WO2005000698A1

WO2005000698A1 - 容器の開封構造、その開封構造を備えた容器、及びその開封構造の製造方法

Info

Publication number: WO2005000698A1
Application number: PCT/JP2004/009036
Authority: WO
Inventors: Tomomi Kobayashi; Kenichi Takao; Kouji Nagata
Original assignee: Toyo Seikan Kaisha, Ltd.
Priority date: 2003-06-27
Filing date: 2004-06-25
Publication date: 2005-01-06
Also published as: AU2004251979A1; KR20060065587A; EP1640283A1; US20070062952A1

Abstract

開封性に優れ、開封及び再封鎖を容易に行うことのできる容器の開封構造及びその開封構造を備えた容器を提供することを目的とする。本発明の開封構造は、キャップ部分Ａと注ぎ部分Ｂとが連続して一体的に形成されてなる容器の開封構造において、キャップ部分と注ぎ部分との境界に存在する易破断部１１の径方向変形により易破断部１１を破断し、前記キャップ部分と前記注ぎ部分とを分離させ、容器を開封することを特徴とする。また、本発明の開封構造の製造方法は、筒状部の内部から外側に拡径して拡径部分を形成すると共に、前記拡径部分に易破断部を形成し、筒状部を高さ方向に加圧して、前記筒状部に形成された中間壁予定部を中間壁とし、外壁予定部を外壁となるように上から折り重ね、内壁、中間壁、外壁の円筒状の三重壁からなる突出部と、外壁と中間壁及び／又は中間壁と内壁との隙間に撓み変形部を形成し、前記突出部に係合部を形成することを特徴とする。

Description

明細書

容器の開封構造、その開封構造を備えた容器、及びその開封構造の製造方法

技術分野

[0001] 本発明は、容器の開封構造、その開封構造を備えた容器及びその開封構造の製造方法に関し、詳しくは、開封性に優れ、開封及び封鎖を容易に行うことのできるジユース缶、ビール缶、炭酸飲料缶、コーヒー飲料缶、紅茶飲料缶、食用油缶、調味料缶等の容器の開封構造及びその開封構造を備えた容器及びその開封構造の製造方法に関する。

背景技術

[0002] 従来、前記したジュース缶、ビール缶、炭酸飲料缶、コーヒー飲料缶、紅茶飲料缶、食用油缶、調味料缶等の密封容器として、容器本体の開口端部にイージーオーブン蓋を卷締めてなるものが従来から広く使用されている。イージーオープン蓋においては、蓋本体と開口部とを区画する易破断部 (スコア）が形成されていて、蓋本体に設けられたリベットに固着された摘みタブを用いて易破断部を破断して押し下げ、飲み口等となる注ぎ部分を形成する。

し力、しながら、この従来の密封容器の場合、飲み残した時に開口部の再封鎖ができないので、残した飲料等は捨てる力、或いはコップ等に移して冷蔵庫内で保存するという手間を要するという問題があった。また、イージーオープン蓋に異物が付着して不衛生になり易いという問題もあった。

[0003] そこで、注ぎ部分の再封鎖が可能な密封容器の開発が行われてレ、る。例えば、特許文献 1には、金属製の缶容器に対して弱化部を破断しつつ弱化部で囲まれた部分を缶体内に押し下げることで注出口を開封すると共に、開口された注出口を再封鎖するための樹脂製のキャップが容器缶蓋の開口部に着脱自在に冠着されてレ、る再封鎖用キャップ付き缶容器が記載されている。

[0004] 特許文献 1記載の容器において、注出口の開封は、缶蓋の開口部とキャップの第一円筒部との係合によりキャップを着脱させると共に、キャップの押し釦部を上方から指で押圧して可動連結部を弾性変形させて押し釦部と栓部を下方に変位させて、ヒンジ部分となる一部分を除レ、て略環状に破断可能な弱化部 (スコア）が形成されてレ、る金属製の容器に対して、弱化部を破断しつつ弱化部で囲まれた部分を缶体内に押し下げることにより行う。また、開口された注出口の再封鎖は、可動連結部を弾性変形により支点を超えて下方に反転させ、キャップのフランジ部を缶蓋の開口部上端面に密着させることにより行う。

[0005] し力、しながら、特許文献 1記載の容器においては、樹脂製のキャップが容器本体とは別体に構成されているため、容器製造の際の工程が煩雑になり易ぐ生産性が悪いという問題点があった。そして、金属製の缶容器と樹脂製のキャップとが異質な素材であって、廃棄する際に、分別を要するため不便であり、リサイクル性も乏しいという問題点があった。

また、使用時における耐久性に乏しぐ使用前の輸送中の振動、衝撃等によってもキャップが容器本体から脱落する可能性があった。

さらに、注出口の開封の際、キャップの押し釦部を上方から指で押圧する必要があるが、かなりの指の力を要するため、力が弱く手先のおぼっかない幼児や高齢者等は開封が困難である。また、キャップを外してみないとその開口状態を確認できないため、開口の確実性に欠けるという問題点があった。また、再封鎖の際、キャップと開口部との接合部分に埃ゃゴミ等の異物が溜まったり付着したりしゃすいため不衛生になり易いという問題点があった。

[0006] かかる問題点を解決すべく開発を進めた結果、本発明者らは特許文献 2記載の容器の開封構造を開発し、既に出願済みである。特許文献 2記載の容器の開封構造は、注ぎ部分とキャップ部分を連続して一体に形成すると共に、易破断部を設けたことを特徴とする。

特許文献 2記載の容器の開封構造を開封する場合には、開封構造の外壁を掴んで回転させてせん断力を付与することにより、易破断部が破断してキャップ部分が中間壁に対して独立に回転して開封し、分離する。また、再封鎖時には、容器に飲み残しが生じた場合は、外壁を中間壁に被せて回転させ、それぞれに設けた螺子係合部により両者を確実に固定して封止することができる。 [0007] このような特許文献 2記載の容器の開封構造によれば、容器製造の際の生産性や耐久性に優れるが、開封の際ある程度の指の回転力を必要とした。

[0008] 特許文献 1 :特開 2000 - 296866号公報

特許文献 2：国際公開 WO03Z057583号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0009] 本発明は、上記従来技術の問題点を解決し、開封性に優れ、開封及び再封鎖を容易に行うことのできる容器の開封構造、その開封構造を備えた容器及びその開封構造の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0010] 本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、易破断部の径方向変形により開封可能な容器の開封構造とすることにより、開封性を改善できることを見出し、本発明に到達した。

[0011] 請求項 1に記載の容器の開封構造は、キャップ部分と注ぎ部分を連続して一体的に形成した容器の開封構造において、キャップ部分と注ぎ部分との境界に存在する易破断部の径方向変形により、前記易破断部が破断して前記キャップ部分と前記注ぎ部分とが分離し、容器が開封されることを特徴とする。

請求項 2に記載の容器の開封構造は、請求項 1において、易破断部の近傍に橈み変形部を設け、前記橈み変形部を外側より内側方向に押圧して変形させ、前記易破断部の径方向変形を生じさせることを特徴とする。

請求項 3に記載の容器の開封構造は、請求項 1又は 2において、キャップ部分及び注ぎ部分が、内壁と、内壁の上端部から下方に折り返した中間壁と、前記中間壁の下端部から上方に折り返した外壁とから連続して一体的に形成され、易破断部が外壁に設けられてレ、ることを特徴とする。

請求項 4に記載の容器の開封構造は、請求項 3において、橈み変形部が、外壁と中間壁及び/又は中間壁と内壁との隙間に設けられていることを特徴とする。

請求項 5に記載の容器の開封構造は、請求項 1一 4のいずれかにおいて、前記キヤップ部分は、易破断部に連接して一体に延設された円筒状のカバー部と注ぎ部の開口部を覆う円盤状の天板部とを備えており、前記円筒状のカバー部及びカバー部に連接する注ぎ部分にネジ部を有することを特徴とする。

請求項 6に記載の容器の開封構造は、請求項 5において、前記キャップ部分をその閉栓状態から開栓方向に回転させるに従い、前記注ぎ部分のねじ溝と前記キャップ部分のねじ山との間に生ずる空隙が徐々に拡大形成されるようにしたことを特徴とする。

請求項 7に記載の容器の開封構造は、請求項 6において、前記注ぎ部分のねじ溝、及び前記キャップ部分のねじ山の幅を下方に向かって漸減させたことを特徴とする請求項 8に記載の容器の開封構造は、請求項 6において、前記注ぎ部分のねじ溝の深さ、及び前記キャップ部分のねじ山の高さを下方に向かって漸減させたことを特徴とする。

請求項 9に記載の容器の開封構造は、請求項 6において、前記注ぎ部分のねじ溝の幅、及び前記キャップ部分のねじ山の幅を下方に向かって漸減させ、且つ前記ねじ溝の深さ、及び前記ねじ山の高さを下方に向かって漸減させたことを特徴とする。請求項 10に記載の容器の開封構造は、請求項 1一 4のいずれかにおいて、前記キヤップ部分は、易破断部に連接して一体に延設された円筒状のカバー部と注ぎ部の開口部を覆う円盤状の天板部とを備えており、該円筒状のカバー部にアンダーカット部を有することを特徴とする。

請求項 11に記載の容器の開封構造は、請求項 1一 10のいずれかにおいて、前記キャップ部分の内面上部と注ぎ部の間に、密封材が配置されていることを特徴とする請求項 12に記載の容器の開封構造は、請求項 1一 11のいずれかにおいて、前記易破断部に隣接してサブスコアが設けられていることを特徴とする。

請求項 13に記載の容器の開封構造は、請求項 1一 12のいずれかにおいて、前記橈み変形部の橈み剛性が周方向に不均一であることを特徴とする。

請求項 14に記載の容器の開封構造は、請求項 13において、前記橈み変形部にエンボスを設けたことを特徴とする。請求項 15に記載の容器の開封構造は、請求項 1一 14のいずれかにおいて、前記橈み変形部、又はその近傍、或いは易破断部、又はその近傍に未開封保証材を設けたことを特徴とする。

請求項 16に記載の容器は、請求項 1一 15のいずれかに記載の容器の開封構造を備えることを特徴とする

請求項 17に記載の容器の開封構造の製造方法は、容器の開封構造の製造方法であって、筒状部の内部から外側に拡径して拡径部分を形成すると共に、前記拡径部分に易破断部を形成し、筒状部を高さ方向に加圧して、前記筒状部の高さ方向中央部に形成された中間壁予定部を中間壁とし、外壁予定部を最も外側に配置して外壁となるように上から折り重ね、内壁、中間壁、外壁の円筒状の三重壁からなる突出部と、外壁と中間壁及び Z又は中間壁と内壁との隙間に橈み変形部を形成し、前記突出部に係合部を形成することを特徴とする。

請求項 18の容器の開封構造の製造方法は、請求項 17において、前記筒状部の内部から外側に拡径して拡径部分を形成する際に、外壁予定部と中間壁予定部との境界付近に張出環状部を形成し、前記張出環状部から下方に、中間壁予定部より直径が大きレ、接続部を設けるようにしたことを特徴とする。

請求項 19の容器の開封構造の製造方法は、請求項 17又は 18において、前記易破断部に隣接してサブスコアを設けることを特徴とする。

発明の効果

[0012] 本発明の容器の開封構造によれば、生産が容易で、リサイクル性、輸送中における脱落防止、不正開封防止、及び開封性に優れ、開封及び再封鎖を容易に行うことができる。

また、本発明の容器の開封構造の製造方法によれば、前述した容器の開封構造を容易に製造することができる。

図面の簡単な説明

[0013] [図 1]本発明の実施の形態 1の容器の開封構造を示す要部断面図である。

[図 2]実施の形態 1のキャップ部分を取り外した状態を示す説明図である。

[図 3]本発明の容器の開封構造の使用方法を示す説明図である。園 4]実施の形態 2の容器の開封構造を示す要部断面図である。

[図 5]実施の形態 3の容器の開封構造を示す要部断面図である。

[図 6]実施の形態 4の容器の開封構造を示す要部断面図である。

園 7]ガス抜き用通路を形成する開封構造の態様 1の部分断面図である。

園 8]ガス抜き用通路を形成する開封構造の態様 1の開封後の開栓状態部分断面図である。

園 9]ガス抜き用通路を形成する開封構造の態様 2の部分断面図である。

園 10]ガス抜き用通路を形成する開封構造の態様 2の開封後の開栓状態部分断面図である。

園 11]ガス抜き用通路を形成する開封構造の態様 3の部分断面図である。

園 12]ガス抜き用通路を形成する開封構造の態様 3の開封後の開栓状態部分断面図である。

園 13]実施の形態 5の容器の開封構造を示す要部断面図である。

園 14]実施の形態 5の容器の開封構造のキャップ部分を分離した状態の要部断面図である。

園 15]本発明の容器の開封構造におけるサブスコア部の一例を示す概略説明図である。

園 16]本発明の容器の開封構造におけるエンボス凸部の一例を示す概略説明図である。

園 17]本発明の容器の開封構造におけるエンボス凸部の他の例を示す概略説明図である。

園 18]本発明の容器の開封構造を備えた容器の一例を示す概略断面図である。園 19]本発明の容器の開封構造を備えた容器の他の例を示す概略断面図である。園 20]本発明における容器の開封構造の製造方法の一例を示す概略説明図である園 21]本発明における容器の開封構造の製造方法の一例を示す概略説明図である園 22]本発明における容器の開封構造の製造方法の一例を示す概略説明図である園 23]第 3工程でのバルジ成形加工の説明概略図である。

園 24]張出環状部の形成についての概略説明図である。

園 25]張出環状部の形成についての概略説明図である。

園 26]製造装置の概略説明図である。

園 27]図 26の製造装置におけるスコア形成手段の断面図である。園 28]他の実施形態の製造装置の概略説明図である。

符号の説明

10, 20, 30, 40, 50, 60, 70, 80 実施の形態の容器の開封構造

11 , 21 , 31 , 41 , 51 63 易破断部

12, 22, 32, 42, 52 内壁

13, 23, 33, 43, 53 中間壁

14, 24, 34, 44, 54 壁

11a 破断端

l ib サブスコア

12a 上端部

13a 下端部

14a 下端密着部

14b エンボス

15, 25， 35 橈み変形部

15a 押圧部

16a カバー部

16b 天板部

17， 47 ネジ係合部

18 密封材

19 開口部

24b, 34b 下部

51a アンダーカット部 56 凹部

90 スコア形成手段

91 メインスコア形成刃

92 サブスコア形成刃

93、 96 保持移動手段

94、 97 規制手段

95、 98 駆動手段

99a、 99b 保持部材

100 容器

101 カーノレ部

102 容器胴部

103 密封材

110 容器

112 容器胴部

113 底蓋

170 缶胴

171 卷締め部

A, 62, 72, 82 キャップ部分

B, 61 , 71 , 81 注ぎ部分 C 筒状部

C1 外壁予定部

C2 中間壁予定部

C3 内壁予定部

D1 外側ネジ加工用ロール

D2 内側ネジ加工用ロール

E マンドレノレ

E1 刃状ローノレ

E2 回転マンドレル F 拡径部分

Fl 張出環状部

F2 接続部

F3 円筒壁部

F4 段部

HI , H2, H3 ねじ溝の深さ，ねじ山の高さ

P 金属板

Q 円筒状カップ

R 加圧工具

S 空隙

U 弾性体

V 割型

Wl , W2, W3 ねじ溝の幅，ねじ山の幅

矢印 X 内側方向

矢印 Y 外側方向

矢印 Z 上下方向

発明を実施するための最良の形態

[0015] 以下、本発明の実施の形態に係る容器の開封構造及び容器、その開封構造の製造方法にっレ、て、図面に基づレ、て詳細に説明する。

[0016] (実施の形態 1)

図 1は、本発明の実施の形態 1の容器の開封構造の要部断面図である。図 2は、容器の開封構造のキャップ部分を取り外した状態を示す説明図である。図 1、図 2に示すように、本発明の実施の形態 1の容器の開封構造 10は、キャップ部分 Aと注ぎ部分 Bとが連続して一体的に形成されてなる容器の開封構造において、キャップ部分 A と注ぎ部分 Bとの境界に存在する易破断部 11の径方向変形により易破断部 11が破断して前記キャップ部分 Aと前記注ぎ部分 Bとが分離して、容器が開封されることを特徴とする。

本発明の実施の形態 1の容器の開封構造 10においては、キャップ部分 A及び注ぎ部分 Bが、内壁 12と中間壁 13と外壁 14とから連続して一体的に形成されてなる。即ち、中間壁 13は内壁 12の上端部 12aから下方に折り返して形成されており、外壁 14 は中間壁 13の下端部 13aから上方に折り返して形成されており、キャップ部分 A及び注ぎ部分 Bはこれらの三重壁から一体的に形成されてなる三重筒状の構造を有する。

そして、本発明の実施の形態 1の容器の開封構造においては、外壁 14と中間壁 1 3との下端密着部 14aに設けられてなる易破断部 11を介して、外壁 14が中間壁 13 力分離可能に配置され、外壁 14と中間壁 13との間に橈み変形部 15が設けられた構造となっている。このような構造により、注ぎ部分 Bの外側は開封以前は容器の内側に位置するため汚染される心配がなぐ注ぎ部分 Bに直接口をつけて飲む（いわゆるラッパ飲み)場合にも不潔感が無い。

[0017] ここで、易破断部 11は、容器開封時に破断され、キャップ部分 Aと注ぎ部分 Bとに分離される部分である。本実施の形態 1においては、易破断部 11は外壁 14と中間壁 13との下端密着部 14aに設けられてなる。易破断部 11が破断しキャップ部分 Aが分離することで容器力内容物を注ぎ出すことが可能になると共に、分離したキヤップ部分 Aは、再封鎖する目的で再び利用可能になる。

そして、易破断部 11が下端密着部 14aに設けられているので、キャップ部分 Aと注ぎ部分 Bとに分離した際に現れる破断端 11aは中間壁 13に密着した状態であり、指、唇、舌等が触れても切創を受けることがなく安全性を有する。

[0018] 易破断部 11は、開封時に容易に破断するのであれば、その形式は特に問わず、薄肉溝状 (スコア）でも良いし、孔状、切り込み状の部分的貫通孔 (スリット）のいずれでも良い。易破断部 11をスコアによって形成すると、確実かつ容易に易破断部を形成することが可能になる。また、易破断部 11をスリットによって形成すると、開封性を向上させる作用効果を有する。

[0019] このような易破断部 11は、スコアの場合、刃状ロールなどを用いて肉厚の一部を環状的或いはミシン目状に部分的に薄肉に塑性変形させる力、、または切削加工によつて薄肉状にして設けることができる。また、スリットの場合も同様にして、刃状ロールなどを用いてミシン目状に部分的に切断して貫通部として設けることができる。 [0020] ここで、易破断部 11の径方向変形により開封可能とは、図 3に示すように、キャップ側面を指で内側に押圧することにより、易破断部 11を破断し容易に開封が可能であることをいう。すなわち、キャップ部分 Aの側面（外壁 14)の押圧部 15aを内側方向（矢印 X)に押圧することにより外壁 14を楕円状に橈ませ、易破断部 11を径方向（指で押圧した部分では矢印 Xの方向へ変形させ、それと直角方向では矢印 Yの方向へ）に変形させることにより、押圧部 15a近傍の易破断部 11に亀裂を生じ、または外側方向（矢印 Y)へ変形した易破断部 11が、上下方向（矢印 Z)に亀裂を生じ、キャップ部分 Aと注ぎ部分 Bとの分離を容易にできる。

[0021] 上記のような、易破断部 11への亀裂の発生は、実施の形態 1の容器の開封構造においては、下記のような橈み変形部 15の存在により、さらに確実に行うことができる。キャップ部分 Aにおいて易破断部 11の近傍、即ち、外壁 14と中間壁 13との境界に隙間（空間）である橈み変形部 15を設けることにより、前記キャップ部分 Aの側面 (外壁 14)の橈み変形部 15aを外側より矢印 X方向に押圧すると、橈み変形部 15が橈み、その近傍に設けられている易破断部 11の変形を助長させ、さらに容易に破断する

[0022] このように、キャップ部分 A及び注ぎ部分 Bが連続して一体的に形成されてなることにより、内容物充填後のキャップ部分における密封性の保証が完全になされ、さらに、容器製造の際の生産性や、輸送中等における耐久性に優れた容器の開封構造とすること力 Sできる。更にまた、容器本体とキャップ部分を単一の素材で構成することができるので、廃棄する際にも容器本体とキャップ部分を分別する必要がなぐリサイクル性、廃棄利便性にも優れている。

また、開封することによって露出する注ぎ部分 Bの上端部 12aは、内壁と中間壁との折り返しの曲率をもっため、注ぎ口力の内容品の注出がスムースであるだけでなく、直接注ぎ部分に口をつけて飲む（レ、わゆるラッパのみ）場合にも口を怪我するなどの不安が全くなく安全性にも優れている。

そして、易破断部 11が外壁 14に設けられており、開封前にも容器の外側から目視で確認できるので、幼児や高齢者等でも破断状態を観察しながら確実に開封できると共にタンパーェビデント性を有し、さらにまた再封鎖時にはキャップ部分を注ぎ部分に容易に装着して開口部を衛生的に維持できる。

[0023] 更に、本発明の実施の形態 1の容器の開封構造 10において、キャップ部分 Aは、易破断部 11に連接して一体に延設された円筒状のカバー部 16aと注ぎ部分 Bの開口部 19を覆う円盤状の天板部 16bとを備えている力円筒状のカバー部 16a及び該カバー部 16aに連接する注ぎ部分 Bにネジ係合部 17が設けられてなる。具体的には、外壁 14、内壁 12及び中間壁 13のそれぞれに嵌合可能なネジ状の溝が設けられている。ネジ係合部 17において、ネジの形態は特に限定されず、ネジ山の向きは外方に凸、及び内方に凸のいずれであってもよレ、。また、ネジの条数も 1条、多条のいずれでも良い。

ネジ係合部 17が設けられてなることにより、内壁 12、中間壁 13及び外壁 14が互いにネジ係合され、開封後も着脱可能に装着されることにより、容器開封後における飲み残しなどを衛生的に保持させることができ、再封機能が確実になる。また、再封時に単にキャップ部分 Aを注ぎ部分 Bにねじ込むだけでよいので、特別の道具を必要とせず取り扱いに優れている。

[0024] 更に、本発明の実施の形態 1の容器の開封構造 10において、キャップ部分 Aの内面上部 16bと注ぎ部の間に密封材 18が配置されていることが好ましい。この密封材 1 8は、注ぎ部分 Bの再封鎖時におけるキャップ部分 Aのシール性を向上させ、容器本体が傾レ、たり逆さまになつたりした場合や移動中の場合でも、容器中の飲み残しなどが漏れだすようなことがなく衛生的に保持できるなど、再封鎖時における密封性を向上させることができる点で好ましレ、。

[0025] 密封材 18の素材としては、天板部 16bに接着又は嵌着されて配置されたゴムや合成樹脂等の弾性体や可塑体力もなる薄肉ドーナツ円盤状のものを用レ、ることが、密封性を確実にするために好ましい。このような密封材 18は、キャップ部分 A内側の天板部 16bを覆うように嵌着又は接着して配置されてもよいし、後述する成形工程において、円筒状カップ Qの薄肉の中央部 C3下端部内周面に密封材 18を予め塗布又は接着しておいてもよレ、。このようにすることで、後の工程で、この密封材 18は天板部 16bの下面に位置して注ぎ部分の開口部 19との間に介在してシールの役割をするようになる。 [0026] あるいは、予め内面側に有機被覆を施した塗装アルミ板またはラミネートアルミ板等の樹脂被覆金属素材を用いることも可能である。これによつて、易破断部 11を破断して分離されたキャップ部分 Aを注ぎ部分 Bに被せる際に、注ぎ部分 Bの開口部 19と天板部 16bの上記有機被覆が密着して容器内の液が漏れ出すことを有効に防止すること力 Sできる。

[0027] 本発明の実施の形態 1の開封構造 10のサイズについては、特に限定はないが、一般に、連続して一体的に形成される注ぎ部分 B、中間壁 13、キャップ部分 Aの高さが 5— 50mm程度、キャップ部分 Aの径が 10 100mm程度とする。

また、開封構造の素材は、アルミ合金やスチール等の金属素材、または金属板の少なくとも片面に有機被膜を設けた被覆金属板、ポリオレフインやポリエステル等のプラスチック素材のいずれでも良レ、。金属素材、好ましくは加工性に優れた金属素材であれば、内壁、中間壁、外壁からなる三重壁を形成させる際の折り返し加工を容易にして、耐用性ゃ耐漏洩性に優れた容器の開封構造を得ることができる。また、ブラスチック素材であれば、射出成形や押し出し成形等の成形法が適用でき、大量に製造する際の製造コストを引き下げることができる。

[0028] (実施の形態 2)

図 4は、本発明の実施の形態 2の容器の開封構造の要部断面図である。実施の形態 2の容器の開封構造 20においては、易破断部 21が、外壁 24の下部 24bに設けられており、前述した実施の形態 1のような外壁 14と中間壁 13との下端密着部 14aは設けられていなレ、。そのほかの点については、橈み変形部 25が外壁 24と中間壁 23 との隙間に設けられている点を含めて、本発明の実施の形態 1と同様である。

[0029] (実施の形態 3)

図 5は、本発明の実施の形態 3の容器の開封構造を備えた容器の要部断面図である。本実施の形態 3の容器の開封構造 30においては、外壁 34と中間壁 33とが上端力、ら下端の全部分に亘つて連接しており、易破断部 31が、外壁 34の下部 34bに設けられている。また、橈み変形部 35が内壁 32と中間壁 33との隙間に設けられている。そのほかの点については、本発明の実施の形態 1と同様である。

[0030] (実施の形態 4) 更に、図 6は、本発明の実施の形態 4の容器の開封構造を備えた容器の要部断面図である。実施の形態 4の容器の開封構造 40においては、上述の実施の形態 3と同様に外壁 44と中間壁 43とが上端から下端の全部分に亘つて連接している。また、易破断部 41が、キャップ部分 Aに設けられたネジ部係合 47の下部に設けられている。そのほかの点については、本発明の実施の形態 1と同様である。

[0031] 前述したように、図 1一 6に示す本発明の実施の形態 1一 4の場合は、開封構造の外壁（キャップ部分 A)の側面を掴んで、内側に押圧をカ卩える。これによりキャップ部分 Aが楕円状に橈み、易破断部の径方向変形が生じ破断する。そして、キャップ部分 Aが中間壁に対して独立に回転させて分離して開封でき、注ぎ部分 Bから中の飲料をコップに注いだり、直接飲んだりすることができるようになる。容器に飲み残しが生じた場合には、キャップ部分 Aを注ぎ部分 Bに被せて回転させネジ係合させることにより、両者を確実に固定して封止することができる。

[0032] 図 7—図 12は、前述した実施の形態 1一 4において、キャップ部分 Aを、その閉栓状態から開栓方向に回転させるに従い、キャップ部分のねじ溝と、注ぎ部分のねじ山との間に生ずる空隙を徐々に拡大して、ビール、炭酸飲料等の飲料を充填密封した容器の開封時に、内容物の吹きこぼれ、キャップの飛散の原因となる容器内のガスを、外部に排出するガス抜き用空隙を形成する開封構造の部分断面図である。

[0033] (開封構造の態様 1)

図 7及び図 8は、ガス抜き用通路を形成する開封構造の態様 1の部分断面図を示し、図 7は開封前の密封状態を示し、図 8は開封後の開栓された状態を示す。態様 1においては、容器の開封構造 60は、注ぎ部分 61のねじ溝の幅及びキャップ部分 62におけるねじ山の幅を、下方に向かって漸減させており（W1 >W2 >W3)、開封時、キヤップ部分 62の下端にある易破断部 63を切断した後、キャップ部分 62を開栓方向に回転させることにより、前記ねじ溝とねじ山との間に、ガス抜き用空隙 Sが形成される。

[0034] (開封構造の態様 2)

図 9及び図 10は、ガス抜き用通路を形成する開封構造の態様 2の部分断面図を示し、図 9は開封前の密封状態を示し、図 10は開封後の開栓された状態を示す。この態様 2の容器の開封構造 70は、前述した態様 1と次の点で異なっている。

すなわち、注ぎ部分 71におけるねじ溝の深さ及びキャップ部分 72におけるねじ山の高さを、下方に向かって漸減させており（HI >H2 >H3)、キャップ部分 72を開栓方向に回転させることにより、前記ねじ溝とねじ山との間に容器本体内ガス抜き用空隙 Sを形成し、キャップ開封時にガス抜きを容易に行うことができる。

[0035] (開封構造の態様 3)

図 11及び図 12は、ガス抜き用通路を形成する開封構造の態様 3の部分断面図を示し、図 11は開封前の密封状態を示し、図 12は開封後の開栓された状態を示す。この態様 3の容器の開封構造 80は、前述した態様 1、 2と次の点で異なっている。すなわち、注ぎ部分 81におけるねじ溝の幅、及びキャップ部分 82におけるねじ山の幅及び、注ぎ部分 81におけるねじ溝の深さ、及びキャップ部分 82におけるねじ山の高さの、両者を下方に向かって漸減させており（W1 >W2 >W3、及び H1 >H2 >H3)、キャップ部分 82を開栓方向に回転させることにより、前記ねじ溝とねじ山との間に容器本体内ガス抜き用空隙 Sが形成され、キャップ開封時にガス抜きを容易に行うことができる。

この態様 3の容器の開封構造においては、ねじ溝、ねじ山の幅、及びねじ溝の深さ、ねじ山の高さの両者を組み合わせた構造とすることによって、さらに有効にガス抜き用空隙 Sを確保することができる。

尚、図 7—図 12に示す開封構造においては、部分的に図示される缶胴 170と 2重卷締め部 171を介して接合されている。

[0036] (実施の形態 5)

図 13及び図 14は本発明の実施の形態 5の容器の開封構造の要部断面図である。実施の形態 5の容器の開封構造 50は、基本的には前述の実施の形態 1と同様であるが、キャップ部分 A及び該キャップ部分 Aに連接する注ぎ部分 Bに、ネジ係合部 17 の代わりにアンダーカット部 51aが設けられている点で、実施の形態 1のものと異なつている。

[0037] アンダーカット部 51aは、容器開封後のキャップ部分 Aが注ぎ部分 Bの中間壁 53に嵌着自在に係合するための凹凸状部分であり、実施の形態 5においては、外壁 54、内壁 52及び中間壁 53のそれぞれに嵌合可能な凹状のくぼみ又は凸状の突起が設けられている。

アンダーカット部 51aを備えたキャップ部分 Aを中間壁 52に押し込むだけのワンタツチ操作で、キャップの着脱が簡易にでき、幼児や高齢者でも容易に取り扱うことができるので、好ましい。

なお、易破断部 51を破断した後には、中間壁 53が弾性的に拡径して、中間壁 53 に形成した凹部 56と、キャップ部分 Aのアンダーカット部 51aとが弾性的に係合する実施の形態 5の開封構造によれば、易破断部 51を破断させた後、キャップ部分 A を、上方へ垂直に引き抜くことにより、図 14のようにキャップ部分 Aと注ぎ部分 Bとを分離し開封することができる。

[0038] 尚、本発明の開封構造においては、図 15に示すように易破断部 11をスコアとした際は、前記易破断部 11に隣接して、前記スコアよりも溝の浅いサブスコア l ibを設けても良い。本発明では、サブスコアを設ける場合、易破断部をサブスコアに対してメインスコアという。サブスコア l ibを設けることにより，容器を不用意に床に落下などした場合の衝撃をこのサブスコア 1 lbの部分が吸収するので，隣接してレ、るスコア 11に力かる衝撃が緩和され，落下等によるスコア割れを防止する効果がある。尚、サブスコア l ibは、メインスコア 11を挟むように両側（上下）に設けられていてもよいし、どちらか片側だけに設けられてレ、てもよレ、。

[0039] 更に本発明の開封構造においては、図 16に示すように、外壁の橈み剛性が周方向で不均一となるようにエンボス状凸部 14b等を設けても良ぐこのエンボス状凸部 1 4bを設けることにより、橈み変形部の外側から内側方向への押圧変形において、橈み剛性が円周上の比較的弱い部分に集中してその部分或いはその近傍力^インスコアの亀裂の起点となり、より一層開封が容易となる。

このエンボス状凸部 14bの形状は図 16に示す形状に限定されず、例えば図 17 (a) 一 (f)に例示する様々な形状が適用でき、このエンボス状凸部 14bを設けることにより、メインスコアの押圧による破断時の押圧部分の最適箇所を示す目印にもなる。また、前記メインスコアの破断後のキャップ部分 Aと注ぎ部分 Bの開封、容器開封後の再封を行う際の滑りを防止して指掛かりを向上させることもできる。

[0040] また、本発明の開封構造においては図示しないが、橈み変形部またはその近傍、或いはメインスコアまたはその近傍に未開封保証材を用いても良ぐこの未開封保証材は一定以上の応力（圧力）、或いは歪みが生じると未開封保証材に視覚的な変化が不可逆的に生じるもので、一般的に感圧材、応力塗料 (歪み塗料)等と呼ばれるものが例示される。

感圧材としては、例えば従来からノーカーボン式複写紙に多用されており、発色剤が封入されてレ、るマイクロカプセルを圧力によって破壊し、その中の発色剤を顕色剤に吸着させて化学反応で変色させるものがあり、これを開封可能な押圧力で変色するように調整して用いれば、開封の有無（タンパーェビデント性）を視覚的に確認することが可能となる。

一方、応力塗料を用いた場合は、一定以上の応力で塗膜にひび割れが生じ、これを開封可能な押圧力でひび割れを生じるように調整して用いれば、同様に開封の有無 (タンパーェビデント性)を視覚的に確認することが可能となる。

[0041] (容器）

図 18は、本発明の容器の開封構造を備えた容器の要部断面図である。本発明の容器 100は、前述した容器の開封構造のいずれかを備えている。容器 100において、容器の開封構造は、下縁部に形成されたカール部 101によって容器月同部 102の上端部に卷き締められて固定されている。尚、固定手段しては、上記卷き締めに限定されず、接着、溶着、溶接等の接合方法が可能である。

[0042] 容器胴部 102はアルミ合金、スチール等の金属素材を主素材として形成されるが、ポリエチレンやポリエチレンテレフタレート等のプラスチック素材を用いることもできる

また、その用途や製造コスト等に応じて、深絞り成形、しごき加工、押し出し成形、射出成形等の種々の成形方法や材料のものを選択して用いることができる。例えば、金属素材で形成する場合は、加工性に優れた金属材を選択して、深絞り加工、しごき加工等を適用して成形でき、衝撃に対する耐用性ゃ耐液漏れ性に優れた容器胴部 102を形成できる。一方、全体をプラスチック素材で成形する場合は、射出成形、押し出し成形、シート成形、ブロー成形等の公知の技術が適用でき、容器の開封構造を大量に製造する際の製造コストを引き下げることができる。

[0043] 図 19に示す容器 110は、本発明の容器の開封構造を備えた容器の他の例で、開封構造と容器胴部 112を一体的に設けたもので、前記容器胴部 112の下端部に底蓋 113が卷き締めて固定されている。

[0044] (製造方法）

本発明の容器の開封構造についての製造方法の一実施形態を以下に示す。前述した図 18に示す容器 100における容器胴部 102の上端部に固定される容器の開封構造の製造方法を、図 20 図 23を用いて説明する。

(第 1工程）

まず、アルミ合金板等の金属板 Pを絞り加工して円筒状カップ Qに成形する。

(第 2工程）

次いで、円筒状カップ Qを、再絞り成形により円筒状部分の直径が注ぎ部分の直径になるまで必要により複数回にわたって縮小を行い筒状部 Cとする。この時、容器の容器胴部の上端部に卷き締めて固定するためのカール部 101を円筒状カップ Q、或いは筒状部 Cの外周部に設けると共に、図示はしないが本工程後の適宜工程において、卷き締めによる密封性を確実にするために密封剤 103がカール部 101の内側に塗布される。

また、円筒状カップ Qを筒状部 Cとする再絞り成形の最終段階において、しごき成形を組み合わせて筒状部 Cの長手（高さ）方向に肉厚分布を相違させて、筒状部 Cを、外壁予定部 Cl、中間壁予定部 C2、及び内壁予定部 C3と区分した場合に、中間壁予定部 C2の肉厚を他の部分よりも薄く成形する。中間壁予定部 C2の肉厚を薄くすることにより、後に行う折り重ね工程を良好に行うようことができる。

[0045] (第 3工程）

次に、バルジ成形カ卩ェ等の内圧を用いた手段で筒状部 Cの内部から外側に拡径して拡径部分 Fを形成する。例えば、筒状部 Cの外部に割型 V (外型）を設置し、ウレタン等の弾性体 U (図 23参照）を筒状部 Cの内部に揷入し、弾性体 Uを加圧工具で加圧し変形させる。形成された拡径部分 Fは、開封構造として成形された後には外壁 14となる。尚、割型 Vの内面形状をエンボス状凸部 14bの形状に対応する形状とすることにより、この成形工程において外壁にエンボス状凸部 14bを形成することができる（図 17参照）。

(第 4工程）

筒状部 Cの拡径部分 Fに、刃状ロール E1と回転マンドレル E2を用いて易破断部 1 1を形成する。

(第 5工程）

次に、筒状部 Cを高さ方向に加圧して、筒状部 Cの高さ方向中央部に形成された中間壁予定部 C2を中間壁 13とし、外壁予定部 C1を最も外側に配置して外壁 14となるように上から折り重ね、内壁 12、中間壁 13、外壁 14の円筒状の三重壁からなる突出部を形成する。

(第 6工程）

次に、突出部の外側と内側に、外側ネジ加工用ロール D1 ,内側ネジ加工用ロール D2を押し当てて突出部を回転させてネジ係合部 17を形成し、図 1に示すような実施の形態 1の開封構造を完成する。尚、上記第 3工程において、筒状部 Cの内部から外側に拡径して拡径部分 Fを形成する際に、外壁予定部 C1と中間壁予定部 C2との境界付近に張出環状部 F1を形成し、張出環状部 F1から下方に中間壁予定部 C2より直径が大きい接続部 F2を設けると、第 5工程の折り重ね加工において、三重壁が容易に形成できる。

上記接続部 F2の形状は、図 24に示すように、前記接続部 F2を、張出環状部 F1から筒状部 Cの中間壁予定部 C2に直接接続するように角度変化を持たせた形状とすることや、図 25に示すように、中間壁予定部 C2より直径が大きい円筒壁部 F3及び段部 F4を設けて接続部 F2とし、筒状部 Cの中間壁予定部 C2に接続することもできる。図 24及び図 25に示すような接続部 F2、或いは円筒壁部 F3、段部 F4を形成することにより、折り重ね後の外壁 14に形成された易破断部 11が中間壁 13に密着した開封構造となり、開栓後において、易破断部 11のエッジと中間壁 13との隙間がなくなり、エッジでのけがなどが発生しにくくなり安全性が向上する。

さらに、プラスチック材等を素材とした場合は、射出成形法等により前述した第 3ェ程における拡径部分 Fを形成した筒状部 Cを形成し、第 4工程の易破断部の形成後、成形可能な軟化温度で、第 5工程の折り重ね、第 6工程のネジ係合部の形成をすることにより容器の開封構造とすることが可能である。

[0047] (製造装置）

図 26は、本発明の容器の開封構造の製造装置の概略側面図であって、図 27は、上記製造装置にけるスコア形成手段の断面図である。図 26に示すように、製造装置は、メインスコア形成刃 91とサブスコア形成刃 92を有する回転ロール状のスコア形成手段 90、スコア形成手段 90を保持し且つ移動するスライドプレート状の保持移動手段 93、保持移動手段 93の移動を規制するブロック状の規制手段 94及びキャップ部分 C内に挿入されるマンドレル E力成り、保持移動手段 93は簡略化して示した駆動手段 95によって移動する。

尚、図示しないが、キャップ部分 Cとマンドレル Eの位置関係を安定的に保持する保持手段を設けることもできる。

回転ロール状のスコア形成手段 90は、保持移動手段 93に回転可能に取り付けられ、保持移動手段 93は規制手段 94の方向に移動可能となっている。

開封部材 Cへのメインスコア及びサブスコアの形成は、先ず、筒状のキャップ部分 C 内に回転マンドレル Eを挿入すると共に内方から押し当てた後、図 26 (a)の状態から (b)の状態に保持移動手段 93を規制手段 94に向けて移動させ、スコア形成具手段 90を開封部材 Cに押し付けると共に相対的に回転させる。次いで、スコア形成手段 9 0のメインスコア形成刃 91で周状のメインスコア 11の形成を開始し、最後に、メインスコア 11の形成が終了する前に上記スコア形成手段 90のサブスコア形成刃 92によつて周状のサブスコア 1 lbの形成を開始する。

[0048] そして、図 26 (b)に示すように、保持移動手段 93が規制手段 94に当接することにより、上記保持移動手段 93に取り付けられたスコア形成手段 90の開封部材 Cへの押し付けが阻止され、図 27に示すようにスコア形成手段 90のメインスコア形成刃 91、サブスコア形成刃 92によるメインスコア 11、サブスコア l ibの形成が終了する。

尚、スコア形成手段 90におけるサブスコア形成刃 92の数は、少なくともメインスコア形成刃 91の上方、或いは下方の何れか一方、上下に 1つ、或いは 2つ以上備えていても良く、さらに、上下の個数を相違させても良い。

[0049] また、スコア形成手段 90のメインスコア形成刃 91及びサブスコア形成刃 92は直線刃状とすることができる力 1つのロールに径の大きなメインスコア形成刃 91と径の小さなサブスコア形成刃 92を設けた刃状ロール、または径の大きなメインスコア形成刃 91に、径の小さなサブスコア形成刃 92を同軸状に重ねて組み立てた刃状ロールが、スコアの加工性、生産性、メンテナンス等の点で好ましい。

[0050] また、スコア形成手段 90を保持し、且つ移動する保持移動手段としてスライドプレート状の保持移動手段 93を例示しているが、他の例として揺動可能なアームが適用でき、さらに、規制手段としてブロック状の規制手段 94を例示しているが、他の例としてリンク機構、カム機構、電磁ブレーキ、またはこれらの複合機構等が適用できる。

[0051] 図 28は、他の実施の形態を示す製造装置の概略側面図である。図 28に示すように、本実施の形態の製造装置として、メインスコア形成刃 91とサブスコア形成刃 92を有する回転ロール状のスコア形成手段 90、スコア形成手段 90を保持するアーム状の保持移動手段 96、保持移動手段 96の移動 (揺動）の規制手段であるリンク状の規制手段 97及びキャップ部分 C内に挿入されるマンドレル Eから成り、保持移動手段 9 6は簡略化して示した力その中央部に連接したアーム状の駆動手段 98によって移動 (揺動)する。

また、保持移動手段 96の基端部が保持部材 99aに、規制手段 97の基端部が保持部材 99bに、先端部がアーム状保持具 96にそれぞれ固定さている。

キャップ部分 Cへのメインスコア及びサブスコアの形成は、先ず、筒状のキャップ部分 C内に回転マンドレル Eを挿入すると共に内方から押し当てた後、図 28の（a)の状態から (b)の状態に駆動手段 98によって保持移動手段 96、スコア形成手段 90を図の右方向に移動（揺動）させ、スコア形成手段 90をキャップ部分 Cの側壁に押し付けると共に相対的に回転させる。

そして、図 28 (b)に示すように、規制手段 97が直線状となった時点で、保持移動手段 96に取り付けられたスコア形成手段 90のキャップ部分 Cへの押し付けが阻止され、図 27に示すように、スコア形成手段 90のメインスコア形成刃 91、サブスコア形成刃 92によるメインスコア 11、サブスコア 1 lbの形成が終了する。産業上の利用可能性

本発明の開封構造は、ジュース缶、ビール缶、炭酸飲料缶、コーヒー飲料缶、紅茶飲料缶、食油缶、調味料缶等の密封容器に用いられるキャップ構造であり、金属素材、内面または外面に樹脂層等が被覆されたアルミ合金やスチール等の金属素材、プラスチック素材が好ましく適用され、容器本体の形状としては、その外形が円柱状や角柱状などのものが好ましく適用できる。

Claims

請求の範囲

[1] キャップ部分と注ぎ部分を連続して一体的に形成した容器の開封構造において、キャップ部分と注ぎ部分との境界に存在する易破断部の径方向変形により、前記易破断部が破断して前記キャップ部分と前記注ぎ部分とが分離し、容器が開封されることを特徴とする容器の開封構造。

[2] 易破断部の近傍に橈み変形部を設け、前記橈み変形部を外側より内側方向に押圧して変形させ、前記易破断部の径方向変形を生じさせることを特徴とする請求項 1 記載の容器の開封構造。

[3] キャップ部分及び注ぎ部分が、内壁と、内壁の上端部から下方に折り返した中間壁と、前記中間壁の下端部から上方に折り返した外壁とから連続して一体的に形成され、易破断部が外壁に設けられていることを特徴とする請求項 1又は 2に記載の容器の開封構造。

[4] 橈み変形部が、外壁と中間壁及び/又は中間壁と内壁との隙間に設けられていることを特徴とする請求項 3記載の容器の開封構造。

[5] 前記キャップ部分は、易破断部に連接して一体に延設された円筒状のカバー部と注ぎ部の開口部を覆う円盤状の天板部とを備えており、前記円筒状のカバー部及びカバー部に連接する注ぎ部分にネジ部を有することを特徴とする請求項 1一 4のいずれかに記載の容器の開封構造。

[6] 前記キャップ部分をその閉栓状態から開栓方向に回転させるに従い、前記注ぎ部分のねじ溝と前記キャップ部分のねじ山との間に生ずる空隙が徐々に拡大形成されるようにしたことを特徴とする請求項 5に記載の容器の開封構造。

[7] 前記注ぎ部分のねじ溝、及び前記キャップ部分のねじ山の幅を下方に向かって漸減させたことを特徴とする請求項 6記載の容器の開封構造。

[8] 前記注ぎ部分のねじ溝の深さ、及び前記キャップ部分のねじ山の高さを下方に向かって漸減させたことを特徴とする請求項 6記載の容器の開封構造。

[9] 前記注ぎ部分のねじ溝の幅、及び前記キャップ部分のねじ山の幅を下方に向かつて漸減させ、且つ前記ねじ溝の深さ、及び前記ねじ山の高さを下方に向かって漸減させたことを特徴とする請求項 6記載の容器の開封構造。

[10] 前記キャップ部分は、易破断部に連接して一体に延設された円筒状のカバー部と注ぎ部の開口部を覆う円盤状の天板部とを備えており、該円筒状のカバー部にアンダーカット部を有することを特徴とする請求項 1一 4のいずれかに記載の容器の開封構造。

[11] 前記キャップ部分の内面上部と注ぎ部の間に、密封材が配置されていることを特徴とする請求項 1一 10のいずれかに記載の容器の開封構造。

[12] 前記易破断部に隣接してサブスコアが設けられていることを特徴とする請求項 1一

11のいずれかに記載の容器の開封構造。

[13] 前記橈み変形部の橈み剛性が周方向に不均一であることを特徴とする請求項 1一

12のいずれかに記載の容器の開封構造。

[14] 前記橈み変形部にエンボスを設けたことを特徴とする請求項 13に記載の容器の開封構造。

[15] 前記橈み変形部、又はその近傍、或いは易破断部、又はその近傍に未開封保証材を設けたことを特徴とする請求項 1一 14のいずれかに記載の容器の開封構造。

[16] 前記請求項 1一 15のいずれかに記載の容器の開封構造を備えることを特徴とする谷器。

[17] 容器の開封構造の製造方法であって、筒状部の内部から外側に拡径して拡径部分を形成すると共に、

前記拡径部分に易破断部を形成し、筒状部を高さ方向に加圧して、前記筒状部の高さ方向中央部に形成された中間壁予定部を中間壁とし、外壁予定部を最も外側に配置して外壁となるように上から折り重ね、内壁、中間壁、外壁の円筒状の三重壁からなる突出部と、外壁と中間壁及び Z又は中間壁と内壁との隙間に橈み変形部を形成し、前記突出部に係合部を形成することを特徴とする容器の開封構造の製造方法

[18] 前記筒状部の内部から外側に拡径して拡径部分を形成する際に、外壁予定部と中間壁予定部との境界付近に張出環状部を形成し、前記張出環状部から下方に、中間壁予定部より直径が大きい接続部を設けるようにしたことを特徴とする請求項 17に記載の容器の開封構造の製造方法。 [19] 前記易破断部に隣接してサブスコアを設けることを特徴とする請求項 17又は 18に記載の容器の開封構造の製造方法。