WO2004002658A1

WO2004002658A1 - アルミニウム合金の真空ダイカスト鋳造方法及び鋳造装置並びにアルミニウム合金製品

Info

Publication number: WO2004002658A1
Application number: PCT/JP2003/008072
Authority: WO
Inventors: Hirotaka Kurita; Hiroshi Yamagata; Toshikatsu Koike
Original assignee: Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha
Priority date: 2002-06-26
Filing date: 2003-06-26
Publication date: 2004-01-08
Also published as: JPWO2004002658A1; JP4224024B2; AU2003244075A1

Description

明細書アルミニウム合金の真空ダイカスト鎵造方法及び鐯造装置並びにアルミニゥム合金製品技術分野

本発明は、アルミニウム合金の真空ダイカスト鎵造方法及び铸造装置並びにエンジンのシリンダブ口ヅクゃビストン等のアルミニウム合金製品に関する。背景技術

エンジンのシリンダブ口ヅク構造として、シリンダボアのビストン摺動面にスリーブを装着したり、ボア表面に N iめっきを施して高温摺動時の耐摩耗性や強度等を高めたものが従来より採用されている。

一方、このようなスリーブや N iめっきを使用することなく、錶造品を機械加工した状態で摺動面を形成する直摺動型のシリンダブ口ックとすれば、製造プロセスが簡素化し冷却能力も向上してコストの低減が図られるものと考えられる。このような直摺動型のシリンダブロックとして、過共晶の A 1 (アルミニウム） —S i (シリコン）合金の単一材料の錄造品からなるシリンダブ口ヅクが実用化されている。

しかしながら、従来の A 1— S i合金の単一材料からなる直摺動型シリンダブロックは、低圧錡造で形成されているため、錶造時間が長くかかり、生産性が低下してコスト的に不利となる。

また、低圧錶造では錶造時間が長くかかることから、低圧錶造用の A 1一 S i合金は、 F e含有量を少なくして冷却時に粗大化合物相ができるのを回避している。 F eは金型との焼付きを防く、作用もあるが、低圧錶造では、セラミヅクコーティングを繰り返しながら行うので、焼付きは起きない。しかしこの低圧錶造の A 1— S i合金を用いて、通常の高圧高速のダイカスト法によりシリンダプロックを鎵造した場合、この F e不足による焼付きが問題となる。

一方、通常の高圧ダイカスト用 A 1 — S i合金では、耐摩耗性を高める S i含有量が少ない。低圧錡造であれば冷却速度が遅いので S i含有量が少なくても S iの結晶が充分成長して粒径が大きくなつて十分な耐摩耗性が得られるが、高圧ダイカスト铸造法では冷却速度が速いため、 S i結晶が充分大きく成長せず、必要な耐摩耗性が得られない。

さらに、直摺動型シリンダブロックでは、アルミニウム合金自体がボァの摺動面を形成するため、鎵巣等の欠陥を極力なくさなければならない。鎵巣等の欠陥をなくすためには、錶造時にキヤビティからガス（水素や空気あるいは離型材ゃ潤滑材等から発生する炭素系ガス等）を除去する必要がある。このために、従来より錶造時に金型（固定金型と可動金型）を合わせたときの金型の合せ面等の隙間をシールした状態で金型のキヤビティ内のガスを真空ポンプで排気しながら鎵造を行う方法が取られていた。しかし、このような真空引き（減圧）を行いながら錡造しても、空冷シリンダの空冷フィン等の薄く入り組んだ部分を成形する場合には、その部分にスライド金型を使用するため、固定金型と可動金型の合せ面の他にスライド金型の摺動面にも隙間が生じ、シール性が低下して充分な真空度が得られず、ガスを確実に除去することができなかつた

錶造製品中のガスが多いと、熱処理や溶接時にブリス夕一と呼ばれる気孔やふくれが発生するため、従来の高圧ダイカストでは熱処理や溶接ができなかった。

本発明は上記従来技術を考慮したものであって、高圧ダイカストにより低コストで十分な耐摩耗性及び耐焼付き性を確保できるアルミニウム合金の真空ダイカスト鎵造方法及び錶造装置並びにエンジンのシリンダプロックゃビストン等のアルミニウム合金製品の提供を目的とする。発明の開示

前記目的を達成するため、本発明では、互いに一方向に相対移動可能な第 1及び第 2金型と、前記第 1及び第 2金型間に挟まれて前記一方向とは異なる方向に相対移動可能なスライド金型からなる複数の金型同士を合せてキヤビティを形成する工程と、前記キヤビティ内を減圧するェ程と、前記キヤビティ内にアルミニウム合金の溶湯を供給する工程とを含むアルミニゥム合金の真空ダイカスト錶造方法であって、前記キヤビティを形成する工程は、前記金型同士の合せ面の周縁の全体又は一部を空間を介してカバー部で覆う工程を付随して有し、続いて、プランジャチップの低速での前方移動に伴い、真空排気を開始することにより、前記キヤビティ内を減圧する工程と、前記カバ一部と前記金型との間の空間を減圧する工程とを行って真空度を徐々に高め、溶湯がキヤビティ入口付近に達した時点でプランジャチップを高速移動させて溶湯をキヤビティ内に急速供給し、この間金型への冷却水流量調整を行なうことを特徴とするアルミニウム合金の真空ダイカスト鎵造方法を提供する。

この構成によれば、金型の合せ面がカバ一部で覆われるため、金型の合せ面自体にシール材を施すことなく金型内キヤビティを減圧することが可能になり、複雑な形状の金型ゃスライド金型等の合せ面ゃ摺動面のシール性が不確実になりやすい金型構成であっても、金型自体にはシールを施すことなくこれを覆うカバー部でシールして減圧することにより、金型内キヤビティの真空度を充分に高めることができ、ガスを確実に除去して鎵巣の発生をなくし溶接及び熱処理が可能で高品質のダイカスト錶造品を得ることができる。

この場合、可動側と固定側のカバ一部同士の合せ面にシ一ル材を設ける構成とした場合、シール材は高温の金型から空間を隔てた位置に設けられるため、金型からの熱的影響が低減し、シール材の劣化が防止され高いシール性が維持される。また、キヤビティを減圧する工程と、前記カバ一部と前記金型との間の空間を減圧する工程が行われるため、カバ一部と金型との間の空間を減圧することにより、金型のキヤビティを直接減圧することに加えて、金型合い面の周縁の隙間を通して金型内のキャビティを減圧することができ、また離型剤の蒸発ガスも吸引除去されるため、キヤビティ内のガスを確実に排出することができる。これにより、キヤビティへの湯廻りがよくなり、薄肉形成用のキヤビティであつても隅々まで確実に溶湯が充填され錡巣のない高品質のダイカスト製品を得ることができる。 '

好ましい構成例では、前記キヤビティを形成する工程と、前記金型同士の合せ面の周縁の全体又は一部を空間を介してカバー部で覆う工程が同時に行われることを特徴としている。

この構成によれば、金型を合せてキヤビティを形成するのと同時に金型がカパ一部で覆われるため、金型をカバ'一部で覆う工程を増やすことによる鎵造のサイクルタイムが増加することがない。

好ましい構成例では、前記キヤビティを形成する工程の後に、前記金型同士の合せ面の周縁の全体又は一部を空間を介して覆う工程が行われることを特徴としている。

この構成によれば、金型の型締め確認後にカバ一部で覆う工程が行われるため、空間形成及び密封の信頼感が向上する。

好ましい構成例では、前記キヤビティ内を減圧する工程と、前記カバ一部と前記金型との間の空間を減圧する工程がほぼ同時に行われることを特徴としている。 . - この構成によれば、キヤビティ内を減圧するのとほぼ同時にカバ一部と金型間の空間が減圧されるため、カバー部と金型間の空間を減圧する工程を増やすことによる鍀造のサイクルタイムが増加することがない。好ましい構成例では、前記キヤビティ内を減圧する工程と、前記カバ一部と前記金型との間の空間を減圧する工程が時間をずらせて行われることを特徴としている。

この構成によれば、スライド金型の入り組み形状や排気通路抵抗等を考慮して空間部の排気とキヤビティの排気時間をずらせることにより金型全体に対し効率よく順序立てて真空排気を行い、キヤビティ内のガスを確実に排気できる。

好ましい構成例では、前記キヤビティ内を減圧する工程の前に、前記カバー部と前記金型との間の空間を減圧する工程が行われることを特徴としている。

この構成によれば、キヤビティ内に先がけて空間部を真空排気するため、金型の合せ面ゃスライド型の摺動面等の隙間に入り込んで付着している液状の離型剤がキヤビティ内に吸引されることなく空間 3 3側へ直接吸い出される。このため、余分な離型剤がキヤビティ内に流入して溶湯に混入して錶巣等に欠陥を引き起こすことが防止される。

好ましい構成例では、前記アルミニウム合金は、 F eを含み、 S iを 1 8〜2 2 w t %含むことを特徴としている。

この構成によれば、アルミニウム合金中に、 S iが 1 8〜 2 2 w t % 含まれるため、冷却速度の速い高圧ダイカスト法で錶造した場合であつても、充分な S i粒子が得られ、耐摩耗性が高められる。 1 8 %以下では、高圧ダイカスト法で鎵造した場合、 S i粒子が大きくならず充分な耐摩耗性が得られない。また、 2 2 %以上では、もろくなつて耐摩耗性を低下させる。さらにこのような適度な S iは、錶造工程で表面に晶出し、金型との焼き付きを防止する。

好ましい構成例では、前記アルミニウム合金は、 F eを 0 . 4〜 1 . 5 w t %含むことを特徴としている。

この構成によれば、アルミニウム合金中に F eが 0 . 4〜 1 . 5 %含まれるため、高圧ダイカスト法で錶造した場合に、金型との焼付きが防止される。この場合、 S iによる焼き付き防止作用と相まって焼き付き防止効果がさらに高められる。 6が0 . 4 %以下では焼付きを充分に防止できない。また、 1 . 5 %以上では金属組織中に F eと A 1との間で生成された金属間化合物が大きく成長して粗大針状晶となり、もろくなって伸び性を低下させる。

好ましい構成例では、前記金型から取り出した錶造体を急冷する工程を含むことを特徴としている。

この構成によれば、金型から取り出したダイカスト铸造体を一旦急冷することにより、例えば C uや M g等の化合物が均一に分散し、場所的に均等で安定した強度が得られる。なお、ここで急冷とは、水冷焼入れ処理に代表されるが、水冷に限らず、自然冷却以外に積極的に銪造品を冷却するすべての冷却方法を含む。

好ましい構成例では、アルミニウム合金を上記本発明方法によるアルミニゥム合金の真空ダイカスト鎵造方法を用いて製造したことを特徴としている。

このように本発明方法によりアルミニウム合金製品を製造することにより、錶巣の発生を抑え、高品質で溶接及び熱処理が可能な铸造品が得られる。

好ましい構成例では、前記アルミニウム合金製品は、エンジンのシリンダブ口ヅク又はビストンであることを特徴としている。この適用例によれば、鎵巣がなく溶接及び熱処理が可能で高品質のシリンダブロック又はビストンを低コストの高圧ダイカスト法で鎵造できる。なお、シリンダプロヅクは、シリンダボアを含むエンジンのシリンダ部分であり、クランクケースゃシリンダへッドの一部を一体に錶造した場合も含む。また、ピストンはシリンダボア内を摺動するピストンでめる。

好ましい構成例では、前記アルミニウム合金製品は、エンジンのシリンダプロヅクであって、そのシリンダボアの表面にシリコン結晶が突出していることを特徴としている。

この構成によれば、アルミニウム合金からなるシリンダボアのアルミニゥム母材表面に、 S i結晶粒子を浮き出して突出させるため、この浮き上がった S i結晶粒子がビストンに接して摺動面を構成し、その周囲の凹んだアルミニウム母材表面に潤滑油が行き渡り、安定して耐摩耗性の優れたシリンダブ口ックが得られる。

さらに、本発明では、互いに一方向に相対移動可能な第 1及び第 2金型と、前記第 1及び第 2金型間に挟まれて前記一方向とは異なる方向に相対移動可能なスライド金型からなる複数の金型同士を合せてキヤビティを形成し、前記キヤビティ内を真空ポンプで減圧して、前記キヤビティ内にアルミニウム合金の溶湯を供給するアルミニウム合金の真空ダイカスト鐯造装置において、前記第 1及び第 2金型のそれそれに一体的にカバ一部を設け、前記キヤビティを形成時に、カバ一部同士がシール材を介して当接することにより、前記金型同士の合せ面の周縁の全体又は一部を空間を介してカバー部で覆うように構成するとともに、前記キヤビティと前記空間とを真空ポンプに接続する真空配管を設け、前記ブランジャチップの低速での前方移動に伴い、真空排気を開始し、前記真空配管を介して前記キヤビティ内と、前記空間内を減圧し、溶湯がキヤビティ入口付近に達した時点でプランジャチップを高速移動させて溶湯をキヤビティ内に急速供給し、この間金型への冷却水流量調整を行なうことを特徴とするアルミニウム合金の真空ダイカスト錶造装置を提供するこの構成によれば、金型の合せ面がカバ一部で覆われるため、金型の合せ面自体にシ一ル材を施すことなく、真空ポンプによりカバ一部内を吸引排気して金型内キヤビティを減圧することが可能になり、複雑な形状の金型ゃスライド金型等の合せ面ゃ摺動面のシール性が不確実になりやすい金型構成であっても、金型自体にはシールを施すことなくこれを覆うカバ一部でシ一ルして減圧することにより、金型内キヤビティの真空度を充分に高めることができ、ガスを確実に除去して鎵巣のの発生をなくし溶接及び熱処理が可能で高品質のダイカスト錶造品を得ることができる。

好ましい構成例では、前記カバ一部は、前記金型同士の合せ面の周縁全体を空間を介して覆い、且つ前記第 1及び第 2金型に別体で固着したことを特徴としている。

この構成によれば、カバー部が別体であるため、既存の金型を利用して本発明を実施できる。

好ましい構成例では、前記カバ一部は、前記金型同士の合せ面の周縁全体を空間を介して覆い、且つ前記第 1及び第 2金型に一体成形したことを特徴としている。

この構成によれば、カバ一部と金型が一体であるため、カバ一部取付け用の部品が不要になり、部品点数が削減され構成がシンプルになる。好ましい構成例では、前記カバー部には少なくとも一部の金型を駆動するァクチユエ一夕を取付けるための取付部を有することを特徴としている。この構成によれば、力バー部側にァクチユエ一タを取付けて金型を駆動することができ、金型の構成が簡単になり、またレイアウトの自由度が大きくなる。

好ましい構成例では、前記カバー部を金型へ固着する固着部をカバ一部の内面に形成したことを特徴としている。

この構成によれば、力バ一部の内面側でこのカバ一部を金型に固着するため、カバ一部の外面形状がシンプルになり、また取付けボルト等が外側に突出しないためシ一ル構造が簡単になる。

好ましい構成例では、共通の真空ポンプに接続された前記真空配管の他端を前記空間に接続し、該空間を介して前記キヤビティを真空ポンプに接続したことを特徴としている。

この構成によれば、真空ポンプ及び真空配管を共通化して構成を簡素化できるとともに、空間を介して効率よくキヤビティ内を真空排気できる o

好ましい構成例では、前記キヤビティを前記空間を介することなく共通の真空ボンプに接続したことを特徴としている。

この構成によれば、共通の真空ポンプを用いて構成の簡素化を図るとともに、空間部とキヤビティとを別の配管で排気することにより、効率よく確実にキヤビティ内を真空排気できる。

好ましい構成例では、前記キヤビティと前記空間を別経路の真空配管を介して別系統の真空ポンプに接続したことを特徴としている。

この構成によれば、空間部とキヤビティとを別の真空配管及び別の真空ポンプで排気することにより、空間部の構成や排気抵抗等を考慮して別々の真空系を設けてキヤビティ内を効率よく確実に真空排気できる。図面の簡単な説明図 1は、本発明に係る鎵造プロセスのフロー説明図である。

図 2は、本発明に係る鎵造装置の構成図である。

図 3は、図 2の鍀造装置による錶造プロセスのタイムチャートである。図 4は、本発明の第 2の実施形態に係る鎵造装置の構成図である。

図 5は、本発明の第 3の実施形態の構成図である。

図 6は、本発明の第 4の実施形態の構成図である。

図 7は、本発明の第 5の実施形態の構成図である。

図 8は、本発明の第 6の実施形態の可動型の構成図である。

図 9は、図 8の可動型と一対になる固定型の構成図である。

図 1 0は、本発明の第 7の実施形態の可動型の構成図である。

図 1 1は、図 1 0の可動型と一対になる固定型の構成図である。

図 1 2は、本発明に錶造プロセスにおけるホーニング工程の説明図である

図 1 3は、本発明の別の実施形態に係るシリンダブ口ックの上面図である。発明を実施するための最良の形態 '

表 1は、本発明に係る A l— S i合金の材料成分を示す表である。【表 1】

Ni Sn Ca Na P Al

0.1以下 0.1以下 0.01以下 0.01以下 100 PPHfiiiJh 残部 t このアルミニウム合金は、再生アルミニウム合金の再生塊べ一スの地金を溶解して形成する。ただし、新規なアルミニウム金属を用いた新塊ベースの地金から形成することもできる。このようなアルミニウム合金を用いて、後述のダイカスト鎵造により、エンジンのシリンダブロックが形成される。表中、 S iは、シリンダボア摺動面の耐摩耗性を高め、また錶造工程での耐焼付き性を向上させる。 Feは、金型との焼付きを防ぐために添加する。 Cu及び Mgは、熱処理による母材強度を高める Mn, Zn, N i, Sn, Ca, N aは再生アルミニウムに元々含まれている不純物である。 Pは S i粒子の粒径及び分散を均一にするために添加される。

図 1は、表 1のアルミニウム合金を用いたダイカスト錶造工程を示す

溶解工程 S 1 ：

所定の合金組成を有するアルミニウム合金の地金を溶解炉で溶解して溶湯を形成する。溶湯中に未溶解の S iが残存することを防止するために、溶湯をある所定温度以上に過熱する。地金が完全に溶解したら溶湯温度を前記過熱温度以下の所定の温度に保持しておく。この溶解工程において、溶湯前の地金あるいは溶湯に Pを 100 p Dm程度添加しておく。これにより、合金中の S i粒子が均一に分散する。

錶造工程 S 2 ：

高圧ダイカスト錶造法により行う。この場合、後述のカバー部内にセットした金型を減圧しながら錶造する。このカバー部を用いて減圧することにより、スライド金型が多い金型であっても金型自体にシールを設けることなく、金型全体を吸引排気して金型内の真空度を高めることができ、ガスを確実に除き錶巣の発生を防止することができる。

熱処理工程 S 3 ：

鎵造後金型から取り出したシリンダブロックを T 5 , T 6又は T 7の熱処理を施す。 T 5処理は、鏡造品を金型から取り出した直後に水冷等により急冷し、その後、機械的性質の改善や寸法安定化のために、所定温度で所定時間だけ人工時効した後空冷する処理である。 T 6処理は、铸造品を金型から取り出した後、所定温度で所定時間だけ溶体化処理し、その後水冷し、その後、所定温度で所定時間だけ人工時効処理した後空冷する処理である。 T 7処理は、 T 6処理に比べ過時効にする処理であり、寸法安定化が図られるが硬度は T 6に比べ低下する。

機械加工工程 S 4 ：

シリンダへヅドとの合せ面、クランクケースとの合せ面及びシリンダボア内面の研削、旋削等の加工を行う。

ホーニング工程 S 5 ：

シリンダボア内面をホ一ニング加工する。このホ一ニングは後述（図 1 2 ) のように、 ①荒ホーニング、 ②中仕上げホーニング、 ③仕上げホ —ニングの 3工程で行う。

図 2は上記鎳造工程 S 2で使用する錡造装置の構成図である。

金型 1は固定型 2と可動型 3とからなり、可動型 3はベース金型 4とスライド金型 5とからなる。なお、固定型 2及びべ一ス金型 4が、請求項でいう第 1金型及び第 2金型のいずれか一方及び他方の金型を構成する。スライド金型 5は、 9 0度間隔で 4分割され、各々にシリンダ 6 ( 上下の 2つのみ示す）が備わり、ベース金型 4の表面（ベース金型 4とスライド金型 5との間の合せ面 3 0 ) に沿って矢印 Aのようスライドし、鏡造時に中央にシリンダブロックのキヤビティ 7を形成する。なお、このシリンダ 6は、請求項でいうスライド金型を駆動するァクチユエ一夕である。 7 a， 7 bはシリンダボア形成部であり、 7 cは空冷フィン形成部を示す。ベース金型 4には押出ピン 8 'が備わり、鎵造ショットごとに、スライド金型 5が開いた状態で錄造品を押出して金型から取り出す。 3 1は、固定型 2と可動型 3との間の合せ面である。

固定型 2には、射出スリーブ 9が設けられる。射出スリーブ 9内を口ヅド 1 0の先端に設けられたプランジャチヅプ 1 1が往復動作する。射出スリーブ 9には給湯口 1 2が形成され、プランジャチヅプ 1 1が原位置（給湯口 1 2の後方（図の右側）の位置）の状態で、 1ショット分の溶湯を注入する。給湯口 1 2の前方にはチップセンサ 1 3が設けられる。このチップセンサ 1 3は、プランジャチップ 1 1が給湯口 1 2を通過したことを検出するためのものである。

金型 1全体は、カバ一部 1 4で覆われる。カバ一部 1 4は、固定型 2 を収容する固定側カバー部 1 4 aと、可動型 3を収容する可動側カバ一部 1 4 bとからなり、合せ面に 0リング等のシール材 1 5が装着される ο

カバー部 1 4を貫通するシリンダ 6、押出ピン 8及び射出スリーブ 9 の各々とカバー部 1 4との間の隙間には、 0リング等からなるシール材 1 5が装着され、カバ一部 1 4内の気密を保つ。カバー部 1 4の可動側カバー部 1 4 b (又は固定側カバ一部 1 4 a ) にリークバルブ 1 6が設けられる。固定型 2には、キヤビティ 7に連通する排気通路 1 7が形成される。排気通路 1 7は可動型側に形成してもよい。この排気通路 1 7にバイパス通路 1 7 aが備わり、このバイパス通路 1 Ί aを開閉するオンオフバルブ 1 8が備わる。バイパス通路 1 Ί aは、錶造時（図示した状態）で金型内を真空吸引したときに、オンオフバルブ 1 8が装着された部分の排気通路 1 7をバイパスさせて排気通路 1 7を金型外部と連通させるためのものである。オンオフバルブ 1 8は、例えばメタル夕ヅチ式バルブであって、キヤビティアに溶湯が充填されて、残りの溶湯が排気通路 1 7を通して上昇してきたときに、溶湯がオンオフバルブ 1 8に接すると、これを押上げて排気通路 1 7とともにバイパス通路 1 7 aを閉じて、溶湯が金型外に噴き出ることを防止する。このようなメタル夕ツチ式バルブに代えて、プランジャチップ 1 1の位置を検出し、 1ショット分の溶湯押し込みが終了した位置でァクチユエ一夕を介して排気通路 1 7を閉じるバルブ構成としてもよい。また、このような溶湯の噴出し防止手段として、キヤビティに連通するジグザグ状で経路の長い細い通路を形成し、キヤビティから溢れる溶湯をこの通路を通すことにより、途中で固化させて金型外への流出を防止するチルベント構造を用いてもよい。カバ一部 1 4 (この例では固定側カバ一部 1 4 a ) に、真空タンク 1 9に連通する 1本又は複数（この例では 2本）の真空配管 2 0が接続される。真空夕ンク 1 9は、真空ポンプ 2 1により所定の真空圧に維持される。真空ポンプ 2 1は、制御装置 2 2により、プランジャチップ 1 1 のストローク位置の検出信号あるいはストロ一ク時間の夕イマ信号等に基づいてキヤビティ減圧の開始及び終了のタイミングでオンオフ制御される ο

なお、カバ一部 1 4は金型 1全体を覆っているが、局部的に（例えば金型 1の外周部を合せ面 3 0 . 3 1の周縁 3 0 a , 3 l aに沿ってリング状に）覆ってもよい。また、スライド金型 5を駆動するためのシリンダ 6を覆う形状のカバ一部 1 4を設けてもよい（図 6、図 7等参照）。このように金型 1を覆うカバ一部 1 4を設け、このカバ一部 1 4を真空排気してキヤビティ 7内を減圧しながら錡造を行うことにより、スライド金型 5が多くなつた場合であっても、金型自体にシールを施すことなく金型全体に対し真空吸引を行い、合せ面 3 0 , 3 1の隙間からもキャビティを真空吸引するため、真空度が高められ、金型内からガスを確実に除去することができる。また、カバ一部 1 4の固定側カバー部 1 4 aと可動側カバ一部 1 4 bの合せ面のシール材 1 5は高温の金型 1から離間した位置に装着されるため、熱的影響が小さくなつてシール材の劣化が防止され耐久性が向上する。

図中、冷却水流量調整ユニット 6 0は、図示したように、錶造プロセスにおける金型 1を冷却制御するものであり、例えば、プランジャチップ 1 1による高速射出のタイミング（図 3の t 2 ) でバルブ（不図示）を開いてタイマで一定時間冷却水を流す構成とすることができる。この —定時間は、例えば、型割りして製品を取り出すまでの時間とする。このとき、温度センサにより、冷却水温あるいは金型温度をモニタして冷却効果を確認してもよい。あるいは温度センサによりフィードバック制御することもできる。なお、冷却が不十分であると全体が凝固するまでに時間がかかり未凝固部分が凝固部分に引っ張られて巣ができやすくなる。逆に冷却しすぎると、凝固速度が速くなつて S i析出量が少なくなり耐摩耗性が低下する。

図 3は、前述の図 2のカバ一部 1 4を有する金型 1を用いて、図 1の錶造工程 S 2を実施したときの金型内の真空度を示すタイムチヤ一トである。横軸は時間、縦軸は真空度を示す。

まず、図 2に示した金型 1のスライド金型 5を所定の位置に配置して W

1 6 キヤビティ 7を形成し、可動型 3を固定型 2に突き合せて型締めする。このときカバー部 1 4の固定側カバ一部 1 4 aと可動側カバ一部 1 4 b の合せ面 3 2同士がシール材 1 5を介して突き合わされ、カバ一部 1 4 内が封止される。すなわち、固定型 2と可動型 3とを合せてキヤビティ 7を形成する型締め工程と、この金型 1をカバ一部 1 4で覆って封止する封止工程が同時に行われる。これにより錡造のサイクルタイムの短縮が図られる。なお、固定型 2と可動型 3を型締めしてキヤビティを形成した後に、この金型 1をカバ一部 1 4で覆って封止することも可能である o

時間 t 0 ：プランジャチヅプ 1 1は、原位置（給湯口 1 2の後方）にあり、給湯口 1 2が開いた状態であって、この給湯口 1 2を介して金型 1内は大気圧状態である。この状態で給湯口 1 2から 1ショット分のァルミニゥム合金の溶湯を注入する。溶湯が注入されたらプランジャチップ 1 1を低速で前方に移動し、射出スリーブ 9内の溶湯を押し込む。時間 t 1 ：チップセンサ 1 3 (図 2 ) がプランジャチヅプ 1 1を検出する。この状態では、プランジャチヅプ 1 1が給湯口 1 2を越えて前方に位置するため、カバ一部 1 4内は完全に気密封止される。この時点で、真空ポンプ 2 1を駆動してカバー部 1 4内を真空排気する。

この真空排気により、金型 1とカバ一部 1 4との間の空間 3 3とキヤビティ 7内の真空排気が同時に行われる。これにより、減圧プロセスが効率よく行われ、錄造のサイクルタイムの短縮が図られる。なお、キヤビティ 7の真空排気経路と、金型 1とカバ一部 1 4間の空間 3 3の真空排気経路とを別にして時間をずらせて真空排気することも可能である。特に、キヤビティ内に先がけて空間部を真空排気すると、金型の合せ面ゃスライド型の摺動面等の隙間に入り込んで付着している液状の離型剤がキヤビティ内に吸引されることなく空間 3 3側へ直接吸い出されるため、余分な離型剤がキヤビティ内に流入して溶湯に混入して錶巣等に欠陥を引き起こすことが防止される。

このような真空排気による吸引プロセスにより金型 1内のキヤビティ 7内が減圧され、徐々に真空度が高まる。プランジャチップ 1 1は低速で前進し続け、溶湯をキヤビティ側に押し込む。プランジャチヅプ 1 1が給湯口 1 2を越えてから真空排気を開始することにより、給湯口 1 2を通してエアが金型内に吸されることを回避できる。これにより、鎵巣の発生をさらに確実に防止するとともに、エアによる溶湯表面の局部的冷却を防止し、均一で安定した品質の鎵造品を得ることができる。時間 t 2 ：溶湯がキヤビティの入口に達した時点でプランジャチヅプ 1 1を低速から高速に切換え、溶湯を急速にキヤビティ内に供給する。時間 t 3 ：キヤビティ内が溶湯で完全に充填され射出が完了する。このとき溶湯が排気通路 1 7のオンオフバルブ 1 8 (図 2 ) を押上げ排気通路 1 7からの溶湯の噴き出しが防止される。

時間 t 4 ：真空ポンプ 2 1を停止して真空排気による減圧を終了する。この時点ではカバ一部 1 4内はまだ減圧された状態である。

時間 t 5 ：リークバルブ 1 6を開きカバー部 1 4内を大気開放する。リークバルブ 1 6を介して力バ一部内が時間とともに大気圧に近づく。時間 t 6 ：カバ一部 1 4内が完全に大気圧に戻る。この時点で金型を開き、錡造品を取り出す。大気圧に戻してから金型とともにカバ一部 1 4を開くことにより、カバー部の合い面 3 2に装着した◦リングの脱落が防止される。

なお、真空ポンプ 2 1自体をオンオフする代わりに、真空ポンプは常時オン状態とし、真空配管上に設けた電磁バルブ 6 1をオンオフすることにより真空引きのタイミング制御を行ってもよい。

例えば、チヅプセンサ 1 3がプランジャチヅプ 1 1を検出した時点（ t 1 ) で電磁バルブを開く。そして射出終了時点、例えばプランジャチヅプがストロ一ク最先端位置に達したことをセンサ（例えばプランジャチヅプのロッド位置を検出する口ッドセンサ）で検出した時点（ t 4 ) で電磁バルブを閉じる。この電磁バルブの開閉タイミングは、チップセンサ 1 3ゃロッドセンサの位置を前後に調整自在とすることにより可変とすることができる。

図 4は、本発明の第 2の実施形態に係る錡造装置の構成図である。この実施形態の錶造装置は、前述の図 2の実施形態に比べ、給湯口 1 2に蓋 2 3が設けられている点が相違する。蓋 2 3は給湯口 1 2の周囲にシ —ル材（不図示）を介して閉じられる。この場合、カバ一部 1 4内が真空排気されるため、射出スリープ 9内が減圧され、この負圧により、蓋 2 3が吸引されて給湯口 1 2を確実に気密封止する。したがって、給湯口 1 2から溶湯を注入した後直ちに蓋 2 3を閉じ、その時点から減圧開始できる。

2 4は蓋センサであり、給湯口 1 2が蓋 2 3で閉じられたことを検出し、その検出信号を制御装置 2 2に送る。制御装置 2 2は、蓋 2 3の検出信号が入力されると、直ちに真空ポンプ 2 1を駆動してカバー部 1 4 内を減圧する。

このような蓋 2 3を設けることにより、プランジャチップ 1 1が給湯口 1 2を越えるまで待つことなく、真空排気の開始が可能になり、射出スリーブ 9が短い場合であっても、減圧時間を長くして充分な真空度が得られる。その他の構成及び作用効果は図 2の例と同様である。

図 5は、本発明の第 3の実施形態の構成図である。

この実施形態は、前述のシリンダブロックに代えてビストンを鎵造するダイカスト装置を示すものである。固定型 2と可動型 3との間にビストン用のキヤビティ 3 4が形成される。固定型 2側にビストン内部の空洞部用の凸部 3 6が形成される。上下のスライド金型 5にビストンピン用の凸部 3 5が形成される。その他の搆成及び作用効果は前述の図 2の実施形態と同様である。

図 6は、本発明の第 4の実施形態の構成図である。

この実施形態は、カバ一部 1 4を金型 1と一体成形したものである。固定型 2に固定側カバー部 1 4 aがー体成形され、可動型 3のべ一ス金型 4に可動側カバ一部 1 4 bがー体成形される。固定側カバ一部 1 4 a と可動側カバ一部 1 4 bは合せ面 3 2でシール材 1 5を介して気密封止され、金型 1との間に空間 3 3が形成される。この例では、カバー部 1 4は、スライド金型 5を駆動するシリンダ 6を覆って形成される。その他の構成及び作用効果は前述の図 2の例と同様である。

図 7は、本発明の第 5の実施形態の構成図である。

この実施形態は、カバー部 1 4を金型 1と別体で形成し、固定側カバ一部 1 4 aを固定型 2に取付け、可動側カバ一部 1 4 bを可動型 3のべース金型 4にそれそれシール材 1 5を介して取付けたものである。このカバ一部 1 4は、ベース金型 4とスライド金型 5の合せ面 3 0および固定型 2と可動型 3の合せ面 3 1の周縁 3 0 a , 3 1 aを覆って形成される。キヤビティ 7に連通する排気通路 1 7は、カバー部 1 4の外側からカバー部 1 4内の空間 3 3とは別経路の真空配管 3 7を介して吸引排気される。真空配管 3 7上には真空配管 2 0と同様に電磁バルブ 6 2が設けられる。真空ポンプ 2 1を駆動したまま、真空配管 3 7の電磁バルブ 6 2と真空配管 2 0の電磁バルブ 6 1の開閉夕イミングを制御することにより、空間 3 3とキヤビティ 7の真空排気タイミングをずらせることができる。

この真空配管 3 7は、カバー部 1 4の真空配管 2 0に接続して同じ真空ポンプ 2 1により減圧してもよいし、別系統の真空ポンプに接続してもよい。また、排気通路 1 7は、図 6の例と同様に、カバー部 1 4の空間 3 3に開口させて、同一の真空配管 2 0で減圧するようにしてもよい。その他の構成及び作用効果は前述の図 6の例と同様である。

図 8は、本発明の第 6の実施形態に係るダイカスト鎵造装置の可動金型を示し、（A ) は中央部縦断面図、（B ) は正面図である。なお、前述の図 2等の実施形態と対応する部分には同一の番号を付してある。

可動型 3は、ベース金型 4と十字方向の 4つのスライド金型 5とからなる。下側のスライド金型 5に分流子 3 9が形成される。この分流子 3. 9は、固定型側の射出スリーブ 9 (図 9 ) に嵌まり込んで溶湯を円滑に流す流路を形成するものである。排気通路 1 7にメタル夕ツチ式のオンオフバルブ 1 8が設けられ、このオンオフパルプ 1 8を元に戻すための油圧シリンダからなるァクチユエ一夕 3 8が備わる。

可動型 3は、その全体が可動側カバ一部 1 4 bで覆われる。可動型 3 のべ一ス金型 4の内面側に凹み 4 2が形成され、この凹み 4 2からボルト 4 3を差込んで可動側カバー部 1 4 bをべ一ス金型 4に対し内面側から固定する。ボルト 4 3は、例えば 4つのスライド金型 5の位置に対応して 4ケ所で締結される（図は 1本のみ示す）。このように内側から可動側カバ一部 1 4 bを固定することにより、ボルト 4 3が外側に突出しないため、カバ一部外面のシール構造が不要あるいは簡単になるとともに、可動側カバ一部 1 4 bの外形が簡素化する。

なお、ボルト 4 3を内側から螺着する方法に代えて、カバ一部内面にス夕ッドボルトを設けておいて、これに対応する貫通孔をベース金型 4 に形成し、スタツドボルトを揷通させてナツトで締結することにより固定してもよい。

また、内側からボルト 4 3で固定する固着方法に代えて、図の想 ¾線で示したように、可動側カバー部 1 4 bの外側からベース金型 4に対しボルト 4 4で固定することも可能である。

固定側カバ一部 1 4 a (図 9 ) に対する可動側カバ一部 1 4 bの合せ面 3 2の全周に沿って、連続したシール溝 4 0が形成され、シール材 1 5が嵌め込まれる。

スライド金型 5を駆動するシリンダ（ァクチユエ一夕） 6のフランジ 6 aに対向する可動側カバ一部 1 4 bにも、凹み 4 1が形成されその内部にシ一ル材 1 5が装着される。

図 9は、上記図 8の可動型に対応する固定型を示し、（A ) は正面図、 ( B ) は中央断面図である。

固定型 2の中央部にシリンダボア形成部 7 bが設けられ、その下部に、射出スリーブ 9が装着される揷通孔 4 5が形成される。固定型 2は、その全体が固定側カバ一部 1 4 aで覆われる。固定側カバ一部 1 4 aは、前述の可動側カバー部 1 4 bと同様に、内側からボルト（不図示）により固定型 2に固定される。

可動側カバ一部 1 4 bに形成した合せ面 3 2 (図 8 ) に対向する固定側カバ一部 1 4 aの合せ面 3 2は平面であり、この平面で可動側カバ一部 1 4 bのシール材 1 5 (図 8 ) を受ける。可動側カバ一部 1 4 bと固定側カバ一部 1 4 aの合せ面 3 2同士を圧接することにより、シ一ル材 1 5を介して可動側カバ一部 1 4 bと固定側カバー部 1 4 a同士が気密封止され両者一体のカバ一部が形成される。

図 1 0は、本発明の第 7の実施形態に係る可動型を示し、（A ) は中央断面図、（B ) は正面図である。

この実施形態の可動型 4 6はべ一ス金型 4 7と 1つのスライド金型 4 8とからなり、例えば水冷エンジンのシリンダ形成用のキヤビティ 4 9 が形成される。ベース金型 4 7とスライド金型 4 8の合せ面（摺動面） 3 0の縁部を覆って局部的に可動側カバ一部 5 0 bが取付けられる。固定側カバ一部 5 0 a (図 1 1 ) との合せ面 3 2に、図 8の例と同様に、シール溝（不図示）が形成されシール材 1 5が装着される。このシール材 1 5は、キヤビティ 4 9を囲んで固定型 5 2 (図 1 1 ) と可動型 4 6 との合せ面 3 1に連続して設けられる。

スライド金型 4 8を駆動するシリンダ（ァクチユエ一夕） 6のフランジ 6 aに対向する可動側カバー部 5 O bにも、凹み（不図示）が形成されその内部にシール材 1 5が装着される。同様に、可動側カバ一部 5 0 bとべ一ス金型 4 7との間の合せ面 5 1についても、可動側カバ一部 5 O bに凹み（不図示）を形成してその内部にシール材 1 5が装着される ο

図 1 1は、上記図 1 0の可動型 4 6に対応する固定型 5 2を示し、（ A ) は正面図、（B ) は中央断面図である。

固定型 5 2の下部に、射出スリーブ 9が装着される揷通孔 4 5が形成される。固定型 2の上部が局部的に、可動側カバー部 5 O b (図 1 0 ) に対応して、固定側カバ一部 5 0 aで覆われる。固定側カバ一部 5 0 a は、前述の可動側カバ一部 5 0 bと同様に、合せ面 5 1に凹み（不図示 ) を設け、この凹みに装着したシ一ル材 1 5を介して固定型 5 2に固定される。

可動側カバ一部 5 O bに形成した合せ面 3 2 (図 1 0 ) に対向する固定側カバ一部 5 0 aの合せ面 3 2は平面であり、この平面で可動側カバ —部 5 0 bのシ一ル材 1 5 (図 1 0 ) を受ける。可動側カバ一部 5 0 b と固定側カバ一部 5 0 aの合せ面 3 2同士及び可動型 4 6と固定型 5 2 の合せ面 3 1同士を圧接することにより、シール材 1 5を介して可動側カバー部 5 0 bと固定側カバ一部 5 0 a同士が気密封止され両者一体のカバ一部が形成されるとともにキヤビティ 4 9がシールされる。

図 1 2は、前述の図 1におけるシリンダボアのホー二ング工程 S 5の工程説明図である。ホーニングは①荒ホーニング、 ②中仕上げホ一ニング、 ③仕上げホーニングの 3段階で行われる。 ①の荒ホ一ニングでは、ボアの径ゃ真円度が荒加工で形成される。この荒ホーニングでは、ボア表面は、（A ) に示すように、 A 1母材と母材中に分散している S i粒子の表面が砥石研削され、表面が粗い状態である。

②の中仕上げホーニングでは、（B ) に示すように、ボア表面が鏡面仕上げされる。

③の仕上げホーニングでは、 A 1母材を所定量だけ研削し、（C ) に示すように、 S i粒子表面を浮き上らせる。 ③の仕上げホーニングに替えて苛性ソ一ダ水溶液中に侵漬するアルカリエッチング処理を施してもよい。

図 1 3は、水冷エンジンの場合のシリンダブロックの上面図である。この例は 3気筒のオープンデヅキ型のシリンダブ口ック 2 5を示す。各シリンダ 2 6の内面にボア 2 7が形成され、外周にゥォ一夕一ジャケヅト 2 8の空間が形成される。シリンダへヅドとの合い面のこのゥォ一タージャケット 2 8に A 1合金の角材形状の補強ピ一ス 2 9を嵌め込む凹部を形成しておき、鎢造後にこの凹部に補強ピース 2 9を嵌め込んで溶接する。本発明のダイカスト錶造においては、前述のように高真空度で減圧しながら成形することにより、鍀造品に含まれるガス量が極めて少ないため、錡造品に対し補強ピース 2 9を溶接することが可能になる溶接後熱処理（T 5， T 6又は T 7 ) が施され、その後、前述と同様に、機械加工及びホーニング加工が施される。なお、補強ピース 2 9の形状や数及び配置位置は図の例に限定されず、適宜な数を適宜な位置に溶接することができる。このような補強ピース 2 9を溶接することにより、底部で片持ち状に立設されているオープンデッキ型の各気筒の剛性 W

2 4 を高めることができる。産業上の利用可能性

以上説明したように、本発明では、金型の合せ面がカバ一部で覆われるため、金型の合せ面自体にシ一ル材を施すことなく金型内キヤビティを減圧することが可能になり、複雑な形状の金型ゃスライド金型等の合せ面ゃ摺動面のシール性が不確実になりやすい金型構成であっても、金型自体にはシールを施すことなくこれを覆うカバ一部でシールして減圧することにより、金型内キヤビティの真空度を充分に高めることができ、ガスを確実に除去して錶巣の発生をなくし溶接及び熱処理が可能で高品質のダイカスト錶造品を得ることができる。

この場合、可動側と固定側のカバ一部同士の合せ面にシール材を設ける構成とした場合、シール材は高温の金型から空間を隔てた位置に設けられるため、金型からの熱的影響が低減し、シール材の劣化が防止され高いシール性が維持される。また、キヤビティを減圧する工程と、前記カバ一部と前記金型との間の空間を減圧する工程が行われるため、カバー部と金型との間の空間を減圧することにより、金型のキヤビティを直接減圧することに加えて、金型合い面の周縁の隙間を通して金型内のキヤビティを減圧することができ、また離型剤の蒸発ガスも吸引除去されるため、キヤビティ内のガスを確実に排出することができる。これにより、キヤビティへの湯廻りがよくなり、薄肉形成用のキヤビティであっても隅々まで確実に溶湯が充填され錶巣のない高品質のダイカスト製品を得ることができる。

また、キヤビティを形成する工程と、金型同士の合せ面の周縁の全体又は一部を空間を介してカバ一部で覆う工程を同時に行うことにより、金型を合せてキヤビティを形成するのと同時に金型がカバー部で覆われるため、金型をカバー部で覆う工程を増やすことによる鎵造のサイクルタイムが増加することがない。

また、キヤビティを形成する工程の後に、金型同士の合せ面の周縁の全体又は一部を空間を介して覆う工程を行うことにより、金型の型締め確認後にカバ一部で覆う工程が行われるため、空間形成及び密封の信頼感が向上する。

また、キヤビティ内を減圧する工程と、カバー部と金型との間の空間を減圧する工程をほぼ同時に行うことにより、キヤビティ内を減圧するのとほぼ同時にカバ一部と金型間の空間が減圧されるため、カバ一部と金型間の空間を減圧する工程を増やすことによる鎵造のサイクル夕ィムが増加することがない。

また、キヤビティ内を減圧する工程と、カバ一部と金型との間の空間を減圧する工程を時間をずらせて行うことにより、スライド金型の入り組み形状や排気通路抵抗等を考慮して空間部の排気とキヤビティの排気時間をずらせることにより金型全体に対し効率よく順序立てて真空排気を行い、キヤビティ内のガスを確実に排気できる。

また、アルミニウム合金中に、 S iが 1 8〜 2 2 w t %含まれるため、冷却速度の速い高圧ダイカスト法で錶造した場合であっても、充分な S i粒子が得られ、耐摩耗性が高められる。 1 8 %以下では、高圧ダイカスト法で鎵造した場合、 S i粒子が大きくならず充分な耐摩耗性が得られない。また、 2 2 %以上では、もろくなつて耐摩耗性を低下させる。さらにこのような適度な S iは、錶造工程で表面に晶出し、金型との焼き付きを防止する。

また、アルミニウム合金中に F eが 0 . 4〜 1 . 5 %含まれるため、高圧ダイカスト法で錶造した場合に、金型との焼付きが防止される。この場合、 S iによる焼き付き防止作用と相まって焼き付き防止効果がさらに高められる。？ 6が0 . 4 %以下では焼付きを充分に防止できない。また、 1 . 5 %以上では金属組織中に: F eと A 1との間で生成された金属間化合物が大きく成長して粗大針状晶となり、もろくなつて伸び性を低下させる。

また、金型から取り出したダイカスト錶造体を一旦急冷することにより、例えば C uや M g等の化合物が均一に分散し、場所的に均等で安定した強度が得られる。なお、ここで急冷とは、水冷焼入れ処理に代表されるが、水冷に限らず、自然冷却以外に積極的に鏡造品を冷却するすべての冷却方法を含む。

また、本発明方法によりアルミニウム合金製品を製造することにより、錶巣の発生を抑え、高品質で溶接及び熱処理が可能な錶造品が得られる

また、アルミニウム合金製品は、エンジンのシリンダプロック又はビストンとすれば、鎵巣がなく溶接及び熱処理が可能で高品質のシリンダブ口ヅク又はビストンを低コストの高圧ダイカスト法で錶造できる。なお、シリンダブロックは、シリンダボァを含むェンジンのシリンダ部分であり、クランクケ一スゃシリンダへヅドの一部を一体に錡造した場合も含む。また、ピストンはシリンダボア内を摺動するピストンであまた、アルミニウム合金製品は、エンジンのシリンダブロックであって、そのシリンダボアの表面にシリコン結晶が突出する構成とすれば、アルミニウム合金からなるシリンダボアのアルミニウム母材表面に、 S i結晶粒子を浮き出して突出させるため、この浮き上がった S i結晶粒子がビストンに接して摺動面を構成し、その周囲の凹んだアルミ二ゥム母材表面に潤滑油が行き渡り、安定して耐摩耗性の優れたシリンダブロックが得られる。さらに、本発明に係るアルミニゥム合金の真空ダイカスト鎵造装置では、金型の合せ面がカバ一部で覆われるため、金型の合せ面自体にシール材を施すことなく、真空ポンプによりカバ一部内を吸引排気して金型内キヤビティを減圧することが可能になり、複雑な形状の金型ゃスライド金型等の合せ面ゃ摺動面のシール性が不確実になりやすい金型構成であっても、金型自体にはシールを施すことなくこれを覆うカバ一部でシールして減圧することにより、金型内キヤビティの真空度を充分に高めることができ、ガスを確実に除去して錶巣のの発生をなくし溶接及び熱処理が可能で高品質のダイカスト鐯造品を得ることができる。

また、カバ一部は、金型同士の合せ面の周縁全体を空間を介して覆い、且つ第 1及び第 2金型に別体で固着すれば、カバー部が別体であるため、既存の金型を利用して本発明を実施できる。

また、カバー部は、金型同士の合せ面の周縁全体を空間を介して覆い、且つ第 1及び第 2金型に一体成形する構成とすれば、カバ一部と金型が一体であるため、カバ一部取付け用の部品が不要になり、部品点数が削減され構成がシンプルになる。

また、カバー部には少なくとも一部の金型を駆動するァクチユエ —夕を取付けるための取付部を有するため、力バ一側にァクチユエ一夕を取付けて金型を駆動することができ、金型の構成が簡単になり、またレイアウトの自由度が大きくなる。

また、カバ一部を金型へ固着する固着部をカバー部の内面に形成する構成とすれば、カバー部の内面側でこのカバ一部を金型に固着するため、カバ一部の外面形状がシンプルになり、また取付けボルト等が外側に突出しないためシール構造が簡単になる。 '

また、共通の真空ポンプに接続された真空配管の他端を空間に接続し、該空間を介してキヤビティを真空ポンプに接続する構成とすれば、真空ポンプ及び真空配管を共通化して構成を簡素化できるとともに、空間を介して効率よくキヤビティ内を真空排気できる。

また、キヤビティを空間を介することなく共通の真空ポンプに接続する構成とすれば、共通の真空ポンプを用いて構成の簡素化を図るとともに、空間部とキヤビティとを別の配管で排気することにより、効率よく確実にキヤビティ内を真空排気できる。

また、キヤビティと空間を別経路の真空配管を介して別系統の真空ポンプに接続する構成とすれば、空間部とキヤビティを別の真空配管及び別の真空ポンプで排気することにより、空間部の構成や排気抵抗等を考慮して別々の真空系を設けてキヤビティ内を効率よく確実に真空排気できる。

Claims

請求の範囲

1 . 互いに一方向に相対移動可能な第 1及び第 2金型と、前記第 1及び第 2金型間に挟まれて前記一方向とは異なる方向に相対移動可能なスラィド金型からなる複数の金型同士を合せてキヤビティを形成する工程と、前記キヤビティ内を減圧する工程と、前記キヤビティ内にアルミニゥム合金の溶湯を供給する工程とを含むアルミニウム合金の真空ダイカスト鎵造方法であって、前記キヤビティを形成する工程は、前記金型同士の合せ面の周縁の全体又は一部を空間を介してカバー部で覆う工程を付随して有し、続いて、プランジャチップの低速での前方移動に伴い、真空排気を開始することにより、前記キヤビティ内を減圧する工程と、前記カバ一部と前記金型との間の空間を減圧する工程とを行って真空度を徐々に高め、溶湯がキヤビティ入口付近に達した時点でプランジャチヅプを高速移動させて溶湯をキヤビティ内に急速供給し、この間金型への冷却水流量調整を行なうことを特徴とするアルミニウム合金の真空ダイカスト錶造方法。

2 . 前記キヤビティを形成する工程と、前記金型同士の合せ面の周縁の全体又は一部を空間を介してカバー部で覆う工程が同時に行われることを特徴とする請求項 1に記載のアルミニウム合金の真空ダイカスト鏡造方法。

3 . 前記キヤビティを形成する工程の後に、前記金型同士の合せ面の周縁の全体又は一部を空間を介して覆う工程が行われることを特徴とする請求項 1に記載のアルミニウム合金の真空ダイカスト錶造方法。

4 . 前記キヤビティ内を減圧する工程と、前記カバ一部と前記金型との間の空間を減圧する工程がほぼ同時に行われることを特徴とする請求項

2又は 3に記載のアルミニウム合金の真空ダイカスト錶造方法。

5. 前記キヤビティ内を減圧する工程と、前記カバー部と前記金型との間の空間を減圧する工程が時間をずらせて行われることを特徴とする請求項 2又は 3に記載のアルミニゥム合金の真空ダイ力スト錶造方法。

6. 前記キヤビティ内を減圧する工程の前に、前記カバ一部と前記金型との間の空間を減圧する工程が行われることを特徴とする請求項 5に記載のアルミニウム合金の真空ダイカスト錶造方法。

7. 前記アルミニウム合金は、 F eを含み、 S iを 18〜22wt %含むことを特徴とする請求項 1から 6のいずれかに記載のアルミニウム合金の真空ダイカスト鎵造方法。

8. 前記アルミニウム合金は、 F eを 0. 4〜： L . 5wt%含むことを特徴とする請求項 7に記載のアルミニウム合金の真空ダイカスト錄造方法。

9. 前記金型から取り出した铸造体を急冷する工程を含むことを特徴とする請求項 7又は 8に記載のアルミニウム合金の真空ダイカスト鎵造方法。 '

10. 請求項 7から 9のいずれかに記載のアルミニゥム合金の真空ダイカスト鎢造方法を用いて製造したことを特徴とするアルミニウム合金製

ΠΡο

1 1. 前記アルミニウム合金製品は、エンジンのシリンダブロック又はビストンであることを特徴とする請求項 10に記載のアルミニウム合金製品。

12. 前記アルミ二ゥム合金製品は、ェンジンのシリンダブロヅクであつて、そのシリンダボアの表面にシリコン結晶が突出していることを特徴とする請求項 10に記載のアルミニウム合金製品。

13. 互いに一方向に相対移動可能な第 1及び第 2金型と、前記第 1及び第 2金型間に挟まれて前記一方向とは異なる方向に相対移動可能なスライド金型からなる複数の金型同士を合せてキヤビティを形成し、前記キヤビティ内を真空ポンプで減圧して、前記キヤビティ内にアルミニゥム合金の溶湯を供給するアルミニウム合金の真空ダイカスト鍩造装置において、前記第 1及び第 2金型のそれそれに一体的にカバ一部を設け、前記キヤビティを形成時に、カバ一部同士がシール材を介して当接することにより、前記金型同士の合せ面の周縁の全体又は一部を空間を介してカバ一部で覆うように構成するとともに、前記キヤビティと前記空間とを真空ポンプに接続する真空配管を設け、前記プランジャチップの低速での前方移動に伴い、真空排気を開始し、前記真空配管を介して前記キヤビティ内と、前記空間内を減圧し、溶湯がキヤビティ入口付近に達した時点でプランジャチヅプを高速移動させて溶湯をキヤビティ内に急速供給し、この間金型への冷却水流量調整を行なうことを特徴とするァルミニゥム合金の真空ダイカスト鎵造装置。

1 4 . 前記カバ一部は、前記金型同士の合せ面の周縁全体を空間を介して覆い、且つ前記第 1及び第 2金型に別体で固着したことを特徴とする請求項 1 3に記載のアルミニウム合金の真空ダイカスト錶造装置。

1 5 . 前記カバ一部は、前記金型同士の合せ面の周縁全体を空間を介して覆い、且つ前記第 1及び第 2金型に一体成形したことを特徴とする請求項 1 3に記載のアルミニウム合金の真空ダイカスト錶造装置。

1 6 . 前記カバ一部には少なくとも一部の金型を駆動するァクチユエ一夕を取付けるための取付部を有することを特徴とする請求項 1 3から 1 5のいずれかに記載のアルミニウム合金の真空ダイカスト鎵造装置。

1 7 . 前記カバ一部を金型へ固着する固着部をカバ一部の内面に形成したことを特徴とする請求項 1 4に記載のアルミニウム合金の真空ダイ力スト錶造装置。

1 8 . 共通の真空ポンプに接続された前記真空配管の他端を前記空間に接続し、該空間を介して前記キヤビティを真空ポンプに接続したことを特徴とする請求項 1 3から 1 7のいずれかに記載のアルミニウム合金の真空ダイカスト錶造装置。

1 9 . 前記キヤビティを前記空間を介することなく共通の真空ポンプに接続したことを特徴とする請求項 1 3から 1 7のいずれかに記載のアルミニゥム合金の真空ダイカスト錶造装置。

2 0 . 前記キヤビティと前記空間を別経路の真空配管を介して別系統の真空ポンプに接続したことを特徴とする請求項 1 3から 1 7のいずれかに記載のアルミニウム合金の真空ダイカスト錶造装置。