WO2005030683A1 - クメンの製造方法およびその製造方法を含むプロピレンオキサイドの製造方法 - Google Patents

クメンの製造方法およびその製造方法を含むプロピレンオキサイドの製造方法 Download PDF

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Abstract

クミルアルコールを水素化分解または脱水反応ついで水添反応に供してクメンを製造する方法において水素化分解または水添触媒としてパラジウム系触媒を使用し、かつ水素として一酸化炭素濃度が0.1~10容量%である水素を使用することを特徴とするクメンの製造方法。

Description

明 細 書 クメンの製造方法およびその製造方法を含むプロピレンォキサイドの製造方法 技術分野
本発明はクメンの製造方法に関するものである。 更に詳しくは、 本発明はク ミルアルコールから効率的にクメンを製造する方法およびこの製造工程を含む プロピレンォキサイドの製造方法に関するものである。 背景技術
クミルアルコールを水素化反応、 すなわち、 クミルアルコールを氷素化分解 または脱水一水添反応に供してクメンを製造する方法は、 例えば特開 2 0 0 1 - 2 7 0 8 8 0号、 特開 2 0 0 3— 0 8 1 8 8 6号等にプロピレンォキサイド 製造の水素化分解工程において銅系触媒を使用してクミルアルコールを水素化 分解してクメンに転換することが開示されている。 特に銅系触媒においては水 素化でクミルアルコールの核水添が起こり難いため、 高い選択率でクメンを得 ることができる。
また、 本発明者らは、 銅系触媒におけるよりも高い活性でもってクミルアル コールからクメンを製造するため水添触媒としてパラジウム系触媒を使用する ことについて検討を行った。 しかし、 パラジウム系触媒を使用すると高い活性 が得られるもののクミルアルコールの核水添反応が起こり、 選択性が著しく低 下する問題があった。 発明の開示
本発明の目的は水添触媒としてパラジウム系触媒を用いて高い活性および選 択性でクミルアルコールからクメンを製造にする方法を提供することある。 · さらに、 本発明の他の目的は上記方法を含むプロピレンォキサイドの製造方 法を提供することにある。 すなわち、 本発明は、 クミルアルコールを水素化分解または脱水反応ついで 水添反応に供してクメンを製造する方法において水素化分解または水添触媒と してパラジウム系触媒、 かつ水素として一酸化炭素濃度が 0 . 1〜 1 0容量% である水素を使用することを特徴とするクメンの製造方法に係る。
さらに、 本発明は、 以下の工程を含むプロピレンオキサイドの製造方法にお いて、 クメン製造工程のクミルアルコールからクメンの製造に水素化分解また は水添触媒としてパラジウム触媒、 水素として一酸化炭素濃度が 0 . 1〜 1 0 容量%である水素を使用することを特徴とするプロピレンォキサイドの製造法 に係る。
酸化工程:クメンを酸化することによりクメンハイドロパーォキサイドを得 る工程
エポキシ化工程:酸化工程で得たクメン八ィドロパ一ォキサイドと過剰量の プロピレンとを反応させることによりプロピレンォキサイド及びクミルアルコ —ルを得る工程
クメン製造工程:エポキシ化工程で得たクミルアルコールを水素化分解または 脱水反応ついで水添反応に供してクメンを製造し、 該クメンを酸化工程へリサ ィクルする工程 発明を実施するための最良の形態
パラジウム系触媒を使用してクミルアルコールからクメンを製造する方法と しては以下の方法が示される。 すなわち、 クミルアルコールを脱水触媒に接触 させてひ—メチルスチレンに転換し、 ついでひーメチルスチレンを水素存在下 にパラジウム系触媒に接触させて水添反応を行い、 クメンを製造する方法 (以 下、 脱水—水添反応と呼称することがある。 ) 、 及びクミルアルコールを水素 存在下にパラジウム系触媒に接触させて水素化分解を行い、 クメンを製造する 方法である。
クメンを前記のクミルアルコールを脱水反応により ひーメチルスチレンとし、 次いで —メチルスチレンを水添してクメンへ転換する方法について説明する。 脱水反応において使用される触媒としては硫酸、 リン酸、 p—トルエンスル ホン酸等の酸や、 活性アルミナ、 チタニア、 ジルコニァ、 シリカアルミナ、 ゼ ォライト等の金属酸化物があげられるが、 反応液との分離、 触媒寿命、 選択性 等の観点から活性アルミナが好ましい。
脱水反応は通常、 クミルアルコールを脱水触媒に接触させることで行われる が、 本発明においては脱水反応に引き続いて水添反応を行うため、 クミルアル コールを水素と共に脱水触媒へフィードしてもよい。
反応は溶媒を用いて液相中で実施できる。 溶媒は反応体及び生成物に対して 実質的に不活性なものであるべきである。 溶媒は使用されるクミルアルコール 溶液中に存在する物質からなるものであってよい。 たとえばクミルアルコ一ル が、 生成物であるクメンとからなる混合物である場合には、 特に溶媒を添加す ることなく、 これを溶媒の代用とすることができる。 脱水反応温度は一般に 5 0〜4 5 0 °Cであるが、 1 5 0〜3 0 0 °Cが好ましい。 一般に圧力は 1 0〜1 0 0 0 0 k P aであることが有利である。 脱水反応はスラリー又は固定床の形 の触媒を使用して有利に実施できる。
脱水触媒の量はクミルアルコールが充分に転化する量であればよい。
ついで、脱水反応で得られた α—メチルスチレンと水素を水添触媒に供給し、 α—メチルスチレンを水添してクメンを製造する。
水添触媒としてはパラジウム系触媒が使用されるが、 パラジウム系触媒とし ては担持タイプのパラジウムノアルミナ、 パラジウム/シリカ、 パラジウム Ζ カーボン等があげられる。 副反応の核水添反応を抑制するためにはパラジウム 濃度が低い方が好ましいが、 パラジウム濃度が低すぎると反応速度的に不利で ある。 担持されるパラジウムの濃度は一般的に 0 . 0 0 5から 1 0重量パーセ ントであり、 好ましくは 0 . 0 1重量%から 1重量%である。
これらの触媒は単一でも用いることができるし、 2種以上混合したのものを 用いることもできる。 使用する水添触媒の量は《—メチルスチレンが充分にク メンに転化する量であればよく、 —メチルスチレン転化率は 9 8 %以上が好 ましい。 使用する水素としては一酸化炭素濃度が 0 . 1から 1 0容量%、好ましくは 0 5から 5容量%の水素を用いる必要がある。 一酸化炭素 (以下 C Oと呼称する ことがある。 ) 濃度が 0 . 1容量%未満の場合、 水添反応または水素化分解反 応において副反応として芳香核への水素化反応が起こり、 クメンへの選択性が 著しく低下し、 一方、 1 0容量%を越えると反応活性が顕著に低下するので本 発明の目的を達成することができない。
C Oはフレッシュ原料水素中に含まれていてもよいし、 クメン製造工程にお けるリサイクル水素中に含まれていても良い。 リサイクル水素を使用する場合、 クメン製造工程で未反応の過剰分の水素を一部パージした残り, 又はパージな しで全量をクメン製造工程へリサイクルする。 リサイクル水素中に含まれる C
〇は、 主にエポキシ化工程で生成の蟻酸または蟻酸誘導体等が水素化分解され て生成した C〇、 あるいは新たに追加された C Oであっても良い。 フレッシュ 水素とリサイクル水素を同時にクメン製造工程で使用する場合、 c oを含むリ サイクル水素の割合が大きいほどフレツシュ水素を少なくできるため、 水素コ ストの面で有利となる。 また、 水素中に C Oが含まれた場合、 水添または水素 化分解反応における副反応である芳香環の核水添が抑制される。 該副反応の生 は酸化阻害物質であり、 これらを含むクメン製造工程の反応液 (主にクメン) が酸化工程にリサイクルされた場合、 著しく酸化反応速度およびクメンハイド 口パーオキサイド選択性が低下する。 したがって、 クメン製造工程の水添反応 /水素化分解反応で使用する水素中に上記濃度範囲の C Oが含まれる場合、 芳 香環の核水添が抑制することができ、 酸化反応をより有利に進行させることが できる。
一方で、 C Oは水添 Z水素化分解反応の阻害成分でもあり、 水素中の C O濃 度が該反応に供されるとパラジウム系触媒の活性が低下し、 C 0濃度が上記範 囲を越えると α—メチルスチレンの転化率が許容できない程度まで低下する。 したがつて水添 Ζ水素化分解反応で使用される水素中の C 0含有量はクミルァ ルコ一ルの転化率を考慮して上記範囲内に調節することが必須である。 クメン製造工程で得られるクメンは原料として酸化工程へリサイクルされ る。
水添反応は通常、 α—メチルスチレンと水素を水添触媒に接触させることで 行われるが、 脱水反応に引き続いて水添反応を行うため、 脱水反応において発 生した水の一部を油水分離等によって分離してもよいし、 分離せずに —メチ ルスチレンと共に水添触媒に供してもよい。
反応に必要な水素量は理論的には α—メチルスチレンと等モルであればよい が、 通常、 原料中には水素を消費する他の成分も含まれており、 過剰の水素が 必要とされる。 また水素の分圧を上げるほど反応は速やかに進むことから、 通 常、 水素 / «—メチルスチレンモル比として 1〜 1 0の範囲が使用される。 さ らに好ましくは 1〜 5の範囲である。 反応後に残存した過剰分の水素は反応液 と分離した後にリサイクルして使用することもできる。 反応は溶媒を用いて液 相又は気相中で実施できる。 溶媒は反応体及び生成物に対して実質的に不活性 なものであるべきである。 溶媒は使用される α—メチルスチレン溶液中に存在 する物質からなるものであってよい。 たとえば —メチルスチレンが生成物で あるクメンとからなる混合物である場合には、 特に溶媒を添加することなく、 これを溶媒の代用とすることができる。 水添反応温度は一般に 0〜 5 0 0 °Cで あるが、 3 0〜4 0 0 °Cの温度が好ましい。 一般に圧力は 1 0 0〜; L 0 0 0 0 k P aであることが有利である。
脱水反応および水添反応の反応の形態は、 通常固定床の形の触媒を使用して 連続法によって有利に実施できる。 脱水反応と水添反応は別々の反応器を用い てもよいし、 単一の反応器を用いてもよい。 連続法の反応器としては断熱反応 器または等温反応器があるが、 等温反応器は除熱をするための設備が必要とな るため、 断熱反応器が好ましい。 単一断熱反応器の場合、 クミルアルコールの 脱水反応は吸熱反応であるため反応の進行とともに温度が低下し、 一方、 a— メチルスチレンの水添反応は発熱反応であるため反応の進行とともに温度が上 昇する。 全体的には発熱量の方が大きいために、 反応器入口温度よりも出口温 度の方が高くなる。 反応温度および圧力は脱水反応後の ーメチルスチレン溶液中に含まれる水 が凝縮しないように選択される。 反応温度は 1 5 0から 3 0 0 °Cが好ましく、 反応圧力は 1 0 0から 2 0 0 0 k P aが好ましい。 温度が低すぎたり、 圧力が 高すぎたりすると、 脱水反応器出口において水が凝縮し、 水添触媒の性能を低 下させてしまう場合がある。 また圧力が高すぎる場合は脱水反応の反応平衡に おいても不利である。 温度が高すぎたり、 圧力が低すぎたりすると、 気相部が 多く発生し、 ファゥリング等による触媒寿命の低下が進み不利となる場合があ る。
水素は脱水反応器の入口や、 水添触媒の入口のいずれからも供給することが できるが、 脱水触媒の活性からみて脱水反応器入口からフィードすることが好 ましい。 すなわち、 脱水反応ゾーンで常に水素を存在させることにより、 脱水 により発生した水分の気化が促進され、 平衡脱水転化率が上がり、 水素が存在 しない場合よりも効率よく高い転化率を得ることができる。 脱水反応において 発生した水は水添触媒を通過することになるが、 先に述べたように凝縮しない レベルで運転することにより、 特に水を除去する設備を設けることなく低コス トで運転することができる。 また水添反応において未反応の水素は気液分離操 作の後にリサイクルして再使用できる。 また気液分離操作の際に、 脱水反応に おいて発生した水分を反応液より分離することも可能である。 得られた反応液 (主にクメン) はその一部を反応器にリサイクルして使用することも可能であ る。
コストの観点から考えると、 脱水触媒と水添触媒は複数の反応器とすること なく、 複数の固定床反応器に充填されていることが好ましい。 反応器の中は幾 つかのベッドに別れていてもよく、 または別れていなくてもよい。 別れていな い場合、 脱水触媒と水添触媒は直接接触させてもよいが、 不活性な充填物で仕 切りをつけてもかまわない。
クミルアルコールよりクメン製造が水素化分解反応による場合について以下 に説明する。
水素化分解反応は、 エポキシ化工程で得たクミルアルコールを水素化分解す ることによりクメンを得る反応であり、 見掛け上は脱水反応と水添反応が同時 に起こる反応である。 水素化分解反応はクミルアルコールと水素とを触媒に接 触させることで行われる。 触媒としては前記の α—メチルスチレンの水添に用 いられるパラジウム系触媒が用いられるが、 特に脱水反応に触媒活性を示す酸 性担体、 例えば活性アルミナ担体にパラジウムを担持したパラジウム系触媒を 使用することにより、 効率よく水素化分解を行うことができる。 勿論、 ここで 使用する水素も上記と同様な理由で水添反応で使用されるのと同じ一酸化炭素 濃度 1から 1 0容量%の水素を使用する。
反応は溶媒を用いて液相で効率よく実施できる。 溶媒は反応体及び生成物に 対して実質的に不活性なものであるべきである。 溶媒は使用されるクミルアル コール溶液中に存在する物質からなるものであってよい。 たとえばクミルアル コールが、 生成物であるクメンとからなる混合物である場合には、 特に溶媒を 添加することなく、 これを溶媒の代用とすることができる。 反応に必要な水素 量はクミルアルコールと等モルであればよいが、 通常、 原料中には水素を消費 する他の成分も含まれており、 過剰の水素が必要とされる。 また、 気相部を増 やして生成した水を気相へ除去することで反応は速やかに進むことから、 通常、 水素/クミルアルコールのモル比として 1から 1 0が使用される。 さらに好ま しくは 1から 5である。 反応後に残存した過剰分の水素は反応液と分離した後 にリサイクルして使用することもできる。 水素化分解反応温度は一般に 5 0〜 4 5 0 °Cであるが、 1 5 0〜3 0 0 °Cの温度が好ましい。 一般に圧力は 1 0 0 〜1 0 0 0 0 k P aであることが有利である。 水素化分解反応はスラリー又は 固定床の形の触媒を使用して有利に実施できる。 反応は回分法、 半連続法又は 連続法によって実施できる。 反応原料を含有する液又はガスを固定床に通した 場合には、 反応帯域から出た液状混合物には、 触媒が全く含まれていないか又 は実質的に含まれていない。
上述のクメンの製造は以下に記すプロピレンォキサイドの製造のクメン製造 工程に好適に採用できる。
すなわち、 プロピレンォキサイドの製造は以下の工程を含む。
酸化工程:クメンを酸化することによりクメンハイドロパーォキサイドを得 る工程 エポキシ化工程:酸化工程で得たクメンハイドロパーォキサイドと過剰量の プロピレンとを反応させることによりプロピレンォキサイド及びクミルアルコ —ルを得る工程
クメン製造工程:エポキシ化工程で得たクミルアルコールを水素化分解または 脱水反応ついで水添反応に供してクメンを製造し、 該クメンを酸化工程へリサ ィクルする工程
以下に各工程について説明する。
酸化工程におけるクメンの酸化は、 通常空気や酸素濃縮空気などの含酸素ガ スによる自動酸化で行われる。 この酸化反応は添加剤を用いずに実施してもよ いし、アルカリのような添加剤を用いてもよい。反応温度は通常 5 0〜2 0 0 °C であり、 反応圧力は通常大気圧から 5 M P aの間である。 添加剤を用いた酸化 法の場合、 アルカリ性試薬としては N a〇H、 KOHのようなアルカリ金属水 酸化物、 アルカリ土類金属水酸化物、 N a 2 C〇3、 N a H C〇3のようなアル カリ金属炭酸塩、 アンモニア、 (NH 4) 2 C O 3又はアルカリ金属炭酸アンモ 二ゥム塩等が用いられる。
エポキシ化工程は目的物であるプロピレンォキサイドを高収率及び高選択率 下に得る観点から、 チタン含有珪素酸化物からなる触媒の存在下に実施するこ とが好ましい。 これらの触媒は珪素酸化物と化学的に結合した T iを含有する、 いわゆる T i一シリカ触媒が好ましい。 たとえば、 T i化合物をシリカ担体に 担持したもの、 共沈法やゾルゲル法で珪素酸化物と複合したもの、 あるいは T iを含むゼォライト化合物などをあげることができる。
エポキシ化工程で使用されるクメンハイドロパーォキサイドは希薄又は濃厚 な精製物又は非精製物であってよいが、 ナトリゥムはエポキシ化工程において 使用される触媒上に蓄積する成分であり、 蓄積が進むと触媒活性を低下させる とともに、 反応器の閉塞といった重大な問題を引き起こす原因となりうるため、 ナトリゥムが含まれる場合、 ナトリゥムを除去されたものであることが好まし い。 ナトリウムを除去する方法としては、 洗浄、 中和、 抽出等によりナトリウ ムの全て又は一部を本発明の工程の反応系外へ除去する方法、 吸着剤等により 濃度を減少させる方法等のいずれを用いてもよい。 酸化工程においてアルカリ を用いる場合があること、 酸化工程後においてアル力リ洗浄を実施する場合が あること、 また水と油の分離が容易であることを考慮すると、 エポキシ化工程 の前において水洗浄を行うことが、 ナトリゥムの効率的な一括除去という観点 から好ましい。
エポキシ化反応はプロピレンとクメンハイドロパーォキサイドを触媒に接触 させることで行われる。 反応は溶媒を用いて液相中で実施できる。 溶媒は反応 時の温度及び圧力のもとで液体であり、 かつ反応体及び生成物に対して実質的 に不活性なものであるべきである。 溶媒は使用されるハイドロパーォキサイド 溶液中に存在する物質からなるものであってよい。 たとえばクメンハイドロパ 一オキサイドがその原料であるクメンとからなる混合物である場合には、 特に 溶媒を添加することなく、 これを溶媒の代用とすることができる。
エポキシ化反応温度は一般に 0〜 2 0 0 °Cであるが、 2 5〜 2 0 0 °Cが好ま しい。 圧力は反応混合物を液体の状態に保つのに充分な圧力でよい。 一般に圧 力は 1 0 0〜1 0 0 0 0 k P aであることが有利である。
エポキシ化反応はスラリ一又は固定床の形の触媒を使用して有利に実施でき る。 大規模な工業的操作の場合には固定床を用いるのが好ましい。 また、 回分 法、 半連続法または連続法によって実施できる。 反応原料を含有する液を固定 床に通した場合には、 反応帯域から出た液状混合物には触媒が全く含まれてい ないか又は実質的に含まれていない。 エポキシ化反応で生成したクミルアルコ —ルはクメン製造工程に供給するが、 通常、 反応混合物からプロピレンォキサ イドおよび未反応プロピレンを回収した後のクミルアルコールをクメン製造ェ 程に供給する。
クメン製造工程においてはクミルアルコールを水素化分解または脱水反応つ いで水添反応に供してクメンを製造するが、 その際、 前記のパラジウム系触媒 を使用し、 C O濃度が 0 . 1から 1 0容量%の水素を使用する。 製造したクメ ンは酸化工程へリサイクルされる。 また、 クメンは蒸留および水洗等により精 製された後に酸化工程へリサイクルしてもよい。
以下実施例により本発明をより詳細に具体的に説明する。 実施例
比較例 1および実施例 1〜2
クミルアルコールは脱水触媒として活性アルミナを用いてひーメチルスチレ ンに容易に変換される。 クミルアルコールの脱水で得られる α—メチルスチレ ンの水添反応の実施例を以下に示す。
オートクレープに 21. 5重量%のひ_メチルスチレンと 77. 9重量%の クメンからなる溶液 100 gと水添触媒として担持型 0. 05Wt %Pd/ァ ルミナ 0. 7 gを仕込み、 表 1に示す量の C Oを含んだ水素中 200 ° (:、 ゲー ジ圧 1. OMP aで反応させた。 それぞれ 30分後の ーメチルスチレン転化 率 (水添反応による ーメチルスチレンのクメンへの転化率) およびイソプロ ビルシクロへキサン (i_P r CH) (クメンの核水添反応により生成) の濃度 を表 1に示す。
表 1
Figure imgf000011_0001
比較例 2および実施例 3〜 5
ーメチルスチレンの水添で得られるクメンの核水添反応の実施例を以下に 示す。
オートクレープにクメン 100 gと担持型 0. 05Wt %PdZアルミナを 0. 7 g仕込み、表 2に示した量の COを含む水素中 200°C、 ゲージ圧で 1. 5MP aでそれぞれ表 1に記載の時間反応させた。 反応後のィソプロピルシク 口へキサン (i- P r CH) の濃度を表 2に示す。 表 2
Figure imgf000012_0001
産業上の利用可能性
本発明によれば、 クミルアルコールを効率よくクメンに転化できるクメンの 製造法を提供することができる。 また、 この方法はプロピレンオキサイドの製 造におけるクメン製造工程に好適に適用できる。

Claims

請 求 の 範 囲
1 . クミルアルコールを水素化分解または脱水反応ついで水添反応に供して クメンを製造する方法において水素化分解または水添触媒としてパラジウム系 触媒、 かつ水素として一酸化炭素濃度が 0 . 1〜1 0容量%である水素を使用 することを特徴とするクメンの製造方法。
2 .一酸化炭素濃度が 0 . 5〜 5容量%である請求の範囲第 1項記載の方法。
3 . クメンがクミルアルコールの水素化分解により製造される請求の範囲第
1項記載の方法。
4 . クメンがクミルアルコールを脱水反応して a—メチルスチレンとし、 つ いでひーメチルスチレンを水添反応することにより製造される請求の範囲第 1 項記載の方法。
5 . 以下の工程を含むプロピレンオキサイドの製造方法において、 クメン製 造工程のクミルアルコールからクメンの製造に水素化分解または水添触媒とし てパラジウム系触媒を、 かつ水素として一酸化炭素濃度が 0 . 1〜1 0容量% である水素を使用することを特徴とするプロピレンォキサイドの製造法。
酸化工程:クメンを酸化することによりクメンハイドロパーォキサイドを得 る工程
エポキシ化工程:酸化工程で得たクメンハイドロパーォキサイドと過剰量の プロピレンとを反応させることによりプロピレンォキサイド及びクミルアルコ
—ルを得る工程
クメン製造工程:エポキシ化工程で得たクミルアルコールを水素化分解また は脱水反応ついで水添反応に供してクメンを製造し、 該クメンを酸化工程へリ サイクルする工程
6 .—酸化炭素濃度が 0 . 5〜5容量%である請求の範囲第 5項記載の方法。
7 . クメンがクミルアルコールの水素化分解により製造される請求の範囲第 5項記載の方法。
8 . クメンがクミルアルコールを脱水反応して —メチルスチレンとし、 つ いで ーメチルスチレンを水添反応することにより製造される請求の範囲第 5 項記載の方法。
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