WO2002093575A1 - Butee d'ecrasement - Google Patents

Description

明細書 クラッシュス ト ツフ"

技術分野

本発明は、 磁気ディスク装置のァクチユエータの揺動範囲を規制す るクラッシュス ト ップに関し、 特に、 ス ト ッパーアームの衝撃による 変位が少なく 、 且つ幅広い温度で衝撃吸収性に優れたクラッシュス ト ップに関する。 背景技術

磁気ディスク装置は、 高速へッ ド位置決め機構の一部を構成するァ クチユエ一夕の先端に設けられた磁気へッ ドを位置決めし、 当該へッ ドによ り磁気ディスクに磁気信号を記録 · 再生する装置である。 磁気 へッ ドの位置決めは、 ボイスコイルモータと、 ァクチユエ一夕に支持 されたコイルによって生じるローレンツ力を、 前記コイルに流す電流 を制御することによつて行われている。

このァクチユエ一タの近傍には、 へッ ド位置決め機構が故障等によ つて制御不能となり暴走した時に磁気へッ ドやへッ ドジンバルアツセ ンブリが他部材に衝突したり脱落したり して損傷することを防止する ためのクラッシュス ト ップと称するス ト ツパ機構を備えている。

従来このようなクラッシュス ト ップと しては、 ウ レタ ン系及び塩化 ビ二ル系の熱可塑性エラス トマ一からなる弾性体が多く 用いられてい る。 しかし、 これらの弾性体からなるクラッ シュス ト ップは、 ス ト ツ パアームが当接する部分の変位が大き くて、 しかも弾性率が温度によ り大き く変わるため、 ァクチユエ一夕の揺動範囲が変動してしま う と いう問題があつた。 発明の開示

本発明は、 このよ う な状況下で、 ス ト ッパーアームの衝撃による変 位が少なく 、 且つ幅広い温度で衝撃吸収性に優れたクラッシュス 卜 ッ プを提供することを目的とするものである。

本発明者らは、 前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、 特定の硬度及び弾性率の温度依存性を有する熱可塑性エラス 卜マー配 合物からなるクラッシュス ト ップとすることによ り、 その目的を達成 しうることを見出した。 本発明は、 かかる知見に基づいて完成したも のである。

すなわち、 本発明は、 J I S - K - 6 2 5 3に準拠して A型硬度計 で測定した硬度が 5 0度以上であって、 弾性率の温度依存性が 0 °C と 6 0 ΐの間で 3倍以下である熱可塑性エラス トマ一配合物からなるこ とを特徴とするクラッシュス ト ップである。 発明を実施するための最良の形態

本発明において使用する熱可塑性エラス 卜マ一配合物は、 J I S— K - 6 2 5 3 に準拠して A型硬度計で測定した硬度 （以下、 単に硬度 と記す。 ） が 5 0度以上、 好ま しく は 7 0度以上、 更に好ま しく は 8 0度以上であって、 弾性率の温度依存性が 0て と 6 0 °Cの間で 3倍以 下、 好ましく は 2 . 5倍以下、 更に好ま しく は 2 . 0倍以下であるこ とが必要である。

硬度が 5 0度未満である場合は、 ス ト ッパアームが当接する部分の 変位が大き く なり、 また、 弾性率の温度依存性が 0 °Cと 6 0 °Cの間で 3倍を超えた場合は、 使用温度によつて弾性率が大き く変わるため、 ァクチユエ一夕の揺動範囲が変動してしまう結果となり、 クラッシュ ス ト ップと しての機能を十分に果たすことが出来ない。

かかる物性を有する熱可塑性エラス トマ一配合物は、 例えば、 ポリ スチ レ ン、 スチ レン系ブロッ ク共重合体等のスチ レン系重合体、 ポリ エチレン、 ポリプロ ピレン等のォレフィ ン系重合体、 ポリエチレンテ レフ夕 レー ト、 ポリブチレンテレフタ レ一 ト等のポリエステル系重合 体及びポリアミ ド等のポリ アミ ド系重合体の内の少なく とも一種をポ リマー成分とする熱可塑性エラス 卜マーの配合物を使用することによ り、 得ることができる。

これらのポリマー成分の中、 特にビニル芳香族化合物を主体とする 重合体プロッ クの少なく とも一つと、 共役ジェン化合物を主体とする 重合体プロッ クの少なく とも一つからなる共重合体をポリマー成分と する熱可塑性エラス トマ一や、 ポリブチレンテレフ夕 レート等のポリ エステル系重合体を主成分とする熱可塑性エラス トマ一が好ま しく 用 いられる。 よ り具体的には、 例えば、 ポリブタジェンとブ夕ジェン一 スチ レ ンランダム共重合体とのブロッ ク共重合体を水添して得られる 結晶性ポリ エチレンとエチ レン/ブチ レ ン一スチ レンラ ンダム共重合 体とのブロッ ク共重合体、 ポリブタジェンとポリ スチレンとのブ口ッ ク共重合体、 及びポリイ ソプレンとポリ スチレンとのブロッ ク共重合 体、 あるいは、 ポリブタジエン又はエチレン一ブタジエンランダム共 重合体とポリ スチレンとのブロッ ク共重合体を水添して得られる、 例 えば、 結晶性ポリエチレンとポリ スチレンとのジブロッ ク共重合体、 スチ レン一エチレンノブチレン一スチ レ ンの ト リ ブロ ッ ク共重合体 （

S E B S ) 、 スチ レ ン一エチレン/プロ ピレ ン一スチレ ンの ト リ プロ ッ ク共重合体 （ S E P S ) など、 中でも、 スチレ ン一エチレ ン/プチ レン一スチ レンブロッ ク共重合体又はスチ レ ン一エチ レ ン/プロ ピレ ン一スチレンブロッ ク共重合体、 などを挙げることができる。 これら のエラス トマ一は、 単独で用いてもよ く 、 二種以上を組み合わせて用 いてもよい。

但し、 前記したように、 従来使用されていたウ レタン系及び塩化ビ ニル系の熱可塑性エラス トマ一を使用しても望む物性、 特に弾性率の 温度依存性を有する熱可塑性エラス トマ一配合物とすることはできな い。

又、 本発明で使用する'熱可塑性エラス トマ一配合物は、 適度にス ト ツバアームの衝撃エネルギーを吸収する物性と衝撃の繰り返しに耐え る耐久性が必要であり、 A S T M— D 6 3 0 1 に準拠して測定した反 発弾性率が 4 0〜 9 0 %、 特に 5 0〜 8 5 %であって、 A S T M— D 6 3 0 1 に準拠して測定した 7 0 °C 2 2時間後の圧縮永久歪率が 7 0 %以下、 特に 5 0 %以下であるのが望ま しい。

本発明の熱可塑性エラス トマ一配合物には、 圧縮永久歪みを改善し 、 上記範囲内とするなどの目的で、 所望によ りポリ フヱニレンェ一テ ル樹脂を配合するこ とができる。 このポリ フヱニレンェ一テル樹脂と しては公知のものを用いることができ、 具体的には、 ポリ （ 2 ， 6 - ジメチル一 1 , 4 —フエ二レンェ一テル） 、 ポリ （ 2 _メチル _ 6— ェチル一 1 ， 4 —フエ二レ ンェ一テル） 、 ポリ （ 2 ， 6 —ジフエニル - 1 , 4 一フヱニレンエーテル） 、 ポリ （ 2 —メ チル一 6 —フエニル - 1 , 4 一フエ二レンエーテル） 、 ポリ （ 2 ， 6 —ジク ロ口一 1 ， 4 —フエ二レ ンエーテル） などが挙げられ、 また、 2 ， 6 —ジメチルフ エ ノ一ルと 1 価のフエ ノール類 （例えば、 2 ， 3 ， 6 — ト リ メチルフ ヱノールゃ 2 —メチル一 6 —ブチルフェノール） との共重合体の如き ポリ フ ヱニレンエーテル共重合体も用いる こ とができる。 なかでも、 ポリ （ 2 , 6 —ジメチル一 1 , 4 —フエ二レンエーテル） や 2， 6— ジメ チルフ エ ノールと 2， 3 , 6 — ト リ メ チルフエ ノールとの共重合 体が好ま しく、 さ らに、 ボリ （ 2 ， 6 —ジメチルー し 4 —フヱニレ ンエーテル） が好ま しい。

また、 本発明の熱可塑性エラス 卜マー配合物には、 前記の諸物性を 具備する限りにおいて、 ク レー、 珪藻土、 タルク、 硫酸バリ ゥム、 炭 酸カルシウム、 炭酸マグネ シウム、 金属酸化物、 マイ力、 グラフアイ 卜、 水酸化アルミ ニウムなどのりん片状無機系添加剤、 各種の金属粉 、 ガラス粉、 セラミ ッ クス粉、 粒状あるいは粉末ボリマー等の粒状あ るいは粉末状固体充填剤、 その他の各種の天然または人工の短繊維、 長繊維 （例えば、 ガラスファイバー、 金属ファイバー、 その他各種の ポリマーファイバ一等） などを、 配合することができる。

また、 他の添加剤と して、 必要に応じて、 難燃剤、 抗菌剤、 ヒンダ ー ドアミ ン系光安定剤、 紫外線吸収剤、 酸化防止剤、 着色剤などを使 用することができる。

本発明の熱可塑性エラス 卜マー配合物の製造方法は、 特に限定され ず、 公知の方法を適用することができる。 例えば、 熱可塑性エラス ト マー及び所望によ り用いられる添加剤成分を加熱混練機、 例えば、 一 軸押出機、 二軸押出機、 ロール、 バンバリ一ミキサー、 プラベンダー 、 ニーダ一、 高剪断型ミキサーなどを用いて溶融混練り し、 さ らに、 所望によ り有機パーォキサイ ドなどの架橋剤、 架橋助剤などを添加し たり、 又は、 これら必要な成分を同時に混合し、 加熱溶融混練りする ことによ り、 容易に製造することができる。

さ らに、 本発明の熱可塑性エラス トマ一配合物においては、 有機パ —ォキサイ ドなどの架橋剤、 架橋助剤などを添加して架橋すること も 可能である。

かく して得られた本発明の樹脂組成物は、 公知の方法、 例えば射出 成形や押出成形などによ り成形しクラッシュス ト ップと して使用する ことができる。

本発明のクラッシュス ト ツプはス 卜 ッパーアームの衝撃による変位 が少なく 、 且つ幅広い温度での衝撃吸収性に優れたものである。 次に、 本発明を実施例によ り さ らに詳しく説明するが、 本発明はこ れらの例によってなんら限定されるものではない。

〔実施例 1〜 3及び比較例 し 2 〕

第 1 表に示したボリマー成分 （重量部） からなる熱可塑性エラス ト マ一配合物から、 射出成形によ り クラッシュス トツプを作成した。 得られた熱可塑性エラス トマ一配合物の諸物性およびクラッシュス トップの評価結果を第 1表に示す。

クラッシュス トツプの評価は、 得られたクラッシュス トツプを磁気 ディスク装置内部に設置し、 0〜6 0 °Cの環境下においてへッ ド位置 決め機構を暴走させて、 機構の損傷の有無を確認し、 次の基準で評価 した。

〇 ： どの温度においても、 破損がなかった。

X ： 破損があつた。 第 1 表

実 施 例 比 較 例

1 2 3 1 2 配 P B T 1 0 0

ム

物 S E B S 1 0 0

中

の P P 2 0 1 0 0

ポ

P S 1 0 0

マ

I T P U Ί 0 0

成

分 P V C 1 0 0

硬度 （A ) 8 0 7 0 8 5 8 0 6 5 物 弾性率の温度依存性

1 . 2 1 . 3 1 . 3 2 . 5 3 . 5 ( 0 °C / 6 0 °C )

性 反発弾性率 ( °/o ) 8 0 5 0 6 0 8 0 3 0 圧縮永久歪率 （％) 5 0 6 0 6 0 5 0 8 0 評 価 〇 〇 〇 X X 但し、 第 1 表における配合物中のポリマー成分の使用記号は以下の 通りである。

P B T ： ポリ ブチレ ンテ レフ タ レ一 ト

(東洋紡績 （株） 製、 商品名ペルプレン）

S E B S ： スチレン一エチレン/ブチレ ン一スチ レンブロッ ク 共重合体 （旭化成工業 （株） 製、 商品名タフテッ ク） P P ： ポリ プロ ピレ ン

(住友化学工業 （株） 製、 商品名ノーブレ ン）

P S ： ポリ スチレン （旭化成工業 （株） 製、 商品名スタイロ ン） T P U ： 熱可塑性ポリ ウ レタ ン

( (株） クラレ製、 商品名クラミ ロン U )

P V C ： ポリ塩化ビニル （信越化学工業 （株） 製） また、 得られた熱可塑性エラス トマ一配合物の物性の測定は以下の 方法で行なつた。

硬度 ： J I S—K— 6 2 5 3 に準拠して A型硬度計を使用した。 弾性率 ： J I S— K一 6 2 5 3に準拠して 0 °C及び 6 0 °Cで測定し その比率から温度依存性を判断した。

反発弾性率 ： A S T M— D 6 3 0 1 に準拠して測定した。

圧縮永久歪率 ： A S T M— D 6 3 0 1 に準拠し、 7 0で 2 2時間後 の歪みを測定した。 産業上の利用可能性

本発明のクラッシュス ト ツプはス ト ッパーアームの衝撃による変位 が少なく 、 且つ幅広い温度での衝撃吸収性に優れるものである。

Claims

請求の範囲

1 . J I S - K - 6 2 5 3に準拠して A型硬度計で測定した硬度が 5 0度以上であって、 弾性率の温度依存性が 0 °C と 6 0 °Cの間で 3倍以 下である熱可塑性エラス 卜マ一配合物からなることを特徴とするクラ ッ シュス 卜 ッフ °。

2. 熱可塑性エラス 卜マー配合物の A S T M - D 6 3 0 1 に準拠して 測定した反発弾性率が 4 0〜 9 0 %であって、 A S TM— D 6 3 0 1 に準拠して測定した 7 0 °C 2 2時間後の圧縮永久歪率が 7 0 %以下で ある請求項 1 に記載のクラッ シュス ト ツプ。

3. 熱可塑性エラス トマ一配合物が、 スチ レ ン系重合体、 ォ レフ ィ ン 系重合体、 ポリ エステル系重合体およびアミ ド系重合体からなる群か ら選ばれた一種以上の重合体をポリマー成分とする熱可塑性エラス 卜 マー配合物である請求項 1又は 2 に記載のクラッシュス 卜 ップ。

4 . スチ レン系重合体がポリ スチ レン又はスチ レ ン系ブロ ッ ク共重合 体である請求項 3に記載のクラッシュス ト ツプ。

5 - ォレフィ ン系重合体がポリエチレン又はポリプロピレンを主成分 とするものである請求項 3に記載のクラッシュス ト ップ。

6. ポリエステル系重合体がポリ ブチレンテレフタ レー トを主成分と するものである請求項 3 に記載のクラッシュス 卜 ップ。

7. アミ ド系重合体がポリアミ ドを主成分とするものである請求項 3 に記載のクラッシュス ト ツプ。