JP2005097211A - プロピレンオキサイドの製造方法 - Google Patents

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純平 辻
Masaru Ishino
勝 石野
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Abstract

【課題】 効率的にプロピレンオキサイドを製造できる。
【解決手段】 下記の工程を含むプロピレンオキサイドの製造方法であって、酸化工程へリサイクルされるイソプロピルベンゼンを含む溶液中のフェノール系化合物の濃度が5重量%以下であるプロピレンオキサイドの製造方法。
酸化工程:クメンを酸化することによりクメンハイドロパーオキサイドを得る工程
エポキシ化工程:酸化工程で得たクメンハイドロパーオキサイドとプロピレンとを反応させることによりプロピレンオキサイド及びクミルアルコールを得る工程
脱水工程:固体触媒の存在下、エポキシ化工程で得たクミルアルコールを脱水することによりα−メチルスチレンを得る工程
水添工程:固体触媒の存在下、α−メチルスチレンを水添してクメンとし、酸化工程の原料として酸化工程へリサイクルする工程
【選択図】 なし

Description

本発明は、プロピレンオキサイドの製造方法に関するものである。更に詳しくは、本発明は、イソプロピルベンゼンから得られるイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドを酸素キャリヤーとして用いてプロピレンをプロピレンオキサイドに変換し、かつ該イソプロピルベンゼンを繰り返し使用することができ、しかも各工程の反応容積を有効に活用することができ、酸化反応、エポキシ化反応及び水添反応を効率的に行なうことができ、よって効率的にプロピレンオキサイドを製造できるという優れた特徴を有するプロピレンオキサイドの製造方法に関するものである。
エチルベンゼンのハイドロパーオキサイドを酸素キャリヤーとして用いてプロピレンを酸化し、プロピレンオキサイド及びスチレンを得るプロセスはハルコン法として知られている。この方法によると、プロピレンオキサイドと共にスチレンが必然的に副生されるため、プロピレンオキサイドのみを選択的に得るという観点からは不満足である。
また、イソプロピルベンゼンから得られるイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドを酸素キャリヤーとして用いてプロピレンをプロピレンオキサイドに変換し、かつ該イソプロピルベンゼンを繰り返し使用するプロセスの概念は特許文献1、特許文献2等に記されているが、該特許公報に記されている方法は、酸化工程、エポキシ化工程、水素化分解工程からなるプロセスであり、本願の構成とは基本的に異なる。該特許公報のようにエポキシ化工程において得られたクミルアルコールを水素化分解のみによってイソプロピルベンゼンとする場合、触媒の寿命が短くなり、収率も低くなってしまい、工業的に実現するには十分とは言い難いものである。
チェコスロバキア特許CS140743号公報 特開平01−270880号公報
かかる現状において、本発明が解決しようとする課題は、イソプロピルベンゼンから得られるイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドを酸素キャリヤーとして用いてプロピレンをプロピレンオキサイドに変換し、かつ該イソプロピルベンゼンを繰り返し使用することができ、しかも各工程の反応容積を有効に活用することができ、酸化反応、エポキシ化反応及び水添反応を効率的に行なうことができ、よって効率的にプロピレンオキサイドを製造できるという優れた特徴を有するプロピレンオキサイドの製造方法を提供する点に存するものである。
すなわち、本発明は、下記の工程を含むプロピレンオキサイドの製造方法であって、酸化工程へリサイクルされるイソプロピルベンゼンを含む溶液中のフェノール系化合物の濃度が5重量%以下であるプロピレンオキサイドの製造方法に係るものである。
酸化工程:クメンを酸化することによりクメンハイドロパーオキサイドを得る工程
エポキシ化工程:酸化工程で得たクメンハイドロパーオキサイドとプロピレンとを反応させることによりプロピレンオキサイド及びクミルアルコールを得る工程
脱水工程:固体触媒の存在下、エポキシ化工程で得たクミルアルコールを脱水することによりα−メチルスチレンを得る工程
水添工程:固体触媒の存在下、α−メチルスチレンを水添してクメンとし、酸化工程の原料として酸化工程へリサイクルする工程
本発明により、イソプロピルベンゼンから得られるイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドを酸素キャリヤーとして用いてプロピレンをプロピレンオキサイドに変換し、かつ該イソプロピルベンゼンを繰り返し使用することができ、しかも各工程の反応容積を有効に活用することができ、酸化反応、エポキシ化反応及び水添反応を効率的に行なうことができ、よって効率的にプロピレンオキサイドを製造できるという優れた特徴を有するプロピレンオキサイドの製造方法を提供することができた。
本発明の酸化工程は、イソプロピルベンゼンを酸化することによりイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドを得る工程である。イソプロピルベンゼンの酸化は、通常、空気や酸素濃縮空気などの含酸素ガスによる自動酸化で行われる。この酸化反応は添加剤を用いずに実施してもよいし、アルカリのような添加剤を用いてもよい。通常の反応温度は50〜200℃であり、反応圧力は大気圧から5MPaの間である。添加剤を用いた酸化法の場合、アルカリ性試薬としては、NaOH、KOHのようなアルカリ金属化合物や、アルカリ土類金属化合物又はNa2CO3、NaHCO3のようなアルカリ金属炭酸塩又はアンモニア及び(NH42CO3、アルカリ金属炭酸アンモニウム塩等が用いられる。
本発明のエポキシ化工程は、酸化工程で得たイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドとプロピレンとを反応させることによりプロピレンオキサイド及びクミルアルコールを得る工程である。エポキシ化工程は、目的物を高収率及び高選択率下に得る観点から、チタン含有珪素酸化物からなる触媒の存在下に実施することが好ましい。これらの触媒は、珪素酸化物と化学的に結合したTiを含有する、いわゆるTi−シリカ触媒が好ましい。たとえば、Ti化合物をシリカ担体に担持したもの、共沈法やゾルゲル法で珪素酸化物と複合したもの、あるいはTiを含むゼオライト化合物などをあげることができる。
本発明において、エポキシ化工程の原料物質として使用されるイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドは、希薄又は濃厚な精製物又は非精製物であってよい。
エポキシ化反応は、プロピレンとイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドを触媒に接触させることで行われる。反応は、溶媒を用いて液相中で実施できる。溶媒は、反応時の温度及び圧力のもとで液体であり、かつ反応体及び生成物に対して実質的に不活性なものでなければならない。溶媒は使用されるハイドロパーオキサイド溶液中に存在する物質からなるものであってよい。たとえばイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドがその原料であるイソプロピルベンゼンとからなる混合物である場合には、特に溶媒を添加することなく、これを溶媒の代用とすることも可能である。その他、有用な溶媒としては、芳香族の単環式化合物(たとえばベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン)及びアルカン(たとえばオクタン、デカン、ドデカン)などがあげられる。
エポキシ化反応温度は一般に0〜200℃であるが、25〜200℃の温度が好ましい。圧力は、反応混合物を液体の状態に保つのに充分な圧力でよい。一般に圧力は100〜10000kPaであることが有利である。
エポキシ化反応は、スラリー又は固定床の形の触媒を使用して有利に実施できる。大規模な工業的操作の場合には、固定床を用いるのが好ましい。また、回分法、半連続法、連続法等によって実施できる。反応原料を含有する液を固定床に通した場合には、反応帯域から出た液状混合物には、触媒が全く含まれていないか又は実質的に含まれていない。
本発明の脱水工程は、エポキシ化反応で得たクミルアルコールと脱水触媒に供し、α−メチルスチレンと水を得る工程である。エポキシ化工程において得られたプロピレンオキサイドは、脱水工程の前にクミルアルコールと分離しておくことが高いプロピレンオキサイドの収率を得る観点から好ましい。分離する方法としては蒸留を用いることができる。
脱水工程において使用される触媒としては、硫酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸等の酸や、活性アルミナ、チタニア、ジルコニア、シリカアルミナ、ゼオライト等の金属酸化物があげられるが、反応液との分離、触媒寿命、選択性等の観点から活性アルミナが好ましい。
脱水反応は通常、クミルアルコールを触媒に接触させることで行われるが、本発明においては脱水反応に引き続いて水添反応を行なうため、水素も触媒へフィードされる。反応は溶媒を用いて液相中で実施できる。溶媒は、反応体及び生成物に対して実質的に不活性なものでなければならない。溶媒は使用されるクミルアルコール溶液中に存在する物質からなるものであってよい。たとえばクミルアルコールが、生成物であるクメンとからなる混合物である場合には、特に溶媒を添加することなく、これを溶媒の代用とすることも可能である。その他、有用な溶媒は、アルカン(たとえばオクタン、デカン、ドデカン)や、芳香族の単環式化合物(たとえばベンゼン、エチルベンゼン、トルエン)などがあげられる。脱水反応温度は一般に50〜450℃であるが、150〜300℃の温度が好ましい。一般に圧力は10〜10000kPaであることが有利である。脱水反応は、スラリー又は固定床の形の触媒を使用して有利に実施できる。
本発明の水添工程は、脱水反応で得たα−メチルスチレンと水を水添触媒に供し、α−メチルスチレンを水添してクメンに変換し、クメンを酸化工程の原料として酸化工程へリサイクルする工程である。
水添触媒としては、周期律表10族又は11族の金属を含む触媒をあげることができ、具体的にはニッケル、パラジウム、白金、銅をあげることができるが、芳香環の核水添反応の抑制、高収率の観点からパラジウムまたは銅が好ましい。銅系触媒としては銅、ラネー銅、銅・クロム、銅・亜鉛、銅・クロム・亜鉛、銅・シリカ、銅・アルミナ等があげられる。パラジウム触媒としては、パラジウム・アルミナ、パラジウム・シリカ、パラジウム・カーボン等があげられる。これらの触媒は単一でも用いることができるし、複数のものを用いることもできる。
水添反応は通常、α−メチルスチレンと水素を触媒に接触させることで行われるが、本発明においては脱水反応に引き続いて水添反応を行なうため、脱水反応において発生した水も触媒へフィードされる。反応は、溶媒を用いて液相又は気相中で実施できる。溶媒は、反応体及び生成物に対して実質的に不活性なものでなければならない。溶媒は使用されるα−メチルスチレン溶液中に存在する物質からなるものであってよい。たとえばα−メチルスチレンが、生成物であるクメンとからなる混合物である場合には、特に溶媒を添加することなく、これを溶媒の代用とすることも可能である。その他、有用な溶媒は、アルカン(たとえばオクタン、デカン、ドデカン)や、芳香族の単環式化合物(たとえばベンゼン、エチルベンゼン、トルエン)などがあげられる。水添反応温度は一般に0〜500℃であるが、30〜400℃の温度が好ましい。一般に圧力は100〜10000kPaであることが有利である。
脱水反応および水添反応の反応の形態は、固定床の形の触媒を使用して連続法によって有利に実施できる。連続法のリアクターは、断熱リアクター、等温リアクターがあるが、等温リアクターは除熱をするための設備が必要となるため、断熱リアクターが好ましい。断熱リアクターの場合、クミルアルコールの脱水反応は吸熱反応であるため、反応の進行とともに温度が低下し、一方α−メチルスチレンの水添反応は発熱反応であるため、反応の進行とともに温度が上昇する。結果的には発熱量のほうが大きいために、リアクター入口温度よりも出口温度のほうが高くなる。反応温度および圧力は、脱水反応後のα−メチルスチレン溶液中に含まれる水が凝縮しないように選択される。反応温度は150から300℃が好ましく、反応圧力は100から2000kPaが好ましい。温度が低すぎたり、圧力が高すぎたりすると、脱水反応出口において水が凝集し、水添触媒の性能を低下させてしまう。また圧力が高すぎる場合は脱水反応の反応平衡においても不利である。温度が高すぎたり、圧力が低すぎたりすると、気相部が多く発生し、ファウリング等による触媒寿命の低下が進み不利である。
水素は固定床反応器の入口や、水添触媒の入口のいずれからもフィードすることができるが、脱水触媒の活性からみて固定床反応器入口からフィードすることが好ましい。すなわち、脱水反応ゾーンで常に水素を存在させることにより、脱水により発生した水分の気化が促進され、平衡脱水転化率が上がり、水素が存在しない場合よりも効率よく高い転化率を得ることが出来る。脱水反応において発生した水は水添触媒を通過することになるが、先に述べたように凝集しないレベルで運転することにより、特に水を除去する設備を設けることなく低コストで運転することができる。また反応器出口において未反応の水素は、気液分離操作の後にリサイクルして再使用できる。また気液分離操作の際に、脱水反応において発生した水分を反応液より分離することも可能である。得られた反応液(主にクメン)はその一部を反応器入口にリサイクルして使用することも可能である。
脱水触媒の量はクミルアルコールが充分に転化する量であればよく、クミルアルコール転化率は90%以上であることが好ましい。水添触媒の量はα−メチルスチレンが充分に転化する量であればよく、α−メチルスチレン転化率は98%以上が好ましい。コストの観点から考えると、脱水触媒と水添触媒は多段のリアクターとすることなく、単一の固定床反応器に充填されていることが好ましい。反応器の中は幾つかのベッドに別れていてもよく、または別れていなくてもよい。別れていない場合、脱水触媒と水添触媒は直接接触させてもよいが、イナートな充填物で仕切りをつけてもかまわない。
本発明においては、酸化工程へリサイクルされるイソプロピルベンゼンを含む溶液中のフェノール系化合物の濃度が5重量%以下であることが必要であり、好ましくは2重量%以下である。
フェノール系化合物としては、酸化工程及びエポキシ化工程においてイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドが分解して生成するフェノール及び生成したフェノールの逐次反応によって生じるアルキルフェノール等を例示することができる。アルキルフェノールの例としては、イソプロピルフェノール、エチルフェノール、ジイソプロピルフェノール等とあげることができる。フェノール系化合物は系内蓄積成分であり、リサイクルを続ければ濃度が経時的に増加し、各工程の反応有効容積が減少されると共に、酸化反応阻害物質となりうる。阻害をうけた酸化反応工程において所望のイソプロピルハイドロパーオキサイドを得るためには、反応時間を長くするか反応温度を高くする必要があるが、いずれの場合もエポキシ化反応を阻害する副生成物を生じたり、水添工程において水素を消費するアルコール、ケトン化合物を生じてしまう。反応容積の有効利用、酸化反応及びエポキシ化反応阻害抑制や効率的水添反応を考慮すると、酸化工程へリサイクルされるイソプロピルベンゼンを含む溶液中のフェノール系化合物の濃度を本発明の範囲に抑えなければならない。
フェノールの濃度を本発明の範囲内に抑える方法としては、蒸留、抽出アルカリ洗浄等によりフェノールの全て又は一部を本発明の工程からなる系外へ除去する方法、反応により別の化合物へ変換する方法、吸着剤等により濃度を減少させる方法等をあげることができる。フェノール系化合物を系外へ除去する工程(以下、「フェノール除去工程」と記すことがある。)は、酸化工程、エポキシ化工程、脱水工程及び水添工程の少なくとも各工程内又は各工程を結ぶ少なくとも一ケ所において、通常、蒸留、抽出、アルカリ洗浄等により実施できるが、水添工程の後において、アルカリ洗浄を行うことが好ましい。アルカリ洗浄に用いる試薬としては、NaOH、KOHのようなアルカリ金属化合物や、アルカリ土類金属化合物又はNa2CO3、NaHCO3のようなアルカリ金属炭酸塩又はアンモニア及びNH4CO3、アルカリ金属炭酸アンモニウム塩等が用いられる。フェノールを含む油層とアルカリを含む水層を混合し、水層を分離することによりフェノールを油層から除去することができる。油層と水層の混合比は油層/水層重量比で100〜0.01が好ましい。混合温度は一般に0〜150℃で実施することができ、好ましくは10〜90℃である。油層と水層を分離する方法としては、流速を遅くして水を沈降させる方法や、コアレッサーのような油水分離膜を用いて分離させる方法等を用いることができる。分離温度は、一般に0〜150℃で実施することができ、好ましくは10〜90℃である。水層を分離した後に、油層に残存するアルカリを除去することを目的として、油層を水洗浄してもよい。
実施例1
酸化工程
水添工程よりリサイクルされるクメンを、クメン20に対して1の割合で1.5重量%の炭酸ナトリウム水溶液と混合し、圧力630kPa、温度95〜110℃の条件下、空気を供給して5時間反応させた。生成した酸化液は以下の組成であった。
酸化液組成
クメンハイドロパーオキサイド 23.6重量%
クミルアルコール 1.6重量%
クメン 70.9重量%
フェノール 0.0重量%
エポキシ化工程
酸化工程で得られた酸化液を、Ti含有珪素酸化物触媒存在下、固定床流通反応器に、洗浄酸化液中イソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド1モル当たりに対して、8倍モルのプロピレンと共に連続的に反応器内に通過させた。リアクター入口温度を調節することにより、クメンハイドロパーオキサイト変換率を99%に保ち、定常安定化させた。このときの反応温度は70〜135℃であったる。得られたエポキシ化液から、更に未反応プロピレン及びプロピレンオキサイド等の軽沸成分を分離回収した。得られた反応液組成は以下のとおりであった。
エポキシ化液組成
クメンハイドロパーオキサイド 0.1重量%
クミルアルコール 23.3重量%
イソプロピルベンゼン 72.7重量%
フェノール 0.1重量%
脱水・水添工程
エポキシ化工程で得られた反応液を、活性アルミナ触媒を充填した固定床リアクタアーに通し、次いでパラジウムアルミナ触媒を充填した固定床リアクターに通過させた。反応液中、クミルアルコール1モル当りに対して、2倍モルの水素を連続的に反応器内に通過させた。入口温度を調節することにより、クミルアルコールをほぼ100%変換させた。このときの反応温度は180〜230℃であった。得られた脱水・水添反応液の組成は以下のとおりであった。
脱水・水添反応液組成
クメンハイドロパーオキサイド 0重量%
クミルアルコール 0重量%
イソプロピルベンゼン 96.2重量%
フェノール 0.1重量%
フェノール除去工程
水添工程で得られた反応液から、NaOH水溶液を用いた中和洗浄によりフェノールを除去した。得られた油層の組成は以下のとおりであった。
フェノール除去液組成
クメンハイドロパーオキサイド 0重量%
クミルアルコール 0重量%
イソプロピルベンゼン 96.2重量%
フェノール 0重量%

Claims (2)

  1. 下記の工程を含むプロピレンオキサイドの製造方法であって、酸化工程へリサイクルされるイソプロピルベンゼンを含む溶液中のフェノール系化合物の濃度が5重量%以下であるプロピレンオキサイドの製造方法。
    酸化工程:クメンを酸化することによりクメンハイドロパーオキサイドを得る工程
    エポキシ化工程:酸化工程で得たクメンハイドロパーオキサイドとプロピレンとを反応させることによりプロピレンオキサイド及びクミルアルコールを得る工程
    脱水工程:固体触媒の存在下、エポキシ化工程で得たクミルアルコールを脱水することによりα−メチルスチレンを得る工程
    水添工程:固体触媒の存在下、α−メチルスチレンを水添してクメンとし、酸化工程の原料として酸化工程へリサイクルする工程
  2. 請求項1記載の各工程内又は各工程を結ぶ少なくとも一ケ所において、フェノール系化合物を系外へ除去する工程を有する請求項1記載の製造方法。
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