S603で Yes)、 UOマネージャ 303は UOイベントを生成する（S604)。プログラムプロセッサ 302は UOイベントを受け取り、その UOイベントがメニューコールであるかを確認する。メ- ユーコールであった場合（S605で Yes)、プログラムプロセッサ 302はシナリオプロセッサ 305にイベントを生成させ（S607)、プログラムプロセッサ 302はイベントハンドラを実行処理する（S608)。

[0215] また、 UOイベントがメニューコールで無いと判断された場合（S605で No)、 UOィベントはカーソルキーまたは「決定」キーによるイベントである事を示して、る。この場合、現在時刻がユーザイベント有効期間内であるかをシナリオプロセッサ 305が判断し、有効期間内である場合（S606で Yes)には、シナリオプロセッサ 305がユーザィベントを生成し（S607)、プログラムプロセッサ 302が対象のイベントハンドラを実行処理する（S608)。

[0216] また、 UO受付が無い場合 (S603で No)、現在時刻がユーザイベント有効期間内にない場合（S606で No)、および、イベントハンドラの実行処理が終了した場合、プレイリスト再生の終了確認 (S602)以降の処理を繰り返す。

[0217] また、プレイリスト再生が終了したことが確認されると（S602で Yes)、ユーザィベント系の処理は強制的に終了する。

[0218] 図 30は、 BD— ROMプレーヤにおける字幕データの処理の流れを示すフローチヤートである。

[0219] BD— ROMプレーヤにおいてプレイリストの再生が開始されると、プレイリスト再生が終了していないことが確認され（S702で No)、シナリオプロセッサ 305は、字幕表示開始時刻になつたかを確認する。字幕表示開始時刻になって!/ヽる場合 (S703で Yes)、シナリオプロセッサ 305はプレゼンテーションコントローラ 306に字幕描画を指示し、プレゼンテーションコントローラ 306はイメージプロセッサ 311に字幕描画を指示する。イメージプロセッサ 311は、その指示に従い字幕をイメージプレーン 209に字幕を描画する (S704)。

[0220] また、字幕表示開始時刻になっていない場合 (S703で No)、字幕表示終了時刻であるかを確認する。字幕表示終了時刻であると判断された場合 (S705で Yes)、プレゼンテーシヨンコントローラ 306がイメージプロセッサ 311に字幕消去指示を行う。ィメージプロセッサ 311は、その指示に従!、描画されて!、る字幕をイメージプレーン 20 9から消去する（S706)。

[0221] また、イメージプロセッサ 311による字幕描画 (S704)が終了した場合、イメージプ口セッサ 311による字幕消去（S706)のが終了した場合、および、字幕表示終了時刻でないと判断 (S705で No)された場合、プレイリスト再生の終了確認 (S702)以降の処理を繰り返す。

[0222] また、プレイリスト再生が終了したことが確認されると（S702で Yes)、字幕表示系の処理は強制的に終了する。

[0223] 以上の動作により、 BD— ROMプレーヤは、ユーザの指示または BD— ROMに記録されている BD管理情報等に基づき、 BD— ROMの再生に係る基本的な処理を行

[0224] 次に、 BD— ROMの再生においてより豊かなインタラクテイビティを実現するため、その一例として XML'XHTMLベースの画面構成環境と、イベントおよびスクリプトを用いたプログラミング環境を、 BD— ROMおよび BD— ROMプレーヤに導入することに関する説明を中心に述べる。なお、 BD— ROMおよび BD— ROMプレーヤの基本的な構成は上述の構成と同様である。

[0225] (XHTMLファイルを利用したコンテンツ制御）

図 31は、 XHTMLおよびスクリプトを利用したシナリオ制御に関わるモジュール構成、制御の流れ、およびイベントなどの伝わり方の一例を示す図である。

[0226] ユーザイベント処理部は、 UOマネージャ 303に相当する処理部であり、リモコン信号などを受信し、次のモジュールにイベントを割り振るモジュールである。 [0227] 再生制御に関わる、再生 Z停止 Z早送り Z巻き戻し Zスキップ Zアングル変更 Z 音声切替 Z字幕切替などのイベントは AV再生制御部に送られる。ボタンフォーカスの移動（上下左右キー）や決定などのイベントは、 XHTML処理部に送られる。タイトル切替に関わる、タイトル選択やメニュー呼び出しのイベントは、タイトル制御部に送られる。なお、図中の Index Tableは、本発明の情報記録媒体および再生装置における管理情報の一例であり、 BD— ROMに記録されている複数のタイトルそれぞれに関する情報が記録されたファイルである。また、図 18に示す" Title List"部分を切り出して 1つにしたものである。

[0228] タイトル制御部は、タイトル切替を要求されると Index Tableにしたがってタイトル切替を行うモジュールである。タイトルが XHTMLで記述されたシナリオ制御記述データと関連付けられている場合、 XHTML処理部に当該タイトルに関連付けられた X HTMLファイルを読み込むように制御を行う。

[0229] XHTML処理部は XHTMLファイルを読み込み、スタイル定義情報などにしたがつて、画面を構成し、イベントに応じて関連するスクリプトを実行するモジュールである。スクリプトを実行した結果、 AVの再生が必要であれば AV再生制御部に対して、再生開始などの制御を行い、タイトル切替が必要であれば、タイトル制御部に対して制御を行う。

[0230] なお、タイトル制御部および XHTML処理部の上述の動作は、プログラムプロセッサ 302により実現される。

[0231] AV再生制御部は、プレゼンテーション処理部 208に相当する処理部である。 AV 再生制御部は、イベントや指示に従つて MPEGストリーム等の AVデータの再生を行 V、、 AV再生制御部の状態が変化したときや AVデータの再生位置が特定の位置に達した際にイベントを生成して XHTML処理部に通知する。

[0232] プレーヤの状態が変化したことを通知するイベントとは以下のようなものである。例えば、ユーザから再生指示があり、ユーザイベント処理部が再生開始要求のイベントを AV再生制御部に通知すると、 AV再生制御部は再生を開始する。この時に、 AV 再生制御部が停止状態力再生状態に変化したことを通知するようなイベントである [0233] また、再生位置を通知するイベントとは、 AVデータの終端に達したときや、セルの境界に達したとき、あるいはマークと呼ばれる AVデータの一時点を示すデータが存在する場合その地点に達したことを通知するイベントである。

[0234] 図 32は、 Index Tableと XHTMLファイルとの関係を説明する図である。

[0235] Index Tableで定義されるあるタイトルが選択された場合、選択されたタイトルに関連付けられた XHTMLファイルが呼び出される。 XHTMLファイルには、再生制御などを行うスクリプトなども記述されている。図 32に示す例では、スクリプトファイル（sa mple. js)を XHTML内から参照している力直接 XHTMLファイル内に記述することも可能である。また、説明のため、 XHTMLと表記しているが、 XML形式にのっとつて、れば独自のタグなどを利用した形式でもよ!/、。

[0236] 図中の XHTMLファイル内に記述されている" onLoad"属性において、ファイルが読み込まれたときに実行されるスクリプトが規定されている。この例では、 XHTMLフアイルが読み込まれたときに、 "playTitlel"というスクリプトが呼び出され、スクリプト自体はスクリプトファイル内に記述されている。

[0237] また、 "く event > "タグを用いることにより、ユーザイベント処理部や AV再生制御部から通知されたイベントに対応してスクリプトを実行する仕組みも提供する。この例では、 "EndOfStream"イベントが発生した際、 "jumpTitle2 "と!/、うスクリプトが呼び出される。なお、 "EndOfStream"イベントとは、たとえば AVデータ再生がファイルの終端に達した場合に AV再生制御部が生成するイベントである。

[0238] このように、 XHTMLとスクリプトを用いた、 AVデータ再生におけるシナリオ制御が可能である。つまり XHTMLファイルとスクリプトファイルとによりシナリオ制御記述データが構成される。

[0239] 以下、 XHTMLファイルとスクリプトファイルカゝら構成されるシナリオ制御記述データのフォーマットを「XHTML+スクリプトフォーマット」という。

[0240] なお、上述のように、 XHTMLファイルとスクリプトファイルは 1つのファイルに統合されてもよぐまた、 XHTMLファイルを用いず、スクリプトファイルのみでシナリオ制御記述データを構成することも可能である。

[0241] また、図 32に示す XHTMLファイルは、 XHTML処理部へ読み込まれたとき、または、イベントが通知されたときに所定のスクリプトを呼び出して実行するように記述されている。

[0242] しかし、 XHTMLファイルは、ユーザの指示に応じた動的なシナリオ制御のための画面を、ユーザに提供することもできる。

[0243] 図 33は、動的なシナリオ制御を可能とする XHTMLファイルとスクリプトファイルの例を示す図である。

[0244] 例えば、図 32に示す場合と同様に Index Tableに含まれるあるタイトルが選択されると、そのタイトルに関連付けられたシナリオ制御記述データ、つまり、本実施の形態においては、直接的には XHTMLファイルが読み出される。更に、その XHTML ファイルにメニュー画面などを生成するための情報が書かれている場合、その記述内容に従って画面のデータが生成される。画面構成のスタイルなどは CSS (Cascadin g Style Sheets)などのスタイルシートを利用してもよい。

[0245] 図 33に示す例では、画面上に 2つのボタンが配置されており、いずれかのボタンが選択されるど' onClick"属性に定義されているスクリプトが実行される記述になっている。実行されるスクリプトは、 XHTMLファイル内力も参照されるスクリプトファイル（"m enu. js")に記述されている。

[0246] 具体的には、 PNGイメージファイル" TitleA. png"により表示される左側のボタンが選択されると、当該イメージファイルに対応付けられてヽる "playA"スクリプトが実行され、タイトル 1にジャンプする。同様に、 TitleBボタンが選択されると、 "playB"スタリブトが実行され、 "00002. mpls"が再生された後に、タイトル 2にジャンプする。

[0247] このように、 XHTML+スクリプトフォーマットを用いることにより、メニュー等の画面を表示し、何らかのボタンがユーザにより選択されると、そのボタンに対応付けられたコンテンツの再生を開始するような動的なシナリオ制御が可能となる。

[0248] また、スクリプトが実行する Application Program Interface (API)を追加することにより、より複雑な機能、たとえばインターネット接続やダウンロードサービスといつたアプリケーションも実行可能である。

[0249] (複数のフォーマットの識別）

このように、 XHTML +スクリプトフォーマットのシナリオ制御記述データを導入することにより、 BD— ROMにおける各タイトルのシナリオ制御記述データのフォーマットは、 BD— ROMとして規定された、 DVDとの互換性を有する上述のイベントハンドラ (例えば、図 25に示すイベントハンドラ）によるフォーマットと、よりインタラクテイビティの高い XHTML+スクリプトフォーマットの 2種類のフォーマットが規定されることになる。

[0250] 以下、前者のフォーマットを「簡易ナビゲーシヨンフォーマット」といい、後者のフォーマットを「高機能プログラムフォーマット」という。また、それぞれのフォーマットで記述されたシナリオ制御記述データを、「簡易シナリオデータ」および「高機能シナリオデータ」という。

[0251] つまり、簡易シナリオデータおよび高機能シナリオデータのそれぞれは、本発明の情報記録媒体および再生装置における再生制御データの一例である。また、簡易ナピゲーシヨンフォーマットは、第 1のフォーマットの一例であり、高機能プログラムフォ一マットは、第 2のフォーマットの一例である。

[0252] コンテンツ作成者は、そのタイトルの内容に応じて、 2種類のフォーマットのいずれかを選択してシナリオ制御記述データを作成することが可能となる。例えば、本編映画再生を行うような単純な再生アプリケーションを含むシナリオ制御記述データは簡易ナビゲーシヨンフォーマットで記述し、スクリプトなどで動的な描画を行ったりインタ一ネット接続によるダウンロードサービスなどを利用するインタラクティブ性の高いァプリケーシヨンを含むシナリオ制御記述データは高機能プログラムフォーマットで記述するといつたことが可能となる。

[0253] 図 34は、シナリオ制御記述データのフォーマットが異なるタイトルが 1つの BD— R OM104に混在して!/、る場合の Index Tableを示す図である。

[0254] なお、シナリオ制御記述データのフォーマットが異なるタイトルが混在しているとは、少なくとも 1つのシナリオ制御記述データのフォーマットが他のシナリオ制御記述データのフォーマットと異なることを指す。

[0255] 図 34に示す例では、 Title # 1および Title # 3は簡易シナリオデータと関連付けられており、 Title # 2は高機能シナリオデータと関連付けられていることを示している。

[0256] ここで、 BD— ROMプレーヤは、上述のとおり、あるタイトルが選択された場合、 Ind ex Tableの内容に基づき、タイトルに関連付けられたシナリオ制御記述データを、当該データを処理する処理部に読み込む。

[0257] し力し、図 34に示すように 1つのディスク内にシナリオ制御記述データのフォーマツトが異なるタイトルが混在している場合、プレーヤは選択されたタイトルに関連付けられたシナリオ制御記述データが、ずれのフォーマットで記述されて!、るかを、読み込む前に知る必要がある。なぜなら、シナリオ制御記述データのフォーマットの違いにより当該データを処理する処理部が異なるため、いずれの処理部に当該データを渡すかを決定する必要があるためである。

[0258] そのため、本実施の形態の Index Tableは、シナリオ制御記述データのフォーマットを BD— ROMプレーヤに識別させるための識別情報を有している。

[0259] 具体的には、 Index Tableには、タイトルごとに、そのタイトルに関連付けられ、そのタイトルから呼び出されるシナリオ制御記述データのフォーマットを識別する識別子が記録されている。

[0260] 図 35は、 Index Table内に定義された各タイトル情報の詳細を示す図である。 Ind ex Tableはディスク中のタイトルを列挙したものであり、また各タイトルについて、当該タイトルに関する情報や、タイトル選択時に読み込むシナリオ制御記述データのァドレス情報などを含んで、る。

[0261] 本実施の形態における Index Tableは、この各タイトルの情報が記されたセクションに、更に、当該タイトルに関連付けられたシナリオ制御記述データのフォーマットを識別するシナリオ制御記述フォーマット識別子 (以下、単に「フォーマット識別子」ともいう。）が記録されている。

[0262] BD— ROMプレーヤは、タイトルの選択、切り替えの指示を受けると、当該タイトル情報に含まれるフォーマット識別子を調べる。このフォーマット識別子により当該タイトルに関連付けられたシナリオ制御記述データ力 DVD互換の簡易シナリオデータであるのか、あるいは「XHTML +スクリプト」で記述された高機能シナリオデータであるのかを識別することが可能となる。

[0263] このフォーマット識別子としては、例えば、簡易シナリオデータであれば" 0"、高機能シナリオデータであれば" 1"が記録されている。なお、異なるフォーマットのシナリォ制御記述データを識別できる情報であれば他の値、文字列等でもよ、。

[0264] 図 36は、実施の形態 1の BD— ROMプレーヤにおける、フォーマット識別子を利用する機能構成を示す図である。

[0265] 図 36に示す BD— ROMプレーヤ 1は、図 6に示す構成に加えて、フォーマット識別部 220を備えている。また、制御データ処理部 221は、図 6に示す構成におけるプログラム処理部 206の機能を有する処理部であり、シナリオ制御記述データにつ!、ての処理を行う処理部である。具体的には、制御データ処理部 221は、 XHTML + Sc ript処理部 221aと、 DVD互換処理部 22 lbとを有しており、それぞれの処理部は、対応するフォーマットのシナリオ制御データに含まれるプログラムの実行等の処理を行う。

[0266] フォーマット識別部 220は、再生対象のタイトルのタイトル情報からフォーマット識別子を読み出し、当該シナリオ制御記述データが、簡易ナビゲーシヨンフォーマットであるのか、高機能プログラムフォーマットであるのかを識別する処理部である。なお、フォーマット識別部 220により、本発明の再生装置における識別手段および破棄手段が有する、フォーマットの識別機能および再生指示の破棄機能が実現される。

[0267] XHTML + Script処理部 221aは、本発明の再生装置における第 2処理手段の一例であり、 XHTMLとスクリプトで構成される高機能シナリオデータを読み込んで処理する処理部である。

[0268] DVD互換処理部 221bは、本発明の再生装置における第 1処理手段の一例であり、 DVD互換の簡易シナリオデータを読み込んで処理する処理部である。

[0269] 上記構成において、フォーマット識別部 220は、読み出したフォーマット識別子に基づき、再生対象のタイトルに関連付けられたシナリオ制御記述データのフォーマツトを識別する。その結果、簡易ナビゲーシヨンフォーマットであれば、参照アドレスに存在する簡易シナリオデータを読み出し、 DVD互換処理部 221bへ渡す。また、高機能プログラムフォーマットであれば参照アドレスに存在する高機能シナリオデータを読み出し、 XHTML + Script処理部 221aへ渡す。

[0270] DVD互換処理部 221bまたは XHTML+Script処理部 221aは、受け取ったシナリオ制御記述データを処理する。管理情報処理部 207およびプレゼンテーション処理部 208は、 DVD互換処理部 221bおよび XHTML+Script処理部 221aの処理の結果に示されるタイトルの再生を行う。

[0271] これにより、 1つの BD— ROM104内に簡易シナリオデータを呼び出すタイトルと、高機能シナリオデータを呼び出すタイトルとが混在していても、プレーヤは各々のタィトルにつきそのフォーマットを識別することができる。つまり、フォーマットに合致したシナリオ制御処理を確実に行うことが可能となる。

[0272] このように、本実施の形態における BD— ROM104は、記録されている複数のタイトルのそれぞれについてシナリオ制御記述データのフォーマットを識別するためのフォーマット識別子が記録されて、る。

[0273] また、本実施の形態における BD— ROMプレーヤ 1は、このフォーマット識別子を読み込み、再生対象のタイトルにつ!、てシナリオ制御記述データのフォーマットを識別することができる。更に、複数のフォーマットに対応するために、それぞれのフォーマットのデータの処理が可能な処理部を有して、る。

[0274] つまり、 1つの BD— ROM内に混在するシナリオ制御記述データの複数のフォーマットに応じて、適応的に再生等の処理を行うことができ、このような BD— ROMを再生するに当たって、ユーザや BD— ROMプレーヤ 1に不要な負担を掛けることない。

[0275] なお、本実施の形態では、 DVD互換である簡易ナビゲーシヨンフォーマットと、 XH

TMLとスクリプトとにより構成される高機能プログラムフォーマットとの 2つのフォーマットの混在について示した。しかしながら、フォーマットの種類はこれに限るものではなぐまたその数も 2種類とは限らない。それ以上の種類のフォーマットが規定された場合でも、フォーマット識別子を拡張させ、またそのフォーマットに対応した処理部を備えることにより、対応可能である。

[0276] また、本実施の形態にお!、て、高機能シナリオデータは XHTMLとスクリプトで記述されるとした。しかし、これに限るものではなぐ他の言語で記述されていてもよい。

[0277] 例えば、 JAVA (登録商標）で書かれたプログラムであってもよ!/、。つまり、シナリオ制御が可能であれば、記述言語の種類に限定されるものではな、。

[0278] (実施の形態 2)

次に本発明の実施の形態 2について説明する。 [0279] 実施の形態 2では、 BD— ROMプレーヤにおいて、映像の再生機能を持たず、音声の再生を主要な機能とするオーディオ専用プレーヤが、シナリオ制御記述データのフォーマットが異なるタイトルが混在する BD— ROMを再生する場合について説明する。

[0280] (オーディオ専用プレーヤ）

BD— ROMプレーヤは一般に映像および音声の出力機能を有し、実施の形態 1で説明した簡易ナビゲーシヨンフォーマットまたは高機能プログラムフォーマットで記述されたシナリオ制御記述データを解釈し、解釈結果に基づきストリームの再生やプログラムの実行を行う。

[0281] 一方、 BD— ROMプレーヤの中でもオーディオ専用プレーヤは、映像の再生機能を持たな、プレーヤ端末である。 BD— ROMではオーディオ専用ナビゲーシヨンフォ一マットが別途規定されているわけではないので、オーディオ専用プレーヤで再生されるべき BD— ROMオーディオタイトルについては、実施の形態 1に示した簡易ナビゲーシヨンフォーマットのような規定のナビゲーシヨンコマンドを用いて、オーディオタィトルにおけるシナリオ制御記述データは記述される。

[0282] この場合、プレーヤは音声出力に関連するコマンドやイベントなどを処理し、映像出力に関連するコマンドなどは無視してもよい。

[0283] すなわち、高機能プログラムフォーマットを用いたタイトルは、主に映像出力とリモコンによる GUI操作を通してユーザに高度なインタラクティブ機能を提供することができるフォーマットである。しかし、オーディオ専用プレーヤのように映像出力を持たないプレーヤでは、その高度なインタラクティブ機能を十分に生かすことはできない。そのため、オーディオ専用プレーヤでは、簡易ナビゲーシヨンフォーマットの解釈部の実装は必須であるが、高機能プログラムフォーマット解釈部の実装は必須ではな、。

[0284] したがって、オーディオ専用プレーヤにおいて再生されるべきタイトルについては、本来的には、コンテンツ制作者は簡易ナビゲーシヨンフォーマットを用いてタイトル制作を行い、映像出力がなくてもストリーム再生やユーザ操作に際してユーザに混乱を与えてしまうことがなきよう留意してォーサリングする必要がある。

[0285] ここで、オーディオ専用プレーヤにおける、ディスク再生時の動作の概略を説明する。

[0286] BD— ROMが挿入されると、実施の形態 1に示した動作手順にしたがって、タイトル管理情報である Index Tableを読み込み、管理情報記録メモリに保存する。ここで、ディスク挿入後に最初に再生すべきタイトルの管理情報は" First Play Title"として、 Index Tableのタイトルリストの先頭に配置されている。オーディオ専用プレーヤは、ディスク挿入時には必ずこの" First Play Title"によって指定されるタイトル（以下、「FirstPlayタイトル」と!、う。）を再生しなければならな！/、。

[0287] FirstPlayタイトル再生開始の後、ユーザイベントやグローバルイベントを受け付けられるようになり、再生タイトルの切替などが可能になる。オーディオ専用プレーヤは、挿入された BD— ROMの Index Tableを解析し、 FirstPlayタイトルを再生し、シナリオ制御記述データに基づいて順次再生を行う。

[0288] なお、 "First Play Title"は、本発明の情報記録媒体および再生装置における第 1再生情報の一例であり、 FirstPlayタイトルは、第 1タイトルの一例である。

[0289] ここで、コンテンツ制作者は、ォーサリングによって 1枚のディスクで通常の映像音声出力を備えた BD— ROMプレーヤにもオーディオ専用プレーヤにも再生可能なタイトルを作成することも可能である。

[0290] つまり、プレーヤの機能を判別させるプログラムを BD— ROMに組み込んでおき、その機能に応じて、プレーヤに再生させるタイトルを変更させることも可能である。

[0291] 図 37は、拡張されたプレーヤのシステムパラメータを示す図である。具体的には、 S PRM (24)にプレーヤタイプを導入したものである。プレーヤタイプとは、プレーヤが高機能プログラムフォーマットの再生をサポートしたものである力、してヽな、ものであるかを示すシステムパラメータである。

[0292] コンテンツ制作者は、このプレーヤタイプの値を読み込んで、プレーヤタイプに応じて再生シナリオを分岐するようなプログラムを^ 1_み込んだ BD— ROMを作成ことができる。

[0293] 図 38は、プレーヤタイプに応じて再生タイトルを切り替える例を示す図である。この例では、簡易ナビゲーシヨンフォーマットで記述された FirstPlayタイトルにお!/、てプレーャタイプが取得され、プレーヤタイプに応じて次に再生するタイトルが選択されている。

[0294] つまり、 BD— ROMプレーヤにおいて、 FirstPlayタイトルの再生の際に、プレーヤタイプを判別するプログラムが BD— ROM力読み込まれ実行される。実行の結果、高機能プログラムフォーマットに非対応のプレーヤであれば、 FirstPlayタイトルの再生後に簡易シナリオデータと関連付けられている Title # 1が再生される。高機能プログラムフォーマットに対応のプレーヤであれば、 FirstPlayタイトルの再生後に高機能シナリオデータと関連付けられてヽる Title # 2が再生される。

[0295] このように、 BD— ROMが高機能プログラムフォーマットに非対応のプレーヤでの再生も視野にヽれたプログラムが組み込まれて、る場合は、ユーザを混乱させることもないと考えられる。

[0296] し力し、全ての BD— ROMに上述のような処置がなされているとは限らない。そのため、オーディオ専用プレーヤは、高機能プログラムフォーマットのタイトルの再生指示を受けることがある。その際、高機能プログラムフォーマットの解釈部を実装していな V、オーディオ専用プレーヤはこのようなタイトルの再生に対応して!/、な!/、ため、プレーャでは再生することができな、。

[0297] このような場合に、オーディオ専用プレーヤにおいて、ユーザに不要な心配や負担を掛けず、また、誤動作を引き起こさせないための構成および動作を以下に述べる。

[0298] 図 39は、実施の形態 2におけるオーディオ専用プレーヤの機能的な構成を示す機能ブロック図である。

[0299] 図 39に示すように実施の形態 2におけるオーディオ専用プレーヤ 2は、図 36に示す実施の形態 1の BD— ROMプレーヤ 1と同様な構成であり、制御データ処理部 22 1に簡易シナリオデータを処理するための DVD互換処理部 221bを備えている。

[0300] しかし、高機能シナリオデータを処理する構成を有しておらず、通知部 222を有している。通知部 222は、高機能シナリオデータと関連付けられたタイトルの再生指示がなされた場合に、当該高機能シナリオデータについての処理として、当該タイトルは再生できな、旨のユーザへの通知を実行する処理部である。

[0301] 通知部 222は、ユーザに上記通知を行うためのデバイスとして情報表示部 222aと音声出力部 222bとを有している。通知部 222の動作については図 41および図 42を用いて後述する。

[0302] また、オーディオ専用プレーヤ 2は映像再生機能を有して、な、ため、プレゼンテーシヨン処理部 208からは映像の出力はなぐ楽曲等のオーディオ出力のみを行う。

[0303] その他の構成部については、図 36に示す BD— ROMプレーヤ 1における構成部と同じ機能を有しており、それらの説明は省略する。なお、管理情報処理部 207により、本発明の再生装置における再生指示手段および決定手段が有する、再生対象のタイトルの指示および決定機能が実現される。

[0304] 図 40は、 FirstPlayタイトルが高機能シナリオデータと関連付けられている場合を説明するための図である。

[0305] 図 40に示すように、" First Play Title"は Index Tableのタイトルリストの先頭に配置されている。また、" First Play Title"には、図 35に示す各タイトル情報と同じぐフォーマット識別子を含んでおり、フォーマット識別部 220は、このフォーマット識別子を用いて、 FirstPlayタイトルに関連付けられたシナリオ制御記述データのフォ一マットを識別することができる。

[0306] FirstPlayタイトルは、上述のように BD— ROM挿入時に必ず最初に再生されるべきタイトルである。この、必ず最初に再生されるべき FirstPlayタイトル力図 40に示す場合のように、オーディオ専用プレーヤ 2で再生できな、高機能シナリオデータと関連付けられている場合、当該 BD— ROMは、オーディオ専用プレーヤで再生されるためのォーサリングは!、つさ、されて!/ヽなヽと!、うことである。

[0307] したがって、 FirstPlayタイトルが高機能シナリオデータと関連付けられている場合、オーディオ専用プレーヤ 2はこの FirstPlayタイトルの再生ができず、結果として BD —ROM全体について再生不可となる。そのため、当該 BD— ROMをオーディオ専用プレーヤ 2に挿入したユーザは何が起きたのかが分力ず混乱する可能性がある

[0308] そこで、まず、 FirstPlayタイトルが高機能シナリオデータと関連付けられて、る場合のオーディオ専用プレーヤ 2の動作について説明する。

[0309] 図 41は、 FirstPlayタイトルが高機能シナリオデータと関連付けられている場合のオーディオ専用プレーヤ 2の処理の流れを示すフローチャートである。 [0310] オーディオ専用プレーヤ 2において BD—ROMが挿入されると（S4001)、当該 B D— ROMに記録されている Index Tableを読み込み（S4002)、管理情報記録メモリ 204に保存する。その後、管理情報処理部 207は、管理情報記録メモリ 204に保存された Index Tableの情報に基づき、 FirstPlayタイトルの再生指示を出す（S40 03)。

[0311] フォーマット識別部 220は、この指示を受け、管理情報記録メモリ 204に保存された Index Table力ら、 FirstPlayタイトルについてのフォーマット識別子を読み込む。更に、当該フォーマット識別子力も FirstPlayタイトルに関連付けられたシナリオ制御記述データのフォーマットが、処理可能な簡易ナビゲーシヨンフォーマットであるか否かを識別する。

[0312] 上記識別の結果、当該フォーマットが簡易ナビゲーシヨンフォーマットであれば (S4 004で"簡易ナビゲーシヨンフォーマッド，）、フォーマット識別部 220は、当該シナリオ制御記述データ、つまり、簡易シナリオデータを DVD互換処理部 22 lbへ送る。 DV D互換処理部 221bは、当該簡易シナリオデータを処理し、処理結果を管理情報処理部 207に送る。管理情報処理部 207は FirstPlayタイトルの再生指示を出す。これにより FirstPlayタイトルの再生が実行される（S4005)。

[0313] また、上記識別の結果、当該フォーマットが簡易シナリオデータでなければ（S400 4で"高機能プログラムフォーマッド'）、フォーマット識別部 220は、管理情報処理部 2 07から受け取った再生指示（S4003)を破棄する（S4006)。また、通知部 222に、対応して!/ヽな、フォーマットである旨を知らせる。

[0314] 通知部 222は、当該 BD— ROMは再生できない旨をユーザに通知し（S4007)、オーディオ専用プレーヤ 2は、当該 BD— ROMの再生は行わず、再生に係る処理を終了する（S4006)。

[0315] 通知部 222は、具体的には、情報表示部 222aおよび音声出力部 222bを有しており、情報表示部 222aに表示される文字により、または、音声出力部 222bから出力される音声により、ユーザに上記通知を行う。

[0316] なお、この場合、 BD— ROM内のいっさいのタイトルの再生に関する処理を行わないようにするための措置をとつてもよい。例えば、フォーマット識別部 220により First Playタイトルに関連付けられたシナリオ制御データが簡易ナビゲーシヨンフォーマットではな、と識別された場合、タイトル再生に関するすべてのユーザイベント (例えばタィトルサーチ機能)などが処理されないよう、ユーザ力のタイトルの再生に関する指示であるユーザイベントを遮断するマスク部を備えてもよい。

[0317] 図 42は、実施の形態 2のオーディオ専用プレーヤ 2におけるユーザへの再生不可につ、ての通知方法の例を示す模式図である。

[0318] 図 42に示すように、情報表示部 222aに、当該 BD— ROMは本機が非対応の BD

ROMまたはタイトルである旨の内容が表示される。この表示内容はエラーを特定するエラーコードであってもよぐ特定の Light— Emitting Diode (LED)の点灯や点滅などによって示してもよい。

[0319] また、音声出力部 222b (図示せず)から、当該 BD— ROMを再生できない旨を示すビープ音などの効果音が出力される。または、あらかじめオーディオ専用プレーヤ 2内の所定の記憶装置（図示せず）に記憶されている、再生できない旨の内容の自然言語を示す情報が読み出され、音声として出力される。これら音声の出力により再生できない旨がユーザに通知される。

[0320] これら通知方法は、全てが採用される必要はなぐ少なくともいずれか 1つの方法で通知されればよい。

[0321] 次に、再生対象の BD— ROMにおいて FirstPlayタイトルが簡易シナリオデータと関連付けられており再生可能である場合について説明する。

[0322] また、 FirstPlayタイトルの再生後に、当該 BD— ROM内の各タイトルのシナリオ制御記述データにしたがって再生を継続する途中で、高機能シナリオデータに関連付けられたタイトルが存在する場合を想定して説明する。

[0323] 図 43は、再生の途中で高機能シナリオデータに関連付けられたタイトルが存在する場合のオーディオ専用プレーヤ 2における再生タイトルの遷移例を説明するための図である。

[0324] 図 43に示すように、 FirstPlayタイトルは簡易シナリオデータと関連付けられているため、再生を行い、当該簡易シナリオデータをはじめ、再生対象のタイトルのシナリオ制御記述データに従ってタイトルの再生やタイトルの変更を行っていく。 [0325] 図 43に示す例では、 FirstPlayタイトルの簡易シナリオデータには、次に Title # 1 に対応するタイトルを再生するよう記述されている。 Title # 1は簡易シナリオデータと関連付けられており、 Title # 1に対応するタイトルは再生される。

[0326] Title # 1から呼び出される簡易シナリオデータには、次に Title # 3に対応するタイトルを再生するよう記述されている。しかし、 Title # 3は高機能シナリオデータと関連付けられている。このように、再生するタイトルを変更する際、高機能シナリオデータに関連付けられたタイトルの再生指示が出された場合、オーディオ専用プレーヤ 2はタイトルの再生を行わな、。

[0327] 図 44は、再生の途中で高機能シナリオデータに関連付けられたタイトルが存在する場合のオーディオ専用プレーヤ 2の処理の流れを示すフローチャートである。

[0328] なお、 FirstPlayタイトルには簡易シナリオデータが関連付けられており、その次に再生すべきタイトルには高機能シナリオデータが関連付けられている場合を想定し、以下の説明を行う。

[0329] オーディオ専用プレーヤ 2において BD—ROMが挿入されると（S4301)、当該 B D— ROMに記録されている Index Tableを読み込み（S4302)、管理情報記録メモリ 204に保存する。その後、管理情報処理部 207は、管理情報記録メモリ 204に保存された Index Tableの情報に基づき、 FirstPlayタイトルの再生指示を出す（S43 03)。

[0330] フォーマット識別部 220は、上記再生指示（S4303)を受け取り、 FirstPlayタイトルに関連付けられたシナリオ制御記述データのフォーマットを Index Tableに格納されているフォーマット識別子を用いて識別する。（S4304)。識別の結果、当該フォーマットが、処理可能な簡易ナビゲーシヨンフォーマットである場合 (S4304で"簡易ナピゲーシヨンフォーマッド，）、当該タイトルの再生が実行される（S4305)。当該タイトルの再生が終わると、当該タイトルのシナリオ制御記述データに従い、次のタイトルの再生指示が行われる (S4306)。

[0331] 上記再生指示 (S4306)を受けたフォーマット識別部 220は、再生指示されたタイトルについてシナリオ制御記述データのフォーマットを識別する（S4304)。当該フォ一マットが簡易ナビゲーシヨンフォーマットでなければ（S4304で"高機能プログラムフォーマッド'）、フォーマット識別部 220は、当該再生指示を破棄し (S4307)、通知部 222は、ユーザに、当該タイトルを再生できない旨を通知する（S4308)。

[0332] なお、ユーザへの通知は、図 42に示す通知方法のいずれ力、または複合された通知方法で行われる。

[0333] 管理情報処理部 207は、当該タイトルの再生のための処理は行わず、次の再生タイトルを決定し、再生を指示する（S4309)。

[0334] ここで、次の再生タイトルの決定（S4309)は、プレーヤにあらかじめ設定された方法で決定すればよい。例えば、 FirstPlayタイトルの再生に戻ってもよい。または、 In dex Table中の次のタイトルの再生指示を出すようにしてもよい。これにより、高機能シナリオデータと関連付けられた再生できな、タイトルはスキップされ、簡易シナリオデータと関連付けられた再生可能なタイトルのみが順次再生されるようになる。つまり、オーディオ専用プレーヤ 2において再生可能な範囲にある全てのタイトルが再生される。

[0335] 例えば、図 43に示す再生タイトルの遷移例の場合、 Title # 4に示されるフォーマツトが簡易ナビゲーシヨンフォーマットであれば、 Title # 1に対応するタイトルの後に、

Title # 4に対応するタイトルが再生される。

[0336] 次の再生タイトルが決定され、再生が指示されると（S4309)、当該タイトルに関連付けられたシナリオ制御記述データのフォーマットが識別され (S4304)、識別結果に応じて上記処理が行われる。また、最後のタイトルの再生が終了すると、 BD-RO

Mの再生に係る処理を終了する。

[0337] なお、 BD— ROMの再生に当たり、図 40に示すように、 FirstPlayタイトルが高機能シナリオデータと関連付けられている場合であっても、図 44に示すフローチャートに従って、当該 BD— ROMの再生を行ってもよい。

[0338] つまり、図 40および図 41を用いて行った説明において、 FirstPlayタイトルが高機能シナリオデータと関連付けられている場合は、当該 BD— ROMの再生を終了するとした力図 44に示すフローチャートにおける処理に従って、次の再生タイトルを決定し、 BD— ROMの再生を継続してもよい。

[0339] 例えば、再生対象の BD— ROMに、図 40に示す Index Tableが記録されている場合、 FirstPlayタイトルのシナリオ制御記述データは高機能プログラムフォーマットであると識別される（S4304で"高機能プログラムフォーマッド，）。この場合、 FirstPla yタイトルに対する再生指示を破棄し (S4307)、非対応タイトルである旨の通知を行う（S4308)。次に、例えば Title # 1に対応するタイトルの再生指示を行う（S4309)

[0340] Title # 1に対応するタイトルが再生可能であれば再生し（S4305)、再生できなければ、その旨の通知（S4308)の後、例えば Title # 2に対応するタイトルの再生指示を行う（S4309)。

[0341] このように、最初に再生すべきタイトルである FirstPlayタイトルが高機能シナリオデータと関連付けられており、再生できない場合であっても、再生可能なタイトルを見つけ出して再生することができる。

[0342] このように、本実施の形態のオーディオ専用プレーヤ 2は、再生対象となる BD— R OMにお、て、 FirstPlayタイトルが高機能シナリオデータと関連付けられて、る場合、再生に関する処理を終了し、当該 BD— ROMは本機が非対応の BD— ROMまたはタイトルである旨を通知することができる。

[0343] これにより、 BD— ROMの再生が行われないことに関してユーザに不要な心配をさせることがない。また、この場合は、当該 BD— ROMは、オーディオ専用プレーヤ用にォーサリングされていないと考えられる。そのため、非対応フォーマットを処理しょうとすることによる誤動作や、無用なデータの読出し等を行うことがない。

[0344] また、 FirstPlayタイトルが高機能シナリオデータと関連付けられているか否かに関わらず、高機能シナリオデータと関連付けられタイトルについては、非対応タイトルである旨の通知をユーザに行、、簡易シナリオデータを関連付けられたタイトルのみを再生していくこともできる。

[0345] これにより、仮に、オーディオ専用プレーヤ用にォーサリングされていない BD— R OMであっても、簡易シナリオデータと関連付けられた再生可能なタイトルが含まれる場合は、それらタイトルを再生することができる。また、再生不可能なタイトルについては、ユーザは、なぜそのタイトルが再生されないかを知ることができる。

[0346] また、いずれの場合であっても、オーディオ専用プレーヤ 2において、制御データ処理部 221は、適切に処理を行うことができる簡易シナリオデータのみを受け取り処理をすればよぐ処理不可能な高機能シナリオデータの処理を指示されることがなヽ。つまり、非対応のフォーマットのデータに対する処理指示を受けることで生じる誤動作等を引き起こすことがない。

[0347] このように、本実施の形態のオーディオ専用プレーヤ 2は、再生対象が、シナリオ制御記述データのフォーマットが異なるタイトルが混在する情報記録媒体であっても、再生可能なタイトルについては再生し、再生できないタイトルについては、再生に関する処理を行うことなぐその旨をユーザに通知することができる。つまり、ユーザおよびプレーヤに不要な負担をかけることがない。

[0348] また、実施の形態 1および 2では、 1枚の BD— ROMにシナリオ制御記述データのフォーマットが異なるタイトルが混在する場合について説明した。し力しながら、 1枚の BD— ROMに記録されているシナリオ制御記述データのフォーマットが同一であつても、当該 BD— ROMにフォーマット識別子を記録することにより、 BD—ROMプレーャはフォーマット識別子を利用してシナリオ制御記述データの処理を適切に行うことがでさる。

[0349] 例えば、 1枚の BD— ROM内ではシナリオ制御記述データのフォーマットが統一されている場合であっても、ユーザが購入する 2枚以上の BD— ROM間では、シナリオ制御記述データのフォーマットが異なることがある。

[0350] この場合、本実施の形態の BD—ROM104のように、タイトルごとにシナリオ制御記述データのフォーマットを識別するための識別情報が記録されていれば、 BD—RO Mプレーヤ 1およびオーディオ専用プレーヤ 2は、シナリオ制御記述データのフォーマットに応じた適切な処理をすることができる。これにより、例えば、非対応のフォーマットのシナリオ制御記述データを処理しょうとすることによる誤動作を引き起こすことがない。

[0351] また、ユーザは、例えば BD— ROMプレーヤ 1に再生させようと考える BD— ROM について、各タイトルのシナリオ制御記述データのフォーマットが何であるかを気にする必要がない。

[0352] つまり、上述の簡易ナビゲーシヨンフォーマットおよび高機能プログラムフォーマットのように、 BD— ROMで採用されるフォーマットが複数ある場合、 BD— ROMに記録される複数のシナリオ制御記述データのそれぞれは、複数のフォーマットのうちのいずれかのフォーマットで記述されることになる。

[0353] このような場合、 1枚の BD— ROMについてシナリオ制御記述データのフォーマットが統一されているか否かにかかわらず、本実施の形態の BD—ROM104は、 BD- ROMプレーヤ 1およびオーディオ専用プレーヤ 2に、各シナリオ制御記述データを正しく識別させることができ、 BD— ROMプレーヤ 1およびオーディオ専用プレーヤ 2 は、この識別により適切な処理を行うことができる。

[0354] また、実施の形態 1および 2の説明にお、て述べた、本発明の特徴的な機能は、上述の説明に示された組み合わせに限られるものではなぐ巿場のニーズやプレーヤの製造コスト等に応じて必要な機能を選択し組み合わせてもよい。例えば、簡易シナリオデータおよび高機能シナリオデータの両方を処理可能な処理部を備えるとともに、その他のフォーマットのシナリオ制御データが含まれている場合に、ユーザにその旨を通知する機能を有して、てもよ、。

[0355] また、例えば、非対応のフォーマットのシナリオ制御データと関連付けられたタイトルに対する再生指示を破棄する手段は、単独で BD— ROMプレーヤ等の再生装置に備えられていてもよい。当該機能は、再生装置において非対応フォーマットのシナリオ制御記述データの処理を継続させな、ことで、非対応フォーマットが原因の誤動作の発生を防止することができる。

産業上の利用可能性

[0356] 本発明により、フォーマットの異なる複数のシナリオ制御記述データを 1つの情報記録媒体に混在させることができる。これにより、特に映像コンテンツの制作に係る映画産業、民生機器産業において生産、販売等される BD— ROM等の情報記録媒体、および BD— ROMプレーヤ等の再生装置などに有用である。

Claims

請求の範囲

[1] それぞれ映像データおよび音声データの少なくとも一方を含む複数のタイトルと、前記複数のタイトルそれぞれに関する情報が記録された管理情報と、前記複数のタィトルの再生順を制御するための、前記複数のタイトルのそれぞれと関連付けられた複数の再生制御データとが記録された情報記録媒体であって、

前記複数の再生制御データのそれぞれは、複数のフォーマットのうちの、ずれかのフォーマットで記述されており、関連付けられたタイトルが再生装置により再生される場合に処理されるデータであり、

前記管理情報には、前記複数の再生制御データそれぞれのフォーマットを識別するための識別情報が記録されている

情報記録媒体。

[2] 前記管理情報には、前記識別情報と、前記複数の再生制御データそれぞれの前記情報記録媒体における記録位置を示すアドレス情報とが、タイトルごとに記録されている

請求項 1記載の情報記録媒体。

[3] 請求項 1記載の情報記録媒体を再生する再生装置であって、

前記識別情報により前記再生制御データのフォーマットを識別する識別手段と、前記識別手段により識別されたフォーマットに応じて、前記再生制御データについての処理を行う制御データ処理手段と、

前記制御データ処理手段による前記処理に応じたタイトルの再生を行う再生手段とを備える再生装置。

[4] 前記複数の再生制御データそれぞれのフォーマットは、第 1のフォーマットまたは第 2のフォーマットであり、

前記識別手段は、

前記識別情報により、前記再生制御データのフォーマットが前記第 1のフォーマットおよび前記第 2のフォーマットのいずれであるかを識別し、

前記制御データ処理手段は、

前記識別手段により前記第 1のフォーマットであると識別された再生制御データを処理する第 1処理手段と、

前記識別手段により前記第 2のフォーマットであると識別された再生制御データを処理する第 2処理手段とを有し、

前記再生手段は、前記第 1処理手段および前記第 2処理手段による処理の結果に示されるタイトルの再生を行う

請求項 3記載の再生装置。

[5] 前記複数のフォーマットのうちの 1つは、第 1のフォーマットであり、

前記識別手段は、

前記識別情報により前記再生制御データのフォーマットが前記第 1のフォーマットであるか否かを識別し、

前記制御データ処理手段は、

前記識別手段により前記第 1のフォーマットではないと識別された場合、少なくとも前記再生制御データに関連付けられたタイトルは再生できない旨をユーザに通知する通知手段とを有し、

前記再生手段は、前記第 1処理手段に処理される再生制御データと関連付けられたタイトルのみの再生を行う

請求項 3記載の再生装置。

[6] 前記管理情報には、前記情報記録媒体が前記再生装置に読み込まれた後に最初に再生すべきタイトルである第 1タイトルを指定する第 1再生情報が記録されており、前記識別手段は、前記情報記録媒体が前記再生装置に読み込まれると、前記第 1 タイトルに関連付けられた再生制御データのフォーマットが前記第 1のフォーマットであるカゝ否かを識別し、

前記通知手段は、前記識別手段により、前記第 1タイトルと関連付けられた再生制御データのフォーマットが前記第 1のフォーマットではないと識別された場合、前記情報記録媒体は再生できない旨を通知する

請求項 5記載の再生装置。

[7] 前記再生手段は、

前記識別手段により、前記第 1タイトルに関連付けられた再生制御データのフォーマットが前記第 1のフォーマットではないと識別された場合、前記再生制御データが前記第 1処理手段に処理されないことにより、前記複数のタイトルを再生しない請求項 6記載の再生装置。

[8] 更に、

前記タイトルの再生に関する前記ユーザ力の指示を受け付ける受付手段と、前記識別手段により、前記第 1タイトルに関連付けられた再生制御データのフォーマットが前記第 1のフォーマットではないと識別された場合、前記ユーザからの指示を前記受付手段が受け付けな!/、ように遮断するマスク手段と

を備える請求項 7記載の再生装置。

[9] 更に、前記識別手段により前記第 1のフォーマットではないと識別された場合、前記再生手段に再生させるべきタイトルを決定する決定手段を備え、

前記識別手段は、前記決定手段により決定されたタイトルに関連付けられた識別情報により、前記決定されたタイトルのフォーマットが前記第 1のフォーマットであるか否かを識別する

請求項 5記載の再生装置。

[10] 前記通知手段は、

前記識別手段により前記第 1のフォーマットではないと識別された場合、前記再生できなヽ旨の内容を表示することにより前記再生できなヽ旨を前記ユーザに通知する表示手段を有する

請求項 5記載の再生装置。

[11] 前記通知手段は、

前記識別手段により前記第 1のフォーマットではないと識別された場合、音声を出力することにより前記再生できない旨を前記ユーザに通知する音声出力手段を有する

請求項 5記載の再生装置。

[12] 前記音声出力手段は、効果音を出力することにより前記再生できない旨を前記ュ一ザに通知する

請求項 11記載の再生装置。

[13] 更に、前記再生できない旨の内容の自然言語を示す情報を記憶する記憶手段を備え、

前記音声出力手段は、前記記憶手段から前記自然言語を示す情報を読み出して音声として出力することにより前記再生できない旨を前記ユーザに通知する

請求項 11記載の再生装置。

[14] 更に、前記制御データ処理手段による前記処理の結果に応じて、前記再生手段に再生させるべきタイトルの再生指示を行う再生指示手段と、

前記再生させるべきタイトルに関連付けられた再生制御データのフォーマットに応じて前記再生指示を破棄する破棄手段とを備え、

前記複数のフォーマットのうちの 1つは、第 1のフォーマットであり、

前記識別手段は、前記再生指示手段により指示されたタイトルに関連付けられた再生制御データのフォーマットが前記第 1のフォーマットである力否かを前記識別情報により識別し、

前記制御データ処理手段は、前記識別手段により前記第 1のフォーマットであると識別された場合、前記再生制御データを処理し、

前記破棄手段は、前記識別手段により前記第 1のフォーマットではないと識別された場合、前記再生指示を破棄し、

前記再生手段は、前記再生指示が前記破棄手段により破棄されたことにより、前記再生指示手段により指示された前記タイトルを再生しない

請求項 3記載の再生装置。

[15] 制御データ処理手段は、前記識別手段により前記第 1のフォーマットではないと識別された場合、少なくとも前記再生制御データに関連付けられたタイトルは再生できな、旨をユーザに通知する通知手段を有する

請求項 14記載の再生装置。

[16] 前記通知手段は、

請求項 15記載の再生装置。

[17] 前記通知手段は、

請求項 15記載の再生装置。

[18] 前記音声出力手段は、効果音を出力することにより前記再生できない旨を前記ュ一ザに通知する

請求項 17記載の再生装置。

[19] 更に、前記再生できない旨の内容の自然言語を示す情報を記憶する記憶手段を備え、

前記音声出力手段は、前記記憶手段から前記自然言語を示す情報を読み出して音声として出力することにより前記再生できない旨を前記ユーザに通知する請求項 17記載の再生装置。

[20] 前記再生装置は、オーディオ専用の再生装置であり、

前記再生手段は、前記タイトルに含まれる音声データのみを再生する請求項 5記載の再生装置。

[21] 請求項 1記載の情報記録媒体を再生するための方法であって、

前記識別情報により前記再生制御データのフォーマットを識別する識別ステップと前記識別ステップにお、て識別されたフォーマットに応じて、前記再生制御データにつ \ヽての処理を行う制御データ処理ステップと、

前記制御データ処理ステップにおける前記処理に応じたタイトルの再生を行う再生ステップと

を含む再生方法。

[22] 請求項 1記載の情報記録媒体を再生するためのプログラムであって、前記識別情報により前記再生制御データのフォーマットを識別する識別ステップと前記識別ステップにお、て識別されたフォーマットに応じて、前記再生制御データにつ \ヽての処理を行う制御データ処理ステップと、

をコンピュータに実行させるためのプログラム。

[23] 請求項 1記載の情報記録媒体を再生するためのプログラムが格納された記録媒体であって、

前記制御データ処理ステップにおける前記処理に応じたタイトルの再生を行う再生ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムが格納された記録媒体。

[24] 請求項 1記載の情報記録媒体を再生するための集積回路であって、

前記制御データ処理手段による前記処理に応じたタイトルの再生の指示を行う再生指示手段と

を備える集積回路。