ビニル系重合体の製造方法、 ビニル系重合体及ぴ硬化性組成物 技術分野
本発明はビニル系重合体の製造方法、 ビニル系重合体及び硬化性組成物に関す る。 背景技術
精密重合の一つであるリビング重合は分子量 ·分子量分布の制御等が可能であ り、 末端官能性ポリマー、 ブロックポリマー、 グラフトポリマー等の様々な機能 性材料を製造するために利用される。 リ.ビング重合の一つである原子移動ラジカ ル重合はビュル系モノマーの選択性が広くかつ温和な条件で重合可能であること 力^特に利用価値が高い。 例えば原子移動ラジカル重合の一例として、 有機ハロ ゲン化物又はハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、 周期律表第 8族、 9族、 1 0族、 または 1 1族元素を中心金属とする金属錯体を触媒とする重合系が挙げら れる Of列 ば、 Ma t y j a s z ew s k iら、 J. Am. C h e m. S o c . 1995, 1 1 7, 5614, Ma c r omo l e c u l e s 1995, 28, 790 1, S c i e n c e 1996, 272, 866、 あるいは S a w a m o t oら、 Ma c r omo l e c u l e s 1995, 28, 1 721を参照) 。 これらの重合法により製造されるビニル系重合体は重合体末端にハロゲンを有す ることを特徴とする。
ハロゲン含有ビニル系重合体は様々な機能性材料の製造中間体等として利用さ れるが、 重合体に残存するハロゲンが問題となる場合がある。 例えば、 (1) ハ ロゲンに由来する遊離酸による製品の品質、 製造設備等へ悪影響、 (2) 炭素一 ハロゲン結合の熱的な解離によるラジカル発生を起因とする分子量 ·分子量分布 の増大、 等が起こる。 従って原子移動ラジカル重合を利用して製造されるビュル 系重合体のハ口ゲンを何らかの方法でビエル系重合体中から除去することが必要 である。
一方、 反応性官能基を分子内に複数個有するビニル系重合体は適当な架橋剤を
用いて架橋させることにより硬化物を与える。 特に末端に選択的に反応性官能基 を有するビニル系重合体は架橋点間分子量が大きく、 ゴム弾性に優れた硬化物を 与えるため、 各種材料に使用される。 原子移動ラジカル重合により末端にハロゲ ンを有するビニル系重合体を製造し、 末端ハロゲンの反応性を利用して反応性官 能基をビュル系重合体の末端に導入することができる (特開平 1 1—08025 0号公報、 特開平 1 1— 005815号公報、 特開平 09— 27271 5号公報、 特開 2000— 38404号公報、 特開 2000— 44626号公報、 特開 20 00-128924号公報等) 。
反応性官能基を有する処理剤によりハロゲンを置換して官能基導入を行う方法 (特開平 1 1— 080250号公報、 特開平 1 1— 005815号公報、 特開平 09-27271 5号公報、 特開 2000— 38404号公報等、 特開 2000
- 1 28924号公報) は、 官能基導入とハロゲン処理を同時に実施することが できるが、 処理剤が限定されるとともに処理剤の除去工程が新たに必要である。 反応性官能基を併せ持つエチレン性不飽和基含有化合物をハロゲン末端に反応 させる方法 (特開 2000— 44626号公報) は簡便に官能基を導入すること ができるという利点はあるものの、 重合体中にハロゲンが残存する。 本発明者ら はハロゲンの処理方法としてォキシァニオン化合物による処理法 (特開 2000
- 344831号公報) を開発した。 該発明によれば、 ビュル系重合体末端のハ ロゲンを容易に処理することができる。 し力 し、 該発明を利用して製造されるシ リル基を有するビニル系重合体は長期貯蔵安定性が悪く、 長期貯蔵安定性を改善 するためにはハ口ゲン処理後に大量の吸着剤で精製する必要があることが判明し た。
原子移動ラジカル重合により製造されるビニル系重合体のハロゲン処理法とし て特定の処理剤による重合系中での付加 ·脱離反応を利用した方法 (WO 99/ 54365号公報) が開示されているが、 処理剤が限定されるため、 官能基導入 が容易でない。 また、 脱離により遊離酸が発生する。 発明の要約
そこで本発明はこれらの課題を解決し、 経済的かつ効率的に、 原子移動ラジカ
ル重合を利用して製造されるハロゲン含有ビニル系重合体を脱ハロゲン化して、 ハロゲン量を低減したビュル系重合体を製造する方法、 及ぴ、 それによつて製造 されるビニル系重合体を提供するものである。
本発明は、 ビュル系モノマーの原子移動ラジカル重合を利用して製造されるハ 口ゲン含有ビュル系重合体を 1 4 0 °C以上 2 5 0 °C以下の温度で加熱することで 脱ハロゲン化を行うことを特徴とする、 1 k g中のハロゲン原子の量が 1 , 0 0 O m g以下であるビニル系重合体を製造する方法に関する。
また本発明は、 当該製造方法により得られるビュル系重合体にも関する。 また本発明は、 当該ビニル系重合体を含有するヒドロシリル化反応性硬化性組 成物にも関する。
また本発明は、 上記製造方法により得られ、 エチレン性不飽和基を有するビニ ル系重合体にヒドロシリル基含有化合物を反応させることにより得られる、 分子 内にシリル基を有するビュル系重合体にも関する。
また本発明は、 当該分子内にシリル基を有するビュル系重合体を含有する硬化 性組成物にも関する。
さらに本発明は、 原子移動ラジカル重合により得られるビュル系重合体中の一 般式 (C) で表される基のハロゲンを、 分析機器で検出可能な基を有する力ルポ ン酸塩により置換した後、 上記検出可能な基を分析機器で定量することを特徴と する、 上記ビニル系重合体 1分子当たりに存在する一般式 (C) で表される基の 個数の定量方法。
- C (R 5 0) (C O 2 R 5 1) - X (C)
(式中、 Xは塩素、 臭素又はヨウ素を示す。 R 5 °は水素原子又は炭素数 1〜1
0の有機基を示す。 R 5 1は水素原子、 炭素数 1〜2 0の有機基又はアルカリ金 属原子を示す。 ) にも関する。
さらに本発明は、 原子移動ラジカル重合により得られるビュル系重合体中の一 般式 (C) で表される基のハロゲンを、 分析機器で検出可能な基を有するカルボ ン酸塩により置換した後、 上記検出可能な基を分析機器で定量することを特徴と する、 上記ビニル系重合体単位重量当たりに存在する一般式 (C) で表される基 の量の定量方法にも関する。
以下に本発明を詳述する。 発明の詳細な開示
本発明は原子移動ラジカル重合を利用して製造されるハロゲン含有ビュル系重 合体 (以下、 ハロゲン含有ビュル系重合体ともいう) を脱ハロゲン化して、 ハロ ゲン量を低減したビニル系重合体を製造する方法である。
まず始めに原子移動ラジカル重合について詳述する。
本発明における原子移動ラジカル重合とは、 リビングラジカル重合の一つであ り、 有機ハロゲン化物又はハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、 遷移金属を中 心金属とする金属錯体を触媒としてビュル系モノマーをラジカル重合する方法で ある。 原子移動ラジカル重合法は分子量 ·分子量分布の制御が可能であり、 重合 末端にハ口ゲンを導入することも可能であることから、 ハロゲン含有ビュル系重 合体の製造方法に最も適している。 原子移動ラジカル重合について具体的に説明 する。
原子移動ラジカル重合は例えば、 Ma t y j a s z e w s k iら、 ジャーナル •ォブ ·アメリカン ·ケミカル ·ソサエティ一 ( J . Am. C h em. S o c . ) 1 9 9 5年、 1 1 7卷、 5 6 1 4頁、 マクロモレキューノレズ (Ma c r omo l e c u l e s ) 1 9 9 5年、 2 8卷、 7 9 0 1頁, サイエンス (S c i e n c e) 1 9 9 6年、 2 7 2卷、 8 6 6頁、 WO 9 6/3 04 2 1号公報, WO 9 7 / 1 8 24 7号公報、 WO 9 8/0 1 4 8 0号公報, WO 9 8/404 1 5号公 幸艮、 あるレヽは S a w a mo t oら、 マク口モレキュー/レズ (Ma c r omo l e c u l e s ) 1 9 9 5年、 2 8卷、 1 7 2 1頁、 特開平 9— 2 0 8 6 1 6号公報、 特開平 8— 4 1 1 1 7号公報などが挙げられる。
この原子移動ラジカル重合では、 有機ハロゲン化物、 特に反応性の高い炭素一 ハロゲン結合を有する有機ハロゲン化物 (例えば、 α位にハロゲンを有するカル ボニル化合物や、 ベンジル位にハ口ゲンを有する化合物) 、 あるいはハロゲン化 スルホニル化合物等が開始剤として用いられる。 具体的に例示するならば、 C6H5— CH2X、 C6H5 - C (H) (X) CH3、
C6H5— C (X) (CH3) 2
(各式中、 C6H5はフエ-ル基、 Xは塩素、 臭素、 またはヨウ素) R3— C (H) (X) — CO2R4、
R3— C (CH3) (X) - C02R4、
R3— C (H) (X) — C (O) R
R3— C (CH3) (X) — C (O) R4、
(各式中、 R3、 R4は水素原子または炭素数 1〜20のアルキル基、 ァリール 基、 またはァラルキル基、 Xは塩素、 臭素、 またはヨウ素)
R3— C6H4— S 02X
(式中、 R3は水素原子または炭素数 1〜20のアルキル基、 ァリール基、 また はァラルキル基、 Xは塩素、 臭素、 またはヨウ素)
等が挙げられる。
有機ハロゲン化物又はハ口ゲン化スルホニル化合物を開始剤としてビュル系モ ノマーの原子移動ラジカル重合を行うことにより、 一般式 (A) で表される基を 末端に有するビュル系重合体が得られる。
-C (R1) (R2) (X) (A)
(式中、 R 1及び R 2はビュル系モノマーのェチレン性不飽和基に結合した基を 示す。 Xは塩素、 臭素又はヨウ素を示す。 )
原子移動ラジカル重合の開始剤として、 重合を開始する官能基とともに重合を 開始しない特定の反応性官能基を併せ持つ有機ハロゲン化物又はハロゲン化スル ホニル化合物を用いることもできる。 このような場合、 一方の主鎖末端に特定の 反応性官能基を、 他方の主鎖末端に一般式 (A) で表される基を有するビニル系 重合体が得られる。 このような特定の反応性官能基としては、 アルケニル基、 架 橋性シリル基、 ヒドロキシル基、 エポキシ基、 アミノ基、 アミド基等が挙げられ る。 これらの反応性官能基の反応性を利用して一段階又は数段階の反応を経るこ とによりビュル系重合体に他の適当な官能基を導入することができる。
アルケニル基を有する有機ハロゲン化物としては限定されず、 例えば、 一般式
(2) に示す構造を有するものが例示される。
R6R7C (X) 一 R8— R9— C (R5) =CH2 (2)
(式中、 R5は水素、 またはメチル基、 R6、 R7は水素、 または、 炭素数 1〜2
0の 1価のアルキル基、 ァリール基、 またはァラルキル基、 または他端において 相互に連結したもの、 R8は、 一 C (O) O— (エステル基) 、 一 C (O) — ( ケト基) 、 または o—, m—, p—フエ二レン基、 R9は直接結合、 または炭素 数 1〜20の 2価の有機基で 1個以上のエーテル結合を含んでいても良い、 Xは 塩素、 臭素、 またはヨウ素)
置換基 R6、 R 7の具体例としては、 水素、 メチル基、 ェチル基、 n—プロピ ル基、 イソプロピル基、 プチル基、 ペンチル基、 へキシル基等が挙げられる。 R 6と R 7は他端において連結して環状骨格を形成していてもよい。
一般式 (2) で示される、 アルケニル基を有する有機ハロゲン化物の具体例と しては、
XCH2C (O) O (CH2) nCH二 CH2、
H3CC (H) (X) C (O) O (CH2) nCH = CH2、
CH3CH2C (H) (X) C (O) O (CH2) nCH = CH2、
(上記の各式において、 Xは塩素、 臭素、 またはヨウ素、 nは 0〜20の整数) XCH2C (O) O (CH2) nO (CH2) mCH=CH2、
H3CC (H) (X) C (O) O (CH2) nO (CH2) mCH=CH2、
(H3C) 2C (X) C (O) O (CH2) nO (CH2) mCH=CH2、
CH3CH2C (H) (X) C (O) O (CH2) nO (CH2) mCH=CH2、
C02(CH2)n-0-(CH2)m-CH=CH2
(上記の各式において、 Xは塩素、 臭素、 またはヨウ素、 nは 1〜20の整数、 mは 0〜2 0の整数)
o , m, p -XCH2-C6H4- (CH2) n— CH=CH2、
o, m, p -CH3C (H) (X) — C6H4— (CH2) n— CH=CH2、 o , m, p— CH3CH2C (H) (X) — C6H4— (CH2) n— CH=CH2、 (上記の各式において、 Xは塩素、 臭素、 またはヨウ素、 nは 0〜20の整数) o, m, p -XCH2-C6H4- (CH2) n— O— (CH2) m— CH=CH2、 o, m, p -CH3 C (H) (X) 一 C6H4― (CH2) n— O— (CH2) m— CH = CH2、
o , m, p— CH3 CH2 C (H) (X) — C6H4— (CH2) n— O— (CH2 ) raCH=CH2、
(上記の各式において、 Xは塩素、 臭素、 またはヨウ素、 nは 1〜2 0の整数、 mは 0〜2 0の整数)
o, m, p -XCH2-C6H4-0- (CH2) n— CH=CH2、
o, m, p -CH3C (H) (X) 一 C6H4— O— (CH2) n— CH=CH2、 o , m, p -CH3CH2C (H) (X) — C6H4_0_ (CH2) n-CH=C H2、
(上記の各式において、 Xは塩素、 臭素、 またはヨウ素、 nは 0〜2 0の整数) o , m, p— XCH2— C6H4— O— (CH2) n— 0— (CH2) m— CH = C ti2、
o, m, p -CH3C (H) (X) — C6H4— O— (CH2) n— O— (CH2) m— CH=CH2、
o , m, p -CH3CH2C (H) (X) — C6H4— O— (CH2) n— O— (C H2) m-CH=CH2,
(上記の各式において、 Xは塩素、 臭素、 またはヨウ素、 nは 1〜2 0の整数、 mは 0〜2 0の整数)
アルケニル基を有する有機ハロゲン化物としてはさらに一般式 (3) で示され る化合物が挙げられる。
H2C = C (R5) — R9— C (R6) (X) — R1。一 R7 (3)
(式中、 R5、 R6、 R7、 R9、 Xは上記に同じ、 R1。は、 直接結合、 一 C (O ) O— (エステル基) 、 一C (O) 一 (ケト基) 、 または、 o—, m—, p—フ ェニレン基を表す)
R 8は直接結合、 または炭素数 1〜 20の 2価の有機基 (1個以上のエーテル 結合を含んでいても良い) であるが、 直接結合である場合は、 ハロゲンの結合し ている炭素にビュル基が結合しており、 ハロゲン化ァリル化物である。 この場合 は、 隣接ビュル基によって炭素一ハロゲン結合が活性化されているので、 R1Q として。 (O) O基やフエ二レン基等を有する必要は必ずしもなく、 直接結合で あってもよい。 R 9が直接結合でない場合は、 炭素一ハロゲン結合を活性化する ために、 R1。としては C (O) O基、 C (O) 基、 フエ二レン基が好ましい。 一般式 (3) の化合物を具体的に例示するならば、
し I^^^Criし 1^ 2 ^~、
O rl Q— C ( C H ^ ) C ί 9
CH2 = CHC (H) (X) CH3、 CH2 = C (CH3) C (H) (X) CH3、 CH2 = CHC (X) (CH3) 2、 CH2 = CHC (H) (X) C2H5、
CH2 = CHC (H) (X) CH (CH3) 2、
CH2 = CHC (H) (X) C6H5、 CH2 = CHC (H) (X) CH2C6H5、
CH2 = CHCH2C (H) (X) — C02R、
CH2 = CH (CH2) 2C (H) (X) — C02R、
CH2 = CH (CH2) 3C (H) (X) 一 CO2R、
CH2 = CH (CH2) 8C (H) (X) 一 CO2R、
CH2 = CHCH2C (H) (X) — C6H5、
CH2 = CH (CH2) 2C (H) (X) — C6H5、
CH2 = CH (CH2) 3C (H) (X) 一 C6H5、
(上記の各式において、 Xは塩素、 臭素、 またはヨウ素、 Rは炭素数 1〜20の アルキル基、 ァリール基、 ァラルキル基)
等を挙げることができる。
アルケニル基を有するハロゲン化スルホニル化合物の具体例を挙げるならば、 o—, m—, p— CH。 = CH— (CH2) n— C6H4— SO2X、
o—, m— , p -CH2 = CH- (CH2) n— O— C 6H4— S O 2 X、 (上記の各式において、 Xは塩素、 臭素、 またはヨウ素、 nは 0〜20の整数) 等である。
上記架橋性シリル基を有する有機ハロゲン化物としては特に限定されず、 例え ば一般式 (4) に示す構造を有するものが例示される。
R6R7C (X) -R8-R9-C (H) (R5) CH2— [S i ( 11) 2_b (Y ) tO] m-S i (R12) 3— a (Y) a (4)
(式中、 R5、 R6、 R7、 R8、 R9、 Xは上記に同じ。 I 11、 R12は、 いずれ も炭素数 1〜20のアルキル基、 ァリール基、 ァラルキル基、 または (R, ) 3 S i O_ (R' は炭素数 1〜 20の 1価の炭化水素基であって、 3個の R' は同 一であってもよく、 異なっていてもよい) で示されるトリオルガノシロキシ基を 示し、 R11または R12が 2個以上存在するとき、 それらは同一であってもよく、 異なっていてもよい。 Yは水酸基または加水分解性基を示し、 Yが 2個以上存在 するときそれらは同一であってもよく、 異なっていてもよい。 aは 0, 1, 2, または 3を、 また、 bは 0, 1, または 2を示す。 mは 0〜19の整数である。 ただし、 a +mb≥ 1であることを満足するものとする)
一般式 (4) の化合物を具体的に例示するならば、
XCH2C (O) O (CH2) nS i (OCH3) 3、
CH3C (H) (X) C (O) O (CH2) nS i (OCHg) 3、
(CH3) 2C (X) C (O) O (CH2) nS i (OCH3) 3、
XCH2C (O) O (CH2) nS i (CH3) (OCH3) 2、
CH3C (H) (X) C (O) O (CH2) nS i (CH3) (OCH3) 2、 (CH3) C (X) C (O) O (CH2) nS i (CH3) (OCH3) 2、
(上記の各式において、 Xは塩素、 臭素、 ヨウ素、 nは 0〜20の整数)
XCH2C (O) O (CH2) nO (CH2) mS i (OCH3) 3、
H3CC (H) (X) C (O) O (CH2) nO (CH2) mS i (OCH3) 3、 (H3C) 2C (X) C (O) O (CH2) nO (CH2) mS i (OCH3) 3、 CH3CH2C (H) (X) C (O) O (CH2) nO (CH2) mS i (OCH3
o
CHg) 3ヽ
o, m, p -CH3C (H) (X) —C6H4— O— (CH2) 2— O— (CH2) 3S i (OCH3) 3、
o, m, p -CH3CH2C (H) (X) — C 6 H4— O - C H 2) 2— O— (C H2) 3S i (OCH3) 3、
(上記の各式において、 Xは塩素、 臭素、 またはヨウ素)
等が挙げられる。
上記架橋性シリル基を有する有機ハロゲン化物としてはさら 一般式 (5) で示される構造を有するものが例示される。
(R12) 3— a (Y) aS i - [OS i (R11) 2_b (Y) b] m - CH?-C (H ) (R5) 一 R9— C (R6) (X) 一 R10— R7 (5)
(式中、 R5、 R7、 R8、 R9、 R10、 11、 R12、 a、 b、 m、 X、 Yは上記 に同じ)
このような化合物を具体的に例示するならば、
(CH3〇: 3 S i CH2CH2C (H) (X) C6H5、
(CH3O: 2 (CH3) S i CH2CH2C (H) (X) C6H5、
(CH。0) 3 S i i ((CCHH22)) 2 2CC ((HH) (X) — C02R、
(CH3O 2 (CH3) S i (CH2 2C (H) (X) — C02R、
(CH3O 3S i (CH2) 3C (H (X) 一 C02R、
(CH3O 2 (CH3) S i (CH2 3C (H) (X) — C02R、
(CH3O 3 S 1 し i2) 4C (H (X) 一 CO2R、
(CH3O 2 (CH3) S i (CH2 4C (H) (X) 一 C02R、
(CH3O 3S i (CH2) 9C (H (X) _C02R、
(CH3O 2 (CH3) S i (CH2 9C (H) (X) 一 C02R、
(CH3O 3S i (CH2) 3C (H (X) _C6H5、
(CH3O 2 (C H 3) S i (CH2 3C (H) (X) — C6H5、
(CH3O 3S i (CH2) 4C (H (X) — C6H5、
(CH3O 2 (CH3) S i (CH2 4C (H) (X) — C6H5、
(上記の各式において、 Xは塩素、 臭素、 またはヨウ素、 Rは炭素数 1〜20の
アルキル基、 ァリール基、 ァラルキル基)
等が挙げられる。
上記ヒドロキシル基を持つ有機ハロゲン化物、 またはハロゲン化スルホニル化 合物としては特に限定されず、 下記のようなものが例示される。
H O— ( C H 2) n— O C (O) C (H) (R) (X)
(上記の式において、 Xは塩素、 臭素、 またはヨウ素、 Rは水素原子または炭素 数 1〜2 0のアルキル基、 ァリール基、 ァラルキル基、 nは 1〜2 0の整数) 上記アミノ基を持つ有機ハロゲン化物、 またはハロゲン化スルホニル化合物と しては特に限定されず、 下記のようなものが例示される。
H 2 N— ( C H 2) n - O C (O) C (H) (R) (X)
(上記の式において、 Xは塩素、 臭素、 またはヨウ素、 Rは水素原子または炭素 数 1〜2 0のアルキル基、 ァリール基、 ァラルキル基、 nは 1〜2 0の整数) 上記エポキシ基を持つ有機ハロゲン化物、 またはハロゲン化スルホニル化合物 としては特に限定されず、 下記のようなものが例示される。
(上記の式において、 Xは塩素、 臭素、 またはヨウ素、 Rは水素原子または炭素 数 1〜2 0のアルキル基、 ァリール基、 ァラルキル基、 nは 1〜2 0の整数) ハロゲンを 1分子内に 2つ以上有する重合体を得るためには、 2つ以上の開始 点を持つ有機ハロゲン化物、 またはハロゲン化スルホニル化合物が開始剤として 用いるのが好ましい。 具体的に例示するならば、
o,m,p- X ~ CH2— C6H4— CH2 ~ X
(式中、 C6H4はフエ二レン基、 Xは塩素、 臭素、 またはヨウ素)
(式中、 Xは塩素、 臭素、 またはヨウ素、 nは 0〜2 0の整数)
o o
X ~ CH2-(!— O— (ΟΗ2)η-0— ϋ— CH2— X
(式中、 nは 1〜2 0の整数、 Xは塩素、 臭素、 またはヨウ素)
o o o,m,P- x _ CH2-C II— O— C6H4— O— C II— CH2— X
.m,p- X ~_ S02— C6H4-S02— X
(式中、 Xは塩素、 臭素、 またはヨウ素)
等があげられる。
重合触媒として用いられる遷移金属錯体としては特に限定されないが、 好まし くは周期律表第 7族、 8族、 9族、 1 0族、 または 1 1族元素を中心金属とする 金属錯体である。 更に好ましいものとして、 0価の銅、 1価の銅、 2価のルテニ ゥム、 2価の鉄又は 2価のニッケルの錯体が挙げられる。 なかでも、 銅の錯体が 好ましい。 1価の銅化合物を具体的に例示するならば、 塩化第一銅、 臭化第一銅、 ヨウ化第一銅、 シアン化第一銅、 酸化第一銅、 過塩素酸第一銅等である。 銅化合 物を用いる場合、 触媒活性を高めるために 2, 2 ' 一ビビリジル若しくはその誘 導体、 1 , 1 0—フエナント口リン若しくはその誘導体、 又はテトラメチルェチ レンジァミン、 ペンタメチルジェチレントリアミン若しくはへキサメチルトリス ( 2—アミノエチル) ァミン等のポリアミン等が配位子として添加される。 また、 2価の塩化ルテニウムのトリストリフエニルホスフィン錯体 (R u C l 2 ( P P h 3 ) 3) も触媒として好適である。 ルテニウム化合物を触媒として用いる場合 は、 活性化剤としてアルミニウムアルコキシド類が添カ卩される。 更に、 2価の鉄 のビストリフエニルホスフィン錯体 (F e C l 2 ( P P h 3) 2) 、 2価のニッケ ルのビス トリフエニルホスフィン錯体 (N i C 1 2 ( P P h 3 ) 2) 、 及ぴ、 2価 のニッケルのビストリブチルホスフィン錯体 (N i B r 2 ( P B u 3) 2) も、 触 媒として好適である。
原子移動ラジカル重合において用いられるビエル系モノマーとしては特に制約 はなく、 例えば (メタ) アクリル酸、 (メタ) アクリル酸メチル、 (メタ) ァク リル酸ェチル、 (メタ) アクリル酸— n一プロピル、 (メタ) アクリル酸イソプ 口ピル、 (メタ) アクリル酸一 n—プチル、 (メタ) アクリル酸イソプチル、 ( メタ) アクリル酸 _ t e r t—プチル、 (メタ) アクリル酸 _ n—ペンチル、 ( メタ) アクリル酸 _ η —へキシル、 (メタ) アクリル酸シクロへキシル、 (メタ ) アクリル酸 _ η—ヘプチル、 (メタ) アクリル酸一 η—ォクチル、 (メタ) ァ クリル酸一 2—ェチルへキシル、 (メタ) アクリル酸ノエル、 (メタ) アクリル 酸デシル、 (メタ) アクリル酸ドデシル、 (メタ) アクリル酸フエニル、 (メタ ) アクリル酸トルィル、 (メタ) アクリル酸ベンジル、 (メタ) アクリル酸一 2 ーメ トキシェチル、 (メタ) アクリル酸一 3—メ トキシブチル、 (メタ) アタリ
ル酸ー 2—ヒドロキシェチル、 (メタ) アクリル酸一 2—ヒ ドロキシプロピル、 (メタ) アクリル酸ステアリル、 (メタ) アクリル酸グリシジル、 (メタ) ァク リル酸 2—アミノエチル、 γ— (メタクリロイルォキシプロピル) トリメ トキシ シラン、 (メタ) アクリル酸のエチレンオキサイ ド付加物、 (メタ) アクリル酸 トリフルォロメチルメチル、 (メタ) アクリル酸 2—トリフルォロメチルェチル、 (メタ) アクリル酸 2—パーフルォロェチルェチル、 (メタ) アクリル酸 2—パ ーフノレオロェチルー 2—パーフノレオロブチノレエチノレ、 (メタ) アクリル酸 2—パ 一フルォロェチル、 (メタ) アクリル酸パーフルォロメチル、 (メタ) アクリル 酸ジパーフルォロメチルメチル、 (メタ) アクリル酸 2—パーフルォロメチル一 2—パーフルォロェチルメチル、 (メタ) アクリル酸 2—パーフルォ口へキシノレ ェチル、 (メタ) ァクリル酸 2—パーフルォロデシルェチル、 (メタ) アクリル 酸 2—パーフルォ口へキサデシルェチル等の (メタ) アクリル酸系モノマー;ス チレン、 ビニノレトノレェン、 α—メチ レスチレン、 クロノレスチレン、 スチレンス /レ ホン酸及びその塩等のスチレン系モノマ—;パーフノレオ口エチレン、 パーフルォ 口プロピレン、 フッ化ビユリデン等のフッ素含有ビュルモノマー; ビュルトリメ トキシシラン、 ビニルトリエトキシシラン等のケィ素含有ビュル系モノマー;無 水マレイン酸、 マレイン酸、 マレイン酸のモノアルキルエステル及ぴジアルキル エステル;フマル酸、 フマル酸のモノアルキルエステル及ぴジアルキルエステル ;マレイミ ド、 メチレマレイミ ド、 ェチノレマレイミ ド、 プロピノレマレイミ ド、 ブ チルマレイミ ド、 へキシルマレイミ ド、 ォクチノレマレイミ ド、 ドデシルマレイミ ド、 ステアリルマレイミ ド、 フエ二ノレマレイミ ド、 シクロへキシルマレイミ ド等 のマレイミ ド系モノマー;アクリロニトリル、 メタタリロニトリル等の二トリル 基含有ビュル系モノマー;アクリルアミ ド、 メタタリルァミ ド等のァミ ド基含有 ビニル系モノマー;酢酸ビニル、 プロピオン酸ビュル、 ピパリン酸ビニル、 安息 香酸ビュル、 桂皮酸ビュル等のビュルエステル類;エチレン、 プロピレン等のァ ルケン類;ブタジエン、 ィソプレン等の共役ジェン類;塩化ビュル、 塩化ビニリ デン、 塩化ァリル、 ァリルアルコール等が挙げられる。 これらは、 単独で用いて も良いし、 複数を共重合させても構わない。 なかでも、 生成物の物性等から、 ス チレン系モノマー及ぴ (メタ) アクリル酸系モノマーが好ましい。 より好ましく
は、 アクリル酸エステルモノマー及ぴメタクリル酸エステルモノマーであり、 特 に好ましくはアクリル酸エステルモノマーであり、 更に好ましくは、 アクリル酸 ブチルである。 本発明においては、 これらの好ましいモノマーを他のモノマーと 共重合、 更にはブロック共重合させても構わなく、 その際は、 これらの好ましい モノマーが重量比で 4 0 %含まれていることが好ましい。 なお上記表現形式で例 えば (メタ) アクリル酸とは、 アクリル酸および Zあるいはメタクリル酸を表す。 原子移動ラジカル重合は、 無溶媒でも可能であるが、 各種の溶媒中で行うこと もできる。 溶媒の種類としては特に限定されず、 例えば、 ベンジェン、 トルエン 等の炭化水素系溶媒;ジェチルエーテル、 テトラヒドロフラン、 ジフエニルエー テル、 ァニソール、 ジメ トキシベンジェン等のエーテル系溶媒;塩化メチレン、 クロ口ホルム、 クロ口ベンジェン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;アセトン、 メ チルェチルケトン、 メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;メタノール、 ェ タノ一ノレ、 プロパノール、 イソプロパノール、 n—ブチルアルコール、 t e r t —ブチルアルコール等のアルコール系溶媒; ァセトニトリル、 プロピオ二トリル、 ベンゾニトリル等の二トリル系溶媒;酢酸ェチル、 酢酸ブチル等のエステル系溶 媒;エチレンカーボネート、 プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒;
N, N—ジメチルホルムアミ ド、 N, N—ジメチルァセトアミ ド等のアミド系溶 媒等が挙げられる。 これらは、 単独でもよく、 2種以上を併用してもよい。 また、 エマルシヨン系もしくは超臨界流体 C O 2を媒体とする系においても重合を行う ことができる。 - 限定はされないが、 重合は、 0〜2 0 0 °Cの範囲で行うことができ、 好ましく は、 室温〜 1 5 0 °C、 より好ましくは 5 0〜1 2 0 °Cの範囲である。 本発明における 「原子移動ラジカル重合を利用して製造されるハロゲン含有ビ ニル系重合体」 は、 ビュル系モノマーの原子移動ラジカル重合で 「直接的に製造 される」 ハロゲン含有ビュル系重合体に限定されるものではない。 原子移動ラジ カル重合により製造されるビニル系重合体を介して 「間接的に製造される」 ハロ ゲン含有ビニル系重合体も本発明の脱ハ口ゲン化処理の対象である。
ここで 「直接的」 に製造するとは、 ハロゲン含有ビュル系重合体を原子移動ラ
ジカル重合の反応系を利用して製造することを言う。 例えば、 重合活性を示さな いハロゲンを有する開始剤を利用することによりビュル系重合体の重合開始末端 にハロゲンが導入されるケース (ケース 1 ) 、 ハロゲン含有ビニル系モノマーを 重合することにより重合体側鎖にハロゲンが導入されるケース (ケース 2 ) 、 ビ ニル系モノマーの原子移動ラジカル重合を行うことにより一般式 (A) で表され る基に示すハロゲン末端構造が製造されるケース (ケース 3 ) 等が例示される。 ケース 3においては使用されるビュル系モノマーは特に限定されず、 ビュル系重 合体を構成するビニル系モノマーだけでなく、 より好ましいハロゲン含有構造に 変換することを目的として使用される特定のビニル系モノマーも含まれる。
一方、 「間接的」 に製造するとは、 ビュル系モノマーの原子移動ラジカル重合 により製造されるビュル系重合体を介してハロゲン含有ビュル系重合体を製造す ることを言う。 すなわち原子移動ラジカル重合で製造されるビニル系重合体に特 定の化合物を原子移動ラジカル重合の反応系以外の化学反応系で反応させること により製造されるビュル系重合体がハロゲンを含有するものであればよい。 また、 原子移動ラジカル重合の後に複数の化学反応を経て製造されるハロゲン含有ビニ ル系重合体であってもよい。 「特定の化合物」 とは、 各種目的に応じて使用され る化合物であって特に限定されない。 例えば、 好ましいハロゲン含有構造に変換 することを目的として使用される化合物、 官能基導入の目的に使用される化合物 等が例示される。 原子移動ラジカル重合で例示されたビュル系モノマーも好適に 使用される。 また、 後述のエチレン性不飽和基含有化合物等も使用されてよい。 ビュル系重合体中のハロゲンとしては特に限定されず、 原子移動ラジカル重合に より直接的に製造されるビュル系重合体中のハロゲン、 該ハロゲンに由来するも の、 若しくは特定の化合物との反応により新たにビニル系重合体に導入されたハ ロゲンであってもよい。
ハロゲン含有ビニル系重合体の分子量は特に限定されないが、 数平均分子量と して 1, 0 0 0以上 1 0 0, 0 0 0以下が好ましい。 下限は 5 , 0 0 0以上がよ り好ましい。 上限は 5 0 , 0 0 0以下がより好ましい。 ハロゲン含有ビュル系重 合体の分子量分布 (重量平均分子量 Z数平均分子量) は特に限定されないが 1 .
0 5以上1 . 5 0以下が好ましい。 下限は 1 . 1 0以上がより好ましい。 上限は
1 . 4 0以下がより好ましい。 重合体の分子量及び分子量分布はゲルパーミエー シヨンクロマトグラフィー (G P C ) を用いた標準ポリスチレン換算法により算 出することができる (以下同様) 。
また、 分子内に官能基を有するハロゲン含有ビュル系重合体に対しても好適に 脱ハロゲン化できる。 官能基としては特に限定されないが、 例えば、 エチレン性 不飽和基、 水酸基、 シリル基、 アミノ基、 カルボン酸基、 カルボン酸塩基、 ェポ シキ基等が例示される。 なかでもエチレン性不飽和基、 水酸基が好ましい。 重合 体 1分子あたりの官能基の数については特に限定はないが、 下限は 0 . 5以上が 好ましく、 0 . 8以上がより好ましく、 1 . 0以上が更に好ましく、 1 . 2以上 がより更に好ましく、 1 . 5以上が特に好ましい。 上限は 5 . 0以下が好ましく、 4 . 0以下がより好ましく、 3 . 0以下が更に好ましく、 2 . 5以下が特に好ま しい。 官能基の位置は特に限定されないが官能基を架橋性反応基として利用する 場合には分子鎖末端に近い方が好ましく、 分子鎖末端に存在することがより好ま しい。
官能基の導入方法としては特に限定されず、 様々な方法が利用される。 例えば、
( 1 ) 官能基を有するビュル系モノマーを原子移動ラジカル重合条件下で所定の ビュル系モノマーと共重合させる方法、
( 2 ) 官能基を有するラジカル重合性の低いォレフィン化合物をビュル系重合体 の末端ハ口ゲン基に原子移動ラジカル重合条件下で反応させる方法、
( 3 ) 官能基を有する特定の化合物によりビニル系重合体の末端ハロゲン基を置 換する方法、
等が例示される。 ビュル系重合体の分子量、 分子量分布、 官能基数等の制御が可 能で目的に応じたビニル系重合体の分子設計が可能であるという点で特に ( 2 ) の方法が好ましい。
次に官能基導入方法 (2 ) について詳述する。
原子移動ラジカル重合の最中又は終点において、 官能基を有する重合性の低い ォレフィン化合物を添加すると、 末端にほぼ 1つづつ付加し、 その結果として、 このォレフィン化合物の有する官能基が重合体の末端に導入される。 重合の終点 とは、 単量体の好ましくは 8 0 %以上が反応した時点、 さらに好ましくは 9 0 %
以上、 特に好ましくは 95 %以上、 特別に好ましくは 99 %以上が反応した時点 である。
官能基を有する重合性の低レ、ォレフィン化合物としては一般式 6に示される化 合物から選ばれる。
{上の式中、 R1'5は、 水酸基、 アミノ基、 エポキシ基、 カルボン酸基、 エステ ル基、 エーテル基、 アミ ド基、 シリル基、 又は、 一般式 7 :
で表される基であり、 R13は炭素数 1〜20の 2価の炭化水素基あるいは一般 式 8 :
R18 R18
C— R17-C (8)
R 18 R18
(上の式中、 R17は酸素原子、 窒素原子あるいは炭素数 1〜20の有機基であ り、 R 18は水素原子あるいはメチル基であり同じでも異なっていてもよい) の構造を持つ基であり、 且つ、 R 14は水素原子あるいはメチル基である } 一般式 6において、 R 13の具体例としては、
一 (CH2) n— (nは 1〜20の整数) 、
-CH (CH3) 一、 -CH (CH2CH3) 一、 — C (CH3) 2 -、 一 C (CH 3) (CH2CH3) 一、 一 C (CH2CH3) 2—、 一 CH2CH (CH3) 一、
- (CH2) n-0-CH2- (nは 1〜1 9の整数) 、
— CH (CH3) 一 O— CH2—、 -CH (CH2CH3) —0— CH2—、 一 C ( CH3) 2— O— CH2—、 一 C (CH3) (CH2CH3) 一 O— CH2—、 一C (CH2CH3) 2— O- CH2 — s
― (CH2) n— O— (CH2) m— (ra、 nは 1〜 19の整数、 ただし 2≤m + n≤ 20) 、
- (CH2) n-C (O) O— (CH2) m- (m、 nは:!〜 1 9の整数、 ただし 2≤m+n≤ 20) 、
一 (CH2) n— OC (O) - (CH2) m-C (O) O- (CH2) x- (1は 0 〜18の整数、 m、 nは 1〜1 7の整数、 ただし 2≤ 1 +m+ n≤ 18 ) 、 - (CH2) n— o—, m—, p—C6H4—、
― (CH2) n— o—, m—, p -C6H4- (CH2) m— (mは 0〜1 3の整数、 nは 1〜14の整数、 ただし l≤m+n≤ 14) 、
一 (CH2) n—o— , m—, p -C6H4-0- (CH2) m— (mは 0〜1 3の 整数、 nは 1〜14の整数、 ただし 1 14) 、
- (CH2) n- o -, m—, p -C6H4-0-CH (CH3) 一 (nは 1〜1 2 の整数) 、
- (CH2) n_o_, m—, p -C6H4-0-CH (CH3) 2— (nは 1〜1 1の整数) 、
一 (CH2) n— o— , m—, p -C6H4-C (O) O— (CH2) m— (m、 n は 1〜12の整数、 ただし 2≤m+n≤ 13) 、
一 (CH2) n— OC (O) 一 o— , m—, p— C6H4— C (O) O— (CH2) m— (m、 nは 1〜11の整数、 ただし 2≤m+n≤ 12) 、
一 (CH2) n— o— , m—, p -C6H4-OC (O) - (CH2) m— (m、 n は 1〜12の整数、 ただし 2≤m+n≤ 13) 、
一 (CH2) n-C (O) O- o -, m—, p -C6H4- (CH2) m— (m、 n は 1〜: L 1の整数、 ただし 2≤m+n≤ 12) 、
等が挙げられる。
一般式 6において、 R 14については水素原子あるいはメチル基であるが、 水
素原子 Cが好ましい。
一般式 6において、 R15としては、 以下のような基が例示される。
N H
-OH -0—— R 19
O 0
-C— O—— R 19
-0——C— R 19
0 0 R 19
19
-C—— N—— R 19
O R20 O
-N- -C—— R 19
N— C一 R 19
- [S i (R21) 2_b (Y) bO] m-S i (R22) 3 -a ( ) a
〔式中、 R19、 R2°は炭素数 1〜20の炭化水素基であって、 同一又は異なつ ていてもよい。 R21、 R22は、 いずれも炭素数 1〜20のアルキル基、 炭素数 6〜 20のァリール基、 炭素数 7〜 20のァラルキル基、 または (R' ) 3S i O— (R' は炭素数 1〜20の 1価の炭化水素基であって、 3個の R' は同一で あってもよく、 異なっていてもよい) で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、 R21または R22が 2個以上存在するとき、 それらは同一であってもよく、 異な つていてもよい。 Yは水酸基または加水分解性基を示し、 Yが 2個以上存在する ときそれらは同一であってもよく、 異なっていてもよい。 aは 0, 1, 2, また は 3を、 また、 bは 0, 1, または 2を示す。 mは 0〜19の整数である。 ただ し、 a +mb≥ 1であることを満足するものとする。 〕
R19としては、 具体的には以下のような基が例示される。
- (CH2) n— CH3、
一 CH (CH3) - (CH2) n— CH3、
-CH (CH2CH3) 一 (CH2) n—CH3、
-CH (CH2CH3) 2、
— C (CH3) 2— (CH2) n_CH3、
— C (CH3) (CH2CH3) 一 (CH2) n - CH3、
— C6H5、
-C6H5 (CH3) 、
-C6H5 (CH3) 2、
- (CH2) n— C6H5、
一 (CH2) n - C6H5 (CH3) 、
一 (CH2) n-C6H5 (CH3) 2
( nは 0以上の整数で、 各基の合計炭素数は 20以下)
また、 Yで示される加水分解性基としては、 特に限定されず、 従来公知のもの を用いることができ、 具体的には、 水素、 ハロゲン原子、 アルコキシ基、 ァシル ォキシ基、 ケトキシメート基、 アミノ基、 アミ ド基、 酸アミ ド基、 アミノォキシ 基、 メルカプト基、 アルケニルォキシ基等が挙げられ、 加水分解性がマイルドで 取り扱いやすいという点から、 アルコキシ基が特に好ましい。 該加水分解性基や 水酸基は 1個のケィ素原子に 1〜 3個の範囲で結合することができ、 a +mb、 すなわち、 加水分解性基の総和は、 1〜5の範囲が好ましい。 加水分解性基や水 酸基がこのシリル基中に 2個以上結合するときは、 それらは同一であっても、 異 なっていてもよい。 このシリル基を構成するケィ素原子は、 1個でもよく、 2個 以上であってもよいが、 シロキサン結合により連結されたケィ素原子の場合には 20個程度まであってもよい。
その内、 アルケニル基を導入するために用いられる、 重合性の低いアルケニル 基を 2つ持つ化合物としては一般式 9に示される化合物から選ばれる。
(上の式中、 R
1 3は上述と同じ基であり、 R
1.
4及び R
1 6は水素原子あるいはメ チル基であり同じでも異なっていてもよい)
—般式 9の化合物に特に制約はないが、 なかでも、 R
1 3が炭素数 1〜2 0の 2価の炭化水素基である場合、 好ましいものとして、 以下のものが例示される。
nは 1〜2 0の整数であるが、 原料入手の容易さから、 nは 2、 4、 6のもの が好ましい。 すなわち、 1, 5—へキサジェン、 1 , 7—ォクタジェン、 1 , 9 ーデカジエンが好ましい。
この他に、 官能基を有する重合性の低いォレフィン化合物としては、 アルケニ ルアルコール又はアルケニルァミンが好ましレ、。
重合性の低いォレフィン化合物が有するシリル基としては特に限定されないが、 上記式において m = 0のものが好ましい。
アミノ基、 水酸基あるいは力ルポン酸基を持つ重合性の低いォレフィン化合物 を重合末端に反応させる場合には、 そのまま反応させても構わないが、 それらの 基が、 重合末端あるいは触媒に影響を与える場合があるので、 その場合には保護 基をつけた化合物を用いても構わない。 保護基としては、 ァセチル基、 シリル基、 ァノレコキシ基などが挙げられる。
これらの官能基を導入するために用いられる重合性の低いォレフィン化合物を 添加する量は、 特に限定されない。 これらの化合物はアルケニル基の反応性があ まり高くないため、 反応速度を高めるためには添加量を増やすことが好ましく、 一方、 コストを低減するためには添加量は成長末端に対して等量に近い方が好ま しく、 状況により適正化する必要がある。
また、 末端にアルケニル基を導入する場合、 重合性の低いアルケニル基を 2つ
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以上持つ化合物を添加する量は、 重合成長末端に対して過剰量であることが好ま しい。 等量あるいは末端より少量の場合、 2つのアルケニル基の両方ともが反応 し、 重合末端をカップリングしてしまう可能性がある。 2つのアルケニル基の反 応性が等しい化合物の場合、 カップリングの起こる確率は、 過剰に添加する量に + 応じて統計的に決まってくる。 よって、 好ましくは 1 . 5倍以上、 さらに好まし くは 3倍以上、 特に好ましくは 5倍以上である。
[脱ハロゲン化方法について]
原子移動ラジカル重合を利用して製造されるハロゲン含有ビニル系重合体は以 下の方法により脱ハロゲン化される。
ハロゲン含有ビニル系重合体は加熱により脱ハロゲン化が可能である。 処理時 間の短縮のためにはより高温の方が好ましいが、 高温にしすぎるとビュル系重合 体の分解又は熱的劣化が起こるため、 ビュル系重合体の分解又は熱的劣化が顕著 に起こらない温度領域でビエル系重合体を加熱処理することが好ましい。 具体的 には 1 4 0 °C以上 2 5 0 °C以下で加熱処理を行う。 1 5 0 °C以上 2 5 0 °C以下が 好ましく、 1 7 0 °C以上 2 5 0 °C以下がより好ましく、 1 9 0 °C以上 2 5 0 °C以 下が更に好ましい。
処理時間は特に限定されず、 数分から数十時間の範囲で加熱処理が可能である 力 高温状態で長時間加熱処理するとビニル系重合体の分割又は熱的劣化が起こ るため、 必要以上の加熱処理は避けることが好ましい。 (メタ) アクリル系重合 体は耐熱性が高く、 分解開始温度が高いので高温での処理が可能である。
上記加熱工程での溶剤の有無は特に限定されないが、 無溶媒での加熱処理が好 ましい。
本発明において、 脱ハロゲン化は、 重合体の分解等を抑制するために、 ハロゲ ン含有ビニル系重合体において分子内環化反応を進行させることで行うのが好ま しレ、。 特に、 分子内環化反応により、 ビュル系重合体においてラタトン環を形成 させることが好ましい。
また、 脱ハロゲン化は、 遊離酸の発生を抑制するために、 ハロゲン含有ビュル 系重合体から有機ハロゲン化物を脱離させることで行うのが好ましい。
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本発明の特に好ましい態様においては、 脱ハロゲン化は、 ハロゲン含有ビニル 系重合体において分子内環化反応によるラタトン環を形成させて、 それに伴い、 有機ハ口ゲン化物を脱離させることによって行う。
ビニル系モノマーの原子移動ラジカル重合で製造される末端に一般式 (A) で 表される基を有するビュル系重合体は上述の加熱処理で脱ハロゲン化される。 一 C (R 1 ) (R 2) (X) (A)
(式中、 R 1及び R 2はビニル系モノマーのェチレン性不飽和基に結合した基を 示す。 Xは塩素、 臭素又はヨウ素を示す。 )
ここで R 1及び R 2はビュル系モノマーのェチレン性不飽和基に結合した基で あるが、 (メタ) アクリル酸系モノマーのエチレン性不飽和基に結合した基であ ることが好ましい。
高温加熱処理による酸の遊離、 分子量ジャンプ等のポリマー劣化、 ビニル系重 合体の官能基への影響が問題となる場合には、 あらかじめ、 特定のハロゲン含有 構造に変換しておくことが好ましい。 例えば、 一般式 (A) で表される基を下記 の一般式 (B ) で表される基に変換したハロゲン含有ビュル系重合体を用いると、 重合体同士のカップリングを抑制しつつ、 速やかに脱ハロゲン化を進行させるこ とができる。
一 C (R 1 ) (R 2) 一 C H 2— C H (X) — ( B )
(式中、 R 1及ぴ R 2はビニル系モノマーのエチレン性不飽和基に結合した基を 示す。 Xは塩素、 臭素又はヨウ素を示す。 )
ここで R 1及ぴ R 2はビュル系モノマーのエチレン性不飽和基に結合した基で あるが、 (メタ) アクリル酸系モノマーのエチレン性不飽和基に結合した基であ ることが好ましい。
また、 ハロゲン含有構造が y ロカルボン酸構造、 γ—ハロカルボン酸塩構 造もしくは γ—ハロエステル構造 (以下、 γ—ハロカルボン酸構造等という) で ある場合には加熱処理により容易に脱ハロゲン化が可能であるため、 脱ハロゲン 化工程においてより好ましいハロゲン含有構造である。
yーハロカルボン酸構造等を有するビュル系重合体は、 ビュル系モノマーの原 子移動ラジカル重合により製造される末端にハロゲンを有するビュル系重合体と、
分子内に 1つ以上のエチレン性不飽和基を有する化合物を反応させることにより 製造することができる。
y—ハロカルボン酸構造等としては特に限定されないが、 下記一般式 (D) で 表される基がより好ましい。
一 C (R50) (COzR51) — CH2— CH (X) -CH (R52) — R53 ( D)
(式中、 Xは塩素、 臭素、 またはヨウ素、 R5°は水素原子または炭素数 1〜1 0の有機基、 R51は水素原子、 炭素数 1〜20の有機基又はアルカリ金属原子、 R 52は水素原子、 水酸基又は有機基、 R 53は水素原子、 水酸基又は有機基)
R5°は水素原子または炭素数 1〜10の有機基であって、 好ましくは水素原 子または炭素数 1〜 5の炭化水素基、 さらに好ましくは水素原子またはメチル基、 最も好ましくは水素原子である。
R 51は水素原子、 炭素数 1〜20の有機基又はアルカリ金属原子である。 炭 素数 1〜20の有機基としては炭素数 1〜20のアルキル基、 炭素数 6〜 20の ァリール基、 炭素数 7〜20のァラルキル基等が例示されるが、 1個以上のエー テル結合を有するものであってもよく、 炭素数 2〜 20のアルコキシアルキル基 等が例示される。 R51は、 水素原子、 アルカリ金属原子、 炭素数 1〜 20のァ ルキル基、 炭素数 2〜20のアルコキシアルキル基が好ましく、 水素原子、 ナト リウム原子、 カリウム原子、 炭素数 1〜20のアルキル基、 炭素数 2〜 20のァ ルコキシアルキル基がより好ましく、 炭素数 1〜20のアルキル基、 炭素数 2〜 20のアルコキシアルキル基が特に好ましい。
R52、 R53は水素原子、 水酸基、 1価若しくは 2価の有機基であって R52及 ぴ R53は同一又は異なる基であってよい。 R52、 R53が有機基である場合には 1個以上のエーテル結合又は 1個以上のエステル結合を含んでいてもよい。 また、 R52、 R53は他端において連結して環状骨格を形成していてもよい。 またビニ ル系重合体等の重合体に結合する 2価の有機 Sであってもよい。 またエチレン性 不飽和基、 水酸基、 アミノ基、 シリル基等の官能基に結合する 2価の有機基であ つてもよい。 R 52は水素原子又は炭素数 1〜20の炭化水素基であることが好 ましく、 水素原子又はメチル基が特に好ましい。 R 53が 1価の有機基である場
合には炭素数 1〜20の有機基であることが好ましく、 炭素数 1〜20の炭化水 素基が特に好ましい。 R53が官能基又は重合体に結合する 2価の有機基である 場合には炭素数 1〜20の有機基であることが好ましく、 炭素数 1〜20の炭化 水素基が特に好ましい。 官能基としてはエチレン性不飽和基又は水酸基が好まし レ、 c
一般式 (D) で表される基を有するビュル系重合体は、 加熱工程によってハロ ゲン Xが脱離し、 ラクトン環形成を経て脱ハロゲン化する。 一般式 (D) におけ る R51が炭素数 1〜20の有機基である場合、 ハロゲン Xが有機ハロゲン化物 として脱離するため、 遊離酸の発生を抑制することができる。
一般式 (A) で表される基、 一般式 (B) で表される基、 一般式 (D) で表さ れる基を有するビニル系重合体の製造方法は特に限定されないが、 原子移動ラジ カル重合を利用して直接的若しくは間接的に製造することができる。 以下に具体 的な製造例を示す。
一般式 (A) で表される基を有するビュル系重合体は、 例えばビニル系モノマ 一を上述の原子移動ラジカル重合法により重合することで製造される。 特にビニ ル系モノマーが (メタ) アクリル酸系モノマーである場合には末端に一般式 (C ) で表される基を有するビニル系重合体が製造される。 この場合には一般式 (C ) で表される基の置換基である R5°、 C02R51は (メタ) アクリル酸系モノマ 一のエチレン性不飽和基に結合する基に由来する基となる。
一 C (R50) (C02 51) X (C)
(式中、 Xは塩素、 臭素、 またはヨウ素、 R5°は水素原子または炭素数 1〜1 0の有機基、 R 51は水素原子、 炭素数 1〜20の有機基又はアルカリ金属原子 一般式 (B) で表される基を有するビニル系重合体は一般式 (A) で表される
基を有するビニル系重合体を製造し、 末端ハロゲンにエチレン性不飽和基含有化 合物を反応させることにより製造される。
一般式 (D) で表される基を有するビュル系重合体はビニル系モノマーの原子 移動ラジカル重合で製造される一般式 (A) で表される基を有するビュル系重合 体の末端ハロゲンにペンテン酸又はその誘導体等のエチレン性不飽和基含有化合 物を反応させる方法により製造される。
また、 一般式 (D) で表される基を有するビュル系重合体は以下の方法によつ ても製造される。
ビュル系モノマーの原子移動ラジカル重合を利用して一般式 (C) で表される 基を末端に有するビニル系重合体を製造し、 ビニル系重合体の末端ハロゲンに、 下記一般式 (E) で表される、 分子内に 1つ以上のエチレン性不飽和基を有する 化合物を反応させることにより一般式 (D) で表される基に変換することができ る。
CH2 = CH— CH (R52) 一 R53 (E)
(式中、 R52、 R 53は上記に同じ)
一般式 (C) で表される基を末端に有するビニル系重合体の製造方法は特に限 定されないが、 (メタ) アクリル酸系モノマーの原子移動ラジカル重合を利用し た製造方法が簡便であるため好ましい。
一般式 (E) で表されるエチレン性不飽和基含有化合物としては特に限定され ないが、 ラジカル重合活性の低い化合物が好ましい。 このような化合物としては 炭化水素系化合物が好ましく、 例えば CH2 = CH— (CH2) n-CH3 (ηは 0〜20の整数) 等のエチレン性不飽和基含有脂肪族炭化水素系化合物、 CH = CH- (CH2) n-C6H5 (nは 1〜20の整数) 等のエチレン性不飽和基含 有芳香族炭化水素系化合物が例示される。
分子内に複数個のエチレン性不飽和基を有する化合物も好適に使用される。 分 子内に複数個のエチレン性不飽和基を有する化合物を使用する場合はエチレン性 不飽和基と分子鎖末端のモル比を調節することにより、 重合体同士の力ップリン グもしくは重合体へのエチレン性不飽和基の導入が可能となる。 このような化合 物としては例えば 1, 7—才クタジェン等の非共役ジェン (具体的には上記一般
式 9で表される化合物 (ただし式 9中、 R 1 4及ぴ R 1 6のいずれか一方若しくは 両方が水素原子である) ) が挙げられる。
分子内に水酸基、 ァミノ基等の官能基を有するエチレン性不飽和基含有化合物 も好適に使用される。 この場合には重合体への水酸基、 アミノ基等の官能基の導 入が可能となる。
一般式 (C ) で表される基を末端に有するビニル系重合体の末端ハロゲンと一 般式 (E ) で表されるエチレン性不飽和基含有化合物との反応方法は特に限定さ れないが、 「原子移動ラジカル重合の反応系」 を利用した方法が好ましい。 「原 子移動ラジカル重合の反応系」 とは、 原子移動ラジカル重合で使用される反応系 という意味である。 すなわち一般式 (C ) で表される基を有するビニル系重合体 を原子移動ラジカル重合における開始剤である有機ハ口ゲン化物に相当するもの として使用し、 原子移動ラジカル重合で好適に使用される遷移金属錯体、 配位子、 活性化剤、 溶媒等を使用し、 原子移動ラジカル重合での好適な条件でビニル系重 合体のハロゲンにエチレン性不飽和基含有化合物を反応させることをいう。 従つ てビニル系モノマーの原子移動ラジカル重合途中若しくは重合終了時に重合系中 にエチレン性不飽和基含有化合物を添加し、 ビニル系モノマーの重合工程及ぴビ ニル系重合体とエチレン性不飽和基含有化合物との反応工程をヮンポットで完結 させる方法に限定されず、 ビニル系モノマーの重合工程とは別の工程において、 原子移動ラジカル重合の反応条件下でビュル系重合体にエチレン性不飽和基含有 化合物を反応させる方法であってもよい。 また、 ビュル系モノマーの重合条件及 びビュル系重合体にエチレン性不飽和化合物 (1 ) を反応させる条件が同一であ つてもよいし、 異なっていてもよい。
一般式 (C ) で表される基は脱ハロゲン化処理によりビュル系重合体の分子量 ジャンプを引き起こす要因となるので、 分子量ジャンプが問題となる場合にはで きる限り完全に一般式 (D ) で表される基に変換することが好ましい。 しかしな がら一般式 ( C ) で表される基が完全に変換されずに、 一般式 (C) で表される 基を有するビニル系重合体と一般式 (D) で表される基を有するビニル系重合体 の混合物となる場合には、 当該混合物中一般式 (C ) で表される基と一般式 (D ) で表される基の比 〔一般式 (C ) で表される基のモル数〕 Z 〔一般式 (D) で
表される基のモル数〕 が 0. 01以上 0. 2以下とするのが好ましい。 0. 01 以上 0. 1以下がより好ましく、 0. 01以上 0. 05以下が更に好ましい。 ま た、 一般式 (C) で表される基が当該混合物 1 k gに対して 0. lmmo 1以上 1 Omm o 1以下であることが好ましく、 0. lmmo l以上 5. Ommo l以 下であることがより好ましく、 0. lmmo l以上 3. Ommo l以下であるこ とが特に好ましい。
ビュル系重合体 1分子当たりに存在する一般式 (C) で表される基の個数を定 量するには、 ビュル系重合体中の一般式 (C) で表される基のハロゲンを、 分析 機器で検出可能な基を有するカルボン酸塩により置換した後、 上記検出可能な基 を分析機器で定量すればよい。
ビニル系重合体単位重量当たりに存在する一般式 (C) で表される基の量 (モ ル数) を定量するには、 ビュル系重合体中の一般式 (C) で表される基のハロゲ ンを、 分析機器で検出可能な基を有するカルボン酸塩により置換した後、 上記検 出可能な基を分析機器で定量すればよい。
分析機器としては特に限定されず、 例えば、 核磁気共鳴分光装置、 紫外可視分 光光度計、 赤外分光光度計、 原子吸光分光光度計、 ゲルパーミエーシヨンクロマ トグラフィ一装置等等が挙げられる。
分析機器で検出可能な基を有するカルボン酸塩としては特に限定されず、 例え ば、 (メタ) アクリル酸塩等の炭素一炭素二重結合を有するカルボン酸塩、 安息 香酸塩等のベンゼン環を有するカルボン酸塩等が挙げられる。
定量にあたっては、 2種以上の分析機器を併用することが好ましい。 特に、 核 磁気共鳴分光法 (NMR法) とゲルパーミエーシヨンクロマトグラフィー法 (G PC法) を併用することが好ましい。
脱ハロゲン化工程は原子移動ラジカル重合の反応混合物の状態で行ってもよい し、 精製処理工程、 官能基変換処理工程等の工程を経た後、 若しくは、 当該処理 工程中に行ってもよレ、。
脱ハロゲン化の際に重合体から遊離するハロゲン化合物が製品の品質、 製造設 備等に悪影響を与える場合には、 減圧下でハ口ゲン化合物を除去しながら脱ハ口 ゲン化工程を行うのが好ましい。 好ましくは減圧度が 100 t o r r以下、 より
好ましくは 2 0 t o r r以下、 更に好ましくは 1 0 t o r r以下である。 減圧加 熱しながら処理を行う場合には表面更新の影響を受けやすいので、 攪拌等による 良好な表面更新状態で処理を行うことが好ましい。
従来の脱ハロゲン化においては塩基性化合物が添加されてきた。 本発明におい ても脱ハロゲン化工程で塩基性化合物が添カ卩されてよいが、 塩基性化合物の一つ であるォキシァニオン化合物は求核置換剤として作用するとともに処理剤である ォキシァニオン化合物のビュル系重合体からの除去が困難であるため、 本発明に おいては好ましくない添加剤である。 特にカルボン酸塩を添加剤として使用する とカルボン酸もしくはカルボン酸塩としてビュル系重合体中に残存するため、 臭 気、 貯蔵安定性の低下等の問題が発生する。 一方、 無機塩基は比較的除去が容易 であることから本発明においても好適に使用される。 無機塩基としては特に限定 されないがアル力リ金属の水酸化物、 アル力リ金属の水酸化物が好ましい。
本発明において、 脱ハロゲン化工程を、 合成ハイドロタルサイト、 珪酸アルミ 二ゥム、 酸化マグネシウムのような無機系吸着剤の存在下で行うことにより、 重 合体中の残存重合触媒の低減、 副生する酸性物質の除去等が可能になる。 無機系 吸着剤は、 不溶化した遷移金属錯体の凝集核として作用するだけでなく、 物理的、 化学的な吸着作用が期待できる。
無機系吸着剤の代表的なものとして、 アルミニウム、 マグネシウム、 ケィ素等 を主成分とする単独もしくはこれらを組み合わせたものがある。 例えば二酸化珪 素;酸化マグネシウム ;シリカゲル;シリカ 'アルミナ、 アルミニウムシリケ一 ト ;活性アルミナ;酸性白土、 活性白土等の粘土系吸着剤;珪酸アルミニウムナ トリゥム等の含水アルミノ珪酸塩鉱物群で総称されるゼォライト系吸着剤; ドー ソナイト類化合物;ハイドロタルサイト類化合物が例示される。 これらの中でも 特にアルミニウムシリケート、 ハイドロタルサイト類化合物が好ましい。
アルミニウムシリケ一トとはケィ酸のケィ素の一部がアルミニウムに置換され たもので、 軽石、 フライアッシュ、 カオリン、 ベントナイト、 活性白土、 珪藻土 等が知られている。 この中でも、 合成のアルミニウムシリケ一トは比表面積も大 きく吸着能力が高い。 合成アルミニウムシリケ一トとしてはキヨーヮード 7 0 0 シリーズ (協和化学製) などが挙げられるが、 これらに限定されるわけではない。
ハイド口タルサイト類化合物は 2価の金属 (Mg 2+, Mn 2+, F e 2 + , C o 2+, N i 2 + , Cu2+, Zn2+等) と 3価の金属 (A l 3+, F e 3+, C r 3 +, C o 3 +, I n3+等) の含水水酸化物又は前記水酸化物の水酸基の一部をハ ロゲンイオン, N03一, C03 2_, S04 2— , F e (CN) 6 3~, CH3C02 ―, シユウ酸イオン、 サリチル酸イオン等の陰イオンに交換したものである。 こ れらのうち 2価の金属が Mg 2 +、 3価の金属が A 13 +であって水酸基の一部を co3 2_に交換したハイドロタルサイトものが好ましく、 例えば合成品として はキヨ一ワード 500シリーズ、 キヨ一ワード 1000シリーズ (いずれも協和 化学 (株) 製) が挙げられるが、 これらに限定されるわけではない。 また、 上記 ハイド口タルサイト類を焼成して得られる吸着剤も好適に使用される。 そのなか でも 2価の金属が Mg 2 +、 3価の金属が A 13+であるハイドロタルサイト類を 焼成して得られる Mg O— A 1 O3系固溶体が好ましく、 例えばキヨーヮード 2 000 (協和化学 (株) 製) が挙げられるが、 これらに限定されるわけではない。 本発明においてはハイドロタルサイト類の焼成品についてもハイドロタルサイト 類として分類する。 以上に例示した吸着剤は単体で用いても、 また複数を混合し て用いてもよい。
また、 吸着剤の使用量は、 通常、 重合体 100重量部に対して 0. 1〜10重 量部であるが、 経済性と操作面から 0. 1〜 5重量部であることが好ましい。 脱ハ口ゲン化工程での高温加熱処理によるポリマー劣化が問題となる場合には、 ラジカル捕捉剤の存在下で脱ハロゲン化工程を行ってもよい。 ラジカル捕捉剤と して酸素ラジカル捕捉剤又は炭素ラジカル捕捉剤が挙げられる。
酸素ラジカル捕捉剤としては従来公知な酸化防止剤、 老化防止剤、 光安定剤等 が使用されてよい。
酸化防止剤は各種のものが知られており、 例えば大成社発行の 「酸化防止剤ハ ンドブック」 、 シーエムシー化学発行の 「高分子材料の劣化と安定化」 (235 〜242) 等に記載された種々のものが挙げられるが、 これらに限定されるわけ ではない。
例えば、 MARK PEP— 36、 MARK AO— 23等のチォエーテル系 (以上いずれもアデカァーガス化学製) 、 I r g a f o s 38、 I r g a f o s
168、 I r g a f o s P-EPQ (以上いずれも日本チパガィギー製) 等のよ うなリ ン系酸化防止剤等が挙げられる。 なかでも、 以下に示したようなヒンダ一 ドフエノール系化合物が好ましい。
ヒンダードフエノール系化合物としては、 具体的には以下のものが例示できる。 2, 6—ジ一 t e r t—ブチノレー 4ーメチノレフエノーノレ、 2, 6—ジー t e r t 一プチルー 4—ェチルフエノール、 モノ (又はジ又はトリ) (CKメチルベンジル ) フエノーノレ、 2, 2, ーメチレンビス (4ェチル— 6— t e r tーブチノレフエ ノール) 、 2, 2, 一メチレンビス (4メチノレ一 6 - t e r t—ブチノレフエノー ノレ) 、 4, 4, 一ブチリデンビス (3—メチ /レー 6— t e r t—ブチノレフエノー ル) 、 4, 4, —チォビス (3—メチル一 6— t e r t—ブチルフエノール) 、 2, 5—ジー t e r t _ブチルハイドロキノン、 2, 5—ジ一 t e r t—アミノレ ハイドロキノン、 トリエチレングリコーノレ一ビス一 [3— (3— t—ブチルー 5 ーメチルー 4ヒドロキシフエニル) プロピオネート] 、 1, 6—へキサンジォー ノレ一ビス [3— (3, 5_ジ一 t—ブチノレー 4—ヒ ドロキシフエニル) プロピオ ネート] 、 2, 4_ビス一 (n—ォクチルチオ) 一6— (4—ヒ ドロキシー 3, 5—ジ一 tーブチルァニリノ) 一 1, 3, 5—トリァジン、 ペンタエリスリチル ーテトラキス [3 - (3, 5—ジ一 t一ブチル一4—ヒ ドロキシフエニル) プロ ピオネート] 、 2, 2—チォージエチレンビス [3 - (3, 5—ジー t一ブチル ー4ーヒドロキシフエニル) プロピオネート] 、 ォクタデシルー 3— (3, 5 - ジ一 t—ブチノレ一 4ーヒ ドロキシフエ二ノレ) プロピオネート、 N, N, 一へキサ メチレンビス (3, 5—ジー t一ブチル一4ーヒドロキシーヒドロシンナマミ ド ) 、 3, 5ージー t—ブチノレー 4—ヒ ドロキシ一ベンジルフォスフォネートージ ェチルエステル、 1, 3, 5—トリメチルー 2 , 4, 6—卜リス (3, 5—ジ一 t一プチノレ _ 4—ヒドロキシベンジノレ) ベンゼン、 ビス (3, 5—ジー t一プチ ノレ一 4ーヒ ドロキシベンジノレホスホン酸ェチノレ) 力 ^/シゥム、 トリスー (3, 5 —ジー t一ブチル _4ーヒ ドロキシベンジル) イソシァヌレート、 2, 4-2, 4一ビス [ (ォクチルチオ) メチル] o—クレゾール、 N, N, 一ビス [3 - ( 3, 5—ジ一 tーブチルー 4—ヒ ドロキシフエ-ル) プロピオニル] ヒ ドラジン、 トリス (2, 4—ジ一 t一プチノレフエニル) フォスファイ ト、 2— (5—メチル
— 2—ヒ ドロキシフエニル) ベンゾトリァゾール、 2— [2—ヒ ドロキシー 3, 5—ビス (a, CK—ジメチルベンジル) フエ-ル] — 2 H—ベンゾトリァゾール、 2 - (3, 5—ジー tーブチルー 2—ヒ ドロキシフエニル) ベンゾトリアゾール、
2— ( 3— tーブチノレ一 5—メチノレ一 2—ヒ ドロキシフエ二ノレ) 一5—クロ口べ ンゾトリァゾール、 2— (3, 5—ジ一 t一プチルー 2—ヒ ドロキシフエニル)
_ 5—クロ口べンゾトリァゾール、 2— (3, 5—ジー t—アミルー 2—ヒ ドロ キシフエ二ノレ) ベンゾトリァゾール、 2— (2, 一ヒ ドロキシ一 5, 一 t_オタ チルフエニル) 一べンゾトリァゾール、 メチル一3— [3— t_ブチル一5— ( 2H—べンゾトリアゾール一 2—ィル) 一 4—ヒ ドロキシフエニル] プロビオネ ート一ポリエチレングリコール (分子量約 300) との縮合物、 ヒ ドロキシフエ ニルベンゾトリァゾール誘導体、 2— (3, 5—ジ一 t一プチルー 4ーヒ ドロキ シベンジノレ) 一 2— n—ブチルマロン酸ビス (1, 2, 2, 6, 6一ペンタメチ ルー 4—ピペリジル) 、 2, 4ージ一 t一ブチルフエニル一 3, 5—ジ一 t—ブ チル一 4ーヒ ドロキシベンゾエート等が挙げられる。
商品名で言えば、 ノクラック 200、 ノクラック M— 1 7、 ノクラック SP、 ノクラック SP— N、 ノクラック NS— 5、 ノクラック NS— 6、 ノクラック N S— 30、 ノクラック 300、 ノクラック NS— 7、 ノクラック DAH (以上い ずれも大内新興化学工業製) 、 MARK AO— 30、 MARK AO— 40、 MARK AO— 50、 MARK AO— 60、 MARK AO— 616、 MA RK AO-635, MARK AO— 658、 MARK AO— 80、 MAR K AO— 15、 MARK AO— 18、 MARK 328、 MARK AO—
37 (以上いずれもアデカァーガス化学製) 、 I RGANOX— 245、 I RG ANOX— 259、 I RGANOX— 565、 I RGANOX- 1010, I R GANOX— 1024、 I RGANOX— 1035、 I R G ANO X— 1076、 I RGANOX- 108 1, I RGANOX- 1098 Λ I RGANOX— 1 2 22、 I RGANOX- 1330, I RG ANO X— 1425 WL (以上いずれ も日本チバガイギー製) 、 Sum i 1 i z e r GA- 80 (以上いずれも住友化 学製) 等が例示できるがこれらに限定されるものではない。
酸化防止剤は光安定剤と併用してもよく、 併用することによりその効果を更に
発揮し、 特に耐熱性が向上することがあるため特に好ましい。 予め酸化防止剤と 光安定剤を混合してあるチヌビン C 3 5 3、 チヌビン B 7 5 (以上いずれも日本 チバガイギー製) などを使用しても良い。
従来公知な上述のラジカル捕捉剤は一般的に酸素存在下で効果を発揮するもの であるから、 酸素存在下での脱ハロゲン化処理に使用するのが好ましい。
減圧下、 窒素下等、 低酸素濃度で脱ハロゲン化処理を行う場合には炭素ラジカ ル捕捉剤の使用が好ましい。
炭素ラジカル捕捉剤としてはァクリレート基とフエノール基を併せ持つモノア タリレートフエノール系酸化防止剤、 ニトロキシド化合物等が挙げられる。 モノ アタリレートフエノ ^"ル系酸化防止剤としては例えば、 2— t—プチルー 6― ( 3— tーブチノレー 2—ヒ ド.口キシー 5—メチノレべンジノレ) 一 4—メチノレフエ二ノレ アタリレート (商品名スミライザ一 GM) 、 2, 4ージ一 tーァミル一 6— [ 1 ― ( 3, 5—ジ一 t—ァミル一 2—ヒ ドロキシフエ-ル) ェチル] フエ二ルァク リレート (商品名スミライザ一 G S ) などが例示される。 ニトロキシド化合物と しては、 限定はされないが、 2, 2 , 6 , 6—置換一 1—ピベリジニルォキシラ ジカルや 2 , 2 , 5 , 5—置換一 1一ピロリジニルォキシラジカル等、 環状ヒ ド 口キシァミンからのニトロキシフリーラジカルが例示される。 置換基としてはメ チル基やェチル基等の炭素数 4以下のアルキル基が適当である。 具体的なニトロ キシフリーラジカル化合物としては、 限定はされないが、 2, 2 , 6, 6—テト ラメチルー 1—ピペリジニルォキシラジカル (T E M P O) 、 2 , 2 , 6, 6一 テトラェチルー 1ーピペリジニルォキシラジカル、 2, 2, 6 , 6—テトラメチ ルー 4—ォキソ一 1ーピペリジニルォキシラジカル、 2, 2, 5, 5—テトラメ チルー 1—ピロリジニルォキシラジカル、 1, 1, 3, 3—テトラメチル _ 2— イソインドリニルォキシラジカル、 N, N—ジー t一ブチルアミンォキシラジ力 ル等が挙げられる。 ニトロキシフリーラジカルの代わりに、 ガルビノキシル (g a 1 V i n o X y 1 ) フリーラジカル等の安定なフリーラジカルを用いても構わ ない。 これらの炭素ラジカル捕捉剤のうちモノアクリレートフエノール系酸化防 止剤が特に好ましい。
[不溶成分の分離除去工程について]
本発明の製造方法においては、 脱ハロゲン化工程を行った後、 ビュル系重合体 に含まれる不溶成分を分離除去することが好ましい。 不溶成分の分離除去工程を さらに行うことにより精製度のアップ、 シリル化活性のより一層の向上がなされ るため、 重合体の精製工程で使用される吸着剤の減量、 精製工程の簡略化等を実 現することができる。
ここで 「不溶成分」 とは、 重合反応、 官能基導入反応、 脱ハロゲン化反応等で 生じる、 ビュル系重合体に溶解せずビエル系重合体と不均一な相を構成している 固体成分をいう。
不溶成分の分離除去工程は脱ハロゲン化工程の後に実施されればよく、 脱ハロ ゲン化工程と不溶成分の分離除去工程の間に別の処理がなされてもよいが、 脱ハ ロゲン化工程に引き続いて不溶成分の分離除去工程が実施されることが好ましレ、。 不溶成分の分離除去工程は、 ビュル系重合体中に存在する不溶成分を固液分離 法により分離除去することによって行うのが好ましい。 固液分離方法としては特 に限定されず、 濾過法、 沈降法等の一般的な分離方法が利用される。
濾過法としては例えばヌッチヱ等による減圧濾過方法、 フィルタープレス方式 等の加圧濾過方法等が例示される。 不溶成分の量が少なく、 濾過性がよい場合に はカートリッジフィルター、 バッグフィルタ一等による簡易濾過、 砂濾過等が簡 便である。
沈降法としては静置分離法、 デカンター、 分離盤型遠心沈降機等による遠心沈 降法等が例示される。
濾過と沈降を組み合わせた方法としては例えば、 パスケット型遠心濾過機等に よる遠心濾過法、 水平盤式濾過機等の沈降濾過法等が例示される。
濾過法においては、 不溶成分の粒子系、 量に応じて濾過助剤を使用してもよい。 濾過助剤としては特に限定されないが、 珪藻土等の一般的なものが使用されてよ レ、。
ビュル系重合体の粘度が高く、 固液分離の操作性が悪くなる場合には溶剤で希 釈してもよい。 希釈溶剤としては特に限定されないが一般的な溶剤が使用されて よいが、 ビニル系重合体よりも極性の高い溶剤を使用すると重合触媒等の溶解性
を高めるのでビュル系重合体よりも極性の低い溶剤を使用することが好ましい。 極性が低すぎるとビュル系重合体の溶解が困難となるのでビュル系重合体に応じ て適切な溶剤を選択することが好ましい。 溶剤の極性を調整するために 2種以上 の溶剤を混合して使用してもよい。 ビュル系重合体が (メタ) アクリル酸エステ ル系重合体である場合にはトルエン、 キシレン、 へキサン、 メチルシクロへキサ ン等の炭化水素系化合物が好ましい。 ビニル系重合体若しくはその混合物を加温 して固液分離処理を行ってもよい。
ビュル系重合体の品質として、 より高い精製度若しくはより高いシリル化活性 が要求される場合には必要に応じて吸着剤による精製工程を組み合わせてもよい。 吸着剤としては特に限定されないが、 上述した無機系吸着剤が挙げられる。 無機系吸着剤とビュル系重合体又は重合体溶液の固液接触には様々な実施態様 が可能であるが、 撹拌混合と固液分離を回分操作で行う回分式のほか、 吸着剤を 容器に充填し重合体溶液を通液する固定層方式、 吸着剤の移動層に液を通じる移 動層式、 吸着剤を液で流動化して吸着を行う流動層式等も利用できる。 さらに必 要に応じて撹拌による混合分散に加えて、 容器の振とう、 超音波の利用など、 分 散効率を向上させる諸操作を取り入れることができる。 重合体又は重合体溶液を 吸着剤に接触させた後、 濾過、 遠心分離、 沈降分離等の方法で吸着剤を除去し、 必要に応じて希釈、 水洗を加え、 目的とする清澄な重合体溶液を得る。
吸着処理工程はビュル系重合体の後処理工程においていずれの段階で行っても よい。 例えば、
( 1 ) 脱ハロゲン化工程よりも以前の段階で吸着処理を行う方法
( 2 ) 吸着剤存在下で脱ハロゲン化工程の加熱処理を行う方法
( 3 ) 脱ハロゲン化工程の加熱処理の後に吸着処理を行い、 吸着剤の分離回収操 作を兼ねて不溶成分の分離除去工程を行う方法
( 4 ) 不溶成分の分離除去工程よりも以後の段階で吸着処理を行う方法
等が例示される。
吸着処理は必要に応じて溶剤希釈及び/又は加熱: 原子移動ラジカル重合を利用して製造されるビュル系重合体は、 本発明の工程
を経ることによってヒドロシリル化活性が高くなるので、 ヒドロシリル化反応性 組成物の構成成分のうちの 1成分として極めて好適に利用することができる。 特 に分子内にエチレン性不飽和基を有するビニル系重合体はヒドロシリル化反応性 組成物の反応性成分として利用できる。
[脱ハロゲン化されたビニル系重合体について]
脱ハ口ゲン化されたビニル系重合体は各種用途に使用される。
脱ハロゲン化されたビュル系重合体の分子量は特に限定されないが、 数平均分 子量として 1, 000以上 10, 0000以下が好ましい。 下限は 5, 000以 上がより好ましい。 上限は 50, 000以下がより好ましい。 脱ハロゲン化され たビュル系重合体の分子量分布は特に限定されないが 1. 05以上1. 50以下 が好ましい。 下限は 1. 10以上がより好ましい。 上限は 1. 40以下がより好 ましい。
本発明の脱ハロゲン化工程によりハロゲン化量が低減されることから、 酸に対 して不安定な加水分解性基 (例えばアルコキシシリル基等) のビュル系重合体へ の導入が容易となる。 また酸の発生による製造設備や金属性基材の腐食の危険性 も低減される。 本発明の製造方法によって脱ハロゲン化された後のビュル系重合 体の残ハロゲン量としては、 ビュル系重合体 1 k gに対して 1, O O Omg以下 とすることができる。 好ましくは 50 Omg以下、 より好ましくは 10 Omg以 下である。 残ハロゲン量は元素分析によって測定できる。
分子内にエチレン性不飽和基を有するビニル系重合体は適当な架橋剤を用いて 架橋させることにより硬化物を与える。 また、 分子内にエチレン性不飽和基を有 するビュル系重合体にアルコキシシリル基含有ヒドロシラン化合物等をヒドロシ リル化反応させることにより、 アルコキシシリル基含有ビュル系重合体等が得ら れる。 アルコキシシリル基含有ビュル系重合体等も硬化物を与える。 エチレン性 不飽和基としては特に限定されないが、 好ましくは CH2 = CH—、 CH2 = C (CH3) 一であり、 より好ましくは CH2 = CH—である。 重合体 1分子あた りの官能基の個数については特に限定はないが、 下限は 0. 5以上が好ましく、 0. 8以上がより好ましく、 1. 0以上が更に好ましく、 1. 2以上がより更に
好ましく、 1 . 5以上が特に好ましい。 上限は 5 . 0以下が好ましく、 4 . 0以 下がより好ましく、 3 . 0以下が更に好ましく、 2 . 5以下が特に好ましレ、。 官 能基の位置は特に限定されないが官能基を架橋性反応基として利用する場合には 分子鎖末端に近い方が好ましく、 分子鎖末端に存在することがより好ましい。 分子内にエチレン性不飽和基を有するビュル系重合体の製造方法としては例え ば、 ビュル系モノマーの重合の原子移動ラジカル重合の際にエチレン性不飽和基 を併せ持つビニル系モノマーを共重合させる方法や一般式 (C ) で表される基か ら一般式 (D) で表される基に変換する際に複数個のエチレン性不飽和基を有す るエチレン性不飽和基含有化合物を使用する方法等が挙げられる。 前者は分子内 にエチレン性不飽和基を導入する簡便な方法であるが、 エチレン性不飽和基の数- や導入位置の制御が困難である。 後者は分子鎖末端に選択的にエチレン性不飽和 基の導入が可能であるとともにハロゲン構造の変換剤兼エチレン性不飽和基の導 入剤として使用できるため、 より好ましい方法である。 [ヒドロシリル化反応性糸且成物について]
ヒドロシリル化反応性組成物としては例えば、
(A) 分子内にエチレン性不飽和基を有するビュル系重合体、 及び、 (B ) ヒ ド ロシリル基含有化合物を含有するヒドロシリル化反応性糸且成物が挙げられる。
A成分のビュル系重合体は上述の方法により得られる分子内にエチレン性不飽 和基 (C H 2 = C H— ) を有するビュル系重合体であって脱ハロゲン化されたも のが使用されてよい。 B成分のヒドロシリル基含有化合物としては特に制限はな く、 各種のものを用いることができる。 例えば、 分子内に少なくとも 1 . 1個の ヒドロシリル基を有する化合物、 架橋性シリル基を併せ持つヒドロシラン化合物 等が挙げられる。 以下に具体的なヒドロシリル化反応性組成物を示す。
<ヒドロシリル化反応性組成物 ( 1 ) >
B成分が分子内に少なくとも 1 . 1個のヒドロシリル基を有する化合物である 場合には、 組成物はヒドロシリル化反応により硬化物を与える。 すなわち、 ヒド ロシリル化反応性組成物は硬化性組成物 (硬化性組成物 (1 ) ) である。
このような分子内に少なくとも 1 . 1個のヒドロシリル基を有する化合物とし
ては特に限定されないが、 例えば、 一般式 (22) または (23) で表される鎖 状ポリシロキサン;
R 23 3 S i O - [S i (R23) 20] a - [S i (H) (R24) O] b— [S i ( R24) (R25) O] S i R 23 (22)
HR 23 S i O- [S i (R23) 20] - [S i (H) (R24) O] [S i
(R24) (R25) O] C-S i R 23 2H (23)
(式中、 R23および R 24は炭素数 1〜6のアルキル基、 または、 フエニル基、 1 25は炭素数1〜1 0のアルキル基またはァラルキル基を示す。 aは O a 100、 bは 2≤b≤ 100、 cは O c ^ l O Oを満たす整数を示す。 ) 一般式 (24) で表される環状シロキサン;
(式中、 R26および R27は炭素数 1〜6のアルキル基、 または、 フエニル基、 1 28は炭素数1〜1 0のアルキル基またはァラルキル基を示す。 dは O d≤ 8、 eは 2 e 1 0、 f は 0≤ f ≤ 8の整数を表し、 かつ 3≤ d + e + f ≤ 1 0を満たす。 )
等の化合物を用いることができる。
これらは単独で用いても 2種以上を混合して用いてもかまわない。 これらのシ ロキサンの中でもビニル系重合体との相溶性の観点から、 フエ二ル基を有する下 記一般式 (25) 、 (26) で表される鎖状シロキサンや、 一般式 (27) 、 ( 28) で表される環状シロキサンが好ましい。
(CH3) g S i 0- [S i (H) (CH3) O] g [S i (C6H5) 2O] h - S i (CH3) 3 (25)
(CH3) 3S i O- [S i (H) (CH3) O] t [S i (CH3) {CH2C (H) (R24) C6H5} O] h-S i (CH3) 3 (26)
(式中、 R
24は水素またはメチル基を示す。 gは 2≤ g^ l 00、 hは 0≤h I 00の整数を示す。 C
6H
5はフエ二ル基を示す。 )
(27)
(式中、 R29は水素、 またはメチル基を示す。 iは 2≤ i≤ 1 0、 jは O j ≤ 8 かつ 3≤ i + j ≤ 10を満たす整数を示す。 C6H5はフエ二ル基を示す。 )
B成分の少なくとも 1. 1個のヒドロシリル基を有する化合物としてはさらに、 分子中に 2個以上のエチレン性不飽和基 (CH2 = CH— ) を有する低分子化合 物に対し、 一般式 (22) から (28) に表されるヒドロシリル基含有化合物を、 反応後にも一部のヒドロシリル基が残るようにして付加反応させて得られる化合 物を用いることもできる。 分子中に 2個以上のエチレン性不飽和基 (CH2==C H—) を有する化合物としては、 各種のものを用いることができる。 例示するな らば、 1, 4一ペンタジェン、 1, 5一へキサジェン、 1 , 6—へブタジエン、 1, 7—ォクタジェン、 1, 8—ノナジェン、 1, 9ーデカジエン等の炭化水素 系化合物、 O, 0, ージァリルビスフエノール A、 3, 3, ージァリルビスフエ ノール A等のエーテル系化合物、 ジァリルフタレート、 ジァリルイソフタレート、 トリアリルトリメリテート、 テトラァリルピロメリテート等のエステル系化合物、 ジエチレンダリコールジァリルカーボネート等のカーボネート系化合物が挙げら れる。
上記一般式 (22) から (28) に示した過剰量のヒドロシリル基含有化合物 に対し、 ヒドロシリル化触媒の存在下、 上に挙げたエチレン性不飽和基含有化合 物をゆつくり滴下することにより該化合物を得ることができる。 このような化合 物のうち、 原料の入手容易性、 過剰に用いたシロキサンの除去のしゃすさ、 さら
にはビュル系重合体への相溶性を考慮して、 下記のものが好ましい
(nは 2〜4の整数、 mは 5~10の整数)
A成分のビュル系重合体と B成分のヒ ドロシリル基含有化合物は任意の割合で 混合することができるが、 硬化性の面から、 エチレン性不飽和基 (CH2 = CH 一) とヒドロシリル基のモル比が 5〜0. 2の範囲にあることが好ましく、 さら に、 2. 5〜0. 4であることが特に好ましい。 モル比が 5以上になると硬化が 不十分でベとつきのある強度の小さい硬化物しか得られず、 また、 0. 2より小 さいと、 硬化後も硬化物中に活性なヒドロシリル基が大量に残るので、 クラック、 ボイドが発生し、 均一で強度のある硬化物が得られない。
A成分のビュル系重合体と B成分のヒドロシリル基含有化合物との硬化反応は、
2成分を混合して加熱することにより進行するが、 反応をより迅速に進めるため に、 ヒ ドロシリル化触媒を添加することができる。 このようなヒ ドロシリルイ匕触 媒としては特に限定されず、 例えば、 有機過酸化物ゃァゾ化合物等のラジカル開 始剤、 および遷移金属触媒が挙げられる。
ラジカル開始剤としては特に限定されず、 例えば、 ジー t—プチルペルォキシ ド、 2, 5_ジメチルー 2, 5—ジ ( t—ブチルペルォキシ) へキサン、 2, 5 —ジメチノレ一2, 5—ジ ( tーブチルぺノレオキシ) 一 3—へキシン、 ジクミルぺ ルォキシド、 t—プチルクミルペルォキシド、 a, , -ビス ( t一ブチルペル 才キシ) ィソプロピノレベンゼンのようなジアルキルペルォキシド、 ベンゾィルぺ ノレォキシド、 p—クロ口べンゾイノレぺノレォキシド、 m—クロ口べンゾイノレぺノレオ キシド、 2 , 4—ジクロ ロベンゾィルぺノレォキシド、 ラウロイノレペルォキシドの ようなァシルペルォキシド、 過安息香酸一 t一ブチルのような過酸エステル、 過 ジ炭酸ジィソプロピル、 過ジ炭酸ジー 2—ェチルへキシルのようなペルォキシジ カーボネート、 1, 1—ジ ( t一ブチルペルォキシ) シク口へキサン、 1 , 1 - ジ (t一ブチルペルォキシ) 一 3, 3, 5—トリメチノレシク口へキサンのような ペルォキシケタ一ル等を挙げることができる。
遷移金属触媒としても特に限定されず、 例えば、 白金単体、 アルミナ、 シリカ、 カーボンブラック等の担体に白金固体を分散させたもの、 塩化白金酸、 塩化白金 酸とアルコール、 アルデヒ ド、 ケトン等との錯体、 白金ーォレフイン錯体、 白金 (0) ージビニルテトラメチルジシロキサン錯体が挙げられる。 白金化合物以外 の触媒の例としては、 Rh C l (P P h 3) 3, Rh C 1 a, Ru C l 3, I r C 1 3) F e C 1 g, A 1 C 1 3, P d C 1 2 · H20, N i C 1 2, T i C 1 4等が 挙げられる。
これらの触媒は単独で用いてもよく、 2種類以上を併用してもかまわない。 触媒量としては特に制限はないが、 (A) 成分のエチレン性不飽和基 (CH2 = CH-) lmo lに対し、 1 0―1〜 1 0— 8mo 1の範囲で用いるのが良く、 好ましくは 1 0— 3〜1 0— 6mo 1の範囲で用いるのがよい。 1 0— 8mo 1より 少ないと硬化が十分に進行しない。 またヒドロシリルィヒ触媒は一般に高価で腐食 性であり、 また、 水素ガスを大量に発生して硬化物が発泡してしまう場合がある
ので 10— 1mo 1以上用いないのが好ましい。
硬化温度については特に制限はないが、 一般に 0°C〜200°C、 好ましくは 3 0° (〜 150°C、 さらに好ましくは 80° (:〜 150でで硬化させるのがよレ、。 こ れにより短時間で硬化性組成物を得ることができる。
<ヒドロシリル化反応性組成物 ( 2 ) >
B成分のヒドロシリル基含有化合物として架橋性シリル基を併せ持つヒドロシ ラン化合物を用いてもよい。
架橋性シリル基を併せ持つヒドロシラン化合物としては特に制限はないが、 代 表的なものを示すと、 一般式 29で示される化合物が例示される。
H— [S i (R11) 2— b (Y) bO] m-S i (R12) 3-a (Y) a (29) {式中、 R11 R12は、 いずれも炭素数 1〜20のアルキル基、 炭素数 6〜2 0のァリール基、 炭素数 7〜 20のァラルキル基、 または (R, ) 3S i O— ( R' は炭素数 1〜20の 1価の炭化水素基であって、 3個の R, は同一であって もよく、 異なっていてもよい) で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、 R1 1または R 12が 2個以上存在するとき、 それらは同一であってもよく、 異なって いてもよい。 Yは水酸基または加水分解性基を示し、 Yが 2個以上存在するとき それらは同一であってもよく、 異なっていてもよい。 aは 0, 1, 2, または 3 を、 また、 bは 0, 1, または 2を示す。 mは 0〜19の整数である。 ただし、 a +mb≥ 1であることを満足するものとする。 }
加水分解性基としては、 たとえば、 水素原子、 アルコキシ基、 ァシルォキシ基、 ケトキシメート基、 アミノ基、 アミド基、 アミノォキシ基、 メルカプト基、 アル ケニルォキシ基などの一般に使用されている基があげられる。 これらのうちでは、 アルコキシ基、 アミド基、 アミノォキシ基が好ましいが、 加水分解性がマイルド で取り扱い易いという点から、 アルコキシ基がとくに好ましい。
加水分解性基や水酸基は、 1個のケィ素原子に 1〜 3個の範囲で結合すること ができ、 (a+∑b) は 1〜5個の範囲が好ましい。 加水分解性基や水酸基が架 橋性シリル基中に 2個以上結合する場合には、 それらは同じであってもよいし、 異なってもよい。 架橋性シリル基を形成するケィ素原子は 1個以上であるが、 シ ロキサン結合などにより連結されたケィ素原子の場合には、 20個以下であるこ
とが好ましい。
これらヒドロシラン化合物の中でも、 特に一般式 30
H-S i (R12) 3- a ) a (30)
(式中、 R12、 Y、 aは前記に同じ)
で示される架橋性基を有する化合物が入手容易な点から好ましい。
B成分として上述のヒドロシラン化合物を用いたヒドロシリル化反応性組成物 をヒドロシリル化することにより分子内に架橋性シリル基を有するビュル系重合 体が得られる。 該ビニル系重合体も及び該ビニル系重合体を含有する硬化性糸且成 物 (硬化性組成物 (2) ) も本発明の一つである。 ビュル系重合体の分子内に存在する架橋性シリル基の数は特に限定はないが、 該ビニル系重合体を硬化性組成物のベースポリマーとして使用する場合には分子 内に平均して 1. 1個以上の架橋性シリル基を有することが好ましい。
架橋性シリル基を有するビ-ル系重合体の分子量は特に限定されないが、 数平 均分子量として 1, 000以上 10, 0000以下が好ましい。 下限は 5, 00 0以上がより好ましい。 上限は 50, 000以下がより好ましい。 架橋性シリル 基を有するビニル系重合体の分子量分布は特に限定されないが 1 · 05以上 1. 50以下が好ましい。 下限は 1. 10以上がより好ましい。 上限は 1. 40以下 がより好ましい。
本発明の架橋性シリル基としては、 一般式 31 ;
― [S i (R11) 2→ (Y) bO] m-S i (R12) 3_a (Y) a (31) {式中、 R11 R12は、 いずれも炭素数 1〜20のアルキル基、 炭素数 6〜2 0のァリール基、 炭素数 7〜 20のァラルキル基、 または (R, ) 3 S i 0- ( R, は炭素数 1〜20の 1価の炭化水素基であって、 3個の R, は同一であって もよく、 異なっていてもよい) で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、 R1 1または R12が 2個以上存在するとき、 それらは同一であってもよく、 異なって いてもよい。 Yは水酸基または加水分解性基を示し、 Yが 2個以上存在するとき それらは同一であってもよく、 異なっていてもよい。 aは 0, 1, 2, または 3 を、 また、 bは 0, 1, または 2を示す。 mは 0〜1 9の整数である。 ただし、
a + m b≥ 1であることを満足するものとする。 }
で表される基があげられる。
加水分解性基としては、 たとえば、 水素原子、 アルコキシ基、 ァシルォキシ基、 ケトキシメート基、 アミノ基、 アミド基、 アミノォキシ基、 メルカプト基、 アル ケニルォキシ基などの一般に使用されている基があげられる。 これらのうちでは、 アルコキシ基、 アミド基、 アミノォキシ基が好ましいが、 加水分解性がマイルド で取り扱い易いという点から、 アルコキシ基がとくに好ましい。
加水分解性基や水酸基は、 1個のケィ素原子に 1〜 3個の範囲で結合すること ができ、 (a +∑b ) は 1〜5個の範囲が好ましい。 加水分解性基や水酸基が架 橋性シリル基中に 2個以上結合する場合には、 それらは同じであってもよいし、 異なってもよい。 架橋性シリル基を形成するケィ素原子は 1個以上であるが、 シ ロキサン結合などにより連結されたケィ素原子の場合には、 2 0個以下であるこ とが好ましい。 とくに、 一般式 3 2
一 S i (R 1 2) 3_ a (Y) a ( 3 2 )
(式中、 R 1 Q、 Y、 aは前記と同じ。 ) で表される架橋性シリル基が、 入手が 容易であるので好ましい。
本発明の架橋性シリル基を有するビュル系重合体を硬化させて成る硬化物にゴ ム的な性質が特に要求される場合には、 ゴム弾性に大きな影響を与える架橋点間 分子量が大きくとれるため、 架橋性シリル基の少なくとも 1個は分子鎖の末端に あることが好ましい。 より好ましくは、 全ての官能基を分子鎖末端に有するもの である。
A成分のビュル系重合体と B成分の架橋性シリル基を併せ持つヒドロシラン化 合物の割合は特に限定されないが、 ヒドロシリル基がエチレン性不飽和基 (C H 2 = C H—) 基に対して当量以上であることが好ましい。
ヒ ドロシリル化反応をより迅速に進めるために、 ヒ ドロシリル化触媒を添加す ることができる。 このようなヒドロシリル化触媒としては既に例示したものが使 用されてよい。
反応温度については特に制限はないが、 一般に 0 °C〜2 0 0 ° (:、 好ましくは 3 0 °C〜 1 5 0 °C、 さらに好ましくは 8 0 ° (:〜 1 5 0 °Cである。
硬化性組成物 (2 ) を硬化させるにあたっては縮合触媒を使用してもしなくて もよい。 縮合触媒としてはテトラプチルチタネート、 テトラプロピルチタネート 等のチタン酸エステル;ジブチル錫ジラゥレート、 ジブチル錫ジァセチルァセト ナート、 ジブチル錫マレエート、 ジブチル錫ジアセテート、 ジブチル錫ジメトキ シド、 ォクチル酸錫、 ナフテン酸錫等の有機錫化合物;ォクチル酸鉛、 プチルァ ミン、 ォクチ/レアミン、 ジプチ^/アミン、 モノエタノールァミン、 ジエタノーノレ ァミン、 トリエタノールァミン、 ジエチレントリアミン、 トリエチレンテトラミ ン、 ォレイルァミン、 ォクチルァミン、 シクロへキシルァミン、 ベンジルァミン、 ジェチルァミノプロピルァミン、 キシリ レンジァミン、 トリエチレンジァミン、 グァニジン、 ジフエニルダァニジン、 2, 4, 6—トリス (ジメチルアミノメチ ル) フエノーノレ、 モルホリン、 N—メチ /レモルホリン、 1 , 3—ジァザビシク口 ( 5 , 4, 6 ) ゥンデセン— 7等のアミン系化合物あるいはそれらのカルボン酸 塩;ラウリルァミンとォクチル酸錫の反応物あるいは混合物のようなアミン系化 合物と有機錫化合物との反応物およぴ混合物;過剰のポリアミンと多塩基酸から 得られる低分子量ポリアミド樹脂;過剰のポリアミンとエポキシ化合物の反応生 成物;アミノ基を有するシランカップリング剤、 例えば、 γ—アミノプロビルト リメ トキシシラン、 Ν— ( Ρ—ァミノェチル) ァミノプロピルメチルジメ トキシ シラン等の公知のシラノール触媒 1種または 2種以上を必要に応じて用いればよ い。 使用量は末端に架橋性シリル基を有するビュル系重合体に対し、 0〜1 0重 量%で使用するのが好ましい。 加水分解性基 Υとしてアルコキシ基が使用される 場合は、 この重合体のみでは硬化速度が遅いので、 硬化触媒を使用することが好 ましい。 ぐ硬化性組成物 >
上記硬化性糸且成物 (1 ) 、 硬化性組成物 (2 ) には、 物性を調整するために各 種の添加剤、 例えば、 難燃剤、 老化防止材、 充填材、 可塑剤、 物性調整剤、 反応 希釈剤、 接着性付与剤、 貯蔵安定性改良剤、 溶剤、 ラジカル禁止剤、 金属不活性 化剤、 オゾン劣化防止剤、 リン系過酸化物分解剤、 滑剤、 顔料、 発泡剤、 光硬化 性樹脂などを必要に応じて適宜配合してもよレ、。 これらの各種添加剤は単独で用
いてもよく、 2種類以上を併用してもよい。
また、 ビュル系重合体は本来、 耐久性に優れた重合体であるので、 老化防止剤 は必ずしも必要ではないが、 従来公知の酸化防止剤、 紫外線吸収剤、 光安定剤等 を適宜用いることができる。
<充填材>
配合できる充填材としては、 特に限定されないが、 強度などの物性を付与する ために例えば、 微粉末シリカ、 炭酸カルシウム、 タルク、 酸化チタン、 珪藻土、 硫酸バリウム、 カーボンブラック、 表面処理微細炭酸カルシウム、 焼成クレー、 クレーおよび活性亜鉛華等の補強性充填材などが挙げられる。 補強性充填材は単 独で用いてもよく、 2種以上を併用してもよい。 これらの中でもシリカ微粉末が 好ましく、 湿式製造法等から得られる含水シリカ、 および乾式製造法等から得ら れる乾式シリカなどが用いることができる。 これらのうちで組成物に水分が多く 含まれると硬化反応時に副反応等が起こる可能性があるため、 無水シリカが特に 好ましい。 更に無水シリ力の表面を疎水処理したものが成形に適した流動性を発 現しやすいため特に好ましい。 また他に、 増量あるいは物性調整のために補強性 のあまり強くない充填材も用いることができる。
く可塑剤 >
配合できる可塑剤としては特に限定されないが、 物性の調整、 性状の調節等の 目的により、 例えば、 ジブチルフタレート、 ジヘプチルフタレート、 ジ ( 2—ェ チルへキシル) フタレート、 ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル類 ;ジォクチ^^アジペート、 ジォクチ^^セバケート、 ジブチノレセバケート、 コハク 酸ィソデシル等の非芳香族二塩基酸エステル類;ォレイン酸ブチル、 ァセチルリ シノール酸メチル等の脂肪族エステル類;ジエチレングリコールジベンゾエート、 トリエチレングリコーノレジべンゾエート、 ペンタエリスリ トーノレエステノレ等のポ リアルキレングリコールのエステル類; トリクレジルホスフェート、 トリブチノレ ホスフエ一ト等のリン酸エステル類; トリメリット酸エステル類;ポリスチレン やポリ一 α—メチルスチレン等のポリスチレン類;ポリブタジエン、 ポリブテン、 ポリイソブチレン、 ブタジエン一アクリロニトリル、 ポリクロ口プレン;塩素化 パラフィン類;アルキルジフエニル、 部分水添ターフェニル、 等の炭化水素系油
;プロセスオイル類;ポリエチレングリコール、 ポリプロピレングリコール、 ポ リテトラメチレンダリコール等のポリエーテルポリオールとこれらポリエーテル ポリオールの水酸基をエステル基、 エーテル基などに変換した誘導体等のポリェ 一テル類;エポキシ化大豆油、 エポキシステアリン酸ベンジル等のエポキシ可塑 剤類;セバシン酸、 アジピン酸、 ァゼライン酸、 フタル酸等の 2塩基酸とェチレ ングリコーノレ、 ジエチレングリコーノレ、 トリエチレングリコーノレ、 プロピレング リコール、 ジプロピレングリコール等の 2価アルコールから得られるポリエステ ル系可塑剤類;アタリル系可塑剤を始めとするビニル系モノマーを種々の方法で 重合して得られるビュル系重合体類等を単独、 または 2種以上混合して使用する ことができるが、 必ずしも必要とするものではない。 なおこれら可塑剤は、 重合 体製造時に配合することも可能である。
<貯蔵安定性改良剤 >
配合できる貯蔵安定性改良剤は、 本組成物の貯蔵時の増粘および貯蔵後の硬化 速度の著しい変化を抑えることができるものであれば特に限定されず、 例えば、 ベンゾチアゾール、 ジメチルマレート等が挙げられる。
ぐ溶剤 >
配合できる溶剤としては、 例えばトルエン、 キシレン等の芳香族炭化水素系溶 剤、 酢酸ェチル、 酢酸ブチル、 酢酸アミル、 酢酸セロソルブ等のエステル系溶剤、 メチルェチルケトン、 メチルイソブチルケトン、 ジィソブチルケトン等のケトン 系溶剤等が挙げられる。 それらの溶剤は重合体の製造時に用いてもよい。
ぐ接着性付与剤 >
配合できる接着性付与剤としては硬化物に接着性を付与するものであれば特に 限定されないが、 架橋性シリル基含有化合物が好ましく、 更にはシランカツプリ ング剤が好ましい。 これらを具体的に例示すると、 メチルトリメ トキシシラン、 ジメチルジメ トキシシラン、 トリメチルメ トキシシラン、 n—プロピルトリメ ト キシシラン等のアルキルアルコキシシラン類;ジメチルジィソプロぺノキシシラ ン、 メチルトリイソプロぺノキシシラン等のアルキルィソプロぺノキシシラン; ビニルトリメ トキシシラン、 ビュルジメチルメ トキシシラン、 ビュルトリエトキ シシラン、 γ—メタタリロイルォキシプロピルメチルジメ トキシシラン、 γ一了
クロィルォキシプロピルメチルトリエトキシシラン等のビュル型不飽和基含有シ ラン類;シリコーンワニス類;ポリシロキサン類等が挙げられる。
それらの中でも分子中にエポキシ基、 (メタ) アクリル基、 イソシァネート基、 イソシァヌレート基、 力ルバメート基、 アミノ基、 メルカプト基、 カルボキシル 基等の炭素原子および水素原子以外の原子を有する有機基と架橋性シリル基を併 せ持つシランカップリング剤が好ましい。 これらを具体的に例示すると、 イソシ ァネート基を有するアルコキシシラン類としては、 Ί一^ f ソシァネートプロピル トリメ トキシシラン、 γ—イソシァネートプロピルトリエトキシシラン、 γ—ィ ソシァネートプロピルメチルジェトキシシラン、 7一イソシァネートプロピルメ チルジメ トキシシラン等のイソシァネート基含有シラン類、 ;イソシァヌレート 基を有するアルコキシシラン類としては、 トリス (トリメ トキシシリル) イソシ ァヌレート等のィソシァヌレートシラン類;アミノ基を有するアルコキシシラン 類としては、 γ—ァミノプロビルトリメ トキシシラン、 γ—ァミノプロピルトリ ェトキシシラン、 γ—ァミノプロピルメチルジメ トキシシラン、 γ—ァミノプロ ピルメチルジェトキシシラン、 Ν— アミノエチル) 一 y—ァミノプロピル トリメ トキシシラン、 N— ( β—アミノエチル) 一 γ—ァミノプロピルメチルジ メ トキシシラン、 N— ( J3—アミノエチル) 一 ーァミノプロピルトリエトキシ シラン、 N— アミノエチル) 一y—ァミノプロピルメチルジェトキシシラ ン、 γ—ウレイ ドプロビルトリメ トキシシラン、 Ν—フエ二ルー V—ァミノプロ ピルトリメ トキシシラン、 Ν—ベンジルー γ—ァミノプロビルトリメ トキシシラ ン、 Ν—ビュルべンジルー γ—アミノプロピルトリエトキシシラン等のァミノ基 含有シラン類; メルカプト基を有するアルコキシシラン類としては、 γ—メルカ プトプロビルトリメ トキシシラン、 γ—メルカプトプロピルトリエトキシシラン、 γ—メルカプトプロピルメチルジメ トキシシラン、 γ—メルカプトプロピルメチ ルジェトキシシラン等のメルカプト基含有シラン類;カルボキシル基を有するァ ルコキシシラン類としては、 β一カルボキシェチルトリエトキシシラン、 β一力 ルポキシェチルフエニルビス ( 2—メ トキシェトキシ) シラン、 Ν - β ~ (カル ボキシメチル) アミノエチルー γ—ァミノプロピルトリメ トキシシラン等のカル ボキシシラン類;ハロゲンを有するアルコキシシラン類としては、 γ—クロロプ
口ピルトリメ トキシシラン等のハロゲン含有シラン類等が挙げられる。
また、 これらを変性した誘導体である、 ァミノ変性シリルポリマー、 シリル化 アミノポリマー、 不飽和アミノシラン錯体、 フエニルァミノ長鎖アルキルシラン、 アミノシリル化シリコーン、 シリル化ポリエステル等もシランカツプリング剤と して用いることができる。
更にこれらの中でも、 硬化性及び接着性の点から、 分子中にエポキシ基あるい は (メタ) アクリル基を有するアルコキシシラン類がより好ましい。 これらを更 に具体的に例示すると、 エポキシ基を有するアルコキシシラン類としては、 γ— グリシドキシプロピルメチルジメ トキシシラン、 γ—グリシドキシプロピルトリ メ トキシシラン、 y -グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、 β— ( 3, 4 一エポキシシクロへキシル) ェチルトリメ トキシシラン、 β — ( 3, 4一ェポキ シシク口へキシル) ェチルトリエトキシシラン、 γ—グリシドキシプロピルメチ ルジイソプロぺノキシシラン等が、 (メタ) アクリル基を有するアルコキシシラ ン類としては、 γ—メタタリロキシプロピルトリメ トキシシラン、 γ—メタタリ ロキシプロピルトリエトキシシラン、 γ—アタリロキシプロビルトリメ トキシシ ラン、 γ—アタリロキシプロピルトリエトキシシラン、 メタクリロキシメチルト リメ トキシシラン、 メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、 アタリ口キシメ チルトリメ トキシシラン、 ァクリロキシメチルトリエトキシシラン等が挙げられ る。 これらは単独で用いてもよく、 また 2種以上を併用してもよい。
また、 接着性を更に向上させるために、 架橋性シリル基縮合触媒を上記接着性 付与剤とともに併用することができる。 架橋性シリル基縮合触媒としては、 ジブ チル錫ジラゥレート、 ジブチル錫ジァセチルァセトナート、 ジブチル錫ジメ トキ シド、 ォクチル酸錫等の有機錫化合物、 アルミニウムァセチルァセトナート等の 有機アルミニウム化合物、 テトライソプロポキシチタン、 テトラブトキシチタン 等の有機チタン化合物などが挙げられる。
シランカップリング剤以外の具体例としては、 特に限定されないが、 例えば、 エポキシ樹脂、 フユノール樹脂、 硫黄、 アルキルチタネート類、 芳香族ポリイソ シァネート等が挙げられる。
上記接着性付与剤は、 ビュル系重合体 1 0 0重量部に対して、 0 . 0 1〜 2 0
重量部配合するのが好ましい。 0 . 0 1重量部未満では接着性の改善効果が小さ く、 2 0重量部を越えると硬化物物性に悪影響を与える。 好ましくは 0 . 1〜1 0重量部であり、 更に好ましくは 0 . 5〜 5重量部である。
上記接着性付与剤は 1種類のみで使用しても良いし、 2種類以上混合使用して も良い。 これら接着性付与剤は添加することにより被着体に対する接着性を改善 することができる。 ぐ成形方法 >
本発明の硬化性組成物を成形体として用いる場合の成形方法としては、 特に限 定されず、 一般に使用されている各種の成形方法を用いることができる。 例えば、 注型成形、 圧縮成形、 トランフファー成形、 射出成形、 押し出し成形、 回転成形、 中空成形、 熱成形などが挙げられる。 特に自動化、 連続化が可能で、 生産性に優 れるという観点から射出成形によるものが好ましい。 また、 ガスケットとして用 いる場合等には、 フランジ面等に塗布した硬化性組成物を未硬化状態で両面から 挟み付けた後、 硬化させるゥエツトタイプと、 硬化させてから挟み付けるドライ タイプの両者が可能である。
<用途>
本発明の硬化性組成物は、 限定はされないが、 建築用弾性シーリング材ゃ複層 ガラス用シーリング材等におけるシーリング材、 太陽電池裏面封止材などの電気 •電子部品材料、 電線 ·ケーブル用絶縁被覆材などの電気絶縁材料、 粘着剤、 接 着剤、 弾性接着剤、 塗料、 粉体塗料、 コーティング材、 発泡体、 電気電子用ポッ ティング材、 フィルム、 ガスケット、 注型材料、 人工大理石、 各種成形材料、 お よび、 網入りガラスや合わせガラス端面 (切断部) の防鲭 ·防水用封止材等の様 々な用途に利用可能である。
更に、 本発明の硬化性糸且成物から得られたゴム弾性を示す成形体は、 ガスケッ ト、 パッキン類を中心に広く使用することができる。 例えば自動車分野ではボデ ィ部品として、 気密保持のためのシール材、 ガラスの振動防止材、 車体部位の防 振材、 特にウィンドシールガスケット、 ドアガラス用ガスケットに使用すること
ができる。 シャーシ部品として、 防振、 防音用のエンジンおよびサスペンジョン ゴム、 特にエンジンマウントラパーに使用することができる。 エンジン部品とし ては、 冷却用、 燃料供給用、 排気制御用などのホース類、 エンジンオイル用シー ル材などに使用することができる。 また、 排ガス清浄装置部品、 ブレーキ部品に も使用できる。 家電分野では、 パッキン、 Oリング、 ベルトなどに使用できる。 具体的には、 照明器具用の飾り類、 防水パッキン類、 防振ゴム類、 防虫パッキン 類、 クリーナ用の防振 '吸音と空気シール材、 電気温水器用の防滴カバー、 防水 パッキン、 ヒータ部パッキン、 電極部パッキン、 安全弁ダイァフラム、 酒かん器 用のホース類、 防水パッキン、 電磁弁、 スチームオーブンレンジ及ぴジャー炊飯 器用の防水パッキン、 給水タンクパッキン、 吸水バルブ、 水受けパッキン、 接続 ホース、 ベルト、 保温ヒータ部パッキン、 蒸気吹き出し口シールなど燃焼機器用 のオイノレパッキン、 Oリング、 ドレインパッキン、 力!]圧チューブ、 送風チューブ、 送 ·吸気パッキン、 防振ゴム、 給油ロパッキン、 油量計パッキン、 送油管、 ダイ ァフラム弁、 送気管など、 音響機器用のスピーカーガスケット、 スピーカーエツ ジ、 ターンテーブルシート、 ベルト、 プーリー等が挙げられる。 建築分野では、 構造用ガスケッ ト (ジッパーガスケッ ト) 、 空気膜構造屋根材、 防水材、 定形シ 一リング材、 防振材、 防音材、 セッティングブロック、 摺動材等に使用できる。 スポーツ分野では、 スポーツ床として全天候型舗装材、 体育館床等、 スポーツシ ユーズとして靴底材、 中底材等、 球技用ボールとしてゴルフポール等に使用でき る。 防振ゴム分野では、 自動車用防振ゴム、 鉄道車両用防振ゴム、 航空機用防振 ゴム、 防舷材等に使用できる。 海洋 '土木分野では、 構造用材料として、 ゴム伸 縮継手、 支承、 止水板、 防水シート、 ラバーダム、 弾性舗装、 防振パット、 防護 体等、 工事副材料としてゴム型枠、 ゴムパッカー、 ゴムスカート、 スポンジマツ ト、 モルタルホース、 モルタルストレーナ等、 工事補助材料としてゴムシート類、 エアホース等、 安全対策商品としてゴムブイ、 消波材等、 環境保全商品としてォ イノレフエンス、 シノレトフエンス、 防汚材、 マリンホース、 ドレツジングホース、 オイルスキマー等に使用できる。 その他、 板ゴム、 マット、 フォーム板等にも使 用できる。
発明を実施するための最良の形態
以下に、 この発明の具体的な実施例を比較例と併せて説明するが、 この発明は、 下記実施例に限定されない。
下記実施例おょぴ比較例中 「部」 および 「%」 は、 それぞれ 「重量部」 および 「重量%」 を表す。 下記実施例中、 臭素基の量は、 酸素フラスコ燃焼法により試料を調製した後、 イオンクロマトグラフ法による元素分析で定量した。 下記実施例中、 「数平均分子量」 および 「分子量分布 (重量平均分子量と数平 均分子量の比) 」 は、 ゲルパーミエーシヨンクロマトグラフィー (G P C ) を用 いた標準ポリスチレン換算法により算出した。 ただし、 G P Cカラムとしてポリ スチレン架橋ゲルを充填したもの ( s h o d e X G P C K一 8 0 4及び G P C K - 8 0 2 . 5 ;昭和電工 (株) 製) 、 G P C溶媒としてクロ口ホルムを用 いた。 下記実施例中、 重合体 1分子当たりに導入された反応性官能基 (反応性官能基 : 「エチレン性不飽和基の数」 または 「シリル基の数」 ) は1 H— NMRによる 濃度分析を行い、 G P Cにより求まる数平均分子量により算出した。 下記実施例中、 ビニル系重合体中の一般式 (C) で表される基の量は、 一般式 ( C) で表される基を有するビュル系重合体のハロゲンをメタクリル酸カリで置 換し、 ビュル系重合体中に存在するメタクリロイル基の濃度を1 H— NMRで算 出することにより間接的に求めた。 下記実施例中、 ビニル系重合体中の一般式 (D) で表される基と一般式 (C) で表される基の比は以下の式により算出した。
ビニル系重合体中の一般式 (D) で表される基と一般式 (C) で表される基の比 = (反応後のビニル系重合体中に残存する一般式 (C) で表される基の量) / [
(反応前のビニル系重合体中に存在する一般式 (C ) で表される基の量) 一 (反 応後のビニル系重合体中に残存する一般式 (C ) で表される基の量) ]
ここで、 反応前のビニル系重合体中に存在する一般式 (C ) で表される基の量 および反応後のビュル系重合体中に残存する一般式 (C ) で表される基の量とは、 エチレン性不飽和基含有化合物と一般式 (C) で表される基を有するビニル系重 合体との反応工程前後におけるビニル系重合体中に存在する一般式 (C) で表さ れる基の量であって、 ともに上記方法により定量した。 下記実施例中、 メ トキシシリル基含有重合体の貯蔵安定性を以下の促進試験に より評価した。
重合体を硝子製容器に入れ、 密閉して 8 0 °Cで加熱保管した。 7日経過後、 重 合体入り容器を室温まで放冷し、 粘度測定を行った。 8 0 °C加熱保管前と 7日間 加熱保管後の重合体の粘度変化率 (%) により貯蔵安定性を評価した。 粘度変化 率が小さいものほど貯蔵安定性は良い。 下記実施例中、 ヒドロシリル化活性を以下の方法により求めた 『白金触媒使用 量』 により評価した。 - 所定量の重合体、 分子内に平均 1 0個のヒドロシリル基を有する鎖状シロキサ ンのヒドロシリル基の一部を α—メチルスチレンと反応させて変性された分子内 に平均 5個のヒドロシリル基を有する鎖状シロキサン (S i— Η基量 3 . 7 0 m m o l / g ) 、 白金触媒 [ビス (1 , 3—ジビニル _ 1, 1 , 3, 3—テトラメ チルジシロキサン) 白金錯体触媒のキシレン溶液:以下白金触媒という] を添カロ し、 均一混合して糸且成物を得た。 組成物を 1 3 0 °Cに加熱してゲル化させた。 ゲ ル化時間が 3 0秒であるときに要する白金換算での白金触媒量によってヒドロシ リル化活性を評価した。 要する白金触媒量が少ないほうがヒドロシリル化活性は 高いと評価できる。
(製造例 1 ) 1, 7—ォクタジェンによる γ—プロモエステル構造への変換 1 (アタリル酸 η—ブチルの重合)
還流管および攪拌機付きの 2 Lのセパラブルフラスコに、 CuB r (8. 4 g、 58. 5mmo 1 ) を仕込み、 反応容器内を窒素置換した。 ァセトニトリル (1 12mL) を加え、 オイルバス中 70°Cで 30分間攪拌した。 これにアクリル酸 n—ブチル (200 g) 、 2、 5—ジブロモアジピン酸ジェチル (17. 6 g、 48. 8mmo 1) 、 ペンタメチルジェチレントリアミン (0. 407mL、 0. 338 g、 2. Ommo l ) (これ以降トリアミンと表す) を加え、 反応を開始 した。 70°Cで加熱攪拌しながら、 アクリル酸 n—ブチル (800 g) を連続的 に滴下した。 アクリル酸 n—ブチルの滴下途中にトリアミンを追加した。
(1, 7—ォクタジェンとの反応: ビュル系重合体中の一般式 (C) で表される 基の一般式 (D) で表される基への変換反応及びビニル系重合体へのエチレン性 不飽和基導入反応)
モノマー反応率が 96%に達した時点で残モノマー、 ァセトニトリルを 70°C で脱揮し、 エチレン性不飽和基含有化合物として 1, 7—ォクタジェン (144 mL、 107 g、 975 mm o 1 ) を添加し、 更にァセトニトリノレ (336mL ) を加え、 トリアミンを追加し、 引き続き 70°Cで加熱攪拌した。
1, 7—才クタジェン添カ卩直前におけるビュル系重合体 1 k g当たりに存在す る一般式 (C) で表される基の量は 74mmo 1であった。 前記の一般式 (C) で表される基の量の値及ぴ G PCで求められる数平均分子量値 22200を用い て重合体 1分子当たりに存在する一般式 (C) で表される基の平均の数を算出す ると 1. 7個であった。 1, 7—ォクタジェン添加後、 反応終了時における一般 式 (C) で表される基の残量は重合体 1 k gに対して 2. Ommo lであった。 前記の一般式 (C) で表される基の残量の値及ぴ G PCで求められる数平均分子 量値 24000を用いて重合体 1分子当たりに存在する一般式 (C) で表される 基の平均の数を算出すると 0. 05個であった。 1, 7—ォクタジェンとの反応 により得られるビュル系重合体は一般式 (C) で表される基を有するビュル系重 合体と一般式 (D) で表される基を有するビニル系重合体との混合物であった。 一般式 (C) で表される基と一般式 (D) で表される基の比を算出式に従い求め たところ 0. 03であった。
(重合触媒の除去)
反応混合物を加熱脱揮し、 トルエンに希釈し、 混合物を活性アルミナのカラム に通すことで重合触媒を除去した。 重合体溶液を濃縮し、 重合体に対して 100 部のメチルシクロへキサンに溶解させ、 吸着剤 4部 (キヨ一ワード 500 SH 2部 Zキヨ一ワード 700 S L 2部:共に協和化学 (株) 製) を加え、 酸素 ' 窒素混合ガス雰囲気下で加熱攪拌した。 不溶分を除去し、 重合体溶液を濃縮する ことで目的とする重合体 (重合体 [1] ) を得た。
(重合体の物性値)
重合体 [ 1 ] の数平均分子量は 23800、 分子量分布は 1. 23であった。 重合体 [1] 中に含まれる臭素量は元素分析の結果、 重合体 1 k gに対し 490 Omgであった。
(比較例 1 ) ポリアクリル酸 n -ブチルの脱ハ口ゲン化処理 1 : 130 °Cでの処 理
製造例 1で得られた重合体 [ 1 ] を 1 30 °Cで 6時間加熱脱揮 (減圧度 10 t o r r以下) することにより臭素量が低減されたエチレン性不飽和基含有ポリァ クリル酸 η—ブチルを得た。 重合体中に含まれる臭素量は元素分析の結果、 重合 体 l k gに対し 3800mgであった。 数平均分子量は 24300、 分子量分布 は 1. 23であった。 (実施例 1 ) ポリアタリル酸 n―ブチルの脱ハ口ゲン化処理 2 : 150 °Cでの処 理
製造例 1で得られた重合体 [ 1 ] を 1 50 °Cで 6時間加熱脱揮 (減圧度 10 t o r r以下) することにより臭素量が低減されたエチレン性不飽和基含有ポリア クリル酸 n—ブチルを得た。 重合体中に含まれる臭素量は元素分析の結果、 重合 体 1 k gに対し 870 m gであった。 数平均分子量は 24300、 分子量分布は 1. 23であった。
(実施例 2) ポリアクリル酸 n—ブチルの脱ハロゲン化処理 3 : 180°Cでの処
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製造例 1で得られた重合体 [ 1 ] を 180 °Cで 6時間加熱脱揮 (減圧度 10 t o r r以下) することにより臭素量が低減されたエチレン性不飽和基含有ポリア クリル酸 n—ブチルを得た。 重合体中に含まれる臭素量は元素分析の結果、 重合 体 1 k gに対し 370 m gであった。 数平均分子量は 24100、 分子量分布は 1. 25であった。
(製造例 2) 1, 7—ォクタジェンによる γ—ブロモエステル構造への変換 1一 2
製造例 1と同様の操作 (アクリル酸 n—ブチルの重合、 1, 7—ォクタジェン との反応、 重合触媒の除去) を行い、 目的とする重合体 (重合体 [2] ) を得た。 (重合体の物性値)
重合体 [2] の数平均分子量は 24700、 分子量分布は 1. 32であった。 重合体 [2] 中に含まれる臭素量は元素分析の結果、 重合体 l k gに対し 340 Omgであった。 重合体 1分子当たりに導入されたエチレン性不飽和基の数は 1 · 7個であった。
(実施例 3) ポリアクリル酸 n—ブチルの脱ハロゲン化処理 4 : 200°Cでの処 理
製造例 2で得られた重合体 [2] を 200°Cで 3時間加熱脱揮 (減圧度 10 t o r r以下) することにより臭素量が低減されたエチレン性不飽和基含有ポリア クリル酸 n—ブチルを得た。 重合体中に含まれる臭素量は元素分析の結果、 重合 体 1 k gに対し 280 m gであった。 数平均分子量は 25900、 分子量分布は 1. 34であった。 (実施例 4) ポリアクリル酸 n—プチルの脱ハロゲン化処理 5 : 235°Cでの処 理
製造例 2で得られた重合体 [2] を 235 °Cで 3時間加熱脱揮 (減圧度 10 t o r r以下) することにより臭素量が低減されたエチレン性不飽和基含有ポリア クリル酸 n—ブチルを得た。 重合体中に含まれる臭素量は元素分析の結果、 重合
体 1 k gに対し 10 Omg以下であった。 数平均分子量は 26500、 分子量分 布は 1. 36であった。
(製造例 3) 1, 7—ォクタジェンによる γ—ブロモエステル構造への変換 2 (アタリル酸エステルの重合:共重合)
還流管および攪拌機付きの 2 Lのセパラブルフラスコに、 CuB r (9. O g、 62. 8mmo 1 ) を仕込み、 反応容器内を窒素置換した。 ァセトニトリル (1 03mL) を加え、 オイルバス中 70°Cで 30分間攪拌した。 これにアクリル酸 n—プチル ( 54 g ) 、 アタリル酸ェチル ( 77 g ) 、 アタリル酸 2—メ トキシ ェチル (63 g) 、 2、 5—ジブロモアジピン酸ジェチル (17. 6 g、 48. 8mmo 1 ) 、 ペンタメチルジェチレントリアミン (0. 44mL、 0. 36 g、 2. lmmo 1 ) (これ以降トリアミンと表す) を加え、 反応を開始した。 70 °Cで加熱攪拌しながら、 アクリル酸 n—ブチル (215 g) 、 アクリル酸ェチル (308 g) 、 アクリル酸 2—メトキシェチル (253 g) の混合物を連続的に 滴下した。 モノマーの滴下途中にトリアミンを追加した。
(1, 7—ォクタジェンとの反応)
モノマー反応率が 97%に達した時点で残モノマー、 ァセトニトリルを 70 °C で脱揮し、 1, 7—ォクタジェン (309mL、 230 g、 2. 09mo 1 ) 、 ァセトニトリル (309mL) を加え、 トリアミンを追加し、 引き続き 70。Cで 加熱攪拌した。
1, 7ーォクタジェン添加直前におけるビエル系重合体 1 k g当たりに存在す る一般式 (C) で表される基の量は 10 lmmo 1であった。 前記の一般式 (C ) で表される基の量の値及ぴ G PCで求められる数平均分子量値 16200を用 いて重合体 1分子当たりに存在する一般式 (c) で表される基の平均の数を算出 すると 1. 6個であった。 1, 7—ォクタジェン添加後、 反応終了時における一 般式 (C) で表される基の残量は重合体 1 k gに対して 3. Ommo l以下であ つた。 前記の一般式 (C) で表される基の残量の値及ぴ G PCで求められる数平 均分子量値 1 7100を用いて重合体 1分子当たりに存在する一般式 (C) で表 される基の平均の数を算出すると 0. 06個以下であった。 1, 7—ォクタジェ
ンとの反応により得られるビニル系重合体は一般式 (C) で表される基を有する ビニル系重合体と一般式 (D) で表される基を有するビニル系重合体との混合物 であった。 一般式 (C) で表される基と一般式 (D) で表される基の比を算出式 に従い求めたところ 0. 03以下であった。
(重合触媒の除去)
反応混合物を加熱脱揮し、 トルエンに希釈し、 混合物を活性アルミナのカラム に通すことで重合触媒を除去した。 重合体溶液を濃縮し、 重合体に対して 100 部のトルエンに溶解させ、 吸着剤 4部 (キヨ一ワード 500 SH 2部/キヨ一 ワード 700 S L 2部:共に協和化学 (株) 製) を加え、 酸素存在下で加熱攪 拌した。 不溶分を除去し、 重合体溶液を濃縮することで目的とする重合体 (重合 体 [3] ) を得た。
(重合体の物性値)
重合体 [3] の数平均分子量は 17500、 分子量分布は 1. 15であった。 重合体 [3] 中に含まれる臭素量は元素分析の結果、 重合体 l k gに対し 480 Omgであった。
(比較例 2) 共重合体の脱ハロゲン化処理 1 : 130 での処理
製造例 3で得られた重合体 [3] を 130°Cで 6時間加熱脱揮 (減圧度 10 t o r r以下) することにより臭素量が低減されたエチレン性不飽和基含有ポリア クリル酸エステル共重合体を得た。 重合体中に含まれる臭素量は元素分析の結果、 重合体 l k gに対し 3500mgであった。 数平均分子量は 17500、 分子量 分布は 1. 15であった。
(実施例 5) 共重合体の脱ハロゲン化処理 3 : 180°Cでの処理
実施例 3で得られた重合体 [3] を 180°Cで 6時間加熱脱揮 (減圧度 10 t o r r以下) することにより臭素量が低減されたエチレン性不飽和基含有ポリア クリル酸エステル共重合体を得た。 重合体中に含まれる臭素量は元素分析の結果、 重合体 l k gに対し 470mgであった。 数平均分子量は 17600、 分子量分 布は 1. 15であった。
(製造例 4) 1, 7—ォクタジェンによる y—ブロモエステル構造への変換 2— 2
製造例 3と同様の操作 (アタリル酸 n -プチル、 アタリル酸ェチル、 アクリル 酸 2—メトキシェチルの重合、 1, 7—ォクタジェンとの反応、 重合触媒の除去 ) を行い、 目的とする重合体 (重合体 [4] ) を得た。
(重合体の物性値)
重合体 [4] の数平均分子量は 1 7400、 分子量分布は 1. 1 6であった。 重合体 [4] 中に含まれる臭素量は元素分析の結果、 重合体 1 k gに対し 3 10 Omgであった。 重合体 1分子当たりに導入されたエチレン性不飽和基の数は 1 - 8個であった。
(実施例 6) 共重合体の脱ハロゲン化処理 4 : 200°Cでの処理
製造例 4で得られた重合体 [4] を 200°Cで 3時間加熱脱揮 (減圧度 10 t o r r以下) することにより臭素量が低減されたエチレン性不飽和基含有ポリア クリル酸エステル共重合体を得た。 重合体中に含まれる臭素量は元素分析の結果、 重合体 1 k gに対し 190 m gであった。 数平均分子量は 1 7700、 分子量分 布は 1. 1 9であった。
(実施例 7) 180°C、 密閉下での脱ハロゲン化処理
製造例 1で得られた重合体 [1] を 180°Cで 12時間加熱 (密閉系) した。 重合体を 120°Cで 2時間加熱脱揮し、 遊離した臭素化合物を留去することによ り臭素量が低減されたエチレン性不飽和基含有重合体を得た。 重合体中に含まれ る臭素量は元素分析の結果、 重合体 1 k gに対し 82 Omgであった。
(実施例 8 ) 180 °C、 減圧度 100 T o r rでの脱ハ口ゲン化処理
製造例 4で得られた重合体 [ 4 ] を 180 °Cで 1.2時間加熱脱揮 (減圧度 10 OTo r r) することにより臭素量が低減されたエチレン性不飽和基含有共重合 体を得た。 重合体中に含まれる臭素量は元素分析の結果、 重合体 l k gに対し 5
4 Omgであった。
(実施例 9) 吸着剤存在下での脱ハロゲン化処理
製造例 2で得られた重合体 [2] (100部) 、 吸着剤 13部 (キヨ一ワード
500 SH 3部 キヨ一ワード 700 S L 10部:共に協和化学 (株) 製) を混合し、 空気雰囲気下 150 °Cで 5時間加熱した。 重合体をトルェンで希釈し、 固形分を除去した後、 濃縮することにより臭素量が低減されたエチレン性不飽和 基含有ポリアクリル酸 n—ブチルを得た。 重合体中に含まれる臭素量は元素分析 の結果、 重合体 1 k gに対し 800 m gであった。
(実施例 10) 重合体への加水分解性シリル基の導入 1 (235°C処理品) 実施例 4で得られた重合体、 ジメ トキシメチルシラン (エチレン性不飽和基に 対して 3モル当量) 、 オルトギ酸メチル (エチレン性不飽和基に対して 3モル当 量) 、 白金触媒 [ビス (1, 3—ジビニルー 1, 1, 3, 3—テトラメチルジシ ロキサン) 白金錯体触媒のキシレン溶液:以下白金触媒という] (白金として重 合体 1 k gに対して 1 Omg) を混合し、 窒素雰囲気下、 80°(:で1時間加熱攪 拌した。 エチレン性不飽和基が消失したことを確認し、 反応混合物を濃縮して目 的とするメ トキシシリル基含有重合体を得た。 数平均分子量は 26600、 分子 量分布は 1. 41であった。
メトキシシリル基含有重合体の貯蔵安定性試験の結果、 粘度変化率は 10%で あり、 良好な貯蔵安定性を示した。
(実施例 1 1 ) ビニル系重合体への加水分解性シリル基の導入 2 (180 °C処理
P、
口 P
(脱ハロゲン化処理)
製造例 2で得られた重合体 [2] を 180°Cで 12時間加熱脱揮 (減圧度 10 t o r r以下) することにより臭素量が低減されたエチレン性不飽和基含有重合 体を得た。
(重合体の精製)
上記重合体 100部、 吸着剤 6部 (キヨ一ワード 500 SH 3部/キョーヮ ード 700 SL 3部:共に協和化学 (株) 製) 、 キシレン 100部を混合し、 空気雰囲気下、 130°Cで 5時間加熱攪拌した。 トルエンで希釈し、 固形分を除 去した後、 溶液を濃縮して重合体を得た。
(ヒドロシリル化)
上記重合体、 ジメ トキシメチルシラン (エチレン性不飽和基に対して 3モル当 量) 、 オルトギ酸メチル (エチレン性不飽和基に対して 3モル当量) 、 白金触媒 (白金として重合体 1 k gに対して 1 Omg) を混合し、 窒素雰囲気下、 80°C で 3時間加熱攪拌した。 エチレン性不飽和基が消失したことを確認し、 反応混合 物を濃縮して目的とするメ トキシシリル基含有重合体を得た。 数平均分子量は 2 7000、 分子量分布は 1. 40であった。 重合体 1分子当たりに導入されたシ リル基の数は 1. 8個であった。
メ トキシシリル基含有重合体の貯蔵安定性試験の結果、 80 °C、 7日間での粘 度変化率は 10 %であり、 良好な貯蔵安定性を示した。
(比較例 3)
(脱ハロゲン化処理:酢酸 Kによる置換反応)
製造例 2で得られた重合体 [2] (100部) 、 酢酸カリウム (1. 7部) 、 N, N—ジメチル酢酸アミド (100部) を仕込み、 窒素気流下 100°Cで 8時 間加熱攪拌した。 減圧留去により N, N—ジメチル酢酸アミドを除去し、 混合物 を得た。 重合体中に残存する B r基は B r量として重合体 1 k gに対して 100 mg以下であった。
(重合体精製)
上記混合物、 吸着剤 10部 (重合体 100部に対してキヨ一ワード 500 SH 5部、 キヨ一ワード 700 SL 5部:共に協和化学 (株) 製) を混合し、 酸素 •窒素混合ガス雰囲気下、 150°Cで 5時間加熱攪拌した。 不溶な固体分 (KB rおよび余剰な酢酸カリウム) を除去し、 濃縮して重合体を得た。
(ヒ ドロシリル化)
精製された重合体、 ジメトキシメチルシラン (エチレン性不飽和基に対して 3
モル当量) 、 オルトギ酸メチル (エチレン性不飽和基に対して 3モル当量) 、 白 金触媒 (白金として重合体 1 k gに対して 3 Omg) を混合し、 窒素雰囲気下、 80°Cで 1時間加熱攪拌した。 エチレン性不飽和基が消失したことを確認し、 反 応混合物を濃縮して目的とするメトキシシリル基含有重合体を得た。 数平均分子 量は 28600、 分子量分布は 1. 45であった。
メ トキシシリル基含有重合体の貯蔵安定性試験の結果、 3日間 80 °C加熱保管 によりゲル化した。 非常に貯蔵安定性の悪い重合体であった。
(比較例 4)
(重合体再精製)
比較例 3で精製された重合体 (100部) 、 吸着剤 30部 (キヨ一ワード 50 O SH 20部、 キヨ一ワード 700 S L 10部:共に協和化学 (株) 製) を 混合し、 酸素 ·窒素混合ガス雰囲気下、 150°Cで 5時間加熱攪拌した。 不溶な 固体分 (KB rおよび余剰な酢酸カリウム) を除去し、 濃縮して重合体を得た。 (ヒ ドロシリル化)
再精製された重合体、 ジメトキシメチルシラン (エチレン性不飽和基に対して 3モル当量) 、 オルトギ酸メチル (エチレン性不飽和基に対して 3モル当量) 、 白金触媒 (白金として重合体 l k gに対して 30mg) を混合し、 窒素雰囲気下、 80 で 1時間加熱攪拌した。 エチレン性不飽和基が消失したことを確認し、 反 応混合物を濃縮して目的とするメトキシシリル基含有重合体を得た。
メ トキシシリル基含有重合体の貯蔵安定性試験の結果、 80 °C、 7日間におけ る粘度変化率は 1 1%であった。 貯蔵安定性を改善するためには大量の吸着剤で の精製が必要であった。 (実施例 12) ビュル系重合体への加水分解性シリル基の導入 3 (共重合、 18 0°C)
(脱ハロゲン化処理)
製造例 4で得られた重合体 [4] を 180°Cで 12時間加熱脱揮 (減圧度 20 t o r r以下) した。 脱ハロゲン化処理後の重合体に残存する臭素量は重合体 1
k gに対して 39 Omgであった。
(重合体精製)
重合体 (100部) をトルエン (100部) に溶解させ、 吸着剤 6部 (キヨ一 ワード 500 SH 3部/キョーワード 700 SL 3部:共に協和化学 (株) 製) 、 ヒンダードフエノール系酸化防止剤 (I r g a n o x l O l O ;チバスぺ シャリティケミカルズ 0. 1部) を加えて、 酸素 '窒素混合ガス雰囲気下、 13 0°Cで 5時間加熱攪拌した。 不溶分を除去後、 溶液を濃縮することによりェチレ ン性不飽和基含有重合体を得た。
(ヒ ドロシリル化)
上記の精製された重合体、 ジメトキシメチルシラン (エチレン性不飽和基に対 して 3モル当量) 、 オルトギ酸メチル (エチレン性不飽和基に対して 3モル当量 ) 、 白金触媒 (白金として重合体 1 k gに対して 3 Omg) を混合し、 窒素雰囲 気下、 80 で 1時間加熱攪拌した。 ェチレン性不飽和基が消失したことを確認 し、 反応混合物を濃縮して目的とするメトキシシリル基含有重合体を得た。 数平 均分子量は 18600、 分子量分布は 1. 22であった。 重合体 1分子当たりに 導入されたシリル基の数は 1. 7個であった。
メトキシシリル基含有重合体の貯蔵安定性試験の結果、 80°C、 7日間におけ る粘度変化率は 18 %であって良好な貯蔵安定性を示した。 (実施例 13) ビニル系重合体への加水分解性シリル基の導入 4 (共重合、 18 0。C)
(重合体精製)
実施例 8で脱ハロゲン化されたエチレン性不飽和基含有共重合体 (100部) にヒンダ一ドフエノール系酸化防止剤 (I r g a n o x l O l O ;チバスぺシャ リティケミカルズ 0. 1部) 、 吸着剤 6部 (キヨ一ワード 500 SH 3部/キ ョーヮ一ド 700 SL 3部:共に協和化学 (株) 製) を加えて、 空気雰囲気下、 130°Cで 5時間加熱攪拌した。 トルエンで希釈し、 不溶分を除去後、 溶液を濃 縮することによりエチレン性不飽和基含有重合体を得た。
(ヒ ドロシリル化)
上記の精製された重合体、 ジメトキシメチルシラン (エチレン性不飽和基に対 して 3モル当量) 、 オルトギ酸メチル (エチレン性不飽和基に対して 3モル当量 ) 、 白金触媒 (白金として重合体 1 k gに対して 3 Omg) を混合し、 窒素雰囲 気下、 80 °Cで 1時間加熱攪拌した。 エチレン性不飽和基が消失したことを確認 し、 反応混合物を濃縮して目的とするメトキシシリル基含有重合体を得た。 数平 均分子量は 1 9000、 分子量分布は 1. 23であった。
(実施例 14)
(エチレン性不飽和基含有重合体合成:重合、 ハロゲン変換、 脱ハロゲン化反応 )
製造例 1と同様の操作 (アクリル酸 n—ブチルの重合、 1, 7—ォクタジェン との反応) を行い、 反応混合物を得た。 反応混合物を加熱脱揮した。 重合体 10 0部に対して 100部のメチルシクロへキサンで希釈し、 重合体 100部に対し て吸着剤 4部 (キヨ一ワード 500 SH 2部 Zキヨ一ワード 700 S L 2部 :共に協和化学 (株) 製) を加え、 酸素 ·窒素混合ガス雰囲気下、 15 O で加 熱攪拌した。 不溶分を除去し、 溶液を濃縮後、 180°Cで 1 2時間加熱脱揮 (減 圧度 20 T o r r以下) することによりエチレン性不飽和基含有重合体を得た。
(重合体精製)
エチレン性不飽和基含有重合体 ( 100部) 〖こヒンダードフエノール系酸化防 止剤 (I r g a n o x l O l O ;チバスぺシャリティケミカルズ 0. 05部) 、 吸着剤 6部 (キヨ一ワード 500 SH 3部/キヨ一ワード 700 S L 3部: 共に協和化学 (株) 製) を加えて、 酸素 ·窒素混合ガス雰囲気下、 130°Cで 5 時間加熱攪拌した。 不溶分を除去後、 溶液を濃縮して重合体を得た。
(ヒドロシリル化)
精製された重合体、 ジメ トキシメチルシラン (エチレン性不飽和基に対して 3 モル当量) 、 オルトギ酸メチル (エチレン性不飽和基に対して 3モル当量) 、 白 金触媒 (白金として重合体 1 k gに対して 3 Omg) を混合し、 窒素雰囲気下、 80°Cで 1時間加熱攪拌した。 エチレン性不飽和基が消失したことを確認し、 反 応混合物を濃縮して目的とするメトキシシリル基含有重合体を得た。 数平均分子
量は 25600、 分子量分布は 1. 35であった。
メ トキシシリル基含有重合体の貯蔵安定性試験の結果、 80°C、 7日間での粘 度変化率は 7 %であって良好な貝宁蔵安定性を示した。 (実施例 15 ) 硬化性組成物 1
実施例 4で脱ハロゲン化処理された重合体 100部、 鎖状シロキサン (分子中 に平均 5個のヒ ドロシリル基と平均 5個の置換基 [一 CH2— CH (CH3) 一 C6H5] を含有し、 S i—H基量は 3. 70mmo l Zgである) 3. 3部を 混合した。 この混合物に対し、 白金触媒 (白金としてエチレン性不飽和基に対し て 10一4〜 10一3モル当量) を加え、 均一混合し、 1 30°Cに加熱すると、 速 やかに硬化して、 ゴム状の硬化物が得られた。
(実施例 16 ) 硬化性組成物 1一 2
実施例 11で精製された重合体 100部、 鎖状シロキサン (分子中に平均 5個 のヒドロシリル基と平均 5個の置換基 [一 CH2— CH (CH3) 一 C6H5] を 含有し、 S i _H基量は 3. 70mmo l /gである) 3. 3部を混合した。 こ の混合物に対し、 白金触媒 (白金としてエチレン性不飽和基に対して 10一4〜 1 0— 3モル当量) を加え、 均一混合し、 130°Cに加熱すると、 速やかに硬化 して、 ゴム状の硬化物が得られた。
(実施例 17 ) 硬化性組成物 2
実施例 10で得られたメ トキシシリル基含有重合体 100部、 炭酸カルシウム (白艷華 CCR: 白石工業製) 1 50部と DO P (ジォクチルフタレート :協和 醱酵製) 50部を混合し、 更に 3本ペイントロールを用いて充分混合した後、 4 価 S n触媒 (ジブチル錫ジァセチルァセトナート) を用いて、 室内で 2日、 その 後 50°Cで 3日硬化養生させ、 シート状の硬化物を得た。 硬化物の引張物性 (島 津製オートグラフ使用、 測定温度: 23°C、 引張速度: 20 Omm/s e c、 2 (1/3) 号形ダンベル試験片) を評価した。 破断強度は 0. 92MP a、 破断 伸ぴは 450 %であつた。
(実施例 18 ) 硬化性組成物 2— 2
実施例 14で得られたメ トキシシリル基含有重合体 100部、 炭酸カルシウム (白艷華 CCR: 白石工業製) 150部と DOP (ジォクチルフタレート :協和 醱酵製) 50部を混合し、 更に 3本ペイントロールを用いて充分混合した後、 4 価 Sn触媒 (ジブチル錫ジァセチルァセトナート) を用いて、 室内で 2日、 その 後 50°Cで 3日硬化養生させ、 シート状の硬化物を得た。 硬化物の引張物性 (島 津製オートグラフ使用、 測定温度: 23°C、 引張速度: 20 Omm/s e c、 2 (1/3) 号形ダンベル試験片) を評価した。 破断強度は 0. 96 M P a、 破断 伸ぴは 420 %であった。
(実施例 19 ) 硬化性組成物 2— 3
実施例 12で得られたメ トキシシリル基含有重合体 100部、 炭酸カルシウム (白艷華 CCR:白石工業製) 150部と DOP (ジォクチルフタレート :協和 醱酵製) 50部を混合し、 更に 3本ペイントロールを用いて充分混合した後、 4 価 Sn触媒 (ジブチル錫ジァセチルァセトナート) を用いて、 室内で 2日、 その 後 50°Cで 3日硬化養生させ、 シート状の硬化物を得た。 硬化物の引張物性 (島 津製ォ一トダラフ使用、 測定温度: 23°C、 引張速度: 200 mm/ s e c、 2 (1/3) 号形ダンベル試験片) を評価した。 破断強度は 0. 96MP a、 破断 伸びは 256 %であった。
(製造例 5)
(アクリル酸 n—ブチルの重合) '
攪拌機付き反応槽に CuB r (4. 2部) 、 ァセトニトリル (27. 3部) を 加え、 窒素雰囲気下で 65 °Cで 15分間攪拌した。 これにアクリル酸 n—ブチル (100部) 、 2、 5—ジブロモアジピン酸ジェチル (8. 8部) 、 ァセトニト リル (16. 6部) を添加し、 よく攪拌混合した。 ペンタメチルジェチレントリ ァミン (0. 17部) を添加し、 重合を開始させた。 70°Cで加熱攪拌しながら、 アクリル酸 n—プチル (400部) を連続的に滴下した。 アクリル酸 n—ブチル
の滴下途中にトリアミン (0. 68部) を分割添加した。
(ビュル系重合体へのアルケニル基導入反応)
モノマー反応率が 96%に達した時点で残モノマー、 ァセトニトリルを 80°C で脱揮した後、 1, 7—ォクタジェン (53. 7部) 、 ァセトニトリル (132 部) 、 トリアミン (1. 69部) を添加し、 引き続き 70°Cで加熱攪拌し、 アル ケニル基を有する重合体を含有する混合物を得た。
(重合触媒の粗取り除去)
混合物中のァセトニトリル、 未反応の 1, 7—ォクタジェンを加熱脱揮し、 メ チルシク口へキサンで希釈した。 不溶な重合触媒を遠心分離機で沈降させ除去し た。 重合体 100部に対して吸着剤 4部 (キヨ一ワード 500 SH 2部ノキヨ 一ワード 700 SL 2部:共に協和化学 (株) 製) を重合体のメチルシク口へ キサン溶液に加え、 酸素 ·窒素混合ガス雰囲気下で加熱攪拌した。 不溶分を除去 し、 重合体溶液を濃縮することでアルケニル基を有する重合体 (重合体 [5] ) を得た。
重合体 [ 5 ] の数平均分子量は 24700、 分子量分布は 1. 32であった。 重合体 [5] 中に含まれる臭素量は元素分析の結果、 重合体 l k gに対し 340 Om であった。 重合体 1分子当たりに導入されたアルケニル基の数は 1. 7個 であった。 (比較例 5 )
(ヒ ドロシリル化活性の評価)
製造例 5で得られた重合体 [5] 100部、 分子内に平均 10個のヒドロシリ ル基を有する鎖状シロキサンのヒドロシリル基の一部を α—メチルスチレンと反 応させて変性された分子内に平均 5個のヒドロシリル基を有する鎖状シロキサン (3 1—11基量3. 7 Ommo 1 / g) 3. 3部を混合した。 この混合物に対し、 白金触媒を添加し、 均一混合して 1 30でに加熱した。 ゲル化時間が 30秒であ る白金触媒量は白金換算でアルケニル基に対して 5 X 10—3当量であった。 結 果を表 1に示す。
(比較例 6 )
(不溶成分の除去工程のみ)
製造例 5で得られた重合体 [ 5 ] 1 0 0部をトルエン 4 0 0部で希釈した。 溶 液をセライト層に通して不溶成分を濾過した。 濾液を濃縮して重合体を得た。
(ヒドロシリル化活性の評価)
得られた重合体に対して比較例 5と同様にしてヒドロシリル化活性の評価を行 つた o
(実施例 2 0 )
(脱ハロゲン化工程)
製造例 5で得られた重合体 [ 5 ] を 1 8 0 °Cで 1 2時間攪拌しながら加熱脱揮 (減圧度 1 0 t o r r以下) した。 重合体中に含まれる臭素量は元素分析の結果、 重合体 1 k gに対し 2 6 O m gであった。
(不溶成分の分離除去工程)
上記工程で得られた重合体 1 0 0部をトルエン 4 0 0部で希釈した。 溶液をセ ライト層に通して不溶成分を濾過した。 濾液を濃縮して重合体を得た。
(ヒドロシリル化活性の評価)
得られた重合体に対して比較例 5と同様にしてヒドロシリルイ匕活性の評価を行 つた。
脱ハロゲン化工程の処理を行って得られた重合体においては、 ゲル化時間が 3 0秒になるときの白金触媒量は白金換算でアルケニル基に対して 9 X 1 0 _ 4当 量であった。
さらに不溶成分の分離除去工程の処理を行って得られた重合体においては、 ゲ ル化時間が 3 0秒になるときの白金触媒量は白金換算でアルケニル基に対して 2 X 1 0— 4当量であった。
結果を表 1に示す。
(実施例 2 1 )
(脱ハロゲン化工程)
製造例 5で得られた重合体 [ 5 ] を 2 0 0でで 3時間攪拌しながら加熱脱揮 ( 減圧度 1 0 t o r r以下) した。 重合体中に含まれる臭素量は元素分析の結果、 重合体 1 k gに対し 2 8 O m gであった。
(不溶成分の分離除去工程)
上記工程で得られた重合体 1 0 0部をトルエン 4 0 0部で希釈した。 溶液をセ ライト層に通して不溶成分を濾過した。 濾液を濃縮して重合体を得た。
(ヒ ドロシリル化活性の評価)
脱ハロゲン化工程及ぴ不溶成分の分離除去工程の処理を行って得られた重合体 に対して比較例 5と同様にしてヒドロシリル化活性の評価を行った。
脱ハロゲン化工程の処理を行って得られた重合体においては、 ゲル化時間が 3 0秒になるときの白金触媒量は白金換算でアルケニル基に対して 9 X 1 0— 4当 量であった。
さらに不溶成分の分離除去工程の処理を行って得られた重合体においては、 ゲ ル化時間が 3 0秒になるときの白金触媒量は白金換算でアルケニル基に対して 1 X I 0—4当量であった。
結果を表 1に示す。
(実施例 2 2 )
(脱ハロゲン化工程)
製造例 5で得られた重合体 [ 5 ] を 2 3 5 で 3時間攪拌しながら加熱脱揮 ( 減圧度 1 0 t o r r以下) した。 重合体中に含まれる臭素量は元素分析の結果、 重合体 1 k gに対し 1 0 O m g以下であった。
(不溶成分の分離除去工程)
上記工程で得られた重合体 1 0 0部をトルエン 4 0 0部で希釈した。 溶液をセ ライト層に通して不溶成分を濾過した。 濾液を濃縮して重合体を得た。
(ヒドロシリルィヒ活性の評価)
脱ハロゲン化工程及び不溶成分の分離除去工程の処理を行って得られた重合体 に対して比較例 5と同様にしてヒドロシリル化活性の評価を行った。
脱ハロゲン化工程の処理を行って得られた重合体においては、 ゲル化時間が 3
0秒になるときの白金触媒量は白金換算でアルケニル基に対して 2 X 1 0— 4当 量であった。
さらに不溶成分の分離除去工程の処理を行って得られた重合体においては、 ゲ ル化時間が 3 0秒になるときの白金触媒量は白金換算でアルケニル基に対して 1 X 1 0— 4当量であった。 結果を表 1に示す。
表 1中の白金量は、 ゲル化時間が 3 0秒になるときの白金換算でのアルケニル 基に対しての白金触媒量であり、 例えば表中の 『5 . 0 E— 0 3』 は 『5 . 0 X 1 0一
3当量』 を意味する。
(実施例 2 3 )
(ヒドロシリル化:メ トキシシリル基を有する重合体の合成)
実施例 2 0の後処理 (工程 1及ぴ工程 2の処理) を行つて得られた重合体、 ジ メトキシメチルシラン (アルケニル基に対して 3モル当量) 、 オルトギ酸メチル (アルケニル基に対して丄モル当量) 、 白金触媒 (白金として重合体 1 k gに対 して 1 0 m g ) を混合し、 窒素雰囲気下、 8 0 °(で0 . 5時間加熱攪拌した。 ァ ルケニル基が反応により消失したことを1 H— NMRで確認し、 反応混合物を濃 縮して目的とするメ トキシシリル基含有重合体を得た。 数平均分子量は 2 8 6 0
0、 分子量分布は 1. 45であった。 重合体 1分子当たりに導入されたシリル基 の数は 1. 9個であった。
(製造例 6 )
製造例 1と同様の操作 (アクリル酸 n—ブチルの重合、 1, 7—ォクタジェン との反応) を行い、 反応混合物を得た。 反応混合物を加熱脱揮した。 重合体 10 0部に対して 100部のメチルシクロへキサンで希釈し、 重合体 100部に対し て吸着剤 1部 (キヨ一ワード 500 SH 0. 5部 Zキヨ一ワード 700 S L 0. 5部:共に協和化学 (株) 製) 、 ろ過助剤 1部を加え、 酸素 ·窒素混合ガス 雰囲気下、 100°Cで加熱攪拌した。 不溶分を除去し、 溶液を 10 o°cで濃縮し、 重合体 [6] を得た。 重合体 [6] の数平均分子量は 26000、 分子量分布は 1. 28であった。
(実施例 24)
製造例 6で得られた重合体 [6] を 180°Cで減圧下、 12時間加熱し、 脱ハ ロゲン化処理を行ったところ、 分子量の増大が観測され、 分子量分布が広くなつ た (分子量分布 1. 44) 。 得られた重合体中に含まれる臭素量は元素分析の結 果、 重合体 1 k gに対し 95 Omgであった。 (実施例 25 )
製造例 6で得られた重合体 [6] を、 炭素ラジカル捕捉剤として重合体 100 部に対してスミライザ一 GS (住友化学 (株) 製) 0. 1部存在下で 180°Cで 減圧下、 1 2時間加熱し、 脱ハロゲン化処理を行ったところ、 数平均分子量 26 100、 分子量分布 1. 32の重合体が得られた。 炭素ラジカル捕捉剤なし (実 施例 24) では脱ハロゲン化処理時に分子量が増大し、 分子量分布が広くなつた 1 ラジカル捕捉剤存在下で脱ハロゲン化処理を行うと分子量の増大を抑制する ことができた。 得られた重合体中に含まれる臭素量は元素分析の結果、 重合体 1 k gに対し 19 Omgであった。
(製造例 7)
製造例 3と同様の操作 (アクリル酸エステルの重合、 1, 7—ォクタジェンと の反応) を行い、 反応混合物を得た。 反応混合物を加熱脱揮した。 重合体 100 部に対して 100部のメチルシクロへキサンで希釈し、 重合体 100部に対して 吸着剤 1部 (キヨ一ワード 500 SH 0. 5部 キヨ一ワード 700 S L 0. 5部:共に協和化学 (株) 製) 、 ろ過助剤 1部を加え、 酸素 ·窒素混合ガス雰囲 気下、 100°Cで加熱攪拌した。 不溶分を除去し、 溶液を 100°Cで濃縮し、 重 合体 [7] を得た。 重合体 [7] の数平均分子量は 17400、 分子量分布は 1. 13であった。
(実施例 26)
製造例 7で得られた重合体 [7] を、 重合体 100部に対して吸着剤 2部 (キ ョーワード 500 SH 1部/キヨ一ワード 700 S L 1部:共に協和化学 ( 株) 製) 存在下で 180°Cで減圧下、 12時間加熱し、 脱ハロゲン化処理を行つ たところ、 分子量の増大が観測され、 分子量分布が広くなつた (数平均分子量 1 9000、 分子量分布 1. 36) 。 得られた重合体中に含まれる臭素量は元素分 析の結果、 重合体 1 k gに対し 41 Omgであった。
(実施例 27)
製造例 7で得られた重合体 [7] を、 炭素ラジカル捕捉剤として重合体 100 部に対してスミライザ一 GS (住友化学 (株) 製) 0. 1部添カ卩し、 重合体 10 0部に対して吸着剤 2部 (キヨ一ワード 500 SH 1部 Zキヨ一ワード 700 SL 1部:共に協和化学 (株) 製) 存在下で 180°Cで減圧下、 12時間加熱 し、 脱ハロゲン化処理を行ったところ、 数平均分子量 17600、 分子量分布 1. 14の重合体が得られた。 炭素ラジカル捕捉剤なし (実施例 26) では脱ハロゲ ン化処理時に分子量が増大し、 分子量分布が広くなつたが、 ラジカル捕捉剤存在 下で脱ハロゲン化処理を行うと分子量の増大を抑制することができた。 得られた 重合体中に含まれる臭素量は元素分析の結果、 重合体 1 k gに対し 36 Omgで あった。
産業上の利用可能性
本発明によれば、 原子移動ラジカル重合を利用して製造されるハロゲン含有ビ ニル系重合体のハロゲン含量を、 簡便な操作で経済的に低減することができる。 これにより、 重合体自身、 あるいは、 該重合体を含有する硬化性組成物の貯蔵安 定性を改善したり、 反応装置ゃ該重合体と接触する各種材料の腐食を防止するこ とができる。 特に、 架橋性シリル基を有する重合体の貯蔵安定性が大きく改善で さる。