WO2004000702A1 - 長尺小物品のほぐし装置 - Google Patents

Abstract

釘やねじ等の多数の長尺小物品が供給されるホッパー(1)と、該ホッパーを振動させる振動発生器(2)と、前記ホッパー内部に配設された略楕円形断面を有するほぐし棒(4)と、該ほぐし棒を軸周りに往復駆動させる駆動機構(5)とからなる長尺小物品のほぐし装置である。

Description

長尺小物品のほぐし装置

技術分野

本発明は長尺小物品のほぐし装置に関し、 より詳しくは一度に大量 にホッパーに投入された場合に絡み合ってかたまり易い長尺小物品を 明

ホッパー内でほぐして個別に分離した状態でホッパーから排出するこ 細

とができる長尺小物品のほぐし装置に関する。 尚、 本発明における長 尺小物品とは、 径に対して長さの方が大きい棒状或いは筒状の小物品 を指し、 例えば、 釘、 ねじ、 ピン等の金属製部品や合成樹脂製の飲料 容器等である。

発明の背景

従来より、 例えば、 ボルトやナッ ト等の小部品を組み立て装置へと 供給する場合、 多数の部品をホッパー内に供給して、 該ホッパーの下 方から順次排出される部品をコンベア等の搬送装置によって組み立て 装置へと搬送するといつた方法が採られている場合が多い。

しかしながら、 ホッパー内に供給される部品が、 釘やねじ等の長尺 小物品である場合には、ホッパー内で部品同士が絡み合ってかたまり、 スムーズにホッパーから排出されないことが多い。

そのため、 従来は、 例えば日本特開平 7 - 2 0 6 1 4 1号に開示さ れているように、 ホッパーに振動発生器を取り付けて、 ホッパーを振 動させることによってホヅパー内の部品をほぐしていたが、 ホッパー 内に供給される部品の数が多くなると、 振動だけでは十分にほく'すこ とができず、 部品の搬送に支障をきたすことがあった。 また、 上記したような部品の他にも、 例えば P E T製ボトル等の合 成樹脂容器をリサイクルする場合には、 回収された容器はホッパー内 に一旦収容され、 その後、 ホッパーから次工程へと送られるが、 ホヅ パ一内で容器がかたまってスムーズに排出されないことがあった。 本発明は、 このような実情に鑑みてなされたものであって、 ホッパ 一内に供給された様々な種類の長尺小物品を容易に且つ確実にほぐす ことができて、 個々の長尺小物品を分離させてスムーズにホッパーか ら排出することを可能とする長尺小物品のほぐし装置の提供を目的と するものである。 発明の開示

請求の範囲第 1項記載の発明は、 多数の長尺小物品が供給されるホ ッパーと、 該ホッパーを振動させる振動発生器と、 前記ホッパー内部 に配設された略楕円形断面を有するほぐし棒と、 該ほぐし棒を軸周り に往復駆動させる駆動機構とからなることを特徴とする長尺小物品の ほぐし装置であるから、 振動発生器とほぐし棒が相乗的に作用するこ とによって、ホヅパー内に供給された多数の長尺小物品はほぐされて、 互いに絡み合ってかたまることが防がれ、 相互に分離した状態で排出 口から取り出すことが可能となり、 ねじや釘等の長尺部品の供給を円 滑に且つ確実に行うことができる。 また、 機械部品や電子部品、 或い は P E T製ボトル等の合成樹脂容器、 などの様々な種類の長尺小物品 の供給に幅広く適用することができる。

請求の範囲第 2項記載の発明は、 前記ホッパー内部のほく、し棒上方 に、 供給された長尺小物品の直落下を妨げる邪魔棒が架設されてなる ことを特徴とする請求の範囲第 1項記載の長尺小物品のほぐし装置で あるから、 振動発生器、 邪魔棒、 ほぐし棒が相乗的に作用することに よって、 より効果的且つ確実にホッパー内に供給された多数の長尺小 物品をほぐすことが可能となる。

請求の範囲第 3項記載の発明は、 前記ホッパーの上部に、 長尺小物 品を受け入れて該ホッパーへと供給するための補助ホッパーが備えら れ、 該補助ホッパーの内部には略楕円形断面を有するほぐし棒が配設 され、 該ほぐし棒は駆動機構によって軸周りに往復駆動されることを 特徴とする請求の範囲第 1項又は第 2項記載の長尺小物品のほぐし装 置であるから、 多量の長尺小物品を一度に供給して処理することが可 能となる。

請求の範囲第 4項記載の発明は、 前記駆動機構が、 モー夕一と、 該 モータ—の回転軸と直接又は間接的に連結されてモーターの回転に伴 つて回転する第一の回転板と、 前記ほぐし棒が回転中心に連結された 第二の回転板と、 これら第一及び第二の回転板を連結する連結棒から なり、 該連結棒は前記第一の回転板及び第二の回転板の回転中心から 偏心した位置に枢着されるとともに、 該枢着位置と回転板中心との距 離が第一の回転板よりも第二の回転板において長く設定されてなるこ とを特徴とする請求の範囲第 1項乃至第 3項いずれかに記載の長尺小 物品のほぐし装置であるから、 簡易な構成にて、 ほぐし棒を確実に軸 周りに半回転以下の範囲で連続的に往復駆動させることができる駆動 機構を構成することが可能となる。

請求の範囲第 5項記載の発明は、 前記ホッパーが弾性体及び/又は 反発力を利用する磁石からなる脚を介して揺動可能にベース板上に設 置され、 前記モーターを含む駆動機構が設置された支持板が該ベース 板と接続されていることを特徴とする請求の範囲第 1項乃至第 4項い ずれかに記載の長尺小物品のほぐし装置であるから、 モー夕一の駆動 によるほぐし棒の往復運動がホッパーへと伝わり、 ホッパーが左右に 振動するので、 振動発生器による前後方向の振動と相まってより優れ たほぐし効果が発揮される。

請求の範囲第 6項記載の発明は、 前記ホッパーに、 該ホッパー内に 長尺小物品が一定量以上たまったことを検知するセンサーが設置され、 前記補助ホッパー内に配設されたほぐし棒は該センサ一による検知が なされたときに動作を停止するように構成されてなることを特徴とす る請求の範囲第 3項乃至第 5項いずれかに記載の長尺小物品のほぐし 装置であるから、 ホッパー内に長尺小物品が過剰に蓄積してほぐし処 理が円滑に行えなくなることを防く、ことが可能となる。

請求の範囲第 7項記載の発明は、 前記ほぐし棒の先端が、 角が無い 丸みをもった形状とされてなることを特徴とする請求の範囲第 1項乃 至第 6項いずれかに記載の長尺小物品のほぐし装置であるから、 長尺 小物品がほぐし棒の駆動によって傷つくのを防ぐことができる。 図面の簡単な説明

第 1図は本発明の第一実施形態に係る長尺小物品のほぐし装置の正 面図である。 第 2図は本発明の第一実施形態に係る長尺小物品のほぐ し装置の側面図である。 第 3図はほく、し棒の正面図である。 第 4図は ほぐし棒の平面図である。 第 5図は第 4図の A方向矢視図である。 第 6図は第 4図の B方向矢視図である。 第 7図はほぐし棒の好ましい変 更例を示す正面図である。 第 8図はほく、し棒の好ましい変更例を示す 平面図である。 第 9図乃至第 1 2図は駆動機構の動作を示す説明図で ある。 第 1 3図は本発明の第二実施形態に係る長尺小物品のほぐし装 置の正面図である。 第 1 4図は実施例及び比較例の実験にて使用され た長尺小物品の形状を示す図である。 発明を実施するための最良の形態

以下、この発明の好適な実施形態について図面に基づいて説明する。 第 1図は本発明の第一実施形態に係る長尺小物品のほぐし装置の正 面図、 第 2図は本発明の第一実施形態に係る長尺小物品のほぐし装置 の側面図である。

第一実施形態に係る長尺小物品のほぐし装置は、 多数の長尺小物品 が供給されるホッパー 1と、 このホッパー 1を振動させる振動発生器 2と、 ホッパー 1の内部に架設された邪魔棒 3と、 ホッパー内部にお いて邪魔棒 3の下方に配設されたほぐし棒 4と、 このほぐし棒 4を軸 周りに往復駆動させる駆動機構 5とから構成される。

ホヅパー 1は、 直方体筒状の下部ホッパー 1 bと、 この下部ホヅパ ― 1 bの上端部に接続された四角錐台筒状の上部ホッパー 1 aとから 構成されている。

そして、 ホヅパ一 1は、 下部ホッパー 1 bの底面に設けられた振動 発生器 2によって振動するように構成され、 振動発生器 2は基台 6に よって支持されている。

また、 下部ホッパー 1 bの一側面には、 駆動機構 5が設置された側 と反対側の面であってほぐし棒 4の先端側に排出口 1 9が設けられて いる。

振動発生器 2は、 4本の棒を介してホッパー 1の底部に接続されて おり、 ホッパー 1を前後方向 （第 1図において左右方向） に振動させ ることによって、 ホッパー 1に供給された長尺小物品を排出口 1 9か ら順次排出させる直進フィ一ダ一として作用する。

また、 振動発生器 2はゴムやパネ等の弾性体からなる脚 2 0を介し て基台 6上に載設されており、 基台 6は 4本のボルト 2 1を介してべ ース板 1 2上に設置されている。 尚、 本発明においては、 弾性体に代 えて磁石を用いて磁石の反発力を利用する構成も好ましく採用できる また、 弾性体と磁石を併用する構成としてもよい。

このように、 ホヅパ一 1 とベース板 1 2の間に介装される脚 2 0を 弾性体及び/又は反発力を利用する磁石から構成することによって、 後述するモーター 8の駆動によるほぐし棒 4の往復運動をホッパー 1 へと伝えてホッパー 1を左右に振動させることができ、 振動発生器 2 による前後方向の振動と相まって優れたほぐし効果を発揮することが 可能となる。

ホッパー 1の内部の上方位置には、 ホッパー 1の対向する内面同士 を繋ぐように邪魔棒 3が架設されている。

この邪魔棒 3は、 供給された長尺小物品の直落下を妨げて、 絡み合 つた長尺小物品同士を棒を挟んで分離するためのものであり、 ホッパ — 1の内部を等分するように 1本架設される。 但し、 本発明において は、 ホッパー 1の大きさに合わせて 2本以上架設することも可能であ る。 また図示していないが、 ホッパー 1内に邪魔棒 3を全く架設しな い構成を採用することも可能である。

邪魔棒 3の形状は、 長尺小物品が邪魔棒 3の上に載ったままの状態 となるのを防ぐために、 小径の丸棒とすることが好ましい。

ホッパー 1の内部の下方位置には、 ほぐし棒 4が配設されており、 このほぐし棒 4は、 邪魔棒 3の下方位置に邪魔棒 3と平行に設けられ ている。

第 3図はほぐし棒 4の正面図、 第 4図はほぐし棒 4の平面図、 第 5 図は第 4図の A方向矢視図、 第 6図は第 4図の B方向矢視図である。 ほぐし棒 4は、 円柱のパイプを偏平に潰すことにより形成されてお り、 図示の如く、 基端部においては断面円形とされているが、 中途部 から先端部にかけて次第に偏平となる略楕円形状の断面を有している。 但し、 本発明においては、 長さ方向全長にわたって略楕円形状の断面 を有する棒としてもよい。

また、 ほぐし棒 4の形状は、 第 7図 （正面図） 及び第 8図 （平面図） に示す如く、 その先端を角が無い丸みをもった形状とすることがより 好ましい。 これは、 ほぐし棒 4の回転によってホッパー内に収容され た長尺小物品が傷つくのを防止するためである。

ほぐし棒 4の基端部には、 後述する駆動機構 5と連結するためのキ —溝付きの連結孔 7が設けられている。

駆動機構 5は、 上記したほぐし棒 4を軸周りに半回転以下の範囲で 往復駆動させるための機構であり、 ホッパー 1の基台 6を支えるベ一 ス板 1 2上にボルトにより接続された支持板 1 3の上部に設置される ことによって、 ホッパー 1の近傍外部位置に設けられている。

駆動機構 5は、 モー夕一 8と、 このモーター 8の回転軸と連結され てモーター 8の回転に伴って回転する第一の回転板 9と、 ほぐし棒 4 がその中心に連結された第二の回転板 1 0と、 これら第一及び第二の 回転板を連結する連結棒 1 1 とから構成される。

モーター 8の回転軸は、 図示例では第一の回転板 9の中心に直接連 結されているが、 ベルト等を介して間接的に連結してもよい。

また、 第二の回転板 1 0は第一の回転板 9の上方に、 その中心がほ ぐし棒 4の中心と同じ高さとなるように配置されており、 第二の回転 板 1 0とほく、し棒 4とは、 一対のベアリング 1 4によって回転可能に 支承された円柱状の回転棒 1 5によって連結されている。

即ち、 回転棒 1 5の一端部は、 ほぐし棒 4の基端部に設けられた連 結孔 7にキ一と共に挿入されて固定され、 他端部は第二の回転板 1 0 の中心孔 1 6に挿入固定されており、 これによつて、 第二の回転板 1 0の回転動作が回転棒 1 5を介してほく、し棒 4へと伝えられるように なっている。

連結棒 1 1は、 第一の回転板 9及び第二の回転板 1 0の一方側の面 の回転中心から偏心した位置に、 これらの回転板同士を連結するよう に枢着されている。

より詳しくは、 連結棒 1 1の両端部に、 円筒状部を有する継手部 1 8が設けられるとともに、 各回転板 9， 1 0の中心から偏心した位置 の表面にピン 1 7が立設され、 継手部 1 8の穴にピン 1 7が挿入され ることによって、 連結棒 1 1の両端部は回転板 9 , 1 0との連結部分 において回動自在となっている。

ここで、 第二の回転板 1 0の中心とピン 1 7との距離は、 第一の回 転板 9の中心とピン 1 7との距離に比べて長く設定されており、 図示 例では、 第二の回転板 1 0を構成する円板の半径を第一の回転板 9を 構成する円板の半径よりも大きくすることにより、 これを達成してい る。

以下、 駆動機構 5の動作について説明する。

モーター 8が一方向に回転すると、 モーター 8の回転軸に連結され た第一の回転板 9がこれに伴って一方向に回転する。

第 9図を初期状態とすると、 第一の回転板 9が回転すると、 第一の 回転板 9と連結棒 1 1により連結されている第二の回転板 1 0は、 第 1 0図に示すように、 先ず第一の回転板 9と同じ方向 （図示例では右 方向） に回転する。

そして、 この回転が更にすすむと、 第一の回転板 9のピン 1 7は第 1 1図に示すように上端部に達するが、 第一の回転板 9よりも半径が 大きい第二の回転板 1 0ではピン 1 7は上端部にまで達しない。

そのため、 さらに第一の回転板 9が回転を続けると、 連結棒 1 1に より 2つの回転板のピン 1 7間の距離が固定されているため、 第二の 回転板 1 0は第一の回転板 9と同じ方向へと回転を続けることができ ず、 第 1 2図に示すように逆方向 （左方向） へと回転する。

この第二の回転板 1 0の逆回転は、 第一の回転板 9のピン 1 7が下 端位置に達するまで続くが、 第 9図に示すように第一の回転板 9のピ ン 1 7が下端位置に達すると、 第一の回転板 9よりも半径が大きい第 二の回転板 1 0ではピン 1 7は下端部にまで達しないので、 今度は第 二の回転板 1 0は再び元の回転方向 （右方向） へと回転する。

上記した一連の動作によって、 第二の回転板 1 0は軸周りに半回転 以下の範囲で往復駆動を行い、 これに伴ってほぐし棒 4も軸周りに半 回転以下の範囲で往復駆動するようになる。

但し、 本発明においては、 駆動機構 5の構成は、 ほぐし棒 4を軸周 りに往復駆動することができるものであれば特に限定されず、 カム、 リンク、 クランク、 歯車等の公知の機構要素を組み合わせて異なる構 成の機構とすることが可能である。

以下、 上記構成からなる本発明の第一実施形態に係る長尺小物品の ほぐし装置の動作について説明する。

釘やねじ等の多数の長尺小物品がホッパー 1の内部に供給されると、 供給された多数の長尺小物品は、 邪魔棒 3によって直落下が妨げられ て、 絡み合つている長尺小物品が棒を挟んで分離されながら下方へと 移動する。 このとき、 振動発生器 2の駆動によりホッパー 1が振動さ れることで、 絡み合った長尺小物品の分離が一層促進される。

下方へと移動した長尺小物品は、 次いでほぐし棒 4の動作によって ほぐされる。

ほぐし棒 4は、 上記したように、 駆動機構 5の動作に伴って軸周り に半回転以下の範囲で往復駆動する。

半回転以下の範囲で往復駆動させるのは、 ほく、し棒 4が半回転を超 えて一方向に回転すると、 長尺小物品がほく、し棒 4を挟んで反対側に まで （例えば右側から左側へ） 動かされる場合が生じ、 長尺小物品が スムーズにホッパー 1から排出されるのが阻害されてしまうためであ また、 ほぐし棒 4が楕円形状の断面を有していることによって、 以 下のような作用が発揮される。

先ず、 表面積が大きくなつた略偏平な部分があるために、 円形断面 のものに比べて非常に大きな攪拌効果が得られる。 そして、 角が無い ために、 長尺小物品が引っ掛からずにほぐし棒 4の表面に沿ってスム —ズに流れ、 これにより円滑な攪拌が行われる。

このように、 ほぐし棒 4が楕円形状の断面を有していることで、 非 常に優れたほぐし効果が発揮される。

また、 モーター 8を含む駆動機構 5が設置されている支持板 1 3が ホッパー 1の基台 6を支えるベース板 1 2と接続され、 振動発生器 2 がゴムゃバネ等の弾性体及び/又は反発力を利用する磁石からなる脚 2 0を介して基台 6上に設置されていることによって、 モー夕一 8の 駆動によるほぐし棒 4の往復運動がホッパー 1へと伝わる。

これによつて、 ホッパー 1が左右 （第 2図において左右方向） に振 動し、 振動発生器 2による前後方向の振動と相まって優れたほぐし効 果が発揮される。

上記したように、 振動発生器 2、 邪魔棒 3、 ほぐし棒 4、 駆動機構 5のそれぞれの作用の相乗効果によって、 ホッパー 1内に供給された 多数の長尺小物品は、 ほぐされて互いに絡み合って固まることが防が れ、 相互に分離した状態で排出口 1 9から取り出される。 このとき、 振動発生器 2の駆動によるホッパー 1の振動によって排出が補助され る。 そして、 取り出された長尺小物品は、 例えばベルトコンベア等の搬 送装置によって所定の位置まで搬送されて、 長尺小物品を利用する組 み立て装置等へと供給される。

次に、 本発明の第二実施形態に係る長尺小物品のほぐし装置につい て説明する。

第 1 3図は、 第二実施形態に係る長尺小物品のほぐし装置の正面図 である。

第二実施形態に係る長尺小物品のほぐし装置は、 第一実施形態の装 置と同様に、 多数の長尺小物品が供給されるホッパー 1と、 このホッ パー 1を振動させる振動発生器 2と、 ホヅパ一 1の内部に架設された 邪魔棒 3と、 ホッパー内部において邪魔棒 3の下方に配設されたほぐ し棒 4と、 このほぐし棒 4を軸周りに往復駆動させる駆動機構 5とを 備えている。

これらホッパー 1、 振動発生器 2、 邪魔棒 3、 ほぐし棒 4、 駆動機 構 5の構成及び作用については、 上記説明した第一実施形態の装置と 同じであるため、 説明の重複を防ぐ為に同じ構成には同じ符号を付し て説明を省略し、 以下第一実施形態のほく、し装置と異なる点のみを説 明する。

第二実施形態の長尺小物品のほぐし装置は、 ホッパー 1の上部に、 長尺小物品を受け入れて該ホッパー 1へと供給するための補助ホッパ —3 0が備えられている。 そして、 この補助ホヅパ一3 0の内部には 略楕円形断面を有するほぐし棒 4 0が配設されており、 このほぐし棒 4 0は駆動機構 5 0によって軸周りに往復駆動されるように構成され ている。

補助ホッパー 3 0は、 ホヅパー 1の上部ホッパー 1 aの更に上部に 配置された四角錐台筒状の容器であって、 その下端部から排出された 長尺小物品は上部ホッパー 1 aの上端開口部からホッパー 1内へと供 糸口 れる。

補助ホヅパ一3 0内に配設されたほぐし棒 4 0は、 ホッパー 1内に 配設されたほぐし棒 4と同じ形状を有し、 ほぐし棒 4と平行に配設さ れている。 但し、 補助ホヅパ一3 0はホッパー 1よりも大きい容積を もつので、 ほぐし棒 4 0の長さは補助ホヅパ一3 0の大きさに合わせ て、 図示の如くほぐし棒 4よりも長く形成される。

また、 図示例では、 ほぐし棒 4 0は 1本のみ設けられているが、 互 いに間隔をあけて複数本 （例えば 2〜4本程度） 設ける構成としても よく、 ほぐし棒 4 0を複数本設けることによって、 補助ホッパー 3 0 内におけるほく、し効果をより高めることが可能となる。

ほく、し棒 4 0と駆動機構 5 0は、 前述したほぐし棒 4と駆動機構 5 の連結方法と同じ方法によって連結されている。

駆動機構 5 0は、 ほぐし棒 4 0を軸周りに半回転以下の範囲で往復 駆動させるための機構であって、 その構成及び作用は前述した駆動機 構 5と同じであるため、 同じ構成要素には同じ符号を付して説明を省 略する。

第二実施形態のほぐし装置では、 ホッパー 1の上方に補助ホッパー 3 0を有することによって一度に大量の長尺小物品を供給することが 可能となり、 しかも補助ホッパー 3 0内には駆動機構 5 0によって軸 周りに往復駆動されるほぐし棒 4 0が配設されているので、 補助ホッ パー 3 0内に供給された長尺小物品は内部で絡まってかたまることが なく、 スムーズに排出されてホヅパー 1へと供給されることとなる。 また、 第二実施形態の装置では、 ホッパー 1の内部に、 該ホッパー 1内に長尺小物品が一定量以上たまったことを検知するセンサ一 6 0 が設置されている。 センサー 6 0の種類は特に限定されず、 光センサ一、 赤外線センサ 一等の公知のセンサ一を適宜選択して使用することができる。

センサー 6 0の出力は、 駆動機構 5 0のモ一夕一 8 0の入力と接続 されており、 センサー 6 0によってホヅパー 1内に長尺小物品が一定 量以上 （例えば一定高さ以上） たまったことが検知されるとモーター 8 0の駆動が停止され、 これによつてほぐし棒 4 0の駆動が停止し、 そしてホヅパー 1内の長尺小物品が一定量未満になるとモー夕一 8 0 の駆動が再開されてほぐし棒 4 0が再び駆動を始めるようになってい る。 ，

このように、 ホッパー 1内に長尺小物品が一定量以上たまったとき に、 ほぐし棒 4 0の駆動が停止することによって、 補助ホッパー 3 0 からホッパー 1への長尺小物品の供給を停止させることができ、 これ によって、 ホヅパ一 1内に長尺小物品が過剰に蓄積してほぐし処理が 円滑に行えなくなることを防ぐことが可能となる。

第二実施形態 ほぐし装置では、 釘やねじ等の多数の長尺小物品は 先ず補助ホッパー 1の内部に供給される。 すると、 供給された多数の 長尺小物品は、 ほぐし棒 4 0の動作によってほぐされ、 内部で絡まつ てかたまることがなく、 そのまま下方へと落下してホッパー 1へと供 糸口 れる。

そして、 ホッパー 1に供給された長尺小物品は、 上記第一実施形態 で説明したのと同様に、 振動発生器 2、 邪魔棒 3、 ほぐし棒 4、 駆動 機構 5のそれぞれの作用の相乗効果によって、 ほぐされて互いに絡み 合って固まることが防がれ、 相互に分離した状態で排出口 1 9から取 り出される。

以下、 本発明に係る長尺小物品のほぐし装置の実施例及び比較例を 示すことにより、 本発明の効果をより明確なものとする。 但し、 本発 明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。

(実施例）

第 1 4図に示す形状からなる 1238本の長尺小物品（ 1本重量： 16.82 g ) を、 第 1図及び第 2図に示した構成を有する本発明に係るほぐし 装置のホッパーに供給して、 全ての長尺小物品が排出口から排出され るまでの時間を計 1 0回測定した。 尚、 使用した装置のホッパーの大 きさは縦 530m m X横 323m m X深さ 180m mであり、 邪魔棒は直径 1 4 m mのもの、 ほぐし棒は長さ 370m m、 基端部直径 ø 42.7m m、 先端部の長軸方向直径 60m m、短軸方向直径 25m mのものを使用し、 ほく、し棒の軸周り往復駆動速度は 283回/分とした。

(比較例）

実施例の装置から、 邪魔棒、 ほぐし棒、 駆動機構を取り外して同じ 条件で実験を行った。

(実験結果）

実験の結果、 実施例では次表に示すように平均 182.1秒で全ての長 尺小物品がホッパーから排出された。

しかし、比較例では 1回目は 241秒で 135本が排出された後にホッ パー内で長尺小物品が架橋して排出がストップし、 2回目は 110秒で 168本が排出された後にホッパー内で長尺小物品が架橋して排出がス トップした。

この結果から、 本発明に係る装置によれば、 従来の装置に比べて 5 〜 1 0倍の速度で長尺小物品をホッパーから排出して搬送することが 可能となり、 しかもホッパー内で長尺小物品が架橋して搬送がストッ プしてしまうことを確実に防止できることが分かった。 産業上の利用可能性

以上のように、本発明に係る長尺小物品のほぐし装置は、釘やねじ、 或いは従来パーヅフィーダ一により供給されているような様々な機械 部品や電子部品、 さらには P E T製ボトル等の合成樹脂容器等のあら ゆる種類の長尺小物品をほぐすために利用することが可能であり、 そ の用途は極めて幅広いものである。

Claims

請 求 の 範 囲

1. 多数の長尺小物品が供給されるホッパー （ 1 ) と、 該ホッパーを 振動させる振動発生器 （ 2 ) と、 前記ホッパー内部に配設された略楕 円形断面を有するほぐし棒 （4) と、 該ほぐし棒を軸周りに往復駆動 させる駆動機構 （ 5 ) とからなることを特徴とする長尺小物品のほぐ し装置。

2. 前記ホッパー内部のほぐし棒上方に、 供給された長尺小物品の直 落下を妨げる邪魔棒 （ 3) が架設されてなることを特徴とする請求の 範囲第 1項記載の長尺小物品のほぐし装置。

3. 前記ホッパー （ 1 ) の上部に、 長尺小物品を受け入れて該ホヅパ 一へと供給するための補助ホヅパ一 （ 30) が備えられ、 該補助ホッ パーの内部には略楕円形断面を有するほぐし棒 （40) が配設され、 該ほぐし棒は駆動機構 （5 0 ) によって軸周りに往復駆動されること を特徴とする請求の範囲第 1項又は第 2項記載の長尺小物品のほぐし

4. 前記駆動機構 （ 5 , 5 0 ) が、 モーター ( 8 , 80 ) と、 該モー 夕一の回転軸と直接又は間接的に連結されてモーターの回転に伴って 回転する第一の回転板 （9 ) と、 前記ほぐし棒 （4， 4 0) が回転中 心に連結された第二の回転板 （ 1 0 ) と、 これら第一及び第二の回転 板を連結する連結棒 （ 1 1 ) からなり、 該連結棒は前記第一の回転板 及び第二の回転板の回転中心から偏心した位置に枢着されるとともに、 該枢着位置と回転板中心との距離が第一の回転板よりも第二の回転板 において長く設定されてなることを特徴とする請求の範囲第 1項乃至 第 3項いずれかに記載の長尺小物品のほぐし装置。

5. 前記ホッパー （ 1 ) が弾性体及び/又は反発力を利用する磁石か らなる脚（ 20 )を介して揺動可能にベース板（ 12)上に設置され、 前記モ一夕一を含む駆動機構 （5) が設置された支持板 （ 13) が該 ベース板と接続されていることを特徴とする請求の範囲第 1項乃至第 4項いずれかに記載の長尺小物品のほぐし装置。

6. 前記ホッパーに、 該ホッパー内に長尺小物品が一定量以上たまつ たことを検知するセンサー （60) が設置され、 前記補助ホッパー内 に配設きれたほぐし棒は該センサーによる検知がなされたときに動作 を停止するように構成されてなることを特徴とする請求の範囲第 3項 乃至第 5項いずれかに記載の長尺小物品のほぐし装置。

7. 前記ほぐし棒 （ 4， 40) の先端が、 角が無い丸みをもった形状 とされてなることを特徴とする請求の範囲第 1項乃至第 6項いずれか に記載の長尺小物品のほぐし装置。