明 細 書
血管内皮細胞の増殖抑制 ·管腔形成阻害方法
技術分野
[0001] 本発明は血管内皮細胞の増殖を抑制する、および/または管腔形成を阻害する 機能を有する希少糖およびそれと同様の機能を有する単糖に関わる技術に関するも のである。
背景技術
[0002] 血管新生は血管が新たに増生する現象であり、脊椎動物の胎生期における循環器 系の形成や、組織形成に関与するば力りでなぐ成熟個体の性周期における黄体形 成、胎盤形成などに関与する。一方、これら正常の血管新生以外に、慢性炎症、糖 尿病性網膜症、又は加齢黄斑変性症等視力を奪う重大な疾患や固形腫瘍の増殖、 慢性関節リューマチの特に関節腔内におけるパンヌス形成、又は関節症における滑 膜の増殖時に病的血管新生が認められ、疾患の進展に深く関与している。したがつ て、これらの病的な血管新生を阻害することが、これらの疾患の治療につながる可能 十生がある。
[0003] 血管腔の内腔を被覆する細胞を血管内皮細胞と呼んでいるが、血管内皮細胞が 成長因子や生理活性物質または物理的損傷などの刺激を受けて、分化'増殖するこ とによって、血管新生が行われる。直接又は間接的に血管内皮細胞の増殖を刺激す る成長因子として、血管内皮細胞増殖因子 (VEGF)や線維芽細胞増殖因子 (FGF )等多くの因子が知られている。内皮細胞の管腔形成の過程は血管新生の過程の一 つであり、血管新生を阻害する物質としては、サイト力インなどのペプチドや蛋白質、 微生物二次代謝産物などが知られており、これらの物質が内皮細胞の管腔形成を阻 害している可能性が示唆されている (非特許文献 1)。また、血管新生阻害剤としてフ マギリンおよびその誘導体 TNP— 470、抗 VEGF抗体、ある種の VEGF受容体キナ ーゼ阻害剤、エンドスタチン等の数多くの化合物が研究開発され、ヒトでの臨床試験 が進んでいる(非特許文献 2)。これらの中でもフマギリンおよびその誘導体 TNP— 4 70の血管内皮細胞増殖阻止作用は強いとされているが、血管内皮細胞特異性は
未だ充分とはレ、えなレ、ため、満足できる血管新生抑制剤とはいえなレ、。
非特許文献 1 :寺野紘細胞工学 14, p426-431(1995)
非特許文献 2 :細胞 32 : 108— 112, 2000
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0004] 血管新生は組織の発達時、創傷治癒、ガンの増殖や転移の際に認められる生理 現象のひとつであり、既存の血管から新たな血管が構築される複雑なステップからな り、その全容はいまだ明らかではないが、血管内皮細胞が主要な役割を果たしてい ることは言うまでもなレ、。一方、六炭糖のひとつ、 D -グルコースは生体にとって最も重 要なエネルギー源であり、エネルギー代謝はもとより、様々な生理作用に深く関わつ ている。し力し、同じ分子式 C6H1206をもつへキソースは 24種類が知られているにも かかわらず、その生理作用を比較検討した報告は少なレ、。 D -グルコースの異性体で あるこれらは、 D -グルコースと似た化学構造を有するが故に、生体内で D -グルコース と同様の作用、あるいはその作用を増強したり、抑制したりすることが予想され、病的 な血管新生の阻害に関しても、医薬品'医薬部外品や化粧品、機能性食品への利 用が期待される。
[0005] 本発明者等は、この様な状況のなかで、血管内皮細胞の増殖を抑制する化合物、 内皮細胞の管腔形成を阻害する化合物、特に希少な糖にその活性が存在しないか について検討したものであり、本発明は、血管内皮細胞の増殖、管腔形成を阻害す る作用を示す特定の希少糖およびそれと同様の機能を有する単糖を見いだし該作 用を利用すること、該希少糖を血管新生を伴う疾患の予防若しくは治療剤や化粧品 、機能性食品として提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0006] そこで、本発明者等は血管内皮細胞の増殖や管腔形成におよぼす単糖の効果を 検討した。 20種類のへキソースと、 6種類のへキシトール、 7種類のペントースを用い て作用の比較を行ない、構造活性相関の有無を検討し、創薬の可能性等を探った。 本発明者等は、血管内皮細胞の増殖や管腔形成におよぼす単糖の効果を検討した 結果、特定の希少糖中に、血管内皮細胞の増殖、管腔形成を阻害する作用を示す
化合物を見いだし、およびそれと同様の機能を有する単糖を見いだし、血管新生を 伴う疾患の予防若しくは治療剤や化粧品、機能性食品として本発明を完成したもの である。
[0007] 本発明は、以下の(1)〜(4)の血管内皮細胞の増殖抑制方法を要旨とする。
(1) D-マンノース、 D-ァロース、 2-デォキシ- D-グルコース、 3-デォキシ- D-ダルコ一 ス、 L-ソルボース、 2-デォキシ -D-リボースおよび Zまたは 2-デォキシ -L-リボースに よる血管内皮細胞の増殖抑制効果を利用することを特徴とする血管内皮細胞の増殖 抑制方法。
(2) D-マンノース、 D-ァロース、 2-デォキシ -D-グルコース、 3-デォキシ -D-ダルコ一 ス、 L-ソルボース、 2-デォキシ -D-リボースおよび/または 2-デォキシ -L-リボースお よび/またはその誘導体および/またはその混合物を配合した組成物の形態でそ れらの効果を利用する上記(1)の血管内皮細胞の増殖抑制方法。
(3)上記組成物が、 D-マンノース、 D-ァロース、 2-デォキシ -D-グルコース、 3-デォ キシ- D-グルコース、 L-ソルボース、 2-デォキシ- D-リボースおよび/または 2-デォキ シ -L-リボースおよび/またはその誘導体および/またはその混合物を有効成分とし て配合した甘味料、調味料、食品添加物、食品素材、飲食品、健康飲食品、医薬品
•医薬部外品および飼料からなる群から選ばれる形態のものである上記(2)の血管 内皮細胞の増殖抑制方法。
(4)上記健康飲食品が、病的血管新生を伴う疾患者用飲食品である上記 (3)の血管 内皮細胞の増殖抑制方法。
[0008] 本発明は、以下の(5)〜(7)の、血管内皮細胞の増殖抑制効果を有する組成物を 要旨とする。
(5) D-マンノース、 D-ァロース、 2-デォキシ- D-グルコース、 3-デォキシ- D-ダルコ一 ス、 L-ソルボース、 2-デォキシ -D-リボースおよび Zまたは 2-デォキシ -L-リボースお よび Zまたはその誘導体および Zまたはその混合物を有効成分として配合した、血 管内皮細胞の増殖抑制効果を有する組成物。
(6)上記組成物が、甘味料、調味料、食品添加物、食品素材、飲食品、健康飲食品 、医薬品 ·医薬部外品および飼料からなる群から選ばれる形態のものである上記(5)
の組成物。
(7)上記健康飲食品が、病的血管新生を伴う疾患者用飲食品である上記 (6)の組成 物。
[0009] 本発明は、以下の(8)〜(: 11)の内皮細胞の管腔形成阻害方法を要旨とする。
(8) D-ァロース、 D-アルトロース、 D-グロース、 D-タロース、 L-ァロース、 2-デォキシ- D-グルコース、 3-デォキシ- D-グルコース、 D-リボース、 L-リボース、 2-デォキシ- D- リボースおよび/または 2-デォキシ -L -リボースによる内皮細胞の管腔形成阻害効 果を利用することを特徴とする内皮細胞の管腔形成阻害方法。
(9) D-ァロース、 D-アルトロース、 D-グロース、 D-タロース、 L-ァロース、 2-デォキシ- D-グルコース、 3-デォキシ- D-グルコース、 D-リボース、 L-リボース、 2-デォキシ- D- リボースおよび/または 2-デォキシ -L-リボースおよび/またはその誘導体および/ またはその混合物を配合した組成物の形態でそれらの効果を利用する上記(8)の内 皮細胞の管腔形成阻害方法。
(10)上記組成物が、 D-ァロース、 D-アルトロース、 D-グロース、 D-タロース、 L-ァロ ース、 2-デォキシ- D-グルコース、 3-デォキシ- D-グルコース、 D-リボース、 L-リボー ス、 2-デォキシ -D-リボースおよび/または 2-デォキシ -L-リボースおよび/またはそ の誘導体および/またはその混合物を有効成分として配合した甘味料、調味料、食 品添加物、食品素材、飲食品、健康飲食品、医薬品 ·医薬部外品および飼料からな る群から選ばれる形態のものである上記(9)の内皮細胞の管腔形成阻害方法。
(11)上記健康飲食品が、病的血管新生を伴う疾患者用飲食品である上記(10)の 内皮細胞の管腔形成阻害方法。
[0010] 本発明は、以下の(12)〜(: 14)の、内皮細胞の管腔形成阻害効果を有する組成物 を要旨とする。
(12) D-ァロース、 D-アルトロース、 D-グロース、 D-タロース、 L-ァロース、 2-デォキ シ- D-グルコース、 3-デォキシ- D-グルコース、 D-リボース、 L-リボース、 2-デォキシ- D-リボースおよび Zまたは 2-デォキシ -L-リボースおよび/またはその誘導体および Zまたはその混合を有効成分として配合した、内皮細胞の管腔形成阻害効果を有す る組成物。
(13)上記組成物が、甘味料、調味料、食品添加物、食品素材、飲食品、健康飲食 品、医薬品 ·医薬部外品および飼料からなる群から選ばれる形態のものである上記( 12)の組成物。
(14)上記健康飲食品が、病的血管新生を伴う疾患者用飲食品である上記(13)の 組成物。
本発明は、以下の(15)〜(: 18)の異常な血管新生を抑制する方法を要旨とす
(15) D-マンノース、 D-ァロース、 2-デォキシ- D-グルコース、 3-デォキシ- D-ダルコ ース、 L-ソルボース、 2-デォキシ -D-リボース、および/または 2-デォキシ -L-リボー スによる血管内皮細胞の増殖抑制効果、および/または、 D-ァロース、 D-アルトロー ス、 D-グロース、 D-タロース、 L-ァロース、 2-デォキシ- D-グルコース、 3-デォキシ -D -グルコース、 D-リボース、 L-リボース、 2-デォキシ -D-リボースおよび/または 2-デ ォキシ -L-リボースによる内皮細胞の管腔形成阻害効果、を利用することを特徴とす る異常な血管新生を抑制する方法。
(16) D-マンノース、 D-ァロース、 2-デォキシ -D-グルコース、 3-デォキシ -D-ダルコ ース、 L-ソルボース、 2-デォキシ -D-リボースおよび/または 2-デォキシ -L-リボース および/またはその誘導体および/またはその混合物を配合した組成物、および/ または、 D-ァロース、 D-アルトロース、 D-グロース、 D-タロース、 L-ァロース、 2-デォ キシ -D-グルコース、 3-デォキシ- D-グルコース、 D-リボース、 L-リボース、 2-デォキ シ- D-リボースおよび/または 2 -デォキシ -L -リボースおよび/またはその誘導体お よび Zまたはその混合物を配合した組成物、の形態でそれらの効果を利用する上記 (15)の異常な血管新生を抑制する方法。
(17)上記組成物が、 D -マンノース、 D-ァロース、 2-デォキシ -D-グルコース、 3-デォ キシ -D -グルコース、 L-ソルボース、 2-デォキシ -D-リボースおよび/または 2-デォキ シ- L -リボースおよび Zまたはその誘導体および/またはその混合物、および/また は、 D-ァロース、 D-アルトロース、 D-グロース、 D-タロース、 L-ァロース、 2-デォキシ -D-グルコース、 3-デォキシ- D-グルコース、 D-リボース、 L-リボース、 2-デォキシ- D -リボースおよび/または 2-デォキシ -L -リボースおよび/またはその誘導体および /またはその混合物を有効成分として配合した甘味料、調味料、食品添加物、食品
素材、飲食品、健康飲食品、医薬品 ·医薬部外品および飼料力もなる群から選ばれ る形態のものである上記(16)の異常な血管新生を抑制する方法。
(18)上記健康飲食品が、糖尿病患者用飲食品である上記(17)の異常な血管新生 を抑制する方法。
[0012] 本発明は、以下の(19)〜(21)の、異常な血管新生を抑制する組成物を要旨とす る。
(19) D-マンノース、 D-ァロース、 2-デォキシ- D-グルコース、 3-デォキシ- D-ダルコ ース、 L-ソルボース、 2-デォキシ -D-リボースおよび/または 2-デォキシ -L-リボース および/またはその誘導体および/またはその混合物、および/または、 D-アロー ス、 D-アルトロース、 D-グロース、 D-タロース、 L-ァロース、 2-デォキシ- D -ダルコ一 ス、 3-デォキシ -D-グルコース、 D-リボース、 L-リボース、 2-デォキシ -D-リボースおよ び/または 2-デォキシ -L-リボースおよび/またはその誘導体および/またはその 混合物、を有効成分として配合した、異常な血管新生を抑制する組成物。
(20)上記組成物が、甘味料、調味料、食品添加物、食品素材、飲食品、健康飲食 品、医薬品 ·医薬部外品および飼料からなる群から選ばれる形態のものである上記( 19)の組成物。
(21)上記健康飲食品が、糖尿病患者用飲食品である上記(20)の組成物。
発明の効果
[0013] 本発明の血管新生抑制剤は、血管内皮細胞に対して特異的に増殖抑制効果と血 管内皮細胞の管腔形成抑制作用を示した。このこと力ら、これらの本発明の希少糖 およびそれと同様の機能を有する単糖は、糖尿病性網膜症、又は加齢黄斑変性症 による視力低下および失明、固形腫瘍の増殖、慢性関節リューマチの特に関節腔内 におけるパンヌス形成、関節症における滑膜の増殖等の疾患、又は乾癬等病的血 管新生を伴う疾患に対する治療薬としての利用が期待できる。
本発明によれば、管腔形成を阻害する希少糖および同様の機能を有する単糖、並 びに血管新生を阻害する希少糖および同様の機能を有する単糖を与えることができ 、それらは、医薬や診断薬として有用である。特に、癌、慢性関節リューマチ、糖尿病 性網膜症、など血管新生に関わる疾患の治療剤として有用である。
医薬品 ·医薬部外品のみならず甘味料、調味料、食品添加物、食品素材、飲食品 、健康飲食品、および飼料の形態でそれらの効果を利用することができる。
発明を実施するための最良の形態
[0014] 本発明において用いられるヒト由来血管内皮細胞としては、ヒト試料から採取した細 胞を適当な培地にて培養したものを用いればよい。ヒト由来血管内皮細胞として最も 多く用いられ、また入手が容易であるのは臍帯静脈血管内皮細胞であり、本発明に おいてもこれを用いることが簡便であるが、他の血管由来の細胞でもよい。臍帯静脈 血管内皮細胞、及びその他の血管内皮細胞の単離および培養方法は、当業者に良 く知られており、いずれの方法を用いて得られたものであってもよい。また、臍帯静脈 血管内皮細胞由来の培養細胞は市販されており、これを用いるのが簡便である。
[0015] 本発明の血管新生測定法には、例えば、 2%のゥシ胎児血清を添加した市販の内 皮細胞増殖培地に培地中で継代培養した臍帯由来血管内皮細胞が好適に用いら れ、採取した後、 2代〜 6代継代した細胞が特に好適に用いられる。
[0016] 本発明においてヒト由来の繊維芽細胞としては、ヒト成人皮膚由来の細胞が好適に 用レ、られる。ヒト成人皮膚組織より繊維芽細胞を単離、培養する方法は当業者に良く 知られており、いずれの方法により得られたものであってもよレ、。また、血管内皮細胞 と同様、培養繊維芽細胞は市販されており、これを用いるのが簡便である。
[0017] 本発明の血管新生測定法には、例えば市販のダルべコの改変ィーグノレ培地に 10 %ゥシ胎児血清を添加した培地中で継代培養したものが好適に用レ、られ、採取から 6〜: 10代継代した培養細胞が特に好適に用いられる。
[0018] 次に、本発明で用いた希少糖について説明する。 「希少糖」とは、自然界に微量に しか存在しない単糖と定義づけることができる。 自然界に多量に存在する単糖は、 D ーグノレコース、 D—フラクトース、 D—ガラクトース、 D—マンノース、 D—リボース、 D ーキシロース、 Lーァラビノースの 7種類あり、それ以外の単糖は、 自然界における存 在量が少なく希少糖に分類することができる。また、糖アルコールは単糖を還元して できる力 自然界には D—ソルビトールおよび D—マンニトールが比較的多レ、が、そ れ以外のものは量的には少ないので、これらも本発明に従う希少糖と定義される。こ れらの希少糖は、これまで入手が困難であった力 自然界に多量に存在する単糖か
ら希少糖を生産する方法が開発されつつあり、その技術を利用して製造することがで きる。
以下、これらの単糖の関係を一層容易に理解するために提案されたィズモリング (I zumoring,登録商標、以下省略)に基づき説明をカ卩える (W〇 03/097820参照)。 図 12で示される生産過程と分子構造 (D型、 L型)により、炭素数 4から 6の単糖全て をつないだ連携図がィズモリング (Izumoring)の全体図である。すなわち、図 12から理 解できることは、単糖は、炭素数 4、 5、 6全てがつながつているということである。全体 図は、ィズモリング C6の中でのつながりと、ィズモリング C5の中でのつながりと、ィズ モリング C4の中でのつながりと、 C4、 C5、 C6が全てつながっていることである。この考 え方は重要である。炭素数を減少させるには主に発酵法を用いる。炭素数の異なる 単糖全てをつなぐという大きな連携図であることも特徴である。
炭素数が 6つの単糖(へキソース)のィズモリングは、図 12の下段および図 13に示 すように、炭素数力 つの単糖 (へキソース)は全部で 34種類あり、アルドースが 16種 類、ケトースが 8種類、糖アルコールが 10種類ある。これらの糖は、酸化還元酵素の 反応、アルドース異性化酵素の反応、アルドース還元酵素の反応で変換できることは 、本発明者らの研究を含めた研究で知られている。
しかしながら、これまでの研究では上のグループ、真ん中のグループ、下のグルー プは酵素反応でつながっていなかった。つまり、上のグループに属している D—ダル コース(ブドウ糖)や D—フラクトースは自然界に多量に存在する糖であり安価である 力 これらから希少糖を合成することができなかった。ところが、本発明者らの研究の 過程で、これを結ぶ酵素が発見された。それはガラクチトールから D—タガトースを合 成する酵素を持つ菌の培養液中に、全く予期しなかった D—ソルボースが発見され たことに端を発する。その原因を調べた結果、この菌が D—タガトース 3ェピメラーゼ( DTE)という酵素を産生していることを発見した。
図 12の下段および図 13に示すように、この DTEはこれまで切れていた D—タガトー スと D—ソルボースの間をつなぐ酵素であることがわかる。そしてさらに驚くことに、こ の DTEは全てのケトースの 3位をェピ化する酵素であり、これまで合成接続できなかつ た D—フラクトースと D—プシコース、 L—ソルボースと Lータガトース、 D—タガトース
と D—ソルボース、 L—プシコースと L_フラクトース、に作用するという非常に幅広い 基質特異性を有するユニークな酵素であることが分かった。この DTEの発見によって 、すべての単糖がリング状につながり、単糖の知識の構造化が完成し、ィズモリング( Izumoringjと名付けた。
この図 13をよく見てみると、左側に L型、右側に D型、真ん中に DL型があり、しかもリ ングの中央(星印)を中心として L型と D型が点対称になっていることもわかる。例えば 、 D—グルコースと L—グルコースは、中央の点を基準として点対称になっている。し 力もィズモリング (Izumoring)の価値は、全ての単糖の生産の設計図にもなつているこ とである。先の例で、 D—グノレコースを出発点として Lーグノレコースを生産しようと思え ば、 D—グルコースを異性化→ェピ化→還元→酸化→ェピ化→異性化すると Lーグ ルコースが作れることを示してレ、る。
炭素数が 6つの単糖 (へキソース)のィズモリング (Izumoring)を使って、 自然界に多量 に存在する糖と微量にしか存在しない希少糖との関係が示されている。 D—グノレコー ス、 D—フラクトース、 D—マンノースと、牛乳中の乳糖から生産できる D—ガラクトー スは、自然界に多く存在し、それ以外のものは微量にしか存在しない希少糖と分類さ れる。 DTEの発見によって、 D—グルコースから D—フラクトース、 D—プシコースを製 造し、さらに D—ァロース、ァリトール、 D—タリトールを製造することができるようにな つた。
炭素数が 6つの単糖 (へキソース)のィズモリング (Izumoring)の意義をまとめると、生 産過程と分子構造 (D型、 L型)により、すべての単糖が構造的に整理され (知識の構 造化)、単糖の全体像が把握できること、研究の効果的、効率的なアプローチが選択 できること、最適な生産経路が設計できること、欠落部分について予見できること、が 挙げられる。
ィズモリング C6の D—グルコースは、ィズモリング C5の D—ァラビトールおよびィズ モリング C4のエリスリトールとつながつている。この線は、発酵法によって D—ダルコ ースから D—ァラビトールおよびエリスリトールを生産できることを示している。すなわ ち、ィズモリング C6,ィズモリング C5およびィズモリング C4は連結されている。この連 結は、炭素数の減少という主に発酵法による反応であり、この D—ァラビトールおよび
エリスリトールへの転換反応の二つ以外の発酵法によるィズモリング C6とィズモリング C5, C4との連結は可能である。例えば D—グルコースから D—リボースの生産も可能 である。このように、 3つのィズモリングにより全ての炭素数 4, 5, 6の単糖(アルドース 、ケトース、糖アルコール)が連結されたことで、それぞれの単糖が全単糖の中でその 存在場所を明確に確認できる。本実験においても、六炭糖 (へキソース)のみならず 五炭糖 (ペントース)を 5種類とそのデォキシ体を 2種類の計 7種類を使用し、血管内 皮細胞への効果を検証した。
最も有名なキシリトールは、未利用資源の木質から生産できる D—キシロースを還 元することで容易に生産できることを明確に確認できる。もしも特定の単糖が生物反 応によって多量に得られた場合には、それを原料とした新たな単糖への変換の可能 性が容易に見いだすことが可能である。すなわち、この全体像から全ての単糖の原 料としての位置を確実につかむことができるため、有用な利用法を設計することがで きる。特に廃棄物や副産物から単糖が得られた場合の利用方法を容易に推定できる のである。希少糖の生産分野ば力りではなぐ希少糖の持つ生理活性を探索する研 究においても有効性を発揮する。例えば、ある希少糖に生理活性が判明したとき、図 12で示される連携図の存在位置を確認する。そして構造の近い希少糖に関しての 生理活性との比較、あるいは、構造的に鏡像関係にある希少糖の生理活性を検討す ることで、生理活性の機構を分子の構造力 類推する助けになるであろう。また、希 少糖の生理機能を解析し、ィズモリング上に性質を集積することにより、これまで単純 な羅列的理解から、単糖全体を、「単糖の構造」、「単糖の生産法」、および「単糖の 生理機能」を包括的に理解することに大いに利用できると期待される。
炭素数 4から 6の単糖全てをつないだ連携図がィズモリング (Izumoring)の全体図( 図 12)であり、単糖は、炭素数 4、 5、 6全てがつながつているということが理解できる。 全体図は、ィズモリング C6の中でのつながりと、ィズモリング C5の中でのつながりと、 ィズモリング C4の中でのつながりと、 C4、 C5、 C6が全てつながっている。たとえば、炭 素数が 6つの単糖(へキソース)のィズモリングは、図 12の下段および図 13に示すよ うに、炭素数力 つの単糖(へキソース)は全部で 34種類あり、アルドースが 16種類、 ケトースが 8種類、糖アルコールが 10種類ある。
[0022] 希少糖のうち、現在大量生産ができている D—プシコースという希少糖について説 明する。プシコースは、単糖類の中で、ケトン基を持つ六炭糖の一つである。このプ シコースには光学異性体として D体と L体とが有ることが知られている。ここで、 D—プ シコースは既知物質であるが自然界に希にしか存在しないので、国際希少糖学会の 定義によれば「希少糖」と定義されている。 D—プシコースは、ケトースに分類される プシコースの D体であり六炭糖(C6H1206)である。このような D—プシコースは、自然 界から抽出されたもの、化学的またはバイオ的な合成法により合成されたもの等を含 めて、どのような手段により入手してもよい。比較的容易には、例えば、ェピメラーゼ を用いた手法 (例えば、特開平 6-125776号公報参照)により調製されたものでもよい 。得られた D—プシコース液は、必要により、例えば、除蛋白、脱色、脱塩などの方法 で精製され、濃縮してシラップ状の D—プシコース製品を採取することができ、更に、 カラムクロマトグラフィーで分画、精製することにより 99%以上の高純度の標品も容易 に得ること力 Sできる。このような D—プシコースは単糖としてそのまま利用できるほか、 必要に応じて各種の誘導体として用いることも期待される。
[0023] 次に、 D—ァロースについて説明する。 D—ァロースは、希少糖研究の中で特に各 種生理活性を有することが判明してきた希少糖である。 D—ァロース(D—ァ口へキソ ース)は、アルドース(アルドへキソース)に分類されるァロースの D体であり、融点が 1 78°Cの六炭糖(C6H1206)である。この D—ァロースの製法としては、 D—ァロン酸ラ タトンをナトリウムアマルガムで還元する方法による製法や、また、シェイクワット'ホセ イン ·ブイヤン等による「ジャーナル ·ォブ ·ファンメンテーシヨン ·アンド'バイオェンジ ニアリング」第 85卷、 539ないし 541頁(1993年)において記載されている、 L—ラムノー ス 'イソメラーゼを用いて D—プシコースから合成する製法がある。さらに近年では、 特開 2002-17392号公報に記載されている。 D—プシコースを含有する溶液に D—キ シロース'イソメラーゼを作用させて、 D—プシコース力 D—ァロースを生成する製 法が発明されている。特開 2002-17392号公報に記載されている製法によれば、 D_ ァロースを生成する場合には、未反応の D—プシコースと共に、新たに生成した D— ァロースを含有してレ、る酵素反応液として得られる。
D—ァロースに変換可能な基質を酵素反応で D—ァロースに変換する際に用いる
酵素の種類は限定されないが、 D—プシコース力 D—アロースを生産することがで きる酵素「L—ラムノースイソメラーゼ」を好ましいものとして例示される。 L—ラムノース イソメラーゼは、「ジャーナル ·ォブ ·ファーメンテーシヨン ·アンド '·バイオエンジニアリ ング(Journal of Fermentation and Bioengineering)」第 85卷、 539乃至 541頁(1998年) で発表された公知酵素である。 L_ラムノースから L_ラムニュロースへの異性化反応 ならびに L—ラムニュロースから L—ラムノースへの異性化を触媒する酵素である。 L —ラムノースイソメラーゼは、 D—ァロースと D—プシコースの間の異性化にも作用す るので、 D—プシコースから D—ァロースを生産することができる酵素である。
[0024] 本発明は、血管新生を伴う疾患、例えば糖尿病性網膜症、又は加齢黄斑変性症に よる視力低下および失明、固形腫瘍の増殖、慢性関節リューマチの特に関節腔内に おけるパンヌス形成、関節症における滑膜の増殖等の疾患、又は乾癬等病的血管 新生を伴う疾患などの予防および治療に用いることができる甘味料、調味料、食品添 加物、食品素材、飲食品、健康飲食品、医薬品 ·医薬部外品および飼料に関するも のである。予防剤または治療剤は、これらのみで用いるほか、一般的賦形剤、安定剤 、保存剤、結合剤、崩壊剤等の適当な添加剤を配合し、液剤、カプセル剤、顆粒剤、 丸剤、散剤、錠剤等の適宜な剤型を選んで製剤し、経口的あるいは経腸的に投与す ることができる。投与量は、経口投与の場合、成人に対し D—プシコースとして、 1日 量 0.3〜50g (本発明の他の糖についてはこれに準ずる。以下、 D—プシコースを代 表させて説明する。)を内服するのが好ましいが、年令、症状により適宜増減すること も可能である。前記 1日量の本発明の血糖上昇抑制剤は、 1日に 1回、又は適当な間 隔をおいて 1日 2もしくは 3回に分けて、あるいは食前、食後あるいは食事とともに投 与することが好ましい。
[0025] 本発明の飼料は、家畜、家禽、その他蜜蜂、蚕、魚などの飼育動物のための飼料で あって、 D—プシコースおよび Zまたはその誘導体および/またはその混合物を配 合した組成物が D—プシコースとして飲食品中の炭水化物量 (糖質量)に対して 0. 1 〜50重量%となるように配合されていることを特徴とする。このような飼料を家畜、家 禽、その他蜜蜂、蚕、魚などの飼育動物のための飼料動物に投与した場合、肥満傾 向が緩和される。したがって、本発明の飼料は、ペットの肥満防止、糖尿病防止や、
脂肪付の少ない肉を持つ食用獣肉を得るために有用な飼料である。
[0026] 以上述べたような甘味料、調味料、食品添加物、食品素材、飲食品、健康飲食品、 医薬品 ·医薬部外品および飼料に D—プシコースおよび/またはその誘導体および Zまたはその混合物を配合した組成物の形態で含有せしめる方法は、その製品が 完成するまでの工程で D—プシコースとして 0. 1重量%以上、望ましくは 0. 5重量% 以上含有せしめればよぐ例えば、混和、混捏、溶解、融解、浸漬、浸透、散布、塗 布、被覆、噴霧、注入、晶析、固化などの公知の方法が適宜選ばれる。
本発明の D—プシコースおよび/またはその誘導体および/またはその混合物を 配合した組成物において、 D—プシコースは、組成物中に 0.1〜50重量%含まれるよ うに配合されている。好ましくは 0.5〜30重量%、より好ましくは 1〜10重量%である。 組成物中において、 D—プシコースが 0.1重量%未満だと、血糖値の急上昇の抑制 作用が充分ではない。また、組成物中において、 D—プシコースが 50重量%を越え ると、経済的な意味で好ましくない。以上は D—プシコースを代表として説明したが、 そのほかの希少糖及び同様な機能を有する単糖についてもそれらの特性を生かし つつ同様に用いることができる。
[0027] 本発明の希少糖および同様な機能を有する単糖、誘導体あるいはその薬理的に 許容される塩、又は/及び水和物(以下、本発明の化合物と略す。)の製剤について さらに詳細に説明する。
本発明の血管新生抑制剤の剤型としては、有効成分を医学的に許容される担体、 賦形剤、滑沢剤、結合剤等の添加物を含有する種々の形態、例えば水または各種 の輸液用製剤に溶解させた液剤、散剤、顆粒剤、錠剤、注射剤、坐剤、又は外用製 剤等が、公知の製剤技術により製造できる。本発明化合物を人体用の医薬として使 用する場合にその投与量は、一般的には、成人の経口一日量として 0. l - 100mg 、通常 0. l _ 10mgが適当で、漸減していくのが好ましいことがある。注射による投与 の場合は通常経口の 1Z5量が適当である力 必要に応じて漸減あるいは漸増する こと力できる。また、病巣局所に投与する場合、例えば関節腔内、又は眼球内等に投 与する場合はさらに投与量を減ずることができ、全身に対する作用を減弱させ、有効 に用いることが可能である。またその投与量は患者の症状、年齢、又は体重等により
適宜増減してもよい。
[0028] 本発明の希少な糖および同様な機能を有する単糖を注射で投与する場合、水性 注射剤、水性懸濁注射剤、脂肪乳剤、又はリボソーム注射剤等が好ましい。水性注 射剤、又は水性懸濁注射剤においては、本発明に係る希少な糖、その誘導体あるい はその薬理的に許容される塩を、精製水と混合し、必要に応じて水溶性あるいは水 膨潤性高分子、 pH調整剤、界面活性剤、浸透圧調整剤、防腐剤、又は保存剤など を加え、混合して、必要に応じて加熱しながら溶解乃至懸濁させ、滅菌して注射剤容 器に充填密封し、水性注射剤、又は水性懸濁注射剤とする。水性注射剤は、静脈内 、皮下、筋肉内、皮内、又は関節腔内等に投与することができる。また、水性懸濁注 射剤は皮下、筋肉内、皮内、又は関節腔内等に服用することができる。また経口でも 投与すること力 Sできる。
[0029] 水溶性あるいは水膨潤性高分子としては、ゼラチン、セルロース誘導体、アクリル酸 誘導体、ポビドン、マクロゴール、ポリアミノ酸誘導体、又は多糖体類が好ましぐゼラ チン類では精製ゼラチンが好ましぐセルロース誘導体では、メチルセルロース、ヒド ロキシプロピルメチルセルロース 2910、ヒドロキシプロピルメチルセルロース 2208、ヒ ドロキシプロピルメチルセルロース 2906、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒ ドロキシプロピルセルロース、カルメロースナトリウム、アクリル酸誘導体として、ァミノ アクリルメタアタリレートコポリマー、メタアクリル酸コポリマー、ポリアミノ酸誘導体とし ては、ポリリジン、ポリグルタミン酸が好ましレ、。多糖体としては、ヒアノレロン酸、デキス トラン、又はデキストリンが特に好ましい。水溶性あるいは水膨潤性高分子の添加量 は、エスタレチン、その誘導体、あるいはその薬理的に許容される塩の性質、量、並 びに水溶性あるいは水膨潤性高分子の性質、分子量、適用部位によって異なるが概 ね製剤全量に対し、 0. 01 %乃至 10%の範囲で使用可能である。
[0030] pH調整剤には、人体に無害な酸あるいはアルカリが用いられ、界面活性剤には、 非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤が用いられる。ま た、浸透圧調整剤には、塩化ナトリウム、ブドウ糖等が、防腐剤にはパラベン類が、保 存剤にはァスコルビン酸や亜硫酸塩類が例示される。これらの使用量は、特に限定 はないが、その作用がそれぞれ発揮できる範囲で用いることができる。また、必要に
応じ塩酸プロ力イン等の局所麻酔剤、ベンジルアルコール等の無痛化剤、キレート剤 、緩衝剤、あるいは水溶性有機溶剤等をカ卩えてもよい。
[0031] 脂肪乳剤は適当な油脂に乳化剤と希少糖、その誘導体、あるいはその薬理的に許 容される塩を配合し、精製水を加えて、必要に応じて水溶性あるいは水膨潤性高分 子、 pH調整剤、界面活性剤、浸透圧調整剤、防腐剤、又は保存剤などを加え、適当 な乳化装置で乳化し、滅菌して注射剤容器に充填密封することによって調製される。
[0032] 本発明化合物からなる経口用製剤としては本発明化合物を主剤とする剤型として は例えば錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤や、溶液剤、シロップ斉 lj、エリキシル剤、又 は油性ないし水性の懸濁液等を投与法に応じ適当な製剤を選択し、通常の賦形剤、 滑沢剤、結合剤等の添加物と共に、公知の製剤技術により製造できる。
固形製剤としては活性化合物とともに製剤学上許容されている添加物を含み、例え ば充填剤類や増量剤類、結合剤類、崩壊剤類、溶解促進剤類、湿潤剤類、又は潤 滑剤類等を必要に応じて選択して混合し、製剤化することができる。
また外用製剤として溶液剤、懸濁液、乳濁液、軟膏、ゲル、クリーム、ローション、及 びスプレー等を例示できる。
[0033] 本発明の血管内皮細胞の増殖抑制効果を有する代表化合物である D-マンノース 、 D-ァロース、 2-デォキシ- D-グルコース、 3-デォキシ- D-グルコース、 L-ソルボース 、 2 -デォキシ -D -リボース、 2 -デォキシ -L-リボース、および/または内皮細胞の管腔 形成阻害効果を有する代表的な化合物である D-ァロース、 D-アルトロース、 D-グロ ース、 D-タロース、 L-ァロース、 2-デォキシ- D-グルコース、 3-デォキシ- D-ダルコ一 ス、 D-リボース、 L-リボース、 2-デォキシ -D-リボースおよび/または 2-デォキシ -L- リボースは、アルドへキソース、ケトへキソース、へキシトール、アルドペントースであり 、その面からヒトに投与できる安全性の高い化合物である。
[0034] 医薬品'医薬部外品や食品等の開発において最も重要で大きなハードルは新規物 質としての希少糖の安全性の検証である。変異原性、生分解度試験および 3種類の 急性毒性試験 (経口急性毒性試験、皮膚一次刺激試験、眼一次刺激試験)が最も 基本的な安全性試験として定められている。希少糖は微量ながらも自然界に存在す る単糖であるので、安全であろうとの予想はできるものの、きちんとした検証が必要で
ある。我々は希少糖のうち D -プシコース、 D -アロース、ァリトールの 3種に対し、基本 部分の安全性試験を指定機関に依頼し実施した。その結果、どの希少糖もその安全 性にぉレ、て問題がなレ、ことが確認された。
[0035] 本発明の詳細を実施例で説明する。本発明はこれらの実施例によって何ら限定さ れることはない。
実施例 1
[0036] 六炭糖のひとつ、 D-グルコース(D-glucose)は生体にとって最も重要なエネルギー 源であり、エネルギー代謝はもとより、様々な生理作用に深く関わっている。しかし、 同じ分子式 C H 0をもつへキソースは 24種類が知られているにもかかわらず、その
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生理作用を比較検討した報告は少なレ、。 D-glucoseの異性体であるこれらは、 D-gluc oseと似た化学構造を有するが故に、生体内で D-glucoseと同様の作用、あるいはそ の作用を増強したり、抑制したりすることが予想される。
今回人臍帯静脈内皮細胞 (HUVEC)の増殖と管腔形成に及ぼす単糖類の効果の 比較検討を実施した。 検討した糖の種類と略号は以下の通りである。
アルドへキソース 15種
D-グルコース (G)2, D-マンノース (MAN)3, D-ァロース (A)l, D-ガラクトース (GAL)3, D-アルトロース (ALT)l, D-グロース (GUL)2, D-タロース (TAO)4, L-グルコース (LGL )4, L-マンノース (LMA)2, L-ァロース(LAL)2, L-ガラクトース (LGA)6, 2-deoxy-D-グ ルコース (2DG)2, 3-deoxy-D-グルコース (3DG)2, 6_deoxy_D-ガラクトース (DFU)2, 6 -deoxy-L-ガラクトース (LFU)2
ケトへキソース 5種
D-フラクトース (F)2, D-プシコース (P)l, D-タガトース (TAG)2, D_ソルボース (DSO)4 , L-ソルボース(SOR)3
へキシトール 6種
ァリトーノレ (ALL)1, D-マンニトール (MAL)2,ダルチトール(=ガラクチトール: DUL)3 , D-タリトール (TAL)l, D-ソルビトール (SOL)2, L_ィディトール (LIL)7
アルドペントース 7種
D-リボース (RIB)3, D-ァラビノース (ARA)l , D-リキソース (LYX)5, D-キシロース (XY L)2, L-リボース(LRI)2, 2- deoxy- D-リボース (DRI)4, 2- deoxy-L-リボース (LDR)2 これらは香川大学希少糖研究センター 1、 SIGMA2, WAK03、 ICN Biochemical, 東 ィ匕成 5、 Avocado Research Cnemicals Ltd.り、 Ί oronto Research Chemicals丄 nc.7 より入手して 400mMの生理食塩水水溶液とし、適宜希釈して最終濃度 0.1〜20mM になるよう培養液に添加した。
血管内皮細胞の増殖因子 [Vascular endothelial growth factor A (VEGF)〕は KUR ABO社より購入した。
[0037] 《増殖実験》
ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)はクラボウ (Kurabo Co. Osaka, Japan)より初代培 養細胞を購入し、 P8までを実験に用いた。 96穴プレートに 3000cells/wellで播種し、 HumediaEG2(Kurabo)中で一晚静置(37°C,5% C02)。翌朝、メディウムを 2%FBS含 有 HumediaEB2(Kurabo) 90 μ Lに置き換え、添加剤 10 μ Lを加えて 48時間後の細胞 数を計測した。この間メディウム交換は行わなレ、。計測はテトラゾリゥム塩 WST— 8を 各ゥエルに添加し (0.5mM)、その 2時間後の吸光度(450nm)を測定することにより行 つた。添加したテトラゾリゥム塩は細胞内脱水素酵素により還元され、ゥエル中の細胞 数に応じてホルマザンを生じる。これの 450 nmの吸光度がゥヱル中の細胞数 500 _ 12000個の範囲で直線性を示すことを予め確認した。
[0038] 《管腔形成実験》
24穴プレートに植え込んだヒト血管内皮細胞と線維芽細胞の共培養系(Kurabo Co . Osaka, Japan) を用い、管腔形成初期段階に種々の添加物を含む培養液に置き換 えた。 3 日毎に添加物共にメディウム交換を行レ、、培養 10 日後、 mouse anti-human CD31 fi (Kurabo Co. Osaka, Japan)、 goat anti-mouse Ig Ak し onjugate (Kura bo Co. Osaka, Japan) , BCPI (5_bromo - 4_cnloro - 3 - indolyl phosphate) (Kurabo Co. Osaka, Japan)を用いて内皮細胞のみを染色 '撮像した。視覚化された管腔の面積を NIHイメージソフトウェアで計測した。
[0039] 《増殖実験の結果》
コントロール群は、メディウム交換の 0, 24, 48時間後において、細胞数が不変〜微 増であった。 48時間後の血管内皮細胞増殖因子 VEGF添加群(lOng/mL)は、コント ロール群に比べ細胞数が 1.7 土 0.5倍に増えていた。 D -グルコース添加群は 1 , 5, 10, 20mMにおいてコントロール群との間に差を認めなかった。
検討した 33種類中 7種の糖に濃度依存性の抑制効果がみられ、 26種には効果が なかった (図 1)。抑制効果を確認できたのは MAN, A, 2DG, 3DG, SOR, DRI, LDRで ある。このうち、 2DGを除く 6種は、その potencyに大きな差がなぐ濃度依存性を示し 、 20 mMにおける抑制はコントロール群に対し 40— 80%であった。 2DGのみは lm Mから 70%という強い抑制を示した。これらの糖に VEGFを共存させた場合には、 V EGF無添加のものよりも細胞数が増える傾向にあった力 VEGF単独で作用させた 場合と比べると糖の濃度に依存的な抑制が見られた (図 2)。
抑制のメカニズムを考えるため、この効果が D-グルコースによって拮抗されるかどう かを検討した。 20mMの D-グルコースを共存させた場合には MAN, A, 3DGの抑制 効果が拮抗された。
しかし 2DG, SOR, DRI, LDRは拮抗されなかった (図 3)。
《管腔形成実験の結果》
10ng/mLの VEGF添加群はコントロール群に比べ、管腔面積が 2.8 ± 0.6倍に増え ていた。検討した 33種中、 11種の糖に抑制効果が見られたが 22種には効果がなか つた (図 4)。抑制効果を確認できたのは A, ALT, GUL, TAO, LAL, 2DG, 3DG,RIB, L RI, DRI, LDRである。増殖抑制を示した MAN, SORは管腔形成には影響しなかった 。増殖には影響しないが管腔形成を抑制したものが ALT, GUL, TAO, LAL, RIB, LR Iである。これらは全て濃度依存的な抑制を示し、 A, ALT, GUL, 2DG, RIB, LRI, DR I, LDRについては VEGFによる亢進も抑制することを確かめた (図 5)。
抑制の強度は A, ALT, GUL, TAO, LAL, 3DG, RIB, LRI が同程度であり、 20mM において 50-80%の抑制であった。 DRIと LDRは ImMでは 20%程度の抑制であった 力 2.5mMでは 95%以上の強い抑制が見られた。 2DGの阻害はさらに強ぐ O.lmM で 70%、 0.5mMで 95 %であった。 20mMの D -グルコースを共存させた場合の効果 を A, ALT, GUL, LAL, 2DG, 3DG, RIB, LRI, DRI, LDRについて検討した。これらの
糖のうち、抑制作用が拮抗されたのは LALと 2DGであり、それ以外は明瞭な効果は見 られなかった (図 6)。
実施例 2
実施例 1で使用した糖に L-フラクトース〔L_fructose (LFR)〕、 L_プシコース〔L_psico se (LPS)〕、 L-タガトース0^&§&1(^ (し丁八)〕を追加して同様の実験を実施した。実 験方法は実施例 1に記載したとおりである。
検討した糖類の名称と略号は次の通りである。
アルドへキソース
D-glucose Gし U D_ma皿 os6 MAN
D_ailos6 ALO D - galactose GAL
D—altrose ALT D-gulose GUL
D - talose TA〇 L— glucose LGL
L-mannose LMA L-allose LAL
L一 galactose LGA 2 - deoxy - D - glucose 2DG
3 - deoxy - D - glucose 3DG 6 - deoxy - D - galactose DFU
6 - deoxy - L - galactose LFU =D-fucose
ケトへキソース
D— fructose FRU D-psicose PSI
D—tagatose TAG D— sorbose DS〇
L一 fructose LFR L - psicose し PS
L-tagatose し L-sorbose SOR
へキシトーノレ
allitol ALL D-mannitol MAL
dulcitol= galactitol DUL D— tallitol TAL
D-sorbitol SOL L-iditol LIL
ァノレドペントース
D-ribose RIB D_arabinose ARA
D-lyxose LYX D— xylose XYL
L-ribose LRI 2_deoxy_D_ribose DRI
2-deoxy-L-ribose LDR
図 7は HUVECの増殖に及ぼす単糖の影響(48時間)を示す図面、図 8は HUVE Cの管腔形成に及ぼす単糖の影響(10日培養)を示す図面である。これらのうち実施 例 1に対する追加データはグラフ中段、ケトースの棒グラフである。 FRU:D-fructose, PSI:D-psicose, TA :D-tagatose, DsOiD-sorbose, LFR:L-fructose, LPS:L_psicose, LTA:L-tagatose, SOR:L- sorboseの 8種類のケトへキソース中 SORが増殖抑制を示 した以外、顕著な効果は見られなかった。
増殖に影響を与えたのは MAN, ALO, 2DG, 3DG, SOR, DRI, LDRの 7種であり、全 てに抑制効果が認められた。 2DGは作用は特に強かった。
管腔形成に影響を与えたのは ALO, ALT, GUL, TAO, LAL, 2DG, 3DG, RIB, LRI, DRI, LDRの 11種であり、全てに抑制効果が認められた。 DRI, LDRの作用が強ぐ 2 DGはさらに強かった。
実施例 3
[0042] 《血管内皮細胞へのグノレコース取り込み実験》
単糖類の生理作用の多くは、 D-glucoseとの構造の類似性に起因すると思われるが 、その機序のひとつとして、グノレコース代謝への影響が考えられる。そこで、代謝に及 ぼす影響を検討するため、 FRU,ALO, PSI, ALL, 2DG, MAN, GALについて HUVEC の glucose uptakeに及ぼす効果を検討した。 14C_glucoseを培地中に加え、シンチレ ーシヨンカウンターで 48時間後の取込量を計測した。
[0043] 《実験方法》
HUVEC 12000cells/wellで 24well plateに播種する。 Mediumは Humedia EB2 +2%F BS 400 μ L中でー晚静置した。翌日 14C_glucoseを添加した培地に置き換えた。置き 換え量としては、 14C- glucose含有 medium 360 μ L + saline/VEGF 20 μ L + saline/R S 20 μ Lの total 400 μ L/wellとした。
14C-glucose 100Bq/ μ L salineの原液を 2%FBS含有 medium (glucose freeまたは lo w glucose)で 10倍希釈して lOBq/ μ Lの培地を調整した。
最終濃度 [GLU]=0.1mMの低グルコース培地と [GLU]=4.5mMの高グルコース培
地にて実験を行った。 C-glucoseは 3600Bq/well添加した。
さらに Medium中に、添加物として FRU:D-fructose , ALO:D-allose, PSI:D-psicos e, ALL:allitol, 2DG:2-deoxy glucose, MAN:D-mannose, GAL: D-galactose-¾r20m M(2DGのみは 2mM)加えた。 VEGF (10ng/mL)による増殖刺激も行った。
48時間後、 PBSで 2回洗浄後、 2%トリトン 200 x Lをカロえ、 180 Lをシンチレーシヨン カウンターのサンプルとした。
[0044] 《実験結果》
14C-glucoseの HUVEC細胞への取り込みのカウント値力ら wellごとの取込量を nmo/w ell単位で計算し、グラフ化した。低グノレコース培地での結果を図 9に、高グルコース 培地での結果を図 10に示す。
その結果、どちらの培地においても ALO, 2DG, MANに取込(glucose uptake)の阻 害作用が見られ、その他の糖には効果が見られな力 た。また、 VEGFは取込(gluco se uptake)を亢進したが同じく ALO, 2DG, MANにより阻害を受けた。これらの結果は 先の増殖に及ぼす効果と一致し、増殖阻害は、エネルギー源である D-glucoseの取 込阻害に起因すると考えられた。
[0045] 《考察》
ペントースやへキソースは溶液中で鎖状、ビラノースまたはフラノースの環状構造の いずれかで存在するとされている力 環状構造はさらにひ、 βのァノマー異性体それ ぞれについて椅子型、ボート型、平面型、封筒型やその中間構造など多様な構造を とることができる。今、もっとも大量に存在するイス型ビラノース構造について考えるこ とにする。 D-グルコースにつレ、て 4つの構造を図 11に示した。
D-ダルコースの場合、水溶液中ではイス型 C lformがほとんど 100%を占めてレ、る 。 D-グノレコースは増殖阻害も管腔形成阻害もおこさなレ、が、 2- deoxy- D-グノレコース,
3_deoxy_D-グルコースは両方を阻害する。これらと D -グルコースの構造上の違いは 、 D-グルコースにおける C2または C3の equatorial位の水酸基が水素原子に置換さ れている点のみである。従って、「1. C2または C3の equatorial位の水素原子」が阻害 活性発現の必要条件であると思われる。検討を加えた 33種の糖の内、報告されてい る安定ビラノース構造において「C2の equatorial位の水素原子」を有するもの力 S、 D_
マンノース、 2-deoxy-D-グルコース、 2- deoxy- D-リボース、 2- deoxy- L-リボース、 D —ァノレトロース、 D—タロース、 D—リボース、 L-リボース、 L—マンノース、 D-リキソース。 「 C3の equatorial位の水素原子」を有するものが D-ァロース、 3-deoxy-D -グルコース、 D-アルトロース、 D-グロース、 L-ァロース、 D-リボース、 L-リボースである。これらは 阻害活性の見られた糖 13種について、 L -ソルボースを除く全てをカバーする。
L -ソルボースは阻害活性の見られた糖の中、唯一のケトースである。 4種のケトへキ ソースにおける最安定構造は、フルクトースとプシコースはひ- 1C,タガトースとソノレ ボースは iS -Cl構造であるとされている力 S、この構造において、ソルボースの引き起 こす l,3-diaxial interactionは最小である。一般にケトへキソースがビラノース構造を とる場合には、 1位の炭素原子に水酸基とヒドロキシメチル基の両方が存在し、 1,3-di axial interactionを生じやすい。アルドースの場合は一方が水素原子であるから、ケト ースよりもアルドースの方が l,3-diaxial interactionを起こしにくレヽといえる。阻害活性 の見られた糖はソルボースを除レ、て全てアルドースであったこと、ソルボースはケトー ス中 1,3-diaxial interactionがもっとも少ない糖であること、を考え合わせると、「2. 1,3 -diaxial interactionが少ないこと」も活性発現の必要条件といえる。
また、表に示したように、阻害活性の見られた糖は、フラノースゃアルデヒド構造をと る割合が高い。 「3.フラノースゃアルデヒド構造の存在」も条件の一つに数えられるか もしれなレ、(表 1)。
へキシトールはこれら 3つの条件のどれも満たすことができなレ、。実際、検討した 6 種類のへキシトールに阻害活性はなかった。
また、 1番目の条件に関連して、「単糖のある炭素に結合した equatorial位の置換基 が水素である」ということは通常、「その炭素に結合する axial位の置換基が水酸基で ある」と言うことと同義であり、 axial位の水酸基は l,3_diaxial interactionの原因となつ て、 2番目の条件に反することになる。しかし、 2 -デォキシ糖や、 3 -デォキシ糖の場 合には、このような axial水酸基を生じることがなレ、。それゆえ、これらのデォキシ糖が 、増殖と管腔形成の両方を阻害した 5種類の糖の中、 4種類を占めているのではない だろう力。
一部、これら 3つの条件で説明のできない糖が存在するものの、大半の糖は、この
条件で活性の有無を判別できた。これらの条件が、活性発現に関わっていることの証 であると考えられる。
[0046] [表 1] m(%) Pira α (%) C1/ 1C Pira j3 C%) C1/1C Fra a (%) Fra β (%)
Idose (未検) 31 ,46 混在 37 C1 16 16
Fructose 28 混在 72 1 C
Psicose 33 C1 67 1 C
Tagatose 89 C I 1 1 C I
Xylose 0. 17 37,33 C I 63 C I
Arabinose 0.28 63,63 1C 34 混在 total 3
Lyxose 0.4 72,71 混在 28 C I
Ribose 8.5 20,26 混在 56 混在 6
(濃い網かけ:増殖抑制、薄い網かけ:管腔形成抑制、反転:両方抑制) レ、くつかの例外はあるが、血管内皮細胞の増殖や管腔形成を抑制する単糖には
1) 2位または 3位の炭素の equatorial位に水素を有する
2) 1,3-diaxial相互作用が少ない構造をとる
という共通構造が確認された。これらは杭がん剤や創傷治癒剤創薬のための基礎的 条件となる可能性がある。
産業上の利用可能性
[0047] 希少糖のあるものは管腔形成を阻害するため、管腔形成阻害剤、さらには血管新 生阻害剤としての効果があり、医薬品'医薬部外品として有用である。特に、癌、慢性 関節リューマチ、糖尿病性網膜症、など血管新生に関わる疾患の治療剤として有用 であると考えられる。
[0048] 希少糖のあるものは、血管内皮細胞に対して特異的に増殖抑制効果と血管内皮細
胞の管腔形成抑制作用を示した。
このことから、これらの本発明の医薬である希少糖は、糖尿病性網膜症、又は加齢 黄斑変性症による視力低下および失明、固形腫瘍の増殖、慢性関節リューマチの特 に関節腔内におけるパンヌス形成、関節症における滑膜の増殖等の疾患、又は乾癬 等病的血管新生を伴う疾患に対する治療薬としての利用が期待できる。医薬品'医 薬部外品のみならず甘味料、調味料、食品添加物、食品素材、飲食品、健康飲食品 、および飼料の形態でそれらの効果を利用することができる。
図面の簡単な説明
[図 1]33種類の単糖の HUVEC増殖に及ぼす効果を示す図面である。 (1)アルドへ キソース(15種)、(2)ケトへキソース(5種) &へキシトール(6種)、(3)アルドペントー ス(7種)。
[図 2]増殖抑制作用を持つ単糖と VEGFの相互作用を示す図である。
[図 3]増殖抑制作用を持つ単糖と 20mM D-グノレコースの相互作用を示す図である
[図 4]33種類の単糖の管腔形成に及ぼす効果を示す図である。 (1)アルドへキソー ス(15種)、(2)へトへキソース(5種) &へキシトール(6種)、(3)アルドペントース(7 種)。
[図 5]管腔形成抑制作用を持つ単糖と VEGFの相互作用を示す図である。
[図 6]管腔形成抑制作用を持つ単糖と 20mM D-グノレコースの相互作用を示す図で ある。
[図 7]椅子型 D-ダルコビラノースの 4構造を示す図である。
[図 8]36種類の単糖の HUVECの増殖に及ぼす単糖の影響(48時間)を示す図面 である。
[図 9]36種類の単糖の HUVECの管腔形成に及ぼす単糖の影響(10日培養)を示 す図面である。
[図 10]FRU,ALO, PSI, ALL, 2DG, MAN, GALについて血管内皮細胞(HUVEC)の gl ucose uptakeに及ぼす効果を検討した結果 (最終濃度 [GLU]=0.1mM )を示す図面 である。
[図 l l]FRU,ALO, PSI, ALL, 2DG, MAN, GALについて血管内皮細胞(HUVEC)の gl ucose uptakeに及ぼす効果を検討した結果(最終濃度 [GLU]=4.5mM )を示す図面 である。
[図 12]ィズモリング(Izumoring)連携図である。
[図 13]図 12の下段のィズモリング C6の説明図である。