m 糸田 » 光学活性置換フエニルプロピオン酸誘導体
技術分野
本発明はヒ トペルォキシゾーム増殖薬活性化受容体(PPARと略す) ァゴニス ト、 特にヒ ト PPARひァイソフォームに対するァゴニス ト と して脂質代謝異常の治療に有効な光学活性置換フエニルプロピオン 酸誘導体とその付加塩並びにその水和物及びこれらの製造方法なら びにこれらの化合物を含有する医薬組成物に関する。
背景技術
ペルォキシゾーム増殖薬活性化受容体(PPAR )はステロイ ド受容体、 レチノィ ド受容体やサイ ロイ ド受容体等と同様核内受容体スーパ— フアミ リーに属する リガン ド依存性の転写因子であり、 これまでに 組織分布を異にする三つのアイ ソフォーム( α型、 /? (又は(5 )型、ァ 型)がヒ トをはじめ種々の動物種で同定されている [非特許文献 1 ]。 この内 PPAH aは脂肪酸の異化能の高い肝臓や腎臓等に分布しており、 特に肝臓において高発現が認められ [非特許文献 2 ] 、 脂肪酸の代 謝や細胞内輸送に関連する遺伝子 (例えばァシル Co A合成酵素、 脂 肪酸結合夕ンパク質ゃリポ蛋白 リパーゼ) 及びコレステロールや中 性脂質の代謝に関連するアポリポ蛋白 1 11、[;11 1 )遺伝子の発現を 正や負に制御している。 ΡΡΑβ?は神経細胞を中心として生体内各組 織に普遍的に発現している。 現時点では PPAR の生理的意義につい ては不明である。 PPARァは脂肪細胞に高発現していて脂肪細胞の分 化に関与している [非特許文献 3 ]。この様に PPARの各ァイソフォー ムは特定の臓器や組織において特異的な機能を果たしている。
又、 PPARひのノ ックァゥ トマウスは加齢に伴い高中性脂肪血症を呈 し、 白色脂肪細胞の増加を主とした肥満になることが報告されてお り [非特許文献 4 ] 、PPARひの活性化と血中脂質(コレステロール及 び中性脂質)低下作用との関連が強く示唆されている。
一方、 従来から高脂血症治療薬としてはフイ ブラート系薬剤ゃス 夕チン系薬剤が汎用されている。 しかしフ ィブラート系薬剤ではコ レステロール低下作用が弱く、 一方ス夕チ 系薬剤では遊離脂肪酸 ゃト リグリセライ ドの低下作用は弱い。 またフ ィ ブラート系薬剤に 関しては胃腸障害、発疹、頭痛、肝機能障害、腎機能障害や胆石等の 種々の副作用が報告されていて、 フィ ブラー ト系薬剤が広範な薬理 作用を示すことがその原因として考えられており、特異的なメカニズ ムによる高脂血症治療薬の開発が望まれている。
このような従来の高脂血症治療薬の現状及びこれまでに判明した PPAR «という転写因子の脂質代謝調節機構に関する役割及び高脂血 症の病態との関わり を考えると、 PPARひ特にヒ トの PPARひ リガン ド として直接結合しヒ ト PPAR aを活性化しう る化合物を創製すること ができれば極めて特異的なメ力ニズムによる血中脂質(コレステロ一 ル及び中性脂質の双方)低下作用を示す化合物としての医薬用途が期 待される。
PPARひのリガン ド と して PPAR に対する親和性を有する化合物に はァラキ ドン酸の代謝物である LTB4の他にシ トクローム P- 450によ る酸化を介して生じる HETE (ヒ ドロキシエイコサテ トラェン酸)群の エイコサノィ ド、 特に 8- HETE、 8- HEPE等が報告されている [非特許 文献 5 ] 。 しかしこれらの内因性の不飽和脂肪酸誘導体は代謝的に も化学的にも不安定であ り、 医薬として供することはできない。 こ のために、 今日までに種々の構造様式の PPAR リガン ドが開示され ている。
本願出願人は PPARa作動作用を有する化合物として一般式 ( 8 )
(8)
[式中、 R は炭素数 1 から 4の低級アルキル基、 炭素数 1 から 3 の低級アルコキシ基、 ト リフルォロメチル基、 ト リフルォロメ トキ シ基、 無置換または置換基を有していても良いフエニル基、 無置換 または置換基を有していても良いフエノキシ基、 無置換または置換 基を有していても良いベンジルォキシ基を表し、 R は炭素数 1から 4の低級アルキル基、 2,2,2 -ト リ フルォロェチル基、 炭素数 1から 3 の低級アルコキシ基、 フヱノキシ基、 炭素数 1から 3の低級アルキ ルチオ基、 フエ二ルチオ基、 ベンジルチオ基を表し、 R は E/が炭素 数 1から 4の低級アルキル基、 2, 2, 2-ト リフルォロェチル基の場合 には水素原子または炭素数 1から 4の低級アルキル基を表し、 H2が 炭素数 1から 3の低級アルコキシ基、 フヱノキシ基、 炭素数 1から
3 の低級アルキルチオ基、 フヱニルチオ基、 ベンジルチオ基の場合 には水素原子を表し、 R4は炭素数 1から 3の低級アルコキシ基を表 す]で表される化合物を開示した [特許文献 1 ] 。 この出願明細書で 開示されている一般式 ( 8 ) で表される化合物は (S)体について記 載されてはいるが、 式 ( 1 ) で表される立体構造を有する(R)体化合 物について具体的な記載は無い。
[特許文献 1 ] 特開 2 0 ◦ 1— 5 5 3 6 7号公報
[非特許文献 1 ] Proc. Natl. Acad. Sci., 1992, S , 4653.
[非特許文献 2 ] Endocrinology, 1995, 131, 354.
[非特許文献 3 ] J. Lipid. Res. , 1996, 31,907.
[非特許文献 4 ] J.Biol.Chem., 1998,211,29577.
[非特許文献 5 ] Proc.Natl.Acad.Sci·, 1997, M, 312. 高脂血症は動脈硬化の危険因子であり、動脈硬化性疾患、特に冠動 脈硬化症の予防という観点から有効で安全性の高い高脂血症治療薬 の開発が臨床上望まれている。 発明の開示
本発明者らは、高脂血症治療薬として有効性及び安全性の高い構造 上新規な薬物の創製を目的としてかかるヒ ト PPARo:の脂質代謝に閧 する特異的な役割に着目し、鋭意研究を重ねた結果、 式(1)
で表される新規置換フヱニルプロピオン酸誘導体が優れたヒ ト PPAH ひ転写活性化作用を有することを見出し、 本発明を完成した。
即ち本発明は
1 ) 式
で表される(R)- 2-ェチル -3- [4 -メ トキシ- 3- (Ν-{ [4- (4-フルオロフヱ ノキシ)フヱニル]メチル }力ルバモイル)フヱニル]プロピオン酸及び その薬剤上許容される塩並びにその水和物、
2 ) 上記式(1)で表される光学活性置換フヱニルプロピオン酸誘 導体及びその薬剤上許容される塩並びにその水和物の少なく とも 1 種類以上を有効成分とする脂質低下薬、
3 ) 上記式(1)で表される光学活性置換フヱニルプロピオン酸誘 導体及びその薬剤上許容される塩並びにその水和物の少なく とも 1 種類以上を有効成分とするヒ トペルォキシゾーム増殖薬活性化受容 体(ΡΡΑβ)αァゴニス ト、
4 ) 上記一般式(1)で表される光学活性置換フヱニルプロピオン 酸誘導体及びその薬剤上許容される塩並びにその水和物の少なく と も 1種類以上を有効成分とする動脈硬化治療薬、
' 5 ) 式( 2 )
一般式( 3 )
[式中、 Rは(S)- 4-ベンジル -2-ォキサゾリジノ ン -3-ィル基、 (S) - 4- ィ ソプロピル- 2-ォキサゾリジノ ン- 3-ィル基、 (S) - 4 -フヱ二ル- 2 - ォキサゾリジノ ン- 3-ィル基等の絶対配置が(S)のキラルォキサゾリ ジノ ンやキラルイ ミダゾリジノン、 キラル環状ラクタム、 キラルス ルタム等を表す] で表される化合物を反応させ、 一般式( 4 )
(4)
[式中、 R は前述の通り ] で表される化合物を得、 ついでこれを水 素化分解することにより得られる一般式( 5 )
[式中、 R は前述の通り ] で表される化合物に式( 6 )で表される化 合物
又はその酸との塩を反応させ、 得られた一般式( 7
[式中、 Rは前述の通り ] で表される化合物の R部を酸化分解する ことを特徴とする上記式 (1 )で表される化合物の製造法、 に関する ものである。
式(1 )
で表される光学的に活性なプロピオン酸誘導体及びその薬剤上許容 される塩並びにその水和物はヒ トペルォキシゾーム増殖薬活性化受
容体ひに対して強力な転写活性化作用を有し、 脂質低下薬、 特に肝 臓における脂質の低下薬、 動脈硬化の進展に対する抑制薬と して有 効な化合物である。
本発明における一般式(1 )で表される化合物の塩類は慣用のもので あって、 金属塩例えばアル力 リ金属塩 (例えばナ ト リ ウム塩、 力 リ ゥム塩、 リチウム塩など) 、 アルカ リ土類金属塩 (例えばカルシゥ ム塩、 マグネシウム塩など) 、 アルミニウム塩等その薬剤上許容さ れる塩があげられる。
本発明の化合物は例えば以下の方法により製造することができる (スキーム 1 )。
スキーム 1 即ち式( 1 )
で表される本化合物は、 式 ( 2 )
で表される化合物に一般式( 3 )
[式中、 βは (β)- 4-ベンジル- 2 -ォキサゾリジノン- 3-ィル基、(R) - 4 - ィ ソプロピル- 2-ォキサゾリ ジノ ン- 3-ィル基、 (R)- 4-フヱ二ル- 2- ォキサゾリジノ ン- 3-ィル基等の絶対配置が(R)のキラルォキサゾリ ジノ ンやキラルイ ミダゾリジノン、 キラル環状ラクタム、 キラルス ル夕ム等を表す] で表される化合物を塩基存在下作用させる (工程 1 ) ことにより合成される一般式( 4 )
で表される化合物を得、これを水素化分解(工程 2 )により一般式( 5 )
を得、 この化合物に式( 6 )で表される化合物
又はその酸との塩を反応させ (工程 3 ) 、 得られた一般式( 7 )
[式中、 R は前述の通り ] で表される化合物の R部位を酸化分解す る (工程 4 ) ことによ り製造することができる。
工程 1の反応はテ トラヒ ドロフランゃジェチルエーテル、 へキサ ン等の溶媒中塩基としては例えば水素化ナ ト リ ゥムのようなアル力 リ金属水素化物、 ブチルリチウムのような有機金属化合物、 リチウ ムジイ ソプロピルアミ ド、 ナ ト リ ウムビス(ト リメチルシリル)アミ ドのような金属ァミ ドを用いるこ とができる。 反応温度と しては _ 100°Cから室温にて、 好適には- 20°Cから 0°Cにて実施することがで さる。
工程 2の反応はパラジウム担持活性炭、 白金担持活性炭、 酸化白 金、 ロジウム担持アルミナ等の金属触媒存在下、 エタノール、 メタ ノール、 テ トラヒ ドロフラン、 酢酸ェチル、 Ν , Ν-ジメチルホルムァ ミ ド等の溶媒中水素圧 98. 1 kPaから 491 kPaで実施することができ る。また、パラジウム担持活性炭の存在下、酢酸ェチル等の溶媒中、 ギ酸アンモニゥムも しくはギ酸及びト リメチルァミ ン、 ト リェチル ァミ ン、 ト リプロピルアミ ン等の ト リアルキルアミ ンを用い、 加熱 することにより、好適には 40°Cから 60°Cにて実施することができる。 工程 3の反応はカルボキシル基をそのままで、 または反応性の誘 導体に変換して実施することができる。 「カルボキシル基の反応性
誘導基」 としては酸塩化物、 酸臭化物、 酸無水物、 カルボ二ルイ ミ ダゾール等が挙げられる。
反応性誘導体を用いた反応の場合には、 ジォキサン、 Ν , Ν-ジメチ ルホルムアミ ド等の溶媒中、 塩基として例えば水素化ナ ト リ ウムの ようなアル力 リ金属水素化物、 水酸化ナ ト リ ゥムのようなアル力 リ 金属水酸化物、 炭酸カ リ ウム等のアルカ リ金属炭酸塩、 又はピリジ ン、 ト リェチルァミ ンのような有機塩基の存在下又は非存在下に実 施することができる。
カルボン酸体のままで反応を行う場合には塩化メチレン、 クロ口 ホルム、 ジォキサン、 Ν , Ν-ジメチルホルムアミ ド等の溶媒中縮合剤 の存在下、 塩基の存在下又は非存在下で更には添加剤の存在下又は 非存在下実施することができる。
縮合剤としては例えばジシクロへキシル力ルボジィ ミ ド、 1 - [ 3- (ジ メチルァミノ)プロピル] -3-ェチルカルボジィ ミ ド塩酸塩、シァノ リ ン酸ジェチル、 ジフエ ルリ ン酸アジ ド、 カルボニルジイ ミダゾー ル等が挙げられる。 塩基としては例えば水酸化ナ ト リ ウムのような アルカ リ金属水酸化物、 炭酸カ リ ウム等のアルカリ金属炭酸塩、 又 はピリ ジン、 ト リエチルアミ ンのような有機塩基が挙げられる。 添 加剤としては Ν-ヒ ドロキシベンゾ ト リァゾール、 Ν-ヒ ドロキシス クシンイ ミ ドゃ 3 , 4-ジヒ ド口- 3-ヒ ド口キシ- 4-ォキソ - 1 , 2 , 3-ベン ゾ ト リアジン等が挙げられる。 反応温度としては- 20°Cから 100 °Cに て、 好適には 0 °Cから 50°Cにて実施することができる。
工程 4の反応はアル力 リ性条件下で実施することができる。 アル カ リ性条件としては水酸化リチウム、 水酸化ナ ト リ ウム、 水酸化リ チウムと過酸化水素の混合物等が用いられる。 反応温度と しては -20°Cから 100 °Cにて、 好適には 0°Cから 50 °Cにて実施することがで きる。
このよう に して式(1)で表される(R)-2-ェチル - 3- [4-メ ト キシ - 3 -(N- {[4- (4-フルォ口フエノキシ)フヱニル]メチル }力ルバモイル) フエニル]プロピオン酸が得られる。
本発明の新規化合物の投与形態としては、例えぱ錠剤、カプセル剤、 顆粒剤、 散剤、 吸入剤又はシロップ剤等による経口投与或いは注射 剤若しくは座剤等による非経口投与を挙げることができる。 発明を実施するための最良の形態
次に本発明を具体例によって説明するがこれらの例によって本発 明が限定されるものではない。
<参考例 1>
4-ベンジル- 3 -プチリル- 2-ォキサ Vリ ジノ ン
カ リ ウム t-ブトキシ ド ( 36.00g,0.321mol) と脱水テ トラヒ ドロ フラン 0.35Lの溶液に、 冷却攪拌下 (S)- 4-ベンジル- 2-ォキサゾリ ジノン (50.47g, 0.285mol)を脱水テ トラヒ ドロフラン 180mLに溶解 した溶液を内温 8〜; 10°Cで滴下し、 30分間攪拌後、 プチリルクロ リ ド(33mL,0.318mol)を内温 8〜; 10°Cで滴下しそのまま 2時間撹拌した。 反応液に飽和食塩水 160mL を 10分攪拌後、 l mol/L塩酸で中和し、 有機層を分取、 減圧濃縮した。 得られた残留物を飽和食塩水 240mL に注ぎ、 酢酸ェチル 400mL (200mLx 2 ) で抽出した。 抽出液を無水 硫酸ナ ト リ ゥムで乾燥後、減圧濃縮した。に先の濃縮残留物を加え、 炭酸ナ ト リゥム水 (炭酸ナ ト リ ウム 62. lg と水 621mL) 、 次いで塩 化ナ ト リ ゥム水(塩化ナ ト リ ウム 177g と水 568mLの混液)で洗浄後 無水硫酸ナ ト リ ゥムで乾燥し減圧濃縮した。 残留物は減圧蒸留(152 〜156°C/80Pa)を行ない、 59.24g(84.1%)の表題化合物を淡黄色油状 物として得た。
質量分析値 m/z 247(M+).
<実施例 1>
「5 14,S)l-2-ヌ 卜キ、ン- 5-ί「2- -ォキソ -4-ベンジルォキサゾ 0ジ ン -3-ィル)カルボニル]ブチル }安息香酸ベンジル
(S)_4-ベン ジル -3-ブチ リ ル -2 -才キサ ゾ リ ジ ノ ン (59.24g, 0.240mol)と脱水テ トラヒ ドロフラン 160niLの溶液にアルゴン雰囲気 下、 - 40°C以下の温度で 1 mol/Lのリチウムビス( ト リメチルシリル) アミ ドのテ トラヒ ドロフラン溶液(287mL, 0·287πιο1)を滴下した。滴 下終了後 0°Cまで昇温し、 10分間撹拌した後、 再度 _40°Cに冷却、 5 - ブロモメチル -2-メ トキシ安息香酸ベンジル(53.53g, 0.160mol)の脱 水テ トラヒ ドロフラン(160mL)溶解液を滴下した。滴下終了後、 約 1 時間かけて 0°Cまで昇温した。 反応液に 10%塩化アンモニゥム水溶 液 150mLを加え、 10分間攪拌した。 lmol/L塩酸で中和後、 有機層を 分取し、 水層を酢酸ェチル 600mL(300mLx2)で抽出し、 先の有機層と 合一し、 水 400mLで洗浄、 無水硫酸ナ ト リ ウムで乾燥後減圧濃縮し た。 残留物をシリカゲル (へキサン : 酢酸ェチル二 3 : 1 ) カラム クロマ トグラフィ一にて精製後、 ジェチルエーテルで再結晶するこ とにより 54.80g (収率 68.4%)の表題化合物を白色結晶として得た。 融点 : 63〜64°C.
旋光度 : [ひ ] D 24= 56 (c=1.0、 MeCN).
質量分析値 m/z 501(M+).
1H-NMR(400MHz,CDCl3): δ 0.93( 3Η, t, J=7.8Hz ) , 1.53- 1.61 ( 1Η, m), 1.71-1.82 (lH,m), 2.43(lH,dd, J=9.3, 13.2Hz), 2.75(lH,dd, J= 6.3,13.2Hz), 2.99-3.08(2H,m), 3.86(3H,s), 4.07-4.15(3H,m)3 4.61-4.67(lH,m)3 5.27(lH,d3 J=17.6Hz), 5.30( 1H, d, J=17.6Hz ) 3 6.91(lH3d,J=8.9Hz)5 7.02-7.04(2H,m), 7.20- 7.42(9H,m), 7.72(1H;
d,J=2.0Hz).
<実施例 2 >
i4,S)l_2-メ トキシ- (2-ォキソ 4-ベンジルォキサ Uジ ン -3-ィ ル)カルボニル 1ブチル } 息香酸
[5(2R,4,S)]- 2-メ トキシ -5- {[2- (2-ォキソ -4-ベンジルォキサゾリ ジ ン - 3-ィ ル ) カ ル ボ ニ ル ] ブ チ ル }安 息 香 酸 ベ ン ジ ル (24.60g,49.0mmol)を酢酸ェチル 172mLに溶解、 これに 10 パラジゥ ム炭素(1.60g)を加え、 水素雰囲気下、 室温にて 6時間接触還元を 行った後、 触媒を濾別、 得られた濾液を減圧濃縮することにより表 題化合物(19.88g)を油状物と して得た。
質量分析値 m/z 411(M+).
<実施例 3 >
「5(?J..4,S)卜?, -メ トキシ- 5- ί「2- (2-ォキソ -4-ベンジルォキサ りジ ン -3-ィル)カルボニル]ブチル }安息香酸
(S)- 4-ベンジル- 3 -プチリル -2 -ォキサゾリジノン(187g, 756匪 ol) と脱水テ トラヒ ドロフラン 570mLをアルゴン雰囲気下混合し、 冷却 した。 撹拌下内温- 19〜- 1°Cで 1 mol/L のリチウムビス( ト リメチル シリル)アミ ドのテトラヒ ドロフラン溶液(831mL, 831mmol)を滴下し た。滴下終了後- 5〜- 1°Cにて 10分間撹拌した後 5-ブロモメチル -2- メ トキシ安息香酸ベンジル(211g, 629imnol)の脱水テ トラヒ ドロフラ ン溶液(633mL)を滴下した。滴下終了後 0〜5°Cにて 2時間撹拌した。 反応液に塩化アンモニゥム水 (塩化アンモニゥム 57. Og と水 570mL の混液) 及び 2mol/L塩酸を加え、 ρΗ7·0 とした。 有機層を分取し、 水層を酢酸ェチル 633mLで抽出し、 先の有機層と合一し、 減圧濃縮 した。 残留物と酢酸ェチル 2.11Lを混合し、 希塩酸 (濃塩酸 68.5mL
と塩化ナ ト リ ウム 84.4g と水 1.51Lの混液)、炭酸ナ ト リ ゥム水(炭 酸ナ ト リ ウム 89.3g と塩化ナ ト リ ウム 84.4g と水 1.58Lの混液) 、 塩化ナ ト リ ゥム水(塩化ナ ト リ ウム 443g と水 1.44Lの混液) で順次 洗浄後無水硫酸ナ ト リ ゥムで乾燥し濃縮した。 残留物と酢酸ェチル 1.48L と ト リエチルァミ ン (191g,1.89mol) と 10%パラジウム炭素 38.2 を混合し、 内温 41〜50°Cで蟻酸 (58.0g,1.26mol) を滴下しそ のまま 1 時間撹拌した。 内温 43〜50°Cで蟻酸 (58.0g,1.26mol) を 滴下しそのまま 1時間撹拌した。 反応終了後触媒を濾過し、 酢酸ェ チルで洗浄した。 これを希塩酸(濃塩酸 211mL と水 1.06Lの混液)、 水 1.27Lで順次洗浄した。 有機層を炭酸ナ ト リ ゥム水 (炭酸ナ ト リ ゥム 76.0g と水 1.69Lの混液) 、 炭酸ナ ト リウム水 (炭酸ナ ト リ ウ ム 57.0g と水 1.27Lの混液) 、 で順次抽出した。 これに塩酸 (濃塩 酸 264mL と水 264mLの混液) を加え、 酢酸ェチル 1.27L, 633mLで 順次抽出した。 有機層を水 1.27L、 塩化ナ ト リ ウム水 (塩化ナ ト リ ゥム 512g と水 1.69Lの混液)で順次洗浄後無水硫酸ナ ト リ ゥムで乾 燥し濃縮した。 残留物と 2-プロパノール 633mL を混合し、 冷却し撹 拌下、 水 1.27L を加え、 内温 3〜; 10°Cで 30分間撹拌した。 析出結晶 をろ取し、 乾燥し、 白色結晶を得た。 これを 2-プロパノール 1.18L で精製し、 199g (収率 77%)の表題化合物を白色結晶として得た。 質量分析値 m/z 411(M+).
<実施例 4 >
-(-)- 2-ェチル - 3-(4-メ 卜キジ- 3- -「(4 -フルォロフヱノキシフエ ニル)メチル 1力ルバモイ ル}フエニル)プロピオン酴
[5(2R,4,S)]- 2-メ トキシ- 5- {[2- (2-ォキソ -4-ベンジルォキサゾリ ジン -3-ィル)カルボニル]ブチル }安息香酸(198g, 481mmol)、 ト リエ チルアミ ン(146g, 1.44mol)及び酢酸ェチル 1.39Lを混合し氷冷撹拌
下、 内温 3〜10°Cでクロ口炭酸ェチル(54.8g, 542iimiol)と酢酸ェチ ル 198mLの混液を滴下した。 15分間撹拌後 4- (4-フルオロフヱノキ シ) ベンジルアミ ン塩酸塩(128g, 505mmol)を少量ずつ加えた。 内温 2〜10°Cで 1時間撹拌した。反応液を水 1.98L、炭酸ナ ト リ ウム水(炭 酸ナ ト リ ウム 42. Og と水 792mL) 、 水 792mL で順次洗浄後無水硫酸 ナ ト リ ゥムで乾燥し、ジメチルスルホキシ ド 2.93Lを加え濃縮した。 撹拌下 30%過酸化水素水(211g, 1.92mol)を加えた。 次に lmol/L水 酸化ナ ト リ ゥム水 770mLを内温 25〜30°Cで加え、 30分撹拌下した。 反応液に亜硫酸水素ナ ト リ ゥム水(亜硫酸水素ナ ト リ ウム 198g と水 950mLの混液)を内温 15〜30°Cで滴下した。そのまま 1時間撹拌した。 反応液に lmol/L塩酸 924mL、 水 2.94Lを加え、 1時間撹拌した。 析 出固体をろ取し、 水 1.47Lで洗浄した。 これを 0.5mol/L水酸化ナ ト リ ゥム水 1.98L と混合し、 酢酸ェチル 1.98Lで洗浄した。 有機層を 0.5mol/L水酸化ナ ト リ ゥム水 1.98L で抽出し、 先の水層と合一し、 溶存酢酸ェチルを減圧濃縮した。 内温 23〜28°Cで 2mol/L塩酸を加 え、 そのまま 30分間撐拌した。 析出固体をろ取し、 水 1.47Lで洗浄 し、 乾燥し、 白色固体 205gを得た。 これを酢酸ェチルージィソプロ ピルエーテル(4:lv/v) 1.23Lついで 2—プロパノール 793mLで精製 し、白色固体を 177g得た。これと 0.5mol/L水酸化ナ ト リウム水 942mL と水 833mLを混合し、内温 45〜49°Cで 0.5mol/L塩酸 1.09Lを加え、 冷却し、内温 4〜; 10°Cで 1時間撹拌した。析出固体をろ取し、水 1.77L で洗浄し、 乾燥し、 176g(81%)の表題化合物を白色結晶として得た。 融点 132°C.
質量分析値 m/z 451(M+).
元素分析値(%) C26H26FN05 (451.49):
計算値 69.17; H, 5.80; N, 3.10,
実測値 C, 69.06; H, 5.79; N, 2.90.
!H-NMR (400MHz, d6-DMS0) δ 0.86(3H, t ,J= 7.3Hz), 1.43-1.54 (2H,m), 2.39- 2.46(lH,m), 2.66(lH,dd3 J=13.7,5.9 Hz), 2.77(1H, dd, J=13.7,8.8Hz), 3.86(3H,s), 4.46(2H, d, J=5.9Hz), 6.94-6.98 (2H,m), 7.01- 7.06(3H,m), 7.18-7.24(2H,m), 7.28( 1H, dd, J=8.3, 2.4Hz), 7.34(2H,d,J=8.8Hz), 7.58(1H, t, J=2.4Hz), 8.68(lH,t,J二 6.3Hz), 12.10(lH5br s).
比旋光度 [a]D 25 -29 °(C 1.0, MeCN).
光学純度 99.4° e.e.(CHIRALl PAK AD-RH, 4.6mmID x 150mm, 溶出 液 ; リ ン酸 (1 1000) 水溶液 : ァセ トニ ト リル = 65:35, 検出波 長 ; 210nm, カラム温度 ; 40°C, 流速 ; 1. OOmL/min) .
<実施例 5 >
(- )- 2-ェチル - 3- (4-ヌ トキシ- 3- ίΝ-「(4-フルオロフヱノキシフエ ニル)メチル 1力ルバモイ ル }フエニル)プロピオン酴
(S)- 4-ベ ン ジル -3-ブチ リ ル -2-ォキサ ゾ リ ジ ノ ン (3.37g, 13.6mmol)と脱水テ トラヒ ドロフラン 70mLの溶液にアルゴン雰囲気 下、- 78°Cの温度でナ ト リ ウムビス(ト リメチルシリル)アミ ドのテ ト ラヒ ドロフラン溶液(15mL, 15.0mmol)を滴下し、 - 78°Cで 1時間攪拌 した。次いで、 5-プロモメチル- 2-メ トキシ安息香酸ベンジル(5.04g, 15.0mmol)の脱水テ トラヒ ドロフラン(20mL)溶解液を滴下した。更に 20mLのテ トラヒ ドロフランで洗い込み、 - 78°Cで 3時間攪拌後、 -50 〜- 40°Cの温度で 3時間攪拌した。反応液を飽和塩化アンモニゥム水 溶液 100mLに注ぎ込み、 酢酸ェチル 150mLで 2回抽出した。 抽出液 を水次いで飽和食塩水で洗浄後減圧濃縮した。 残留物をシリ力ゲル (へキサン : 酢酸ェチル = 4 : 1 ) カラムクロマ トグラフィーにて 精製後、 2.5gの [5(2R,4,S)]-2-メ トキシ- 5- { [2- (2-ォキソ -4-ベン ジルォキサゾリジン- 3-ィル)カルボニル]ブチル }安息香酸ベンジル
を得た。
[5(2R,4, S)]- 2-メ トキシ -5- {[2- (2-ォキソ -4-ベンジルォキサゾ リジン- 3-ィル)カルボニル]ブチル }安息香酸ベンジル(2.5g)を酢酸 ェチル 150mLに溶解、 これに 10%パラジウム炭素(0.35g)を加え、 室 温、 水素圧 3.6kgf/cm2で 4時間接触還元を行った後、 触媒を濾別、 得られた濾液を減圧濃縮することによ り [5(2R,4, S)]- 2-メ トキシ - 5 - { [ 2- (2-ォキソ -4-ベンジルォキサゾリジン- 3-ィル)力ルボニル] ブチル }安息香酸(1.60g)を得た。 '
質量分析値 m/z 411(M+).
[5(2R,4' S)]- 2-メ トキシ -5- {[2- (2-ォキソ -4-ベンジルォキサゾ リジン- 3-ィル)カルボニル]ブチル }安息香酸(1.60g, 3.89mmol)、 4- (4-フルオロフエノキシ) ベンジルアミ ン(1.10g, 5.06mmol)、 ト リ ェチルァミ ン(1.22mL, 8.75mmol),及び塩化メチレン 70m Lの溶液 に氷冷攪拌下、 2-ク口口- 1,3-ジメチルイ ミダゾリニゥムクロ リ ド (987mg, 5.84mmol)と塩化メチレン 30mL の混液を滴下した。 0°Cで 30分間次いで室温で 4時間撹拌した。 反応液を飽和アンモニア水に 注ぎ、 酢酸ェチルで抽出した。 抽出液を水次いで飽和食塩水で洗浄 後減圧濃縮した。残留物をシリカゲル(へキサン:酢酸ェチル二 1 : 1 ) カラムク ロマ ト グラフ ィ ーにて精製し、 1.70 gの [5(2R,4, S)]- 3- {2-ェチル -3- [4-メ トキシ -3- (N- {[4- (ト リ フルォロメチル) フヱニル]メチル }力ルバモイル)フヱニル]プロピオ二ル}- 4-ベンジ ル- 2-ォキサゾリジノンを得た。
[5(2R,4,S)]- 3- {2-ヱチル -3- [4 -メ トキシ- 3- (N- { [4- (ト リ フル才 口メチル)フヱニル]メチル }力ルバモイル)フヱニル]プロピオ二ル} - 4 - ベンジル- 2-ォキサゾリジノン(6.00 9.8311111101)をテ トラヒ ドロフラ ン一水 ( 4 : 1 ) 混合液に溶解、 氷冷、 アルゴン雰囲気下攪拌し、 30%過酸化水素水(3.98mL,39.2mmol)を滴下した。次いで水酸化リチ
ゥム (660mg,15.7mmol)水溶液 18mLを滴下した。 氷冷下、 1.5時間 攪拌後反応液に亜硫酸水素ナ ト リ ゥム水(亜硫酸水素ナ ト リ ウム 4.07 と水 18mLの混液)を滴下し、 氷冷下 30分攪拌した。 更に、 反 応液中のテ トラヒ ドロフランを減圧留去後、 水に注ぎ、 塩化メチレ ン抽出した。 抽出液は、 飽和食塩水で洗浄し、 無水硫酸ナ ト リ ウム で乾燥後、 減圧濃縮し油状物を得た。 得られた油状物を水酸化ナ ト リゥム水溶液で 5回洗浄したィソプロピルアルコール:酢酸(4:lv/v) 混合液でシリカカラムクロマ トグラフィ一精製、 更にへキサン : 酢 酸ェチルで再結晶することにより 2.72gの表題化合物を白色結晶と して得た。
元素分析値(%) C26H26FN05 (451.49):
計算値 C, 69.17; H, 5.80; N, 3.10,
実測値 C, 68.95; H, 5.83; N, 3.23.
比旋光度 [ ]!)25 -29.7 °(C 0.476, MeCN).
<試験例 >
ヒ 卜ペルォキシゾーム ί曾贿藜活 '1、牛ィ h ¾优(卩 PAR) に対する 写 活' I、牛ィ h試,験
10°脱脂牛血清を含むダルべッコ変法ィ -グル培地(FCS/DMEM)にて 培養した CH0細胞に、 酵母の転写因子の MA結合領域とヒ ト型 PPAR αの リ ガン ド結合領域(Biochemistrr, 1993, , 5598)との融合蛋白 質を発現する受容体プラス ミ ド及びその レポ-夕 -プラス ミ ド (STRATAGENE社)、 及び内部標準用のゥミシィタケルシフェラーゼプ ラスミ ド(Promega 社)をリポフエク トアミ ンにて無血清状態にてコ トランスフヱクシヨンした。その後 10%SFCS/DMEM中で被検化合物及 び対照化合物である(8S)- HETEを添加して 24時間後に両ルシフヱラ -ゼ活性を測定し、 内部標準によ り補正した。
結果を表 1 に示す
[表 1 ] 実施例 転写活性化作用
EC50 { μ ηο \ /し)
4 0. 054
これらの結果より、 本発明化合物はヒ トペルォキシゾーム増殖薬活 性化受容体 に対して強力な転写活性化作用を有することが示され た ο 産業上利用可能性
上述の結果から、 本発明の光学活性な置換フエニルプロピオン酸 誘導体は優れたヒ ト PPAR 転写活性化作用を示すことが明らかと なった。
本発明化合物は、 ヒ ト PPAR に対する作動活性を有することから 血中脂質(コ レステロール及び中性脂質)低下作用を惹起し、 脂質低 下薬、 特に肝臓における脂質の低下薬、 動脈硬化の進展に対する抑 制薬として有効である。