明 細 書 ィンクジエツト記録用ィンク、 ィンクの製造方法およびィンクジェヅト言 3録方法 技術分野
この発明は、 記録画像の品質が高く、 吐出安定性に優れ、 しかも得られた画像の保存性に優 れたインクジェット記録用ィンク、 該インクの製造方法および該インクを用いたインクジエツ ト記録方法に関する。 背景技術
近年、 コンピュータ一の普及に伴いィンクジェヅトプリン夕一がオフィスだけでなく家 庭で紙、 フィルム、 布等に印字するために広く利用されている。
インクジエツト記録方法には、 ピエゾ素子により圧力を加えて液滴を吐出させる方式、 熱によりインク中に気泡を発生させて液滴を吐出させる方式、 超音波を用いた方式、 ある いは静電力により液滴を吸引吐出させる方式がある。 これらのィンクジエツト記録用ィン クとしては、 永性インク、 油性インク、 あるいは固体 (溶融型) インクが用いられる。 こ れらのインクのうち、 製造 ·取り扱い性 ·臭気 ·安全性等の点から水性ィンクが主流とな つている。
これらのィンクジヱヅト記録用ィンクに用いられる色素に対しては、 溶剤に対する溶解 性が高いこと、 高濃度記録が可能であること、 色相が良好であること、 光、 熱、 空気、 水 や薬品に対する堅牢性に優れていること、 受像材料に対して定着性が良く滲みにくいこと 、 インクとしての保存性に優れていること、 毒性がないこと、 純度が高いこと、 さらには 、 安価に入手できることが要求されている。
しかしながら、 これらの要求を高いレベルで満たす色素を捜し求めることは、 極めて難 しい。 特に、 良好なシアン色相を有し、 耐候堅牢性に優れた色素が強く望まれている。 既にインクジェット用として様々な染料や顔料が提案され、 実際に使用されている。 し かし、 未だに全ての要求を満足する色素は、 発見されていないのが現状である。 力ラーイ ンデックス (C . I . ) 番号が付与されているような、 従来から良く知られている染料や顔 料では、 ィンクジヱット記録用ィンクに要求される色相と堅牢性とを両立させることは難 しい。 堅牢性を向上させる染料として特闢昭 5 5 - 1 6 1 8 5 6号公報に記載の芳香族ァ ミンと 5員複素璟ァミンから誘導されるァゾ染料が提案されている。 しかし、 これらの染 料はイェローおよびシアンの領域に好ましくない色相を有しているために、 色再現性を悪 化させる問題を有していた。 特開昭 6 1 - 3 6 3 6 2号および特開平 2— 2 1 2 5 6 6号 の各公報には、 色相と光堅牢性の両立を目的としたィンクジエツト記録用ィンクが開示さ れている。 しかし、 各公報で用いている色素は、 水溶性インクとして用いる場合には、 水 への溶解性が不十分である。 また各公報に記載の色素をィンクジェット用水溶性ィンクと して用いると、 湿熱堅牢性にも問題が生じる。 これらの問題を解決する手段として、 特表 平 1 1一 5 0 4 9 5 8号に記載の化合物およびインクが提案されている。 また、 さらに色 相や光堅牢性を改良するためにピラゾリルァニリンァゾを用いたインクジェット記録用ィ ンクについて (特願 2 0 0 0— 8 0 7 3 3号) について記載されている。 しかしながらこ れらのインクジェット記録用インクでは、 色再現性、 出力画像の堅牢性のいずれも不十分 であった。
さらに、 写真画質用のインクジェット専用光沢紙に記録し、 室内に貼っておいた場合の 画像の保存性が著しく悪い場合があることが判明した。 本発明者はこの現象を、 オゾン等
、 何らかの空気中の酸化性ガスによるものと推定している。 また、 ガラス製の額に入れる 等の処置により空気の流れを遮断すると起こらなくなる。
この現象は、 写真画質用のインクジェット専用光沢紙において特に顕著であり、 写真画 質が重要な特徴のひとつとなっている現在のインクジェット記録方式にとって大きな問題 であった。
従って本発明が解決しょうとする目的は、 取り扱い性 ·臭気 ·安全性等の観点から水性 インクにおいて、 吐出安定性が高く、 しかも得られる画像の色相が良好で、 耐光性、 耐水 性にも優れ、 細線の滲みなど画質についての欠点が無く、 過酷な条件下での画像保存性を 良好なインクジェット記録用インクを提供することである。 さらに長期間、 あるいは過酷 な条件下に経時したインクでも吐出安定性が高いインクセットを提供することである。 発明の開示 この発明のインクジヱット記録用ィンクの特徴は下記の特定のフタ口シァニン染料を水性 媒体中に溶解または分散しているインクジエツト記録用インクが下記の特性を少なくとも 1つ 有することである。 好ましくは下記の特性 (1)〜(4)のすベてを満足するインクである。
(1)該インクの 25°Cにおける粘度が:!〜 5 OmPa · s ec, 好ましくは 1 ~ 20 mP a · s e cである。
(2)該インクの伝導度が 0. 01 S/m以上 1 OS/m以下である。
(3)該インクの 25 °Cにおける静的表面張力が 25〜5 OmN/mである。
(4)該ィンクの、 25°Cに対する 10°Cの粘度の変化率が 250%以下、 かつ表面張力の変化 率が 130%以下である。
この発明のインクジェット記録用インクの製造方法の特徴はインクジェット記録用インク の製造方法において、 少なくとも音波振動を加える工程を有すること、 及び/またはイン クジェット記録用インクの製造方法において、 インクジェット記録用インクを調液の後、 有 効径が 1〃m以下のフィルタ一を用いて濾過し、 脱泡の後使用すること、 である。
この発明の上記の目的は下記の好ましい手段により解決された。
1. フ夕ロシアニン染料が水性媒体中に溶解または分散してなるィンクジェヅト記録用ィンク であって、
該フタロシアニン染料がその酸化電位が 1. 0より貴である水溶性染料であり、 かつ該ィン クの伝導度が 0. ◦ 1 S/m以上 10 SZm以下であることを特徴とするインクジェヅト記録 用インク。
2. 該インクの 25°Cにおける粘度が 1〜2 OmPa · s e cであることを特徴とする上言 3第 1項記載のィンクジヱット記録用ィンク。
3. 該インクの 25 °Cにおける静的表面張力が 25〜5 OmN/mであることを特徴とする上 記第 1項または第 2項記載のインクジエツ卜記録用インク。
4. 該ィンクの、 25°Cに対する 10°Cの粘度の変化率が 250%以下、 かつ表面張力の変化 率が 130 %以下であることを特徴とする上記第 2項または第 3項記載のインクジェット記録 用インク。
5. 該ィンクの 25°Cにおける pHが 4以上 12以下であることを特徴とする上記第 1項〜第 4項のいずれかに記載のィンクジエツト記録用ィンク。
6. 該インク (シアン) 単色を用いて、 ステータス Aフィルターにおけるシアン反射濃度 が 0. 9~1. 1となるように印字した単色部位において、 5 p pmのオゾン環境に 24 時間保存した際の色素残存率 (褪色後の濃度/初期濃度 X 100) が 60% (好ましくは
80%) 以上あることを特徴とする上記第 1項〜第 5項のいずれかに記載の記載のインクジ エツト記録用インク。
7. 該インクの、 6. の条件でオゾン褪色させた後、 水中に流出する Cuイオン量は全染 料の 20 %以下であることを特徴とする上記第 1項〜第 6項のいずれかに記載の記載のィン クジエツト記録用インク。
8. 該フタロシアニン染料が該フ夕ロシアニンのベンゼン環の/?位に電子吸引性基を有する水 溶性染料であることを特徴とする上記第 1項〜第 7項のいずれかに記載の記載のィンクジエツ ト記録用インク。
9. 該フ夕ロシアニン染料が無置換のフタロシアニンのスルホン化を経由しない方法で製造さ れた水溶性フ夕口シァニン染料であることを特徴とする上記第 1項〜第 8項のいずれかに記載 の記載のィンクジェット記録用ィンク。
10. 該フタロシアニン染料が下記一般式 (I) で表されることを特徴とする上記第 1項〜第 9項記載のィンクジヱヅト記録用ィンク。
一般式 (I) .
Xj, X2、 X3および X4は、 それぞれ独立に、 一 SO— Z、 一 S02_Z、 -S02NR 1 R2、 スルホ基、 一 C0NR1R2、 または一 C 02R 1を表す。
上記 Zは、 置換もしくは無置換のアルキル基、 置換もしくは無置換のシクロアルキル基、 置 換もしくは無置換のアルケニル基、 置換もしくは無置換のァラルキル基、 置換もしくは無置換 のァリール基、 または置換もしくは無置換の複素環基を表す。 上記 R l、 R2は、 それぞれ独 立に、 水素原子、 置換もしくは無置換のアルキル基、 置換もしくは無置換のシクロアルキル基 、 置換もしくは無置換のアルケニル基、 置換もしくは無置換のァラルキル基、 置換もしくは無 置換のァリ一ル基、 または置換もしくは無置換の複素環基を表す。 なお、 Zが複数個存在する 場合、 それらは同一でも異なっていてもよい。
Υ2、 3ぉょび丫4は、 それぞれ独立に、 一価の置換基を表す。
なお、 Xi~X4および Υ 1〜Υ4のいずれかが複数個存在するとき、 それらは、 同一でも異 なっていてもよい。
a l~a4および b l~b 4は、 それそれ X i~X4および Y i〜Y4の置換基数を表し、 a l 〜a4は、 それぞれ独立に、 0〜4の整数であり、 全てが同時に 0になることはなく、 b l〜 b4は、 それそれ独立に、 0〜4の整数である。
Mは、 水素原子、 金属原子またはその酸化物、水酸ィ匕物もしくはハロゲン化物である。
11. 一般式 (I) で表される染料が、 下記一般式 (II) で表される染料であることを特徴と する上記第 10項に記載のインクジェット記録用インク。
一般式 (II)
Xu〜X
14、 ΥΗ〜Υ
18、 Miは、 それそれ一般式 (I) の中の Xi〜X
4、
M と同義である。
a 1 l〜a 14は、 それぞれ独立に、 1または 2の整数である。
12. 上記第 1~11項に記載のインクジェット記録用インクを用いることを特徴とするイン クジェヅト記録方法。
13. 支持体上に白色無機顔料粒子を含有する受像層を有する受像材料にインク滴を記録信号 に応じて吐出させ、 受像材料上に画像を記録するインクジエツト記録方法であって、
該インク滴が、 上記第 1〜11項に記載のインクジェット記録用インクからなることを特徴 とするィンクジエツト記録方法。
14. 上記第 1〜 11項に記載のィンクジェヅト記録用ィンクの製造方法において、 少なく とも音波振動を加える工程を有することを特徴とするインクジエツト記録用ィンクの製造方 法。
15. 上記第 1~11項に記載のインクジェット記録用インクの製造方法において、 インクジ ヱット記録用インクを調液の後、 有効径が l〃m以下のフィルターを用いて濾過し、 脱泡 の後使用することを特徴とする上記第 14項に記載のィンクジヱヅト記録用インクの製造方 法。 図面の簡単な説明
図 1は 実施例 5のインクセット 101のライ
ての粘度の温度依存性を示す図である。
図 2は 実施例 5のインクセット 101のライ
ての表面張力の温度依存性を示す図である。 発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明についてさらに詳細に説明する。
本件出願人はインクジェット記録用インクについて鋭意、 検討を行ない、 その結果染料 に関して要求される特性としては 1) 色相が良好で色相変化 (ソルパト) がない、 2) 耐 性 (光、 オゾン、 NOx、 溶剤、 油、 水) に優れている、 3) 安全である (エームズ、 発 ガン性が無い、 皮膚刺激が無い、 易分解性) 、 4) 低コストである, 5) 高 £である、 6) 高溶解性である、 7) メディアに対し強固着性を有することである。
次にインク物性、 コンクインク物性に要求されるのは 1) 温度、 経時に係わらず均一で ある、 2) 汚れにくい、 3) メディアへの浸透が良い、 4) 打滴サイズが均一である、 5) 紙を選ばない、 6) 調液しやすい、 7) 吐出ミスが無く、 泡が立ちにくい、 泡が消え やすい、 8) 安定吐出ができる。
画像に関して要求されるのは 1 ) 滲み、 変色、 ビーディングがなく綺麗である、 2) 耐 傷性を有している、 3) 光沢が高く、 均一である、 4) 画像保存性が良く、 褪色バランス に優れている、 5) 乾きが速い、 6) 高速でプリントされる、 7) 褪色率に画像濃度依存 性が無いことである。
インクジエツト記録用インクとして要求される物性は耐光性、 オゾン耐性がともに優れ 、 色相 ·表面状態の変化が小さい(ブロンズが生じにく く、 染料が析出しにくい)ことであ る。 耐光性 (OD1.0) についてはエプソン PM写真用受像紙上での Xe 1. 1 W/m (間 欠条件) で TACフィル夕—ありの耐光性が 3日間で残色率 90%以上あることが好まし い。 また 14日間で色素残存率 85%以上あることが好ましい。 オゾン耐性についてはォ ゾン 5p pm以下の条件でオゾン耐性 (OD1.0) が 1日間で色素残存率 60 %以上あること が好ましい。 オゾン耐性が 1日間で色素残存率 70%以上あることがさらに好ましく、 色 素残存率 80%以上あることが特に好ましい。 また 5日間で色素残存率 25%以上あるこ とが好ましく、 色素残存率 40%以上あることがさらに好ましく、 色素残存率 50%以上 あることが特に好ましい。 染料の塗布量を変えたサンプルを GT Cで作成, 染料中に含ま れる Cu元素量を蛍光 X線で測定する。
フタロシアニン染料の分解によって Cuイオンはフタル酸塩として存在する。 実際のプ リントに存在する Cuイオン換算量は 10m g/m2以下にすることが好ましい。 プリントか ら流出する Cu量は Cuイオン換算量が 20m g/m2以下の一面シアンベタの画像を形成さ せ、 この画像をオゾン褪色させた後、 水中に流出するイオン量を分析した。 なお褪色以前 は全ての Cu化合物は受像材料にトラップされている。 水中に流出するイオン量は全染料 の 20%以下にすることが好ましい。
上記のような物性を有するフタロシアニン染料は 1) 酸化電位を上げる。 2) 会合性を 上げる。 3) 会合促進基を導入する。 7Γ-7Τス夕ッキング時の水素結合を強くする。 4) α位へ置換機を入れない。 即ちスタヅキングしやすくすること等によって達成されること が本発明により見出された。
本発明のィンクジエツト記録用ィンクにおいて使用する染料の特徴は従来のィンクジェ ヅ卜インクに用いていたフタロシアニン染料が無置換のフタロシアニンのスルホン化から 誘導されたものであるため、 置換基の数と位置を特定できない混合物であるのに対して、 置換基の数と位置を特定できるフタ口シァニン染料を用いることである。 構造上の特徴の 第一は無置換のフタロシアニンのスルホン化を経由しない水溶性フタロシアニン染料であ ることである。 構造上の特徴の第二はフタロシアニンのベンゼン環の/?位に電子吸引性基
を有することであり、 特に好ましくは全てのベンゼン環の/?位に電子吸引性基を有するこ とである。 具体的にはスルホニル基が置換したもの (特願 2001— 47013、 特願 2 001— 190214) 、 スルファモイル基全般が置換したもの (特願 2001 - 243 52、 特願 2001— 189982) 、 ヘテロ環スルファモイル基が置換したもの (特願
2001— 96610、 特願 2001— 1902 16) 、 ヘテロ環スルホニル基が置換し たもの (特願 2001— 76689、 特願 200 1— 190215) 、 特定スルファモイ ル基が置換したもの (特願 2001— 57063) 、 カルボニル基が置換したもの (特願
2002— 0 12869) 、 溶解性、 ィンク安定性向上、 プロンズ対策のため特定置換基 を有するものが好ましく、 具体的には不斉炭素を有する (特願 2002-012868)
、 L i塩にしたもの (特願 2002— 012864) 、 が有用である。
本発明のィンクジエツト記録用インクに使用する染料の物性上の特徴の第一は高い酸化 電位を有することである。 酸化電位は 1. 00Vより貴であることが好ましく、 1. IV より貴であることが更に好ましく、 1. 2 Vより貴であることが最も好ましい。 物性上の 特徴の第二は強い会合性を有することである。 具体的には油溶性染料の会合を規定したも の (特願 2001 - 64413) 、 水溶性染料の会合を規定したもの (特願 2001 - 1 17350 ) が挙げられる。
会合性基の数と性能 (インクの吸光度) との関係は会合性基の導入で希薄溶液中でも吸 光度の低下やえ maxの短波化が起きやすくなる。 また会合性基の数と性能 (エプソン PM 920受像紙における反射 0D) との関係は会合性基の数が増えるほど、 同じイオン強度で の反射 0Dが低下する。 即ち受像紙上で会合が進むと思われる。 会合性基の数と性能 (ォゾ ン耐性 *耐光性) との関係は会合性基の数が増えるほど、 オゾン耐性が良化する。 会合性 基の数が多い染料は耐光性も良化する傾向がある。 オゾン耐性を付与するためには前記の 置換基 X (Xi〜X4等を表す) を付与することが必要である。 反射 0Dと堅牢性の間はト レードオフの関係にあるので、 会合を弱めずに耐光性を上げることが必要である。
本発明の好ましいィンクの態様としては
1) エプソン PM写真用受像紙上での Xe 1. 1 W/m (間欠条件) で T ACフィルタ 一ありの耐光性が 3日間で残色率 90%以上あるシアンィンク。
2) 該インク (シアン) 単色を用いて、 ステータス Aフィルターにおけるシアン反射濃度 が 0. 9〜1. 1となるように印字した単色部位において、 5 p pmのオゾン環境に 24 時間保存した際の色素残存率 (褪色後の濃度/初期濃度 X 100) が 60% (好ましくは 80%) 以上あるシアンインク。
3) 2の条件でオゾン褪色させた後、 水中に流出する Cuイオン量は全染料の 20 %以下 であるシアンィンク。
4) 特定受像紙に対するインク染み込み量が受像層の上部 30 %以上まで浸透可能なシァ ンィンク。
本発明のインクジェット記録用インクに含有される染料は、 フタロシアニン染料であり、 そ の酸化電位が 1. 0より貴である水溶性染料が好ましく、 さらにオゾンガスに対する堅牢性が 上記の条件を満足するものがより好ましく、 その中でも上記一般式 (I) で表されるフタロシ ァニン染料であることがさらに好ましい。
フタロシアニン染料は堅牢な染料として知られていた力 s、 インクジェヅト用記録色素として 使用した場合、 ォゾンガスに対する堅牢性に劣ることが知られている。
本発明では、 求電子剤であるオゾンとの反応性を下げるために、 フタロシアニン骨格に電子 求弓 I性基を導入して酸化電位を 1. 0V (vs SCE) よりも貴とすることが望ましい。 酸 化電位は貴であるほど好ましく、 酸化電位が 1. IV (vs SCE) よりも貴であるものが
より好ましく、 1. 2V (v s SCE) より貴であるものが最も好ましい。
酸化電位の値 (Eox) は当業者が容易に測定することができる。 この方法に関しては、 例え HP . Delahay著 " New I nstrumental Methods in El ectrochemi str " (1954年 Int er sc ience Publ i sh e r s社干 11) 、 A. J . Bar d他著 "Electrochemi cal Methods"
(1980年 JohnWi ley & Sons社刊)、 藤嶋昭他著 "電気化学測定法"
( 1984年 技報堂出版社刊) などに記載されている。
具体的には、 酸化電位は、 過塩素酸ナトリゥムゃ過塩素酸テトラプロピルアンモニゥムなど の支持電解質を含むジメチルホルムアミドゃァセトニトリルなどの溶媒中に、 被験試料を 1 X 10~ ~ 1 X 10— 6モル/リットルの濃度に溶解して、 サイクリックボル夕ンメトリーや直 流ポーラログラフィーを用いて S CE (飽和カロメル電極) に対する値として測定する。 この 値は、 液間電位差や試料溶液の液抵抗などの影響で、 数 10ミルボルト程度偏位することがあ るが、 標準試料 (例えばハイドロキノン) を入れて電位の再現性を保証することができる。 なお、 電位を一義的に規定するために、 本発明では、 0. 1 mo 1 dm一3の過塩素酸テトラ プロピルアンモニゥムを支持電解質として含むジメチルホルムアミド中 (染料の濃度は 0. 0 01 mo ldm—3) で直流ポーラログラフィ一により測定した値 (vs SCE) を染料の酸 化電位とする。
Eox (酸化電位) の値は試料から電極への電子の移りやすさを表わし、 その値が大きい (酸 化電位が貴である) ほど試料から電極への電子の移りにくい、 言い換えれば、 酸化されにくい ことを表す。 ィ匕合物の構造との関連では、 電子求弓 1性基を導入することにより酸化電位はより 貴となり、 電子供与性基を導入することにより酸化電位はより卑となる。 本発明では、 求電子 剤であるオゾンとの反応性を下げるために、 フタロシアニン骨格に電子求弓 1性基を導入して酸 化電位をより貴とすることが望ましい。 従って、 置換基の電子求引性や電子供与性の尺度であ るハメットの置換基定数び P値を用いれば、 スルフィニル基、 スルホニル基、 スルファモイル 基のようにび P値が大きい置換基を導入することにより酸化電位をより貴とすることができる と言える。
このような電位調節をする理由からも、 上記一般式 (I) で表されるフタロシアニン染料を 用いることは好ましい。
前記の酸化電位を有するフ夕口シァニン染料は耐光性、 ォゾン耐性がともに優れたシアン 染料であることは前記の耐光性、 オゾン耐性の条件を満足することから、 明らかである。 以下、 本発明で用いられるフタロシアニン染料 (好ましくは一般式 (I)で表されるフタ ロシアニン染料) について詳細に説明する。
一般式 (I) において、 Xい x2、 x3および x4は、 それそれ独立に、 —so— z、 — s
〇2— Z、 — S〇2NR1R2、 スルホ基、 一 C0NR1R2、 または— C 02R 1を表す。 こ れらの置換基の中でも、 一 SO— Z、 一 S02— Z、 一 S02NR1R2および— CONR1R 2が好ましく、 特に一 S02— Zおよび— S02NR1R2が好ましく、 一S02— Zが最も好 ましい。 ここで、 その置換基数を表す a l~a 4のいずれかが 2以上の数を表す場合、 X4の内、 複数存在するものは同一でも異なっていても良く、 それそれ独立に上記のいずれか の基を表す。 また、 Xi、 X2、 X3および X4は、 それぞれ全く同じ置換基であってもよく、 あるいは例えば Xい X2、 X3および X4が全て一 S02— Zであり、 かつ各 Zは異なるものを 含む場合のように、 同じ種類の置換基であるが部分的に互 ヽに異なる置換基であってもよく、 あるいは互いに異なる置換基を、 例えば一S02— Zと一 S〇2NR 1R2を含んでいてもよい 上記 Zは、 それぞれ独立に、 置換もしくは無置換のアルキル基、 置換もしくは無置換のシク
口アルキル基、 置換もしくは無置換のアルケニル基、 置換もしくは無置換のァラルキル基、 置 換もしくは無置換のァリ一ル基、 置換もしくは無置換の複素環基を表す。 好ましくは、 置換も しくは無置換のアルキル基、 置換もしくは無置換のァリ一ル基、 置換もしくは無置換の複素璟 基であり、 その中でも置換アルキル基、 置換ァリール基、 置換複素環基が最も好ましい。 上記 R l、 R 2は、 それぞれ独立に、 水素原子、 置換もしくは無置換のアルキル基、 置換も しくは無置換のシクロアルキル基、 置換もしくは無置換のアルケニル基、 置換もしくは無置換 のァラルキル基、 置換もしくは無置換のァリール基、 または置換もしくは無置換の複素環基を 表す。 なかでも、 水素原子、 置換もしくは無置換のアルキル基、 置換もしくは無置換のァリー ル基、 および置換もしくは無置換の複素環基が好ましく、 その中でも水素原子、 置換アルキル 基、 置換ァリール基、 および置換複素璟基がさらに好ましい。 但し、 R l、 R 2がいずれも水 素原子であることは好ましくない。
R l、 R 2および Zが表す置換もしくは無置換のアルキル基としては、 炭素原子数が 1 ~ 3 0のアルキル基が好ましい。 特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、 分岐 のアルキル基が好ましく、 特に不斉炭素を有する場合 (ラセミ体での使用) が特に好ましい。 置換基の例としては、 後述の Z、 R l、 R 2、 Y i、 Y 2、 Y 3および Y 4が更に置換基を持つこ とが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。 中でも水酸基、 エーテル基、 エステル基、 シァノ基、 アミド基、 スルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させるので特に好 ましい。 この他、 ハロゲン原子やイオン性親水性基を有していても良い。 なお、 アルキル基の 炭素原子数は置換基の炭素原子を含まず、 他の基についても同様である。
R l、 R 2および Zが表す置換もしくは無置換のシクロアルキル基としては、 炭素原子数が 5 ~ 3 0のシクロアルキル基が好ましい。 特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理 由から、 不斉炭素を有する場合 (ラセミ体での使用) が特に好ましい。 置換基の例としては、 後述の Z、 R l、 R 2、 Yい Υ 2、 Υ 3および Υ4が更に置換基を持つことが可能な場合の置換 基と同じものが挙げられる。 なかでも、 水酸基、 エーテル基、 エステル基、 シァノ基、 アミド 基、 およびスルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させるので特に好ましい。 こ の他、 ハロゲン原子やイオン性親水性基を有していても良い。
R l、 R 2および Zが表す置換もしくは無置換のアルケニル基としては、 炭素原子数が 2〜 3 0のアルケニル基が好ましい。 特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、 分岐のアルケニル基が好ましく、 特に不斉炭素を有する場合 (ラセミ体での使用) が特に好ま しい。 置換基の例としては、 後述の Z、 R l、 R 2、 Yい Υ 2、 Υ 3および Υ 4が更に置換基を 持つことが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。 なかでも、 水酸基、 エーテル基、 ェ ステル基、 シァノ基、 アミド基、 スルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させる ので特に好ましい。 この他、 ハロゲン原子やイオン性親水性基を有していてもよい。
R l、 R 2および Zが表す置換もしくは無置換のァラルキル基としては、 炭素原子数が?〜 3 0のァラルキル基が好ましい。 特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、 分岐のァラルキル基が好ましく、 特に不斉炭素を有する場合 (ラセミ体での使用) が特に好ま しい。 置換基の例としては、 後述の Z、 R l、 R 2、 Yい Υ 2、 Υ 3および Υ 4が更に置換基を 持つことが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。 なかでも、 水酸基、 エーテル基、 ェ ステル基、 シァノ基、 アミド基、 スルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させる ので特に好ましい。 この他、 ハロゲン原子やイオン性親水性基を有していてもよい。
R l、 R 2および Zが表す置換もしくは無置換のァリール基としては、 炭素原子数が 6〜3 0のァリ一ル基が好ましい。 置換基の例としては、 後述の Z、 R l、 R 2、 Y 、 Y 2、 Y 3お よび Υ 4が更に置換基を持つことが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。 なかでも、 染料の酸化電位を貴とし堅牢性を向上させるので電子吸弓け生基が特に好ましい。 電子吸引性基
としては、 ハメットの置換基定数び P値が正のものが挙げられる。 なかでも、 ハロゲン原子、 複素環基、 シァノ基、 カルボキシル基、 ァシルァミノ基、 スルホンアミド基、 スルファモイル 基、 力ルバモイル基、 スルホニル基、 イミ卞基、 ァシル基、 スルホ基、 4級アンモニゥム基が 好ましく、 シァノ基、 カルボキシル基、 スルファモイル基、 力ルバモイル基、 スルホニル基、 イミド基、 ァシル基、 スルホ基、 4級アンモニゥム基が更に好ましい。
R l、 R 2および Zが表す複素環基としては、 5員または 6員環のものが好ましく、 それら は更に縮環していてもよい。 また、 芳香族複素環であっても非芳香族複素環であっても良い。 以下に R l、 R 2および Zで表される複素環基を、 置換位置を省略して複素環の形で例示する が、 置換位置は限定されるものではなく、 例えばピリジンであれば、 2位、 3位、 4位で置換 することが可能である。 ピリジン、 ピラジン、 ピリミジン、 ピリダジン、 トリァジン、 キノリ ン、 イソキノリン、 キナゾリン、 シンノリン、 フタラジン、 キノキサリン、 ピロール、 インド —ル、 フラン、 ベンゾフラン、 チォフェン、 ベンゾチォフェン、 ピラゾール、 イミダゾール、 ベンズイミダゾ一ル、 トリァゾール、 ォキサゾール、 ベンズォキサゾール、 チアゾール、 ベン ゾチアゾール、 イソチアゾール、 ベンズイソチアゾール、 チアジアゾール、 イソォキサゾール 、 ベンズイソォキサゾ一ル、 ピロリジン、 ピぺリジン、 ピぺラジン、 イミダゾリジン、 チアゾ リンなどが挙げられる。 なかでも、 芳香族複素璟基が好ましく、 その好ましい例を先と同様に 例示すると、 ピリジン、 ピラジン、 ピリミジン、 ピリダジン、 トリアジン、 ピラゾール、 イミ ダゾール、 ベンズイミダゾール、 トリァゾール、 チアゾ一ル、 ベンゾチアゾール、 イソチアゾ ール、 ベンズイソチアゾール、 チアジアゾールが挙げられる。 それらは置換基を有していても 良く、 置換基の例としては、 後述の Z、 R l、 R 2、 Y i、 Y 2、 Y 3および Y 4が更に置換基を 持つことが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。 好ましい置換基は前記ァリール基の 置換基と、 更に好ましい置換基は、 前記ァリール基の更に好ましい置換基とそれぞれ同じであ る。
Υい Υ 2、 丫3ぉょび¥ 4は、 それぞれ独立に、 水素原子、 ハロゲン原子、 アルキル基、 シ クロアルキル基、 アルケニル基、 ァラルキル基、 ァリール基、 複素環基、 シァノ基、 ヒドロキ シル基、 ニトロ基、 アミノ基、 アルキルアミノ基、 アルコキシ基、 ァリールォキシ基、 ァシル アミノ基、 ァリールアミノ基、 ウレイド基、 スルファモイルァミノ基、 アルキルチオ基、 ァリ —ルチオ基、 アルコキシカルボニルァミノ基、 スルホンアミド基、 力ルバモイル基、 スルファ モイル基、 スルホニル基、 アルコキシカルボニル基、 複素環ォキシ基、 ァゾ基、 ァシルォキシ 基、 力ルバモイルォキシ基、 シリルォキシ基、 ァリールォキシカルボニル基、 ァリールォキシ カルボニルァミノ基、 イミド基、 複素環チォ基、 ホスホリル基、 ァシル基、 カルボキシル基、 またはスルホ基を挙げる事ができ、 各々はさらに置換基を有していてもよい。
なかでも、 水素原子、 ハロゲン原子、 アルキル基、 ァリール基、 シァノ基、 アルコキシ基、 アミド基、 ゥレイ ド基、 スルホンアミド基、 力ルバモイル基、 スルファモイル基、 アルコキシ カルボニル基、 カルボキシル基、 およびスルホ基が好ましく、 特に水素原子、 ハロゲン原子、 シァノ基、 カルボキシル基およびスルホ基が好ましく、 水素原子が最も好ましい。
Z、 R l、 R 2、 Y l N Y 2、 Y 3および Y 4が更に置換基を有することが可能な基であるとき は、 以下に挙げる置換基を更に有してもよい。
炭素数 1〜1 2の直鎖または分岐鎖アルキル基、 炭素数?〜 1 8の直鎖または分岐鎖ァラル キル基、 炭素数 2 ~ 1 2の直鎖または分岐鎖アルケニル基、 炭素数 2〜1 2の直鎖または分岐 鎖アルキニル基、 炭素数 3〜: L 2の直鎖または分岐鎖シクロアルキル基、 炭素数 3 ~ 1 2の直 鎖または分岐鎖シク口アルケニル基 (以上の各基は分岐鎖を有するものが染料の溶解性および インクの安定性を向上させる理由から好ましく、 不斉炭素を有するものが特に好ましい。 以上 の各基の具体例:例えばメチル、 ェチル、 プロピル、 イソプロピル、 sec -プチル、 t一ブチル
、 2—ェチルへキシル、 2—メチルスルホニルェチル、 3—フエノキシプロピル、 トリフルォ ロメチル、 シクロペンチル)、ハロゲン原子 (例えば、 塩素原子、 臭素原子) 、 ァリール基 (例えば、 フエニル、 4— t—ブチルフエニル、 2, 4—ジ一tーァミルフエ二ル) 、 複素環 基 (例えば、 ィミダゾリル、 ビラゾリル、 トリアゾリル、 2—フリル、 2一チェニル、 2—ピ リミジニル、 2—ベンゾチアゾリル) 、 シァノ基、 ヒドロキシル基、 ニトロ基、 カルボキシ基 、 アミノ基、 アルキルォキシ基 (例えば、 メトキシ、 エトキシ、 2—メトキシエトキシ、 2— メタンスルホニルエトキシ) 、 ァリールォキシ基 (例えば、 フエノキシ、 2—メチルフエノキ シ、 4一 tーブチルフエノキシ、 3—二トロフエノキシ、 3— t—ブチルォキシ力ルバモイル フエノキシ、 3—メトキシカルバモイル) 、 ァシルァミノ基 (例えば、 ァセトアミド、 ベンズ アミド、 4— ( 3— ΐ—プチルー 4—ヒドロキシフエノキシ) ブタンアミド) 、 アルキルアミ ノ基 (例えば、 メチルァミノ、 プチルァミノ、 ジェチルァミノ、 メチルプチルァミノ) 、 ァニ リノ基 (例えば、 フエニルァミノ、 2—クロロア二リノ、 ウレイド基 (例えば、 フエニルウレ ィド、 メチルゥレイ ド、 Ν, Ν—ジブチルゥレイド) 、 スルファモイルァミノ基 (例えば、 Ν : Ν—ジプロピルスルファモイルァミノ) 、 アルキルチオ基 (例えば、 メチルチオ、 ォクチルチ ォ、 2—フエノキシェチルチオ) 、 ァリールチオ基 (例えば、 フヱニルチオ、 2—ブトキシ一 5— t—ォクチルフエ二ルチオ、 2—カルボキシフエ二ルチオ) 、 アルキルォキシカルボニル アミノ基 (例えば、 メトキシカルボニルァミノ)、 スルホンアミド基 (例えば、 メタンスルホ ンアミド、 ベンゼンスルホンアミド、 p—トルエンスルホンアミド) 、 力ルバモイル基 (例え ば、 N—ェチルカルパモイル、 N , N—ジブチルカルバモイル) 、 スルファモイル基 (例えば 、 N—ェチルスルファモイル、 N , N—ジプロピルスルファモイル、 N—フエニルスルファモ ィル) 、 スルホニル基 (例えば、 メタンスルホニル、 オクタンスルホニル、 ベンゼンスルホ二 ル、 トルエンスルホニル) 、 アルキルォキシカルボニル基 (例えば、 メトキシカルボニル、 ブ チルォキシカルボニル)、 複素環ォキシ基 (例えば、 1—フエニルテトラゾ一ルー 5—ォキシ 、 2—テトラヒドロビラ二ルォキシ) 、 ァゾ基 (例えば、 フエニルァゾ、 4—メトキシフエ二 ルァゾ、 4—ビバロイルァミノフエニルァゾ、 2—ヒドロキシー 4一プロパノィルフエニルァ ゾ) 、 ァシルォキシ基 (例えば、 ァセトキシ)、 力ルバモイルォキシ基 (例えば、 N—メチル 力ルバモイルォキシ、 N—フエ二ルカルパモイルォキシ) 、 シリルォキシ基 (例えば、 トリメ チルシリルォキシ、 ジブチルメチルシリルォキシ)、 ァリールォキシカルボニルァミノ基 (例 えば、 フエノキシカルボニルァミノ) 、 イミド基 (例えば、 N—スクシンイミド、 N—フタル イミド) 、 複素璟チォ基 (例えば、 2—ベンゾチアゾリルチオ、 2 , 4—ジ—フエノキシ—1 : 3 , 5—トリァゾールー 6—チォ、 2—ピリジルチオ) 、 スルフィニル基 (例えば、 3—フエ ノキシプロピルスルフィニル) 、 ホスホニル基 (例えば、 フエノキシホスホニル、 ォクチルォ キシホスホニル、 フエニルホスホニル) 、 ァリールォキシカルボニル基 (例えば、 フエノキシ カルボニル) 、 ァシル基 (例えば、 ァセチル、 3—フエニルプロパノィル、 ベンゾィル) 、 ィ オン性親水性基 (例えば、 カルボキシル基、 スルホ基、 ホスホノ基および 4級アンモニゥム 基) が挙げられる。
前記一般式 (I ) で表されるフタロシアニン染料が水溶性である場合には、 イオン性親水性 基を有することが好ましい。 イオン性親水性基には、 スルホ基、 カルボキシル基、 ホスホノ基 および 4級アンモニゥム基等が含まれる。 前記イオン性親水性基としては、 カルボキシル基、 ホスホノ基、 およびスルホ基が好ましく、 特にカルボキシル基、 スルホ基が好ましい。 カルボ キシル基、 ホスホノ基およびスルホ基は塩の状態であってもよく、 塩を形成する対イオンの例 には、 アンモニゥムイオン、 アルカリ金属イオン (例、 リチウムイオン、 ナトリウムイオン、 カリウムイオン) および有機カチオン (例、 テトラメチルアンモニゥムイオン、 テトラメチル グァニジゥムイオン、 テトラメチルホスホニゥム) が含まれる。 対イオンのなかでも、 アル力
リ金属塩が好ましく、 特にリチウム塩は染料の溶解性を高めィンク安定性を向上させるため特 に好ましい。
イオン'注親水' ffi基の数としては、 フタロシアニン系染料 1分子中少なくとも 2個有すること が好ましく、 スルホ基および/またはカルボキシル基を少なくとも 2個有することが特に好ま しい。
a l〜a4および b l〜b4は、 それぞれ Xi〜X4および Y 〜Y4の置換基数を表す。 a l 〜a4は、 それぞれ独立に、 0〜4の整数を表すが、 全てが同時に 0になることはない。 b l ~b4は、 それそれ独立に、 0〜4の整数を表す。 なお、 a l~a4および b 1〜! 34のいず れかが 2以上の整数であるときは、 Xi〜X4および Yi~Y4のいずれかは複数個存在するこ とになり、 それらは同一でも異なっていてもよい。
& 1と 1は、 a 1+b 1=4の関係を満たす。 特に好ましいのは、 a 1が 1または 2を表 し、 b 1が 3または 2を表す組み合わせであり、 そのなかでも、 &1が1を表し、 b lが 3を 表す組み合わせが最も好ましい。
&1と 1、 & 1と 1、 a 1と b 1の各組み合わせにおいても、 alと b lの組み合わせ と同様の関係であり、 好ましい組み合わせも同様である。
Mは、 水素原子、 金属元素またはその酸化物、 水酸化物もしくはハロゲン化物を表す。
Mとして好ましいものは、 水素原子の他に、 金属元素として、 Li、 Na、 K、 Mg、 T i 、 Zr、 V、 Nb、 Ta、 Cr、 Mo、 W、 Mn、 Fe、 Co、 Ni、 Ru、 Rh、 Pd、 0 s、 I r、 Pt、 Cu、 Ag、 Au、 Z n、 Cd、 Hg、 Al、 Ga、 I n、 Si、 Ge、 S n、 Pb、 Sb、 B i等が挙げられる。 酸化物としては、 VO、 G e 0等が好ましく挙げられ る。 また、 水酸化物としては、 Si (OH) 2、 Cr (OH) 2、 S n (OH) 2等が好まし く挙げられる。 さらに、 ハロゲン化物としては、 A1C1、 S i C 12、 VC 1、 VC12、 V OCl、 FeCl, GaCl、 Zr CI等が挙げられる。 なかでも、 Cu、 Ni、 Z n、 Al 等が好ましく、 Cuが最も好ましい。
また、 L (2価の連結基) を介して Pc (フタロシアニン環) が 2量体 (例えば、 Pc—M -L-M-P c) または 3量体を形成してもよく、 その時の Mはそれぞれ同一であっても異な るものであってもよい。
Lで表される 2価の連結基は、 ォキシ基— 0—、 チォ基— S—、 カルボニル基— CO—、 ス ルホニル基一 S02—、 イミノ基一; NH—、 メチレン基一 CH2—、 およびこれらを組み合わせ て形成される基が好ましい。
前記一般式 (I) で表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては、 種々の置換 基の少なくとも 1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、 より多くの種々の置換基が 前記好ましい基である化合物がより好ましく、 全ての置換基が前記好ましい基である化合物が 最も好ましい。
前記一般式 (I) で表されるフ夕ロシアニン染料のなかでも、 前記一般式 (Π)で表される 構造のフタロシアニン染料が更に好ましい。 以下に本発明の一般式 (II) で表されるフタロシ ァニン染料について詳しく述べる。
前記一般式 (II) において、 ^〜 "、 Yu Y は一般式 (ェ) の中の Xi〜X4、 Y i〜Y4とそれそれ同義であり、 好ましい例も同じである。 また、 は一般式 (I) 中の Mと 同義であり、 好ましい例も同様である。
一般式 (Π) 中、 al l〜al4は、 それそれ独立に、 1または 2の整数であり、 好ましく は 4≤a l l + a l 2 + a l 3 + al4≤6を満たし、 特に好ましくは al l=al 2 = al 3 = a 14= 1のときである。
Xu、 x12、 x13および x14は、 それそれ全く同じ置換基であってもよく、 あるいは例え
ば Xi、 x2、 x3および x4が全て一so2—zであり、 かつ各 zは異なるものを含む場合のよ うに、 同じ種類の置換基であるが部分的に互いに異なる置換基であってもよく、 あるいは互い に異なる置換基を、 例えば—S02— Zと一S02NR 1R2を含んでいてもよい。
一般式 (Π)で表されるフタロシアニン染料のなかでも、 特に好ましい置換基の組み合わせ は、 以下の通りである。
Χιι~Χΐ4どしては、 それぞれ独立に、 一 SO— Z、 一 S02— Z、 一 S02NR1R2ま たは一 CONR1R2が好ましく、 特に一 S02—Zまたは一 S〇2NR 1R2が好ましく、 一 S02— Zが最も好ましい。
Zは、 それぞれ独立に、 置換もしくは無置換のアルキル基、 置換もしくは無置換のァリール 基、 置換もしくは無置換の複素環基が好ましく、 そのなかでも、 置換アルキル基、 置換ァリー ル基、 置換複素環基が最も好ましい。 特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由か ら、 置換基中に不斉炭素を有する場合 (ラセミ体での使用) が好ましい。 また、 会合性を高め 堅牢性を向上させるという理由から、 水酸基、 エーテル基、 エステル基、 シァノ基、 アミド基 、 スルホンアミド基が置換基中に有する場合が好ましい。
R l、 R2は、 それそれ独立に、 水素原子、 置換もしくは無置換のアルキル基、 置換もしく は無置換のァリール基、 置換もしくは無置換の複素環基が好ましく、 そのなかでも、 水素原子 、 置換アルキル基、 置換ァリール基、 置換複素環基がより好ましい。 ただし Rl、 R2が共に 水素原子であることは好ましくない。 特に染料の溶解性ゃィンク安定性を高めるという理由か ら、 置換基中に不斉炭素を有する場合 (ラセミ体での使用) が好ましい。 また、 会合性を高め 堅牢性を向上させるという理由から、 水酸基、 エーテル基、 エステル基、 シァノ基、 アミド基 、 スルホンアミド基が置換基中に有する場合が好ましい。
Yll〜Yl8は、 それそれ独立に、 水素原子、 ハロゲン原子、 アルキル基、 ァリール基、 シァ ノ基、 アルコキシ基、 アミド基、 ウレイド基、 スルホンアミド基、 力ルバモイル基、 スルファ モイル基、 アルコキシカルボニル基、 カルボキシル基、 およびスルホ基が好ましく、 特に水素 原子、 ハロゲン原子、 シァノ基、 カルボキシル基、 またはスルホ基であることが好ましく、 水 素原子であることが最も好ましい。
a l l〜a l4は、 それぞれ独立に、 1または 2であることが好ましく、 全てが 1であるこ とが特に好ましい。
Miは、 水素原子、 金属元素またはその酸化物、 水酸ィ匕物もしくはハロゲン化物を表し、 特 に Cu、 Ni、 Zn、 A 1が好ましく、 なかでも特に特に C uが最も好ましい。
前記一般式 (Π) で表されるフタロシアニン染料が水溶性である場合には、 イオン性親水性 基を有することが好ましい。 イオン性親水性基には、 スルホ基、 カルボキシル基、 ホスホノ基 および 4級アンモニゥム基等が含まれる。 前記イオン性親水性基としては、 カルボキシル基、 ホスホノ基、 およびスルホ基が好ましく、 特にカルボキシル基、 スルホ基が好ましい。 カルボ キシル基、 ホスホノ基およびスルホ基は塩の状態であってもよく、 塩を形成する対イオンの例 には、 アンモニゥムイオン、 アルカリ金属イオン (例、 リチウムイオン、 ナトリウムイオン、 カリウムイオン) および有機カチオン (例、 テトラメチルアンモニゥムイオン、 テトラメチル グァニジゥムイオン、 テトラメチルホスホニゥム) が含まれる。 対イオンのなかでも、 アル力 リ金属塩が好ましく、 特にリチウム塩は染料の溶解性を高めィンク安定性を向上させるため特 に好ましい。
イオン性親水性基の数としては、 フタロシアニン系染料 1分子中に少なくとも 2個有するこ とが好ましく、 スルホ基および/またはカルボキシル基を少なくとも 2個有することが特に好 ましい。
前記一般式 (Π) で表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては、 種々の置換
基の少なくとも 1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、 より多くの種々の置換基が 前記好ましい基である化合物がより好ましく、 全ての置換基が前記好ましい基である化合物が 最も好ましい。
本発明のフタロシアニン染料の化学構造としては、 スルフィニル基、 スルホニル基、 スルフ ァモイル基のような電子吸引性基を、 フタロシアニンの 4つの各ベンゼン環に少なくとも一つ ずつ、 フタロシアニン骨格全体の置換基のび p値の合計で 1. 6以上となるように導入するこ とが好ましい。
ハメットの置換基定数び p値について若干説明する。 ハメット則は、 ベンゼン誘導体の反応 または平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために 1 935年 L. P. Hamme t t により提唱された絰験則である力 これは今日広く妥当性が認められている。 ハメット則に求 められた置換基定数にはび p値と crm値があり、 これらの値は多くの一般的な成書に見出すこ とができるが、 例えば、 J. A. Dean編、 「Lange, s Handbook o f Chemi s t r y」 第 12版、 1979年 (Mc G r aw—H i 11 ) や 「化学の領域」 増刊、 122号、 96〜103頁、 1979年 (南光堂) に詳しい。
前記一般式 (I) で表されるフタロシアニン誘導体は、 その合成法によって不可避的に置換 基 Xn (n= l〜4) および Ym (m= l~4) の導入位置および導入個数が異なる類縁体混 合物である場合が一般的であり、 従って一般式はこれら類縁体混合物を統計的に平均化して表 している場合が多い。 本発明では、 これらの類縁体混合物を以下に示す三種類に分類すると、 特定の混合物が特に好ましいことを見出したものである。 すなわち前記一般式 (I) および
(II) で表されるフタ口シァニン系染料類縁体混合物を置換位置に基づいて以下の三種類に分 類して定義する。 式 (Π) 中における Yu、 Υ12、 Υ13、 Υ14、 Υ15、 Υ16、 Υ17、 Υ18 を各々 1、 4、 5、 8、 9、 12、 13、 16位とする。
(1) ?-位置換型: 2およびまたは 3位、 6およびまたは 7位、 10およびまたは 1 1位、 14およびまたは 15位に特定の置換基を有するフタロシアニン染料。
(2) -位置換型: 1およびまたは 4位、 5およびまたは 8位、 9およびまたは 12位、 1 3およびまたは 16位に特定の置換基を有するフタ口シァニン染料
(3) , ?-位混合置換型: 1〜16位に細 IJ性なく、 特定の置換基を有するフ夕ロシア二 ン染料
本明細書中において、 構造が異なる (特に、 置換位置が異なる) フタロシアニン染料の誘導 体を説明する場合、 上記/?-位置換型、 ひ-位置換型、 , /?-位混合置換型を使用する。
本発明に用いられるフタロシアニン誘導体は、 例えば白井一小林共著、 (株) アイピーシー 発行 「フタロシアニン一化学と機能一」 (P. 1〜62) 、 C. C. Leznof f -A. B P. Leve r共著、 VCH発行 ht hal ocyanine s— Propert i e s and App l i c at ions' (P . 1〜 54 ) 等に記載、 引用もしくはこれらに類 似の方法を組み合わせて合成することができる。
本発明の一般式 (I) で表されるフタロシアニン化合物は、 国際公開 00/17275号、 同 00/08103号、 同 00/0810 1号、 同 98/41853号、 特開平 10— 364 71号などに記載されているように、 例えば無置換のフタロシアニン化合物のスルホン化、 ス ルホニルクロライド化、 アミド化反応を経て合成することができる。 この場合、 スルホン化が フタロシアニン核のどの位置でも起こり得る上にスルホン化される個数も制御が困難である。 従って、 このような反応条件でスルホ基を導入した場合には、 生成物に導入されたスルホ基の 位置と個数は特定できず、 必ず置換基の個数や置換位置の異なる混合物を与える。 従ってそれ を原料として本発明の化合物を合成する時には、 複素環置換スルファモイル基の個数や置換位 置は特定できないので、 本発明の化合物としては置換基の個数や置換位置の異なる化合物が何
種類か含まれる , ? -位混合置換型混合物として得られる。
前述したように、 例えばスルファモイル基のような電子求引性基を数多くフタロシアニン核 に導入すると酸ィヒ電位がより貴となり、 オゾン耐性が高まる。 上記の合成法に従うと、 電子求 弓 I性基が導入されている個数が少ない、 即ち酸化電位がより卑であるフ夕ロシアニン染料が混 入してくることが避けられない。 従って、 オゾン耐性を向上させるためには、 酸化電位がより 卑である化合物の生成を抑えるような合成法を用いることがより好ましい。
本発明の一般式 (II) で表されるフタロシアニン化合物は、 例えば下記式で表されるフタ口 二トリル誘導体 (化合物 P ) および/またはジィミノイソインドリン誘導体 (化合物 Q) を一 般式 (III) で表される金属誘導体と反応させるか、 或いは下記式で表される 4-スルホフ夕口 二トリル誘導体 (化合物 R) と一般式 (III) で表される金属誘導体を反応させて得られるテ トラスルホフ夕ロシア二ン化合物から誘導することができる。
M-(Y)d
&/ or
上記各式中、 Xpは上記一般式 (II) における Xu、 x12、 x13または x14に相当する。 また、 Yq、 Yq,は、 .それそれ上記一般式 (Π) における い Y12、 Υ13、 Υ14、 Υ15. Υΐ6、 Υ17または Υ18に相当する。 化合物 Rにおいて、 M' はカチオンを表す。
M, が表わすカチオンとしては、 Li、 Na、 Kなどのアルカリ金属イオン、 またはトリェチル アンモニゥムイオン、 ピリジニゥムイオンなどの有機カチオンなどが挙げられる。
一般式 (III) : Μ- (Y) d
一般式 (ΠΙ) 中、 Mは前記一般式 (I ) および (II) の Mと同義であり、 Yはハロゲン原 子、 酢酸陰イオン、 ァセチルァセトネート、 酸素などの 1価または 2価の配位子を示し、 dは 1 ~ 4の整数である。
即ち、 上記の合成法に従えば、 望みの置換基を特定の数だけ導入することができる。 特に本 発明のように酸化電位を貴とするために電子求引性基を数多く導入したい場合には、 上記の合 成法は、 一般式 (I ) のフタロシアニン化合物を合成するための既に述べた方法と比較して極 めて優れたものである。
かくして得られる前記一般式 (Π) で表されるフタロシアニン化合物は、 通常、 X pの各置 換位置における異性体である下記一般式 (a ) —1 ~ ( a ) — 4で表される化合物の混合物、 すなわち 5 -位置換型となっている。
上記合成法において、 Xpとして全て同一のものを使用すれば Xu、 X12、 X13および Xi 4が全く同じ置換基である 5—位置換型フタロシアニン染料を得ることができる。 一方、 Xp として異なるものを組み合わせて使用すれば、 同じ種類の置換基であるが部分的に互いに異な る置換基をもつ染料や、 あるいは、 互いに異なる種類の置換基をもつ染料を合成することがで きる。 一般式 (Π) の染料のなかでも、 互いに異なる電子吸引性置換基を持つこれらの染料は 、 染料の溶解性、 会合性、 インクの経時安定性などを調整できるので、 特に好ましい。
本発明では、 いずれの置換型においても酸化電位が 1. 0V (vs SCE) よりも貴であ ることが堅牢性の向上に非常に重要であることが見出され、 その効果の大きさは前記先行技術 から全く予想することができないものであった。 また、 原因は詳細には不明であるが、 なかで も、 , ?-位混合置換型よりは ?-位置換型の方が色相、 光堅牢性、 オゾンガス耐注等におい て明らかに優れている傾向にあった。 前記一般式 (I) および (II) で表されるフタロシアニン染料の具体例 (例示化合物 1—1 ~1一 12および 101〜190) を下記に示すが、 本発明に用いられるフ夕ロシアニン染料 は、 下記の例に限定されるものではない。
HNsOS
130
(fr-l)
(ε-ι) 3d 6 90/£0 OAV
C0900/C0df/X3d 6 90/£0 OAV
(1-9)
(1-10)
9Z
表中 (X1、 X2)、 (Y11、 Y12)、 (Y13、 Y14)、 (Y15、 Y16)、 (Y17、 Y18)の各組の具体例はそれぞれ独立に順不同である。
化合物 No. M X1 X2 Y11、Y12 Y13、 YM Y15、Y16 Y17、Y18
118 Cu -S02CH2CH2CH - H - H, -H -H, -H -H, - H ヽ S03Li
OH
119 Cu I
-S02-CH2-CH-CHa-S03Na - H - H, -H -H, -H -H, -H -H, - H
120 Cu
-S02-CI-t-CI-t- CH-COOLi -H - H, -H - H, -H -H, -H -H, -H 一 S02(CH2)3S02NHCH2-CH - CH2 - S03Li
121 Cu -H -H, -H - H, -H -H, -H
OH
OH
122 Cu 1
一 -H -H. -H - H, -H
C02CH2CH2CH2S02 -NH -CHa— CH -CHg-SOgLi 一 H, -H
123 Cu -S02NH-C8Hl7(t) 一 H -H, -H - H, - H -H, -H -H, - H
124 Cu -H -H, -H - H, - H -H. -H -H, -H
- S02— NH— CHa - CH— CI^CHCHg— CHg
1
62
C0900/C0df/X3d 6 90/£0 OAV
33 差替え用紙 (規則 26)
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pp遂)(^φ()¾AlT-:ヾ No 9mx2nx〇cPθ p7 -—
M-Pc(XP1 )m(Xp2)n 表中 (Xp1 )、 (XP2)の各置換基の 8位置換基型内で導入位置の順序は順不同である。
ァニン化合物の構造は下記の通りである
前記一般式 (I) で表されるフタロシアニン染料は、 前述した特許に従って合成することが 可能である。 また、 一般式 (Π) で表されるフタロシアニン染料は、 前記した合成方法の他に 、 特開 2001— 226275号、 同 2001— 96610号、 同 2001— 47013号、 同 2001— 193638号の各公報に記載の方法により合成することができる。 また、 出発 物質、 染料中間体および合成ルートについてはこれらに限定されるものでない。
本発明のインクジェット記録用インクは、 前記フタロシアニン染料を好ましくは 0. 2~2 0質量%含有し、 より好ましくは 0. 5〜15質量%含有する。 本発明のインクジェット記録用インクは、 水性媒体中に、 フタロシアニン染料を溶解および /または分散させることによって作製することができる。 本発明における 「水性媒体」 とは、 水または水と少量の水混和性有機溶剤との混合物に、 必要に応じて湿潤剤 (好ましくは溶解助 剤または分散助剤としての界面活性剤) 、 安定剤、 P方腐剤等の添加剤を添加したものを意味す る。 本発明において用いることができる水混和'性有機溶剤の例には、 アルコール (例えば、 メタ ノール、 エタノール、 プロパノール、 イソプロパノール、 ブタノール、 イソブタノール、 s e cーブタノール、 t—ブ夕ノール、 ペン夕ノール、 へキサノール、 シクロへキサノール、 ベン ジルアルコール) 、 多価アルコール類 (例えば、 エチレングリコール、 ジエチレングリコール 、 トリエチレングリコール、 ポリエチレングリコール、 プロピレングリコール、 ジプロピレン グリコール、 ポリプロピレングリコ一ル、 ブチレングリコール、 へキサンジオール、 ペンタン ジオール、 グリセリン、 へキサントリオール、 チォジグリコール) 、 グリコール誘導体 (例え ば、 エチレングリコールモノメチルエーテル、 エチレングリコールモノェチルエーテル、 ェチ レングリコールモノブチルエーテル、 ジエチレングルコールモノメチルエーテル、 ジエチレン グリコールモノブチルエーテル、 プロピレングリコールモノメチルエーテル、 プロピレングリ コールモノブチルエーテル、 ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、 トリエチレングル
コールモノメチルエーテル、 エチレングリコールジアセテート、 エチレンダルコールモノメチ ルエーテルアセテート、 トリエチレングリコールモノメチルエーテル、 トリエチレングリコー ルモノエチルェ一テル、 エチレングリコールモノフエニルエーテル) 、 ァミン (例えば、 ェ夕 ノールァミン、 ジエタノールァミン、 トリエタノールァミン、 N—メチルジェタノ一ルァミン 、 N—ェチルジェタノ一ルァミン、 モルホリン、 N—ェチルモルホリン、 エチレンジアミンン 、 ジエチレントリアミン、 トリエチレンテトラミン、 ポリエチレンィミン、 テトラメチルプロ ピレンジァミン) およびその他の極性溶媒 (例えば、 ホルムアミド、 N , N—ジメチルホルム アミ ド、 N, N—ジメチルァセトアミ ド、 ジメチルスルホキシド、 スルホラン、 2—ピロリド ン、 N—メチルー 2—ピロリ ドン、 N—ビニル一 2—ピロリドン、 2—ォキサゾリドン、 1, 3—ジメチル一 2—イミダゾリジノン、 ァセトニトリル、 アセトン) 等が挙げられる。 尚、 上 記水混和性有機溶剤は、 2種類以上を併用してもよい。 前記フ夕口シァニン染料が油溶性染料の場合は、 該油溶性染料を高沸点有機溶媒中に溶解さ せ、 水性媒体中に乳化分散させることによつて調製することができる。
本発明に用いられる高沸点有機溶媒の沸点は 1 5 0 °C以上であることが好ましいが、 より好 ましくは 1 7 0 °C以上である。
高沸点有機溶媒としては、 例えば、 フタール酸エステル類 (例えば、 ジブチルフ夕レート、 ジォクチルフタレート、 ジシクロへキシルフタレ一ト、 ジ一 2—ェチルへキシルフ夕レート、 デシルフタレ一ト、 ビス (2 , 4—ジ一 t e r t—ァミルフエニル) イソフ夕レート、 ビス ( 1, 1ージェチルプロピル) フタレート) 、 リン酸またはホスホンのエステル類 (例えば、 ジフエニルホスフェート、 トリフエニルホスフェート、 トリクレジルホスフェート、 2—ェチ ルへキシルジフエニルホスフェート、 ジォクチルブチルホスフェート、 トリシクロへキシルホ スフェート、 トリー 2—ェチルへキシルホスフェート、 トリドデシルホスフェート、 ジー 2— ェチルへキシルフェニルホスフェート)、安息香酸エステル酸 (例えば、 2—ェチルへキシル ベンゾェ一ト、 2 , 4—ジクロ口ベンゾェ一ト、 ドデシルペンゾェート、 2—ェチルへキシル 一 p—ヒドロキシベンゾェ一ト) 、 アミド類 (例えば、 N, N—ジェチルドデカンアミド、 N, N—ジェチルラウリルアミド) 、 アルコール類またはフエノール類 (イソステアリルアルコール、 2 , 4—ジ一 t e r t—アミ ルフエノールなど) 、 脂肪族エステル類 (例えば、 コハク酸ジブトキシェチル、 コハク酸ジー 2—ェチルへキシル、 テトラデカン酸 2—へキシルデシル、 クェン酸トリプチル、 ジェチルァ ゼレート、 イソステアリルラクテート、 トリオクチルシトレ一ト) 、 ァニリン誘導体 (N , N 一ジプチルー 2—ブトキシー 5— t e r t—ォクチルァニリンなど) 、 塩素化パラフィン類 (塩素含有量 1 0 %〜 8 0 %のパラフィン類) 、 トリメシン酸エステル類 (例えば、 トリメシ ン酸トリプチル) 、 ドデシルベンゼン、 ジィソプロピルナフタレン、 フエノール類 (例えば、 2, 4ージ一 t e r t—ァミルフエノール、 4ードデシルォキシフエノール、 4—ドデシルォ キシカルボニルフエノール、 4— ( 4ードデシルォキシフエニルスルホニル) フエノール) 、 カルボン酸類 (例えば、 2— ( 2 , 4ージ一 t e r t—ァミルフエノキシ酪酸、 2—エトキシ オクタンデカン酸) 、 アルキルリン酸類 (例えば、 ジ一 2 (ェチルへキシル) リン酸、 ジフエ ニルリン酸) などが挙げられる。
高沸点有機溶媒は、 油溶性染料に対して質量比で 0 . 0 1〜3倍量、 好ましくは 0 . 0 1〜 1 . 0倍量で使用できる。
これらの高沸点有機溶媒は単独で使用しても、 数種の混合 〔例えばトリクレジルホスフエ一 トとジブチルフタレート、 トリオクチルホスフヱ一トとジ (2—ェチルへキシル) セバケ一ト
、 ジブチルフタレートとポリ (N—t —ブチルアクリルアミド) 〕で使用してもよい。 本発明において用いられる高沸点有機溶媒の前記以外の化合物例やこれら高沸点有機溶媒の 合成方法は、 例えば米国特許第 2, 322, 027号、 同第 2, 533,514号、 同第 2,772, 163号、 同第 2,835, 579号、 同第 3, 594, 171号、 同第 3, 676, 137号、 同第 3,689, 271号、 同第 3, 700, 454号、 同第 3, 748, 141号、 同第 3, 764, 336号、 同第 3, 765, 897号、 同第 3, 912, 515号、 同第 3, 936, 303号、 同第 4, 004, 928号、 同第 4, 080, 209号、 同第 4, 127, 413号、 同第 4, 193, 802号、 同第 4, 207, 393号、 同第 4, 220, 711号、 同第 4,239,851号、 同第 4,278, 757号、 同第 4, 353,979号、 同第 4,363,873号、 同第 4, 430, 421号、 同第 4, 430, 422号、 同第 4, 464, 464号、 同第 4, 483, 918号、 同第 4, 540, 657号、 同第 4,684, 606号、 同第 4, 728, 599号、 同第 4, 745, 049号、 同第 4, 935, 321号、 同第 5, 013, 639号、 欧州特許 第 276,319A号、 同第 286, 253A号、 同第 289,820A号、 同第 309, 158A号、 同第 309, 159A号、 同第 30 9, 160A号、 同第 509, 311A号、 同第 510, 576A号、 東独特許第 147, 009号、 同第 157, 147号、 同第 15 9,573号、 同第 225, 240A号、 英国特許第2, 091,124号、 特閧昭 48- 47335号、 同 50- 26530号、 同 5 1-25133号、 同 51-26036号、 同 51- 27921号、 同 51-27922号、 同 51-149028号、 同 52-46816号、 同
53- 1520号、 同 53- 1521号、 同 53- 15127号、 同 53-146622号、 同 54-91325号、 同 54- 106228号、 同
54- 118246号、 同 55-59464号、 同 56-64333号、 同 56-81836号、 同 59- 204041号、 同 61-84641号、 同 62- 118345号、 同 62-247364号、 同 63- 167357号、 同 63- 214744号、 同 63- 301941号、 同 64-9452 号、 同 64-9454号、 同 64- 68745号、 特開平 1-101543号、 同 1-102454号、 同 2- 792号、 同 2- 4239号 、 同 2- 43541号、 同 4-29237号、 同 4- 30165号、 同 4-232946号、 同 4-346338号等に記載されてい る。 本発明では、 油溶性性染料や高沸点有機溶媒は、 水性媒体中に乳化分散して用いられる。 乳 化分散の際、 乳ィヒ性の観点から場合によっては低沸点有機溶媒を併用することができる。 併用 することができる低沸点有機溶媒としては、 常圧で沸点約 3 0 °C以上 1 5 (TC以下の有機溶媒 である。 例えばエステル類 (例えばェチルアセテート、 ブチルアセテート、 ェチルプロビオネ ート、 5—エトキシェチルアセテート、 メチルセ口ソルブアセテート) 、 アルコール類 (例え ばイソプロピルアルコール、 n—ブチルアルコール、 セカンダリーブチルアルコール) 、 ケト ン類 (例えばメチルイソブチルケトン、 メチルェチルケトン、 シクロへキサノン) 、 アミド類 (例えばジメチルホルムアミド、 N—メチルピロリドン) 、 エーテル類 (例えばテトラヒドロ フラン、 ジォキサン) 等が好ましく用いられるが、 これらに限定されるものではない。 乳化分散は、 高沸点有機溶媒と場合によっては低沸点有機溶媒の混合溶媒に染料を溶かした 油相を水を主体とした水相中に分散し、 油相の微小油滴を作るために行われる。 この際、 水相 、 油相のいずれかまたは両方に、 後述する界面活性剤、 湿潤剤、 染料安定化剤、 乳化安定剤、 P方腐剤、 P方黴剤等の添加剤を必要に応じて添加することができる。
乳化法としては水相中に油相を添加する方法が一般的である力 s、 油相中に水相を滴下して行 く、 いわゆる転相乳化法も好ましく用いることができる。 本発明の乳ィ匕分散する際には、 種々の界面活性剤を用いることができる。 例えば脂肪酸塩、 アルキル硫酸エステル塩、 アルキルベンゼンスルホン酸塩、 アルキルナフタレンスルホン酸塩 、 ジアルキルスルホコハク酸塩、 アルキルリン酸エステル塩、 ナフ夕レンスルホン酸ホルマリ ン縮合物、 ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のァニオン系界面活性剤や、 ポリオ キシエチレンアルキルエーテル、 ポリオキシエチレンアルキルァリルエーテル、 ポリオキシェ チレン脂肪酸エステル、 ソルビタン脂肪酸エステル、 ポリオキシエチレンソルビ夕ン脂肪酸ェ
ステル、 ポリオキシエチレンアルキルァミン、 グリセリン脂肪酸エステル、 ォキシエチレンォ キシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤が好ましい。 また、 アセチレン 系ポリォキシェチレンォキシド界面活性剤である S U R F Y N O L S (A i r P r o d u c t s & C h e m i c a 1 s社) も好ましく用いられる。 また、 N, N—ジメチルー N—アルキル アミンォキシドのようなアミンォキシド型の両性界面活性剤等も好ましい。 更に、 特開昭 5 9 — 1 5 7 , 6 3 6号の第 (37)〜(38)頁、 リサーチ 'ディスクロージャー N o . 3 0 8 1 1 9 ( 1 9 8 9年) 記載の界面活' f生剤として挙げたものも使うことができる。
なお、 乳ィ匕に用いられる界面活性剤は、 前述したインクジェット記録用インクの液物性を調 整するために添加される界面活性剤とは目的が異なるが、 同一種類のものを用いることができ 、 結果としてインクの物性調整の機能を果たすこともできる。 また、 乳化直後の安定化を図る目的で、 上記界面活性剤と併用して水溶性ポリマーを添加す ることもできる。 水溶性ポリマーとしては、 ポリビニルアルコール、 ポリビニルピロリドン、 ポリエチレンオキサイド、 ポリアクリル酸、 ポリアクリルアミドゃこれらの共重合体が好まし く用いられる。 また多糖類、 カゼイン、 ゼラチン等の天然水溶 ¾ίポリマーを用いるのも好まし い。
さらに染料分散物の安定化のためには実質的に水性媒体中に溶解しないァクリル酸エステル 類、 メ夕クリル酸エステル類、 ビニルエステル類、 アクリルアミド類、 メタクリルアミド類、 ォレフィン類、 スチレン類、 ビニルエーテル類、 アクリロニトリル類の重合により得られるポ リビニルゃポリウレタン、 ポリエステル、 ポリアミド、 ポリウレァ、 ポリカーポネート等も併 用することができる。 これらのポリマーは一 S O 2—、 一C O O—を含有していること好ましい 。 これらの実質的に水性媒体中に溶解しないポリマーを併用する場合、 高沸点有機溶媒の 2 0 質量%以下用いられることが好ましく、 1 0質量%以下で用いられることがより好ましい。 乳化分散により油溶性性染料や高沸点有機溶媒を分散させて水性ィンクとする場合、 特に重 要なのはその粒子サイズのコントーロールである。 インクジェットにより画像を形成した際の 、 色純度や濃度を高めるには平均粒子サイズを小さくすることが必須である。体積平均粒子サ ィズで好ましくは l〃m以下、 より好ましくは 5 ~ 1 0 O n mである。
前記分散粒子の体積平均粒径および粒度分布の測定方法には静的光散乱法、 動的光散乱法、 遠心沈降法のほか、 実験化学講座第 4版の 4 1 7 - 4 1 8ページに記載されている方法を用い るなど、 公知の方法で容易に測定することができる。
例えば、 インク中の粒子濃度が 0 . 1〜1質量%になるように蒸留水で希釈して、 市販の体 積平均粒子サイズ測定機 (例えば、 マイクロトラック U P A (日機装 (株) 製) ) で容易に測 定できる。 更に、 レーザードヅプラー効果を利用した動的光散乱法は、 小サイズまで粒径測定 が可能であり特に好ましい。
体積平均粒径とは粒子体積で重み付けした平均粒径であり、 粒子の集合において、 個々の粒 子の直径にその粒子の体積を乗じたものの総和を粒子の総体積で割ったものである。 体積平均 粒径については 「高分子ラテックスの化学」 (室井 宗ー著 高分子刊行会) 」 1 1 9ページ に記載がある。 また、 粗大粒子の存在も印刷性能に非常に大きな役割を示すことが明らかになった。 即ち、 粗大粒子がへッドのノズルを詰まらせる、 あるいは詰まらないまでも汚れを形成することによ つてインクの不吐出や吐出のョレを生じ、 印刷性能に重大な影響を与えることが分かった。 こ れを防止するためには、 インクにした時にインク 1〃L中で 5 m以上の粒子を 1 0個以下、
l m以上の粒子を 1000個以下に抑えることが重要である。
これらの粗大粒子を除去する方法としては、 公知の遠心分離法、 精密濾過法等を用いること ができる。 これらの分離手段は乳化分散直後に行ってもよいし、 ?し化分散物に湿潤剤や界面活 性剤等の各種添加剤を加えた後、 ィンクカートリッジに充填する直前でもよい。
平均粒子サイズを小さくし、 且つ粗大粒子を無くす有効な手段として、 機械的な乳化装置を 用いることができる。 乳化装置としては、 簡単なスターラーやインペラ一撹拌方式、 インライン撹拌方式、 コロイ ドミル等のミル方式、 超音波方式など公知の装置を用いることができるが、 高圧ホモジナイザ —の使用は特に好ましいものである。
高圧ホモジナイザ一は、 米国特許 4533254号明細書、 特開平 6— 47264号公報等 に詳細な機構が記載されている力 市販の装置としては、 ゴーリンホモジナイザー (A. P. V GAUL IN INC. )、 マイクロフルイダィザ一 (MI CRO FLU ID EX IN C. )、 アルティマイザ一 (株式会社スギノマシン) 等がある。
また、 近年になって米国特許 5720551号明細書に記載されているような、 超高圧ジェ ット流内で微粒子化する機構を備えた高圧ホモジナイザ一は本発明の乳ィヒ分散に特に有効であ る。 この超高圧ジェット流を用いた乳化装置の例として、 DeBEE2000 (BEE IN TERNAT I ONAL LTD. ) が挙げられる。 高圧乳化分散装置で乳化する際の圧力は 50 MP a以上であり、 好ましくは 60 MP a以上 、 更に好ましくは 18 OMP a以上である。
例えば、 撹抻乳化機で乳化した後、 高圧ホモジナイザーを通す等の方法で 2種以上の乳化装 置を併用するのは特に好ましい方法である。 また、 一度これらの乳化装置で乳化分散した後、 湿潤剤や界面活性剤等の添加剤を添加した後、 カートリッジにィンクを充填する間に再度高圧 ホモジナイザーを通過させる方法も好ましい方法である。
高沸点有機溶媒に加えて低沸点有機溶媒を含む場合、 乳化物の安定性および安全衛生上の観 点から低沸点溶媒を除去するのが好ましい。 低沸点溶媒を除去する方法は溶媒の種類に応じて 各種の公知の方法を用いることができる。 即ち、 蒸発法、 真空蒸発法、 限外濾過法等である。 この低沸点有機溶剤の除去工程は乳ィ匕直後、 できるだけ速やかに行うのが好ましい。 本発明のインクは、 インクの伝導度が 0. 1 S/m以上 10 S/m以下の範囲であるという 特徴を有する。 なかでも、 好ましい範囲は伝導度が 0. 5 S/m以上 5 S/m以下の範囲であ る。 伝導度が上記範囲であると、 インクとしての印字性能や熱堅牢性に優れ、 好ましい結果を もたらす。
伝導度の測定方法は、 市販の飽和塩化力リゥムを用いた電極法により測定可能である。 伝導度は、 主に水系溶液中のイオン濃度によってコントロールすることができる。 塩濃度 (イオン濃度) が高い場合、 限外濾過膜などを用いて脱塩することができる。 また、 種々の有 機物塩や無機物塩を添加することにより伝導度を調節することができる。
伝導度を調節するための上記無機物塩としては、 ハロゲン化物カリウム、 ハロゲン化物ナト リゥム、 硫酸ナトリウム、 硫酸力リゥム、 硫酸水素ナトリウム、 硫酸水素力リゥム、 硝酸ナト リゥム、 硝酸力リゥム、 炭酸水素ナトリウム、 炭酸水素力リゥム、 リン酸ナトリゥム、 リン酸 1水素ナトリウム、 ホウ酸ナトリウム、 リン酸 2水素カリウム、 リン酸 2水素ナトリウム等の 無機化合塩を挙げることができる。
また、 有機物塩としては、 酢酸ナトリウム、 酢酸力リゥム、 酒石酸力リゥム、 酒石酸ナトリ
ゥム、 安息香酸ナトリウム、 安息香酸カリウム、 P-トルエンスルホン酸ナトリウム、 サッカリ ン酸カリウム、 フタル酸カリウム、 ピコリン酸ナトリウム等の有機物塩を挙げることができる 本発明のィンクジヱット記録用ィンクに界面活性剤を含有させ、 ィンクの液物性を調整する ことで、 インクの吐出安定性を向上させ、 画像の耐水性の向上や印字したインクの滲みの防止 などに優れた効果を持たせることができる。
界面活性剤としては、 例えばドデシル硫酸ナトリウム、 ドデシルォキシスルホン酸ナトリウ ム、 アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のァニオン性界面活性剤、 セチルピリジニゥム クロライド、 トリメチルセチルアンモイニゥムクロライド、 テロラブチルアンモニゥムクロラ イド等のカチオン f生界面活性剤や、 ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル、 ポリオキシ ェチレンナフチルエーテル、 ポリォキシェチレンォクチルフェニルエーテル等のノニオン性界 面活性剤などが挙げられる。 なかでも、 特にノニオン系界面活性剤が好ましく使用される。 界面活性剤の含有量は、 インク中、 好ましくは 0 . 0 0 1〜1 5質量%、 より好ましくは 0 0 0 5 - 1 0質量%、 更に好ましくは 0 . ◦ 1〜 5質量である。 本発明で得られたインクジエツト記録用インクには、 インクの噴射口での乾操による目詰ま りを防止するための乾燥防止剤、 ィンクを紙によりょく浸透させるための浸透促進剤、 紫外線 吸収剤、 酸化防止剤、 粘度調整剤、 表面張力調整剤、 分散剤、 分散安定剤、 方黴剤、 防鲭剤、 p H調整剤、 消泡剤、 キレート剤等の添加剤を適宜選択して適量使用することができる。 本発明に使用される乾燥防止剤としては水より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤が好ましい。 具 体的な例としてはエチレングリコール、 プロピレングリコール、 ジエチレングリコール、 ポリ エチレングリコール、 チォジグリコ一ル、 ジチォジグリコ一ル、 2—メチルー 1 , 3—プロパ ンジオール、 1 , 2 , 6一へキサントリオール、 ァセチレングリコール誘導体、 グリセリン、 トリメチロールプロパン等に代表される多価アルコール類、 エチレングリコールモノメチル (またはェチル) エーテル、 ジエチレングリコールモノメチル (またはェチル) エーテル、 ト リエチレングリコールモノェチル (またはブチル) エーテル等の多価アルコールの低級アルキ ルエーテル類、 2—ピロリドン、 N—メチル一2—ピロリドン、 1 , 3—ジメチルー 2—イミ ダゾリジノン、 N—ェチルモルホリン等の複素環類、 スルホラン、 ジメチルスルホキシド、 3 —スルホレン等の含硫黄化合物、 ジアセトンアルコール、 ジエタノールァミン等の多官能化合 物、 尿素誘導体が挙げられる。 これらのうちグリセリン、 ジエチレングリコール等の多価アル コールがより好ましい。 また上記の乾燥防止剤は単独で用いてもよいし 2種以上併用してもよ い。 これらの乾燥防止剤はィ ク中に 1 0〜 5 0質量%含有することが好ましい。 本発明に使用される浸透促進剤としてはエタノール、 イソプロパノール、 ブタノ一ル、 ジ (トリ) エチレングリコールモノブチルエーテル、 1, 2—へキサンジオール等のアルコール 類ゃラゥリル硫酸ナトリウム、 ォレイン酸ナトリゥムゃノニオン性界面活性剤等を用いること ができる。 これらはインク中に 1 0〜 3 0質量%含有すれば充分な効果があり、 印字の滲み、 紙抜け (プリントスルー) を起こさない添加量の範囲で使用するのが好ましい。 本発明で画像の保存性を向上させるために使用される紫外線吸収剤としては特開昭 5 8一 1 8 5 6 7 7号公報、 同 6 1— 1 9 0 5 3 7号公報、 特開平 2— 7 8 2号公報、 同 5— 1 9 7 0
75号公報、 同 9一 34057号公報等に記載されたべンゾトリァゾ一ル系化合物、 特開昭 4 6 - 2784号公報、 特開平 5— 194483号公報、 米国特許第 3214463号等に記載 されたベンゾフヱノン系化合物、 特公昭 48— 30492号公報、 同 56— 21141号公報 、 特開平 10— 88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、 特閧平 4— 298503号 公報、 同 8— 53427号公報、 同 8— 239368号公報、 同 10— 182621号公報、 特表平 8— 501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、 リサ一チデイスクロージ ヤー No. 24239号に記載された化合物やスチルベン系、 ベンズォキサゾール系化合物に 代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、 いわゆる蛍光増白剤も用いることができる 本発明では、 画像の保存性を向上させるために使用される酸化防止剤としては、 各種の有機 系および金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。 有機の褪色防止剤としてはハイド ロキノン類、 アルコキシフエノール類、 ジアルコキシフエノール類、 フエノール類、 ァニリン 類、 アミン類、 インダン類、 クロマン類、 アルコキシァニリン類、 ヘテロ璟類などがあり、 金 属錯体としてはニッケル錯体、 亜鉛錯体などがある。 より具体的にはリサーチディスクロージ ヤー No. 17643の第 VIIの Iないし J項、 同 No. 15162、 同 No. 18716の 650頁左欄、 同 No. 36544の 527頁、 同 No. 307105の 872頁、 同 No. 15162に引用された特許に記載された化合物や特開昭 62 - 215272号公報の 127 頁〜 137頁に記載された代表的化合物の一般式および化合物例に含まれる化合物を使用する ことができる。 本発明に使用される防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、 安息香酸ナトリウム、 ナトリ ゥムピリジンチオン一 1—ォキシド、 p—ヒドロキシ安息香酸ェチルエステル、 1, 2—ベン ズイソチアゾリン一 3—オンおよびその塩等が挙げられる。 これらはインク中に 0. 02〜5. 00質量%使用するのが好ましい。
なお、 これらの詳細については 「防菌防黴剤事典」 (日本防菌防黴学会事典編集委員会編) 等に記載されている。
また、 P方鲭剤としては、 例えば、 酸性亜硫酸塩、 チォ硫酸ナトリウム、 チォグリコール酸ァ ンモン、 ジイソプロピルアンモニゥムニトライト、 四石肖酸ペン夕エリスリ トール、 ジシクロへ キシルアンモニゥムニトライト、 ペンゾトリアゾ一ル等が挙げられる。 これらは、 インク中に 0. 02-5. 00質量%使用するのが好ましい。 本発明で用いるインクジエツト記録用インクは、 25°Cでの静的表面張力が 25〜50 mN/mであることが特徴である。 さらに、 25°Cでの静的表面張力が 30〜4 OmN/ mであることが好ましい。 インクの静的表面張力が 50mN/mを超えると、 吐出安定性 の低下、 混色時の滲みの発生、 ひげ発生 (例えば、 シアンベタ上に黒文字を印字した場合 などに、 黒文字からヒモ状に滲みが発生することがある) などのように印字品質が著しく 低下する。 また、 インクの静的表面張力が 25 mN/mに満たないと、 吐出時にハード表 面へのィンクの付着等が生じ、 印字不良となる場合がある。 静的表面張力測定法としては、 毛細管上昇法、 滴下法、 吊環法等が知られているが、 本 発明においては、 垂直板法を静的表面張力測定法として用いる。 垂直板法の原理を以下に 示す。
ガラスまたは白金の薄い板を液体中に一部分浸して垂直に吊るすと、 液面と板との接す
る部分に表面張力が下向きに働く。 この表面張力は板を吊るしている上向きの力と釣り合 わせることで測定することができる。 本発明で用いるインクの動的表面張力は、 2 5 °Cにおいて 2 5 ~ 5 O mN/mであるこ とが好ましく、 3 0〜4 O m N/mであることがさらに好ましい。 動的表面張力が 5 0 m N/mを超えると、 吐出安定性の低下、 混色時の滲みの発生、 ひげ発生などのように印字 品質が著しく低下する。 また、 2 5 mN/mに満たないと、 吐出時にハード表面へのイン クの付着等が生じ、 印字不良となる場合がある。 動的表面張力測定方法としては、 例えば 「新実験化学講座、 第 1 8卷、 界面とコロイ ド」 [ (株) 丸善、 P . 6 9 - 9 0 ( 1 9 7 7 ) ] に記載されるように、 振動ジヱット法 、 メニスカス落下法、 最大泡圧法等が知られており、 さらに、 特開平 3— 2 0 6 4号公報 に記載されているような液膜破壊法が知られているが、 本発明においては、 動的表面張力 測定法として、 バブルプレッシャー差圧法を用いている。 以下、 その測定原理と方法を説 明する。 界面活性剤を添加した溶液を撹拌して均一とし、 溶液中で気泡を生成すると、 新たな気 一液界面が生成され、 溶液中の界面活性剤分子が水の表面に一定速度で集まってくる。 バ ブルレート (気泡の生成速度) を変化させたとき、 生成速度が遅くなれば、 より多くの界 面活性剤が泡の表面に集まってくるため、 泡がはじける直前の最大泡圧が小さくなり、 バ ブルレートに対する最大泡圧 (表面張力) が検出できる。 本発明における動的表面張力測 定では、 大小 2本のプローブを用いて溶液中で気泡を生成させ、 2本のプローブの最大泡 圧状態での差圧を測定し、 動的表面張力を算出した。 静的表面張力および動的表面張力の調整は、 表面張力調整剤を用いることにより行うこ とができ、 上記範囲とすることが可能である。
表面張力調整剤としては、 ノニオン、 カチオンあるいはァニオン界面活性剤が挙げられ る。 例えばァニオン系界面活性剤としては、 脂肪酸塩、 アルキル硫酸エステル塩、 アルキ ルァリールスルホン酸塩 (例えば、 アルキルベンゼンスルホン酸塩、 石油スルホン酸塩な ど) 、 ジアルキルスルホコハク酸塩、 アルキルリン酸エステル塩、 ナフタレンスルホン酸 ホルマリン縮合物、 ポリォキシェチレンアルキル硫酸エステル塩等を挙げることができ、 ノニオン系界面活性剤としては、 アセチレン系ジオール (例えば、 2 , 4 , 7 , 9—テト ラメチルー 5—デシン一 4 , 7—ジオールなど) 、 ポリオキシエチレンアルキルエーテル (例えば、 ポリオキシエチレンデシルエーテル、 アセチレン系ジオールのエチレンォキシ ド付加物など) 、 ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、 ソルビタン脂肪酸エステル、 ポリ ォキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、 ポリオキシエチレンアルキルァミン、 グリセ リン脂肪酸エステル、 ォキシエチレンォキシプロピレンブロックコポリマー等を挙げるこ とができる。
また、 N, N—ジメチルー N—アルキルアミンォキシドのようなアミンォキシド型の両 性界面活性剤等も好ましい。 更に、 特開昭 5 9 - 1 5 7 , 6 3 6号の第(37)〜(38)頁、 リ サーチディスクロージャー N o . 3 0 8 1 1 9 ( 1 9 8 9年)記載の界面活性剤として挙げ たものも使うことができる。 ィンクからの析出や分離が起こりにく く、 発泡性が少なくいことから、 疎水性部位が 2
本鎖あるいは疎水性部位が分岐しているァニオン性界面活性剤や疎水性部位の中央付近に 親水性基を有するァニオン性界面活性剤、 疎水性部位が 2本鎖あるいは疎水性部位が分岐 しているノニオン性界面活性剤 (例えば、 2—ブチルオクタン酸のポリエチレンォキシド の片末端エステル、 ゥンデカン- 6-オールのポリエチレンォキシド付加物など) 、 疎水性 部位の中央付近に親水性基を有するノニオン性界面活性剤 (例えば、 アセチレン系ジォー ルのエチレンォキシド付加物 (SURFYNOLシリ一ズ (Ai rProduc t s&C hemi c a 1 s社) ) など) が好ましく、 中でも、 分子量 200以上 1000以下のも のが好ましく、 分子量 300以上 900以下のものが更に好ましく、 分子量 400以上 9
00以下のものが特に好ましい。 このような表面張力調整剤は、 ィンクに対して、 好ましくは 0. 1 20質量%、 より 好ましくは 0. 2〜 15質量%用いられる。 本発明のインクジェット記録用インクには、 上記一般式 (A) で表される化合物を含有 することが、 インクの起泡性を上げることなく、 表面張力を制御できるため好ましい。 一般式 (A)
一般式 (A) の R R
2は、 それそれ独立に、 炭素数 2〜 20の飽和炭化水素 (例え ば、 ェチル、 n—ブチル、 iーブチル、 n—へキシル、 n—ヘプチル、 n—ォクチル、 n —ノニル、 n—デシル、 n—ドデシル、 n—へキサデシル、 n—ォクタデシル等) であり 、 炭素数 4〜13の飽和炭化水素が好ましく、 更に好ましくは R
1と R
2の炭素数の合計 が 8〜 18の範囲にあることである。 mは 2~40であり、 好ましくは 4〜 30であり、 更に好ましくは 4〜20である。 一般式 (A) で表される化合物は、 藤本武彦著 全訂版 「新 ·界面活性剤入門」 (19 92年) 107頁等に記載の方法で得ることができるが、 合成原料、 合成法により一般式 (1) 中の mは平均的な値を示すものであることは言うまでもない。 また、 mの値の異な るものを 2種以上用いてもよいし、 またその混合物を用いてもよい。 次に一般式 (A) で表される化合物の具体例を挙げるが本発明はこれらに限定されるも のではない。
一般式 (A) で表される化合物は、 インク中に、 好ましくは 0. 1 20質量%、 より 好ましくは 0. 2~15質量%、 更に好ましくは 0. 5~ 10質量%含有される。 本発明のインクジヱット記録用インクは、 上記式 (B) で示される化合物を含有するこ とが好ましい。
一般式 (B)
式 (B) 中、 R
21、R
22、 R
23、 及び R
24は、 それそれ独立に、 炭素数 1〜6のアル キル基を表し、 niと n
2はそれらの和が 0~40となる数である。
該化合物を含有することにより、 インクの起泡性を上げることなく、 表面張力を制御で きることとなり、 好ましい結果が得られる。
上記式 (B) で示される化合物の含有量は、 インク中に、 0. 1〜20質量%が好まし く、 0. 2〜15質量%がより好ましい。 本発明のィンク粘度は、 25°Cにおいて 1〜20 mP a · sである。 更に好ましくは 2 〜15mPa · sであり、 特に好ましくは 2~1 OmPa · sである。 3 OmPa · sを 超えると記録画像の定着速度が遅くなり、 吐出性能も低下する。 lmPa * s未満では、 記録画像がにじむために品位が低下する。 液体の粘度測定法は J I Sの Z8803に詳細に記載されているが、 市販品の粘度計に て簡便に測定することができる。 例えば、 回転式では東京計器の B型粘度計、 E型粘度計 がある。 本発明では山一電機の振動式 VM— 10 OA— L型により 25 にて測定した。 粘度の単位はパスカル秒 (Pa ' s) であるが、 通常はミリパスカル秒 (mPa . s) を 用いる。
粘度の調製はィンク溶剤の添加量で任意に調製可能である。 ィンク溶剤として例えば、 グリセリン、 ジエチレングリコール、 トリェ夕ノールァミン、 2—ピロリ ドン、 ジェチレ ングリコールモノブチルエーテル、 トリエチレングリコールモノブチルエーテルなどがあ る。 ィンク溶剤の添加量は、 ィンクジエツト記録用ィンクに対して 5~ 70質量%の範囲で 用いられることが好ましく、 10~60質量%の範囲で用いられることがさらに好ましい 。 また、 インク溶剤は 2種以上を併用することができる。 また、 本発明において粘度調整剤を使用してもよい。 粘度調整剤としては、 例えば、 セ ルロ一ス類、 ポリビニルアルコールなどの水溶性ポリマ一ゃノニオン系界面活性剤等が挙 げられる。 更に詳しくは、 「粘度調製技術」 (技術情報協会、 1999年) 第 9章、 及び 「ィ ンクジヱットプリン夕用ケミカルズ (98増補) —材料の開発動向 '展望調査一」 (シーェ ムシ一、 1997年) 162〜174頁に記載されている。
本発明のインクは、 25°Cの粘度に対する 10°Cの粘度の変化率が、 250 %以下であ り、 かつ 25 °Cの表面張力に対する 10°Cの表面張力の変化率が 130%以下であること が特徴である。 25 °Cの粘度に対する 10°Cの粘度の変化率が 250 %を超えるか、 又は 表面張力の変化率が 130%を超えると、 吐出安定性が著しく低下してしまう。 さまざま な環境下でも安定な吐出性能を得るためには物性変動ができるだけ少ないことが非常に重 要である。 特に粘度、 表面張力は厳密にコントロールされなければならない。
25°Cの粘度に対する 10°Cの粘度の変化率は、 好ましくは 200 %以下であり、 更に 190%以下であることが好ましく、 25 °Cの表面張力に対する 10°Cの表面張力の変化 率は、 好ましくは 125%以下であり、 更に 120%以下であることが好ましい。 本発明において、 25 °Cの粘度に対する 10°Cの粘度の変化率及び 25 °Cの静的表面張 力に対する 10°Cの静的表面張力の変化率を算出するには以下の式を用いる。
25°Cの粘度に対する 10°Cの粘度の変化率 (%) = ( 10°Cの粘度/ 25°Cの粘度) X 100 (%)
25 °Cの表面張力に対する 10°Cの表面張力の変化率 (%) = (10°Cの表面張力 /2 5°Cの表面張力) X 100 (%) 本発明において、 インクの粘度の変化率又は表面張力の変化率は、 添加する水混和性有 機溶剤、 界面活性剤の種類や添加量を調節することによって、 容易に調整可能である。 ま た、 粘度や表面張力の変化率を調整するために、 以下に挙げられる粘度や表面張力を調整 するための粘度調整剤や表面張力調整剤を用いることができる。 液体の粘度測定法は J I Sの Z 8803に詳細に記載されているが、 市販品の粘度計に て簡便に測定することができる。 例えば、 回転式では東京計器の B型粘度計、 E型粘度計 がある。 本発明では山一電機の振動式 VM— 10 OA— L型により 25 °Cにて測定した。 粘度の単位はパスカル秒 (Pa . s) であるが、 通常はミリパスカル秒 (mPa . s) を 用いる。 本発明のインク粘度は、 25°Cにおいて 1~3 OmPa · sであることが好ましい。 更 に好ましくは 2 ~15 mP a · sであり、 特に好ましくは 2~10 mP a · sである。 3 OmPa · sを超えると記録画像の定着速度が遅くなり、 吐出性能も低下する。 ImP a · s未満では、 記録画像がにじむために品位が低下する。
粘度の調製はィンク溶剤の添加量で任意に調製可能である。 ィンク溶剤として例えば、 グリセリン、 ジエチレングリコール、 トリエタノールァミン、 2—ピロリ ドン、 ジェチレ ングリコールモノブチルエーテル、 トリエチレングリコールモノブチルェ一テルなどがあ る。 粘度を調整するためのインク溶剤の添加量は、 インクジェヅト記録用ィンクに対して 5 〜70質量%の範囲で用いられることが好ましく、 10〜60質量%の範囲で用いられる ことがさらに好ましい。 また、 インク溶剤は 2種以上を併用することができる。
また、 その他の粘度調整剤としては、 例えば、 セルロース類、 ポリビニルアルコールな どの水溶性ポリマーゃノニオン系界面活性剤等が挙げられる。 更に詳しくは、 「粘度調整
剤技術」 (技術情報協会、 1999年) 第 9章、 及び 「インクジヱットプリンタ用ケミカルズ (98増補) 一材料の開発動向 '展望調査一」 (シーエムシー、 1997年) 162~174頁に記載 されている。 本発明のインクは、 pH調整剤を用いてもよい。 インクの溶液 pHが 4〜 12の範囲が好ま しい。 中でも好ましい範囲は溶液 pHが 5〜10の範囲であり、 特に好ましくは溶液 pHが 6 〜 9の範囲である。
pHの測定方法は、 市販の試験紙を用いることも可能であるし、 飽和塩化カリウムを用い た電極法による測定も可能である。
pHの調節方法としては、 塩基性化合物もしくは酸性化合物を添加することにより調節で きる。 いずれも無機化合物、 有機化合物ともに使用可能である。
塩基性化合物としては水酸化ナトリウム、 水酸化力リゥム、 炭酸ナトリウム、 炭酸力リゥ ム、 炭酸水素ナトリウム、 炭酸水素カリウム、 酢酸ナトリウム、 酢酸カリウム、 リン酸ナ トリウム、 リン酸 1水素ナトリウムなどの無機化合物やアンモニア水、 メチルァミン、 ェ チルァミン、 ジェチルァミン、 トリェチルァミン、 エタノールァミン、 ジエタノールアミ ン、 トリエタノールァミン、 エチレンジァミン、 ピぺリジン、 ジァザビシクロオクタン、 ジァザビシクロウンデセン、 ピリジン、 キノリン、 ピコリン、 ルチジン、 コリジン等の有 機塩基を使用することも可能である。
酸性化合物としては、 塩酸、 硫酸、 リン酸、 ホウ酸、 硫酸水素ナトリウム、 硫酸水素力 リウム、 リン酸 2水素カリウム、 リン酸 2水素ナトリウム等の無機化合物や、 酢酸、 酒石 酸、 安息香酸、 トリフルォロ酢酸、 メタンスルホン酸、 エタンスルホン酸、 ベンゼンスル ホン酸、 P-トルエンスルホン酸、 サッカリン酸、 フタル酸、 ピコリン酸、 キノリン酸等の 有機化合物を使用することもできる。 また本発明では分散剤、 分散安定剤として上述のカチオン、 ァニオン、 ノニオン系の各種界 面活性剤、 消泡剤としてフヅソ系、 シリコーン系化合物や EDTAに代表されるれるキレート 剤等も必要に応じて使用することができる。 水性のインクジェヅト用インクの調製方法については、 特開平 5— 148436号、 同 5— 2953 12号、 同 7— 97541号、 同 7— 82515号、 同 7— 1 18584号 、 特願 2000— 200780号、 同 2000— 249799号の各公報に詳細が記載さ れていて、 本発明のィンクジヱット記録用ィンクの調製にも利用できるが本発明では下記 の方法を用いることが好ましい。 本発明のインクジヱット記録用インクの製造方法は、 前記一般式 (I) で表される少な くとも 1種の染料を、 媒体中に溶解及び/又は分散してなるインクジヱヅト記録用インク の製造方法において、 少なくとも音波振動を加える工程を有することを特徴とする。 本発明は、 ィンクが記録へッドで加えられる圧力によって気泡を発生することを防止す るため、 記録へッドで受けるエネルギーと同等かそれ以上の音波エネルギーを予めインク の製造工程中に加えて気泡を除去しておくものである。
音波振動は、 通常、 振動数 20 kHz以上、 好ましくは 40 kH z以上、 より好ましく は 50 kH zの超音波である。 また音波振動により液に加えられるエネルギ一は、 通常、 2 X 1 O'J/m3以上、 好ましくは 5 X 107J/m5以上、 より好ましくは 1 x 10* J/ m3以上である。 また、 音波振動の付与時間としては、 通常、 10分〜 1時間程度である
音波振動を加える工程は、 染料を媒体に投入以降であれば何時行っても効果を示す。 完 成後のインクを一旦保存した後に音波振動を加えても効果を示す。 しかし、 染料を媒体中 に溶解及び/又は分散する際に音波振動を付加することが、 気泡除去の効果がより大きく 、 尚且つ音波振動により色素の媒体への溶解及び/又は分散が促進されるので好ましい。 即ち、 上記少なくとも音波振動を加える工程は、 染料を媒体中に溶解及び/又は分散す る工程中でもその工程後であってもいずれの場合にも行うことができる。 換言すれば、 上 記少なくとも音波振動を加える工程は、 ィンク調製後に製品となるまでの間に任意に 1回 以上行うことができる。 本発明においては、 媒体中に溶解及び/又は分散する工程は、 前記染料を全媒体の一部 分の媒体に溶解する工程と、 残余の媒体を混合する工程とを有することが好ましく、 上記 少なくともいずれかの工程に音波振動を加えることが好ましく、 染料を全媒体の一部分の 媒体に溶解する工程に少なくとも音波振動を加えることが更に好ましい。
上記残余の溶媒を混合する工程は、 単独工程でも複数工程でもよい。
また、 本発明によるインク製造に加熱脱気あるいは減圧脱気を併用することは、 インク 中の気泡除去の効果を上げるので好ましい。 加熱脱気工程あるいは減圧脱気工程は、 残余 の媒体を混合する工程と同時またはその後に実施することが好ましい。
音波振動を加える工程における、 音波振動発生手段としては、 超音波分散機等の公知の 装置が挙げられる。 本発明において、 媒体としては水もしくは水と水混和性有機溶剤との混合溶剤である水 性媒体が好ましい。 本発明のインクを作製する際には、 水性媒体中に前記一般式 (I ) で表されるフタロシ ァニン染料を溶解または分散させ調液した後に行われる、 濾過により固形分であるゴミを 除く工程が重要である。 この作業には濾過フィルターを使用するが、 このときの濾過フィ ルターとは、 有効径が 1〃m以下、 好ましくは 0 . 3 111以下0 . 0 5〃m以上、 特に好 ましくは 0 . 3 m以下 0 . 2 5 ιη以上のフィルターを用いる。 フィル夕一の材質とし ては種々のものが使用できるが、 特に水溶性染料のインクの場合には、 水系の溶媒用に作 製されたフィルターを用いるのが好ましい。 中でも特にゴミの出にくい、 ポリマー材料で 作製されたフィル夕一を用いるのが好ましい。 濾過法としては送液によりフィル夕一を通 過させてもよいし、 加圧濾過、 減圧濾過のいずれの方法も利用可能である。
また、 濾過後には溶液中に空気を取り込むことが多い。 この空気に起因する泡もインク ジエツト記録において画像の乱れの原因となることが多いため、 本発明では脱泡工程を別 途設ける。 脱泡の方法としては、 濾過後の溶液を静置してもよいし、 市販の装置などを用 いた超音波脱泡や減圧脱泡等種々の方法が利用可能である。 超音波による脱泡の場合は、 好ましくは 3 0秒〜 2時間、 より好ましくは 5分〜 1時間程度脱泡操作を行うとよい。 これらの作業は、 作業時におけるゴミの混入を防く、ため、 クリーンルームもしくはクリ —ンベンチなどのスペースを利用して行うことが好ましい。 本発明では特にクリーン度と してクラス 1 0 0 0以下のスペースにおいてこの作業を行うことが好ましい。 ここで 「ク リーン度」 とは、 ダストカウンタ一により測定される値を指す。 本発明の画像記録方法に用いられる記録紙及び記録フィルムについて説明する。 記録紙及び
記録フィルムおける支持体は LBKP、 NBKP等の化学パルプ、 GP、 P GW、 RMP、 T ΜΡ、 CTMP、 CMP, CGP等の機械パルプ、 D I P等の古紙パルプ等をからなり、 必要 に応じて従来の公知の顔料、 バインダー、 サイズ剤、 定着剤、 カチオン剤、 紙力増強剤等の添 加剤を混合し、 長網抄紙機、 円網抄紙機等の各種装置で製造されたもの等が使用可能である。 これらの支持体の他に合成紙、 プラスチックフィルムシートのいずれであってもよく、 支持体 の厚み 10〜250〃m、 坪量は 10~250 g/rn^が望ましい。
支持体にそのまま受像層及びノ ヅクコート層を設けて受像材料としてもよいし、 デンプン、 ポリビニルアルコール等でサイズプレスやアンカーコ一ト層を設けた後、 受像層及びバックコ 一ト層を設けて受像材料としてもよい。 さらに支持体には、 マシンカレンダー、 TGカレンダ ―、 ソフトカレンダ一等のカレンダー装置により平坦化処理を行ってもよい。
本発明では支持体としては、 両面をポリオレフイン (例、 ポリエチレン、 ポリスチレン、 ポ リブテンおよびそれらのコポリマー) やポリエチレンテレフ夕レートでラミネートした紙およ びプラスチックフィルムがより好ましく用いられる。 ポリオレフイン中に、 白色顔料 (例、 酸 化チタン、 酸化亜鉛) または色味付け染料 (例、 コバルトブルー、 群青、 酸化ネオジゥム) を 添加することが好ましい。 支持体上に設けられる受像層には、 多孔質材料や水性バインダーが含有される。 また、 受像 層には顔料を含むのが好ましく、 顔料としては、 白色顔料が好ましい。 白色顔料としては、 炭 酸カルシウム、 カオリン、 タルク、 クレ一、 珪藻土、 合成非晶質シリカ、 珪酸アルミニウム、 珪酸マグネシウム、 珪酸カルシウム、 水酸化アルミニウム、 アルミナ、 リ トポン、 ゼォライト 、 硫酸バリウム、 硫酸カルシウム、 二酸化チタン、 硫化亜鉛、 炭酸亜鉛等の無機白色顔料、 ス チレン系ピグメント、 ァクリル系ピグメント、 尿素樹脂、 メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げ られる。 特に好ましくは、 多孔性の白色無機顔料がよく、 特に細孔面積が大きい合成非晶質シ リカ等が好適である。 合成非晶質シリカは、 乾式製造法 (気相法) によって得られる無水珪酸 及び湿式製造法によって得られる含水珪酸のいずれも使用可能である。 上記顔料を受像層に含有する記録紙としては、 具体的には、 特開平 10— 81064号、 同
10- 119423号、 同 10— 157277号、 同 10— 217601号、 同 10— 348 409号、 特閧 2001— 138621号、 同 2000— 43401号、 同 2000— 211 235号、 同 2000— 309157号、 同 2001— 96897号、 同 2001— 1386
27号、 特開平 1 1一 91242号、 同 8— 2087号、 同 8— 2090号、 同 8— 2091 号、 同 8— 2093号、 同 8— 174992号、 同 11一 192777号、 特開 2001— 3 01314号などに開示されたものを用いることができる。 受像層に含有される水性バインダーとしては、 ポリビニルアルコール、 シラノール変性ポリ ビニルアルコール、 デンプン、 カチオン化デンプン、 カゼイン、 ゼラチン、 カルボキシメチル セルロース、 ヒドロキシェチルセルロース、 ポリビニルピロリドン、 ポリアルキレンォキサイ ド、 ポリアルキレンオキサイド誘導体等の水溶性高分子、 スチレンブタジエンラテックス、 ァ クリルェマルジヨン等の水分散性高分子等が挙げられる。 これらの水性バインダ一は単独また は 2種以上併用して用いることができる。 本発明においては、 これらの中でも特にポリビニル アルコール、 シラノール変性ポリビニルアルコールが顔料に対する付着性、 受像層の耐剥離性 の点で好適である。 受像層は、 顔料及び水性バインダーの他に媒染剤、 耐水化剤、 耐光性向上剤、 耐ガス性向上
剤、 界面活性剤、 硬膜剤その他の添加剤を含有することができる。 受像層中に添加する媒染剤は、 不動化されていることが好ましい。 そのためには、 ポリマー 媒染剤が好ましく用いられる。
ポリマー媒染剤については、 特開昭 48— 28325号、 同 54— 74430号、 同 54— 124726号、 同 55— 22766号、 同 55— 142339号、 同 60— 23850号、 同 60— 2385 1号、 同 60— 23852号、 同 60— 23853号、 同 60— 57836 号、 同 60— 60643号、 同 60— 1 18834号、 同 60— 122940号、 同 60— 1 22941号、 同 60— 122942号、 同 60— 235134号、 特開平 1一 16 1236 号の各公報、 米国特許 2484430号、 同 2548564号、 同 3 148061号、 同 33 09690号、 同 41 15 124号、 同 4124386号、 同 4193800号、 同 4273 853号、 同 4282305号、 同 4450224号の各明細書に記載がある。 特開平 1一 1 6 1236号公報の 212-2 15頁に記載のポリマー媒染剤を含有する受像材料が特に好ま しい。 同公報記載のポリマー媒染剤を用いると、 優れた画質の画像が得られ、 かつ画像の耐光 性が改善される 耐水化剤は、 画像の耐水化に有効であり、 これらの耐水化剤としては、 特にカチオン樹脂が 望ましい。 このようなカチオン樹脂としては、 ポリアミドポリアミンェピクロルヒドリン、 ポ リエチレンィミン、 ポリアミンスルホン、 ジメチルジァリルアンモニゥムクロライド重合物、 カチオンポリアクリルアミド等が挙げられる。 これらのカチオン樹脂の含有量は、 受像層の全 固形分に対して 1〜15質量%が好ましく、 特に 3~10質量%であることが好ましい。 耐光性向上剤、 耐ガス性向上剤としては、 フエノール化合物、 ヒンダードフヱノール化合物 、 チォェ一テル化合物、 チォ尿素化合物、 チォシアン酸化合物、 ァミン化合物、 ヒンダ一ドア ミン化合物、 TEMPO化合物、 ヒドラジン化合物、 ヒドラジド化合物、 アミジン化合物、 ビ ニル基含有化合物、 エステル化合物、 アミ ド化合物、 エーテル化合物、 アルコール化合物、 ス ルフィン酸化合物、 糖類、 水溶性還元性化合物、 有機酸、 無機酸、 ヒドロキシ基含有有機酸、 ベンゾトリアゾール化合物、 ベンゾフエノン化合物、 トリアジン化合物、 ヘテロ環化合物、 水 溶性金属塩、 有機金属化合物、 金属錯体等が挙げられる。
これらの具体的な化合物例としては、 特開平 10— 18262 1号、 特開 200 1—260 5 1 9号、 特閧 2000-26051 9号、 特公平 4一 34953号、 特公平 4一 345 13 号、 特公平 4一 34512号、 特開平 1 1— 170686号、 特開昭 60 - 671 90号、 特 開平 7— 276808号、 特開 2000— 94829号、 特表平 8— 5 12258号、 特閧平 1 1-321090号等に記載のものが挙げられる。 界面活性剤は、 塗布助剤、 剥離性改良剤、 スベリ性改良剤あるいは帯電防止剤として機能す る。 界面活性剤については、 特開昭 62— 173463号、 同 62— 183457号の各公報 に言己載がある。
界面活性剤の代わりに有機フルォロ化合物を用いてもよい。 有機フルォロ化合物は、 疎水性 であることが好ましい。 有機フルォロ化合物の例には、 フッ素系界面活性剤、 オイル状フッ素 系化合物 (例、 フッ素油) および固体状フッ素化合物樹脂 (例、 四フヅ化工チレン樹脂) が含 まれる。 有機フルォロ化合物については、 特公昭 57— 9053号 (第 8〜 17欄) 、 特開昭 6 1 -20994号、 同 62— 135826号の各公報に記載がある。
硬膜剤としては特開平 1一 1 6 1 2 3 6号公報の 2 2 2頁、 特開平 9— 2 6 3 0 3 6号、 特 開平 1 0— 1 1 9 4 2 3号、 特開 2 0 0 1—3 1 0 5 4 7号、 に記載されている材料等を用い ることが出来る。 その他の受像層に添加される添加剤としては、 顔料分散剤、 増粘剤、 消泡剤、 染料、 蛍光増 白剤、 防腐剤、 p H調整剤、 マット剤、 硬膜剤等が挙げられる。 尚、 受像層は 1層でも 2層で もよい。 記録紙及び記録フィルムには、 バヅクコート層を設けることもでき、 この層に添加可能な成 分としては、 白色顔料、 水性バインダー、 その他の成分が挙げられる。
バックコート層に含有される白色顔料としては、 例えば、 軽質炭酸カルシウム、 重質炭酸力 ルシゥム、 カオリン、 タルク、 硫酸カルシウム、 硫酸バリウム、 二酸化チタン、 酸化亜鉛、 硫 化亜鉛、 炭酸亜鉛、 サチンホワィト、 珪酸アルミニウム、 珪藻土、 珪酸カルシウム、 珪酸マグ ネシゥム、 合成非晶質シリカ、 コロイダルシリカ、 コロイダルアルミナ、 擬べ一マイト、 水酸 化アルミニウム、 アルミナ、 リトポン、 ゼォライト、 加水ハロイサイト、 炭酸マグネシウム、 水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、 スチレン系プラスチヅクピグメント、 アクリル系ブラ スチックピグメント、 ポリエチレン、 マイクロカプセル、 尿素樹脂、 メラミン樹脂等の有機顔 料等が挙げられる。 バックコ一ト層に含有される水性パインダ一としては、 スチレン/マレイン酸塩共重合体、 スチレン /ァクリル酸塩共重合体、 ポリビニルアルコール、 シラノール変性ポリビニルアルコ —ル、 デンプン、 カチオン化デンプン、 カゼイン、 ゼラチン、 カルポキシメチルセルロース、 ヒドロキシェチルセルロース、 ポリビニルピ口リ ドン等の水溶性高分子、 スチレンブタジエン ラテックス、 アクリルェマルジヨン等の水分散性高分子等が挙げられる。 バックコート層に含 有されるその他の成分としては、 消泡剤、 抑泡剤、 染料、 蛍光増白剤、 防腐剤、 耐水化剤等が 挙げられる。
-ット記録紙及び記録フィルムの構成層 (バック層を含む) には、 ポリマー微粒子 分散物を添加してもよい。 ポリマー微粒子分散物は、 寸度安定化、 カール防止、 接着防止、 膜 のひび割れ防止のような膜物性改良の目的で使用される。 ポリマ一微粒子分散物については、 特開昭 6 2 - 2 4 5 2 5 8号、 同 6 2— 1 3 1 6 6 4 8号、 同 6 2— 1 1 0 0 6 6号の各公報 に記載がある。 ガラス転移温度が低い (4 0 °C以下の) ポリマー微粒子分散物を媒染剤を含む 層に添加すると、 層のひび割れやカールを防止することができる。 また、 ガラス転移温度が高 ぃポリマー微粒子分散物をバヅク層に添加しても、 カールを防止できる。 本発明では、 インクジェットの記録方式に制限はなく、 公知の方式例えば静電誘引力を利用 してインクを吐出させる電荷制御方式、 ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマン ド方式 (圧力パルス方式) 、 電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用して インクを吐出させる音響インクジヱヅト方式、 及びインクを加熱して気泡を形成し、 生じた圧 力を利用するサ一マルインクジヱヅト(バブルジェット)方式等に用いられる。
インクジエツト記録方式には、 フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数 射出する方式、 実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や 無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
以下、 本発明を実施例によって説明するが、 本発明はこれに限定されるものではない。 粘度の例: (実施例 1〜3 )
(実施例 1 )
下記の成分に脱イオン水を加え 1 リッターとした後、 3 0〜4 0 °Cで加熱しながら 1時 間撹拌した。 その後 KOH 10mol/lにて p H = 9に調製し、 グリセリン、 水にて粘度 6 m P a · s e cに微調節し、 平均孔径 0.25〃mのミクロフィルターで減圧濾過しライ 用ィンク液を調製した。 本発明のシアン色素 (例示化合物 1 5 4 ) 17.5g/L
ジエチレングリコール 164g/L
グリセリン 123g/L
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 119g/L
トリエタノールァミン 6.5g/L
ベンゾトリアゾール 0.07g/L
PROXEL XL2 3.5g/L
界面活性剤 (w— 1 ) 10g/L さらに色素種添加物を変更し、 グリセリン量、 水量で微調整し粘度を 6mPa' secに揃えた 、 シアンインク、 ライ トマゼン夕インク、 マゼン夕インク、 イェローインク、 プラヅクイ ンクを調製し、 表 1に示すインクセヅト 1 0 1を作成した。
ラ仆シアン シアン ライトマセ、、ン夕 マセ、、ン夕 イェロ- フ、、ラヅク 染料 (g 1) 154 1 A-1 A 1 A- 4 A- 5
17.5 68.0 10.2 30.8 28.0 20.0
A- 6
39.0 A' 7
17.0 A- 3
20.0 シ、、エチレン リ: HKg/1) 164 1U7 150 110 160 20 尿素 (g 1) 37 46 ク リ 1!リン 123 110 130 160 150 120 い IT し 、、 lll-!lii L1 Jマ、、キ
ルェ-テル (g/1) 119 127 130 140 130 — シ、、エチレンク、'リコ-ルモノフ、、チ 一 230 ルェ— rMg/i
2-ヒ.Oロリ卜ン 1/ /D
20 40 80 界面活性剤 (g/1)
上 U 10 6 Q
トリェタノ-ルァミン (g 1) 6.5 10 7 7 1 18 ン、尸トリア、尸-ル (g 1) 0.07 0.09 0.07 0.08 0.06 0.08
Proxel XL2 (g/1) 1.0 4.0 5.0 4.5 3 4 脱イオン水を加え、 1リツ夕一とする。
A - 6
(W-1)
次にインクセット 101のライ トシアン、 シアンインクについて色素種、 粘度をグリセ リン、 水で表 2に従うように変更し、 インクセッ ト 102— 109を作成した。 なお、 ィ ンクセット 102— 109のライ トマゼン夕インク、 マゼン夕インク、 イェローインク、 ブラックインクは、 色素種と粘度が 101と同様のものを使用した。 表 2
ィンク ライ卜シアン シアン 備考
セッ卜
1 0 1 染料 154 154 本発明
粘度 6mPa · sec 6mPa - sec
1 0 2 染料 154 154 本発明
粘度 6mPa · sec 5mPa - sec
1 0 3 染料 154 154 本発明
粘度 4mPa - sec 6mPa - sec
1 0 4 染料 154 154 本発明
粘度 10mPa■ sec 6mPa - sec
1 0 5 染料 154 154 本発明
粘/ 5mPa - sec 10mPa - sec
1 0 6 染料 154 154 比較
粘度 30mPa · sec 4mPa · sec
1 0 7 染料 154 154 比較
粘度 30mPa■ sec 30mPa · sec
1 0 8 染料 154 154 比較
粘度 0.8mPa · sec 0.8mPa · sec
1 0 9 染料 A— 2 A— 2 比較
粘度 6mPa - sec 6mPa - sec
次にこれらのィンクセット 1 0 1 1 0 9をインクジェットプリン夕一 P M 8 0 0 C ( E P S O N社製) のカートリッジに詰め、 同機にて富士写真フィルム製
インクジエツトペーパーフォト光沢紙 E Xに画像を印刷し、 以下の評価を行った。
「印刷性能①」 の評価はカートリヅジをプリンターにセヅトし全ノズルのからのィンク の突出を確認した後、 A 4 2 0枚出力し、 印字の乱れを評価した。
A:印刷開始から終了まで印字の乱れ無し
B :印字の乱れのある出力が発生する
C :印刷開始から終了まで印字の乱れあり
「印刷性能② J はカートリッジを 6 0 °Cにて 2日放置した後、 印刷性能①と同様の方法 にて印字の乱れを評価した。
「乾燥性」 は印刷直後に、 指で触ったときの汚れを目視にて評価した。
細線の摻みについては、 イエロ一、 マゼン夕、 シアン及びブラックの細線パターンを印 字し目視にて 「細線の滲み①」 の評価を行った。 ブラックについてはマゼン夕インクをべ 夕に印字した後、 ブラックの細線を印字し、 2色の接触による 「細線の滲み②」 の評価も 行った。
「耐水性」 については得られた画像を 1 0秒間脱イオン水に浸せきした後、 画像のにじ. みを評価した。 画像保存性については、 シアンのベ夕画像印字サンプルを作成し、 以下の評価を行った
「光堅牢性」 は印字直後の画像濃度 Ciを反射濃度計 (X— Ri t e 310TR) にて測 定した後、 アトラス社製ゥヱザ一メーターを用い画像にキセノン光 (8万 5千ルックス) を 7日照射した後、 再び画像濃度 Cfを測定し色素残存率 Ci/Cf*100を求め評価を行った。 色素残存率について反射濃度が 1, 1. 5, 2の 3点にて評価し、 いずれの濃度でも色素 残存率が 85%以上の場合を A、 2点が 85%未満の場合を B、 全ての濃度で 85%未満 の場合を Cとした。
「熱堅牢性」 については、 70~80%RHの条件下に 7日間に試料を保存する前後で の濃度を、 反射濃度計 (X— Ri t e 310TR) にて測定し色素残存率を求め評価した 。 色素残存率について反射濃度が 1 , 1. 5, 2の 3点にて評価し、 いずれの濃度でも色 素残存率が 90%以上の場合を A、 2点が 90%未満の場合を B、 全ての濃度で 90%未 満の場合を Cとした。
「耐オゾン性」 については、 外気を取り入れ 80°Cに加熱した条件下に 7日間試料を保 存する前後での濃度を反射濃度計 (X— Ri t e 310TR) にて測定し色素残存率を求 め評価した。 色素残存率について反射濃度が 1, 1. 5, 2の 3点にて評価し、 いずれの 濃度でも色素残存率が 90%以上の場合を A、 2点が 90%未満の場合を B、 全ての濃度 で 90 %未満の場合を Cとした。
得られた結果を表 3、 表 4に示す。 表 3
表 4
ィンク 光堅牢性 熱堅牢性 ガス耐性 備考
セット
1 01 A A A 本発明
1 02 A A A 本発明
1 03 A A A 本発明
1 04 A A A 本発明
1 05 A A A 本発明
1 06 A A A 比較
1 07 A A A 比較
1 08 A A A 比較
1 09 B B C 比較 本発明のインクを用いた場合、 印字性能①及び②が優れていることから、 優れた吐出安 定性を得られることが分かる。 耐水性、 光および熱堅牢性についても良好な性能を示すこ とが分かる。 また、 本発明のインクは細線を出力する際もにじみがなく良好な性能を示し ている。
尚、 本発明において使用する受像紙を EPS ON社製 PM写真用紙、 キャノン社製 P R 101に変更した場合でも上記結果と同様の効果が見られる。
(実施例 2 )
実施例 1で作製した同じインクを、 インクジェットプリンター B J— F 850 (CAN NON社製) のカートリッジに詰め、 同機にてに画像を富士写真フィルム製 インクジェ ットペーパーフォト光沢紙 EXにプリントし、 実施例 1と同様な評価を行ったところ、 実 施例 1と同様な結果が得られた。 また受像紙が E P S ON社製 PM写真用紙、 キャノン社 製 PR 101の場合でも同様の効果が見られた。
(実施例 3 )
染料 (例示化合物 189) 7 g、 ジォクチルスルホコハク酸ナトリウム 4 gを高沸点有 機溶媒 ( s— 1 ) 6 g、 高沸点有機溶媒 ( s— 2 ) 10 g、 及び酢酸ェチル 50 m 1中に 70°Cにて溶解させた。 この溶液に 500 mlの脱イオン水をマグネチックスターラーで 攪拌しながら添加し、 水中油滴型の粗粒分散物を作製した。
次にこの粗粒分散物を、 マイクロフルイダィザ一 (MI CROF LU I DEX I NC) にて 60 MP aの圧力で 5回通過させることで微粒子化を行った。 更に出来あがった乳化 物をロータリーエバポレー夕一にて酢酸ェチルの臭気が無くなるまで脱溶媒を行つた。 こうして得られた油溶性染料の微細乳化物に、 ジエチレングリコール 140 g、 グリセ リン 64 g、 界面活性剤 (w— 1 ) 13 g、 及び尿素等の添加剤を加えた後、 脱イオン水 900mlを加え、 KOH 10mo l/lにて pH=9に調整し、 グリセリン量、 水量に より粘度を調製し表 16に従うライ トシアンインクを作製した。 得たれた乳化分散インク の体積平均粒子サイズをマイクロトラック UP A (日機装株式会社) を用いて測定したと ころ 58 nmであった。
さらに使用する染料種、 高沸点有機溶媒を変更し、 表 5に示すインクセット 201のマ ゼンタインク、 ライ トマゼンタインク、 シアンインク、 イェローインク、 ブラックインク
を作成した。 表 5
ラ仆シアン シアン ラ仆マセ、 タ マセ、、ンタ イェロ- フ、、ラック 染料 (g 1) 189 189 M-1 M-1 Y- 3 C - 2
7.0 35.0 5.0 20.0 28.0 19.0
M-1
10.0 Y- 3
14.0 高沸点有機溶媒 S 1 6.0 25.0 4.0 14.0 20.0 30.0
(g/i) S-2 10.0 45.0 6.0 25.0 35.0 53.0
0 0
シ'、ォクチルス imク酸
ナトリウム (g/D 4.0 30.0 6.2 23.0 35.0 52.0 シ、、エチレング、リコ-ル (g 1) 140 140 130 140 130 120
46.0 46.0 46.0 46.0
尿素 (gA) 46.0 46.0 、、 ,,、 64.0 64.0 64.0 64.0 64.0
クリセリン ^g l) 64.0
10 10 10 10 10
トリエタノ-ルァミン (g/1) 10
0.08 0.08 0.08 0.08 0.08 0.08 ン、尸トリァソ、、-ル (g 1) 界面活性剤 13 13 13 13 13 13
W 1
3.5 3.5 3.5 3.5 3.5 3.5
Proxel XL2 (g/1)
脱イオン水を加え、 1リツ夕一とする。
体積平均粒子 58nm 65nm 50nm 55nm 60nm 70 サイズ
CH3
S - 2
o=p- OCH CHpCH CCHa
I I
CH3 CH3
同様にマゼンタインク、 ライ トマゼン夕インク、 イェローインク、 ブラックインクの処 方は変更せずに表 17に従ってィンクセヅト 202~208を作成した。 本発明の化合物の添加量は全て 2. 0質量%になるようにした。
さらに、 染料種を C一 2に変更した以外はインクセヅト 201と同処方で比較例のイン クセット 209を作成した。 次にこれらのインクセヅト 20 1— 209をインクジエツト プリンター PM770 C (EP SON社製) のカートリッジに詰め、 同機にて富士写真フ イルム製 インクジェットペーパーフォト光沢紙 EXに画像を印刷し、 実施例 1と同様な 評価を行った。 得られた結果を表 6に示す。 表 6
本発明のインクは吐出安定性に優れており、 耐候性 (光および熱堅牢性、 耐オゾン性) 耐水性のいずれも良好であり、 細線の滲みのない記録画像を得られることが分かる。 伝導度の例
実施例 4
下記の成分に脱ィォン水を加え 1リツターとした後、 30〜 40てで加熱しながら 1時間撹 拌した。 その後水酸化カリウムを用いて pHを 7. 6に調製し、 平均孔径 0. 25〃mのミク 口フィル夕一で減圧濾過してライトシアン用インク液を調製した。
(ライトシアン用インク液成分)
本発明のシアン色素 (例示化合物 154) 17.5g/l
ジェチレングリコ—ル 150g/l
尿素 37g/l
グリセリン 130g/l
トリェチレングリコ一ルモノブチルエーテル 130g/l
トリエタノールァミン 6.9g/l
ベンゾトリアゾール 0.08g/l
PROXEL XL 2 3.5g/l
サーフィノール ST G lOg/1
さらに上記処方でシアン色素 (例示化合物 154) を 68 gに増量したシアン用ィンク液を 調製した。 これらのシアンインク、 ライトシアンインクの伝導度を溶剤量 (グリセリン ' トリ エチレングリコールモノブチルエーテル 'ジエチレングリコール) および塩化リチウムを用い て調節したインク(インク No. 101— 106)、 エプソン社 PM— 950 Cのシアンインク 、 ライトシアンインクの伝導度を調節したインク(インク No. 107— 109)を作製した。 表 7に各ィンクの伝導度を示す。 表 7
次にこれらのインク No. 101-110をインクジエツトプリンター PM770 C (EP SON社製) のカートリヅジのシアン ·ライトシアン部に詰め、 同機にて富士写真フィルム
(株) 製インクジェットペーパーフォト光沢紙 EXに画像を印刷し、 吐出安定性と画像保存性 の評価を行った。 吐出安定性については、 以下の印刷性能①、 ②の評価を行った。
1 ) 刷性會 g®{まカートリッジをプリンターにセットし全ノズルからのィンクの突出を βした後、 A 4 20枚出力し、 印字の乱れを ffffiした。
A:印刷開始から終了まで印字の乱れ無し
B:印字の乱れのある出力が発生する
C:印刷開始から終了まで印字の乱れあり
2) EP刷性倉 ¾2)は力一トリヅジを 60°Cにて 2日放置した後、 印刷性倉 と同様の方法にて印字の乱 れを ffiした。 画像保存性については、 シアンのベタ画像印字サンプルを作成し、 以下の評価を行った。
(1)光堅牢性:
印字直後の画像濃度 Ciを X- rite 310にて測定した後、 アトラス社製ウエザーメーターを用 い画像にキセノン光 (8万 5千ルックス) を 10日照射した後、 再び画像濃度 Cfを測定し染料 残存率〔Cf /C i〕 x 100を求め評価を行った。 染料残像率について反射濃度が 1, 1 · 5, 2の 3点にて評価し、 いずれの濃度でも染料残存率が 70%以上の場合を A、 2点が 7 0%未満の場合を B、 全ての濃度で 70%未満の場合を Cとした。
(2)熱堅牢性:
80 °C 70 %RHの条件下に 10日間、 試料を保存した前後での濃度を、 X- rite 310にて 測定し染料残存率を求め評価した。 染料残像率について反射濃度が 1 , 1. 5, 2の 3点にて 評価し、 いずれの濃度でも染料残存率が 90%以上の場合を A、 2点が 90%未満の場合を B 、 全ての濃度で 90%未満の場合を C、 変色などが認められた場合を Dとした。
(3)耐オゾン性 :
前記画像を形成したフォト光沢紙を、 オゾンガス濃度が 0. 5 ppmに設定されたボックス 内に 7日間放置し、 オゾンガス下放置前後の画像濃度を反射濃度計 (X— R it e 310T R) を用いて測定し、 色素残存率として評価した。 なお、 前記反射濃度は、 1、 1. 5および 2. 0の 3点で測定した。 ボックス内のオゾンガス濃度は、 APPL I CS製オゾンガスモニ ター (モデル: OZG— EM— 01) を用いて設定した。
何れの濃度でも色素残存率が 80%以上の場合を A、 1または 2点が 8◦%未満を B、 全て の濃度で 70 %未満の場合を Cとして、 三段階で評価した。
得られた結果を表 8に示す。 表 8
表 8に示されている結果から、 以下のことが明らかである。
本発明のインクジェット記録用インクは、 吐出安定性が良好で、 耐候性 (光、 熱、 およびォ
ゾン堅牢性) のいずれにも優れており、 インク液伝導度の効果が顕著であり、 特に熱堅牢性に 大きな影響を与えている。
粘度変化率、 表面張力変化率の例:実施例 5 ~ 6
実施例 5
(インク液の調整)
下記の成分に脱イオン水を加え 1リヅ夕一とした後、 30〜40°Cで加熱しながら 1時 間撹拌溶解した。 その後、 平均孔径 0. 25〃mのミクロフィルターで減圧濾過しライ ト シアン用インク液を調製した。
(ライ トシアン用ィンク液の成分)
シアン染料 [化合物 No 154] 17. 5 g ジエチレングリコール 167. 0 g グリセリン 164. 0 g トリエチレングリコールモノブチルエーテル 125. 0
トリエタノ一ルァミン 6. 5 g ベンゾトリァゾ一ル 0. 07 g
PROXE L XL 2 [ゼネ力社] 3. 5 g 界面活性剤 (w— 1 ) 10 g 染料種、 添加剤を変えることにより、 シアンインク、 マゼン夕インク、 ライ トマゼン夕 インク、 シアンインク、 イェローインク、 ダークイエロ一インク、 ブラックインクを調整 し、 表 9に示すィンクセヅト 101を作成した。
インクの粘度は、 振動式 VM— 100 A— L型 (山一電機) にて測定した。 また、 静的 表面張力については、 自動表面張力計 CB VP— A 3型 (協和界面科学株式会社) にて測 定した。 以上の測定値を用いて上記に記載した式により 25°Cに対する 10°Cの粘度と表 面張力の変化率を算出した。
また、 インクセヅト 101のシアンとライ トシアンの、 粘度の温度依存性及び表面張力 の温度依存性について示した図をそれぞれ図 1及び図 2に示す。 表 9
ラ仆シアン シアン ラ仆マセ *ンタ マセ'ンタ •(10- タ *-クイエ 0 - アラック
染料 (g/l ) 154 154 Α-1 Α-1 H A-3 A-5
17 s 68.0 10.2 30.8 14.0 10.0 20.0
A-4 A-4 A-6
14.0 10.0 39.0
A-2 A - 7
13.0 17.0
A - 3
20.0 シ'エチレンクっ J]- A(g/1 ) 167 1 10 47 76 85 一 20 尿素 (g/l ) 37 46
ク'リセリン (g/l ) 164 148 198 150 154 147 120 トリエチレンク'リコ-
125 132. 105 107 130 127 ―
(g/i )
シ'エチレンク *リコ- ル アチルェ -テル 230 (g/l )
2 -ヒ' 0リにン
(g/l ) 20 40 —— 80 界面活性剤
(9/D 10 10 6 12 3 3 5 トリェタノ-ル 7ミン..
(a /1 )
9/ <ノ 10 7 7 1 1 18
Λ'ンリ-トリァリ -- ル (g/l ) 0.07 0.09 0.07 0.08 0.06 0.08 0.08
Proxel Xし 2
(g/l ) 3.5 4.0 5.0 4.5 3 5 4
25てに対する
10°Cのの変化率
188 192 粘度 180 183 190 188 183
表面張力 107 105 108 105 106 109 108 脱イオン水を加え、 1 リツターとする。
次に、 上記ィンクセット 1 0 1のライ トシアンィンクとシアンィンクについて色素種を 変更し、 水混和性有機溶剤および界面活性剤の添加量によって、 2 5 °Cに対する 1 0 °Cの 粘度及び表面張力の変化率を下記の表 1 0に記載されるように変更した以外は、 同様にし
て、 インクセット 102~ 1 06を作成した。 表 10
(ィンクジヱット記録)
上記にて製造したインクセヅト 101 107を、 インクジェヅトプリンター PM92 0 C (セイコーエプソン株式会社製) のカートリッジに詰め、 同機にて富士写真フィルム 株式会社製のインクジェヅトペーパーフォト光沢紙 EXに画像を印刷し、 下記の評価を行つ た。 その結果を表 11に示す。
( 1 ) 印刷性能 1
25°Cでカートリヅジをプリン夕一にセヅトし、 全ノズルからのィンク吐出を確認した 後、 25 °Cの環境下に 2時間放置後、 A4の用紙にて 20出力し、 印字の乱れを評価した
A:印刷開始から終了まで印字の乱れ無し。
B :印字の乱れのある出力が発生する。
C :印刷開始から終了まで印字の乱れあり。
(2) 印刷性能 2
カートリッジを 10°Cにて 2日放置した後、 印刷性能 (1) と同様の方法にて印字の乱 れを評価した。
(3) 色相
画像を目視にて以下のように評価した。
〇:良好なレベル
△:やや悪いレベル
X :悪いレベル 以下の画像保存性の評価については、 イエロ' -、 マゼンタ、 シアンおよびブラヅクの印 字サンプルを作成し、 以下の評価を行った。
(4) 光堅牢性
印字直後の画像濃度 Ciを反射濃度計 (X— Ri t e 310TR) にて測定した後、 ァト ラス社製ウエザーメーターを用い画像にキセノン光 (8万 5千ルックス) を 7日照射した 後、 再び画像濃度 Cfを測定し色素残存率 Ci/Cf*100を求め評価を行った。 色素残存率につ いて反射濃度が 1, 1. 5, 2の 3点にて評価し、 いずれの濃度でも色素残存率が 85 % 以上の場合を A、 2点が 85 %未満の場合を B、 全ての濃度で 85%未満の場合を Cとし た。
(5) 熱堅牢性
70~80%RHの条件下に 7日間に試料を保存する前後での濃度を、 反射濃度計 (X -R i t e 310 TR) にて測定し色素残存率を求め評価した。 色素残存率について反射 濃度が 1, 1. 5, 2の 3点にて評価し、 いずれの濃度でも色素残存率が 90%以上の場 合を A、 2点が 90%未満の場合を B、 全ての濃度で 90%未満の場合を Cとした。
(6) 耐オゾン性
外気を取り入れ 80°Cに加熱した条件下に 7日間試料を保存する前後での濃度を反射濃 度計 (X— : Ri t e 3 10 TR) にて測定し色素残存率を求め評価した。 色素残存率につ いて反射濃度が 1, 1. 5, 2の 3点にて評価し、 いずれの濃度でも色素残存率が 90% 以上の場合を A、 2点が 90%未満の場合を B、 全ての濃度で 90%未満の場合を Cとし た。
得られた結果を表 1 1に示す。
表 1 1に示される結果より、 本発明のインクをインクジェット記録に用いた場合、 優れ た吐出安定性、 堅牢性を示している。
尚、 本発明において使用する受像紙を EPS ON社製 PM写真用紙、 キャノン社製 P R 101に変更した場合でも上記結果と同様の効果が見られる。
(実施例 6 )
実施例 1で作製した同じインクを、 インクジェットプリン夕一 B J— F 850 (CAN N〇N社製) のカートリッジに詰め、 同機にてに画像を富士写真フィルム製 インクジェ ットペーパーフォト光沢紙 EXにプリントし、 実施例 1と同様な評価を行ったところ、 実 施例 1と同様な結果が得られた。 また受像紙が EP S ON社製 PM写真用紙、 キャノン社 製 PR 101の場合でも同様の効果が見られた。 上記の実施例によれば、 吐出安定性が高く、 得られた画像の色相および保存性に優れ、 かつ高画質の画像を与えるィンクジエツト記録用ィンクおよびィンクジエツト記録方法が
得られる。
表面張力の例:
(実施例 7 )
(インク液の調整)
下記の成分に脱イオン水を加え 1リヅ夕一とした後、 30-40°Cで加熱しながら 1時 間撹拌溶解した。 その後、 平均孔径 0. 25〃mのミク Dフィルターで減圧濾過しライ ト シアン用インク液を調整した。
(ィ トシアン用ィンク液の成分)
シアン染料 [化合物 No 154] 17. 5 g トリエチレングリコールモノブチルエーテル 1 19. 0 g グリセリン 123. 0 g ジエチレングリコール 164. 0 g トリエタノールアミン 6. 5 g
PROXEL XL 2 [ゼネ力社] 1. 0 g ベンゾトリァゾール 0. 07 g ポリエチレングルコール (平均エチレンォキシド繰り返し数 10) の片末端は 2—ブ チルオクタン酸エステル 10. 0 g 染料種としてシアン染料の代わりに、 マゼン夕染料 (a— 36) 、 イエロ一染料 (A— 3、 A— 4) 、 ブラック染料 (A—5、 A— 6、 A— 7) を用い、 添加剤を変えることに より、 マゼンタインク、 ライ トマゼンタインク、 シアンインク、 イェローインク、 ダーク イエローインク、 ブラックインクを調整し、 表 12に示すィンクセヅト 101を作成した 表 12
ラ仆 夕、、ーク
マセ、、ンタ ラ仆シアン シアン イエ フ、、ラック マセ、、ン夕 イエロ- 染料 (a-36) (a-36) ( 154) ( 154) Α - 3 A-3 A-5
(g/1 ) 10.2 30.8 17.5 68.0 14.7 10.3 20.0
A-4 A-4 A-6
14.0 9.8 39.0
(154) A-7
13.6 17.0
A-3
20.0 トリエチレンク、、リコ-ル 130 140 119 127 130 130 ― モノフ、、チルェ -テル
(g/1 )
シ、、エチレンク、、リコ-ル ― ― 一 一 一 - 230 f 、、チル I-テル
(g/1 )
ク、、リセリン 130 160 123 110 150 138 120 ノ 、
(g/1 )
シ、、エチレンク、'リコ-ル 150 110 164 107 160 144 20 、
(g/1 )
トリエタノ-ルァミン 7 7 6.5 10 1 4 18 /, \
(g/1 )
尿素 37 46 ― ― 一 一
2-ヒ。口リ ン 40 20 80
(g/1 )
PKOXEL XL II 5.0 4.5 1.0 4.0 3.0 3.0 4.0
(g/1 )
へ、、ン、尸トリァリ、、-ル 0.07 0.08 0.07 0.09 0.06 0.07 0.08
(g/1 )
ホ0リエチレンク、、リコ- 6 12 10 10 3 5 5 ル片末端 2- チ
ルオクタン酸エステル
(g/1 )
7 0 差替え用紙 (規則 26)
a - 3 6
次に、 上記ィンクセット 1 0 1のライ トシアンィンクとシアンィンクについて、 染料種 、 表面張力調整剤である界面活性剤量、 有機溶剤種および量を下記の表 1 3に記載される ように変更した以外は、 同様にして、 インクセット 1 0 2〜 1 0 7を作成した。 これらの インクの静的表面張力を自動表面張力計 CBVP- A 3型 (協和界面科学株式会社) を用いて測 定した。 また、 動的表面張力を自動動的表面張力計 BP- D 3型 (協和界面科学株式会社) を 用いて測定した。
なお、 表 i 3中の各種溶剤の量の単位は g/ 1である。
表 1 3
(ィンクジヱヅト記録)
上記にて製造したィンクセヅト 101 ~ 107を、 インクジェヅトプリンター PM92 0 C (セイコーエプソン株式会社製) のカートリッジに詰め、 同機にて富士写真フィルム 株式会社製のインクジエツトペーパーフォト光沢紙 EXに画像を印刷し、 下記の評価を行つ た。 その結果を表 14と表 15に示す。
(1) 印刷性能①
力一トリッジをプリン夕一にセットし全ノズルからのィンク吐出を確認した後、 A4の用 紙にて 20出力し、 印字の乱れを評価した。
A:印刷開始から終了まで印字の乱れ無し。
B :印字の乱れのある出力が発生する。
C :印刷開始から終了まで印字の乱れあり。
(2) 印刷性能②
力一トリヅジを 60°Cにて 2日放置した後、 印刷性能 (1) と同様の方法にて印字の乱 れを評価した。
( 3 ) 乾燥性
印刷直後に、 指で触った時の汚れを目視にて評価した。
(4) 細線の滲み①
イエロ一、 マゼン夕、 シアンおよびブラックの細線パターンを印字し目視にて評価①を 行った。 評価は次の基準で行った。
〇:良好
△:わずかにじむ。
X : にじむ。
(5) 細線の滲み②
シアンインクをべ夕に印字した後、 ブラヅクの細線を印字し、 二色の接触による滲みの 評価を行った。
( 6 ) 耐水性
得られた画像を 5秒間脱イオン水に浸漬した後、 画像の滲みを評価した。
画像保存性については、 イエロ一、 マゼン夕、 シアンおよびブラックの印字サンプルを 作成し、 以下の評価を行った。
(7) 光堅牢性
印字直後の画像濃度 C iを X— r i t e 310にて測定した後、 ァトラス社製ゥヱザ一 メーターを用い画像にキセノン光 (8万 5千ルクス) を 6日照射した後、 再び画像濃度 C ; を測定し、 染料残存率 〔Ci/Cf〕 X I 00を求め評価を行った。 染料残存率につい て反射濃度が 1、 1. 5、 2の 3点にて評価し、 いずれの濃度でも染料残存率が 80%以 上の場合を A、 2点が 80%未満の場合を B、 全ての濃度で 80%未満の場合を Cとした
(8) 湿熱堅牢性
80~70%RHの条件下に 5日間試料を保存する前後での濃度を、 X— r i t e 3 1 0にて測定し染料残存率を求め評価を行った。 染料残存率については反射濃度が 1、 1. 5、 2の 3点にて評価し、 いずれの濃度でも染料残存率が 90%以上の場合を A、 2点が 90%未満の場合を B、 全ての濃度で 90%未満の場合を Cとした。 表 14
表 15
表 14、 表 15に示される結果から以下のことが明らかである。
本発明のインクをインクジェット記録に用いた場合、 優れた吐出安定性を得られる。 記 録された画像は、 耐水性、 堅牢性において優れた性能を示す。 また、 本発明のインクを用 いると細線を出力する際に滲みがなく、 優れた画像が得られる。
さらに、 上記実施例において使用した受像紙をセイコーェプソン株式会社製の P M写真 用紙、 キャノン社製の PR 1 0 1に変更した場合でも、 上記結果と同様の効果が見られた 上記の実施例によれば、 吐出安定性が高く、 得られた画像の色相および保存性 (耐候性 、 耐水性) に優れ、 かつ高画質の画像を与えるインクジェット記録用インクおよびインク ジェット記録方法が提供される。 音波振動の例:
(実施例 8 )
(ィンク液の調製)
シアン染料 [ 1 54] 1 7. 5 gに脱イオン水 1 5 0 c cを加え、 超音波洗浄器 (BR ANS ON製 2 5 1 0 J— D TH型、 42 kH z 1 2 5 W) を用いて音波振動を加えな がら染料を 1 0分撹拌溶解した (第 1工程) 。 この染料溶液に下記の成分を加え、 さらに 脱イオン水を加えて 1 リッターとした後、 3 0~4 0°Cで加熱しながら 1時間撹拌混合し た (第 2工程) 。 その後、 平均孔径 0. 2 5〃mのミクロフィルターで減圧濾過しライ ト シアン用ィンク液を調製した。 トリエチレングリコ一ルモノブチルェ一テル 1 1 9. 0 g
グリセリン 1 2 3. 0 g
ジエチレングリコール 1 64. 0 g
トリエタノールアミン 6. 5 g
PROXE L XL 2 [ゼネ力社] 1. 0 g
ベンゾトリァゾール 0. 0 7 g
界面活性剤 6. 0 g
(ポリエチレングルコール (平均エチレンォキシド繰り返し数 1 0 ) の片末端 2—ブチル オクタン酸エステル) シアン色素 [ 1 54] 6 8. 0 gに脱イオン水 5 0 0 c cを加え、 上記超音波洗浄器を 用いて音波振動を加えながら染料を 1 0分撹拌溶解した。 この染料溶液に下記の成分を加 え、 さらに脱イオン水を加えて 1 リツ夕一とした後、 3 0~40°Cで加熱しながら 1時間 撹抻混合した。 その後、 平均孔径 0. 2 5 mのミクロフィル夕一で減圧濾過しシアン用 インク液を調製した。 トリエチレングリコールモノブチルエーテル 1 2 7. 0 g
グリセリン 1 1 0. 0 g
ジエチレングリコール 1 0 7. 0 g
トリエ夕ノールァミン 1 0. 0 g
PROXE L XL 2 [ゼネ力社] 4. 0 g
ベンゾトリァゾール 0. 0 9 g
界面活性剤 1 0. 0 g
(ポリエチレングルコール (平均エチレンォキシド繰り返し数 1 0 ) の片末端 2 ブチル オクタン酸エステル)
(実施例 9 )
シアン染料に脱イオン水を加え、 1時間撹拌溶解する際に音波振動を加えず、 染料水溶 液に残余の成分を加えて 3 0〜4 0 °Cで加熱しながら 3 0分間撹拌混合する際に超音波洗 浄器を用いて音波振動を加えた以外は、 すべて実施例 1と同様にしてライ トシアン用イン ク液、 シアン用インク液を調製した。
(比較例 1 )
シアン染料として ( C— 1 ) を使用した以外は、 すべて実施例 8と同様にして、 ライ ト シアン用インク液、 シアン用インク液を調製した。
(比較例 2 )
インク液を調製する際に音波振動を一切加えなかった以外は、 すべて実施例 8と同様に して、 ライ トシアン用インク液、 シアン用インク液を調製した。
(実施例 1 0 )
比較例 2と同様にしてィンク液を調液した後、 ィンク液に超音波洗浄器を用いて音波振 動を 1時間加えて、 ライ トシアン用インク液、 シアン用インク液を調製した。
(ィンクジヱヅト記録)
上記にて製造したライ トシアン用インク、 シアン用インクを、 インクジェヅトプリンタ 一 P M 9 2 0 C (セイコーエプソン株式会社製) のカートリッジに詰め、 同機にて富士写 真フィルム株式会社製のィンクジヱットペーパーフォト光沢紙 E Xに画像を印刷し、 下記 の評価を行った。 その結果を表 1 6に示す。
( 1 ) 吐出安定性については、 カートリッジをプリンタ一にセットしノズルからのイン クの連続吐出試験を行い、 吐出安定性を評価した。
〇:安定。
△:やや不安定。
X :不安定。
(2) 画像保存性については、 シアンのベタ画像印字サンプルを作成し、 以下の評価を行 つ/こ o
光堅牢性は印字直後の画像濃度 C iを反射濃度計 (X— Ri t e 310 TR) にて測定 した後、 アトラス社製ウエザーメーターを用い画像にキセノン光 (8万 5千ルックス) を 6日照射した後、 再び画像濃度 C f を測定し染料残存率 (100 xCf/Ci) を求め評 価を行った。 染料残像率について反射濃度が 1, 1. 5, 2の 3点にて評価し、 いずれの 濃度でも色素残存率が 80%以上の場合を A、 2点が 80%未満の場合を B、 全ての濃度 で 80 %未満の場合を Cとした。
熱堅牢性については、 80°C、 70%RHの条件下に 5日間に試料を保存する前後での 濃度を、 反射濃度計 (X— Ri t e 310 TR) にて測定し色素残存率を求め評価した。 色素残存率について反射濃度が 1, 1. 5, 2の 3点にて評価し、 いずれの濃度でも色素 残存率が 90%以上の場合を A、 2点が 90%未満の場合を B、 全ての濃度で 90%未満 の場合を Cとした。
耐オゾン性については、 外気を取り入れ 80°Cに加熱した条件下に 7日間試料を保存す る前後での濃度を反射濃度計 (X— Ri t e 3 10TR) にて測定し色素残存率を求め評 価した。 色素残存率について反射濃度が 1 , 1. 5, 2の 3点にて評価し、 いずれの濃度 でも色素残存率が 90 %以上の場合を A、 2点が 90 %未満の場合を B、 全ての濃度で 9 0%未満の場合を Cとした。 表 16
本発明により得られたィンクを用いた場合、 優れた吐出安定性を得られることが分かり 、 堅牢性についても優れた性能を示すことが分かる。
また、 本発明のインクは、 比較例 1と同等の色相が得られた。
また、 実施例においてシアン染料 (154) に代えて一般式 (I) で表される他の水溶 染料を用いて調製した本発明のインクも、 実施例と同様の耐候性、 吐出安定性及び色相の 効果が得られた。
尚、 受像紙を E P S ON社製 PM写真用紙、 キャノン社製 PR 101に変更した場合 でも上記結果と同様の効果が見られた。 上記の実施例によれば、 取り扱い性 ·臭気 ·安全性等の点から有利な水性ィンクにおい て、 吐出安定性が高く、 色相も良好で、 耐候性や耐水性にも優れ、 細線の滲みのない記録 画像を得ることができるィンクジエツト記録用ィンクセットを提供することができる。 濾過、 脱泡の例
(実施例 1 1 )
(ィンク液の調整)
下記の成分に脱イオン水を加え 1 リヅ夕一とした後、 3 0〜 4 0 °Cで加熱しながら 1時 間撹拌した。 このようにしてライ トシアン用インク液 (LC- 101) を調製した。
〔ライ トシアンインク LC- 101処方〕
(固形分)
本発明のシアン色素 (154) 17.5g/l
プロキセル 3.5g/l
(液体成分)
ジエチレングリコール 150g/l
グリセリン 130g/l
トリエチレンク、、リコ-ルモノフ、、チル I-テル 130g/l
〔トリエタノールァミン 6.9g/l〕
サーフィノール STG lOg/1
トリエタノールァミン(TEA) 6.9g/l
サーフィノール STG(SW) lOg/1 さらに上記処方でシアン色素 (154) を 68gに増量したシアン用インク液 C-101を調製し た。
〔シアンインク C - 101処方〕
(固形分)
本発明のシアン色素 (154) 68g/l
プロキセル 3.5g/l
(液体成分)
ジエチレングリコール 150g/l
グリセリン 130g/l
トリエチレンク、、リコ-ルモノフ、、チル I-テル 130g/l
トリエタノールァミン 6.9g/l
サ一フィノール STG lOg/1 これらのインクを調製後、 濾過フィルターで濾過し、 超音波脱泡装置で 1 0分間脱泡操 作を行った。
そのご、 EPSON社製インクジェットプリンタ一 PM-950Cのシアンインク ·ライ トシアンィ ンクのカートリッジに装填し、 その他の色のインクは PM-950Cのインクを用いて、 マゼン 夕の単色画像を印字させた。 受像シートは富士写真フィルム (株) 製インクジェットぺー パーフォト光沢紙 E Xに画像を印刷し、 吐出安定性の評価を行った。 ' インク装填時に、 濾過フィルタ一で濾過する工程、 超音波脱泡装置で 1 0分間脱泡操作 を行う工程、 ならびに工程のクリーン度を下記表 1 7のように変更して、 インク装填を行 つた。 表 1 7
来口
芙驟杳 τ^" W ノィ レタ一住 m曰 ノリ ノ /3L
お nL
102〔比較例 J oUnm I UUUUU
I 03【 究 ) お oUnm お 1 UUUUU
I U^JX早义 WJ, 右 ouuuunrn 右 1 I n UnUnUnUnU
105(比較例) 有 50000nm 無 800
106(比較例) 有 250nm 無 800
107(比較例) 有 50000nm 有 800
108(本発明) 有 250nm 有 800
109(本発明) 有 100nm 有 800
1 10(本発明) 有 500nm 有 800
*:クリーン度はダスターカウンタ一の測定値
吐出性評価は下記ようにして行った。
(評価実験)
吐出安定性は、 カートリッジをプリン夕一にセットし全ノズルからのィンクの突出を確 認した後、 A 4で 1 0 0枚出力し、 以下の基準で評価した。
A:印刷開始から終了まで印字の乱れ無し
B :印字の乱れのある出力が発生する
C :印刷開始から終了まで印字の乱れあり
得られた結果を表 1 8に示す。 表 1 8
表 1 8の結果から、 本発明の方法にて作製したインクを使用した系 1 0 3、 1 0 8 - 1 1 0は、 吐出安定性が良好であること、 なかでもクリーン度 1 0 0 0以下のスペースで濾 過、 脱泡を行った場合には特に、 吐出安定性を向上させることができることが分かる。
(発明の効果)
本発明によれば、 取り扱い性 ·臭気 ·安全性等の点から有利な水性インクにおいて、 吐 出安定性が高く、 色相も良好で、 耐候性や耐水性にも優れ、 高画質の記録画像を得ること
ができるィンクジエツト記録用ィンク、 該ィンクの製造方法およびィンクジエツト記録方 法を提供することができる。 産業上の利用可能性
本発明のインクは、 インクジヱヅトの記録方式に制限はなく、 公知の方式例えば静電誘引力 を利用してィンクを吐出させる電荷制御方式、 ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオン デマンド方式 (圧力パルス方式) 、 電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利 用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、 及びインクを加熱して気泡を形成し、 生 じた圧力を利用するサーマルインクジェット(バブルジェット)方式等に用いられる。
インクジエツト記録方式には、 フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数 射出する方式、 実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や 無色透明のインクを用いる方式が含まれ、 本発明のインクはこれらのいずれにも用いられる。