WO2005120730A1

WO2005120730A1 - 揺動選別装置

Info

Publication number: WO2005120730A1
Application number: PCT/JP2004/008103
Authority: WO
Inventors: Hirofumi Yamamoto; Akihito Takeda; Tadashi Hamaguchi; Hiroshi Kadota; Akinori Sakamoto; Kouji Yokota; Tomohiro Mitsuhata
Original assignee: Yanmar Co., Ltd.; Seirei Industry Co., Ltd.
Priority date: 2004-06-10
Filing date: 2004-06-10
Publication date: 2005-12-22

Abstract

　米等の穀物を選別する揺動選別装置である。この揺動選別装置は機体をコンパクトな構成にして、揺動駆動時に振動等が発生せずに効率良く選別できるようにするものである。該揺動選別装置は機台上に左右略対称に選別ユニットを配置し、左右の選別ユニットの間に揺動駆動部を配置して、左右の選別ユニットを互いに逆方向に駆動する。選別ユニットは傾斜して配置したレール上を台車が左右往復走行するように配置する。

Description

明細書

揺動選別装置

技術分野

[0001] 本発明は、穀物を選別する揺動選別装置に関し、特に、台車上に選別板を設け、該台車を傾斜配置したレール上を往復走行させて揺動する揺動選別装置に関する

背景技術

[0002] 従来から、脱穀後の籾を乾燥し、籾摺機により籾摺りを行い揺動選別装置により玄米と籾や混合米とに選別するようにしている。この揺動選別装置は、選別板を一側が下方となるように傾斜して配置し、該選別板の両側下方には支持板を垂設して、該支持板に案内車を配置している。一方、選別板の傾斜方向に対して直角方向に傾斜する斜板を台枠上に設け、該斜板上に前記案内車を配置して往復移動させることにより、選別板を揺動させて、その下方で玄米と籾と混合物とに選別するようにした技術は公知となっている。（例えば、特許文献 1参照）。この技術における駆動構成は、選別板の前後中央下部に連結扞を枢結し、該連結杆の他端を偏心輪と連結し、偏心輪を回転させることで選別板が左右動されて揺動させる構成としていた。

[0003] また、揺動選別装置は左右または前後に揺動させる構成のため、どうしても振動が発生し、支持部材には大きな負荷力 Sかかってしまう。そこで、揺動選別装置を左右二組並設して、それぞれ反対方向に駆動することにより、反力を相殺させて振動等を低減するようにした技術も公知となっている。（例えば、特許文献 2参照）。この技術は、左右に配置した揺動選別装置の間に、支柱を立設して、該支柱の両側に上下一対の支杆により揺動部を吊り下げ支持し、一方、その下方に左右の駆動軸を配置して、該駆動軸にはそれぞれバランスウェイトを配置するとともに、ェキセレントリック (偏心）機構を介して選別部と連結して、左右反対方向に駆動することにより、その合力も相殺するように構成している。

[0004] また、穀物の種類や収穫場所や気候や施肥量等によって比重が微妙に異なることがあり、取出口において、玄米に籾が混じったり、逆に、籾に玄米が混じったりするようなことが生じるため、揺動選別装置の選別板の傾斜角度を変更できるようにした技術も公知となっている（例えば、特許文献 3参照）。この技術は、下台上にネジ軸を配置し、該ネジ軸にハンドルを連結するとともに、ネジ軸にネジ筒を螺装し、該ネジ筒にアームを介して機台の一端と連結し、該機台の他端は下台に枢支する。そして、前記ハンドルを回動することにより、アームを前後摺動させて、機台の角度を変更し、選別部の傾斜を変更するようにしていた。

[0005] しかし、上記引用文献 1の技術では、支持板に案内車を支持しているだけなので、剛性が低ぐ変形し易いために偏磨耗が生じたり、揺動運動がスムースに行われなかつたりしていた。そして、剛性の不足は振動の原因となり、騒音が大きく選別性能の低下を招いていた。また、選別板のメンテナンスを行う場合等では支持板上方の部材を外す必要があり、脱着が面倒な作業となっていた。

また、上記引用文献 2の技術では、揺動部を吊り下げ支持するために、支持剛性を高くする必要があり、全高が高くなつてしまい作業場所が限られることがあり、また、バランスウェイト等も必要なため、部品点数が多ぐコストアップとなっていた。

また、上記引用文献 3の技術では、選別部の傾斜角度を変更するには機台の角度を変更する構成としている。この機台上には選別板や選別板を揺動駆動する駆動部も配置されているため、選別部が大型化し、選別部の重量が重くなり、昇降装置にか力る負荷が大きくなり、昇降装置自体の剛性を高くする必要があり、昇降装置により傾斜角度を変更するにも大きな力を必要としていた。

特許文献 1 :実公昭 38 - 15058号公報

特許文献 2：特開昭 48— 26541号公報

特許文献 3：実公昭 57 - 53664号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0006] 本発明は台車上に選別板を載置して、台車を支持する車輪をレール上で転動させて揺動を可能とした選別ユニットを、左右一対配置する。そして、この左右の選別ュニットの間に揺動駆動部を配置して、左右の選別ユニットを互いに逆方向に駆動して、振動等を低減しょうとするものである。課題を解決するための手段

[0007] 即ち、機台上に二つの選別ユニットを配置し、一つの揺動駆動部により、二つの選別ユニットを駆動する構成であって、該選別ユニットはレール上を左右に移動して揺動可能とするとともに、左右の選別ユニットを左右略対称に配置し、該左右の選別ュニットの間に揺動駆動部を配置した。

[0008] 前記揺動駆動部は駆動軸とクランクアームとの連結部において、左右二つの選別ユニットとの偏心連結部を 180度ずらせて、互いに逆方向に駆動したものである。

[0009] 機台上に二つの選別ユニットを配置し、一つの揺動駆動部により、二つの選別ュニットを駆動する構成であって、前記揺動駆動部を構成するアーム端部と選別ユニットとの連結部を、選別ユニットの内方に配置した。

[0010] 前記左右の選別ユニットと揺動駆動部を連結する左右のアームを駆動軸の軸心方向に折り曲げ形成し、左右のアームと選別ユニットの連結部を平面視で駆動軸と直角な同一線上に配置した。

[0011] 前記揺動駆動部は駆動軸と偏心カムとクランクアームを備え、該揺動駆動部の左右のクランクアームと選別ユニットとの取付部のブラケットは平面視で点対称に配置した。

[0012] 機台上に左右二つの選別ユニットを配置し、機台上に設けたレール上に選別ュニットのベース台を左右揺動させて選別する構成であって、該ベース台上に複数の選別板を搭載し、各選別板の中央に分離壁を設けて、各選別板で二セクションの選別を可能とした。

発明の効果

[0013] 本発明は以上のように構成したので、次のような効果が得られるのである。

[0014] 即ち、選別ユニットが左右対称に配置されるので、共通の部品を多く採用することができて、コスト低減化が図れ、左右の選別ユニットをその間に配置した揺動駆動部で駆動するので、駆動構成を簡単にでき、左右の選別ユニットを略同じ駆動力でバランス良く駆動できる。

[0015] 左右の選別ユニットを互いに逆方向に駆動するので、互いに慣性力を打ち消すことが可能となり、大きな振動が発生することなぐ動力を効率良く伝達でき、機体の耐久性を向上することができる。

[0016] また、揺動駆動部と選別ユニットを連結するアームの一端が選別ユニットの内方に配置されるので、連結部をと選別ユニットの間の距離を短くすることができ、左右方向の幅を短くすることができる。また、アームと選別ユニットとの連結部を選別ユニットで保護すること力 Sできる。

[0017] また、左右の揺動選別ユニットにかかる力が同一線上に位置することになつて、偏荷重力かかることがなぐ機体に歪み等が生じ難くなる。そして、選別性能の悪化も防止すること力 Sできる。

[0018] また、点対称に構成されるため、駆動時における偏荷重を小さくすることができ、効率良くバランスも良く駆動することが可能となり、安定して選別することが可能となり、選別精度も高く保つことができる。

[0019] また、選別板の中央に分離壁があるため、一つの選別板で二列で選別することが可能となり、選別量を増加することが可能となり、選別効率を向上できる。

図面の簡単な説明

[0020] [図 1]揺動選別装置の全体斜視図。

[図 2]揺動選別装置の全体側面図。

[図 3]揺動選別装置のホッパー及び取出部及び選別板を外した状態の斜視図。

[図 4]揺動選別装置のホッパー及び取出部及び選別板を外した状態の正面図。

[図 5]揺動選別装置のホッパー及び取出部及び選別板を外した状態の平面図。

[図 6]揺動選別装置のホッパー及び取出部及び選別板を外した状態の後面図。

[図 7]台車の車軸の高さ調節可能とした実施例の正面図。

[図 8]台車の車輪の径を左右で異なる構成とした実施例の正面図。

[図 9]レールの塵埃除去装置をファンとした実施例の平面図。

[図 10]レールの塵埃除去装置をブロワとした実施例の平面図。

[図 11]レールの塵埃除去装置をコンプレッサーとした実施例の平面図。

[図 12]車輪ロック装置の平面図一部断面図。

符号の説明

[0021] 2 選別ユニット 3 揺動駆動部

6 機台

15 レーノレ

16 駆動軸

20 ベース台

29 選別板

30 分離壁

43 クランクアーム

44 ブラケット

発明を実施するための最良の形態

[0022] 次に、本発明の実施例を図 1の揺動選別装置の全体斜視図、図 2の揺動選別装置の側面図を用いて全体構成について説明する。本発明に係る揺動選別装置 1は穀粒、特に、玄米を選別するためのものである。

[0023] 本発明に係る揺動選別装置 1は二組の選別ユニット 2 · 2を機台 6上に左右に並置し、該選別ユニット 2 · 2間に揺動駆動部 3を配置している。該選別ユニット 2 · 2の後上方には受入部となるホッパー 4を配置し、一つのホッパー 4から二つの選別ユニット 2 · 2に被選別物を供給するようにしている。選別ユニット 2 · 2の前側にそれぞれ取出部 5 •5を配置している。そして、これら選別ユニット 2 · 2、揺動駆動部 3、ホッパー 4は機台 6上に載置している。

[0024] 前記ホッパー 4は機台 6の後部に立設した図示しない支柱により支持され、選別ュニット 2 · 2の後部上に配置している。ホッパー 4の上部には籾摺後の穀粒等被選別物を投入するための投入部が設けられ、下部には排出口 11が複数下方に並列して突出され、選別ユニット 2 · 2の後部上に配置された投入口 12に上方より揷入している。そして、ホッパー 4は固定されているのに対して選別ユニット 2は左右に揺動されるので、前記排出口 11はホースまたはジャバラ等で構成され、選別ユニット 2が左右揺動して投入口 12も左右動するときに、接続 (連通）部分が外れて穀粒がこぼれなレ、ように排出口 11の下端部が投入口 12に挿入されている。または、投入口 12の開口部の左右幅は揺動幅、つまり、排出口 11に対する移動幅よりも広く構成している。 [0025] 前記機台 6は図 1乃至図図 5に示すように、角パイプ状または H形鋼状またはリップ溝形鋼等のフレームが平面視で四角形状に枠組み構成されて強度を確保している。該機台 6は前後方向両側に配置した縦フレーム 6a' 6aと、左右方向に配置した前後の横フレーム 6b' 6bと前後中途部に配置された横フレーム 6bからなり、後端の横フレーム 6bの後面より後方に平面視矩形状のモータ取付フレーム 13が突出されている。該モータ取付フレーム 13上に揺動駆動用のモータ 14が載置固定されている。該モータ 14より後述する揺動駆動部 3を介して選別ユニット 2 · 2を揺動するようにしている

[0026] 前記後部と中途部の横フレーム 6b .6b上には前後一対のレール 15. 15が左右にそれぞれ配置されて、左右のレール 15 - 15 - 15 - 15上にそれぞれ選別ユニット 2 · 2 が左右揺動自在に載置されている。該前後のレール 15 · 15は図 4に示すように、正面視台形状に構成され、上面は選別ユニット 2の左右幅より若干長くして左右一側が高く他側が低くなるように傾斜して構成し、左右のレール 15 · 15は左右中央側が低く、左右両外側が高くなるように配置している。但し、外側を低ぐ左右中央側を高くする構成とすることも可能である。また、本実施例では一つの選別ユニット 2に対して前後二つのレール 15 · 15を配置してレ、るが、三つ以上複数平行に配置することも可能である。

[0027] また、前記前後のレール 15 · 15を載置固定した横フレーム 6b ' 6b上において、左右のレール 15とレール 15の間には後述する駆動軸 16の前後両側を支持するための支持フレーム 17 · 17が立設されてレ、る。該支持フレーム 17は正面視門型に構成して、上面中央上に軸受 18を載置固定している。

[0028] 次に、一つの選別ユニット 2について説明する。該選別ユニット 2はベース台 20と、該ベース台 20の前後左右両側に支承される車輪 21と、ベース台 20上に配置される選別部 22と、該選別部 22の前部に配置される前記取出部 5等より構成される。揺動選別装置 1は二組の選別ユニット 2を左右平行に、前記機台 6上に前後方向に配置される。選別部 22は、後ろが高く前が低くなるように配置され、左右揺動するように構成されている。こうして、選別ユニット 2は車輪 21 · 21を備える台車となるベース台 20 が後述する傾斜角度 Θに傾斜して配置されたレール 15上を左右に移動させて揺動するように構成している。

[0029] 前記ベース台 20は図 5に示すように、左右方向に前後に平行に配置される前フレーム 23と後フレーム 24と、該前フレーム 23と後フレーム 24を連結して前後方向に配置した内フレーム 25と外フレーム 26からなり、該前フレーム 23と後フレーム 24と内フレーム 25と外フレーム 26とにより略四角形状に枠組み構成している。前フレーム 23 と後フレーム 24は図 4、図 6に示すように、正面視略台形状に構成されて、前フレーム 23は後フレーム 24よりも低く構成される。また、内フレーム 25と外フレーム 26も図 2 に示すように、側面視で台形状に構成している。こうして、後述する選別板 29がべ一ス台 20の上面と平行に前下がりに取り付けられるようにしている。

[0030] 前記前フレーム 23の前側と後フレーム 24の後側の左右両側下部にそれぞれ車輪 21 · 21 · 21 · 21が回転自在に支持されている。本実施例では、ベース台 20の下部左右両側に前後水平方向、つまり、穀粒の流下方向と平行に車軸 27 · 27が回転自在に横架されている。言い換えれば、前記前フレーム 23と後フレーム 24の左右両側下部にそれぞれ車軸 27 · 27が前後水平方向に回転自在に横架され、該車軸 27 · 2 7の両外側、つまり、車軸 27の前後端にそれぞれ車輪 21 · 21が固定または枢支されている。この台車の前記車輪 21 · 21が前記レール 15 · 15上に載置されて、左右方向に転動自在となっている。このように、前記車軸 27 · 27が水平に配置されることで、ベース台 20や車輪 21が傾いて偏荷重力 Sかかったり、偏磨耗が生じたりすることがなぐ安定して支持することができる。また、前記車輪 21 · 21 · 21 · 21に略均等に揺動部 2 2の荷重が力かるようになり、耐久性を向上できる。また、前記車輪 21 · 21 · 21 · 21の下部はベース台 20の下面から下方に突出して配置されることになり、台車として機能し独立して移動することが可能である。そして、台車として組み立てた後に機台 6上に載置して、揺動駆動部と連結するだけで、容易に組み立てることができる。また、メンテナンス等にぉレ、ても台車全体を外して点検や交換等が容易にでき、取扱も容易にできるのである。

[0031] また、ベース台 20を構成する前フレーム 23と後フレーム 24と内フレーム 25と外フレーム 26は平面視で略四角形状に枠組み構成されて、ベース台 20は堅牢に構成すること力 Sできる。よって、安定して選別部を支持して、選別時には揺動駆動により発生する振動を抑えることができて、揺動時の慣性によりかかる負荷に対する歪み等も防止して、安定した揺動を可能し、選別性能の向上を図っている。そして、レール 15 · 1 5上にベース台 20を載置した状態で、前フレーム 23と後フレーム 24の上面は略水平であって、前フレーム 23と後フレーム 24の下面はレール 15の上面と略平行となるように配設される。こうして、上下方向の高さを抑えることができ、選別板 29は前後方向の傾斜角度を保ったまま左右揺動することができる。ベース台 20とレール 15との間のスペースも十分に確保できる構成となる。但し、車輪 21とレール 15を用いる代わりに、直動案内手段（リニアベアリング）を用いることも可能である。このリニアベアリングとした場合、多数のコロ等で荷重を受けるため、荷重が集中することがなく摺動 (転動 )抵抗を低減できるため、スムースな動きとなって動力を低減することもでき、寿命が長くなりメンテナンス作業も軽減できる。また、側方 (前後）に車輪が突出しないため、コンパクトに構成することができる。

そして、ベース台 20の左右の傾斜角は変更可能に構成している。

角度を変更する第一実施例として、高い側に位置する車輪 21の車軸 27Hの位置を左右または上下に位置変更可能に構成して、低い側に位置する車輪 21の車軸 27 Lを中心に上下にベース台 20が回動して揺動角度が変更できるようにしている。即ち、図 7に示すように、右側のベース台 20について説明すると、ベース台 20の前フレーム 23及び後フレーム 24の高い側の車軸 27Hを支持する部分に長孔 23a ' 24aを開口し、該長孔 23a' 24aに車軸 27Hを挿入し、該車軸 27Hの前後両側は高さ調節ボルト 50 · 50の上端に回転自在に枢支され、該高さ調節ボルト 50 · 50の下部は前フレーム 23及び後フレーム 24の下部に固定されたボス体 51 · 51に螺装されてレ、る。この構成により、高さ調節ボルト 50を回転することにより、高さ調節ボルト 50が上方または下方に移動して車軸 27Hは長孔 23a' 24aに沿って昇降し、車軸 27Lを中心にベース台 20が傾倒して、ベース台 20の傾斜を変更することができる。このようにベース台 20の傾斜を平行すると選別板 29の左右の傾斜角度も変更され、穀粒の種類ゃ籾摺り状態等に合わせて傾斜を変更して所望の精粒を得ることができ、選別精度を向上すること力 Sできる。なお、長孔 23a ' 24aは本実施例では上下方向に開口している力水平方向に開口することも可能であり、この場合には、高さ調節ボルト 50を左右水平方向に配置し、ボルト頭がベース台 20の側方に配置することになり、本体側方より高さ調整作業が容易にできるようになる。

[0033] また、ベース台 20の角度変更を可能とする構成の第二実施例として、車輪 21の径を変更するように構成することも可能である。この場合、径の異なる車輪 21を多数用意することで、角度を数段階に変更することが可能であるが、車輪の種類が多くなるので、左右の車輪 21L' 21Rの径を異なる大きさとすることで、左右を入れ替えることで角度変更することが可能となり、車輪の種類を増加する必要がなレ、。また、図 8に示すように、車輪 21は径の異なる走行面を複数有する構成とすることも可能である。即ち、第一の走行面を有するホイールの側面に、径の異なる走行面を有するホイ一ルを設けて一体的に形成するのである。このように構成することで、車輪 21の軸心方向の位置を変更するだけで、レール 15に対する高さを変更することができ、ベース台 20の左右傾斜角を変更することができる。更に、左右の車輪 21 · 21の各走行面を有するホイールの外周径を異なる（rl <r2<r3 < r4)ように構成することで、車輪 21の前後を入れ替えるまたは軸方向に移動することで、更に多くの段階の傾斜角を得ることができ、簡単な構成で傾斜角度を変更して選別性能を向上することが可能となる。

[0034] また、前記レール 15近傍には塵埃等がレール 15上に堆積しないようにするための塵埃除去装置 53が配置されている。塵埃除去装置 53はファンを用いた送風装置で構成することも、ブロワを用いることも、コンプレッサー等の圧縮空気を用いることもできる。いずれの場合にも駆動装置は前記揺動選別装置 1を駆動するモータ 14の動力を利用することも可能であり、別に揺動選別装置 1の近傍に位置したモータまたはエンジンを利用することもできる。なお、左右の選別ユニット 2 · 2は略同じ構成となつているので、一つの選別ユニット 2について説明する。

[0035] 塵埃除去装置 53として送風装置で構成する場合、図 9に示すように、レール 15後方ほたは前方）にファン 54を配置して、該ファン 54の駆動軸上にプーリー 55を固設し、前記モータ 14の駆動軸上に固設したプーリー 42よりベルトを介して動力を伝達する構成とする。こうして揺動選別装置の駆動と同時に、ファン 54を駆動することにより、レール 15の後方より前方に空気が流れて、レール 15上に塵埃等が堆積することを防止し、スムースな車輪 21 · 21の転動を確保することができる。そして、この場合その他の部材上に溜まる塵埃も除去することができて、選別装置全体をきれいに保つこと力 Sできる。

[0036] また、塵埃除去装置 53としてブロワを用いる場合には、図 10で示すように、レール 15とレール 15の間の空間にブロワ 57を配置して、選別板 29下方の空いた空間を有効利用している。ブロワ 57はファン 58と導管 59からなり、ファン 58駆動軸を後方へ突出してベルトやプーリー等を介して駆動するようにしている。ファン 58の吐出部には導管 59の基端を連通固定し、該導管 59の他端は車輪 21の数に合わせて分岐し、その吐出口をレール 15側方に延設している。導管 59の先端は特に車輪 21の接地部近傍に配置することが望ましぐ本実施例では、導管 59は車輪の数に合わせて四つの吐出口を分岐して設けている。但し、各車輪毎にブロワ 57を配置する構成とすることもできる。こうして揺動選別装置の駆動と同時に、ブロワ 57のファン 58を駆動して、吐出口より風を吹き出して、レール 15上に塵埃等が堆積することを防止し、スムースな車輪 21 · 21の転動を確保することができる。

[0037] また、塵埃除去装置 53としてコンプレッサーを用いる場合には、図 11で示すように、駆動源となるモータ 14の近傍にコンプレッサー 60を配置し、該コンプレッサー 60の駆動軸はモータの駆動軸と平行に配置して、該駆動軸に固設したプーリー 56よりべノレト等を介してモータ 14により駆動する。該コンプレッサー 60の吐出口には配管 61 が接続され、該配管 61はレール 15側部まで延設され、該レール 15上で転動する車輪 21の側方にノズル 62を配置して前記配管 61と連通する。こうして揺動選別装置の駆動と同時にコンプレッサー 60を駆動して、車輪 21近傍に圧縮空気を吐出して、レール 15上に堆積する塵埃を吹き飛ばして除去する構成としているのである。なお、機台 6とレール 15をパイプ状のフレームにより構成して配管の代わりの役目を持たせ、車輪 21が転動するレール 15部分に吐出孔を形成して、コンプレッサー 60の吐出部を機台 6と連通して、コンプレッサー 60から吐出される圧縮空気をレール 15上に吐出することで、転動面に溜まる塵埃を除去することができ、配管を省いてコスト低減化を図ることができる。また、フレーム 6a' 6bはアキュムレータの役割を果たし、安定した圧力で空気を吐出させることもできる。

[0038] また、車輪 21にはロック機構が設けられている。即ち、レール 15は傾斜して設けられているため、該レール 15上に載置されるベース台 20はフリーになると下方へ走行してしまう。または、左右釣り合っていても、少し力を加えるだけで動いてしまう。そして、メンテナンス等において、後述するクランクアーム 43を外したり、左右一側の選別ユニット 2の部品を外し重量が軽くなつたりすると、他方の選別ユニット 2は意図せず選別ユニット 2の自重により重い側が下方へ移動してしまうのである。そこで、車輪 21 部分にロック機構を設けて任意位置で固定できるようにしている。

[0039] 具体的には、ロック機構はブレーキ装置で構成することができる。

ブレーキ装置で構成する場合には、自動車等で使用される周知のディスクブレーキ式やドラムブレーキ式や自転車等で使用されるバンドブレーキ式等の構成が考えられ、この各構成をロック装置に適用でき、車軸または車輪のボス部に設けるのである。この場合ブレーキレバーまたはブレーキペダルの操作で容易に車輪を制動することができる。

また、ロック機構はロックピンの挿抜によりロック及び解除ができるように構成することもできる。即ち、図 12に示すように、車輪 21のボス部の周囲または円周に沿って多数の凹部（または孔） 21aを形成し、該凹部 21aにロックピン 64を嵌合可能とし、該ロックピン 64は前フレーム 23 (または後フレーム）に摺動自在に支持され、該ロックピン 64の一端は前記凹部 21aに嵌合可能とし、他端は操作レバー 65の先端に枢支され、該操作レバー 65の中途部は前フレーム 23に枢支されて、他端は外側方に突出されている。また、操作レバー 65には後側のロックピン 64を枢支して、前後の車輪 21 を同時にロック及び解除する構成とすることもできる。このように構成することで、操作レバー 65を回動操作してロック機構のロック及び解除の操作が側方より容易にできるようにしている。

[0040] 次に、選別部 22について説明する。図 1、図 2、図 3に示すように、前記前フレーム 23と後フレーム 24の上面の左右両側、つまり、ベース台 20の四隅には支柱 28 · 28 · 28 · 28が立設され、該支柱 28 · 28 - 28 - 28に選別板 29 - 29 · · ·が上下平行に前下りに傾斜して複数固定されている。該選別板 29は上面が凹凸を有する粗雑面に構成している。そして、各選別板 29の両側は上方に折り曲げて樋状に構成し、各選別板 29の左右中央には分離壁 30が前後方向に立設されて、選別ユニット 2は二列で選別できるようにしている。こうして、分離壁 30と支柱 28により選別板 29を後方または前方より挿入して支持できるようにして、組立性を向上し、メンテナンス性も向上させている。また、分離壁 30で各選別板 29を二列で選別、所謂、 2セクションとしているため、剛性を増し軽量コンパクトィ匕を図り、単位時間当たりの選別量も多くしている。そして、各列の後上側に投入口 12がそれぞれ設けられ、前下側に玄米や籾や混合米等毎に取り出すための取出樋 19が配置され、カバーにより覆われて取出部 5としている。該取出樋 19は 1セクションに対して玄米、混合米、籾又はしいな又は未熟米等の三つの排出口を有し、一つの選別ユニット 2において 6つの排出口を設けている。

[0041] このような構成において、左側の選別ユニット 2について作用を説明すると、後述する揺動駆動部 3により選別ユニット 2 · 2を左右揺動駆動すると、投入口 12から投入された穀粒は、選別板 29の左右揺動と前下方への傾斜により、比重差と表面滑度の相違により、比重が大きく表面が滑らかな玄米は沈下し、比重が小さく表面が粗い籾は浮上してくる。左右方向における下方 (右方）への移動時に、つまり、選別板 29が斜め下方 (右下方）へ移動するときに、比重の小さい籾は浮き上がったまま転がって下方へ落ちる。そして、左右方向における上方 (左方）への移動時に、つまり、選別板 29が斜め上方へ移動するときに、比重が大きい玄米はそのまま左方へ移動される。更に、選別板 29は前下方に傾斜しているので、左右の揺動に伴って、籾は傾斜下方 (右下方)へ移動し、玄米は左下方へ移動し、選別板 29下端において、玄米は左側の排出樋に導かれ、籾は右側の排出樋に導かれ、玄米と籾が混じった混合米は左右中央の排出樋に導かれて選別されるのである。

[0042] 次に、揺動駆動部 3について説明する。

図 4、図 5、図 6に示すように、前記選別ユニット 2 · 2は略左右対称に配置され、この左右の選別ユニット 2 · 2の間に揺動駆動部 3が配置されて、全体として略左右対称に配置される。つまり、揺動駆動部 3は正面視において左右略中央、かつ、上下略中央に配置される。こうして、左右の選別ユニット 2 · 2が略同じ構成となり、部品の種類を減少してコスト低減化を図り、組立も簡単にできるようにしている。また、左右対称に構成されているので重量配分も偏ることがなぐ左右及び上下略中央に駆動部が位置するため、各選別ユニット 2の重心部分近く連結して、安定して駆動することができる。そして、駆動源となるモータ 14が機台 6の後部に設けられている。但し、モータ 14 は選別部 22の下方に配置することも可能である。

[0043] 揺動駆動部 3は駆動軸 16と、モータ 14から駆動軸 16に動力を伝達する手段と、駆動軸 16とベース台 20を連結する手段等から構成される。

前記駆動軸 16は前述のように機台 6の前後両側に立設した支持フレーム 17 · 17上に軸受 18 · 18を介して回転自在に支持され、後端に入力プーリー 41を固設している。一方、前記モータ取付フレーム 13上に固設したモータ 14の出力軸上に出力プーリ一 42が固設されている。また、右側のレール 15 · 15にはカウンター軸 46が前後方向に支持され、該カウンター軸 46の後端にカウンタープーリー 47が固設されている。そして、前記モータ 14の出力プーリー 42とカウンタープーリー 47、及び、カウンタープ一リー 47と前記入力プーリー 41の間にそれぞれ図示しないベルトを卷回して、減速しながら動力を伝達する構成としている。但し、モータ 14から揺動駆動部 3への動力伝達方式はベルト式動力伝達手段に限定するものではなぐチェーンや歯車等を用レ、ることも可能であり、限定するものではない。また、入力プーリー 41やカウンタープ一リー 47の位置も限定するものではない。

[0044] 前記駆動軸 16上にはクランクアーム（またはコネクテイングロッド） 43 ·43 ·43 ·43の一端が枢支されている。本実施例では、クランクアーム 43の一端に円形の孔を開口し、この孔に円盤を回転自在に嵌合し、該円盤の偏心した位置 (偏心カムで構成することもできる）に駆動軸 16を固設する構成としている。但し、駆動軸 16をクランク状に折り曲げ形成して、偏心した位置にアームの一端を枢支する構成としてもよい。

こうして、揺動駆動部 3は駆動軸 16とクランクアーム 43 ·43 ·43 ·43との連結部において、左右二つの選別ユニット 2 · 2を駆動するために、クランクアーム 43 ·43を左右両側に二本ずつ左右両側に突出し、この駆動軸 16と左右のクランクアーム 43 ·43との偏心連結部は 180度ずつ交互にずらせて配置して、軸心方向に所定間隔をあけて配置し、互いに逆方向に駆動するようにしてレ、る。

[0045] 前記クランクアーム 43の他端は前記内フレーム 25の側面に突出したブラケット 44 に支持軸 45を介して枢支されてレ、る。該ブラケット 44は平面視「 Π」状に構成され、内フレーム 25側面に固設した基板より突出した二枚の板体の間にクランクアーム 43 の一端を挿入して、両者を支持軸 45が貫通して支持する構成としている。このブラケット 44を配置した内フレーム 25は前フレーム 23と後フレーム 24の駆動軸側端よりもベース台 20内側（駆動軸 16と離れる側）に配置されている。つまり、ブラケット 44は内フレーム 25と前フレーム 23と後フレーム 24とに囲まれる空間内に配置され、クランクアーム 43の一部がその空間内に収納されて、選別ユニット 2の内方側で連結するように配置している。よって、左右の選別ユニット 2 · 2は揺動駆動部にできるだけ近づけて配置することが可能となり、全体的にコンパクト (左右幅を短く）に構成することができる。また、クランクアーム 43の一部をベース台 20で保護する構成としている。そして、クランクアーム 43の一端をベース台 20の側端部に枢支するよりも、端部を内方に枢支するほうが、枢支位置が選別ユニット 2の重心からの距離が短くなるため、選別ユニット 2はクランクアーム 43の揺動により振られる力は小さくなり、選別ユニット 2の振動は小さくなり、安定性を向上できる。

[0046] 前記クランクアーム 43は一つの選別ユニット 2に対して二本連結され、平行に配置したクランクアーム 43 ·43により選別ユニット 2と駆動軸 16の間を連結している。そして、駆動軸 16の左右両側に選別ユニット 2 · 2を配置しているため、四本のクランクァーム 43 ·43 ·43 ·43でクランク軸 16と選別ユニット 2 · 2を連結している。

そして、該クランクアーム 43は駆動軸 16の軸心方向に折り曲げて、言い換えれば、クランクアーム 43は平面視において略クランク状 (Ζ字状）に折り曲げて形成しおり、平面視において、一端を駆動軸 16に軸支し、他端を左右の選別ユニット 2 · 2の内フレーム 25 · 25にブラケット 44·44に固設したときに、左右のブラケット 44 ·44は対向した位置に配置して、クランクアーム 43 ·43の一端を枢支するようにしている。つまり、ブラケット 44 ·44は左右のベース台 20 · 20で同じ位置に配置することができ、図 5に示すように、ベース台 20と揺動駆動部 3は左右のクランクアーム 43 ·43を連結した状態では、平面視で点対称の位置に配置される構成としている。

[0047] このように構成することにより、モータ 14を駆動させて駆動軸 16を回動させると、左右一対のクランクアーム 43 ·43は互いに逆方向に移動し、該クランクアーム 43 ·43に連結された選別ユニット 2 · 2も互いに逆方向に揺動される。こうして、選別ユニット 2 · 2は正面視において略左右対称に配置されていることから慣性力を互いに打ち消し合うようになって、揺動選別装置 1自体の振動が抑えられ、騒音も抑えること力 sできるのである。また、左右の選別ユニット 2 · 2 (ベース台 20 · 20)と左右のクランクアーム 4 3 ·43の枢支位置が駆動軸 16と直角方向の一直線上に位置するため、揺動駆動時における偏心した運動を抑えることができ、ベース台 20 · 20を安定して左右方向に往復移動させることができ、横ずれ等が生じることなく駆動することができる。また、クランクアーム 43 ·43を連結した状態では、平面視で点対象の位置に配置されるため、同一部品を使用することが可能となり、部品の種類を減少し、コスト低減化が図れ、組立も容易に行うことができる。

産業上の利用可能性

このように構成した揺動選別装置は、穀粒、特に、米の選別に利用される力その他、麦やそば等の穀類や大豆や小豆等の豆類の選別に有用であり、更に、肥料や薬剤等の粒剤や加工原料となる粒状物等の選別にも有用である。

Claims

請求の範囲

[1] 機台上に二つの選別ユニットを配置し、一つの駆動部により、二つの選別ユニットを駆動する構成であって、該選別ユニットはレール上を左右に移動して揺動可能とするとともに、左右の選別ユニットを左右略対称に配置し、該左右の選別ユニットの間に揺動駆動部を配置したことを特徴とする揺動選別装置。

[2] 前記二つの選別ユニットを互いに逆方向に駆動することを特徴とする請求項 1に記載の揺動選別装置。

[3] 機台上に二つの選別ユニットを配置し、一つの揺動駆動部により、二つの選別ュニットを駆動する構成であって、前記揺動駆動部を構成するアーム端部と選別ユニットとの連結部を、選別ユニットの内方に配置したことを特徴とする揺動選別装置。

[4] 前記左右の選別ユニットと揺動駆動部を連結する左右のアームを駆動軸の軸心方向に折り曲げ形成し、左右のアームと選別ユニットの連結部を平面視で駆動軸と直角な同一線上に配置したことを特徴とする請求項 3に記載の揺動選別装置。

[5] 前記揺動駆動部は駆動軸と偏心カムとクランクアームを備え、該揺動駆動部の左右のクランクアームと選別ユニットとの取付部のブラケットは平面視で点対称に配置したことを特徴とする請求項 1に記載の揺動選別装置。

[6] 機台上に左右二つの選別ユニットを配置し、機台上に設けたレール上に選別ュニットのベース台を左右揺動させて選別する構成であって、該ベース台上に複数の選別板を搭載し、各選別板の中央に分離壁を設けて、各選別板で二セクションの選別を可能としたことを特徴とする揺動選別装置。