WO2005037457A1

WO2005037457A1 - プレス金型におけるガイドポスト装置の製造方法、ガイド装置、およびガイドポスト装置

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Publication number: WO2005037457A1
Application number: PCT/JP2004/002279
Authority: WO
Inventors: Noriyuki Wada; Takayuki Takatani
Original assignee: Misumi Corporation
Priority date: 2003-10-20
Filing date: 2004-02-26
Publication date: 2005-04-28
Also published as: CN1697711A

Abstract

コストダウンと製造時間の短縮化を図ることができ、ガイドポストの軸線と取付ホルダ底面との直角を容易かつ精度よく得ることができ、ガイドポストの撓みを少なくすることができ、さらにガイドポストと取付ホルダとの一体性を高めることができるようにする。素材を鍛造することによって(図8のS1)、ガイドポストと取付ホルダとが一体の半完成品B-1を得る(図5～図7)。半完成品B-1を機械加工することにより(図8のS2)、ガイドポスト10が所定外径の円柱形状とされ、取付ホルダ11の底面が平坦面に仕上げ加工される(ガイドポスト10の軸線と取付ホルダ11の底面との直角確保)。その後、取付ホルダ11に取付孔11や位置決め孔13が機械加工された後(図8のS3)、ガイドポスト10が例えば高周波焼き入れされ(図8のS4)、ガイドポスト10の外面が例えば円筒研磨される(図8のS5)。完成品としてのガイドポスト10と取付ホルダ11との一体成形品Bが、図2～図4に示される。

Description

明細書プレス金型におけるガイドボスト装置の製造方法、ガイド装置、およびガイドポスト装置技術分野

本宪明は、上金型ホルダと下金型ホルダとの間での相対的な動きをガイドポストを利用してガイドするようにしたプレス金型におけるガイドポスト装置の製造方法、ガイド装置、およびガイドポスト装置に関するものである。背

プレス金型においては、特開平 1 0— 3 0 5 3 3 3号公報、特開 2 0 0 1— 1 2 1 2 2 6号公報に示すように、上下方向に互いに相対運動される上金型ホルダと下金型ホルダとが、ガイドポストを利用してガイドされるのが一般的である。このようなガイドポストを利用したガイド装置にあっては、上下いずれか一方の金型ホルダに対してガイドポスト（の基端部）が固定されると共に、他方の金型ホルダに対して、ガイドポストが摺動自在に嵌合されるガイドホルダを固定される。

ガイドポストを金型ホルダに取付けるつまり固定する場合に、別途取付ホルダを用いる場合がある。すなわち、取付ホルダを取付ボルトを利用して金型ホルダに固定すると共に、取付ホルダに形成されている嵌合孔にガイドポストの基端部がきつく嵌合される。この嵌合状態で、ガイドポストの軸線と略直交する方向に伸ばして配設される抜け止めピンによって、ガイドポストの取付ホルダからの抜けを防止することも行われている。 - 従来、取付ホルダとガイドポストとが別体とされたガイドポスト装置は、次のようにして製造されていた。すなわち、図 1 1に示すように、取付ホルダは、基本的に铸造された铸造品からなり（P 5の工程)、一旦塗装が行われる（P 6の工程で、塗装なしの場合もあり）。この後、機械加工によってその外面が仕上げ加工される（P 7の工程)。そして、最後に、取付ホルダを金型ホルダに固定するための取付ボルトが挿入される取付孔が形成される（P 8の工程で、場合によつては位置決めピンが嵌合される位置決め孔が形成される場合もある）。

—方、ガイドポストは、図 1 1に示すように、炭素鋼からなる素材を荒削りすることにより所定外径の円柱形状に機械加工される（P 1の工程)。この後、高周波焼き入れが行われる（P 2の工程)。そして、最後に、センタレス研磨あるいは円筒研磨が行われる（P 3の工程)。

上記のようにして形成されたガイドポスト（図 1 1の G P) と取付ホルダ（図 1 1の T H) とは、次のようにして組立てられる。すなわち、取付ホルダの嵌合孔にガイドポストの基端部を嵌合させた状態で、抜け止めピン（図 1 1の N P ) によって抜け止めが行われた状態に組立てられる（図 1 1の P 1 1の工程)。この組立体の状態で、取付ホルダの底面（金型ホルダへの着座面—取付面）が平坦面となるように、かつガイドポストの軸線と直角となるように磨き加工される（図 1 1の P 1 2の工程)。そして、ガイドポストの軸線と取付ホルダの底面との直角度合いが検査される（図 1 1の P 1 2の工程)。検査合格であれば完成品とされ、検査不合格であれば、再度 P 1 2の工程が行われることになる。しかしながら、図 1 1を用いて説明した従来のガイドポスト装置の製造方法にあっては、次のような種々の問題点を有していた。すなわち、互いに別体に形成されたガイドポストと取付ホルダとを組み立てる作業が手作業であるため、製造の自動化を図る上で、また製造時間の短縮化を図る上で、さらにはコストダウンを図る上で、大きな阻害要因となっていた。また、ガイドポストの基端部を取付ホルダに嵌合させた場合に、ガイドポストの軸線と取付ホルダの底面とを精度よく直角な関係とするのが難しく、このための取付ホルダの底面磨き加工とその後の直角度合いの検査とに多大の手間を要し、コストアップの大きな原因となっていた。

以上に加えて、使用中に、一方の金型ホルダに取付けられているガイドポストと他方の金型ホルダに取付けられているガイドホルダとの間にかじりを生じた場合、抜け止めピンが折れて、ガイドポストが取付ホルダから強制的に抜け出てしまって、このままプレスを継続したときに、ガイドポストはもとより、プレス金型そのものを損傷させてしまう事態も発生するおそれがあった。また、ガイドポストにその径方向外方側からの外力が作用したときに、ガイドポストが敢付ホルダに対して橈みやすく、プレス加工の加工精度を高めるための障害となっていた。本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その主たる目的は、大幅にコストダウンでき、大幅に製造時間を短縮化することができ、ガイドポストの軸線と取付ホルダの底面との直角を容易力つ精度よく得ることができ、ガイドボストと取付ホルダとの一体性を飛躍的に高めることができ、しかもガイドポストの撓みを少なくできるようにしたプレス金型におけるガイドポスト装置の製造方法おょぴガイドポスト装置を提供することにある。

本発明の別の目的は、上記主たる目的を達成するガイドポスト装置を用いたプレス金型におけるガイド装窻を提供することにある。発明の開示

前記目的を達成するため、本発明の製造方法にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項 1に記載のように、ガイドポストを取付ホルダを介して金型ホルダに取付けるようにしたプレス金型におけるガイドポスト装置の製造方法であって、

素材を鍛造することによって、前記ガイドポストと該ガイドポストの基端部において一体に形成された取付ホルダとを有する一体成形品を形成する第 1工程と、

前記第 1工程の後に、前記一体形成品を機械加工して、少なくとも、前記ガイドポストが所定外径の円柱形状となるように、かつ前記取付ホルダの底面が平坦面となるように仕上げ加工する第 2工程と、

前記第 1工程の後に、前記取付ホルダに、該取付ホルダを金型ホルダに取付けるための取付孔を形成する第 3工程と、

前記第 2工程おょぴ第 3工程の後に、前記ガイドポストを焼き入れ加工する第 4工程と、前記第 4工程の後に、前記ガイドポストの外周面を研磨加工する第 5工程と、を備えているようにしてある。

上記解決手法によれば、基本的に、ガイドポストと取付ホルダとは、鍛造による一体成形品であるので、強固に一体化されており、使用中のかじり等によってガイドポストが不用意に取付ホルダつまり金型ホルダから分離してしまうというような事態が確実に防止される。また、ガイドポストと取付ホルダとの一体性が飛躍的に高まるために、ガイドポストに径方向外方側からの外力が作用したときに、ガイドポストが取付ホルダに対して撓むことが少なくなり、それによりプレス加工の加工精度の向上が期待できる。

また、ガイドポストと取付ホルダとの一体成形品を加工するので、ガイドポストの軸線と取付ホルダの底面とを直角にする加工を容易かつ精度よく行うことができる。そして、ガイドポストと取付ホルダとを組み立てるという手間を要せず、しかも鍛造を行う第 1工程から研磨加工する第 5工程までの全工程を自動化することが可能となるので、全体として大幅なコストダウンおよび製造時間の短縮化を図ることができる。上記解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項 2 〜請求項 8に記載のとおりである。すなわち、

前記第 2工程の後に前記第 3工程を行うようにされている、ようにすることができる（請求項 2対応)。この場合、取付孔を、ガイドポストの軸線に対して平行に精度よく形成する上で好ましいものとなる。前記第 2工程において、前記取付ホルダの底面が、前記ガイドポストの軸線と直角となるように加工される、ようにすることができる（請求項 3対応）。この場合、取付ホルダの底面を平坦に加工するときに、合わせてこの底面をガイドポストの軸線に対して直角に加工できると共に、精度よく直角にする上で好ましいものとなる。前記取付孔が、前記ガイドポストの軸線と TOとなるように形成される、ようにすることができる（請求項 4対応)。この場合、取付孔に挿通される取付ボルトを、ガイドポストの軸線と TOな関係となるようにして、取付ボルトの締め付け力をガイドポストの軸線方向と一致させること、つまりこの締め付け力がガイドポストを傾斜させる方向の力として作用しないようにする上で好ましいものとなる。

【0 0 0 0】

前記第 4工程での焼き入れが、高周波焼き入れとされ、

前記第 5工程での研磨加工が、 '円筒研磨とされている、

ようにすることができる（請求項 5対応）。この場合、焼き入れを、一般的な高周波焼き入れとしつつ円筒研磨を行うことによって、ガイドポストの断面形状の真円度を高める上で好ましいものとなる。前記第 1工程で形成される前記一体成形品における前記取付ホルダが、前記ガィドポストに対する境界部位において、該ガイドポストよりも大径とされた中間段部を有している、よ iうにすることができる（請求項 6対応）。この場合、ガイドポストと取付ホルダとの境界部位に加わる力を、ガイドポストよりも大径の中間段部により効果的に受け止めるようにして、ガイドポストと取付ホルダとの境界部位の強度向上の上で好ましいものとなる。前記第 2工程の後に前記第 3工程を行うようにされ、

前記第 2工程において、前記取付ホルダの底面が、前記ガイドポストの軸線と直角となるように加工され、

前記第 3工程において、前記取付孔が前記ガイドポストの軸線と平行となるように形成され、

前記第 5工程での研磨加工が、円筒研磨とされている、 '

ようにすることができる（請求項 7対応）。この場合、請求項 2〜請求項 4に対応した効果を得つつ、ガイドポストの断面の真円度を高めることができる。前記第 3工程において、前記取付ホ/レダに対して、前記ガイドポストの軸線と 4 002279 平行に伸びて前記金型ホルダに対する位置決めを行うための位置決めピンが嵌合される位置決め孔が機械加工される、ようにすることができる（請求項 8対応)。この場合、位置決め孔をガイドポストの軸線との位置関係で精度よく形成して、一方の金型ホルダに対するガイドポストの軸線を精度よく位置決めした状態でガィドポストを一方の金型ホルダに固定することができる。本発明におけるプレス金型におけるガイド装置にあっては、次のような解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項 9に記載のように、上金型ホルダと下金型ホルダとのいずれ力、一方の金型ホルダにガイドポストが設けられると共に、他方の金型ホルダに該ガイドポストが摺動自在に嵌合されるガイドホルダが設けられたプレス金型におけるガイド装置において、

前記ガイドポストの基端部が、取付ホルダを介して前記一方の金型ホルダに取付けられ、

前記ガイドポストと取付ホノレダとが、銀造品からなる一体成形品として構成されており、

前記取付ホルダの底面を前記一方の金型ホルダに着座させた状態で、該取付ホルダに形成された取付孔に挿入される取付ボルトによって、該取付ホルダが該ー方の金型ホルダに取付けられており、

前記ガイドポストが所定外径の円柱形状となるように機械加工されると共に、該機械加工された後のガイドポストの軸線と直角となるように前記取付ホルダの底面が機械加工されており、

前記前記機械加工された後の前記ガイドポストの軸線に対して平行となるように前記取付孔が形成されている、

ようにしてある。上記解決手法によれば、基本的に、ガイドポストと取付ホルダとは、鍛造による一体成形品であるので、強固に一体化されており、使用中のかじり等によってガイドポストが不用意に取付ホルダつまり金型ホルダから分離してしまうような事態が確実に防止される。そして、ガイドポストと取付ホルダとの一体性が飛躍的に高まるために、ガイドポストに径方向外方側からの外力が作用したときに.、ガイドポストが取付ホルダに対して撓むことが少なくなり、それによりプレス加工の加工精度の向上が期待できる。

また、一体成形品であるので、ガイドポストの軸線と取付ホルダの底面との直角度合いを精度よく得ることができ、ガイドポストによるガイド機能をスムーズに行わせる上で好ましいものとなる。さらに、ガイドポストと取付ホルダ部分のコストが大幅に低減されるので、全体としてのコストダウンを図る上で好ましいものとなる。さらに、取付孔に揷通される取付ボルトを、ガイドポストの軸線と平行な関係となるようにして、取付ボルトの締め付け力をガイドポストの軸線方向と一致させること、つまりこの締め付け力がガイドポストを傾斜させる方向の力として作用しないようにして、ガイドポストによるよりスムーズがガイド機能を得る上でも好ましいものとなる。上記解決手法を前提として、次のような解決手法を合わせて採択することができる。すなわち、

前記取付ホルダに対して、前記機械加工された後のガイドポストの軸線に対して平行となるように位置決め孔が機械加工されており、

前記位置決め孔に嵌合された位置決めピンによって、前記ガイドポストと一方の金型ホルダとの位置決めが行われている、

ようにすることができる（請求項 1 0対応)。この場合、位置決め孔をガイドポストの軸線との位置関係で精度よく形成して、一方の金型ホルダに対するガイドボストの軸線を精度よく位置決めした状態でガイドポストを一方の金型ホルダに固定した状態を得ることができる。本発明におけるプレス金型におけるガイドポスト装置にあっては、次のような解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項 1 1に記載のように、

上金型ホルダと下金型ホルダとのいずれか一方に取付けられて使用されるプレス金型におけるガイドポスト装置であって、

ガイドポストと、該ガイドポストの基端部に構成される取付ホルダとを有し、前記ガイドポストと取付ホルダとが、鍛造品による一体成型品として形成され、前記取付ホルダに、前記一方の金型ホルダに対する取付用となる取付孔が形成され、

前記ガイドポストが所定外径の円柱形状となるように機械加工されており、前記取付ホルダの底面が、前記機械加工された後のガイドポストの軸線に対して直角となるようにが平坦面に加工されており、

前記取付孔が、前記機械加工された後のガイドポストの軸線に対して平行となるように形成されている、 ' ようにしてある。上記解決手法によれば、請求項 1、請求項 3、請求項 4の製造方法によって得られたプレス金型におけるガイドポスト装置が提供され、また請求項 8に記載のプレス金型におけるガイド装置に使用されるガイドポスト装置が提供される。上記解決手法を前提として、次のような解決手法を合わせて採択することができる。すなわち、

前記取付ホルダに、前記機械加工された後のガイドポストの軸線に対して平行となるように、位置決めピンが嵌合される位置決め孔が形成されている、ようにすることができる（請求項 1 2対応)。この場合、請求項 8の製造方法によって得られたプレス金型におけるガイドポスト装置が提供され、また請求項 9に記載のプレス金型におけるガイド装置に使用されるガイドポスト装置が提供される。請求項 1に記載された発明によれば、ガイドポストが取付ホルダつまり金型ホルダから分離してしまう事態が確実に防止される。また、ガイドポストは、その径方向外方側からの外力に対して撓みが少なくなり、プレス加工の加工精度の向上が期待できる。さらに、ガイドポストの軸線と取付ホルダの底面とを直角にする加工を容易力つ精度よく行うことができる。さらに又、大幅なコストダウンおよび製造時間の短縮化を図ることができる。請求項 9に記載された発明によれば、ガイドポストが不用意に取付ホルダつまり金型ホルダから分離してしまうような事態が確実に防止される。また、ガイドポストは、その径方向外方側からの外力に対して撓みが少なくなり、プレス加工の加工精度の向上が期待できる。さらに、ガイドポストの軸線と取付ホルダの底面（つまり金型ホルダへの取付面）との直角度合いを精度よく得ることができ、ガイドポストによるガイド機能をスムーズに行わせる上で好ましいものとなる。さらに又、ガイドポストと取付ホルダ部分のコストが大幅に低減されるので、全体としてのコストダウンを図る上で好ましいもめとなる。以上に加えて、取付孔に揷通される取付ボルトを、ガイドポストの軸線と平行な関係となるようにして、取付ポルトの締め付け力をガイドポストの軸線方向と一致させること、つまりこの締め付け力がガイドポストを傾斜させる方向の力として作用しないようにして、ガイドポストによるよりスムーズなガイド機能を得る上でも好ましいものとなる。請求項 1 1に記載された発明によれば、請求項 1、請求項 3、請求項 4の製造方法によって得られたプレス金型におけるガイドポスト装置が提供され、また請求項 9に記載のプレス金型におけるガイド装置に使用されるガイドポスト装置が提供される。図面の簡単な説明

図 1は本発明によるガイド装置が適用されたプレス金型の一例を示すもので、一部を断面して示す要部側面図。

図 2は図 1に用いられたガイドポスト装置を示すもので、一部を断面して示す拡大側面図。

図 3は図 2の上面図。

図 4は図 2の右側面図。

図 5は鍛造された直後の半完成品を示すもので、図 2に対応した図。

図 6は鍛造された直後の半完成品を示すもので、図 3に対応した図。

図 7は鍛造された直後の半完成品を示すもので、図 4に対応した図。

図 8は本発明によるガイドポスト装置の製造工程例を示す工程図。

図 9はガイドポストの撓みを測定する試験状態を示す図。 04 002279 図 1 0は撓み試験の結果を示す図。

図 1 1は従来のガイドポスト装置の製造工程例を示す工程図。発明を実施するための最良の形態

図 1において、 1は上金型ホルダ、 2は下金型ホルダである。下金型ホルダ 2 には、本発明によるガイドポスト装置 Aが取付（固定）されている。このガイドボスト装置 Aは、ガイドポスト（ガイドポスト部） 1 0と取付ホルダ（取付ホルダ部） 1 1とを有する。ガイドポスト 1 0と取付ホルダ 1 1とは、後述するように、鍛造による一体成形品とされている。そして、ガイドポスト装置 Aは、その取付ホルダ 1 1の底面を下金型ホルダ 2の上面に着座させた状態において、取付ボノレト 3によって取付け（固定）されている。

上金型ホルダ 1には、ガイドホルダ 4が、取付ボルト 5によって取付（固定）されている。ガイドホルダ 4は；ガイドポスト 1 0が摺動自在に嵌合されるガイド孔 4 aを有する。上金型ホルダ 1には、上記ガイド孔 4 aと整合させて、ガイドポスト 1 0が緩やかに嵌合可能な逃げ孔 1 aが形成されている。これにより、ガイドポスト 1 0をガイドとして、上金型ホルダ 1と下金型ホルダ 2とが上下方向にスムーズに相対運動される（実施形態では、一般的な下金型ホルダ 2が固定で、上金型ホルダ 1が上下方向に駆動される）。ガイド装置 Aの詳細について、図 2〜図 4を参照しつつ説明する。まず、鍛造品とされたガイドポスト 1 0と取付ホルダ 1 1との一体成形品が、符号 Bで示される。ガイドポスト 1 0は、鉄系鍛造素材を鍛造した後に、所定外径の円柱形状となるように機械加工される。機械加工後、焼き入れ（例えば高周波焼き入れ）された後、研磨、例えば円筒研磨（円筒研削盤による研磨）が行われて、その断面形状が、円形でかつ所定の外径寸法に精度よく仕上げられる。

一方、ガイドポスト 1 0と一体の取付ホルダ 1 1は、ガイドポスト 1 0との境界部位において、ガイドポスト 1 0の外径よりも大径の中間段部 1 1 aを有する。そして、中間段部 1 1 aよりも下方部分が、下金型ホルダ 2への取付部となる基盤部 1 1 bとされている。基盤部 1 1 bは、実施形態では略長方形状のブロック 9 状とされて、その短片の長さは、中間段部 1 1 aのとほぼ同じ力若干大きくなるように形成されている。なお、基盤部 1 l bの形状は、正方形、円形等、適宜の形状に設定することができるが、一体成形品 Bの中ではもつとも大きい面積を有するように設定される。

取付ホルダ 1 1 (における基盤部 1 1 b ) の底面 1 1 cは、平坦面とされており、前述した研磨後の完成品とされているガイドポスト 1 0の軸線に対して直角とされている。ただし、底面 1 1 cの中心部は、部分的に凹部 1 1 dとされている。

取付ホルダ 1 1には、複数の取付孔 1 2が形成されている。この取付孔 1 2は、前述した研磨後の完成したガイドポスト 1 0の軸線と平行に形成されている。この取付孔 1 2には、前述した取付ボルト 3 (図 1、図 2参照）が揷入されるものである。すなわち、取付孔 1 2に対応させてした金型ホルダ 2に形成されているボルト孔に対して、取付孔 1 2に揷入された取付ボルト 3の先端部が螺合されて、取付ホルダ 1 2つまりガイドポスト装置 Aの下金型ホルダ 2に対する取付けが行われる。

取付ホルダ 1 1には、さらに、複数（実施形態では 2個）の位置決め孔 1 3が形成されている。この位置決め孔 1 3は、ガイドポスト 1 0の軸線に対して、平行かつ所定の位置関係（寸法関係）となるように形成されている。位置決め孔 1 3には、位置決めピン 1 4 (図 1、図 2参照）の一端部がきつく嵌合され、位置決めピン 1 4の他端部は、下金型ホルダ 2に形成された位置決め孔にきつく嵌合される。この位置決めピン 1 4によって、ガイドポスト 1 0の軸線が、下金型ホルダ 2に対して所定の位置関係となるよう精度よく位置決めされることになる。図 5〜図 7は、鍛造された直後における半完成品 B— 1が示される（図示の半完成品 B— 1はあくまで一例を示すものであって、これに限定されるものではない）。この半完成品 B— 1において、ガイドポスト 1 0に相当する部分は、取付ホルダ 1 1に相当する部分に向けて徐々に大径となるようにテーパ状に形成されている。このテーパ状とされた部分を機械加工することによって、円柱状のガイドポスト 1 0とされる。また、取付ホルダ 1 1の底面 1 1 cに相当する部分は、完全な平坦面ではなく、またガイドポスト 1 0の軸線に対する直角も十分には確保されていない状態である。勿論、半完成品 B—1には、取付孔 1 2は形成されていない。次に、図 8を参照しつつ、図 5〜図 7に示す鍛造直後の半完成品 B— 1の状態から、図 2〜4に示す完成品としての一体成形品 Aを得るまでの製造工程について説明する。まず、炭素鋼からなる丸棒の素材を第 1工程 S 1において鍛造することによって、図 5〜図 7に示す半完成品 B— 1が得られる。鍛造の際、例えば、図 5左右方向に分割される型（図 5で左右対称とされた一対の型）が用いられる。第 1工程 S 1の後、第 2工程 S 2において、機械加工によって半完成品 B— 1 の荒削り（外面加工）が行われる。このとき、例えば、半完成品 B— 1は、図 5 上下方向軸線が水平方向に伸びる状態で、加工機械によって両持ち式に回転自在に保持される。なお、この保持状態での水平方向の加工軸線が、完成品としての一体成形品 Bにおけるガイドポスト 1 0の軸線ともなる。第 2工程での機械加工によって、ガイドポスト 1 0に相当する都分が所定外径の円柱状に加工され、また、取付ホルダ 1 1の底面 1 1 c力平坦面となるように、かつ完成品としてのガイドポスト 1 0の軸線と直角になるように加工される。

ガイドポスト 1 0の外周面加工と取付ホルダ 1 1の底面 1 1 cの加工とが、同一の加工軸線として行われるので、ガイドポスト 1 0の軸線に対して取付ホルダ 1 1の底面 1 1 cを直角にすることが極めて容易であり、力つ直角の度合いが極めて精度のよいものとなる。以上に加えて、中間段部 1 1 aの外周面加工等も合わせて行われる。この第 2工程 S 2において、半完成品 B—1が、外径形状においては、完成品としての一体成形品 Bと同じとなるように形成される（ただし、後述する焼き入れと研磨とによって生じるわずかな寸法の相違は存在する場合もある）。

上記第 2工程 S 2の後に、第 3工程 S 3において、取付ホルダ 1 1に対して、取付孔 1 2が形成（加工）される。この取付孔 1 2の形成は、第 2工程での加工軸線と同一の加工軸線を用いて行うことにより、取付孔 1 2を、ガイドポスト 1 0の軸線に対して正確に平行に形成することができる。この第 3工程 S 3においては、さらに、位置決め孔 1 3が機械加工される。この位置決め孔 1 3も、機械加工された後のガイドポスト 1 0の軸線に対して正確に平行に形成することができ、しかもガイドポスト 1 0の軸線に対して所定の位置関係（寸法関係）に正確に形成することができる。なお、取付孔 1 2の加工と位置決め孔 1 3の加工とを同一の加工機械によって加工することができるが、これに限らず、例えば、ある加工機械によって先に取付孔 1 2 (あるいは位置決め孔 1 3 ) を加工した後、別の加工機械によって位置決め孔： L 3 (あるいは取付孔 1 2 ) を加工することもできる。勿論、同一の加工機械によって取付孔 1 2と位置決め孔 1 3とを加工する場合、どちらの加工を先に行うかは任意に選択できるものである。

第 3工程 S 3の後は、第 4工程 S 4において、機械加工された後のガイドポスト 1 0に対して、焼き入れ、例えば高周波焼き入れが行われる。この焼き入れによって、ガイドポスト 1 0の外周面の硬度が大きく向上される。

第 4工程の後、第 5工程において、ガイドポスト 1 0の外周面が研磨されて、最終的に、その断面状が、所定の外径寸法（直径）を有する真円に形成される。研磨は、例えば、第 2工程での加工軸線と同一の加工軸線を有するように、例えば円筒研削盤を用いて行うことができ、加工後に得られるガイドポスト 1 0の真円度は極めて精度の高いものとすることができる。

以上のような図 8に示す各工程 S 1〜 S 5は、手作業による組立工程を有しないので、全体として 1つの加工ラインとして構成しつつ、全自動化を図ることができる。また、第 1工程 S 1〜第 5工程 S 5までの全工程での加工時間も、従来に比して飛躍的に短いものとなる。ちなみに、製造コストは、従来に比して約半額程度にまで低減できた。なお、変形例として、第 1工程 S 1の直後に第 3工程 S 3を行うと共に、第 3工程 S 3の後に第 2工程 S 2を行うこともできる。前述したガイドポスト装置 Bにあって、そのガイドポスト 1 0が取付ホルダ 1 1に対して撓みにくいものとなる。この撓みの点について、図 9、図 1 0を参照しつつ説明する。まず、図 9の試験に用いたガイドポスト装置 Bは、全体的にその材質が S 4 5 Cとされ、ガイドポスト 1 0の長さは 2 0 0 mm、直径は 3 8 m mである。また、取付ホルダ 1 1については、略長方形状とされた基盤部 1 1 b の長辺の長さが 13 Omm、短辺の長さが 75mm、その高さ（図 9左右方向の厚さ）が 25mmである。また、取付ホルダ 11の中間段部 11 aを含めたた高さ（図 9左右方向の厚さ）は 5 Ommである。そして、円形とされた上記中間段部 11 aの直径は 75 mmである。なお、ガイドポスト 10と取付ホルダ 11とを含めた全長は 25 Ommである。

21は、撓み試験機の固定治具であり、撓み試験機としては株式会社島津製作所製の UNIVERSAL TEST ING MASHINE (UH-F 100 A) を用いた。この固定治具 21に対して、ガイドポスト装置 Bにおける取付ホルダ 11が、取付ボルト 22 (図 1の取付ボルト 3に相当）によって固定される。この固定状態では、ガイドポスト 10が水平方向に伸びる状態とされる。

水平方向に伸びるガイドポスト 10に対して、上方（つまりガイドポスト 10 の径方向）から、圧力口 5 ド23によって下方への押圧力 P (曲げ力）が印加される。この押圧力 Pが印加される位置は、固定治具 21への取付面から 150m m、取付ホルダ 11の上面（中間段部 11 aの上面）から 10 Ommである。上記圧力ロッド 23を毎分 5 mmの速度で下方へ変位させて、そのときのガイドポスト 10の先端の下方への撓み量 δを測定した。押圧力 Ρと橈み量 δとの関係を示す測定結果は、図 10の実線で示すとおりである。なお、図 10中黒丸で示す位置は、ガイドポスト装置 Βを固定治具 21に固定している取付ボルト 23 が破断された位置を示す。

比較のために、従来のガイドポスト装置についても同様の試験を行った。試験に用いた従来のガイドポスト装置において、そのガイドポストの材質は S 45 C であり、その取付ホルダの材質は FC 250 (铸物）である。また、従来のガイドポスト装置において、ガイドポスト及び取付ホルダの形状、外径寸法等は、前述した本榮明によるガイドポスト装置 Βと同様に設定した。そして、このような従来のガイドポスト装置についても、図 9に示す本発明ガイドポスト装置 Βと同様の条件でもって、圧力ロッド 23によって下方への押圧力 Ρを加えた。従来のガイドポスト装置において、押圧力 Ρと撓み量 δとの関係を示す測定結果は、図 10の波線で示すとおりである。なお、図 10中白丸印の位置は、铸物である取付ホルダが破断した位置を示す。図 1 0の測定結果から容易に理解されるように、本発明によるガイドポスト装置は、そのガイドポスト 1 0の橈み（径方向の曲がり）が、従来品よりもはるかに少ないことが理解される。また、本発明によるガイドポスト装置 Bにあっては、その取付ホルダ 1 1の強度も十分に高いものであり、ガイドポスト装置 B全体としての強度が極めて優れたものであるということが理解される。以上実施形態について説明したが、本発明はこれに限らず、例えば次のような場合をも含むものである。ガイドポスト装置 A (ガイドポスト 1 0と取付ホルダ 1 1との一体成形品 B) を上金型ホルダ 1に取付け、ガイドホルダ 4を下金型ホルダ 2に取付ける場合であってもよい。ガイドポスト 1 0をガイドホルダ 4 (のガイド孔 4 a ) に対して直接摺動させることなく、前述した特許文献 1、特許文献 2に示すように、ボールリテーナを介して摺動させるようにしてもよい。一体成形品 Bは、その取付ホルダ 1 1に中間段部 1 1 aを有しない場合であってもよい。

Claims

請求の範囲

1 . ガイドポストを取付ホルダを介して金型ホルダに取付けるようにしたプレス金型におけるガイドポスト装置の製造方法であって、

前記第 1工程の後に、前記一体形成品を機械加工して、少なくとも、前記ガイドポストが所定外径の円柱形状となるように、かつ前記取付ホルダの底面が平 ¾ 面となるように仕上げ加工する第 2工程と、

前記第 2工程おょぴ第 3工程の後に、前記ガイドポストを焼き入れカ卩ェする第 4工程と、

前記第 4工程の後に、前記ガイドポストの外周面を研磨加工する第 5工程と、を備えていることを特徴とするプレス金型におけるガイドポスト装置の製造方法。

2 . 請求項 1において、

前記第 2工程の後に前記第 3工程を行うようにされている、ことを特徴とするプレス金型におけるガイドポスト装置の製造方法。

3 . 請求項 1または請求項 2において、

前記第 2工程において、前記取付ホルダの底面が、前記ガイドポストの軸線と直角となるように加工される、ことを特徴とするプレス金型におけるガイドポスト装置の製造方法。

4 . 請求項 3において、

前記取付孔が、前記ガイドポストの軸線と平行となるように形成される、ことを特徴とするプレス金型におけるガイドポスト装置の製造方法。

5 . 請求項 1ないし請求項 4のいずれか 1項において、

前記第 4工程での焼き入れが、高周波焼き入れとされ、前記第 5工程での研磨加工が、円筒研磨とされている、

ことを特徴とするプレス金型におけるガイドポスト装置の製造方法。

6 . 請求項 1ないし請求項 5のいずれか 1項において、

前記第 1工程で形成される前記一体成形品における前記取付ホルダが、前記ガィドポストに対する境界部位において、該ガイドポストよりも大径とされた中間段部を有している、ことを特徴とするプレス金型におけるガイドポスト装置の製造方法。

7 . 請求項 1において、

前記第 2工程の後に前記第 3工程を行うようにされ、

前記第 5工程での研磨加工が、円筒研磨とざれている、

8 . 請求項 1ないし請求項 7のいずれか 1項において、

前記第 3工程において、前記取付ホルダに対して、前記ガイドポストの軸線と平行に伸びて前記金犁ホルダに対する位置決めを行うための位置決めピンが嵌合される位置決め孔が機械加工される、ことを特徴とするプレス金型におけるガイドポスト装置の製造方法。 .

9 . 上金型ホルダと下金型ホルダとのいずれか一方の金型ホルダにガイドポストが設けられると共に、他方の金型ホルダに該ガイドボストが摺動自在に嵌合されるガイドホルダが設けられたプレス金型におけるガイド装置において、前記ガイドポストの基端部が、取付ホルダを介して前記一方の金型ホルダに取付けられ、

前記ガイドポストと取付ホルダとが、鍛造品からなる一体成形品として構成されており、

前記取付ホルダの底面を前記一方の金型ホルダに着座させた状態で、該取付ホルダに形成された取付孔に揷入される取付ボルトによって、該取付ホルダが該ー方の金型ホルダに敢付けられており、

前記機械加工された後の前記ガイドポストの軸線に対して平行となるように前記取付孔が形成されている、

ことを特徴とするプレス金型におけるガイド装置。

1 0. 請求項 9において、

前記位置決め孔に嵌合された位置決めピンによって、前記ガイドポストと一方の金型ホルダとの位置決めが行われている、ことを特徴とするプレス金型におけるガイド装置。

1 1 . 上金型ホルダと下金型ホルダとのいずれか一方に取付けられて使用されるプレス金型におけるガイドポスト装置であって、

前記取付孔が、前記機械加工された後のガイドポストの軸線に対して平行となるように形成されている、

ことを特徴とするプレス金型におけるガイドポスト装置。

1 2 . 請求項 1 1において、

前記取付ホルダに、前記機械加工された後のガイドポストの軸線に対して平行となるように、位置決めピンが嵌合される位置決め孔が形成されている、ことを特徴とするプレス金型におけるガイドポスト装置。