WO2005029987A1

WO2005029987A1 - ヒップアップ用スラックス

Info

Publication number: WO2005029987A1
Application number: PCT/JP2004/011881
Authority: WO
Inventors: Naotoshi Futabatake
Original assignee: Japan Delivery Service Co., Ltd.
Priority date: 2003-09-26
Filing date: 2004-08-19
Publication date: 2005-04-07

Abstract

　素材や形態に左右されないで、不自然な引きつり皺や窮屈な圧迫感を好適に抑制し、臀部から腹部の腰回りをスッキリと整えることができるヒップアップ用スラックスの提供。少なくとも腹部側と腰部側の複数枚のパワーネット片を適宜組み合わせて形成した左布片（２）と右布片（３）の各股上側縁部を後中心接ぎ部（ｐ）で接ぎ合わせ、これらの臀部箇所に於ける下方側曲線に沿って鎌形帯状の臀部当て布（７）を取り付け、各布片の腰部側における股下側パワーネット片の側縁部（２ａ、３ａ）及びウエスト側パワーネット片の上縁部（２ｃ、３ｃ）を夫々れスラックス本体１へ縫着させて腰回り部の内側へ張設する。

Description

明細書

'。用スラックス

技術分野

[0001] 本発明は、ヒップアップ機能を有するスラックスに関する。詳しくは、着用時に引きつり皺を発現せず、形の良いヒップ形状を形成すると共に腹部を引き締めることができるヒップアップ用スラックスに関するものである。

^景技術

[0002] 例えば、比較的体形がはっきりと現れ易いスラックスを着用する際は、腰回りをスッキリ見せるためにガードルなどのファンデーション下着を着用するのが一般的である

[0003] し力ながら、上記のようなファンデーション下着を着用するのは煩わしぐまた、細身或いは柔軟な素材からなるスラックスを着用した際には、該下着による不自然な皺が発現し、外観に於いて不具合を生じることがあった。

[0004] 一方、ヒップアップされ脚長に見えるなどのヒップアップ機能付きスラックスとして、外衣であるスラックス本体の内側にガードル若しくはガードルと同機能を有するアンダ一パンツ型裏地を一体的に縫着させるようになしたものがある（例えば、特許文献 1 及び特許文献 2参照)。

[0005] し力、しながら、上記製品は、着用は簡単になったものの、外衣とガードル若しくはガ一ドルと同機能を備えたアンダーパンツ型裏地との寸法差があるため、縫着作業上に問題が生じたり、或いは伸縮強度の違いによる外観上の不具合は否めなかった。

[0006] 他方、細身で弾力性のあるカルソンパンツの内側の大腿部とウェスト部に対して、パワーネットとストレッチネットを適宜組み合わせて張設し、表素材と外脇、内脇で縫い止めることにより、各パワーネットやストレッチネットがカルソンパンツ自体の伸縮性、弾力性を強化させ、着用者の腰回りの体形補正、ヒップアップ効果を図るようになしたものが提案されている (例えば、特許文献 3参照)。

[0007] また、伸縮性を有するパワーネットからなる左側布と右側布にて、細目のアンダーパンッ形状の裏地を作成し、所定幅のテープ状に裁断した別のパワーネットからなる補強片を後側股部付近からそれぞれ左右の脇部を通りウェスト部の前側中央部まで至るようにして前記左側布及び右側布に縫着させ、該裏地のウェスト部をスラックス表地のウェスト内側に取り付けることにより、該裏地がスラックス表地を引っ張って形を崩すことなく効果的な体形補正を行えるようになしたものもある（例えば、特許文献 4 参照）。

[0008] し力、しながら、上記特許文献 3の提案によるものの場合、パワーネットとストレッチネットを表地の外脇、内脇へ縫い付けることから、比較的ゆとりのあるスラックスでは、該外脇線や内脇線に引きつり皺が生じるという問題があり、また、特許文献 4の提案では、前記引きつり皺の問題は解消されるものの、比較的細身のスラックスに係る裏地を用いた場合、一般的なファンデーション下着を着用したのと同様の問題が生じることがあった。また、これらはいずれも、ヒップ全体を覆う左側布と右側布が夫々れ 1枚のパワーネット片で構成されていることから、下側から持ち上げた臀部の贅肉を扁平化させ、丸み帯びた形の良いヒップ形状を形成するのは困難であった。

特許文献 1 :特許第 2670567号公報

特許文献 2：特許第 2794626号公報

特許文献 3 :実用新案登録第 3008616号公報

特許文献 4：特許第 3509309号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0009] 本発明が解決しょうとする問題点は、従来のヒップアップ機能では、伸縮性のあるパヮーネットと外衣との縫着箇所や素材の違いによる不自然な引きつり皺が生じたり、ヒップを二つの丸み帯びた均整のとれた山形に整えるのが難しい点にある。而して、本発明の目的とするところは、伸縮性のあるパワーネットを用いてヒップアップ機能を備えたスラックスを作成するに当たり、外衣の厚手或いは薄手など様々な素材に左右されることなぐまた該パワーネットのスラックス本体への縫着により不自然な引きつり皺を発生させないで、臀部から腹部にかけての腰回りをスッキリした外観形状に整え、且つ快適な着用ができるヒップアップ用スラックスを提供することにある。

課題を解決するための手段 [0010] 本発明は、複数枚のパワーネット片を接いで形成した左布片と右布片の各股上側端縁部を後中心接ぎ部で接ぎ合わせたものと、非伸縮性生地で巾寸法を凡そ 5cm 一 8cmとなした鎌形帯状の臀部当て布を作成し、前者のものは、股下側のパワーネット片の側縁部及びウェスト側のパワーネット片の上縁部をスラックス本体の股下部及びウェスト部へ夫々れ縫着させるほか、後者の臀部当て布は、前記各布片の臀部箇所に於ける下方曲線に沿って当接させるものとなしてあることを特徴とする。これによれば、臀部を覆う左布片及び右布片が夫々れ複数枚のパワーネット片で形成されるので、各パワーネット片に適宜、形態と張力の変化をもたせ、これらを自由自在に組み合わせることにより、ヒップ矯正機能を様々のスラックスに対応し得るように容易に調節することができる。また、張力のある左布片と右布片が臀部全体を被覆させるようにスラックス本体に縫着されることから、臀部の贅肉は適当な押圧力で包み込まれ均整のとれた外観形状を呈するものとなる。

[0011] この際、左布片と右布片は、脇側のパワーネット片の上方側縁部と下方側縁部をスラックス本体の脇縫合部へ縫着させて左右後身頃の内側へ張設させるものとなし、例えば、脇側のパワーネット片の側縁部の長さ寸法に対し、凡そ 1/2— 2/3の範囲がスラックス本体の脇縫合内部で縫着されないものとなしたりする。これによれば、特に張力が制限されるパワーネットの脇縫合部に於ける張力が緩和され、スラックス本体の脇部に発生する引きつり皺が抑制されると共に、臀部の贅肉を扁平化させないで均整のとれたヒップ形状として安定的に被覆保持させるものとなる。

[0012] また、左布片と右布片は、少なくとも腰部側と腹部側とで形成されるものとなし、腹部側における腹部側パワーネット片の開放側側縁部をスラックス本体の前開き部へ縫着させて腰回り内側へ張設なさしめたりする。これによれば、左布片及び右布片をスラックス本体のウェスト部、前開き部、股下部へ縫着させることから、従来品に於けるスラックス本体とりわけ外脇線に於ける不自然な引きつり皺は可及的に回避されるのであり、またヒップの贅肉は臀部下方側から腹部中心へ向けて無理なく持ち上げられるものとなる。

[0013] この際、腹部側のパワーネット片は、腰部側の各パワーネット片よりも伸縮性の大きレ、ものとし、左右脇部から腹部を被覆させるものとなしたりする。これによれば、着用者の大腿部を圧迫することなく腹部のみを適正な押圧力で引き締めると共に、臀部の贅肉を効率良く臀部下方側から腹部中心へ向けて持ち上げることができる。

[0014] また、臀部当て布は、左布片と右布片の臀部箇所に於ける下方側曲線に沿って非伸縮性生地からなる二枚を当接するものとなし、その対合箇所は股上部に於ける各布片の接合箇所で、そして他端部は脇側側縁部へ縫着させるものとなしたりする。これによれば、非伸縮性生地からなる臀部当て布がパワーネット片のみに縫着されて、スラックス本体に止着されなレ、ことから、比較的臀部の大きレ、着用者に対しても窮屈な圧迫感を与えないで脇部の引きつり皺を可及的に防止させるものとなる。

[0015] また、腰部側の各パワーネット片は、隣接し合うパワーネット片のヒップライン下方からヮタリライン付近に緩やかな凹部を形成させるものとなしたりする。

これによれば、左布片及び右布片自体が立体的に構成されるものとなり、これにより、被覆保持される臀部の贅肉を扁平化させないで、形の良い山形のヒップ形状に形成すること力 Sできる。

発明の効果

[0016] 本発明のヒップアップ用スラックスは、複数枚のパワーネット片を自由自在に組み合わせて臀部から腹部にかけての腰回り全体を適正な張力で安定的に被覆させるため、様々のスラックスに対して優れた臀部及び腹部の矯正機能を作用させると共に、これらの伸縮性生地に非伸縮性生地を部分的に設けることにより、ヒップアップ機能をより効果的に向上させることができる。

図面の簡単な説明

[0017] [図 1]本発明に係る第 1の実施態様を示すヒップアップ用スラックスを裏返した状態の背面図である。

[図 2]図 1のスラックスを内股はぎ部で解体させた状態を示す概略展開図である。

[図 3]図 1の右布片を各パーツに解体させた状態を示す部分詳細図である。

[図 4]本発明に係る第 1の実施態様を示すヒップアップ用スラックスの別の実施形態を示し、該ヒップアップ用スラックスを裏返した状態の背面図である。

[図 5]本発明に係る第 1の実施態様を示すヒップアップ用スラックスの他の別の実施形態を示し、該ヒップアップ用スラックスを裏返した状態の背面図である。園 6]本発明に係る第 2の実施態様を示すヒップアップ用スラックスを裏返した状態の正面図である。

園 7]図 1のヒップアップ用スラックスの背面図である。

園 8]本発明に係る第 2の実施態様を示すヒップアップ用スラックスの左身頃を内股はぎ部で解体させた状態を示す概略展開図である。

園 9]本発明に係る第 2の実施態様を示すヒップアップ用スラックスの左布片を各パーッに解体させた状態を示す部分詳細図である。

園 10]本発明に係る第 2の実施態様を示すヒップアップ用スラックスの別の実施形態を示し、該ヒップアップ用スラックスを裏返した状態の背面図である。

園 11]本発明に係る第 2の実施態様を示すヒップアップ用スラックスの他の別の実施形態を示し、該ヒップアップ用スラックスを裏返した状態の背面図である。

園 12]本発明に係る第 3の実施形態を示すヒップアップ用スラックスを内股はぎ部で解体させた状態を示す概略展開図である。

符号の説明

1 スラックス本体

la 左右後身頃

lb 股下部

lc 脇部

Id ウェスト部

le 腰回り部

If 前開き部

2 左布片

3

2a、 3a 股下側側縁部

2b、 3b 脇側上方側縁部

2c、 3c ウェスト側上縁部

2d、 3d 脇側下方側縁部

2e、 3e 脇側開放端部 2f、 3f 腹部側側縁部

4、 5、 6、 10 パワーネット片

4a、 5a、 6a、 6b 凹部

7 臀部当て布

8 V字状帯体

9 逆三角形状押さえ部

L

L ヮタリライン

P 後中心接ぎ部

H 股下寸法

w 巾寸法

発明を実施するための最良の形態

[0019] 着用時に引きつり皺が発生し難ぐ臀部から腹部にかけての腰回りをスッキリした状態に整えることができ、且つ幅広い素材の外衣や形態のスラックスに適用し得る優れたヒップアップ機能を付与するという目的を、各々形態と張力に変化をもたらすことができる複数枚のパワーネット片を適宜組み合わせて臀部及び腹部全体を被覆するように周縁部を選択的に縫着させてスラックス本体の腰回り内側へ張設させると共に、これらのパワーネット片に非伸縮性の臀部当て布を設けることにより実現した。

実施例 1

[0020] 以下、本発明に於ける第 1の実施形態を図面を参照して説明する。

図 1は、本発明に係る第 1の実施形態を示すヒップアップ用スラックスを裏返した状態の背面図であり、図 2は、該ヒップアップ用スラックスの股下側の内股はぎ部を解体させた概略展開図である。

これらの図に於いて、 1はスラックス本体、 2は左布片、 3は右布片であり、これら左布片 2と右布片 3は各股上側端縁部を後中心接ぎ部 pで接いで、スラックス本体 1の左右後身頃 laの内側へ取り付けられている。

[0021] 左布片 2及び右布片 3は、夫々れ複数枚のパワーネット片から形成されており、股下側のパワーネット片の側縁部 2a、 3a及びウェスト側のパワーネット片の上縁部 2c、 3cをスラックス本体 1に於ける股下部 lb、 lb及びウェスト部 Idへ縫着させ、そして脇側のパワーネット片は上方側縁部 2b、 3bと下方側縁部 2d、 3dのみをスラックス本体 1の脇縫合部 lc、 lcへ縫着させてある。この際、左布片 2及び右布片 3は、これらの各股上側端縁部を後中心接ぎ部 pで接いだものの大きさを、スラックス本体 1の左右後身頃 laよりも小さくなし、臀部の贅肉を股下側から上方へ向けて全体的に被覆保持させるように取り付けられている。

[0022] 各布片 2、 3の脇側のパワーネット片は、スラックス本体 1の脇縫合部 lc、 lcに於ける張力の制限力の緩和と臀部の贅肉を持ち上げる矯正力との関係から、その側縁部の長さ寸法に対し凡そ 1Z2 2Z3の範囲がスラックス本体 1の脇縫合内部で縫着されない脇側開放端部 2e、 3eとなされるのであり、これ以下の場合には、張力の制限力があまり緩和されず脇部に引きつり皺が発生したり窮屈な圧迫感を付与し易いものとなり、またこれ以上の場合にも、幅狭の縫着箇所に大きな負荷力かかるため耐久性や安定性が劣るものとなる。

[0023] 上記各布片 2、 3を構成するパワーネット片の枚数及び形状は任意に設計されるが、図 1一 3に示す如ぐ脇側、股下側及びこれらの間の中央側のパワーネット片 4、 5、 6の 3枚となし、これらを横方向に接ぎ合わせる。そして、隣接し合う各パワーネット片の側縁部に対して、ヒップライン Lの下方側からヮタリライン L付近に架けて緩やかな

1 2

凹部 4a、 5a、 6a、 6bを適宜形成させるたりする（図 3には右布片 3を分解したものを示す)。この場合、各布片 2、 3自体が立体的に形成されるものとなり、臀部の贅肉の扁平化現象の抑制力やヒップの下方側に於ける制限張力の強化による矯正力を向上させるものとなる。

[0024] また、股下側のパワーネット片の股下寸法 Hは、垂れ下がった臀部の贅肉を効果的に持ち上げるために、通常サイズのスラックスのもので 6cm— 12cm程度とする。

[0025] 7は、非伸縮性生地からなる鎌形帯状の臀部当て布であり、巾寸法 wは凡そ 5cm 一 8cmとなす。該臀部当て布 7は、上記各布片 2、 3の臀部箇所に於ける下方側曲線に沿って当接させるものとなし、各布片 2、 3の表面、裏面のどちら側に当接させてもよいが、縫い代始末や外観の点から各布片 2、 3の裏面側へ当接させて左右後身頃 laとの間に配設させるのが好ましい。 [0026] この際、上記臀部当て布 7は、各布片 2、 3の臀部箇所に於ける下方側曲線に沿う 2 枚となし、その対合箇所 7a、 7aは、股上部に於ける各布片 2、 3の接合箇所 pで、そして他端部 7b、 7bはスラックス本体 1に縫着されていない各布片 2、 3の脇側開放端部 2e, 3eへ縫着される。これにより、伸縮性生地からなる各布片 2、 3に於いて、臀部当て布 7を縫着させた箇所のみが伸縮しないものとなる。而して、垂れ下がった臀部の贅肉は、非伸縮性生地からなる臀部当て布 7により下側から支え、そしてスラックス本体 1へ縫着させたパワーネット片により上方へ持ち上げるようになされるのであり、これにより、ヒップトップ位置の高い形の整ったヒップ形状が形成可能になる。

実施例 2

[0027] 図 4は、本発明に係る第 1の実施形態を示すヒップアップ用スラックスの別の実施例を示すものであり、該ヒップアップ用スラックスを裏返した状態の背面図である。

本実施例に於いては、各布片 2、 3を構成する複数枚のパワーネット片に夫々れ 4 枚のものを用い、ヒップライン Lの下方側へ 3枚のパワーネット片を横方向に接いだ V 字状帯体 8と該 V字状帯体 8の上方に配設される逆三角形状の押さえ部 9とを形成するほかは上記実施例 1と同様とする。

実施例 3

[0028] 図 5は、本発明に係る第 1の実施形態を示すヒップアップ用スラックスの他の別の実施例を示すものであり、該ヒップアップ用スラックスを裏返した状態の背面図である。本実施例では、上記実施例 2に於ける V字状帯体 8の中央側のパワーネット片に他のパワーネット片よりも伸縮強度の小さいものを配設させたほかは、上記実施例 2と同様とする。

実施例 4

[0029] 以下、本発明に於ける第 2の実施形態を図面を参照して説明する。

図 6は、本発明に係る第 2の実施形態を示すヒップアップ用スラックスを裏返した状態の正面図、図 7は同背面図であり、図 8は、該ヒップアップ用スラックスの左身頃の股下側の内股はぎ部を解体させた概略展開図である。

これらの図に於いて、 1はスラックス本体、 2は左布片、 3は右布片であり、これら左布片 2と右布片 3は各股上側端縁部を後中心接ぎ部 pで接いで、スラックス本体 1の腰回り部 leの内側へ取り付けられている。

[0030] 左布片 2及び右布片 3は、夫々れ複数枚のパワーネット片から形成されており、股下側のパワーネット片の側縁部 2a、 3a及びウェスト側のパワーネット片の上縁部 2c、 3cをスラックス本体 1に於ける股下部 lb、 lb及びウェスト部 Idへ縫着させ、そして腹部側のパワーネット片の側縁部 2f、 3fをスラックス本体 1の前開き部 lf、 Ifへ縫着させてある。この際、左布片 2及び右布片 3は、これらの各股上側端縁部を後中心接ぎ部 Pで接いだものの全体大きさを、スラックス本体 1の腰回り部 leよりも小さくなし、臀部の贅肉を股下側から腹部中心へ向けて全体的に被覆保持させるようにして取り付けられる。

[0031] 上記各布片 2、 3を構成するパワーネット片の枚数及び形状は任意に設計されるが、図 6— 8に示す如ぐ大きくは腹部側と腰部側に分けられ、腰部側は、更に脇側、股下側及びこれらの間の中央側の 3枚とし、これら 4枚を横方向に接ぎ合わせたものとなしてある。この際、腹部を被覆する腹部側パワーネット片 10に、臀部を被覆する腰部側の各パワーネット片よりも伸縮性の大きいものを用いたものは、腹部を圧迫しすぎることなく腰部側の各パワーネット片で被覆保持された臀部の贅肉を腹部中心側へ向けて効率良く持ち上げることができる。

[0032] また、腰部側の隣接し合う各パワーネット片、即ち、脇側パワーネット片 4、中央側パヮーネット片 6及び股下側パワーネット片 5の各側縁部に対して、ヒップライン Lの下

1 方側力らヮタリライン L付近に架けて緩やかな凹部 4a、 5a、 6a、 6bを適宜形成させ

2

るたりする（図 9には右布片 3を分解したものを示す)。この場合、各布片 2、 3自体が立体的に形成されるものとなり、臀部の贅肉の扁平化現象の抑制力やヒップの下方側に於ける制限張力の強化による矯正力を向上させるものとなる。

[0033] また、股下側パワーネット片 5の股下寸法 Hは、垂れ下がった臀部の贅肉を効果的に持ち上げるために、通常サイズのスラックスのもので 6cm— 12cm程度とする。

[0034] 7は、鎌形帯状の臀部当て布であり、巾寸法 wは凡そ 5cm 8cmとなす。該臀部当て布 7は、特に制限されるものではなレ、が、非伸縮性生地で作成し、上記各布片 2、 3の臀部箇所に於ける下方側曲線に沿って当接させるものとなし、各布片 2、 3の表面、裏面のどちら側に当接させてもよいが、この場合、縫い代始末や外観の点から各布片 2、 3の裏面側へ当接させて腰回り部 leとの間に配設させるのが好ましい。

[0035] この際、上記臀部当て布 7は、非伸縮性生地で各布片 2、 3の臀部箇所に於ける下方側曲線に沿う 2枚となし、その対合箇所 7a、 7aは、股上部に於ける各布片 2、 3の接合箇所 pで、そして他端部 7b、 7bは上記腹部側パワーネット片 10と脇側パワーネット片 4との接合箇所へ縫着される。これにより、伸縮性生地からなる各布片 2、 3に於いて、臀部当て布 7を縫着させた箇所のみが伸縮しないものとなる。而して、垂れ下力つた臀部の贅肉は、非伸縮性生地からなる臀部当て布 7により下側から支え、そしてスラックス本体 1へ縫着させたパワーネット片により上方へ持ち上げるようになされるのであり、これにより、ヒップトップ位置の高い形の整ったヒップ形状が形成可能になる。

実施例 5

[0036] 図 10は、本発明に係る第 2の実施形態を示すヒップアップ用スラックスの別の実施例を示すものであり、該ヒップアップ用スラックスを裏返した状態の背面図である。本実施例に於いては、各布片 2、 3の腰部側の複数枚のパワーネット片に夫々れ 4 枚のものを用い、ヒップライン Lの下方側へ 3枚のパワーネット片を横方向に接いだ V 字状帯体 8と該 V字状帯体 8の上方に配設される逆三角形状の押さえ部 9とを形成するほかは上記実施例 4と同様とする。

実施例 6

[0037] 図 11は、本発明に係る第 2の実施形態を示すヒップアップ用スラックスの他の別の実施例を示すものであり、該ヒップアップ用スラックスを裏返した状態の背面図である本実施例では、上記実施例 5に於ける V字状帯体 8の中央側のパワーネット片に他のパワーネット片よりも伸縮強度の小さいものを配設させたほかは、上記実施例 5と同様とする。

実施例 7

[0038] 以下、本発明に係る第 3の実施形態を図面を参照して説明する。

図 12は、本発明に係る第 3の実施形態を示すヒップアップ用スラックスの左身頃の股下側の内股はぎ部を解体させた概略展開図である。本実施例では、上記実施例 1と同様にして形成した左布片 2及び右布片 3は、股下側のパワーネットの側縁部 2a、 3a及びウェスト側のパワーネット片の上縁部 2c、 3cをスラックス本体 1に於ける股下部 lb、 lb及びウェスト部 Idへ縫着させ、且つ脇側パヮ一ネット片の下方側縁部 2d、 3dのみをスラックス本体 1の脇縫合部 lc、 lcへ縫着させるものとなしている。即ち、この第 3の実施形態では、スラックス本体 1と各布片 2、 3 との縫着箇所、詳しくは、脇側パワーネット片との縫着箇所が異なること以外は上記第 1の実施形態と同様になされるのである。

[0039] この場合、各布片 2、 3は、臀部側から腹部側へ前上力 ^傾斜状に張設されることから、腰回りの贅肉を脇部で分断させることなく効果的に臀部側から腹部側へ持ち上げることができるのであり、また着用者は脇部に不快感を感じることなぐ I'夬適な着用ができる。

[0040] また、本発明は上記各実施例に限定されるものではなぐ本発明の主旨を逸脱しない範囲において、腹部側と腰部側の複数枚のパワーネット片の枚数、形状及び伸縮強度を適宜設定し組み合わせることができる。

[0041] また、上記各実施例においては、臀部当て布を各左右布片の臀部箇所に於ける下方側曲線に沿って重ねて縫着させたものについて説明したが、任意形状に形成された複数枚のパワーネット片と接ぎ合わせることにより各布片の該箇所のみを非伸縮性生地で構成するようになしてもよい。非伸縮性生地としては任意のものが使用できる力織物布を使用したり、伸縮し難いステッチを施したり、特殊な熱加工や糊加工を施したものを使用するようになしてもよい。

[0042] 本発明に係る提案はスラックスの素材及び形状を問わず適用可能であり、例えば、カジュアルパンツ、ジーンズ、カルソンパンツ、ジャンプスーツ、キュロットスカートなど各種スラックスに適用可能となる。また、これらに使用する素材は、伸縮性を有する素材でも、伸縮性を有しない素材でもよぐまた厚手のものでも薄手のものであってもよレ、。

Claims

請求の範囲

[1] 複数枚のパワーネット片を接いで形成した左布片と右布片の各股上側端縁部を後中心接ぎ部で接ぎ合わせたものと、非伸縮性生地で巾寸法を凡そ 5cm— 8cmとなした鎌形帯状の臀部当て布を作成し、前者のものは、股下側のパワーネット片の側縁部及びウェスト側のパワーネット片の上縁部をスラックス本体の股下部及びウェスト部へ夫々れ縫着させるほか、後者の臀部当て布は、前記各布片の臀部箇所に於ける下方側曲線に沿って設けるものとなしてあることを特徴とするヒップアップ用スラックス。

[2] 左布片と右布片は、脇側パワーネット片の上方側縁部と下方側縁部をスラックス本体の脇縫合部へ縫着させて左右後身頃の内側へ張設されるものとなしてあることを特徴とする請求項 1記載のヒップアップ用スラックス。

[3] 脇側のパワーネット片は、その側縁部長さ寸法に対し凡そ 1/2— 2/3の範囲がスラックス本体の脇縫合内部で縫着されないものとなしてあることを特徴とする請求項 2記載のヒップアップ用スラックス。

[4] 左布片と右布片は、少なくとも腰部側と腹部側とで形成されるものとなし、腹部側における腹部側パワーネット片の開放側側縁部をスラックス本体の前開き部へ縫着させて腰回り内側へ張設されるものとなしてあることを特徴とする請求項 1記載のヒップアツプ用スラックス。

[5] 腹部側のパワーネット片は、腰部側の各パワーネット片よりも伸縮性が大きぐ左右脇部から腹部を被覆させるものとなしてあることを特徴とする請求項 4記載のヒップアツプ用スラックス。

[6] 臀部当て布は、左布片と右布片の臀部箇所に於ける下方側曲線に沿って非伸縮性生地からなる二枚を当接するものとなし、その対合箇所は股上部に於ける各布片の接合箇所で、そして他端部は脇側側縁部へ縫着させるものとなしてあることを特徴とする請求項 2又は 4記載のヒップアップ用スラックス。

[7] 腰部側の各パワーネット片は、隣接し合うパワーネット片のヒップライン下方からヮタリライン付近に緩やかな凹部を形成させるものとなしてあることを特徴とする請求項 6記

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