WO2006080275A1 - ネイルアート用塗布具 - Google Patents

Description

ネイルアート用塗布具

技術分野

[0001] この発明は、爪に絵を画いて楽しむネイルアートなどに用いられる塗布具に関する もので、特に、フレンチネイルのように、爪先にラインを描く際に好適に用いられるネ ィルアート用塗布具に関するもので、香粧品関連技術に属するものである。

背景技術

[0002] 従来力 爪の化粧として、爪にマ-キュア液を塗布することは広く行われているが、 それに用いられるマ-キュア液の塗布具とし、毛を主体とするブラシが広く使用され、 ブラシを含めマ-キュア用塗布具に関しての改良も常に行われてきている。

[0003] たとえば、粘度の高いマ-キュア液を良好に塗布し得るブラシとして、特開平 10— 295440号公報 (特許文献 1)には、剛毛から形成された房を有し、剛毛はロッドの一 方の端部に固定され、ロッドのほぼ軸方向に沿って揃えられているブラシが開示され ている。

[0004] また、ネイルアート用に適した塗布具として、特開 2004— 59035公報 (特許文献 2 )においては、塗布体を合成樹脂や繊維束の固い芯体 (棒状体)で構成することが開 示されて、これによれば誰でも細かな図柄を描くことが可能で、商品寿命も長いもの であるとしている。

[0005] さらに、爪全体にマ-キュアを塗った後に、爪先端に異なる色のマ-キュアでライン を入れるフレンチネイルにおいて、そのライン、多くは白ラインを描き易いブラシとして 、特開 2004— 8826号公報 (特許文献 3)には、その筆部が、横断面形状が弓形で、 先端部が平面視 U字形に形成されているものが開示されている。

[0006] 上記した塗布具は、それぞれに特長を有するものである力 爪の表面に、一定の巾 を有するライン、特に、フレンチネイルと称される、爪の先端部に白色系ラインを設け た模様を描くには、不適切な ヽしは改良すべき点を有して ヽるものである。

[0007] すなわち、特許文献 1に記載された爪全体にマ-キュア液を塗るに適したブラシは 、それを用いて、爪の先端部に白色系ラインを描く場合、ブラシを爪の端に合せて、 動力して描くが、ブラシにそのための工夫が存在しないため、ラインが歪んだり、食み 出したりする上、全ての爪に同じ巾のラインを描くことが困難であって、特に、利き手 の爪にラインを綺麗に描くことはきわめて難しいものである。

[0008] その問題を解消する方法として、マスキングテープを使用する方法がある力 爪に マスキングテープを貼り、マ-キュアを塗布した後、マスキングテープを剥がすときに ラインが歪んだり、塗布済みのマ-キュアが剥がれたりする上、マスキングテープをラ インに合せて正確に、かつ全ての指に貼ること自体が難しいことである。

[0009] また、特許文献 2に記載のような、棒状体からなる塗布具は、細かな模様を描くには 適したものである力 ある程度の巾を有するラインを描くには不適なもので、力りに、 細かな模様を描くという長所を放棄して、棒状体の先端を太くして太線を描けるように しても、上記ブラシと同様な問題を有しているものにしかならない。

[0010] また、特許文献 3に記載のブラシは、フレンチネイル用として開発されたもので、爪 の先端部に白ラインを描き易いブラシであって、ブラシの形状を、横断面形状が弓形 で、先端部が平面視 U字形にしたものであるが、爪の形状は各人各様である上、ライ ンの巾につ 、て規制することができず、勘や技術に頼らなければならな 、ものである ため、全ての爪に同じ巾のラインを描くことは、やはり困難なものである。

[0011] この発明は力かる現状に鑑み、爪に絵を画いて楽しむネイルアート、特に、フレン チネイルの場合におけるように、爪に一定幅のラインを、正確に、かつ簡単に、しかも 、利き手か否かに関係なぐ描ける塗布具を提供することを目的としたものである。 特許文献 1：特開平 10— 295440号公報

特許文献 2：特開 2004— 59035公報

特許文献 3 :特開 2004— 8826号公報

発明の開示

[0012] 前記の目的を達成するためのこの発明は、液体の吸収保持が可能な棒状の塗布 主体と、この塗布主体上に爪先を誘導するネイルガイド部、および前記ネイルガイド に連設され、表面が平面状または曲面状に形成されているネイル塗布部とから構成 されていること

を特徴とするネイルアート用塗布具でに関するものである。 [0013] また、この発明は、上記のネイルアート用塗布具にお 、て、ネイルガイド部とネイル 塗布部が、塗布主体に複数組存在することを特徴とするものである。

[0014] また、この発明は、上記のネイルアート用塗布具にお 、て、複数組存在するネイル 塗布部力 それぞれの塗布長さが異なるものであることを特徴とするものである。

[0015] また、この発明は、上記のネイルアート用塗布具において、ネイルガイド部力 塗布 主体の側面と形成する角度が 90° 以下のものであることを特徴とするものである。

[0016] また、この発明は、上記のネイルアート用塗布具において、ネイルガイド部力 ネィ ル塗布部との交差部から 0. 2〜2. 5mmの範囲にある高さを有することを特徴とする ものである。

[0017] また、この発明は、上記のネイルアート用塗布具において、塗布主体が、毛細管力 によって液体を吸収保持する多孔質体もしくは起毛体又は植毛体であることを特徴と するものである。

[0018] さらに、この発明は、上記のネイルアート用塗布具において、多孔質体が、繊維を 集束し合成樹脂で接着した繊維束体力ゝら形成されたものであることを特徴とするもの である。

[0019] この発明のネイルアート用塗布具は、爪先を誘導するネイルガイド部と、このネイル ガイドに連設されるとともに、表面を平面または曲面などの塗布面としたネイル塗布 部を設けた棒状の塗布主体力もなるため、マ-キュア液を爪に塗布する際、その爪 先をネイルガイド部に添わせながら、ネイル塗布部でマ-キュア液を塗布すれば、爪 先に、所定の巾、すなわち、塗布部の長さで、均一にまた正確にラインを容易に描く ことができるものである。さらに、爪先端部側面に同時に塗布することができる。しかも 、利き手の爪にも何ら支障なぐ描くことができるのである。

[0020] 特に、この発明のネイルアート用塗布具にお ヽては、ネイルガイド部とネイル塗布 部を複数組設けることにより、複数のライン、たとえば、棒状体の表面の 2箇所にネィ ル塗布部を設け、それぞれの長さを 3mmと 5mmとしておけば、親指の爪に 5mmと その他の指の爪に 3mmと 、うように、それぞれの爪の長さや使用者の嗜好によって 、好みのラインを任意に描くことができるのである。もちろん、異なる長さのネイル塗布 部を 3箇所以上設けることもでき、より多くのラインを描かせることも可能である。また、 同じ長さの塗布部を 2箇所設けた場合は、磨耗等による、塗布部の寿命を延ばすこと が可能となる。

[0021] また、この発明のネイルアート用塗布具は、棒状体の先端部を利用すれば、特許文 献 2に示されるように、細かな図柄を描くことが可能で、爪に微細で綺麗な絵を描い て楽しむことを可能とするものである。

図面の簡単な説明

[0022] [図 1]は、この発明に力かるネイルアート用塗布具の一例の側面図であり、

[図 2]は、この発明にかかるネイルアート用塗布具の他の例を示す側面図であり、 [図 3]は、この発明のネイルアート用塗布具を用いて、爪に直線ラインを描く方法を示 す説明図である。図中、 1はネイルアート用塗布具、 2はネイル塗布部、 3はネイルガ イド部、 4はペンタイプ塗布具、 5は爪、 6は直線ライン、 Lはネイル塗布部の長さ、 aは ネイルガイド部の長さを示す。

発明を実施するための最良の形態

[0023] 以下、この発明のネイルアート用塗布具の具体例を、図面を用いて詳細に説明す る。

図 1において、ネイルアート用塗布具 1は、両端を縮径した断面が円形の棒状の塗 布主体力もなるもので、その片末端に、マ-キュア液塗布のために一部を切削して平 面を形成してネイル塗布部 2とし、それに連設する形で、ネイルガイド部 3が設けられ ている。

[0024] 前記棒状の塗布主体の材質としては、マ-キュア液を爪にかすれを生じさせること なく塗布するためには、マ-キュア液をよく吸収含浸するものが好ましぐ木材、ブラ スチック、ガラスなどの単なる成形体は避けるのが好ましぐ毛細管力によって、液体 を吸収保持する、連続気泡を有する発泡体などの多孔質体、もしくは起毛体または 植毛体、特には繊維を集束し合成樹脂で接着して得られる多孔質体の一種で、適度 の強度を有する繊維束体、さらには液体吸収力の良い、気孔率が 50%以上の繊維 束体を用いるのが好ましい。

[0025] この塗布主体の形状としては、図 1に示されるような棒状の円柱体が好ましいが、角 柱体 (角棒)でも利用可能なもので、大きさとしては、通常、直径が 4mn！〜 5mm、長 さが 20mn！〜 30mmである力 要求される特性に応じて、長くあるいは太くすることも できる。

[0026] 前記ネイル塗布部 2は、塗布主体の一部を切削し、平面を切り出して調製されるも のであって、このネイル塗布部 2を用いてマ-キュア液で爪に直線ラインを描くと、図 1の符号 Lで表わされる長さに相当する巾を有する直線ラインを描くことができる。 なお、前記ネイル塗布部 2は、爪にフィットさせるため、形状を平面以外に曲面とす ることちでさる。

[0027] 図 1に示されたネイルアート用塗布具 1は、ネイル塗布部 2がー面しか形成されてな いが、図 2に示されるように、ネイル塗布部 2を二面設けることもできる。その際、それ ぞれの長さ L'、 L "を互いに異なるもの、例えば 3mmと 5mmというようにすると、 1本 のネイルアート用塗布具 1で、巾の異なる二種のラインを描くことができる。

また、それぞれの長さを同じものとすれば、ネイル塗布部 2の磨耗による塗布寿命を 延ばすことができる。

さらに、塗布主体の外周を三分割、四分割することにより、ネイル塗布部 2を三面、 四面あるいはそれ以上にすることもできる。また、先端の尖った部分を、細かな絵を 描くために用いることもできるものである。

[0028] ネイルガイド部 3は、この発明の主要な特徴の一つであって、ネイル塗布部 2に連 設して設けられるもので、ネイル塗布部 2で爪にラインを描く際に、ネイル塗布部 2を 誘導するもので、ネイルガイド部 3を、ラインを描く爪の爪先に当てながら、ネイル塗 布部 2を移動させることにより、一定幅のラインが、非常に容易に、正確に描かれるの である。

[0029] ネイルガイド部 3に、上記機能を十分に発揮させるためには、その長さ aを 0. 2mm 〜2. 5mmの範囲内にすることが望ましぐその長さが 0. 2mmより短いと、爪による 誘導が困難になり、 2. 5mmより長すぎると、ネイルガイド部 3が指に触れるおそれが 生じ、同様に誘導が困難になることがある。

また、ネイルガイド部 3と棒状体の側面とが形成する角度は 90° 以下であることが 好ましぐその角度が 90° を超えるようになると、爪先にそって、ネイル塗布部 2を誘 導する際に、ネイル塗布部 2が滑り、直線に歪みを与えるおそれが生じる。 [0030] この発明のネイルアート用塗布具 1は、従来のマニキュア塗布用のブラシなどと同 様に使用できるもので、特許文献 1〜3などで示されるディップ式塗布具の先端塗布 部の代りに、あるいは中綿式やバルブ、またはノック式のペンタイプ型塗布具の先端 部として使用できるものである。

[0031] 図 3は、この発明のネイルアート用塗布具 1を用いて、爪にラインを描く方法を示し た説明図で、ネイルアート用塗布具 1は、図 3aに示されるようにペンタイプの塗布具 4 の先端部に挿入され、塗布具 4の液溜（図示せず)より送液されるマ-キュア液を、図 3bに示されるように、爪 5の先をネイルガイド部 3にあて、図 3cに示されるように、ネィ ルガイド部 3を爪 5の先に沿わせながら、ネイル塗布部 2で塗布すると、所定の巾を有 するライン 6を描くことができる。

[0032] なお、塗布主体の材質として、発泡体、植毛体を選択した場合には、ネイルガイド 部およびネイル塗布部を、成形金型の調整により成形加工で成形することができ、ま た、植毛体については、成形力卩ェで得られたプラスチック成型体などの表面に、静電 植毛などの後加工を施すことで得ることができる。

[0033] また、マニキュア液は、その用途に応じて適正なものを選択すればよぐ溶剤タイプ 、水性タイプの種類や造膜剤の成分、また、高粘度タイプ、低粘度タイプを限定しな い。また、塗膜の耐久性に劣るマ-キュア液を用いた場合は、その上からトップコート などを塗布して耐久性を補うことが好まし ヽ。

[0034] さらに、ネイルガイド部 2とネイル塗布部 3の形成は、図示のように、塗布主体の軸 線に沿ってネイル塗布部 2を形成し、軸線に直交する方向にネイルガイド部 3を形成 する以外に、図示しないが、塗布主体の軸線に沿ってネイルガイド部を形成し、軸線 に直交する方向にネイル塗布部を形成することも当然可能なものである。

[0035] 実施例 1

繊維を集束し合成樹脂で接着した丸棒からなる繊維束体を、図 1に示される形状に したがって、長さ 1mmのネイルガイド部を端末に有する長さ 3mmのネイル塗布部を 塗布主体の外側に切削形成した。

得られた塗布具をディップ式の容器の塗布部として組み込み、容器内のマ-キュア 液に浸漬し、容器から取出し、塗布具に過剰に付着したマ-キュア液を取り除いた後 、ネイルガイド部を爪先に沿わせながら塗布部を用いて爪に直線ラインを描 、たとこ ろ、 3mm巾の直線ライン力 何の問題もなぐ綺麗にまた正確に描くことができた。

[0036] 実施例 2

繊維を集束し、合成樹脂で接着した丸棒からなる繊維束体を、図 2に示される形状 にしたがって、長さ 1. 3mmのネイルガイド部を端末に有する長さ 5mmのネイル塗布 部と長さ 1. 2mmのネイルガイド部を端末に有する長さ 3mmのネイル塗布部を塗布 主体の外側に対称的に切削形成した。得られた塗布具をバルブ式のペンの先端に 組み込んで、親指の爪に大きい方の塗布部を用いて太い線（5mm)、他の指の爪に 小さい方の塗布部を用いて細い線（3mm)描いたところ、何の問題もなぐ綺麗にま た正確に直線ラインを描くことができた。

産業上の利用可能性

[0037] この発明のネイルアート用塗布具は、爪に一定幅の直線または曲線ラインを、正確 に、かつ簡単に、し力も、利き手力否かに関係なぐ描くことができるもので、人気のあ るフレンチネイルが容易に施せるものであるから、香粧品関連物品として、化粧品業 界で広く利用される可能性の高いものである。

Claims

請求の範囲

[1] 液体の吸収保持が可能な棒状の塗布主体と、この塗布主体上に爪先を誘導する ネイルガイド部、および前記ネイルガイドに連設され、表面が平面状または曲面状に 形成されて 、るネイル塗布部とから構成されて 、ること

を特徴とするネイルアート用塗布具。

[2] 前記ネイルガイド部とネイル塗布部は、

前記塗布主体に複数組存在すること

を特徴とする請求項 1に記載のネイルアート用塗布具。

[3] 前記複数組存在するネイル塗布部は、

それぞれの塗布長さが異なるものであること

を特徴とする請求項 2に記載のネイルアート用塗布具。

[4] 前記ネイルガイド部は、

前記塗布主体の側面と形成する角度が 90° 以下のものであること

を特徴とする請求項 1〜3のいずれか〖こ記載のネイルアート用塗布具。

[5] 前記ネイルガイド部は、

ネイル塗布部との交差部から 0. 2〜2. 5mmの範囲にある高さを有すること を特徴とする請求項 1〜4のいずれか〖こ記載のネイルアート用塗布具。

[6] 前記塗布主体は、

毛細管力によって液体を吸収保持する多孔質体もしくは起毛体又は植毛体である こと

を特徴とする請求項 1〜5のいずれか〖こ記載のネイルアート用塗布具。

[7] 前記多孔質体は、

繊維魏束し合成樹脂で接着した繊維束体力 形成されたものであること を特徴とする請求項 6に記載のネイルアート用塗布具。