明 細書 新規夕ンパク質およびその D N A 技術分野
本発明は、 新規な有機イオントランスポー夕タンパク質、 該タンパク質をコー ドするポリヌクレオチド、 該タンパク質の活性を促進または阻害する化合物のス クリーニング方法、 該スクリーニング方法で得られる化合物などを提供する。 背景技術
生体内の様々な内因性物質、 外因性の多くの薬剤や生体異物は、 有機イオン (有機ァニオン、 有機カチオン、 両性イオン) に分類され、 生体にとって有害な ものも多い。 これら有害な有機イオン化合物は、 腎臓と肝臓において処理され生 体から排出される。 これら有機イオンの輸送に重要な役割を担っているのが、 有 機イオントランスポ一夕である。 有機イオントランスポー夕ファミリ一は、 有機 ァニオン、 有機カチオンおよび両性イオンの 3種のトランスポー夕ファミリーよ り構成される。 有機ァニオントランスポー夕は、 0AT1 (SLC22A6と称することも ある) 、 0AT2 (SLC22A7と称することもある) 、 0AT3 (SLC22A8と称することもあ る) 、 SLC22A9、 SLC22A10、 および SLC22AUの 6種が、 有機カチオントランスポ一 タは、 0CT1 (SLC22A1と称することもある) 、 0CT2 (SLC22A2と称することもあ る) および 0CT3 (SLC22A3と称することもある) の 3種が、 両性イオントランスポ —夕は、 0CTN1 (SLC22A4と称することもある) および 0CTN2 (CT1または SLC22A5 と称することもある) の 2種が同定されている。
有機イオントランスポー夕は、 主に腎臓、 肝臓、 脳、 胎盤などにおいて発現し ており、 有害物質の排出や選択輸送に重要な役割を果たしていると考えられてい るが、 その詳細なメカニズムはよく分かっていない。 これらのトランスポー夕の 役割を解明することが種々の疾患に対する治療薬開発につながる。 発明の開示
本発明者らは、 上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、 新規な有 機イオントランスポータタンパク質を見出した。 該タンパク質はアミノ酸レベル で、 0CTN1 (Biochem. Biophys. Res. Commun.、 第 251巻、 586頁、 1998年) とァ ミノ酸レベルで 28%の相同性を示し、 有機イオントランスポ一夕として機能し得 る。 該タンパク質を抑制する方法としては、 例えば、 有機イオンの輸送を阻害す る、 該タンパク質の転写を抑制して発現レベルを低下させることが考えられる。 該タンパク質を賦活化する方法としては、 例えば、 有機イオンの輸送促進、 該夕 ンパク質のプロモーターの活性化、 mRN Aの安定化によって発現レベルを亢進 することが考えられる。
本発明者らは、 これらの知見に基づいて、 さらに検討を重ねた結果、 本発明を 完成するに至った。
すなわち、 本発明は、
(I) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァ ミノ酸配列を含有するタンパク質またはその塩、
(2) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質またはその塩、
(3) 上記 (1) 記載のタンパク質の部分ペプチドまたはその塩、
(4) 上記 (1) 記載のタンパク質または上記 (3) 記載の部分ペプチドをコ ―ドするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(5) DNAである上記 (4) 記載のポリヌクレオチド、
(6) 配列番号: 2で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド、
(7) 上記 (5) 記載のポリヌクレオチドを含有する組換えベクター、
(8) 上記 (7) 記載の組換えベクターで形質転換された形質転換体、
(9) 上記 (8) 記載の形質転換体を培養し、 上記 (1) 記載のタンパク質ま たは上記 (3) 記載の部分ペプチドを生成、 蓄積せしめ、 これを採取することを 特徴とする上記 (1) 記載のタンパク質もしくは上記 (3) 記載の部分ペプチド またはその塩の製造法、
(10) 上記 (1) 記載のタンパク質もしくは上記 (3) 記載の部分ペプチド またはその塩を含有してなる医薬、
(I I) 上記 (5) 記載のポリヌクレオチドを含有してなる医薬、
(12) 上記 (5) 記載のポリヌクレオチドを含有してなる診断薬、
(13) 上記 (1) 記載のタンパク質もしくは上記 (3) 記載の部分ペプチド またはその塩に対する抗体、
(14) 上記 (13) 記載の抗体を含有してなる診断薬、
(15) 上記 (13) 記載の抗体を含有してなる医薬、
(16) 上記 (4) 記載のポリヌクレオチドの塩基配列に相補的もしくは実質 的に相補的な塩基配列またはその一部を含有するポリヌクレオチド、
(17) 上記 (16) 記載のポリヌクレオチドを含有してなる医薬、
(18) 上記 (1) 記載のタンパク質もしくは上記 (3) 記載の部分ペプチド またはその塩を用いることを特徴とする、 上記 (1) 記載のタンパク質もしくは 上記 (3) 記載の部分ペプチドまたはその塩の活性を促進または阻害する化合物 またはその塩のスクリーニング方法、
(19) 上記 (1) 記載のタンパク質もしくは上記 (3) 記載の部分ペプチド またはその塩を含有してなる、 上記 (1) 記載のタンパク質もしくは上記 (3) 記載の部分ペプチドまたはその塩の活性を促進または阻害する化合物またはその 塩のスクリーニング用キット、
(20) 上記 (18) 記載のスクリーニング方法または上記 (19) 記載のス クリーニング用キットを用いて得られる、 上記 (1) 記載のタンパク質もしくは 上記 (3) 記載の部分ペプチドまたはその塩の活性を促進または阻害する化合物 またはその塩、
(21) 上記 (20) 記載の化合物またはその塩を含有してなる医薬、
(22) 上記 (4) 記載のポリヌクレオチドを用いることを特徴とする、 上記
(1) 記載のタンパク質遺伝子の発現を促進または阻害する化合物またはその塩 のスクリーニング方法、
(23) 上記 (4) 記載のポリヌクレオチドを含有してなる、 上記 (1) 記載 のタンパク質遺伝子の発現を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリー ニング用キッ卜、
(24) 上記 (22) 記載のスクリーニング方法または上記 (23) 記載のス クリーニング用キットを用いて得られる、 上記 (1) 記載のタンパク質遺伝子の
発現を促進または阻害する化合物またはその塩、
(25) 上記 (24) 記載の化合物またはその塩を含有してなる医薬、
(26) 上記 (13) 記載の抗体を用いることを特徴とする上記 (1) 記載の タンパク質の定量方法、
(27) 上記 (26) 記載の定量方法を用いることを特徴とする上記 (1) 記 載のタンパク質の機能が関連する疾患の診断法、
(28) 上記 (13) 記載の抗体を用いることを特徴とする、 上記 (1) 記載 のタンパク質の発現を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング 方法、
(29) 上記 (13) 記載の抗体を含有してなる、 上記 (1) 記載のタンパク 質の発現を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング用キット、 (30) 上記 (28) 記載のスクリーニング方法または上記 (29) 記載のス クリーニング用キットを用いて得られる、 上記 (1) 記載のタンパク質の発現を 促進または阻害する化合物またはその塩、
(31) 上記 (30) 記載の化合物またはその塩を含有してなる医薬、
(32) 呼吸器系疾患または腎臓疾患の予防 ·治療剤である上記 (10) 、 (1 1) 、 (15) 、 (17) 、 (21) 、 (25) または (31) 記載の医薬、 (33) 呼吸器系疾患または腎臓疾患の診断薬である上記 (12) または (1
4) 記載の診断薬、
(34) 哺乳動物に対して、 上記 (20) 、 (24) または (30) 記載の化 合物またはその塩の有効量を投与することを特徴とする呼吸器系疾患または腎臓 疾患の予防 ·治療方法、
(35) 呼吸器系疾患または腎臓疾患の予防 ·治療剤を製造するための上記 (20) 、 (24) または (30) 記載の化合物またはその塩の使用などを提供 する。 図面の簡単な説明
図 1は、 有機イオントランスポ一タ 0CTN1とヒト TCH149とのアミノ酸配列の比 較を表す図である。 図中、 TCH149はヒト TCH149のアミノ酸配列を、 0CTN1は 0CTN1
のアミノ酸配列を、 TM1〜TM12は膜貫通領域を示す。 口は、 両配列に一致するァ ミノ酸を示す。
図 2は、 ヒト TCH149遺伝子産物の各組織における発現量を表す図である。 発現 量は cDNA溶液 1 1当たりのコピー数で表した。
図 3は、 マウス TCH149遺伝子産物の各組織における発現量を表す図である。 発 現量は、 cDNA溶液 1 1当たりのマウス TCH149のコピー数を、 等量の各組織 cDNAに おける rodent GAPDHのコピ一数で割った値で表した。
図 4は、 ヒト TCH149遺伝子産物の正常細胞における発現量を表す図である。 発 現量は、 相対的発現量を 100倍した値で表した。 発明を実施するための最良の形態
配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸 配列を含有するタンパク質 (以下、 本発明のタンパク質と称することもある) は、 ヒ卜ゃ温血動物 (例えば、 モルモット、 ラット、 マウス、 ニヮトリ、 ゥサギ、 ブ 夕、 ヒッジ、 ゥシ、 サルなど) の細胞 (例えば、 肝細胞、 脾細胞、 神経細胞、 グ リア細胞、 滕臓 B細胞、 骨髄細胞、 メサンギゥム細胞、 ランゲルハンス細胞、 表 皮細胞、 上皮細胞、 杯細胞、 内皮細胞、 平滑筋細胞、 繊維芽細胞、 繊維細胞、 筋 細胞、 脂肪細胞、 免疫細胞 (例、 マクロファージ、 Τ細胞、 Β細胞、 ナチュラル キラー細胞、 肥満細胞、 好中球、 好塩基球、 好酸球、 単球) 、 巨核球、 滑膜細胞、 軟骨細胞、 骨細胞、 骨芽細胞、 破骨細胞、 乳腺細胞、 肝細胞もしくは間質細胞、 またはこれら細胞の前駆細胞、 幹細胞もしくはガン細胞など) もしくはそれらの 細胞が存在するあらゆる組織、 例えば、 脳、 脳の各部位 (例、 嗅球、 扁桃核、 大 脳基底球、 海馬、 視床、 視床下部、 大脳皮質、 延髄、 小脳) 、 脊髄、 下垂体、 胃、 滕齓 腎臓、 肝臓、 生殖腺、 甲状腺、 胆のう、 骨髄、 副腎、 皮膚、 筋肉、 肺、 消 化管 (例、 大腸、 小腸) 、 血管、 心臓、 胸腺、 脾臓、 顎下腺、 末梢血、 前立腺、 睾丸、 卵巣、 胎盤、 子宮、 骨、 関節、 骨格筋などに由来するタンパク質であって もよく、 合成タンパク質であってもよい。
配列番号: 1で表されるァミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と約 4 0 %以上、 好ましくは約 5 0 %以上、
好ましくは約 6 0 %以上、 より好ましくは約 8 0 %以上、 特に好ましくは約 9 0 %以上、 最も好ましくは約 9 5 %以上を有するアミノ酸配列などが挙げられる, 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有す るタンパク質としては、 例えば、 前記の配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と 実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列を 含有するタンパク質と実質的に同質の活性を有するタンパク質などが好ましい。 実質的に同質の活性としては、 例えば、 有機イオン輸送活性などが挙げられる, 実質的に同質とは、 それらの性質が性質的に (例、 生理学的に、 または薬理学的 に) 同質であることを示す。 したがって、 有機イオン輸送活性が同等 (例、 約 0 . 0 1〜: L 0 0倍、 好ましくは約 0 . 1〜: L 0倍、 より好ましくは 0 . 5〜2倍) であることが好ましいが、 これらの活性の程度、 タンパク質の分子量などの量的 要素は異なっていてもよい。
有機イオン輸送活性の測定は、 公知の方法に準じて行うことが出来、 例えば、 Biochem. Biophys. Res. Commun.、 第 283巻、 417 - 422頁、 2001年に記載の方法ま たはそれに準じる方法に従つて測定することができる。
また、 本発明のタンパク質としては、 例えば、 (i) 配列番号: 1で表される アミノ酸配列中の 1または 2個以上 (例えば 1〜2 0 0個程度、 好ましくは 1〜 1 5 0個程度、 好ましくは 1〜1 0 0個程度、 好ましくは 1〜5 0個程度、 好ま しくは 1〜3 0個程度、 好ましくは 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数 (1〜 5 ) 個) のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、 (i i) 配列番号: 1で表されるァ ミノ酸配列に 1または 2個以上 (例えば 1〜2 0 0個程度、 好ましくは 1〜 1 5 0個程度、 好ましくは 1〜1 0 0個程度、 好ましくは 1〜5 0個程度、 好ましく は 1〜3 0個程度、 好ましくは 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数 (1〜5 ) 個) のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、 (i i i) 配列番号: 1で表されるアミ ノ酸配列に 1または 2個以上 (例えば 1〜2 0 0個程度、 好ましくは 1〜1 5 0 個程度、 好ましくは 1〜1 0 0個程度、 好ましくは 1〜5 0個程度、 好ましくは 1〜3 0個程度、 好ましくは 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数 (1〜5 ) 個) のアミノ酸が揷入されたアミノ酸配列、 (iv) 配列番号: 1で表されるアミ ノ酸配列中の 1または 2個以上 (例えば 1〜2 0 0個程度、 好ましくは 1〜1 5
0個程度、 好ましくは 1〜1 0 0個程度、 好ましくは 1〜5 0個程度、 好ましく は 1〜3 0個程度、 好ましくは 1〜 1 0個程度、 さらに好ましくは数 (1〜5 ) 個) のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、 または (V) それら を組み合わせたアミノ酸配列を含有するタンパク質などのいわゆるムテインも含 まれる。
上記のようにアミノ酸配列が揷入、 欠失または置換されている場合、 その挿入、 欠失または置換の位置は、 とくに限定されない。
本明細書におけるタンパク質は、 ぺプチド標記の慣例に従って左端が N末端 (ァミノ末端) 、 右端が C末端 (力ルポキシル末端) である。 配列番号: 1で表 されるアミノ酸配列を含有するタンパク質をはじめとする、 本発明のタンパク質 は、 C末端が力ルポキシル基 (-調) 、 カルポキシレート (- C00-) 、 アミド (- C0NH2) またはエステル (-C00R) のいずれであってもよい。
ここでエステルにおける Rとしては、 例えば、 メチル、 ェチル、 n—プロピル、 イソプロピル、 n—ブチルなどの アルキル基、 例えば、 シクロペンチル、 シ クロへキシルなどの C3_8シクロアルキル基、 例えば、 フエニル、 a—ナフチルな どの〇6_12ァリール基、 例えば、 ベンジル、 フエネチルなどのフエ二ルー C Mアル キル基もしくはひ一ナフチルメチルなどの Q!—ナフチルー C wアルキル基などの
C 7_14ァラルキル基、 ビバ口ィルォキシメチル基などが用いられる。
本発明のタンパク質が C末端以外にカルボキシル基 (またはカルポキシレ一 ト) を有している場合、 力ルポキシル基がアミド化またはエステル化されている ものも本発明のタンパク質に含まれる。 この場合のエステルとしては、 例えば上 記した C末端のエステルなどが用いられる。
さらに、 本発明のタンパク質には、 N末端のアミノ酸残基 (例、 メチォニン残 基) のァミノ基が保護基 (例えば、 ホルミル基、 ァセチル基などの C t_6アルカノ ィルなどの C ,_6ァシル基など) で保護されているもの、 生体内で切断されて生成 する N末端のグルタミン残基がピログルタミン酸化したもの、 分子内のアミノ酸 の側鎖上の置換基 (例えば- 0H、 - SH、 アミノ基、 イミダゾール基、 インドール基、 グァニジノ基など) が適当な保護基 (例えば、 ホルミル基、 ァセチル基などの C ト6アルカノィル基などの C Hァシル基など) で保護されているもの、 あるいは糖
鎖が結合したいわゆる糖タンパク質などの複合タンパク質なども含まれる。
本発明のタンパク質の具体例としては、 例えば、 配列番号: 1で表されるアミ ノ酸配列を含有するヒト由来のタンパク質などがあげられる。
本発明の夕ンパク質の部分べプチドとしては、 前記した本発明の夕ンパク質の 部分ペプチドであって、 好ましくは、 前記した本発明のタンパク質と同様の性質 を有するものであればいずれのものでもよい。
例えば、 本発明のタンパク質の構成アミノ酸配列のうち少なくとも 2 0個以上、 好ましくは 5 0個以上、 さらに好ましくは 7 0個以上、 より好ましくは 1 0 0個 以上、 最も好ましくは 2 0 0個以上のアミノ酸配列を有するペプチドなどが用い られる。
また、 本発明の部分ペプチドは、 そのアミノ酸配列中の 1または 2個以上 (好 ましくは、 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数 (1〜5 ) 個) のアミノ酸が欠 失し、 または、 そのアミノ酸配列に 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜2 0個 程度、 より好ましくは 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数 (1〜5 ) 個) のァ ミノ酸が付加し、 または、 そのアミノ酸配列に 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜2 0個程度、 よ Q好ましくは 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数 (1〜 5 ) 個) のアミノ酸が揷入され、 または、 そのアミノ酸配列中の 1または 2個以 上 (好ましくは、 1〜1 0個程度、 より好まし は数個、 さらに好ましくは 1〜 5個程度) のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されていてもよい。
本発明の部分ペプチドとしては、 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列におい て例えば、 第 3 2〜9 8番目、 第 2 3 8〜2 9 1番目、 第 3 1 5〜3 2 6番目の ァミノ酸配列を有するぺプチドなどがあげられる。
また、 本発明の部分ペプチドは C末端が力ルポキシル基 (- C00H) 、 カルボキ シレート (- C00— ) 、 アミド (- C0NH2) またはエステル (- C00R) の何れであって もよい。
さらに、 本発明の部分ペプチドには、 前記した本発明のタンパク質と同様に、 C末端以外に力ルポキシル基 (またはカルボキシレート) を有しているもの、 N 末端のアミノ酸残基 (例、 メチォニン残基) のァミノ基が保護基で保護されてい るもの、 N端側が生体内で切断され生成したグルタミン残基がピ口グルタミン酸
化したもの、 分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基が適当な保護基で保護されてい るもの、 あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖ペプチドなどの複合べプチドなども 含まれる。
本発明の部分べプチドは抗体作成のための抗原としても用いることができる。 たとえば、 後述する本発明の抗体を調製する目的には、 例えば配列番号: 1で表 されるアミノ酸配列において第 3 2〜9 8番目、 第 2 3 8〜2 9 1番目、 第 3 1 5〜3 2 6番目のアミノ酸配列を有するペプチドなどがあげられる。
本発明のタンパク質または部分ペプチドの塩としては、 生理学的に許容される 酸 (例、 無機酸、 有機酸) や塩基 (例、 アルカリ金属塩) などとの塩が用いられ、 とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。 この様な塩としては、 例え ば、 無機酸 (例えば、 塩酸、 リン酸、 臭化水素酸、 硫酸) との塩、 あるいは有機 酸 (例えば、 酢酸、 ギ酸、 プロピオン酸、 フマル酸、 マレイン酸、 コハク酸、 酒 石酸、 クェン酸、 リンゴ酸、 蓚酸、 安息香酸、 メタンスルホン酸、 ベンゼンスル ホン酸) との塩などが用いられる。
本発明のタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩は、 前述したヒト や温血動物の細胞または組織から公知のタンパク質の精製方法によって製造する こともできるし、 タンパク質をコードする D N Aを含有する形質転換体を培養す ることによつても製造することができる。 また、 後述のペプチド合成法に準じて 製造することもできる。
ヒトゃ哺乳動物の組織または細胞から製造する場合、 ヒトゃ哺乳動物の組織ま たは細胞をホモジナイズした後、 酸などで抽出を行ない、 該抽出液を逆相クロマ トグラフィー、 イオン交換ク口マトグラフィ一などのクロマトグラフィーを組み 合わせることにより精製単離することができる。
本発明のタンパク質もしくは部分ペプチドまたはその塩、 またはそのアミド体 の合成には、 通常市販のタンパク質合成用樹脂を用いることができる。 そのよう な榭脂としては、 例えば、 クロロメチル樹脂、 ヒドロキシメチル樹脂、 ベンズヒ ドリルァミン樹脂、 アミノメチル樹脂、 4一べンジルォキシベンジルアルコール 樹脂、 4一メチルベンズヒドリルアミン榭脂、 P AM樹脂、 4ーヒドロキシメチ ルメチルフエニルァセトアミドメチル樹脂、 ポリアクリルアミド樹脂、 4一
( 2 ' , 4 ' ージメトキシフエ二ル一ヒドロキシメチル) フエノキシ樹脂、 4一 ( 2 ' , 4 ' —ジメトキシフエ二ルー F m o cアミノエチル) フエノキシ樹脂な どを挙げることができる。 このような榭脂を用い、 α—ァミノ基と側鎖官能基を 適当に保護したアミノ酸を、 目的とするタンパク質の配列通りに、 公知の各種縮 合方法に従い、 樹脂上で縮合させる。 反応の最後に樹脂からタンパク質または部 分べプチドを切り出すと同時に各種保護基を除去し、 さらに高希釈溶液中で分子 内ジスルフィド結合形成反応を実施し、 目的のタンパク質もしくは部分ペプチド またはそれらのアミド体を取得する。
上記した保護アミノ酸の縮合に関しては、 タンパク質合成に使用できる各種活 性化試薬を用いることができるが、 特に、 カルポジイミド類がよい。 カルポジィ ミド類としては、 D C C、 N, —ジイソプロピルカルポジイミド、 N—ェチル — N,一 ( 3—ジメチルァミノプロリル) カルポジイミドなどが用いられる。 これ らによる活性化にはラセミ化抑制添加剤 (例えば、 H〇B t, HO O B t ) とと もに保護アミノ酸を直接樹脂に添加するかまたは、 対称酸無水物または HO B t エステルあるいは HO O B tエステルとしてあらかじめ保護アミノ酸の活性化を 行なつた後に樹脂に添加することができる。
保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用いられる溶媒としては、 タンパク質 縮合反応に使用しうることが知られている溶媒から適宜選択されうる。 例えば、 N, N—ジメチルホルムアミド, N, N—ジメチルァセトアミド, N—メチルビ 口リドンなどの酸アミド類、 塩ィ匕メチレン, クロ口ホルムなどのハロゲン化炭化 水素類、 トリフルォロエタノールなどのアルコール類、 ジメチルスルホキシドな どのスルホキシド類、 ピリジン, ジォキサン, テトラヒドロフランなどのェ一テ ル類、 ァセトニトリル, プロピオ二トリルなどの二トリル類、 酢酸メチル, 酢酸 ェチルなどのエステル類あるいはこれらの適宜の混合物などが用いられる。 反応 温度はタンパク質結合形成反応に使用され得ることが知られている範囲から適宜 選択され、 通常約— 2 0 °C〜5 0 °Cの範囲から適宜選択される。 活性化されたァ ミノ酸誘導体は通常 1 . 5〜 4倍過剰で用いられる。 ニンヒドリン反応を用いた テス卜の結果、 縮合が不十分な場合には保護基の脱離を行なうことなく縮合反応 を繰り返すことにより十分な縮合を行なうことができる。 反応を繰り返しても十
分な縮合が得られないときには、 無水酢酸またはァセチルイミダゾ一ルを用いて 未反応アミノ酸をァセチル化することによって、 後の反応に影響を与えないよう にすることができる。
原料のァミノ基の保護基としては、 例えば、 Z、 B o c、 t 一ペンチルォキシ 力ルポニル、 イソポルニルォキシカルポニル、 4ーメトキシベンジルォキシカル ポニル、 C l—Z、 B r— Z、 ァダマンチルォキシカルポニル、 トリフルォロア セチル、 フタロイル、 ホルミル、 2—二トロフエニルスルフエニル、 ジフエニル ホスフイノチオイル、 Fm o cなどが用いられる。
カルボキシル基は、 例えば、 アルキルエステル化 (例えば、 メチル、 ェチル、 プロピル、 ブチル、 tーブチル、 シクロペンチル、 シクロへキシル、 シクロヘプ チル、 シクロォクチル、 2—ァダマンチルなどの直鎖状、 分枝状もしくは環状ァ ルキルエステル化) 、 ァラルキルエステル化 (例えば、 ベンジルエステル、 4 - ニトロべンジルエステル、 4—メトキシベンジルエステル、 4—クロ口べンジル エステル、 ベンズヒドリルエステル化) 、 フエナシルエステル化、 ベンジルォキ シカルボニルヒドラジド化、 t 一ブトキシカルボニルヒドラジド化、 トリチルヒ ドラジド化などによって保護することができる。
セリンの水酸基は、 例えば、 エステル化またはエーテル化によって保護するこ とができる。 このエステル化に適する基としては、 例えば、 ァセチル基などの低 級 (C ^) アルカノィル基、 ベンゾィル基などのァロイル基、 ベンジルォキシカ ルポニル基、 エトキシカルポニル基などの炭酸から誘導される基などが用いられ る。 また、 エーテル化に適する基としては、 例えば、 ベンジル基、 テトラヒドロ ビラ二ル基、 t 一プチル基などである。
チロシンのフエノール性水酸基の保護基としては、 例えば、 B z し C 1 2 - B z 2—二トロベンジル、 B r— Z、 t一ブチルなどが用いられる。
ヒスチジンのイミダゾ一ルの保護基としては、 例えば、 T o s、 4ーメトキシ 一 2, 3 , 6—トリメチルベンゼンスルホニル、 D N P、 ベンジルォキシメチル、 B u m、 B o c、 T r t:、 F m o cなどが用いられる。
原料のカルボキシル基の活性化されたものとしては、 例えば、 対応する酸無水 物、 アジド、 活性エステル 〔アルコール (例えば、 ペンタク口 Dフエノール、 2,
4 , 5—トリクロ口フエノール、 2 , 4—ジニトロフエノール、 シァノメチルァ ルコール、 パラニトロフエノール、 H O N B、 N—ヒドロキシスクシミド、 N— ヒドロキシフタルイミド、 H O B t ) とのエステル〕 などが用いられる。 原料の ァミノ基の活性化されたものとしては、 例えば、 対応するリン酸アミドが用いら れる。
保護基の除去 (脱離) 方法としては、 例えば、 P d—黒あるいは P d—炭素な どの触媒の存在下での水素気流中での接触還元や、 また、 無水フッ化水素、 メタ ンスルホン酸、 トリフルォロメタンスルホン酸、 トリフルォロ酢酸あるいはこれ らの混合液などによる酸処理や、 ジイソプロピルェチルァミン、 トリェチルアミ ン、 ピぺリジン、 ピぺラジンなどによる塩基処理、 また液体アンモニア中ナトリ ゥムによる還元なども用いられる。 上記酸処理による脱離反応は、 一般に約一 2 0 :〜 4 0 °Cの温度で行なわれるが、 酸処理においては、 例えば、 ァニソール、 フエノール、 チオア二ソール、 メタクレゾール、 パラクレゾ一ル、 ジメチルスル フイド、 1, 4一ブタンジチオール、 1 , 2—エタンジチオールなどのようなリ ガンド作動性カチオン捕捉剤の添加が有効である。 また、 ヒスチジンのイミダゾ ール保護基として用いられる 2, 4ージニトロフエニル基はチォフエノール処理 により除去され、 トリブトファンのィンドール保護基として用いられるホルミル 基は上記の 1, 2—エタンジチオール、 1, 4一ブタンジチオールなどの存在下 の酸処理による脱保護以外に、 希水酸化ナトリウム溶液、 希アンモニアなどによ るアルカリ処理によっても除去される。
原料の反応に関与すべきでない官能基の保護ならびに保護基、 およびその保護 基の脱離、 反応に関与する官能基の活性化などは公知の基または公知の手段から 適宜選択しうる。
タンパク質または部分ペプチドのアミド体を得る別の方法としては、 例えば、 まず、 カルポキシ末端アミノ酸のひ—力ルポキシル基をアミド化して保護した後、 アミノ基側にペプチド (タンパク質) 鎖を所望の鎖長まで延ばした後、 該ぺプチ ド鎖の N末端の α—ァミノ基の保護基のみを除いたタンパク質または部分べプチ ドと C末端の力ルポキシル基の保護基のみを除去したタンパク質または部分ぺプ チドとを製造し、 これらのタンパク質またはペプチドを上記したような混合溶媒
中で縮合させる。 縮合反応の詳細については上記と同様である。 縮合により得ら れた保護タンパク質またはべプチドを精製した後、 上記方法によりすべての保護 基を除去し、 所望の粗タンパク質またはペプチドを得ることができる。 この粗夕 ンパク質またはべプチドは既知の各種精製手段を駆使して精製し、 主要画分を凍 結乾燥することで所望のタンパク質またはペプチドのアミド体を得ることができ る。
タンパク質またはペプチドのエステル体を得るには、 例えば、 カルボキシ末端 アミノ酸のひ一力ルポキシル基を所望のアルコ一ル類と縮合しアミノ酸エステル とした後、 タンパク質またはペプチドのアミド体と同様にして、 所望のタンパク 質またはペプチドのエステル体を得ることができる。
本発明の部分ペプチドまたはそれらの塩は、 公知のペプチドの合成法に従って、 あるいは本発明のタンパク質を適当なぺプチダ一ゼで切断することによって製造 することができる。 ペプチドの合成法としては、 例えば、 固相合成法、 液相合成 法のいずれによっても良い。 すなわち、 本発明の部分ペプチドを構成し得る部分 ペプチドもしくはアミノ酸と残余部分とを縮合させ、 生成物が保護基を有する場 合は保護基を脱離することにより目的のペプチドを製造することができる。 公知 の縮合方法や保護基の脱離としては、 例えば、 以下の (a) 〜 (e) に記載された 方法が挙げられる。 '
(a) M. Bodanszkyおよび M. A. Ondet t K ペプチド 'シンセシス (Pept i de Synthes i s) , Intersc i ence Pub l i shers, New York (1966年 j
(b) Schroederおよび Luebke、 ザ ·ペプチド(The Pept ide) , Academic Press, New York (1965年)
(c) 泉屋信夫他、 ペプチド合成の基礎と実験、 丸善 (株) (1975年)
(d) 矢島治明 および榊原俊平、 生化学実験講座 1、 タンパク質の化学 I V、 205、 (1977年)
(e) 矢島治明監修、 続医薬品の開発、 第 14巻、 ペプチド合成、 広川書店
また、 反応後は通常の精製法、 例えば、 溶媒抽出 ·蒸留'カラムクロマトダラ フィ一 '液体クロマトグラフィー ·再結晶などを組み合わせて本発明の部分ぺプ チドを精製単離することができる。 上記方法で得られる部分べプチドが遊離体で
ある場合は、 公知の方法あるいはそれに準じる方法によって適当な塩に変換する ことができるし、 逆に塩で得られた場合は、 公知の方法あるいはそれに準じる方 法によつて遊離体または他の塩に変換することができる。
本発明のタンパク質をコードするポリヌクレオチドとしては、 前述した本発明 のタンパク質をコードする塩基配列を含有するものであればいかなるものであつ てもよい。 好ましくは DNAである。 DNAとしては、 ゲノム DNA、 ゲノム D NAライブラリー、 前記した細胞 ·組織由来の cDNA、 前記した細胞'組織由 来の c DNAライブラリ一、 合成 DNAのいずれでもよい。
ライブラリーに使用するベクターは、 バクテリオファージ、 プラスミド、 コス ミド、 ファージミドなどいずれであってもよい。 また、 前記した細胞,組織より total RN Aまたは mRN A画分を調製したものを用いて直接 Reverse
Transcriptase Polymerase Chain Reaction (以下、 RT- P C R法と略称する) によつて増幅することもできる。
本発明のタンパク質をコードする DNAとしては、 例えば、 (0配列番号: 2で表される塩基配列を含有する DNA、 または配列番号: 2で表される塩基配 列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダィズする塩基配列を有し、 本発 明のタンパク質と実質的に同質の性質を有するタンパク質をコ一ドする DNA、 (ii) 配列番号: 15で表される塩基配列を含有する DNA、 または配列番号: 15で表される塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダィズする 塩基配列を有し、 本発明のタンパク質と実質的に同質の性質を有するタンパク質 をコードする DNAであれば何れのものでもよい。
配列番号: 2または配列番号: 15で表される塩基配列とハイストリンジェン トな条件下でハイブリダィズできる DNAとしては、 例えば、 配列番号: 2また は配列番号: 15で表される塩基配列と約 40%以上、 好ましくは約 50%以上、 好ましくは約 60%以上、 より好ましくは約 80%以上、 特に好ましくは約 9
0%以上、 最も好ましくは約 95%以上の相同性を有する塩基配列を含有する D N Aなどが用いられる。
ハイプリダイゼーシヨンは、 公知の方法あるいはそれに準じる方法、 例えば、 モレキュラー 'クロ一ニング (Molecular Cloning; 2nd (J. Sambrook et al. ,
Col d Spr ing Harbor Lab. Press, 1989) に記載の方法などに従って行なうこと ができる。 また、 市販のライブラリーを使用する場合、 添付の使用説明書に記載 の方法に従って行なうことができる。 より好ましくは、 ハイストリンジェントな 条件に従つて行なうことができる。
ハイストリンジェントな条件とは、 例えば、 ナトリウム濃度が約 1 9〜4 0 m
M、 好ましくは約 1 9〜 2 0 mMで、 温度が約 5 0〜 7 0 °C、 好ましくは約 6 0
〜 6 5 °Cの条件を示す。 特に、 ナトリゥム濃度が約 1 9 mMで温度が約 6 5 の 場合が最も好ましい。
より具体的には、 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列を含有するタンパク質 をコードする D NAとしては、 配列番号: 2で表される塩基配列を含有する D N
A、 配列番号: 1 5で表される塩基配列を含有する D NAなどが用いられる。
本発明の部分ペプチドをコードする D N Aとしては、 前述した本発明の部分べ プチドをコードする塩基配列を含有するものであればいかなるものであってもよ レ^ また、 ゲノム D NA、 ゲノム D NAライブラリー、 前記した細胞 ·組織由来 の c D NA、 前記した細胞 ·組織由来の c D NAライブラリー、 合成. D NAのい ずれでもよい。
本発明の部分ペプチドをコードする D NAとしては、 例えば、 配列番号: 2ま たは配列番号: 1 5で表される塩基配列を有する D NAの一部分を有する D NA, または配列番号: 2または配列番号: 1 5で表される塩基配列とハイストリンジ ェントな条件下でハイブリダィズする塩基配列を含有し、 本発明のタンパク質と 実質的に同質の活性を有するタンパク質をコードする D N Aの一部分を含有する D N Aなどが用いられる。
配列番号: 2または配列番号: 1 5で表される塩基配列とハイブリダィズでき る D NAは、 前記と同意義を示す。
ハイブリダイゼ一ションの方法およびハイストリンジェントな条件は前記と同 様のものが用いられる。
本発明のタンパク質、 部分ペプチド (以下、 これらをコードする D NAのクロ 一二ングおよび発現の説明においては、 これらを単に本発明のタンパク質と略記 する場合がある) を完全にコードする D NAのクローニングの手段としては、 本
発明のタンパク質をコードする塩基配列の一部分を有する合成 DN Aプライマー を用いて PC R法によって増幅するか、 または適当なベクタ一に組み込んだ DN Aを本発明のタンパク質の一部あるいは全領域をコードする DN A断片もしくは 合成 DN Aを用いて標識したものとのハイブリダィゼ一シヨンによって選別する ことができる。 ハイブリダィゼ一シヨンの方法は、 例えば、 Molecular Cloning 2nd (J. Sambrook et al. , Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989) に記載の方 法などに従って行なうことができる。 また、 市販のライブラリーを使用する場合、 添付の使用説明書に記載の方法に従って行なうことができる。
DNAの塩基配列の変換は、 PCRや公知のキット、 例えば、 Mutan™- super Express Km (宝酒造 (株) ) 、 Mutan™- K (宝酒造 (株) ) 等を用いて、 0DA - LA PCR法や Gapped dup 1 ex法や Kunke 1法等の公知の方法あるいはそれらに準じる方法 に従って行なうことができる。
クローン化されたタンパク質をコードする DNAは目的により'そのまま、 また は所望により制限酵素で消化したり、 リンカーを付加したりして使用することが できる。 該 DNAはその 5'末端側に翻訳開始コドンとしての ATGを有し、 また 3,末端側には翻訳終止コドンとしての TAA、 TGAまたは TAGを有していて もよい。 これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは、 適当な合成 DNAァダプ ターを用いて付加することもできる。
本発明のタンパク質の発現べクタ一は、 例えば、 (ィ) 本発明のタンパク質を コードする DNAから目的とする DNA断片を切り出し、 (口) 該 DNA断片を 適当な発現べクタ一中のプロモーターの下流に連結することにより製造すること ができる。
ベクタ一としては、 大腸菌由来のプラスミド (例、 pBR 322, pBR32 5, pUC 12, pUC 13) 、 枯草菌由来のプラスミド (例、 pUB 1 10, pTP 5, pC 194) 、 酵母由来プラスミド (例、 p SH 19, p SH 15) 、 λファージなどのバクテリオファージ、 レトロウイルス, ワクシニアウィルス, バキュロウィルスなどの動物ウィルスなどの他、 pAl— 11、 pXTl、 R c/CMV、 pR c/RS V, p c DNA I ZNe oなどが用いられる。
本発明で用いられるプロモータ一としては、 遺伝子の発現に用いる宿主に対応
して適切なプロモータ一であればいかなるものでもよい。 例えば、 動物細胞を宿 主として用いる場合は、 SRctプロモー夕一、 SV40プロモーター、 LTRプ 口モーター、 CMVプロモ一夕一、 HS V- TKプロモ一夕一などが挙げられる c これらのうち、 CMV (サイトメガロウィルス) プロモーター、 SRQ!プロモ —夕一などを用いるのが好ましい。 宿主がェシエリヒア属菌である場合は、 t r pプロモ一夕一、 l a cプロモ一夕一、 r e cAプロモータ一、 入 PLフロモー 夕一、 l ppプロモ一夕一、 T 7プロモータ一などが、 宿主がバチルス属菌であ る場合は、 SPOlプロモータ一、 SPO 2プロモーター、 p enPプロモー夕 —など、 宿主が酵母である場合は、 PH05プロモータ一、 PGKプロモーター、 GAPプロモーター、 ADHプロモー夕一などが好ましい。 宿主が昆虫細胞であ る場合は、 ポリヘドリンプロモーター、 P 10プロモーターなどが好ましい。
発現ベクターには、 以上の他に、 所望によりェンハンサー、 スプライシングシ ダナル、 ポリ A付加シグナル、 選択マーカー、 SV40複製オリジン (以下、 S V40 o r iと略称する場合がある) などを含有しているものを用いることがで きる。 選択マーカーとしては、 例えば、 ジヒドロ葉酸還元酵素 (以下、 dh f r と略称する場合がある) 遺伝子 〔メソトレキセート (MTX) 耐性〕 、 アンピシ リン耐性遺伝子 (以下、 Amp rと略称する場合がある) 、 ネオマイシン耐性遺 伝子 (以下、 Ne orと略称する場合がある、 G 418耐性) 等が挙げられる。 特に、 dh f r遺伝子欠損チャイニーズハムスタ一細胞を用いて d h f r遺伝子 を選択マ一力一として使用する場合、 目的遺伝子をチミジンを含まない培地によ つても選択できる。
また、 必要に応じて、 宿主に合ったシグナル配列を、 本発明のタンパク質の N 端末側に付加する。 宿主がェシェリヒア属菌である場合は、 P h 0 A ·シグナル 配列、 OmpA ·シグナル配列などが、 宿主がバチルス属菌である場合は、 a— アミラ一ゼ ·シグナル配列、 サブチリシン ·シグナル配列などが、 宿主が酵母で ある場合は、 MFo! ·シグナル配列、 SUC2 ·シグナル配列など、 宿主が動物 細胞である場合には、 インシュリン .シグナル配列、 —インターフェロン 'シ グナル配列、 抗体分子 ·シグナル配列などがそれぞれ利用できる。
このようにして構築された本発明のタンパク質をコードする DN Aを含有する
ベクタ一を用いて、 形質転換体を製造することができる。
宿主としては、 例えば、 ェシエリヒア属菌、 バチルス属菌、 酵母、 昆虫細胞、 昆虫、 動物細胞などが用いられる。
ェシエリヒア属菌の具体例としては、 例えば、 ェシエリヒア 'コリ
(Escherichia coli) K 12 - DH 1 CProc. Natl. Acad. Sci. USA, 60 巻, 160(1968)〕 , JM103 [Nucleic Acids Research, 9卷, 309 (1981)〕 , J A 221 (Journal of Molecular Biology, 120巻, 517(1978)〕 , HB 101 (Journal of Molecular Biology, 41巻, 459 (1969)〕 , C 600 [Genetics, 39 巻, 440(1954)〕 などが用いられる。
バチルス属菌としては、 例えば、 バチルス ·サブチルス (Bacillus
subtil is) MI 1 14 〔Gene, 24巻, 255 (1983)〕 , 207 - 21 [Journal of Biochemis t ry, 95巻, 87 (1984)〕 などが用いられる。
酵母としては、 例えば、 サッカロマイセス セレビシェ (Saccharomyces cerevisiae) AH 22, AH22R -, NA87- 11 A, DKD一 5D, 20 B— 12、 シゾサッカロマイセス ボンべ (Schizosaccharomyces pombe) NC YC 1913, NCYC 2036、 ピキア パストリス (Pichia pastoris) K Μ71などが用いられる。
昆虫細胞としては、 例えば、 ウィルスが Ac NPVの場合は、 夜盗蛾の幼虫由 来株化細胞 (Spodoptera frugiperda cell; S f細胞) 、 Trichoplusia niの中 腸由来の MG1細胞、 Trichoplusia niの卵由来の High FiveTM細胞、 Mamestra brassicae由来の細胞または Estigmena acrea由来の細胞などが用いられる。 ウイ ルスが BmNP Vの場合は、 蚕由来株化細胞 (Bombyx mori 細胞; BmN細 胞) などが用いられる。 該 S f細胞としては、 例えば、 S f 9細胞 (ATCC CRL1711) 、 S f 21細胞 (以上、 Vaughn, J.L.ら、 In Vivo, 13, 213- 217, (1977)) などが用いられる。
昆虫としては、 例えば、 カイコの幼虫などが用いられる 〔前田ら、 Nature, 315 巻, 592 (1985)〕 。
動物細胞としては、 例えば、 サル細胞 COS— 7, Ve r o, チャイニーズハ ムスター細胞 CHO (以下、 CHO細胞と略記) , dh f r遺伝子欠損チヤィニ
—ズハムスター細胞 CH〇 (以下、 CHO (dh f r") 細胞と略記) , マウス L 細胞, マウス A t T— 20, マウスミエローマ細胞, ラット GH3, ヒト FL細 胞などが用いられる。
ェシエリヒア属菌を形質転換するには、 例えば、 Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 69卷, 2110 (1972)や Gene, 17巻, 107 (1982)などに記載の方法に従って行なうことが できる。
バチルス属菌を形質転換するには、 例えば Molecular & General Genetics, 168 巻, 111 (1979)などに記載の方法に従って行なうことができる。
酵母を形質転換するには、 例えば、 Methods in Enzymology, 194巻, 182- 187(1991)、 Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 75巻, 1929 (1978)などに記載の方法に 従って行なうことができる。
昆虫細胞または昆虫を形質転換するには、 例えば、 Bio/Technology, 6, 47- 55 (1988) などに記載の方法に従って行なうことができる。
動物細胞を形質転換するには、 例えば、 細胞工学別冊 8 新細胞工学実験プロ トコール. 263-267 (1995) (秀潤社発行) 、 Virology, 52巻, 456 (1973)に記載の方 法に従つて行なうことができる。
このようにして、 タンパク質をコードする DNAを含有する発現ベクターで形 質転換された形質転換体を得ることができる。
宿主がェシエリヒア属菌、 バチルス属菌である形質転換体を培養する際、 培養 に使用される培地としては液体培地が適当であり、 その中には該形質転換体の生 育に必要な炭素源、 窒素源、 無機物その他が含有せしめられる。 炭素源としては、 例えば、 グルコース、 デキストリン、 可溶性澱粉、 ショ糖など、 窒素源としては、 例えば、 アンモニゥム塩類、 硝酸塩類、 コーンスチープ' リカー、 ペプトン、 力 ゼイン、 肉エキス、 大豆粕、 バレイショ抽出液などの無機または有機物質、 無機 物としては、 例えば、 塩化カルシウム、 リン酸二水素ナトリウム、 塩化マグネシ ゥムなどが挙げられる。 また、 酵母エキス、 ビタミン類、 生長促進因子などを添 加してもよい。 培地の pHは約 5〜8が望ましい。
ェシエリヒア属菌を培養する際の培地としては、 例えば、 グルコース、 カザミ ノ酸を含む M9培地 [Miller, Journal of Experiments in Molecular
Genetics, 431-433, Cold Spring Harbor Laboratory, New York 1972] が好まし レ^ ここに必要によりプロモーターを効率よく働かせるために、 例えば、 3 β— インドリルアクリル酸のような薬剤を加えることができる。
宿主がェシエリヒア属菌の場合、 培養は通常約 1 5〜43°Cで約 3〜24時間' 行ない、 必要により、 通気や撹拌を加えることもできる。
宿主がバチルス属菌の場合、 培養は通常約 30〜40 で約6〜24時間行な い、 必要により通気や撹拌を加えることもできる。
宿主が酵母である形質転換体を培養する際、 培地としては、 例えば、 バークホ —ルダ一 (Burkholder) 最小培地 [Bostian, K. L. ら、 Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 77巻, 4505 (1980)〕 や 0. 5 %カザミノ酸を含有する S D培地 〔Bitter, G. A. ら、 Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 81卷, 5330 (1984)〕 が挙げられる。 培地の pH は約 5〜 8に調整するのが好ましい。 培養は通常約 20〜 35 °Cで約 24〜 72 時間行ない、 必要に応じて通気や撹拌を加える。
宿主が昆虫細胞または昆虫である形質転換体を培養する際、 培地としては、 Grace's Insect Medium (Grace, T. C. C. , Nature, 195,788(1962)) に非動化した 1 0 %ゥシ血清等の添加物を適宜加えたものなどが用いられる。 培地の p Hは約 6. 2〜6. 4に調整するのが好ましい。 培養は通常約 27°Cで約 3〜 5日間行ない、 必要に応じて通気や撹拌を加える。
宿主が動物細胞である形質転換体を培養する際、 培地としては、 例えば、 約 5 〜20 %の胎児牛血清を含む MEM培地 [Science, 122巻, 501 (1952)〕 , DME M培地 [Virology, 8卷, 3960959)〕 , RPM I 1640培地 [The Journal of the American Medical Association 199巻, 519 (1967)〕 , 199培地
[Proceeding of the Society for the Biological Medicine, 73卷, 1 (1950)〕 な どが用いられる。 pHは約 6〜8であるのが好ましい。 培養は通常約 30〜4
0°Cで約 1 5〜60時間行ない、 必要に応じて通気や撹拌を加える。
以上のようにして、 形質転換体の細胞内、 細胞膜または細胞外に本発明のタン パク質を生成せしめることができる。
上記培養物から本発明のタンパク質を分離精製するには、 例えば、 下記の方法 により行なうことができる。
本発明のタンパク質を培養菌体あるいは細胞から抽出するに際しては、 培養後、 公知の方法で菌体あるいは細胞を集め、 これを適当な緩衝液に懸濁し、 超音波、 リゾチームおよび または凍結融解などによって菌体あるいは細胞を破壊したの ち、 遠心分離やろ過によりタンパク質の粗抽出液を得る方法などが適宜用いられ る。 緩衝液の中に尿素や塩酸グァニジンなどのタンパク質変性剤や、 トリトン X 一 1 0 0 TMなどの界面活性剤が含まれていてもよい。 培養液中にタンパク質が分 泌される場合には、 培養終了後、 公知の方法で菌体あるいは細胞と上清とを分離 し、 上清を集める。
このようにして得られた培養上清、 あるいは抽出液中に含まれるタンパク質の 精製は、 公知の分離 ·精製法を適切に組み合わせて行なうことができる。 これら の公知の分離、 精製法としては、 堪析ゃ溶媒沈澱法などの溶解度を利用する方法、 透析法、 限外ろ過法、 ゲルろ過法、 および S D S—ポリアクリルアミドゲル電気 泳動法などの主として分子量の差を利用する方法、 イオン交換クロマトグラフィ 一などの荷電の差を利用する方法、 ァフィ二ティ一クロマトグラフィーなどの特 異的親和性を利用する方法、 逆相高速液体クロマトグラフィーなどの疎水性の差 を利用する方法、 等電点電気泳動法などの等電点の差を利用する方法などが用い られる。
かくして得られるタンパク質が遊離体で得られた場合には、 公知の方法あるい はそれに準じる方法によって塩に変換することができ、 逆に塩で得られた場合に は公知の方法あるいはそれに準じる方法により、 遊離体または他の塩に変換する ことができる。
なお、 組換え体が産生するタンパク質を、 精製前または精製後に適当なタンパ ク修飾酵素を作用させることにより、 任意に修飾を加えたり、 ポリペプチドを部 分的に除去することもできる。 タンパク修飾酵素としては、 例えば、 トリプシン、 キモトリブシン、 アルギニルエンドべプチダ一ゼ、 プロテインキナーゼ、 グリコ シダ一ゼなどが用いられる。
かくして生成する本発明のタンパク質の存在は、 特異抗体を用いたェンザィム ィムノアッセィやウェスタンプロッティングなどにより測定することができる。 本発明のタンパク質もしくは部分ペプチドまたはその塩に対する抗体は、 本発
明のタンパク質もしくは部分ペプチドまたはその塩を認識し得る抗体であれば、 ポリク口一ナル抗体、 モノクローナル抗体の何れであってもよい。
本発明のタンパク質もしくは部分ペプチドまたはその塩 (以下、 抗体の説明に おいては、 これらを単に本発明のタンパク質と略記する場合がある) に対する抗 体は、 本発明のタンパク質を抗原として用い、 公知の抗体または抗血清の製造法 に従って製造することができる。
〔モノクローナル抗体の作製〕
(a) モノクローナル抗体産生細胞の作製
本発明のタンパク質は、 温血動物に対して投与により抗体産生が可能な部位に それ自体あるいは担体、 希釈剤とともに投与される。 投与に際して抗体産生能を 高めるため、 完全フロイントアジュバントゃ不完全フロイントアジュバントを投 与してもよい。 投与は通常 2〜 6週毎に 1回ずつ、 計 2〜10回程度行われる。 用いられる温血動物としては、 例えば、 サル、 ゥサギ、 ィヌ、 モルモット、 マウ' ス、 ラット、 ヒッジ、 ャギ、 ニヮトリが挙げられるが、 マウスおよびラットが好 ましく用いられる。
モノクローナル抗体産生細胞の作製に際しては、 抗原で免疫された温血動物、 例えばマウスから抗体価の認められた個体を選択し最終免疫の 2〜 5日後に脾臓 またはリンパ節を採取し、 それらに含まれる抗体産生細胞を同種または異種動物 の骨髄腫細胞と融合させることにより、 モノクローナル抗体産生ハイプリドーマ を調製することができる。 抗血清中の抗体価の測定は、 例えば、 後記の標識化夕 ンパク質と抗血清とを反応させたのち、 抗体に結合した標識剤の活性を測定する ことにより行なうことができる。 融合操作は既知の方法、 例えば、 ケーラーとミ ルスタインの方法 〔ネィチヤ一 (Nature) 、 256、 495 (1975) 〕 に従い実施する ことができる。 融合促進剤としては、 例えば、 ポリエチレングリコール (PE G) やセンダイウィルスなどが挙げられるが、 好ましくは PEGが用いられる。 骨髄腫細胞としては、 例えば、 NS— 1、 P 3U1、 SP 2/0、 AP— 1な どの温血動物の骨髄腫細胞が挙げられるが、 P 3U1が好ましく用いられる。 用 いられる抗体産生細胞 (脾臓細胞) 数と骨髄腫細胞数との好ましい比率は 1 : 1 〜20 : 1程度であり、 PEG (好ましくは PEG 1000〜PEG6000)
が 1 0〜 8 0 %程度の濃度で添加され、 2 0〜 4 0 、 好ましくは 3 0〜 3 7 °C で 1〜 1 0分間ィンキュペートすることにより効率よく細胞融合を実施できる。 モノクロ一ナル抗体産生ハイプリドーマのスクリーニングには種々の方法が使 用できるが、 例えば、 タンパク質抗原を直接あるいは担体とともに吸着させた固 相 (例、 マイクロプレート) にハイプリドーマ培養上清を添加し、 次に放射性物 質や酵素などで標識した抗免疫グロプリン抗体 (細胞融合に用いられる細胞がマ ウスの場合、 抗マウス免疫グロブリン抗体が用いられる) またはプロテイン Aを 加え、 固相に結合したモノクローナル抗体を検出する方法、 抗免疫グロブリン抗 体またはプロテイン Aを吸着させた固相にハイプリド一マ培養上清を添加し、 放 射性物質や酵素などで標識したタンパク質を加え、 固相に結合したモノクローナ ル抗体を検出する方法などが挙げられる。
モノクローナル抗体の選別は、 公知あるいはそれに準じる方法に従って行なう ことができる。 通常 HAT (ヒポキサンチン、 アミノプテリン、 チミジン) を添 加した動物細胞用培地で行なうことができる。 選別および育種用培地としては、 ハイブリド一マが生育できるものならばどのような培地を用いても良い。 例えば、 1〜2 0 %、 好ましくは 1 0〜2 0 %の牛胎児血清を含む R P M I 1 6 4 0培 地、 1〜1 0 %の牛胎児血清を含む G I T培地 (和光純薬工業 (株) ) あるいは 'ハイプリドーマ培養用無血清培地 (S F M— 1 0 1、 日水製薬 (株) ) などを用 いることができる。 培養温度は、 通常2 0〜4 0 °〇、 好ましくは約 3 7 °Cである。 培養時間は、 通常 5日〜 3週間、 好ましくは 1週間〜 2週間である。 培養は、 通 常 5 %炭酸ガス下で行なうことができる。 ハイプリドーマ培養上清の抗体価は、 上記の抗血清中の抗体価の測定と同様にして測定できる。
( b ) モノクローナル抗体の精製
モノクローナル抗体の分離精製は、 公知の方法、 例えば、 免疫グロブリンの分 離精製法 〔例、 塩析法、 アルコール沈殿法、 等電点沈殿法、 電気泳動法、 イオン 交換体 (例、 D E A E) による吸脱着法、 超遠心法、 ゲルろ過法、 抗原結合固相 あるいはプロティン Aあるいはプロティン Gなどの活性吸着剤により抗体のみを 採取し、 結合を解離させて抗体を得る特異的精製法〕 に従って行なうことができ る。
〔ポリクローナル抗体の作製〕
本発明のポリクロ一ナル抗体は、 公知あるいはそれに準じる方法に従って製造 することができる。 例えば、 免疫抗原 (タンパク質抗原) 自体、 あるいはそれと キャリアー蛋白質との複合体をつくり、 上記のモノクローナル抗体の製造法と同 様に温血動物に免疫を行ない、 該免疫動物から本発明のタンパク質に対する抗体 含有物を採取して、 抗体の分離精製を行なうことにより製造することができる。 温血動物を免疫するために用いられる免疫抗原とキャリア一蛋白質との複合体 に関し、 キャリアー蛋白質の種類およびキャリア一とハプテンとの混合比は、 キ ャリァ一に架橋させて免疫したハプテンに対して抗体が効率良くできれば、 どの 様なものをどの様な比率で架橋させてもよいが、 例えば、 ゥシ血清アルブミンや ゥシサイログロブリン、 へモシァニン等を重量比でハプテン 1に対し、 約 0 . 1 〜2 0、 好ましくは約 1〜5の割合でカプルさせる方法が用いられる。
また、 ハプテンとキャリア一の力プリングには、 種々の縮合剤を用いることが できるが、 ダルタルアルデヒドやカルポジイミド、 マレイミド活性エステル、 チ オール基、 ジチオビリジル基を含有する活性エステル試薬等が用いられる。 縮合生成物は、 温血動物に対して、 抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは 担体、 希釈剤とともに投与される。 投与に際して抗体産生能を高めるため、 完全 フロイントアジュバントや不完全フロイン卜アジュバントを投与してもよい。 投 与は、 通常約 2〜 6週毎に 1回ずつ、 計約 3〜1 0回程度行なわれる。
ポリクローナル抗体は、 上記の方法で免疫された温血動物の血液、 腹水など、 好ましくは血液から採取することができる。
抗血清中のポリクローナル抗体価の測定は、 上記の抗血清中の抗体価の測定と 同様にして測定できる。 ポリクローナル抗体の分離精製は、 上記のモノクロ一ナ ル抗体の分離精製と同様の免疫グロプリンの分離精製法に従って行なうことがで さる。
本発明のタンパク質または部分ペプチドをコードする D N A (以下、 アンチセ ンスポリヌクレオチドの説明においては、 これらの D N Aを本発明の D N Aと略 記する場合がある) の塩基配列に相補的な、 または実質的に相補的な塩基配列ま たはその一部を有するアンチセンスポリヌクレオチドとしては、 本発明の D NA
の塩基配列に相補的な、 または実質的に相補的な塩基配列またはその一部を有し、 該 DN Aの発現を抑制し得る作用を有するものであれば、 いずれのアンチセンス ポリヌクレオチドであってもよいが、 アンチセンス DNAが好ましい。
本発明の DNAに実質的に相補的な塩基配列とは、 例えば、 本発明の DNAに 相補的な塩基配列 (すなわち、 本発明の DNAの相補鎖) の全塩基配列ある'いは 部分塩基配列と約 70%以上、 好ましくは約 80%以上、 より好ましくは約 9 0 %以上、 最も好ましくは約 95 %以上の相同性を有する塩基配列などが挙げら れる。 特に、 本発明の DN Aの相補鎖の全塩基配列うち、 本発明のタンパク質の 末端部位をコードする部分の塩基配列 (例えば、 開始コドン付近の塩基配列な ど) の相補鎖と約 70%以上、 好ましくは約 80%以上、 より好ましくは約 9 0%以上、 最も好ましくは約 95%以上の相同性を有するアンチセンスポリヌク レオチドが好適である。
具体的には、 配列番号: 2または配列番号: 15で表される塩基配列を有する DNAの塩基配列に相補的な、 もしくは実質的に相補的な塩基配列、 またはその 一部分を有するアンチセンスポリヌクレオチド、 好ましくは例えば、 配列番^ · : 2または配列番号: 15で表される塩基配列を有する DN Aの塩基配列に相補な 塩基配列、 またはその一部分を有するアンチセンスポリヌクレオチドなどが挙げ られる。
アンチセンスポリヌクレオチドは通常、 10〜40個程度、 好ましくは 15〜 30個程度の塩基から構成される。
ヌクレアーゼなどの加水分解酵素による分解を防ぐために、 アンチセンス DN Aを構成する各ヌクレオチドのりん酸残基 (ホスフェート) は、 例えば、 ホスホ ロチォエート、 メチルホスホネート、 ホスホロジチォネ一トなどの化学修飾りん 酸残基に置換されていてもよい。 これらのアンチセンスポリヌクレオチドは、 公 知の DN A合成装置などを用いて製造することができる。
本発明に従えば、 本発明のタンパク質遺伝子の複製または発現を阻害すること のできるアンチセンスポリヌクレオチド (核酸) を、 クローン化した、 あるいは 決定されたタンパク質をコードする DNAの塩基配列情報に基づき設計し、 合成 しうる。 かかるポリヌクレオチド (核酸) は、 本発明のタンパク質遺伝子の RN
Aとハイプリダイズすることができ、 該 R N Aの合成または機能を阻害すること ができるか、 あるいは本発明のタンパク質関連 R N Aとの相互作用を介して本発 明のタンパク質遺伝子の発現を調節 ·制御することができる。 本発明のタンパク 質関連 R N Aの選択された配列に相補的なポリヌクレオチド、 および本発明の夕 ンパク質関連 R N Aと特異的にハイブリダィズすることができるポリヌクレオチ ドは、 生体内および生体外で本発明のタンパク質遺伝子の発現を調節 ·制御する のに有用であり、 また病気などの治療または診断に有用である。 用語 「対応す る」 とは、 遺伝子を^"めたヌクレオチド、 塩基配列または核酸の特定の配列に相 同性を有するあるいは相補的であることを意味する。 ヌクレオチド、 塩基配列ま たは核酸とペプチド (タンパク質) との間で 「対応する」 とは、 ヌクレオチド (核酸) の配列またはその相補体から誘導される指令にあるペプチド (タンパク 質) のアミノ酸を通常指している。 タンパク質遺伝子の 5,端ヘアピンループ、 5 ' 端 6—べ一スペア 'リピート、 5 ' 端非翻訳領域、 ポリペプチド翻訳開始コ ドン、 タンパク質コード領域、 O R F翻訳終止コドン、 3 ' 端非翻訳領域、 3 ' 端パリンドローム領域、 および 3 ' 端ヘアピンループは好ましい対象領域として 選択しうるが、 夕ンパク質遺伝子内の如何なる領域も対象として選択しうる。
目的核酸と、 対象領域の少なくとも一部に相補的なポリヌクレオチドとの関係 は、 対象物とハイプリダイズすることができるポリヌクレオチドとの関係は、 「アンチセンス」 であるということができる。 アンチセンスポリヌクレオチドは、 2—デォキシ一 D—リボースを含有しているポリヌクレオチド、 D—リポースを 含有しているポリヌクレオチド、 プリンまたはピリミジン塩基の N—グリコシド であるその他のタイプのポリヌクレオチド、 あるいは非ヌクレオチド骨格を有す るその他のポリマー (例えば、 市販のタンパク質核酸および合成配列特異的な核 酸ポリマー) または特殊な結合を含有するその他のポリマー (伹し、 該ポリマ一 は D N Aや R N A中に見出されるような塩基のペアリングゃ塩基の付着を許容す る配置をもつヌクレオチドを含有する) などが挙げられる。 それらは、 二本鎖 D NA、 一本鎖 D N A、 二本鎖 R NA、 一本鎖 R NA、 さらに D NA : R NAハイ ブリッドであることができ、 さらに非修飾ポリヌクレオチド (または非修飾ォリ ゴヌクレオチド) 、 さらには公知の修飾の付加されたもの、 例えば当該分野で知
られた標識のあるもの、 キャップの付いたもの、 メチル化されたもの、 1個以上 の天然のヌクレオチドを類縁物で置換したもの、 分子内ヌクレオチド修飾のされ たもの、 例えば非荷電結合 (例えば、 メチルホスホネート、 ホスホトリエステル、 ホスホルアミデート、 力ルバメ一トなど) を持つもの、 電荷を有する結合または 硫黄含有結合 (例えば、 ホスホロチォエート、 ホスホロジチォエートなど) を持 つもの、 例えばタンパク質 (ヌクレア一ゼ、 ヌクレア一ゼ'インヒビター、 トキ シン、 抗体、 シグナルペプチド、 ポリ— L—リジンなど) や糖 (例えば、 モノサ ッカライドなど) などの側鎖基を有しているもの、 インタ一力レート化合物 (例 えば、 ァクリジン、 ゾラレンなど) を持つもの、 キレート化合物 (例えば、 金属、 放射活性をもつ金属、 ホウ素、 酸化性の金属など) を含有するもの、 アルキル化 剤を含有するもの、 修飾された結合を持つもの (例えば、 0!ァノマ一型の核酸な ど) であってもよい。 ここで 「ヌクレオシド」 、 「ヌクレオチド」 および 「核 酸」 とは、 プリンおよびピリミジン塩基を含有するのみでなく、 修飾されたその 他の複素環型塩基をもつようなものを含んでいて良い。 こうした修飾物は、 メチ ル化されたプリンおよびピリミジン、 ァシル化されたプリンおよびピリミジン、 あるいはその他の複素環を含むものであってよい。 修飾されたヌクレオチドおよ び修飾されたヌクレオチドはまた糖部分が修飾されていてよく、 例えば、 1個以 上の水酸基がハロゲンとか、 脂肪族基などで置換されていたり、 あるいはエーテ ル、 ァミンなどの官能基に変換されていてよい。
本発明のアンチセンスポリヌクレオチド (核酸) は、 R NA、 D NA、 あるい は修飾された核酸 (R NA、 D NA) である。 修飾された核酸の具体例としては 核酸の硫黄誘導体ゃチォホスフェート誘導体、 そしてポリヌクレオシドアミドゃ オリゴヌクレオシドアミドの分解に抵抗性のものが挙げられるが、 それに限定さ れるものではない。 本発明のアンチセンス核酸は次のような方針で好ましく設計 されうる。 すなわち、 細胞内でのアンチセンス核酸をより安定なものにする、 ァ ンチセンス核酸の細胞透過性をより高める、 目標とするセンス鎖に対する親和性 をより大きなものにする、 そしてもし毒性があるならアンチセンス核酸の毒性を より小さなものにする。
こうした修飾は当該分野で数多く知られており、 例えば J. Kafakami et al . ,
Pharm Tech Japan, Vol . 8, pp. 247, 1992 ; Vo l . 8, pp. 39.5, 1992 ; S. T. Crooke et al . ed. , Ant i sense Research and App l i cat i ons, CRC Press, 1993 などに開示がある。
本発明のアンチセンス核酸は、 変化せしめられたり、 修飾された糖、 塩基、 結 合を含有していて良く、 リボゾーム、 ミクロスフエアのような特殊な形態で供与 されたり、 遺伝子治療により適用されたり、 付加された形態で与えられることが できうる。 こうして付加形態で用いられるものとしては、 リン酸基骨格の電荷を 中和するように働くポリリジンのようなポリカチオン体、 細胞膜との相互作用を 高めたり、 核酸の取込みを増大せしめるような脂質 (例えば、 ホスホリピド、 コ レステロールなど) といった疎水性のものが挙げられる。 付加するに好ましい脂 質としては、 コレステロールやその誘導体 (例えば、 コレステリルクロ口ホルメ ート、 コール酸など) が挙げられる。 こうしたものは、 核酸の 3 '端あるいは 5 '端 に付着させることができ、 塩基、 糖、 分子内ヌクレオシド結合を介して付着させ ることができうる。 その他の基としては、 核酸の 3 '端あるいは 5 '端に特異的に配 置されたキャップ用の基で、 ェキソヌクレアーゼ、 R N a s eなどのヌクレア一 ゼによる分解を阻止するためのものが挙げられる。 こうしたキャップ用の基とし ては、 ポリエチレングリコ一ル、 テトラエチレングリコールなどのグリコールを はじめとした当該分野で知られた水酸基の保護基が挙げられるが、 それに限定さ れるものではない。
アンチセンス核酸の阻害活性は、 本発明の形質転換体、 本発明の生体内や生体 外の遺伝子発現系、 あるいは本発明のタンパク質の生体内や生体外の翻訳系を用 いて調べることができる。 該核酸は公知の各種の方法で細胞に適用できる。 以下に、 本発明のタンパク質もしくは部分ペプチドまたはその塩 (以下、 本発 明のタンパク質と略記する場合がある) 、 本発明のタンパク質または部分べプチ ドをコ一ドする D NA (以下、 本発明の D NAと略記する場合がある) 、 本発明 のタンパク質もしくは部分ペプチドまたはその塩に対する抗体 (以下、 本発明の 抗体と略記する場合がある) 、 および本発明の D NAのアンチセンスポリヌクレ ォチド (以下、 本発明のアンチセンスポリヌクレオチドと略記する場合がある)
の用途を説明する。
本発明のタンパク質の活性を阻害する化合物もしくはその塩を含有する医薬は、 例えば、 有機イオン輸送活性を抑制することで、 例えば、 呼吸器系疾患 (例、 慢 性閉塞性肺疾患 (C0PD) 、 気管支喘息など) 、 腎臓疾患 (例、 腎炎、 腎不全、 糸 球体腎炎、 糖尿病性腎症、 巣状糸球体硬化症、 ネフローゼ症候群、 腎性浮腫な ど) 、 循環器疾患 (例、 心不全、 不整脈など) 、 滕臓疾患 (例、 塍炎、 塍嚢胞性 線維症などの勝機能不全など) 、 肝臓疾患 (例、 肝硬変、 肝炎、 アルコール性肝 臓疾患など) 、 自己免疫疾患 (例、 重症筋無力症、 多発性硬化症、 シエーダレン 症候群、 全身性エリテマトーデスなど) 、 アレルギー性疾患 (例、 花粉症、 ァレ ルギー性鼻炎、 アナフィラキシーショック、 アトピー性皮膚炎など) 、 リウマチ 性疾患 (例、 慢性関節リウマチ、 変形関節症、 痛風など) 、 胸腺疾患、 免疫不全 (例、 白血球異常、 脾機能不全または胸腺異常にともなう免疫不全など) 、 筋肉 疾患 (例、 筋萎縮症など) または癌 (例、 精巣腫瘍、 卵巣癌、 乳癌、 食道癌、 肺 癌、 腎臓癌、 肝臓癌、 非小細胞肺癌、 前立腺癌、 胃癌、 膀胱癌、 子宮頸部癌、 結 腸癌、 直腸癌、 塍臓癌、 胸腺腫など) などの予防 ·治療剤として使用することが できる。
一方、 本発明のタンパク質の活性を促進する化合物もしくはその塩を含有する 医薬は、 例えば、 有機イオン輸送を促進することで、 例えば、 呼吸器系疾患 (例、 慢性閉塞性肺疾患 (C0PD) 、 気管支喘息など) 、 腎臓疾患 (例、 腎炎、 腎不全、 糸球体腎炎、 糖尿病性腎症、 巣状糸球体硬化症、 ネフローゼ症候群、 腎性浮腫な ど) 、 循環器疾患 (例、 心不全、 不整脈など) 、 滕臓疾患 (例、 塍炎、 塍嚢胞性 線維症などの滕機能不全など) 、 肝臓疾患 (例、 肝硬変、 肝炎、 アルコール性肝 臓疾患など) 、 自己免疫疾患 (例、 重症筋無力症、 多発性硬化症、 シエーダレン 症候群、 全身性エリテマト一デスなど) 、 アレルギー性疾患 (例、 花粉症、 ァレ ルギー性鼻炎、 アナフィラキシーショック、 アトピー性皮膚炎など) 、 リウマチ 性疾患 (例、 慢性関節リウマチ、 変形関節症、 痛風など) 、 胸腺疾患、 免疫不全 (例、 白血球異常、 脾機能不全または胸腺異常にともなう免疫不全など) 、 筋肉 疾患 (例、 筋萎縮症など) または癌 (例、 精巣腫瘍、 卵巣癌、 乳癌、 食道癌、 肺 癌、 腎臓癌、 肝臓癌、 非小細胞肺癌、 前立腺癌、 胃癌、 膀胱癌、 子宮頸部癌、 結
腸癌、 直腸癌、 塍臓癌、 胸腺腫など) などの予防 ·治療剤として使用することが できる。
〔1〕 本発明のタンパク質が関与する各種疾病の予防 ·治療剤
本発明のタンパク質は、 有機イオン輸送活性を有し、 その輸送に寄与すること で、 生体にとって害となる多くの種類の内因性物質および外因性物質の排出や、 細胞の代謝反応に重要な役割を果たしている。
したがって、 本発明のタンパク質をコードする D NAに異常があったり、 欠損 している場合あるいは本発明のタンパク質の発現量が減少している場合には、 例 えば、 呼吸器系疾患 (例、 慢性閉塞性肺疾患 (C0PD) 、 気管支喘息など) 、 腎臓 疾患 (例、 腎炎、 腎不全、 糸球体腎炎、 糖尿病性腎症、 巣状糸球体硬化症、 ネフ ローゼ症候群、 腎性浮腫など) 、 循環器疾患 (例、 心不全、 不整脈など) 、 塍臓 疾患 (例、 塍炎、 塍嚢胞性線維症などの塍機能不全など) 、 肝臓疾患 (例、 肝硬 変、 肝炎、 アルコール性肝臓疾患など) 、 自己免疫疾患 (例、 重症筋無力症、 多 発性硬化症、 シエーダレン症候群、 全身性エリテマトーデスなど) 、 アレルギー 性疾患 (例、 花粉症、 アレルギー性鼻炎、 アナフィラキシーショック、 アトピー 性皮膚炎など) 、 リウマチ性疾患 (例、 慢性関節リウマチ、 変形関節症、 痛風な ど) 、 胸腺疾患、 免疫不全 (例、 白血球異常、 脾機能不全または胸腺異常にとも なう免疫不全など) 、 筋肉疾患 (例、 筋萎縮症など) または癌 (例、 精巣腫瘍、 卵巣癌、 乳癌、 食道癌、 肺癌、 腎臓癌、 肝臓癌、 非小細胞肺癌、 前立腺癌、 胃癌、 膀胱癌、 子宮頸部癌、 結腸癌、 直腸癌、 膝臓癌、 胸腺腫など) などの種々の疾患 が発症する。
したがって、 本発明のタンパク質および本発明の D N Aは、 例えば、 呼吸器系 疾患 (例、 慢性閉塞性肺疾患 (C0PD) 、 気管支喘息など) 、 腎臓疾患 (例、 腎炎、 腎不全、 糸球体腎炎、 糖尿病性腎症、 巣状糸球体硬化症、 ネフローゼ症候群、 腎 性浮腫など) 、 循環器疾患 (例、 心不全、 不整脈など) 、 膝臓疾患 (例、 塍炎、 滕嚢胞性線維症などの滕機能不全など) 、 肝臓疾患 (例、 肝硬変、 肝炎、 アルコ ール性肝臓疾患など) 、 自己免疫疾患 (例、 重症筋無力症、 多発性硬化症、 シェ —グレン症候群、 全身性エリテマトーデスなど) 、 アレルギー性疾患 (例、 花粉
症、 アレルギー性鼻炎、 アナフィラキシーショック、 アトピー性皮膚炎など) 、 リウマチ性疾患 (例、 慢性関節リウマチ、 変形関節症、 痛風など) 、 胸腺疾患、 免疫不全 (例、 白血球異常、 脾機能不全または胸腺異常にともなう免疫不全な ど) 、 筋肉疾患 (例、 筋萎縮症など) または癌 (例、 精巣腫瘍、 卵巣癌、 乳癌、 食道癌、 肺癌、 腎臓癌、 肝臓癌、 非小細胞肺癌、 前立腺癌、 胃癌、 膀胱癌、 子宮 頸部癌、 結腸癌、 直腸癌、 滕臓癌、 胸腺腫など) などの予防 ·治療剤などの医薬 として使用することができる。 好ましくは呼吸器系疾患、 腎臓疾患などの予防 · 治療剤である。
例えば、 生体内にぉ ^て本発明のタンパク質が減少あるいは欠損しているため に、 有機イオンの輸送活性が十分に、 あるいは正常に発揮されない患者がいる場 合に、 (ィ) 本発明の D NAを該患者に投与し、 生体内で本発明のタンパク質を 発現させることによって、 (口) 細胞に本発明の D NAを揷入し、 本発明のタン パク質を発現させた後に、 該細胞を患者に移植することによって、 または (八) 本発明のタンパク質を該患者に投与することなどによって、 該患者における本発 明のタンパク質の役割を十分に、 あるいは正常に発揮させることができる。
本発明の D NAを上記の予防 ·治療剤として使用する場合は、 該 D NAを単独 あるいはレトロウイルスベクタ一、 アデノウイルスベクタ一、 アデノウイルスァ ソシエーテツドウィルスベクタ一などの適当なベクタ一に揷入した後、 常套手段 に従って、 ヒトまたは温血動物に投与することができる。 本発明の D NAは、 そ のままで、 あるいは摂取促進のための補助剤などの生理学的に認められる担体と ともに製剤化し、 遺伝子銃やハイドロゲルカテーテルのようなカテーテルによつ て投与できる。
本発明のタンパク質を上記の予防 ·治療剤として使用する場合は、 少なくとも 9 0 %、 好ましくは 9 5 %以上、 より好ましくは 9 8 %以上、 さらに好ましくは 9 9 %以上に精製されたものを使用するのが好ましい。
本発明のタンパク質は、 例えば、 必要に応じて糖衣を施した錠剤、 カプセル剤、 エリキシル剤、 マイクロカプセル剤などとして経口的に、 あるいは水もしくはそ れ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、 または懸濁液剤などの注射剤の 形で非経口的に使用できる。 例えば、 本発明のタンパク質を生理学的に認められ
る担体、 香味剤、 賦形剤、 べヒクル、 防腐剤、 安定剤、 結合剤などとともに一般 に認められた製剤実施に要求される単位用量形態で混和することによって製造す ることができる。 これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な用量 が得られるようにするものである。 · 錠剤、 カプセル剤などに混和することができる添加剤としては、 例えば、 ゼラ チン、 コーンスターチ、 トラガント、 アラビアゴムのような結合剤、 結晶性セル ロースのような賦形剤、 コーンスターチ、 ゼラチン、 アルギン酸などのような膨 化剤、 ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、 ショ糖、 乳糖またはサッカリ ンのような甘味剤、 ペパーミント、 ァカモノ油またはチェリ一のような香味剤な どが用いられる。 調剤単位形態がカプセルである場合には、 前記タイプの材料に さらに油脂のような液状担体を含有することができる。 注射のための無菌組成物 は注射用水のようなべヒクル中の活性物質、 胡麻油、 椰子油などのような天然産 出植物油などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って処方するこ とができる。
注射用の水性液としては、 例えば、 生理食塩水、 ブドウ糖やその他の補助薬を 含む等張液 (例えば、 D-ソルビトール、 D-マンニトール、 塩化ナトリウムなど) などが挙げられ、 適当な溶解補助剤、 例えば、 アルコール (例えば、 エタノール など) 、 ポリアルコール (例えば、 プロピレングリコール、 ポリエチレングリコ —ルなど) 、 非イオン性界面活性剤 (例えば、 ポリソルベート 80™、 HCO-50な ど) などと併用してもよい。 油性液としては、 例えば、 ゴマ油、 大豆油などが挙 げられ、 溶解補助剤として安息香酸ベンジル、 ベンジルアルコールなどと併用し てもよい。 また、 緩衝剤 (例えば、 リン酸塩緩衝液、 酢酸ナトリウム緩衝液な ど) 、 無痛化剤 (例えば、 塩化ベンザルコニゥム、 塩酸プロ力インなど) 、 安定 剤 (例えば、 ヒト血清アルブミン、 ポリエチレングリコ一ルなど) 、 保存剤 (例 えば、 ベンジルアルコール、 フエノールなど) 、 酸化防止剤などと配合してもよ レ^ 調製された注射液は、 通常、 適当なアンプルに充填される。
本発明の D NAが挿入されたベクターも上記と同様に製剤化され、 通常、 非経 口的に使用される。
このようにして得られる製剤は、 安全で低毒性であるので、 例えば、 温血動物
(例えば、 ヒト、 ラット、 マウス、 モルモット、 ゥサギ、 トリ、 ヒッジ、 ブ夕、 ゥシ、 ゥマ、 ネコ、 ィヌ、 サル、 チンパンジーなど) に対して投与することがで きる。
本発明のタンパク質の投与量は、 対象疾患、 投与対象、 投与ルートなどにより 差異はあるが、 例えば、 呼吸器疾患の治療目的で本発明のタンパク質を経口投与 する場合、 一般的に成人 (体重 60kgとして) においては、 一日につき該タンパク 質を約 0. l〜100mg、 好ましくは約 1. 0〜50mg、 より好ましくは約 1. 0〜20mg投与す る。 非経口的に投与する場合は、 該タンパク質の 1回投与量は投与対象、 対象疾 患などによっても異なるが、 例えば、 呼吸器疾患の治療目的で本発明のタンパク 質を注射剤の形で成人 (体重 60kgとして) に投与する場合、 一日につき該タンパ ク質を約 0. 01〜30mg、 好ましくは約 0. l〜20rag、 より好ましくは約 0. l〜10mgを患 部に注射することにより投与するのが好都合である。 他の動物の場合も、 体重 60kg当たりに換算した量を投与することができる。 〔2〕 疾病に対する医薬候補化合物のスクリーニング
本発明のタンパク質は、 本発明のタンパク質の活性を促進または阻害する化合 物またはその塩のスクリーニングのための試薬として有用である。
本発明は、 (1 ) 本発明のタンパク質を用いることを特徴とする本発明のタン パク質の活性 (例えば、 有機イオンの輸送など) を促進または阻害する化合物ま たはその塩 (以下、 それぞれ促進剤、 阻害剤と略記する場合がある) のスクリ一 ニング方法を提供する。 より具体的には、 例えば、
( 2 ) (i) 本発明のタンパク質を産生する能力を有する細胞の有機イオンの輸 送活性と (i i) 本発明のタンパク質を産生する能力を有する細胞と試験化合物の 混合物の有機イオンの輸送活性の比較を行なうことを特徴とする促進剤または阻 害剤のスクリーニング方法を提供する。
具体的には、 上記スクリーニング方法においては、 例えば、 (i) と (i i) の 場合において、 有機イオンの輸送を、 放射標識または蛍光標識した基質を用いて 測定し、 有機イオンの輸送の指標として比較することを特徵とするものである。 試験化合物としては、 例えば、 ペプチド、 タンパク質、 非ペプチド性化合物、
合成化合物、 発酵生産物、 細胞抽出液、 植物抽出液、 動物組織抽出液などが挙げ られ、 これら化合物は新規な化合物であってもよいし、 公知の化合物であっても よい。
上記のスクリーニング方法を実施するには、 本発明のタンパク質を産生する能 力を有する細胞をスクリーニングに適したバッファーに浮遊して調製する。 バッ ファーには、 p H約 4〜1 0 (望ましくは、 p H約 6〜8 ) のリン酸バッファー、 ほう酸バッファーなどの、 本発明のタンパク質の有機イオン輸送活性を阻害しな 'いバッファーであればいずれでもよい。
本発明のタンパク質を産生する能力を有する細胞としては、 例えば、 前述した, 本発明のタンパク質をコードする D N Aを含有するべクタ一で形質転換された宿 主 (形質転換体) が用いられる。 宿主としては、 例えば、 C H O細胞などの動物 細胞が好ましく用いられる。 該スクリーニングには、 例えば、 前述の方法で培養 することによって、 本発明のタンパク質を細胞膜上に発現させた形質転換体が好 ましく用いられる。
本発明のタンパク質の有機イオン輸送活性は、 公知の方法、 例えば、 Biochem. Biophys. Res. Co腿 un.、 第 283巻、 417- 422頁 (2001年) に記載の方法あるいは それに準じる方法に従って測定することができる。
例えば、 上記 (i i) の場合における有機イオン輸送活性を、 上記 (i) の場合 に比べて、 約 2 0 %以上、 好ましくは 3 0 %以上、 より好ましくは約 5 0 %以上 促進する試験化合物を本発明のタンパク質の活性を促進する化合物またはその塩 として選択することができる。
また、 例えば、 上記 (i i) の場合における有機イオン輸送活性を、 上記 (i) の場合に比べて、 約 2 0 %以上、 好ましくは 3 0 %以上、 より好ましくは約 5 0 %以上阻害 (または抑制) する試験化合物を本発明のタンパク質の活性を阻害 する化合物またはその塩として選択することができる。
また、 本発明の夕ンパク質遺伝子のプロモーター下流に分泌型アル力リホスフ ァ夕一ゼ、 ルシフェラーゼなどの遺伝子を挿入し、 上記の各種細胞に発現させ、 該細胞に上記試験化合物を接触させた場合における酵素活性を賦活化または阻害 する化合物またはその塩を探索することによつて本発明のタンパク質の発現を促
進または抑制 (すなわち、 本発明のタンパク質の活性を促進または阻害) する化 合物またはその塩をスクリーニングすることができる。
本発明のタンパク質をコードするポリヌクレオチドは、 本発明のタンパク質遺 伝子の発現を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニングのための 試薬として有用である。
本発明は、 (3 ) 本発明のタンパク質をコードするポリヌクレオチドを用いる ことを特徴とする本発明のタンパク質遺伝子の発現を促進または阻害する化合物 またはその塩 (以下、 それぞれ促進剤、 阻害剤と略記する場合がある) のスクリ 一二ング方法を提供し、 より具体的には、 例えば、
( 4 ) (i i i) 本発明のタンパク質を産生する能力を有する細胞を培養した場合 と (iv) 本発明のタンパク質を産生する能力を有する細胞と試験化合物の混合物 を培養した場合との比較を行うことを特徴とする促進剤または阻害剤のスクリー エング方法を提供する。
上記スクリーニング方法においては、 例えば、 (i i i) と (iv) の場合におけ る、 本発明のタンパク質遺伝子の発現量 (具体的には、 本発明のタンパク質量ま たは前記タンパク質をコードする mR NA量) を測定して、 比較する。
試験化合物としては、 例えば、 ペプチド、 タンパク質、 非ペプチド性化合物、 合成化合物、 発酵生産物、 細胞抽出液、 植物抽出液、 動物組織抽出液などが挙げ られ、 これら化合物は新規な化合物であってもよいし、 公知の化合物であっても よい。
上記のスクリーニング方法を実施するには、 本発明のタンパク質を産生する能 力を有する細胞をスクリーニングに適したバッファーに浮遊して調製する。 バッ ファーには、 p H約 4〜1 0 (望ましくは、 p H約 6〜8 ) のリン酸バッファー、 ほう酸バッファーなどの、 本発明のタンパク質の産生を阻害しないバッファ一で あればいずれでもよい。
本発明のタンパク質を産生する能力を有する細胞としては、 例えば、 前述した 本発明のタンパク質をコードする D N Aを含有するベクターで形質転換された宿 主 (形質転換体) カ いられる。 宿主としては、 例えば、 C HO細胞などの動物 細胞が好ましく用いられる。 該スクリーニングには、 例えば、 前述の方法で培養
することによって、 本発明のタンパク質を細胞膜上に発現させた形質転換体が好 ましく用いられる。
本発明のタンパク質量の測定は、 公知の方法、 例えば、 本発明のタンパク質を 認識する抗体を用いて、 細胞抽出液中などに存在する前記タンパク質を、 ウェス タン解析、 E L I S A法などの方法またはそれに準じる方法に従い測定すること ができる。
本発明のタンパク質遺伝子の発現量は、 公知の方法、 例えば、 ノーザンブロッ テインクや Reverse transcript ion-polymerase chain reac t ion (RT-PCR) 、 リ アルタイム PCR解析システム (ABI社製、 TaqMan polymerase chain react ion) な どの方法あるいはそれに準じる方法にしたがって測定することができる。
例えば、 上記 (iv) の場合における本発明のタンパク質遺伝子の発現量を、 上 記 (i i i) の場合に比べて、 約 2 0 %以上、 好ましくは 3 0 %以上、 より好まし くは約 5 0 %以上促進する試験化合物を本発 の夕ンパク質遺伝子の発現を促進 する化合物またはその塩として選択することができる。
例えば、 上記 (iv) の場合における本発明のタンパク質遺伝子の発現量を、 上 記 (i i i) の場合に比べて、 約 2 0 %以上、 好ましくは 3 0 %以上、 より好まし くは約 5 0 %以上阻害する試験化合物を本発明のタンパク質遺伝子の発現を阻害 する化合物またはその塩として選択することができる。
さらに、 本発明の抗体は、 本発明のタンパク質の発現を促進または阻害する化 合物またはその塩のスクリーニングのための試薬として有用である。
本発明は、 (5 ) 本発明の钪体を用いることを特徴とする本発明のタンパク質 の発現を促進または阻害する化合物またはその塩 (以下、 それぞれ促進剤、 阻害 剤と略記する場合がある) のスクリーニング方法を提供し、 より具体的には、 例 えば、
( 6 ) (V) 本発明のタンパク質を産生する能力を有する細胞を培養した場合と (vi) 本発明のタンパク質を産生する能力を有する細胞と試験化合物の混合物を 培養した場合との比較を行うことを特徴とする促進剤または阻害剤のスクリ一二 ング方法を提供する。
上記スクリーニング方法においては、 例えば、 本発明の抗体を用いて (V) と
(vi) の場合における、 本発明のタンパク質の発現量 (具体的には、 本発明の夕 ンパク質量) を測定 (例、 本発明のタンパク質の発現を検出、 本発明のタンパク 質の発現量を定量等) して、 比較する。
試験化合物としては、 例えば、 ペプチド、 タンパク質、 非ペプチド.性化合物、 合成化合物、 発酵生産物、 細胞抽出液、 植物抽出液、 動物組織抽出液などが挙げ られ、 これら化合物は新規な化合物であってもよいし、 公知の化合物であっても よい。
上記のスクリーニング方法を実施するには、 本発明のタンパク質を産生する能 力を有する細胞をスクリーニングに適したバッファーに浮遊して調製する。 バッ ファーには、 p H約 4〜1 0 (望ましくは、 p H約 6〜8 ) のリン酸バッファー、 ほう酸バッファーなどの、 本発明のタンパク質の有機イオン輸送活性を阻害しな いバッファ一であればいずれでもよい。
本発明のタンパク質を産生する能力を有する細胞としては、 例えば、 前述した 本発明のタンパク質をコードする D N Aを含有するベクターで形質転換された宿 主 (形質転換体) が用いられる。 宿主としては、 例えば、 C H〇細胞などの動物 細胞が好ましく用いられる。 該スクリーニングには、 例えば、 前述の方法で培養 することによって、 本発明のタンパク質を細胞膜上に発現させた形質転換体が好 ましく用いられる。
本発明のタンパク質量の測定は、 公知の方法、 例えば、 本発明のタンパク質を 認識する抗体を用いて、 細胞抽出液中などに存在する前記タンパク質を、 ウェス タン解析、 E L I S A法などの方法またはそれに準じる方法に従い測定すること ができる。
例えば、.上記 (vi) の場合における本発明のタンパク質の発現量を、 上記
(V) の場合に比べて、 約 2 0 %以上、 好ましくは 3 0 %以上、 より好ましくは 約 5 0 %以上促進する試験化合物を本発明のタンパク質の発現を促進する化合物 またはその塩として選択することができ 。
例えば、 上記 (vi) の場合における本発明のタンパク質の発現量を、 上記
(V) の場合に比べて、 約 2 0 %以上、 好ましくは 3 0 %以上、 より好ましくは 約 5 0 %以上阻害する試験化合物を本発明のタンパク質の発現を阻害する化合物
またはその塩として選択することができる。
本発明のスクリーニング用キットは、 本発明のタンパク質もしくは部分べプチ ドまたはその塩、 または本発明のタンパク質もしくは部分べプチドを産生する能 力を有する細胞を含有するものである。
本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる 化合物またはその塩は、 上記した試験化合物、 例えば、 ペプチド、 タンパク質、 非ペプチド性化合物、 合成化合物、 発酵生産物、 細胞抽出液、 植物抽出液、 動物 組織抽出液、 血漿などから選ばれた化合物またはその塩であり、 本発明のタンパ ク質の活性 (例、 有機イオン輸送活性など) を促進または阻害する化合物または その塩である。
該化合物の塩としては、 前記した本発明のタンパク質の塩と同様のものが用い られる。
本発明のタンパク質の活性を促進または阻害する化合物またはその塩は、 例え ば、 呼吸器系疾患 (例、 慢性閉塞性肺疾患 (C0PD) 、 気管支喘息など) 、 腎臓疾 患 (例、 腎炎、 腎不全、 糸球体腎炎、 糖尿病性腎症、 巣状糸球体硬化症、 ネフ口 —ゼ症候群、 腎性浮腫など) 、 循環器疾患 (例、 心不全、 不整脈など) 、 膝臓疾 患 (例、 膝炎、 滕嚢胞性線維症などの滕機能不全など) 、 肝臓疾患 (例、 肝硬変、 肝炎、 アルコール性肝臓疾患など) 、 自己免疫疾患 (例、 重症筋無力症、 多発性 硬化症、 シエーダレン症候群、 全身性エリテマ卜一デスなど) 、 アレルギー性疾 患 (例、 花粉症、 アレルギー性鼻炎、 アナフィラキシーショック、 アトピー性皮 膚炎など) 、 リウマチ性疾患 (例、 慢性関節リウマチ、 変形関節症、 痛風など) 胸腺疾患、 免疫不全 (例、 白血球異常、 脾機能不全または胸腺異常にともなう免 疫不全など) 、 筋肉疾患 (例、 筋萎縮症など) または癌 (例、 精巣腫瘍、 卵巣癌、 乳癌、 食道癌、 肺癌、 腎臓癌、 肝臓癌、 非小細胞肺癌、 前立腺癌、 胃癌、 膀胱癌、 子宮頸部癌、 結腸癌、 直腸癌、 塍臓癌、 胸腺腫など) などの予防 ·治療剤などの 医薬として有用である。 好ましくは呼吸器系疾患、 腎臓疾患などの予防 ·治療剤 である。
本発明のタンパク質遺伝子の発現を促進または阻害する化合物またはその塩は、 例えば、 呼吸器系疾患 (例、 慢性閉塞性肺疾患 (C0PD) 、 気管支喘息など) 、 腎
臓疾患 (例、 腎炎、 腎不全、 糸球体腎炎、 糖尿病性腎症、 巣状糸球体硬化症、 ネ フローゼ症候群、 腎性浮腫など) 、 循環器疾患 (例'、 心不全、 不整脈など) 、 滕 臓疾患 (例、 滕炎、 塍嚢胞性線維症などの塍機能不全など) 、 肝臓疾患 (例、 肝 硬変、 肝炎、 アルコール性肝臓疾患など) 、 自己免疫疾患 (例、 重症筋無力症、 多発性硬化症、 シェ一ダレン症候群、 全身性エリテマトーデスなど) 、 アレルギ —性疾患 (例、 花粉症、 アレルギ一性鼻炎、 アナフィラキシーショック、 アトピ —性皮膚炎など) 、 リウマチ性疾患 (例、 慢性関節リウマチ、 変形関節症、 痛風 など) 、 胸腺疾患、 免疫不全 (例、 白血球異常、 脾機能不全または胸腺異常にと もなう免疫不全など) 、 筋肉疾患 (例、 筋萎縮症など) または癌 (例、 精巣腫瘍、 卵巣癌、 乳癌、 食道癌、 肺癌、 腎臓癌、 肝臓癌、 非小細胞肺癌、 前立腺癌、 胃癌、 膀胱癌、 子宮頸部癌、 結腸癌、 直腸癌、 塍臓癌、 胸腺腫など) などの予防 ·治療 剤などの医薬として有用である。 好ましくは呼吸器系疾患、 腎臓疾患などの予 防'治療剤である。
本発明の夕ンパク質の発現を促進または阻害する化合物またはその塩は、 例え ば、 呼吸器系疾患 (例、 慢性閉塞性肺疾患 (C0PD) 、 気管支喘息など) 、 腎臓疾 患 (例、 腎炎、 腎不全、 糸球体腎炎、 糖尿病性腎症、 巣状糸球体硬化症、 ネフ口 ーゼ症候群、 腎性浮腫など) 、 循環器疾患 (例、 心不全、 不整脈など) 、 塍臓疾 患 (例、 塍炎、 滕嚢胞性線維症などの塍機能不全など) 、 肝臓疾患 (例、 肝硬変、 肝炎、 アルコール性肝臓疾患など) 、 自己免疫疾患 (例、 重症筋無力症、 多発性 硬化症、 シェ一ダレン症候群、 全身性エリテマトーデスなど) 、 アレルギー性疾 患 (例、 花粉症、 アレルギー性鼻炎、 アナフィラキシーショック、 アトピー性皮 膚炎など) 、 リウマチ性疾患 (例、 慢性関節リウマチ、 変形関節症、 痛風など) 、 胸腺疾患、 免疫不全 (例、 白血球異常、 脾機能不全または胸腺異常にともなう免 疫不全など) 、 筋肉疾患 (例、 筋萎縮症など) または癌 (例、 精巣腫瘍、 卵巣癌、 乳癌、 食道癌、 肺癌、 腎臓癌、 肝臓癒、 非小細胞肺癌、 前立腺癌、 胃癌、 膀胱癌、 子宮頸部癌、 結腸癌、 直腸癌、 降臓癌、 胸腺腫など) などの予防 ·治療剤などの 医薬として有用である。 好ましくは呼吸器系疾患、 腎臓疾患などの予防 ·治療剤 である。
本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる
化合物またはその塩を上述の予防 ·治療剤として使用する場合、 常套手段に従つ て製剤化することができる。 例えば、 錠剤、 カプセル剤、 エリキシル剤、 マイク 口カプセル剤、 無菌性溶液、 懸濁液剤などとすることができる。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、 例えば、 ヒトまたは 温血動物 (例えば、 マウス、 ラット、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブ夕、 ゥシ、 ゥマ、 トリ ネコ、 ィヌ、 サル、 チンパンジ一など) に対して経口的にまたは非経口的に投与 することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、 その作用、 対象疾患、 投与対象、 投与ルー トなどにより差異はあるが、 例えば、 呼吸器疾患治療の目的で本発明のタンパク 質の活性を促進する化合物またはその塩を経口投与する塲合、 一般的に成人 (体 重 60kgとして) においては、 一日につき該ィ匕合物またはその塩を約 0. 1〜100mg、 好ましくは約 1. 0〜50mg、 より好ましくは約 1. 0〜20mg投与する。 非経口的に投与 する場合は、 該化合物またはその塩の 1回投与量は投与対象、 対象疾患などによ つても異なるが、 例えば、 呼吸器疾患治療の目的で本発明のタンパク質の活性を 促進する化合物またはその塩を注射剤の形で通常成人 (体重 60kgとして) に投与 する場合、 一日につき該化合物またはその塩を約 0. 01〜30mg、 好ましくは約 0. 1 〜20mg、 より好ましくは約 0. 1〜10mgを静脈注射により ¾与するのが好都合であ る。 他の動物の場合も、 体重 60kg,当たりに換算した量を投与することができる。 〔3〕 本発明のタンパク質、 その部分ペプチドまたはその塩の定量
本発明の抗体は、 本発明のタンパク質を特異的に認識することができるので、 被検液中の本発明のタンパク質の定量、 特にサンドイッチ免疫測定法による定量 などに使用することができる。
すなわち、 本発明は、
( i ) 本発明の抗体と、 被検液および標識化された本発明のタンパク質とを競合 的に反応させ、 該抗体に結合した標識化された本発明のタンパク質の割合を測定 することを特徴とする被検液中の本発明のタンパク質の定量法、 および
( i i ) 被検液と担体上に不溶化した本発明の^:体および標識化された本発明の別 の抗体とを同時あるいは連続的に反応させたのち、 不溶化担体上の標識剤の活性
を測定することを特徴とする被検液中の本発明のタンパク質の定量法を提供する。 上記 (i i) の定量法においては、 一方の抗体が本発明のタンパク質の N端部を 認識する抗体で、 他方の抗体が本発明のタンパク質の C端部に反応する抗体であ ることが望ましい。
また、 本発明のタンパク質に対するモノクローナル抗体 (以下、 本発明のモノ クローナル抗体と称する場合がある) を用いて本発明のタンパク質の定量を行な えるほか、 組織染色等による検出を行なうこともできる。 これらの目的には、 抗 体分子そのものを用いてもよく、 また、 抗体分子の F ( a b') 2 、 F a b あるい は F a b画分を用いてもよい。
本発明の抗体を用いる本発明のタンパク質の定量法は、 特に制限されるべきも のではなく、 被測定液中の抗原量 (例えば、 タンパク質量) に対応した抗体、 抗 原もしくは抗体一抗原複合体の量を化学的または物理的手段により検出し、 これ を既知量の抗原を含む標準液を用いて作製した標準曲線より算出する測定法であ れば、 いずれの測定法を用いてもよい。 例えば、 ネフロメトリー、 競合法、 ィム ノメトリック法およびサンドイッチ法が好適に用いられるが、 感度、 特異性の点 で、 後述するサンドイッチ法を用いるのが特に好ましい。
標識物質を用いる測定法に用いられる標識剤としては、 例えば、 放射性同位元 素、 酵素、 蛍光物質、 発光物質などが用いられる。 放射性同位元素としては、 例 えば、 〔125 Ι〕 、 〔131 Ι〕 、 〔Ή〕 、 〔14C〕 などが用いられる。 上記酵素とし ては、 安定で比活性の大きなものが好ましく、 例えば、 i3—ガラクトシダ一ゼ、 i3—ダルコシダーゼ、 アルカリフォスファタ一ゼ、 パーォキシダーゼ、 リンゴ酸 脱水素酵素などが用いられる。 蛍光物質としては、 例えば、 フルォレスカミン、 フルォレツセンイソチオシァネートなどが用いられる。 発光物質としては、 例え ば、 ルミノール、 ルミノール誘導体、 ルシフェリン、 ルシゲニンなどが用いられ る。 さらに、 抗体あるいは抗原と標識剤との結合にピオチン一アビジン系を用い ることもできる。
抗原あるいは抗体の不溶化に当っては、 物理吸着を用いてもよく、 また通常夕 ンパク質あるいは酵素等を不溶化、 固定化するのに用いられる化学結合を用いる 方法でもよい。 担体としては、 ァガロース、 デキストラン、 セルロースなどの不
溶性多糖類、 ポリスチレン、 ポリアクリルアミド、 シリコン等の合成樹脂、 ある いはガラス等が挙げられる。
サンドィツチ法においては不溶化した本発明のモノクローナル抗体に被検液を 反応させ (1次反応) 、 さらに標識化した別の本発明のモノクローナル坊体を反 応させ (2次反応) たのち、 不溶化担体上の標識剤の活性を測定することにより 被検液中の本発明のタンパク質量を定量することができる。 1次反応と 2次反応 は逆の順序に行っても、 また、 同時に行なってもよいし時間をずらして行なって もよい。 標識化剤および不溶化の方法は前記のそれらに準じることができる。 ま た、 サンドイッチ法による免疫測定法において、 固相用抗体あるいは標識用抗体 に用いられる抗体は必ずしも 1種類である必要はなく、 測定感度を向上させる等 の目的で 2種類以上の抗体の混合物を用いてもよい。
本発明のサンドイッチ法による本発明のタンパク質の測定法においては、 1次 反応と 2次反応に用いられる本発明のモノクローナル抗体は、 本発明の夕ンパク 質の結合する部位が相異なる抗体が好ましく用いられる。 すなわち、 1次反応お よび 2次反応に用いられる抗体は、 例えば、 2次反応で用いられる抗体が、 本発 明のタンパク質の C端部を認識する場合、 1次反応で用いられる抗体は、 好まし くは C端部以外、 例えば N端部を認識する抗体が用いられる。
本発明のモノク口一ナル抗体をサンドィツチ法以外の測定システム、 例えば、 競合法、 ィムノメトリック法あるいはネフロメトリーなどに用いることができる £ 競合法では、 被検液中の抗原と標識抗原とを抗体に対して競合的に反応させた のち、 未反応の標識抗原(F)と、 抗体と結合した標識抗原 (B ) とを分離し (B /F分離) 、 B , Fいずれかの標識量を測定し、 被検液中の抗原量を定量する。 本反応法には、 抗体として可溶性抗体を用い、 B / F分離をポリエチレングリコ ール、 前記抗体に対する第 2抗体などを用いる液相法、 および、 第 1抗体として 固相化抗体を用いるか、 あるいは、 第 1抗体は可溶性のものを用い第 2抗体とし て固相化抗体を用いる固相化法とが用いられる。
ィムノメトリック法では、 被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の標識化抗 体に対して競合反応させた後固相と液相を分離する力 あるいは、 被検液中の抗 原と過剰量の標識化抗体とを反応させ、 次に固相化抗原を加え未反応の標識化抗
体を固相に結合させたのち、 固相と液相を分離する。 次に、 いずれかの相の標識 量を測定し被検液中の抗原量を定量する。
また、 ネフロメトリーでは、 ゲル内あるいは溶液中で抗原抗体反応の結果生じ た不溶性の沈降物の量を測定する。 被検液中の抗原量が僅かであり、 少量の沈降 物しか得られない場合にもレーザーの散乱を利用するレーザ一ネフロメトリ一な どが好適に用いられる。
これら偭々の免疫学的測定法を本発明の定量方法に適用するにあたっては、 特 別の条件、 操作等の設定は必要とされない。 それぞれの方法における通常の条件、 操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本発明のタンパク質の測定系を構築 すればよい。 これらの一般的な技術手段の詳細については、 総説、 成書などを参 照することができる。
例えば、 入江 寛編 「ラジオィムノアツセィ」 (講談社、 昭和 4 9年発行) 、 入江 寛編 「続ラジオィムノアツセィ」 (講談社、 昭和 5 4年発行) 、 石川栄治 ら編 「酵素免疫測定法」 (医学書院、 昭和 5 3年発行) 、 石川栄治ら編 「酵素免 疫測定法」 (第 2版) (医学書院、 昭和 5 7年発行) 、 石川栄治ら編 「酵素免疫 測定法」 (第 3版) (医学書院、 昭和 6 2年発行) 、 「Methods in
ENZYM0L0GY」 Vol. 70 (Immunochemical Techniques (Part A) )ゝ 同書 Vol .
73 (Immunochemical Techniques (Part B))、 同書 Vol. 74 (Immunochemical Techniques (Part C))、 同書 Vol . 84 (Immunochemical Techniques (Part
D: Selec ted Immunoassays))、 同書 Vol. 92 (Immunochemi cal Techniques (Part E :Monoc lonal Ant ibodies and General Immunoassay Methods) ) ^ 同書 Vol.
121 (Immunochemical Techniques (Part I: Hybridoma Technology and Monoc lonal Ant ibodies) ) (以上、 アカデミックプレス社発行)などを参照することができる。 以上のようにして、 本発明の抗体を用いることによって、 本発明のタンパク質 を感度良く定量することができる。
さらには、 本発明の抗体を用いて本発明のタンパク質の濃度を定量することに よって、 本発明のタンパク質の濃度の減少または増加が検出された場合、 例えば、 呼吸器系疾患 (例、 慢性閉塞性肺疾患 (C0PD) 、 気管支喘息など) 、 腎臓疾患 (例、 腎炎、 腎不全、 糸球体腎炎、 糖尿病性腎症、 巣状糸球体硬化症、 ネフロー '
ゼ症候群、 腎性浮腫など) 、 循環器疾患 (例、 心不全、 不整脈など) 、 塍臓疾患
(例、 塍炎、 滕嚢胞性線維症などの塍機能不全など) 、 肝臓疾患 (例、 肝硬変、 肝炎、 アルコール性肝臓疾患など) 、 自己免疫疾患 (例、 重症筋無力症、 多発性 硬化症、 シエーダレン症候群、 全身性エリテマト一デスなど) 、 アレルギー性疾 患 (例、 花粉症、 アレルギー性鼻炎、 アナフィラキシーショック、 アトピー性皮 膚炎など) 、 リウマチ性疾患 (例、 慢性関節リウマチ、 変形関節症、 痛風など) 、 胸腺疾患、 免疫不全 (例、 白血球異常、 脾機能不全または胸腺異常にともなう免 疫不全など) 、 筋肉疾患 (例、 筋萎縮症など) または癌 (例、 精巣腫瘍、 卵巣癌、 乳癌、 食道癌、 肺癌、 腎臓癌、 肝臓癌、 非小細胞肺癌、 前立腺癌、 胃癌、 膀胱癌、 子宮頸部癌、 結腸癌、 直腸癌、 滕臓癌、 胸腺腫など) などが発症している可能性 が高いと診断することができる。
また、 本発明の抗体は、 体液や組織などの被検体中に存在する本発明のタンパ ク質を検出するために使用することができる。 また、 本発明のタンパク質を精製 するために使用する抗体カラムの作製、 精製時の各分画中の本発明のタンパク質 の検出、 被検細胞内における本発明のタンパク質の挙動の分析などのために使用 することができる。
〔4〕 遺伝子診断薬
本発明の D N Aは、 例えば、 プローブとして使用することにより、 ヒトまたは 温血動物 (例えば、 ラット、 マウス、 モルモット、 ゥサギ、 トリ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ゥマ、 ネコ、 ィヌ、 サル、 チンパンジーなど) における本発明のタンパク 質またはその部分ペプチドをコードする D N Aまたは mR N Aの異常 (遺伝子異 常) を検出することができるので、 例えば、 該 D N Aまたは mR N Aの損傷、 突 然変異あるいは発現低下や、 該 D N Aまたは mR N Aの増加あるいは発現過多な どの遺伝子診断薬として有用である。
本発明の D N Aを用いる上記の遺伝子診断は、 例えば、 公知のノーザンハイブ リダィゼーシヨンや PCR- SSCP法 (Genomi cs,第 5卷, 874〜879頁(1989年)、
Proceed ings of the Nat ional Academy o f Sc iences o f the Un i ted S t ates of Ameri ca,第 86巻, 2766〜2770頁(1989年) ) などにより実施することができる。
例えば、 ノーザンハイブリダイゼ一シヨンにより発現増加または減少が、 ある いは PCR- SSCP法により突然変異が検出された場合; 例えば、 呼吸器系疾患 (例、 慢性閉塞性肺疾患 (C0PD) 、 気管支喘息など) 、 腎臓疾患 (例、 腎炎、 腎不全、 糸球体腎炎、 糖尿病性腎症、 巣状糸球体硬化症、 ネフローゼ症候群、 腎性浮腫な ど) 、 循環器疾患 (例、 心不全、 不整脈など) 、 滕臓疾患 (例、 塍炎、 塍嚢胞性 線維症などの塍機能不全など) 、 肝臓疾患 (例、 肝硬変、 肝炎、 アルコール性肝 臓疾患など) 、 自己免疫疾患 (例、 重症筋無力症、 多発性硬化症、 シエーダレン 症候群、 全身性エリテマトーデスなど) 、 アレルギー性疾患 (例、 花粉症、 ァレ ルギー性鼻炎、 アナフィラキシーショック、 アトピー性皮膚炎など) 、 リウマチ 性疾患 (例、 慢性関節リウマチ、 変形関節症、 痛風など) 、 胸腺疾患、 免疫不全
(例、 白血球異常、 脾機能不全または胸腺異常にともなう免疫不全など) 、 筋肉 疾患 (例、 筋萎縮症など) または癌 (例、 精巣腫瘍、 卵巣癌、 乳癌、 食道癌、 肺 癌、 腎臓癌、 肝臓癌、 非小細胞肺癌、 前立腺癌、 胃癌、 膀胱癌、 子宮頸部癌、 結 腸癌、 直腸癌、 滕臓癌、 胸腺腫など) などである可能性が高いと診断することが 出来る。
〔5〕 本発明のアンチセンスポリヌクレオチドを含有する医薬
本発明の D Ν Αに相補的に結合し、 該 D N Aの発現を抑制することができる本 発明のアンチセンスポリヌクレオチドは低毒性であり、 生体内における本発明の タンパク質または本発明の D N Aの機能 (例、 有機イオン輸送活性) を抑制する ことができるので、 例えば、 呼吸器系疾患 (例、 慢性閉塞性肺疾患 (C0PD) 、 気 管支喘息など) 、 腎臓疾患 (例、 腎炎、 腎不全、 糸球体腎炎、 糖尿病性腎症、 巣 状糸球体硬化症、 ネフローゼ症候群、 腎性浮腫など) 、 循環器疾患 (例、 心不全、 不整脈など) 、 滕臓疾患 (例、 塍炎、 塍嚢胞性線維症などの滕機能不全など) 、 肝臓疾患 (例、 肝硬変、 肝炎、 アルコール性肝臓疾患など) 、 自己免疫疾患 (例、 重症筋無力症、 多発性硬化症、 シエーダレン症候群、 全身性エリテマトーデスな ど) 、 アレルギー性疾患 (例、 花粉症、 アレルギー性鼻炎、 アナフィラキシーシ ョック、 アトピー性皮膚炎など) 、 リウマチ性疾患 (例、 慢性関節リウマチ、 変 形関節症、 痛風など) 、 胸腺疾患、 免疫不全 (例、 白血球異常、 脾機能不全また
は胸腺異常にともなう免疫不全など) 、 筋肉疾患 (例、 筋萎縮症など) または癌
(例、 精巣腫瘍、 卵巣癌、 乳癌、 食道癌、 肺癌、 腎臓癌、 肝臓癌、 非小細胞肺癌、 前立腺癌、 胃癌、 膀胱癌、 子宮頸部癌、 結腸癌、 直腸癌、 塍臓癌、 胸腺腫など) などの予防 ·治療剤として使用することができる。 好ましくは呼吸器系疾患、 腎 臓疾患などの予防 ·治療剤である。
上記ァンチセンスポリヌクレオチドを上記の予防 ·治療剤として使用する場合、 公知の方法に従って製剤化し、 投与することができる。
例えば、 該アンチセンスポリヌクレオチドを用いる場合、 該アンチセンスポリ ヌクレオチドを単独あるいはレトロウイルスベクター、 アデノウイルスベクタ一、 アデノウイルスァソシエーテツドウィルスベクタ一などの適当なベクターに挿入 した後、 常套手段に従って、 ヒトまたは哺乳動物 (例、 ラット、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブ夕、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) に対して経口的または非経口的に投与する ことができる。 該アンチセンスポリヌクレオチドは、 そのままで、 あるいは摂取 促進のために補助剤などの生理学的に認められる担体とともに製剤化し、 遺伝子 銃やハイドロゲルカテーテルのようなカテーテルによって投与できる。
該アンチセンスポリヌクレオチドの投与量は、 対象疾患、 投与対象、 投与ルー トなどにより差異はあるが、 例えば、 呼吸器疾患の治療の目的で本発明のアンチ センスポリヌクレオチドを肺に局所投与する場合、 一般的に成人 (体重 60kg) に おいては、 一日につき該アンチセンスポリヌクレオチドを約 0. l〜100mg投与する。 さらに、 該アンチセンスポリヌクレオチドは、 組織や細胞における本発明の D N Aの存在やその発現状況を調べるための診断用オリゴヌクレオチドプローブと して使用することもできる。
さらに、 本発明は、
(i) 本発明のタンパク質をコードする R NAの一部とそれに相補的な R NAを 含有する二重鎖 R NA、
(i i) 前記二重鎖 R NAを含有してなる医薬、
(i i i) 本発明のタンパク質をコードする R NAの一部を含有するリポザィム、
(iv) 前記リポザィムを含有してなる医藥、
(V) 前記リボザィムをコードする遺伝子 (D NA) を含有する発現べクタ一な
ども提供する。
上記アンチセンスポリヌクレオチドと同様に、 二重鎖 R N A、 リポザィムなど も、 本発明の D N Aから転写される R N Aを破壊またはその機能を抑制すること ができ、 生体内における本発明のタンパク質または本発明の D N Aの機能を抑制 することができるので、 例えば、 呼吸器系疾患 (例、 慢性閉塞性肺疾患 (C0PD) 、 気管支喘息など) 、 腎臓疾患 (例、 腎炎、 腎不全、 糸球体腎炎、 糖尿病性腎症、 巣状糸球体硬化症、 ネフローゼ症候群、 腎性浮腫など) 、 循環器疾患 (例、 心不 全、 不整脈など) 、 塍臓疾患 (例、 塍炎、 塍嚢胞性線維症などの塍機能不全な ど) 、 肝臓疾患 (例、 肝硬変、 肝炎、 アルコ1—ル性肝臓疾患など) 、 自己免疫疾 患 (例、 重症筋無力症、 多発性硬化症、 シェ一ダレン症候群、 全身性エリテマト 一デスなど) 、 アレルギー性疾患 (例、 花粉症、 アレルギー性鼻炎、 ァナフイラ キシーショック、 アトピー性皮膚炎など) 、 リウマチ性疾患 (例、 慢性関節リウ マチ、 変形関節症、 痛風など) 、 胸腺疾患、 免疫不全 (例、 白血球異常、 脾機能 不全または胸腺異常にともなう免疫不全など) 、 筋肉疾患 (例、 筋萎縮症など) または癌 (例、 精巣腫瘍、 卵巣癌、 乳癌、 食道癌、 J3市癌、 腎臓癌、 肝臓癌、 非小 細胞肺癌、 前立腺癌、 胃癌、 膀胱癌、 子宮頸部癌、 結腸癌、 直腸癌、 滕臓癌、 胸 腺腫など) などの予防 ·治療剤、 好ましくは、 呼吸器系疾患、 腎臓疾患などの予 防 ·治療剤として使用することができる。
二重鎖 R NAは、 公知の方法 (例、 Nature, 411卷, 494頁, 2001年) に準じて、 本発明のポリヌクレオチドの配列を基に設計して製造することができる。
リポザィムは、 公知の方法 (例、 TRENDS 'in Molecular Medic ine, 7巻, 221頁, 2001年) に準じて、 本発明のポリヌクレオチドの配列を基に設計して製造するこ とができる。 例えば、 公知のリポザィムの配列の一部を本発明のタンパク質をコ —ドする R N Aの一部に置換することによって製造することができる。 本発明の タンパク質をコードする R NAの一部としては、 公知のリポザィムによって切断 され得るコンセンサス配列 NUX (式中、 Nはすべての塩基を、 Xは G以外の塩 基を示す) の近傍の配列などが挙げられる。
上記の二重鎖 R NAまたはリポザィムを上記予防 ·治療剤として使用する場合、 様にして製剤化し、 投与することができる。
また、 前記 (v) の発現ベクターは、 公知の遺伝子治療法などと同様に用い、 上 記予防 ·治療剤として使用する。
〔6〕 本発明の抗体を含有する医薬
本発明の抗体は、 例えば呼吸器系疾患 (例、 慢性閉塞性肺疾患 (C0PD) 、 気管 支喘息など) 、 腎臓疾患 (例、 腎炎、 腎不全、 糸球体腎炎、 糖尿病性腎症、 巣状 糸球体硬化症、 ネフローゼ症候群、 腎性浮腫など) 、 循環器疾患 (例、 心不全、 不整脈など) 、 塍臓疾患 (例、 塍炎、 滕嚢胞性線維症などの滕機能不全など) 、 肝臓疾患 (例、 肝硬変、 肝炎、 アルコール性肝臓疾患など) 、 自己免疫疾患 (例、 重症筋無力症、 多発性硬化症、 シエーグレン症候群、 全身性エリテマトーデスな ど) 、 アレルギー性疾患 (例、 花粉症、 アレルギー性鼻炎、 アナフィラキシーシ ョック、 アトピー性皮膚炎など) 、 リウマチ性疾患 (例、 慢性関節リウマチ、 変 形関節症、 痛風など) 、 胸腺疾患、 免疫不全 (例、 白血球異常、 脾機能不全また は胸腺異常にともなう免疫不全など) 、 筋肉疾患 (例、 筋萎縮症など) または癌 (例、 精巣腫瘍、 卵巣癌、 乳癌、 食道癌、 肺癌、 腎臓癌、 肝臓癌、 非小細胞肺癌、 前立腺癌、 胃癌、 膀胱癌、 子宮頸部癌、 結腸癌、 直腸癌、 滕臓癌、 胸腺腫など) などの予防 ·治療剤、 好ましくは、 呼吸器系疾患、 腎臓疾患などの予防'治療剤 として使用することができる。
本発明の抗体を含有する上記疾患の予防 ·治療剤は低毒性であり、 そのまま液 剤として、 または適当な剤型の医薬組成物として、 ヒトまたは哺乳動物 (例、 ラ ット、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブ夕、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) に対して経口的ま たは非経口的 (例、 血管内投与、 皮下投与など) に投与することができる。 好ま しくはワクチンとして定法に従って投与することができる。
本発明の抗体は、 それ自体を投与しても良いし、 または適当な医薬組成物とし て投与しても良い。 投与に用いられる医薬組成物としては、 本発明の抗体および その塩と薬理学的に許容され得る担体、 希釈剤もしくは賦形剤とを含むものであ つても良い。 このような医薬組成物は、 経口または非経口投与に適する剤形とし' て提供される。
非経口投与のための組成物としては、 例えば、 注射剤、 坐剤、 ワクチン等が用
いられ、 注射剤は静脈注射剤、 皮下注射剤、 皮内注射剤、 筋肉注射剤、 点滴注射 剤等の剤形を包含しても良い。 このような注射剤は、 公知の方法に従って調整で きる。 注射剤の調整方法としては、 例えば、 上記本発明の抗体またはその塩を通 常注射剤に用いられる無菌の水性液、 または油性液に溶解、 懸濁または乳化する ことによって調製できる。 注射用の水性液としては、 例えば、 生理食塩水、 ブド ゥ糖やその他の補助薬を含む等張液等が用いられ、 適当な溶解補助剤、 例えば、 アルコ一ル (例、 エタノール) 、 ポリアルコール (例、 プロピレングリコール、 ポリエチレングリコール) 、 非イオン界面活性剤 〔例、 ポリソルべ一ト 80、 HC0- 50 (polyoxyethyl ene (50mol) adduc t of hyarogenated cas tor o i l) 〕 等と併 用してもよい。 油性液としては、 例えば、 ゴマ油、 大豆油等が用いられ、 溶解補 助剤として安息香酸ベンジル、 ベンジルアルコール等を併用してもよい。 調製さ れた注射液は、 適当なアンプルに充填されることが好ましい。 直腸投与に用いら れる坐剤は、 上記抗体またはその塩を通常の坐薬用基剤に混合することによって 調製されても良い。
経口投与のための組成物としては、 固体または液体の剤形、 具体的には錠剤
(糖衣錠、 フィルムコーティング錠を含む) 、 丸剤、 顆粒剤、 散剤、 カプセル剤 (ソフトカプセル剤を含む) 、 シロップ剤、 乳剤、 懸濁剤等が挙げられる。 この ような組成物は公知の方法によって製造され、 製剤分野において通常用いられる 担体、 希釈剤もしくは賦形剤を含有していても良い。 錠剤用の担体、 賦形 」とし ては、 例えば、 乳糖、 でんぷん、 蔗糖、 ステアリン酸マグネシウムが用いられる。 上記の非経口用または経口用医薬組成物は、 活性成分の投与量に適合するよう な投薬単位の剤形に調製されることが好都合である。 このような投薬単位の剤形 としては、 例えば、 錠剤、 丸剤、 カプセル剤、 注射剤 (アンプル) 、 坐剤が挙げ られる。 抗体の含有量としては、 投薬単位剤形当たり通常 5〜500mg程度、 とりわ け注射剤では 5〜100mg程度、 その他の剤形では 10〜250mg程度の上記抗体が含有 されていることが好ましい。
本発明の抗体を含有する上記予防 ·治療剤の投与量は、 投与対象、 対象疾患、 症状、 投与ルートなどによっても異なるが、 例えば、 成人の呼吸器疾患の治療の ために使用する場合には、 本発明の抗体を 1回量として、 通常 0. 0】〜20fflg/kg体
重程度、 好ましくは 0. l〜10mg/kg体重程度、 さらに好ましくは 0. l〜5mg/kg体重 程度を、 1日 1〜5回程度、 好ましくは 1日 1〜3回程度、 静脈注射により投与するの が好都合である。 他の非経口投与および経口投与の場合もこれに準ずる量を投与 することができる。 症状が特に重い場合には、 その症状に応じて増量してもよい t 本発明の抗体は、 それ自体または適当な医薬組成物として投与することができ る。 上記投与に用いられる医薬組成物は、 上記抗体またはその塩と薬理学的に許 容され得る担体、 希釈剤もしくは賦形剤とを含むものである。 かかる組成物は、 経口または非経口投与 (例、 血管内注射、 皮下注射など) に適する剤形として提 供される。
なお前記した各組成物は、 上記抗体との配合により好ましくない相互作用を生 じない限り他の活性成分を含有してもよい。
〔7〕 本発明の DNAを有する動物の作出
本発明は、 外来性の本発明のタンパク質をコードする DNA (以下、 本発明の 外来性 DNAと略記する) またはその変異 DNA (本発明の外来性変異 DN Aと 略記する場合がある) を有する非ヒト哺乳動物を提供する。
すなわち、 本発明は、
(1) 本発明の外来性 DNAまたはその変異 DNAを有する非ヒト哺乳動物、
(2) 非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である上記 (1)記載の動物,
(3) ゲッ歯動物がマウスまたはラットである上記 (2) 記載の動物、 および (4) 本発明の外来性 DNAまたはその変異 DNAを含有し、 哺乳動物において 発現しうる組換えべクタ一などを提供する。
本発明の外来性 DNAまたはその変異 DNAを有する非ヒト哺乳動物 (以下、 '本発明の DNA導入動物と略記する) は、 未受精卵、 受精卵、 精子およびその始 原細胞を含む胚芽細胞などに対して、 好ましくは、 非ヒト哺乳動物の発生におけ る胚発生の段階 (さらに好ましくは、 単細胞または受精卵細胞の段階でかつ一般 に 8細胞期以前) に、 リン酸カルシウム法、 電気パルス法、 リポフエクシヨン法、 凝集法、 マイクロインジェクション法、 パーティクルガン法、 DEAE -デキス トラン法などにより目的とする DNAを導入することによって作出することがで
きる。 また、 該 DNA導入方法により、 体細胞、 生体の臓器、 組織細胞などに目 的とする本発明の外来性 DN Aを導入し、 細胞培養、 組織培養などに利用するこ ともでき、 さらに、 これら細胞を上述の胚芽細胞と公知の細胞融合法により融合 させることにより本発明の DN A導入動物を作出する ともできる。
非ヒト哺乳動物としては、 例えば、 ゥシ、 ブ夕、 ヒッジ、 ャギ、 ゥサギ、 ィヌ、 ネコ、 モルモット、 ハムスター、 マウス、 ラットなどが用いられる。 なかでも、 病体動物モデル系の作成の面から個体発生および生物サイクルが比較的短く、 ま た、 繁殖が容易なゲッ歯動物、 とりわけマウス (例えば、 純系として、 C57B LZ6系統, : DBA2系統など、 交雑系として、 B eCSFi系統, BDFi系統, B 6D2 F 系統, BALBZc系統, I CR系統など) またはラット (例えば、 Wi s t a r , SDなど) などが好ましい。
哺乳動物において発現しうる組換えべクタ一における 「哺乳動物」 としては、 上記の非ヒト哺乳動物の他にヒトなどがあげられる。
本発明の外来性 DN Aとは、 非ヒト哺乳動物が本来有している本発明の DN A ではなく、 いったん哺乳動物から単離 ·抽出された本発明の DNAをいう。
本発明の変異 DNAとしては、 元の本発明の DNAの塩基配列に変異 (例えば、 突然変異など) が生じたもの、 具体的には、 塩基の付加、 欠損、 他の塩基への置 換などが生じた DNAなどが用いられ、 また、 異常 DNAも含まれる。
該異常 DN Aとしては、 異常な本発明のタンパク質を発現させる DN Aを意味 し、 例えば、 正常な本発明のタンパク質の機能を抑制するタンパク質を発現させ る DN Aなどが用いられる。
本発明の外来性 DNAは、 対象とする動物と同種あるいは異種のどちらの哺乳 動物由来のものであってもよい。 本発明の D N Aを対象動物に導入するにあたつ ては、 該 DNAを動物細胞で発現させうるプロモーターの下流に結合した DNA コンストラクトとして用いるのが一般に有利である。 例えば、 本発明のヒト DN Aを導入する場合、 これと相同性が高い本発明の DN Aを有する各種哺乳動物 (例えば、 ゥサギ、 ィヌ、 ネコ、 モルモッ卜、 ハムスター、 ラット、 マウスな ど) 由来の DNAを発現させうる各種プロモーターの下流に、 本発明のヒト DN Aを結合した DNAコンストラクト (例、 ベクターなど) を対象哺乳動物の受精
卵、 例えば、 マウス受精卵へマイクロインジェクションすることによって本発明 の DN Aを高発現する DN A導入哺乳動物を作出することができる。
本発明のタンパク質の発現ベクターとしては、 大腸菌由来のプラスミド、 枯草 菌由来のプラスミド、 酵母由来のプラスミド、 λファ一ジなどのパクテリオファ ージ、 モロニ一白血病ウィルスなどのレトロウイルス、 ワクシニアウィルスまた はバキュロウィルスなどの動物ウィルスなどが用いられる。 なかでも、 大腸菌由 来のプラスミド、 枯草菌由来のプラスミドまたは酵母由来のプラスミドなどが好 ましく用いられる。
上記の DN Α発現調節を行なうプロモータ一としては、 例えば、 (i) ウィル ス (例、 シミアンウィルス、 サイトメガロウィルス、 モロニ一白血病ウィルス、 J Cウィルス、 乳癌ウィルス、 ポリオウイルスなど) に由来する DNAのプロモ 一夕一、 (ii) 各種哺乳動物 (ヒト、 ゥサギ、 ィヌ、 ネコ、 モルモット、 ハムス ター、 ラット、 マウスなど) 由来のプロモ一ター、 例えば、 アルブミン、 インス リン I I、 ゥロプラキン I I、 エラス夕一ゼ、 エリスロポエチン、 エンドセリン、 筋クレアチンキナ ゼ、 グリア線維性酸性タンパク質、 ダル夕チオン S—トラン スフエラ一ゼ、 血小板由来成長因子 )3、 ケラチン K1, 10ぉょび1^14、 コ ラーゲン I型および I I型、 サイクリック AMP依存タンパク質キナーゼ /3 Iサ ブュニット、 ジストロフィン、 石酸抵抗性アル力リフォスファターゼ、 心房ナ トリウム利尿性因子、 内皮レセプターチ口シンキナ一ゼ (一般に T i e 2と略さ れる) 、 ナトリウムカリウムアデノシン 3リン酸化酵素 (Na, K— ATP a s e) 、 ニューロフィラメント軽鎖、 メタ口チォネイン Iおよび I IA、 メタロプ ロティナーゼ 1組織インヒビ夕一、 MHCクラス I抗原 (H-2L) 、 H— r a s、 レニン、 ド一パミン /3—水酸化酵素、 甲状腺ペルォキシダーゼ (,TP〇) 、 ポリペプチド鎖延長因子 1ひ (EF- 1 α) 、 βァクチン、 αおよび j3ミオシン 重鎖、 ミオシン軽鎖 1および 2、 ミエリン基礎タンパク質、 チログロブリン、 T hy— 1、 免疫グロブリン、 H鎖可変部 (VNP) 、 血清アミロイド Pコンポ一 ネント、 ミオグロビン、 トロポニン C、 平滑筋ひァクチン、 プレブ口エンケファ リン A、 バソプレシンなどのプロモ一夕一などが用いられる。 なかでも、 全身で 高発現することが可能なサイトメガロウィルスプロモーター、 ヒトポリペプチド
鎖延長因子 1ひ (EF— 1ひ) のプロモー夕一、 ヒトおよびニヮトリ j3ァクチン プロモーターなどが好適である。
上記べクタ一は、 DN A導入哺乳動物において目的とする mRN Aの転写を終 結する配列 (一般にターミネタ一と呼ばれる) を有していることが好ましく、 例 えば、 ウィルス由来および各種哺乳動物由来の各 DNAの配列を用いることがで き、 好ましくは、 シミアンウィルスの SV40タ一ミネ夕一などが用いられる。 その他、 目的とする外来性 DNAをさらに高発現させる目的で各 DNAのスプ ライシングシグナル、 ェンハンサー領域、 真核 DNAのイントロンの一部などを プロモータ一領域の 5' 上流、 プロモーター領域と翻訳領域間あるいは翻訳領域 の 3' 下流 に連結することも目的により可能である。
正常な本発明のタンパク質の翻訳領域は、 ヒトまたは各種哺乳動物 (例えば、 ゥサギ、 ィヌ、 ネコ、 モルモット、 ハムスター、 ラット、 マウスなど) 由来の肝 臓、 腎臓、 甲状腺細胞、 線維芽細胞由来 DNAおよび市販の各種ゲノム DNAラ イブラリーよりゲノム DNAの全てあるいは一部として、 または肝臓、 腎臓、 甲 状腺細胞、 線維芽細胞由来 RNAより公知の方法により調製された相補 DNAを 原料として取得することが出来る。 また、 外来性の異常 DN Aは、 上記の細胞ま たは組織より得られた正常なポリべプチドの翻訳領域を点突然変異誘発法により 変異した翻訳領域を作製することができる。
該翻訳領域は導入動物において発現しうる DNAコンストラクトとして、 前記 のプロモータ一の下流および所望により転写終結部位の上流に連結させる通常の DNA工学的手法により作製することができる。
受精卵細胞段階における本発明の外来性 DN Aの導入は、 対象哺乳動物の胚芽 細胞および体細胞のすべてに存在するように確保される。 D N A導入後の作出動 物の胚芽細胞において、 本発明の外来性 DNAが存在することは、 作出動物の後 代がすべて、 その胚芽細胞および体細胞のすべてに本発明の外来性 DNAを保持 することを意味する。 本発明の外来性 DNAを受け継いだこの種の動物の子孫は その胚芽細胞および体細胞のすべてに本発明の外来性 DN Aを有する。
本発明の外来性正常 DNAを導入した非ヒト哺乳動物は、 交配により外来性 D NAを安定に保持することを確認して、 該 DNA保有動物として通常の飼育環境
で継代飼育することが出来る。
受精卵細胞段階における本発明の外来性 D N Aの導入は、 対象哺乳動物の胚芽 細胞および体細胞の全てに過剰に存在するように確保される。 D N A導入後の作 出動物の胚芽細胞において本発明の外来性 D N Aが過剰に存在することは、 作出 動物の子孫が全てその胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の外来性 D N Aを過 剰に有することを意味する。 本発明の外来性 D NAを受け継いだこの種の動物の 子孫はその胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の外来性 D NAを過剰に有する < 導入 D N Aを相同染色体の両方に持つホモザィゴート動物を取得し、 この雌雄 の動物を交配することによりすべての子孫が該 D N Aを過剰に有するように繁殖 継代することができる。
本発明の正常 D NAを有する非ヒト哺乳動物は、 本発明の正常 D NAが高発現 させられており、 内在性の正常 D N Aの機能を促進することにより最終的に本発 明の夕ンパク質の機能亢進症を発症することがあり、 その病態モデル動物として 利用することができる。 例えば、 本発明の正常 D N A導入動物を用いて、 本発明 のタンパク質の機能亢進症や、 本発明のタンパク質が関連する疾患の病態機序の 解明およびこれらの疾患の治療方法の検討を行なうことが可能である。
また、 本発明の外来性正常 D NAを導入した哺乳動物は、 遊離した本発明の夕 ンパク質の増加症状を有することから、 本発明の夕ンパク質に関連する疾患に対 する治療薬のスクリーニング試験にも利用可能である。
—方、 本発明の外来性異常 D NAを有する非ヒト哺乳動物は、 交配により外来 性 D N Aを安定に保持することを確認して該 D N A保有動物として通常の飼育環 境で継代飼育することが出来る。 さらに、 目的とする外来 D NAを前述のプラス ミドに組み込んで原料として用いることができる。 プロモータ一との D N Aコン ストラク卜は、 通常の D NA工学的手法によって作製することができる。 受精卵 細胞段階における本発明の異常 D N Aの導入は、 対象哺乳動物の胚芽細胞および 体細胞の全てに存在するように確保される。 D N A転移後の作出動物の胚芽細胞 において本発明の異常 D NAが存在することは、 作出動物の子孫が全てその JK芽 細胞および体細胞の全てに本発明の異常 D N Aを有することを意味する。 本発明 の外来性 D N Aを受け継いだこの種の動物の子孫は、 その胚芽細胞および体細胞
の全てに本発明の異常 D N Aを有する。,導入 D N Aを相同染色体の両方に持つホ モザィゴ一卜動物を取得し、 この雌雄の動物を交配することによりすべての子孫 が該 D N Aを有するように繁殖継代することができる。
本発明の異常 D NAを有する非ヒト哺乳動物は、 本発明の異常 D NAが高発現 させられており、 内在性の正常 D N Aの機能を阻害することにより最終的に本発 明のタンパク質の機能不活性型不応症となることがあり、 その病態モデル動物と して利用することができる。 例えば、 本発明の'異常 D NA導入動物を用いて、 本 発明のタンパク質の機能不活性型不応症の病態機序の解明およびこの疾患を治療 方法の検討を行なうことが可能である。
また、 具体的な利用可能性としては、 本発明の異常 D NA高発現動物は、 本発 明のタンパク質の機能不活性型不応症における本発明の異常タンパク質による正 常タンパク質の機能阻害 (dominant negat ive作用) を解明するモデルとなる。 また、 本発明の外来異常 D N Aを導入した哺乳動物は、 遊離した本発明のタン パク質の増加症状を有することから、 本発明のタンパク質またはその機能不活性 型不応症に対する治療薬スクリ一ニング試験にも利用可能である。
また、 上記 2種類の本発明の D N A導入動物のその他の利用可能性として、 例 えば、
(i) 組織培養のための細胞源としての使用、
(i i) 本発明の D NA導入動物の組織中の D NAもしくは R NAを直接分析する、 または D NAにより発現されたポリペプチド組織を分析することによる、 本発明 のタンパク質により特異的に発現あるいは活性化するタンパク質との関連性につ いての解析、
(i i i) D NAを有する組織の細胞を標準組織培養技術により培養し、 これらを 使用して、 一般に培養困難な組織からの細胞の機能の研究、
(iv) 上記 (i i i) 記載の細胞を用いることによる細胞の機能を高めるような薬 剤のスクリーニング、 および
(v) 本発明の変異タンパク質を単離精製およびその抗体作製などが考えられる。 さらに、 本発明の D N A導入動物を用いて、 本発明のタンパク質の機能不活性 型不応症などを含む、 本発明のタンパク質に関連する疾患の臨床症状を調べるこ
とができ、 また、 本発明のタンパク質に関連する疾患モデルの各臓器におけるよ り詳細な病理学的所見が得られ、 新しい治療方法の開発、 さらには、 該疾患によ る二次的疾患の研究および治療に貢献することができる。
また、 本発明の DNA導入動物から各臓器を取り出し、 細切後、 トリプシンな どのタンパク質分解酵素により、 遊離した DN A導入細胞の取得、 その培養また はその培養細胞の系統化を行なうことが可能である。 さらに、 本発明のタンパク 質産生細胞の特定化、 アポトーシス、 分化あるいは増殖との関連性、 またはそれ らにおけるシグナル伝達機構を調べ、 それらの異常を調べることなどができ、 本 発明のタンパク質およびその作用解明のための有効な研究材料となる。
さらに、 本発明の DNA導入動物を用いて、 本発明のタンパク質の機能不活性 型不応症を含む、 本発明のタンパク質に関連する疾患の治療薬の開発を行なうた めに、 上述の検査法および定量法などを用いて、 有効で迅速な該疾患治療薬のス クリーニング法を提供することが可能となる。 また、 本発明の DNA導入動物ま たは本発明の外来性 DN A発現ベクターを用いて、 本発明のタンパク質が関連す る疾患の DN A治療法を検討、 開発することが可能である。
〔8〕 ノックアウト動物
本発明は、 本発明の DNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞および本 発明の DNA発現不全非ヒト哺乳動物を提供する。
すなわち、 本発明は、
(1) 本発明の DNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞、
(2) 該 DNAがレポ一夕一遺伝子 (例、 大腸菌由来の i3—ガラクトシダーゼ遺 伝子) を導入することにより不活性化された上記 (1) 記載の胚幹細胞、
(3) ネオマイシン耐性である上記 (1) 記載の胚幹細胞、
(4) 非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である上記 (1) 記載の胚幹細胞、
(5) ゲッ歯動物がマウスである上記 (4) 記載の胚幹細胞、
(6) 本発明の DNAが不活性化された該 DNA発現不全非ヒト哺乳動物、
(7) 該 DNAがレポーター遺伝子 (例、 大腸菌由来の ]3—ガラクトシダ一ゼ遺 伝子) を導入することにより不活性化され、 該レポーター遺伝子が本発明の DN
Aに対するプロモーターの制御下で発現しうる上記 (6) 記載の非ヒト哺乳動物、
(8) 非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である上記 (6) 記載の非ヒト哺乳動物、
(9) ゲッ歯動物がマウスである上記 (8) 記載の非ヒト哺乳動物、 および
(10) 上記 (7) 記載の動物に、 試験化合物を投与し、 レポ一夕一遺伝子の発 現を検出することを特徴とする本発明の DN Aに対するプロモ一夕一活性を促進 または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
本発明の DNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞とは、 該非ヒト哺乳 動物が有する本発明の DNAに人為的に変異を加えることにより、 DNAの発現 能を抑制するか、 あるいは該 DNAがコードしている本発明のタンパク質の活性 を実質的に喪失させることにより、 DN Aが実質的に本発明のタンパク質の発現 能を有さない (以下、 本発明のノックアウト DNAと称することがある) 非ヒト 哺乳動物の胚幹細胞 (以下、 ES細胞と略記する) をいう。
非ヒト哺乳動物としては、 前記と同様のものが用いられる。
本発明の DNAに人為的に変異を加える方法としては、 例えば、 遺伝子工学的 手法により該 DN A配列の一部又は全部の削除、 他 DNAを挿入または置換させ ることによって行なうことができる。 これらの変異により、 例えば、 コドンの読 み取り枠をずらしたり、 プロモーターあるいはェキソンの機能を破壊することに より本発明のノックァゥト DN Aを作製すればよい。
本発明の DNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞 (以下、 本発明の D NA不活性化 ES細胞または本発明のノックアウト ES細胞と略記する) の具体 例としては、 例えば、 目的とする非ヒト哺乳動物が有する本発明の DNAを単離 し、 そのェキソン部分にネオマイシン耐性遺伝子、 ハイグロマイシン耐性遺伝子 を代表とする薬剤耐性遺伝子、 あるいは l a c Z (]3—ガラクトシダーゼ遺伝 子) 、 c a t (クロラムフェニコ一ルァセチルトランスフエラーゼ遺伝子) を代 表とするレポ一夕一遺伝子等を揷入することによりェキソンの機能を破壊するか、 あるいはェキソン間のイントロン部分に遺伝子の転写を終結させる DNA配列
(例えば、 p o 1 yA付加シグナルなど) を挿入し、 完全な mRNAを合成でき なくすることによって、 結果的に遺伝子を破壊するように構築した D N A配列を 有する DNA鎖 (以下、 夕一ゲッティングベクターと略記する) を、 例えば相同
組換え法により該動物の染色体に導入し、 得られた ES細胞について本発明の D N A上あるいはその近傍の D N A配列をプローブとしたサザンハイブリダイゼ一 シヨン解析あるいは夕一ゲッティングベクタ一上の DN A配列とターゲッティン グベクター作製に使用した本発明の D N A以外の近傍領域の D N A配列をプライ マ一とした PCR法により解析し、 本発明のノックアウト ES細胞を選別するこ とにより得ることができる。
また、 相同組換え法等により本発明の DNAを不活化させる元の ES細胞とし ては、 例えば、 前述のような既に樹立されたものを用いてもよく、 また公知の Evansと Kaufmanの方法に準じて新しく樹立したものでもよい。 例えば、 マウスの ES細胞の場合、 現在、 一般的には 129系の ES細胞が使用されているが、 免 疫学的背景がはつきりしていないので、 これに代わる純系で免疫学的に遺伝的背 景が明らかな ES細胞を取得するなどの目的で例えば、 C 57 BLZ6マウスや C 57 BL/6の採卵数の少なさを DBAZ2との交雑により改善した BDF,マ ウス (C 57 BLZ6と DBAZ2との F を用いて樹立したものなども良好に 用いうる。 BDF1マウスは、 採卵数が多く、 かつ、 卵が丈夫であるという利点に 加えて、 C 57 BL/6マウスを背景に持つので、 これを用いて得られた ES細 胞は病態モデルマウスを作出したとき、 C 57 BLZ 6マウスとバッククロスす ることでその遺伝的背景を C 57 BLZ6マウスに代えることが可能である点で 有利に用い得る。
また、 ES細胞を樹立する場合、 一般には受精後 3.5日目の胚盤胞を使用す るが、 これ以外に 8細胞期胚を採卵し胚盤胞まで培養して用いることにより効率 よく多数の初期胚を取得することができる。
また、 雌雄いずれの ES細胞を用いてもよいが、 通常雄の E S細胞の方が生殖 系列キメラを作出するのに都合が良い。 また、 煩雑な培養の手間を削減するため にもできるだけ早く雌雄の判別を行なうことが望ましい。
ES細胞の雌雄の判定方法としては、 例えば、 PCR法により Y染色体上の性 決定領域の遺伝子を増幅、 検出する方法が、 その 1例としてあげることができる。 この方法を使用すれば、 従来、 核型分析をするのに約 106個の細胞数を要してい たのに対して、 1コロニー程度の ES細胞数 (約 50個) で済むので、 培養初期
における E S細胞の第一次セレクションを雌雄の判別で行なうことが可能であり、 早期に雄細胞の選定を可能にしたことにより培養初期の手間は大幅に削減できる。 また、 第二次セレクションとしては、 例えば、 G—バンデイング法による染色 体数の確認等により行うことができる。 得られる ES細胞の染色体数は正常数の 100%が望ましいが、 樹立の際の物理的操作等の関係上困難な場合は、 ES細 胞の遺伝子をノックアウトした後、 正常細胞 (例えば、 マウスでは染色体数が 2 n = 40である細胞) に再びクローニングすることが望ましい。
このようにして得られた胚幹細胞株は、 通常その増殖性は大変良いが、 個体発 生できる能力を失いやすいので、 注意深く継代培養することが必要である。 例え ば、 STO繊維芽細胞のような適当なフィーダ一細胞上で L I F (1- 1000 OU/ml) 存在下に炭酸ガス培養器内 (好ましくは、 5%炭酸ガス、 95%空 気または 5%酸素、 5%炭酸ガス、 90 %空気) で約 37 °Cで培養するなどの方 法で培養し、 継代時には、 例えば、 トリプシン/ EDTA溶液 (通常 0.001 —0.5%トリプシン/ 0.1 - 5mM EDTA, 好ましくは約 0.1 %トリプシ ン/ ^lmM EDTA) 処理により単細胞化し、 新たに用意したフィーダ一細胞 上に播種する方法などがとられる。 このような継代は、 通常 1一 3日毎に行なう が、 この際に細胞の観察を行い、 形態的に異常な細胞が見受けられた場合はその 培養細胞は放棄することが望まれる。
ES細胞は、 適当な条件により、 高密度に至るまで単層培養するか、 または細 , 胞集塊を形成するまで浮遊培養することにより、 頭頂筋、 内臓筋、 心筋などの 種々のタイプの細胞に分化させることが可能であり 〔M. J. Evans及び M. H.
Kaufman, Nature, 第 292卷、 154頁、 1981年; G. R. Martin Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.、 第 78巻、 7634頁、 1981年; T. C. Doetschman ら、 ジャーナル 'ォ ブ ·ェンブリオロジー 'アンド 'ェクスペリメンタル ·モルフォロジ一、 第 87巻、 27頁、 1985年〕 、 本発明の E S細胞を分化させて得られる本発明の DNA発現不 全細胞は、 インビトロにおける本発明の夕ンパク質の細胞生物学的検討において 有用である。
本発明の DNA発現不全非ヒト哺乳動物は、 該動物の mRNA量を公知方法を 用いて測定して間接的にその発現量を比較することにより、 正常動物と区別する
ことが可能である。
該非ヒト哺乳動物としては、 前記と同様のものが用いられる。
本発明の D NA発現不全非ヒト哺乳動物は、 例えば、 前述のようにして作製し たターゲッティングベクタ一をマウス胚幹細胞またはマウス卵細胞に導入し、 導 入により夕一ゲッティングベクタ一の本発明の D N Aが不活性化された D NA配 列が遺伝子相同組換えにより、 マウス胚幹細胞またはマウス卵細胞の染色体上の 本 ¾明の D NAと入れ換わる相同組換えをさせることにより、 本発明の D NAを ノックアウトさせることができる。
本発明の D N Aがノックアウトされた細胞は、 本発明の D N A上またはその近 傍の D NA配列をプローブとしたサザンハイブリダィゼ一ション解析またはター ゲッティングベクター上の D NA配列と、 ターゲッティングベクタ一に使用した マウス由来の本発明の D N A以外の近傍領域の D N A配列とをプライマ一とした P C R法による解析で判定することができる。 非ヒト哺乳動物胚幹細胞を用いた 場合は、 遺伝子相同組換えにより、 本発明の D NAが不活性化された細胞株をク ローニングし、 その細胞を適当な時期、 例えば、 8細胞期の非ヒト哺乳動物胚ま たは胚盤胞に注入し、 作製したキメラ胚を偽妊娠させた該非ヒト哺乳動物の子宮 に移植する。 作出された動物は正常な本発明の D NA座をもつ細胞と人為的に変 異した本発明の D N A座をもつ細胞との両者から構成されるキメラ動物である。 該キメラ動物の生殖細胞の一部が変異した本発明の D N A座をもつ場合、 この ようなキメラ個体と正常個体を交配することにより得られた個体群より、 全ての 組織が人為的に変異を加えた本発明の D NA座をもつ細胞で構成された個体を、 例えば、 コ一トカラ一の判定等により選別することにより得られる。 このように して得られた個体は、 通常、 本発明のタンパク質のヘテロ発現不全個体であり、 本発明のタンパク質のヘテロ発現不全個体同志を交配し、 それらの産仔から本発 明のタンパク質のホモ発現不全個体を得ることができる。
卵細胞を使用する場合は、 例えば、 卵細胞核内にマイクロインジェクション法 で D N A溶液を注入することによりターゲッティングベクターを染色体内に導入 した卜ランスジエニック非ヒト哺乳動物を得ることができ、 これらのトランスジ エニック非ヒト哺乳動物に比べて、 遺伝子相同組換えにより本発明の D NA座に
変異のあるものを選択することにより得られる。
このようにして本発明の D N Aがノックアウトされている個体は、 交配により 得られた動物個体も該 D NAがノックアウトされていることを確認して通常の飼 育環境で飼育継代を行なうことができる。
さらに、 生殖系列の取得および保持についても常法に従えばよい。 すなわち、 該不活化 D N Aの保有する雌雄の動物を交配することにより、 該不活化 D N Aを 相同染色体の両方に持つホモザィゴート動物を取得しうる。 得られたホモザィゴ ート動物は、 母親動物に対して、 正常個体 1, ホモザィゴート複数になるような 状態で飼育することにより効率的に得ることができる。 ヘテロザィゴ一ト動物の 雌雄を交配することにより、 該不活化 D N Aを有するホモザィゴートおよびへテ ロザィゴ一ト動物を繁殖継代する。
本発明の D N Aが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞は、 本発明の D N A 発現不全非ヒト哺乳動物を作出する上で、 非常に有用である。
また、 本発明の D N A発現不全非ヒト哺乳動物は、 本発明のタンパク質により 誘導され得る種々の生物活性を欠失するため、 本発明のタンパク質の生物活性の 不活性化を原因とする疾病のモデルとなり得るので、 これらの疾病の原因究明及 び治療法の検討に有用である。
〔8 a〕 本発明の D NAの欠損や損傷などに起因する疾病に対して予防 ·治療効 果を有する化合物のスクリ一エング方法
本発明の D NA発現不全非ヒト哺乳動物は、 本発明の D N Aの欠損や損傷など に起因する疾病に対して予防 ·治療効果を有する化合物のスクリ一エングに用い ることができる。
すなわち、 本発明は、 本発明の D NA発現不全非ヒト哺乳動物に試験化合物を 投与し、 該動物の変化を観察'測定することを特徴とする、 本発明の D N Aの欠 損や損傷などに起因する疾病に対して予防 ·治療効果を有する化合物またはその 塩のスクリーニング方法を提供する。
該スクリーニング方法において用いられる本発明の D N A発現不全非ヒト哺乳 動物としては、 前記と同様のものがあげられる。
試験化合物としては、 例えば、 ペプチド、 タンパク質、 非ペプチド性化合物、
合成化合物、 発酵生産物、 細胞抽出液、 植物抽出液、 動物組織抽出液、 血漿など があげられ、 これら化合物は新規な化合物であってもよいし、 公知の化合物であ つてもよい。
具体的には、 本発明の D N A発現不全非ヒト哺乳動物を、 試験化合物で処理し、 無処理の対照動物と比較し、 該動物の各器官、 組織、 疾病の症状などの変化を指 標として試験化合物の予防 ·治療効果を試験することができる。
試験動物を試験化合物で処理する方法としては、 例えば、 経口投与、 静脈注射 などが用いられ、 試験動物の症状、 試験化合物の性質などにあわせて適宜選択す ることができる。 また、 試験化合物の投与量は、 投与方法、 試験化合物の性質な どにあわせて適宜選択することができる。
例えば、 喘息に対して治療効果を有する化合物のスクリーニングをする場合、 本発明の D N A発現不全非ヒト哺乳動物に O V Aおよびアジュバンド含有生理食 塩水を腹腔内注射し、 1週後に OVAおよびアジュバンド含有生理食塩水を腹腔 注射することで感作を行った後、 さらに 1週間後より 7日間連続して O VA溶液 を無麻酔自発呼吸下で吸入させる。 最終抗原吸入の 2 4時間後にアセチルコリン による気道狭窄反応を K o n z e t t - R o s s k e r法を用いて測定すること により気道過敏性の亢進を判定し、 気管支肺胞洗浄液 (B A L F ) 中のマクロフ ァージ、 好酸球、 好中球、 リンパ球およびその他の細胞の割合を計算することに より炎症性細胞の浸潤の状態を判定する。
該スクリーニング方法を用いて得られる化合物は、 上記した試験化合物から選 ばれた化合物であり、 本発明のタンパク質の欠損や損傷などによって引き起こさ れる疾患に対して予防 ·治療効果を有するので、 該疾患に対する安全で低毒性な 予防'治療剤などの医薬として使用することができる。 さらに、 上記スクリー二 ングで得られた化合物から誘導される化合物も同様に用いることができる。
該スクリーニング方法で得られた化合物は塩を形成していてもよく、 該化合物 の塩としては、 生理学的に許容される酸 (例、 無機酸、 有機酸など) や塩基 (例、 アルカリ金属など) などとの塩が用いられ、 とりわけ生理学的に許容される酸付 加塩が好ましい。 この様な塩としては、 例えば、 無機酸 (例えば、 塩酸、 リン酸、 臭化水素酸、 硫酸など) との塩、 あるいは有機酸 (例えば、 酢酸、 ギ酸、 プロピ
オン酸、 フマル酸、 マレイン酸、 コハク酸、 酒石酸、 クェン酸、 リンゴ酸、 蓚酸、 安息香酸、 メタンスルホン酸、 ベンゼンスルホン酸など) との塩などが用いられ る。
該スクリ一ニング方法で得られた化合物またはその塩を含有する医薬は、 前記 した本発明のタンパク質を含有する医薬と同様にして製造することができる。
このようにして得られる製剤は、 安全で低毒性であるので、 例えば、 ヒ卜また はその他の哺乳動物 (例えば、 ラット、 マウス、 モルモット、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブ夕、 ゥシ、 ゥマ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、 対象疾患、 投与対象、 投与ルートなどによ り差異はあるが、 例えば、 該化合物を経口投与する場合、 一般的に成人 (体重
60kgとして) の喘息の患者においては、 一日につき該化合物を約 0. l〜100mg、 好 ましくは約 1. 0〜50mg、 より好ましくは約 1. 0〜20mg投与する。 非経口的に投与す る場合は、 該化合物の 1回投与量は投与対象、 対象疾患などによっても異なるが、 例えば、 該化合物を注射剤の形で通常成人 (体重 60kgとして) の喘息の患者に投 与する場合、 一日につき該化合物を約 0. 01〜30mg、 好ましくは約 0. l〜20mg、 よ り好ましくは約 0. l〜10mgを静脈注射により投与するのが好都合である。 他の動 物の場合も、 体重 60kg当たりに換算した量を投与することができる。
〔8 b〕 本発明の D N Aに対するプロモー夕一の活性を促進または阻害する化合 物のスクリーニング方法
本発明は、 本発明の D N A発現不全非ヒト哺乳動物に、 試験化合物を投与し、 レポ一ター遺伝子の発現を検出することを特徴とする本発明の D NAに対するプ 口モーターの活性を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方 法を提供する。
上記スクリーニング方法において、 本発明の D N A発現不全非ヒト哺乳動物と しては、 前記した本発明の D NA発現不全非ヒト哺乳動物の中でも、 本発明の D N Aがレポーター遺伝子を導入することにより不活性化され、 該レポーター遺伝 子が本発明の D N Aに対するプロモーターの制御下で発現しうるものが用いられ る。
試験化合物としては、 前記と同様のものがあげられる。
レポ一タ一遺伝子としては、 前記と同様のものが用いられ、 β—ガラクトシダ ーゼ遺伝子 ( 1 a c Z) 、 可溶性アルカリフォスファタ一ゼ遺伝子またはルシフ ェラ一ゼ遺伝子などが好適である。
本発明の DNAをレポ一夕一遺伝子で置換された本発明の D N A発現不全非ヒ 卜哺乳動物では、 レポ一ター遺伝子が本発明の DN Aに対するプロモータ一の支 配下に存在するので、 レポ一夕一遺伝子がコ一ドする物質の発現をトレースする ことにより、 プロモー夕一の活性を検出することができる。
例えば、 本発明のタンパク質をコードする D N A領域の一部を大腸菌由来の β 一ガラクトシダ一ゼ遺伝子 ( 1 a c Z) で置換している場合、 本来、 本発明の夕 ンパク質の発現する組織で、 本発明のタンパク質の代わりに jS—ガラクトシダー ゼが発現する。 従って、 例えば、 5—プロモー 4—クロロー 3—インドリル一 ]3 一ガラクトピラノシド (X— g a l) のような ]3—ガラクトシダーゼの基質とな る試薬を用いて染色することにより、 簡便に本発明の夕ンパク質の動物生体内に おける発現状態を観察することができる。 具体的には、 本発明のタンパク質欠損 マウスまたはその組織切片をダルタルアルデヒドなどで固定し、 リン酸緩衝生理 食塩液 (PBS) で洗浄後、 X— g a 1を含む染色液で、 室温または 37°C付近 で、 約 30分ないし 1時間反応させた後、 組織標本を ImM EDTA/PBS 溶液で洗浄することによって、 3—ガラクトシダ一ゼ反応を停止させ、 呈色を観 察すればよい。 また、 常法に従い、 1 a c Zをコードする mRNAを検出しても よい。
上記スクリーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩は、 上記した試 験化合物から選ばれた化合物であり、 本発明の DN Aに対するプロモーター活性 を促進または阻害する化合物である。
該スクリーニング方法で得られた化合物は塩を形成していてもよく、 該化合物 の塩としては、 生理学的に許容される酸 (例、 無機酸など) や塩基 (例、 有機酸 など) などとの塩が用いられ、 とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好まし い。 この様な塩としては、 例えば、 無機酸 (例えば、 塩酸、 リン酸、 臭化水素酸、 硫酸など) との塩、 あるいは有機酸 (例えば、 酢酸、 ギ酸、 プロピオン酸、 フマ ル酸、 マレイン酸、 コハク酸、 酒石酸、 クェン酸、 リンゴ酸、 蓚酸、 安息香酸、
メタンスルホン酸、 ベンゼンスルホン酸など) との塩などが用いられる。
本発明の D N Aに対するプロモー夕一活性を促進する化合物またはその塩は、 本発明のタンパク質の発現を促進し、 該タンパク質の機能を促進することができ るので、 例えば、 呼吸器系疾患 (例、 慢性閉塞性肺疾患 (C0PD) 、 気管支喘息な ど) 、 腎臓疾患 (例、 腎炎、 腎不全、 糸球体腎炎、 糖尿病性腎症、 巣状糸球体硬 化症、 ネフローゼ症候群、 腎性浮腫など) 、 循環器疾患 (例、 心不全、 不整脈な ど) 、 滕臓疾患 (例、 滕炎、 塍嚢胞性線維症などの塍機能不全など) 、 肝臓疾患 (例、 肝硬変、 肝炎、 アルコール性肝臓疾患など) 、 自己免疫疾患 (例、 重症筋 無力症、 多発性硬化症、 シェ一ダレン症候群、 全身性エリテマトーデスなど) 、 アレルギー性疾患 (例、 花粉症、 アレルギー性鼻炎、 アナフィラキシーショック、 アトピー性皮膚炎など) 、 リウマチ性疾患 (例、 慢性関節リウマチ、 変形関節症、 痛風など) 、 胸腺疾患、 免疫不全 (例、 白血球異常、 脾機能不全または胸腺異常 にともなう免疫不全など) 、 筋肉疾患 (例、 筋萎縮症など) または癌 (例、 精巣 腫瘍、 卵巣癌、 乳癌、 食道癌、 肺癌、 腎臓癌、 肝臓癌、 非小細胞肺癌、 前立腺癌、 胃癌、 膀胱癌、 子宮頸部癌、 結腸癌、 直腸癌、 塍臓癌、 胸腺腫など) などの予 防 ·治療剤、 好ましくは呼吸器系疾患、 腎臓疾患などの予防 ·治療剤などの医薬 として有用である。
また、 本発明の D N Aに対するプロモータ一活性を阻害する化合物またはその 塩は、 本発明のタンパク質の発現を阻害し、 該タンパク質の機能を阻害すること ができるので、 例えば、 呼吸器系疾患 (例、 慢性閉塞性肺疾患 (C0PD) 、 気管支 喘息など) 、 腎臓疾患 (例、 腎炎、 腎不全、 糸球体腎炎、 糖尿病性腎症、 巣状糸 球体硬化症、 ネフローゼ症候群、 腎性浮腫など) 、 循環器疾患 (例、 心不全、 不 整脈など) 、 滕臓疾患 (例、 塍炎、 塍嚢胞性線維症などの塍機能不全など) 、 肝 臓疾患 (例、 肝硬変、 肝炎、 アルコール性肝臓疾患など) 、 自己免疫疾患 (例、 重症筋無力症、 多発性硬化症、 シエーダレン症候群、 全身性エリテマトーデスな ど) 、 アレルギー性疾患 (例、 花粉症、 アレルギー性鼻炎、 アナフィラキシーシ ョック、 アトピー性皮膚炎など) 、 リウマチ性疾患 (例、 慢性関節リウマチ、 変 形関節症、 痛風など) 、 胸腺疾患、 免疫不全 (例、 白血球異常、 脾機能不全また は胸腺異常にともなう免疫不全など) 、 筋肉疾患 (例、 筋萎縮症など) または癌
(例、 精巣腫瘍、 卵巣癌、 乳癌、 食道癌、 肺癌、 腎臓癌、 肝臓癌、 非小細胞肺癌、 前立腺癌、 胃癌、 膀胱癌、 子宮頸部癌、 結腸癌、 直腸癌、 塍臓癌、 胸腺腫など) などの予防 ·治療剤、 好ましくは呼吸器系疾患、 腎臓疾患などの予防 ·治療剤な どの医薬として有用である。
さらに、 上記スクリーニングで得られた化合物から誘導される化合物も同様に 用いることができる。 '
該スクリーニング方法で得られた化合物またはその塩を含有する医薬は、 前記 した本発明のタンパク質またはその塩を含有する医薬と同様にして製造すること ができる。
このようにして得られる製剤は、 安全で低毒性であるので、 例えば、 ヒトまた はその他の哺乳動物 (例えば、 ラット、 マウス、 モルモット、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ゥマ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、 対象疾患、 投与対象、 投与ルートなどによ り差異はあるが、 例えば、 本発明の D N Aに対するプロモーター活性を促進する 化合物を経口投与する場合、 一般的に成人 (体重 60kgとして) の喘息患者におい ては、 一日につき該化合物を約 0. l〜100mg、 好ましくは約 1. 0〜50mg、 より好ま しくは約 1. 0〜20mg投与する。 非経口的に投与する場合は、 該化合物の 1回投与 量は投与対象、 対象疾患などによっても異なるが、 例えば、 本発明の D NAに対 するプロモーター活性を促進する化合物を注射剤の形で通常成人 (体重 60kgとし て) の喘息患者に投与する場合、 一日につき該化合物を約 0. 01〜30nig、 好ましく は約 0. l〜20mg、 より好ましくは約 0. l〜10mgを静脈注射により投与するのが好都 合である。 他の動物の場合も、 体重 60kg当たりに換算した量を投与することがで さる。
一方、 例えば、 本発明の D N Aに対するプロモーター活性を阻害する化合物を 経口投与する場合、 一般的に成人 (体重 60kgとして) の喘息患者においては、 一 日につき該化合物を約 0. 1〜100mg、 好ましくは約 1. 0〜50mg、 より好ましくは約 1. 0〜20mg投与する。 非経口的に投与する場合は、 該化合物の 1回投与量は投与 対象、 対象疾患などによっても異なるが、 例えば、 本発明の D NAに対するプロ モーター活性を阻害する化合物を注射剤の形で通常成人 (体重 60kgとして) の喘
息患者に投与する場合、 一日につき該化合物を約 0. 01〜30mg、 好ましくは約 0. 1 〜20mg、 より好ましくは約 0. 1〜10mgを静脈注射により投与するのが好都合であ る。 他の動物の場合も、 体重 60kg当たりに換算した量を投与することができる。 このように、 本発明の D NA発現不全非ヒト哺乳動物は、 本発明の D NAに対 するプロモーターの活性を促進または阻害する化合物またはその塩をスクリー二 ングする上で極めて有用であり、 本発明の D N A発現不全に起因する各種疾患の 原因究明または予防 ·治療薬の開発に大きく貢献することができる。
また、 本発明のタンパク質のプロモーター領域を含有する D NAを使って、 そ の下流に種々のタンパクをコードする遺伝子を連結し、 これを動物の卵細胞に注 入していわゆるトランスジエニック動物 (遺伝子導入動物) を作出すれば、 特異 的にそのポリぺプチドを合成させ、 その生体での作用を検討することも可能とな る。 さらに上記プロモーター部分に適当なレポ一タ一遺伝子を結合させ、 これが 発現するような細胞株を樹立すれば、 本発明のタンパク質そのものの体内での産 生能力を特異的に促進もしくは抑制する作用を持つ低分子化合物の探索系として 使用できる。 本明細書および図面において、 塩基やアミノ酸などを略号で表示する場合、 IUPAC-IUB Commiss ion on Biochemical Nomenc lature による略号あるいは当該 分野における慣用略号に基づくものであり、 その例を下記する。 またアミノ酸に 関し光学異性体があり得る場合は、 特に明示しなければ L体を示すものとする。
D NA デォキシリポ核酸
c D NA 相補的デォキシリポ核酸
A アデニン
T チミン
G グァニン
C
RNA リポ核酸
mR NA メッセンジャーリボ核酸
d AT P デォキシアデノシン三リン酸
dTTP デォキシチミジン三リン酸
dGTP デォキシグアノシン三リン酸
dCTP デォキシシチジン三リン酸
ATP. アデノシン三リン酸
EDTA エチレンジァミン四酢酸
SDS ドデシル硫酸ナトリウム
G 1 y グリシン
A 1 ァラニン
Va 1 バリン
Le u ロイシン
I 1 e イソロイシン
S e r セリン
T r スレオニン
Cy s
Me t メチォニン
G 1 u グルタミン酸
As p ァスパラギン酸
L y s リジン
A r g アルギニン
H i s ヒスチジン
P h e フエ二ルァラニン
Ty r チロシン
T r p 卜リブトフアン
P r o
A s n :ァスパラギン
G i n :グルタミン
pG 1 u : ピログルタミン酸
また、 本明細書中で繁用される置換基、 保護基および試薬を下記の記号で表記 する。
M e 1
. スナノレ
T t?L 4 t- , ナノレ
ID
J3 U • • ノナソ Wレ
n * . つノエ一—ノ ΙΪレ , ^¾ 丄 し : ナァゾリンノー 4 κΚ) 一力ノレ 3ヽ干サ^ ·
丄 ο s : Ρ— 卜 レエノ Λリレノォ一ノレ
CHO Νノレ ノレ
Β ζ 1 : へノンノレ
し 1 2— Β ζ 1 2 , t>—ング D口へノンル
B om : へノンリレオ十ンメ: rノレ
ζ : へノンノレ 千ン /ノレ ^、一ノレ
C 1— : 一クロ口へノンノレ 千ン ノレ ¾ヽ一リレ
r— Ζ : ——ノ 七へノンノレ ンノ Jリレ^ [ヽーリレ
Β ο c tーノ 卜千ン刀ノレ ¾ヽ一ノレ
D JN r : ンー卜口ノエ一ノレ
Τ r t : 卜 Uナル
Bum t—ブトキシメチル
Fmo c : N— 9—フルォレニルメトキシカノレポ二ル
HOB t
HOOB t 3 4—ジヒドロ一 3—ヒドロキシ一 4一才キソ一
1, 2, 3—べンゾトリアジン
HONB : 1-ヒドロキシ- 5-ノルポルネン- 2, 3-ジカルポキシイミド 本願明細書の配列表の配列番号は、 以下の配列を示す。
〔配列番号: 1〕
実施例 1で取得したヒト TCH 1 49タンパク質のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号: 2〕
配列番号: 1で表されるアミノ酸配列を有する TCH 149タンパク質をコ' ドする DN Aの塩基配列を示す。
〔配列番号: 3〕
実施例 1で用いられたプライマー M 13 RVの塩基配列を示す。
〔配列番号: 4〕
実施例 1で用いられたプライマー T 7の塩基配列を示す。
〔配列番号: 5〕
実施例 1で用いられたプライマー A 2の塩基配列を示す。
〔配列番号: 6〕
実施例 1で用いられたプライマー F 1塩基配列を示す。
〔配列番号: 7〕
実施例 1で用いられたプライマー F 2の塩基配列を示す。
〔配列番号: 8〕
実施例 1で用いられたプライマー F 3の塩基配列を示す。
〔配列番号: 9〕
実施例 1で用いられたプライマー F 4の塩基配列を示す。
〔配列番号: 10〕
実施例 1で用いられたプライマー R 1の塩基配列を示す。
〔配列番号: 1 1〕
実施例 1で用いられたプライマー R 2の塩基配列を示す。
〔配 番号 : 12〕
実施例 1で用いられたプライマー R 3の塩基配列を示す。
〔配列番号: 13〕
実施例 1で用いられたプライマー R4の塩基配列を示す。 .
〔配列番号: 14〕
実施例 1で用いられたプライマー R 5の塩基配列を示す。
〔配列番号: 15〕
実施例 1で取得した TCH 149全長遺伝子を含む cDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号: 16〕
実施例 2および実施例 5で用いられたプライマ一 T Fの塩基配列を示す。
〔配列番号: 17〕
実施例 2および実施例 5で用いられたプライマー T Rの塩基配列を示す。
〔配列番号: 18〕
実施例 2および実施例 5で用いられた T a Q M a nプロ一ブ T 1の塩基配列を 示す。
〔配列番号: 19〕
実施例 3で得られたマウス TCH 149遺伝子 c DNAの部分配列の塩基配列 を示す。
〔配列番号: 20〕
実施例 3で用いられたプライマー ml 49 A1の塩基配列を示す。
〔配列番号: 2 1〕
実施例 3で用いられたプライマー m 149 B 1の塩基配列を示す。
〔配列番号: 22〕
実施例 4で用いられたプライマー m 149TFの塩基配列を示す。
〔配列番号: 23〕
実施例 4で用いられたプライマー ml 49 TRの塩基配列を示す。
〔配列番号: 24〕
実施例 4で用いられた T a Q M a nプロ一ブ m 149 T 1の塩基配列を示す。 後述の実施例 1で得られた形質転換体 Escherichia coli DHlOB/pBluescriptR- TCH149は、 大阪府大阪市淀川区十三本町 2丁目 17番 85号 (郵便番号 532- 8686) の 財団法人発酵研究所 (IF0) に 2002年 4月 18日から寄託番号 IF0 16793として、 茨 城県つくば巿東 1丁目 1番地 1 中央第 6 (郵便番号 305- 8566) の独立行政法人産業 技術総合研究所 特許生物寄託センターに 2002年 4月 30日から受託番号 FERM BP- 8033として、 それぞれ寄託されている。 以下に実施例を示して、 本発明をより詳細に説明するが、 これらは本発明の範 囲を限定するものではない。 なお、 大腸菌を用いての遺伝子操作法は、 モレキュ ラー ·クロ一ニング (Molecular cloning)に記載されている方法に従った。
実施例 1 .
ヒト TCH149遺伝子 cDNAの取得
Blast N (Nucleic Acids Res.第 25巻、 3389頁、 1997年) を用いて ESTデータべ ース (dbest) に対してホモロジ一検索を行ったところ、 ァクセシヨン番号 BG701104の配列がヒットした。 この配列に対応するクローン IMAGE:4814675 (ヒ ト海馬ライブラリー由来) を入手した。 これをプライマー DNA 〔プライマー Ml 3RV (配列番号: 3) 、 プライマー T 7 (配列番号: 4) 、 プライマ一 A 2 ( 配列番号: 5) 、 プライマ一 F 1 (配列番号: 6) 、 プライマ一 F 2 (配列番号 : 7) 、 プライマー F 3 (配列番号: 8) 、 プライマ一 F 4 (配列番号: 9) 、 プライマー R 1 (配列番号: 1 0) 、 プライマー R 2 (配列番号: 1 1) 、 プ ライマー R 3 (配列番号卜 2) 、 プライマ一 R4 (配列番号: 13) 、 プライマ 一 R5 (配列番号: 14) 〕 および BigDye Terminator Cycle Sequencing Kit ( アプライドバイオシステムズ社製) を用いて反応を行い、 揷入されている cDNA断 片の塩基配列を DNAシークェンサ一 ABI PRISM 3100 DNAアナライザ (アプライド バイオシステムズ社製) を用いて決定した。 その結果、 該 cDNA断片は 4102個の塩 基配列を有していた (配列番号: 1 5) 。 該 cDNA断片には 535個のアミノ酸配列 (配列番号: 1) がコードされており (配列番号: 2) 、 該アミノ酸配列を含有 するタンパク質を、 ヒ卜 TCH149タンパク質と命名した。
該 cDNA断片を含むプラスミドを有する形質転換体を、 ェシエリヒア ·コリ ( Escherichia coli) DHlOB/pBluescriptR- TCH149と命名した。
Blast P (Nucleic Acids Res., 第 25巻、 3389頁、 1997年) を用いて OWLに対し てホモ口ジー検索を行つたところ、 該 cDNAは有機イオントランスポ一夕ファミリ —に属する新規遺伝子であることが判明した (図 1) 。 図中、 膜貫通領域を TM1 〜12で示した。 ヒトで報告されて有機イオントランスポー夕である 0CTN1 ( Biochem. Biophys. Res. Comraun.、 第 251巻、 586頁、 1998年) とは塩基レベルで 31%、 アミノ酸レベルで 28%の相同性を示し、 該タンパク質は 12回膜貫通型の構 造を有すると推測された。 実施例 2
ヒト TCH149遺伝子産物の組織分布の解析
ヒト TCH149の配列から設計した、 2種のプライマ一 DNA、 プライマー TF (配列番号: 1 6) およびプライマー TR (配列番号: 1 7) と、 TaqManプロ一 ブ T 1 (配列番号: 18) を用いて、 ヒトの各組織 (心臓、 脳、 胎盤、 肺、 肝臓、 骨格筋、 腎臓、 塍齓 脾臓、 胸腺、 前立腺、 精巣、 卵巣、 小腸、 大腸、 末梢血白 血球) の cDNA (Human MTC panel I、 および Human MTC panel II:クロンテック 社製) におけるヒト TCH149の発現量を TaqMan PCRにより測定した。 反応は TaqMan Universal PCR Master Mix (アプライドバイオシステムズ社製) を用いて、 ABI PRISM 7900 sequence detection system (アプライドバイオシステムズ社製) に て最初 50°C2分間、 さらに 95°C10分間おいた後で、 95°Cで 15秒、 60°Cで 1分を 1反 応サイクルとして 40サイクル繰り返し、 同時に検出を行った。
結果を図 2に示す。
ヒト TCH149遺伝子産物 (niRNA) は肝臓、 骨格筋、 脾臓、 胸腺、 前立腺、 精巣、 卵巣、 小腸で僅かに、 また心臓、 塍臓、 末梢血白血球でも若干の発現が見られ肺、 腎臓で比較的強い発現が見られ、 胎盤で最も強い発現を示した。 実施例 3
マウス TCH149遺伝子の部分配列の同定
2種のプライマ一 DM、 プライマー mi49Al (配列番号: 20) およびプライマ一 1H149B1 (配列番号: 21) を用いて、 マウス精巣 Marathon- Ready cDNA (クロンテ ック社製) に対して、 Advantage 2 DNA Polymerase (クロンテック社製) により、 以下の条件(1)〜(5)で PCRを行つた。
(1) 95t i分間
(2) 95で 30秒間一 68°C 3分間を 35サイクル
(3) 68 3分間
得られた増幅産物をゲル電気泳動後、 約 0.7kbの断片を切り出し、 QIAquick Gel Extraction Kit (キアゲン社製) を用いて精製し、 これをプライマ一 ml49Al
(配列番号: 20) 、 プライマー m 9Bl (配列番号.: 21) および BigDye
Terminator Cycle Sequencing Kit (アプライドバイオシステムズ社製) を用い て反応を行い、 PCR増幅産物の塩基配列を DNAシークェンサ一 ABI PRISM 3100 DNA
アナライザ (アプライドバイオシステムズ社製) を用いて決定した。
その結果、 配列番号: 19で表される 679個の塩基配列を有するマウス TCH149遺 伝子 cDNAの部分配列を同定した。 実施例 4
マウス TCH149遺伝子産物の 7週齢 BALB/cマウスにおける組織分布の解析
( 1 ) 正常マウス各組織の cDNAの調製
7週齢 BALB/cマウスの各組織 〔大脳、 小脳、 海馬、 延髄、 脊髄、 坐骨神経、 皮 膚、 骨格筋、 眼球、 心臓、 肺、 気管、 膝臓、 腎臓、 肝臓、 前胃、 後胃、 十二指腸、 空回腸、 盲腸、 結腸、 直腸、 脾臓、 胸腺、 骨髄、 卵巣、 子宮、 前立腺、 精巣
(卵巣および子宮は雌から、 それ以外は雄から、 各 1〜10匹分を採取) 〕 より、 IS0GEN (二ツボンジーン社製) または RNeasy Mini Ki t (キアゲン社製) を用い て total RNAを調製した。 調製した tot al RNAに対して TaqMan Reverse
Transcr ipt i on Reagents (アプライドバイオシステムズ社製) を用いて逆転写反 応を行い cDNAを調製した。
( 2 ) マウス TCH149遺伝子産物の組織分布の解析
配列番号: 19で表される塩基配列から設計した、 2種のプライマー DM、 プライ マー ml49TF (配列番号: 22) およびプライマ一 ml49TR (配列番号: 23) と、 TaqMariプローブ JH149T1 (配列番号: 24) とを用いて、 上記のマウス各組織の cDNA におけるマウス TCH149の発現量 (コピー数) を TaqMan PCRにより測定した。 同じ cDNAについて TaqMan rodent GAPDH cont ro l reagent s (アプライドバイオシステ ムズ社製) を用いて rodent glyceraldehi de - 3 - phosphate dehydrogenase
(GAPDH)の発現量 (コピー数) も測定した。 反応は TaqMan Universal PCR Mas ter Mix (アプライドバイオシステムズ社製) を用いて、 ABI PRISM 7900 sequence detec t i on sys tem (アプライドバイオシステムズ社製) にて最初 50で2分間、 さ らに 95°C 10分間おいた後で、 95°Cで 15秒、 60°Cで 1分を 1反応サイクルとして 40サ ィクル繰り返し、 同時に検出を行った。
結果を図 3に示す。
マウス TCH149遺伝子産物 (mRNA) は 7週齢 BALB/cマウスの各組織においては、
骨髄、 大脳、 小脳、 延髄、 脊髄、 海馬、 肝臓、 肺、 滕臓、 後胃、 胸腺、 眼球、 脾 臓、 子宮、 十二指腸、 腎臓、 前立腺、 前胃、 直腸、 気管、 結腸、 盲腸、 空回腸、 卵巣、 坐骨神経で僅かな発現が見られ、 皮膚で若干の発現が見られ、 精巣で最も 高い発現が見られた。 実施例 5
ヒト TCH149遺伝子の市販正常ヒト細胞における発現解析
( 1 ) 正常ヒト細胞 cDNAの調製
正常ヒト細胞は Cambrex Bi osci ence Walkersvi l l社製品を購入し、 製品添付の 使用説明書記載の方法に従って培養した。 実験に使用した細胞と各々の細胞の培 養に用いた培地を表 1に示す。
〔表 1〕
No. 細胞名 培地
1 臍帯静脈血管内皮細胞 CC- 2517 ブレツトキット EGM CC-3124
2 大動脈血管内皮細胞 CC-2535 ブレットキット EGM- 2 CC-3162
3 冠状動脈血管内皮細胞 CC- 2585 ブレットキット EGM-2MV CC-3202
4 大動脈平滑筋細胞 CC-2571 ブレットキット SmGM- 2 CC- 3182
5 冠状動脈平滑筋細胞 CC-2583 ブレットキット SmGM-2 CC- 3182
6 子宮平滑筋細胞 CC- 2562 ブレットキット SmGM-2 CC- 3182
7 気管支平滑筋細胞 CC- 2576 ブレットキット SmGM-2 CC-3182
8 骨格筋衛星細胞 CC- 2561 ブレットキット SkGM CC- 3160
9 乳腺上皮細胞 CC- 2551 ブレットキット MEGM CC- 3150
10 気管支上皮細胞 (RA添加) CC- 2540 ブレットキット SAGM CC- 3118
11 気管支上皮細胞 (RA無添加) CC-2541 ブレットキット SAGM CC- 3118
12 肺繊維芽細胞 CC- 2512 ブレットキット FGM- 2 CC- 3132
13 腎臓近位尿細管上皮細胞 CC-2553 ブレットキット REGM CC- 3190
14 メサンギゥム細胞 CC- 2559 ブレットキット MsGM CC-3146
15 腎臓皮質上皮細胞 CC- 2554 ブレットキット REGM CC- 3190
16 間葉系幹細胞 Π- 2501 ブレットキット MSCGM PT-3001
17 膝関節軟骨細胞 CC- 2550 ブレットキット CGM CC-3216
18 骨芽細胞 CC- 2538 ブレットキット OGM CC-3207
各細胞を 75 cm2培養フラスコにサブコンフルェントになるよう培養して、 トリプ シン- EDTA処理により細胞を回収した。 回収した細胞から、 IS0GEN (二ツボンジ —ン社製) 、 または RNeasy Mini Ki t (キアゲン社製) を用いて to tal RNAを調製 した (いずれの場合も DNase処理により混入 DNAを除去した) 。 調製した tot al RNA に対して TaqMan Reverse Transcr ipt i on Reagent s (アプライドバイオシス テムズ社製) を用いて逆転写反応を行い cDMを調製した。
( 2 ) ヒト TCH149遺伝子の市販正常ヒト細胞における発現解析
上記の各 cDMにおける発現量 (Ct値) を、 実施例 2で用いられたプライマ一 TF
(配列番号: 16) 、 プライマー TR (配列番号: 17) および TaqManプローブ T 1 (配列番号: 18) とを用いて TaqMan PCRにより測定した。 同じ cDNAについて
TaqMan GAPDH cont ro l reagents (アプライドバイオシステムズ社製) を用いて glyceral dehi de-3-phosphate dehydrogenase (GAPDH)の発現量 (Ct値) も測定し た。 反応は TaqMan Universal PCR Mas ter Mix (アプライドバイオシステムズ社 製) を用いて、 ABI PRISM 7900 sequence detec t ion sys tem (アプライドバイオ システムズ社製) にて最初 5(TC2分間、 さらに 95°C 10分間おいた後で、 95°Cで 15 秒、 60°Cで 1分を 1反応サイクルとして 40サイクル繰り返し、 同時に検出を行った, 以上の方法で得た測定値をもとにして、 TCH149遺伝子の GAPDHに対する相対的 発現量を次式に従つて算出した。
相対的発現量 = 1 Z 2 A_B
上記式において、 Aはヒト TCH149遺伝子の Ct値を、 Bは GAPDH遺伝子の Ct値を それぞれ表す。
結果を図 4に示す。
ヒト TCH149は大動脈平滑筋細胞、 冠状動脈平滑筋細胞、 子宮平滑筋細胞、 気管 支平滑筋細胞、 骨格筋衛星細胞、 メサンギゥム細胞、 間葉系幹細胞、 膝関節軟骨 細胞、 骨芽細胞で若干の発現が見られ、 乳腺上皮細胞、 気管支上皮細胞 (RA添 カロ) 、 気管支上皮細胞 (RA無添加) 、 腎臓近位尿細管上皮細胞、 腎臓皮質上皮細 胞で強い発現が見られ、 肺繊維芽細胞で最も高い発現が見られた。 産業上の利用可能性
本発明のタンパク質、 ポリヌクレオチドおよび抗体などは、 例えば、 呼吸器系 疾患 (例、 慢性閉塞性肺疾患 (C0PD) 、 気管支喘息など) 、 腎臓疾患 (例、 腎炎、 腎不全、 糸球体腎炎、 糖尿病性腎症、 巣状糸球体硬化症、 ネフローゼ症候群、 腎 性浮腫など) 、 循環器疾患 (例、 心不全、 不整脈など) 、 滕臓疾患 (例、 塍炎、 塍嚢胞性線維症などの鹧機能不全など) 、 肝臓疾患 (例、 肝硬変、 肝炎、 アルコ ール性肝臓疾患など) 、 自己免疫疾患 (例、 重症筋無力症、 多発性硬化症、 シ工 一ダレン症候群、 全身性エリテマトーデスなど) 、 アレルギ一性疾患 (例、 花粉 症、 アレルギ一性鼻炎、 アナフィラキシーショック、 アトピー性皮膚炎など) 、 リウマチ性疾患 (例、 慢性関節リウマチ、 変形関節症、 痛風など) 、 胸腺疾患、 免疫不全 (例、 白血球異常、 脾機能不全または胸腺異常にともなう免疫不全な ど) 、 筋肉疾患 (例、 筋萎縮症など) または癌 (例、 精巣腫瘍、 卵巣癌、 乳癌、 食道癌、 肺癌、 腎臓癌、 肝臓癌、 非小細胞肺癌、 前立腺癌、 胃癌、 膀胱癌、 子宮 頸部癌、 結腸癌、 直腸癌、 塍臓癌、 胸腺腫など) などの診断マ一力一等として有 用である。 該タンパク質、 ポリヌクレオチドまたは抗体などを用いるスクリ一二 ング法により得られる該タンパク質の活性を促進または阻害する化合物、 該夕ン パク質遺伝子の発現を促進または阻害する化合物、 該タンパク質の発現を促進ま たは阻害する化合物などは、 例えば、 呼吸器系疾患 (例、 慢性閉塞性肺疾患
(C0PD) 、 気管支喘息など) 、 腎臓疾患 (例、 腎炎、 腎不全、 糸球体腎炎、 糖尿 病性腎症、 巣状糸球体硬化症、 ネフローゼ症候群、 腎性浮腫など) 、 循環器疾患 (例、 心不全、 不整脈など) 、 勝臓疾患 (例、 塍炎、 塍嚢胞性線維症などの塍機 能不全など) 、 肝臓疾患 (例、 肝硬変、 肝炎、 アルコール性肝臓疾患など) 、 自 己免疫疾患 (例、 重症筋無力症、 多発性硬化症、 シエーダレン症候群、 全身性ェ リテマト一デスなど) 、 アレルギー性疾患 (例、 花粉症、 アレルギー性鼻炎、 ァ ナフイラキシーショック、 アトピ一性皮膚炎など) 、 リウマチ性疾患 (例、 慢性 関節リウマチ、 変形関節症、 痛風など) 、 胸腺疾患、 免疫不全 (例、 白血球異常、 脾機能不全または胸腺異常にともなう免疫不全など) 、 筋肉疾患 (例、 筋萎縮症 など) または癌 (例、 精巣腫瘍、 卵巣癌、 乳癌、 食道癌、 肺癌、 腎臓癌、 肝臓癌、 非小細胞肺癌、 前立腺癌、 胃癌、 膀胱癌、 子宮頸部癌、 結腸癌、 直腸癌、 滕臓癌、 胸腺腫など) などの予防 ·治療剤、 好ましくは呼吸器系疾患、 腎臓疾患などの予
防 ·治療剤などとして使用することができる。