. 明細書 光老化防御剤、 光老化改善剤、 コラゲナ一ゼ阻害剤及びチロシナ一ゼ阻害剤 技術分野
本発明は、 日光の慢性暴露に起因する皮膚の光老ィ匕を防御するための光老化防 御剤に関する。 本発明はまた、 日光の慢性暴露に起因する皮膚の光老化を改善す るための光老化改善剤に関する。 本発明はさらに、 コラゲナ一ゼ阻害剤及びチロ シナーゼ阻害剤に関する。 さらに本発明は、 そのような光老化防徒 P剤、 光老化改 善剤、 コラゲナ一ゼ阻害剤又はチロシナ一ゼ阻害剤を配合した皮膚外用剤、 ィ匕粧 料及び食品に関する。 背景技術
我々人間にとって「老化」は絶対に避けられない現象である。 「老化」は大きく 分けて生理的老化と光老化に分類される。 生理的老化とは加齢による生体的な衰 えであり、 誰もが避けることができない老ィ匕である。
先に本発明者等はマイタケの乾燥粉末又はマイタケの抽出物に、 細胞賦活 ·抗 酸化作用があることを見出し、 老ィ匕防止剤、 及びこれを配合した化粧料を提案し た (特開 2 0 0 1 - 1 6 3 7 5 4号公報)。
—方、 光老ィ匕とは日光暴露などの紫外線の影響による老ィ匕であり、 紫外線照射 量を左右する生活環境、 習慣によって差が出るものである。 身体の中で一番光老 化が進むのは紫外線が絶えず暴露される露出された皮膚である。若い頃むやみに 浴びた紫外線は確実に悪影響を及ぼす。現在、 加齢による生理的老化と光、 特に 日光の慢性的暴露による光老ィ匕を区別して考えることが主流であり、 科学的な見 地から光老化を抑える技術の開発が盛んに行われている。 の技術として、 例
えば特開 2002- 104924号公報には特定の植物の抽出物が光老化防御作 用を有することが示され、 また特開 2002- 128651号公報に特定の化合 物あるいは特定の植物の抽出物に光老化抑制作用があることが示されている。 光老化の^^過程の一例として、 皮膚が紫外線を浴びるとコラゲナーゼなどの マトリックスメ夕ロプロテァ一ゼが活 f生化することが知られている。 これらの酵 素は、 真皮の主要成分であるコラーゲンを減少させることにより皮膚のしわ、 た るみ、 及びあれなどを促進すると言われている。従って、 コラゲナ一ゼの作用を 抑制することが、 皮膚のしわ、 たるみ及びあれなどの発生を抑制するのに重要と 考えられる。例えば特開 2002-370962号公報、 特開 2001- 181 129号公報、及び特開 2001-316275号公報に開示されているように、 種々の植物抽出物がコラゲナ一ゼ活性を抑制することが報告されている。
光老化の機亨の別の例として、 紫外線の刺激が原因となってメラ二ン色素が形 成さ これがしみ、 そばかすなどに見られる皮膚の色素沈着となることが知ら れている。 この »はより具体的には、 紫外線の刺激により、 皮膚内に存在する メラニン細胞 (メラノサイト) がメラ二ン色素を過 に生成することによるもの であって、 このメラ二ン色素の生成過程に酵素チ口シナ一ゼが関与していること が知られている。従ってチロシナーゼの作用を抑制することがメラニン色素生成 の抑制に重要である。今まで、 チロシナ一ゼを阻害する物質として種々の植物の 抽出物が報告され、 例えば特開平 1-92354号公報、 特開 2002— 370 962号公報、 特開 2000-319159号公報、 特開平 9一 241149号 公報、 特開平 9— 95420号公報及び特開平 9— 87164号公報などに開示 されている。
また、 紫外線対策として、 サンスクリーン作用のある皮膚外用剤の使用などが 挙げられる。 しかしこの紫外線対策の目的は、 主に紫外線による直接的な刺激作 用である日焼けなどに対しての効果であり、 光老ィ匕防御効果について必ずしも定
かでない。 長期間の使用により間接的結果として光老化防御、 例えば紫外線によ る皮膚のしわ、たるみ、しみの発生を防止する効果が期待できるかもしれないが、 少なくとも光老化改善、 例えば紫外線により発生したしわ、 たるみ、 肌あれ、 し みなどを改善する効果は期待できない。
のサンスクリーン作用のある皮膚外用剤とは異なり、 安全で、 皮膚外用剤 や化粧料に配合して常時使用でき、 紫外線による皮膚のしわ、 たるみ、 あれ、 し みなどの発生を防止するとともに、 紫外線によって発生した皮膚のそのような状 態を改善することができる、 光老化防御作用及び/又は光老化改善作用を有する 物質の開発が望まれている。 発明の開示
本発明の目的は、 安全で、 常時、 内用剤又は外用剤として使用でき、 さらには 化粧料や食品の成分として使用できる、 光老化防御剤及び光老化改善剤を提供す ることを目的とする。 本発明はさらに、 紫外線による皮膚のしわ、 たるみ、 肌あ れ、 及びしみといつた色素沈着などの発生を防御するとともに、 紫外線によって 発生した皮膚のしわ、 たるみ、 肌あれ、 しみといった色素沈着などの状態を改善 することができる、光老化防御剤及び光老化改善剤を提供することを目的とする。 本発明の目的はまた、 安全で、 常時、 内用剤又は外用剤として使用でき、 さら には化粧料や食品の成分として使用できる、 コラゲナーゼ阻害剤を提供すること を目的とする。本発明の目的はまた、 紫外線による皮膚のしわ、 たるみ及び肌あ れの発生に関与する酵素であるコラゲナーゼの作用を抑制し、 紫外線による皮膚 のしわ、たるみ、肌あれなどを防御し、又は紫外線によって発生した皮膚のしわ、 たるみ、 肌あれなどの状態を改善することができるコラゲナーゼ阻害剤を提供す ることである。
本発明の目的はまた、 安全で、 常時、 内用剤又は外用剤として使用でき、 さら
にはィ匕粧料や食品の成分として使用できる、 チロシナーゼ阻害剤を すること を目的とする。 本発明の目的はまた、 紫外線による皮膚の色素沈着に関与する酵 素であるチロシナーゼの作用を抑制し、 紫外線による皮膚の色素沈着を防御し、 又は紫外線による皮膚の色素沈着を改善することができるチロシナーゼ阻害剤を 提供することである。
本発明者らはマイ夕ケに関する研究を進めた結果、 マイ夕ケ乾燥粉末及び Z又 はマイタケ抽出物に光老化防御作用があることを見出し、 さらに、 光老化防御作 用のみならず光老ィ匕を改善する働きがあることを見出し、 本発明を完成させるに 至った。 本発明者らはさらに、 マイタケ乾燥粉末及ひゾ又はマイタケ抽出物にコ ラゲナ一ゼの作用を抑制する効果、 及びチ口シナ一ゼの作用を抑制する効果があ ることを見出し、 本発明を完成させるに至った。
従って本発明は、 マイ夕ケ乾燥粉末及び/又はマイタケ抽出物を有効成分とし て含有することを特徴とする光老化防御剤又は光老化改善剤を提供する。 本発明 の光老化防御剤及び光老化改善剤は、 紫外線による皮膚のしわ、 たるみ、 あれ又 は色素沈着を防御するのに有用であり、及び紫外線によって発生した皮膚のしわ、 たるみ、 あれ又は色素沈着を改善するのに有用である。 本発明の光老化防御剤及 ぴ光老化改善剤は外用剤の形態、 又は内用剤の形態を採ることができる。 本発明 の光老化防御剤及び光老ィ匕改善剤はさらに、 皮膚外用剤、 化被料及び食品の成分 として配合することができる。
本発明はまた、 マイタケ乾燥粉末及び/又はマイ夕ケ抽出物を有効成分として 含有することを特徴とするコラゲナ一ゼ阻害剤を提供する。 本発明のコラゲナ一 ゼ阻害剤は、 紫外線による皮膚のしわ、 たるみ、 肌あれなどを防御し、 又は紫外 線によって発生した皮膚のしわ、 たるみ、 肌あれなどの状態を改善するのに有用 である。 本発明のコラゲナ一ゼ阻害剤は外用剤の形態、 又は内用剤の形態を採る ことができる。 本発明のコラゲナ一ゼ阻害剤はさらに、 皮膚外用剤、 ィ匕粧料及び
食品の成分として配合することができる。
本発明はさらに、 マイタケ乾燥粉末及び Z又ほマイ夕ケ抽出物を有効成分とし て含有することを特徴とするチロシナ一ゼ阻害剤を する。 本発明のチロシナ —ゼ阻害剤は、 紫外線による皮膚の色素沈着を防御し、 又は紫外線による皮膚の 色素沈着を改善するのに有用である。 本発明のチ口シナ一ゼ阻害剤は外用剤の形 態、 又は内用剤の形態を採ることができる。 本発明のチロシナーゼ阻害剤はさら に、 皮膚外用剤、 ィ匕粧料及び食品の成分として配合することができる。
従って本発明はさらに、 上述の光老化防御剤、 光老化改善剤、 コラゲナ一ゼ阻 害剤又はチロシナ一ゼ阻害剤を含有する皮膚外用剤、 化粧料及び食品を提供する ものである。
本発明の実施態様において、 有効成分である該マイタケ抽出物として、 生マイ タケ、 乾燥マイ夕ケ及びマイ夕ケ乾燥粉末から選ばれる少なくとも 1種を水及び
Z又は親水性有機溶媒で抽出して得られたものが挙げられる。 本発明で使用する 該マイタケ抽出物の一実施態様として、 生マイタケ、 乾燥マイ夕ケ及びマイタケ 乾燥粉末から選ばれる少なくとも 1種を水、 τΚ又は熱水で抽出して得られた抽 出液に、 沈殿が生じない程度にアルコールを加え放置後、 液面もしくは液中に浮 遊又は § ^の壁面に付着する物質を除去した後に得られたものがある。
発明を実施するための最良の形態
本発明において使用する原料の生マイタケとしては、 マイタケ (Grifola frondosa)、 白マイ夕ケ ( Grifola albicans)、 チヨレイマイタケ ( Grifola umbel lata)、 トンピマイタケ (Grifola gigantea) などが挙げられ、 これらマイ 夕ケ類の子実体及び菌糸体も使用することができる。 乾燥マイタケとしては、上記生マイタケを天日乾燥、加温若しくは加熱室(箱) での乾燥、 熱風乾燥、 若しくは凍結乾燥したものなどのいずれも使用できる。 ま
た、これらの乾燥方法を適宜組み合わせても良い。例えば、乾燥は 5 0〜9 0°C、 特に 6 0〜8 0°Cで徐々に温度を上げて行うのが好ましい。
マイ夕ケ乾燥粉末は製粉機で上記乾燥マイ夕ケを粉末にしたものである。 マイ タケ乾燥粉末は、大体 1 0 0メッシュ以上の粒度にして使用することが好ましい。 本発明の光老化防御剤、 光老化改善剤、 コラゲナ一ゼ阻害剤、 及びチロシナ一 ゼ阻害剤の有効成分として、上記マイ夕ケ乾燥粉末をそのまま使用してもよいし、 あるいは、 マイ夕ケ抽出物を使用してもよい。
マイ夕ケ抽出物の原料としては、 上記に説明した生マイタケ、 乾燥マイタケ及 びマイタケ乾燥粉末から選ばれる少なくとも 1種を使用することができる。 生マ ィ夕ケ及び乾燥マイタケは抽出にあたって、 適宜な大きさに切断してもよい。 抽出溶媒として水及び Z又は 性 溶媒を使用することができる。水とし ては、 蒸留水、 精製水、 イオン交換水、 水 天然水のいずれも使用できる。 親水性有機溶媒としては、 メタノール、 エタノールなどのアルコール類、 グリセ リン、 1, 3 -プチレングリコール、 プロピレンク"リコールなどの多価アルコール 類が使用できる。
抽出溶媒として水と親水性有機溶媒の混液を用いる場合、 その比率は質量比で 一般に水: ¾τΚ性有機溶媒 = 1 : 9 ~ 9 : 1が適当である。
抽出方法は、 常法に準じて例えば常 ί显、 カロ熱下、 還流下で、 あるいは浸 t責で行 うことができる。
例えば水を用いる場合は、 生マイタケ、 乾燥マイタケ及び/又はマイタケ乾燥 粉末を水、 ^τΚ又は熱水で抽出する。 具体的には、 常温又は常温以上で 1 2 0°C までの加熱下、 5分間から数時間行うのが適当である。 短時間で効率良く抽出を 行うには、 加圧下 1 0 0°C以上、 例えば圧力釜を用いて加圧下、 1 2 0 °C前後で 5分間〜 1時間抽出を行うのが好ましい。
乾燥マイ夕ケ若しくはマイタケ乾燥粉末 1質量部に対して水を 4倍容量部以上
適宜量、 好ましくは 1 0〜2 0倍容量部程度、 生マイタケを使用する場合は生マ ィ夕ケ 1質量部に対して 2倍容量部以上適宜量、 好ましくは 5〜: ί 0倍容量部程 度の水を使用する。
抽出溶媒として、 性有機溶媒、 あるいは水と ¾j性有機溶媒の混液を用い るとき、 上記の水と同様の使用量でよい。
抽出溶媒による抽出終了後、 抽出液と残さを分離する操作を行う。 その分離方 法は特に限定されるものではなく、 例えば吸引濾過、 フィル夕一プレス、 シリン ダープレス、 デカンター、 遠心分離 ^ 濾過遠心器など 口の方法を用いること ができる。
上述のように常温の水、 又は熱水により抽出して得られた抽出液は、 その まま用いてもよいが、更に必要に応じて、灘が生じない程度にアルコ一ルカ口え、 放置後液中に浮遊又は容器の壁面に ί寸着する物質を除去する。 この際アルコール としてはメ夕ノ一ル、 ェ夕ノールなどが使用できる。 沈殿が生じなレ、程度のアル コ一ルの添加量は、 抽出液の濃度や温度により異なり一概には決めがたいが、 ァ ルコールの最終容量濃度が、 3 0〜6 0 %になるのを目安に添加することが薦め られる。 添加後は 1〜2 5 °Cの温度で、 1〜2 0時間放置する。液面若しくは液 中に浮遊又は^!の壁面に付着する物質が現れるので除去する。 除去は濾過、 ピ ベッティングぁるいは網状のものですくうなど適宜行レヽうる。
以上のようにして得られた抽出液はそのまま用いてもよいが、 適当な濃縮操作 により、 例えばエバポレー夕一のような減圧濃縮装置や加熱による溶媒除去など により、 濃糸宿し、 ill宿流動エキスを得ることができる。 さらに ίΐ;縮乾燥させ農縮 乾固物を得ることもできる。 また、 上記のようにして得られた抽出液或いは、濃縮 液は真空乾燥、 凍結乾燥もしくは噴霧乾燥といった常套手段により、 乾燥抽出ェ キス末とすることもできる。
従って本発明で用いるマイタケ抽出物は、 抽出液、 濃縮流動エキス、 濃縮乾固
物、 乾燥抽出エキス末などの各形態で使用することができる。
上記のマイタケ抽出物は多くの: ^は、 そのままの状態で利用できるが、 必要 ならば、 その効果に影響のない範囲で更に脱臭 ·脱色などの精製処理を加えても よく、 脱臭 ·脱色の精製処理手段としては、 例えば活性炭カラムなどを用いるこ とができ、 抽出物により一般的に適用される通常の手段を任意に選択して用いれ ばよい。
また、 抽出物中には ?一グルカン等の多糖体あるいは多糖体と夕ンパク質との 結合体が含まれており、 上記アルコールを添加した抽出液に更にアルコールを加 えて最終容量f^が少なくとも 6 0 %以上となるように加えて «物として することも可能である。
また、 更にクロマトグラフ法などその他の方法により精製した精製物を使用す ることもできる。 特に精製物を用いた場合は、 優れた効果が期待できる。
本発明の光老化防御剤及ぴ光老ィ匕改善剤は、 外用剤としても内用剤としても適 用できる。外用剤として適用するとき、 その剤形は特に限定されるものでなく、 液状、固形状、半固形状のいずれでもよく、例えば軟膏、クリーム、 ローション、 乳剤、 ジエル及びエアゾールなどが挙げられる。 内用剤として適用するとき、 そ の剤形は特に限定されるものではなく、 例えば錠剤、 丸剤、 カプセル、 散剤、 顆 粒剤及び液剤などが挙げられる。
上記外用剤あるいは内用剤とするとき、 有効成分を単独で使用してもよいし、 あるいは剤形に応じて有効成分に ^剤などの担体を加えて、 常法に従って 製剤化することができる。
本発明の光老化防御剤及び光老化改善剤は、 医薬品、 医薬部外品を問わず、 皮 膚外用剤の成分とすることができる。 該皮膚外用剤の形態として特に制限される ものではなく、 例えば軟膏、 クリーム、 ローション、 乳剤、 ジエル及びエアゾ一 ルなどが挙げられる。
また、 本発明の光老化防御剤及び光老化改善剤は、 化粧料の成分とすることが できる。 該化粧料の形態としては特に制限されるものではなく、 殆どのタイプの 化粧料が挙げられ、 例えば化 ¾τΚ、 クリーム、 乳液、 ィ匕粧油、 美容液、 ジエル、 エアゾール、ボディクリーム、ボディオイル、ヘアトニック、その他、各種石鹼' ソープ類等がある。
本発明のコラゲナ一ゼ抑制剤又はチ口シナ一ゼ抑制剤もまた、 外用剤としても 内用剤としても適用できる。外用剤として適用するとき、 その剤形は特に限定さ れるものでなく、 液状、 固形状、 半固形状のいずれでもよく、 例えば軟膏、 クリ —ム、 ローション、 乳剤、 ジェノレ及びエアゾールなどが挙げられる。 内用剤とし て適用するとき、 その剤形は特に限定されるものではなく、 例えば錠剤、 丸剤、 カプセル、 散剤、 顆粒剤及び液剤などが挙げられる。
上記外用剤あるいは内用剤とするとき、 有効成分を単独で使用し、 あるいは剤 形に応じて有効成分に適宜 ®¾剤などの担体を加えて、 常法に従って製剤化する ことができる。
本発明のコラゲナーゼ抑制剤又はチロシナーゼ抑制剤は、 医薬品、 医薬部外品 を問わず、 皮膚外用剤の成分とすることができる。該皮膚外用剤の形態として特 に制限されるものではなく、 例えば軟膏、 クリーム、 ローション、 乳剤、 ジエル 及.ひ 'エアゾールなどが挙げられる ο
また、 本発明のコラゲナ一ゼ抑制剤又はチ口シナーゼ抑制剤は、 化粧料の成分 とすることができる。該化粧料の形態としては特に制限されるものではなく、 殆 どのタイプの化粧料が挙げら 例えば化 fcK、 クリーム、 乳液、 ィ匕粧油、 美容 液、 ジエル、 エアゾール、 ボディクリーム、 ボディオイル、 ヘアトニック、 その 他、 各種石鹼 ·ソープ類等がある。
本発明の光老化防御剤、 光老化改善剤、 コラゲナ一ゼ抑制剤又はチロシナーゼ 抑制剤を内服するとき、 その投与量は、 マイタケ乾燥粉末の量として成人 1日当
り l〜5 gが適当であり、 マイタケ抽出物 (濃宿乾固物に換算して) の量として 成人 1日当り 5 0〜 5 0 O mgが適当である。
本発明の光老化防御剤、 光老化改善剤、 コラゲナ一ゼ抑制剤又はチロシナ一ゼ 阻害剤を皮膚外用剤又は化粧料への配合するとき、 その配合量は有効成分である マイタケ乾燥粉末及び Z又はマイタケ抽出物 (濃縮乾固物に禱して) の量で、 0 . 0 1〜2 0質量%が適当であり、 好ましくは 0 . 1〜5 . 0質量%である。 本発明の光老化防御剤、 光老化改善剤、 コラゲナ一ゼ抑制剤又はチロシナ一ゼ 阻害剤の皮膚外用剤又は化粧料への添加方法は、 皮膚外用剤又は化粧料の製造過 程の適宜の段階で、 マイタケ乾燥粉末及び Z又はマイタケ抽出物を添加すればよ い。
本発明の光老化防御剤、 光老化改善剤、 コラゲナ一ゼ抑制剤、 チロシナ一ゼ抑 制剤、 並びにこれらを配合した皮膚外用剤及び化粧料には、 目的及び剤形に応じ て通常用いられる基剤成分や薬効成分などを配合することができる。 そのような 基剤成分並びに薬効成分の例として、 鉱物油、 動植物油、 ワックス、 脂肪酸、 脂 肪アルコール、エステル油、界面活性剤、湿潤剤、高分子化合物、動植物抽出物、 アミノ酸類、 溶剤、 消炎剤、 防腐剤、 紫外線吸収剤、 金属イオン封鎖剤、 酸化防 止剤、 p H調整剤、 色素'顔料、 香料などが挙げられ、 本発明の効果を損なわな い範囲で配合することができる。
以下にそれらの具体例を挙げる。
<鉱物油 >
流動パラフィン、 流動イソパラフィン等。
<動植物油 >
スクヮラン、 オリブ油、 ヅバキ油、 コムギ β$芽油、 ホホバ油、 アボカド油、 力 ロヅト油、 シァ J!旨、パ一ム油、硬化油、馬油、 ラノリン類、卵黄油、チヨウジ油、 ローズヒップ油、ラベンダ一油、ハヅカ油、スペアミント油、ローズマリー油等。
<ワックス >
マイクロクリス夕リンワックス、 固形パラフィン、 ミヅロウ等。
<脂肪酸 >
ラウリン酸、 ミリスチン酸、 パルミチン酸、 ステアリン酸、 ォレイン酸、 イソ ステアリン酸等。
<脂肪アルコール >
ラウリルアルコール、 ミリスチルアルコール、 セ夕ノ一ル、 セトステアリルァ ルコール、 ステアリルアルコール、 イソステアリルアルコール、 ォレイルアルコ —ル、 へキシルデカノ一ル、 ベへニルアルコール、 ォクチルドデカノール、 ラノ リンアルコール等。
<エステル油 >
トリ力プリル酸グリセリル、 2—ェチルへキサン酸セチル、 トリ 2—ェチルへ キサン酸グリセリル、 オクタン酸イソセチル、 イソノナン酸イソノニル、 ジォク 夕ン酸エチレングリコール、 トリ (力プリル ·カプリン酸) グリセリン、 ミリス チン酸イソプロピル、 パルミチン酸イソプロピル、 ミリスチン酸イソセチル、 パ ルミチン酸セチル、 炭酸ジアルキル等。
<界面活性剤 >
ラウリル硫酸塩、 アルキル硫酸塩、 ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、 テト ラデセンスルホン酸塩、 ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸塩、 ラウ口 ィルサルコシン塩、 アルキルメチルー/?—ァラニン塩、 ポリオキシエチレンアル キルエーテルリン酸塩、 脂肪酸石けん、 N—ァシルグルタミン酸塩、 ラウリン酸 ジェ夕ノールアミド、 ヤシ油旨肪酸ジエタノールアミド、 アルキルジメチルアミ ンォキシド、 アルキルメチルタウリン塩、 アルキルアミノプロピオン酸塩、 ポリ ォキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、 アルキルリン酸塩、 アルキルグ ルコシド、 ポリエーテル変'性シリコン等塩化アルキルトリメチルアンモニゥム、
臭化アルキルトリメチルアンモニゥム、 アミドアミン、 塩化ジアルキルジメチル アンモニゥムアルキルジメチル酢酸べタイン、アルキルアミドプロピルべ夕イン、 アルキルカルボキシメチルヒドロキシェチルイミダゾリ二ゥムべ夕インレシチン (大豆又は卵黄) 誘導体、 プロピレングリコ一ル旨肪酸エステル、 グリセリン脂 肪酸エステル、 ポリォキシェチレングリセリン脂肪酸エステル、 ポリグリセリン 脂肪酸エステル、 ソルビタン脂肪酸エステル、 ポリォキシエチレンソルビ夕ン脂 肪酸エステル、 ポリオキシエチレンソルビット 旨肪酸エステル、 ポリオキシェチ レン硬ィ匕ヒマシ油、 ポリエチレングリコ一レ旨肪酸エステル、 ポリオキシェチレ ンアルキルエーテル、 ポリォキシェチレンポリォキシプロピレンアルキルェ一テ ル、 ポリオキシエチレンアルキルノニルフエニルエーテル、 ポリオキシエチレン アルキルエーテルリン酸 · リン酸塩等。
<湿潤剤 >
プロピレングリコ一ル、 ジプロピレングリコ一ル、 1,3-プチレングリコール、 グリセリン、 ジグリセリン、 イソプレングリコール、 ポリエチレングリコール、 ソルビット、 マルチトール、 トレハロース、 キシリット等く高分子化合物 >メチ ルセルロース、 ェチルセルロース、 カルボキシメチルセルロース、 ヒドロキシェ チルセルロース、 ヒドロキシプロピルセルロース、 カルボキシビ二ルポリマー、 ポリビニルアルコール、 ポリビニルピロリドン、 カチオン化セルロース、 カチォ ン化グァガム、 ヒアルロン酸ナトリウム、 ポリアクリル酸ナトリウム、 キサン夕 ンガム、 カラギーナン等。
<動植物抽出物 >
プラセン夕エキス、加水分解コラーゲン、カロ水分解ケラチン、加水分解シルク、 加水分解エラスチン、 酵母エキス、 アロエエキス、 コンフリーエキス、 シャクャ クエキス、 シソエキス、 セージエキス、 センプリエキス、 ハマメリス水、 ヒキォ コシエキス、ホップエキス、マロニエエキス、モモ葉エキス、ユキノシ夕エキス、
メリッサエキス、 ョモギエキス、 ローズマリ一エキス、 コメヌ力発酵エキス等。 <アミノ酸類 >
L—ァラニン、 L—アルギニン、 Lーァスパラギン酸、 L—クっレ夕ミン、 L— システィン、 Lーセリン、 Lーチロシン、 L—プロリン、 ピロリドンカルボン酸 塩、 グリシン等。
<溶剤 >
精 m?k、 常水、 エタノール、 イソプロパノール、 ベンジルアルコ一ル等。 <ビタミン類 >
ビタミン A、酢酸レチノ一ル、塩酸ピリドキシン、ジカプリル酸ピリドキシン、 ピオチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル、 リボフラビン、 パントテン酸カルシウム、 D—パントテニルアルコール、 ァスコルビン酸、 ノ レ ミチン酸ァスコルビル、 リン酸 Lーァスコルビルマグネシゥム、 ェルゴカルシフ エロール、 ビタミン E、 酢酸トコフエロール、 天然ビタミン E等。
ぐ消炎剤 >
グリチルリチン酸、 グリチルリチン酸ジカリウム、 グリチルリチン酸モノアン モニゥム、 グリチルレチン酸、 グリチルレチン酸ステアリル、 グアイァズレン、 グアイァズレンスルホン酸ナトリウム、アラントイン、 £—アミノカプロン酸等。 <防腐剤 >
メチルパラベン、 ェチルパラベン、 プロピルパラベン、 ブチルパラベン、 イソ ブチルパラベン、 フエノキシエタノール、 ビサボロール、 ヒノキチオール、 安息 香酸、 安息香酸ナトリウム、 サリチル酸、 サリチル酸ナトリウム、 ソルビン酸、 ソルビン酸カリウム、 ゥンデシレン酸、 ピオニン、 1—メント一ノレ、 d—力ンフ ル等。
<紫外線吸収剤 >
パラアミノ安息香酸、 パラアミノ安息香酸ェチル、 パラアミノ安息香酸グリセ
リル、 パラジメチルァミノ安息香酸 2—ェチルへキシル、 ォキシベンゾン、 ジヒ ドロキシベンゾフエノン、 ジヒドロキシジメトキシベンゾフエノン、 ジヒドロキ シジメトキシベンゾフエノンスルホン酸ナトリウム、 ヒドロキシメトキシベンゾ フエノンスルホン酸ナトリウム、 サリチル酸ォクチル等。
<金属イオン封鎖剤 >
ェデト酸、 ェデト酸塩、 エチレンジアミンヒドロキシェチル三酢酸三ナトリウ ム、 ジエチレントリアミン五酢酸、 ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム、 エチレンジアミンテトラキス (2—ヒドロキシイソプロピル) ジォレイン酸塩、 フィチン酸等。
<酸化防止剤 >
ジプチルヒドロキシトルェン、ブチルヒドロキシァ二ソ一ル、ェリソルビン酸、 没食子酸プロピル、 没食子酸ォクチル、 d— d—トコフエ口一ル等。 · 本発明の光老化防御剤、 光老化改善剤、 コラゲナーゼ阻害剤又はチロシナーゼ P且害剤はまた、 食品の成分とすることができる。 該食品は特に制限されるもので はなく、一般的な飲食品類、例えばガム、キャンディ一などの菓子類、かまぽこ、 ちくわ等の加工水産ねり製品、 ソ一セージ、 ハムなどの畜産製品、 體子類、 和 菓子類、 麵類、 ソース、 醤油及びドレッシングなどの調 t«、 香辛料、 ジャム、 加工野菜'果実類、 チーズ、 ノ^—及びヨーグルトなどの乳製品、 味噌汁、 ス一 プ、 野菜ジュース、 果実ジュース、 乳清飲料及び清涼飲料などの飲料類、 美容食 品、 健康食品、 サプリメントなどが挙げられる。
本発明の光老化防御剤、 光老化改善剤、 コラゲナ一ゼ阻害剤又はチロシナ一ゼ P且害剤の食品への配合量は、 食品の種類によって異なり一概に決められないが、 マイタケ乾燥粉末の量で 0 . 1〜3 0質量%が適当であり、 好ましくは 0 . 5〜 5 . 0 %であり、マイタケ抽出物(濃縮乾固物に換算して)の量で 0 . 0 1〜3 .
0質量%が適当であり、 好ましくは 0 . 1〜; L . 0質量%である。
本発明の光老化防御剤、 光老化改善剤、 コラゲナーゼ阻害剤又はチロシナ一ゼ の食品への添加方法は、 食品に応じてその製造過程の適宜の段階で、 マイ 夕ケ乾燥粉末及び/又はマイ夕ケ抽出物を添加すればよい。 実施例
次に有効成分の調製例、試験例及び製造例により本発明を更に詳細に説明する。 なお、 本発明はこれらによって限定されるものではない。
[本発明で使用する有効成分の調製]
く調製例 1 >
マイタケ乾燥粉末の調製
人工栽培で作った生マイタケ (Grifola frondosa の枝部、 傘部を棚型乾燥室 の棚に並べ、 約 6 0〜8 0 °Cの熱風を送り乾燥した。 6 0。Cから段階的に温度を 上げ最終的に 8 0 °Cでほぼ 1日かけて乾燥した。 次いで乾燥マイタケを製粉機で 粉碎し、 ^粉末を得た。
く調製例 2 >
マイタケ抽出物 Aの調製
生マイタケ (Grifola frondosa) 5 kgを適当な大きさにスライスし、 2 5リヅ トルの熱湯中 (9 0 °C以上) に 1時間浸潰して抽出を行った後、 濾過して黒褐色 の抽出液を得た。 この抽出液を減圧〜常圧下で濃縮して B r i X値 3 0 %の濃縮 液を 6 6 0ml得て、次いでスプレードライ装置を用いて噴霧乾燥し、灰茶褐色を 呈するマイタケ抽出エキス乾燥粉末 1 5 0 gを得た。
く調製例 3 >
マイタケ抽出物 Bの調製
マイ夕ケ (Grifola frondosa) 子実*¾燥粉末21¾とイオン交 itt 2 0リヅト
ルを加圧釜に入れ、 カロ圧下、 120°Cで 30分間処理した後、 濾過して黒褐色の 抽出液 12.5リットルを得た。
該液を 下で 4リヅトルまで濃縮して、 室温で 95%エタノール 4リヅトル を加え、 10°C以下で数時間放置すると、 液面、 液中に浮遊、 又は壁面に付着す る茶褐色の物質が生成した。 これらの物質を金網を用いて除去し、 褐色の溶液を 得た。該溶液を減圧下でアルコールを除去し、 更に減圧下 Br ix値 30%にな るまで濃縮し、 黒褐色のlffな液を得た。 該溶液 2リットルをスプレードライ装 置を用いて噴霧乾燥し、 マイタケ特有の香りの微細な褐色粉末 372 gを得た。
[試験]
<試験例 1>
-外用剤の製造例ト
上記調製例 2で得たマイタケ抽出物 Aを 5質量%配合した以下の I誠のクリー ムを調製した。
クリームの組成(単位:質量%、 総計 100質量%とする。)
1. ポリォキシェチレン( 10 )アルキルエーテルリン酸ナトしゥム 6. 5
2.親油型モノステアリン酸グリセリン 2. 0
3. セ夕ノール 2. 0
4. スクワレン 5. 0
5. 流動パラフィン 10. 0
6. 1, 3—プチレングリコール 5. 0
7.カロ水分解タンパク 0. 5
8.加水分解コラーゲン 0. 2
9. メチルパラベン 0. 3
10. 上記マイタケ抽出物 A 5. 0
11. m 残部
製法:成分:!〜 6及び 9を 8 0 °Cにて加熱混合し、 これに同温度に加熱した成 分 1 1を徐々に加えて乳化する。 4 0 °Cまで冷却し、 成分 7、 8及び 1 0を加え て攪拌し、 更に室温付近まで冷却してクリームとした。
なお、対照のクリームとして、上記糸滅から上記成分 1◦ (マイタケ抽出物 A) を除き、 精 を増量して 1 0 0質量%としたものを用意した。
-試験方法 -
( 1 )紫外線によるしわ形成への防御効果を調べるため、 ヘアレスマウス (6週 齢、 ) 7匹を 1群として、 2群を用意し、 一方をマイタケ抽出物配合クリーム を使用する群とし、 他方を対照のクリームを使用する群とした。 各クリームを 1 回/日、 5回 Z週、 1回 l gをへアレスマウスの背部に 1 2週間塗布した。クリ —ムの塗布開始と同時に、短波長紫外線 (UVB)を 1 2週間照射し( 1回/日、
3回 Z週)、 その照射量は 1週目、 2週目、 3週目、 4週目に各々 6 5mJ/cm2、 7 5mJ/cm2 8 5mJ/cm2、 9 5mJ/cm2と徐々に増やし、 5週目以降は 9 5 J/cm 2で ίした。
( 2 )紫外線により発生したしわへの改善効果を調べるため、ヘアレスマウス( 6 週齢、 ) 7匹を 1群として、 2群を用意し、 一方をマイ夕ケ抽出物配合クリ一 ムを使用する群とし、 他方を対照のクリームを使用する群とした。
短波長紫外線 (UVB) を各へアレスマウスの背部に 1 2週間照射し (1回/ 日、 3回 Ζ週)、 その照射量は 1週目、 2週目、 3週目、 4週目に各々 6 5mJ/cm 2、 7 5mJ/cm2、 8 5mJ/cm2、 9 5mJ/cm2と徐々に増やし、 5週目以降は 9 5mJ/cm 2で照射した。
しわの発生を認、めてから、 各群のへアレスマウスの背部にマイ夕ケ抽出物配合 クリーム又は対照のクリームを 1回 Z日、 5回/週、 1回 l gを 1 2週間塗布し た。
-評価方法- 各へアレスマウスについて、 クリームを塗布する前、 及び塗布後、 経時的にシ リコンレプリカを採取し、 画像形成により、 しわ面積率 ( zmVmm2) を算出 した。 そして、 各群のへアレスマウスのしわ面積率の平均値を算出した。
-結果- 以下の表に結果を示す。
紫外線によるしわ形成への防御効果
表 1の結果より、 マイタケ抽出物配合クリームは、 該抽出物が配合されていな いクリームと比較して、 紫外線によるしわ形成を抑制していることが明らかであ る。 また、 表 2の結果より、 紫外 照射によりある程度しわが発生した皮膚に対 して、 マイ夕ケ抽出物配合クリームは、 該抽出物が配合されていないクリームと 比較して、 しわを改善する効果が高 、ことが明らかである。
上記試験結果より、 マイタケ抽出物の紫外線によるしわに対する有効性が ¾|忍
された。
く試験例 2 >
コラゲナーゼ活性阻害効果の試験
上記調製例 1〜 3で得たマイタケ乾燥粉末及びマイタケ抽出物を試料として用 い、 コラゲナーゼ活性阻害作用を調べた。
該 IsWを精 τΚで希釈し、 1. 0mg/ml、 0. 5mg/ml、 0. lmgZmlの各濃 度の 辯夜とした。 マイクロプレートを用いて、 各試料溶液 50 1 に酵素液 として 0. のコラゲナ一ゼ水 夜を 50〃1加えた。基質溶液として 0. 39mg/mlの P z—べプ夕ィド · 20 mM塩化カルシウム入りトリス塩薩衝液
(pH7. 1) を加えて混合し、 37°C、 3分間反応させた後、 25mMクェン 酸 lmlを加えて反応を停止させた。そこへ酢酸ェチル 5mlを加えて抽出して、酢 酸ェチル層を:険体として 32 Onmの吸光度 (0. D.320)を測定した。また、 各検体におけるコラゲナ一ゼ活性阻害作用は、 次の式から算出される阻害率にて 表した。 なお、 対照には試料溶液の代わりに精 τΚを用い、 また、 プランクには コラゲナ一ゼ水溶液の代わりに 20 mM塩化カルシウム入りトリス塩酸緩衝液
(pH7. 1) を用い、 同様にキ喿作した。
阻害率 (%) = {1- [(C-D) / (A-B)]} X 100
(上記式中、
A:対照の〇. D. 320
B :対照用ブランクの 0. D. 320
C:検体の 0. D. 320
D:ネ食体用プランクの〇. D. 320
結果を表 3に示す。
9
コラゲナーゼ活性阻害率 ( )
<試験例 3>
チロシナーゼ活性阻害効果の試験
上記調製例 1〜 3で得たマイ夕ケ乾燥粉末及びマイ夕ケ抽出物を として用 い、 チロシナ一ゼ活性 P且害作用を調べた。
該,を精 S¾で希釈し、 1. 0mg/kl、 0. 5mg/mK 0. 1 mg/mlの各濃 度の顯激夜とした。試験管に上記試料溶液 0.2ml及び L—チロシン鎌( 0. 2 mg/ml) 1mlと pH 6. 8の緩衝液 0. 6mlを加えた後、 1000 Unit/ml のチロシナ一ゼ水溶液 0. 2mlを加えてよく混合し、 37°Cヽ 3分間反応させ検 体とし、 475 nmにおける吸光度 (0. D. 475) を測定した。 各検体にお けるチロシナーゼ活性阻害作用は、 次の式から算出される阻害率にて表した。 な お、 対照には試料溶液の代わりに精製水を用い、 また、 ブランクにはチロシーゼ 水溶液の代わりに精製水を用い、 同様に操作した。
P且害率 {%) = { ! - [(C-D) / (A-B)]} X I 00
(上記式中、
A:対照の 0. D. 475
B:対照用ブランクの 0. D. 475
C:検体の 0. D. 475
D:検:体用ブランクの 0. D. 475
結果を表 3に示す。
チロシナ一ゼ活性阻害率 (%)
く試験例 4 >
安全性試験
( 1 ) 急隨性
上記調製例 1〜 3によって得られたマイ夕ケ乾燥粉末、 マイ夕ケ抽出物 A及び Bを各々、 アルビノラヅト、 1群 5匹、 6〜 8週齢に 2, OOOmgZkg量経 口投与し、 毒性症状の発現、 程度などを観察した。 その結果、 すべてのマウスに おいて 14日間何ら異常を認めなかった。 よって LD50は 2, 00 Omg/kg 以上と判定された。
( 2 ) 皮膚一^i激性試験
上記調製例 1〜 3によって得られたマイ夕ケ乾燥粉末、 マイ夕ケ抽出物 A及び Bの各々の 10%溶液を 0. 5ml、 ニュージーランド白色ゥサギ 3匹にそれそ れ経皮適用した。被験部位は損傷 1箇所、 健常 1箇所の 2箇所とした。被験部位 を閉塞し、 適用後 24および 72時間後に紅斑、 浮腫、 その他の反応を個別に観 察した。 24および 72時間後の平均評点を平均し、 皮膚一 激指数を決定し た。 Federal Hazardous Substances Act Regulations CFR 1500.40 (連邦有害 物質規制法) の規定によれば 6匹のゥサギによる被覆材を使用した条件下で評点 5. 0以上の物質は、 皮膚一 iJ激物質とされている中、 本物質は皮膚一次刺激 指数 1. 03と判定された。
(3) ヒト皮膚に対するパヅチテスト
上記調製例 1〜 3によって得られたマイ夕ケ乾燥粉末、 マイ夕ケ抽出物 A及び Bの各々の 10%溶液、 各々 0. 03gを被検者 (男性 26名、 女性 19名の計
45名) の上腕屈側部に 24時間閉塞貼付を行い判定した。 すなわち貼付後 24 時間を経過した時点で試料を除去し、 除去後 1時間及び除去後 24時間にそれそ れ皮膚の状態を観察した。 その結果、 すべての被検者に除去後 1時間及び 24時 間何ら異常を認めなかった。
-外用剤の製造例 2- 美容液(単位:質量%、 総計 100質量%とする。)
1. ポリオキシエチレン( 20 )ベへニルエーテル 1. 2
2. テトラオレイン酸ポリオキシエチレン(60)ソルビット 1. 2
3. 親油型モノステアリン酸グリセリン 1. 0
4. セトステアリルアルコール 0. 5
5. 1, 3—ブチレングリコール 6. 0
6. 流動パラフィン 8. 0
7. 植物性スクヮラン 3. 0
8. ミリスチン酸イソセチル 2. 0
9. プロピルパラペン 1. 0
10. カルボキシビニルポリマー 0. 1
11. キサンタンガム (1%水溶液) 10. 0
12. 水酸化カリウム (10%水溶液) 0. 47
13. マイタケ抽出物 B 1. 0
14. 精製水 残部
製法:成分 1〜 9を 80°Cにて均一に加熱混合し、 同 の成分 14を徐々に カロえて学しィ匕した。 これに成分 10をカロえて混合した後、 成分 12をカロえて均一に した。 次いで 50°Cまで冷却し、 成分 1 1及び 13を加え、 室温付近まで冷却し て美辯夜とした。
-外用剤の製造例 3- ローション (単位:質量%、 総計 100質量%とする。)
1. ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0. 3
2. プロピレングリコール 3. 0
3. グリチルレチン酸 0. 2
4. パントテニルアルコール 1. 0
5. ショウキヨウチンキ 0. 5
6. 酢酸トコフエロール 0. 1
7. エタノール 60. 0
8. マイ夕ケ抽出物 A 10. 0
9. メチルパラベン 0. 2
10.精製水 残部 製法:成分 1〜; L 0を均一に混合溶解した。
-外用剤の製造例 4 -
? L液 (単位:質量%、 総計 100質量%とする。)
1. ホホバ油 1. 0
2. スクヮラン 2. 0
3. ベへニルアルコール 1. 0
4. トリ (力プリル ·力プリン酸) グリセリン 2. 0
5. モノォレイン酸プロピレングリコ一ル 0. 6
6. モノステアリン酸グリセリン 2. 5
7. プロピルパラベン 0. 1
8. グリチルリチン酸ジカリウム 0. 1 9. 1, 3—ブチルアルコール 3. 0 10. マイタケ乾燥粉末 1. 0
11.香料 適量
12.精製水 残部
製法:成分 1〜8を 75°Cで加熱溶解し、 別に成分 9、 10、 12を 75°Cで 加熱溶解させたものをそこへ徐々に加えて乳ィ匕した。 これを攪拌しながら 50°C まで冷却し、 成分 11をカロえ、 室温付近まで冷却して乳液とした。
-内用剤の製造例- 錠剤 (単位:質量%、 総計 100質量%とする。)
1.炭 ¾τΚ素ナトリウム 25. 0
2. クェン酸 15. 0
3. キシリトール 5. 0
4 , 粉末香料 3. 0
5. 上記マイタケ抽出物 Β 8. 0
6. マンニトール (賦形剤) 残部
製法:成分 1〜 6を均一に混合し、 打錠機により直径 1. 0mm、 硬度 0. 5 kgの鍵剤とした。 産業上の利用可能性
マイ夕ケ乾'燥粉末又はマイ夕ケ抽出物は、 紫外線照射により誘発される症状を 抑制する効果、 及び紫外線照射により発生した症状を改善する効果が顕著である ことが確認され、 さらにコラゲナーゼ活性吗害作用及びチロシナ一ゼ活性阻害作 用を示すことが確認された。 コラゲナーゼゃチロシナ一ゼは光老化の; »過程に 関与している酵素である。 '
本発明は、 マイタケ乾燥粉末及び/又はマイタケ抽出物を有効成分として含有 することを特徴とする光老化防御剤、 光老化改善剤、 コラゲナーゼ阻害剤、 及び チロシナ一ゼ阻害剤を提供する。 これらの光老化防 ¾1剤、 光老化改善剤、 コラゲ
ナーゼ阻害剤、 及びチロシナ一ゼ阻害剤は外用剤又は内用剤として適用すること ができる。本発明の光老ィ匕防御剤、 光老化改善剤、 コラゲナーゼ阻害剤、 及びチ 口シナ一ゼ阻害剤は、 紫外線照射によるしわ、 たるみ、 肌あれ、 色素沈着などを 防止し、 及び紫外線照射によって発生したよるしわ、 たるみ、 肌あれ、 色素沈着 などを改善し、 さらに光老化に関わる疾患や症状の予防及び治療にも利用可能で ある。 これらの光老化防御剤、 光老化改善剤、 コラゲナーゼ阻害剤、 及びチロシ ナ一ゼ阻害剤はまた、皮膚外用剤、ィ匕粧料、及び食品の成分とすることができる。 これらの皮膚外用剤、 ィ匕粧料、 及び食品は、 光老化の防御又は光老ィ匕の改善に有 用である。本発明で使用する有効成分は人や動物に対して、 極めて安全なもので ある。