WO2006087884A1 - カプセル型内視鏡用電源スターター - Google Patents

Abstract

　磁性体５１ｅを備えた電源スターター５１を、滅菌シート４３を開封した状態で、中蓋部４２に取り付けて、この中蓋部４２の外側（中蓋部４２内）から磁性体５１ｅでカプセル型内視鏡２に磁界を加え得るようにすることで、外部から磁界を加えるまではカプセル型内視鏡２の各機能が駆動開始することを防止することで、カプセル型内視鏡の各機能の駆動開始を任意のタイミングで行えるようにして、カプセル型内視鏡内に蓄積された電力消費を抑える。

Description

明 細 書

カプセル型内視鏡用電源スターター

技術分野

[0001] 本発明は、被検体内に導入されて被検体内部の画像情報を取得する、たとえば飲 み込み型のカプセル型内視鏡の各機能実行手段に電源供給を開始するためのカブ セル型内視鏡用電源スターターに関するものである。

背景技術

[0002] 近年、内視鏡の分野では、撮像機能と無線機能とが装備されたカプセル型内視鏡 が登場している。このカプセル型内視鏡は、観察 (検査）のために被検体である被検 者に飲み込まれた後、被検者の生体 (人体)から自然排出されるまでの観察期間、胃 、小腸などの臓器の内部 (体腔内）をその蠕動運動に伴って移動し、撮像機能を用 V、て順次撮像する構成である。

[0003] また、これら臓器内の移動によるこの観察期間、カプセル型内視鏡によって体腔内 で撮像された画像データは、順次無線通信などの無線機能により、被検体の外部に 設けられた外部装置に送信され、外部装置内に設けられたメモリに蓄積される。被検 者がこの無線機能とメモリ機能を備えた外部装置を携帯することにより、被検者は、力 プセル型内視鏡を飲み込んだ後、排出されるまでの観察期間、不自由を被ることなく 行動が可能になる。観察後は、医者もしくは看護師によって、外部装置のメモリに蓄 積された画像データに基づ!/、て、体腔内の画像をディスプレイなどの表示手段に表 示させて診断を行うことができる。

[0004] この種のカプセル型内視鏡では、たとえば特許文献 1に示すような飲み込み型のも のがあり、カプセル型内視鏡の駆動を制御するため、内部に外部磁場によってオン' オフするリードスィッチを備え、この外部磁場を供給する永久磁石を含むパッケージ に収容された構成が提案されている。すなわち、カプセル型内視鏡内に備わるリード スィッチは、一定強度以上の磁場が与えられた環境下では、オフ状態を維持し、外 部磁場の強度が低下することによってオンする構造を有する。このため、パッケージ に収容されている状態では、カプセル型内視鏡は駆動しない。そして、飲み込み時 に、このカプセル型内視鏡をパッケージ力も取り出すことで、永久磁石から離隔して カプセル型内視鏡が磁力の影響を受けなくなり、駆動を開始する。このような構成を 有することによって、ノ ッケージ内に収容された状態では、カプセル型内視鏡の駆動 が防止可能となり、ノ^ケージ力も取り出し後は、カプセル型内視鏡の撮像機能によ る画像の撮像および無線機能による画像信号の送信が行われていた。

[0005] 特許文献 1：国際公開第 01Z35813号パンフレット

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0006] し力しながら、このような装置では、カプセル型内視鏡をパッケージから取り出して 被検体内に導入するまでには、ある程度の時間を要することから、その間にカプセル 型内視鏡の各機能、たとえば撮像機能や無線機能などが駆動を開始し、この撮像機 能によって画像の撮像動作がなされ、さらにこの無線機能によって得られた画像信 号の無線送信動作がなされてしまい、このためにカプセル型内視鏡内に蓄積された 電力が浪費されるという問題があった。

[0007] 本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、カプセル型内視鏡に磁界を 加えて各機能実行手段に電源を供給することで、カプセル型内視鏡の各機能の駆 動開始を任意のタイミングで行えるようにして、カプセル型内視鏡内に蓄積された電 力消費を抑えることができるカプセル型内視鏡用電源スターターを提供することを目 的とする。

課題を解決するための手段

[0008] 上述した課題を解決し、 目的を達成するために、本発明にカゝかるカプセル型内視 鏡用電源スターターは、収容ケース内で保持手段に保持され、磁界が加わると、オフ 状態から電源供給状態に切り替わるカプセル型内視鏡の電源供給用スィッチに対し 、前記保持手段の外部から磁界を加え得る磁性体を、備えることを特徴とする。

[0009] また、請求項 2の発明に力かるカプセル型内視鏡用電源スターターは、上記発明 において、前記保持手段は、互いの間に保持空間領域を形成し、前記保持空間領 域内に前記カプセル型内視鏡を収容して保持する第 1および第 2の保持手段を有し 、前記カプセル型内視鏡用電源スターターは、前記第 1および第 2の保持手段のい ずれか一方に係合して、前記保持手段を取り外し可能な係合手段を、備えることを特 徴とする。

[0010] また、請求項 3の発明にかかるカプセル型内視鏡用電源スターターは、上記発明 において、前記磁性体の移動が可能な移動手段と、前記磁性体の移動を抑止する 抑止手段と、をさらに備え、前記収容ケースに接触した時に、前記抑止手段による抑 止が解除され、前記磁性体が移動手段によって前記電源供給用スィッチを電源供給 状態に切り替え可能に移動することを特徴とする。

[0011] また、請求項 4の発明にかかるカプセル型内視鏡用電源スターターは、上記発明 において、前記磁性体は、前記カプセル型内視鏡を挟んで対向する少なくとも 2つの 磁性体カゝらなることを特徴とする。

[0012] また、請求項 5の発明にかかるカプセル型内視鏡用電源スターターは、上記発明 において、前記カプセル型内視鏡の電源供給状態を確認可能な確認手段を、さらに 備えることを特徴とする。

発明の効果

[0013] 本発明にかかるカプセル型内視鏡用電源スターターは、収容ケース内で保持手段 に保持されたカプセル型内視鏡の電源供給用スィッチに、近づけた電源スターター の磁性体が前記保持手段の外部力 磁界を加え得ることを可能としたので、外部か ら磁界を加えるまではカプセル型内視鏡の各機能が駆動開始することが防止され、 カプセル型内視鏡内に蓄積された電力消費を抑えることができるという効果を奏する 図面の簡単な説明

[0014] [図 1]図 1は、本発明にかかる無線型被検体内情報取得システムの概念を示すシス テム概念図である。

[図 2]図 2は、図 1に示したカプセル型内視鏡の概略構成を示す側断面図である。

[図 3]図 3は、図 2に示したカプセル型内視鏡の内部構成を示すブロック図である。

[図 4]図 4は、カプセル型内視鏡を収容する収容ケースの構成を示す斜視図である。

[図 5]図 5は、図 4に示した収容ケース力も滅菌シートを取り除いた場合の一例を示す 斜視図である。 [図 6]図 6は、図 5に示した収容ケースの上面を示す上面図である。

[図 7]図 7は、同じぐ収容ケースの側面を示す側面図である。

[図 8]図 8は、図 5に示した実施例 1にかかる中蓋部の上面を示す上面図である。

[図 9]図 9は、同じぐ実施例 1にかかる中蓋部の側面を示す側面図である。

[図 10]図 10は、図 9に示した孔部の拡大した A— A断面を示す断面図である。

[図 11]図 11は、図 5に示した収容ケースの上面を示す上面図である。

[図 12]図 12は、図 11の B— B断面を示す断面図である。

圆 13]図 13は、電源動作可能範囲を説明するための図 11と同様の断面図である。

[図 14]図 14は、実施例 1にカゝかるカプセル型内視鏡用電源スターターの上面を示す 上面図である。

[図 15]図 15は、同じぐカプセル型内視鏡用電源スターターの側面を示す側面図で ある。

[図 16]図 16は、実施例 1にかかるカプセル型内視鏡用電源スターターを取り付けた 状態での図 11の B— B断面を示す断面図である。

[図 17]図 17は、図 3に示した実施例 1に力かるカプセル型内視鏡のシステムコントロ ール回路の回路構成を示す回路図である。

[図 18]図 18は、図 16に示した磁性体によって発生する磁界とカプセル型内視鏡の 関係を示す模式図である。

[図 19]図 19は、図 17に示したカプセル型内視鏡の電源供給開始動作を説明するた めのフローチャートである。

[図 20]図 20は、実施例 2にかかるカプセル型内視鏡用電源スターターを取り付けた 状態での図 11の B— B断面を示す断面図である。

[図 21]図 21は、図 20に示した磁性体によって発生する磁界とカプセル型内視鏡の 関係を示す模式図である。

[図 22]図 22は、実施例 3にかかるカプセル型内視鏡用電源スターターを取り付けた 状態での図 11の B— B断面を示す断面図である。

[図 23]図 23は、変形例 1にかかる電源スターターを取り付ける際の図 11の B— B断面 を示す断面図である。 [図 24]図 24は、変形例 2にかかる電源スターターの側面を示す側面図である。

[図 25]図 25は、変形例 3にかかる中蓋部の上面を示す上面図である。

[図 26]図 26は、電源スターターを取り付けた状態での図 25の F— F断面を示す断面 図である。

[図 27]図 27は、変形例 4にかかるカプセル型内視鏡用電源スターターを取り付けた 状態での図 11の B— B断面を示す断面図である。

符号の説明

1 被検体

2 カプセル型内視鏡

2a リードスィッチ

2b 電源動作可能範囲

3 受信装置

4 表示装置

5 携帯型記録媒体

11 密閉容器

11a 先端カバー

l lal 鏡面仕上げ部

l ib 胴部カバー

20 発光素子（LED)

21 LED駆動回路

22 固体撮像素子

23 CCD駆動回路

24 RF送信ユニット

25 送信アンテナ部

26 システムコントロール回路

26b, 26c フリップフロップ

27 結像レンズ

29 電池 31 受信ジャケット

32 外部装置

40 収容ケース

40a 保持空間領域

40b 通路

41 ブリスターパック

41a, 42a, 51b 円筒部

41b, 42b, 51a 取手部

41c, 42c 縁部

41d, 42d， 41e4 突起部

41e, 42e 底面

41el 外側底面

41e2 内側底面

41e3 保持部

41e5, 42e2, 42g, 51f, 51i 突起

42 中蓋部

42el 突出部

42e3 段差部

42f, 51g, 51hl 溝

42h 段部

43 滅菌シート

51 電源スターター

51c 穴部

51d 底面

51e, 51h2, 52a, 52b 磁性体 51j 反射鏡

51h3 爪部

発明を実施するための最良の形態 [0016] 以下に、本発明に力かるカプセル型内視鏡用電源スターターおよび収容ケースの 実施例を図 1〜図 27の図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、これらの 実施例に限定されるものではなぐ本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更実 施の形態が可能である。

実施例 1

[0017] 図 1は、本発明にカゝかる無線型被検体内情報取得システムの概念を示すシステム 概念図である。図 1において、このカプセル型内視鏡システムは、被検体 1の体腔内 に導入される無線型被検体内情報取得装置としての飲み込み型のカプセル型内視 鏡 2と、被検体 1の外部に配置されて、カプセル型内視鏡 2との間で各種の情報を無 線通信する体外装置である受信装置 3とを備えている。また、無線型被検体内情報 取得システムは、受信装置 3が受信したデータに基づ 、て画像表示を行う表示装置 4と、受信装置 3と表示装置 4間でデータの入出力を行う携帯型記録媒体 5とを備え ている。

[0018] カプセル型内視鏡 2は、図 2の側断面図に示すように、外装ケースである密閉容器 11と、密閉容器 11内にあって、たとえば体腔内の被検体部位を照明するための照 明光を出射する LEDなどの複数の発光素子 20と、照明光による反射光を受光して 被検体部位を撮像する CCDや CMOSなどの固体撮像素子 22 (以下代表して、「C CD22」という）と、この CCD22に被写体の像を結像させる結像レンズ 27と、この CC D22で取得した画像情報などを RF信号に変調して送信する RF送信ユニット 24と、 RF信号の電波を放出する送信アンテナ部 25と、電池 29などの構成要素を備える。

[0019] 密閉容器 11は、人が飲み込める程度の大きさのものであり、略半球状の先端カバ 一 11aと、筒形状の胴部カバー l ibとを弾性的に嵌合させて、内部を液密に封止す る外装ケースを形成している。先端カバー 11aは、略半球状のドーム形状であって、 ドームの後側が円形状に開口している。この先端カバー 11aは、透明性あるいは透 光性を有する透明部材、たとえば光学的性能や強度を確保するのに好ま ヽシクロ ォレフィンポリマーある 、はポリカーボネイトなどで成形され、かつその表面を鏡面仕 上げ加工が施された後述する鏡面仕上げ部 l lalを有し、発光素子 20からの照明光 を密閉容器 11の外部に透過することを可能にするとともに、この照明光による被検体 力 の反射光を内部に透過することを可能にする。この鏡面仕上げ部 l lalは、固体 撮像素子 22の撮像範囲などによって決まる所定の鏡面仕上げ範囲（図 2中、一点鎖 線 a, aで示す範囲）に形成される。

[0020] また、胴部カバー l ibは、先端カバー 11aの後端に位置して、上記構成要素を覆う 部材である。この胴部カバー l ibは、円筒形状の胴部と、略半球状のドーム形状の 後端部を一体に形成し、この胴部の前側が円形状に開口している。この胴部カバー l ibは、強度を確保するのに好ましいポリサルフォンなどで形成され、後述する照明 手段、撮像手段および電池 29を胴部に収容し、無線送信手段を後端部に収容して いる。

[0021] カプセル型内視鏡 2は、図 3のブロック図に示すように、密閉容器 11の内部に、照 明手段としての LED20および LED20の駆動状態を制御する LED駆動回路 21と、 LED20によって照射された領域力もの反射光である体腔内の画像 (被検体内情報） を、結像レンズ 27を介して撮像する撮像手段としての CCD22および CCD22の駆動 状態を制御する CCD駆動回路 23と、無線送信手段としての RF送信ユニット 24およ び送信アンテナ部 25とを備えて 、る。

[0022] また、カプセル型内視鏡 2は、これら LED駆動回路 21、 CCD駆動回路 23および R F送信ユニット 24の動作を制御するシステムコントロール回路 26を備えることにより、 このカプセル型内視鏡 2が被検体 1内に導入されている間、 LED20によって照射さ れた被検部位の画像データを CCD22によって取得するように動作して 、る。この取 得された画像データは、さらに RF送信ユニット 24によって RF信号に変換され、送信 アンテナ部 25を介して被検体 1の外部に送信されている。さらに、カプセル型内視鏡 2は、システムコントロール回路 26に電力を供給する電池 29を備えており、システム コントロール回路 26は、電池 29から供給される駆動電力を他の構成要素 (機能実行 手段）に対して分配する機能を有している。

[0023] このシステムコントロール回路 26は、たとえば各構成要素と電池 29との間に接続さ れた切り替え機能を有するスィッチ素子およびラッチ回路などを備えている。そして、 このラッチ回路は、外部からの磁界が加わると、スィッチ素子をオン状態にし、それ以 降はこのオン状態を保持して、電池 29からの駆動電力をカプセル型内視鏡 2内の各 構成要素に供給している。なお、この実施例では、カプセル型内視鏡 2内に備わる撮 像機能を有する撮像手段、照明機能を有する照明手段および無線機能を有する無 線送信手段を総称して、所定の機能を実行する機能実行手段としている。具体的に は、システムコントロール回路 26を除いたものは、予め設定された所定の機能を実行 する機能実行手段である。

[0024] 受信装置 3は、図 1に示すように、カプセル型内視鏡 2から無線送信された体腔内 の画像データを受信する無線受信手段としての機能を有する。この受信装置 3は、 被検体 1に着用されるとともに、図示しない複数の受信用アンテナを有する受信ジャ ケット 31と、受信された無線信号の信号処理などを行う外部装置 32とを備える。

[0025] 表示装置 4は、カプセル型内視鏡 2によって撮像された体腔内画像などを表示する ためのものであり、携帯型記録媒体 5によって得られるデータに基づいて画像表示を 行うワークステーションなどのような構成を有する。具体的には、表示装置 4は、 CRT ディスプレイ、液晶ディスプレイなどによって直接画像を表示する構成としても良 、し 、プリンタなどのように、他の媒体に画像を出力する構成としても良い。

[0026] 携帯型記録媒体 5は、外部装置 32および表示装置 4にも接続可能であって、両者 に対して装着されて、接続された時に情報の出力または記録が可能な構造を有する 。この実施例では、携帯型記録媒体 5は、カプセル型内視鏡 2が被検体 1の体腔内を 移動している間は、外部装置 32に挿入されてカプセル型内視鏡 2から送信されるデ ータを記録する。次に、カプセル型内視鏡 2が被検体 1から排出された後、つまり、被 検体 1の内部の撮像が終了した後には、外部装置 32から取り出されて表示装置 4に 挿入され、この表示装置 4によって、携帯型記録媒体 5に記録されたデータが読み出 される構成を有する。たとえば、この携帯型記録媒体 5は、コンパクトフラッシュ (登録 商標)メモリなど力も構成され、外部装置 32と表示装置 4とのデータの入出力を、携 帯型記録媒体 5を介して間接的に行うことができ、外部装置 32と表示装置 4との間が 有線で直接接続された場合と異なり、被検体 1が体腔内の撮影中に自由に動作する ことが可能となる。

[0027] ところで、機能実行手段を備えるカプセル型内視鏡は、被検者への使用前には、 滅菌されてその滅菌状態を保つ必要がある。そこで、この実施例では、上記のカプセ ル型内視鏡 2を滅菌可能な収容ケースに収容している。以下に図 4〜図 12を用いて 、実施例 1にかかる収容ケースを説明する。ここで、図 4は、このカプセル型内視鏡を 収容する収容ケースの構成を示す斜視図であり、図 5は、図 4に示した収容ケースか ら滅菌シートを取り除いた場合の一例を示す斜視図であり、図 6は、図 5に示した収 容ケースの上面を示す上面図であり、図 7は、同じく収容ケースの側面を示す側面図 であり、図 8は、図 5に示した実施例 1にかかる中蓋部の上面を示す上面図であり、図 9は、同じく実施例 1にかかる中蓋部の側面を示す側面図であり、図 10は、図 9に示 した孔部の拡大した A— A断面を示す断面図であり、図 11は、図 5に示した収容ケー スの上面を示す上面図であり、図 12は、図 11の B— B断面を示す断面図である。

[0028] まず、図 4および図 5において、収容ケース 40は、カプセル型内視鏡 2を内部に収 容可能な外部収容部力もなるブリスターパック 41と、ブリスターパック 41内に備えら れ、ブリスターパック 41との間でカプセル型内視鏡 2を保持する内部収容部力もなる 中蓋部 42と、ブリスターパック 41の上面に設けられて、ブリスターパック 41の開口を 閉塞する滅菌シート 43とを備える。なお、ブリスターパック 41と中蓋部 42とは、本発 明にかかる第 1および第 2の保持手段力もなり、たとえばポリプロピレンの材質で構成 され、真空成形などの成形加工によって形成される。

[0029] ブリスターパック 41は、図 6および図 7に示すように、有底の円筒部 41aと、この円筒 部 41aの開口上縁の一部に設けられた舌片形状の取手部 41bと、この円筒部 41aの 開口上縁および取手部 41bの外周に設けられた縁部 41cと、円筒部 41aの周面に設 けられ、円筒部 41aの内部力 外部方向に突出した略半円柱形状の複数の突起部 4 Idとを備える。

[0030] この円筒部 41aは、底面 41eを有し、この底面 41eは、円筒部 41aの外周側に設け られた外側底面 41elと、この外側底面 41elの略中央部分に設けられた内側底面 4 le2とからなる。内側底面 41e2は、所定半径の円盤形状に形成され、外側底面 41e 1は、内側底面 41e2の位置から円筒部 41aの外部（開口方向と逆方向）に向けて突 出した底面力 なり、下面が所定の幅を有する中空のドーナツ形状に形成されている 。この外側底面 41elと内側底面 41e2との間には、図 7に示すように、高低差 Dが生 じている。また、内側底面 41e2の中央部分には、内側底面 41e2の位置力も外側底 面 4 lei方向に向けて窪んだ略半球形状の保持部 41 e3が設けられて 、る。この保 持部 41e3は、カプセル型内視鏡 2の胴部カバー l ibを構成するドーム形状の後端 部を保持するためのもので、内側には開口方向に向って十文字形状の突起部 41e4 が設けられ、線接触で保持された胴部カバー l ibの後端部へ滅菌ガスが侵入して、 この後端部全体をムラなく滅菌することを可能にしている。なお、この突起部 41e4は 、複数の突起で構成し、カプセル型内視鏡 2の後端部をそれぞれ点接触で保持する ように構成することも可能である。

[0031] 取手部 41bは、上面が略三角形状の板状部材からなり、図 5に示すように、後述す る中蓋部 42の取手部 42bが当接可能に構成されている。縁部 41cは、所定の幅を有 し、円筒部 41aの開口上縁および取手部 41bの外周に、階段状に 1段高く設けられ、 取手部 41bに当接した中蓋部 42の取手部の動きを抑制している。また、この縁部 41 cの高さは、取手部 41bに当接した中蓋部 42の取手部 42bや縁部 42cの厚みと同等 以上に構成されており、この中蓋部 42がブリスターパック 41内に収容された状態で、 縁部 41cの上面に滅菌シート 43の貼り付けを可能にしている。

[0032] この突起部 41dは、円筒部 41aの長手方向に設けられた略半円柱形状の突起から なり、上端（円筒部 41aの開口側）の径が最も大きく下端 (底面 41e側）にいくにしたが つて径が徐々に小さくなるように構成され、かつ同一形状の突起部 41dが円筒部 41a の長手方向に沿ってそれぞれが略等間隔に配置されている。この突起部 41dは、上 端が開口し、下端が半ドーム形状の底面を形成している。なお、この実施例では、円 筒部 41aの周面に 5つの突起部 41dがそれぞれ略等間隔に配置されている。

[0033] 中蓋部 42は、図 8および図 9に示すように、有底の円筒部 42aと、この円筒部 42a の開口上縁の一部に設けられた舌片形状の取手部 42bと、この円筒部 41aの開口 上縁に取手部 42bと連なるように設けられた縁部 42cと、円筒部 42aの内部から外部 方向に突出した略半円柱形状の複数の突起部 42dとを備える。

[0034] この円筒部 42aは、図 8〜図 12に示すように、底面 42eを有し、この底面 42eの中 央部分には、カプセル型内視鏡 2を保持するための孔を有する突出部 42elが設け られている。この突出部 42elは、底面 42eの位置から円筒部 42aの内部（開口方向 )に向けて突出した上面を有する略円筒の断面凸形状に形成されており、その内径 は、カプセル型内視鏡 2の外径より若干大きい内径で構成されている。この突出部 4 2elの内周には、突出部 42elの開口に向う長手方向に直線状の突起 42e2が複数 、この実施例では 4つ形成されている。また、この突出部 42elの上面側には、段差 部 42e3が設けられており、この段差部 42e3の内径は、突出部 42elの開口側の内 径よりも、小さい径で構成されている。図 12に示すように、中蓋部 42がブリスターパッ ク 41内に収容された時に、この円筒部 42aの突出部 42elを含む底面 42eおよびブ リスターパック 41の保持部 41e3を含む内側底面 41e2は、本発明に力かる保持空間 領域 40aを形成しており、カプセル型内視鏡 2を収容して保持することを可能として ヽ る。

[0035] この実施例では、図 9、図 12に示すように、突出部 42elにカプセル型内視鏡 2の 先端カバー 11a側が挿入された時に、一点鎖線 a, aの範囲内の鏡面仕上げ部 l lal が突起 42e2および段差部 42e3を含む突出部 42elの構成部分と非接触な状態に なるように、突起 42e2が密閉容器 11の胴部カバー 1 lbの一部を線接触で保持する とともに、段差部 42e3の先端部が先端カバー 11aの一部を線接触で保持するように 構成されている。なお、これら突起 42e2は、突出部 42elの長手方向に直線状に形 成させるものに限らず、たとえば突出部 42elに複数の突起部を設け、密閉容器 11 の胴部カバー l ibの一部をそれぞれ点接触で保持するように構成することも可能で ある。

[0036] 取手部 42bは、上面が取手部 41bより略小型の略三角形状の板状部材からなり、 図 8、図 11に示すように、円筒部 41aの開口上縁に設けられた縁部 42cと一体的に 形成されている。この取手部 42bは、中蓋部 42がブリスターパック 41内に収容された 時に、ブリスターパック 41の取手部 41bと当接可能に構成されている。また、縁部 42 cは、円筒部 42aの開口上縁に設けられ、中蓋部 42がブリスターパック 41内に収容さ れた時に、ブリスターノック 41の開口上縁に当接可能に構成されている。上述したよ うに、これら取手部 42bおよび縁部 42cの厚みは、ブリスターパック 41の縁部 41cの 厚み以下に構成されている。そして、この中蓋部 42がブリスターパック 41内に収容さ れた時に、この縁部 41cによって取手部 42bの動きが取手部 41bの幅の範囲に制限 されるとともに、縁部 41cの上面に滅菌シート 43が貼り付けられると、これら取手部 42 bおよび縁部 42cを含む中蓋部 42全体力 ブリスターノック 41内に収容された状態 になる。

[0037] 突起部 42dは、円筒部 42aの長手方向に設けられた略半円柱形状の突起からなり 、円筒部 42aの長手方向に沿ってそれぞれが略等間隔に配置されている。この突起 部 42dは、上端が開口し、下端が半ドーム形状の底面を形成している。なお、この実 施例では、円筒部 42aの周面に 5つの突起部 42dがそれぞれ略等間隔に配置され ている。これら突起部 42dは、中蓋部 42がブリスターパック 41内に収容されて取手部 41 bと 42b力当接した状態で、それぞれがブリスターパック 41の突起部 41 dと対向し ない位置で、かつ突起部 42dの最突起部分が円筒部 41aの内周面と接触可能に形 成されて、ブリスターパック 41内での中蓋部 42のガタツキを防止している。

[0038] 図 5、図 11、図 12に示すように、ブリスターパック 41の突起部 41d内周面と、中蓋 部 42の円筒部 42aの外周面との間には、本発明に力かる空隙による通路 40bが形 成されており、滅菌シート 43を介して外部力も侵入した滅菌ガスの通過を可能にして いる。また、この通路 40bと保持空間領域 40aとは互いに連通しており、通路 40bを 通った滅菌ガスが保持空間領域 40aへ到達するのを可能にしている。

[0039] また、カプセル型内視鏡 2は、図 13に示すように、内部に外部力もの磁界によって オン Zオフ動作を行う電源供給用のリードスィッチ 2aを有しており、このリードスィッチ 2aがオン状態になって各機能実行手段に電源が供給されたことを、図 2に示した LE D20の点滅によって外部に知らしめる。このリードスィッチ 2aは、カプセル型内視鏡 2 の長手方向の略中央部に設けられており、リードスィッチ 2aから半径 r内に、図示しな い永久磁石が近づいて所定の磁力が加わると、オンして電源動作が可能な球形状 の電源動作可能範囲 2bを有している。この実施例では、たとえばブリスターパック 41 の底面 41eおよび中蓋部 42の底面 42eの直径は、この電源動作可能範囲 2bの直径 2rより長く構成されている。また、この実施例では、電源動作可能範囲 2bは、カプセ ル型内視鏡 2がブリスターパック 41の保持部 41e3と中蓋部 42の突出部 42elとに保 持された時に、内側底面 41e2と保持部 41e3を含み、かつ外側底面 41elと内側底 面 41e2の高さの範囲内に設定されるとともに、突出部 42elを含み、かつ円筒部 42a の高さの範囲内に設定されている。 [0040] そこで、使用時には、滅菌シート 43を収容ケース 40から剥離させ、中蓋部 42の円 筒部 42a内側に磁性体 (磁石）を収納し、この収納された磁性体の磁界によってリー ドスイッチをオン状態にし、透明または半透明の突出部 42elから LED20の点滅状 態を確認することが可能となる。すなわち、突出部 42elは、カプセル型内視鏡 2の保 持および保護機能の他に、 LEDの点滅確認を容易にするための機能を有して！/、る。

[0041] また、カプセル型内視鏡 2は、内部に外部からの磁界によってオン Zオフ動作を行 う電源供給用のリードスィッチ (後述する）を有しており、このリードスィッチがオン状態 になって各機能実行手段に電源が供給されたことを、図 2に示した LED20の点灯に よって外部に知らしめる機能を有する。そこで、この実施例では、使用時には、図 14 、図 15に示すようなカプセル型内視鏡用電源スターター（以下、単に「電源スタータ 一」という） 51を用いてリードスィッチをオフ状態力もオン状態である電源供給状態に 切り替える。

[0042] この電源スターター 51は、上部に設けられた取手部 51aと、下部に設けられた円筒 形状の円筒部 51bとから構成され、これら取手部 51aと円筒部 51bとは一体的に形 成されている。また、この円筒部 51bの長手方向には、取手部 51aの中央部分に貫 通する本発明に力かる確認手段としての穴部 51cが設けられて 、る。

[0043] 取手部 51aは、図 14、図 15に示すように、上面が略楕円形状に、かつ側面が略台 形形状に構成されている。また、円筒部 51bは、底面 51dの内壁側に磁性体 51eが 内設されている。図 16は、電源スターター 51を取り付けた状態での図 11の B— B断 面を示す断面図である。図 16において、穴部 51cは、底面 51d側の径が中蓋部 42 の突出部 42elの径よりも若干大きく形成され、かつ穴部 51cの途中から上方に向つ て、この穴部 51cの径はテーパー形状に大きく形成されている。また、この穴部の長 さは、中蓋部 42の突出部 42elの長さよりも長く構成されている。したがって、滅菌シ ート 43が収容ケース 40から剥離されると、電源スターター 51が中蓋部 42の上面側 力も突出部 42el全体を覆うように係合することが可能となる。なお、この穴部 51cの 径が上方でテーパー状に大きくなつているのは、カプセル型内視鏡 2の LED20が点 灯した際に、その確認を容易にするためである。また、逆にこの穴部 51cの径を上方 でテーパー状に小さくなるように構成し、かつ電源スターター 51をたとえば黒っぽい 色で形成して、作業者が穴部 51cの開口カゝら LED20の点灯を容易に認識することも 可能となる。

[0044] 円筒部 51bの外径（直径）は、たとえばリードスィッチ 2aの電源動作可能範囲 2bの 直径 2rよりも小さく形成されており、この円筒部 51b内に設けられた磁性体 51eは、た とえば円筒部 51bの内壁と同様に湾曲した所定の大きさの四角形状の磁石力 形成 されている。この磁性体 51eは、電源スターター 51が中蓋部 42の突出部 42elを覆う ように係合すると、電源動作可能範囲 2b内に入り、磁性体 51eの磁界によってリード スィッチ 2aをオン状態にし、穴部 51cから LED20の点灯状態を確認することが可能 となる。

[0045] 次に、図 3に示した実施例 1にかかるカプセル型内視鏡 2のシステムコントロール回 路 26の回路構成を、図 17の回路図を用いて説明する。図 17において、システムコン トロール回路 26は、一端が接地され、かつ他端が後述するラッチ回路と接続される電 源供給用スィッチとしてのリードスィッチ 2aと、ラッチ回路を構成するフリップフロップ 2 6b, 26cと、フリップフロップ 26b, 26cに接続されてスィッチ素子として機能する FET (電界効果トランジスタ） 26d, 26eとを備える。リードスィッチ 2aは、外部から加わる磁 界によってオン Zオフ動作を行い、フリップフロップ 26b, 26cは、このリードスィッチ 2 aのオン Zオフ動作によってクロックが入力すると、 FET26d, 26eを順次オン状態に セットしている。

[0046] すなわち、外部力 磁界が加わると、リードスィッチ 2aは、オン動作を行い、図中の a点ではノ、ィ (H)レベル力もロー（L)レベルになる。また、磁界が加わらなくなると、リ 一ドスイッチ 2aは、オフ動作を行い、 a点では Lレベルから Hレベルに変化する。この 動作によりフリップフロップ 26bの CK端子にクロックが入力する。フリップフロップ 26b では、 a点での Lレベル力 Hレベルの立ち上がりエッジを分周した信号が Q出力され る（b点の信号)。 FET26dは、フリップフロップ 26bの Q出力力 レベルでオン状態に なり、電池 29から LED駆動回路 21と CCD駆動回路 23に電力が供給されて起動し、 LED20と CCD22の駆動が可能となり、 LED20は点灯する。

[0047] 次に外部力も磁界が加わると、 a点では、再び Hレベル力も Lレベルになる。この動 作によりフリップフロップ 26bの Q出力は、 Hレベルになり（b点の信号）、 FET26dは 、オフ状態になって、この回路全体への電力供給が停止して、 LED20は消灯する。 また次に外部力 磁界が加わると、 a点では、再び Hレベル力 Lレベルになる。この 動作によりフリップフロップ 26bの Q出力は、 Lレベルになり（b点の信号）、 FET26d は、オン状態になって、電池 29から LED駆動回路 21と CCD駆動回路 23に電力が 供給されることとなり、 LED20が点灯する。このように、 FET26dは、リードスィッチ 2a に磁界をカ卩えることによって、いわゆるトグル動作でオンすることになる。

[0048] また、フリップフロップ 26bの Q出力は、 RF送信ユニット 24のみを起動させるための 機能を有するフリップフロップ 26cのクロック端子に入力する。フリップフロップ 26cで は、 b点での Lレベル力 Hレベルの立ち上がりエッジを分周した信号が Q出力される (c点の信号)。したがって、 FET26eは、 2回目の磁界印加によるリードスィッチ 2aの オン動作によって、オン状態になり、 4回目の磁界印加によるリードスィッチ 2aのオン 動作によって、オフ状態になる。このため、 3回目の磁界印加の際に、 FET26d, 26 eがともにオン状態となるので、電池 29から RF送信ユニット 24にも電力が供給される こととなる。この実施例では、たとえば工場出荷時には、上記 1回目の磁界印加状態 に設定しておいて、被検者への使用時には、 3回の磁界印加によって、 LED20、 C CD22および RF送信ユニット 24全てが駆動可能になるようにするのが好ましい。

[0049] 上記の動作を行わせるためには、図 18に示すように、リードスィッチ 2aが、磁性体 5 leから発生する磁界 Eを切る必要があり、磁力の方向が違うと、磁力がリードスィッチ 2aに及ばず、リードスィッチ 2aがオン状態に切り替わらなくなる。そこで、この実施例 では、突出部 42elにカプセル型内視鏡 2が保持された状態で、電源スターター 51 をカプセル型内視鏡 2の円周方向に最大 90度回転させれば、必ずリードスィッチ 2a が磁界 Eを切る状態となるので、磁性体 51eの磁力がリードスィッチ 2aに及んでリード スィッチ 2aが電源供給状態になり、 LED20を点灯させることができる。

[0050] 次に、カプセル型内視鏡 2の電源供給開始動作を、図 19のフローチャートに基づ いて説明する。図において、まずカプセル型内視鏡 2を使用する前には、滅菌状態 の収容ケース 40から滅菌シート 43を図 5に示すように、剥離して (ステップ 101)、電 源スターター 51を中蓋部 42に挿入して突出部 42elに取り付ける (ステップ 102)。 次に、この取り付け状態において、看護士などの作業者が電源スターター 51の取手 部 51aを摘んで、電源スターター 51をカプセル型内視鏡 2の円周方向に最大 90度 回転させて、カプセル型内視鏡 2のリードスィッチ 2aに磁界をカ卩える（ステップ 103)。 このように、電源スターター 51によってリードスィッチ 2aに磁界が加わると、リードスィ ツチ 2aがオンし、電池 29からの電力が LED駆動回路 21、 CCD駆動回路 23及び R F送信ユニット 24に供給されて、各機能が駆動して LED20の点灯を初め、 CCD22 の撮像及び RF送信ユニット 24の画像情報の送信が可能となる (ステップ 104)。作業 者は、 LED20の点灯を穴部 51cの開口力も確認することができる。

[0051] このように、この実施例では、磁性体を備えた電源スターターを、カプセル型内視鏡 を保持させた中蓋部に取り付けて、中蓋部の外側カゝら磁性体でカプセル型内視鏡に 磁界を加えることで、カプセル型内視鏡内の電源供給用スィッチであるリードスィッチ をオフ状態力 オン状態 (電源供給状態）に切り替えることができるので、カプセル型 内視鏡の各機能の駆動開始を任意のタイミング、たとえば被検者への使用直前で行 えるようにして、カプセル型内視鏡内に蓄積された電力消費を抑えることができる。 実施例 2

[0052] 図 20は、実施例 2にかかる電源スターターを取り付けた状態での図 11の B—B断 面を示す断面図である。図 20において、この実施例では、電源スターター 51の円筒 部 51bの対向する位置に複数 (実施例では 2つ）の磁性体 52a, 52bを配置する。こ れら磁性体 52a, 52bは、実施例 1に示した磁性体 51eより厚さが薄ぐ磁力の弱い、 たとえば磁力が半分程度の磁性体を用いる。

[0053] この実施例では、図 21に示すように、上記の LED20、 CCD22および RF送信ュニ ット 24の駆動が可能なように電力を供給するために、図 18に示すように、リードスイツ チ 2aが、磁性体 52a, 52b力も発生する磁界 Ea, Ebを切るように構成する。このため 、磁性体 52a, 52bの極性は、同じ方向、たとえば中蓋部 42の底面 42e側が N極で、 上方が S極に設定することで、磁性体 52a, 52bからは、同じ方向の磁界 Ea, Ebが常 に発生する。そこで、電源スターター 51をカプセル型内視鏡 2の円周方向に最大 90 度回転させれば、必ずリードスィッチ 2aが磁界 Ea, Ebを切る状態となるので、磁性体 52a, 52bの磁力がリードスィッチ 2aに及んでリードスィッチ 2aが電源供給状態になり 、 LED20を点灯させることができる。なお、磁性体の数は、実施例の 2個に限らず、 4 個以上であっても良い。

[0054] このように、この実施例では、電源スターターの円筒部の対向する位置に複数の磁 性体を配置し、かつリードスィッチに加わる磁界の方向を同一方向にしたので、実施 例 1と同様の効果を得られるとともに、実施例 1の電源スターターに用 ヽた磁性体より も小さい磁性体を用いることができ、電源スターター全体の小型化を図ることができる 実施例 3

[0055] 図 22は、実施例 3にかかる電源スターターを取り付けた状態での図 11の B—B断 面を示す断面図である。なお、図 22および以下の図 23では、磁性体の記載を省略 する。図 22において、中蓋部 42は、円筒部 42aの底面 42e側端部に溝 42fを設ける 。この溝 42fは、無端形状の断面コ字型の 1つの横溝を形成している。また、電源スタ 一ター 51は、円筒部 5 lbの底面 5 Id側端部に突起 5 Ifを設ける。この突起 5 Ifは、 上記溝 42fに係合可能に形成された無端形状の断面 D字型の 1つの突起を形成し ている。なお、この溝 42fと突起 5 Ifは、本発明に力かる係合手段を構成している。

[0056] 中蓋部 42は、上述したごとく柔軟性のあるポリプロピレンの材質で薄肉に形成され ているので、電源スターター 51を取り付ける際に突起 51fが接触すると、接触部分が 外側方向に変形して、この突起 51fが溝 42fに係合するのを可能にしている。また、 突起 51fは断面が D字型に形成され、溝 42fは断面がコ字型に形成されており、突起 5 Ifが溝 42fに係合した場合に、若干のガタツキを持って構成されているので、容易 に電源スターター 51をカプセル型内視鏡 2の円周方向に回転させることができ、カブ セル型内視鏡 2の取り出しの際には、作業者が電源スターター 51をブリスターパック 41内から取り出せば、係合した中蓋部 42とともにカプセル型内視鏡 2を取り出すこと ができる。

[0057] このように、この実施例では、中蓋部に溝部を設け、電源スターターにこの溝に係 合する突起を設けたので、実施例 1と同様の効果を奏するとともに、中蓋部に伴って カプセル型内視鏡を容易に収容ケース力も取り出すことができる。

[0058] 図 23は、ブリスターパック 41、中蓋部 42および電源スターター 51のその他の変形 例 1を説明するためのもので、電源スターターを取り付ける際の図 11の B—B断面を 示す断面図である。図 23において、ブリスターパック 41の底面 41eには、複数の突 起 41e5, 41e5が所定箇所に設けられており、中蓋部 42の底面 42eには、この突起 41e5, 41e5に嵌合する孔を有する突起 42g, 42gが設けられている。使用前の状 態では、この突起同士が嵌合して中蓋部 42をブリスターノ¾ /ク 41内に固定している。

[0059] 電源スターター 51の底面 51d側の円筒部 51bには、中蓋部 42の突起 42g, 42gの 挿入が可能な溝 51g, 51gが上方向に向けて設けられている。この溝 51g, 51gの両 端は、高さが異なって構成されており、一端は突起 42g, 42gの高さと略同一に、他 端は突起 42g, 42gの高さより低ぐたとえば半分程度に構成されている。また、この 溝 51g, 51gの長さは、電源スターター 51をカプセル型内視鏡 2の円周方向に最大 9 0度回転させることができる長さに構成されている。

[0060] この構成において、電源スターター 51を中蓋部 42内に挿入し、溝 51g, 51gに中 蓋部 42の突起 42g, 42gを係合させる。次いで。電源スターター 51をカプセル型内 視鏡 2の円周方向（反時計方向）に回転させることで、上記実施例と同様に、図示し ないリードスィッチが電源供給状態になる。さらに、この回転に伴って、突起 42g, 42 gが接触する位置での溝 5 lg, 51gの高さが低くなつて突起 42g, 42gを下方につぶ すように変形させて、突起 41e5, 41e5との嵌合状態を解除することとなって、中蓋部 42がブリスターパック 41から取り外し可能となる。

[0061] このように、この変形例 1では、ブリスターノ¾ /クと中蓋部に、互いに嵌合する突起を 設け、かつ電源スターターに上記嵌合を解除する溝を設けたので、実施例 1と同様 の効果を奏するとともに、電源スターターによってブリスターパックと中蓋部の嵌合を 容易に解除することができるので、中蓋部に伴ってカプセル型内視鏡を容易に収容 ケースから取り出すことができる。

[0062] 図 24は、電源スターターのその他の変形例 2を説明するためのもので、電源スター ターの側面を示す側面図である。図 24において、電源スターター 51の底面 51d側の 円筒部 51bには、磁性体 51h2を移動可能に保持する溝 51hlと、この磁性体 51h2 を抑止するための爪部 51h3とが設けられている。この溝 51hlは、磁性体 51h2を抑 止する基端が取手部 51a側で高ぐ終端が底面 51d側で低く構成されている。また、 この溝 51hlの長さは、磁性体 51h2をカプセル型内視鏡 2の円周方向に最大 90度 回転させることができる長さに構成されている。なお、溝 51hlは、本発明にかかる移 動手段を、また爪部 51h3は、本発明にかかる抑止手段をそれぞれ構成している。

[0063] この爪部 51h3は、溝 51hlの基端側の円筒部 51bに設けられ、通常は溝 51hlの 基端側に磁性体 51h2を抑止するように構成され、たとえば図 22に示したような中蓋 部 42内に挿入された時に、爪部 51h3の一端がこの円筒部 51bに当接して、他端が 図中の矢印方向に移動してこの磁性体 5 lh2の抑止状態を解除するように構成され ている。この抑止状態が解除されると、磁性体 51h2は、引力によって自然に溝 5 lhl 内を摺動して終端側に移動する。なお、この溝 5 lhlにおける磁性体 5 lh2との接触 面は、磁性体 5 lh2の移動が可能なように、摩擦の少ない処理が施されていることが 好ましい。

[0064] このように、この変形例 2では、電源スターターに磁性体を移動可能に保持する溝と 磁性体を抑止するための爪部とを設け、電源スターターが中蓋部に挿入された時に 円筒部によって爪部の抑止状態が解除され、磁性体が自然に溝内を移動してカブ セル型内視鏡 2の円周方向に最大 90度回転させることができるので、電源スタータ 一を回転させることなぐ実施例 1と同様に、カプセル型内視鏡の各機能の駆動開始 を任意のタイミング、たとえば被検者への使用直前で行えるようにして、カプセル型内 視鏡内に蓄積された電力消費を抑えることができる。

[0065] 図 25および図 26は、中蓋部と電源スターターのその他の変形例 3を説明するため のもので、図 25は、変形例 3にかかる中蓋部の上面を示す上面図で、図 26は、電源 スターターを取り付けた状態での図 25の F—F断面を示す断面図である。これらの図 において、中蓋部 42の円筒部 42aの底面 42e側には、段部 42hが設けられている。 この段部 42hは、円筒部 42aの内周に沿って 270度の範囲で帯状に設けられている

[0066] また、電源スターター 51の円筒部 51bの底面 51d側には、突起 51iが設けられてお り、電源スターター 51が中蓋部 42内に挿入された時に、この突起 51iが中蓋部 42の 段部 42hがない位置では、中蓋部 42の底面 42e全体と電源スターター 51の底面 51 d全体の接触を可能にし、この状態で電源スターター 51をカプセル型内視鏡 2の円 周方向に最大 90度回転させることができるように構成されて！、る。 [0067] このように、この変形例 3では、中蓋部に段部を設けるとともに、電源スターターに上 記段部によって回転を制限される突起を設けたので、作業者が中蓋部内に挿入され た電源スターターを正確に 90度回すことができ、これにより実施例 1と同様に、カプセ ル型内視鏡の各機能の駆動開始を任意のタイミング、たとえば被検者への使用直前 で行えるようにして、カプセル型内視鏡内に蓄積された電力消費を抑えることができ る。

[0068] 図 27は、変形例 4にかかるカプセル型内視鏡用電源スターターを取り付けた状態 での図 11の B—B断面を示す断面図である。図 27において、この変形例では、電源 スターター 51の穴部 51cのテーパー部分に、穴部 51cとともに本発明に力かる確認 手段を構成する反射鏡 5 ljを設け、点灯された LED力 の光を穴部 51c上方に反射 させるように構成する。なお、この変形例では、たとえば穴部 51cのテーパー部分を 表面処理して、反射鏡のように光が反射できるように形成することも可能である。

[0069] このように、この変形例 4では、穴部内に反射鏡を設け、 LEDの点灯を上方に反射 させるように構成したので、 LEDの点灯を作業者の目視によって容易に確認すること ができ、 LED点灯の確認のための視覚性を向上させることができる。

産業上の利用可能性

[0070] 以上のように、本発明に力かるカプセル型内視鏡の収容ケースは、人体の内部に 導入されて、被検部位を観察する医療用観察装置に有用であり、特に、カプセル型 内視鏡の各機能の駆動開始を任意のタイミングで行えるようにして、カプセル型内視 鏡内に蓄積された電力消費を抑えることに適している。

Claims

請求の範囲

[1] 収容ケース内で保持手段に保持され、磁界が加わると、オフ状態から電源供給状 態に切り替わるカプセル型内視鏡の電源供給用スィッチに対し、前記保持手段の外 部から磁界を加え得る磁性体を、

備えることを特徴とするカプセル型内視鏡用電源スターター。

[2] 前記保持手段は、互いの間に保持空間領域を形成し、前記保持空間領域内に前 記カプセル型内視鏡を収容して保持する第 1および第 2の保持手段を有し、 前記カプセル型内視鏡用電源スターターは、前記第 1および第 2の保持手段のい ずれか一方に係合して、前記保持手段を取り外し可能な係合手段を、

備えることを特徴とする請求項 1に記載のカプセル型内視鏡用電源スターター。

[3] 前記磁性体の移動が可能な移動手段と、

前記磁性体の移動を抑止する抑止手段と、

をさらに備え、前記収容ケースに接触した時に、前記抑止手段による抑止が解除さ れ、前記磁性体が移動手段によって前記電源供給用スィッチを電源供給状態に切り 替え可能に移動することを特徴とする請求項 1または 2に記載のカプセル型内視鏡 用電源スターター。

[4] 前記磁性体は、前記カプセル型内視鏡を挟んで対向する少なくとも 2つの磁性体 力 なることを特徴とする請求項 1に記載のカプセル型内視鏡用電源スターター。

[5] 前記カプセル型内視鏡の電源供給状態を確認可能な確認手段を、

さらに備えることを特徴とする請求項 1〜4のいずれか一つに記載のカプセル型内 視鏡用電源スターター。