燃料電池装置
発明の分野
[0001] 本発明は、燃料電池ユニットをケーシング内に収容してなる燃料電池装置に関する 発明の背景
[0002] 固体高分子電解質型燃料電池は、電解質としてパーフルォロスルホン酸膜等の固 体電解質膜を有する。この膜の両面に燃料極及び酸化剤極が接合されている。ァノ ードに水素やメタノール、力ソードに酸素が供給され、電気化学反応により発電が行 われる。メタノールを用いた場合にアノードでは次の電気化学反応が進行する。
CH OH + H 0→6H+ + CO + 6e" ' · · [1]
3 2 2
力ソードでは、次の反応が進行する。
3/20 + 6H+ + 6e"→3H O - - - [2]
2 2
これらの反応を起こすために、両電極は触媒物質が担持された炭素微粒子と固体 高分子電解質との混合体より構成されて!、る。
[0003] 燃料としてメタノールを用いた固体高分子電解質型燃料電池において、アノードに 供給されたメタノールは、電極中の細孔を通過して触媒に達し、触媒によりメタノール が分解されて、上記反応式 [1]の反応で電子と水素イオンを生成する。水素イオンは アノード中の電解質及び両電極間の固体電解質膜を通って力ソードに達し、力ソード に供給された酸素及び外部回路より流れ込む電子と反応して、上記反応式 [2]のよ うに水を生じる。メタノールより放出された電子はアノード中の触媒担体を通って外部 回路へ導き出され、外部回路より力ソードに流れ込む。この結果、外部回路ではァノ 一ドカも力ソードへ向力つて電子が流れ電力が取り出される。
[0004] メタノールを燃料とするダイレクトメタノール型燃料電池は、携帯用小型燃料電池と して適用できる可能性が高ぐ近年、携帯用コンピューターや携帯電話等の次世代 二次電池として開発が活発化してきて!/ヽる。
[0005] 燃料電池の燃料として使用される水素やメタノールは、危険性が高ぐ取り扱い上
の問題が多い。このため、燃料電池用燃料を安全に貯蔵する方法として、燃料を分 子ィ匕合物とする方法 (WO2004000857、特願 2003— 421077)や、ポリマーに吸 収させてゲルイ匕させる方法 (特開 2004— 127659号公報)が報告されている。 発明の概要
[0006] 本発明は、形状が簡易で、その統一規格化も容易な燃料電池装置を提供すること を目的とする。
[0007] 本発明の燃料電池装置は、筒形のケーシングと、該ケーシング内に設置された燃 料電池ユニットと、該ケーシングの端面に設けられた出力端子とを備えてなる。 図面の簡単な説明
[0008] [図 l]Fig. laは本発明の実施の形態に係る燃料電池装置の燃料電池ユニットのケ 一シング内部を透視した斜視図である。 Fig. lbは燃料電池ユニットの正面図である
[図 2]本発明の燃料電池装置の他の実施の形態を示す正面図である。
[図 3]燃料電池ユニットの系統図である。
[図 4]燃料電池ユニットの他の系統図である。
発明の好ましレ、形態の詳細な説明
[0009] 本発明の燃料電池装置の該燃料電池ユニットは、前記ケーシングと同軸状に配置 された筒状の燃料極と、該燃料極の外周を取り巻く筒状のプロトン導電性の固体高 分子膜よりなる電解質膜と、該固体高分子膜の外周を取り巻く筒状の空気極と、それ ぞれ前記燃料極の内側に配置された、該燃料極に燃料を供給可能な燃料貯槽及び 該燃料極からの未反応燃料を収容するための燃料回収槽とを備えてもよい。
[0010] 該ケーシングの一方の端面に正極出力端子が突設され、他方の端面に負極出力 端子が設けられていてもよい。
[0011] 該ケーシングの一方の端面にそれぞれ正極出力端子及び負極出力端子が突設さ れていてもよい。
[0012] 該燃料電池は、固体高分子型燃料電池であってもよい。
[0013] 該燃料電池は、ダイレクトメタノール型燃料電池であってもよい。
[0014] 該燃料電池は、携帯用小型燃料電池であってもよ!ヽ。
[0015] 該燃料は、水素、アルコール類、エーテル類、炭化水素類、及びァセタール類より なる群力 選ばれる少なくとも 1つであってもよい。
[0016] 前記燃料貯槽にアルコール類、エーテル類、炭化水素類、及びァセタール類より なる群カゝら選ばれる少なくとも 1つの燃料の水溶液が収容されていてもよい。
[0017] 前記燃料貯槽内に燃料を含む燃料組成物が収容されており、前記ケーシング内に は更に水槽と、該水槽内の水を該燃料貯槽に通水した後該燃料極に供給する手段 とが設けられており、該水槽カゝら供給された水を燃料貯槽内の該燃料組成物に接触 させること〖こより、該燃料組成物中の燃料を水中に放出させ、燃料を含む水を該燃料 極に供給するように構成されて 、てもよ 、。
[0018] 該燃料組成物は、燃料電池用燃料と相手方化合物との分子化合物を含んでもよ!、
[0019] 該燃料の分子化合物は、該燃料とホスト化合物とから形成される包接化合物であつ てもよい。
[0020] 該ホストイ匕合物は、多孔質物質に担持されていてもよい。
[0021] 該ホストイ匕合物は、有機化合物、無機化合物及び有機,無機複合化合物よりなる群 力も選ばれる少なくとも 1つであってもよい。
[0022] 該ホスト化合物は、単分子系、多分子系及び高分子系ホスト化合物よりなる群から 選ばれる少なくとも 1つであってもよ 、。
[0023] 該燃料組成物は、下記高分子化合物の架橋体と燃料とを含んでもよ!ヽ。
高分子化合物は、分子内にカルボキシル基及びスルホン酸基の少なくとも 1つを有 する酸性基含有構成単位の重合体又は共重合体よりなり、その少なくとも 20重量% が該酸性基含有構成単位である。高分子化合物の、該カルボキシル基及び Z又は 該スルホン酸基のプロトンの少なくとも 30モル0 /0がォ-ゥムカチオンで置換されてい る。
[0024] 該ォユウムカチオンは、第 4級アンモ-ゥムカチオンであってもよい。
[0025] 該第 4級アンモ-ゥムカチオンは、脂肪族系アンモ-ゥムカチオン、イミダゾリ-ゥム カチオン及びイミダゾリウムカチオンよりなる群力も選ばれる少なくとも 1つであっても よい。
[0026] 本発明によれば、円柱状又は角柱状等の統一規格化が容易な簡易な構成の燃料 電池装置が提供されることが可能である。
[0027] 上記の燃料組成物は、安全かつ安定である。
[0028] 以下に図面を参照して本発明の燃料電池装置の実施の形態を詳細に説明する。
[0029] 図 la, lbは、本発明の燃料電池装置の実施の形態を示す図であって、図 laはケ 一シング内部を透視した燃料電池ユニットの断面斜視図であり、図 lbは正面図であ る。図 2は、本発明の燃料電池装置の他の実施の形態を示す正面図である。図 3は、 図 1の燃料電池装置に用いられる燃料電池ユニットの構成を示す系統図であり、図 4 は、燃料電池ユニットの他の構成を示す系統図である。
[0030] なお、本発明に係る燃料電池の形態としては、特に限定はされないが、好ましくは 固体高分子電解質型燃料電池であり、その中にはダイレクトメタノール型燃料電池な ども含まれる。
[0031] 燃料電池装置は、円筒形のケーシング 1と、このケーシング 1内に設置された燃料 電池ユニット 7と、ケーシング 1の端面に設けられた出力端子 (正極出力端子 8及び負 極出力端子 9)とを有する。燃料電池ユニット 7は、ケーシング 1と同軸状に配置され た筒状の燃料極 2と、この燃料極 2の外周を取り巻く筒状のプロトン導電性の固体高 分子膜よりなる電解質膜 3と、この電解質膜 3の外周を取り巻く筒状の空気極 4と、燃 料極 2の内側に配置された、燃料貯槽 5及び燃料回収槽 6とを備える。燃料電池ュ- ット 7は、円柱状の燃料回収槽 6の外周に燃料貯槽 5、燃料極 2、電解質膜 3及び空 気極 4がこの順で積層された形状を有する。
[0032] 図 3に示す如ぐこの燃料電池ユニット 7では、燃料貯槽 5の燃料を燃料極 2に供給 すると共に、この燃料極 2に電解質膜 3を介して積層された空気極 4に空気 (酸素)を 供給して前述の電気化学反応により発電を行う。燃料極 2の未反応燃料は、 CO除
2 去手段 11で処理された後、燃料回収槽 6に回収される。
[0033] 燃料貯槽 5に収容する燃料は、好ましくは後述する燃料であるが、燃料を適当な濃 度に水に溶解させた燃料水溶液であってもよ ヽ。
[0034] 本発明の燃料電池装置は、図 1に示すような円筒状のケーシング 1を用いた円柱状 のものに限らず、角筒状のケーシングを用いた角柱状のものであっても良い。また、
図 2に示す如ぐ正極出力端子 8Aと負極出力端子 9Aがケーシング 1Aの一方の端 面に設けられた燃料電池装置 10Aであっても良い。
[0035] 燃料は、後述の燃料組成物とされたものであっても良ぐこの場合には、燃料を安 全かつ安定に燃料電池装置内に収容して利用することができる。
[0036] 図 4は、このような燃料組成物を用いる場合に、ケーシング内に設置される燃料電 池ユニットの構成を示す図である。図 4において、燃料貯槽 5内には、後述の燃料組 成物が収容されている。燃料貯槽 5には、水槽 12内の水が供給される。燃料貯槽 5 内の燃料組成物が、水と接触することにより、燃料組成物に含まれる燃料が水側に 溶出し、燃料を含む燃料水溶液が燃料極 2に供給される。
[0037] 空気極 4には空気 (酸素)が供給されており、前述の電気化学反応により発電が行 われる。燃料極 2の未反応燃料は CO除去手段 11で処理された後、燃料回収槽 6に
2
回収される。
[0038] 燃料電池用燃料のうち、メタノールの原液は毒劇物取締法の劇物に相当し、また危 険物第 4類に相当するなど取り扱いには十分に注意する必要がある上に、高濃度メ タノールでは容器が腐食する可能性がある。従って、メタノールを燃料として使用す る際は、好ましくは、 10〜30重量%程度の水溶液として使用する。図 4に示す如ぐ 燃料組成物を水と接触させて、燃料組成物中の燃料を水中に放出させることにより、 燃料を適当な濃度の水溶液として燃料極に供給することが可能である。
[0039] 後述の燃料組成物は、加熱することによつても燃料を取り出すことができる。従って 、燃料組成物を用いた燃料電池ユニットにおいては、水槽の代りに燃料貯槽中の燃 料組成物の加熱手段を設け、加熱により燃料組成物から放出させた燃料を燃料極に 供給するようにしても良い。
[0040] 以下に、本発明の燃料電池装置で使用される燃料について説明する。
[0041] 燃料は、燃料電池の燃料として用いることができるものであれば良ぐ例えば、水素 、アルコール類、エーテル類、炭化水素類、ァセタール類などが挙げられる力 これ らに限定されるものではない。燃料としては、より具体的には、水素、メタノール、エタ ノール、 n—プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール等のアルコール類、 ジメチルエーテル、メチノレエチノレエーテノレ、ジェチルエーテル等のエーテル類、プロ
パン、ブタン等の炭化水素類、ジメトキシメタン、トリメトキシメタン等のァセタール類な どが挙げられ、これらは 1種を単独で用いても良ぐ 2種以上を混合して用いても良い
[0042] このうち、アルコール類、エーテル類、炭化水素類、ァセタール類などの燃料を図 3 に示すように、水溶液として用いる場合、通常 1〜64重量%程度の燃料水溶液として 用いられる。
[0043] 燃料は、燃料組成物として安定化されてもょ ヽ。燃料組成物は、燃料の分子化合 物であってもよ 、。燃料はポリマーに吸収されてもよ!、。
[0044] 以下に、本発明に係る燃料組成物として好適な下記 [1] , [2]の燃料組成物につ いて説明する。
[0045] [1]燃料と相手方化合物との分子化合物
本発明で 、う分子化合物とは、単独で安定に存在することができる化合物の 2種類 以上の化合物が水素結合やファンデルワールス力などに代表される、共有結合以外 の比較的弱い相互作用によって結合した化合物であり、水化物、溶媒化物、付加化 合物、包接化合物などが含まれる。この分子化合物は、分子化合物を形成する相手 方化合物と燃料との接触反応により形成することができ、例えば、気体又は液体の燃 料を固体状の化合物に変化させ、比較的軽量にかつ安定に燃料を貯蔵することが できる。
[0046] 分子化合物は、ホスト化合物と燃料との接触反応により燃料を包接した包接化合物 であってもよい。
[0047] 燃料を包接した包接化合物を形成するホスト化合物としては、有機化合物、無機化 合物及び有機 ·無機複合化合物よりなるものが知られており、また、有機化合物にお いては、単分子系、多分子系、高分子系ホストなどが知られている。
[0048] 単分子系ホストイ匕合物としては、シクロデキストリン類、クラウンエーテル類、タリプタ ンド類、シクロフアン類、ァザシクロフアン類、カリックスアレン類、シクロトリベラトリレン 類、スフエランド類、環状オリゴペプチド類などが挙げられる。また多分子系ホストイ匕 合物としては、尿素類、チォ尿素類、デォキシコール酸類、ペルヒドロトリフエ-レン 類、トリ一 o—チモチド類、ビアンスリル類、スピロビフルオレン類、シクロフォスファゼ
ン類、モノアルコール類、ジオール類、アセチレンアルコール類、ヒドロキシベンゾフ エノン類、フエノール類、ビスフエノール類、トリスフエノール類、テトラキスフエノール 類、ポリフエノール類、ナフトール類、ビスナフトール類、ジフエ-ルメタノール類、力 ルボン酸アミド類、チォアミド類、ビキサンテン類、カルボン酸類、イミダゾール類、ヒド ロキノン類などが挙げられる。また、高分子系ホストイ匕合物としては、セルロース類、 デンプン類、キチン類、キトサン類、ポリビュルアルコール類、 1, 1, 2, 2—テトラキス フエ-ルェタンをコアとするポリエチレングリコールアーム型ポリマー類、 a , α , α ' , a,ーテトラキスフエ-ルキシレンをコアとするポリエチレングリコールアーム型ポリマ 一類などが挙げられる。
[0049] また、その他に有機リンィ匕合物、有機ケィ素化合物なども挙げられる。
[0050] 無機系ホストイ匕合物としては、酸化チタン、グラフアイト、アルミナ、遷移金属ジカル ゴゲナイト、フッ化ランタン、粘土鉱物 (モンモリロナイトなど)、銀塩、ケィ酸塩、リン酸 塩、ゼォライト、シリカ、多孔質ガラスなどが挙げられる。
[0051] 更に、有機金属化合物にもホストイ匕合物としての性質を示すものがあり、例えば有 機アルミニウム化合物、有機チタン化合物、有機ホウ素化合物、有機亜鉛化合物、 有機インジウム化合物、有機ガリウム化合物、有機テルル化合物、有機スズィ匕合物、 有機ジルコニウム化合物、有機マグネシウム化合物などが挙げられる。また、有機力 ルボン酸の金属塩や有機金属錯体などを用いることも可能であるが、有機金属化合 物であれば、特にこれらに限定されるものではない。
[0052] これらのホストイ匕合物のうち、包接能力がゲストィ匕合物の分子の大きさに左右されに くい多分子系ホストイ匕合物が好適である。
[0053] 多分子系ホストイ匕合物としては、具体的には、尿素、 1, 1, 6, 6—テトラフヱニルへ キサ— 2, 4 ジイン— 1, 6 ジオール、 1, 1—ビス(2, 4 ジメチルフエ-ル)— 2— プロピン 1 オール、 1, 1, 4, 4ーテトラフエ二ルー 2 ブチン 1, 4ージオール、 1, 1, 6, 6—テトラキス(2, 4 ジメチノレフエ二ノレ) 2, 4 へキサジイン一 1, 6 ジ オール、 9, 10 ジフエ二ルー 9, 10 ジヒドロアントラセン 9, 10 ジオール、 9, 1 0 ビス(4—メチルフエ-ル)一 9, 10 ジヒドロアントラセン一 9, 10 ジオール、 1, 1, 2, 2—テトラフエニルェタン 1, 2 ジオール、 4ーメトキシフエノール、 2, 4 ジ
ヒドロキシベンゾフエノン、 4, 4'ージヒドロキシベンゾフエノン、 2, 2'ージヒドロキシべ ンゾフエノン、 2, 2', 4, 4,一テトラヒドロキシベンゾフエノン、 1, 1—ビス(4—ヒドロキ シフエ-ル)シクロへキサン、 4, 4'—スルホ-ルビスフエノール、 2, 2,一メチレンビス (4—メチノレ一 6— t—ブチノレフエノーノレ)、 4, 4,一ェチリデンビスフエノーノレ、 4, 4' ーチォビス(3—メチルー 6— t—ブチルフエノール)、 1, 1, 3—トリス(2—メチルー 4 —ヒドロキシ一 5— t—ブチルフエ-ル)ブタン、 1, 1, 2, 2—テトラキス(4—ヒドロキシ フエ-ル)ェタン、 1, 1, 2, 2—テトラキス(4—ヒドロキシフエ-ル)エチレン、 1, 1, 2, 2—テトラキス(3—メチル一4—ヒドロキシフエ-ル)ェタン、 1, 1, 2, 2—テトラキス(3 —フルォロ一 4—ヒドロキシフエ-ル)ェタン、 a, , ' , α,一テトラキス(4—ヒドロ キシフエ-ル)一 ρ—キシレン、テトラキス(ρ—メトキシフエニル)エチレン、 3, 6, 3', 6 '一テトラメトキシー 9, 9'一ビー 9Η—キサンテン、 3, 6, 3', 6'—テトラァセトキシー 9, 9,一ビー 9Η—キサンテン、 3, 6, 3', 6,ーテトラヒドロキシー 9, 9'一ビー 9Η— キサンテン、没食子酸、没食子酸メチル、カテキン、ビス一 β一ナフトール、 , a, α ', α,一テトラフエ-ル一 1, 1,一ビフエ-ル一 2, 2,一ジメタノール、ジフェン酸ビ スジシクロへキシルアミド、フマル酸ビスジシクロへキシルアミド、コール酸、デォキシ コール酸、 1, 1, 2, 2—テトラフエ-ルェタン、テトラキス(ρ—ョードフエ-ル)ェチレ ン、 9, 9'—ビアンスリル、 1, 1, 2, 2—テトラキス(4一カルボキシフエニル)ェタン、 1 , 1, 2, 2—テトラキス(3—カルボキシフエニル)ェタン、アセチレンジカルボン酸、 2, 4, 5—トリフエ-ノレイミダゾール、 1, 2, 4, 5—テトラフエ二ルイミダゾール、 2—フエ二 ルフエナント口 [9, 10— d]イミダゾール、 2— (ο—シァノフエ-ル)フエナント口 [9, 10 —d]イミダゾール、 2—(m—シァノフエ-ル)フエナント口 [9, 10— d]イミダゾール、 2 — (p—シァノフエ-ル)フエナント口 [9, 10— d]イミダゾール、ヒドロキノン、 2— t—ブ チルヒドロキノン、 2, 5—ジ一tーブチルヒドロキノン、 2, 5—ビス(2, 4—ジメチルフエ 二ノレ)ヒドロキノン、などが挙げられる。
ホストイ匕合物としては、上記したものの中でも 1, 1一ビス(4—ヒドロキシフエニル)シ クロへキサン、 1, 1, 2, 2—テトラキス(4—ヒドロキシフエニル)ェタン、 1, 1, 2, 2— テトラキス(4ーヒドロキシフエ-ル)エチレンのようなフエノール系ホスト化合物、ジフエ ン酸ビス(ジシクロへキシルアミド)、フマル酸ビスジシクロへキシルアミドのようなアミド
系ホスト化合物、 2 (m—シァノフエ-ル)フエナント口 [9, 10— d]イミダゾールのよう なイミダゾール系ホストイ匕合物が包接能力の面で有利であり、特に、 1, 1 ビス (4 ヒドロキシフエ-ル)シクロへキサンのようなフエノール系ホストイ匕合物が工業的に使用 しゃすい点で有利である。
[0055] これらのホストイ匕合物は 1種を単独で用いても良ぐ 2種以上を併用しても良い。
[0056] これらのホストイ匕合物は、燃料と固体状の包接化合物を形成するものであれば、ど のような形状の化合物でも力まわな 、。
[0057] また、上述のホストイ匕合物のうち、有機系ホストイ匕合物は、無機系多孔質物質に担 持させた有機'無機複合素材として使用することもできる。この場合、有機系ホストイ匕 合物を担持する多孔質物質としては、シリカ類、ゼォライト類、活性炭類の他に、粘 土鉱物類、モンモリロナイト類などの層間化合物などが挙げられるが、これらに限定さ れるものではない。このような有機 ·無機複合素材は、前述の有機系ホスト化合物を、 これを溶解することのできる溶媒に溶解させ、その溶液を多孔質物質中に含浸させ、 溶媒を乾燥、減圧乾燥するなどの方法で製造することができる。多孔質物質に対す る有機系ホストイ匕合物の担持量としては特に制限はないが、通常の場合、多孔質物 質に対して 10〜80重量%程度である。
[0058] 前述の 1, 1 ビス(4 ヒドロキシフエ-ル)シクロへキサンなどのホスト化合物を用 V、て燃料の包接ィ匕合物を合成する方法としては、燃料とホスト化合物を直接接触、 混合する方法が挙げられ、これにより、燃料を包接した包接化合物を容易に合成す ることができる。また、ホストイ匕合物を燃料に加熱等を行って溶解させた後、再結晶す ることによつても包接ィ匕合物を合成することができる。また、燃料が気体や液体の場 合であれば、この燃料を加圧状態でホスト化合物と接触することにより包接化合物と することちでさる。
[0059] 包接化合物の合成に際して、燃料とホスト化合物とを接触させる温度は、特に制限 はないが、常温〜 100°C程度が好ましい。このときの圧力条件についても特に制限 はない。また、燃料とホストイ匕合物とを接触させる時間についても特に制限はないが、 作業効率等の面から 0. 01〜24時間程度とするのが好ましい。
[0060] ホスト化合物と接触させる燃料は、高純度の燃料が好ま Uヽが、燃料の選択的包接
能を有したホストイ匕合物を用いる場合には、燃料と他の成分との混合液体であっても 良い。
[0061] この包接ィ匕合物は、用いたホストイ匕合物の種類、燃料との接触条件等によっても異 なるが、通常ホストイ匕合物 1モルに対して燃料分子 0. 1〜: LOモルを包接した包接ィ匕 合物である。
[0062] この包接ィ匕合物は、常温'常圧環境において、長期に亘り燃料を安定に貯蔵するこ とができる。しかも、この包接ィ匕合物は、軽量で取り扱い性にも優れ、かつ固体状とす ることができるため、ガラス、金属、プラスチック等の容器に入れて容易に貯蔵するこ とができ、液漏れの問題も解消される。また、通常気体状又は液体状の燃料が包接 化により固体状になることで、劇物や危険物としての性質を回避できるようにもなる。 更には、燃料が有する化学的反応性を低減できるようになり、例えば金属に対する腐 食性なども緩和できるようになる。
[0063] この包接ィ匕合物から、燃料を放出させた後のホストイ匕合物は、その燃料に対する選 択的包接能を有し、燃料の包接ィ匕に有効に再利用可能である。
[0064] [2]燃料をポリマーに吸収させた燃料組成物
この燃料組成物は、下記の高分子化合物(1)の架橋体 (A)に、液体状の燃料 (以 下「液体燃料」と称す。 )を吸収 (含浸)させたものである。
高分子化合物(1):分子内にカルボキシル基及びスルホン酸基の少なくとも 1つを 有する構成単位 (以下「酸性基含有構成単位 (a)」と称す。 )を重合又は共重合して なる高分子化合物であって、該酸性基含有構成単位 (a)の含有量が 20〜: LOO重量 %である高分子化合物(2)の、該カルボキシル基及び Z又は該スルホン酸基のプロ トンの 30〜: L00モル0 /0がォ-ゥムカチオンで置換されてなる高分子化合物
[0065] なお、後述の如ぐ本発明において、高分子化合物(1)は、高分子化合物(2)の力 ルボキシル基及びスルホン酸基の少なくとも 1つのプロトンの所定量をォニゥムカチ オンで置換して製造されたものに何ら限定されず、高分子化合物(1)は、酸性基含 有構成単位(a)のカルボキシル基及びスルホン酸基の少なくとも 1つのプロトンを予 めォ-ゥムカチオンで置換した後、これを重合又は共重合して製造されたものであつ ても良い。同様に、高分子化合物(1)の架橋体 (A)は、必ずしも、予め製造された高
分子化合物(1)を架橋したものに限らず、高分子化合物(1)の架橋体が得られるも のであれば、高分子化合物(2)又は高分子化合物(1)の製造段階で架橋を行ったも のであっても良い。また、ォ-ゥムカチオンの導入及び架橋は、 2以上の段階で行つ ても良い。
[0066] 上記高分子化合物(2)を構成する酸性基含有構成単位 (a)としては、カルボキシ ル基を有するモノマー [例えば (メタ)アクリル酸、エタアクリル酸、クロトン酸、ソルビン 酸、マレイン酸、ィタコン酸、フマル酸、ケィ皮酸、及びそれらの無水物等];スルホン 酸基を有するモノマー [例えば脂肪族ビニルスルホン酸〔ビュルスルホン酸、ァリルス ルホン酸、ビュルトルエンスルホン酸、スチレンスルホン酸等〕、(メタ)アタリレート型ス ルホン酸〔スルホェチル (メタ)アタリレート、スルホプロピル (メタ)アタリレート等〕及び( メタ)アクリルアミド型スルホン酸〔 [アクリルアミド— 2—メチルプロパンスルホン酸等] 等が挙げられる。酸性基含有構成単位 (a)の好ま U、炭素数は 3〜30である。
[0067] 高分子化合物(2)中には、これらの酸性基含有構成単位 (a)の 1種が単独で含ま れていても良ぐ 2種以上が含まれていても良い。また、高分子化合物(2)中には、上 記酸性基含有構成単位 (a)以外の、酸性基含有構成単位 (a)と共重合可能な構成 単位 (以下「他の構成単位 (b)」と称す。 )が含まれて ヽても良 、。
[0068] 他の構成単位 (b)としては、例えば (メタ)アクリル酸アルキル (炭素数 1〜30)エス テル類 [ (メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ェチル、(メタ)アクリル酸プロピル、 (メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ェチルへキシル、(メタ)アクリル酸ォクチル 、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸フ -ル、( メタ)アクリル酸ォクチルフ エル、(メタ)アクリル酸シクロへキシル等]; (メタ)アクリル 酸ォキシアルキル (炭素数 1〜4)類 [ (メタ)アクリル酸ヒドロキシェチル、(メタ)アタリ ル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸モノ(ポリエチレングリコール)エステル (PE G数平均分子量: 100〜4, 000)、(メタ)アクリル酸モノ(ポリプロピレングリコール)ェ ステル(PPG数平均分子量: 100〜4, 000)、(メタ)アクリル酸モノメトキシポリエチレ ングリコール(PEG数平均分子量: 100〜4, 000)、(メタ)アクリル酸モノメトキシプロ ピレングリコール (PPG数平均分子量: 100〜4, 000)等]、(メタ)アクリルアミド類 [ ( メタ)アクリルアミド、(ジ)メチル (メタ)アクリルアミド、(ジ)ェチル (メタ)アクリルアミド、
(ジ)プロピル (メタ)アクリルアミド等]、ァリルエーテル類 [メチルァリルエーテル、ェチ ノレァリノレエーテノレ、プロピノレアリノレエーテノレ、グリセローノレモノアリノレエーテノレ、 トリメ チロールプロパントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールモノアリルエーテル等]、炭 素数 4〜20の α—ォレフィン類 [イソブチレン、 1—へキセン、 1—オタテン、イソオタ テン、 1—ノネン、 1—デセン、 1—ドデセン等]、炭素数 8〜20の芳香族ビ-ルイ匕合 物類 [スチレン、 tーブチルスチレン、ォクチルスチレン等]、その他のビュル化合物 [ N—ビュルァセトアミド、カプロン酸ビュル、ラウリン酸ビュル、ステアリン酸ビュル等] 、アミノ基含有モノマー [ジアルキル(アルキルの炭素数: 1〜5)アミノエチル (メタ)ァ タリレート、メタ(アタリロイル)ォキシェチルトリアルキル(アルキル炭素数: 1〜5)アン モ -ゥムクロリド、ブロマイド又はサルフェート等]及び前記カルボキシル基、スルホン 酸基を有するモノマーのアルカリ金属塩、 1〜3級ァミン塩又はアルカノールァミン塩 等を挙げることができる。これらの他の構成単位 (b)についても、高分子化合物(2) 中に 1種が単独で含まれて 、ても良く、 2種以上が含まれて 、ても良 、。
[0069] 高分子化合物(2)中の酸性基含有構成単位 (a)の含有量は、通常 20〜: LOO重量 %、好ましくは 40〜: LOO重量%、更に好ましくは 60〜: LOO重量%である。高分子化 合物(2)中の酸性基含有構成単位 (a)の含有量が 20%未満であると、後述するォ- ゥムカチオンでカルボキシル基ゃスルホン酸基のプロトンを置換しても、貯蔵対象と なる液体燃料の吸収量が低下したり、また、少量では液体燃料をゲルイ匕できない場 合がある。
[0070] 高分子化合物(2)が他の構成単位 (b)を含む場合、上記例示構成単位のうち、モ ノマーの重合性や生成したポリマーの安定性等の観点から、(メタ)アクリル酸アルキ ルエステル類、ォキシアルキル (メタ)アタリレート類、ァリルエーテル類、 ひ—ォレフィ ン類、芳香族ビニル化合物類が好ましい。
[0071] 液体燃料の効率的な吸収ゃゲルイ匕のために、この液体燃料の SP値 (ソリュビリティ —パラメーター)に合わせて、液体燃料と他の構成単位 (b)とで SP値の差が 5以下の 液体燃料を選択した方が吸収量ゃゲルイ匕力が上がりやすいため好ましぐ吸収対象 とする液体燃料の SP値と他の構成単位 (b)の SP値との差が 3以下のものを選択した 方が更に好ましい。
[0072] 高分子化合物 (2)の製造方法は、最終的に酸性基含有構成単位 (a)を所定量含 有する高分子化合物 (2)が得られる方法であれば良ぐ特に制限はない。高分子化 合物(2)は、酸性基含有構成単位 (a)を所定量重合する方法の他に、例えば、前記 カルボキシル基、スルホン酸基含有モノマーのエステル化物やアミド化物等の様な 容易にカルボキシル基ゃスルホン酸基に変更できるモノマーを重合し、加水分解等 の方法を用いて、所定量のカルボキシル基ゃスルホン酸基の構成単位を分子内に 導入すること〖こより製造することもできる。また、カルボキシメチルセルロースに代表さ れるカルボキシル基、スルホン酸基含有多糖類高分子及び該多糖類と他のモノマー とをグラフト共重合する方法などにより製造することもできる。
[0073] 高分子化合物(1)は、このような高分子化合物(2)のカルボキシル基及びスルホン 酸基の少なくとも 1つのプロトンの 30〜100モル0 /0をォ-ゥムカチオンで置換したも のである。
[0074] ここで、ォ-ゥムカチオンとしては、第 4級アンモ-ゥムカチオン (I)、 3級ホスホ-ゥ ムカチオン (11)、第 4級ホスホ-ゥムカチオン(111)、及び 3級ォキソユウムカチオン (IV )力もなるカチオンの群力も選ばれる少なくとも 1つが挙げられる。
[0075] 第 4級アンモ-ゥムカチオン (I)としては、下記 (1—1)〜 (1—11)が挙げられる。
[0076] (I 1)炭素数 4〜30又はそれ以上のアルキル及び Z又はァルケ-ル基を有する 脂肪族系第 4級アンモ-ゥム;テトラメチルアンモ-ゥム、ェチルトリメチルアンモ-ゥ ム、ジェチルジメチルアンモ-ゥム、トリェチルメチルアンモ-ゥム、テトラエチルアン モ-ゥム、トリメチルプロピルアンモ-ゥム、テトラプロピルアンモ-ゥム、ブチルトリメチ ルアンモ-ゥム、テトラプチルアンモ -ゥム等;
[0077] (1- 2)炭素数 6〜30又はそれ以上の芳香族第 4級アンモ-ゥム;トリメチルフエ- ルアンモ-ゥム、ジメチルェチルフエ-ルアンモ-ゥム、トリェチルフエ-ルアンモ-ゥ ム等;
[0078] (1— 3)炭素数 3〜30又はそれ以上の脂環式第 4級アンモ-ゥム; N, N—ジメチル ピロジ-ゥム、 N ェチルー N—メチルピロリジ-ゥム、 N, Nジメチルモルホリュウム、 N, Nジェチルモルホリュウム、 N, Nジメチルピベリジ-ゥム、 N, N ジェチルピペリ ジニゥム等;
[0079] (I— 4)炭素数 3〜30又はそれ以上のイミダゾリ-ゥム; 1, 2, 3 トリメチルイミダゾリ ユウム、 1, 2, 3, 4—テトラメチルイミダゾリ-ゥム、 1, 3, 4 トリメチル—2 ェチルイ ミダゾリ二ゥム、 1, 2 ジメチルー 3, 4 ジェチルイミダゾリ二ゥム、 1, 2 ジメチルー 3 ェチルイミダゾリ-ゥム、 1—ェチル—3—メチルイミダゾリ-ゥム、 1, 2, 3, 4—テ トラェチルイミダゾリ-ゥム、 1, 2, 3 トリェチルイミダゾリ-ゥム、 4 シァノ—1, 2, 3 —トリメチルイミダゾリ-ゥム、 2 シァノメチル 1, 3 ジメチルイミダゾリ-ゥム, 4— ァセチル— 1, 2, 3 トリメチルイミダゾリ-ゥム、 4—メチルカルボキシメチル— 1, 2, 3 トリメチルイミダゾリ-ゥム、 4 ホルミル— 1, 2, 3 トリメチルイミダゾリ-ゥム、 3 —ヒドロキシェチル一 1, 2, 3 トリメチルイミダゾリ-ゥム、 3 ヒドロキシェチル一 1, 2 ジメチルイミダゾリ-ゥム等;
[0080] (1— 5)炭素数 3〜30又はそれ以上のイミダゾリゥム; 1, 3 ジメチルイミダゾリゥム、 1—ェチノレ一 3—メチノレイミダゾリゥム、 1—メチノレ一 3 ェチノレイミダゾリゥム、 1, 2, 3 , 4ーテトラメチルイミダゾリゥム、 1, 2 ジメチルー 3 ェチルイミダゾリゥム、 1ーェチ ノレ一 3—メチノレイミダゾリゥム、 1—メチノレ一 3 ェチノレイミダゾリゥム、 1, 2, 3 トリエ チルイミダゾリゥム、 1, 2, 3, 4—テトラエチルイミダゾリゥム、 1, 3 ジメチル— 2 フ ェ-ルイミダゾリゥム、 1, 3 ジメチル一 2 ベンジルイミダゾリゥム、 4 シァノ 1, 2 , 3 トリメチルイミダゾリゥム、 3 シァノメチル 1, 2 ジメチルイミダゾリゥム、 4 ァ セチノレ一 1, 2, 3 トリメチルイミダゾリゥム、 4—メトキシ一 1, 2, 3 トリメチルイミダゾ リウム、 3 ホルミルメチル—1, 2 ジメチルイミダゾリゥム、 2 ヒドロキシェチル 1 , 3—ジメチルイミダゾリゥム、 N, N,ージメチルベンゾイミダゾゾリム、 N, N, 一ジェチ ルベンゾイミダゾゾリム、 N—メチルー N, 一ェチルベンゾイミダゾリゥム
等;
[0081] (1— 6)炭素数 4〜30又はそれ以上のテトラヒドロピリミジ-ゥム; 1, 3 ジメチルテト ラヒドロピリジ-ゥム、 1, 2, 3 トリメチルテトラヒドロピリジ-ゥム、 1, 2, 3, 4—テトラメ チルテトラヒドロピリジ-ゥム、 8—メチルー 1, 8 ジァザビシクロ [5, 4, 0]— 7 ゥン デセ-ゥム、 5—メチル 1, 5 ジァザビシクロ [4, 3, 0]— 5 ノネ-ゥム、 3 シァ ノメチルー 1, 2 ジメチルテトラヒドロピリミジ-ゥム、 3 ァセチルメチルー 1, 2 ジメ チルテトラヒドロピリミジ-ゥム、 4 メチルカルボキシメチルー 1, 2, 3 トリメチルーテ
トラヒドロピリミジ-ゥム、 3—メトキシメチル一 1, 2 ジメチルテトラヒドロピリミジ -ゥム 、 4 ヒドロキシメチル一 1, 3 ジメチルテトラヒドロピリミジ -ゥム等;
[0082] (1— 7)炭素数 4〜30又はそれ以上のジヒドロピリミジ-ゥム; 1, 3 ジメチルー 2, 4 もしくは 2, 6 ジヒドロピリミジ -ゥム [これらを 1, 3 ジメチルー 2, 4, (6)—ジヒ ドロピリミジ-ゥムと表記し、以下同様の表現を用いる。 ]、 1, 2, 3 トリメチル—2, 4 , (6)—ジヒドロピリミジニゥム、 1, 2, 3, 4—テトラメチノレー 2, 4, (6)—ジヒドロピリミ ジニゥム、 1, 2, 3, 5—テトラメチル一 2, 4, (6)—ジヒドロピミジユウム、 8—メチルー 1, 8 ジァザシクロ [5, 4, 0] - 7, 9 (10)—ゥンデカンジェ-ゥム、 2 シァノメチル - 1, 3 ジメチルー 2, 4, (6)—ジヒドロピリミジ-ゥム、 3 ァセチルメチルー 1, 2- ジメチルー 2, 4, (6)—ジヒドロピリミジ-ゥム、 4 メチルカルボキシメチルー 1, 2, 3 ートリメチノレー 2, 4, (6)—ジヒドロピリミジェゥム、 4ーホノレミノレー 1, 2, 3 トリメチノレ - 2, 4, (6)—ジヒドロピリミジ-ゥム、 3 ヒドロキシェチルー 1, 2 ジメチルー 2, 4, (6)ージヒドロピリミジ -ゥム等;
[0083] (I 8)炭素数 3〜30又はそれ以上のイミダゾリニゥム骨格を有するグァニジゥム;2 —ジメチルァミノ— 1, 3, 4 トリメチルイミダゾリ-ゥム、 2 ジェチルァミノ— 1, 3, 4 —トリメチルイミダゾリ-ゥム、 2 ジメチルァミノ一 1—メチル 3, 4 ジェチルイミダ ゾリ-ゥム、 2 ジメチルァミノ一 1, 3 ジメチルイミダゾリ-ゥム、 2 ジェチルァミノ 1 , 3 ジメチルイミダゾリ二ゥム、 2 ジェチノレアミノ 1 , 3 ジェチルイミダゾリ二 ゥム、 1, 5, 6, 7—テトラヒドロ 1, 2 ジメチル— 2H—ピリミド [1, 2a]イミダゾリ-ゥム 、 1, 5 ジヒドロー 1, 2 ジメチルー 2H—ピリミド [1, 2a]イミダゾリ-ゥム、 2 ジメ チルァミノ 3 メチルカルボキシメチルー 1ーメチルイミダゾリ-ゥム、 2 ジメチルァ ミノ 3—メトキシメチル - 1—メチルイミダゾリ-ゥム、 2 -ジメチルァミノ 3 ヒドロキ シェチルー 1—メチルイミダゾリ-ゥム、 2 ジメチルァミノ一 4 ヒドロキシメチル一 1, 3 ジメチルイミダゾリ-ゥム等;
[0084] (I 9)炭素数 3〜30又はそれ以上のイミダゾリゥム骨格を有するグァニジゥム;2— ジメチルァミノ— 1, 3, 4 トリメチルイミダゾリゥム、 2 ジェチルァミノ— 1, 3, 4 トリ メチルイミダゾリゥム、 2 ジェチルアミノー 1, 3 ジメチルー 4ーェチルイミダゾリゥム 、 2 ジェチルァミノ一 1, 3, 4 トリェチルイミダゾリゥム、 2 ジメチルァミノ一 1, 3—
ジメチノレイミダゾリゥム、 1, 5, 6, 7—テトラヒドロ一 1, 2 ジメチノレ一 2H—イミド [1, 2 a]イミダゾリゥム、 1, 5 ジヒドロー 1, 2 ジメチルー 2H—ピリミドー [1, 2a]イミダゾリ ゥム、 2 ジメチルアミノー 3 シァノメチルー 1ーメチルイミダゾリゥム、 2 ジメチルァ ミノー 4 メチルカルボキシメチルー 1, 3 ジメチルイミダゾリゥム、 2 ジメチルァミノ - 3 メトキシメチルー 1—メチルイミダゾリゥム、 2 -ジメチルァミノ 3 ホルミルメチ ルー 1—メチルイミダゾリゥム、 2 ジメチルァミノ一 4 ヒドロキシメチル一 1, 3 ジメ チルイミダゾリウム等;
[0085] (I— 10)炭素数 4〜30又はそれ以上のテトラヒドロピリミジ -ゥム骨格を有するグァ -ジゥム; 2 ジメチルァミノ一 1, 3, 4 トリメチルテトラヒドロピリミジ-ゥム、 2 ジェ チルアミノー 1, 3, 4 トリメチルテトラヒドロピリミジ-ゥム、 2 ジメチルァミノ一 1, 3 ージメチルテトラヒドロピリミジ-ゥム、 2 ジェチルアミノー 1, 3 ジメチルテトラヒドロ ピリミジ -ゥム、 1, 3, 4, 6, 7, 8 へキサヒドロ 1, 2 ジメチル— 2H—イミド [1, 2 a]ピリミジ-ゥム、 1, 3, 4, 6, 7, 8 へキサヒドロ一 1, 2 ジメチル一 2H ピリミド [ 1, 2a]ピリミジ-ゥム、 2 ジメチルァミノ一 3 シァノメチル 1—メチルテトラヒドロピ リミジ-ゥム、 2 ジメチルアミノー 4 ァセチルー 1, 3 ジメチルテトラヒドロピリミジ- ゥム 2 ジメチルアミノー 4 メチルカルボキシメチルー 1, 3 ジメチルテトラヒドロピリ ミジ-ゥム、 2 ジメチルァミノ一 3—メトキシメチルー 1—メチルテトラヒドロピリミジユウ ム、 2 ジメチルァミノ一 3 ヒドロキシェチル一 1—メチルテトラヒドロピリミジ-ゥム、 2 —ジメチルァミノ一 4 ヒドロキシメチル一 1, 3 ジメチルテトラヒドロピリミジニゥム等;
[0086] (I 11)炭素数 4〜30又はそれ以上のジヒドロピリミジ -ゥム骨格を有するグァ-ジ ゥム; 2 ジメチノレアミノー 1, 3, 4ートリメチノレー 2, 4 (6)—ジヒドロピリミジェゥム、 2- ジェチルァミノ一 1, 3, 4 トリメチルー 2, 4 (6)—ジヒドロピリミジ-ゥム、 2 ジェチ ノレアミノー 1, 3, 4ートリエチノレー 2, 4 (6)—ジヒドロピリミジ-ゥム、 2 ジェチノレアミノ - 1, 3 ジメチルー 2, 4 (6)—ジヒドロピリミジ-ゥム、 2 ジメチルァミノ一 1—ェチ ノレ一 3—メチノレ一 2, 4 (6)—ジヒドロピリミジニゥム、 1, 6, 7, 8—テトラヒドロー 1, 2— ジメチル一 2H—イミド [1, 2a]ピリミジ-ゥム、 1, 6 ジヒドロ一 1, 2 ジメチル一 2H —ピリミド [1, 2a]ピリミジ-ゥム、 2 ジメチルァミノ一 4 シァノ 1, 3 ジメチル一 2 , 4 (6)—ジヒドロピリミジ-ゥム、 2 ジメチルァミノ 3 ァセチルメチルー 1—メチル
- 2, 4 (6)—ジヒドロピリミジ-ゥム、 2 ジメチルァミノ一 3—メチルカルボキシメチル — 1—メチル 2, 4 (6)—ジヒドロピリミジ-ゥム、 2 ジメチルァミノ一 4 ホルミル一 1, 3 ジメチノレ一 2, 4 (6)—ジヒドロピリミジェゥム、 2 ジメチノレアミノ一 3 ホノレミノレ メチル 1—メチル 2, 4 (6)—ジヒドロピリミジ -ゥム等;
[0087] 3級ホスホ-ゥムカチオン(II)としては、下記(II 1)〜(II 3)が挙げられる。
(II- 1)炭素数 1〜 30又はそれ以上のアルキル及び Z又はァルケ-ル基を有する 脂肪族系 3級ホスホ-ゥム;トリメチルスルホ-ゥム、トリェチルスルホ-ゥム、ェチルジ メチルスルホ-ゥム、ジェチルメチルスルホ -ゥム等;
(II 2)炭素数 6〜30又はそれ以上の芳香族系 3級ホスホ-ゥム;フエ-ルジメチル スノレホニゥム、フエ-ノレェチノレメチノレスノレホニゥム、フエ-ノレメチノレべンジノレスノレホニ ゥム等;
(II 3)炭素数 3〜30又はそれ以上の脂環式 3級ホスホ-ゥム;メチルチオラ -ゥム 、フエ-ルチオラ-ゥム、メチルチア-ゥム等;
[0088] 第 4級ホスホ-ゥムカチオン(III)としては、下記(III 1)〜(III 3)が挙げられる。
(III 1)炭素数 1〜30又はそれ以上のアルキル及び Z又はァルケ-ル基を有する 脂肪族系第 4級ホスホ-ゥム;テトラメチルホスホ-ゥム、テトラエチルホスホ-ゥム、テ トラプロピノレホスホニゥム、テトラブチノレホスホニゥム、メチルトリェチノレホスホニゥム、メ チルトリプロピルホスホニゥム、メチルトリブチルホスホニゥム、ジメチルジェチルホスホ -ゥム、ジメチルジブチルホスホ-ゥム、トリメチルェチルホスホ-ゥム、トリメチルプロ ピルホスホ-ゥム、トリメチルブチルホスホ-ゥム等;
(III— 2)炭素数 6〜30又はそれ以上の芳香族系 4級ホスホ-ゥム;トリフエ二ルメチ ノレホスホ-ゥム、ジフエ-ノレジメチノレホスホ-ゥム、トリフエ-ノレベンジノレホスホ -ゥム 等;
(III 3)炭素数 3〜30又はそれ以上の脂環式 4級ホスホ-ゥム;1, 1 ジメチルホ スホラ二ゥム、 1ーメチノレー 1ーェチノレホスホラ二ゥム、 1, 1 ジェチノレホスホラニゥム 、 1, 1—ジェチルホスホリナ-ゥム、 1, 1—ペンタエチレンホスホリナ-ゥム等; [0089] 第 4級ォキソユウムカチオン (IV)としては、下記 (IV— 1)〜(IV— 3)が挙げられる。
(IV— 1)炭素数 1〜 30又はそれ以上のアルキル及び Z又はアルケニル基を有する 脂肪族系 3級ォキソユウム;トリメチルォキソユウム、トリェチルォキソユウム、ェチルジ メチルォキソ-ゥム、ジェチルメチルォキソ -ゥム等;
(IV— 2)炭素数 6〜30又はそれ以上の芳香族系 3級ォキソユウム;フエ-ルジメチ ルォキソ-ゥム、フエ-ルェチルメチルォキソ-ゥム、フエ-ルメチルベンジルォキソ -ゥム等;
(IV— 3)炭素数 3〜30又はそれ以上の脂環式 3級ォキソユウム;メチルォキソラユウ ム、フエ-ルォキソラ-ゥム、メチルォキサ -ゥム等;
[0090] これらの中で、好ましいォ-ゥムカチオンは第 4級アンモ-ゥムカチオン (I)であり、 更に好ましいものは前記 (1—1)、 (1—4)及び (1— 5)であり、特に好ましいものは (I— 4)及び (I 5)である。
[0091] これらォ-ゥムカチオンは、 1種を単独で用いても良ぐ 2種以上を併用しても良い。
[0092] 本発明にお!/、て、高分子化合物(2)のカルボキシル基及びスルホン酸基の少なく とも 1つのプロトンを前記ォ-ゥムカチオンにより置換する方法としては、このプロトン の所定量をォニゥムカチオンに置換できる方法で有れば 、ずれの方法でも良 、が、 例えば、上記ォ-ゥムカチオンの水酸ィ匕物塩 (例えば、テトラエチルアンモ -ゥムハイ ドロキサイド等)やモノメチル炭酸ィ匕物塩 (例えば、 1, 2, 3, 4 トリメチルイミダゾリ- ゥムモノメチル炭酸塩等)を、高分子化合物(2)に添加し、必要により脱水や脱炭酸
、脱メタノ―ルを行うことに容易に置換可能できる。また、高分子化合物(2)を構成す るモノマーの段階で同様に置換しても良 、。
[0093] ォ-ゥムカチオンによる置換を行って高分子化合物(1)を製造する方法としては、 例えば、前記酸性基含有構成単位 (a)のカルボキシル基及びスルホン酸基の少なく とも 1つのプロトンをォ-ゥムカチオンで置換した後重合又は共重合する方法や、高 分子化合物(2)のカルボキシル基及びスルホン酸基の少なくとも 1つのプロトンをォ 二ゥムゥムカチオンで置換する方法等を挙げることができるが、所定量のォニゥムカ チオンが導入された高分子化合物(1)が得られる方法であれば、酸性基含有構成単 位(a)のカルボキシル基及びスルホン酸基の少なくとも 1つのプロトンのォ-ゥムカチ オンへの置換は 、ずれの段階で行っても良!、。
[0094] 高分子化合物(2)のカルボキシル基及びスルホン酸基の少なくとも 1つのプロトンを ォ-ゥムカチオンにより置換する割合 (以下、「ォユウムカチオン置換率」と称す。)は 、通常 30〜: LOOモル0 /0、好ましくは 50〜: LOOモル0 /0、更に好ましくは 70〜: L00モル %である。ォ-ゥムカチオン置換率が 30モル%未満では、高分子化合物(1)のカル ボキシル基、スルホン酸基及びォ-ゥムカチオンの解離が低すぎて膨潤カゃゲルイ匕 力が低い場合がある。
[0095] 本発明にお 、ては、上述の高分子化合物(2)の製造工程又は高分子化合物(1) の製造工程、或いはその後の工程の何れかの工程で架橋を行って、高分子化合物( 1)の架橋体 (A)とする。架橋の方法としては、公知の方法で良ぐ例えば、下記 (1)〜 (5)の方法を挙げることができる。
[0096] (1) 共重合性架橋剤による架橋;
高分子化合物 (2)の原料である酸性基含有構成単位 (a)及び Z又は酸性基含有 構成単位 (a)のォ-ゥムカチオン置換体、並びに必要に応じて用いられる他の構成 単位 (b)の 1種又は 2種以上 (以下、これらを「原料成分」と総称する。)と共重合可能 な、又は分子内に 2重結合を 2個以上有する共重合性架橋剤 [例えばジビニルベン ゼン等の多価ビニル型架橋剤、 N, N'—メチレンビスアクリルアミド等の (メタ)アタリ ルアミド型架橋剤、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル等の多価ァリルエーテル型 架橋剤、トリメチロールプロパントリアタリレート等の多価 (メタ)アクリル酸エステル型 架橋剤等]を、原料成分に共重合させて、高分子化合物 (2)の合成前又は合成時に 架橋する方法。
[0097] (2) 反応性架橋剤による架橋;
原料成分の官能基等と反応しうる官能基を分子内に 2つ以上有する反応性架橋剤 [例えば 4, 4,ージフエ-ルメタンジイソシァネート等の多価イソシァネート型架橋剤、 ポリグリセロールポリグリシジルエーテル等の多価エポキシ型架橋剤、グリセリン等の 多価アルコール型架橋剤、へキサメチレンテトラミンやポリエチレンィミン等の多価ァ ミン、イミン型架橋剤、ェピクロルヒドリン等のハロエポキシ型架橋剤、硫酸アルミ-ゥ ム等の多価金属塩型架橋剤等]を用いて、高分子化合物(2)の合成前又は合成時 に架橋する方法。
[0098] (3) 重合反応性架橋剤による架橋;
原料成分と共重合可能な、又は分子内に 2重結合を有し、かつ原料成分の官能基 等と反応しうる官能基を分子内に有する重合反応性架橋剤 [例えばグリシジルメタク リレート等のグリシジル (メタ)アタリレート型架橋剤、ァリルグリシジルエーテル等のァ リルエポキシ型架橋剤等]を用いて、高分子化合物(2)の合成前又は合成時に架橋 する方法。
[0099] (4) 放射線照射による架橋;
高分子化合物(1)に紫外線、電子線、 γ線等の放射線を照射して、高分子化合物
(1)を架橋する方法、或いは原料成分に紫外線、電子線、 γ線等を照射して高分子 化合物(2)の合成時に重合と架橋を同時に行う方法等。
[0100] (5) 加熱による架橋;
高分子化合物(2)又は高分子化合物(1)を 100°C以上に加熱して、高分子化合物
(2)又は高分子化合物(1)の分子間で熱架橋 [加熱によるラジカルの発生による炭 素間の架橋や官能基間での架橋]する方法等。
[0101] これらの架橋方法の中で好ましい方法は、最終品の用途、形態によって異なるが、 総合的な面から (1)共重合性架橋剤による架橋、(2)反応性架橋剤による架橋及び (4) 放射線照射による架橋である。
[0102] なお、前記共重合性架橋剤の中で好ましいものは、多価 (メタ)アクリルアミド型架橋 剤、ァリルエーテル型架橋剤、多価 (メタ)アクリル酸エステル型架橋剤であり、更に 好ましいものは、ァリルエーテル型架橋剤である。また、前記反応性架橋剤の中で好 ましいものは、多価イソシァネート型架橋剤及び多価エポキシ型架橋剤であり、更に 好ましいものは分子内に 3個以上の官能基を有する多価イソシァネート型架橋剤又 は多価エポキシ型架橋剤である。
[0103] 架橋度に関しては、使用目的によって適宜選択できるが、共重合性架橋剤を使用 する場合は、その添加量は全原料成分重量に対して、 0. 001〜: LO重量%が好まし く、 0. 01〜5重量%が更に好ましい。
[0104] 反応性架橋剤を使用する場合、その添加量は、架橋体 (A)をどのような形状とする かによつて好ましい添カ卩量が異なる力 全原料成分に対して 0. 001〜10重量%が
好ましぐ後述する液体燃料を含有した一体化した良好なゲルを作成するために、特 に全原料成分に対して 0. 01〜50重量%が好ましい。
[0105] 原料成分、即ち酸性基含有構成単位 (a)及び,又は酸性基含有構成単位 (a)の ォ-ゥムカチオン置換体、並びに必要により用いられる他の構成単位 (b)の重合方 法も公知の方法で良ぐ例えば、前記の各モノマー及び生成するポリマーが溶解す る溶媒中での溶液重合法、溶媒を使用せずに重合する塊状重合法、乳化重合法等 を例示することができる。この中で好ましいものは、溶液重合法である。
[0106] 溶液重合の場合に用いる溶媒は、使用するモノマーやポリマーの溶解性により適 宜選択できる力 例えばメタノール、エタノール等のアルコール類、エチレンカーボネ ート、プロピレンカーボネート、ジメチノレカーボネート等のカーボネート類、 y ブチロ ラタトン等のラタトン類、 ε 一力プロラタタム等のラタトン類、アセトン、メチノレエチノレケト ン等のケトン類、酢酸ェチル等のカルボン酸エステル類、テトラヒドロフラン、ジメトキ シェタン等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等の有機溶媒 や、水等を挙げることができる。これらの溶媒は 1種を単独で用いても良ぐ 2種以上 を混合して使用しても良い。
[0107] 溶液重合における重合濃度も特に限定はなく目的の用途によって種々異なるが、 1 〜80重量%が好ましぐ 5〜60重量%が更に好ましい。
[0108] 重合開始剤も通常のもので良く、ァゾ系開始剤 [ァゾビスイソブチ口-トリル、ァゾビ スシァノ吉草酸、ァゾビス(2, 4 ジメチルバレ口-トリル)、ァゾビス(2 アミジノプロ パン)ジハイド口クロライド、ァゾビス { 2—メチル Ν— (2—ヒドロキシェチル)プロロピ オンアミド}等]、過酸ィ匕物系開始剤 [過酸ィ匕べンゾィル、ジー t—ブチルパーォキサ イド、タメンヒドロパーオキサイド、コハク酸パーオキサイド、ジ(2—エトキシェチル)パ ーォキシジカーボネート、過酸化水素等]、レドックス開始剤 [上記過酸ィ匕物系開始 剤と還元剤(ァスコルビン酸や過硫酸塩)の組み合わせ等]を例示することができる。
[0109] 他の重合方法としては、光増感開始剤 [ベンゾフエノン等]を添加し紫外線等を照 射する方法、 y線や電子線等の放射線を照射し重合する方法等を例示することがで きる。
[0110] 重合開始剤を使用する場合の開始剤の添加量は、特に限定はないが、使用する
原料成分の総重量に対して、 0. 0001〜5重量%が好ましぐ 0. 001〜2重量%が 更に好ましい。
[0111] 重合温度も目的とする分子量や開始剤の分解温度、使用する溶媒の沸点等により 種々異なるが、—20〜200°Cが好ましぐ 0〜100°Cが更に好ましい。
[0112] 架橋体 (A)は液体燃料を吸収する能力があり、液体燃料を吸収して安定な燃料組 成物を形成する。
[0113] 架橋体 (A)の液体燃料吸収量は、対象とする燃料の種類や架橋体 (A)の組成又 はゲル強度等により種々変化するが、架橋体 (A)は、例えばメタノールに対する吸収 量が 10〜: L, OOOg—メタノール Zg—架橋体 (A)に設計するのが好ましぐ 50〜90 OgZgに設計するのが更に好ましい。この吸収量が lOgZg以上であれば、保液量 が十分であり貯蔵効率に優れる。 1, OOOgZg以下であると液体燃料を保液した燃料 組成物のゲル強度が弱すぎると!、う問題がな!、。
[0114] 本発明に係る架橋体 (A)を粒子状とする場合、その粒子径は、体積平均粒径で 0.
1〜5, 000 μ m力好ましく、更に好ましく ίま 50〜2, 000 μ mである。また、 0. l ^ m 未満が全体の 10重量%以下、 5, 000 mを超える部分が全体の 10重量%以下が 好ましぐそれぞれ 5%以下がさらに好ましい。
[0115] なお、粒子径の測定は、ロータップ試験篩振とう機及び JIS Z8801— 2000標準 篩いを用いて、ぺリーズ ·ケミカル ·エンジニアーズ ·ハンドブック第 6版(マックグローヒ ル.ブック'カンパ-一、 1984, 21頁)に記載の方法で行うことができる(以下、粒子 径の測定は本方法による。 ) o
[0116] 架橋体 (A)を粒子状の形態とする方法としては、最終的に粒子状になれば特に限 定はないが、例えば、下記 (i)〜(iv)等の方法が挙げられる。
(i);必要により溶媒を用いて、前記共重合性架橋剤を共重合して高分子化合物(1 )の架橋体 (A)を作成し、必要により乾燥等の方法で溶媒を留去し、公知の粉砕方 法を用いて粉砕して粒子状とする方法。
(ii);必要により溶媒を用いて、重合して高分子化合物(1)を作成し、次いで前記反 応性架橋剤又は照射等の手段により高分子化合物(1)を架橋した後、必要により乾 燥等の方法で溶媒を留去し、公知の粉砕方法を用いて粉砕して粒子状とする方法。
(iii);酸性基含有構成単位 (a)、必要に応じて他の構成単位 (b)を前記共重合性 架橋剤の存在下、必要により溶媒を用いて共重合して架橋し高分子化した後、前記 ォ-ゥムカチオン化合物を添加し、酸基のプロトンを所定量ォユウムカチオンに置換 した後、必要により乾燥等の方法で溶媒を留去し、公知の粉砕方法を用いて粉砕し て粒子状とする方法。
(iv);酸性基含有構成単位 (a)、必要に応じて他の構成単位 (b)を前記共重合性 架橋剤の存在下必要により溶媒を用いて共重合して未架橋の高分子とした後、前記 ォニゥムカチオン化合物及び反応性架橋剤や放射線照射を行うことにより、酸基の プロトンを置換するのと同時に高分子を架橋し、必要により乾燥等の方法で溶媒を留 去し、公知の粉砕方法を用いて粉砕して粒子状とする方法。
[0117] 上記方法において、架橋体 (A)の形状を粒子状にする過程で必要により行う乾燥 は、公知の乾燥方法で良ぐ例えば通気乾燥 (循風乾燥機等)、透気乾燥 (バンド型 乾燥機等)、減圧乾燥 (減圧乾燥機等)、接触乾燥 (ドラムドライヤー等)等を挙げるこ とがでさる。
[0118] 乾燥する場合の乾燥温度に関しては、ポリマー等の劣化や過度の架橋が起こらな ければ特に限定はないが、好ましくは 0〜200°C、更に好ましくは 50〜150°Cである
[0119] 架橋体 (A)の形状を粒子状とする場合の、粉砕方法も公知の方法で良ぐ例えば、 衝撃粉砕 (ピンミル、カッターミル、ボールミル型粉砕機や ACMパルべライザ一等の 高速回転型粉砕機等)、空気粉砕 (ジェット粉砕機等)、凍結粉砕等の方法を挙げる ことができる。
[0120] 架橋体 (A)及び燃料力もなる燃料組成物は、その目的によって種々の形態に加工 することができ、その形状には特に限定はないが、好ましい形態としては粒子状、シ ート状、一体ゲルィ匕の形態を挙げることができる。
[0121] 以下、好ましい形態の作成方法について説明するが、燃料組成物の形態によりそ の作成方法等や好ま 、方法等が若干異なるので、それぞれにつ!/、て説明する。
[0122] 粒子状の燃料組成物は、粒子状の架橋体 (A)が液体燃料を吸収したものでもよ!/、
し、液体燃料を吸収した後粒子状としたものであっても良い。粒子状にする方法は上 記の粒状の架橋体 (A)を製造する方法と同様で良ぐその体積平均粒子径等も同様 の値が好ましい。
[0123] 燃料組成物をシート状とする場合、そのシートィ匕法としては、例えば、下記 (V)〜 (vi i)の方法を挙げることができる。
(V) ;粒子状の架橋体 (A)を不織布や紙等の間に挟み込んでサンドイッチシートと し、その後液体燃料を吸収させる方法。
(vi);高分子化合物(1)の未架橋体を不織布、織布、紙、フィルムの 1つ又は 2っ以 上からなる基材に含浸及び Z又は塗工した後、前記架橋剤による架橋、前記放射線 照射による架橋、加熱による架橋からなる群から選ばれる 1つ又は 2以上の架橋手段 を用いて高分子化合物(1)を架橋させるとともに、必要により溶媒を留去しシートィ匕し た後、液体燃料を吸収させる方法。
(vii); 30〜: LOOモル0 /0のプロトンを前記ォ-ゥムカチオンで置換した酸性基含有構 成単位 (a) 20〜: LOO重量%と、他の構成単位 (b) 0〜80重量%と、前記架橋剤から なる混合溶液を、不織布、織布、紙、フィルムの中の 1つ又は 2つ以上カゝらなる基材 に含浸及び Z又は塗工した後、該基材を重合開始剤及び Z又は放射線等の照射 による架橋、加熱による架橋の群力 選ばれる 1つ又は 2以上の架橋手段を用いて 重合し、必要により溶媒を留去することによりシートィ匕した後、液体燃料を吸収させる 方法。
[0124] これらの方法の中で、作成したシートの厚みの調整の容易さや作成したシートの吸 収速度等の観点から、(vi)又は (vii)が好ましい。形状をシート状とした場合の燃料組 成物シー卜の厚み ίま、 1〜50, 000 /z m力 S好ましく、 5〜30, 000力 S更に好ましく、 10 〜10, 000 mが特に好ましい。シートの厚みが、 l /z m以上であると架橋体 (A)の 目付量が少なくなりすぎず、 50, 000 m以下ではシートの厚みが厚すぎることがな い。シート長さや幅に関しては、使用する大きさにより適宜選択でき、特に限定はな ヽカ 好まし ヽ長さ ίま 0. 01〜: L0, 000m、好まし!/ヽ幅 ίま 0. l〜300cmである。
[0125] 燃料組成物シートにおける架橋体 (A)の目付量に関しては、特に限定はないが、 対象とする液体燃料の吸収'保液能力、また厚みが厚くなりすぎないこと等を加味す
[0126] 本発明において、形態をシート状とするために必要により使用する、不織布、織布、 紙、フィルム等の基材は公知のもので良ぐ例えば、 目付量が 10〜500gZm2程度 の合成繊維及び Z又は天然繊維からなる不織布又は織布、紙 (上質紙、薄葉紙、和 紙など)、合成樹脂からなるフィルム及びこれらの 2つ以上の基材及びこれらの複合 体を例示することができる。
[0127] これらの基材の中で、好ましいものは、不織布、或いは不織布とプラスチックフィル ム又は金属フィルムとの複合体であり、特に好ましいものは、不織布、不織布とプラス チックフィルムとの複合体である。
[0128] これらの基材の厚みに関しては特に限定はないが、通常 1〜50, 000 μ m、好まし くは 10〜20, OOO /z mである。厚みが、 1 m未満であると、所定量の前記高分子化 合物(1)の含浸や塗工が難しぐ一方厚みが 50, 000 mを越えるとシートが厚すぎ て燃料電池用燃料を含む燃料組成物としたときに全体のカサが大きくなつて使用し に《なる。
[0129] 基材への、高分子化合物(1)の塗工方法や含浸方法は、公知の方法で良ぐ例え ば、通常のコーティングやパディング等の方法を適用すれば良い。コーティングゃパ デイング処理を行った後、重合や希釈、粘度調整等のために使用した溶媒を、必要 により乾燥等の方法で留去しても良い。
[0130] シート状燃料組成物における燃料吸収量 (燃料含有量)も、燃料の供給量を十分 に確保することができる量であれば特に限定はないが、 0. l〜500g—燃料 Zcm2— シートが好ましぐ l〜400gZcm2のものが更に好ましい。吸収量が 0. lgZcm2上 であると液体燃料の十分量を吸収することができ、 500gZcm2以下であると液体燃 料を吸収したシートが厚くなりすぎない。
[0131] 本発明に係る燃料組成物は、架橋体 (A)及び液体燃料からなる一体ゲル化型燃 料組成物であっても良 、。この一体ゲル化型燃料組成物における架橋体 (A) Z燃 料の比率は、好ましくは 0. l〜99Zl〜99. 9重量%であり、更に好ましくは 0. 5〜5 0Z50〜99. 5重量0 /0、特に好ましくは 1〜30Ζ70〜99重量0 /0であり、最も好ましく
は 1〜20Z80〜99重量%である。架橋体 (Α)の比率が、 0. 1重量%以上であると 生成した燃料含有ゲルのゲル強度が弱カゝつたり、全体をゲルイ匕できない場合がなぐ 一方、 99重量%以下であると架橋体 (A)の含有量が多すぎるために、必要とする燃 料の添加量が少なすぎて、燃料の供給量を十分に確保することができな!/ヽという不 具合がない。
[0132] 一体ゲル化型燃料組成物の作成方法としては、例えば、(vm)前述した本発明の粒 子状の架橋体 (A)に所定量の燃料を添加する方法;(ix)架橋体 (A)を含有するシー トに燃料を添加する方法でも良いが、これらの燃料含有ゲルは、下記 (X)や (xi)等に 挙げた方法で作成されたものが好ま 、。
(X);高分子化合物(1)を液体燃料に溶解し、高分子化合物(1)を前記架橋剤によ る架橋、放射線照射による架橋、加熱による架橋の何れかの架橋手段で架橋するこ とにより一体化したゲルとする方法。
(xi);液体燃料中で、前記ォ-ゥムカチオンで 30〜: L00モル%のプロトンを置換し た酸性基含有構成単位 (a) 20〜: LOO重量%、及び必要により他の構成単位 (b) 0〜 80重量%とを、前記共重合性架橋剤の存在下重合することにより、一体化したゲル とする方法。
[0133] 架橋体 (A)及び液体燃料からなる一体化ゲル型燃料組成物の形態は適宜選択す ることができ、形状としては、例えば、シート状、ブロック状、球状、円柱状などの形状 を例示することができる。これらの中で好ましい形状はシート状、ブロック状又は円柱 状である。
[0134] シート状ゲルとする場合のゲルの厚みは、 1〜50, 000 m力 S好ましく、 10〜20, 0 00 mが更に好ましい。シート状ゲルの幅や長さに関しては、その使用目的や場所 、用途等に合わせて適宜選択すればよい。
[0135] 所望の形状の一体ゲル化型燃料組成物を作成する方法も、特に限定はなぐ例え ば作成したい形状に合わせた容器中やセルの中でゲルィ匕させる方法や、離型紙、フ イルム、不織布等の上に、前記高分子化合物(1)や原料成分等と液体燃料の混合 物を積層又はコーティング等の方法によりシート状としてゲルを作成する方法等を例 示できる。
[0136] また、この態様の燃料組成物には、必要に応じて他のゲル化剤 (脂肪酸石鹼、ジべ ンザルソルビット、ヒドロキシプロピルセルロース、ベンジリデンソルビトール、カルボキ シビニルポリマー、ポリエチレングリコール、ポリオキシアルキレン、ソルビトール、ニト ロセノレロース、メチノレセノレロース、ェチノレセノレロース、ァセチノレブチノレセノレロース、ポ リエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、 ABS榭脂、 AB榭脂、アクリル榭脂、ァセタ ール榭脂、ポリカーボネート、ナイロン、フエノール榭脂、フエノキシ榭脂、ユリア榭脂 、アルキッド榭脂、ポリエステル、エポキシ榭脂、フタル酸ジァリル榭脂、ポリアロマー 等)や吸着剤(デキストリン、デキストラン、シリカゲル、シリカ、アルミナ、モレキュラー シーブ、カオリン、珪藻土、カーボンブラック、活性炭等)、増粘剤、結着剤、燃料を 化学変換して非流動化させる物質力 なる群力 選ばれる少なくとも 1つを配合して もよい。これらは、それぞれの機能を発揮できるものであれば特に限定はなぐ固体、 液体のものを問わない。また、これらは、燃料組成物を作成する任意の段階で配合 することができる。
実施例
[0137] 以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超 えない限り、何ら以下の実施例に限定されるものではな 、。
[0138] 実施例 1
まず、電解質膜'電極接合体 (MEA)を以下のようにして作製した。電解質膜として はパーフルォロスルホン酸系のイオン交換膜である Naf ionを用いた。また、担持触 媒には Pt粒子を用い、電子伝導性を持たせるためアセチレンブラックに担持させた。 Pt担持量はアセチレンブラックに対し 50重量%とした。この Pt担持触媒と 5重量%N afion溶液を混合しスプレーブラシを用いて電解質膜に吹きつけ電極層を付着させ た。電極層を付着させた膜は、乾燥機中にて 90°Cで 1時間乾燥させた後、テフロン 板で挟み、ホットプレス機により、 130°C、 20MPaで 30分間プレスし、電解膜と電極 を接合させた。
[0139] 作製した電解質膜'電極接合体 (MEA)を用いて、図 1, 3に示す如ぐ燃料として メタノール水溶液を供給する円柱状のダイレクトメタノール型燃料電池装置を組み立
[0140] 燃料貯槽 5に 3重量%のメタノール水溶液を入れ、毛細管現象を利用してメタノー ル水溶液を燃料極に送液した結果、 0. 48Vの起電力を安定に得ることができた。
[0141] 実施例 2
燃料電池ユニットとして、図 4に示す燃料電池ユニットをケーシング内に設けたこと 以外は、実施例 1と同様にして燃料電池装置を組み立てた。
[0142] 別に、 1, 1—ビス(4—ヒドロキシフエ-ル)シクロへキサン(以下「BHC」と略記する 。)26. 8g (0. lmol)をメタノール 50mlに加熱溶解して再結晶を行うことにより、 BH C:メタノール = 1: 1 (モル比)でメタノール含有率 11重量%の固体状のメタノール包 接化合物を得た。
[0143] 燃料電池装置の燃料槽にはこのメタノール包接化合物を入れ、この燃料貯槽に水 槽からの水を供給してメタノール包接ィ匕合物を水と接触させることにより、水中にメタ ノールを放出させ、 3重量%のメタノール水溶液を調製して、電解質膜'電極接合体 の燃料極に送給した。その結果、 0. 5Vの超電力を安定に得ることができた。
[0144] 実施例 3
1, 1, 6, 6—テトラフエ-ルへキサ— 2, 4—ジイン— 1, 6—ジオール(以下「TPH DD」と略記する。)41. 4g (0. lmol)をメタノール 100mlに加熱溶解して再結晶を 行うことにより、 TPHDD:メタノール = 1: 2 (モル比)でメタノール含有率 13重量0 /0の 固体状のメタノール包接ィ匕合物を得た。
[0145] 実施例 2において、燃料貯槽にこのメタノール包接ィ匕合物を入れたこと以外は同様 にして燃料電池装置の組み立て及び運転を行ったところ、同様に燃料極にメタノー ル水溶液を安定に供給して長期に亘り安定運転で発電を行うことができた。
[0146] 実施例 4
アクリル酸 360g (5モル)とペンタエリスリトールトリアリルエーテル 1. 08g及び水 11 40gを 2リットルの断熱重合槽に入れた。モノマー溶液の温度を 0°Cまで冷却して、溶 液に窒素を通じて溶存酸素を低下させた後、重合開始剤として 2, 2'—ァゾビス(2 —アミジノプロパン)ハイド口クロライド 0. 36gと 35重量%過酸化水素水 3. lgと L—ァ スコルビン酸 0. 38gを添加し、重合を開始させた。重合後、生成した含水ゲルをミー トチョッパーを用いて、ゲルを細分ィ匕した後、このゲノレに、 1, 2, 3, 4ーテトラメチルイ
ミダゾリ-ゥムカチオンのメチル炭酸塩 (分子量: 203)の 60%メタノール溶液(三洋 化成工業社製) 1353g (4モル)を添加したところ、脱炭酸と脱メタノールが起こったの が観察された。前記イミダゾリ-ゥムカチオンを添加したゲルを、バンド型乾燥機 (透 気乾燥機、井上金属社製)を用いて、 100°Cの熱風をゲルに透気して、溶媒として使 用した水及び副成したメタノールを留去し、乾燥した。乾燥物をカッターミルを用いて 粉砕し、平均粒径 400 mの粒子状の架橋体を作成し、この 20g〖こメタノールを 100 g吸収させて、ゲル状燃料組成物を得た。
[0147] 実施例 2において、燃料貯槽にこのゲル状燃料組成物を入れたこと以外は同様に して燃料電池装置の組み立て及び運転を行ったところ、同様に燃料極にメタノール 水溶液を安定に供給して長期に亘り安定運転で発電を行うことができた。
産業上の利用可能性
[0148] 本発明は、固体高分子電解質型燃料電池、特に携帯用小型燃料電池として有望 視されているダイレクトメタノール型燃料電池装置として有用である力 何らこれに限 定されず、様々な燃料電池装置に適用可能である。