JP2017519726A - リポジストロフィー治療用脂肪酸胆汁酸複合体 - Google Patents

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Abstract

本開示は、全体として、少なくとも1つの脂肪酸/胆汁酸複合体(FABAC)を含む組成物を用いて、リポジストロフィーを治療するおよび/またはそのリスクを低減する方法に関する。いくつかの実施形態によれば、本開示は、上記FABACを用いて、HIV関連リポジストロフィーを治療する方法を提供する。【選択図】なし

Description

本開示は、全体として、リポジストロフィーまたはその関連症状を治療するための脂肪酸/胆汁酸複合体(FABAC)を含む組成物に関する。
リポジストロフィーは、様々な身体領域からの脂肪組織(体脂肪)の選択的減少および/または他の部位における過剰な脂肪の蓄積を特徴とする病に用いられる一般的な名称である。顔などの1つの部位からの局所的な脂肪の減少は、リポアトロフィーと呼ばれる。脂肪の減少は、身体の一部分の非常に小さな部位から身体全体からほぼ全ての脂肪組織が喪失するまでの範囲に広がる場合がある。さらに、患者は、重篤な代謝性の合併症または単なる美容の問題のいずれかを抱える可能性がある。重篤な脂肪の減少に関連するリポジストロフィーは、糖尿病などインスリン抵抗性、血清トリグリセリド値の上昇、および脂肪肝(肝脂肪変性)に関する代謝性の合併症の一因となることがある。
リポジストロフィーは、先天性(家族性部分型リポジストロフィーまたは先天性全身性脂肪萎縮症(Beradinelli−Seip syndrome)など)、または後天性(例えば、様々な種類の病気または薬に関連する)のいずれかであることがある。
後天性リポジストロフィーは、薬物療法、自己免疫機構によって生じるか、または突発性のものであることがある。後天性リポジストロフィーは、多剤併用療法(highly active antiretroviral therapy、HAART)により誘発されることがあるHIV感染患者におけるリポジストロフィー(LD−HIV)、後天性全身型リポジストロフィー(AGL)、後天性部分型リポジストロフィー(APL)、および局所リポジストロフィーを含む。後天性リポジストロフィーには、直接的な遺伝的根拠はない。
後天性リポジストロフィーは、1世紀以上の間、有病率が高い。それでもなお、後天性リポジストロフィーの根本となる発症メカニズムおよび治療方法を理解する上での進歩はわずかである。例えば、米国には、LD−HIVに感染している患者が100,000人以上いるにも関わらず、HIV関連リポジストロフィーの正確なメカニズムは完全には解明されていない。
HIV関連リポジストロフィーは、抗レトロウイルス療法または抗レトロウイルス薬品に因らずHIV感染自体のいずれかにより生じる可能性があることを示す証拠がある。患者が2年以上の間、HIV−1プロテアーゼ阻害薬を含むHAARTを受けた後にHIV関連リポジストロフィーが発症する場合がある。HIV関連リポジストロフィーの患者の多くは、腕、脚、および顔から段階的に皮下脂肪が減少する。身体のいくつかの部位は痩せ、一部の患者において、他の部位に過剰な脂肪が蓄積し、「野牛肩」(バッファローハンプ、頸背部脂肪体の肥大)、二重顎、および腹囲の増加として顕在化する。脂肪の減少は、HAART療法を継続しても悪化し、プロテアーゼ阻害薬の中断と逆行する場合がある。30%〜70%の患者は、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)を発症し、一部は、硬変へと進行する(Lionel Piroth,AIDS Reviews,2005,197〜209)。さらに、多くの患者は、高グリセリド血症および糖尿病を発症する。多くの患者において、プロテアーゼ阻害薬および核酸系逆転写阻害薬(NRTI)は、リポジストロフィーの発生に関与する。プロテアーゼ阻害薬または核酸系逆転写阻害薬は、大抵、HAARTの一部として共に投与されるため、これら薬の個々の効果は、不透明である。
現在、リポジストロフィーのための有効な治療は、脂肪の減少の回復または過剰な脂肪の除去のための、低炭水化物の維持、低脂肪食、および外科治療のみである。ロシグリタゾンおよびピオグリタゾンなどのグリタゾンファミリー由来の薬がリポジストロフィーの治療における評価のために提案されている。Myalept(登録商標、メトレレプチン)は、先天性または後天性全身型リポジストロフィーを抱える人のレプチン欠乏を改善すると示されている。しかしながら、この薬は、HIV関連リポジストロフィーまたは代謝性疾患を抱える患者には禁忌であり、リンパ腫のリスクおよび中和抗体の増加により生来のレプチン活性を損失するリスクが増加することを含む重度の副作用を伴っている。したがって、リポジストロフィーおよび/またはその関連症状の治療に有用な組成物および方法の未解決の必要性がある。
脂肪酸胆汁酸塩複合体は、脂肪酸胆汁酸複合体(FABAC)ともいい、胆汁酸に関する症状またはコレステロール代謝を好転させるために使用されることがある合成分子のファミリーの一つである。FABACは、血中コレステロール値を下げ、脂肪肝レベルを低減させ、胆石を溶解させると考えられる(Gilatら、Hepatology 2003;38:436−442;およびGilatら、Hepatology 2002;35:597−600)。
米国特許第6,384,024号、米国特許第6,395,722号、および米国特許第6,589,946号は、胆汁でコレステロール胆石を溶解させ、動脈硬化症を治療する、ある種のFABACの使用を開示する。これらFABACおよび別のFABACは、脂肪肝を治療し、血中コレステロール値を下げ、高血糖症、糖尿病、インスリン抵抗性、および肥満を治療することに使用されるとして、米国特許第7,501,403号、米国特許第8,975,246号、および米国特許第8,110,564号に開示される。当技術分野において、FABACがリポジストロフィーの予防、治療、または減衰に有用となることがあることは、どこにも開示も示唆もなされていない。
本発明は、脂肪酸胆汁酸複合体(FABAC)またはそれを含む組成物を使用した、リポジストロフィーおよび/またはその関連症状の治療、改善、または予防に関する。いくつかの実施形態によれば、リポジストロフィーは、後天性リポジストロフィーである。いくつかの実施形態によれば、リポジストロフィーは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)関連リポジストロフィーである。
いくつかの実施形態によれば、HIV関連リポジストロフィー(LD−HIV)は、HIV感染によって誘発される。いくつかの実施形態によれば、HIV関連リポジストロフィーは、抗レトロウイルス療法を伴う治療によって誘発される。いくつかの実施形態によれば、抗レトロウイルス療法は、抗レトロウイルス薬に関する。いくつかの実施形態によれば、後天性HIV関連リポジストロフィーと関連性がある抗レトロウイルス薬は、HIV−1プロテアーゼ阻害薬(PI)、核酸系逆転写酵素阻害薬(NRTI)、非核酸系逆転写酵素阻害薬(NNRTI)、融合阻害薬、CCR5コレセプター拮抗薬などだがこれに限定されない侵入阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害薬(HIV integrase strand transfer inhibitor)、およびそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態によれば、後天性HIV関連リポジストロフィーと関連性がある抗レトロウイルス薬は、逆転写酵素阻害薬(RTI)、プロテアーゼ阻害薬、およびその組み合わせを含む。
いかなる理論またはメカニズムに拘束されることを望むものではないが、少なくとも1つの抗レトロウイルス薬と、ほぼ同時に、並行して、交互に、順次、連続して、または重複するスケジュールに従い、本発明のFABACまたはそれを含む組成物を投与することは、リポジストロフィーおよび/またはその関連症状を予防または改善する。いくつかの実施形態によれば、HIVに関連するリポジストロフィーは、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)およびそれに関連するメタボリックシンドローム以外の症状に関連する。
いくつかの実施形態によれば、本発明は、本発明のFABACまたはそれを含む組成物を必要とする対象者に投与することを含む、抗レトロウイルス薬により誘発されるリポジストロフィーおよび/またはその関連症状を低減、改善、または予防するための方法を提供する。本明細書において使用される場合、用語「必要とする対象者」は、リポジストロフィーを患う対象者またはリポジストロフィーを患うリスクがある対象者を指す。いくつかの実施形態によれば、HIVに感染した対象者および/または抗レトロウイルス療法で治療される対象者は、リポジストロフィーを患うリスクがある対象者である。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。
一態様によれば、本発明は、治療有効量の式I:
W−X−G(I)
(式中、Gは、胆汁酸またはその胆汁酸塩基を表し、Wは、6〜22個の炭素原子を有する1つまたは2つの脂肪酸基を表し、Xは、ヘテロ原子、直接的なC−C結合、およびC=C結合からなる群より選択される結合部を表す)の脂肪酸胆汁酸複合体(FABAC)を必要とする対象者に投与することを含む、その対象者のリポジストロフィーを治療する方法を提供する。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。
いくつかの実施形態によれば、本発明は、治療有効量の本発明のFABACおよび薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、または担体を含む組成物を必要とする対象者に投与することを含む、その対象者のリポジストロフィーを治療する方法を提供する。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。
いくつかの実施形態によれば、結合部は、NH、P、S、O、および直接的なC−CまたはC=C結合からなる群から選択される。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。いくつかの実施形態によれば、結合部は、NHである。
いくつかの実施形態によれば、上記1つまたは2つの脂肪酸基は、それぞれ、アラキジル酸、ステアリン酸、ベヘン酸、パルミチン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、およびオレイン酸からなる群より選択される脂肪酸の基である。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。いくつかの実施形態によれば、上記1つまたは2つの脂肪酸基は、アラキジル酸基である。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。
いくつかの実施形態によれば、Wは、2つの脂肪酸基を表し、それぞれ独立して6〜22個の炭素原子を含み、これら脂肪酸基は、それぞれ独立して、ヘテロ原子、直接的なC−C結合、およびC=C結合からなる群より選択される結合部Xと結合する。いくつかの実施形態によれば、Wは、1つの脂肪酸基を表す。
いくつかの実施形態によれば、胆汁酸は、コール酸、ウルソデオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、デオキシコール酸、リトコール酸、およびその誘導体からなる群より選択される。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。いくつかの実施形態によれば、胆汁酸は、コール酸である。
いくつかの実施形態によれば、FABACは、3β−アラキジルアミド−7α,12α−ジヒドロキシ−5β−コラン−24−酸である。
いくつかの実施形態によれば、リポジストロフィーは、HIV感染および抗レトロウイルス療法のうち少なくとも1つによって誘発される。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。いくつかの実施形態によれば、リポジストロフィーは、少なくとも1つの抗レトロウイルス薬によって誘発される。
別の態様において、治療有効量の本明細書に定義される式Iの脂肪酸胆汁酸複合体(FABAC)を、必要とする対象者に投与することを含む、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)関連リポジストロフィーのリスクを低減する方法が提供される。
一実施形態において、上記式Iの複合体は、薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、または担体のうち少なくとも1つを含む医薬組成物の形態である。別の実施形態において、上記対象者は、HIV陽性である(または、HIVに感染している)。別の実施形態において、上記対象者は、少なくとも1つの抗レトロウイルス薬を用いて治療される。別の実施形態において、上記少なくとも1つの抗レトロウイルス薬は、上記複合体の投与と、ほぼ同時に、並行して、交互に、順次、連続して、または重複するスケジュールに従い、投与される。別の実施形態において、上記FABACは、3β−アラキジルアミド−7α,12α−ジヒドロキシ−5β−コラン−24−酸またはその薬学的に許容される塩である。
いくつかの実施形態によれば、本発明は、治療有効量の式I:
W−X−G(I)
(式中、Gは、胆汁酸またはその胆汁酸塩基を表し、Wは、6〜22個の炭素原子を有する1つまたは2つの脂肪酸基を表し、Xは、ヘテロ原子、直接的なC−C結合、およびC=C結合からなる群より選択される結合部を表す)の脂肪酸胆汁酸複合体(FABAC)を含む、リポジストロフィーの治療またはヒト免疫不全ウイルス(HIV)関連リポジストロフィーのリスクの低減に使用するための医薬組成物を提供する。
いくつかの実施形態によれば、本発明の組成物は、有効成分として、本発明のFABACのうち少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態によれば、本発明の組成物は、有効成分として、上記複合体を含み、薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、または担体のうち少なくとも1つをさらに含む。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。
別の実施形態において、上記結合部は、NH、P、S、O、および直接的なC−CまたはC=C結合からなる群より選択される。別の実施形態において、上記結合部は、NHである。別の実施形態において、上記1つまたは2つの脂肪酸基は、それぞれ、アラキジル酸、ステアリン酸、ベヘン酸、パルミチン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、およびオレイン酸からなる群より選択される脂肪酸の基である。別の実施形態において、上記1つまたは2つの脂肪酸基は、アラキジル酸基である。別の実施形態において、Wは、2つの脂肪酸基を表し、それぞれ独立して、6〜22個の炭素原子を含み、これら脂肪酸基は、それぞれ独立して、ヘテロ原子、直接的なC−C結合、およびC=C結合からなる群より選択される結合部Xに結合される。別の実施形態において、Wは、1つの脂肪酸基を表す。別の実施形態において、上記胆汁酸は、コール酸、ウルソデオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、デオキシコール酸、リトコール酸、およびその誘導体からなる群より選択される。別の実施形態において、上記胆汁酸は、コール酸である。別の実施形態において、上記FABACは、3β−アラキジルアミド−7α,12α−ジヒドロキシ−5β−コラン−24−酸またはその塩である。別の実施形態において、上記組成物は、少なくとも1つの抗レトロウイルス薬と、同時の、並行した、交互の、順次、連続した、または重複するスケジュールに従った投与に適する。
別の態様において、本発明は、a)本明細書に定義される式IのFABACと、b)少なくとも1つの抗レトロウイルス薬と、任意にc)薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、または担体のうち少なくとも1つと、を含む医薬組成物を提供する。
ある実施形態によれば、少なくとも1つの抗レトロウイルス薬は、エムトリシタビン(FTC)、ラミブジン(3TC)、ザルシタビン(ジデオキシシチジン)、ジドブジン(AZT)、ジダノシン、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、スタブジン、アバカビル硫酸塩、リルピビリン、エトラビリン、デラビルジン、エファビレンツ、ネビラピン、アンプレナビル、チプラナビル、インジナビル、サキナビル、メシル酸サキナビル、ロピナビル、リトナビル、ホスアンプレナビルカルシウム、ダルナビル、アタザナビル硫酸塩、メシル酸ネルフィナビル、エンフビルチド、ラルテグラビル、ドルテグラビル、およびその組み合わせからなる群より選択される。別の実施形態において、上記FABACは、3β−アラキジルアミド−7α,12α−ジヒドロキシ−5β−コラン−24−酸またはその塩である。別の実施形態において、組成物は、リポジストロフィーの治療またはヒト免疫不全ウイルス(HIV)関連リポジストロフィーのリスクの低減に使用される。
別の態様において、a)治療有効量の本明細書に定義される式IのFABACと、b)少なくとも1つの抗レトロウイルス薬と、同時に、並行して、交互に、順次、連続して、または重複するスケジュールに従い、FABACを投与するための使用説明書と、を含むキットが提供される。
別の実施形態において、キットは、少なくとも1つの抗レトロウイルス薬をさらに含む。別の実施形態において、少なくとも1つの抗レトロウイルス薬は、エムトリシタビン(FTC)、ラミブジン(3TC)、ザルシタビン(ジデオキシシチジン)、ジドブジン(AZT)、ジダノシン、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、スタブジン、アバカビル硫酸塩、リルピビリン、エトラビリン、デラビルジン、エファビレンツ、ネビラピン、アンプレナビル、チプラナビル、インジナビル、サキナビル、メシル酸サキナビル、ロピナビル、リトナビル、ホスアンプレナビルカルシウム、ダルナビル、アタザナビル硫酸塩、メシル酸ネルフィナビル、エンフビルチド、ラルテグラビル、ドルテグラビル、およびその組み合わせからなる群より選択される。別の実施形態において、上記FABACは、3β−アラキジルアミド−7α,12α−ジヒドロキシ−5β−コラン−24−酸またはその塩である。
いくつかの実施形態によれば、本発明は、本発明のFABACまたはそれを含む組成物を必要とする対象者に投与することにより、HIV関連リポジストロフィーおよび/またはその関連症状を治療、改善、または予防するための方法を提供する。
いくつかの実施形態によれば、本発明は、本発明のFABACまたはそれを含む組成物を必要とする対象者に投与することを含む、少なくとも1つの抗レトロウイルス薬により誘発されるリポジストロフィーを改善および/または予防する方法を提供する。
本発明のさらなる実施形態、特徴、利点、および利用可能性の全貌は、以下に記す発明を実施するための形態から明らかになるであろう。しかし、発明を実施するための形態は、本発明の好ましい実施形態を示しているものの、当業者であれば、発明を実施するための形態から本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、様々な変更および修正を加えられることは明らかであるため、説明のためだけに記されていると理解すべきである。
本発明は、リポジストロフィーおよび/またはその関連症状の治療、減衰、または予防のために、脂肪酸胆汁酸複合体(FABAC)またはそれを含む組成物を使用する方法に関する。いくつかの実施形態によれば、本発明は、必要とする対象者への本発明のFABACの投与を含む、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)関連リポジストロフィーおよび/またはその関連症状の治療、減衰、または予防のための方法を提供する。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。
一態様によれば、本開示は、治療有効量の式I:
W−X−G(I)
(式中、Gは、胆汁酸またはその胆汁酸塩基を表し、Wは、6〜22個の炭素原子を有する1つまたは2つの脂肪酸基を表し、Xは、ヘテロ原子、直接的なC−C結合、およびC=C結合からなる群より選択される結合部を表す)のFABACを必要とする対象者に投与することを含む、その対象者のリポジストロフィーを治療する方法を提供する。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。
別の態様において、本発明は、治療有効量の式I:
W−X−G(I)
(式中、Gは、胆汁酸またはその胆汁酸塩基を表し、Wは、6〜22個の炭素原子を有する1つまたは2つの脂肪酸基を表し、Xは、ヘテロ原子、直接的なC−C結合、およびC=C結合からなる群より選択される結合部を表す)の脂肪酸胆汁酸複合体(FABAC)を必要とする対象者に投与することを含む、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)関連リポジストロフィーのリスクを低減する方法を提供する。
別の態様において、治療有効量の式I:
W−X−G(I)
(式中、Gは、胆汁酸またはその胆汁酸塩基を表し、Wは、6〜22個の炭素原子を有する1つまたは2つの脂肪酸基を表し、Xは、ヘテロ原子、直接的なC−C結合、およびC=C結合からなる群より選択される結合部を表す)の脂肪酸胆汁酸複合体(FABAC)を含む、リポジストロフィーの治療またはヒト免疫不全ウイルス(HIV)関連リポジストロフィーのリスクの低減に使用するための医薬組成物が提供される。
別の態様において、本発明は、
a)式I:
W−X−G(I)
(式中、Gは、胆汁酸またはその胆汁酸塩基を表し、Wは、6〜22個の炭素原子を有する1つまたは2つの脂肪酸基を表し、Xは、ヘテロ原子、直接的なC−C結合、およびC=C結合からなる群より選択される結合部を表す)のFABACと、
b)少なくとも1つの抗レトロウイルス薬と、任意に
c)薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、または担体のうち少なくとも1つと、
を含む医薬組成物を提供する。
別の態様において、
a)治療有効量の式I:
W−X−G(I)
(式中、Gは、胆汁酸またはその胆汁酸塩基を表し、Wは、6〜22個の炭素原子を有する1つまたは2つの脂肪酸基を表し、Xは、ヘテロ原子、直接的なC−C結合、およびC=C結合からなる群より選択される結合部を表す)のFABACと、
b)少なくとも1つの抗レトロウイルス薬と、同時に、並行して、交互に、順次、連続して、または重複するスケジュールに従い、FABACを投与するための使用説明書と、
を含むキットが提供される。
脂肪酸胆汁酸複合体
本明細書において使用される場合、用語「FABAC」、「FABACs」、「BAFAC」、「このFABAC(the FABACs)」、および「本発明のFABAC」は、同じ意味で用いられ、式 W−X−G(式I:式中、Gは、胆汁酸またはその胆汁酸塩基を表し、Wは、6〜22個の炭素原子を有する1つまたは2つの脂肪酸基を表し、Xは、これら胆汁酸および脂肪酸基の間の結合部を表す)の複合体を指す。いくつかの実施形態によれば、結合部Xは、NH、P、S、O、または直接的なC=CもしくはC−C結合を含むが、これらに限定されない。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。FABACは、当技術分野において既知であり、例えば、米国特許第6,384,024号、米国特許第6,395,722号、および米国特許第6,589,946号に記載され、その内容は参照により、本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態によれば、1つまたは2つの脂肪酸基は、8〜22個の炭素原子、可能であれば、14〜22個の炭素原子、好ましくは、18〜22個の炭素原子を含む。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。いくつかの実施形態によれば、本発明のFABACは、リポジストロフィーおよび/またはその関連症状を治療、改善、予防またはそのリスクを低減することに使用されるFABACを指す。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。
FABACの非限定的な一般構造を以下に明示する。非限定的な例によれば、胆汁酸は、任意の数の鎖長を有する1〜2つの脂肪酸と(例えば、アミド結合により、例えば、3位で)共役付加される。例示的な実施形態によれば、本発明のFABACは、3β−アラキジルアミド−7α,12α,ジヒドロキシ−5β−コラン−24−酸(アラキジルアミドコラン酸、アラキジン酸とのコール酸のアミド複合体、「アラムコール(Aramchol)」または「C20 FABAC」としても知られる)または3β−ステアリルアミド−7α,12α,ジヒドロキシ−5β−コラン−24−酸(ステアリルアミドコラン酸、ステアリン酸とのコール酸のアミド複合体複合体、“「スチムコール(Steamchol)」または「C18 FABAC」としても知られる)。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。
いくつかの実施形態によれば、本発明のFABACは、式I:
W−X−G(I)
(式中、Gは、胆汁酸またはその胆汁酸塩基を表し、Wは、6〜22個の炭素原子を有する1つまたは2つの飽和脂肪酸基または不飽和脂肪酸基を表し、Xは、結合部、または直接的なC−C結合もしくはC=C結合を表す)を有する。いくつかの実施形態によれば、Xは、ヘテロ原子、直接的なC−C結合、およびC=C結合からなる群より選択される結合部を表す。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。いくつかの実施形態によれば、結合部Xは、NH、P、S、O、および直接的なC=CまたはC−C結合からなる群より選択される。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。いくつかの実施形態によれば、Gは、胆汁酸基である。
いくつかの実施形態によれば、式II:
(W−X−)nG(II)
(式中、Gは、胆汁酸またはその胆汁酸塩基を表し、Wは、6〜22個の炭素原子を有する脂肪酸基を表し、Xは、ヘテロ原子または直接的なC−CもしくはC=C結合を含む結合部を表し、nは、1または2の整数である)を有するFABACの使用が検討される。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。いくつかの実施形態によれば、ヘテロ原子は、NH、P、S、およびOからなる群より選択される。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。全体として、用語「ヘテロ原子」は、炭素または水素以外の任意の元素の原子であり、好ましい例としては、窒素、酸素、硫黄、およびリンを含む。
一実施形態によれば、nは、1である。別の実施形態によれば、nは、2であり、このとき、Wは、独立して、6〜22個の炭素原子を有する脂肪酸基であり、Xは、独立して、ヘテロ原子または直接的なC−CもしくはC=C結合を含む結合部である。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。
別の実施形態において、FABACの結合部は、NH、P、S、O、または直接的なC−CもしくはC=C結合からなる群より選択される。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。いくつかの実施形態によれば、用語「直接的な結合」は、C−C(単)結合を指す。別の実施形態において、用語「直接的な結合」は、C=C(二重)結合を指す。別の実施形態において、1つ以上の直接的な結合が本発明のFABACに利用される。別の実施形態において、胆汁酸と脂肪酸基との間の結合は、ベータ型の構成である。別の実施形態において、胆汁酸と脂肪酸基との間の結合は、アルファ型の構成である。別の実施形態において、結合部は、エステル結合以外である。
いくつかの実施形態によれば、FABACの胆汁酸または胆汁酸基は、コール酸、ウルソデオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、デオキシコール酸、リトコール酸、およびその誘導体からなる群より選択される。胆汁酸またはその基の各種類は、本発明の個別の実施形態に示す。本明細書において使用される用語「基(ラジカル)」は、1つ以上の不対電子を有する化学部分を意味する。いくつかの実施形態によれば、FABACの胆汁酸または胆汁酸基は、コール酸である。
いくつかの実施形態によれば、本発明のFABACは、1つの脂肪酸基を含む。脂肪酸基との胆汁酸の共役付加は、胆汁酸の様々な位置で生じてもよい。ある実施形態において、脂肪酸基との胆汁酸の共役付加は、3位、6位、7位、12位、および24位からなる群より選択される胆汁酸核の位置で行われる。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。一実施形態において、上記共役付加は、胆汁酸核の3位で行われる。
他の実施形態によれば、本発明のFABACは、2つの脂肪酸基を含む。いくつかの実施形態によれば、胆汁酸核との各脂肪酸基の共役付加は、3位、7位、12位、および24位からなる群より選択される胆汁酸核の2つの位置にある。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。特定の実施形態によれば、2つの脂肪酸基の共役付加は、胆汁酸核の3位および7位にある。
いくつかの実施形態によれば、脂肪酸は、短鎖脂肪酸である。いくつかの実施形態によれば、短鎖脂肪酸の鎖長は、6〜8個の炭素である。いくつかの実施形態によれば、脂肪酸は、中鎖脂肪酸である。いくつかの実施形態によれば、中鎖脂肪酸の鎖長は、8〜14個の炭素である。いくつかの実施形態によれば、脂肪酸の鎖長は、14〜22個の炭素である。いくつかの実施形態によれば、脂肪酸の鎖長は、16〜22個の炭素である。ある実施形態によれば、当技術分野において既知の他の脂肪酸長が利用されてもよい。脂肪酸または脂肪酸基の各種類は、本発明の個別の実施形態に示す。いくつかの実施形態によれば、本開示の方法に係る医薬組成物は、1種以上のFABACを含む。
いくつかの実施形態によれば、脂肪酸は、飽和脂肪酸である。いくつかの実施形態によれば、脂肪酸は、不飽和脂肪酸である。いくつかの実施形態によれば、脂肪酸は、モノ不飽和脂肪酸である。いくつかの実施形態によれば、脂肪酸は、ポリ不飽和脂肪酸である。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。
いくつかの実施形態によれば、本発明のFABACの1つまたは2つの脂肪酸または脂肪酸基は、ベヘン酸、アラキジル酸、ステアリン酸、およびパルミチン酸からなる群より独立して選択される。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。本発明に係るFABACの例示的な実施形態は、本明細書の以下の式IIIで示される。いくつかの実施形態によれば、式IIIにおいて、n=20またはn=18である。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。
Figure 2017519726
いくつかの実施形態によれば、本発明のFABACの1つまたは2つの脂肪酸または脂肪酸基は、不飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸基である。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。いくつかの実施形態によれば、FABACの1つまたは2つの不飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸基は、リノレン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、アラキドン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、およびエライジン酸からなる群より独立して選択される。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。
本明細書において使用される場合、用語「共役脂肪酸」は、「CFA」としても知られ、少なくとも1組の二重結合が1つの単結合のみによって分離されるポリ不飽和脂肪酸類を指す。
いくつかの実施形態によれば、本発明の方法および組成物のFABACは、3β−ベヘニルアミド−7α,12α−ジヒドロキシ−5β−コラン−24−酸、3β−アラキジルアミド−7α、12α−ジヒドロキシ−5β−コラン−24−酸、3β−ステアリルアミド−7α,12α−ジヒドロキシ−5β−コラン−24−酸、および3β−パルミチルアミド−7α,12α−ジヒドロキシ−5β−コラン−24−酸からなる群より選択される。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。本発明のFABACは、3β−アラキジルアミド−7α,12α,ジヒドロキシ−5β−コラン−24−酸(アラキジルアミドコラン酸、アラキジン酸とコール酸のアミド複合体、「アラムコール」または「C20 FABAC」ともいう)である。
本明細書に記載されるFABACは、薬学的に許容される塩および/またはその誘導体を含む。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。本明細書において使用される場合、用語「胆汁酸誘導体」は、その立体異性体および鏡像異性体はもちろん、薬学的に許容される塩基または酸を有する胆汁酸塩を含む。
リポジストロフィーおよびその関連方法
いくつかの実施形態によれば、本開示の組成物および方法は、リポジストロフィーおよび/またはその関連症状の改善および/または治療および/または予防および/またはそのリスクの低減を提供する。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。本明細書において使用される場合、用語「リポジストロフィー」は、様々な身体領域からの脂肪組織(体脂肪)の選択的減少および/または様々な身体領域における脂肪組織の異常分布を特徴とする病を指す。いくつかの実施形態によれば、リポジストロフィーを患う対象者は、リポアトロフィーなどだが、これに限定されない関連症状を抱えていてもよい。本明細書において使用される場合、用語「リポアトロフィー」は、顔などだが、これに限定されない特定の身体領域からの脂肪組織の局所的減少を指す。いくつかの実施形態によれば、関連症状は、NAFLDおよび/またはNAFLDに関連するメタボリックシンドローム以外である。いくつかの実施形態によれば、本開示は、必要とする対象者への本発明のFABACまたはそれを含む組成物の投与により、HIV関連リポジストロフィーを治療および/またはそのリスクを低減する方法を提供する。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。
本明細書において使用される場合、用語「治療する」は、進行の抑止、実質的な抑制、低速化、または回復、臨床的な病状の実質的な改善、またはリポジストロフィーに関連する病状および/または症状の発生の実質的な予防を含む。リポジストロフィーの治療は、本発明のいくつかの実施形態によれば、リポジストロフィーに関する本明細書に記載される病状および/または症状の治療を含む。いくつかの実施形態によれば、リポジストロフィーの治療は、リポアトロフィーの治療を含む。
FABC治療に対して提案される既知の兆候は、本明細書に詳説するように、米国特許第6,384,024号、米国特許第6,395,722号、米国特許第6,589,946号、米国特許第7,501,403号、米国特許第8,110,564号、および米国特許第8,975,246号に開示されるものを含む。一方、驚くべきことに、本明細書は、FABACがリポジストロフィーの管理において、治療上および/または予防上の利点を提供できることを開示する。まず初めに、FABACを含む治療の処方計画が、特に、リポジストロフィー患者に有益であることが本明細書に開示される。したがって、本発明の方法は、本発明のFABACの投与前に、リポジストロフィーを患う対象者を特定する工程を含むことが好ましい。
まず初めに、本発明は、従来はFABAC療法を受けることができると考えられていなかった、新規の患者集団の治療のために提供される。そのため、例えば、本発明は、糖尿病などの従来既知の病態または兆候に関連する臨床的な症状が顕在化していない患者の治療のために提供される。別の非限定例において、本発明の方法は、肝臓の炎症が顕在化していない対象者の治療を含むことが好ましい。特定の実施形態によれば、対象者は、胆汁胆石、もしくはFABACにより治療可能であると知られている他の病態または兆候を共に患っていない。他の有益な実施形態によれば、本発明の方法は、本発明のFABACの投与前に、リポジストロフィーを発症するリスクがある対象者を特定する工程を含む。非限定的な例により、HIVに感染した(またはHIV陽性の)対象者は、HIV誘発リポジストロフィーの発症を予防、遅延、または改善するため、任意の他の臨床的な病状または病態を発症していなくとも、本発明のFABACを用いた治療を受けることができると判断してもよい。
リポジストロフィーは、一般的に、疾患が遺伝性であるか後天性であるかはもちろん、脂肪減少の範囲または様式(全体的または部分的)に基づき分類することができる。この分類体系により、先天性全身型リポジストロフィー(CGL)、後天性全身型リポジストロフィー(AGL)、家族性部分型リポジストロフィー(FPL)、および後天性部分型リポジストロフィー(APL)の4つの主要なリポジストロフィーサブタイプが得られる。HIV関連リポジストロフィーは、通常、APLタイプに区分される。本発明の方法により治療を受けることができる例示的なリポジストロフィーは、薬誘発(例えば、抗レトロウイルス薬関連)、感染誘発(例えば、HIV関連)、自己免疫、および/または突発性リポジストロフィーを含むが、これらに限定されない。
リポジストロフィーの診断は、主に、臨床的である。様々なタイプのリポジストロフィー間の区別は、病歴および身体検査によって行うことができる。皮下脂肪圧測定、二重エネルギーX線吸収測定(DXA、DEXAとしても知られる)、および全身T−1強調核磁気共鳴画像(MRI)は、脂肪減少の様式についての情報を提供することができる。その分子的な原理は既知である遺伝性リポジストロフィーに対して、出生前診断を含む遺伝的検査は、臨床検査研究所において、AGPAT2、BSCL2、LMNA、ZMPSTE24、およびPPARGに利用できる。CAV1、PTRF、AKT2、CIDEC、PLIN1、およびPSMB8などの他のリポジストロフィー遺伝子に対するジェノタイピングは、研究段階で利用できる。
リポジストロフィーの臨床的な病状は、通常、顔および首(例えば、CGL、AGL、またはAPL)、胸または胴、上肢、下肢(例えば、APL)、および/または腹腔内(例えば、CGLおよびAGL)からの脂肪減少を含む。病状および指標は、顔および首、尻および臀部、下肢、または腹腔内における任意の脂肪蓄積または痩せをも含むことがある。HIV関連リポジストロフィーは、腕、脚、顔、および臀部における皮下脂肪の減少(リポアトロフィー)、腹腔および胴における脂肪増、特に内臓脂肪の増加(脂肪肥大症)、頸背部脂肪体または首筋の「野牛肩」、および乳腺肥大症(大抵、女性に起こる)のうち、1つ以上の病状により顕在化することがある。
いくつかの実施形態によれば、リポジストロフィーは、HIV関連リポジストロフィーである。本明細書において使用される場合、用語「HIV関連リポジストロフィー」および「LD−HIV」は、同じ意味で用いられ、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染および/または抗レトロウイルス療法により誘発されるリポジストロフィーを指す。いくつかの実施形態によれば、HIV関連リポジストロフィーは、HIV感染および/または抗レトロウイルス薬により誘発されるリポジストロフィーである。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。いくつかの実施形態によれば、本発明は、治療有効量の式I:
W−X−G(I)
(式中、Gは、胆汁酸またはその胆汁酸塩基を表し、Wは、6〜22個の炭素原子を有する1つまたは2つの脂肪酸基を表し、Xは、ヘテロ原子、直接的なC−C結合、およびC=C結合からなる群より選択される結合部を表す)の脂肪酸胆汁酸複合体(FABAC)を必要とする対象者に投与することを含む、その対象者のHIV関連リポジストロフィーを治療する方法を提供する。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。
いくつかの実施形態によれば、リポジストロフィーの治療は、必要とする対象者における、リポジストロフィー関連の症状の少なくとも一部の改善に関する。いくつかの実施形態によれば、リポジストロフィーの治療は、対象者におけるリポアトロフィーの改善を含む。
いくつかの実施形態によれば、リポジストロフィーの治療は、リポジストロフィーおよび/またはリポジストロフィー関連の症状の少なくとも一部の予防および/またはそれを患うリスクの低減に関する。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。いくつかの実施形態によれば、本開示は、本発明のFABACまたはそれを含む組成物の投与を含む、リポジストロフィーおよび/またはリポジストロフィーに関連する症状の少なくとも一部のリスクを低減するための方法を提供する。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。
いくつかの実施形態によれば、本開示は、本発明のFABACまたはそれを含む組成物の投与を含む、HIV関連リポジストロフィーおよび/またはHIV関連リポジストロフィーに関連するまたはそれに誘発される症状の少なくとも一部のリスクを低減するための方法を提供する。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。いくつかの実施形態によれば、本開示は、少なくとも1つの抗レトロウイルス薬と、ほぼ同時の、並行した、交互の、順次、連続した、または重複するスケジュールに従った本発明のFABACまたはそれを含む組成物の投与を含む、HIV関連リポジストロフィーおよび/またはHIV関連リポジストロフィーにより誘発される症状の少なくとも一部のリスクを低減するための方法を提供する。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。
いくつかの実施形態によれば、後天性HIV関連リポジストロフィーと関連性がある抗レトロウイルス薬は、HIV−1プロテアーゼ阻害薬(PI)、核酸系逆転写酵素阻害薬(NRTI)、非核酸系逆転写酵素阻害薬(NNRTI)、融合阻害薬、CCR5コレセプター拮抗薬などだが、これに限定されない侵入阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害薬、およびその組み合わせを含むが、これらに限定されない。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。
逆転写酵素阻害薬(RTI)は、HIV複製に要する逆転写酵素、ウイルスのDNAポリメラーゼの活性を阻害する、HIV感染またはAIDSを治療するために使用される抗レトロウイルス薬の一種である。核酸系アナログ逆転写酵素阻害薬(NARTIまたはNRTI)は、開発された最上位の抗レトロウイルス薬である。ウイルスのDNAに組み込まれるよう、NRTIは、それらデオキシリボース部分へのその3つのリン酸基の付加により、細胞内で活性化され、NRTI三リン酸塩を形成しなければならない。このリン酸化工程は、細胞質のキナーゼ酵素により行われる。本明細書において使用される場合、この群は、核酸系逆転写酵素阻害剤(NtARTIまたはNtRTI)をさらに含み、変換工程を省略する(例えば、テノホビル)。NNRTIは、略して「非核酸(non−nucleosides)」または「非核(non−nukes)」としても知られ、それら自体が逆転写酵素に結合し、酵素がRNAをDNAに変換させることを予防する。そして、HIVの遺伝物質は、細胞の正常な遺伝物質に組み込まれず、細胞が新規のウイルスを発生させることを予防する。
NRTIの非限定的な例としては、ラミブジンおよびジドブジン、エムトリシタビン(FTC)、ラミブジン(3TC)、アバカビルおよびラミブジン、ザルシタビン(ジデオキシシチジン)、ジドブジン(AZT)、アバカビルジドブジンおよびラミブジン、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩およびエムトリシタビン、腸溶性ジダノシン、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、スタブジン、アバカビル硫酸塩、ならびにその組み合わせを含む。
NNRTIの非限定的な例としては、リルピビリン、エトラビリン、デラビルジン、エファビレンツ、ネビラピン、およびその組み合わせを含む。
プロテアーゼ阻害薬(PI)は、遷移状態のプロテアーゼの実際の基質を模倣して設計された。−NH−CO−からなるペプチド結合は、プロテアーゼが切断できないヒドロキシエチレン基(−CH2−CH(OH)−)により置換される。HIVプロテアーゼ阻害薬は、HIVアスパラギン酸プロテアーゼの活性部位に適合し、アスパルチルプロテアーゼの作用方式の知識を利用して、合理的に設計された。最も有望な遷移状態の模倣は、ヒドロキシエチルアミンであり、それは第1プロテアーゼ阻害薬、サキナビルの発見につながった。当該発見に続き、他のHIVプロテアーゼ阻害薬は、同一の原理を使用して設計された。
プロテアーゼ阻害薬の非限定的な例としては、アンプレナビル、チプラナビル、インジナビル、サキナビル、メシル酸サキナビル、ロピナビルおよびリトナビル、ホスアンプレナビルカルシウム、リトナビル、ダルナビル、アタザナビル硫酸塩、メシル酸ネルフィナビル、ならびにその組み合わせを含む。
インテグラーゼ阻害薬は、「integrase strand transfer inhibitors(INSTI)」としても知られ、宿主細胞のDNAにウイルスのゲノムを挿入するウイルスの酵素であるインテグラーゼの作用を妨げるよう設計された抗レトロウイルス薬の一種である。組み込みは、レトロウイルス複製におけるウイルスの工程であるため、これを妨げることにより、ウイルスのさらなる拡散を停止させることができる。
HIVインテグラーゼ阻害薬の非限定的な例としては、ラルテグラビル、ドルテグラビル、およびその組み合わせを含む。
侵入阻害剤は、融合阻害薬としても知られ、抗レトロウイルス薬の一種であり、通常、HIV感染の治療のための併用療法で使用される。この種の薬は、ヒト細胞へのHIVウイルス粒子の結合、融合、および侵入を妨害する。HIVの複製におけるこの工程を妨げることにより、このような薬剤は、HIV感染からAIDSへの進行を低速化させる。
融合阻害薬の非限定的な例としては、エンフビルチドがある。
いかなる理論またはメカニズムに拘束されることを望むものではないが、抗レトロウイルス薬と、ほぼ同時の、並行した、交互の、順次、連続した、または重複するスケジュールに従った本発明のFABACのHIVを患う対象者への投与は、その対象者におけるHIV感染または抗レトロウイルス薬に関連するリポジストロフィーおよび/またはその関連症状のリスクを低減する。
HIV/AIDSの管理は、通常、HIV感染を制御する試みで、複数の抗レトロウイルス薬の使用を含む。異なるウイルスターゲットに作用する(抗レトロウイルス薬の異なる種に属する)複数の薬の使用は、多剤併用療法(HAART)として知られる。最近のHAARTの処方計画は、2つのNRTI(「バックボーン」)およびPI、NNRTI、またはINSTI(「ベース」)の3つの薬からなる。初期の処方計画は、効能に優れ、副作用の少ない特性をもつ「第1の(first−line)」薬を使用する。米国において大人および若者用の例示的な初期の処方計画は、テノホビル/エムトリシタビンおよびラルテグラビル;テノホビル/エムトリシタビンおよびドルテグラビル;良好な腎機能を有する(gfr>70)患者において、HLA−B*5701遺伝子対立物質テノホビル/エムトリシタビン、エルビテグラビル(インテグラーゼ阻害薬)およびコビシスタット(前者の代謝を阻害する)について検査結果が陰性であった患者に対し、アバカビル/ラミブジン(2つのNRTI)およびドルテグラビル;ならびにテノホビル/エムトリシタビン、リトナビル、およびダルナビルである。ある実施形態によれば、本発明のFABACは、本明細書に記載されるように、HAARTの治療と、同時に、並行して、交互に、順次、連続して、または重複するスケジュールに従う。
抗レトロウイルス薬は、市販されるおよび/または周知の合成方法により生成することができる。HAARTまたは他の抗レトロウイルス療法のための投薬量および投与経路は、周知であり、治療する医師により患者の症状に容易に適合させることができる。
別の態様において、本発明のFABACを含むキットまたは医薬包およびリポジストロフィーを患う対象者、もしくは他の実施形態においてはリポジストロフィーを発症するリスクがある対象者にFABACを投与するための使用説明書が提供される。別の態様において、治療有効量の本発明のFABACを含むキット、および少なくとも1つの抗レトロウイルス薬と、同時に、並行して、交互に、順次、連続して、または重複するスケジュールに従い、FABACを投与するための使用説明書が提供される。特定の実施形態において、キットは、少なくとも1つの抗レトロウイルス薬をさらに含む。
いくつかの実施形態によれば、本発明は、本発明のFABACまたはそれを含む組成物を対象者に投与することを含む、その対象者のリポジストロフィーに関連するリポアトロフィーを低減および/または予防する方法を提供する。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。いくつかの実施形態によれば、本発明は、少なくとも1つの抗レトロウイルス薬と、ほぼ同時に、並行して、交互に、順次、連続して、または重複するスケジュールに従い、本発明のFABACまたはそれを含む組成物を、HIV感染を患う対象者に投与することを含む、その対象者のリポアトロフィーを低減および/または予防する方法を提供する。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。いくつかの実施形態によれば、リポアトロフィーは、顔に生じるリポアトロフィーである。
別の態様において、対象者がリポジストロフィーを患っているか否かを判断することを含む、対象者が本発明のFABAC(例えば、式Iの複合体、また具体的には、アラムコール)を用いた治療を受けることができるか否かを判断するための方法が提供され、当該方法において、リポジストロフィーを患っていると特定された対象者は、FABACを用いた治療を受けることができると判断される。対象者がリポジストロフィーを患っているか否かの判断は、周知の診断方法により容易に行われる。特定の器官における脂肪含量はもちろん、全身の脂肪を評価し、健康な対照の平均値と比較してもよく、ここで、対照と比較して、著しく脂肪レベルが低下している場合、検査対象者または器官において脂肪が減少していることを指し、また対照と比較して著しく脂肪レベルが上昇している場合、検査対象者または器官において脂肪が増加していることを指す。そのため、例えば、健康な対照と比較して、全身の脂肪が著しく減少している(例えば、DXAにより計測した場合には、健康な対照の下限値を著しく下回る)場合、その対象者は、リポジストロフィーを患っていることを指す。
DXAは、体脂肪率を推定し、体組成および骨塩量を決定するための例示的な方法である。2つの異なるエネルギーのX線が身体をスキャンするため使用され、そのうち1つは、もう一方よりもより強く脂肪に吸収される。コンピュータは、ある画像をもう一方の画像から差し引くことができ、差分は、各点における他の組織に対する脂肪量を指す。全画像にわたる合計は、全身組成の計算を可能にする。例えば、DXAスキャンは、通常、HIV治療を開始する前に行われ、変化を観察するため、毎年繰り返される。
MRIスキャンは、身体の一部の断面における組織、筋肉、および骨のコンピュータ画像を提供する。MRIスキャンは、脂肪の分布状態(脂肪が皮下(皮膚の下)または内臓(対象者の中心器官の周囲)にあるか否か)を示すことができ、どんな変化も計測する点で非常に正確である。生体インピーダンス法(BIA)において、2つ以上の導体をヒトの身体に取り付け、身体を通し、微弱な電流を送る。電気抵抗が、脂質、筋肉、骨組織間で変化するため、導体間の抵抗により、一組の電極間の体脂肪が計測されるであろう。筋肉が大量の水(約73%)と電解質とを含有するため、除脂肪量(筋肉)は、優れた導体であるが、脂肪は、無水物であり、電流の導体としては劣る。この方法の正確度および精度に影響する要因としては、器具類、対象者における要因、技術者の技能、および除脂肪量を推定するために公式化された予測方程式を含む。この方法は、主に、HIV関連の消耗症に使用されているが、リポジストロフィーの観察においても有用であり得る。
本明細書に記載される既知のリスク要因(例えば、遺伝子マーカーまたはHIV感染)の有無に基づき、対象者がリポジストロフィーを発症するリスクを抱えているか否かを決定することも、当業者の技術域内にある。HIV感染の有無の決定は、様々な免疫学的検定(例えば、酵素結合免疫吸着法(enzyme−linked immunosorbent assay、ELISA))またはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)などの核酸系アッセイにより、日常的に行われる。
いくつかの実施形態によれば、本開示は、治療有効量の3β−アラキジルアミド−7α,12α−ジヒドロキシ−5β−コラン−24−酸を含む組成物を必要とする対象者に投与することを含む、リポジストロフィーおよび/または少なくとも1つのその関連症状を治療するための方法を提供する。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。
別の態様によれば、本開示は、治療有効量の式I:
W−X−G(I)
(式中、Gは、胆汁酸またはその胆汁酸塩基を表し、Wは、6〜22個の炭素原子を有する1つまたは2つの脂肪酸基を表し、Xは、ヘテロ原子、直接的なC−C結合およびC=C結合からなる群より選択される結合部を表す)の脂肪酸胆汁酸複合体(FABAC)を対象者に投与することを含む、HIV関連リポジストロフィーおよび/またはその関連症状のリスクを低減する方法を提供する。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。
いくつかの実施形態によれば、HIVリ関連ポジストロフィーのリスクを低減するために、本発明のFABACを用いて治療される対象者は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染した対象者またはAIDSを患う対象者である。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。いくつかの実施形態によれば、HIV関連リポジストロフィーのリスクを低減するために、本発明のFABACを用いて治療される対象者は、少なくとも1つの抗レトロウイルス薬を用いて治療される対象者である。いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの抗レトロウイルス薬は、上記FABACの投与と、ほぼ同時に、並行して、交互に、順次、連続して、または重複するスケジュールに従い、対象者に投与される。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。
いくつかの実施形態によれば、本発明のFABACは、医薬組成物の形態である。いくつかの実施形態によれば、本発明の組成物は、1種のFABACを含む。いくつかの実施形態によれば、本発明の組成物は、アラムコールを含む。他の実施形態によれば、本発明の組成物は、複数のFABACを含む。
いくつかの実施形態によれば、本発明のFABACは、本発明のFABACのうち少なくとも1つを治療有効量含む組成物(本発明の組成物という)の形態である。本明細書において使用される場合、用語「有効量」は、リポジストロフィーおよび/またはそれに関連する症状を抑制および/または低減および/または減衰および/または治療することが可能な化合物の量を意味する。いくつかの実施形態によれば、リポジストロフィーは、HIV関連リポジストロフィーである。本発明に従い投与される化合物の具体的な投薬量は、もちろん、例えば、投与される化合物、投与経路、対象者の身体の状態、および治療するリポジストロフィーまたはその関連症状の重症度を含む患者が抱える個別の状況により決定されるであろう。いくつかの実施形態によれば、組成物は、十分な反応が得られるまで、長期にわたって、複数回投与される。適切な投薬量および投与の処方計画の非限定例は、本明細書の実施例部分に記載する。例えば、ヒト対象者(例えば、HIV感染した対象者)への経口投与のための有効量は、一日100〜800mg、通常は300〜600mgであってもよく、例えば、一週間、1ヶ月間、または1年間、毎日600mgの投薬量とするが、これらに限定されない。
医薬組成物
本発明の組成物を対象者に投与するため、任意の適切な経路を本発明の方法に従い使用してもよい。
いくつかの実施形態によれば、適切な投与経路は、全身的経路であり得る。いくつかの実施形態によれば、投与は、全身的投与である。いくつかの実施形態によれば、組成物は、全身的投与用に製剤化される。
別の実施形態によれば、全身的投与は、腸内経路を通る。別の実施形態によれば、腸内経路を通る投与は、経口投与である。いくつかの実施形態によれば、組成物は、経口投与用に製剤化される。
いくつかの実施形態によれば、経口投与は、硬質または軟質ゼラチンカプセル、丸剤、カプセル、コーティング錠を含む錠剤、糖衣錠、エリキシル剤、懸濁剤、液剤、ゲル、スラリー、またはシロップの剤形およびその制御放出剤形である。
経口投与のための適切な担体は、当技術分野において周知である。経口使用のための組成物は、固形賦形剤を用いて、場合によっては、必要に応じて適切な助剤を添加した後、得られた混合物を粉砕し、細粒の混合物を処理し、生成され、錠剤またはドラジェコア(dragee core)を得ることができる。適切な賦形剤の非限定的な例としては、ラクトース、スクロース、マンニトール、またはソルビトールを含む糖などの充填剤、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントガム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびカルボメチルセルロースナトリウムなどのセルロース調剤、および/またはポリビニルピロリドン(PVP)などの生理学的に許容可能なポリマーを含む。
必要に応じて、架橋結合ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸などの崩壊剤もしくはアルギン酸ナトリウムなどの崩壊剤の塩を添加してもよい。例えば、調剤者が用いるゼラチンのカプセルおよび薬包は、化合物とラクトースまたはデンプンなどの適切な粉末ベースの粉末混合物を含有して製剤化されてもよい。
経口投与のための固形剤は、カプセル、錠剤、丸剤、粉末および細粒を含むが、これらに限定されない。このような固形剤において、有効化合物は、スクロース、ラクトース、またはデンプンなどの少なくとも1つの薬学的に許容される不活性な担体と混合される。このような投薬製剤は、通常の実施であれば、潤沢剤などの不活性な希釈剤以外の添加物質をも含み得る。カプセル、錠剤、および丸剤の場合、投薬製剤は、バッファ剤をも含み得る。加えて、錠剤および丸剤は、腸溶性コーティングされ、調製されてもよい。用語「腸溶性コーティング」は、本明細書において使用される場合、消化器系内での組成物の吸収を制御するコーティングを指す。腸溶性コーティングのために使用される物質の非限定的な例としては、脂肪酸、ワックス、植物繊維、またはプラスティックがある。
経口投与のための液体製剤は、湿潤剤、乳化懸濁剤、甘味料、香料、芳香剤などの補助剤をさらに含んでもよい。
いくつかの実施形態によれば、本開示は、治療有効量の式I:
W−X−G(I)
(式中、Gは、胆汁酸またはその胆汁酸塩基を表し、Wは、6〜22個の炭素原子を有する1つまたは2つの脂肪酸基を表し、Xは、ヘテロ原子、直接的なC−C結合、およびC=C結合からなる群より選択される結合部を表す)の脂肪酸胆汁酸複合体(FABAC)を含む、リポジストロフィーの治療に使用するための医薬組成物を提供する。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。
いくつかの実施形態によれば、本開示は、治療有効量の3β−アラキジルアミド−7α,12α−ジヒドロキシ−5β−コラン−24−酸を含む、リポジストロフィーの治療に使用するための医薬組成物を提供する。
医薬組成物は、任意に別の有効成分をさらに含んでもよい。特定の実施形態によれば、医薬組成物は、1つ以上の抗レトロウイルス薬、例えば、PI、NRTI、NNRTI、融合阻害剤、または侵入阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害薬、およびその組み合わせをさらに含んでもよい。ある実施形態において、抗レトロウイルス薬の組み合わせは、HAART療法であり、例えば、2つのNRTIおよびPI、NNRTI、またはINSTIの組み合わせである。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。
例えば、少なくとも1つの抗レトロウイルス薬は、エムトリシタビン(FTC)、ラミブジン(3TC)、ザルシタビン(ジデオキシシチジン)、ジドブジン(AZT)、ジダノシン、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、スタブジン、アバカビル硫酸塩、リルピビリン、エトラビリン、デラビルジン、エファビレンツ、ネビラピン、アンプレナビル、チプラナビル、インジナビル、サキナビル、メシル酸サキナビル、ロピナビル、リトナビル、ホスアンプレナビルカルシウム、ダルナビル、アタザナビル硫酸塩、メシル酸ネルフィナビル、エンフビルチド、ラルテグラビル、ドルテグラビル、およびその組み合わせからなる群より選択されてもよいが、これらに限定されない。それぞれの実現性は、本発明の個別の実施形態に示す。
他の実施形態によれば、医薬組成物は、唯一の有効成分として、本発明のFABAC(または、他の実施形態において、本発明のFABACの組み合わせ)を含む。
用語「含む(comprises、includes)」、「含むこと(comprising、including)」、「有すること(having)」、およびそれらの組み合わせは、本明細書において使用される場合、「含むが、それに限定されない」を意味する。用語「含む(comprises)」および「含むこと(comprising)」は、いくつかの実施形態において、「「含有する(consists)」および「含有すること(consisting)」にそれぞれ限定される。用語「〜からなる(consisting of)」は、「含み、それらに限定すること」を意味する。用語「実質的に〜からなる(consisting essentially of)」は、組成物、方法、または構造が別の成分、工程、および/または部分を含んでもよいことを意味するが、別の成分、工程、および/または部分が、特許請求の範囲に記載の組成物、方法、または構造の基本的で新規な特徴を著しく変えることはない。本願の明細書および特許請求の範囲において、単語「含む(comprise、include)」および「有する(have)」、ならびにその変形は、それぞれ、単語に付随し得るリストに記載の要素に必ずしも限定されない。
本明細書において使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上、明白に他の意味に解釈すべき場合を除き、複数のものを含む。例えば、用語「化合物」または「少なくとも1つの化合物」は、複数の化合物を含んでもよく、その混合物を含む。
本明細書において使用される場合、用語「約」は、記載される値のプラス/マイナス10%を指す。本明細書において使用される場合、用語「複数の」は、少なくとも2つを指す。
明確にするため個別の実施形態内に記載される本開示のある特徴は、1つの実施形態として組み合わせて提供されてもよいことがわかる。反対に、簡略にするため1つの実施形態内に記載される本開示の様々な特徴が、個別に、任意の適切な組み合わせで、または本開示に記載される他の実施形態において適したものとして、提供されてもよい。様々な実施形態に記載されるある特徴は、実施形態がそれら要素なしでは効力をもたない場合を除いて、それら実施形態の必須の特徴と解釈されるべきではない。
以上述べた、また以下特許請求の範囲で主張する、本発明の様々な実施形態および態様は、以下の実施例において実験的な裏付けを得る。以下の実施例は、本発明をより完全に理解するためにある。本発明の原理を説明するために明示される具体的な技術、状況、物質、割合、および報告データは、例示的なものであり、本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
実施例
HIV関連リポジストロフィー患者におけるアラムコール(3β−アラキジルアミド−7α,12α,ジヒドロキシ−5β−コラン−24−酸)の効果を調査するランダム化プラセボ比較二重盲検試験を以下のように行う。
50人のHIV陽性の対象者をランダム化し、600mgのアラムコールまたは偽薬を経口投与する。毎日、治療を施し、16週間、最大で5年間継続する。治療前および治療から16週間後にDXAにより総体脂肪を評価する。アラムコールの副作用、肝臓疾患の病状、血清生理学的指標、および代謝系指標に関し、定期的に患者を観察する。
療法中の有害事象を点数化する共通毒性基準(CTC)のversion4.0を使用して、毒性をグレード1〜4にランク付けする。有害事象は、患者の基準となる(治療前の)症状からの任意の有害な変化と定義される。いずれかのグレード2の有害事象(貧血症、血清CPKの増加、低血糖症、血清重炭酸塩の減少、肝トランスアミナーゼの増加、ビリルビンの増加、食欲不振、吐き気、下痢)が発生し、1週間繰り返し検査し続けた場合、アラムコール投薬量を600から300まで減らし、患者を厳重に観察する。有害事象が回復し、それがアラムコールにより生じたものであると言えない場合、薬を1日に600mgの投薬量で再開する。
βが0.05で90%(または、それ以上)の検出力となるように22人の患者のそれぞれの腕のサンプルサイズを選出する。両側T検定を使用し、2つの群間の差異を比較する。

Claims (38)

  1. 治療有効量の式I:
    W−X−G(I)
    (式中、Gは、胆汁酸またはその胆汁酸塩基を表し、Wは、6〜22個の炭素原子を有する1つまたは2つの脂肪酸基を表し、Xは、ヘテロ原子、直接的なC−C結合、およびC=C結合からなる群より選択される結合部を表す)の脂肪酸胆汁酸複合体(FABAC)を必要とする対象者に投与することを含む、前記対象者のリポジストロフィーを治療する方法。
  2. 前記式Iの複合体は、薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、または担体のうち少なくとも1つを含む医薬組成物の形態である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記結合部は、NH、P、S、O、および直接的なC−CまたはC=C結合からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記結合部は、NHである、請求項1に記載の方法。
  5. 前記1つまたは2つの脂肪酸基は、アラキジル酸、ステアリン酸、ベヘン酸、パルミチン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、およびオレイン酸からなる群より選択される脂肪酸の基である、請求項1に記載の方法。
  6. 前記1つまたは2つの脂肪酸基は、アラキジル酸基である、請求項5に記載の方法。
  7. Wは、それぞれ独立して6〜22個の炭素原子を含む2つの脂肪酸基を表し、
    前記脂肪酸基は、それぞれ独立して、ヘテロ原子、直接的なC−C結合、およびC=C結合からなる群より選択される結合部Xに結合される、請求項1に記載の方法。
  8. Wは、1つの脂肪酸基を表す、請求項1に記載の方法。
  9. 前記胆汁酸は、コール酸、ウルソデオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、デオキシコール酸、リトコール酸、およびその誘導体からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
  10. 前記胆汁酸は、コール酸である、請求項9に記載の方法。
  11. 前記FABACは、3β−アラキジルアミド−7α,12α−ジヒドロキシ−5β−コラン−24−酸である、請求項1に記載の方法。
  12. 前記リポジストロフィーは、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染および抗レトロウイルス療法のうち少なくとも1つにより誘発される、請求項1に記載の方法。
  13. 治療有効量の式I:
    W−X−G(I)
    (式中、Gは、胆汁酸またはその胆汁酸塩を表し、Wは、6〜22個の炭素原子を有する1つまたは2つの脂肪酸基を表し、Xは、ヘテロ原子、直接的なC−C結合、およびC=C結合からなる群より選択される結合部を表す)の脂肪酸胆汁酸複合体(FABAC)を必要とする対象者に投与することを含む、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)関連リポジストロフィーのリスクを低減する方法。
  14. 前記式Iの複合体は、薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、または担体のうち少なくとも1つを含む医薬組成物の形態である、請求項13に記載の方法。
  15. 前記対象者は、HIVに感染している、請求項13に記載の方法。
  16. 前記対象者は、少なくとも1つの抗レトロウイルス薬を用いて治療される、請求項13に記載の方法。
  17. 前記少なくとも1つの抗レトロウイルス薬は、前記複合体の投与と、ほぼ同時に、並行して、交互に、順次、連続して、または重複するスケジュールに従い、投与される、請求項16に記載の方法。
  18. 前記FABACは、3β−アラキジルアミド−7α,12α−ジヒドロキシ−5β−コラン−24−酸またはその薬学的に許容される塩である、請求項16に記載の方法。
  19. 治療有効量の式I:
    W−X−G(I)
    (式中、Gは、胆汁酸またはその胆汁酸塩基を表し、Wは、6〜22個の炭素原子を有する1つまたは2つの脂肪酸基を表し、Xは、ヘテロ原子、直接的なC−C結合、およびC=C結合からなる群より選択される結合部を表す)の脂肪酸胆汁酸複合体(FABAC)を含む、リポジストロフィーの治療またはヒト免疫不全ウイルス(HIV)関連リポジストロフィーのリスクの低減に使用するための医薬組成物。
  20. 前記組成物は、有効成分として前記複合体を含み、薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、または担体のうち少なくとも1つをさらに含む、請求項19に記載の医薬組成物。
  21. 前記結合部は、NH、P、S、O、および直接的なC−CまたはC=C結合からなる群より選択される、請求項19に記載の使用のための医薬組成物。
  22. 前記結合部は、NHである、請求項19に記載の使用のための医薬組成物。
  23. 前記1つまたは2つの脂肪酸基は、それぞれ、アラキジル酸、ステアリン酸、ベヘン酸、パルミチン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、およびオレイン酸からなる群より選択される脂肪酸の基である、請求項19に記載の使用のための医薬組成物。
  24. 前記1つまたは2つの脂肪酸基は、アラキジル酸基である、請求項19に記載の使用のための医薬組成物。
  25. Wは、それぞれ独立して6〜22個の炭素原子を含む2つの脂肪酸基を表し、
    前記脂肪酸基は、それぞれ独立して、ヘテロ原子、直接的なC−C結合、およびC=C結合からなる群より選択される結合部Xと結合される、請求項19に記載の使用のための医薬組成物。
  26. Wは、1つの脂肪酸基を表す、請求項19に記載の使用のための医薬組成物。
  27. 前記胆汁酸は、コール酸、ウルソデオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、デオキシコール酸、リトコール酸、およびその誘導体からなる群より選択される、請求項19に記載の使用のための医薬組成物。
  28. 前記胆汁酸は、コール酸である、請求項19に記載の使用のための医薬組成物。
  29. 前記FABACは、3β−アラキジルアミド−7α,12α−ジヒドロキシ−5β−コラン−24−酸またはその塩である、請求項19に記載の使用のための医薬組成物。
  30. 少なくとも1つの抗レトロウイルス薬と、同時の、並行した、交互の、順次、連続した、または重複するスケジュールに従った投与に適する、請求項19乃至29のいずれか1項に記載の使用のための医薬組成物。
  31. a)式I:
    W−X−G(I)
    (式中、Gは、胆汁酸またはその胆汁酸塩基を表し、Wは、6〜22個の炭素原子を有する1つまたは2つの脂肪酸基を表し、Xは、ヘテロ原子、直接的なC−C結合、およびC=C結合からなる群より選択される結合部を表す)のFABACと、
    b)少なくとも1つの抗レトロウイルス薬と、任意に
    c)薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、または担体のうち少なくとも1つと、
    を含む医薬組成物。
  32. 前記少なくとも1つの抗レトロウイルス薬は、エムトリシタビン(FTC)、ラミブジン(3TC)、ザルシタビン(ジデオキシシチジン)、ジドブジン(AZT)、ジダノシン、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、スタブジン、アバカビル硫酸塩、リルピビリン、エトラビリン、デラビルジン、エファビレンツ、ネビラピン、アンプレナビル、チプラナビル、インジナビル、サキナビル、メシル酸サキナビル、ロピナビル、リトナビル、ホスアンプレナビルカルシウム、ダルナビル、アタザナビル硫酸塩、メシル酸ネルフィナビル、エンフビルチド、ラルテグラビル、ドルテグラビル、およびその組み合わせからなる群より選択される、請求項31に記載の医薬組成物。
  33. 前記FABACは、3β−アラキジルアミド−7α,12α−ジヒドロキシ−5β−コラン−24−酸またはその塩である、請求項31に記載の医薬組成物。
  34. リポジストロフィーの治療またはヒト免疫不全ウイルス(HIV)関連リポジストロフィーのリスクの低減に使用される、請求項31に記載の医薬組成物。
  35. a)治療有効量の式I:
    W−X−G(I)
    (式中、Gは、胆汁酸またはその胆汁酸塩基を表し、Wは、6〜22個の炭素原子を有する1つまたは2つの脂肪酸基を表し、Xは、ヘテロ原子、直接的なC−C結合、およびC=C結合からなる群より選択される結合部を表す)のFABACと、
    b)少なくとも1つの抗レトロウイルス薬と、同時に、並行して、交互に、順次、連続して、または重複するスケジュールに従い、FABACを投与するための使用説明書と、
    を含むキット。
  36. 少なくとも1つの抗レトロウイルス薬をさらに含む、請求項35に記載のキット。
  37. 前記少なくとも1つの抗レトロウイルス薬は、エムトリシタビン(FTC)、ラミブジン(3TC)、ザルシタビン(ジデオキシシチジン)、ジドブジン(AZT)、ジダノシン、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、スタブジン、アバカビル硫酸塩、リルピビリン、エトラビリン、デラビルジン、エファビレンツ、ネビラピン、アンプレナビル、チプラナビル、インジナビル、サキナビル、メシル酸サキナビル、ロピナビル、リトナビル、ホスアンプレナビルカルシウム、ダルナビル、アタザナビル硫酸塩、メシル酸ネルフィナビル、エンフビルチド、ラルテグラビル、ドルテグラビル、およびその組み合わせからなる群より選択される、請求項36に記載のキット。
  38. 前記FABACは、3β−アラキジルアミド−7α,12α−ジヒドロキシ−5β−コラン−24−酸またはその塩である、請求項35に記載のキット。
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