明 細 書
被覆微粒子、 CVD装置及び CVD成膜方法、マイクロカプセル及びその 製造方法
技術分野
[0001] 本発明は、被覆微粒子、 CVD(chemical vapor deposition)装置及び CVD成膜方法 、マイクロカプセル及びその製造方法に関する。特には、微粒子の表面に該微粒子 より粒径の小さ ヽ超微粒子又は薄膜を被覆する被覆微粒子、 CVD装置及び CVD 成膜方法に関する。また、微粒子の表面に被覆した超微粒子又は薄膜からなるマイ クロカプセル及びその製造方法に関する
背景技術
[0002] 従来のスパッタリング装置について説明する。
真空室内に基板とスパッタリングターゲットを対向させて配置する。スパッタリングタ 一ゲットは力ソードに取り付けられている。そして、真空室内を高真空に排気し、真空 室内にアルゴンガスを導入する。この状態で力ソードに電力を供給するとスパッタリン グターゲットの近傍でグロ一放電が発生し、これにより生成したイオンがスパッタリング ターゲットに衝突してターゲット原子をはじき出し、ターゲット材が基板に堆積する。こ のようにして基板上にターゲット材を成膜する (特許文献 1参照)。
[0003] 特許文献 1 :特開平 5 - 171431号公報 (第 8段落一第 10段落、図 3)
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0004] 上記従来のスパッタリング装置を用いて微粒子の表面にターゲット材を成膜するこ とも考えられる。この場合、基板の代わりに微粒子をスパッタリングターゲットと対向さ せて配置することになる。
[0005] し力しながら、上記のスパッタリング装置では、ターゲット側の微粒子表面にターゲ ット材が偏って成膜されてしま 、、ターゲットとは反対側の微粒子表面にはターゲット 材がほとんど成膜されない。スパッタリング現象によってスパッタリングターゲットから はじき出された原子の飛来には方向性があり、ターゲット側の微粒子表面に原子が
降りそそぐようにして成膜される力 である。
[0006] また、上記スパッタリング装置では、凹凸のある微粒子の窪み部分にターゲット材を 成膜することも困難である。この理由もターゲット原子には方向性があるからである。 このように上記従来のスパッタリング装置では、微粒子の全表面を均一性高くコー ティング又は被覆することは非常に困難である。そこで、微粒子の表面に均一性よく 被覆できる成膜装置の開発が求められている。
また、スパッタリング装置は CVD装置に比べて成膜速度が遅いという欠点がある。同 一の薄膜をスパッタリング装置で成膜する場合と CVD装置で成膜する場合を成膜速 度の観点力 比較すると、スパッタリング装置は CVD装置に比べて成膜速度が 10倍 程度遅い。
[0007] 本発明は上記のような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、微粒子又 は粉体の表面に薄膜又は超微粒子を均一性よく被覆した被覆微粒子を提供すること にある。また、本発明の他の目的は、微粒子又は粉体の表面に薄膜又は超微粒子を 均一性よく被覆できる CVD装置及び CVD成膜方法を提供することにある。また、本 発明の他の目的は、微粒子の表面に被覆した超微粒子又は薄膜からなるマイクロ力 プセル及びその製造方法を提供することにある。
課題を解決するための手段
[0008] 上記課題を解決するため、化学気相成長法 (chemical vapor deposition)を用いた C VD装置に注目した。 CVD装置の場合、スパッタリング装置に比べて微粒子表面に 薄膜又は超微粒子を偏りの少ない状態で被覆することが可能である。尚、超微粒子 とは、微粒子より粒径の小さい微粒子をいう。微粒子表面に超微粒子が被覆された 状態としては、微粒子表面に超微粒子が連続的又は不連続に被覆された状態、微 粒子表面に超微粒子の集合体が連続的又は不連続に被覆された状態、超微粒子と 超微粒子の集合体が混在し且つ連続的又は不連続に被覆された状態を含むもので ある。
[0009] 以下、具体的に説明する。
本発明に係る被覆微粒子は、 CVD法によって微粒子の表面に該微粒子より粒径 の小さい超微粒子又は薄膜が被覆されたことを特徴とする。
[0010] 本発明に係る被覆微粒子は、内部の断面形状が略円形を有する容器を、前記断 面に対して略垂直方向を回転軸として回転させることにより、該容器内の微粒子を攪 拌あるいは回転させながら CVD法を用いることで、該微粒子の表面に該微粒子より 粒径の小さい超微粒子又は薄膜が被覆されたことを特徴とする。
[0011] 本発明に係る被覆微粒子は、内部の断面形状が多角形を有する容器を、前記断 面に対して略垂直方向を回転軸として回転させることにより、該容器内の微粒子を攪 拌あるいは回転させながら CVD法を用いることで、該微粒子の表面に該微粒子より 粒径の小さい超微粒子又は薄膜が被覆されたことを特徴とする。
[0012] 本発明に係る CVD成膜方法は、容器内に微粒子を収容し、
サーマル CVD法又はプラズマ CVD法を用いることで、該微粒子の表面に該微粒 子より粒径の小さい超微粒子又は薄膜を被覆することを特徴とする。
本発明に係る CVD成膜方法は、重力方向に対して略平行な断面の内部形状が略 円形である容器内に微粒子を収容し、
前記断面に対して略垂直方向を回転軸として前記容器を回転させることにより該容 器内の微粒子を攪拌ある 、は回転させながら CVD法を用いることで、該微粒子の表 面に該微粒子より粒径の小さい超微粒子又は薄膜を被覆することを特徴とする。
[0013] 本発明に係る CVD成膜方法は、重力方向に対して略平行な断面の内部形状が多 角形である容器内に微粒子を収容し、
前記断面に対して略垂直方向を回転軸として前記容器を回転させることにより該容 器内の微粒子を攪拌ある 、は回転させながら CVD法を用いることで、該微粒子の表 面に該微粒子より粒径の小さい超微粒子又は薄膜を被覆することを特徴とする。
[0014] 本発明に係る CVD装置は、微粒子を載置する容器と、
前記容器を収容するチャンバ一と、
前記容器に載置された微粒子を加熱する加熱機構と、
前記チャンバ一内に原料ガスを導入するガス導入機構と、
を具備し、
サーマル CVD法を用いることにより、前記微粒子の表面に該微粒子より粒径の小 さ ヽ超微粒子又は薄膜を被覆することを特徴とする。
[0015] 上記 CVD装置によれば、サーマル CVD法を用いることにより、微粒子又は粉体の 表面に薄膜又は超微粒子を従来のスパッタリング装置に比べて均一性よく被覆する ことができる。
[0016] また、前記本発明に係る CVD装置において、前記容器はチャンバ一と一体的に形 成されて!/ヽることも可能である。
[0017] 本発明に係る CVD装置は、微粒子を収容する容器であって、重力方向に対して略 平行な断面の内部形状が略円形である容器と、
前記断面に対して略垂直方向を回転軸として前記容器を回転させる回転機構と、 前記容器内に収容された微粒子を加熱する加熱機構と、
前記容器内に原料ガスを導入するガス導入機構と、
を具備し、
前記回転機構を用いて前記容器を回転させることにより該容器内の微粒子を攪拌 あるいは回転させながらサーマル CVD法を用いることで、該微粒子の表面に該微粒 子より粒径の小さい超微粒子又は薄膜を被覆することを特徴とする。
[0018] 上記 CVD装置によれば、容器の内部形状が略円形であるため、容器自体を回転 させることで粉体自体を回転させ攪拌させることができる。したがって、粒径の非常に 小さ 、微粒子に該微粒子より粒径が更に小さ!、超微粒子又は薄膜を均一性よく被覆 することが可能となる。
[0019] 本発明に係る CVD装置は、微粒子を収容する容器であって、重力方向に対して略 平行な断面の内部形状が多角形である容器と、
前記断面に対して略垂直方向を回転軸として前記容器を回転させる回転機構と、 前記容器内に収容された微粒子を加熱する加熱機構と、
前記容器内に原料ガスを導入するガス導入機構と、
を具備し、
前記回転機構を用いて前記容器を回転させることにより該容器内の微粒子を攪拌 あるいは回転させながらサーマル CVD法を用いることで、該微粒子の表面に該微粒 子より粒径の小さい超微粒子又は薄膜を被覆することを特徴とする。
[0020] 上記 CVD装置によれば、容器の内部形状が多角形であるため、容器自体を回転
させることで粉体自体を回転させ攪拌させることができる。容器の内部形状を多角形 とすることにより、粉体を重力により定期的に落下させることができる。このため、容器 の内部形状が略円形の場合に比べて攪拌効率を飛躍的に向上させることができ、粉 体を扱う時にしばしば問題となる水分や静電気力による粉体の凝集を防ぐことができ る。つまり回転により攪拌と、凝集した粉体の粉砕を同時かつ効果的に行うことができ る。したがって、粒径の非常に小さい微粒子に該微粒子より粒径が更に小さい超微 粒子又は薄膜を均一性よく被覆することが可能となる。
[0021] 本発明に係る CVD装置は、微粒子を載置する容器と、
前記容器を収容するチャンバ一と、
前記チャンバ一内に原料ガスを導入するガス導入機構と、
前記チャンバ一内に配置され、前記容器に対向するように配置された電極と、 を具備し、
プラズマ CVD法を用いることにより、前記微粒子の表面に該微粒子より粒径の小さ Vヽ超微粒子又は薄膜を被覆することを特徴とする。
[0022] 上記 CVD装置によれば、プラズマ CVD法を用いることにより、微粒子又は粉体の 表面に薄膜又は超微粒子を従来のスパッタリング装置に比べて均一性よく被覆する ことができる。
[0023] また、前記本発明に係る CVD装置にぉ 、て、前記容器は前記チャンバ一と一体的 に形成されて ヽることも可會である。
[0024] 本発明に係る CVD装置は、微粒子を収容する容器であって、重力方向に対して略 平行な断面の内部形状が略円形である容器と、
前記断面に対して略垂直方向を回転軸として前記容器を回転させる回転機構と、 前記容器内に配置された電極と、
前記容器内に原料ガスを導入するガス導入機構と、
を具備し、
前記回転機構を用いて前記容器を回転させることにより該容器内の微粒子を攪拌 あるいは回転させながらプラズマ CVD法を用いることで、該微粒子の表面に該微粒 子より粒径の小さい超微粒子又は薄膜を被覆することを特徴とする。
[0025] 上記 CVD装置によれば、容器の内部形状が略円形であるため、容器自体を回転 させることで粉体自体を回転させ攪拌させることができる。したがって、粒径の非常に 小さ 、微粒子に該微粒子より粒径が更に小さ!、超微粒子又は薄膜を均一性よく被覆 することが可能となる。
[0026] 本発明に係る CVD装置は、微粒子を収容する容器であって、重力方向に対して略 平行な断面の内部形状が多角形である容器と、
前記断面に対して略垂直方向を回転軸として前記容器を回転させる回転機構と、 前記容器内に配置された電極と、
前記容器内に原料ガスを導入するガス導入機構と、
を具備し、
前記回転機構を用いて前記容器を回転させることにより該容器内の微粒子を攪拌 あるいは回転させながらプラズマ CVD法を用いることで、該微粒子の表面に該微粒 子より粒径の小さい超微粒子又は薄膜を被覆することを特徴とする。
[0027] 上記 CVD装置によれば、容器の内部形状が多角形であるため、容器自体を回転 させることで粉体自体を回転させ攪拌させることができる。容器の内部形状を多角形 とすることにより、粉体を重力により定期的に落下させることができる。このため、容器 の内部形状が略円形の場合に比べて攪拌効率を飛躍的に向上させることができ、粉 体を扱う時にしばしば問題となる水分や静電気力による粉体の凝集を防ぐことができ る。つまり回転により攪拌と、凝集した粉体の粉砕を同時かつ効果的に行うことができ る。したがって、粒径の非常に小さい微粒子に該微粒子より粒径が更に小さい超微 粒子又は薄膜を均一性よく被覆することが可能となる。
[0028] また、前述した本発明に係る CVD装置それぞれにおいて、前記電極及び前記容器 のいずれか一方又は両方に接続されたプラズマ電源をさらに具備することが好まし い。このプラズマ電源は、高周波電源、マイクロ波用電源、 DC放電用電源及びそれ ぞれパルス変調された高周波電源、マイクロ波用電源、 DC放電用電源のいずれか であってもよい。
[0029] また、前述した本発明に係る CVD装置それぞれにお ヽて、前記ガス導入機構は、 前記電極からシャワー状のガスを前記容器内に導入する機構を有することも可能で
ある。
[0030] また、前述した本発明に係る CVD装置それぞれにお ヽて、前記容器を収容するチ ヤンバーと、該チャンバ一内を真空排気する真空排気機構とをさらに具備してもよい 。尚、前記容器はチャンバ一と一体的に形成されていても良いし、この場合は、回転 機構によって容器とともにチャンバ一も回転する構成となる。
[0031] 本発明に係るマイクロカプセルは、優れた生体適合性を有する DLCからなる超微 粒子又は薄膜により形成されたマイクロカプセルであって、
生体内部に導入した際、又は、生体に接触させた際、生体あるいは生体構成要素の 持つ本来の機能を損なわない性質を有することを特徴とする。
[0032] 本発明に係るマイクロカプセルは、外表面を構成する第 1の超微粒子又は第 1の薄 膜と、
前記第 1の超微粒子又は第 1の薄膜の内側に形成された第 2の超微粒子又は第 2 の薄膜とを具備するマイクロカプセルであって、
前記第 1の超微粒子又は前記第 1の薄膜は優れた生体適合性を有する DLCから なり、
生体内部に導入した際、又は、生体に接触させた際、生体あるいは生体構成要素の 持つ本来の機能を損なわない性質を有することを特徴とする。
[0033] 本発明に係るマイクロカプセルは、内部の断面形状が略円形である容器を、前記 断面に対して略垂直方向を回転軸として回転させることにより、該容器内の微粒子を 攪拌あるいは回転させながら CVD法を用いることで、該微粒子の表面に該微粒子よ り粒径の小さ ヽ超微粒子又は薄膜が被覆され、この被覆された超微粒子又は薄膜の 母体となっている前記微粒子が取り除かれたものであることを特徴とする。
[0034] 本発明に係るマイクロカプセルは、内部の断面形状が多角形である容器を、前記 断面に対して略垂直方向を回転軸として回転させることにより、該容器内の微粒子を 攪拌あるいは回転させながら CVD法を用いることで、該微粒子の表面に該微粒子よ り粒径の小さ ヽ超微粒子又は薄膜が被覆され、この被覆された超微粒子又は薄膜の 母体となっている前記微粒子が取り除かれたものであることを特徴とする。
[0035] 前述したそれぞれの本発明に係るマイクロカプセルにお 、ては、前記超微粒子又
は前記薄膜が優れた生体適合性を有する DLC力 なり、
生体内部に導入した際、又は、生体に接触させた際、生体あるいは生体構成要素 の持つ本来の機能を損なわな 、性質を有することが好まし 、。
[0036] 本発明に係るマイクロカプセルは、内部の断面形状が略円形である容器を、前記 断面に対して略垂直方向を回転軸として回転させることにより、該容器内の微粒子を 攪拌あるいは回転させながら CVD法を用いることで、該微粒子の表面に該微粒子よ り粒径の小さい第 1の超微粒子又は第 1の薄膜が被覆され、前記 CVD法を用いるこ とで、該第 1の超微粒子又は該第 1の薄膜の表面に前記微粒子より粒径の小さい第 2の超微粒子又は第 2の薄膜が被覆され、この被覆された第 1及び第 2の超微粒子 又は第 1及び第 2の薄膜の母体となっている前記微粒子が取り除かれたものであるこ とを特徴とする。
[0037] 本発明に係るマイクロカプセルは、内部の断面形状が多角形である容器を、前記 断面に対して略垂直方向を回転軸として回転させることにより、該容器内の微粒子を 攪拌あるいは回転させながら CVD法を用いることで、該微粒子の表面に該微粒子よ り粒径の小さい第 1の超微粒子又は第 1の薄膜が被覆され、前記 CVD法を用いるこ とで、該第 1の超微粒子又は該第 1の薄膜の表面に前記微粒子より粒径の小さい第 2の超微粒子又は第 2の薄膜が被覆され、この被覆された第 1及び第 2の超微粒子 又は第 1及び第 2の薄膜の母体となっている前記微粒子が取り除かれたものであるこ とを特徴とする。
[0038] また、前述した本発明に係るマイクロカプセルそれぞれは、前記第 2の超微粒子又 は前記第 2の薄膜が優れた生体適合性を有する DLC力 なり、
生体内部に導入した際、又は、生体に接触させた際、生体あるいは生体構成要素 の持つ本来の機能を損なわな 、性質を有することが好まし 、。
[0039] また、前述した本発明に係るマイクロカプセルそれぞれは、前記 DLCにつ 、てラマ ンスペクトル分析を行った結果のラマンスペクトル曲線において、 Gピークベースライ ン強度を Bとし、 Gピーク補正後強度を Aとした場合、 BZAの値が 1. 9未満であるこ とが好ましい。
[0040] また、本発明に係るマイクロカプセルにおいて、前記 DLCは、 0. 28WZcm2以上
の電力密度を用いて成膜されたものであることが好ま 、。
[0041] 本発明に係るマイクロカプセルの製造方法は、重力方向に対して略平行な断面の 内部形状が略円形である容器内に微粒子を収容し、
前記断面に対して略垂直方向を回転軸として前記容器を回転させることにより該容 器内の微粒子を攪拌ある 、は回転させながら CVD法を用いることで、該微粒子の表 面に該微粒子より粒径の小さい超微粒子又は薄膜を被覆させ、
前記被覆した超微粒子又は薄膜の母体となっている前記微粒子を取り除くことを特 徴とする。
[0042] 本発明に係るマイクロカプセルの製造方法は、重力方向に対して略平行な断面の 内部形状が多角形である容器内に微粒子を収容し、
前記断面に対して略垂直方向を回転軸として前記容器を回転させることにより該容 器内の微粒子を攪拌ある 、は回転させながら CVD法を用いることで、該微粒子の表 面に該微粒子より粒径の小さい超微粒子又は薄膜を被覆させ、
前記被覆した超微粒子又は薄膜の母体となっている前記微粒子を取り除くことを特 徴とする。
[0043] また、前述した本発明に係るマイクロカプセルの製造方法それぞれにお 、て、前記 超微粒子又は薄膜は、優れた生体適合性を有する DLC力 なり、
前記超微粒子又は薄膜を被覆させる際、前記容器内に、少なくとも炭素と水素を含 む炭化水素系ガスを 0. 5mTorr以上 500mTorr以下の圧力下で導入し、高周波電 源に接続された電極を前記容器内に配置し、前記電極に電力密度が 0. 28W/cm 2以上の高周波電力を印加してプラズマ CVD法により被覆することも可能である。
[0044] 本発明に係るマイクロカプセルの製造方法は、重力方向に対して略平行な断面の 内部形状が略円形である容器内に微粒子を収容し、
前記断面に対して略垂直方向を回転軸として前記容器を回転させることにより該容 器内の微粒子を攪拌ある 、は回転させながら CVD法を用いることで、該微粒子の表 面に該微粒子より粒径の小さい第 1の超微粒子又は第 1の薄膜を被覆させ、 重力方向に対して略平行な断面の内部形状が略円形である容器内に、前記第 1の 超微粒子又は前記第 1の薄膜が被覆された前記微粒子を収容し、
前記断面に対して略垂直方向を回転軸として前記容器を回転させることにより該容 器内の微粒子を攪拌ある 、は回転させながら CVD法を用いることで、前記第 1の超 微粒子又は前記第 1の薄膜の表面に前記微粒子より粒径の小さい第 2の超微粒子 又は第 2の薄膜を被覆させ、
前記被覆した第 1及び第 2の超微粒子又は第 1及び第 2の薄膜の母体となっている 前記微粒子を取り除くことを特徴とする。
[0045] 本発明に係るマイクロカプセルの製造方法は、重力方向に対して略平行な断面の 内部形状が多角形である容器内に微粒子を収容し、
前記断面に対して略垂直方向を回転軸として前記容器を回転させることにより該容 器内の微粒子を攪拌ある 、は回転させながら CVD法を用いることで、該微粒子の表 面に該微粒子より粒径の小さい第 1の超微粒子又は第 1の薄膜を被覆させ、 重力方向に対して略平行な断面の内部形状が多角形である容器内に、前記第 1の 超微粒子又は前記第 1の薄膜が被覆された前記微粒子を収容し、
前記断面に対して略垂直方向を回転軸として前記容器を回転させることにより該容 器内の微粒子を攪拌ある 、は回転させながら CVD法を用いることで、前記第 1の超 微粒子又は前記第 1の薄膜の表面に前記微粒子より粒径の小さい第 2の超微粒子 又は第 2の薄膜を被覆させ、
前記被覆した第 1及び第 2の超微粒子又は第 1及び第 2の薄膜の母体となっている 前記微粒子を取り除くことを特徴とする。
[0046] また、前述した本発明に係るマイクロカプセルの製造方法それぞれにお 、て、前記 第 2の超微粒子又は前記第 2の薄膜は、優れた生体適合性を有する DLC力 なり、 前記第 2の超微粒子又は前記第 2の薄膜を被覆させる際、前記容器内に、少なくと も炭素と水素を含む炭化水素系ガスを 0. 5mTorr以上 500mTorr以下の圧力下で 導入し、高周波電源に接続された電極を前記容器内に配置し、前記電極に電力密 度が 0. 28WZcm2以上の高周波電力を印加してプラズマ CVD法により被覆するこ とも可能である。
発明の効果
[0047] 以上説明したように本発明によれば、微粒子又は粉体の表面に薄膜又は超微粒子
を均一性よく被覆した被覆微粒子を提供することができる。また、他の本発明によれ ば、微粒子又は粉体の表面に薄膜又は超微粒子を均一性よく被覆できる CVD装置 及び CVD成膜方法を提供することができる。また、他の本発明によれば、微粒子の 表面に被覆した超微粒子又は薄膜からなるマイクロカプセル及びその製造方法を提 供することができる。
発明を実施するための形態
[0048] 以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
(実施の形態 1)
図 1は、本発明に係る実施の形態 1によるサーマル CVD装置の概略を示す構成図 である。このサーマル CVD装置は、微粒子 (又は粉体)の表面に、該微粒子より粒径 の小さ ヽ超微粒子 (ここでの超微粒子とは微粒子より粒径の小さ ヽ微粒子を ヽぅ)又 は薄膜を被覆させるための装置である。
[0049] サーマル CVD装置は、粉体 (微粒子) 1を載置又は収容する容器 2を有して 、る。
この容器 2の下部には、粉体 1を加熱する加熱機構としてのヒーター 4が配置されて V、る。容器 2及びヒーター 4はチャンバ一 3内に配置されて 、る。
[0050] また、サーマル CVD装置は、チャンバ一 3の内部にガスを導入するガス導入機構 を備えている。ガス導入機構は、 Oガスを導入する第 1ガス導入機構と、 SiHガスを
2 4 導入する第 2ガス導入機構とを有している。第 1ガス導入機構は、配管 5— 7、第 1バ ルブ 12、第 1マスフローコントローラ(MFC) 14及び Oガス供給源を有している。第 2
2
ガス導入機構は、配管 8— 10、第 2バルブ 13、第 1マスフローコントローラ(MFC) 15 及び SiHガス供給源を有している。
4
[0051] 配管 5の先端はチャンバ一 3に接続されており、配管 5の先端から Oガスをチャン
2
バー 3内に噴き出すようになつている。配管 5の基端は第 1バルブ 12の一方側に接続 されており、第 1バルブ 12の他方側は配管 6の一端に接続されている。配管 6の他端 はマスフローコントローラ 14の一端に接続されており、マスフローコントローラ 14の他 端は配管 7の一端に接続されている。配管 7の他端は Oガス供給源に接続されてい
2
る。
[0052] 配管 8の先端はチャンバ一 3に接続されており、配管 8の先端力 SiHガスをチヤ
ンバー 3内に噴き出すようになって!/、る。配管 8の基端は第 2バルブ 13の一方側に接 続されており、第 2バルブ 13の他方側は配管 9の一端に接続されている。配管 9の他 端はマスフローコントローラ 15の一端に接続されており、マスフローコントローラ 15の 他端は配管 10の一端に接続されている。配管 10の他端は SiHガス供給源に接続
4
されている。
[0053] また、サーマル CVD装置は、チャンバ一 3の内部を真空引きする真空ポンプ 16を 備えて 、る。この真空ポンプ 16は配管 11によってチャンバ一 3に接続されて 、る。
[0054] 次に、上記サーマル CVD装置を用いて粉体 (微粒子) 1に超微粒子又は薄膜を被 覆する CVD成膜方法にっ ヽて説明する。
まず、容器 2内に多くの微粒子が集まった粉体 1を収容する。容器 2内に収容する 粉体 1の量は、微粒子力もなる層を 2— 3層積層させる程度が好ましい。微粒子から なる層の積層数を多くすると、下層の方の微粒子には C VD成膜のための原料ガスが 到達しにくいため、下層の微粒子表面への薄膜の付きまわりが悪くなる力もである。 尚、微粒子 1を構成する母材は、榭脂でも金属でもセラミックでも良ぐ種々の材質を 用いることが可能であるが、本実施の形態では例えば Ti粉体又は Al O粉体を用い
2 3
る。また、微粒子 1は、単一の物質力も構成されている必要は必ずしも無ぐ複数の物 質を混合したものから構成されていることも可能である。また、微粒子 1の形状は、種 々の形状を用いることが可能であり、例えば球又は球に近い形状とすることが好まし い。
[0055] 次 、で、ヒーター 4で容器 2を介して粉体 1を所定の温度 (例えば 200°C程度)まで 加熱しながら、真空ポンプ 16を用いてチャンバ一 3内を所定の圧力(例えば 2 X 10— 3 Torr程度)まで減圧する。そして、第 1バルブ 12を開けてマスフローコントローラ 14に よって流量制御された酸素ガスを、配管 5— 7を通してチャンバ一 3の内部に導入す ると共に、第 2バルブ 13を開けてマスフローコントローラ 15によって流量制御された S ΪΗガスを、配管 8— 10を通してチャンバ一 3の内部に導入する。これにより、粉体 1
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の各々の微粒子表面に SiO力 なる超微粒子又は薄膜を被覆することができる。
2
[0056] 図 2は、図 1に示すサーマル CVD装置によって微粒子に薄膜を被覆した被覆微粒 子の一例を示す断面図である。
被覆微粒子 18は、微粒子 1の表面に薄膜 17が均一性よく被覆されたものである。た だし、前記サーマル CVD装置では、容器 2に収容された微粒子 1を静止させた状態 でサーマル CVD法により薄膜を成膜しているため、微粒子 1の底部 (容器 2と接する 側の部分)に被覆される薄膜の厚さは薄くなる。これに対し、従来のスパッタリング装 置によって微粒子に薄膜を被覆した場合、 CVD装置に比べて付きまわりが悪いため に、微粒子の上部 (スパッタリングターゲット側の部分)に主に薄膜が覆され、微粒子 の側部及び底部には十分に薄膜が被覆されない。
[0057] 上記実施の形態 1によれば、サーマル CVD装置を用いることにより、微粒子又は粉 体の表面に薄膜又は超微粒子を従来のスパッタリング装置に比べて均一性よく被覆 することができる。
また、本実施の形態では、 CVD法を用いるため、スパッタリング法に比べて結晶性 力 く緻密な薄膜を微粒子に被覆することができる。
[0058] (実施の形態 2)
図 3 (A)は、本発明に係る実施の形態 2によるサーマル CVD装置の概略を示す断 面図であり、図 3 (B)は、図 3 (A)に示す 3B— 3B線に沿った断面図である。このサー マル CVD装置は、微粒子 (又は粉体)の表面に、該微粒子より粒径の小さい超微粒 子又は薄膜を被覆させるための装置である。
[0059] サーマル CVD装置は円筒形状のチャンバ一 3を有している。このチャンバ一 3の両 端はチャンバ一蓋 20によって閉じられている。チャンバ一 3の内部には容器 19が配 置されている。この容器 19は円筒形状の部分 (丸型バレル)を有しており、この丸型 バレルの内部に粉体 (微粒子) 1が収容されるようになっている。図 3 (B)で示す断面 は、重力方向に対して略平行な断面である。なお、本実施の形態では、断面形状が 略円形の容器 19を用いているが、これに限定されるものではなぐ断面形状が略楕 円形の容器を用いることも可能である。
[0060] 容器 19には回転機構(図示せず)が設けられており、この回転機構により容器 19を 矢印のように回転させることで該容器 19内の粉体 (微粒子) 1を攪拌あるいは回転さ せながら被覆処理を行うものである。前記回転機構により容器 19を回転させる際の 回転軸は、略水平方向(重力方向に対して垂直方向)に平行な軸である。また、容器
19の外面には、粉体 1を加熱する加熱機構としてのヒーター 21が配置されている。
[0061] また、サーマル CVD装置は、容器 19の内部にガスを導入するガス導入機構を備え ている。ガス導入機構は、 Oガスを導入する第 1ガス導入機構と、 SiHガスを導入す
2 4
る第 2ガス導入機構とを有して ヽる。第 1ガス導入機構及び第 2ガス導入機構それぞ れの構造は実施の形態 1と略同様である。また、サーマル CVD装置は、チャンバ一 3 の内部を真空引きする真空ポンプ(図示せず)を備えて 、る。
[0062] 次に、上記サーマル CVD装置を用いて粉体 (微粒子) 1に超微粒子又は薄膜を被 覆する CVD成膜方法にっ ヽて説明する。
まず、容器 19内に多くの微粒子が集まった粉体 1を収容する。尚、粉体 1としては 種々の材質を用いることが可能である力 本実施の形態では実施の形態 1と同様に 例えば Ti粉体又は Al O粉体を用いる。
2 3
[0063] 次 、で、ヒーター 4で容器 19を介して粉体 1を所定の温度 (例えば 200°C程度)まで 加熱しながら、真空ポンプ 16を用いてチャンバ一 3内を所定の圧力(例えば 2 X 10— 3 Torr程度)まで減圧する。そして、第 1ガス導入機構によって流量制御された酸素ガ スを容器 19の内部に導入すると共に、第 2ガス導入機構によって流量制御された Si Hガスを容器 19の内部に導入する。そして、回転機構により容器 19を所定の回転
4
速度 (例えば 15rpm)で所定時間(例えば 120分)回転させることで、容器 19内の粉 体 1を回転させ、攪拌させる。これにより、粉体 1の各々の微粒子表面に SiO膜から
2 なる超微粒子又は薄膜を均一性よく被覆することができる。
[0064] 上記実施の形態 2においても実施の形態 1と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態によれば、丸型バレルの容器 19自体を回転させることで粉体自 体を回転させ攪拌できるため、粉体を扱う時にしばしば問題となる水分や静電気力 による粉体の凝集を防ぐことができる。したがって、粒径の非常に小さい微粒子に該 微粒子より粒径が更に小さい超微粒子又は薄膜を均一性よく被覆することが可能と なる。
[0065] (実施の形態 3)
図 4 (A)は、本発明に係る実施の形態 3によるサーマル CVD装置の概略を示す断 面図であり、図 4 (B)は、図 4 (A)に示す 4B— 4B線に沿った断面図である。図 4にお
いて図 3と同一部分には同一符号を付し、同一部分の説明は省略する。
[0066] チャンバ一 3の内部には容器 22が配置されている。この容器 22は、図 4 (B)に示す ようにその断面が六角形のバレル形状 (六角型バレル形状)を有している。そして、容 器 22の内部に粉体 (微粒子) 1が収容されるようになっている。図 4 (B)で示す断面は 、重力方向に対して略平行な断面である。なお、本実施の形態では、六角型バレル 形状の容器 22を用いているが、これに限定されるものではなぐ六角形以外の多角 形のバレル形状の容器を用いることも可能である。
[0067] 容器 22には実施の形態 2と同様に回転機構(図示せず)が設けられている。この回 転機構により容器 22を矢印のように回転させることで該容器 22内の粉体 (微粒子) 1 を攪拌あるいは回転させながら被覆処理を行うものである。前記回転機構により容器 22を回転させる際の回転軸は、略水平方向(重力方向に対して垂直方向)に平行な 軸である。
[0068] また、容器 22の外面には実施の形態 2と同様に加熱機構が配置されている。また、 本サーマル CVD装置は実施の形態 2と同様にガス導入機構及び真空ポンプを備え ている。
[0069] 次に、上記サーマル CVD装置を用いて粉体 (微粒子) 1に超微粒子又は薄膜を被 覆する CVD成膜方法にっ ヽて説明する。
まず、容器 19内に多くの微粒子が集まった粉体 1を収容する。尚、粉体 1としては 種々の材質を用いることが可能である力 本実施の形態では実施の形態 1と同様に 例えば Ti粉体又は Al O粉体を用いる。
2 3
[0070] 次 、で、ヒーター 4で容器 22を介して粉体 1を所定の温度まで加熱しながら、真空 ポンプを用いてチャンバ一 3内を所定の圧力まで減圧する。そして、第 1ガス導入機 構によって流量制御された酸素ガスを容器 22の内部に導入すると共に、第 2ガス導 入機構によって流量制御された SiHガスを容器 22の内部に導入する。そして、回転
4
機構により容器を所定の回転速度で所定時間回転させることで、容器 22内の粉体 1 を回転させ、攪拌させる。これにより、粉体 1の各々の微粒子表面に SiO膜からなる
2 超微粒子又は薄膜を均一性よく被覆することができる。
[0071] 図 5は、図 4に示すサーマル CVD装置によって微粒子に薄膜を被覆した被覆微粒
子の一例を示す断面図である。
被覆微粒子 23は、微粒子 1の表面に薄膜 17が均一性よく被覆されたものである。前 記サーマル CVD装置では、容器 22を回転させることで微粒子 1を回転させ攪拌しな 力 Sらサーマル CVD法により薄膜を成膜しているため、微粒子丄の表面全体に薄膜を 非常に均一性よく被覆することができる。また、微粒子 1の表面に凹凸又は窪みがあ る場合でも、膜の付きまわりが良いという CVD装置の特性上、凹凸又は窪みにカバ レージよく薄膜を被覆することができる。これに対し、従来のスパッタリング装置によつ て凹凸又は窪みがある微粒子に薄膜を被覆した場合、 CVD装置に比べて付きまわ りが悪いために、凹凸又は窪みには薄膜が十分に被覆されない。
[0072] 上記実施の形態 3においても実施の形態 1と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態によれば、六角型バレル形状の容器 22自体を回転させることで 粉体自体を回転させ攪拌でき、更にバレルを六角型とすることにより、粉体を重力に より定期的に落下させることができる。このため、実施の形態 2に比べて攪拌効率を 飛躍的に向上させることができ、粉体を扱う時にしばしば問題となる水分や静電気力 による粉体の凝集を防ぐことができる。つまり回転により攪拌と、凝集した粉体の粉砕 を同時かつ効果的に行うことができる。したがって、粒径の非常に小さい微粒子に該 微粒子より粒径が更に小さい超微粒子又は薄膜を均一性よく被覆することが可能と なる。具体的には、粒径が 50 m以下の微粒子に超微粒子又は薄膜を被覆するこ とが可能となる。
[0073] (実施の形態 4)
図 6は、本発明に係る実施の形態 4によるプラズマ CVD装置の概略を示す構成図 である。このプラズマ CVD装置は、微粒子 (又は粉体)の表面に、該微粒子より粒径 の小さい超微粒子又は薄膜を被覆させるための装置である。
[0074] プラズマ CVD装置はチャンバ一 3を有している。チャンバ一 3内には、コーティング 対象の粉体 (微粒子) 1を収容する容器 2が配置されている。この容器 2はプラズマ電 源 31又は接地電位に接続されるようになっており、両者はスィッチ 32により切り替え 可能に構成されている。
[0075] また、プラズマ CVD装置は、チャンバ一 3内に原料ガスを導入する原料ガス導入機
構を備えて ヽる。この原料ガス導入機構は筒状のガスシャワー電極 24を有しており、 このガスシャワー電極 24はチャンバ一 3内に配置されている。ガスシャワー電極 24の 一方側には、単数又は複数の原料ガスをシャワー状に吹き出すガス吹き出し口が複 数形成されている。このガス吹き出し口は容器に収容された粉体 1と対向するよう〖こ 配置されて 、る。ガスシャワー電極 24の他方側は真空バルブ 26を介してマスフロー コントローラ(MFC) 27の一方側に接続されている。マスフローコントローラ 27の他方 側は図示せぬ真空バルブ及びフィルターなどを介して原料ガス発生源 28に接続さ れている。この原料ガス発生源 28は、粉体に被覆する薄膜によって発生させる原料 ガスの種類が異なるが、例えば SiO膜を成膜する場合は SiHガス等を発生させるも
2 4
のとする。
[0076] また、プラズマ CVD装置はプラズマパワー供給機構を備えており、このプラズマパ ヮー供給機構はガスシャワー電極 24にスィッチ 33を介して接続されたプラズマ電源 25を有している。プラズマ電源 25, 31は、高周波電力(RF出力)を供給する高周波 電源、マイクロ波用電源、 DC放電用電源、及びそれぞれパルス変調された高周波 電源、マイクロ波用電源、 DC放電用電源のいずれかであればよい。例えばプラズマ 電源が高周波電力を供給するものである場合、図示せぬインピーダンス整合器 (マツ チングボックス)を高周波電源とガスシャワー電極 24との間に配置することが好ましい 。つまり、この場合、ガスシャワー電極 24はマッチングボックスに接続されており、マツ チングボックスは同軸ケーブルを介して高周波電源 (RF電源)に接続されて!、る。 尚、ガスシャワー電極 24及び容器 2の 、ずれか一方にプラズマ電源が接続され、 他方に接地電位が接続されていても良いし、ガスシャワー電極 24及び容器 2の両方 にプラズマ電源が接続されて ヽても良!、。
[0077] また、プラズマ CVD装置は、チャンバ一 3内を真空排気する真空排気機構を備え ている。例えば、ガスシャワー電極 12にはチャンバ一 3内を排気する排気口(図示せ ず)が複数設けられており、排気口は真空ポンプ(図示せず)に接続されている。
[0078] 次に、上記プラズマ CVD装置を用いて粉体 1に超微粒子又は薄膜を被覆する方 法について説明する。
まず、複数の微粒子からなる粉体 1を容器 2内に収容する。容器 2内に収容する粉
体 1の量及び粉体の材質は実施の形態 1と同様である。この後、真空ポンプを作動さ せることによりチャンバ一 3内を所定の圧力(例えば 2 X 10— 3Torr程度)まで減圧する
[0079] 次 、で、真空ノ レブ 26を開き、原料ガス発生源 28にお 、て原料ガス(例えば SiH
4 ガス)を発生させ、この原料ガスをマスフローコントローラ 27によって流量制御し、この 流量制御された原料ガスをガスシャワー電極 24の内側に導入する。そして、ガスシャ ヮー電極のガス吹き出しロカも原料ガスを吹き出させる。
[0080] この後、ガスシャワー電極 24に例えばマッチングボックスを介してプラズマ電源 25 の一例である高周波電源 (RF電源)から例えば 13. 56MHzの RF出力が供給される 。この際、容器 2は接地電位に接続されている。これにより、ガスシャワー電極 24と容 器 2との間にプラズマを着火する。このとき、マッチングボックスは、容器 2とガスシャヮ 一電極 24のインピーダンスに、インダクタンス 、キャパシタンス Cによって合わせて いる。これによつて、チャンバ一 3内にプラズマが発生し、 SiO力もなる超微粒子又は
2
薄膜が微粒子 1の表面に被覆される。
[0081] 上記実施の形態 4によれば、プラズマ CVD装置を用いることにより、微粒子又は粉 体の表面に薄膜又は超微粒子を従来のスパッタリング装置に比べて均一性よく被覆 することができる。
[0082] また本実施の形態では、プラズマ CVD法を用いるため、 100°C以下の低温でも微 粒子表面に薄膜等を被覆することが可能である。従って、 100°C以上の高温で分解 しゃす ヽ微粒子や相変化を起こしやす ヽ微粒子、或いは表面変質しやす 、微粒子 に薄膜等を被覆することが可能となる。
また、本実施の形態では、プラズマ CVD装置を用いるため、スパッタリング装置を 用いる場合に比べてターゲット交換が不要であり、メンテナンス性が良い。
[0083] (実施の形態 5)
図 7 (A)は、本発明に係る実施の形態 5によるプラズマ CVD装置の概略を示す断 面図であり、図 7 (B)は、図 7 (A)に示す 7B— 7B線に沿った断面図である。このプラ ズマ CVD装置は、微粒子 (又は粉体)の表面に、該微粒子より粒径の小さい超微粒 子又は薄膜を被覆させるための装置である。
[0084] プラズマ CVD装置は円筒形状のチャンバ一 3を有している。このチャンバ一 3の両 端はチャンバ一蓋 20によって閉じられている。チャンバ一 3の内部には容器 29が配 置されている。この容器 29は円筒形状の部分 (丸型バレル)を有しており、この丸型 バレルの内部にコーティング対象物としての粉体 (微粒子) 1が収容されるようになつ ている。また、容器 29は、電極としても機能し、プラズマ電源 31又は接地電位に接続 されるようになっており、両者はスィッチ 32により切り替え可能に構成されている。図 7 (B)で示す断面は、重力方向に対して略平行な断面である。なお、本実施の形態で は、断面形状が略円形の容器 29を用いているが、これに限定されるものではなぐ断 面形状が略楕円形の容器を用いることも可能である。
[0085] 容器 29には回転機構(図示せず)が設けられており、この回転機構によりガスシャヮ 一電極 24を回転中心として容器 29を矢印のように回転させることで該容器 29内の 粉体 (微粒子) 1を攪拌あるいは回転させながら被覆処理を行うものである。前記回転 機構により容器 29を回転させる際の回転軸は、略水平方向(重力方向に対して垂直 方向)に平行な軸である。また、チャンバ一 3内の気密性は、容器 29の回転時におい ても保持されている。
[0086] また、プラズマ CVD装置は、チャンバ一 3内に原料ガスを導入する原料ガス導入機 構を備えて 、る。この原料ガス導入機構は筒状のガスシャワー電極 24を有しており、 このガスシャワー電極 24は容器 29内に配置されている。即ち、容器 29の一方側に は開口部が形成されており、この開口部力もガスシャワー電極 24が挿入されている。 ガスシャワー電極 24には、単数又は複数の原料ガスをシャワー状に吹き出すガス吹 き出し口が複数形成されている。このガス吹き出し口は容器に収容された粉体 1と対 向するように配置されている。ガス吹き出し口は、図 7 (B)に示すように重力方向 30 に対して容器 29の回転方向に 1° 一 90° 程度の方向に配置されている。
[0087] ガスシャワー電極 24は、実施の形態 4と同様に真空バルブ、マスフローコントローラ
(MFC)、真空バルブ、フィルター、原料ガス発生源に接続されている(図示せず)。 この原料ガス発生源は、粉体に被覆する薄膜によって発生させる原料ガスの種類が 異なるが、例えば SiO膜を成膜する場合は SiHガス等を発生させるものとする。
2 4
[0088] また、プラズマ CVD装置はプラズマパワー供給機構を備えており、このプラズマパ
ヮー供給機構は実施の形態 4と同様の構造を有している。また、プラズマ CVD装置 は、チャンバ一 3内を真空排気する真空排気機構を備えており、真空排気機構の構 造は実施の形態 4と略同様である。
[0089] 次に、上記プラズマ CVD装置を用いて粉体 1に超微粒子又は薄膜を被覆する方 法について説明する。
まず、複数の微粒子からなる粉体 1を容器 2内に収容する。尚、粉体 1としては種々 の材質を用いることが可能である力 本実施の形態では実施の形態 1と同様に例え ば Ti粉体又は Al O粉体を用いる。この後、真空ポンプを作動させることによりチャン
2 3
バー 3内を所定の圧力(例えば 2 X 10— 3Torr程度)まで減圧する。これと共に、回転 機構により容器 29を回転させることで、その内部に収容された粉末 (微粒子) 1が容 器内面において重力方向 30とそれに対して回転方向に 90° の間を転がりながら動
<o
[0090] 次 、で、原料ガス発生源にぉ 、て原料ガス (例えば SiHガス)を発生させ、この原
4
料ガスをマスフローコントローラによって流量制御し、この流量制御された原料ガスを ガスシャワー電極 24の内側に導入する。そして、ガスシャワー電極のガス吹き出し口 力も原料ガスを吹き出させる。これにより、容器 29内を転がりながら動いている微粒 子 1に原料ガスが吹き付けられ、制御されたガス流量と排気能力のバランスによって 、 CVD法による成膜に適した圧力に保たれる。
[0091] この後、ガスシャワー電極 24に例えばマッチングボックスを介してプラズマ電源 25 の一例である高周波電源 (RF電源)から例えば 13. 56MHzの RF出力が供給される 。この際、容器 29は接地電位に接続されている。これにより、ガスシャワー電極 24と 容器 29との間にプラズマを着火する。このとき、マッチングボックスは、容器 2とガスシ ャヮー電極 24のインピーダンスに、インダクタンス 、キヤノ シタンス Cによって合わせ ている。これによつて、容器 29内にプラズマが発生し、 SiO力もなる超微粒子又は薄
2
膜が微粒子 1の表面に被覆される。つまり、容器 29を回転させることによって微粒子 1を転がしているため、微粒子 1の表面全体に薄膜を均一に被覆することが容易にで きる。
[0092] 上記実施の形態 5においても実施の形態 4と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態によれば、丸型バレルの容器 29自体を回転させることで粉体自 体を回転させ攪拌できるため、粉体を扱う時にしばしば問題となる水分や静電気力 による粉体の凝集を防ぐことができる。したがって、粒径の非常に小さい微粒子に該 微粒子より粒径が更に小さい超微粒子又は薄膜を均一性よく被覆することが可能と なる。
[0093] (実施の形態 6)
図 8 (A)は、本発明に係る実施の形態 6によるプラズマ CVD装置の概略を示す断 面図であり、図 8 (B)は、図 8 (A)に示す 8B— 8B線に沿った断面図である。図 8にお いて図 7と同一部分には同一符号を付し、同一部分の説明は省略する。
[0094] チャンバ一 3の内部には容器 30が配置されている。この容器 30は、図 8 (B)に示す ようにその断面が六角形のバレル形状 (六角型バレル形状)を有している。そして、容 器 30の内部にはコーティング対象物である粉体 (微粒子) 1が収容されるようになって いる。また、容器 30は、電極としても機能し、プラズマ電源 31又は接地電位に接続さ れるようになっており、両者はスィッチ 32により切り替え可能に構成されている。図 8 ( B)で示す断面は、重力方向に対して略平行な断面である。なお、本実施の形態で は、六角型バレル形状の容器 30を用いている力 これに限定されるものではなぐ六 角形以外の多角形のバレル形状の容器を用いることも可能である。
[0095] 容器 30には実施の形態 5と同様に回転機構(図示せず)が設けられている。この回 転機構により容器 30を矢印のように回転させることで該容器 30内の粉体 (微粒子) 1 を攪拌あるいは回転させながら被覆処理を行うものである。前記回転機構により容器 30を回転させる際の回転軸は、略水平方向(重力方向に対して垂直方向)に平行な 軸である。
[0096] また、プラズマ CVD装置は実施の形態 5と同様に原料ガス導入機構及び真空排気 機構を備えて!/、る。この原料ガス導入機構は実施の形態 5と同様に筒状のガスシャヮ 一電極 24を有している。また、プラズマ CVD装置は実施の形態 5と同様にプラズマ ノ ヮ一供給機構を備えて 、る。
[0097] 次に、上記プラズマ CVD装置を用いて粉体 (微粒子) 1に超微粒子又は薄膜を被 覆する CVD成膜方法にっ ヽて説明する。
まず、複数の微粒子力もなる粉体 1を容器 30内に収容する。尚、粉体 1としては種 々の材質を用いることが可能である力 本実施の形態では実施の形態 1と同様に例 えば Ti粉体又は Al O粉体を用いる。この後、真空ポンプを作動させることによりチヤ
2 3
ンバー 3内を所定の圧力(例えば 2 X 10— 3Torr程度)まで減圧する。これと共に、回 転機構により容器 30を回転させることで、その内部に収容された粉末 (微粒子) 1が 容器内面において攪拌又は回転される。
[0098] 次 、で、原料ガス発生源にぉ 、て原料ガス (例えば SiHガス)を発生させ、この原
4
料ガスをマスフローコントローラによって流量制御し、この流量制御された原料ガスを ガスシャワー電極 24の内側に導入する。そして、ガスシャワー電極のガス吹き出し口 力も原料ガスを吹き出させる。これにより、容器 30内を攪拌又は回転しながら動いて Vヽる微粒子 1に原料ガスが吹き付けられ、制御されたガス流量と排気能力のバランス によって、 CVD法による成膜に適した圧力に保たれる。
[0099] この後、ガスシャワー電極 24に例えばマッチングボックスを介してプラズマ電源 25 の一例である高周波電源 (RF電源)から例えば 13. 56MHzの RF出力が供給される 。この際、容器 30は接地電位に接続されている。これにより、ガスシャワー電極 24と 容器 30との間にプラズマを着火する。このとき、マッチングボックスは、容器 2とガスシ ャヮー電極 24のインピーダンスに、インダクタンス 、キヤノ シタンス Cによって合わせ ている。これによつて、容器 30内にプラズマが発生し、 SiO力もなる超微粒子又は薄
2
膜が微粒子 1の表面に被覆される。つまり、容器 30を回転させることによって微粒子 1を攪拌し、回転させているため、微粒子 1の表面全体に薄膜を均一に被覆すること が容易にできる。
[0100] 上記実施の形態 6においても実施の形態 4と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態によれば、六角型バレル形状の容器 30自体を回転させることで 粉体自体を回転させ攪拌でき、更にバレルを六角型とすることにより、粉体を重力に より定期的に落下させることができる。このため、実施の形態 5に比べて攪拌効率を 飛躍的に向上させることができ、粉体を扱う時にしばしば問題となる水分や静電気力 による粉体の凝集を防ぐことができる。つまり回転により攪拌と、凝集した粉体の粉砕 を同時かつ効果的に行うことができる。したがって、粒径の非常に小さい微粒子に該
微粒子より粒径が更に小さ 、超微粒子又は薄膜を被覆することが可能となる。具体 的には、粒径が 50 m以下の微粒子に超微粒子又は薄膜を被覆することが可能と なる。
[0101] (実施の形態 7)
本発明の実施の形態 7によるマイクロカプセルについて説明する。
第 1のマイクロカプセルは、微粒子の表面に優れた生体適合性を有する DLCから なる超微粒子又は薄膜を被覆し、この被覆された超微粒子又は薄膜の母体となって いる前記微粒子を取り除いたものである。また、他の例である第 2のマイクロカプセル は、微粒子の表面に第 1の超微粒子又は第 1の薄膜を被覆し、第 1の超微粒子又は 第 1の薄膜の表面に優れた生体適合性を有する DLC力 なる第 2の超微粒子又は 第 2の薄膜を被覆し、この被覆された第 1及び第 2の超微粒子又は第 1及び第 2の薄 膜の母体となっている前記微粒子を取り除いたものである。このようなマイクロカプセ ルは、医薬としてのドラッグデリバリーなどに適用するものである。尚、 DLC(Diamond Like Carbon)膜は、炭素間の SP3結合を主体としたアモルファスな炭素で、非常に硬 ぐ絶縁性に優れ、高屈折率で非常に滑らかなモルフォロジを有する硬質炭素膜で ある。
[0102] ここでの DLC力もなる超微粒子又は薄膜 (以下、 DLC膜と呼ぶ)は、炭素を主成分 とする非晶質炭素系薄膜であって、山形状を有する曲線を 2つ以上合成したラマンス ベクトル曲線を持つものを 、 、、比較的軟らカ 、もの力 非常に硬 、ものまで含まれ る。このラマンスペクトルは図 9に示すようなものである。但し、図 9に示すラマンスぺク トルは単なる一例である。
[0103] 図 9に示すように、ラマンスペクトル曲線 110は、 Gバンドと Dバンドと呼ばれる 2つの 山を有するものであって、波数 (wavenumber)が 1500付近にピークを有する山形状 の曲線 (Gバンド) 111と波数が 1300付近にピークを有する山形状の曲線 (Dバンド) 112とを合成したものである。
[0104] 上記優れた生体適合性を有する DLC膜は、その DLC膜を生体内部に導入した際 、又は、生体に接触させた際、生体あるいは生体構成要素の持つ本来の機能を損な わな 、性質を有するものであり、細胞毒性がほとんど無 ヽと 、う性質を有するもので
ある。
[0105] ここで、生体適合性に優れて!/ヽることは、組織適合性に優れ、非免疫性に優れ、血 液適合性にも優れて 、ることを 、う。
[0106] 組織適合性とは、 DLC膜を生体内部に導入した際、又は、生体に接触させた際、 生体の組織を構成する細胞にダメージを発現させないことをいう。言い換えると、細 胞毒性を発現させな 、ことである。
細胞毒性とは、本来、増殖 *分ィ匕していく細胞が、ある物質と直接又は間接的に接 触し、破壊されることをいう。
[0107] 非免疫性とは、 DLC膜を生体内部に導入した際、又は、生体に接触させた際、生 体外部からの刺激 (有害な異物)から生体を守る免疫反応を誘発させな!/ヽことを ヽぅ。 血液適合性とは、 DLC膜を血液と接触する部位で使用する際、不必要な血液の凝 固(血栓形成)や破壊 (溶血)を起こさな 、ことを 、う。血液凝固には 、くつかの要因 があるが、その一つに血小板の吸着が挙げられる。血液中のアルブミンが吸着した 材料表面は血小板の吸着が起こりにくいため、血栓形成を抑制することになる。
[0108] 次に、上記 DLC膜が生体適合性を有することを確認するための細胞実験を行った ので、それについて説明する。
[0109] 実験方法について説明する。
まず、細胞を培養するポリスチレン製ディッシュを準備する。このディッシュは、平面 が四角形状を有しており、縦 8列、横 12列の合計 96個の穴 (窪み)が設けられ、この 穴の中に培養液と細胞を入れて細胞を培養するものである。これらの穴の底 (底面) には次のような処理が施されている。すなわち、 C Hの使用ガス、 20sccmのガス流
7 8
量、 5mmTorrのガス圧、下記 A— Iの RF出力と成膜時間で穴底に DLC膜をコーテ イングしたもの、ポリスチレン(PS)のままのもの、 TCD (ティッシュカルチャーポリスチ レンディッシュ)処理を施したものが各々 8個ずつ設けられて 、る。 TCDは組織培養 用ディッシュである。
[0110] 成膜条件 A: 300Wの RF出力、 30秒の成膜時間
成膜条件 B: 300Wの RF出力、 60秒の成膜時間
成膜条件 C : 300Wの RF出力、 90秒の成膜時間
成膜条件 D: 500Wの RF出力、 30秒の成膜時間
成膜条件 E : 500Wの RF出力、 60秒の成膜時間
成膜条件 F: 500Wの RF出力、 90秒の成膜時間
成膜条件 G : 900Wの RF出力、 30秒の成膜時間
成膜条件 H : 900Wの RF出力、 60秒の成膜時間
成膜条件 I : 900Wの RF出力、 90秒の成膜時間
[0111] 次に、細胞を培地にて調整し、この細胞懸濁液を上記ディッシュの各々の穴に入れ 、 24時間のインキュベート後、穴の底面部における細胞接着性評価、細胞毒性評価 を行った。なお、細胞としてはラット頭蓋冠由来骨芽細胞 (マウスの頭頂部の骨の細 胞)を用い、培地としては DMEM培地と 10%FBS (血清)と抗生物質、非必須アミノ 酸などの培地に必要な栄養分を含むものを用いる。
[0112] 細胞接着性を評価するための細胞接着試験について説明する。
まず、ラット頭蓋冠由来骨芽細胞を DMEM培地にて 8 X 104cells/mlに調整し、こ の細胞懸濁液 100 1を上記ディッシュの各々の穴に入れる。そして、 24時間のイン キュベート後、穴の底面部に接着している細胞数を MTT assayにて算出した。
[0113] MTTはミトコンドリア中の酵素により formazanに変化する。 Formazanを溶解し、比色 定量することにより、ミトコンドリアの活性を評価できる。生成した formazan量は生細胞 数に比例するため、 MTT assayの吸光度(O. D. 595nm)の値を接着細胞数とす る。つまり、ミトコンドリアは 1細胞につき 1個あるから、 MTT assayの吸光度の値から 測定したミトコンドリアの数によって接着細胞数を測定できる。この結果は図 10に示さ れている。
[0114] 図 10は、細胞接着評価の結果を示すものであり、ディッシュにおける PS (ポリスチレ ン)、 DLCをコーティングした A— I及び TCDそれぞれと吸光度(O. D. 595nm)との 関係を示す棒グラフである。図 10によれば、縦軸の値が高い程、接着した細胞数が 多、ことを示して 、るが、 A— Iは DLCをコーティングして!/ヽな 、PSと比較して細胞接 着性が明らかに良好であった。また、細胞接着性は対象比較として用いた TCDよりも 若干良好であった。
[0115] 細胞毒性を評価するための細胞毒性試験について説明する。
まず、ラット頭蓋冠由来骨芽細胞を DMEM培地にて 8 X 104cells/mlに調整し、こ の細胞懸濁液 100 1を上記ディッシュの各々の穴に入れる。そして、 24時間のイン キュペート後、細胞膜障害性試験である LDH漏出測定法にて細胞毒性を定量的に 測定した。
[0116] ライソソーム酵素である LDHは、細胞膜が障害を受けた場合に細胞内から培地中 に放出される。この放出された LDHを、 Iatrozyme LDH— L Kitを用い吸光度(
Q
O. D. 595nm)を比色定量した。 LDHの溶出率が高いほど、細胞膜に与えるダメー ジが大きいので、細胞毒性が強いと言える。この試験結果は図 11に示されている。
[0117] 図 11は、細胞毒性評価の結果を示すものであり、ディッシュにおける PS (ポリスチレ ン)、 DLCをコーティングした A— I及び TCDそれぞれと LDHの溶出率との関係を示 す棒グラフである。
[0118] 図 11にお 、て、縦軸の LDHの溶出率の値が高 、程、細胞膜に対する障害性が高 V、こと (即ち細胞膜に与えるダメージが大き 、こと)を示して 、る。 DLCをコーティング していない未処理の PSでは、 LDHの溶出率が 20%と高い値を示しており、細胞膜 の障害性が高いといえる。しかし、 DLCをコーティングした A— Iでは、 LDHの溶出率 が低い値を示しているので、細胞膜の障害性が低いと言える。従って、 DLCをコーテ イングすることにより、細胞膜の障害性を抑えることができる。 A— Iは DLCをコーティ ングしていない PSと比較して明らかに低い毒性であった。また、細胞毒性は対象比 較として用いた TCDとほぼ同等であった。
[0119] 細胞接着評価及び細胞毒性評価を行った結果、ディッシュにおいて DLCをコーテ イングしたものは、 DLC膜の膜厚によらず、 TCDと同程度又はそれ以上の細胞接着 性を有し、低細胞毒性であることが判明した。従って、 DLC膜は生体適合性が非常 に優れていると言える。また、膜厚依存性が見られないので、 PS表面に DLC膜を若 干でもコーティングしておけば、骨芽細胞にとって良好な増殖の場となり得るのである
[0120] 次に、上記 DLC膜が血液適合性を有することを確認するための実験を行ったので
、それについて説明する。
[0121] 実験方法方について説明する。
まず、ポリスチレン製ディッシュを準備する。このディッシュは前述した細胞実験に用 いたものと同様である。
次に、タンパク溶液をディッシュの各々の穴に入れ、酵素免疫測定法 (ELISA法) を用いて、穴の底面部に吸着したタンパク質を検出する。なお、 ELISA法は、 enzyme-liked immunosorbentassayの略で酵素活性を標識して抗原抗体応を追跡し 、抗原又は抗体の量を定量するという方法であって、検出感度が非常に高ぐナノグ ラム'オーダーのタンパク質を検出することが可能である。
[0122] 具体的な実験方法について説明する。各種ディッシュに 500ngZmlに調整した人 血清アルブミン溶液を入れ、 37°Cで 1時間インキュベートを行い、アルブミンをデイツ シュに吸着させる。 1時間後、上澄みを除去し、 1次抗体溶液を加え、 37°Cで 2時間 インキュベートを行い、吸着したタンパク質に 1次抗体を結合させる。その後、ディッシ ュを洗浄して余剰な 1次抗体を除去する。
[0123] 次に、ディッシュに 2次抗体溶液を入れ、 37°Cで 2時間インキュベートを行 、、タン パク質に結合した 1次抗体に 2次抗体を結合させる。そして、 1次抗体の場合と同様 に余剰な 2次抗体を洗浄除去した後、 p—二トロフエ-ルリン酸 2ナトリウム 6水和物に よって、 2次抗体に結合しているアルカリフォスファターゼに酵素反応させた後、水酸 化ナトリウム水溶液で反応を停止させ吸光度を測定する。この測定結果から、各種デ イツシュにおけるタンパク質の吸着率を算出し、その結果を図 12に示している。
[0124] 図 12は、ディッシュにおける穴の底面部(PS (ポリスチレン)、 DLCをコーティングし た A— I及び TCD)のタンパク質の吸着率を示す棒グラフである。ここでのタンパク質 の吸着率は、穴に入れられたタンパク溶液に含まれているタンパク質力 穴の底面部 に吸着した割合(%)である。
[0125] 図 12によれば、 A— Iはタンパク質の吸着率が 90— 100%と非常に良好であり、 T CDに比較して非常に高い吸着率を示している。このような結果から、上記 DLC膜が 非常に優れた血液適合性を有することを確認することができた。
[0126] 次に、 DLC膜についてラマンスペクトル分析を行った結果について説明する。
高周波電源に接続された電極上に基板を固定し、この電極に高周波電力を印加し 、プラズマ CVD法により基板表面に DLC膜を成膜することによりサンプルを作製した
。この際の成膜条件として、使用ガスに C Hを用い、ガス流量を 15sccmとし、ガス
7 8
圧を 5mTorrとし、 RF出力を 100W— 900Wで変化させた。このようにして作製した 各々のサンプルにラマンスペクトル分析を行った。その結果得られた各々のサンプル のラマンスペクトル曲線において、 Gピークベースライン強度 Bと Gピーク補正後強度 Aを測定し、各々のサンプルにおいて BZAの値を計算した。その結果を図 13に示 す。
[0127] ここで、 BZA値とは、図 14に示すように、 Gピークベースライン強度を Bとし、 Gピー ク補正後強度を Aとした場合、 BZAの値のことである。図 14は、 BZA値の定義を説 明するためのラマンスペクトル曲線である。
[0128] 図 13は、各々のサンプルを作製した際の RF出力と BZA値の関係を示すグラフで ある。図 15は、各々のサンプルを作製した際の RF出力と DLC膜の密度の関係を示 すグラフである。各々のサンプルを作製する際の C Hガスの流量は 15sccmで、ガ
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ス圧は 5mTorrである。
図 13に示すように、 100W以上の RF出力で成膜したサンプルの BZA値は 1. 9程 度となっているが、 200Wの RF出力力 急激に BZA値が下がり、 300W以上の RF 出力での BZA値はほぼ 1. 6以下となっている。また、図 15に示すように、 RF出力が 高いほど DLC膜の膜密度が高くなつている。図 13及び図 15の結果から、 BZA値が 低いほど DLC膜の密度が高くなり緻密な膜が形成されているので、 BZA値がより低 いほど生体適合性に優れた DLC膜となる。したがって、 DLC膜が生体適合性に優 れているためには、 BZA値が 1. 9未満であることがこのましい。
[0129] 次に、 DLC膜についてアノード分極測定を行った結果について説明する。
高周波電源に接続された電極上に Si基体を固定し、この電極に高周波電力を印 加し、プラズマ CVD法により Si基体表面に DLC膜を成膜することによりサンプルを作 製した。この際の成膜条件として、使用ガスに C Hを用い、 RF出力を 100W— 500
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Wで変化させた。このようにして作製した各々のサンプルを 10%KOH溶液に浸漬し 、アノード分極測定を行った。その結果を図 16及び図 17に示している。
[0130] 図 16は、 100Wの RF出力で DLC膜を成膜したサンプルのアノード分極測定結果 を示すものであって、電位と電流密度の関係を示すグラフである。
図 17は、 200Wの RF出力で DLC膜を成膜したサンプルのアノード分極測定結果 を示すものであって、電位と電流密度の関係を示すグラフである。
図 18は、 DLC膜を成膜していない Si基体のアノード分極測定結果を示すものであ つて、電位と電流密度の関係を示すグラフである。
[0131] アノード分極測定の結果、図 16に示すように、 100Wの RF出力で成膜したサンプ ルの DLC膜はガス流量、ガス圧に拘わらず、小さい活性態を示し、 Si基体のいくらか の溶解が観察された。これに対して、図 17に示すように、 200W以上の RF出力で成 膜したサンプルの DLC膜は自然電極電位が貴側にシフトし、活性態を生じな力つた 。 200W以上の RF出力で成膜した膜の臨界不動態化電流密度 Icritは、図 18に示 す Si基体の場合に比べて 3— 5桁小さぐ DLC膜の欠陥面積を算出したところ 10— 2 一 10— 5オーダーで低欠陥の膜質であることが確認できた。したがって、 200W以上の RF出力で成膜した DLC膜は非常に低欠陥であるので、このような DLC膜を下地金 属に被覆したものを生体内に埋め込んでも、下地金属を腐食から保護することが可 能となる。よって、このような 200W以上の RF出力、言い換えると 0. 28WZcm2以上 の電力密度で成膜した DLC膜は医療器具、人口臓器などに用いることが好ましい。 なお、 RF出力の電極面積が 708cm2 ( Φ 300mm)であるので 200Wの電力密度は 0. 28WZcm2となる。
[0132] 次に、前述した第 1のマイクロカプセルの製造方法について説明する。
図 8に示すプラズマ CVD装置を用いて、実施の形態 6で説明した方法により微粒 子の表面に該微粒子より粒径の小さい超微粒子又は薄膜を被覆させる。この際、超 微粒子又は薄膜の材料はマイクロカプセルとして使用する場合に適したものを用い る。微粒子としては例えば NaClを用い、超微粒子又は薄膜の材料としては例えば D LCを用 ヽる。
[0133] 詳細には、複数の NaCl微粒子 1を容器 30内に収容する。次いで、真空ポンプを作 動させることによりチャンバ一 3内を所定の圧力まで減圧する。これと共に、回転機構 により容器 30を回転させることで、その内部に収容された粉末 (NaCl微粒子) 1が容 器内面において攪拌又は回転される。
[0134] 次いで、原料ガス発生源において原料ガス (例えば、炭素と水素を含む炭化水素
系ガス)を発生させ、この原料ガスをマスフローコントローラによって流量制御し、この 流量制御された原料ガスをガスシャワー電極 24の内側に導入する。そして、ガスシャ ヮー電極のガス吹き出しロカも原料ガスを吹き出させる。この際のガス圧は 0. 5mTo rr以上 500mTorr以下である。これにより、容器 30内を攪拌又は回転しながら動い て 、る微粒子 1に原料ガスが吹き付けられ、制御されたガス流量と排気能力のバラン スによって、 CVD法による成膜に適した圧力に保たれる。
[0135] この後、ガスシャワー電極 24に例えばマッチングボックスを介してプラズマ電源 25 の一例である高周波電源 (RF電源)から例えば 13. 56MHzの RF出力が供給される 。この際、 RF出力は 30W以上であり、容器 30は接地電位に接続されている。これに より、ガスシャワー電極 24と容器 30との間にプラズマを着火する。これによつて、容器 30内にプラズマが発生し、 DLC力 なる超微粒子又は薄膜が NaCl微粒子 1の表面 に被覆される。つまり、容器 30を回転させることによって微粒子 1を攪拌し、回転させ ているため、微粒子 1の表面全体に薄膜等を均一に被覆することが容易にできる。
[0136] この後、前記被覆した超微粒子又は薄膜の母体となっている NaCl微粒子を溶解、 気化等を利用して取り除く。詳細には、例えば、ビーカーに水を入れ、この水の中に DLCを被覆した NaCl微粒子を入れる。この際、 DLCを被覆した NaCl微粒子は水 の底に沈む。
[0137] 次いで、時間が経過するにしたがい、 DLCを被覆した微粒子が徐々に水面に浮か んでくる。これは、母体である NaCl微粒子が水に溶解して被覆した DLCの内部から 除去されるためである。
[0138] 次いで、一定の時間が経過すると、 DLCを被覆した微粒子の全てが水面に浮かぶ 。このようにして DLCを被覆した全ての微粒子の内部の NaClが除去され、マイクロ力 プセルが作製される。
[0139] 次に、前述した第 2のマイクロカプセルの製造方法について説明する。
図 8に示すプラズマ CVD装置を用いて、実施の形態 6で説明した方法により微粒 子の表面に該微粒子より粒径の小さい第 1の超微粒子又は第 1の薄膜を被覆させる 。この際、第 1の超微粒子又は第 1の薄膜の材料はマイクロカプセルとして使用する 場合に適したものであれば金属でも良いし絶縁物でも良い。次いで、図 8に示すプラ
ズマ CVD装置を用いて、実施の形態 6で説明した方法により第 1の超微粒子又は第 1の薄膜の表面に該微粒子より粒径の小さい第 2の超微粒子又は第 2の薄膜を被覆 させる。この際、第 2の超微粒子又は第 2の薄膜の材料はマイクロカプセルとして使用 する場合に適したものであれば良い。微粒子としては例えば NaClを用い、第 2の超 微粒子又は第 2の薄膜の材料としては例えば DLCを用いる。
[0140] DLC力 なる第 2の超微粒子又は第 2の薄膜を被覆する方法の詳細は、第 1のマイ クロカプセルの場合の超微粒子又は薄膜を被覆する方法と同様である。
[0141] この後、前記被覆した第 1及び第 2の超微粒子又は第 1及び第 2の薄膜の母体とな つている NaCl微粒子を溶解、気化等を利用して取り除く。詳細は、第 1のマイクロ力 プセルと同様である。
[0142] 尚、本実施の形態では、使用ガスとして炭化水素系ガスを用いているが、少なくとも 炭素と水素を含むものであれば種々の炭化水素系ガスを用いることが可能であり、例 えば、炭素と水素のみを含む化合物ガス、炭素と水素と酸素を含むガス、炭素、水素 、酸素、珪素、窒素、銅、銀などを含むガス、ベンゼン、トルエン、アセチレンなどを用 いることも可能である。
[0143] また、本実施の形態では、成膜条件において 0. 5mTorr以上 500mTorr以下の 炭化水素系ガス圧を用 、て 、る力 さらに好まし 、ガス圧として lOmTorr以上 100m
Torr以下が挙げられる。
[0144] また、本実施の形態では、成膜条件において RF出力が 0. 28WZcm2以上の電 力密度を用いることが好まし 、。
[0145] また、炭化水素系ガスの流量としては、上記圧力を実現できるガス流量であれば、 種々のガス流量を用いることが可能である。
[0146] 尚、本発明は上記実施の形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲内 で種々変更して実施することが可能である。例えば、微粒子に薄膜を成膜する成膜 条件を適宜変更することも可能である。
[0147] また、実施の形態 7では、図 8に示すプラズマ CVD装置を用いたマイクロカプセル の製造方法について説明している力 これに限定されるものではなぐ他の CVD装 置を用いたマイクロカプセルの製造方法に本発明を適用することも可能である。例え
ば、図 3の CVD装置、図 4の CVD装置、又は図 7の CVD装置を用いてマイクロカプ セルを製造することも可能である。
図面の簡単な説明
[図 1]本発明に係る実施の形態 1によるサーマル CVD装置の概略を示す構成図であ る。
[図 2]図 1に示すサーマル CVD装置によって微粒子に薄膜を被覆した被覆微粒子の 一例を示す断面図である。
[図 3] (A)は、本発明に係る実施の形態 2によるサーマル CVD装置の概略を示す断 面図であり、(B)は、(A)に示す 3B— 3B線に沿った断面図である。
[図 4] (A)は、本発明に係る実施の形態 3によるサーマル CVD装置の概略を示す断 面図であり、(B)は、(A)に示す 4B— 4B線に沿った断面図である。
[図 5]図 4に示すサーマル CVD装置によって微粒子に薄膜を被覆した被覆微粒子の 一例を示す断面図である。
[図 6]本発明に係る実施の形態 4によるプラズマ CVD装置の概略を示す構成図であ る。
[図 7] (A)は、本発明に係る実施の形態 5によるプラズマ CVD装置の概略を示す断 面図であり、(B)は、(A)に示す 7B— 7B線に沿った断面図である。
[図 8] (A)は、本発明に係る実施の形態 6によるプラズマ CVD装置の概略を示す断 面図であり、(B)は、(A)に示す 8B— 8B線に沿った断面図である。
[図 9]DLC膜のラマンスペクトルの一例を示す図である。
[図 10]細胞接着評価の結果を示すものであって、ディッシュにおける PS、 DLCをコ 一ティングした A— I及び TCDそれぞれと吸光度(O. D. 595nm)との関係を示す棒 グラフである。
[図 11]細胞毒性評価の結果を示すものであり、ディッシュにおける PS、 DLCをコーテ イングした A— I及び TCDそれぞれと LDHの溶出率との関係を示す棒グラフである。
[図 12]ディッシュにおける穴の底面部(PS、 DLCをコーティングした A— I及び TCD) のタンパク質の吸着率を示す棒グラフである。
[図 13]ラマンスペクトル分析を行うサンプルを作製した際の RF出力と BZA値の関係
を示すグラフである。
[図 14]BZA値の定義を説明するためのラマンスペクトル曲線である。
[図 15]各々のサンプルを作製した際の RF出力と DLC膜の密度の関係を示すグラフ である。
[図 16]100Wの RF出力で DLC膜を成膜したサンプルのアノード分極測定結果を示 すものであって、電位と電流密度の関係を示すグラフである。
[図 17]200Wの RF出力で DLC膜を成膜したサンプルのアノード分極測定結果を示 すものであって、電位と電流密度の関係を示すグラフである。
[図 18]DLC膜を成膜して ヽな 、Si基体のアノード分極測定結果を示すものであって 、電位と電流密度の関係を示すグラフである。
符号の説明
1···粉体(微粒子)、 2···容器、 3···チャンバ一、 4···ヒーター、 5— 11···配管、 12··· 第 1バルブ、 13···第 2ノ レブ、 14, 15…マスフローコントローラ(MFC)、 16…アル ゴンガス導入機構、 17···薄膜、 18···被覆微粒子、 19…容器、 20···チャンバ一蓋、 21…ヒーター、 22···容器、 23···被覆微粒子、 24···ガスシャワー電極、 25···プラズ マ電源、 26···真空ノ レブ、 27…マスフローコントローラ(MFC)、 28…原料ガス発生 源、 29, 30···容器、 31···プラズマ電源、 32, 33···スィッチ、 110···ラマンスペクトル 曲線、 111…山形状の曲線 (Gバンド)、 112…山形状の曲線 (Dバンド)