明細書
インスリン抵抗性改善剤のスクリ一二ング方法 技術分野
本発明は、 ィンスリン抵抗性の改善剤、 糖尿病の予防 ·治療剤などのスクリー ニングなどに関する。 背景技術
インスリン抵抗性は、 組織でのィンスリンの感受性が低下する病態で、 特に II 型糖尿病では、 インスリン分泌不全に加え、 糖尿病の発症や進展に関わる主な病 因となっている。 一般的に、 肥満を伴う糖尿病患者の多くがインスリン抵抗性を 呈していることから、 インスリン抵抗性は肥満と深く関わっていると考えられて いる。 さらに、 糖尿病のみならず動脈硬化等の脂質代謝異常に起因する疾病にも インスリン抵抗性が見られることが知られている (Cell, 104卷, 517 - 529頁, 2001年)。
脂肪糸且織はさまざまなサイトカインを分泌し、 それらの中にはインスリン抵抗 性を惹起するものがいくつか含まれることが知られている (Diabetologia, 46卷, 1594-1603, 2003年) 。 脂肪細胞の分泌するサイト力インのうち、 たとえば TNF - a (Science, 259卷, 87- 91頁, 1993年) 、 IL- 6 (Diabetes, 51卷, 339卜 3390 頁, 2002年; J. Biol. Chem. , 278卷, 45777- 45784頁., 2003年) 、 成長ホルモン
(Diabetes, 50卷, 189卜 1900頁, 2002年) 、 レジスチン (resistin) (Nature, 409卷, 307- 312頁, 2001年) 、 MCP - 1 (monocyte chemoattractant protein 1)
(Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. , 100卷, 7265- 7270頁, 2003年) 、 PAI- 1
(plasminogen activator inhibitor l) (Diabetes 53卷, 336- 346頁, 2004 年) などが、 インスリン抵抗性誘導サイト力インとして知られている。 TNF - αの 受容体細胞外ドメィンの細胞への添加による機能抑制により、 インスリン抵抗性 が改善されることが知られている (J. Clin. Invest. 94卷, 1543 - 1549頁、 1994年) 。 抗レジスチン抗体を用いたレジスチンの機能抑制により、 インスリン
抵抗性が改善されることが知られている (Nature, 409卷, 307- 312頁, 2001年) 。 インスリンが、 インスリン抵抗性 3T3-L1肥満細胞とインスリン抵抗性肥満マウス (ob/ob) における MCP-1の発現と分泌を多量に誘導することが知られている (Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. , 100卷, 7265- 7270頁, 2003年) 。 PAI-1欠損 マウスでは、 肥満おょぴインスリン抵抗性が抑制されることが知られている
(Diabetes 53卷, 336-346頁, 2004年) 。 しかしながら、 インスリン抵抗性に至 る病態において、 これらのサイトカインがいかなる原因により分泌されるかにつ いてはよく知られていない。
GM3は、 脂肪組織において最も豊富なガンダリオシドである。 GM3合成酵素は肥 満脂肪組織で発現誘導され、 TNF - αが GM3合成を誘導していると考えられている (J. Biol. Chem. , 277卷, 3085- 3092頁, 2002年) 。 一方で、 GM3合成酵素を欠 損したマウスではインスリン感受性が増大し、 高脂肪食投与により引き起こされ るインスリン抵抗性が緩和されることが知られている (Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. , 100卷, 3445-3449頁, 2003年) 。 しかしながら、 GM 3がどのような経 路を介してィンスリン抵抗性を惹起するかについては不明である。 発明の開示
インスリン抵抗性を改善する安全で優れた医薬が切望されている。
本発明者らは、 GM 3を動物細胞に添加することにより、 意外にも、 インスリ ン抵抗性状態を惹起するサイト力インである T N F—ひおょぴ I L一 6が発現誘 導されることを見出し、 さらに検討を重ねた結果、 本発明を完成するに至った。 すなわち、 本発明は、
〔1〕 サイトカイン発現能力を有する細胞および GM 3を用いることを特徴とす る、 GM 3存在下、 該細胞におけるサイト力イン発現を抑制または促進する化合 物またはその塩のスクリーニング方法、
〔2〕 インスリン抵抗性誘導サイトカイン発現能力を有する細胞おょぴ GM 3を 用いて、 GM 3存在下、 該細胞におけるインスリン抵抗性誘導サイト力インの発 現を抑制する化合物またはその塩をスクリーニングする上記 〔1〕 記載の方法、
〔3〕 インスリン抵抗性誘導サイトカインが、 T N F—ひ、 I L— 6、 MC P - 1、 P A I _ 1、 ·成長ホルモンおよびレジスチンから選ばれる少なくとも一種で ある上記 〔2〕 記載のスクリーニング方法、
〔4〕 インスリン抵抗性改善サイトカイン発現能力を有する細胞および GM 3を 用いて、 GM 3存在下、 該細胞におけるインスリン抵抗性改善サイト力インの発 現を促進する化合物またはその塩をスクリーニングする上記 〔1〕 記載の方法、
〔5〕 インスリン抵抗性改善サイト力インが、 アジポネクチンである上記 〔4〕 記載のスクリーニング方法、
〔6〕 サイト力イン発現能力を有する細胞が、 哺乳動物由来の細胞である上記 〔1〕 記載のスクリーニング方法、
〔7〕 細胞が、 哺乳動物由来の脂肪細胞株、 血球系細胞株、 肝細胞株、 骨格筋細 胞株、 脂肪組織、 血球、 肝組織または骨格筋組織である上記 〔1〕 記載のスクリ 一二ング方法、
〔8〕 (a) GM 3存在下、 サイト力イン発現能力を有する細胞を培養.した場合 と、 (b) 試験化合物および GM 3存在下、 該細胞を培養した場合における、 該 細胞内または該細胞外のサイトカインの発現量をそれぞれ測定し、 比較する上記 〔1〕 記載のスクリーニング方法、
〔9〕 サイト力インの発現量が、 サイト力インタンパク質の発現量もしくは分泌 量、 またはサイトカインタンパク質をコードする mR NAの発現量である上記 〔8〕 記載のスクリーニング方法、
〔1 0〕 サイトカイン発現能力を有する細胞おょぴ GM 3を含有することを特徴 とする、 GM 3存在下、 該細胞におけるサイト力イン発現を抑制または促進する 化合物またはその塩のスクリーニング用キット、
〔1 1〕 インスリン抵抗性誘導サイト力イン発現能力を有する細胞における、 G M 3のインスリン抵抗性誘導サイトカイン発現作用を阻害する化合物またはその 塩を含有してなるィンスリン抵抗性改善剤、
〔1 2〕 インスリン抵抗性誘導サイト力イン発現能力を有する細胞における、 G M 3のインスリン抵抗性誘導サイトカイン発現作用を阻害する化合物またはその
塩を含有してなる耐糖能異常、 糖尿病、 肥満症、 高脂血症、 動脈硬化、 高血圧症、 心疾患または代謝症候群の予防 ·治療剤、
〔1 3〕 インスリン抵抗性誘導サイト力イン発現能力を有する細胞における、 G M 3のインスリン抵抗性誘導サイトカイン発現作用を阻害することを特徴とする インスリン抵抗性改善方法、
〔 1 3 a〕 インスリン抵抗性改善剤の製造のための、 インスリン抵抗性誘導サイ トカイン発現能力を有する細胞における、 GM 3のィンスリン抵抗性誘導サイト カイン発現作用を阻害する化合物またはその塩の使用、
〔1 4〕 インスリン抵抗性誘導サイト力イン発現能力を有する細胞における、 G M 3のインスリン抵抗性誘導サイトカイン発現作用を阻害することを特徴とする 耐糖能異常、 糖尿病、 肥満症、 高脂血症、 動脈硬化、 高血圧症、 心疾患または代 謝症候群の予防 ·治療方法、
[ 1 4 a ] 耐糖能異常、 糖尿病、 肥満症、 高脂血症、 動脈硬化、 高血圧症、 心疾 患または代謝症候群の予防 ·治療剤の製造のための、 インスリン抵抗性誘導サイ トカイン発現能力を有する細胞における、 GM 3のィンスリン抵抗性誘導サイト カイン発現作用を阻害する化合物またはその塩の使用、
〔1 5〕 インスリン抵抗性改善サイト力イン発現能力を有する細胞における、 G M 3のインスリン抵抗性改善サイトカイン発現作用を促進する化合物またはその 塩を含有してなるィンスリン抵抗性改善剤、
〔1 6〕 インスリン抵抗性改善サイトカイン発現能力を有する細胞における、 G M 3のインスリン抵抗性改善サイトカイン発現作用を促進する化合物またはその 塩を含有してなる耐糖能異常、 糖尿病、 肥満症、 高脂血症、 動脈硬化、 高血圧症、 心疾患または代謝症候群の予防 ·治療剤、
〔1 7〕 インスリン抵抗性改善サイト力イン発現能力を有する細胞における、 G M 3のインスリン抵抗性改善サイトカイン発現作用を促進することを特徴とする インスリン抵抗性改善方法、
〔 1 7 a〕 インスリン抵抗性改善剤の製造のための、 インスリン抵抗性改善サイ トカイン発現能力を有する細胞における、 GM 3のィンスリン抵抗性改善サイト
カイン発現作用を促進する化合物またはその塩の使用、
〔1 8〕 インスリン抵抗性改善サイトカイン発現能力を有する細胞における、 G M 3のインスリン抵抗性改善サイトカイン発現作用を促進することを特徴とする 耐糖能異常、 糖尿病、 肥満症、 高脂血症、 動脈硬化、 高血圧症、 心疾患または代 fi症候群の予防 ·治療方法、
〔 1 8 a〕 耐糖能異常、 糖尿病、 肥満症、 高脂血症、 動脈硬化、 高血圧症、 心疾 患または代謝症候群の予防 ·治療剤の製造のための、 インスリン抵抗性改善サイ トカイン発現能力を有する細胞における、 GM 3のィンスリン抵抗性改善サイト カイン発現作用を促進する化合物またはその塩の使用、
〔1 9〕 GM 3およびサイト力イン発現能力を有する細胞を用いることを特徴と する、 インスリン抵抗性改善作用を有する化合物またはその塩のスクリーニング 方法、
〔2 0〕 GM 3およびサイトカイン発現能力を有する細胞を用いることを特徴と する、 耐糖能異常、 糖尿病、 肥満症、 高脂血症、 動脈硬化症、 高血圧症、 心疾患 または代謝症候群の予防 ·治療作用を有する化合物またはその塩のスクリーニン グ方法、
〔2 1〕 サイト力インが、 インスリン抵抗性誘導サイト力インである上記 〔1 9〕 または 〔2 0〕 記載のスクリー ング方法、
〔2 2〕 インスリン抵抗性誘導サイト力インが、 T N F— a、 I L一 6、 MC P _ 1、 P A I _ 1、 成長ホルモンおよびレジスチンから選ばれる少なくとも一種 である上記 〔2 1〕 記載のスクリーニング方法、
〔2 3〕 サイト力インが、 インスリン抵抗性改善サイトカインである上記 〔1 9〕 または 〔2 0〕 記載のスクリーニング方法、
〔2 4〕 インスリン抵抗性改善サイト力インが、 アジポネクチンである上記 〔2 3〕 記載のスクリーニング方法などを提供する。
' 図面の簡単な説明
図 1は、 GM3および GM1の添カ卩により変動した IL-6の mR A発現量を示す。 横軸は
GM3および GM1の添加量を、 縦軸は 1 ngの total RNAに含まれる、 IL- 6 mRNAのコピ 一数を示す。
図 2は、 GM3添加により変動した MCP- 1 の mRNA量を示す。 横軸は GM3 の添加 量を、 縦軸は total RNA中に含まれる MCP- 1 mRNAの 36B4 mRNAに対する相対値 を GM3無添加時の値を 1として示す。
図 3は、 GM3添加により変動した PAI- 1 の mRNA量を示す。 横軸は GM3 の添加 量を、 縦軸は total RNA中に含まれる PAI- 1 mENAの 36B4 mRNAに対する相対値 を GM3無添加時の値を 1として示す。 発明を実施するための最良の形態 本明細書中 「サイト力イン発現能力を有する細胞」 の 「細胞」 としては、 哺乳 動物 (例、 ヒト、 ラット、 マウス、 モルモット、 ゥサギ、 ブタ、 ヒッジ、 ゥシ、 サル、 ィヌ、 ネコなど) 由来の細胞株おょぴ組織が挙げられる。
上記細胞株おょぴ組織としては、 例えば、 脂肪細胞株、 血球系細胞株、 肝細胞 株、 骨格筋細胞株、 脂肪組織、 血球、 肝組織、 骨格筋組織などが挙げられる。 好 ましくは哺乳動物由来 (好ましくはヒト、 ラット、 マウスなど) の脂肪細胞株、 脂肪組織などである。 さらに好まし.くは、 哺乳動物由来の 3T3- L1脂肪細胞株、 初 代培養白色脂肪組織などである。 ここで 「組織」 は細胞群であり、 一つの細胞で あってもよい。
上記 「サイトカイン発現」.には、 サイトカインタンパク質の発現、 サイトカイ ンタンパク質の分泌、 サイトカインタンパク質をコードするポリヌクレオチド (例、 mR NAなど) の発現などが含まれる。
上記 「サイト力イン」 としては、 例えば、 インスリン抵抗性誘導サイト力イン、 インスリン抵抗性改善サイトカインなどが挙げられる。
上記 「インスリン抵抗性誘導サイト力イン」 としては、 例えば、 T N F— α (例、 ヒト T N F—ひ、 ラット T N F— α、 マウス T N F— αなど) 、 I L— 6 (例、 ヒト I L一 6、 ラット I L一 6、 マウス I L— 6など) 、 M C Ρ— 1 (例、 ヒト MC P _ 1、 ラット MC P— 1、 マウス MC P—1など) 、 P A I— 1 (例、
ヒ ト PAI— 1、 ラット PAI _1、 マウス PAI— 1など) 、 成長ホルモン (例、 ヒ ト成長ホルモン、 ラット成長ホルモン、 マウス成長ホルモンなど) 、 レ ジスチン (例、 ヒ トレジスチン、 ラットレジスチン、 マウスレジスチンなど) な どが挙げられる。 好ましくは TNF— a;、 I L一 6、 MCP_1、 PA I— 1な どである。 さらに好ましくは TNF— α;、 I L— 6などである。
上記 「ィンスリン抵抗性改善サイトカイン」 としては、 例えば、 アジポネクチ ンなどが挙げられる。
(1) 医薬候補化合物のスクリーニング
「GM3存在下、 サイトカイン発現能力を有する細胞におけるサイトカイン発 現を抑制または促進する化合物またはその塩のスクリーニング方法」 について、 以下に述べる。
具体的には、 (a) GM3存在下、 サイト力イン発現能力を有する細胞を培養 した場合と、 (b) 試験ィ匕合物おょぴ GM 3存在下、 サイトカイン発現能力を有 する細胞を培養した場合における、 該細胞内のサイトカインの発現量または該細 胞外へのサイト力インの分泌量'をそれぞれ測定し、 比較する方法が挙げられる。 サイトカインの発現量としては、 サイトカインタンパク質の発現量、 サイ トカ インタンパク質をコードするポリヌクレオチド (例、 mRNAなど) の発現量な どが挙げられる。
タンパク質の発現量おょぴ分泌量の測定は、 公知の方法、 例えば、 サイトカイ ンを認識する抗体を用いて、 細胞抽出液中などに存在する前記サイト力インを、 ウェスタン解析、 EL I S A法などの方法またはそれに準じる方法に従い測定す ることができる。
mRNA量の測定は、 公知の方法、 例えば、 ノーザンハイプリダイゼーシヨン、 P C R法またはそれに準じる方法に従い測定することができる。
培養は、 公知の方法に従って行えばよく、 培地としては、 例えば、 約 5〜20% の胎児牛血清を含む MEM培地 [Science, 122卷, 501(1952)〕 , DMEM培地
[Virology, 8卷, 396(1959)〕 , RPM I 1640培地 [The Journal of the American Medical Association 199卷, 519(1967)〕 , 199培地 [Proceeding
of the Society for the Biological. Medicine, 73卷, 1 (1950)〕 などが用いられ る。 PHは約 6〜8であるのが好ましい。 培養は通常約 30°C〜40°Cで約 15時間〜 5日 間行い、 必要に応じて通気や撹拌を加える。
試験ィ匕合物としては、 例えばペプチド、 タンパク質、 抗体、 非ペプチド性化合 物、 合成化合物、 発酵生産物、 細胞抽出液、 植物抽出液、 動物組織抽出液、 血漿 などが用いられ、 これら化合物は新規な化合物であってもよく、 公知の化合物で あってもよレ、。 試験化合物は塩を形成していてもよく、 試験化合物の塩としては 、 金属塩、 アンモニゥム塩、 有機塩基との塩、 無機酸との塩、 有機酸との塩、 塩 基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。 金属塩の好適な例としては、 例えばナトリゥム塩、 力リゥム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、 マグネ シゥム塩、 バリゥム塩などのアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩などが挙げら れる。 有機塩基との塩の好適な例としては、 例えばトリメチルァミン、 トリェチ ルァミン、 ピリジン、 ピコリン、 2, 6—ノレチジン、 エタノーノレアミン、 ジエタ ノーノレアミン、 トリエタノーノレアミン、 シクロへキシノレアミン、 ジシクロへキシ ルァミン、 N, N,一ジベンジルエチレンジァミンなどとの塩が挙げられる。 無 機酸との塩の好適な例としては、 例えば塩酸、 臭化水素酸、 硝酸、 硫酸、 リン酸 などとの塩が挙げられる。 有機酸との塩の好適な例としては、 例えばギ酸、 酢酸 、 トリフルォロ酢酸、 プロピオン酸、 安息香酸、 フタル酸、 フマル酸、 シユウ酸 、 酒石酸、 マレイン酸、 クェン酸、 コハク酸、 リンゴ酸、 メタンスルホン酸、 ベ ンゼンスルホン酸、 p—トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。 塩基性ァ ミノ酸との塩の好適な例としては、 例えばアルギニン、 リジン、 オル二チンなど との塩が挙げられ、 酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、 例えばァスパラギ ン酸、 グルタミン酸などとの塩が挙げられる。
このうち、 生理学的に許容し得る塩が好ましい。 例えば、 化合物内に酸性官能 基を有する場合にはアルカリ金属塩 (例、 ナトリウム塩, カリウム塩など) 、 ァ ルカリ土類金属塩 (例、 カルシウム塩, マグネシウム塩, バリウム塩など) など の無機塩、 アンモニゥム塩など、 また、 化合物内に塩基性官能基を有する場合に は、 例えば臭化水素酸、 硝酸、 硫酸、 リン酸など無機酸との塩、 または酢酸、 フ
タル酸、 フマル酸、 シユウ酸、 酒石酸、 マレイン酸、 クェン酸、 コハク酸、 メタ ンスルホン酸、 p—トルエンスルホン酸などの有機酸との塩が挙げられる。 例えば、 上記 (b) の場合におけるサイトカインの発現量または分泌量を、 上 記 (a) の場合に比べて、 約 2 0 %以上、 好ましくは 3 0 %以上、 より好ましく は約 5 0 %以上抑制 (阻害) する試験化合物を、 サイト力イン発現能力を有する 細胞におけるサイト力イン発現を抑制 (阻害) する化合物として選択することが できる。
上記 (b) の場合におけるサイト力インの発現量または分泌量を、 上記 (a) の 場合に比べて、 約 2 0 %以上、 好ましくは 3 0 %以上、 より好ましくは約 5 0 % 以上促進する試験化合物を、 サイトカイン発現能力を有する細胞におけるサイト カイン発現を促進する化合物として選択することができる。
「GM 3存在下、 サイトカイン発現能力を有する細胞におけるサイトカイン発 現を抑制または促進する化合物またはその塩のスクリーニング用キット」 は、 サ ィトカイン発現能力を有する細胞おょぴ GM 3を含有する。
サイトカインがィンスリン抵抗性誘導サイトカインの場合は、 インスリン抵抗 性誘導サイト力インの発現を抑制する化合物が好ましい。 該化合物は、 GM 3の インスリン抵抗性誘導サイトカイン発現作用を阻害する作用を有する。
サイトカインがィンスリン抵抗性改善サイトカインの場合は、 インスリン抵抗 性改善サイト力インの発現を促進する化合物が好ましい。 該化合物は、 GM 3の インスリン抵抗性改善サイトカイン発現作用を促進する作用を有する。
上記スクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる化合 物またはその塩は、 上記した試験化合物 (例、 ペプチド、 タンパク質、 抗体、 非 ぺプチド性化合物、 合成化合物、 発酵生産物、 細胞抽出液、 植物抽出液、 動物組 織抽出液、 血漿など) 力 ら選ばれた化合物またはその塩であり、 GM 3のサイト カイン発現作用を抑制または促進する作用 (好ましくは、 インスリン抵抗性誘導 サイトカイン発現を阻害する作用、 インスリン抵抗性改善サイトカイン発現を促 進する作用) を有する化合物またはその塩である。
GM 3のィンスリン抵抗性誘導サイトカイン発現を阻害する化合物またはその
塩、 および GM 3のィンスリン抵抗性改善サイトカイン発現を促進する化合物ま たはその塩は、 安全で低毒性な医薬、 例えば、 糖尿病 (例、 1型糖尿病、 2型糖尿 病、 妊娠糖尿病、 肥満型糖尿病) の予防 ·治療剤;高脂血症 (例、 高トリグリセ リ ド血症、 高コレステロール血症、 低 HDL血症、 食後高脂血症) の予防 ·治療 剤;インスリン抵抗性改善剤;インスリン感受性増強剤;耐糖能異常 〔IGT
(Impaired Glucose Tolerance) 〕 の予防 ·治療剤;耐糖能異常から糖尿病への 移行抑制剤として用いることができる。
糖尿病の判定基準については、 日本糖尿病学会から新たな判定基準が報告され ている。 この報告によれば、 糖尿病とは、 空腹時血糖値 (静脈血漿におけるダル コース濃度) が l26mg/dl以上、 75g経ロブドウ糖負荷試験 ( gOGTT) 2時間値
(静脈血漿におけるグルコース濃度) が 200mg/dl以上、 随時血糖値 (静脈血漿に おけるグルコース濃度) が 200mg/dl以上のいずれかを示す状態である。 また、 上 記糖尿病に該当せず、 つ、 「空腹時血糖値 (静脈血漿におけるグルコース濃 度) が 110mg/dl未満または 75g経ロブドウ糖負荷試験 (75g0GTT) 2時間値 (静脈 血漿におけるグルコース濃度) カ 140mg/dl未満を示す状態」 (正常型) ではない 状態を、 「境界型」 と呼ぶ。
また、 糖尿病の判定基準については、 AM (米国糖尿病学会) および WHOから、 新たな判定基準が報告されている。
これらの報告によれば、 糖尿病とは、 空腹時血糖値 (静脈血漿におけるダルコ ース濃度) が 126mg/dl以上、 あるいは、 75g経ロブドウ糖負荷試験 2時間値 (静脈 血漿におけるグルコース濃度) が 200mg/dl以上を示す状態である。
また、 AMおよび WHOの上記報告によれば、 耐糖能異常とは、 75g経ロブドウ糖 負荷試験 2時間値 (静脈血漿におけるグルコース濃度) 力 Sl40mg/dl以上 200mg/dl 未満を示す状態である。 さらに、 ADAの報告によれば、 空腹時血糖値 (静脈血漿 におけるグルコース濃度) が 100mg/dl以上 126mg/dl未満の状態を IFG (Impaired Fasting Glucose) と呼ぶ。 一方、 WHOは、 該 IFG (Impaired Fasting Glucose) を空腹時血糖値 (静脈血漿におけるグルコース濃度) 力 Sll0mg/dl以上 126mg/dl未 満の状態とし、 IFG (Impaired Fasting Glycaemia) と呼ぶ。
上記化合物は、 上記した新たな判定基準により決定される糖尿病、 境界型、 耐 糖能異常、 IFG (Impaired Fasting Glucose) およぴ IFG (Impaired Fasting Glycaemia) の予防,治療剤としても用いられ、 境界型、 耐糖能異常、 IFG
(Impaired Fasting Glucose) たは IFG (Impaired Fasting Glycaemia; 3 ら 糖尿病への進展を防止することもできる。
上記化合物は、 例えば糖尿病性合併症 〔例、 神経障害、 腎症、 網膜症、 白内障、 大血管障害、 骨減少症、 糖尿病性高浸透圧昏睡、 感染症 (例、 呼吸器感染症、 尿 路感染症、 消化器感染症、 皮膚軟部組織感染症、 下肢感染症) 、 糖尿病性壊疽、 口腔乾燥症、 聴覚の低下、 脳血管障害、 末梢血行障害〕 、 肥満症、 骨粗鬆症、 悪 液質 (例、 癌性悪液質、 結核性悪液質、 糖尿病性悪液質、 血液疾患性悪液質、 内 分泌疾患性悪液質、 感染症性悪液質、 後天性免疫不全症候群による悪液質) 、 脂 肪肝、 高血圧症、 多嚢胞性卵巣症候群、 腎臓疾患 (例、 糖尿病性ネフ口パシー、 糸球体腎炎、 糸球体硬化症、 ネフローゼ症候群、 高血圧性腎硬化症、 末期腎臓疾 患) 、 筋ジス トロフィー、 心疾患 (例、 心筋梗塞、 狭心症) 、 脳血管障害 (例、 脳梗塞、 脳卒中) 、 インスリン抵抗性症候群、 シンドローム X、 代謝症候群 (メ タポリックシンドローム) 、 高インスリン血症、 高インスリン血症における知覚 障害、 腫瘍 (例、 白血病、 乳癌、 前立腺癌、 皮膚癌) 、 過敏性腸症候群、 急性ま たは慢性下痢、 動脈硬化 (例、 ァテローム性動脈硬化) 、 炎症性疾患 (例、 慢性 関節リウマチ、 変形性脊椎炎、 変形性関節炎、 腰痛、 痛風、 手術外傷後の炎症、 腫脹、 神経痛、 咽喉頭炎、 膀胱炎、 肝炎 (非アルコール性脂肪性肝炎を含む) 、 肺炎、 腌炎、 炎症性大腸疾患、 潰瘍性大腸炎) 、 内臓肥満症候群等の予防 ·治療 剤としても用いることができる。
代謝症候群の判定基準は、 1999年に WHOから、 2001年に NCEPからそれぞれ発表 されている。 WHOの判定基準によれば、 高インスリン血症または耐糖能異常を基 本条件に、 内臓肥満、 異常脂質血症 (高 TGまたは低 HDL) 、 高血圧のうち 2つ以上 を持つ場合に代謝症候群と診断される (World Health Organization:
Definition, Diagnosis and Classiiication of Diabetes Mellitus and its Complications. Part I : Diagnosis and Classification of Diabetes Mellitus,
World Health Organization, Geneva, 1999)。 米国の虚血性心疾患の管理指標で ある National Cholesterol Education Program の Adult Treatment Panel III の判定基準によれば、 内臓肥満、 高中性脂肪血症、 低 HDLコレステロール血症、 高血圧、 耐糖能異常のうち 3つ以上を持つ場合に代謝症候群と診断される
LNational Cholesterol Education Program: Executive Summary of the Third Report of National Cholesterol Education Program (NCEP) Expert Panel on Detection, Evaluation, and Treatment of High Blood Cholesterol in Adults (Adults Treatment Panel III) ] 。 また、 日本の厚生労働省の定期健康診断にお ける二次検診費用の労災保険給付の基準によれば、 高血圧 〔収縮期 (最大) 血圧 が 140mmHg以上であるか拡張期 (最小) 血圧が 90mmHg以上〕 、 肥満 (BMIが 25以 上) 、 高血糖 (空腹時血糖が 110mg/dL以上、 ヘモグロビン Aleが 5. 6%以上) 、 高 脂血症 (総コレステロールが 220mg/dL以上である力、 HDLコレステロールが
40mg/dL未満であるか、 トリグリセリ ド (中性脂肪) 力 Sl50mg/dL以上〕 の全てを 有する場合に二次健康診断費用が給付される。 さらに、 日本の診断基準によれば、 ウェスト周囲径が男性では 85cm以上、 女性では 90cm以上であることを基本条件に、 以下の 3項目のうち 2項目以上に該当する場合に代謝症候群と診断される。 1) 高 TG血症 (150mg/dL以上) かつ/または低 HDLコレステロール血症 (40mg/dL未 満) ; 2) 収縮期血圧が 130iraiHg以上かつ/または拡張期血圧が 85ramHg以上; 3) 空腹時血糖が 110mg/dL以上。
また、 上記化合物は、 消化性潰瘍、 急性または慢性胃炎、 胆道ジスキネジァ一、 胆のう炎等に伴う腹痛、 悪心、 嘔吐、 上腹部不快感等の症状の改善等にも用いる ことができる。 さらに、 内臓脂肪の減少、 内臓脂肪蓄積の抑制、 糖代謝改善、 脂 質代謝改善、 酸化 LDL産生抑制、 リポタンパク代謝改善、 冠動脈代謝改善、 心血 管合併症の予防 ·治療、 心不全合併症の予防 ·治療、.血中レムナント低下、 無排 卵症の予防 .治療、 多毛症の予防 .治療、 高アンドロゲン血症の予防 .治療等に も用いられる。 また、 上記した各種疾患 (例、 心筋梗塞等の心血管イベント) の 2次予防およぴ進展抑制にも用いられる。
したがって、 サイト力イン発現能力を有する細胞および GM 3は、 上記スクリ
一二ングのための試薬として有用である。
上記化合物またはその塩を上記の医薬 (予防 ·治療剤など) として使用する場 合、 常套手段に従って実施することができる。
該化合物またはその塩は、 例えば、 必要に応じて糖衣を施した錠剤、 カプセル 剤、 エリキシル剤、 マイクロカプセル剤などとして経口的に、 あるいは水もしく はそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、 または懸濁液剤などの注射 剤の形で非経口的に使用できる。 例えば、 該ィヒ合物またはその塩を生理学的に認 められる担体、 香味剤、 賦形剤、 べヒクル、 防腐剤、 安定剤、 結合剤などととも に一般に認められた製剤実施に要求される単位用量形態で混和することによって 製造することができる。 これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当 な用量が得られるようにするものである。
錠剤、 カプセル剤などに混和することができる添加剤としては、 例えば、 ゼラ チン、 コーンスターチ、 トラガント、 アラビアゴムのような結合剤、 結晶性セル ロースのような賦形剤、 コーンスターチ、 ゼラチン、 アルギン酸などのような膨 化剤、 ステアリン酸マグネシゥムのような潤滑剤、 ショ糖、 乳糖またはサッカリ ンのような甘味剤、 ペパーミント、 ァカモノ油またはチェリーのような香味剤な どが用いられる。 調剤単位形態がカプセルである場合には、 前記タイプの材料に さらに油脂のような液状担体を含有することができる。 注射のための無菌組成物 は注射用水のようなべヒクル中の活性物質、 胡麻油、 椰子油などのような天然産 出植物油などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って処方するこ とができる。
注射用の水性液としては、 例えば、 生理食塩水、 ブドウ糖やその他の補助薬を 含む等張液 (例えば、 D—ソルビトール、 D—マンニトール、 塩化ナトリウムな ど) などがあげられ、 適当な溶解補助剤、 例えば、 アルコール (例えば、 ェタノ ールなど) 、 ポリアルコール (例えば、 プロピレングリコール、 ポリエチレング リコールなど) 、 非イオン性界面活' ]·生剤 (例えば、 ポリソルベート 8 0™、 H C O— 5 0など) などと併用してもよレ、。 油性液としては、 例えば、 ゴマ油、 大豆 油などがあげられ、 溶解補助剤として安息香酸ベンジル、 ベンジルアルコールな
どと併用してもよい。 また、 該ィヒ合物またはその塩を、 緩衝剤 (例えば、 リン酸 塩緩衝液、 酢酸ナトリウム緩衝液など) 、 無痛化剤 (例えば、 塩ィヒベンザルコニ ゥム、 塩酸プロ力インなど) 、 安定剤 (例えば、 ヒト血清アルブミン、 ポリェチ レングリコールなど) 、 保存剤 (例えば、 ベンジルアルコール、 フエノールな ど) 、 酸ィ匕防止剤などと配合してもよレ、。 調製された注射液は、 通常、 適当なァ ンプルに充填される。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、 例えば、 ヒトまたは 温血動物 (例えば、 マウス、 ラット、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ゥマ、 トリ、 ネコ、 ィヌ、 サル、 チンパンジーなど) に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、 その作用、 対象疾患、 投与対象、 投与ルー トなどにより差異はある。
例えば、 糖尿病患者 (体重 60kg当たり) に、 一日につき、 GM 3による IL - 6の 発現を阻害する化合物を約 0. l〜100mg、 好ましくは約 1. 0〜50mg、 より好ましく は約 1. 0〜20mg経口投与する。 非経口的に投与する場合、 例えば、 GM 3による IL- 6の発現を阻害する化合物を注射剤の形で糖尿病患者 (体重 60kg当たり) に投 与する場合、 一日につき該化合物を約 0. 01〜30mg、 好ましくは約 0. l〜20mg、 よ り好ましくは約 0. l〜10mgを静脈注射により投与するのが好都合である。 他の動 物の場合も、 体重 60kg当たりに換算した量を投与することができる。
( 2 ) 医薬
「インスリン抵抗性誘導サイトカイン発現能力を有する細胞における、 GM 3 のィンスリン抵抗性誘導サイトカイン発現作用を阻害する化合物またはその塩」 としては、 インスリン抵抗性誘導サイトカイン発現能力を有する細胞における、 GM 3のインスリン抵抗性誘導サイト力イン発現作用を阻害する化合物 (例、 ぺ プチド、 タンパク質、 抗体、 非ペプチド、性化合物、 合成化合物、 発酵生産物、 細 胞抽出液、 植物抽出液、 動物組織抽出液、 血漿など) またはその塩であればよい。 該化合物は、 例えばインスリン抵抗性改善剤として、 例えば糖尿病 (例、 1型糖 尿病、 2型糖尿病、 妊娠糖尿病、 肥満型糖尿病) 、 境界型、 耐糖能異常、 IFG
(Impaired Fasting Glucose) 、 IFG 、丄 mpaired Fasting G丄 ycaemia) の予! ¾ ·
治療剤;境界型、 耐糖能異常、 IFG (Impaired Fasting Glucose) または IFG (Impaired Fasting Glycaemia) カゝら糖尿病への進展 ·移行防止剤;高脂血症 (例、 高トリグリセリ ド血症、 高コレステロール血症、 低 HDL血症、 食後高脂血 症) の予防 ·治療剤;インスリン感受性増強剤;糖尿病性合併症 〔例、 神経障害、 腎症、 網膜症、 白内障、 大血管障害、 骨減少症、 糖尿病性高浸透圧昏睡、 感染症 (例、 呼吸器感染症、 尿路感染症、 消化器感染症、 皮膚軟部組織感染症、 下肢感 染症) 、 糖尿病性壊疽、 口腔乾燥症、 聴覚の低下、 脳血管障害、 末梢血行障害〕 、 肥満症、 骨粗鬆症、 悪液質 (例、 癌性悪液質、 結核性悪液質、 糖尿病性悪液質、 血液疾患性悪液質、 内分泌疾患性悪液質、 感染症性悪液質、 後天性免疫不全症候 群による悪液質) 、 脂肪肝、 高血圧症、 多嚢胞性卵巣症候群、 腎臓疾患 (例、 糖 尿病性ネフ口パシー、 糸球体腎炎、 糸球体硬化症、 ネフローゼ症候群、 高血圧性 腎硬化症、 末期胥臓疾患) 、 筋ジストロフィー、 心疾患 (例、 心筋梗塞、 狭心 症) 、 脳血管障害 (例、 脳梗塞、 脳卒中) 、 インスリン抵抗性症候群、 シンドロ ーム X、 代謝症候群 (メタポリックシンドローム) 、 高インスリン血症、 高イン スリン血症における知覚障害、 腫瘍 (例、 白血病、 乳癌、 前立腺癌、 皮膚癌) 、 過敏性腸症候群、 急性または慢性下痢、 動脈硬ィヒ (例、 ァテローム性動脈硬化 等) 、 炎症性疾患 (例、 慢性関節リウマチ、 変形性脊椎炎、 変形性関節炎、 腰痛、 痛風、 手術外傷後の炎症、 腫脹、 神経痛、 咽喉頭炎、 膀胱炎、 肝炎 (非アルコー ル性脂肪性肝炎を含む) 、 肺炎、 勝炎、 炎症性大腸疾患、 潰瘍性大腸炎) 、 内臓 肥満症候群等の予防 ·治療剤;消化性潰瘍、 急性または慢性胃炎、 胆道ジスキネ ジァ 、 胆のう炎等に伴う腹痛、 悪心、 嘔吐、 上腹部不快感等の症状の改善剤; 内臓脂肪の減少剤;内臓脂肪蓄積の抑制剤;酸化 LDL産生抑制剤;糖代謝、 脂質 代謝、 リポタンパク代謝、 冠動脈代謝などの改善剤;心血管合併症、 心不全合併 症の予防 ·治療剤;血中レムナント低下剤;無排卵症、 多毛症、 高アンドロゲン 血症の予防 ·治療剤;上記した各種疾患 (例、 心筋梗塞等の心血管イベント) の 2次予防および進展抑制剤などとして、 好ましくは耐糖能異常、 糖尿病、 肥満症、 高脂血症、 動脈硬化、 高血圧症、 心疾患、 代篛す症候群などの予防 ·治療剤として 有用である。
「ィンスリン抵抗性改善サイトカイン発現能力を有する細胞における、 GM 3 のィンスリン抵抗性改善サイトカイン発現作用を促進する化合物またはその塩」 としては、 インスリン抵抗性改善サイトカイン発現能力を有する細胞における、 GM 3のインスリン抵抗性改善サイト力イン発現作用を促進する化合物 (例、 ぺ プチド、 タンパク質、 抗体、 非ペプチド性化合物、 合成化合物、 発酵生産物、 細 胞抽出液、 植物抽出液、 動物組織抽出液、 血漿など) またはその塩であればよい。 該化合物は、 例えばインスリン抵抗性改善剤として、 例えば糖尿病 (例、 1型糖 尿病、 2型糖尿病、 妊娠糖尿病、 肥満型糖尿病) 、 境界型、 耐糖能異常、 IFG
(Impaired Fasting Glucoseノ 、 IFG (Impaired Fasting Glycaemia
· 治療剤;境界型、 耐糖能異常、 IFG (Impaired Fasting Glucose) または IFG
(Impaired Fasting Glycaemia) から糖尿病への進展 ·移行防止剤;高脂血症 (例、 高トリグリセリ卞血症、 高コレステロール血症、 低 HDL血症、 食後高脂血 症) の予防 ·治療剤; インスリン感受性増強剤;糖尿病性合併症 〔例、 神経障害、 腎症、 網膜症、 白内障、 大血管障害、 骨減少症、 糖尿病性高浸透圧昏睡、 感染症 (例、 呼吸器感染症、 尿路感染症、 消化器感染症、 皮膚軟部組織感染症、 下肢感 染症) 、 糖尿病性壊疽、 口腔乾燥症、 聴覚の低下、 脳血管障害、 末梢血行障害〕 、 肥満症、 骨粗鬆症、 悪液質 (例、 癌性悪液質、 結核性悪液質、 糖尿病性悪液質、 血液疾患性悪液質、 内分泌疾患性悪液質、 感染症性悪液質、 後天性免疫不全症候 群による悪液質) 、 脂肪肝、 高血圧症、 多囊胞性卵巣症候群、 腎臓疾患 (例、 糖 尿病性ネフ口パシー、 糸球体腎炎、 糸球体硬化症、 ネフローゼ症候群、 高血圧性 腎硬化症、 末期腎臓疾患) 、 筋ジストロフィー、 心疾患 (例、 心筋梗塞、 狭心 症) 、 脳血管障害 (例、 脳梗塞、 脳卒中) 、 インスリン抵抗性症候群、 シンドロ ーム X、 代謝症候群 (メタポリックシンドローム) 、 高インスリン血症、 高イン スリン血症における知覚障害、 腫瘍 (例、 白血病、 乳癌、 前立腺癌、 皮膚癌) 、 過敏性腸症候群、 急性または慢性下痢、 動脈硬化 (例、 ァテローム性動脈硬化 等) 、 炎症性疾患 (例、 慢性関節リウマチ、 変形性脊椎炎、 変形性関節炎、 腰痛、 痛風、 手術外傷後の炎症、 腫脹、 神経痛、 咽喉頭炎、 膀胱炎、 肝炎 (非アルコー ル性脂肪性肝炎を含む) 、 肺炎、 腌炎、 炎症性大腸疾患、 潰瘍性大腸炎) 、 内臓
肥満症候群等の予防 ·治療剤;消化性潰瘍、 急性または慢性胃炎、 胆道ジスキネ ジァ一、胆のう炎等に伴う腹痛、 悪心、 嘔吐、 上腹部不快感等の症状の改善剤; 内臓脂肪の減少剤;内臓脂肪蓄積の抑制剤;酸化 LDL産生抑制剤;糖代謝、 脂質 代謝、 リポタンパク代謝、 冠動脈代謝などの改善剤;心血管合併症、 心不全合併 症の予防 ·治療剤;血中レムナント低下剤;無排卵症、 多毛症、 高アンドロゲン 血症の予防 ·治療剤;上記した各種疾患 (例、 心筋梗塞等の心血管イベント) の 2次予防および進展抑制剤などとして、 好ましくは耐糖能異常、 糖尿病、 肥満症、 高脂血症、 動脈硬化、 高血圧症、 心疾患、 代謝症候群などの予防 ·治療剤として 有用である。
上記剤とするためには、 上記 (1 ) 'と同様の公知の方法に従って、 製剤化すれ ばよい。
( 3 ) 診断
GM 3の存在下、 サイト力イン量を測定することにより、 インスリン抵抗性の 診断をすることができる。
サイト力イン量としては、 サイト力インタンパク質の発現量、 サイト力インタ ンパク質の分泌量、 サイト力インタンパク質をコードするポリヌクレオチド (例、 mR NAなど) の発現量などが挙げられる。
タンパク質の発現量および分泌量の測定は、 公知の方法、 例えば、 サイトカイ ンを認識する抗体を用いて、 細胞抽出液中などに存在する前記サイトカインを、 ウェスタン解析、 E L I S A法などの方法またはそれに準じる方法に従い測定す ることができる。
mR NA量の測定は、 公知の方法、 例えば、 ノーザンハイブリダィゼーシヨン、 P C R法またはそれに準じる方法に従い測定することができる。
インスリン抵抗性誘導サイト力インの量 (発現または分泌量など) が亢進して いる場合、 インスリン抵抗性改善サイト力インの量 (発現または分泌量など) が 減弱している場合、 例えばインスリン抵抗性、 耐糖能異常、 糖尿病、 肥満症、 高 脂血症、 動脈硬化、 高血圧症、 心疾患または代謝症候群などである、 または将来 罹患する可能性が高いと診断することができる。
本明細書において、 塩基やアミノ酸などを略号で表示する場合、 IUPAC-IUB Commission on Biochemical Nomenclatureによる略号めるレ、は当 分野における 慣用略号に基づくものであり、 その例を下記する。 またアミ.ノ酸に関し光学異性 体があり得る場合は、 特に明示しなければ L体を示すものとする。
DNA :デォキシリポ核酸
c DNA :相捕的デォキシリポ核酸
A :アデニン
T :チミン
G : グァニン
C :シトシン
RNA : リポ核酸
mRNA :メッセンジャーリポ核酸
d ATP :デォキシアデノシン三リン酸
dTTP :デォキシチミジン三リン酸
dGTP :デォキシグアノシン三リン酸
dCTP :デォキシシチジン三リン酸
ATP :アデノシン三リン酸 本願明細書の配列表の配列番号は、 以下の配列を示す。
〔配列番号: 1:]
実施例 1で用いられたプライマーの塩基配列を示す。
¾己列番号: 2〕
実施例 1で用いられたプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 3〕
実施例 1で用いられたプライマ一の塩基配列を示す。
〔配列番号: 4〕
実施例 1で用いられたプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 5〕
実施例 1で用いられたプライマ一の塩基配列を示す。
〔配列番号: 6.〕
実施例 1で用いられたプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 7〕
実施例 4で用いられたプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 8〕
実施例 4で用いられたプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 9〕
実施例 4で用いられたプロ一ブの塩基配列を示す。
〔配列番号: 10〕
実施例 4で用いられたプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 11〕
実施例 4で用いられたプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 12〕
実施例 4で用いられたプロ一ブの塩基配列を示す。
〔配列番号: 13〕
実施例 4で用いられたプライマ一の塩基配列を示す。
〔配列番号: 14〕
実施例 4で用いられたプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 15〕
実施例 4で用いられたプロ一プの塩基配列を示す。 実施例
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、 本発明はそれに限定 されるものではない。
実施例 1
ラット腸間膜由来初代培養白色脂肪細胞における GM3添加による TNF-αおよび
IL- 6の発現誘導
ラット腸間膜由来初代培養白色脂肪細胞 (以下腸間膜脂肪細胞と略記する) は、 ラット腸間膜脂肪前駆細胞 (ホクドー社) を内臓脂肪分化培地 (10% 新生児仔 牛血清、 100 units/ml ペニシリン、 lOO g/ml ストレプトマイシン、 17 μ Μ ノ、0 ントテン酸、 33 μ Μ ピオチン、 ΙΟΟ μ Μ ァスコルビン酸、 Ι μ Μ オクタン酸、 50 ηΜ トリ ョードチロシン、 2. 5 mM ナイァシンアミ ド、 10 μ g/ml ィンスリン、 25 t Mデキサメタゾン添加 D-MEM/F- 12培地) にて 37°C、 5%炭酸ガス存在下、 コン ブルエントの状態から 4日間培養し、 腸間膜脂肪細胞に分化させたものを用いた。 なお、 培養 2日おきに培地交換を行つた。
腸間膜由来脂肪細胞を無血清培養下、 0、 100、 および 200 ¾1の GM3をそれぞれ 添加し、 24時間培養した後、 total R Aを抽出し、 これに含まれる IL- 6、 TNF- α および i3 -act in mR Aを定量的 RT- PCR法にて測定し、 IL- 6および TNF- a発現量を j3 - actin発現量に対する比として定量した。 定量的 RT-PCRは、 SYBR Green RT - PCR試薬キット (アプライドバイオシステムズ社) を用いて添付のプロトコール に従って反応した PCR産物を、 PCRプロダクト自動検出 ·定量システム ABI PRISM 7900 (アプライドバイオシステムズ社) で定量することにより行った。 各遺伝子 発現量を定量する RT-PCRには以下のプライマーを用いた。
ラッ卜 IL-6
5, -AGTCATTCAGAGCAATACTGAAACC-3 (配列番号: 1)
5, -CCACTCCTTCTGTGACTCTAACTTC-3 (配列番号: 2)
ラット TNF
5, - CCTTATCTACTCCCAGGTTCTCTTC - 3 (配列番号: 3)
5' -GCTGACTTTCTCCTGGTATGAAAT-3 ' (配列番号: )
フット -act in
5' -TGACAGACTACCTCATGAAGATCC-3 ' (配列番号: 5)
5, -GCAACATAGCACAGCTTCTCTTT-3 ' (配列番号: 6)
3 -actin mRNAの比として算出した IL-6 mRNA発現量は、 GM3を添加しない条件 と比較し、 lOO jit Mの GM3添カ卩により約 1. 4倍、 200 μ Mの GM3添加により約 2. 9倍に增
カロした。
なお、 GM1、 GM2および GDlaを用いて同様の検討を行なったが、 IL- 6 mR Aの発 現亢進は認められなかった。
一方、 同様に算出した TNF- α mRNA発現量についても GM3を添加しない条件と 比較し、 100 μ Mの GM3添加より約 1. 3倍、 200 μ Μの GM3添カ卩により約 3. 4倍の発現亢 進が認められた。
以上のことより、 脂肪細胞において GM3添加により T F- αおよび IL- 6の mRNAの 発現が亢進することが示された。 実施例 2
ラット腸間膜由来初代培養白色脂肪細胞における GM3添加による IL - 6の分泌量 の測定
ラット腸間膜由来初代培養白色脂肪細胞は実施例 1に記載の手法で培養し実験 に用いた。 実施例 1と同様に腸間膜由来脂肪細胞を無血清培養下、 200 μ Μの GM3 を添加し 24時間培養した後、 培養上清を回収し Rat IL - 6 ELISA System (アマシ ャム社) により培養液中に分泌された IL- 6タンパク質量を定量した。
GM3を添加しない場合の腸間膜由来脂肪細胞培養液中の IL- 6分泌量が 0. 16 ng/mlであるのに対し、 200 μ Μの GM3を添加した場合は 2. 16 ng/mlと約 14倍の分泌 量増加を認めた。 なお、 GM1、 GM2および GDlaを用いて同様の検討を行なったが、 IL-6分泌の亢進は認められなかった。
以上のことより、 脂肪細胞において GM3の添加によりタンパク質レベルでも IL - 6の分泌が亢進することが示された。 実施例 3
ラット腸間膜由来初代培養白色脂肪細胞における GM3添加による IL- 6発現誘導 の GM1による阻害実験
実施例 1に記載した方法に従い、 ラット腸間膜脂肪前駆細胞を腸間膜由来初代 培養白色脂肪細胞に分化させた。 さらに無血清培養下において、 この細胞に GM3
および GM1を同時添カ卩し、 IL- 6 mRNAを定量した。
図 1に示すように、 100および 200 μ Μの GM3をそれぞれ添加することにより、 濃 度依存的に IL - 6の mRNA発現量が亢進するが、 20θ ί Μの GM3に、 100および 200 μ Μ の GM1をそれぞれ添加することにより IL-6の mRNA発現量が減弱した。
実施例 1に示したように、 GM1は IL- 6発現誘導能を保持しないため、 GM3に対し 拮抗阻害的に作用しているものと考えられる。
以上のことより、 この実験系の GM1を試験化合物と置き換えることにより、 GM3 によるサイトカイン発現誘導を阻害する化合物のスクリーニングが行えることが 示された。 実施例 4
3T3-L1脂肪細胞株における GM3添カ卩による MCP- 1およぴ PAI- 1の発現誘導 未分化 3T3- L1細胞を 12- well plate に 3 104 cells/well の細胞密度で播種 後、 細胞がコンフルェントになるまで増殖培地 〔10%牛胎児血清、 1%ぺ -シリ ンストレプトマイシン添加 D- MEM (グルコース 4. 5g/L)〕 中で培養した。 その後、 分化誘導培地 (Ι μ Μデキサメタゾン、 0. 5 mMイソプチルメチルキサンチン、 10 i g/ml インスリン添加増殖培地) 中で 4 日間培養後、 分化維持培地 (lO ^ g/ml インスリン添加増殖培地) で 37°C、 5%炭酸ガス存在下で 2日間培養して細胞を脂 肪細胞に分ィヒさせた。 その後、 増殖培地中でさらに 4 - 5 日間培養した脂肪細胞を 実験に供した。 0、 3、 10、 30、 100および 200 Mの GM3を添加した 0. 1°/。BSA含有 D - MEM培地に交換して 24時間培養した 3T3-L1脂肪細胞から total R Aを抽出し、 これに含まれる MCP-1、 PAIL1およぴ 36B4の mRNA量を定量的 RT- PCR法で定量した。 定量的 RT - PCRは、 TaqMan Reverse Transcription Reagents (アプライドノィォ システムズ社) を用いて添付のプロトコールに従って total RNAから逆転写反応 を行った後、 TaqMan Universal PCR Master Mix (アプライドバイオシステムズ 社) を用いて添付のプロトコールに従って反応させた PCR産物を PCRプロダクト自 動検出 ·定量システム ABI PRISM 7700 (アプライドバイオシステムズ社) で定量 することにより行った。 各遺伝子発現量を定量する RT-PCRには以下のプライマー
およびプローブを用いた。 各遺伝子の発現量は、 36B4の発現量に対する相対値と して算出した。
マウス MCP- 1
Primer-Forward: 5,- GGCTCAGCCAGATGCAGTTM- 3, (配列番号: 7) Primer- Reverse: 5,- GCCTACTCATTGGGATCATCTTG- 3' (配列番号: 8)
Probe: 5,- VIC- CCACTCACCTGCTGCTACiCATTCACCA- Tarara- 3 (配列番号: 9) マウス PAI-l
Primer-Forward: 5 ' -CGCTGCACCCTTTGAGAAAG-3 ' (配列番号: 10)
Primer-Reverse: 5,- TGATGAGTTCAGCATCCMGATG - 3, (配列番号: 11) Probe: 5, - VIC- TGTGCACCTCTCCGCCCTCACC - Tamra- 3, (配列番号: 12) マウス 36B4
Primer-Forward: 5,- CCTCACTCCATCATCMTGGATAC - 3' (配列番号: 13) Primer-Reverse: 5,- AAATGCAGATGGATCGGCC- 3 ' (配列番号: 14) Probe: 5, - VIC- CACCTTCCCACTGGCTGAAAAGGTCMG - Tamra- 3 (配列番号: 15)
MCP-1および PAI- 1の発現量は、 GM3を添カ卩しない条件と比較して、 図 2およぴ図 3に示すように、 ΙΟΟ μ Μの GM3添加によりそれぞれ約 2. 7倍および約 1. 5倍、 200 μ Μ の GM3添カ卩によりそれぞれ約 2. 6倍おょぴ約 2倍に增加した。
以上のことより、 3Τ3- L1脂肪細胞において GM3の添加により、 MCP- 1および ΡΑΙ- 1の mRNAの発現が亢進することが示された。 産業上の利用可能性
(a) GM 3存在下、 サイト力イン (好ましくはインスリン抵抗性誘導サイト カイ'ン) 発現能力を有する細胞における該サイトカインの発現を抑制する化合物 またはその塩、 および (b) GM 3存在下、 サイト力イン (好ましくはインスリ ン抵抗性改善サイトカイン) 発現能力を有する細胞における、 該サイトカインの 発現を促進する化合物またはその塩は、 例えば、 インスリン抵抗性改善剤として、 例えば、 糖尿病 (例、 1型糖尿病、 2型糖尿病、 妊娠糖尿病、 肥満型糖尿病) 、 境
界型、 耐糖能異常、 IFG (Impaired Fasting Glucose) 、 IFG (Impaired Fasting Glycaemia) の予防 .治療剤;境界型、 耐糖能異常、 IFG (Impaired Fasting Glucose) または IFG (Impaired Fasting Glycaemia) から糖尿病への進展 '移行 防止剤;高脂血症 (例、 高トリグリセリ ド血症、 高コレステロール血症、 低 HDL 血症、 食後高脂血症) の予防 ·治療剤;インスリン感受性増強剤;糖尿病性合併 症 〔例、 神経障害、 腎症、 網膜症、 白内障、 大血管障害、 骨減少症、 糖尿病性高 浸透圧昏睡、 感染症 (例、 呼吸器感染症、 尿路感染症、 消化器感染症、 皮膚軟部 組織感染症、 下肢感染症) 、 糖尿病性壊疽、 口腔乾燥症、 聴覚の低下、 脳血管障 害、 末梢血行障害〕 、 肥満症、 骨粗鬆症、 悪液質 (例、 癌性悪液質、 結核性悪液 質、 糖尿病性悪液質、 血液疾患性悪液質、 内分泌疾患性悪液質、 感染症性悪液質、 後天性免疫不全症候群による悪液質) 、 脂肪肝、 高血圧症、 多嚢胞性卵巣症候群、 腎臓疾患 (例、 糖尿病性ネフ口パシー、 糸球体腎炎、 糸球体硬化症、 ネフローゼ 症候群、 高血圧性腎硬化症、 末期腎臓疾患) 、 筋ジストロフィ 、 心疾患 (例、 心筋梗塞、 狭心症) 、 脳血管障害 (例、 脳梗塞、 脳卒中) 、 インスリン抵抗性症 候群、 シンドローム X、 代謝症候群 (メタボリックシンドローム) 、 高インスリ ン血症、 高インスリン血症における知覚障害、 腫瘍 (例、 白血病、 乳癌、 前立腺 癌、 皮膚癌) 、 過敏性腸症候群、 急性または慢性下痢、 動脈硬化 (例、 ァテロー ム性動脈硬化等) 、 炎症性疾患 (例、 慢性関節リウマチ、 変形性脊椎炎、 変形性 関節炎、 腰痛、 痛風、 手術外傷後の炎症、 腫脹、 神経痛、 咽喉頭炎、 膀胱炎、 肝 炎 (非アルコール性脂肪性肝炎を含む) 、 肺炎、 膝炎、 炎症性大腸疾患、 潰瘍性 大腸炎) 、 内臓肥満症候群等の予防 ·治療剤;消化性潰瘍、 急性または慢性胃炎、 胆道ジスキネジァ一、 胆のう炎等に伴う腹痛、 悪心、 嘔吐、 上腹部不快感等の症 状の改善剤;内臓脂肪の減少剤;内臓脂肪蓄積の抑制剤;酸化 LDL産生抑制剤; 糖代謝、 脂質代鶴す、 リポタンパク代謝、 冠動脈代謝などの改善剤;心血管合併症、 心不全合併症の予防 ·治療剤;血中レムナント低下剤;無排卵症、 多毛症、 高ァ ンドロゲン血症の予防 ·治療剤;上記した各種疾患 (例、 心筋梗塞等の心血管ィ ベント) の 2次予防および進展抑制剤などとして、 好ましくは糖尿病、 肥満症、 高脂血症、 動脈硬化症、 高血圧症、 心疾患または代謝症候群などの予防'治療剤
などとして有用である。 GM 3およびサイト力イン (好ましくはインスリン抵抗 性誘導サイトカインまたはインスリン抵抗性改善サイトカイン、 より好ましくは インスリン抵抗性誘導サイトカイン) 発現能力を有する細胞は、 インスリン抵抗 性改善作用、 上記疾患、 好ましくは糖尿病、 肥満症、 高脂血症、 動脈硬化症、 高 血圧症、 心疾患または代謝症候群などの予防 ·治療作用を有する化合物またはそ の塩などのスクリーニングに有用である。