WO2004014272A1

WO2004014272A1 - 吸収性物品

Info

Publication number: WO2004014272A1
Application number: PCT/JP2003/010062
Authority: WO
Inventors: Hiroyuki Hanao; Koji Kondo; Keiji Torigoshi
Original assignee: Daio Paper Corporation
Priority date: 2002-08-08
Filing date: 2003-08-07
Publication date: 2004-02-19
Also published as: AU2003254857A1; US20050267427A1; EP1547552A4; CN1674843A; CN1306923C; EP1547552A1; AU2003254857B2

Abstract

　吸収能力および強度を低下させず、薄型化を図ることが可能な吸収性物品。パルプ繊維と高吸水性ポリマーとを含み、高吸水性ポリマーの含有量が５５重量％以上である吸収体を備える。液透過性の、不織布を用いた表面シートで前記吸収体を被包してもよい。

Description

明細書吸収性物品技術分野

本願発明は、使い捨ておむつ、生理用品等の吸収体コアとして使用される吸収性物品に関するものである。背景技術

従来の吸収性物品は、パルプと高吸水性ポリマーとからなる吸収体を液透過性の表面シートによって被包して構成されており、前記パルプに対する髙吸水性ポリマ一の含有量は 5 0重量％を超えない程度とされていた（例えば、下記特許文献 1参照）。このような構成の吸収性物品の場合、パルプの繊維が絡み合うことによって吸収体の強度が十分に保持されるため、表面シートと吸収体とを、ホットメルト接着剤、ポリビニールアルコールあるいは熱融着繊維により接着することとされていた。

特許文献 1 : 特表 2 0 0 2— 5 1 2 0 8 2

ところで、上記吸収性物品は、薄型化される傾向にあり、吸収体自体を薄型化したいという要求がある。ところが、吸収体自体を薄型化すると、吸収体に含まれる高吸水性ポリマーの量が必然的に減少してしまい、吸収能力が低下するという不具合が生じる。

上記のような理由から、吸収体に含まれる高吸水性ポリマーの含有量を減らすことなく、吸収体の薄型化を図る試みがなされている。すると、必然的に吸収体に含まれるパルプの含有量を減らす必要が生じるが、パルプの含有量が 5 0重量％より少なくなると、高吸水性ポリマー自体に強度保持能力がないため、吸収体の強度保持が難しくなるという新たな不具合が生じるおそれがある。この場合、上記した従来技術と同様に、表面シートと吸収体とを、ホットメルト接着剤、ポリビニールアルコールあるいは熱融着繊維により接着するという方法では不十分となる。また、従来、使い捨ておむつ、あるいは生理用ナプキン等の吸収性物品は、通常、着用者の身体と接する表面側を覆う透液性上面シートと、その裏面側を覆う不透液性下面シ一トと、これらのシート間に介在された吸収体とで構成されている。このような吸収性物品に対しては、とくに吸収性及び装着性に優れ、かつ安価に入手できるものが一般ユーザーから要求されている'。

図 9は、従来の吸収性物品の一例であるテープ式の使い捨ておむつ 1 0 0を展開して表面側から見た平面図であり、図 1 0は図 9の A— A線断面図である。図示するように、この使い捨ておむつ 1 0 0は、透液性上面シート 1 0 1 と不透液性下面シ一ト 1 0 2との間に介在された吸収体 1 0 3により構成された使い捨ておむつ本体を擬似砂時計形状に形成したもので、その背部側にはこの使い捨ておむつ本体を身体に保持、密着させるためのファスニングテープ 1 0 4及び弾性伸縮部材 1 0 5 B力、同様に腹部側には弾性伸縮部材 1 0 5 Fが、また脚周り部には弾性伸縮部材 1 0 5 Sが夫々設けられてなっている。

前記吸収体 1 0 3は、図 1 0に示すように、パルプ繊維 1 0 7と高吸収性ポリマー 1 0 8との混合層をクレープ紙 1 0 6で被覆してなっている。このように構成された使い捨ておむつ 1 0 0は、透液性上面シ一ト 1 0 1を通して入ってきた尿等の体液をパルプ繊維 1 0 7で一時的に保持した後、高吸収性ポリマー 1 0 8 で体液を保持する。このとき、高吸収性ポリマー 1 0 8は膨潤し、吸収体 1 0 3 の体積が増加する。したがって、この高吸収性ポリマー 1 0 8の量を多くすると、吸収体 1 0 3中のパルプ繊維 1 0 7の量が相対的に減少し、吸収速度が遅くなると共に繊維同士の絡みが少なくなつて吸収体 1 0 3の保形性が劣化する欠点がある。

逆に、この保形性を向上させるために、吸収体 1 0 3中の高吸収性ポリマー 1 0 8の量を減少させ、パルプ繊維 1 0 7の量を相対的に増加させて使い捨ておむつ 1 0 0を形成すると、着用したときに股間部が嵩張って脚部の運動機能が低下すると共に見栄えが悪くなり、また製造コストがアップする等の欠点がある。そこで、このような吸収性、装着性、あるいはコスト等を考慮し、従来の吸収性物品では、全体の厚みが通常 5〜 1 0 mm程度に作られているのが実情である。しかしながら、このような吸収性物品は、吸収性及び装着性が共に優れ、かつ安価に入手できるという一般ユーザ一が望む理想的な吸収性物品にはまだまだ及ばず、最近では、とくにシートに近い厚みを有し、軽量でコンパクトな吸収性物品の出現が強く要望されていた。

本願発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、吸収能力を低下させることなく吸収性物品の薄型化を図り得るようにすることを目的とするものである。発明の開示

本発明の第 1の側面によれば、この吸収性物品は、パルプ繊維と高吸水性ポリマーとを含み、前記高吸水性ポリマーの含有量が 5 5重量％以上である吸収体を備えたものである。このような構成とすれば、吸収能力を向上させることができる。

この吸収性物品において、前記吸収体を被包する液透過性の、不織布を用いた表面シートをさらに有することが好ましい。

このようにすれば、吸収体における高吸水性ポリマーの含有量が 5 5重量％以上となると、相対的にパルプの含有量が減少することとなり、高吸水性ポリマ一自体に強度保持能力がないため、吸収体の強度保持が難しくなるが、表面シートとして不織布を用いたことにより、吸収性物品の強度保持が可能となる。従って、吸収能力を低下させることなく且つ強度も低下させることなく、吸収性物品の薄型化を達成することができる。また、高吸水性ポリマーの含有量が増えたことにより、高吸水性ポリマーのこぼれによって歩留まりが悪くなるおそれがあるが、表面シートとして不織布を用いたことにより、高吸水性ポリマーのこぼれを防止できることとなり、歩留まりが改善できる。

また、この吸収性物品において、前記表面シートにおける不織布の繊維太さ、湿潤強度および目付を、 2 . 0デニール以下、 3 0 0 g / 2 5 mm以上および 1 0 g Zm ²以上にそれぞれ設定することが好ましい。

このようにすれば、表面シ一トとして用いられる不織布の強度が高くなるところから、吸収性物品の強度を十分な高さに保持することができる。

また、前記表面シートにおける不織布の少なくとも一部に親水処理を施しても 03 010062

よい。このようにすれば、不織布からの液透過が均一に行われることとなり、吸収能力のより一層の向上を図ることができるとともに、液の逆戻りをも防止することができる。また、上記吸収性物品において、前記高吸水性ポリマーが下記 1 ) 〜3 ) の吸収性能条件を充足してなることが好ましい。

1 ) 吸収速度が人工尿 3 0 c cに対し 5 0秒以下である。

2 ) 吸収量が 2 0 g Z c m ²加圧下での人工尿に対し 2 8 c c / g以上である。

3 ) 吸湿ブロッキング率が 5 0 %以下である。

このような高吸水性ポリマーを用いれば、吸収性、装着性の面で優れ、かつ安価に製造し得る吸収性物品を提供することができる。とくに、吸収体の厚みを薄くすることができるので、全体として軽量かつコンパクトな吸収性物品とすることができ、着用者に対し快適な装着感と脚部の自由な運動機能を与えることができ、また製造コストの低減化を図ることができるという顕著な効果が得られる。また、前記吸収体は、前記パルプ繊維の単独層と、前記パルプ繊維と前記高吸収性ポリマーとの混合層とを有する構造としてもよい。このような構造とすることによって、より効果的に、吸収性、装着性の面で優れ、かつ安価に製造し得る吸収性物品を提供することができる。図面の簡単な説明

図 1は、本願発明の第 1 の実施形態にかかる吸収性物品を吸収体コアとして使用した使い捨ておむつの縦断面図、

図 2は、本願発明の第 1の実施形態にかかる吸収性物品の縦断面図、図 3は、本願発明の吸収性物品の変形例を示す縦断面図、

図 4は、本発明の第 2の実施形態による使い捨ておむつを展開して表面側から見た平面図、

図 5は、図 4の B— B線断面図、

図 6は、図 5の要部（吸収体の層構成）の拡大図、

図 7 A ~ 7 Cは、本発明における高吸収性ポリマーの吸収性能分析方法説明図で、図 7 Aは吸収速度、図 7 Bは吸収量、図 7 Cは吸湿ブロッキングの分析方法を説明する図、

図 8 Aおよび 8 Bは、夫々、本発明に係わる吸収体の他の構成例を示す断面図、図 9は、従来の使い捨ておむつを展開して表面側から見た平面図、

図 1 0は、図 9の A— A線断面図である。発明を実施するための最良の形態

以下、本発明の内容を、前記同様、吸収性物品が使い捨ておむつである場合の実施の態様に基づき詳述する。なお、本発明は必ずしも以下の実施態様に限定されるものではなく、請求の範囲を逸脱しない範囲において、その構成を任意に変更できるものであることはいうまでもない。図 1は、本願発明の第 1実施形態にかかる吸収性物品を吸収体コアとして使用した使い捨ておむつの縦断面図である。この使い捨ておむつは、液透過性の上面シート 1、液不透過性の下面シート 2および該両シート 1 , 2間に介在される液保持性の吸収体コア 3を具備しており、前記下面シート 2の下側には、外層不織布 4が配され、吸収体コア 3の左右両側縁部における上面シート 1上には、立体ギャザー 5 , 5をそれぞれ形成するための撥水性不織布 6， 6が配されている。前記外層不織布 4の両側縁部と前記撥水性不織布 6 , 6の基部は、ともに前記吸収体コア 3の左右両側縁部より外方に延出されており、該延出部には、レッダ用弾性部材 7 , 7 · 'が挟持されていて、左右一対のレッダ用ギヤザ一 8 , 8が形成されている。また、前記各撥水性不織布 6の自由縁部 6 aには、立体ギャザー形成用の立体ギャザー用弾性部材 9がそれぞれ配されている。

前記吸収体コア 3は、図 2に示すように、パルプに対する高吸水性ポリマーの含有量が 5 5重量％以上とされている吸収体 1 0を液透過性の表面シ一ト 1 1 によって被包して構成されており、該表面シート 1 1 として不織布が用いられている。なお、図 3に示すように、外周縁を接着した 2枚の表面シート 1 1 A , 1 1 B間に吸収体 1 0を挟み込んで吸収体コア 3を構成する場合もある。

上記高吸水性ポリマーとしては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム（ァクリ T JP2003/010062

ル酸ービニルアルコール）共重合体、ポリアクリル酸ナトリゥム架橋体、（でんぷんーアクリル酸）グラフト共重合体、（イソブチレン一無水マレイン酸）共重合体およびその鹼化物、ポリアスパラギン酸等、従来から知られている各種のものを用いることができ、これらは一種を単独で用いても良いし、複数種類のポリマーを任意の割合で混合して用いても良い。

また、上記表面シート 1 1に用いられている不織布を構成する繊維としては、 S M Sが望ましく、不織布における繊維の太さ、湿潤強度および目付は、それぞれ 2 . 0デニール以下、 3 0 0 g Z 2 5 mni以上および 1 0 g /m²以上とするのが望ましい。不織布繊維の太さが 2 . 0デニールを超えると、不織布自体が疎となり、高吸水性ポリマーの歩留まり低下の原因となる。不織布繊維の湿潤強度が 3 0 0 g / 2 5 mm未満となると、高吸水性ポリマーの含有率 5 5 %以上では、十分な強度が得られず、使用中に吸収体 1 0のョレ、ヮレを起こす場合がある。不織布繊維の目付が 1 0 g Zm²未満となると、不織布自体が疎となり、高吸水性ポリマーの歩留まり低下の原因となる。

さらに、上記表面シート 1 1に用いられている不織布には親水処理が施される。当該親水処理は、不織布の両面に施されるのが望ましいが、片面のみの親水処理あるいは部分的な親水処理としてもよい。

上記のように構成したことにより、吸収体 1 0における高吸水性ポリマーの含有量が 5 5重量％以上となると、相対的にパルプの含有量が減少することとなり、高吸水性ポリマー自体に強度保持能力がないため、吸収体 1 0の強度保持が難しくなるが、表面シート 1 1 として不織布を用いたことにより、吸収体 1 0の強度保持が可能となる。従って、吸収能力を低下させることなく且つ強度も低下させることなく、吸収性物品の薄型化を達成することができる。

また、前記表面シート 1 1に用いられている不織布における繊維の太さ、湿潤強度および目付を、 2 . 0デニール以下、 3 0 0 g / 2 5 mm以上および 1 0 g ノ ni²以上にそれぞれ設定したことにより、表面シート 1 1 として用いられる不織布の強度が高くなるところから、吸収性物品の強度を十分な高さに保持することができる。

また、前記不織布に親水処理を施したことにより、不織布からの液透過が均一 3 010062

に行われることとなり、吸収能力のより一層の向上を図ることができるとともに、液の逆戻りをも防止することができる。図 4は、本発明の第 2の実施態様に係わる使い捨ておむつ 2 0を展開して表面側から見た平面図、図 5は図 4の B— B断面図、図 6は図 5の要部拡大図である。図示するように、本使い捨ておむつ 2 0は前述した従来の使い捨ておむつ 1 0 0 と較べ、吸収体 2 3の内部構成を除くその他の構成が実質的に同一なものとなつている。このため、前記使い捨ておむつ 1 0 0と対応する構成部品には 2 0番台の対応する番号及び符号が付されている。

すなわち、本使い捨ておむつ 2 0は、透液性上面シート 2 1と不透液性下面シート 2 2との間に介在された吸収体 2 3により使い捨ておむつ本体が構成され、全体が擬似砂時計形状に形成された背部側には、使い捨ておむつ本体を身体に保持、密着させるためのファスニングテープ 2 4及びゴム紐等から成る弾性伸縮部材 2 5 Bが、同様に腹部側には弾性伸縮部材 2 5 Fが、また脚周り部には弾性伸縮部材 2 5 Sが設けられている。

透液性上面シート 2 1には、織布、不織布、多孔性シート等の液透過性を有し、柔軟で肌触りのよい素材が用いられている。また、不透液性下面シート 2 2には、ポリエチレンや防水フィルム、これらの複合材、あるいはフィルムと織布等の複合材で液不透過性を有する肌触りのよい素材が用いられている。

吸収体 2 3は、図 5及び図 6に断面図で示すように、表面側よりパルプ繊維 2 7の単独層 L l、パルプ繊維 2 7 と高吸水性ポリマ一 2 8との混合層 L 2、パルプ繊維 2 7の単独層 L 1の 3層がクレープ紙 2 6により被覆されてなつている。なお、パルプ繊維 2 7の単独層 L 1及びパルプ繊維 2 7と高吸水性ポリマー 2 8 との混合層 L 2の層厚は、夫々、 L l = 0 ~ 4 mmに、及び、 L 2 = 1〜 8 mm に、そして吸収体 2 3全体の厚みは 1〜 1 0 mmに設定され、前述した従来の使い捨ておむつ 1 0 0のものと較べかなり薄く形成されている。

パルプ繊維 2 7の素材としては、綿状パルプ他の公知のものが適用され、また高吸水性ポリマ一 2 8としては、ポリアクリル酸ソーダやアクリル酸ビニールァルコール共重合体等が好ましく用いられる。 0062

ここに、吸収体 23は、 3層に含まれる高吸水性ポリマー 28の全含有率が 5 5重量％以上、パルプ繊維 2 7の全含有率が 45重量％未満であり、かつ、この高吸水性ポリマー 28が下記の 1) 〜3) の吸収性能条件を満たすように設計されている。

1) 吸収速度が人工尿 3 0 c cに対し 50秒以下である。

2) 吸収量が 20 g/ cm²加圧下での人工尿に対し 28 c c/g以上である。

3) 吸湿ブロッキング率（ゲル強度）が 50%以下である。ここに、高吸水性ポリマー 28の上記吸収性能は図 7 A〜 7 Cに示す分析方法によって測定される。図 7 Aは吸収速度を、図 7 Bは加圧下吸収量を、図 7 Cは吸湿ブロッキング率を、夫々分析する方法を模式的に示した説明図である。

先ず、高吸水性ポリマー 28の吸収速度は、図 7 Aに示すように、直径 90m mのシャーレ 30の内部に 1 gの高吸水性ポリマ一 28を散布し、ここに 30 c cの人口尿を入れ（A 1 )、この人口尿が高吸水性ポリマー 28に吸収されるまでの時間（秒）を測定する（A2)。本発明者等が鋭意実験した結果、この吸収速度が 50秒以下の高吸水性ポリマー 28が吸収性能の面で好ましいことが明らかにされている。吸収速度が 50秒を上回ると高吸水性ポリマー 28の親水性が高くなり、尿のウエットバックが顕著化して肌がかぶれ易くなるからである。

次に、高吸水性ポリマ一 2 8の吸収量は、図 7 Bに示すように、加圧力 20 g / c m²の下で（B 1 )、直径 5 0 mmのろ紙 3 1上の直径 40 mmの範囲内に 0. 2 gの高吸水性ポリマ一 28を散布し、これを人工尿に浸して吸収量（c c/g) を測定する（B 2)。上記同様、実験の結果、この吸収量が 28 c cZg以上の高吸水性ポリマー 28が吸収性能の面で好ましいことが明らかにされている。吸収量が 28 c c/gを下回ると、吸収速度の場合と同様に、尿のウエットバックが顕著化して肌がかぶれ易くなるからである。

また、高吸水性ポリマー 2 8の吸湿ブロッキング率は、図 7 Cに示すように、 1 50 mmX 1 50 mm (正方形）の鋼板 3 2上の 10 0 mmX 10 mmの範囲内に 2 gの高吸水性ポリマー 28を散布し、温度 40で、湿度 90 %の恒温高湿槽内に 30秒間保管し（C l)、鋼板 3 2を裏返して 1分間静止し（C 2)、計算式、すなわち、鋼板 3 2に残った高吸水性ポリマー/総重量 X 1 0 0 =吸湿プロッキング率（％：)、に基づき高吸水性ポリマ一 2 8の吸湿ブロッキング率を測定する（C 3 )。上記同様、実験の結果、この吸湿ブロッキング率が 5 0 %以下の高吸水性ポリマ一 2 8が好ましいことが明らかにされている。吸湿ブロッキング率が 5 0 %を上回ると、高吸水性ポリマ一 2 8を使い捨ておむつ製造機に搬送するとき、通常の湿度の雰囲気内でポリマー粒子同士がくつついて固まってしまうために分散性が悪くなり、これにより高吸水性ポリマ一 2 8の均一な散布ができなるからである。また、ポリマー粒子が搬送管内や使い捨ておむつ製造機設備等に付着して鯖を発生するためオーバーホールが度々必要となり、この都度製造設備を停止しなければならないためにコストがかかることも明らかにされている。以上のとおり構成された吸収体 2 3を用いて作られた本使い捨ておむつ 2 0によれば、パルプ繊維 2 7と高吸水性ポリマー 2 8とが程よく含有されていることから、尿等の体液が吸収体 2 3内に迅速に吸収される。また総厚が 5 mm以下の薄手とすることができることから、全体を軽量かつコンパク卜な使い捨ておむつ 2 0を安価に製造することができる。

なお、前記実施例では吸収体 2 3を 3層構成としたが、本発明においては必ずしもこれに限定されるものではなく、吸収体 2 3を構成する高吸水性ポリマー及びパルプ繊維との含有率が、夫々、 5 5重量％以上、及び 4 5重量％未満とする条件の下に、図 8 A、 8 Bのように変更することができる。

すなわち、図 8 Aに示す吸収体 2 3は、表面側のパルプ繊維 2 7と高吸水性ポリマー 2 8との混合層 L 2と、この下層側のパルプ繊維 2 7の単独層 L 1の 2層をクレープ紙 2 6により被覆してなっている。なお、パルプ繊維 2 7と高吸水性ポリマー 2 8との混合層 L 2の層厚は L 2 = 1〜 6 mmに設定され、パルプ繊維 2 7の単独層 L 1の層厚は L 1 = 0〜 4 mmに設定されている。

同様に、図 8 Bに示す吸収体 2 3は、表面側のパルプ繊維 2 7の単独層 L 1 と、この下層側のパルプ繊維 2 7と高吸水性ポリマー 2 8との混合層 L 2の 2層をクレープ紙 1 6により被覆してなっている。なお、パルプ繊維 2 7の単独層： L 1の層厚は L 1 = 0〜4 mmに設定され、パルプ繊維 2 7と高吸水性ポリマー 2 8との混合層 L 2の層厚は L 2 = 1〜 6 mmに設定されている。このように 2層に構成された吸収体 2 3によっても、高吸水性ポリマ一 2 8が前記 1 ) 〜 3 ) の吸収性能条件を充足している場合には、前記実施例と同様な効果を奏することが判明している。産業上の利用可能性

以上、本発明の内容を使い捨ておむつについて説明したが、本発明は、この他、例えば生理用のナプキンや尿取りパッド等の、公知の吸収性物品に適用し得ることはいうまでもない。

Claims

請求の範囲

1. パルプ繊維と高吸水性ポリマーとを含み、前記高吸水性ポリマーの含有量が 5 5重量％以上である吸収体を備えた吸収性物品。

2. 前記吸収体を被包する液透過性の、不織布を用いた表面シートをさらに有する請求の範囲第 1項記載の吸収性物品。

3. 前記表面シートにおける不織布の繊維太さ、湿潤強度および目付を、 2. 0 デニール以下、 3 0 0 gZ 2 5 mm以上および 1 0 g /m²以上にそれぞれ設定した請求の範囲第 2項に記載の吸収性物品。

4. 前記表面シ一トにおける不織布の少なくとも一部に親水処理を施した請求の範囲第 1項〜第 3項のいずれか一項記載の吸収性物品。

5. さらに、前記前記高吸水性ポリマーが下記 1 ) 〜 3) の吸収性能条件を充足してなる請求の範囲第 1項記載の吸収性物品。

1 ) 吸収速度が人工尿 3 0 c cに対し 5 0秒以下である。

2 ) 吸収量が 2 0 g/c m²加圧下での人工尿に対し 2 8 c c/g以上である。

3) 吸湿ブロッキング率が 5 0%以下である。

6. 前記吸収体は、前記パルプ繊維の単独層と、前記パルプ繊維と前記高吸収性ポリマーとの混合層とを有する請求の範囲第 5項記載の吸収性物品。