技術分野
本発明は、 輝尽性蛍光体シートに蓄積された放射線画像情報を読み取る放射線 画像読取装置に関する。
明 背景技術
病院で発生する放射線画像情報をデジタル書化して保存 ·電送するために、 画像 情報をデジタルデータとして出力する放射線画像読取装置が多く用いられる様 になってきた。 この様なデジタルデータを出力する放射線画像読取装置として、': 輝尽性蛍光体シートを利用した放射線画像読取装置が良く知られている。
輝尽性蛍光体シートは、 被写体を透過した放射線エネルギー (画像情報) の一 部を検出すると同時に、 輝尽性蛍光体シートの内部に検出された放射線エネルギ 一 (画像情報) を蓄積することができる。 輝尽性蛍光体シート中に蓄積された放 射線エネルギー (画像情報) は、 所定の波長のレーザ光で励起することにより輝 尽光として取り出され、 フォトマルチプライヤー等の光電変換素子を用いて電気 信号に変換された後に、 A D変換され、 ムラ補正などの信号処理を施された後に 画像データとしてホストコンピュータなどに出力される。 この様に、 輝尽性蛍光 体シートから画像データを読み取る動作を読取動作と呼ぶ。
一方、 読取動作後の輝尽性蛍光体シートには、 放射線エネルギー (画像情報) が残存しているために、 ハロゲンランプゃ蛍光灯などの消去ランプで消去光を照 射し、 残存する放射線エネルギー (画像情報) を消去する。 この様に、 輝尽性蛍 光体シートに残存する放射線エネルギー (画像情報) を消去する動作を消去動作 と呼ぶ。
消去動作は、 読取動作後に実施する場合の他に、 読取動作を伴わずに消去動作 のみを実施する場合がある。
例えば、 放射線撮影を誤ってしまった場合は、 画像情報は不要のため、 次の撮
影に備えて消去動作のみを実施する場合が多い。 また、 輝尽性蛍光体は一旦消去 を行っても、 自己カプリで画像情報とは無関係のエネルギーを蓄積するため、 放 射線撮影前、 もしくは消去から一定時間経過後に一旦消去を行ってから使用する ことが望まれている。 例えば、 毎朝全ての輝尽性蛍光体シートを消去してから使 用する。 この場合も、 読取動作を行わずに、 消去動作のみを実施すれば良い。 しかしながら、 読取動作と消去動作が混在した場合、 読取モードと消去モード の切替が煩雑で消去作業の作業効率が低下している。
例えば、 連続して消去を行う際に、 毎回消去モードを選択しなくてはならない ため、 作業効率が低下している。
また、 連続して消去を行える装置では、 前の使用者が消去モードで作業後に読 取モードに復帰させなかったため、 次の使用者が誤って画像情報を損失してしま う事故が発生している。
また、 装置本体上に読取動作の進行状況を通知する手段が無いため、 処理の進 行状況が分からず、 また処理完了までの時間を知ることが出来ないという問題が ある。 また、 本発明の放射線読取装置の様に、 装置内部に力セッテを取り込み、 フロ ント板とパック板の分離 ·合体作業を行ったり、 副走査手段にパック板を受け渡 しする動作を伴う場合、 時として、 パック板がうまく受け渡しできずにパック板 が装置内に落下してしまうエラーが発生する。 パック板を装置全体の内部に残し たまま、 次の力セッテが装置内部に取り込まれ一連の動作が開始されてしまうと、 装置内部に落下しているパック板が破壊されるだけでなく、 装置機構もダメージ を受けてしまうという問題がある。 発明の開示
前曾己課題を解決し、 かつ目的を達成するために、 この発明は、 以下のように構 成した。
本発明の第 1の側面によると、 力セッテに内包された輝尽性蛍光体シートから 放射線画像情報を読み取る放射線画像読取装置であって、 前記放射線画像読取装 置は、 前記輝尽性蛍光体シートに保持されている放射線画像情報を読み取る読取 モードと、 前記輝尽性蛍光体シートに保持されている前記放射線画像情報を消去 する消去モードの少なくとも 2つのモードを有すると共に、 前記少なくとも 2つ のモードを切り替える切替手段を前記放射線画像読取装置本体に有する。
本発明の第 1の側面によれば、 放射線画像読取装置が読取モードと消去モード の少なくとも 2つのモードを有すると共に、 少なくとも 2つのモードを切り替え る切替手段を放射線画像読取装置本体に有する様に構成したので、 使用者が短時 間に必要とされるモードを選択でき、 作業効率が向上する。 好ましくは、 前記読取モードは、 前記輝尽性蛍光体シートから放射線画像情報 を読み取る読取動作と、 前記読取動作の後に前記輝尽性蛍光体シートに残存する 放射線画像情報を消去する消去動作の少なくとも 2つの動作を行う。
読敢モードが読敢動作と消去動作の少なくとも 2つの動作を行う様に構成し たので、 読取モードの後で消去モードを実施する必要が無く、 使用者の作業効率 が向上する。 好ましくは、 前記消去モードは、 前記輝尽性蛍光体シートから放射線画像情報 を消去する消去動作を行う。
消去モードは単独で消去動作のみを行うモードとしたので、 誤って撮影された 放射線画像を読み取ることなく消去でき、 使用者の作業効率が向上する。 好ましくは、 前記放射線画像読取装置の起動時には自動的に前記読取モードが 選択されると共に、 前記切替手段を操作することによって前記消去モードと前記 読取モードが交互に選択される。
起動時には最も良く使用される読取モードが自動的に選択されるため、 通常は 消去モードを意識せずに装置を使用することができる。 また、 消去モードと読取 モードが交互に選択できるモードを切り替える切替手段を設けたので、 簡単な操
作で 2つのモードを選択することができ、 使用者の作業効率が向上する。 好ましくは、 前記消去モードが選択された場合、 所定の時間内に前記力セッテ が前記放射線画像読取装置に供給されると消去動作が実行され、 前記所定時間内 に前記力セッテが前記放射線画像読取装置に供給されないと、 自動的に消去モー ドが終了して前記読取モードに復帰する。
消去モードが選択された場合、 所定の時間内に力セッテが放射線画像読取装置 に供給されると消去動作が実行され、 所定時間内に前記力セッテが放射線画像読 取装置に供給されないと、 自動的に消去モードが終了して前記読取モードに復帰 する様に構成したので、 消去作業が終了後、 読み取りを行いたい輝尽性蛍光体シ 一トを誤って消去してしまう危険性を無くす。 好ましくは、 前記消去モードにおいて、 消去動作が完了した後、 所定の時間内 に前記力セッテが前記放射線画像読取装置に供給されると消去動作が継続的に 実施され、 前記所定時間内に前記力セッテが前記放射線画像読取装置に供給され ないと、 自動的に消去モードが終了して前記読取モードに復帰する。
消去モードにおいて、 消去動作が完了した後、 所定の時間内に力セッテが放射 線画像読取装置に供給されると消去動作が継続的に実施され、 所定時間内にカセ ッテが放射線画像読取装置に供給されないと、 自動的に消去モードが終了して読 敢モードに復帰する様に構成したので、 複数枚を連続して消去したい場合など に、 いちいち消去モードへ入り直す手間が省け、 使用者の作業効率が向上する。 また、 消去作業が終了すると自動的に読取モードに復帰するので、 読み取りを行 いたい輝尽性蛍光体シートを誤って消去してしまう危険性を無くす。 好ましくは、 前記所定の時間を表示する表示手段を有する。
所定の時間を表示する表示手段を設けたので、 連続的に消去させるための待ち 時間を確認することができ、 使用者が安心して消去作業を行える様になる。 好ましくは、 前記表示手段に表示される前記所定の時間の残り時間がダウン力
ゥントもしくはアップカウントで表示される。
所定の時間の残り時間がダウンカウントもしくはアップカウントで表示され るため、 残り時間を気にする必要が無くなり、 使用者が安心して消去作業を行え る様になる。 好ましくは、 前記消去モードが消去速度の異なる複数の消去動作を有し、 複数 の消去動作が前記切替手段を操作することによつて選択される。
消去モードが消去速度の異なる複数の消去動作を有し、 複数の消去動作を切り 替えを、 読取モードと消去モードとを切り替える切替手段で操作できる様にした ため、 好みの消去速度を少ない操作で容易に選択できるようになり、 使用者の作 業効率が向上する。 好ましくは、 前記読取モードから前記消去モードに切り替える操作が、 ボタン もしくはスィツチの長押し操作を伴う。
読取モードから消去モードに切り替える操作が、 ボタンもしくはスィッチの長 押し操作を伴う様に構成したので、 読み取りを行っている際に、 誤って消去モー ドに入り、 画像情報を損失してしまう事故を防ぐことができる。 好ましくは、 前記力セッテが処理される際の処理の進行状況を表示する表示手 段を有する。
力セッテが処理される場合に、 処理の進行状況を表示する表示手段を有する様 に構成したので、 操作者が処理完了までの時間を概算することができるので、 使 用者の作業効率を向上することができる。 好ましくは、 前記表示手段に表示される処理の進行状況が、 所定の処理単位の 経過に伴って更新される。
表示手段に表示される処理の進行状況が、 所定の処理単位の経過に伴って更新 される様に構成したので、 処理を行っている際に、 使用者が今どの処理中である かの概要を知ることができるので大変便利である。
好ましくは、 読取モードで前記力セッテを処理する際の前記所定の処理単位が、 前記読取動作と前記消去動作の少なくとも 2つの処理を含む。
読取モードでカセッテが処理される場合、 表示手段に表示される処理の進行状 況が、 所定の処理単位の経過に伴って更新され、 かつ、 所定の処理単位が、 読取 動作と消去動作の少なくとも 2つの処理を含む様に構成したので、 使用者が、 各 処理の中で最も重要な読取動作と消去動作を認識することができ、 処理の進行状 況を把握する上で大変有用である。 好ましくは、 前記表示手段に表示される処理の進行状況が、 前記表示手段にあ らかじめ表示された複数の表示エレメントの表示色を順次変更することによつ て提示される。
表示手段に表示される処理の進行状況が、 前記表示手段にあらかじめ表示され た複数の表示エレメントの表示色を順次変更することによって提示される様に 構成したので、 使用者が、 全体の処理時間の中で、 現在の処理がどのフェーズに 位置するかを認識できる。 本発明の第 2の側面によると、 フロント板とパック板が分離可能な力セッテの パック板側に添付された輝尽性蛍光体シートから放射線画像情報を読み取る放 射線画像読取装置であって、 前記力セッテを挿入する挿入口と、 前記力セッテの 移動を行う搬送手段と、 前記力セッテのフロント板とパック板を分離する分離手 段と、 前記分離手段によって前記フロント板から分離された前記パック板を副走 查する副走査手段と、 前記パック板に添付された前記輝尽性蛍光体シートに保持 されている放射線画像情報を読み取る読取手段と、 前記フロント板と前記パック '板を再び合体させる合体手段と、 前記合体手段により合体された前記力セッテを 排出するための排出口と、 前記パック板の落下を検出するセンサを有し、 このセ ンサにより前記パック板の落下が検出された場合には、 エラーとして処置する。 本発明の第 2の側面によれば、 バック板が装置内に落下してしまう不都合を検 出してエラーとして処置するので、 次の力セッテが揷入されても装置を動作させ
ない様に制御することが可能となり、 装置内に落下したパック板が破壊されたり、 装置機構がダメージを受けることが無くなり、 装置の信頼性が向上する。 好ましくは、 前記パック板の落下を検出するセンサは、 前記パック板が前記副 走査手段に吸着されているときに 0 nを出力するパック板吸着センサであり、 前 記パック板吸着センサが o nであるべき時間帯に前記パック板吸着センサが 0 f f を出力すると、 前記パック板が落下したと見なす。
パック板が副走査手段に吸着されているときに o nを出力するパック板吸着 センサを有することで、 パック板吸着センサが o nであるべき時間帯にパック板 吸着センサが o f f を出力すると、 パック板が落下したと見なすことができ、 ェ ラーとして処置することが可能である。 好ましくは、 前記パック板の落下を検出するセンサは、 前記力セッテが前記排 出口へ排出される際に前記パック板の有り無しを検出するパック板落下検出セ ンサであり、 前記力セッテの排出時に前記パック板落下検出センサがパック板無 しを示す信号を出力すると、 前記バック板が落下したと見なす。
力セッテが排出口へ排出される際に、 パック板の有り無しを検出するパック板 落下検出センサを有し、 カセッテの排出時にパック板落下検出センサがパック板 無しを示す信号値を出力すると、 パック板が落下したと見なす様に制御するので、 力セッテ排出後に、 パック板が装置内部に落下しているか否かを認識でき、 装置 内に落下したパック板が破壊されたり、 装置機構がダメージを受けることが無く なり、 装置の信頼性が向上する。 好ましくは、 前記パック板落下検出センサが、 前記力セッテのパック板側をな ぞるなぞり棒の傾きを検知して前記パック板の有り無しを検出するように構成 されている。
バック板落下検出センサが、 力セッテのパック板側をなぞるなぞり棒の傾きを 検知してパック板の有り無しを検出するように構成したので、 パック板の有り無 しを正確に検出できる。
本発明の第 3の側面によると、 フロント板とパック板が分離可能な力セッテの パック板側に添付された輝尽性蛍光体シートから放射線画像情報を読み取る放 射線画像読敢装置であって、 前記力セッテのフロント板とパック板を分離する分 離手段と、 前記分離手段によって前記フロント板から分離された前記パック板を 吸着した状態で副走査する副走査手段と、 前記パック板が前記副走査手段に吸着 されていることを検出するパック板吸着センサを有し、 前記バック板吸着センサ が 0 nであるべき時間帯に前記パック板吸着センサが 0 f f 出力すると、 エラー と見なし処置される。
本発明の第 3の側面によれば、 パック板が副走査手段に吸着されている時に o nを出力するバック板吸着センサを有することで、 パック板吸着センサが 0 nで あるべき時間帯にパック板吸着センサが 0 f f を出力すると、 パック板が落下し たと見なすことができ、 エラーとして処置することが可能となる。 本発明の第 4の側面によると、 フロント板とパック板が分離可能な力セッテの パック板側に添付された輝尽性蛍光体シートから放射線画像情報を読み取る放 射線画像読取装置であって、 前記力セッテを挿入する挿入口と、 前記力セッテを 排出する排出口と、 前記パック板の有り無しを検出するバック板落下検出センサ を有し、 前記パック板落下検出センサがパック板無しを示す信号を出力すると、 前記パック板が落下したと見なして、 次の力セッテが前記揷入口に挿入されても 装置を動作させないように制御する。
本発明の第 4の側面によれば、 パック板の有り無しを検出するバック板落下検 出センサを有し、 前記パック板落下検出センサがパック板無しを示す信号を出力 すると、 パック板が落下したと見なして、 次の力セッテが挿入口に挿入されても 装置を動作させないように制御するので、 装置内にパック板が落下したにもかか わらず装置が動作してパック板を破壌したり、 装置機構がダメージを受けたりす ることが無くなり、 装置の信頼性が向上する。 好ましくは、 前記パック板落下検出センサは、 前記力セッテが前記排出口へ排
出される際に、 前記バック板の有り無しを検出するように構成されている。
パック板落下検出センサは、 力セッテが排出口へ排出される際に、 パック板の 有り無しを検出するように構成したので、 力セッテ排出後に、 パック板が装置内 部に落下しているか否かを認識でき、 装置内部にパック板が落下している場合に は、 次の力セッテが挿入されても装置を動作させない様に制御することが可能と なる。 これにより、 装置内に落下したパック板が破壌されたり、 装置機構がダメ ージを受けることが無くなり、 装置の信頼性が向上する。 好ましくは、 前記パック板落下検出センサが、 前記力セッテの前記パック板側 をなぞるなぞり棒の傾きを検知して前記パック板の有り無しを検出するように 構成されている。
パック板落下検出センサが、 カセッテのパック板側をなぞるなぞり棒の傾きを 検知してパック板の有り無しを検出するように構成したので、 パック板の有り無 しを正確に検出できる。 図面の簡単な説明
図 1 A及び 1 Bは、 力セッテのフロント板とパック板を分離させた時の斜視図 である。
図 2は、 力セッテのフロント板とパック板を合体させた時の断面図である。 図 3 A、 3 B、 3 C、 3 D、 3 E、 3 F、 3 G及び 3 Hは、 パック板とフロン ト板の口ック状態を示す図である。
図 4 A及び 4 Bは、 パック板とフロント板のロック機構を示す図である。
図 5 A及び 5 Bは、 力セッテのパック板を裏側から見た図である。
図 6は、 放射線画像読取装置の一構成例を示す図である。
図 7は、 搬送手段と副走査手段の関係を示す図である。
図 8は、 力セッテ挿入排出部を上から見た図である。
図 9は、 表示 ·操作部を正面から見た図である。
図 1 O A及び 1 0 Bは、 パック板受け渡し時の搬送手段と副走査手段の関係を 示す図である。
図 1 1は、 上側基準及びセンター基準での力セッテの位置関係を示す図であ る。
図 1 2は、 表示手段の表示内容の変化を示す遷移図である。 発明を実施するための最良の形態
以下、 図面を参照してこの発明の実施の形態例を詳細に説明する。 図 1 A〜図 5 Bは、 この発明の放射線画像読取装置で使用する力セッテ 1を示す図である。 力セッテ 1は、 分離可能なフロント板 1 0とパック板 2 0より構成される。 図 1 A及び 1 Bは力セッテ 1のフロント板 1 0とノ ック板 2 0を分離させた時の 斜視図、 図 2は力セッテ 1のフロント板 1 0とノ ック板 2 0を合体させた時の断 面図、 図 3 A〜3 Hはロック機構の状態を示す力セッテ 1の断面図、 図 4 A及び 4 Bは力セッテ 1のロック機構を説明する図、 図 5 A及び 5 Bはパック板 2 0を 裏側 (フロント板 1 0と反対側) から見た図である。
フロント板 1 0は、 フレーム 1 1と前面板 1 3より構成される。 前面板 1 3の 内面には不織布 1 7が貼り付けられている。 フレーム 1 1は、 フレーム側面 1 1 0と、 フレーム底面 1 1 1と、 所定の角度の傾斜を持つ傾斜面 1 1 2と内向面 1 1 3と、 フレーム内面 1 1 4と、 遮光突起 1 1 5と、 挿入穴 1 4と、 切り込み 1 5 a、 1 5 bと、 ロック用凹部 1 6 a、 1 6 b、 1 6 c、 1 6 d、 により構成さ れる。 傾斜面 1 1 2とフレーム内面 1 1 4と遮光突起 1 1 5は、 フレーム 1 1内 部に凹部 1 2を形成する。
このように、 フレーム 1 1に傾斜面 1 1 2を設けることによって、 パック板 2 0がフロント板 1 0と合体する時の位置合わせ精度をラフに設計することがで きる。 すなわち、 フレーム 1 1に傾斜面 1 1 2を設けることによって、 パック板 2 0がフロント板 1 0と合体する時の位置が多少ずれても、 傾斜面 1 1 2がパッ ク板 2 0を合体位置まで自動的に導くため、 装置側の部品精度や組立精度に対す る要求を甘くすることができる。 また、 装置の輸送時に装置の骨格や機構に微妙 な変形が生じても、 フロント板 1 0とバック板 2 0の合体作業で不具合を起こす 確率を極めて小さくすることができる。
フレーム 1 1は、 例えばアルミニウムや硬質プラスチックなど、 全加重撮影時 の大きな加重に耐えうる材質でできていることが好ましく、 前面板 1 3は、 例え ばアルミニゥムゃ炭素繊維強化ブラスチックなど、 強度があつて放射線吸収の比 較的小さい部材で形成されることが好ましい。
力セッテの側面側を開閉したり、 力セッテの側面板を引き出したりするタイ プのカセッテでは、 カセッテ側面の外周を切れ目無 V、構造で構成できないの で、 フロント側からの荷重に対して弱い構造となっている。 一方、 この実施の 形態では、 フロント板 1 0のフレーム 1 1が前面板 1 3の外周を切れ目無く覆 う構造となっているので、 撮影中に力セッテ 1のフロント板 1 0側からかかる 荷重をフレーム 1 1全体で均等に受け止めることできる。 このため、 フロント 板 1 0側からかかる荷重に対して極めて強!/、構造となっている。
パック板 2 0は、 バック板本体 2 1、 X線吸収シート 2 5と、 支持板 2 7 と、 輝尽性蛍光体シート 2 8より形成される。
輝尽性蛍光体シート 2 8は、 X線吸収シート 2 5を介して支持板 2 7に接着さ れており、 支持板 2 7は、 両面テープや接着剤などによって張り替え可能な強さ で接着部 2 1 4の表面に接着されている。 X線吸収シート 2 5は、 例えば鉛シー トであり、 輝尽性蛍光体シート 2 8を透過した X線を吸収する。 これにより、 支 持体 2 7ゃバック板本体 2 1などの輝尽性蛍光体シート 2 8の後方に位置する 力セッテ 1の構造物からの後方散乱線や、 力セッテ 1のさらなる後方に存在する かも知れないその他の構造物からの後方散乱線が、 輝尽性蛍光体シート 2 8に到 達するのを防ぐ役割をはたす。 接着部 2 1 4とリブ 2 1 5は空気相 2 3を形成 し、 力セッテの軽量化に貢献する。 このように、 支持板 2 7を有する輝尽性蛍光 体シート 2 8は、 パック板本体 2 1と引き剥がし可能な形態で一体構造を形成し ている。
輝尽性蛍光体シート 2 8を交換したい場合は、 支持板 2 7ごと接着部 2 1 4 から剥がし取り、 その後、 新しい輝尽性蛍光体シート 2 8が添付された支持板 2 7を、 両面テープや接着剤などによって接着部 2 1 4に接着すれば良い。 支 持板 2 7と接着部 2 1 4の接着に両面テープを使用する場合は、 支持体 2 7側 の接着部 2 1 4との接着箇所に予め両面テープを接着しておくのが好ましい。
予め支持体 2 7側に両面テープを接着しておけば、 バック板本体 2 1から支持 板 2 7を引き剥がす際に、 両面テープがパック板本体 2 1の接着部 2 1 4側に 残らず、 輝尽性蛍光体シート 2 8の支持板 2 7と一緒に剥がれるので、 次の輝 尽性蛍光体シート 2 8の貼り付け時に、 接着部 2 1 4の接着面の淸掃処理 (前の 両面テープの残骸を清掃する処理) が容易になる。
また、 輝尽性蛍光体シート 2 8の交換を容易にするために、 支持板 2 7を両面 テープや接着剤などによって接着部 2 1 4に接着するのではなく、 磁力によって 吸着するように構成しても良い。 例えば、 支持板 2 7の裏面 (輝尽性蛍光体シー ト 2 8が貼り付けられていない方の面) の一部 (接着部 2 1 4との接着面) にマ グネットを接着し、 一方、 接着部 2 1 4、 若しくは接着部 2 1 4の表面を磁性体 の物質で構成する。 このような構成を取れば、 輝尽性蛍光体シート 2 8が接着さ れた支持板 2 7を簡単にパック板 2 0から取り外すことができる。 また、 支持板 2 7の裏面の一部 (接着部 2 1 4との接着面) に磁性体を配し、 接着部 2 1 4若 しくは接着部 2 1 4の表面部分をマグネットで構成するようにしても、 同様の効 果が得られることは言うまでもない。
支持板 2 7には、軽量で温湿度変化による変形が少なく、かつ平面性の良い 0 . 5 mn!〜 3画程度の厚みを持った樹脂板、例えば、 ガラスエポキシ樹脂板や紙フエ ノール樹脂板などの樹脂板や、 軽量で強度のある炭素繊維強化プラスチックなど を使用することができる。 また、 支持板 2 7としてアルミニウムやマグネシウム 合金の様に軽量な金属板を使用しても良い。
支持板 2 7に金属を使用する場合は、 より軽量化するために、 小さな穴を金属面 全面にあける様にすると良い。
パック板本体 2 1は、 パック板裏面 2 1 0と、 バック板側面 2 1 1と、 リム 2 1 2と、 リブ 2 1 5と、 鉄箔などの磁性体シート 2 9によって構成されてい · る。 リム 2 1 2の内側には、 遮光突起 1 1 5を受け入れるための凹部 2 2が形 成されている。
パック板 2 0とフロント板 1 0を図 2のように合体したとき、 ノ ック板 2 0の 回部 2 2へフロント板 1 0の遮光突起 1 1 5が入り込むように作用し、 フロント 板 1 0の凹部 1 2へパック板 2 0のリム 2 1 2が入り込むように作用する。 この
ような方法で、 外光が輝尽性蛍光体シート 2 8へ到達しないように遮光を行う。 フロント板 1 0の凹部 1 2へ例えばビ口一ドゃスポンジなどを貼り付けるとさ らに遮光性を向上することができる。
また、 図 2に示すように、 フロント板 1 0とパック板 2 0が合体した状態で、 フロント板 1 0の傾斜面 1 1 2の先端及びフレーム 1 1の内向面 1 1 3と、 パッ ク板側面 2 1 1の間にある程度の隙間が生ずるように設計されている。 この隙間 は、 フロント板 1 0とバック板 2 0の合体をスムーズに行うために必要な隙間で ある。 隙間の間隔は 0 . 2〜 2 mm程度あれば、 フロント板 1 0とパック板 2 0 の合体を十分スムーズに行うことができる。 また、 この隙間は、 フロント板 1 0 とパック板 2 0の製造誤差やパック板の熱膨張を吸収する意味でも重要であり、 フロント板 1 0とパック板 2 0の合体動作の信頼性と安定性を向上させている。 この実施の形態では、 上述したような凹部と凸部の組合せによる遮光方法を採 用しているため、 この隙間から入り込んだ外光が、 輝尽性蛍光体シート 2 8まで 到達して輝尽性蛍光体をかぶらせる心配は無い。
パック板本体 2 1は、 図 6の磁石 5 8へ磁力で吸着可能なように、 図 2に示す ように、 パック板本体 2 1を通常のプラスチックで形成し、 バック板裏面 2 1 0 に鉄箔などの磁性体シート 2 9を張り付ける構成とした。 磁性体シート 2 9の表 面には図示しないラミネートプラスチックが覆っているか、 もしくは塗料を塗布 した状態となっており、 磁性体シート 2 9が露出しない様に構成されている。 例 えば磁性体シート 2 9を貼るのでは無くパック板本体 2 1そのものを磁性体プ ラスチックなどで形成しても良い。 また、 パック板裏面 2 1 0に、 磁性体物質を 塗布する方法などを用いても良い。
また、 パック板裏面 2 1 0は、 磁石 5 8に吸着された時に、 磁石 5 8によって 形成される平面にパック板裏面 2 1 0が従うように設計されている。 すなわち、 パック板 2 0は、 ある程度の剛性を有すると共に、 磁石 5 8によって形成される 平面に従うことができるだけの柔軟性を有している。 このように、 パック板 2 0 にある程度の柔軟性を持たせることで、 例えばパック板 2 0が経年変化や使用状 況によつて変形したり反ったりしても、 磁石 5 8側の平面に従うことでパック板 2 0の変形や反りが矯正される。 従って、 画像情報読み取り時に輝尽性蛍光体シ
ート 2 8の表面を常に平面に保つことができる。
フロント板 1 0側から荷重のかかる撮影 (ベッド撮影や全荷重撮影など) が行 われると、 フロント板 1 0の前面板 1 3はノ ック板 2 0側に向けて相当量のそり を発生する。 この時、 パック板 2 0の剛性が高すぎるとパック板 2 0が平面性を 維持してしまうため、 輝尽性蛍光体シート 2 8が、 フロント板 1 0とパック板 2 0の双方から相当量押圧されることになり、 輝尽性蛍光体を痛めてしまう。 上述 したように、 パック板 2 0が、 ある程度の剛性と、 ある程度の柔軟性の双方を有 していれば、 パック板 2 0がフロント板 1 0からの押圧にから逃げる方向に、 あ る程度しなることができるので、 輝尽性蛍光体を痛めることが無くなる。
無論、 パック板 2 0に必要以上の柔軟性を持たせるべきではない。 ノ ック板 2 0に必要以上の柔軟性を持たせると、 力セッテ 1の耐久性が低下してしまう。 ま た、 パック板 2 0に必要以上の柔軟性を持たせると、 パック板 2 0の自重による パック板 2 0の弛み量が大きくなって遮光性で問題が生じたり、 撮影時に、 輝尽 性蛍光体面の平面性に問題が生じたりする。
また、 パック板本体 2 1を軽量に仕上げかつ曲げ強度を増す目的と、 輝尽性蛍 光体シート 2 8がフロント板 1 0側から押圧された時の変形量に歯止めをかけ る目的でパック板本体 2 1にはリブ 2 1 5が形成されている。 さらに、 フロント 板 1 0側から押圧された時に前面板 1 3が輝尽性蛍光体シート 2 8面に接触し て輝尽性蛍光体シート 2 8面を傷つけないように、 前面板 1 3の輝尽性蛍光体シ ート 2 8側の面に不織布 1 7を配してある。 不織布 1 7は、 前面板 1 3よりも小 さく輝尽性蛍光体シート 2 8の蛍光体塗布面よりも大きい (蛍光体塗布面全体を 力パーできる) サイズであることが好ましい。 不織布 1 7が蛍光体塗布面よりも 小さい場合、 不織布 1 7での X線吸収差が画像情報として輝尽性蛍光体シート 2 8に記録されてしまうため好ましくない。 また不織布 1 7に織り目があると、 織 り目による X線吸収差が画像情報として輝尽性蛍光体シート 2 8に記録されて しまうため、 出来るだけ織り目の無い不織布を使用することが好ましい。 また不 織布が毛羽立ち、 不織布の繊維が装置内部に浮遊してレーザー光学系などに付着 すると読み取り時のレーザー強度が一様でなくなり画像上に縦スジなどの画像 欠陥を発生させる原因となるので、 不織布 1 7はできるだけ毛羽立ちの少ないも
10300
15 のを使用するのが好ましい。 さらには、 不織布 17に樹脂などをしみこませたり 表面加工処理を施すことで、 毛羽立ち防止処理を施した不織布を使用するのが好 ましい。
フロント板 10とパック板 20は、 分離可能であるが、 通常は図 2に示すよ うに合体した状態で放射線撮影などが行われる。 次に図 3A〜3H、 図 4A及び 4Bを用いて、 力セッテ 1のロック機構につい て説明する。
フロント板 10とパック板 20を合体した状態に保っために、 力セッテ 1には ロック機構が用意されている。 パック板 20の 30 a、 30 b、 30 c、 30 d は、 ロック爪であり、 それぞれのロック爪の先端は、 口ック ON/OF F動作に 伴って開口部 31 a、 31 b、 31 c、 31 dから矢印 Q 1、 若しくは、 矢印 Q 2の方向に移動するように構成されている。
パック板 20の 32 a、 32 bは、 30 a、 30 b、 30 c、 30 dとは別の ロック爪である。 ロック爪 32 a、 32 bは、 ロック ON/O F F動作に伴って 開口部 33 a、 33 bの中を矢印 Q 1、 若しくは、 矢印 Q 2の方向にスライドす るように構成されている。
ロック ON状態とは、 ロック爪 30 a、 30 b、 30 c、 30 dの先端がパッ ク板側面 21 1より外側に突出た状態を言う。 この時、 ロック爪 30 a、 30 b、 30 c、 30 dのそれぞれの先端はフロント板 10のロック用囬部 16 a、 16 b、 16 c、 16 dに突入した状態にある。
口ック ON状態の時の図 4 Aの点線 U 1、 U 2における力セッテ 1の断面図を 図 3 A及び 3 Bに示す。
口ック ON状態では、 ロック爪 32 a、 32 bの先端は矢印 Q 1の方向へ移動 した状態にある。 この時、 フロント板 10の切り込み 15 a、 15 b (フレーム 内向面 113と傾斜面 112に設けられた開口) と、 ロック爪 32 a、 32 の 位相が合わない状態、 すなわち、 パック板 20がフロント板 10から分離できな い状態となっている。 この時の図 4 A及び 4 Bの点線 U 3、 U 4におけるカセッ テ 1の断面図を図 3 E及び 3 Fに示す。
ロック OFF状態とは、 ロック爪 30 a、 30 b、 30 c、 30 dの先端がパ ック板側面 211の内側に入り込んだ状態を言う。 この時の図 4 Aの点線 U 1、 U 2における力セッテ 1の断面図を図 3 C及び 3Dに示す。 口ック OFF状態で は、 ロック爪 32 a、 32 bは切り込み 15 a、 15 bと位相が合う状態となる ため、 パック板 20がフロント板 10から分離できるようになる。 この時の図 4 A及び 4 Bの点線 U 3、 U 4における力セッテ 1の断面図を図 3 G及び 3 Hに示 す。
ロック爪 30 a、 30 b、 32 a、 32 bは、 連結部材 35と連動するように 構成されている。 一方、 ロック爪 30 c、 30 dは、 連結部材 36と連動するよ うに構成されている。パネ 38 aは、その一端が連結部材 35に連結されており、 他端がパック板本体 21に連結されている。 このパネ 38 aにより、 連結部材 3 5は常に矢印 Q1方向に移動しょうとする力を受けている。 フロント板 10の挿 入穴 14は、 合体時にパック板 20の挿入穴 34に対応する位置関係に有る。
ロック〇N状態の時に、 揷入穴 14 (揷入穴 34) から棒状部材を矢印 Pの方 向へ 1回だけ挿入しプッシュすると、 連結部材 35が矢印 Q 2の方向へ所定の距 離だけ移動した状態で停止し、 図 3 C及び 3 Dに示す口ック O F F状態となる。 連結部材 35が矢印 Q 2の方向へ移動すると、 連結部材 35、 連結部材 36の 先端のラック形状とピニオン 37とによってラックとピニオンの動作が起こり、 連結部材 36も矢印 R 2の方向へ同じ距離だけ移動して停止する。 この時、 連結 部材 35と連動してロック爪 32 a、 32 bも矢印 Q 2の方向へ同じ距離だけ移 動して停止し、 図 3 G及び 3 Hに示すロック O F F状態となる。
すなわち、 ロック ON状態の時に、 揷入穴 14 (挿入穴 34) から棒状部材を 矢印 Pの方向へ 1回だけ挿入しプッシュすると、 口ック OFF状態へと移行し、 フロント板 10とパック板 20が分離可能な状態となる。 次に、 揷入穴 14 (揷 入穴 34 ) から棒状部材を作用させない限り、 このロック OFF状態は継続維持 される。
ロック OFF状態の時に、 挿入穴 14 (挿入穴 34) 力、ら棒状部材を矢印 Pの 方向へ 1回だけ挿入しプッシュすると、 連結部材 35が矢印 Q1の方向へ所定の 距離だけ移動した状態で停止し、 図 3 A及び 3 Bに示すロック O N状態へと移行
する。
連結部材 3 5が矢印 Q 1の方向へ移動すると、 前述のラックとピニオンの動作 が起こり、 連結部材 3 6も矢印 R 1の方向へ同じ距離だけ移動して停止する。 こ の時、 ロック爪 3 2 a、 3 2 bも矢印 Q 1の方向へ同じ距離だけ移動して、 図 3 E及び 3 Fに示すロック ON状態となる。
すなわち、 ロック O F F状態の時に、 揷入穴 1 4 (挿入穴 3 4 ) から棒状部材 を矢印 Pの方向へ 1回だけ挿入しプッシュすると、 口ック ON状態へと移行し、 フロント板 1 0とパック板 2 0が分離不可能な状態となる。次に、揷入穴 1 4 (揷 入穴 3 4 ) から棒状部材を作用させない限り、 このロック O N状態は継続維持さ れる。
このように、 この実施の形態の力セッテ 1では、 挿入穴 1 4 (挿入穴 3 4 ) か ら棒状部材を揷入しプッシュする度に、 ロック O N状態/ロック O F F状態が切 り替わる方式 (プッシュ .ラッチ方式) を採用している。 プッシュ .ラッチ方式 は、 ボールペンの芯をボールペン外装から出し入れする時に用いられる機構とし て良く知られている。 プッシュ 'ラッチ機構は図 4 Aのプッシュ 'ラッチ部 3 9 内に内包されている。 パネ 3 8 bはその一端がプッシュ ·ラッチ部 3 9に連結さ れており、 他端がパック板本体 2 1に連結されている。 このパネ 3 8 bによりプ ッシュ ·ラッチ部 3 9は常に矢印 Q 1方向に移動しょうとする力を受けている。 フロント板 1 0の切り込み 1 5 a、 1 5 bとロック爪 3 2 a、 3 2 bは、 カセ ッテ 1の側面側の中心位置 C (矢印 Cで表される位置) から所定の距離離れた場 所に配置してある。 切り込み 1 5 a、 1 5 bとロック爪 3 2 a、 3 2 bをカセッ テ 1の側面側の中心位置 Cからずらして配置することで (ただし、 ロック爪 3 2 aと切り込み 1 5 aのペアか、 ロック爪 3 2 bと切り込み 1 5 bのペアのいずれ か一方のペアが、 力セッテ 1の側面側の中心位置 Cからずらして配置されていれ ば、 他方のペアは力セッテ 1の側面側の中心位置 C上に配置されていても差し支 えない)、 パック板 2 0とフロント板 1 0の方向が正しい方向でないと合体しな いようになっている。 これにより、 例えば、 使用者が力セッテ内部の清掃ゃ輝尽 性蛍光体シート 2 8の張り替えなどの理由で力セッテ 1を分離し、 作業終了後に 再び合体しようとした時、 パック板 2 0とフロント板 1 0の方向を誤って合体さ
せる危険性を回避できる。
このように、 パック板 2 0とフロント板 1 0の方向を誤って合体させる危険性 を回避するための機構を、 逆入れ防止機構と呼ぶ。
また、 フロント板 1 0のフレーム 1 1 (例えば、 フレーム側面 1 1 0の内面や 傾斜面 1 1 2など) かパック板の外周部 (例えば、 パック板側面 2 1 1の外面) のいずれか一方に少なくとも 1つの凸部を設け、 他方に少なくとも 1つの凹部を 設け、 この凸部と凹部を、 フロント板 1 0とパック板 2 0が正しい方向で相対し た時のみ合致するように配置することで、 簡単に逆入れ防止機構を構築すること ができる。
例えば、 パック板側面 2 1 1の外面にロック爪 3 2 a、 3 2 bと同様な形状の 凸部を設け、 フロント板 1 0のフレーム 1 1に切り込み 1 5 a、 1 5 bと同様な 形状の凹部を設け、 この凸部と凹部を、 ロック O F F状態でのロック爪 3 2 a、 3 2 b , 切り込み 1 5 a、 1 5 bと同じ位置関係に配置することによって、 逆入 れ防止機構を構築することができる。
また、 ロック爪 3 0 a、 3 0 b、 3 0 c、 3 0 dだけで (ロック爪 3 2 a、 3 2 bが無い状態で) ロック機構を構成すると、 力セッテ 1をフロント板 1 0が垂 直方向上側を向くように保持した時、 パック板 2 0の口ック爪が存在しない辺 力 ノ ック板 2 0の自重により、垂直下側に向かって弛んでしまう。 このように、 ロック爪 3 2 a、 3 2 bによるロック機構は、 パック板 2 0が自重で弛まないた めの機構 (弛み防止機構) を兼ねることができる。
ただし、 パック板 2 0が自重での弛みが発生しにくい比較的小サイズのカセッ テ 1については、 このような弛み防止機構は必ずしも必要ではない。
また、 この実施の形態では挿入穴 1 4や揷入穴 3 4を矩形形状で表現している 、 これは、 揷入穴 1 4や挿入穴 3 4を矩形形状に限定するものではない。 例え ば、 円形形状等にしても良い。 図 5 A及び 5 Bは力セッテ 1のパック板 2 0を裏側 (フロント板 1 0と反対 側) から見た図である。 図 5 Aはロック ON状態、 図 5 Bはロック O F F状態を 示している。
パック板裏面 2 1 0上の挿入穴 3 4と同じ側には、 コード記憶素子 2 0 0が貼 り付けられている。 クリップ 2 0 1は、 コード記憶素子 2 0 0の反対側のパック 板裏面 2 1 0上に配置されている。
この実施の形態では、 コード記憶素子 2 0 0は、 光学的に読み取り可能なパタ ーンが印刷されたパーコードラベルであり、 コード記憶素子 2 0 0 (バーコード ラベル) は力セッテのサイズによらず力セッテ 1のコーナーから所定距離 Xの位 置に接着されている。
また、 コード記憶素子 2 0 0として、 電磁波やマイク口波などの無線技術を用 いて、 コード記憶素子 2 0 0に書き込まれたコードを読み取ることが可能な素子 を使用しても良い。 電磁波やマイク口波などの無線技術を用いてコードを読み取 り可能な素子を使用すると、 コード記憶素子 2 0 0とコード記憶素子 2 0 0の読 取装置の位置関係が多少ずれていてもコード記憶素子 2 0 0に記録されている コードを精度良く読み取ることができるので便利である。 このような素子とし て、 例えば、 非接触 I Dラベル (例えば ラベル) と呼ばれる素子などが使用で きる。
コード記憶素子 2 0 0に書き込まれているコードを、 電磁波やマイクロ波など の無線技術を用いて読み取る場合は、 コード記憶素子 2 0 0をパック板裏面 2 1 0ではなく、 パック板 2 0の内部に配置するようにしても良い。 読み書きが無線 技術によって行われるため、 コード記憶素子 2 0 0がパック板裏面 2 1 0上に存 在する必要はない。 この場合、 パック板裏面 2 1 0上に、 輝尽性蛍光体シート 2 8の識別番号 (I D番号) 等を印刷したラベルを貼り付けておくと、 視覚的にも 認識することができるのでより分かりやすい。
バーコ一ド読取方式と無線技術で読み取る方式を併用すれば、 さらに便利であ る。 この場合、 パーコードラベルの内容と無線技術で読み取る素子に記録した内 容が対応づけられていることが重要である。
コード記憶素子 2 0 0には、 輝尽性蛍光体シート 2 8の識別番号 ( I D番号) や製造年月日、 ロット番号、 輝尽性蛍光体のパージョン番号、 力セッテ 1のサイ ズ情報、 輝尽性蛍光体シート 2 8の感度補正情報 (もしくは感度情報) などを表 す番号がコードとして記録されている。 輝尽性蛍光体シート 2 8の感度補正情報
(もしくは感度情報) が記録されていれば、 この情報を読み取って輝尽性蛍光体 の感度を補正することが可能である。 例えば、 フォトマルチプライヤーなどの電 変換素子に与える電圧を変化させて光電変換素子の読取感度を変更することで、 輝尽性蛍光体シ一ト 2 8の感度パラツキを補正し、 常に一定の感度として画像情 報を読み取ることができる。 この様な感度補正は、 例えば対数アンプの出力を A D変換したデジタルデータを感度情報に従つてシフト処理することでも達成で きる。 この場合は、 フォトマルチプライヤーなどの電変換素子に与える電圧を変 化させる必要が無い。 図 6は、 この発明の放射線画像読取装置の実施の形態を示す図である。
装置本体 2にはカセッテの揷入口 3と、 力セッテの排出口 4と開閉扉 5とキヤ スター 6が用意されている。 また、 装置本体 2は、 搬送手段 4 0と副走査手段 5 0と読取手段 6 0とカセッテ挿入排出部 7 0と表示 ·操作手段 8 0と本体骨格部 9 0とから構成され、 カセッテ揷入排出部 7 0'は、 装置本体 2から簡単に取り外 し可能な構造になっている。
また、 副走査手段 5 0と搬送手段 4 0は、 本体骨格部 9 0の同一の基板 9 2上 に構築されている。 この基板 9 2と底板 9 1の間に防振ゴム 9 3を配置すること で、 力セッテ挿入排出部 7 0の振動を副走査手段 5 0に伝搬させない防振構造を 実現している。
また、 副走査手段 5 0の上端と図示しない装置フレームの間は、 防振ゴム 9 4 が配してあり、 副走査手段 5 0に対する防振構造を強化している。
このような防振構造により、 読取手段 6 0で輝尽性蛍光体シート 2 8から画像 情報を読み取つている最中に、 挿入口 3へ力セッテを挿入したり、 排出口 4から 力セッテを取り出したり、 装置本体 2を振動させたりしても、 読み取った画像情 報中に振動によるノイズが生じるのを防止することができる。
また、 副走査手段 5 0と搬送手段 4 0が同じ基板 9 2上に構築されているの で、 後述するように、 搬送手段 4 0から副走査手段 5 0へパック板 2 0を受け渡 す際に、 受け渡し位置がぶれることが無い。 これにより、 フロント板 1 0とパッ ク板 2 0の分離、 合体作業が安定的に精度良く実施できる。
また、 搬送手段 4 0が傾斜したときに搬送手段 4 0上の機構と基板 9 2が干渉 しないように、 基板 9 2には搬送手段 4 0上の機構を基板 9 2の下面側へ逃がす だけの開口部が設けてある。また、底板 9 1も同様の理由で開口部を有している。 この様に、 基板 9 2や底板 9 1に搬送手段 4 0上の機構を逃がすための開口部を 設けることで、 装置本体 2の高さを低く構築することが可能となった。
しかしながら、 底板 9 1に開口部を設けると、 外光が装置本体 2の中に入り込 み問題となる。 そこで、 底板 9 1の開口部を覆うための V型の窪みを持つ取り外 し可能な遮光板 9 5を用意し、 図 6の 9 5 aのように底板 9 1に下に凸となる状 態で取り付ける。 こうすることで、 搬送手段 4 0上の機構を底板 9 1の下面側へ 逃がしつつ、 外光が装置本体 2の中に入り込むことを阻止することができる。 しかしながら、 遮光板 9 5を図 6の 9 5 aのように下に凸となる状態で取り付 けると、装置本体 2を搬送する際に、遮光板 9 5の突起部が邪魔になる。そこで、 装置本体 2を搬送する際には、 遮光板 9 5を図 6の 9 5 bのように上に凸となる 状態で取り付ける。 こうすることで、 装置本体 2を搬送する際に、 遮光板 9 5の 突起部が邪魔になることがなくなる。
この様に、 底板 9 1に開口部を設け、 この開口部を遮光する V型の遮光板 9 5 を上に ώな状態と下に ώな状態の双方で取付られる様に構成し、 装置本体 2の搬 送時には上に凸、 装置本体 2を動作させる時には下に凸となるように底板 9 1に 取り付ける様にしたため、 搬送手段 4 0の回転移動を許可しつつ、 装置本体 2の 高さを低くすることができる。 次に、 この発明の放射線画像読取装置の動作について図 6〜図 1 2を用いて説 明する。
図 7はこの発明の放射線画像読取装置の搬送手段 4 0と副走査手段 5 0の関 係を示す図である。 図 8はこの発明の放射線画像読取装置のカセッテ揷入排出部 7 0を上から見た図である。 図 9はこの発明の放射線画像読取装置の表示 ·操作 部を正面 8 0から見た図である。 図 1 O A及び 1 0 Bはこの発明の放射線画像読 取装置のパック板受け渡し時の搬送手段 4 0と副走査手段 5 0の関係を示す図 である。 図 1 1はこの発明の放射線画像読取装置の上側基準及びセンター基準で
の力セッテ 1の位置関係を示す図である。 図 1 2はこの発明の放射線画像読取装 置の表示手段 8 1の表示内容の変化を示す遷移図である。
まずはじめに、 装置を起動するために図示しないサーキットブレーカを O Nに する。 次に図 9に示すオペレーションスィッチ 8 2を押す (操作 1 ) と、 装置本 体 2の図示しない制御部に電源が供給され、 オペレーションランプ 8 4が点灯す ると同時に、 表示手段 8 1 (この実施の形態では L C Dパネルである) にィニシ ャライズ中を示す表示が図 9、 若しくは図 1 2の 8 1 1に示すように表示され る。 同時に、 装置本体 2と図示しない制御部のイニシャライズが開始する。 ィニ シャライズ終了までの時間経過が使用者に良く分かるように、 図 9若しくは図 1 2の 8 1 1に示すような画と口によるバー表示を行い、 全て園の状態から全て口 の状態まで時間経過と共に園の数を 1つづつ口に置き換えるダウンカウント表 示を行う。 もしくは、 イニシャライズ終了までの時間経過を秒数表示するように しても良い。 イニシャライズが終了すると、 表示手段 8 1の表示が図 1 2の 8 1 2に示す様に 「READY」 表示となり、 装置本体 2へ力セッテ 1を挿入可能となる。 この発明の放射線画像読取装置は動作モードとして少なくとも 2つのモード を有してる。 1つが、 輝尽性蛍光体シート 2 8から画像情報を読み取るための読 取モードであり、 1つが、 輝尽性蛍光体シート 2 8から画像情報を消去するため の消去モードである。 装置が起動した時には読取モードが自動的に選択される。 消去モードには MO D E 1 (高速消去) と MO D E 2 (低速消去) の 2通りが用 意されている。 MO D E 1 (高速消去) は放射線撮影前、 もしくは前回画像情報 を読み取つてから一定時間経過後に実施する消去モードであり、 例えば、 毎朝全 ての輝尽性蛍光体シートを消去してから使用する際に用いられる消去モードで ある。 一方 MO D E 2 (低速消去) は例えば、 放射線撮影を誤ってしまった場合 で画像情報が不要な場合に使用する消去モードである。 次に消去モード及び表示手段 8 1に表示される内容の遷移について図 1 2を 用いて説明する。
消去モードへ移行するには、 図 9の消去スィツチ 8 3を 3〜5秒間長押しする (操作 2 )。 この操作 2により表示手段 8 1の表示が 「READY」 表示から図 1 2の
813に示す様に 「ERASE MODE 1 / 髓矚醒酾醒圏画酾酾隱01; I CK」 表示と なり、 消去モードに MODE 1 (高速消去) に移行すると共に 10秒間のダウン カウントがィニシャライズ時と同様の表示 (全て園の状態から全て口の状態まで 時間経過と共に園の数を 1つづつ口に置き換えるダウンカウント表示) で開始す る。この状態で 10秒間放置すると、自動的に読取モードに復帰する。「ERASE MODE 1 / ■■■■■■■■■躍」 表示から 10秒経過前に、 消去スィッチ 83を押す と (操作 3)、 表示手段 81の表示が 「ERASE MODE 2/ ■■■■■■■■■■ S LOW」 表示となり、 消去モードに MODE 2 (低速消去) に移行すると共に 1 0秒間のダウンカウントが開始する。 この状態で 10秒間放置すると、 自動的に 読取モードに復帰する。
消去モードに MODE 1 (高速消去)、 消去モードに MODE 2 (低速消去) 共に、 ダウンカウント中 (モード遷移後 10秒以内) に力セッテ 1を挿入口 3に 挿入すると (操作 5又は操作 6)、 力セッテ 1が装置本体 2の内部に取り込まれ、 消去が行われる。 消去が完了し、 次の消去が可能になった時点で、 表示手段 81 に再びダウンカウントが表示され、 以後同様にダウンカウントが終了するまでの 間に次の力セッテ 1を挿入口 3に揷入することで、 消去作業を連続して行うこと ができる。
この様に、 消去モードに入ると 10秒間のダウンカウントを行い、 ダウンカウ ントが終了するまでに力セッテ 1を揷入口 3に挿入すれば継続的に消去を行う ようにしたので、 複数枚を連続して消去したい場合などに、 いちいち消去モード へ入り直す手間が省ける。 また、 10秒間のダウンカウントが終了するまでに力 セッテ 1が挿入口 3に揷入されなければ、 自動的に読取モードへ復帰するように したので、 消去作業が終了後、 読み取りを行いたい輝尽性蛍光体シートを誤って 消去してしまう危険性を無くした。
この放射線画像読取装置での作業を終了したい (パワー OFFした) 場合は、 オペレーションスィッチ 82を 5秒間長押する (操作 7)。 この操作により表示 手段 81に 「パワー OFFマデ 5ビヨウ」 と表示され、 秒数表示部分が 5、 4、 3、 2、 1と切り替わり、 5秒経過後に 「パワー O F Fジユンビチュウ」 表示と なる。 この表示と共に、 ダウンカウントが開始される。 パワー OFFの準備が整
うと、 表示手段 8 1は消灯状態となり、 装置本体 2の制御部へ供給されていた電 源が遮断される。
なお、 上述したダウンカゥント表示を、 アップカウント表示としても、 本発明 の意図するところは同一であることは言うまでもない。
何れの状態、 何れのモードにあっても、 一且エラーが発生すると、 放射線画像 読取装置の動作が停止し、 図 1 2の 8 1 5に示されるエラーメッセージが表示手 段 8 1に表示される。 ここで 「X X X X X」 はエラーコードが表示される部分で あることを示しており、 「Y Y Y Y Y Y Y Y Y Y」 は使用者が行うべき操作もし くは作業内容が表示される部分である。 この様にエラーコードと共に、 装置本体 の表示手段 8 1に使用者が行うべき操作もしくは作業内容が表示されるので、 即 座にエラ一からの復帰を行うことができる。 次に図 6を用いながら、 この放射線画像読取装置の読取モードにおける読取動 作について説明する。 なお、 力セッテ 1の挿入、 排出操作及び装置内部でのカセ ッテ 1の動きについては、 消去モードにおける消去動作も以下に説明される内容 と同様である。
図 6に示すように、 放射線画像撮影が行われた力セッテ 1を矢印 A 1の方向で 揷入口 3へ挿入する。 この時、 挿入穴 1 4が下側になり、 かつ、 フロント板 1 0 の前面板 1 3が斜め下側を向くように揷入する。 すなわち、 輝尽性蛍光体シート 2 8の読み取り面が斜め下側を向くように挿入する。 また、 力セッテ 1はこの実 施の形態の場合、 揷入口 3の左側の壁に沿わせて左寄せで挿入する。
力セッテ挿入排出部 7 0の揷入ガイド部 7 1 aには、 7 0 1 a、 7 0 1 bが 1 対として作用する力セッテ検出センサ 7 0 1が配置してある。 7 0 1 aが赤外光 を発光する発光部であり、 7 0 2 bが発光部 7 0 1 aから発光された赤外光を受 光する受光部である。 力セッテ 1が揷入口 3に揷入されると、 力セッテ検出セン サの発光部 7 0 1 aから発光された赤外光が力セッテ 1によって遮られ、 カセッ テ検出センサの受光部 7 0 2 bに到達しなくなる。 この赤外光の遮蔽を力セッテ 検出信号として、 装置本体 2が力セッテ 1の揷入を検出する。
カセッテ検出センサ 7 0 1は図 8に示すように、 揷入口 3の左側に 7 0 1 a—
1, 7 0 1 b— 1の 1対と揷入口 3のセンターに 7 0 1 a— 2, 7 0 1 b— 2 の 1対の少なくとも計 2対の力セッテ検出センサ 7 0 1が用意されている。 少な くとも 2対の力セッテ検出センサ 7 0 1の全てが検出信号を発行した場合に限 り、 図示しない挿入モータによって挿入ローラ 7 2 aが駆動され、 この挿入ロー ラ 7 2 aの駆動により力セッテ 1が矢印 A 1の方向に搬送されて力セッテ 1の 先端が揷入口シャツタ 7 4に到達する。 力セッテ 1の先端が揷入口シャツタ 7 4 に到達後も、 しばらく挿入ローラ 7 2 aを駆動することで、 力セッテ 1が傾いて 挿入された場合でも力セッテ 1を挿入口シャツタ 7 4に水平となるように整列 させることができる。 挿入ローラ 7 2 bは従動ローラであり、 挿入ローラ 7 2 a と揷入ローラ 7 2 bで力セッテ 1が搬送に十分な力でニップされる。
少なくとも 2対の力セッテ検出センサ 7 0 1の内、 少なくとも 1対のセンサが 検出信号を発行しなかった場合は、 力セッテ 1が左寄せで挿入されなかったと認 識し、 表示手段 8 1 (この実施の形態では文字や記号を表示可能な液晶パネル) に力セッテ 1を左寄せで挿入するようにとのワーニングメッセージが表示され る。 この実施の形態のように、 1対の力セッテ検出センサ 7 0 1 a — 2, 7 0 1 b - 2を揷入口 3に配置することで、 如何なるサイズの力セッテ 1が如何なる方 向で挿入されても、 必ず力セッテ検出センサ 7 O l a— 2, 7 0 1 b— 2から検 出信号が発行されるので、 力セッテ 1が左寄せで挿入されなかった場合でも、 必 ず力セッテ 1を左寄せで挿入するようにとのワーニングメッセージを表示する ことができる。
また、 ワーニングメッセージの表示と同時に、 揷入口インジケータ 7 6が点滅 し、 警告音が鳴るので、 使用者は力セッテ 1の異常揷入があったことを見落とす ことが無い。
このように、 力セッテ 1を挿入後、 直ちに (力セッテ 1の一部が装置本体 2全 て取り込まれる前に) 異常挿入が報知されるので、 使用者は時間をロスすること なく、 直ちに力セッテ 1を再揷入したり力セッテ 1を左寄せするなどの是正処置 を実施することができる。
力セッテ 1の検出に伴い開始される図示しない挿入モータの回転が停止する と、 コード読取手段 7 0 2が力セッテ 1のコード記憶素子 2 0 0から、 力セッテ
1のサイズ情報をはじめとする前述したさまざまな情報を読み取る。 この実施の 形態では、 コード記憶素子 2 0 0がパーコードラベルであり、 コード読取手段 7 0 2がバーコードリーダであるが、 これに限定する物ではない。 図 8は力セッテ挿入排出部 7 0を上から見た図である。 この実施の形態では、 コード読取手段 7 0 2を揷入口 3の左側に配してあるので、 力セッテ 1を揷入口 3に対して左寄せ挿入することで、 コード記憶素子 2 0 0 (バーコ一ドラベル) の位置がコード読取手段 7 0 2 (パーコードリーダ) に対面し、 かつコード記憶 素子 2 0 0 (パーコードラベル) がコード読取手段 7 0 2 (パーコードリーダ) の読み取り可能な範囲に来るように構成されている。 コード記憶素子 2 0 0のコ 一ドの幅(バーコ一ドラベルの幅) をコード読取手段 7 0 2 (バーコ一ドリーダ) の読取り可能な範囲よりも小さいサイズとなるように構成したので、 力セッテ 1 の揷入位置が多少ずれても、 すなわち力セッテ 1が揷入口 3の左側の壁から多少 離れても、 力セッテ 1上のコード記憶素子 2 0 0 (パーコードラベル) の情報が コード読取手段 7 0 2 (パーコードリーダ) によって正確に読み取られるように 構成されている。 このように構成することで、 使用者が力セッテ 1の挿入に神経 を使わなくて済み、 力セッテ 1の挿入におけるストレスを軽減することができ る。
この実施の形態では、 力セッテ 1は揷入口 3に対して左寄せで挿入するが、 右 寄せで揷入しても良いことは言うまでもない。 この場合、 コード読取手段 7 0 2 は揷入口 3の右側に配置する。
カセッテ揷入排出部 7 0には揷入口インジケータ 7 6が配置されている。 挿入 口 3に力セッテが揷入可能な状態、 すなわち揷入口 3に力セッテ 1が存在せず、 かつ挿入口シャツタ 7 4が閉まつた状態では挿入口インジケータ 7 6が点灯し、 表示手段 8 1には力セッテが挿入可能な状態であることを示す表示、 例えば READYという表示がなされる。
揷入口 3に力セッテが揷入禁止の状態、 すなわち揷入口 3に力セッテ 1が存在 する場合、 若しくは、 力セッテ 1が装置本体 2の内部に取り込まれている最中、 若しくは、 力セッテ 1が装置本体 2の内部に取り込まれた直後で挿入口シャツタ
7 4が開いた状態の時には揷入ロインジケータ 7 6が消灯し、 力セッテが揷入禁 止な状態であることを示す。 表示手段 8 1には力セッテ 1が装置本体 2で処理中 であることを示す表示、 例えば BUSYという表示がなされる。
本実施例では、 力セッテが装置本体 2で処理中の場合、 すなわち、 挿入口 3に 力セッテ 1が検出されてから、 読取処理、 消去処理、 力セッテ排出処理を経て、 次の力セッテ 1を取り込み可能な状態になるまでの間、表示手段 8 1には「BUSY」 という文字が表示される。 「BUSY」 表示の間、 処理の経過が良く分かるように、 図 1 2の 8 1 8に示すような画と口によるパー表示を行い、 全て口の状態から全 て麵の状態まで時間経過と共に口の数を 1つづつ園に置き換えるアップカウン ト表示、 若しくはダウンカウント表示を行う。 口から園への表示切替は、 処理内 容の進行に準じて実施することが好ましい。 例えば、 力セッテ 1の揷入口 3から 装置本体 2内部への取り込み処理、 装置本体 2内部での力セッテ 1の搬送処理、 輝尽性蛍光体シート 2 8からの画像情報の読み取り処理、 輝尽性蛍光体シート 2 8に残存する画像情報の消去処理、 力セッテ 1の排出口 4への排出処理など、 処 理内容が変わるタイミングで口から騙への表示切替を順次実施すると、 使用者が 今どの処理中であるかの概要を知ることができると共に、 処理完了までの時間を 概算することができ、 大変便利である。 また、 処理終了までの時間経過を秒数表 示するようにしても良い。 読取処理、 消去処理が終了し、 力セッテ 1が排出口 4 へ排出され、 次の力セッテ 1を取り込み可能な状態になると、 表示手段 8 1には 力セッテが挿入可能な状態であることを示す 「READY」 という文字が表示される。 また、 力セッテ 1の異常揷入、 若しくは、 力セッテ 1以外の異常揷入があった 場合には、 挿入ロインジケータ 7 6が点滅し、 表示手段 8 1には異常挿入があつ たことを示すワーニングエラーメッセージが表示され、 合わせて警告音を発生さ せて、 使用者に異常揷入があったことを報知する。 この様に、 力セッテ 1の異常 挿入が検出された場合は、 力セッテ 1は装置本体 2の内部に取り込まれない。 ここで異常挿入とは以下の様な場合である。
1 ) 少なくとも 2対の力セッテ検出センサ 7 0 1の内、 少なくとも 1対のセン
サが検出信号を発行しなかった場合 (力セッテの左寄せ挿入がなされなかつた場 合など)。 この場合、 表示手段 8 1には、 力セッテ 1を左寄せするようにとのヮ 一二ングエラーメッセージが表示される。
2 ) コード読取手段 7 0 2がコードを読みとれない場合、 若しくは識別できな いコードを読み取った場合。 この場合、 表示手段 8 1には、 コード記憶素子 2 0 0 (この実施の形態ではパーコード) の読み取りエラーが発生したことを示すヮ 一二ングエラーメッセージが表示される。 コード読取手段 7 0 2がコードを読みとれない場合、 若しくは識別できないコ ードを読み取った場合は、 以下のようなケースが考えられる。
1 ) 力セッテ 1が逆さまに揷入された、
2 ) 力セッテ 1が裏返しに挿入された、
3 ) 異なる力セッテ若しくは異質物が挿入された、
4 ) コード記憶素子 2 0 0 (パーコードラベル) に記録されているコードが汚 れた、 若しくは破壌された、
5 ) コード記憶素子 2 0 0 (パーコードラベル) が貼られていない、 若しくは 正しい位置にない、 コード読取手段 7 0 2がコードを正確に読みとると、 挿入口シャツタ 7 4が開 き、 図示しない揷入モータによって挿入ローラー 7 2 aが駆動されて、 力セッテ 1が点線 aに沿って矢印 A 2の方向で装置本体 2の中へ取り込まれる。
力セッテ 1が装置本体 2の内部に取り込まれると、 挿入シャツタ 7 4が閉ま り、 図 8の投入インジケータ 7 6が点灯して (投入インジケータ 7 6は力セッテ 1は揷入可能な状態では点灯し、 挿入禁止状態では消灯する) 次の力セッテ 1を 挿入可能な状態となる。 この時点で次の力セッテ 1を挿入すると (この時点で、 投入インジケータ 7 6は消灯する)、 力セッテ 1に異常投入が無ければ、 投入口 一ラー 7 2 a、 7 2 bが動作して力セッテ 1はコード読取手段 7 0 2によるコー ド記憶素子 2 0 0の読取位置まですすみ、 投入ローラー 7 2 a、 7 2 bにニップ
された状態で停止する。 この時点で、 コード読取手段 7 0 2によってコード記憶 素子 2 0 0が読み取られ、 正常な読み取りが確認できると、 装置本体 2がこの力 セッテ 1を受取り可能な状態になるまで (先に装置本体 2の内部に取り込まれた 力セッテ 1の読み取りが完了し、 排出口 4から排出されたのち、 回転移動体 4 1 が図 6の点線 aの位置に戻って待機状態となるまで) 後から挿入した力セッテ 1 は揷入口 3で待機を続ける。 装置本体 2がこの力セッテ 1を受取り可能な状態に なると、 装置本体 2の内部に取り込まれる。 この様に、 殆ど続けて 2枚のカセッ テ 1を受け付けることができるので、 作業効率が向上する。 また、 力セッテ 1が 投入ローラー 7 2 a、 7 2 bにニップされて停止している状態で排出スィツチ 7 8を押すと、 投入ローラー 7 2 a、 7 2 bが逆転して、 揷入口 3に力セッテ 1が 排出される。 従って、 排出スィッチ 7 8による力セッテ 1の排出機能は、 カセッ テ 1を誤って挿入したことが分かった場合になどに役立つ。
搬送手段 4 0の回転移動体 4 1は、 揷入ローラー 7 2 aが始動した時点には、 既に点線 aの位置に待機しており、 挿入口 3から揷入ローラー 7 2 a、 7 2わに よって搬入される力セッテ 1を回転移動体 4 1に沿って上下動作する昇降台 4 3で受け取る。 昇降台 4 3上には昇降台センサ 4 3 0が配置されており、 昇降台 センサ 4 3 0が力セッテ 1の先端を検知すると、 力セッテ 1の取込み速度とほぼ 等速で動作し、 力セッテ 1と共に回転移動体 4 1上を下降する。 昇降台 4 3は、 コード記憶素子 2 0 0から読み取られた力セッテサイズ情報に従って、 力セッテ 1の上端が図 1 O A及び図 1 1の Zで示される位置で停止するように制御され る。
力セッテ 1の上端が図 1 0 A、 図 1 1の Zで示される位置で停止すると、 コー ド記憶素子 2 0 0から読み取られた力セッテサイズ情報に従って幅寄せ手段 4 2 a、 4 2 bが動作する。 すなわち、 図 1 0 A及び 1 0 Bの待避位置 S 1にいた 幅寄せ手段 4 2 a、 4 2 bが矢印 M lの方向に移動し、 力セッテ 1をホールドす る位置 S 2で停止する。 この時、 幅寄せセンサー 4 2 0 a、 4 2 0 bが O F Fか ら ONに変化する。幅寄せセンサー 4 2 0 a , 4 2 0 bが ONにならない場合は、 表示手段 8 1にそのエラー情報を表示して動作を停止する。
幅寄せ手段 4 2 a、 4 2 bが力セッテ 1をホールドする位置 S 2にあると
き、 幅寄せ手段 42 a、 42 bは図 10 Bで示される T 1面側の突起部 421 a、 421 bでフロント板 10のフレーム 11のみを抱え込む形でホールドし ている。 このとき、 幅寄せ手段 42 a、 42 bはパック板 20をホールドして いないため、 力セッテ 1のロックが OFFされれば、 ノ ック板 20は幅寄せ手 段 42 a、 42 bの突起部 421 a, 421 bと干渉することなく取り外すこ とができる。 このように、 幅寄せ手段 42 a、 42 bがフロント板 10のみを ホールドし、 パック板 20はホールドしない様に構成したので、 力セッテ 1の 幅寄せ機構とホールド機構を共通化でき、 装置の部品点数を削減すると共に装 置制御を簡略化することができる。 図 11は、 異なる力セッテサイズが、 回転移動体 41上でどのような位置関係 にあるかを示した図である。 1 Aは半切 (14インチ X 17インチ) サイズの力 セッテ、 1 Bは大角 (14インチ X 14インチ) サイズのカセッテ、 1 Cは大四 つ (11インチ X 14インチ) サイズのカセッテ、 1 Dは四切り (10インチ X
12インチ) サイズのカセッテ、 1 Eは六切 (8インチ X 10インチ) サイズの カセッテ、 1 F aは 24 X 30 c mサイズのカセッテ、 l F bは 24 X 30 cm サイズのマンモ撮影用カセッテ、 1 G aは、 18 X 24 c mサイズのカセッテ、
1 Gbは、 18 X 24 c mサイズのマンモ撮影用カセッテ、 111は15 30。 mサイズの歯科用力セッテである。 全ての力セッテが、 そのサイズによらず、 力 セッテ上端が矢印 Zの位置に来るように昇降台 43が位置制御される。 このよう に、 力セッテ 1の上端が回転移動体 41の常に同じ場所で止まる様に制御する方 法を上側基準制御と呼ぶことにする。
上側基準制御の利点は、 以下の 2点である。
1) 副走査手段 50がパック板 20を読取位置 Bまで搬送する時間を、 カセッ テサイズによらず最小にすることができるので、装置の処理能力(スループット) を向上させることができる。
2) 力セッテサイズによらず、 パック板 20の上端を副走査移動板 57より同 じ距離 Uだけ突出させることができるので (図 7、 図 10A、 図 11参照)、 幅
寄せ手段 4 2 a、 4 2 bの先端 T 1面 (図 7、 図 1 0 Β参照) を副走査移動板 5 7、 磁石 5 8と干渉させることなく副走査移動板 5 7、 磁石 5 8よりも装置奥側 へ逃がすことができる。 また、 副走査移動板 5 7、 磁石 5 8と干渉することなく 幅寄せ手段 4 2 a、 4 2 bが力セッテ 1のフロント板 1 0のフレーム 1 1を突起 部 4 2 1 a, 4 2 1 bで抱え込む形で力セッテ 1をホールドすることができる。 無論、 下側基準の制御、 すなわち力セッテ 1の下端が回転移動体 4 1の常に同 じ場所で止まるように昇降台 4 3の位置を制御する方法を採用しても良い。 この 場合、 力セッテ 1のサイズによらず昇降台 4 3を装置下端まで下降させることが できるため、 機構の制御は簡略化できる。 ただし上述した 2つの利点を得ること ができなくなる。
図 1 0 A、 図 1 1の点線 Vは、 副走査移動板 5 7の中心線である。 全てのカセ ッテの中心が、 この副走査移動板 5 7の中心線に合わさるように、 幅寄せ手段 4 2 a、 4 2 bが制御される。 すなわち、 力セッテ 1の装置本体 2内部への取込み が終了すると、 図 1 0 A、 図 1 0 Bい示すように、 幅寄せ手段 4 2 a、 4 2 bが 待避位置 S 1から矢印 M lで示される方向に移動し、 力セッテ 1をホールドする 位置 S 2で停止する (図 1 O Aの力セッテ 1は六切 (8インチ X I 0インチ) サ ィズの力セッテを想定している)。 この間、 昇降台 4 3上で左側に位置していた 力セッテ 1が、 昇降台 4 3上のセンター位置へ移動する。 以後、 搬送手段 4 0で の力セッテ 1の搬送、 副走査手段 5 0でのパック板 2 0の副走査、 力セッテ 1の 排出に至るまでの一連の処理が全てこのセンター位置にて実施される。 これをセ ンター基準の制御と呼ぶ。 前述の様に、 力セッテ 1を挿入口 3に挿入する際は、 左寄せで挿入するが (これを片側基準の制御と呼ぶ)、 力セッテ 1が装置本体 2 の内部に取り込まれた時点でセンター基準の制御に変更される。
通常、 フィルムを搬送したり、 輝尽性蛍光体シートを搬送する場合、 フィルム や輝尽性蛍光体シートを片側に寄せて搬送する片側基準の制御が行われる。 この 実施の形態の場合、 搬送手段 4 0 (回転移動体 4 1 ) や副走査手段 5 0は様々な サイズのカセッテ 1ゃパック板 2 0を扱わなければならないため、 片側基準の制 御では、 力セッテ 1やパック板 2 0の水平方向の重心位置と副走査移動板 5 7の
中心が合致せず、 精密搬送が要求される副走査のパランスが崩れて、 読み取り時 の速度ムラを招く恐れがある。 さらに、 輝尽性蛍光体シート 2 8が添付されたパ ック板 2 0はフィルムや輝尽性蛍光体シート単体に比べて相当に重量があるた め、 片側基準の制御のパランスの悪さは信頼性、 安定性の点で好ましくない。 従 つて、 この実施の形態ではセンター基準の制御が好ましい。
しかしながら、 力セッテ 1の挿入については、 前述した様に、 片側基準の制御 を行うことが好ましい。 すなわち、 片側基準の制御 (力セッテ 1を挿入口 3に対 して左寄せもしくは右寄せで揷入すること)によって、コード記憶素子 2 0 0 (パ 一コードラベル) の位置がコード読取手段 7 0 2 (バーコードリーダ) に対面し、 かつコード記憶素子 2 0 0がコード読取手段 7 0 2の読み取り可能な範囲に来 るように構成することができる。 力セッテ 1の揷入をセンター基準の制御で行つ た場合は、 力セッテ 1が挿入口 3に揷入された段階では、 コード記憶素子 2 0 0 , とコード読取手段 7 0 2の位置にずれが生じてコード記憶素子 2 0 0のコード が読み取れない場合が多くなるため、 コード記憶素子 2 0 0を読み取る前に、 何 らかの力セッテ位置調整機構が必要になり、 装置が複雑化して信頼性が低下す る。
しかしながら、 使用者の力セッテ 1の揷入のし易さとうい観点では、 力セッテ 1の挿入時に基準を設けず、 揷入口 3に対して自由な位置で力セッテ 1を揷入で きることが好ましい。 これを実現するための 1つつの手段として、 コード記憶素 子 2 0 0に、非接触 I Dラベル(例えば Sラベル) を使用することが考えられる。 この場合、 コ一ド読取手段 7 0 2は電磁波やマイクロ波などの無線技術を使用し てコード記憶素子 2 0 0記録された情報を読み取るため、 コード読取手段 7 0 2 とコード読取手段 7 0 2の位置関係が多少ずれていても問題がない。
コード記憶素子 2 0 0にパーコードなどの光学的読み取りが必要な素子を選 択した場合は、 揷入口 3、 もしくは装置本体 2の内部で力セッテ 1をセンター基 準、 もしくは片側基準に整列させた後にコ一ド記憶素子 2 0 0の情報を読み取る ようにすれば良い。
また、 搬送手段 4 0 (回転移動体 4 1 ) と副走査手段 5 0の間でパック板 2 0 を受け渡す際に、 昇降台 4 3の T 2面と、 副走査移動板 5 7 (または磁石 5 8 )
が干渉するために、 これを回避する策として副走査移動板 5 7に干渉回避開口 5
7 0を設けてある (図 1 O A参照)。 片側基準の制御では、 干渉回避開口の位置 が特定できず、 より複雑な機構が必要となるので、 この意味でも、 この実施の形 態ではセンター基準の制御が好ましい。
この実施の形態ではセンター基準の制御を採用しているが、 上記の問題を回避 した片側基準の制御を行ってもこの発明の本質を損なうものではない。
搬送手段 4 0の回転移動体 4 1は、 回転軸 4 5を有し、 この回転軸 4 5を回転 中心として、 少なくとも点線 aから点線 cの範囲 (角度 0の範囲) を搬送モータ ユニット 4 6を駆動することで自由に回転移動することができる。 回転移動は、 搬送モータユニット 4 6がピ-オンギア 4 7を駆動し、 ピニオンギア 4 7が回転 支持板 4 8の円弧上に形成された凹凸形状のラック歯 4 8 0の上を回転移動す ることで実施される。
力セッテ 1が搬送手段 4 0によって装置本体 2の内部に取り込まれると、 搬送 モータュニット 4 6が駆動されてピニオンギア 4 7が回転し、 回転移動体 4 1は 回転軸 4 5を回転中心として図 6の点線 aの位置から矢印 A 3の方向に点線 C の位置まで回転移動する。 回転移動体 4 1が点線 cの位置まで回転移動すると、 磁性体を有する力セッテ 1のパック板裏面 2 1 0が、 磁石 5 8に磁力で吸着され る。
この時、 力セッテ 1の磁石 5 8への押しつけ量を制御するために、 力セッテ 1 のフロント板 1 0を磁石 5 8側へパネ圧で押しつける機構(図示せず)によって、 力セッテ 1は磁石 5 8側へ押しつけられている。
昇降台 4 3には、 力セッテ 1のロック機構を ON/O F Fするためのロック開 閉機構 4 4とロックピン 4 4 0が配置してあり、 ロックピン 4 4 0が上下運動す ることによって、 力セッテ 1のロック機構を ON/O F Fすることができる。 副走査手段 5 0は、 支柱 5 1、 副走査レール 5 2 a、 5 2 b , 副走査可動部 5 3 a , 5 3 b、 プーリー 5 5、 スチールベルト 5 4、副走査移動板固定部材 5 6、 副走査移動板 5 7、 磁石 5 8、 釣り合い重り 5 9、 副走査モータと減速機により 構成される駆動部 (図示せず) より構成される。 副走査移動板 5 7は副走査移動 板固定部材 5 6を介して副走查可動部 5 3 aに固定されており、 スチールベルト
5 4の両端は副走査移動板固定部材 5 6と釣り合い重り 5 9に固定されている。 プーリー 5 5は図示しない駆動部に接続されており、 図示しない駆動部の動力を スチールベルト 5 4へと伝える。 副走査移動板 5 7と釣り合い重り 5 9は、 図示 しない駆動部の動力を受けて、 副走査レール 5 2 a、 5 2 b上をそれぞれ上下に 移動する。 副走査レール 5 2 a、 5 2 bとしては搬送性能が高いリニァガイ ドゃ リニアベアリングガイドなどが使用できる。 図示しない減速機には遊星ローラ減 速機やブーリ一減速機などが使用できる。
この実施の形態では、 磁石 5 8は、 所定の面積を有するラパーマグネット (永 久磁石) である。 ラパーマグネットは、 図 1 0 Aのように干渉回避'開口 5 7 0を 有する 1枚のシートを副走査移動板 5 7の全面に貼り付けても良いし、 ラパーマ グネットを所定の枚数に分割して副走査移動板 5 7に貼り付けても良い。 また、 ラパーマグネットは、 任意の形状を取ることができる。 また、 ラバ一マグネット の以外の永久磁石や電磁石を用いてもさしつかえない。
磁石 5 8のパック板裏面 2 1 0を吸着する表面部分は高い平面性を有し、 磁石 5 8がパック板裏面 2 1 0を吸着した時に、 パック板裏面 2 1 0の磁性体面が磁 石 5 8の平面に従うことで、 輝尽性蛍光体シート 2 8の読み取り面ができるだけ 完全な平面となるように考慮されている。 従って、 パック板 2 0が変形したり反 つていた場合でも、 バック板裏面 2 1 0が、 磁石 5 8に吸着された時点で、 その 変形や反りが矯正され、 輝尽性蛍光体シート 2 8の読み取り面は平面性を確保す ることができる。
パック板 2 0が磁石 5 8に吸着されると、 昇降台 4 3に付属するロック開閉機 構 4 4内に収納されていたロックピン 4 4◦が上昇し、 フロント板 1 0の挿入穴 1 4にロックピン 4 4 0の先端が挿入される。 この動作により、 ロック ON状態 にあった力セッテ 1のロックが解除され、 ロック O F F状態に移行する。 すなわ ち、 ノ ック板 2 0とフロント板 1 0が分離可能な状態となる。 力セッテ 1がロッ ク O F F状態に移行すると、 ロックピン 4 4 0が下降し、 再びロック開閉機構 4 4内に収納される。
力セッテ 1のロックが解除され、 ロック O F F状態に移行すると、 回転移動体 4 1が矢印 A 6の方向へ回転移動して待避位置 (例えば点線 bの位置) で停止す
る。 この操作により、 パック板 2 0とフロント板 1 0を完全に分離することが可 能となる。
図 7は、 パック板 2 0とフロント板 1 0を完全に分離し、 回転移動体 4 1が待 避位置で停止した状態の図である。 フロント板 1 0をパック板から十分な角度で 待避させることで、 パック板 2 0が副走査動作した時に、 パック板 2 0とフロン ト板 1 0が干渉することを防止することができる。 このように、 パック板 2 0と フロント板 1 0を分離する一連の作業を行う手段を総称して分離手段と呼ぶ。 図 6及び図 7の 5 0 2はパック板吸着センサであり、 バック板 2 0が磁石 5 8 に吸着されているときに ONとなり、 パック板 2 0が磁石 5 8から離れると O F Fとなる。 本来パック板吸着センサが O Nであるべき時間帯にこのセンサが O F Fを出力すると、 磁石 5 8力、らノ ック板 2 0が剥がされたか落下したと見なし、 エラーと判定される。
分離手段により、 パック板 2 0がフロント板 1 0から完全に分離されると、 図 示しない駆動部が作動し、 パック板 2 0が矢印 A 4の方向 (上方向) へ搬送 (副 走査) される。 この副走査の動作中に、 輝尽性蛍光体シート 2 8がレーザー走査 ュニット 6 1から射出されるレーザー光 Bによって副走査方向と垂直な方向に 主走査される。
輝尽性蛍光体シート 2 8にレーザー光が作用すると、 輝尽性蛍光体シート 2 8 に蓄積された放射線エネルギーに比例した輝尽光 (画像情報) が放出され、 この 輝尽光が集光ミラー 6 4と光ガイ ド 6 2の端面で集光され、 光ガイド 6 2を通つ て集光管 6 3に集められる。 集光管 6 3は例えば特願 2 0 0 0— 1 0 3 9 0 4号 明細書に記載されているような構造を有する集光管を使用することが好ましい。 集光管の端面には図示しないフォトマルチブラーヤー等の光電変換素子が配し てあり、 集光された輝尽光を電気信号に変換する。 電気信号に変換された輝尽光 は、 画像データとして所定の信号処理を施された後に、 装置本体 2から図示しな い通信ケーブルを介して、 操作端末や画像記憶装置、 画像表示装置、 ドライィメ 一ジャーなどの画像出力装置 (何れも図示せず) へ出力される。 このようにレー ザ走査ュニット 6 1、 光ガイド 6 2、 集光管 6 3、 光電変換素子等で構成される 画像情報を読み取る手段を、 読取手段 6 0と呼ぶ。 読取手段 6 0は、 輝尽性蛍光
体シート 2 8から画像情報を読み取る手段であれば、 この実施の形態以外の構成 で達成しても良いことは言うまでもない。
ここで、 読取動作に関わる幾つかの制御について図 6を用いて説明する。 5 0 3は、 読取開始センサである。 副走査移動板 5 7が上昇するとこのセンサが O F Fから ONに変化し、 このタイミングを利用して、 図示しない制御部が読取開始 時間やレーザ点灯開始時間を算出する。
5 4 0は剥がれ検出手段である。 この剥がれ検出手段 5 4 0でパック板 2 0に 貼り付けられた輝尽性蛍光体シート 2 8及び支持板 2 7がパック板から浮き上 がっていないか、 剥がれかかっていないかを検出する。 もしも輝尽性蛍光体シー ト 2 8及び支持板 2 7がパック板から浮き上がっていたり、 剥がれかかってる場 合は、 輝尽性蛍光体シート 2 8及び支持板 2 7が集光ミラー 6 4や光ガイド 6 2 の端面と干渉して集光ミラー 6 4や光ガイド 6 2を破壊したり、 輝尽性蛍光体シ ート 2 8の表面を傷つけたりする恐れがある。 そこで、 剥がれ検出手段 5 4 0で 輝尽性蛍光体シート 2 8及び支持板 2 7の浮き上がりや剥がれを検出し、 もしも 輝尽性蛍光体シート 2 8及び支持板 2 7の浮き上がりや剥がれが検出された場 合には、 副走査動作を停止して、 副走査移動板 5 7をフロント板 1 0との合体位 置まで下降させる。
剥がれ検出手段 5 4 0は例えばローラーとセンサの組合せで実現する。 半切サ ィズの短辺方向とほぼ同等の長さを持つ剥がれ検出ローラー 5 4 1を水平方向 に保持し、 この剥がれ検出ローラー 5 4 1の軸を固定するために使用する押さえ 棒 5 4 2を支軸 5 4 4を介して装置前面側に延ばし、 この後端に剥がれ検出セン サ 5 4 3を配置する。 輝尽性蛍光体シート 2 8や支持板 2 7が上昇時にこの剥が れ検出ローラー 5 4 1に接触すると、 支軸 5 4 4を支点として押さえ棒 5 4 2が 傾斜し、 剥がれ検出センサ 5 4 3がこの傾斜を検出して図示しない制御部に剥が れ検出信号を通知する。
輝尽性蛍光体シート 2 8から画像情報の読み取りが完了すると、 図示しない駆 動部が、 パック板 2 0を矢印 A 5の方向 (下方向) へ搬送を開始する。 パック板 2 0が矢印 A 5の方向へ搬送されている間、 消去手段 6 5から消去光 Cが発光さ れ、 輝尽性蛍光体シート 2 8に残存する画像情報を消去する。 消去手段 6 5で使
用される消去ランプには、 ハロゲンランプや高輝度蛍光灯、 L E Dアレイなどが 使用できる。
この実施の形態では、 消去ランプが n本 (n〉 l ) 用意されている。 また、 図 示しないランプ切れ検知手段が、 消去ランプのランプ切れが発生していないか監 視している。 n本ある消去ランプの内、 m本 (mく n ) がランプ切れを起こした ことがランプ切れ検知手段によつて検知されると、 消去速度がランプ切れが無い 場合の消去速度の略 (n— m) / nとなるように制御され、 ランプ切れが無い状 態と同じ光量で消去が行われる様に制御される。 この様に制御すことで、 ランプ 切れが生じても、 装置が使えなくなることを防ぎ、 ランプ切れ以降も読取作業、 消去作業を継続することができる。
また、 ランプが切れで消去光量が低下したまま消去を行うことが無いので、 消 去が不十分なまま次の撮影がなされて、 前の画像の消し残りが次の画像情報のノ ィズとなり、 診断情報を損なう危険性が無い。
また、 n本全ての消去ランプがランプ切れを起こしたことがランプ切れ検知手 段によって検出されると、 表示手段 8 1に全ての消去ランプがランプ切れを起こ したこと伝えるエラーを表示し、 それ以降は読取動作、 消去動作共に行えない様 に制御する。 こうすることによって、 消去を行えない状態での読取作業、 消去作 業を禁止し、 消去を行っていない力セッテ 1を使用して放射線撮影を行う事故を 防止する。
この実施の形態では、 読取モードが選択されている場合、 副走査手段 5 0の往 路 (上方向への搬送) で画像情報の読み取りを行い、 副走查手段の復路 (下方向 への搬送) で残存する画像情報の消去を行うように構成したので、 副走査手段の 往復運動に要する時間を無駄に消費することなく有効に利用することができる。 これにより、 放射線画像読取装置の処理能力 (スループット) を向上することが できる。
また、 消去モードが選択された場合は、 副走査手段 5 0の往路 (上方向への搬 送) で消去を行い、 副走査手段 5 0の復路 (下方向への搬送) でも消去を行うよ うにしたので、 読取モードのサイクルタイムに比べて消去モードのサイクルタイ ムを向上させることができる。
また、 消去モードが選択された場合に、 副走査手段 5 0の往路 (上方向への搬 送) では消去は行わずに、 副走査手段 5 0の復路 (下方向への搬送) のみで消去 を行うようにしても良い。 この場合は、 消去モードのサイクルタイムの向上は望 めないが、 消去モードの制御を読取モードの制御と同等にすることが可能で、 制 御を簡略化することができる。
また、 この実施の形態では、 消去手段 6 5を読取手段 6 0の垂直方向下段に配 置したので、 読取手段 6 0による画像情報の読み取り作業が終了すると、 直ちに 副走査手段 5 0の移動方向を復路方向 (下方向) へと切り替えることが可能とな る。 これにより、 副走査手段 5 0の往復運動中に時間のロス無く消去作業を開始 できるので、 放射線画像読取装置の処理能力 (スループット) をさらに向上する ことができる。
また、 消去手段 6 5を読取手段 6 0の垂直方向下段に配置したことで、 パック 板 2 0の下端が読取手段 6 0での読取位置 Bを通過することが無くなるので、 パ ック板下端が光ガイ ド 6 2などの集光部材に干渉してバック板の下降ができな くなるという事故を未然に防ぐことができる。 このため、 装置の信頼性、 安定性 を向上させることが可能となる。
パック板 2 0が、 下降した時点で、 副走査原点センサ 5 0 1で副走査方向の原 点位置を確認し、 原点位置を基準にして磁石 5 8に受け渡された位置まで上昇 し、 パック板 2 0の移動を停止する。
パック板 2 0力 磁石 5 8に受け渡された位置で停止すると、 待避位置に待避 していた回転移動体 4 1が、 再び点線 Cの位置まで回転移動し、 パック板 2 0と フロント板 1 0を合体させる。 バック板 2 0とフロント板 1 0が合体すると、 口 ック開閉機構 4 4内に収納されていたロックピン 4 4 0が上昇し、 フロント板 1 0の揷入穴 1 4にロックピン 4 4 0の先端が挿入される。 この動作により、 ロッ ク O F F状態にあった力セッテ 1にロックがかかり、 ロック O N状態に移行す る。 すなわち、 パック板 2 0とフロント板 1 0が分離不可能な状態となる。 カセ ッテ 1がロック ON状態に移行すると、 ロックピン 4 4 0が下降し、 再びロック 開閉機構 4 4内に収納される。 このように、 力セッテ 1のロック状態をロック O F F状態からロック O N状態に移行させる一連の作業を行う手段を総称して合
2003/010300
39 体手段と呼ぶ。
合体手段 ίこよりバック板 2 0とフロント板 1 0の合体作業が完了すると、 回転 移動体 4 1は再び矢印 A 6の方向に点線 bの位置まで回転移動して停止する。 こ のように磁石 5 8からパック板 2 0 (力セッテ 1 ) を引き剥がす動作が回転移動 を伴って行われるので、 平行移動で引き剥がす場合に比べて小さな力でバック板 2 0 (力セッテ 1 ) を磁石 5 8から引き剥がすことが可能である。 回転移動体 4 1が点線 bの位置で停止すると、 幅寄せ手段 4 2 a、 4 2 bが図 1 0 A、 図 1 0 Bに示されるホールド位置 S 2から矢印 M 2の方向に移動し、 待避位置 S 1で停 止する。 これにより、 フロント板 1 0のホールド状態が解除され、 力セッテ 1が 回転移動体 4 1上を昇降可能な状態となる。
フロント板 1 0のホールド状態が解除されると、 昇降台 4 3は回転移動体 4 1 に沿って排出口 4の方向へ力セッテ 1を搬送し、 力セッテ 1を排出ローラー 7 3 a、 7 3 bへ受け渡す。 排出ローラー 7 3 a、 7 3 bは、 力セッテ 1を受け取る と、 力セッテ 1が排出口 4へ完全に排出されるまで排出動作を行う。 力セッテ 1 が排出口 4へ完全に排出されると、 回転移動体 4 1は、 矢印 A 6の方向に点線 a の位置まで回転移動して停止し、 次の力セッテ 1を受け取り可能な状態へと移行 する。
この実施の形態では、 排出口 4に 2〜 5枚程度のカセッテ 1をスタックできる スタツ力部を有している。 排出口 4への排出が完了した直後の力セッテ 1の位置 を図 6の l aで表すと、 1 aの場所に排出された力セッテ 1は、 力セッテ 1の自 重によって力セッテ 1の上端から矢印 A 8の方向へ倒れ込み、 最終的に 1 bで表 される位置へ移動する。 この動作が、 力セッテ 1の自重のみで行われるように、 排出口 4の底板部 7 1 cを 1 a側から 1 b側に向けて傾斜させておく。 底板部 7 1 cは樹脂部品で成形されており、 その表面は力セッテ 1との摩擦抵抗を少なく するためにリブ形状を有している。 また力セッテ 1との摩擦でリブ形状が削れて 滑り性が低下しない様にテフロンコートが施されている。
また、 力セッテ 1を 1 a側から 1 b側に確実に搬送するため、 例えば力セッテ 1の下部を矢印 A 8の方向へ搬送するような排出力セッテ搬送機構を設け、 カセ ッテ 1全体が 1 aの位置から 1 bの位置まで確実に移動するように構成するよ
うにしても良い。 排出力セッテ搬送機構は、 ベルト搬送方式やローラー搬送方式 などを採用することで実現することができる。 また、 図示しない機構により、 力 セッテ 1を 1 a側から 1 b側へ向けて押し出すような機構を採用しても良い。 基 本的には、 排出口 4から排出された力セッテ 1力 排出ローラー 7 3 a、 7 3 b の出口をふさがないように配慮されていれば、 排出ローラー 7 3 a、 7 3 bから 排出された力セッテ 1が排出口 4のスタツ力部内でどのような形態や位置関係 を取っていても良い。
排出口 4は 2〜 5枚程度の排出カセッテ 1 (以後、 排出口 4から排出された力 セッテ 1を、 適宜、 排出力セッテ 1と呼ぶことにする) をスタックできるように 構成されているので、 使用者は、 排出口 4が排出力セッテ 1で満杯になるまで、 排出力セッテ 1を撤去することなく、 順次揷入口 3へ撮影済みの力セッテ 1を揷 入することができる。 一般的に放射線撮影の検査は 1検査で力セッテ 1を 1〜 5 枚、 平均で 1 . 8枚程度使用するので、 排出口 4が、 排出力セッテ 1を 2〜 5枚 程度スタックできるように構成しておけば、 検查中に、 使用者は排出力セッテ 1 の撤去に煩わされることが少なくなり、 作業を効率的に行うことができる。
排出口 4のスタツ力部が排出力セッテ 1で満杯の場合に、 排出口 4から次の力 セッテ 1を排出すると、 排出口 4に既にスタックされていた排出力セッテ 1が新 たに排出された力セッテ 1に押し出されて落下したり、 無理に力セッテ 1を排出 しょうとして故障をおこすなどの不具合が生じる。 そこで、 排出口 4のスタツ力 部が排出力セッテ 1で満杯であるか否かを検出する図示しないセンサー若しく は機構を設けて、 排出口 4のスタツ力部が排出力セッテ 1で満杯であるか否かを 検出する。
この実施の形態では、 排出ローラー 7 3 a、 7 3 bの上部に存在し、 排出ロー ラー 7 3 a、 7 3 bの隙間からの漏れ光を遮光する目的で使用する排出シャツタ 一 7 5を用いてスタツ力部が排出力セッテ 1で満杯であるか否かを検出する。 す なわち、 排出シャッター 7 5が力セッテ 1を排出後に閉じた場合は、 スタツ力部 が満杯でないと判断し、 排出シャッター 7 5が力セッテ 1を排出後に閉じなかつ た場合は、 スタツ力部が満杯であると判断する排出シャッター開閉検出手段 (図 示せず) も設け、 この排出シャッター開閉検出手段からの検出信号によって図示
しない制御部がスタツ力部の満杯を検出する。 この制御を行うために、 スタツ力 部を満杯にする力セッテ 1が排出された場合は、 排出シャッター 7 5が閉じきら ない様に構成する。 この様に、 排出シャッター 7 5の開閉だけでスタツ力部の満 杯を検出できるので、 簡単な構成で装置を構築することができる。
排出口 4のスタツ力部が排出力セッテ 1で満杯の場合には、 以下のような手段 により、 この不具合を回避することが好ましい。
1 ) 揷入口 3へ力セッテ 1を挿入できないようにする。
2 ) 揷入口 3へは力セッテ 1を挿入可能だが、 装置本体 2の内部へ力セッテ 1 を取り込まないようにする。
3 ) 揷入口 3へ挿入された力セッテ 1を装置本体 2の内部へ取り込むが、 画像 情報を読み取る前で停止するようにする。
4 ) 揷入口 3へ揷入された力セッテ 1を装置本体 2の内部へ取り込んで画像情 報を読み取り後、 力セッテ 1を排出口 4へ排出する前で停止するようにする。 また、 上記のような手段を取ると同時に、 排出口 4のスタツ力部が排出カセッ テ 1で満杯であることを以下のような手段により、 使用者に伝えることが好まし い。 1 ) 表示手段 8 1にワーニングエラーメッセージを表示したり、 排出インジケ ータ 7 7を点滅させたり、 また警告音を発したりすることで使用者に伝える。
2 ) 表示手段 8 1や装置本体 2に接続された図示しない操作端末のモニターな どに、 メッセージを表示することで使用者に伝える。
3 ) 揷入口 3に蓋 (図示せず) を設け、 蓋が閉まって力セッテ 1を挿入できな いようにすることで使用者に伝える。 使用者によって排出力セッテ 1の一部または全部が撤去されて、 排出口 4のス タッカ部が満杯状態ではなくなると、 装置本体 2の内部ゃ揷入口 3で停止してい た力セッテ 1の処理が自動的に再開されることが好ましい。
また、 力セッテ 1を装置本体 2に取り込む動作中や、 力セッテ 1を装置本体 2 に取り込んだ後の搬送動作中や、 読取動作中、 また、 力セッテ 1を装置本体 2か ら排出する動作中などに何らかの不具合が生じて、 動作が継続できなくなる場合 が考えられる。 例えば、 力セッテ 1の搬送動作中に搬送手段 4 0に不具合が生じ て、 搬送動作を継続することができなくなったり、 パック板 2 0の副走査手段 5 0への受け渡し時にパック板 2 0やフロント板 1 0が落下してしまったり、 フロ ント板 1 0とパック板 2 0が分離できなかったり、 フロント板 1 0とパック板 2 0が合体できなかったりなど、 色々な不具合が生じうる。
このような不具合が生じた場合には、 排出口 4のスタッカ部が排出カセッテ 1 で満杯であることを使用者に伝えるのと同様な手段で、 不具合が生じたことを使 用者に伝えることが好ましい。
また、 力セッテ 1を装置本体 2の内部に搬送後、 力セッテ 1を排出可能な状態 でエラーが生じた場合には、 力セッテ 1を挿入口 3へは排出せずに、 排出口 4の 方へ排出することが好ましい。 理由は、 力セッテ 1を装置本体 2の内部に搬送し た後は、 使用者が、 次の力セッテ 1を挿入口 3へ揷入しょうとしているかもしれ ないからである。
また、 挿入口 3に次の力セッテ 1が挿入されたか否かを力セッテ検出センサー 7 0 1で調査し、 揷入口 3に力セッテ 1が検出されなかった場合は、 揷入口 3へ 力セッテ 1を排出するようにしても差し支えない。
また、 画像情報の読み取り前にエラーが発生した場合は揷入口 3に排出し、 画 像情報の読み取り中または読み取り後にエラーが発生した場合は、 排出口 4に排 出するなど、 処理の進行状況に応じて、 力セッテ 1の排出先を変更するようにし ても良い。 また、 力セッテ 1を排出せずに、 装置内部に止めたまま装置の動作を 停止するようにしても良い。
また、 エラーが生じた場合は、 エラーが生じた力セッテ 1を特定するための情 報、 例えばコード記憶素子 2 0 0に記憶されている輝尽性蛍光体シート 2 8の識 別番号 (I D番号) などをエラーメッセージと共に、 表示手段 8 1や、 装置本体 2に接続されている図示しない操作端末のモニターなどに表示して、 使用者がェ ラーが生じた力セッテ 1を見分けられるようにすることが好ましい。
特に、 エラーの生じた力セッテ 1を挿入口 3や排出口 4に排出する場合は、 ェ ラーが生じた力セッテ 1を特定するための情報やエラーの内容を示すエラーメ ッセージを使用者に伝えることが好ましい。
また、 エラー発生時、 力セッテ 1を排出せずに、 装置内部に止めたまま装置の 動作を停止する場合は、 表示手段 8 1や図示しない操作端末などに、 装置内部の どの位置で力セッテ 1 (若しくはパック板 2 0、 若しくはフロント板 1 0など) が停止しているかをマンガ絵で図解表示したり、 どのような操作手順で装置内部 に停止している力セッテ 1 (若しくはバック板 2 0、 若しくはフロント板 1 0な ど) を取り出せば良いかの指示メッセージを表示したりすれば、 短い時間で装置 内部に停止した力セッテ 1 (若しくはパック板 2 0、 若しくはフロント板 1 0な ど) を取り出すことができる。
また、 力セッテ 1を外部に排出できない状態でエラーが生じた場合、 または、 力セッテを装置内部に止める様に制御する場合には、 装置の動作を停止し、 カセ ッテ 1を装置内部に残した状態で、 エラーが発生したことを使用者に通知する。 この際、 力セッテが装置の内部に止まっていること、 その力セッテを撤去すべき ことをエラーメッセージと共に通知することが好ましい。 この様に、 エラ一情報 と共に、 使用者がそのエラーに際して取るべきアクションをメッセージとして表 示することが好ましい。
力セッテ 1や装置機構に関わるェラ一以外に生じうるエラーとしては、 電気的 なエラ一、 ソフトウエア上のエラー、 通信エラ一、 光学的なエラーなどが考えら れる。 これらのエラーが生じた場合もエラーの内容をエラーメッセージとして使 用者に通知することが望ましい。
医療現場で用いられる装置の場合、 装置が不具合で停止した時は、 不具合が生 じたことを使用者に伝えるだけではなく、 即座に不具合を解消し、 装置が再び使 用できるように復帰させることが望ましい。
しかしながら、 これまでの輝尽性蛍光体を用いた放射線画像読取装置では、 こ のような不具合からの復帰作業は、 サービスマンの作業に限定されていた。 この ため、 不具合が生じた場合に使用者はサービスマンを呼び出し、 サービスマンが 到着するまでの間、 放射線撮影業務をストップせざるを得なかった。
複写機やプリンターなどでは、 出力紙がジャムを起こした場合に、 使用者がジ ャムを解除できるユーザーメンテナンス機構を搭载することが常識となってい る。 輝尽性蛍光体を用いた放射線画像読取装置ではこのようなユーザーメンテナ ンス機構が実現されていない理由として、 以下のものが考えられる。
1 ) 複写機やプリンターの場合、 出力紙が大変安価なため、 ジャムを起こした 出力紙がだめになっても良いと言う前提が成り立つが (再出力を行えば良い)、 輝尽性蛍光体を用いた放射線画像読取装置では輝尽性蛍光体シートが大変高価 なため、 輝尽性蛍光体シートをだめにしても良いという前提が成り立たない。 こ のような制約のため、 ユーザーメンテナンスのための機構を構築することが難し い。
2 ) 複写機やプリンターの場合、 ジャムを起こした出力紙がだめになっても、 再び複写やプリントアウトを行える。 一方、 放射線画像読取装置で使用する輝尽 性蛍光体シートには患者の画像情報が蓄積されている。 輝尽性蛍光体シートがだ めになった場合、 患者の再撮影を行う必要があるが、 これは患者に余分な放射線 を被爆させることになり、 非常に好ましくない。 そこで、 この実施の形態では、 以下のようにして放射線画像読取装置のユーザ 一メンテナンス機構、 主に力セッテジャム解除機構を実現した。 +
図 6に示すように、装置本体 2には、 開閉扉 5があり、 開閉扉 5を開くことで、 使用者は装置本体 2の内部にアクセスすることができる。 さらに、 回転移動体 4 1を、 点線 dの位置まで手動で回転移動させることができ、 これにより、 使用者 は、 回転移動体 4 1よりも内側 (副走査手段 5 0側) にアクセスすることができ る。 この機構について、 図 6、 図 7を用いながら説明する。 使用者は扉ロック 5 1 0を手動ではずして開閉扉 5を開状態にする。 開閉扉 5が閉状態の時には、 装 置本体側に固定してあるインターロックスィッチ 9 6に、 開閉扉 5に固定してあ るィンタ一口ックキラー 5 3 0が作用しており、 装置本体 2が動作できる状況に あるが、 開閉扉 5が開状態になると、 インターロックキラー 5 3 0がインター口 ックスィッチ 9 6から抜けてィンタ一口ックが作動し、 主にモータ、 センサなど
のメカ駆動系、 レーザ駆動系、 フォトマルチプライヤーへの高圧電源系への電源 供給が遮断される。 .
開閉扉 5の内側には、 回転ノブ 4 9が収納箱 5 2 1に収納してある。 使用者は この回転ノブ 4 9を収納箱 5 2 1から取り出して、 搬送モータュニット 4 6のモ ータ軸 4 6 1に取付けられている円筒部材 4 6 2の突起 4 6 3に回転ノブ 4 9 の円盤 4 9 2の勘合穴 4 9 3を勘合させる。
次に回転ノブ 4 9の回転つまみ 4 9 0をつまんで時計回りに回転ノブ 4 9を 回転させると、 ピニオンギア 4 7が回転支持板 4 8の円弧上に形成された凹凸形 状のラック歯 4 8 0の上を回転し、 回転移動体 4 1が点線 dの方向へ回転移動す る。 回転移動体 4 1が点線 dの位置まで回転移動すると、 装置本体 2の内部にァ クセスできる空間が生まれるので、 使用者は両手を使って、 装置本体 2の内部に 停滞している力セッテ 1を取り出すことができる。
なお、 回転ノブ 4 9は収納箱 5 2 1に正しく収納しないと、 収納確認部材 5 2 0が開閉扉 5と装置本体の間に入りこみ、 開閉扉 5が閉まらない機構となってい る。 この機構により、 回転ノブ 4 9が円筒部材 4 6 2の突起 4 6 3に勘合された 状態で装置が動作することがなく、 従って、 モータ軸 4 6 1の回転にトルク変動 をきたしたり、 回転ノブ 4 9が動作中に装置の中で外れて、 装置を壊したりする 心配が無い。
装置本体 2の内部に停滞している力セッテ 1は主に、 昇降台 4 3の上にフロン ト板 1 0、 パック板 2 0が合体した形態で停滞しているケースが多く、 この場合 は、 直ちに力セッテ 1を回転移動体 4 1にそって引き出すことが可能である。 こ の場合、 輝尽性蛍光体シート 2 8は力セッテ 1の内部に保護されているので、 輝 尽性蛍光体シート 2 8を傷つけることなく力セッテジャムを解除することが可 能である。
その他のケースとして、 パック板 2 0が磁石 5 8上にあり、 フロント板 1 0が 回転移動体 4 1上にある場合がある。 この場合は、 パック板 2 0を磁石 5 8から はぎ取り、 回転移動体 4 1上にあるフロント板 1 0と正規の位置で重ね合わせた 後に、 フロント板 1 0、 パック板 2 0の双方を回転移動体 4 1にそって引き出す ことが可能である。 バック板 2 0は磁力のみで磁石 5 8に吸着しているので、 余
分な操作を行うことなく、 簡単にパック板 2 0を磁石 5 8から引き剥がすことが 可能である。 また、 副走査手段 5 0の副走査移動板 5 7を手動で上下できるよう に構成してあるので、 磁石 5 8力、らパック板 2 0を剥がし易い位置まで副走査移 動板 5 7を手動で操作することができる。 このケースの場合、 パック板 2 0上の 輝尽性蛍光体シート 2 8の表面に如何なる機構も接触していない状態を維持で きることが特徴であり、 輝尽性蛍光体シート 2 8の表面に傷をつけることなく力 セッテジャムを解除することが可能である。
その他のケースとして、 フロント板 1 0は排出口 4に排出され、 パック板 2 0 のみが磁石 5 8上に残っている場合がある。 この場合は、 パック板 2 0を磁石 5 8からはぎ取り、 注意深く装置外部へ取り出す様にする。 この場合も、 パック板 2 0上の輝尽性蛍光体シート 2 8の表面に如何なる機構も接触していない状態 を維持できることが特徴であり、 輝尽性蛍光体シート 2 8の表面に傷をつけるこ となく力セッテジャムを解除することが可能である。
また、 力セッテ 1やフロント板 1 0、 ノ ック板 2 0力 装置本体 2内部に落下 してしまった場合でも、 回転移動体 4 1を点線 dの方向に回転移動させること で、 落下した力セッテ 1やフロント板 1 0、 パック板 2 0を拾い出すことができ る。
昇降台 4 3や、幅寄せ手段 4 2 a、 4 2 bは手動で位置を変更可能であるので、 力セッテ 1の上部が、 挿入ローラー 7 2 a, 7 2 bや排出ローラー 7 3 a , 7 3 b、 装置内部の機構と干渉して、 回転移動体 4 1が点線 dの方向に回転移動でき ない場合などに、 手動で昇降台 4 3を失印 A 2の方向 (下方) に移動させたり、 幅寄せ手段 4 2 a、 4 2 bを図 1 0 A、 図 1 0 Bに記載の矢印 M 2の方向へ移動 させたりできるので、 特殊な治具を用いることなく、 使用者が不具合を起こした 力セッテ 1を装置外に取り出すことができる。
また、 この装置の特徴として、 装置機構が力セッテ 1やフロント板 1 0、 バッ ク板 2 0を手動で取り出せない様な強い力でダリップもしくはホールドしてい る部分が無い点である。 揷入ローラー 7 2 a, 7 2 bや排出ローラー 7 3 a , 7 3 bは力セッテ 1をグリップしているが、 挿入ローラー 7 2 a , 7 2 bや排出口 一ラー 7 3 a, 7 3 bはフリーな状態で回転するため、 間単に力セッテ 1を取り
出すことができる。 また、 装置本体 2の内部で幅寄せ手段 4 2 a、 4 2 bによつ て力セッテ 1がホールドされている状態でも、 幅寄せ手段 4 2 a、 4 2 bとカセ ッテ 1が勘合している部分が無いので (幅寄せ手段 4 2 a、 4 2 bが左右から力 セッテ 1を押さえているだけの状態であるので)、 力セッテ 1を簡単に取り出す ことが可能である。 また、 手動で幅寄せ手段 4 2 a、 4 2 bを図 1 0 A、 図 1 0 Bに記載の矢印 M 2の方向へ移動させることもできるので、 昇降台 4 3上でカセ ッテ 1をフリ一な状態にしてから取り出すことも可能である。
また、 エラー発生時に力セッテ 1を装置本体 2の内部に停滞させて停止させる 際に、 回転移動体 4 1を点線 aの位置まで移動して、 かつ幅寄せ手段 4 2 a、 4 2 bを待避位置 S 1の位置まで移動した後に装置を停止させ、 表示手段 8 1にェ ラー表示を行えば、 使用者が力セッテ 1取り出す際の時間を最小にすることがで さる。
また、 パック板 2 0が磁石 5 8上にある場合も、 副走査移動板 5 7をフロント 板 1 0との受け渡し位置まで下降させて装置を停止させることで、 使用者がカセ ッテ 1取り出す際の時間を最小にすることができる。
この実施の形態で起こりうるも重大なエラーの一つに、 パック板 2 0を装置本 体 2の内部に残し、 フロント板 1 0のみを排出してしまうエラー (パック板 2 0 の落下エラー)がある。これは、フロント板 1 0とパック板 2 0の合体作業時に、 誤ってパック板を落下してしまうために生ずる不具合である。 この不具合が発生 しても、 フロント板 1 0とパック板 2 0の合体作業後に合体が成功したか否かを 確かめるすべが無いため、 パック板 2 0を装置本体 2の内部に残したまま、 フロ ント板 1 0のみを排出してしまう。 この後、 次の力セッテ 1が装置内部に取り込 まれ一連の動作が開始されてしまうと、 装置内部に落下しているパック板 2 0が 破壊されるだけでなく、 装置機構もダメージをうけてしまう。 そこで、 この実施 の形態では以下の様にしてこの問題を解決した。
まず、 図 7に示す様に、 排出ローラー 7 3 bのセンター部に空間ができるよう に排出ローラー 7 3 bをだんごローラーで形成し、 この空間にパック板落下検出 機構を形成する。 パック板落下検出機構は、 パック板なぞり棒 7 3 b 1とパック 板落下検出センサ 7 3 b 2により構成される。 力セッテ 1が排出ローラー 7 3 b
を通過しない状態の時には、 パック板落下検出センサ 7 3 b 2は ON信号を出力 する。 フロント板 1 0力 Sパック板 2 0付きで排出ローラー 7 3 bを通過すると、 パック板なぞり棒 7 3 b 1の排出口 4側の先端が上側に傾斜してパック板落下 検出センサ 7 3 b 2が O F F信号を出力する。 力セッテ 1が排出ローラー 7 3 b を通過してしまうと、 パック板落下検出センサ 7 3 b 2は再び O N信号を出力す る。 すなわち、 フロント板 1 0がパック板 2 0付で排出ローラー 7 3 bを通過す る場合、 パック板落下検出センサ 7 3 b 2は、 フロント板 1 0が通過する間、 常 に O F F信号を出し続ける。
ところが、 フロント板 1 0がパック板 2 0無しで排出ローラー 7 3 bを通過す ると、 パック板なぞり棒 7 3 b 1の排出口 4側の先端はフロント板 1◦のフレー ム 1 1部分が通過する際に一旦上側に傾斜する。 この時、 パック板落下検出セン サ 7 3 b 2は O F F信号を出力するが、 その後、 パック板 2 0が無いために、 再 び O N信号が出力される。 すなわち、 パック板落下検出センサ 7 3 b 2は、 フロ ント板 1 0が通過する間、 フロント板 1 0のフレーム 1 1の部分が通過する短期 間を除いては、 常に O N信号を出し続ける。 この O N信号を捕らえれば、 図示し ない制御部が、 バック板 2 0が装置本体 2の内部に残っていることを認識でき、 次の力セッテ 1が挿入されても装置を動作させない様に制御することが可能と なる。
すなわち、 力セッテ 1の厚みを調べることで、 パック板 2 0の有り無しを検出 する。 力セッテ 1の厚みが基準値よりも小さいと、 パック板 2 0が無い (パック 板 2 0が落下した) と見なして、 次の力セッテ 1が挿入されても装置を動作させ ない様に制御することが可能となる。 さらに、 力セッテ挿入排出部 7 0の位置を手動で容易に変更できるように構成 しておけば (例えば、 カセッテ揷入排出部 7 0の位置が手動で上部方向ヘスライ ド若しくは回転移動するように構成したり、 水平方向に扉状に回転移動したりす るように構成したり、 容易に取り外しが可能なように構成する)、 装置内部への アクセス空間が広がり、 メンテナンス作業がやりやすくなる。
図 6で示した実施の形態中の搬送手段 4 0は、 昇降台 4 3による直線搬送手段
(力セッテ 1を搬送手段 4 0の回転移動体 4 1に沿って上下方向に直線搬送す る手段) と、 回転軸 4 5を中心として力セッテ 1の回転移動を行う回転搬送手段 の、 少なくとも 2種類の搬送手段を有している。
図 6では、 直線搬送手段と回転搬送手段の 2つの搬送手段を、 回転移動体 4 1 上に実現した例であるが、 例えば、 直線搬送手段と回転搬送手段の 2つの搬送手 段を個別の機構で実現しても良い。 例えば、 直線搬送手段が回転搬送手段とは個 別に回転移動するように構成しても良い。
また、 回転搬送手段が、 搬送手段 4 0 (回転移動体 4 1 ) の一部が回転移動す るように構成ても良い。
また、 回転搬送手段を、 複数の回転搬送手段に分割して構成しても良い。
同様に、 直線搬送手段を、 複数の直線搬送手段に分割して構成しても良い。 また、 図 6の実施の形態において、 パック板 2 0のバック板裏面 2 1 0を磁石 5 8に吸着させた後に、 フロント板 1 0とパック板 2 0を分離するように構成し たが、 フロント板 1 0とパック板 2 0を分離した後に、 バック板 2 0のパック板 裏面 2 1 0を磁石 5 8に吸着させるように構成しても良い。
また、 図 6の実施の形態において、 力セッテ 1を回転移動した後に、 フロント 板 1 0とノ ック板 2 0を分離するように構成したが、 フロント板 1 0とパック板 2 0を分離した後に、 パック板 2 0のみを回転移動するように構成しても良い。 また、 図 6の実施の形態において、 回転移動体 4 1が回転移動することによつ て、 パック板 2 0を副走査手段 5 0に受け渡すように構成したが、 副走査移動板 5 7の一部若しくは全体が回転移動することによって、 バック板 2 0を副走査手 段 5 0に受け渡すように構成しても良い。
また、 図 6の実施の形態において、 搬送手段 4 0と副走査機能 5 0を同じ基板 9 2上に構築し、 基板 9 2を防振ゴム 9 3を介して底板 9 1に固定したが、 搬送 手段 4 0と副走査機能 5 0を異なる基板上に構築し、 それぞれの基板を防振ゴム 9 3を介して底板 9 1に固定しても良いし、 搬送手段 4 0を防振せずに直接底板 9 1上に構築するようにしても良い。 こうすることで、 搬送手段 4 0が動作する ことによって生じる振動が副走査手段 5 0に伝搬するのを防ぐことができる。 また、 図 6の実施の形態において、 パック板 2 0をバキューム等の吸引手段を
配した副走査移動板 5 7に吸着するように構成しても良い。 この場合、 パック板 裏面 2 1 0の裏面は磁性体である必要は無く、 副走査移動板 5 7上の磁石 5 8も 不要である。
また、 図 6の実施の形態において、 力セッテ挿入排出部 7 0の挿入口 3若しく は排出口 4の何れか一方のみが装置本体 2からに取り外し可能な構造、 若しくは 手動で位置を変更できる構造となるようにしても良い。 また、 カセッテ揷入排出 部 7 0の挿入口 3と排出口 4が、 個別に取り外し可能な構造、 若しくは個別に手 動で位置を変更できる構造となるようにしても良い。 産業上の利用可能性
以上述べたとおり、 本発明の放射線画像読取装置は、 読取モードと消去モード の少なくとも 2つのモードを有すると共に、 少なくとも 2つのモードを切り替え る切替手段を放射線画像読取装置本体に有する様に構成したので、 使用者が短時 間に必要とされるモードを選択でき、 作業効率が向上する。
また、 装置内部に力セッテを取り込み、 フロント板とパック板の分離 ·合体作 業を行ったり、 副走査手段にバック板を受け渡しする際に、 パック板が装置内に 落下してしまう不都合を検出する様に構成したので、 パック板が破壌されたり、 装置機構がダメージを受けることが無くなり、 装置の信頼性が向上する。