明細書
高分子複合材料の製造方法
技術分野
本発明は高分子複合材料の製造方法、 およびそれによつて製造される高分子複 合材料に関するものである。
背景技術
従来、 基質にモノマーを含浸させ、 そのモノマーを重合させてポリマーとする 高分子複合材料の製造方法として、 例えば、 合成繊維にモノマー水溶液を付着さ せた後、 密閉系で加熱処理してモノマーを重合させポリマーとする合成繊維の改 質方法が記載されている (特開昭 60— 246869 号公報)。 しかしながら、 こうした 水溶液を用いる方法では、 充分な量のモノマーが基質に含浸されているとは言い 難い。
発明の開示
本発明は、 基質に充分な量のポリマーを含有する高分子複合材料の製造方法、 および充分な量のポリマーを含有する基質からなる高分子複合材料を提供するこ とを目的とする。
本発明者等は、 充分な量のポリマーを含有する基質からなる高分子複合材料を 得る方法について鋭意研究し、 超臨界流体中で基質の存在下モノマーを重合させ ることにより達成できることを見出し、 本発明を完成した。
すなわち、 本発明の製造方法は、 基質と、 モノマーと、 重合開始剤とを含む超 臨界流体中で、 前記モノマーを重合させることを特徴とする、 十分な量のポリマ 一を含有する高分子複合材料の製造方法に関する。 さらに、 本発明には超臨界流 体中でまずモノマーを基質に含浸させ、 前記モノマーを重合開始剤により超臨界 流体中で重合させることを特徴とする十分な量のポリマーを含有する高分子複合 材料の製造方法も含まれる。 特に本発明の方法は、 前記超臨界流体が超臨界二酸 化炭素であることを特徴とする。 また、 本発明には、 基剤を溶解させない種々の 有機溶媒中で、 基質の存在下、 モノマーを重合させて十分な量のポリマーを含有 する高分子複合材料を製造する方法も含まれる。
本発明の高分子複合材料は、 本発明により得られる高分子複合材料であって、 十分な量のモノマーによるポリマーが 3 0 % (好ましくは、 4 0 %) 以上の重量 増加を有することを特徴とする高分子複合材料である。 さらには本発明の高分子 複合材料は、 基質の非晶質部分に主にポリマー成分が分散する特徴を有する高分 子複合材料に関する。
図面の簡単な説明
図 1は、 実施例 1〜1 7 ( 1 1及び 1 2を除く) で得られた高分子複合材料の 圧力一重量増加率プロットを示す図である。 ここで、 図中の番号は実施例番号に 対応する。
図 2は、 実施例 6で得られた i P P— P MM A高分子複合材料の D M A測定 (Ε ' ) の結果を示す図である。
図 3は、 実施例 6で得られた i P P一 P MMA高分子複合材料の D MA測定 ( Ε' ) の結果を示す図である。
図 4は、 実施例 6で得られた i Ρ Ρ— P MM A高分子複合材料の D S C測定の 結果を示す図である。
図 5は、 実施例 2、 実施例 4、 実施例 6および実施例 1 2で得られた i P Pの 重量分率一結晶融解ェンタルピー及び結晶融解温度プロットを示す図である。 こ こで、 図中の番号は実施例番号に対応する。
図 6は、 実施例 2、 実施例 4、 実施例 6および実施例 1 2で得られた i P P— P MM A高分子複合材料の T G曲線 (窒素気流中) の測定結果を示す図である。 ここで、 図中の番号は実施例番号に対応する。 T G曲線 (窒素雰囲気下、 昇温速 度 10°C/min)。
図 7は、 実施例 2、 実施例 4、 実施例 6およぴ実施例 1 2で得られた i P P— P MM A高分子複合材料の T G曲線 (空気気流中) の測定結果を示す図である。 10°C/min) o
図 8は、 実施例 4 2〜実施例 4 5を含む製造条件で得られた P Eの重量分率一 結晶融解ェンタルピー 'プロットを示す図である。
図 9は、 実施例 4 6の操作 1で得られた結果をプロットした図である。
図 1 0は、 実施例 4 6の操作 2で得られた結果をプロットした図である。
図 1 1は、 T EM写真 (ルテニウム染色)図である。 ここで、 (a ) および (b ) はそれぞれ、 B 1 e n d系と P P _ P MMA ( s c C Oz) を示す。
発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明を実施の形態に即して詳細に説明する。
(製造方法)
本発明の製造方法は、 基質と、 モノマーと、 重合開始剤とを含む超臨界流体中 で、 前記モノマーを重合させることによることを特徴とする。 また本発明の方法 は、 超臨界流体中でモノマーを含浸させた基質の存在下、 前記モノマーを重合開 始剤により超臨界流体中で重合させることをも特徴とする。 また、 基剤を溶解さ せない種々の有機溶媒中で、 基質の存在下、 モノマーを重合させて高分子複合材 料を製造することも特徴とする。
さらに詳細に説明すると、 基質をモノマー及び重合開始剤を含む超臨界流体に 浸漬して前記基質に前記モノマー及び前記重合開始剤を含浸させることを特徴と する。 基質をモノマー及び重合開始剤を含む超臨界流体に浸漬すれば、 基質の内 部にまで、 モノマー及び重合開始剤を含浸させることが可能である。 こうした優 れた含浸†生は、 拡散性と溶解性を併せ持つ超臨界流体を用いて初めて実現するも のである。 優れた含浸性の結果として、 基質とポリマーが一体化し、 優れた物性 を発現する高分子複合材料が得られる。
本発明に用いられる基質は、 超臨界流体中で使用可能であれば特に形状に制限 はなく、 粉状、 粒状、 ペレット状等である。 具体的には、 フィルム、 シート、 フ アイバー、 チューブ、 スティック、 ボトル、 ボール、 パネル等が挙げられる。 な お、 このような単純な形状を組み合せた、 特定の複雑な形状であってもよい。 ど のような形状であっても、 超臨界流体を用いれば、 基質の内部にまで、 モノマー 及び重合開始剤を含浸させることが可能である。
また、 材質についても超臨界流体中で使用可能であれば特に制限はなく、 ブラ スチック、 ゴム、 木材、 紙、 金属、 セラミックス、 多孔質シリカやカーボンナノ チューブのような無機材質等が挙げられる。 これらの中でも、 とりわけ、 優れた
複合効果を発現する高分子複合材料が得られるという理由力、ら、 プラスチックが 好ましく用いられる。
本発明に用いられるプラスチックは、 熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂に大別され る。 本発明に用いられる熱可塑性樹脂の具体例としては、 ポリアセターノレ、 ポリ アクリロニトリル、 ポリアミド、 ポリアミドイミド、 ポリアリレート、 ポリイミ ド、 ポリエーテルイミ ド、 ポリエーテルスルホン、 ポリエステル、 ポリエチレン、 ポリエチレンテレフタレート、 ポリ塩化ビュル、 ポリカーボネート、 ポリ酢酸ビ 二ノレ、 ポリスチレン、 ポリスノレホン、 ポリビニノレアノレコーノレ、 ポリビニノレピロリ ドン、 ポリフエ二レンエーテノレ、 ポリフエ二レンスノレフイ ド、 ポリプロピレン、 ポリベンズィミダゾール、 及ぴポリメタクリル酸メチル等が挙げられる。 これら の中でも、 とりわけ、 モノマー及び重合開始剤の含浸性が優れるという理由から、 ポリプロピレンまたはポリエチレンが特に好ましく用いられる。
本発明に用いられる熱硬化性樹脂の具体例としては、 エポキシ樹脂、 フエノー ル樹脂、 尿素樹脂、 メラミン樹脂、 不飽和ポリエステル樹脂、 ジァリルフタレー ト樹脂等が挙げられる。
本発明に用いられるモノマーについても特に制限はなく、 基質に含浸し、 かつ 超臨界流体中 (または有機溶媒中、 または無溶媒条件) でラジカル重合反応が進 行しポリマーを与えるものであればよい。 具体例としては、 アクリルアミド、 ァ クリル酸、 アクリル酸メチル、 アクリロニトリル、 イソプレン、 エチレン、 塩化 ビ二/レ、 クロ口プレン、 酢酸ビニノレ、 スチレン、 ブタジエン、 プロピレン、 メタ クリノレ酸、 メタタリル酸グリシジル、 メタクリル酸メチル等が挙げられる。 これ らの中でも、 とりわけ、 基質に対する含浸性が優れるという理由から、 メタタリ ル酸メチルが特に好ましく用いられる。
本発明に用いられる重合開始剤についても特に制限はなく、 超臨界流体中 (ま たは有機溶媒中、 または無溶媒条件) でラジカル重合反応を進行させるものであ ればよい。 具体例としては、 過酸化ァセチル、 過酸ィ匕ラウロイル、 過酸化べンゾ ィル、 タメンヒ ドロペルォキシド、 ジ一 tert—ブチルペルォキシド、 過硫酸力リ ゥム、 過硫酸アンモニゥム、 過酸化水素、 α , α '—ァゾビスイソプチロニトリル、
ァゾビスシク口へキサンカノレポ二ノレ、 テトラメチノレチウラムジス/レフイド、 ジべ ンゾィルジスルフィド、 -トルエンスルフィン酸等が挙げられる。
本発明に用いられる超臨界流体とは、 臨界点よりも少し高い圧力 ·温度の流体 を指し、 液体とも気体とも区別のつかない流体で、 各種化合物を溶解する能力に 優れているものを意味する。 超臨界流体を用いると、 通常の有機溶媒を用いる場 合に比べて、 基質に対するモノマー及び重合開始剤の含浸性が著しく向上し、 そ の結果優れた性能を発現する高分子複合材料が得られる。
本発明に用いられる超臨界流体としては、 ェタンなどの炭化水素やハロゲン系 炭化水素などが挙げられるが、 プラスチック性の基質に対するモノマー及び重合 開始剤の含浸性が優れるという理由から、 超臨界二酸化炭素が好ましく用いられ る。 ちなみに、 超臨界二酸化炭素の臨界圧力は 7. 38MPa、 臨界温度は 304. 2Kで ある。
本発明では、 基質をモノマー及び重合開始剤を含む超臨界流体に浸漬して基質 にモノマー及び重合開始剤を含浸させる際、 加圧を行うことが好ましい。 適切な 加圧により含浸性が向上する。 低い圧力では、 超臨界流体の濃度が低すぎて、 基 質を膨潤させることが困難である。 高い圧力では、 基質相から超臨界流体相にモ ノマーの分配が移動してしまう。 このため、 超臨界流体に依存して最も好ましい 圧力を選択することが好ましい (最適含浸圧力)。 また、 適切な含浸圧力は、 モノ マーの種類にも依存する。 一般的には超臨界二酸化炭素では、 l MPa〜100MPa の範囲内がよく、 好ましくは 2 MPa〜80MPaの範囲内、 さらに好ましくは 4 MPa 〜60MPaの範囲内である。 含浸圧力が I MPaに満たないか、 あるいは lOOMPaを 越えると、 基質に対するモノマー及び重合開始剤の含浸性が不充分になることが める。
本発明の製造方法は、 まず基質にモノマー及び重合開始剤を含浸させた後、 さ らに重合反応を起こしてポリマーを得る。 重合反応は、 基質を超臨界流体に浸漬 したまま行ってもよいし、 基質を超臨界流体から取り出した後適当な圧力下で適 当な溶媒 (または無溶媒の条件) 中で行ってもよい。 望ましいポリマーの含有量 に依存して適宜選択できる。
本発明では、 重合反応の反応温度は、 モノマーや重合開始剤の種類により変わ るが、 50〜200°Cが好ましく、 さらに好ましくは 80〜: 150°Cである。
本発明の方法では、 重合反応の反応時間は、 モノマーや重合開始剤の種類によ り変わるが、 1〜48時間が好ましく、 さらに好ましくは 5〜24時間である。 また、 使用可能な有機溶媒としても特に制限はなく、 基質を溶解することなく モノマーをラジカル重合させることのできる溶媒であればよい。 例えば、 ェタノ ール、 ME :、 トルエンが挙げられる。
本発明の製造方法により得られた高分子複合材料は、 基質の外で進行したモノ マーの重合生成物と混合していることから、 反応後は十分に洗浄することが好ま しい。 基質を溶解させることなくポリマーのみを溶解させる種々の溶剤を選択し て使用することができる。 必要ならば十分な回数還流条件で洗浄することも好ま しい。 さらに洗浄後、 適当な温度で恒量に達するまで乾燥する。
(高分子複合材料)
本発明の方法により製造される高分子複合材料とは、 種々の種類の基質に、 十 分な量の種々のモノマーを重合させたポリマーを含有することを特徴とする。 す なわち、 基質に含浸させたモノマーを重合させてポリマーとしたものであり、 基 質とポリマーが一体化している材料であり、 新規な特性を有するものである。 本発明の高分子複合材料の、 基質の種類、 ポリマーの種類と量については特に 制限はなく、 得られる高分子複合材料の使用の目的に応じて適宜選択することが できる。 特に含有量については、 上で説明した重合条件の選択により容易に制御 することが可能である。 具体的には基質 100重量%に対して、 30〜120重量%の 範囲で制御可能である。
本発明で得られる高分子複合材料の性質は、 公知の種々の測定方法により容易 に調べることができる。 例えば機械的特性は DMA、 TMA、 引っ張り試験などの方法 で、 熱的特性は TG、 DSCなどの方法で、 また、 プロセス性は溶融粘度の方法など である。 特にイソタクチックポリプロピレン基質のように非晶質を含む場合、 本 発明による製造方法で、 モノマーが主に該非晶質部分でポリマーを形成する。 こ の場合、 いわゆるミクロ分離していると考えられる。 かかるミクロ構造と物性と
の関連は公知の物理的測定方法で調べることができる。 具体的には、 GPCなど による分子量分布の測定、 電子顕微鏡による表面または断面の観測が挙げられる。 (実施例)
以下、 実施例により本発明をさらに具体的に説明する。 なお、 本発明は本実施 例に限定されるものではない。
本実施例で用いた基質、 原料モノマー、 開始剤、 含浸または重合条件、 含浸ま たは重合反応前後の基質の重量変化については、 表 1〜 3にそれぞれまとめた。 なお、 本実施例および各表では以下の略号を用レ、た。
s c C02 :超臨界二酸化炭素
PE :ポリエチレン
s P S : シンジオタクチックポリスチレン
LDPE:低密度ポリエチレン
HDPE:高密度ポリエチレン
PMMA:ポリメタクリル酸メチル
PMAA:ポリメタクリル酸
P GMA:ポリメタタリル酸グリシジル
PAA:ポリアクリル酸
PAS :ポリアクリロ -トリルスチレン
MMA:メタタリル酸メチル
MAA:メタクリル酸
GMA:メタタリル酸グリシジル
VAc :酢酸ビュル
AA:ァクリル酸
A:アクリロニトリル
S :スチレン
A I BN: α, α'—ァゾビスィソブチロニトリル
THF:テトラヒドロフラン
MEK: メチノレエチノレケトン
実施例で使用した基質は、 i P P、 P E及び s P Sのシート状基質であり、 市 販のペレツトをそれぞれ温度 190°C、 180°C及ぴ 270°Cにて 5分間ホットプレス機 (圧力 50MPa)でプレスし、 急冷後縦 20 瞧 x横 20 mmx厚さ 0.5 mmにカツトして作 成した。
比較として、 PMMAと i P Pのブレンド物を以下の方法で作製した。 反応容 器中(100ml ガラスフラスコ)に i P P 1.0 g、 PMMA 1.0 gおよびキシレン 100ml採取し、 150°Cで 3時間攪拌、 溶解させた。 溶液はメタノール 800mlに滴下 し、 生じた白色沈殿物をろ別回収し、 恒量となるまで真空乾燥 (40°C)した。
次の 3種類の条件 (条件 1〜 3とする) で高分子複合材料を作製した。
条件 1 :
(実施例 1〜 10、 1 1及び 12、 13〜 1 7 )
基質とモノマーと重合開始剤とを含んだ s c C02中で、 含浸および重合とを同 時に行って作製した。
反応容器中 (日本分光製 SCF—Get型、 高圧ステンレス製オートクレープ。 約 4 cm (直径) X約 4cm (高さ)。 容器容積 50cm3) に、 基質 (i PP、 1片) と、 2 g のモノマーと、 反応開始剤 (AI BN、 モノマーに対して lmol%) とをそれぞれ 加えた。 反応容器中に C〇2を充填し表 1に示した圧力及び温度で 5分間保持した 後、 圧力を一定にして温度を 80°Cにして重合を開始させた。 反応時間を 24時間 とした。
ここで、 モノマーは表 1にまとめたように、 実施例 1〜1 2では MMA、 実施 例 1 3、 14では MAA、 実施例 1 5、 16では GMA、 および実施例 1 7では Aおよび Sの等量混合物をそれぞれ用いた。
反応が終了した後、 C02を除き、 基質を取り出した。 モノマーが MMAの場合 には基質をアセトンを用いて洗浄し、 さらに得られた基質を 2回、 アセトン 100ml で 2時間還流した。 その後、 40°Cで恒量となるまで乾燥させた。 得られた 基質の重量と、 反応前の基質の重量とを比較して重量増加を計算した。
ここで、 モノマーが PMMA及び PGMAの場合にはアセトンを用い、 PMA
A及ぴ PAAの場合にはエタノールを用い、 P AS及び P VAcの場合には TH Fを用いて基質を洗浄した。 また PMMA及び PGMAが付着した基質はァセト ン 100ml、 PMAA及び PAAが付着した基質はメタノール 100ml、 PAS及び P VA cが付着した基質は T H F 100mlで 2時間の還流を 2回行った。
得られた結果は表 1 まとめた。 超臨界中で重合すると非常に大きい重量増加 が見られることがわかる。 特に実施例 6の条件では重量増加は 100%であった。 この極めて大きい増加量は s c C02中での i P P基質への MM Aの含浸量からは 説明できない。 このことは表 2の実施例 19、 21、 24の含浸量測定の結果か ら明らかである。 35°C及び 19.0MPaで s c C02中では、 i PP基質への MMA の含浸量は 120時間後でもせいぜい 2.5%以下である。
さらに、 増加量の圧力依存性からかかる大きな重量増加は s c CO2の圧力に特 異的に関係することがわかる。 図 1から明らかなように、 圧力が低すぎても、 ま た高すぎても重量の増加はむしろ減少し、 5〜10MPaに最大となる傾向がある。 これらの結果は、 MMAが i P P基質中に含浸しつつ重合してポリマーを生成 し、 その重合は含浸基質へ MMAへの連続的な吸収を引き起こすことを意味する。 初期の PMMA層は CO2及び MMAによって膨張する。 これがいくつかの PMM Aリッチのサンプルが引き起こした膨張の原因であると考えられる。 また、 この 結果は、 圧力を変化させることにより重量増加率を制御できることを意味する。 比較として、 実施例 1 1、 12で s c C 02の代わりに加圧 N2下で同様の反応 を行った。 明らかに N2中では有意の重量増加は見られないことがわかる。 これら の結果は、 上で説明したモノマーの連続的な含浸が単に媒体の圧力ではなく、 C o2に特異的なものであることがわかる。
また、 実施例 13、 14 (MAAモノマー)、 さらに実施例 15、 16 (GMA モノマー)、 および実施例 17 (Aと Sの混合モノマー) の結果から、 得られる基 質の重量増加はモノマーの種類によって著しく影響されることが分かる。 この結 果は、 基質と s c C02相のモノマーの分配による機構を裏付けているものと考え ることができる。
条—件 2 :
(実施例 1 8、 1 9〜2 4 )
基質に s c C 02条件下でモノマーを含浸させた後、 s c C〇2を除き、 モノマ 一中に重合開始剤を加えて常圧にて重合させで作製した。
すなわち、 反応容器中 (日本分光製 SCF— Get型、 高圧ステンレス製オートタレ ープ。 約 4 cm (直径) X約 4 cm (高さ)。 容器容積 5 0 cm3) に、 基質 (i P P、 1 片) と、 2 gのモノマーとを加えた。 反応容器中に C 02を充填し表 2に示した圧 力で温度 35°Cで表 2に示す時間保持した後、 C 02を減圧して除いた後含浸によ る重量増加を測定した。
さらに、 重合開始剤 (A I B N , モノマーに対して l mol%) を加えて、 C O2 ガス (0. 3MPa) 中で温度を 80°Cにして重合を開始させた。 反応時間は 2 4時間 とした。 反応が終了した後、 基質を取り出した。 基質をアセトンを用いて洗浄し、 さらに得られた基質を 2回、 アセトン 100ml で 2時間還流した。 その後、 40^で 恒量となるまで乾燥させた。 得られた基質の重量を測定した。 反応前の基質の重 量とを比較して重量増加を計算した。
得られた結果は表 2にまとめた。 約 1 0 %以上で 3 0 %未満の重量増加が見ら れることがわかる。 これは、 重合時に圧力低下(19. OMPa から常圧 0. 3MPa)した ことにより、 基質相中の高い濃度の C〇2が気相(C 02)に移動するため、 モノマ 一の含浸が阻害されたためと考えられる。
条件 3 :
(実施例 2 5〜 4 1 )
基質の存在下、 基質を溶解しない有機溶媒中でモノマーを重合開始剤により重 合させて作製した。
すなわち、 反応容器中 (100ml ガラスフラスコ) に、 表 3にまとめた溶媒 5 ml を入れ、 そこに基質 (i P P、 1片) と、 2 gのモノマーと、 重合開始剤 (モノ マーに対して l mol%) を加えた。 窒素ガス中、 常圧で約 24時間還流した後、 基 質を取りだし、 洗浄した後乾燥させた。 重量増加を測定し表 3にまとめた。
基質及びモノマーの種類により重量増加率に著しい違いが見られるが、 これは、 基質と溶媒相のモノマーの分配による機構及び基質の非晶質部分の運動性による
機構を裏付けている。
物性測定
上で得られた高分子複合材料について、 DMA、 DSC、 TG、 GPC、 電子 顕微鏡により詳細に調べた結果を以下に説明する。
(DM A測定)
測定はアイティ製作制御(株)製の DVA220 動的粘弾性測定装置を使用し、 20瞧 x5瞧 のサンプルを用い、 つかみ幅 10瞧 の条件で行った。 先に得られた実施 例 6の i P P— PMMA高分子複合材料について、 昇温速度 5°C/分、 周波数 10Hz、 引張りモードの条件にて DMA測定を行った。 結果を図 2及び図 3に示し た。 i P P— PMMAのガラス状態及びゴム状態の弾性率は、 i PPと PMMA の中間の値となつた。 これは得られた高分子複合材料が新規な構造を有すること を示している。
(DSC測定)
測定はセイコー電子工業 (株)製の DSC6100示差走査熱量分析計を使用し、 試料 量 6. Omg の条件で行った。 先に得られた実施例 6の i P P— PMMA高分子複合 材料について、 昇温速度 10°CZ分、 窒素雰囲気下の条件にて D SC測定を行った。 結果を図 4に示した。 i P P— PMMAの D S Cカーブには、 1 ?の03〇カ ーブに見られる Tg (約 - 10°C) も、 PMMAに見られる Tg (100°C) も消失し、 新たに 70°C付近に転移点が見られる。 これは、 高分子複合材料が新規な構造を有 することを示している。
DSCの測定結果から、 i PPの重量分率に対する結晶融解ェンタルピー及び 結晶融解温度の関係を求めた。 結果を図 5に示した。 重量分率と結晶融解ェンタ ルビー ΔΗは、 ほぼ比例した。 これは、 モノマーが i PP基質の非晶質部分に含浸 して重合しており、 結晶部分は保持されていることを示している。
(TG曲線)
測定はセイコー電子工業 (株)製の TG/DTA 6200熱重量分析計を使用し、 試料量 6mg の条件で行った。 先に得られた実施例 2、 実施例 4、 実施例 6、 及び実施例 18 の i P P— PMMA高分子複合材料について、 昇温速度 10°C/分、 窒素気流
(200ml/rain)中及び空気気流(200ml/min)中の条件で T G曲線を求めた。 結果を図 6、 図 7に示した。 i P P— P MMAの T G曲線は、 i P Pの T G曲線と P MM Aの T G曲線の中間に位置した。 これは、 高分子複合材料が得られたことを示し ている。
(高温 G P C)
測定は東ソー製の HLC- 8121 GPC/HT高温ゲル浸透クロマトグラフを使用し、 試 料濃度. 0. lw/v%、 溶媒 0-ジクロロベンゼン、 測定温度 145°C、 流量 1000 1/min の条件で行った。
i P Pおよぴ実施例 3および 5で得られた高分子複合材料の高温 G P Cを測定 した。
分散度 (Mw/Mn)は増加したが、 数平均分子量 (Mn) はほとんど変わらなかつ た。 また、 最高分子量の増加が観測されなかった。 '
これらの結果は、 グラフト重合は起こってないか、 あるいは重量増加にほとん ど寄与していないことが分かる。
高分子複合材; の製造条件と重量変化率 実施例モノマー AIBNi : 圧力 (MPa) mmmMg)重合後謹 %))
1 MMA 1.0 0.1 (0.1MPa. 25°C) 0.1741 0.2225 (127.8)
2 MA 1.0 0.3 (0.2MPa、 25°C) 0.1715 0.2231 (130.1)
3 MA 1.0 3.0 (2.0MPa、 25°C) 0.1715 0.2974 (173.4)
4 MMA 1.0 7.0 (帽 Pa、 25°C) 0.1759 0.3064 (174.2)
5 MA 1.0 8.0 (45MPa、 25°C) 0.1749 0.3532 (201.9)
6 M A 1.0 9.2 (6.0MPa、 25°C) 0.1715 0.3558 (207.5)
7 MMA 1.0 14.7 (10.0MPa、40°C) 0.1820 0.2326 (127.8)
8 MMA 1.0 25.5 (6.5MPa、 25°C) 0.1806 0.1826 (101.1)
9 M A 1.0 27.9 (7.2MPa、 25°C) 0.1674 0.1737 (103.8)
10 M A 1.0 30.0 (7.7MPa、 25°C) 0.1715 0.1759 (102.6)
11 M A 1.0 0.3 (0.2MPa in N2、 25°C) 0.1710 0.2087 (122.0)
12 M A 1.0 7.0 (5MPa in N2、 25°C) 0.1841 0.2272 (123.4) .
13 MAA 1.0 8.0 (4.5MPa、 25°C) 0.1705 0.1798 (105.5)
14 MAA 1.0 30.0 (7.7MPa、 25°C) 0.1735 0.1737 (100.1)
15 GMA 1.0 8.0 (45MPa、 25°C) 0.171 0.2123 (124.2)
16 GMA 1.0 30.0 (7.7MPa、 25°C) 0.1685 0.2412 (143.2)
17 A-S . 1.0 30.0 (7.7MPa、 25°C) 0.1676 0.1683 (100.4)
表 2
高分子複合材料の製造条件と重量変化率 含浸圧力 反応時間 重合圧力 反応前重夏 BT; 後重里 重合後箪罱 実施例 (MPa) (hr) (MPa) (g) (g(wt.%)) (g(wt.%))
18 0.3 (C02) 24 0.3 0.1732 0.2222 (128.3)
19 19.1 (C02) 1 0.3 0.1686 0.1700 (100.83)
20 19.1 (C02) 1 0.3 0.1709 0.2079 (121.7)
21 19.1 (C02) 24 0.3 0.1720 0.1735 (100.87)
22 19.1 (C02) 24 0.3 0.1733 0.2070 (119.5)
23 19.1 (C02) 24 0.3 0.1728 0.2037 (117.9)
24 19.1 (C02) 120 0.3 0.1732 0.1774 (102.42) 0.1954 (113.0) 表 3
高分子複合材料の製造条件と重量増加率 実施例 5式不 4 モノマー AIBN量 溶媒 反応前重量 (g)重合後重量 (g(wt.%))
25 iPP MAA 1.0 トルエン 0.1721 0.2024 (117.6)
26 iPP MMA 1.0 MEK 0.1784 0.2092 (11 7.3)
27 PE MAA 1.0 EK 0.1742 0.1885 (108.2)
28 sPS MMA 1.0 MEK 0.1885 0.2075 (110.1 )
29 iPP MMA 0.1 MEK 0.1738 0.1809 (104.1 )
30 PE MMA 0.1 MEK 0.1732 0.1811 (104.6)
31 iPP MAA 1.0 エタノール 0.1716 0.1776 (103.5)
32 PE MAA 1.0 エタノール 0.1678 0.1839 (109.6)
33 sPS MAA 1.0 MEK 0.1918 0.1925 (100.3)
34 iPP G A 1.0 MEK 0.1742 0.1851 (106.3)
35 iPP VAc 1.0 エタノール 0.1752 0.1774 (101.3)
36 PE VAc 1.0 エタノール 0.1670 0.1690 (101.2)
37 iPP AA 1.0 エタノール 0.1709 .0.1794 (105.0)
38 PE AA 1.0 エタノール 0.1678 0.1756 (104.6)
39 iPP A-S 1.0 MEK 0.1729 0.1775 (102.7)
40 iPP PMMA MEK ·.■ 0.1782 0.1780 (99.9)
41 iPP PMMA 1.0 MEK 0.1766 0.1762 (99.8)
(実施例 4 2〜 4 5 )
本実施例で使用した基質は、 低密度ポリエチレン (L D P E) および高密度 ポリエチレン (HD P E ) シート状基質であり、 次のようにして作成した。 すな わち、 L D P Eペレツトおよび H D P Eペレツトをそれぞれポリエチレンテレフ タレートのシートではさみ、 ヒートプレス機でペレツトを 10〜15分間溶解した後
180°C、 30MPa で 30 分間ヒートプレスし、 シート状約 0. 2 g (20mm X 20mm X 0. 5mm)に加工したものをあらかじめ冷やしていた銅板にはさみ急冷し作成した. 次に、 基質とモノマーと重合開始剤とを含んだ s c C 02中で、 含浸および重合 とを同時に行って高分子複合材料を作製した。
反応装置は、 耐圧硝子工業 (株)製で最高使用温度■圧力 200°C · 12MPaおよび最 高使用温度 ·圧力 400°C · 40MPa の 2つの超臨界反応装置を使用した。 反応セル にメタクリル酸メチル (MMA) 5g、 α , α—ァゾビスイソプチロニトリル (A I Β Ν) を所定量採取し、 基質と共に反応装置に仕込んだ。 Α Ι Β Νはモノマー比 lmol%にした。 含浸は 40°C、 7MPa、 1時間で行ない、 反応セルに二酸化炭素を供 給し、 含浸開始とした。 重合は温度を 80°Cに上昇させ所定圧力下で 24時間反応 させた。 反応終了後、 反応セルを急冷しセル内の二酸化炭素を系外に除去した。 含浸 ·重合させた後の基質表面に付着したポリマーを取り除くためァセトン 200ml を用いてソックスレー還流器で還流させながら 1時間行ない、 基質表面に 付着したポリマーを溶解しながら還流 ·洗浄を行ない、 基質が恒量となるまで 50°Cにて真空加温乾燥した。 溶解したポリマーは、 反応セル内のポリマーと同様 にへキサンにより再沈殿して分別回収後、 50 °Cにて真空加温乾燥し回収 した。 重量増加を測定し、 それらの代表例について、 実施例 4 2〜4 5として表 4にまとめた。
表 4
高分子複合材料の製造条件と重量増加
実施例 モノマー AIBNg 圧力 (MPa) 反応前質量 (g) 重合後質量 (g(wt%))
42 し DPE A 1.0 1 1.00(7.0MPa、40°C) 0.1901 0.4158 (218.7)
43 し DPE MMA 1.0 1 1.03(7.0MPa、40°C) 0.1723 0.4054 (235.3)
44 HDPE MMA 1.0 8.4(7.0MPa、 40°C) 0.1807 0.2601 (143.9)
45 HDPE MMA 1.0 10.2(7.0MPa、40°C) 0.1758 0.2643 (153.9) 実施例 4 2〜4 5を含む、 上記で得られた高分子複合材料について、 D S C測 定を行い、 その測定結果から、 P Eの重量分率に対する結晶融解ェンタルピーの 関係を求めた。 結果を図 8に示した。 重量分率と結晶融解ェンタルピー ΔΗは、 ほ ぼ比例した。 これは、 モノマーが L D P Eまたは H D P E基質の非晶質部分に含
浸して重合しており、 結晶部分は保持されていることを示している。 比較として、 PMMAと LDPEをブレンドして得られる LDPE— PMMA (B 1 e n d) を調製し、 同様に。 PEの重量分率に対する結晶融解ェンタルピーの関係を図 8 にプロットした。
(実施例 46)
以下説明する種々の条件で P P_ PMMAを調製した。
反応容器にイソタクチックポリプロピレン (P P) 基質 (2.0x2.0x0.5腿)、 メ タクリル酸メチノレ (MMA) 2.00g およぴ , a—ァゾビスイソプチロニトリル (A I BN) 0.0328gを採取し、 以下の操作 1あるいは 2を行った。
操作 1は 40°Cで、 所定圧力(C O2あるいは N2)に初期設定した後、 80°Cで 24時 間重合を行った。 操作 2は 35°C、 19. OMPa (C02) で所定時間含浸を行った後、 80°C、 0.3MPa (C02) で 24 時間重合を行った。 重合後、 PP基質はアセトン lOOral で 2回加熱還流 .洗浄し、 恒量となるまで真空乾燥 (40°C)した。 比較とし て、 以下説明する通り、 P Pと PMMAとをブレンドして得られる P P— PMM A (B l e n d) を調製した。
反応容 に P P 0.50g、 PMMA 0.50gおよびキシレン 100ml を採取し、 140° (:、 窒素雰囲気下で 3時間攪拌した。 続けて、 反応混合物をへキサンに滴下し、 生じた白色沈殿物をろ別回収し、 恒量となるまで真空乾燥 (40°C)した。
図 9に、 操作 1で得られた結果を示す。 明らかに圧力の変化により重量増加率 を制御できることが分かる。 さらに、 最適圧力では、 重量増加率は 107.5wt. %に 達することが分かる。
一方低い圧力では、 C02への MMAの溶解度が小さく、 また、 PP基質の膨潤 が不充分であった。
圧力の増加とともに、 C02は PPへの溶解度が大きくなり、 膨潤を容易にする と考えられるが、 同時にモノマーの溶解度も大きくなり、 PP基質内よりも、 む しろ s c CO2相への MMAの分配係数が大きくなると考えられる。 その結果図 8 に示されるように最適圧力が生じるものと考えられる。
N2下では、 圧力 (0.0〜7. OMPa)による重量増加率(22.0〜23.4wt. %)の変化は
ほとんど認められなかった。
これらの結果は、 モノマーの含浸は単に圧力ではなく、 co2が関与した機構で 進行していることを強く示唆している。 また、 重量増加はモノマーの種類に大き く依存し、 ポリマー相内外の s c C02相へのモノマーの分配機構が重要な役割を 果たしていると考えられる。
図 10には、 操作 2の含浸 ·重合における重量増加率を、 重合を行わない場合 と比較して示した。
PP基質に MMAを 35°Cおよび 19.0MPa で含浸させると、 重量増加率は含浸 時間とともに増加し、 120hr では約 2.5wt. %に達した。 これに対して、 含浸 -重 合の場合、 重量増加率は著しく上昇したが、 含浸時間とともに低下した。
これは、 重合時に圧力を 19. OMPaから 0.3MPaに低下させたため、 ポリマ一相 内に含浸した MMAが高濃度の C 02とともに C 02相に移動したことによると考 えられる。
これらの結果から、 図 9、 10に示される、 含浸 '重合における著しい重量増 加は、 重合反応によるものであり、 P P相内に含浸した MMAが重合により消費 されると新たな MMAが含浸する連続的な含浸 ·重合が生起していると考えられ る。
上で説明したように、 D S Cにより決定した分散系の結晶融解ェンタルピーは PPの重量分率に対し、 ほぼ直線的に増大した。 これはオリジナル PPの結晶部 分がほとんどそのまま保持されていることを示しており、 モノマーは PPの非晶 質部分に含浸し、 重合していることを示している。
図 1 1の (a ) および (b) には、 P P— PMMA (B l e n d) および s c C 02をそれぞれ利用した P P _ P MMA_107% (9.2MPa)の T E M写真(ルテ二ゥ ム染色)をそれぞれ示した(染色された黒色部分は P P相、 非染色である白色部分 は P MM A相を示す)。
B l e n d系は、 P Pがマトリックス相となり、 PMMAがマイクロメ トル スケールのドメインを形成する海 Z島構造のモノレホロジーを示すのに対し、 P P 一 PMMA_107% (9.2MPa)では非晶質部分で PMMAが比較的均一に分散したナ
ノメートルスケールのミク口相分離構造を形成していることが分かる。
また、 B l e n d系は、 P P相と PMMA相との相容性が悪いため、 TEM観 察中に PMMA相のドメインがめくれ上がる現象が認められた。 一方 P P— PM MA— 107% (9.2MPa)では、 シートの表層近くと中央部での観察結果に大きな差異 は認、められなかった。
さらに偏光顕微鏡写真の観察により、 PPおよび PP— PMMA (s c C02) の P P球晶の違いおよび PMMAの存在場所は確認されなかった。 試料をスライ ドガラスとカバーガラスに挟み、 約 230°Cのホットプレート上で約 10分間溶融し、 徐冷結晶化すると、 B 1 e n d系では P P球晶と PMMAが大きく相分離したが、 P P-PMMA (s c CO2) では PMMAの増加により、 PP球晶が形成しにく くなつていることが観察された。 さらに、 球晶の内部を AFM観察することによ り、 PMMAは PPラメラ層間にも生成し、 ラメラ相間が剥離分散した構造が確 認された。
また先に説明したように DMA測定曲線から、 B 1 6 11 (1系の?]\0^ の丁 8 は 130°C付近であり、 ホモ PMMAとほぼ一致するが、 PP—PMMA (s c C 02) 中の PMMAの T gは 100°C付近となることが分かった。 しかし加熱(190°C) により、 ホモ PMMAの 130°C付近に変化した。 詳細な検討により、 この結果は C 02ではなく、 P P非晶成分の可塑化効果によるものと考えられる。
B 1 e n d系と P P— PMMA ( s c C02) の A FMを観測した結果から、 P P— PMMA (s c C02) では P Pラメラ結晶層間にも PMMAが析出し, ラメ ラ層間距離が B 1 e n d系に比較して広がっていることが明らかになった。
さらに、 応力一歪み試験の結果を次の表 5に示した。
表 5 降伏応力(MPa) 破断応力(MPa) 破断歪み (%) pp 31 30 1290
PP-PMMA2%(18.0MPa) 30 33 1170
PP-PM A17%(24hr, 0.3MPa) 34 36 1000
PP-PMMA28%(14.7MPa) 37 35 860
PP-PMMA59 (4.0MPa) 38 33 90
PP-P A74%(6.0MPa) 38 33 55
PP-PMMA1 10%(8.0MPa) 38 34 30
PMMA(8.0MPa) - 42 5
PMMA(0.3MPa) 一 70 12
PP-PM A(Blend) - ― 27 4 チャック間 10mm、 10mn/min、 19。C
P MMAの増加に伴い、 降伏応力が上昇し、 伸び率は低下することが分かる。 また、 B 1 e n d系は P P— P MMA ( s c C 02) と比較し、 伸び率が低かった。 これは、 島 (P MMA) 相が欠陥となるためと考えられる。
(実施例 4 7 )
基質、 モノマーを変えた他は実施例 4 6と同様にして調製した結果を以下の表 6にまとめた。 表 6 モノマー 圧力(MPa) 重量増加率(Wt°/。)
PP スチレン 0.3 43%
PP スチレン 5.6 45%
PP スチレン 8.8 46%
木 MMA 10.2 22%
セルロー -ス MMA 10.2 1 %
sPS MA 10.2 12%
PF MMA 10.2 28%
PET MMA 10.2 2%
PE MA 10.2 13%
木 MAA 10.0 12%
セルロー -ス MAA 10.0 0%
sPS MAA 10.0 0%
PET MAA 10.0 1%
PE MAA 10.0 1% 産業上の利用可能性
以上示したように、 本発明の製造方法によれば、 超臨界流体を用いることによ り、 十分な量のモノマーが基質に含浸して重合することが可能となり、 充分な量 のポリマーを含有する高分子複合材料が得られる。
差替え用紙 (規則 26)