WO2003103845A1

WO2003103845A1 - ノズル装置及びこれを備えた基板処理装置

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Publication number: WO2003103845A1
Application number: PCT/JP2002/005567
Authority: WO
Inventors: 水川　茂; 村田　貴; 中田　勝利; 松元　俊二; 赤坂　丈士
Original assignee: 住友精密工業株式会社
Priority date: 2002-06-05
Filing date: 2002-06-05
Publication date: 2003-12-18
Also published as: CN1627993A; TW561071B; JPWO2003103845A1

Description

明細書ノズル装置及びこれを備えた基板処理装置技術分野

本発明は、液晶ガラス基板，半導体ウェハ（シリコンウェハ），フォトマスク用ガラス基板，光ディスク用基板等の基板に、薬液や洗浄液等の処理液を吐出，塗布するノズル装置及びこれを備えた基板処理装置に関する。背景技術

例えば、液晶基板を構成するガラス基板は、種々の工程を経て製造され、各工程では、レジスト膜や現像液の塗布、その剥離用の薬液、或いは洗浄液の塗布等、ガラス基板に対して種々の処理液が塗布される。

このガラス基板への処理液の塗布は、従来、ガラス基板を水平に支持する支持機構、水平支持されたガラス基板上に処理液を吐出するノズル装置、ノズル装置をガラス基板の上方でこれに沿って移動（走査）させる移動装置等を備えた基板処理装置によって行われており、前記ノズル装置としては、第 1 5図及び第 1 6図に示したものが用いられている。第 1 5図及び第 1 6図に示すように、前記ノズル装置 1 0 0は、ガラス基板 Wの上方に、その幅方向（第 1 5図において紙面に直交する方向であり、第 1 6図に示した矢示 H方向）に沿って配設された長尺のノズル体 1 0 1 、及びこのノズル体 1 0 1 に固着され、前記移動装置の適宜支持部に連結されるブラケット 1 0 8などを備える。

ノズル体 1 0 1 は、長尺の第 1 部材 1 0 2及ぴ第 2部材 1 0 6からなリ、これら第 1 部材 1 0 2及び第 2部材 1 0 6がシール用のパッキン 1 0 7を介して接合された構造を備える。第 1部材 1 0 2は、その長手方向に沿って、一方の側面に開口した溝 1 0 3を備えておリ、これに第 2 部材 1 0 6が接合して当該開口部が閉塞されることにより、供給室 1 0 3が形成される。

また、第 1 部材 1 0 2には、その上面に一方が開口し、他方が前記供給室 1 0 3に連通した供給ポート 1 0 4が設けられている。この供給ポート 1 0 4には、処理液供給装置 1 1 0に接続した供給管 1 1 1が管継手 1 1 2を介し接続しており、処理液供給装置 1 1 0から供給管 1 1 1 , 供給ポート 1 0 4を経由して前記供給室 1 0 3内に処理液が供給される。

また、前記第 1 部材 1 0 2には、その下面及び前記供給室 1 0 3に開口する吐出孔 1 0 5が、第 1部材 1 0 2の長手方向に沿って 1 列に、且つ所定ピッチで穿設されており、前記供給室 1 0 3内に供給された処理液が、この吐出孔 1 0 5内を流通して、その開口部から吐出され、基板 W上に塗布されるようになっている。

上記構成を有するノズル装置 1 0 0は、その前記ブラケット 1 0 8が前記移動装置の適宜支持部に連結されて当該移動装置に支持され、この移動装置によってガラス基板 Wの幅方向（矢示 H方向）と直交する方向に移送（走査）される。

斯くして以上の構成を備えた基板処理装置によれば、ガラス基板 Wが前記支持機構によって水平に支持された状態で、加圧された処理液が処理液供給装置 1 1 0からノズル装置 1 0 0に供給され、これが前記各吐出？ L 1 0 5の開口部から吐出される。

前記各吐出孔 1 0 5から吐出された処理液は、それぞれ一筋の条線状の液流となり、全体として簾状に流下して、ガラス基板 W上に塗布される。そして、前記移動装置により、ノズル装置 1 0 0をガラス基板の幅方向（矢示 H方向）と直交する方向に移動させると、ガラス基板 W上に塗布される処理液は、ノズル装置 1 0 0の移動方向に延びる筋状の液溜りとしてガラス基板 W上に載り、やがて、隣接する筋状の液溜り同士が、表面張力により混合して所定膜厚の処理液膜となる。

上記従来の基板処理装置では、このようにしてガラス基板 W上に処理液が塗布され、塗布された処理液によってガラス基板 Wが処理される。ところが、上述したノズル装置 1 0 0では、供給ポー卜 1 0 4 , 供給室 1 0 3 , 吐出孔 1 0 5をノズル体 1 0 1 の上端から下端に向けて順次連続して設けた構造となっているので、処理液供給装置 1 1 0からの処理液の供給を停止してその塗布を終了するとき、供給室 1 0 3内に充填された処理液の重量が吐出孔 1 0 5内の処理液に直接作用することとなリ、このために、処理液が前記吐出孔 1 0 5から基板 W上に垂れ落ち、基板 W上に塗布された処理液の膜厚がムラになるという問題を生じていた。

また、現在では、ガラス基板などの基板 Wは年々その大きさが大きくなっている。このため、基板 Wの全域に対して均質な処理を行い、しかもその処理コストを低く押さえるべく、できるだけ少量の処理液で、均 —な膜厚の処理液を基板 W上に塗布する技術が求められている。

したがって、上記従来例に係るノズル装置 1 0 0の吐出孔 1 0 5の口径をできる限り小径とし、且つその配置ピッチ間隔をでき得る限り狭める必要がある。

しかるに、上記ノズル装置 1 0 0では、その吐出孔 1 0 5がー列に配列されているので、前記配置ピッチ間隔を狭めすぎると、前記各吐出孔 1 0 5から吐出され、一筋の条線状態で流下する液流の間隔が極めて接近することとなり、その結果、隣接する液流同士が接着し、互いに纏まリ混合して、帯状の液流となって流下するのみならず、その表面張力によつて液流の幅が先すぼみ状態となリ、基板 wの全幅に処理液を塗布することができないという問題を生じ、また、塗布される処理液の膜厚が却って厚くなるという問題を生じる。

一方、隣接する液流同士が接着しないように配置ピツチ間隔を粗くすると、各吐出口から吐出される処理液量が少ないため、第 1 7図に示すように、基板 W上に置かれた各液溜まリ Rが互いに接触することなく独立した状態となって、基板 W上に処理液膜を形成することができない。本発明は、以上の実情に鑑みなされたものであって、塗布を終了する際の液垂れを効果的に防止することができ、また、少量の処理液で、均 —な膜厚の処理液膜を基板上に形成することができるノズル装置及びこれを備えた基板処理装置の提供をその目的とする。発明の開示

上記目的を達成するための本発明は、長尺のノズル体を備え、該ノズル体から処理液を吐出して被処理物上に塗布するノズル装置であって、前記ノズル体は、その下面に形成され、且つ長手方向に沿って整列された複数の吐出口と、供給された処理液を滞留せしめる液溜め室と、前記各吐出口にそれぞれ個別に連通し、処理液を流通せしめて前記吐出口から吐出せしめる複数の液吐出流路とを備えてなり、

前記液溜め室と各液吐出流路とは、相互に平行に並設され、且つ前記各液吐出流路の上端が前記液溜め室の上端よリも上方に配置されると共に、前記液溜め室の上端部と前記各液吐出流路の上端部とが連通路によつて連通せしめられ、

更に、前記連通路内の最小高さ寸法が 0 . 0 5 m m以上 0 . 2 m m以下に設定され、前記各液吐出流路の最小口径が 0 . 3 5 m m以上 1 . 0 m m以下に設定されてなることを特徴とするノズル装置及びこれを備えた基板処理装置に係る。

このノズル装置は、支持手段によって支持された基板の上方に配設され、処理液供給手段から加圧された処理液がノズル体に供給されるとともに、移動手段により、前記基板に沿って相対的に移動せしめられる。処理対象の基板が前記支持手段によって水平に支持された状態で、加圧された処理液が前記処理液供給手段からノズル装置に供給されると、供給された処理液はノズル体の液溜め室内に流入し、連通路内及び液吐出流路内を順次流通した後、前記各吐出口から吐出される。

各吐出口から吐出される処理液は、それぞれ一筋の条線状の液流となリ、全体として簾状に流下して、基板上に塗布される。そして、前記移動手段により、ノズル体をその長手方向と直交する方向に移動させると、各吐出口から流下する処理液がノズル体の移動方向に延びる筋状の液溜リとして基板上に置かれ、隣接する筋状の液溜リ同士が表面張力によつて混合し、所定膜厚の均質な処理液膜となる。

ところで、前記液溜め室と液吐出流路とを上下に連続して設けると、上記従来のノズル装置と同様に、処理液供給手段からの処理液供給を停止しても、液溜め室内に充填された処理液の重量が液吐出流路内の処理液に直接作用するため、吐出口から処理液が垂れ落ち、基板上に塗布された処理液の膜厚がムラになるという問題を生じる。

そこで、本発明では、液溜め室と液吐出流路とを平行に並設して、液吐出流路の上端が液溜め室の上端よリも上方に位置するように配置し、且つ液溜め室の上端部と液吐出流路の上端部とを連通路によって連通した構成としている。

これにより、処理液供給手段から処理液が供給された状態では、液吐出流路内の処理液圧よりも液溜め室内の処理液圧の方が高くなリ、処理液が液溜め室から連通路を経由して液吐出流路内に流入し吐出口から吐出される一方、処理液の供給が停止されたときには、液溜め室内に充填された処理液の重量が液吐出流路内の処理液に直接及ぶことがなく、液吐出流路内の処理液は自身の表面張力によって当該液吐出流路内に留まり、前記吐出口からの液垂れが防止される。

また、前記連通路内の最小高さ寸法を 0 . 0 5 m m以上 0 . 2 m m以下とし、前記各液吐出流路の最小口径を 0 . 3 5 m m以上 1 . O m m以下とすることで、前記連通路内及び液吐出流路内における処理液の、自重に対する表面張力の比率を高めることができ、かかる構成とすることによって、前記連通路内及び液吐出流路内に処理液を効果的に保持することが可能となり、上述した液垂れを効果的に防止することができる。尚、連通路内の最小高さ寸法を 0 . 0 5 m m以上とし、液吐出流路の最小口径を 0. 3 5 m m以上としたのは、これより小さくすると、処理液の流通が阻害されるからである。

前記各液吐出流路は、これが、例えば、大径部，中径部，小径部といつたように複数の口径から構成されていても良く、この場合には、最小口径を上述した 0. 3 5 m m以上 1 . 0 m m以下に設定する。

また、前記吐出口は、これが前記ノズル体の長手方向に沿って複列に配列されるとともに、各列の吐出口が隣接する吐出口列の各吐出口配置間に配置されて、吐出口が全体として配列方向に千鳥状となるように配設されていても良い。

このようにすれば、ノズル体の長手方向における全体の吐出口の配置ピッチを密にすることができ、基板上に置かれる前記筋状の液溜りの隣接同士を極めて接近させ、両者を接触させた状態とすることができる。これにより、基板上に形成される処理液膜の膜圧をより均質なものとすることができる。また、各吐出口の口径を小径としても、その配置ピッチを必要以上に狭めることなく、吐出口全体の配置ピッチを密にすることができ、少量の処理液で-均質な膜厚の処理液膜を基板上に形成することができる。

また、前記連通路内の高さ寸法を調節するための調節機構を設けると

、当該高さ寸法を容易に上述した 0 . 0 5 m m以上 0 . 2 m m以下に設定することができる。

また、前記液吐出流路と連通路との間に 1若しくは複数の液供給室を形成し、この液供給室の上端を前記液溜め室の上端よりも上方に配置すると共に、液供給室の下端部と複数の前記液吐出流路の上端部とを連通せしめ、且つ液供給室の上端部と連通路とを連通せしめて、処理液が液供給室を介して前記連通路から各液吐出流路に供給されるように構成しても良い。ただし、この場合には、上記液垂れ防止の観点から、液供給室の容量を、各液吐出流路内の処理液が自身の表面張力によって当該液吐出流内に留まることができる程度のものとすることが肝要である。また、前記支持手段と移動手段とは、前記基板を支持する複数の口一ラを備え、各ローラの回転によって前記基板を直線搬送するローラ搬送装置として一体的に構成されたものとすることができる。

或いは、前記支持手段は、基板の載置される載置台から構成され、前記移動手段は、ノズル体を基板に沿って移送する移送装置から構成されていても良い。この場合、更に、前記載置台を水平回転させる回転駆動装置を設けても良い。この基板処理装置によれば、ノズル装置によって基板上に処理液を塗布した後に、前記回転駆動装置により基板を水平回転させることで、基板上に塗布された処理液が遠心力によって薄く引き延ばされ、更に、均質な膜厚の処理液膜を基板上に形成することができる。

尚、本発明を適用し得る処理対象たる基板については、これに何ら制限はなく、液晶ガラス基板，半導体ウェハ（シリコンウェハ），フォトマスク用ガラス基板，光ディスク用基板といった各種の基板に本発明を適用することができる。更に、処理液についても何ら制限はなく、半導体や液晶の製造工程で使用される現像液，レジスト液，レジスト剥離液 , エッチング液，洗浄液（純水，オゾン水，水素水，電解イオン水を含む）など各種の処理液を用いることができる。図面の簡単な説明

第 1 図は、この発明の好ましい態様に係る基板処理装置を示した平断面図であり、第 2図における矢視 Π— Π方向の平断面図である。第 2図は、第 1 図における矢視 I一 I方向の側断面図である。第 3図は、この発明の好ましい態様に係るノズル装置を示した正断面図であり、第 5図における矢視 IV— ] V方向の正断面図である。第 4図は、第 3図に示したノズル装置の下面図であり、第 5図は、第 3図における矢視 m— ΙΠ方向の側断面図である。第 6図及び第 7図は、本実施形態に係るノズル装置の処理液塗布作用を説明するための説明図である。第 8図及び第 9図は、本実施形態に係るノズル装置の効果を説明するための説明図である。第 1 0図は、本発明の他の態様に係るノズル装置を示した正断面図であリ、第 1 1 図における矢視 VI— VI方向の断面図である。第 1 1 図は、第 1 0図における矢視 V— V方向の側断面図である。第 1 2図は、本発明の更に他の態様に係るノズル装置を示した側断面図である。第 1 3図は、本発明の他の態様に係る基板処理装置を示した正断面図であり、第 1 4図は、第 1 3図に示した基板処理装置の平面図である。第 1 5図は、従来例に係るノズル装置を示した側断面図であり、第 1 6図は、第 1 5 図に示したノズル装置の下面図であり、第 1 7図は、従来例に係るノズル装置の処理液塗布作用を説明するための説明図である。発明を実施するための最良の形態

以下、本発明をより詳細に説明するために、添付図面に基づいてこれを説明する。

第 1 図及び第 2図に示すように、本発明に係る基板処理装置 1 は、閉空間を形成するカバー体 2と、前記閉空間内に所定間隔で配置された複数の搬送ローラ 4を備え、処理対象の基板 Wをこの搬送ローラ 4により支持して搬送する搬送装置 3と、一連の搬送ローラ 4群の上方に配置され、前記基板 W上に処理液を吐出して塗布するノズル装置 1 0と、ノズル装置 1 0に加圧した処理液を供給する処理液供給装置 3 7などを備える。

搬送装置 3は、上述した複数の搬送ローラ 4の他に、これらを回転自在に支持する軸受 8及び各搬送ローラ 4を駆動する駆動機構 9などを備える。搬送ローラ 4は、両端がそれぞれ前記軸受 8によって回転自在に支持される回転軸 5と、この回転軸 5にその長手方向に沿って所定間隔で固着されたローラ 6 , 7 とからなり、回転軸 5の軸方向両端部のローラ 7はそれぞれフランジ部を備え、このフランジ部によって、ローラ 6 , 7上を搬送される基板 Wが搬送路上から離脱しないように規制する。尚、具体的に図示はしないが、前記駆動機構 9は、駆動モータや、各回転軸 5に巻き掛けられて前記駆動モータの動力を各回転軸に伝達する伝動ベルトなどからなり、前記各回転軸 5を基板 Wが矢示 T方向に搬送されるように回転させる。

前記ノズル装置 1 0は、第 1 図に示すように、基板 Wの幅方向（矢示 H方向）に沿って配設された長尺のノズル体 1 1 、及びこのノズル体 1 1 に固着され、適宜構造体（図示せず）に連結されるブラケット 3 0などを備える。

第 3図乃至第 5図に示すように、ノズル体 1 1 は、長尺の第 1 部材 1 2及び第 2部材 1 5からなリ、これら第 1 部材 1 2及び第 2部材 1 5がシール用のパッキン 2 0 , 2 1 を介して接合された構造を備える。これら第 1部材 1 2及び第 2部材 1 5はそれぞれ横断面形状が水平辺 1 2 b , 1 5 b及び垂直辺 1 2 a , 1 5 aを有する鈎状をなしておリ、第 1 部材 1 2の水平辺 1 2 b端面と第 2部材 1 5の垂直辺 1 5 a端面とが前記パッキン 2 0を介して接合され、第 1 部材 1 2の垂直辺 1 2 a端面と第 2部材 1 5の水平辺 1 5 b端面とが前記パッキン 2 1 を介して接合されている。尚、第 1 部材 1 2及び第 2部材 1 5には、四フッ化工チレン樹脂（ P T F E ) が用いられている。

また、第 1部材 1 2の水平辺 1 2 b下面と垂直辺 1 2 a端面とが交差する隅部には、前記長手方向に溝部 1 3が形成され、第 2部材 1 5の水平辺 1 5 b上面と同端面とが交差する角部には、前記長手方向に溝部 1 9が形成されており、第 1 部材 1 2と第 2部材 1 5とが上記のように接合された状態で、前記溝部 1 3及び 1 9によって液溜め室 2 2が形成される。

また、第 2部材 1 5には、一方が水平辺 1 5 bの上面に開口し、他方が水平辺 1 5 bの下面に吐出口 1 8として開口する液吐出流路としての複数の縦孔 1 7が穿設されている。この縦孔 1 7は、第 4図に示すように、第 2部材 1 5の長手方向に沿って 2列（ A列及び B列）に配列されている。各列の吐出口 1 8は、その配置ピッチ間隔 Pが同じであり、隣接する吐出口 1 8列の各吐出口 1 8配置間の中間位置に配置され、各吐出口 1 8は全体として配列方向に千鳥状に配置されている。

尚、前記縦孔 1 7の口径 dは、これを 0. 3 5 mm以上 1 . O mm以下の範囲のものとする。また、配置ピッチ間隔 Pは、吐出口 1 8の口径 (縦孔 1 7の口径 dに同じ）を d ' とすると、 P≤ 2 d ' であるのが好ましい。また、前記第 1 部材 1 2の水平辺 1 2 b下面と、第 2部材 1 5の水平辺 1 5 b上面との間には、高さ寸法 tが 0 . 0 5 m m以上 0 . 2 m m以下の範囲内に設定される連通路 2 3が形成されており、この連通路 2 3 によって、前記縦孔 1 7 と液溜め室 2 2とが連通されている。また、第 5図に示すように、縦孔 1 7の上端は液溜め室 2 2の上端よリも上方に位置している。

尚、前記第 1部材 1 2と第 2部材 1 5とは、ボル卜によって相互に接続されておリ、ポルトが揷通されるボルト孔と当該ボルトとの間のクリァランスによって、連通路 2 3の高さ寸法を上記範囲内に調節できるようになつている。

また、第 3図に示すように、第 1部材 1 2及び第 2部材 1 5の両側端部には、それぞれパッキン 2 3を介して結合部材 2 4が接合しておリ、前記液溜め室 2 2及び連通路 2 3からなる処理液の流路が前記パッキン 2 0 , 2 1 , 2 3によって密閉される。

第 3図及び第 5図に示すように、第 1 部材 1 2の長手方向ほぼ中央部には、その上面及び液溜め室 2 2に開口する供給ポート 1 4が形成されており、この供給ポート 1 4には、前記処理液供給装置 3 7に接続した供給管 3 6が管継手 3 5を介して接続され、前記処理液供給装置 3 7から供給管 3 6 , 供給ポート 1 4を経由して前記液溜め室 2 2内に加圧された処理液が供給される。

以上の構成を備えた本例の基板処理装置 1 によると、搬送装置 3によつて矢示 T方向に搬送される基板 Wが所定位置に達したとき、処理液供給装置 3 7による処理液の供給が開始され、加圧された処理液が処理液供給装置 3 7から供給管 3 6を介して前記ノズル体 1 1 に供給される。ノズル体 1 1 に供給された処理液は供給ポート 1 4から液溜め室 2 2内に流入した後、連通路 2 3内，縦孔 1 7内を順次流通して、 A列及び B 列の 2列に配設された各吐出口 1 8からそれぞれ吐出されて、一筋の条線状の液流となり、全体として簾状に流下する。

一方、基板 Wは引き続き前記搬送装置 3によって前記ノズル体 1 1 の下方を矢示 T方向に搬送されており、前記ノズル体 1 1から一筋の条線状の液流となって流下する処理液は、基板 Wの搬送方向に延びる筋状の液溜りとして基板 W上に置かれる。より具体的には、基板 Wの搬送方向 (矢示 T方向）下流側に位置する A列の吐出口 1 8から流下した液流が基板 W上に載リ、引き続いて、上流側に位置する B列の吐出口 1 8から流下した液流が基板 W上に載ることになる。この状態を第 6図に示している。尚、第 6図では、 A列の吐出口 1 8から流下した液溜まり R aを実線で、 B列の吐出口 1 8から流下した液溜まリ R bを破線で示している。

A , B各列の吐出口 1 8の配置ピッチ間隔 Pにもよるが、上記のように、配置ピッチ間隔 Pを、 P≤ 2 d ' となるように設定すると、第 6図に示すように、 A列の吐出口 1 8から流下する処理液（ R a ) と、 B列の吐出口 1 8から流下する処理液（ R b ) とが、基板 W上で重なり合つて両者が混合され、その表面張力によって、処理液が基板 W上に薄く広がり、第 7図に示すように、基板 W上に所定膜厚の均質な処理液膜（R ) が形成される。

そして、このようにして基板 Wの上面全面に処理液が塗布されると、処理液供給装置 3 7からの処理液の供給が停止される。以後、順次搬送される基板 Wに対して上記処理が繰り返され、各基板 W上に処理液膜が形成される。

斯くして、本例の基板処理装置 1 では、ノズル装置 1 0の縦孔 1 7の上端を液溜め室 2 2の上端よりも上方に位置させているので、液溜め室 2 2内に充填された処理液の重量が縦孔 1 つ内の処理液に直接及ぶことがなく、縦孔 1 7内の処理液は自身の表面張力によって当該縦孔 1 7内に留まる。斯くして、かかる作用により、処理液の供給を停止した際の、前記吐出口 1 8からの液垂れが防止され、これにより、基板 W上に形成された処理液膜に厚みムラが出るのが防止される。

また、連通路 2 3内の高さ寸法 t を 0. 0 5 mm以上 0. 2 mm以下とし、縦孔 1 7の口径 dを 0. 3 5 mm以上 1 . O mm以下とすることで、連通路 2 3内及ぴ縦孔 1 7内における処理液の、自重に対する表面張力の比率を高めることができ、かかる構成とすることによって、前記連通路 2 3内及び縦孔 1 7内に処理液を効果的に保持することが可能となり、上述した液垂れを効果的に防止することができる。

因みに、処理液に 2 5 ° Cの純水（ 2 2 ° Cにおける粘度が 1 m P a ■ s ) を用い、上記連通路 2 3内の高さ寸法 t 及び縦？ L 1 7の口径 dを種々変化させて、処理液供給停止後の吐出口 1 8からの液垂れ状態を観察した結果を第 8図に示し、処理液に 8 0 ° Cのモノエタノールァミン ( H ₂ N C H ₂ C H ₂ O H ) ( 2 2 ° Cにおける粘度が 1 0 m P a - s ) を用い、上記と同様に、連通路 2 3内の高さ寸法 t及ぴ縦孔 1 7の口径 dを種々変化させて、処理液供給停止後の吐出口 1 8からの液垂れ状態を観察した結果を第 9図に示す。

尚、第 8図及び第 9図において、「液垂れの程度」が、「無」となつているのは 1 0秒間に 1滴の液垂れも無い状態を意味し、「微少 j となつているのは 1 0秒間に 1 ~ 3滴の液垂れ状態を意味し、 Γ少 j となつているのは 1 0秒間に 4〜 1 0滴の液垂れ状態を意味し、「多」となつているのは 1 0秒間に 1 0数滴以上の液垂れ状態を意味する。

第 8図及び第 9図から分かるように、連通路 2 3内の高さ寸法 t を 0 . 0 5 mm以上 0. 2 mm以下とし、且つ縦孔 1 7の口径 dを 0. 3 5 mm以上 1 . O mm以下とすることで、吐出口 1 8からの液垂れを効果的に防止することができる。

また、上述したように、現在では、ガラス基板などの基板 Wは年々その大きさが大きくなつておリ、基板 Wの全域に対して均質な処理を行い、且つその処理コストを低く押さえるべく、できるだけ少量の処理液で、均一な膜厚の処理液を基板 W上に塗布し得る技術が求められている。本例の基板処理装置 1 では、吐出口 1 8を、ノズル体 1 1 の長手方向に沿って 2列に配列するとともに、各列の吐出口 1 8を、隣接する吐出口 1 8列の各吐出口 1 8配置間の中間位置に配置して、全体が配列方向に千鳥状となるように配設しているので、吐出口 1 8の口径を小さくした場合に、各列の配置ピッチ間隔 Pを必要以上に狭めなくても、 2列の吐出口 1 8全体の配置ピッチ間隔を狭めることができ、基板 W上に置かれる液溜り同士を極めて接近させ両者を接触させた状態とすることができ、所定膜厚の均質な処理液膜を基板 W上に形成することができる。以上本発明の一実施形態について説明したが、本発明の採リ得る具体的な態様は何らこれに限定されるものではない。例えば、上例では、吐出口 1 8及び縦孔 1 7を 2列に配設したが、これらを単列若しくは 3列以上の複列にしたものであっても何ら差し支えない。

また、第 1 0図及び第 1 1 図に示すように、縦孔 1 7 と連通路 2 3との間に、第 2部材 1 5の水平辺 1 5 b上面に開口し、長手方向に沿って前記液溜め室 2 2と平行に並設された溝状の液供給室 1 6を設け、処理液がこの液供給室 1 6を経由して縦孔 1 7に供給されるように構成しても良い。

或いは、前記縦孔 1 ，を、第 1 2図示すような大径部 1 7 b及び小径部 1 7 aからなる 2段の ¾、若しくは 3段以上の多段孔としても良い。但し、この場合でも、その最小口径を 0 . 3 5 m m以上 1 . O m m以下とするのが肝要である。本発明のように、縦孔 1 7の口径を小さくすると、その加工が困難となるが、第 1 0図及び第 1 1 図又は第 1 2図に示した構成とすることで、小径部分の孔深さを浅くすることができ、その加工が容易となる。また、本発明に係る基板処理装置は、第 1 3図及び第 1 4図に示した態様とすることができる。この場合、基板 Wへの処理液の塗布処理は、連続処理ではなく、毎葉処理となる。第 1 3図及び第 1 4図に示すように、この基板処理装置 5 0は、基板 Wを水平に支持するとともに、これを水平回転せしめる支持 - 回転装置 5 1 と、上記第 3図乃至第 5図、又は第 1 0図及び第 1 1 図、又は第 1 2図に示したノズル装置 1 0と、このノズル装置 1 0に処理液を供給する処理液供給装置 3 7と、ノズル装置 1 0を支持して基板 Wに沿って移動させる移送装置 6 0などからなる前記支持回転装置 5 1 は、基板 Wを真空吸着して水平支持するスピンチャック 5 2 と、このスピンチャック 5 2を支持する回転軸 5 3 と、回転軸 5 3を軸中心に回転させる駆動機構部 5 4などからなり、駆動機構部 5 4の動力によって回転軸 5 3及びスピンチャック 5 2が回転し、スピンチャック 5 2に支持された基板 Wが水平回転する。駆動機構部 5 4は回転軸 5 3をその回転方向の所定角度に割り出す割出機能を備えており、スピンチヤック 5 2は回転前後において予め設定された回転角度位置となるように割り出される。そして、このように割り出されたスピンチャック 5 2上に、第 1 4図に示した姿勢で基板 Wが載置され、基板 Wは当該スピンチャック 5 2によって吸着，支持される。尚、図中の符号 5 5は基板 Wの周囲を囲むカバーである。

前記移送装置 6 0は、ノズル装置 1 0を、その長手方向が基板 Wの幅方向（矢示 H方向）に沿うように支持する支持アーム 6 1 と、この支持アーム 6 1 を前記幅方向（矢示 H方向）と直交する矢示 T ' 方向に移動させる移送機構部 6 2などからなる。

斯くして、この基板処理装置 5 0によれば、まず、基板 Wがスピンチャック 5 2上に載置され、このスピンチャック 5 2によって吸着，支持された状態で、ノズル装置 1 0が前記移送装置 6 0によって基板 Wに接近する方向に移送される。そして、これと同時に処理液供給装置 3 7からノズル装置 1 0に対し加圧された処理液が供給され、その吐出口 1 8 から処理液が流下して、これが基板 W上に塗布される。そして、基板 W の上面全面に処理液が塗布された後、ノズル装置 1 0が元に位置に戻される。

ノズル装置 1 0が元に位置に戻ると、次に、前記駆動機構部 5 4によつて基板 Wが所定時間だけ水平回転せしめられる。これにより、基板 W 上に塗布された処理液が遠心力によって薄く引き延ばされ、基板 W上に形成された処理液の膜厚が。更に、均質なものとなる。そして、この後、基板 Wが停止せしめられて一連処理が終了する。

尚、本発明を適用し得る処理対象たる基板については、これに何ら制限はなく、液晶ガラス基板，半導体ウェハ（シリコンウェハ），フォトマスク用ガラス基板，光ディスク用基板といった各種の基板に本発明を適用することができる。処理液についても何ら制限はなく、半導体や液晶の製造工程で使用される現像液，レジスト液，レジスト剥離液，エツチング液，洗浄液（純水，オゾン水，水素水，電解イオン水を含む）など各種の処理液を用いることができる。産業上の利用可能性

以上のように、本発明にかかるノズル装置及びこれを備えた基板処理装置は、液晶ガラス基板，半導体ウェハ，フォトマスク用ガラス基板，光ディスク用基板等の基板に、薬液や洗浄液等の処理液を均一に塗布する装置として適している。

Claims

請求の範囲

1 . 長尺のノズル体を備え、該ノズル体から処理液を吐出して被処理物上に塗布するノズル装置であって、

前記ノズル体は、その下面に形成され、且つ長手方向に沿って整列された複数の吐出口と、供給された処理液を滞留せしめる液溜め室と、前記各吐出口にそれぞれ個別に連通し、処理液を流通せしめて前記吐出口から吐出せしめる複数の液吐出流路とを備えてなり、

更に、前記連通路内の最小高さ寸法が 0 . 0 5 m m以上 0 . 2 m m以下に設定され、前記各液吐出流路の最小口径が 0 . 3 5 m m以上 1 . 0 m m以下に設定されてなることを特徴とするノズル装置。

2 . 前記各液吐出流路が、それぞれ複数の口径から形成される多段状の孔からなリ、その最小口径が 0 . 3 5 m m以上 1 . 0 m m以下に設定されてなる請求の範囲第 1 項記載のノズル装置。

3 . 前記吐出口が、前記ノズル体の長手方向に沿って複列に配列されるとともに、各列の吐出口が、隣接する吐出口列の各吐出口配置間に配置されて、各吐出口が配列方向に千鳥状に配設されてなる請求の範囲第 1 項又は第 2項記載のノズル装置。

4 . 前記液吐出流路と連通路との間に 1若しくは複数の液供給室を形成し、該液供給室の上端を前記液溜め室の上端よりも上方に配置すると共に、

前記液供給室の下端部と複数の前記液吐出流路の上端部とを連通せしめ、且つ前記液供給室の上端部と前記連通路とを連通せしめて、前記液供給室を介して前記連通路から各液吐出流路に処理液が供給されるように構成した請求の範囲第 1 項乃至第 3項記載のいずれかのノズル装置。

5 . 前記連通路内の高さ寸法を調節するための調節機構を更に備えてなる請求の範囲第 1 項乃至第 4項記載のいずれかのノズル装置。

6 . 基板を支持する支持手段と、前記支持手段に支持された基板の上方に配設され、該基板上に処理液を吐出する前記請求の範囲第 1 項乃至第 5項に記載のいずれかのノズル装置と、該ノズル装置に加圧した処理液を供給する処理液供給手段と、前記支持手段に支持された基板と前記ノズル体とを相対移動させる移動手段とを設けて構成したことを特徴とする基板処理装置。

7 . 前記支持手段と移動手段とが、前記基板を支持する複数のローラを備え、各ローラの回転によって前記基板を直線搬送するローラ搬送装置として一体的に構成されてなる請求の範囲第 6項記載の基板処理装置。

8 . 前記支持手段が基板載置用の載置台から構成され、前記移動手段が前記ノズル体を前記基板に沿って移送する移送装置から構成されてなる請求の範囲第 6項記載の基板処理装置。

9 . 前記載置台を水平回転させる回転駆動装置を、更に備えてなる請求の範囲第 8項記載の基板処理装置。