明 細 書
マイクロチャンネルプレート及びその製造方法
技術分野
[0001] 本発明は、光電子増倍管等に用いられるマイクロチャンネルプレート及びその製造 方法に関する。
背景技術
[0002] マイクロチャンネルプレートは板状の構造を有し、且つ複数のチャンネルが規則正 しく配列された構造を有している。近年、使用分野の拡大により、マイクロチャンネル プレートには、開口比の拡大化、チャンネルの微細化が要求されている。開口比の 拡大化、微細化に伴い、製造する際の六角形マルチファイバ同士の整列ズレ(図 6 参照)等により、隣接するマルチファイバ同士の角部で、チャンネル同士が輪状につ ながる不具合 (これはミツシンダウオール現象と呼ばれる。)や、チャンネル壁が破損 する不具合 (これはローゼッタ現象と呼ばれる。 )が発生しやすくなつている。
[0003] 上記の問題を解決するための従来技術として、米国特許第 4431694号明細書に は、多数本のスタンダードファイバを整列してマルチファイバを作成する際に、スタン ダードファイバよりクラッドガラス管壁が厚 、スペシャルファイバを少数本用意し、これ を六角形マルチファイバの角部に配置する方法が開示されて 、る。
発明の開示
[0004] しかし、この方法では、チャンネルを微細化させようとすると、加熱および加圧によつ てファイバ同士を融着させる工程中に、ミツシンダウオール現象やローゼッタ現象の 発生確率が高くなる。このため、歩留まり良くマイクロチャンネルプレートを製造するこ とが困難である。また、特許文献 1に記載の構造では、高精度かつ高密度のマイクロ チャンネルプレートが実現できな 、。
[0005] 本発明の目的は、このような課題を解決したマイクロチャンネルプレートの製造方法 と、微細なチャンネルを高精度かつ高密度に配列することを可能にしたマイクロチヤ ンネルプレートを提供することにある。
[0006] 本発明に係るマイクロチャンネルプレートの製造方法は、複数本のファイバを束ね
て細径ィ匕することにより、多角形断面のマルチファイバを作製する第 1工程と、複数の マルチファイバを用いて、マイクロチャンネルプレート母材を作製する第 2工程と、こ のマイクロチャンネルプレート母材をスライスすることにより平板化し、マイクロチャンネ ルプレートを作製する第 3工程とを備え、第 1工程で束ねられる複数本のファイバは、 芯を含む中心部分を囲む所定厚さの外周部分が、所定成分のガラス材料で形成さ れた第 1ファイバと、芯を含む中心部分と、これを囲む所定厚さの外周部分との双方 力 所定成分のガラス材料で形成された第 2ファイバとを含み、第 2ファイバは、マル チファイバの多角形断面の少なくとも一つの角部に配置されることを特徴とする。
[0007] この発明によれば、多角形断面のマルチファイバは、外周部分が所定成分のガラス 材料で形成された第 1ファイバと、中心部分と外周部分の双方が所定成分のガラス 材料で形成された第 2ファイバとを束ねて構成され、この第 2ファイバは多角形断面 の少なくとも一つの角部に配置されて 、るので、この角部にはチャンネル自体が形成 されない。このため、第 2ファイバは角部における所定成分のガラス材料を増量させる ダミーとして働き、角部の第 1ファイバによるチャンネル壁を厚くする作用をもたらし、ミ ッシンダウオール現象やローゼッタ現象などの不具合が発生する確率を減少させるこ とができる。そして、多角形断面の角部に第 2ファイバを配置したことによる当該角部 でのチャンネル数の減少は、僅かな輝度の低下をもたらすものの、ミツシングウォー ル現象やローゼッタ現象による輝点や画像欠陥等の問題を解決できることを考慮す ると、実用上は無視できる。
[0008] 本発明に係るマイクロチャンネルプレートの製造方法にぉ 、て、所定成分のガラス 材料は、所定成分の溶剤に対して不可溶性を有し、第 1ファイバの中心部分は、所 定成分の溶剤に対して可溶性を有するガラス材料により形成されており、第 3工程は スライスされた平板を所定成分の溶剤に晒す工程を含むこととしても良い。
[0009] このようにすれば、チャンネルとなるべき第 1ファイバの中心部分の太さは、スライス された平板の全体において同等となるので、この中心部分を形成する可溶性のガラ ス材料は、所定成分の溶剤に晒すことによって均一かつ歩留まり良く取り除かれる。 このため、マルチファイバの角部に可溶性のガラス材料が細く残ってしまう特許文献 1の方法に比べて、はるかに微細化したマイクロチャンネルプレートを作製することが
可能となる。
[0010] また、本発明に係るマイクロチャンネルプレートの製造方法において、第 1工程は六 角形断面のマルチファイバを作製する工程であることが好適である。このようにすれ ば、マイクロチャンネルプレートのチャンネルは最密整列することができ、チャンネル の占める面積が大きく、マイクロチャンネルプレートの感度を高めることができる。
[0011] さらに、本発明に係るマイクロチャンネルプレートの製造方法における第 1工程にお いて、第 2ファイバはマルチファイバの六角形断面の隣り合う 2つの角部、または隣抜 きの 2つの角部、または対称に位置する 2つの角部、または対称に位置する角部抜き の 4つの角部、または隣り合う角部抜きの 4つの角部、または全ての角部に配置され ることが好ましい。このようにすれば、複数のマルチファイバが整列された後に、隣り 合うマルチファイバ同士の角部領域における第 2ファイバの本数が均一化するので、 全ての角部領域において均しく不具合が発生する確率を減少させる。
[0012] 本発明に係るマイクロチャンネルプレートは、複数のチャンネルが形成されたガラス 製の有効部と、この有効部を取り囲むガラス製の縁部とを備えるマイクロチャンネルプ レートであって、当該マイクロチャンネルプレートは、平板形状に成形されており、有 効部は複数のチャンネルが多角形状に束ねて形成されるマルチファイバ部を、その 角部同士が隣り合うように隙間なく配置することにより構成されており、角部同士が隣 り合う角部領域での単位面積当りのチャンネルの数は、角部領域の周辺領域での単 位面積当りのチャンネルの数よりも少ないことを特徴とする。即ち、有効部は、複数の チャンネルが複数の角部を有するように多角形状に束ねて形成される複数のマルチ ファイバ部を有しており、当該複数のマルチファイバ部のそれぞれ力 その角部と前 記複数のマルチファイバ部のうち隣接する他のマルチファイバ部の角部とが隣り合う 角部領域を形成するように配列されることにより構成されている。角部領域での単位 面積当りの前記チャンネルの数は、前記角部領域の周辺領域での単位面積当りの 前記チャンネルの数よりも少な 、。
[0013] 本発明によれば、角部領域での単位面積当りのチャンネルの数を、角部領域の周 辺領域での単位面積当りのチャンネルの数よりも少なくして 、るので、チャネル壁は 相対的に厚くなつている。このため、角部領域においてチャンネル同士が繋がったり
する不具合が少なくなり、輝点や画像欠陥等の不具合を引き起こすことが少ない。ま た、チャネル壁が相対的に厚くなつていることによる当該角部領域での輝度の低下は 、マイクロチャンネルプレート使用時における全体の画質には大きな影響を及ぼさな い。
[0014] 本発明に係るマイクロチャンネルプレートにおいて、角部領域でのチャンネルの内 径は、角部領域の周辺領域でのチャンネルの内径と同等であることが望ましい。この ようなマイクロチャンネルプレートであれば、角部領域のチャンネルと、その周辺領域 のチャンネルとで、チャンネル内径が同等なので、真空管の部品等として使用する際 にチャンネル内に溜まっている残留ガス濃度が、角部領域とその周辺領域で同程度 になる。このため、放電やイオンフィードバック等による輝点等の発生が角部領域に 集中して現れる問題が生じない。また、真空管の部品等として使用される前のガス抜 きも、各チャンネルについて同等になされる。このため、残留ガスの発生が角部領域 のチャンネルで特に多くなる、という不具合はないので、放電やイオンフィードバック 等による角部領域での輝点等の発生が少ない。
図面の簡単な説明
[0015] [図 1]実施形態に係る MCPの構造の一部を示す斜視図である。
[図 2]図 1の MCPを正面力も観察した図である。
[図 3]実施形態に係る MCPの製造方法を説明する工程図である。
[図 4]MF形成におけるファイバの配置状態を示す平面図である。
[図 5]ダミーファイバの配置及び MFの整列パターンの他の例を示す平面図である。
[図 6]正六角形の MF同士の整列ズレ状態を示す平面図である。
発明を実施するための最良の形態
[0016] 以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
なお、説明において、同一又は同等の構成要素には、同一符号を用いることとし、重 複する説明は省略する。また、実施形態の説明においては、マイクロチャンネルプレ ートは「MCP」と、マルチファイバは「MF」と、それぞれ略語で表す。
[0017] まず、本実施形態に係る MCPの構造を図 1〜図 2を用いて説明する。ここでは、円 形断面の MCP 1を用 、た場合を例とする。
[0018] 図 1は本実施形態に係る MCPの構造を示す斜視図であり、当該 MCPの一部を破 断して模式的に描いている。 MCP1は円板状に成形されており、電子増倍機能を有 するガラス製の有効部 2と、この有効部 2を取り囲むガラス製の縁部 4とから構成され ている。有効部 2には複数のチャンネル 6が 2次元的に規則正しく配列されている。こ れらチャンネル 6は、同径の孔であって、板厚方向に貫通している。
[0019] 図 2は図 1の MCP1を正面から観察した構成を示す。同図(a)には複数のチャンネ ル 6を六角形に束ねた MF10を、蜂の巣状に密接に整列することにより構成した MC P1の正面図、同図(b)には同図(a)における領域 Aの拡大図が示されている。同図( b)に示すように、 3つの MF10の角部同士が隣り合う角部領域では、 3つの MF10の うち一つの MF10の角部にチャンネルが存在しないため、角部領域の単位面積当り のチャンネル 6の数は、角部領域の周辺領域での単位面積当りのチャンネル 6の数 より少なくなつている。このため、チャンネル 6が角部領域で環状に繋がったり、チャン ネル壁が破損してしまう不具合が生じ難くなつている。この場合、角部領域の単位面 積当りのチャンネル 6が周辺に比べて少なくなるところから、使用時に角部領域での 輝度が低下することがあり得る。しかし、 MCP1の全体力も見ると、ミツシンダウオール 現象やローゼッタ現象による輝点や画像欠陥等の問題に比べると、輝度が低下する 問題はほとんど無視できる程度である。
[0020] また、同図(b)に示すように、角部領域に位置するチャンネル 6の内径は、その角部 領域の周辺領域に位置するチャンネル 6の内径と同等である。このため、真空管の部 品等として使用する際にチャンネル壁カゝらチャンネル内に残留ガスが放出されても、 チャンネル内に溜まっている残留ガス濃度が、角部領域とその周辺領域で同程度に なるので、放電やイオンフィードバック等による輝点等の発生が角部領域に集中して 現れる問題が生じない。また、真空管の部品等として使用される前の MCPの製造ェ 程の最終段階におけるガス抜きも、角部領域とその周辺領域の各チャンネルの内径 は同等なので、同様の程度になされる。このため、残留ガスの発生が角部領域のチ ヤンネルで特に多くなる、という米国特許第 4431694号明細書に開示の MCPに生 じる不具合はな 、ので、放電やイオンフィードバック等による角部領域での輝点等の 発生が少ない。
[0021] 次に、図 3に基づいて、本実施形態に係る MCP1の製造方法について説明する。 ここでは、円形断面の MCP1、正六角形断面を有する MF10、酸の溶剤(例えば、 H NO或いは HC1)を用いた場合を例とする。
3
[0022] まず、 MF10の製造方法を説明する。図 3における(a)には、芯抜処理によりチャン ネル 6ができるチャンネルファイバ(第 1のファイノく) 12の形成方法が示されている。 同図における(a)によると、チャンネルファイバ 12は、酸に対する可溶性を有する第 1 のガラス材料より形成されたコア部(中心部分) 14を、同一の酸に対する不可溶性を 有する第 2のガラス材料により形成されたクラッド部 (外周部分) 16の中に挿入し、こ れらを加熱しながら管引し得られたものである。ダミーファイバ(第 2のファイノく) 18 (図 示せず)は、不溶性を有する第 2のガラス材料のみを利用し、チャンネルファイバ 12と 同様に加熱しながら管引し得られた円柱状のものである。即ち、ダミーファイバ 18は 、芯を含む中心部分もこれを囲む所定厚さの外周部分も、いずれも酸に対して溶け な!ヽガラス材料 (所定成分のガラス材料)製であるが、中心部分と外周部分が共に同 一の溶剤によって溶けないものであれば、これらが異なる構成元素からなる別種のガ ラス材料製であっても良い。なお、管引する際に、チャンネルファイバ 12及びダミー ファイバ 18の断面が円形になるように行う。
[0023] 次に、図 3における (b)に示すように正六角形の中空断面を有する型枠 20の中に、 チャンネルファイバ 12とダミーファイバ 18を所定のパターンで平行密接に積み重ね、 整列する。整列する際に、図 4に示すように型枠 20における内壁のうち、対称に位置 する 2つの角部にはダミーファイバ 18をそれぞれ 1本ずつ配置し、その他のところに は全てチャンネルファイバ 12を配置する。その後、型枠 20の中に整列されたチャン ネルファイバ 12及びダミーファイバ 18を加熱融着し、冷却した後に型枠 20を取外し 、正六角形の断面を有する MF母材 22が得られる。次に、図 3における(c)に示すよ うに MF母材 22を加熱しながら、再度管引して MF10を作る。その際に、 MF10の断 面が正六角形になるように管引する。なお、さらに、この工程で得られた MFを型枠の 中に積み重ね、整列させ、これを管引したものを MF10としても良い。また、所望のチ ヤンネル径が得られるまでこの工程を繰り返しても良い。
[0024] 次に、複数の MF10を用いた MCP1の作製方法について説明する。
[0025] まず、図 3における(d)に示すように、ガラス管 24の内部に、複数の得られた MF10 を整列する。このとき、全ての MF10に対して、図 5における(a)に示すようにダミーフ アイバ 18を有する 2つの角部を結ぶ対称線力 互いに平行となるように MF10を密接 に整列する。このようにすれば、全ての角部領域には 1本のダミーファイバ 18が配置 され、その周辺領域には全てチャンネルファイバ 12が配置される状態となり、 MCP1 の不感部分の面積の増加を最小限に抑制することができる。
[0026] 次に、ガラス管 24の内部に整列された複数の MF10を加圧しながら、加熱融着す ることによって、 MCP母材 26が得られる(図 3における(e)を参照)。その後、図 3に おける(f)と (g)に示すように MCP母材 26を所定の厚さ及び所定の角度でスライスし 表面研磨を行うことによって、 MCP板材 28が得られる。
[0027] 次に、図 3における (h)に示すように、 MCP板材 28を酸溶液中に浸漬し、芯抜処 理を行う。このとき、チャンネルファイバ 12のコア部 14は、酸に対する可溶性を有す る第 1のガラス材料により形成されているので、溶出される。一方、クラッド部 16及び ダミーファイバ 18は、酸に対する不溶性を有する第 2のガラス材料により形成されて いるので、溶出しない。このため、コア部 14の溶出によりチャンネル 6が形成される。 ここで、コア部 14の径は角部領域とその周辺領域で同等であるため、第 1のガラス材 料は同等に溶出され、いわゆる「溶出むら」が生じない点で、米国特許第 4431694 号明細書に開示の技術に比べて優れている。
[0028] 次に、芯抜処理をした MCP板材 28を水素雰囲気の電気炉中に入れて加熱し、還 元処理を行う(図 3における(i)を参照)。これにより、 MCP板材 28のチャンネル 6の 表面の PbOは Pbに還元され、所望の導電性薄膜が形成される。この際にも、チャン ネルの内径は角部領域とその周辺領域で同等であるため、均質の導電性薄膜が形 成される。最後に MCP板材 28の両面に、電極用金属が蒸着され(図示せず)、 MC P1が得られる。
[0029] 本実施形態によれば、 MF10を整列、融着する際に、 MF10同士の整列ズレが発 生しても、 MF10の正六角形断面の角部のうち、対称に位置する 2つの角部にはそ れぞれ 1本ずつダミーファイバ 18が配置されたため、チャンネル 6同士が輪状のよう に繋がる状態になることはなぐミツシンダウオール現象またはローゼッタ現象の発生
を防止することが可能となる。また、隣り合う 3つの角部によって構成される角部領域 には、ダミーファイバ 18が 1本のみ配置されているため、チャンネル 6の減少は最小 限となり、 MCP1の不感部分の面積の増加に伴う画像等への悪影響を最小限に抑 制することができる。さらに、角部領域におけるチャンネル 6は、角部領域の周辺領域 におけるチャンネル 6と同孔径であるため、ガス抜きの際にチャンネル 6内の残留ガス の発生が起きることはなぐ輝点や放電やイオンフィードバック等特性不良の発生を 防止することができる。
[0030] また、 MFにおけるダミーファイバの配置及び MFの整列パターンについては、図 5 における (b)〜 (f)に示すようなパターンがある。これらのパターンで上記の実施形態 と同様な製造方法で作製される MCP1は、上記の実施形態(図 5 (a) )と同様な効果 が得られる。
[0031] 以下に、図 5における(b)〜(f)に示すパターンにおけるダミーファイバの配置及び MFの整列について説明する。なお、製造方法については、上記の実施形態と同一 のため説明を省略する。
[0032] 図 5における(b)に示すように、正六角形の断面を有する MF110における 6つの角 部のうち、任意の隣り合う 2つの角部にダミーファイバ 118がそれぞれ 1本ずつ配置さ れ、残りの 4つの角部にはダミーファイバ 118は配置されて ヽな 、構成が採用されて もよい。 MF110を整列する際には、図 5における(b)に示すように、全ての MF110 を、ダミーファイバ 118が配置されていない 2つの角部を結ぶ対称線力 互いに平行 となり、且つこの対称線に対し、ダミーファイバ 118を有する側が同じ方向に配置され るように整列する。このようにすれば、全ての角部領域には 1本のダミーファイバ 118 が配置され、その周辺領域には全てチャンネルファイバが配置される状態となる。
[0033] 図 5における(c)〖こ示すように、正六角形の断面を有する MF210における 6つの角 部のうち、隣抜きの 2つの角部にはダミーファイバ 218がそれぞれ 1本ずつ配置され、 その他の角部にはダミーファイバ 218は配置されていない構成が採用されてもよい。 即ち、正六角形の断面を有する MF210における 6つの角部のうち、一つの角部を挟 んで順に並ぶ二つの角部に、ダミーファイバ 218が配置されており、他の四つの角部 にはダミーファイバが配置されて ヽな 、構成が採用されてもょ 、。
[0034] MF210を整列する際には、図 5における(c)に示すように、層 S1に位置する MF2 10を、ダミーファイバ 218を有しない 2つの角部を結ぶ対称線力 互いに平行となり、 且つダミーファイバ 218を有する側が同側に配置されるように整列する。層 S2に位置 する MF210を、層 S1〖こ位置する MF210より 180° 回転させ、整列する。層 S1と層 S2は交互に積み重ねる。即ち、図 5における(c)に示すように、列 S1と列 S2を交互 に設けたハ-カム状をなすように複数の MF210が整列されている。列 S1に含まれる MF210は、ダミーファイバ 218を有する側が同方向に向くように配置されており、列 S2に含まれる MF210は、ダミーファイバ 218を有する側が列 S1とは 180° 反転す るように配置されている。このようにすれば、全ての隣り合う角部領域には 1本のダミ 一ファイバ 218が配置され、その周辺領域には全てチャンネルファイバが配置される 状態となる。
[0035] 図 5における(d)に示すように、正六角形の断面を有する MF310における 6つの角 部のうち、対称な 2つの角部を除く 4つの角部に、ダミーファイバ 318が 1本ずつ配置 された構成が採用されてもよい。 MF310を整列する際には、図 5における(d)に示 すように全ての MF310を、ダミーファイバ 318が配置されて!、な!/、2つの角部を結ぶ 対称線が、互いに平行となるように整列する。このようにすれば、全ての隣り合う角部 領域には 2本のダミーファイバ 318が配置され、その周辺領域には全てチャンネルフ アイバが配置される状態となる。
[0036] 図 5における(e)〖こ示すように、正六角形の断面を有する MF410における 6つの角 部のうち、隣り合う 2つの角部を除く 4つの角部に、ダミーファイバ 418が 1本ずつ配置 された構成が採用されてもよい。 MF410を整列する際には、図 5 (e)に示すように全 ての MF410を、ダミーファイバ 418が配置されている 2つの角部を結ぶ対称線が、 互いに平行となるように整列する。このようにすれば、全ての隣り合う角部領域には 2 本のダミーファイバ 418が配置され、その周辺領域には全てチャンネルファイバが配 置される状態となる。
[0037] 図 5 (f)に示すように、正六角形の断面を有する MF510における 6つの全ての角部 に、ダミーファイバ 518が 1本ずつ配置された構成が採用されてもよい。 MF510を整 列する際には、図 5 (f)に示すようにそれらを密接に積み重ねて整列する。このように
すれば、全ての隣り合う角部領域には 3本のダミーファイバ 518が配置され、その周 辺領域には全てチャンネルファイバが配置される状態となる。
[0038] なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態 では、 MCP1の断面が円形としたが、四角形等でも良い。本実施形態では、酸の溶 剤を用いたが、これに限らず、第 1のガラス材料を溶解し、且つ第 2のガラス材料を溶 解しな 、溶剤であれば、酸以外の溶剤を用いても良 、。
[0039] また、上記の実施形態では、 MF10を整列する際に、正六角形の中空断面を有す る型枠 20を用いたが、対向する二辺を長尺とした六角形や、三角形、四角形の中空 断面を有するものを用いても良い。ただし、細密かつ密接させて MFを配列するという 点では、正六角形が特に望ましい。
[0040] また、ダミーファイバの配置及び MFの整列は必ずしも図 5における(a)〜(f)に示 すようなパターンである必要はないが、角部領域には、 1本または 2本または 3本のダ ミーファイバが配置されることが好まし 、。
産業上の利用可能性
[0041] 本発明によれば、ミツシンダウオール現象及びローゼッタ現象の発生を防止すること が可能なマイクロチャンネルプレート及びその製造方法を提供することができる。