WO2005044112A1

WO2005044112A1 - 内視鏡用結紮具及び内視鏡

Info

Publication number: WO2005044112A1
Application number: PCT/JP2004/016688
Authority: WO
Inventors: Kiyotaka Matsuno; Takayuki Suzuki
Original assignee: Olympus Corporation
Priority date: 2003-11-05
Filing date: 2004-11-04
Publication date: 2005-05-19
Also published as: JP2005137477A; US20140088615A1; CN1874730A; US8992548B2; EP1683493A1; EP1683493A4; EP1683493B1; JP4373186B2; CN1874730B; US20060200176A1; KR100808743B1; KR20060132584A

Abstract

食道静脈瘤等の体内組織を結紮する内視鏡用結紮具であって、筒状に形成された外筒部材(3)と、筒状に形成され外筒部材(3)の内部に摺動自在に配された内筒部材(5)と、環状で伸縮自在なOリング(結紮バンド部材)(6)とを備えている。

Description

明細書内視鏡用結紮具及び内視鏡技術分野

本発明は、食道や胃等の体内組織に形成された静脈瘤を結紮する内視鏡用結紮具及び内視鏡に関する。

本願は、 2 0 0 3年 1 1月 5日に出願された特願 2 0 0 3 - 3 7 5 5 2 6号に対し優先権を主張し、その内容をここに援用する。背景技術

食道や胃に形成された静脈瘤に対する治療法として、食道静脈瘤結紮術が、硬化剤を注入する内視鏡的硬化療法とともに併用され、或いは単独で用いられている。この食道静脈瘤結紮術は、内視鏡の先端に装着された筒状の内視鏡用結紮具に静脈瘤を吸引した後、予め装着された Oリングを外して静脈瘤の根元部分に掛け、 Oリングのゴム力によって機械的に静脈瘤を結紮してこれを荒廃させるものである。この内視鏡用結紮具として、例えば、特許第 2 9 5 8 2 1 9号公報の第 1図に開示されているように、内筒と外筒との間に流体を注入して内筒の先端に配設された Oリングを脱落させるものが镌案されている。

また、例えば米国特許第 4 7 3 5 1 9 4号明細書の第 1図や、特表 2 0 0 2 - 5 2 6 1 9 4号公報の第 2図に開示されているように、内視鏡の鉗子チャンネル内に揷通されたワイヤに Oリングを引っ掛けるとともにこのワイヤを引き抜くことによって Oリングを筒状部材の先端から脱落させるものが提案されている。しかしながら、上記第 1の文献（特許第 2 9 5 8 2 1 9号）に係る内視鏡用結紮具は、内視鏡の挿入部に沿って内視鏡用結紮具に流体を供給する供給装置ゃチユーブを装着しなければならず、これらの準備に手間がかかるという問題があつた。また、上記第 2の文献（米国特許第 4 7 3 5 1 9 4号)、第 3の文献（特表 2 0 0 2— 5 2 6 1 9 4号公報）に係る内視鏡用結紮具は、何れも鉗子チャンネル内にワイヤを通さねばならないため、内視鏡的硬化療法を併用して行う際に必要な注射針等を鉗子チャンネルに揷通できないという問題があった。さらに、上記第 2の文献、第 3の文献に記載のものは、組立作業が複雑となってしまうという課題があった。

また、上記第 1の文献、第 2の文献に記載の内視鏡用結紮具は、使用後に内視鏡を体腔内から抜去する必要があるものの、 Oリングのみ、或いは Oリングを装着した内筒のみを交換すればよく大掛かりな準備は不要であるが、上記第 3の文献に記載の内視鏡用結紮具は、 Oリングを全て使用した後は、全ての準備作業を初めからやり直さなければならないという課題があつた。

本発明は、上記事情に鑑みて成されたもので、ワイヤや流体を供給する装置を不要とする簡易な構成で生体組織を結紮することができ手技の簡易化、短時間化を図ることができる内視鏡用結紮具及び内視鏡を提供することを目的とする。発明の開示

本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。

本発明に係る内視鏡用結紮具は、体内組織を結紮する内視鏡用結紮具であって、筒状に形成され、鉗子チヤンネルが形成された内視鏡の挿入部先端に基端が着脱可能とされた外筒部材と、筒状に形成され、前記外筒部材の先端から突出可能にされるとともに前記外筒部材の内部に摺動可能とされた内筒部材と、環状で伸縮自在とされ、前記外筒部材の先端から突出された前記内筒部材の外周面に装着された結紮パンド部材とを備え、前記内筒部材の先端を前記体内組織に当てつけた際、前記内筒部材は、前記鉗子チャンネルを介して前記体内組織を吸引する際の吸引力によって前記外筒部材の基端側に前記外筒部材に対して相対的に移動され、前記外筒部材の先端で前記結紮パンド部材を押出して脱落可能とされている。この内視鏡用結紮具は、上記の構成を備えているので、内筒部材を外筒部材内にはめ込んだ状態で外筒部材を内視鏡揷入部先端に装着して体内組織を吸引した際、この吸引力によって内筒部材先端を体内組織で塞ぐことができる。その結果、体内組織を内筒部材内に引き込むことができる。このとき、体内組織を吸引する圧力によっては内筒部材内に引き込まれた体内組織が内筒部材を外筒部材内に押し込むため、内筒部材自体を外筒部材内に引き込むことができ、相対的に外筒部材の先端が結紮パンド部材を先端側に押し出すこととなつて内筒部材の先端から結紮パンド部材を脱落させることができ、これによつて静脈瘤等の体内組織を結紮バンド部材で結紮することができる。

また、吸引によって内筒部材先端を体内組織で塞いだ後も引き続き吸引を続けると、吸引圧が高まって内筒部材き体を外筒部材内に引き込むことができ、上述と同様に結紮バンド部材を脱落させることができる。

したがって、静脈瘤等の体内組織を内筒部材内に取り込む操作と、結紮バンド部材を脱落させて結紮する操作とを鉗子チヤンネルを介して行う吸引操作によつて行うことができる。この際、内視鏡の挿入部への装着も外筒部材をはめ込むだけなので非常に簡単に行うことができる。さらに、従来のように鉗子チャンネル内にワイヤ部材を備える必要がなくなるので、結紮操作時でも注射針等の他の処置具を鉗子チヤンネルに挿通しておくことができる。

また、本発明に係る内視鏡用結紮具は、体内組織を結紮する内視鏡用結紮具でめって、

筒状に形成され、鉗子チャンネルが形成された内視鏡の挿入部先端に基端が着脱可能とされた外筒部材と、筒状に形成され、前記外筒部材の先端から突出可能にされるとともに前記外筒部材の内部に摺動可能とされた内筒部材と、環状で伸縮自在とされ、前記外筒部材の先端から突出された前記内筒部材の外周面に装着された結紮パンド部材とを備え、前記内筒部材の先端を前記体内組織に当てつけた際、前記内筒部材は、前記揷入部の前記体内組織への押付け力によって前記外筒部材の基端側に前記外筒部材に対して相対的に移動され、前記外筒部材の先端で前記結紮バンド部材を押出して脱落可能とされている。

この内視鏡用結紮具は、上記の構成を備えているので、内視鏡挿入部先端に装着して体内組織を吸引した状態で内筒部材を体内組織に押付けることによって、内筒部材を外筒部材内に引き込むことができる。したがって、相対的に外筒部材の先端が結紮パンド部材を先端側に押し出してこれを内筒部材の先端から脱落させることができ、これによつて静脈瘤等の体内組織を結紮パンド部材で結紮することができる。

これにより、静脈瘤等の体内組織を内筒部材内に取り込む操作と、結紮パンド部材を脱落させて結紮する操作とを続けて行うことができる。また、従来のようにワイヤ部材ゃ流体供給装置等を備える必要がなくなるので、結紮操作時でも注射針等の他の処置具を鉗子チヤンネルに揷通しておくことができる。

また、体内組織の吸引を結紮バンド部材の脱落とは異なる操作ででき、意図しない結紮パンド部材の脱落を防止することができる。

また、本発明に係る内視鏡用結紮具は、上記の内視鏡用結紮具であって、前記内筒部材の基端側内周面から径方向内方に突出した凸状部が設けられている。この内視鏡用結紮具は、上記の構成を備えているので、体内組織を内筒部材内に吸引したとき、体内組織の表面が凸状部に当接されると体内組織の表面が凸状部を押して内筒部材を外筒部材内に押しこむ力を発生させることができ、内筒部材を外筒部材内により容易に引き込むことができる。したがって、外筒部材の先端で結紮パンド部材を押し出し、内筒部材先端から押出すことができる。

また、本発明に係る内視鏡用結紮具は、上記の内視鏡用結紮具であって、内部と外部とを連通させる連通孔が形成された底部が設けられている。

この内視鏡用結紮具は、上記の構成を備えているので、体内組織を内筒部材内に吸引したとき、体内組織の表面が底部に当接されると体内組織の表面が底部を押して内筒部材を外筒部材内に押しこむ力を発生させることができ、内筒部材を外筒部材内により容易に引き込むことができる。また、体内組織表面が底部に張り付く状態まで吸引したとき、体内組織が連通孔を塞ぐため、底部と体内組織と揷入部先端と外筒部材内面との間で密閉された領域を形成することができる。この際、さらに吸引を続けることによって、この領域が負圧となって内筒部材を外筒部材内により引き込みやすくすることができる。したがって、何れの場合も外筒部材の先端で結紮バンド部材を押し出し、内筒部材先端から押出すことができる。

また、本発明に係る内視鏡用結紮具は、上記の内視鏡用結紮具であって、前記内筒部材が前記外筒部材から脱落するのを防止する脱落防止機構を備えている。この内視鏡用結紮具は、上記の構成を備えているので、外筒部材から内筒部材が抜け落ちて散逸してしまうのを防止することができる。

また、本発明に係る内視鏡用結紮具は、上記の内視鏡用結紮具であって、前記内筒部材と前記外筒部材との隙間に、摺動摩擦を調整する封止剤が配設されている。

この内視鏡用結紮具は、上記の構成を備えているので、内筒部材と外筒部材との摩擦抵抗を減らして体内組織を内筒部材に引き込む程度の吸引圧で結紮パンド部材の脱落を行うことができ、逆に、摩擦抵抗を高める封止剤を使用することで内筒部材の外筒部材からの脱落を防止することができる。また、内筒部材と外筒部材との間の隙間を埋めて気密性を高めることができる。

また、本発明に係る内視鏡用結紮具は、上記の内視鏡用結紮具であって、前記外筒部材と前記内筒部材とがともに透明部材で構成されている。

この内視鏡用結紮具は、上記の構成を備えているので、広い視野を確保することができ、病変部へのアプローチを容易にすることができ、確実な結紮処置を行うことができる。

また、本発明に係る内視鏡用結紮具は、上記の内視鏡用結紮具であって、前記結紮パンド部材が係合可能な係合溝が前記内筒部材の外周面に形成されている。この内視鏡用結紮具は、上記の構成を備えているので、結紮操作時以外の際に、結紮パンド部材が内筒部材から容易に脱落してしまうのを抑えることができる。本発明に係る内視鏡は、可撓性の揷入部と、前記揷入部内を貫通する鉗子チヤンネルと、

前記鉗子チャンネルの基端側に接続されて前記揷入部の先端外方の領域を吸引可能な吸引源と、前記揷入部の先端に上記本発明に係る内視鏡用結紮具とを備えている。

この内視鏡は、上記の構成を備えているので、吸引源によって鉗子チャンネルを介して吸引することができ、内筒部材を外筒部材の基端側に引き込む方向に相対的に移動して外筒部材の先端で結紮パンド部材を押出し、結紮バンド部材による結紮処置を行うことができる。

また、本発明に係る内視鏡は、上記の内視鏡であって、前記吸引源が、前記内筒部材の先端と前記体内組織とを密着させた際、前記体内組織を前記内筒部材内に引き込み、かつ、前記外筒部材に対して前記内筒部材を相対移動可能とする吸引圧を形成可能とされている。この内視鏡は、上記の構成を備えているので、吸引源の吸引圧供給操作によつて、内筒部材への静脈瘤等の生体組織の引き込み操作と、外筒部材に対して内筒部材の移動操作とを行うことができ、静脈瘤等を結紮することができる。

本発明によれば、簡易な構成や方法で生体組織を結紮することができ手技の簡易化、短時間化を図ることができる。図面の簡単な説明

図 1は、本発明の第 1の実施形態に係る内視鏡用結紮具を示す断面図である。図 2は、本発明の第 1の実施形態に係る内視鏡用結紮具とこれを備える内視鏡とを示す一部断面を含む側面図である。

図 3は、本発明の第 1の実施形態に係る内視鏡用結紮具による体内組織の結紮状態を示す説明図である。

図 4は、本発明の第 1の実施形態に係る内視鏡用結紮具による体内組織の結紮状態を示す説明図である。

図 5は、本発明の第 1の実施形態に係る内視鏡用結紮具による体内組織の結紮状態を示す説明図である。

図 6は、本発明の第 1の実施形態に係る内視鏡用結紮具による体内組織の結紮状態を示す説明図である。

図 7は、本発明の第 2の実施形態に係る内視鏡用結紮具を示す断面図である。図 8は、本発明の他の実施形態に係る内視鏡用結紮具を示す断面図である。図 9は、本発明の他の実施形態に係る内視鏡用結紮具を示す断面図である。図 1 0は、本発明の他の実施形態に係る内視鏡用結紮具とこれを備える内視鏡とを示す一部断面を含む側面図である。発明を実施するための最良の形態

本発明に係る第 1の実施形態について、図 1から図 6を参照しながら説明する。ただし、本発明は以下の各実施形態に限定されるものではなく、例えばこれら実施形態の構成要素同士を適宜組み合わせてもよい。

本実施形態に係る内視鏡用結紮具 1は、食道静脈瘤等の体内組織 2 (図 3参照）を結紮する内視鏡用結紮具であって、図 1に示すように、筒状に形成された外筒部材 3と、筒状に形成され外筒部材 3の内部に摺動可能に配された内筒部材 5と、環状で伸縮自在とされ外筒部材 3の先端 3 aカゝら突出された部分の内筒部材 5の外周面に装着された Oリング（結紮バンド部材） 6とを備えている。

また、内視鏡 7は、図 2に示すように、可撓·生の挿入部 8と、揷入部 8の基端に接続された内視鏡操作部 1 0と、揷入部 8内を貫通する鉗子チャンネル 1 1と、鉗子チャンネル 1 1の基端側に接続されて揷入部 8の先端外方の領域を吸引可能な吸引装置（吸引源） 1 2とを備えている。鉗子チャンネル 1 1の基端には、処置具を鉗子チャンネル 1 1内に挿入するための鉗子口 1 3が設けられている。外筒部材 3は、図 1に示すように、透明の硬性樹脂で構成された外筒本体 3 A と、外筒本体 3 Aの基端に接続されるとともに、図 2に示す鉗子チャンネル 1 1 が形成された内視鏡 7の揷入部 8の先端 8 aに着脱可能な軟性の樹脂で構成された装着部 3 Bとを備えている。

内筒部材 5は、先端 5 aが外筒部材 3より先端側に突出して配され、基端側に底部 5 bが設けられ、底部 5 bには内筒部材 5の内部と外部とを連通させる連通孔 5 cが形成されている。

内筒部材 5は、底部 5 bと揷入部 8の先端 8 aとの距離が内筒部材 5の先端 5 aと外筒部材 3の先端 3 aとの距離よりも大きくされて外筒部 3に取付可能とされている。

なお、内筒部材 5の先端 5 aは、体内組織 2との密着性を高めるために丸形状に削られている。

外筒部材 3の内周面には、外筒本体 3 Aの基端から先端 3 a側に向かって軸方向に凹部（脱落防止機構） 3 Cが形成され、内筒部材 5の底部 5 bの外縁に、この M部 3 Cと軸方向にスライド可能に係合される凸部（脱落防止機構） 5 dが設けられている。この凹部 3 Cの長さは、 Oリング 6の脱落を可能とするのに必要な内筒部材 5と外筒部材 3との相対移動距離を確保してそれ以上の移動を制限する長さとされている。

内筒部材 5と外筒部材 3との間には、内筒部材 5が外筒部材 5内を移動しやすいように摺動摩擦を減らして、体内組織 2を内筒部材 5内に引き込む程度の吸引圧で Oリング 6の脱落を行うためのシリコン等の封止剤が塗布されている。

吸引装置 1 2は吸引源として真空ポンプを備え、内筒部材 5の先端と体内組織 2とを密着させ、吸引ボタン 1 O Aを押し込むと図示しない制御部の制御によつて、体内組織 2を内筒部材 5内に引き込み、かつ、外筒部材 3に対して内筒部材 5を相対移動可能とする吸引圧を形成可能とされている。

なお、吸引ボタン 1 0 Aは、 2段階の押し込みを可能とされ、 1段目の押し込みで第 1の吸引圧にて吸引して体内組織 2を内筒部材 5内に引き込み、さらにもう 1段押し込むことによって第 2の吸引圧で吸引し、内筒部材 5を外筒部材 3に対して相対移動させて Oリング 6を脱落可能とされているものでもよい。

次に、本実施形態に係る内視鏡用結紮具 1及び内視鏡 7の操作方法、及び作用 · 効果について、以下、説明する。

まず、底部 5 bが外筒部材 3の基端側となるように内筒部材 5を外筒本体 3 A 内部に揷入するとともに凹部 3 Cと凸部 5 dとを係合させる。そして、内筒部材 5の先端 5 aを外筒部材 3の先端 3 aから突出させ、突出した内筒部材 5の外周面に Oリング 6を装着する。これによつて、内筒部材 5の外筒部材 3に対する移動距離が制限されて内筒部材 5が外筒部材 3に位置決めされる。

続いて、装着部 3 Bを内視鏡 7の揷入部 8の先端 8 aの外周面に被せて内視鏡用結紮具 1を取り付ける。この状態で、内視鏡 7の揷入部 8を食道内に挿入して静脈瘤等の体内組織 2まで移動して、内筒部材 5の先端 5 aを体内組織 2の表面に当てつける。

このとき、図 3に示すように、体内組織 2と内筒部材 5とで囲まれて密閉状態とされた第 1の領域 1 5と、底部 5 bと揷入部 8の先端 8 aと外筒部材 3とで囲まれた第 2の領域 1 6とが形成される。

そして、吸引ポタン 1 O Aを押し込む。このとき、制御部の制御によって吸引装置 1 2の真空ポンプを作動させ、鉗子チャンネル 1 1を介して第 1の領域 1 5 内を負圧にする。

このとき、内筒部材 5の先端 5 aを体内組織 2で塞ぎ、さらに体内組織 2を内筒部材 5内に吸い込む。続いて、図 4に示すように、体内組織 2によって連通孔 5 cが塞がれて第 2の領域 1 6が密閉状態とされ、さらに、第 2の領域 1 6内を負圧にする。この際、図 5に示すように、内筒部材 5が外筒部材 3の基端側に相対移動するのに伴い、内筒部材 5の先端 5 aに装着された Oリング 6が外筒部材 3の先端 3 aによって先端側に押される。

こうして、図 6に示すように、 Oリング 6が内筒部材 5から脱落するとともに、静脈瘤等の体内組織 2を結紮する。

吸引ボタン 1 O Aを解除すると、体内組織 2は内筒部材 5内から離れるが、内筒部材 5は凹部 3 C及び凸部 5 dとによって移動距離が制限されているので、内筒部材 5は外筒部材 3内に収納状態とされている。

再度、他の体内組織を結紮する場合には、ー且揷入部 8を体外へ取り出し、内筒部材 5を外筒部材 3内から突出させて内筒部材 5の先端 5 aに再度 Oリング 6 を装着する、内筒部材 5を外筒部材 3から取り出して Oリング 6が装着された新たな内筒部材 5を外筒部材 3の先端から圧入して取り替える力或いは、新たな内視鏡用結紮具 1と取り替えて、再び上述と同様の操作を行う。

この内視鏡用結紮具 1及び内視鏡 7によれば、静脈瘤等の体内組織 2を内筒部材 5内に取り込む操作と Oリング 6による結紮操作とを吸引装置 1 2の吸引力によって続けて行うことができる。したがって、従来のように鉗子チャンネル 1 1 內にワイヤ部材を備える必要がなくなるので、注射針等の他の処置具を鉗子チヤンネル 1 1に揷通しておくことができ、内視鏡的硬化療法を続けて行うことができる。また、凹部 3 Cと凸部 5 dとによって、 Oリング 6による結紮後.、外筒部材 3から内筒部材 5が抜け落ちて散逸してしまうのを防止することもできる。さらに、外筒部材 3及ぴ内筒部材 5がともに透明なので、広い視野を確保して病変部を含む体内糸且織 2へのアプローチを容易にすることができ、確実な結紮処置を行うことができる。

次に、本発明に係る第 2の実施形態について図 7を参照しながら説明する。なお、上述した第 1の.実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。

第 2の実施形態と第 1の実施形態との異なる点は、第 1の実施形態に係る内視鏡用結紮具 1の内筒部材 5には、基端に揷通孔 5 cが形成された底部 5 bが設けられているとしているが、本実施形態に係る内視鏡用結紮具 1 7の内筒部材 1 8 内周面から径方向内方に突出した凸状部 1 8 bが設けられているとした点である。次に、内視鏡用結紮具 1 7及び内視鏡 7の操作方法、及び作用 '効果について、以下、説明する。

この内視鏡用結紮具 1 7も第 1の実施形態と同様に内視鏡用結紮具 1 7を挿入部 8の先端に装着して体腔内に揷入後、吸引装置 1 2にて体内組織 2を吸引する。この際、吸引装置 1 2の吸引力によって、吸引した体内糸且織 2の表面が凸状部 1 8 bに当接されるまで内筒部材 1 8内に引き込まれる。このとき、体内組織 2の表面が凸状部 1 8 bを介して内筒部材 1 8を外筒部材 3内に押しこむ力を発生させることができる。この力によって内筒部材 1 8を外筒部材 3内により容易に引き込むことができる。したがって、外筒部材 3の先端で Oリング 6を押し出し、内筒部材 1 8の先端 1 8 aから押出すことができる。

なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。

例えば、図 8に示すように、 Oリング 6が係合可能な係合溝 2 0が内筒部材 5 の外周面に形成されているとしてもよい。

この場合、結紮操作時以外の際に、 Oリング 6が内筒部材 5から脱落してしまうのを抑えることができ、結紮操作を安定した状態で行うことができる。

また、凹部 3 C及び凸部 5 dによって内筒部材 5と外筒部材 3との移動距離を制限するだけでなく、内筒部材 5と外筒部材 3との間に摺動摩擦を高めるための封止剤を配設しても構わない。

この場合、内筒部材 5と外筒部材 3との摺動摩擦抵抗が高くなつて、内筒部材 5が外筒部材 3から脱落してしまうのを防ぐことができる。

また、図 9に示すように、底部 5 bや凸状部 1 8 bの無い内筒部材 2 1であつても構わない。

この場合、内筒部材 2 1の先端 2 1 aを体内組織に当てつけて吸引し、体内組織を内筒部材 2 1内に引き込んだ際、さらに吸引を続ける.と吸引圧が高まって内筒部材 2 1自体を外筒部材 3内に引き込むことができ、相対的に外筒部材 3の先端が Oリング 6を内筒部材 2 1の先端 2 1 a側に押し出して内筒部材 2 1の先端 2 1 aから Oリング 6を脱落させることができる。さらに、上記実施形態では、吸引源として内視鏡 7の吸引装置 1 2を使用するとしているが、図 1 0に示すように、先端に鉗子チャンネル 1 1内に挿入可能なチューブ 2 2が接続されたシリンジ 2 3を吸引源としても構わない。

この場合、鉗子チャンネル 1 1と吸引装置 1 2に連通される分岐管 2 5との分岐位置より鉗子チャンネル 1 1の先端側までチューブ 2 2の先端を延ばすことによって、結紮操作時に空気が分岐管 2 5に流れるのを防いでシリンジ 2 3による操作を精度よく行うことができる。

また、内視鏡 7の揷入部 8の先端に内視鏡用結紮具を装着して体内組織 2を吸引した状態で内筒部材を体内組織 2に押付けることによって、内筒部材を外筒部材内に引き込むこともできる。この場合、外筒部材の先端が相対的に Oリング 6 を先端側に押し出す状態とされるので、 Oリング 6を内筒部材の先端から脱落させることができ、これによつて静脈瘤等の体内糸且織を Oリング 6で結紮することができる。

この場合、 Oリング 6の脱落とは異なる操作で体内組織 2を吸引することができ、意図しない Oリング 6の脱落を防止することができる。産業上の利用の可能性

本発明は、食道や胃等の体内組織に形成された静脈瘤を結紮する内視鏡用結紮具及ぴ内視鏡として用いることができる。

本発明によれば、簡易な構成や方法で生体組織を結紮することができ手技の簡易化、短時間化を図ることができる。

Claims

請求の範囲

1 . 体内組織を結紮する内視鏡用結紮具であって、

筒状に形成され、鉗子チヤンネルが形成された内視鏡の挿入部先端に基端が着脱可能とされた外筒部材と、

筒状に形成され、前記外筒部材の先端から突出可能にされるとともに前記外筒部材の内部に摺動可能とされた内筒部材と、

環状で伸縮自在とされ、前記外筒部材の先端から突出された前記内筒部材の外周面に装着された結紮パンド部材とを備え、

前記内筒部材の先端を前記体内組織に当てつけた際、前記内筒部材が、前記鉗子チャンネルを介して前記体内組織を吸引する際の吸引力によって前記外筒部材の基端側に前記外筒部材に対して相対的に移動され、前記外筒部材の先端で前記結紮パンド部材を押出して脱落可能とされている。

2 . 体内組織を結紮する内視鏡用結紮具であって、

筒状に形成され、鉗子チヤンネルが形成された内視鏡の揷入部先端に基端が着脱可能とされた外筒部材と、

前記内筒部材の先端を前記体内組織に当てつけた際、前記内筒部材が、前記揷入部の前記体内組織への押付け力によつて前記外筒部材の基端側に前記外筒部材に対して相対的に移動され、前記外筒部材の先端で前記結紮パンド部材を押出して脱落可能とされている。

3 . 請求項 1又は 2に記載の内視鏡用結紮具であって、前記内筒部材の基端側内周面から径方向内方に突出した凸状部が設けられている。

4 . 請求項 1又は 2に記載の内視鏡用結紮具であって、前記内筒部材の基端に、内部と外部とを連通させる連通孔が形成された底部が形成されている。

5 . 請求項 1から 4のいずれか一つに記載の内視鏡用結紮具であって、前記内筒部材が前記外筒部材から脱落するのを防止する脱落防止機構を備えている。

6 . 請求項 1から 5のいずれか一つに記載の内視鏡用結紮具であって、前記内筒部材と前記外筒部材との隙間に、摺動摩擦を調整する封止剤が配設されている。

7 . 請求項 1から 6のいずれか一つに記載の内視鏡用結紮具であって、前記外筒部材と前記内筒部材とがともに透明部材で構成されている。

8；請求項 1から 7のいずれか一つに記載の内視鏡用結紮具であって、前記結紮パンド部材が係合可能な係合溝が前記内筒部材の外周面に形成されている。

9 . 可撓性の揷入部と、

前記揷入部内を貫通する鉗子チャンネルと、

前記鉗子チャンネルの基端側に接続されて前記揷入部の先端外方の領域を吸引可能な吸引源と、

前記挿入部の先端に請求項 1から 8のいずれか一つに記載の内視鏡用結紮具とを備えている内視鏡。

1 0 . 請求項 9に記載の内視鏡であって、前記吸引源は、前記内筒部材の先端と前記体内組織とを密着させた際、前記体内組織を前記内筒部材内に引き込み、かつ、前記外筒部材に対して前記内筒部材を相対移動可能とする吸引圧を形成可能とされている。