明細: ぺプチド誘導体の製造方法 技術分野
本発明は、 モチリンレセプ夕一アン夕ゴニト作用を有し、 医薬として 有用である、 下記式 I :
(上記式において、 尺ェは、 水素原子、 又は炭素数 1〜 4の直鎖又は分 枝鎖状のアルキル基を示し、 R 2は、 水素原子、 又はメチル基を示し、 R 3は、 ハロゲン原子を示す。)
で表されるペプチド誘導体の新規な製造方法に関するものである。
背景技術 '
国際公開特許第 0044770号には、上記式 Iの化合物のモチリ
ターアン夕ゴニストの作用及び製造方法について記述されている。
国際公開特許第 0044770 号では、 上記式 Iの化合物は、 3-tert-プチル- L-チロシンアミド誘導体に、 ァミノ保護基で保護された N-メチル -L-バ リンを縮合させ、 保護基を除去して、 N-メチル -L-バリン -3-tert-ブチル -L-チロシンアミ ド誘導体を得、 次いで、 この化合物とァミノ保護基で保 護された N-メチル -L-フエ二ルァラニン誘導体を反応させ、 ァミノ保護 基を脱保護させることにより製造する。 上記方法においては、 L-パリン と L-フエ二ルァラニン誘導体とのアミノ末端基をそれぞれメチル化し た後、 ァミノ保護基で保護された化合物を出発物質として用いなければ ならない非経済性と、 同一の反応を繰り返すという非効率性があった。
国際公開特許第 0044770号には、式 Iのべプチド誘導体の製造方法が 例示されているが、 より簡便で、 且つ高い収率を有し、 工業的に有用な 製造方法が求められている。
発明の開示
本発明者等は、 上記課題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、 商 業的に入手しやすく、 比較的安価な出発物質である Lーバリンまたはそ の誘導体と、 ァミノ基が保護された L-フエ二ルァラニン誘導体とを反応 させると、 ァミノ基が保護された L-フエ二ルァラニン- L-バリンまたは その誘導体が得られ、 これらの化合物を N—メチル化すると、 L-バリン 及び L-フエ二ルァラニン誘導体のそれぞれのアミノ基末端を、 同時にメ チル化させることができることを発見した。 したがって、 これらのメチ ル化した化合物から目的とする式 Iの化合物を製造することによって、 式 Iの化合物を簡便に、 経済的に、 高い収率で製造することができ、 ェ 業的規模での製造も可能であることを見出し、 本発明を完成させた。 すなわち、 本発明の 1態様は、 下記式 I
(上記式において、 は、 水素原子、 又は炭素数 1〜4の直鎖又は分 枝鎖状のアルキル基を示し、 R 2は、 水素原子、 又は炭素数 1〜4の直 鎖又は分枝鎖状のアルキル基を示し、 R 3は、 ハロゲン原子を示す。 ) で表されるぺプチド誘導体の製造方法であって、
下記工程( i;)〜(iv):
(式中、 R3は式 I と同じであり、 Pはァミノ保護基を示す。) を下記式 I I Iの化合物
(式中、 R4は水素、 アルカリ金属又は保護用エステル形成基である。) と反応させ、 下記式 I Vの化合物
(式中、 R3は式 I と同じであり、 Pは式 I I と同じであり、 R4は式 I I I と同じである。)
を得る第 1の縮合工程、
(ii)式 I Vの化合物の N-メチル化と、 必要に応じて R4の水素への変換 とを行い、 下記式 Vの化合物
(式中、 R3は式 I と同じであり、 Pは式 I I と同じである。) を得る工程、
(iii)下記式 Vの化合物を下記式 V Iの化合物
(式中、 ェ及び R2は式 I と同じである。)
と反応させ、 下記式 V I I
(式中、 2及び113は式 I と同じであり、 Pは式 I I と同じであ る。)
の化合物を得る第 2の縮合工程、 及び
(iv)式 V I Iの化合物のァミノ保護基の脱保護工程
を含む方法 (以下、 「本発明の方法」 という) を提供する。
発明を実施するための最良の形態
好ましい具体的態様として、 本発明の方法は下記のとおり構成される こともできる :
( i )第 1の縮合工程において、 下記式 I Iの化合物
(式中、 R
3は式 I と同じであり、 Pはァミノ保護基を示す。) を下記式 I I I ' の化合物
(式中、 R4' は保護用エステル形成基である。)
と反応させ、 下記式 I V' の化合物
(式中、 R3は式 I と同じであり、 Pは式 I I と同じであり、 R4' は式 I I I ' と同じである。)
を得、
(Π)工程において、 式 I V' の化合物の N-メチル化と、 R4' の水素へ の変換とを行い、 下記式 Vの化合物
(式中、 R3は式 I と同じであり、 Pは式 I I と同じである。) を得ることができる。
上記(ii)工程において、 式 I V' の化合物から以下の方法 1〜 3のよ うにして式 Vの化合物を得ることができる。
[方法 1]
式 I V' の化合物の R
4' の水素への変換 (例えば、 加水分解) をし て式 V I I Iの化合物
を得た後、 N-メチル化して式 Vの化合物を得る(下記反応式 1の経路( 1 ) 参照)、
[方法 2 ]
式 I V' の化合物を N- メチル化して式 I Xの化合物
を得た後、 R4' の水素への変換 (例えば、 加水分解) をして式 Vの化 合物を得る(下記反応式 1の経路 (3) 参照)、
[方法 3]
式 I V' の化合物の N- メチル化と R4' の水素への変換 (例えば、 加水分解) とを同時に行い、 式 Vの化合物を得る(下記反応式 1の経路 ( 2) 参照)。
また、 他の好ましい態様としては、 ( i )第 1の縮合工程において、 下 記式 I I の化合物
(式中、 R3は式 I と同じであり、 Pはァミノ保護基を示す。)
を L-バリンと反応させ、 下記式 V I I Iの化合物
(式中、 R 3は式 I と同じであり、 Pは式 I I と同じである。)
を得、
( ii )工程において、 式 V I I Iの化合物を N-メチル化して下記式 Vの 化合物
(式中、 R 3は式 I と同じであり、 Pは式 I I と同じである。)
を得ることができる。
上記反応において、 Lーバリンの代わりに L—バリンのアルカリ金属 塩を用いることもでき、 また、 アルカリ金属塩を用いた場合には、 式 V I I Iの化合物のアルカリ金属塩及び式 Vの化合物のアルカリ金属塩が 生成するが、 いずれの段階においても酸性 p Hにすることにより、 フリ 一体にすることができる。
また、 上記第 1の縮合工程において、 式 I Iの化合物を L—パリンと 反応させて式 V I I Iの化合物を得る際に、 式 I Iの化合物を塩基の存 在下にクロルギ酸エステルを用いて活性エステルとした後に L一バリン と反応させることが好ましい (下記反応式 2参照)。
ここで 「活性エステル」 とは、 脱離能の優れた電子吸引性の活性基を 有するエステルをいい、 種々の求核置換反応の基質として機能する (有 機合成実験法ハンドブック、有機合成化学協会編、第 4 3 2〜 4 3 4頁、 平成 2年 3月 3 1 日発行、 丸善株式会社発行参照)。
他の好ましい態様としては、 (i )第 1の縮合工程において、 式 Xの化 合物
(式中、 R3は式 I と同じであり、 Boc は、 tert-ブトキシカルポニル基 を示す。)
と式 I I Iの化合物とを縮合させ、 式 X Iの化合物
(式中、 R3は式 I と同じであり、 R4は式 I I I と同じである。) を得、
(ii)工程において、 式 X Iの化合物の N-メチル化と、 必要に応じて R4 の水素への変換とを行い、 下記式 X I Iの化合物
(式中、 R3は式 I と同じである。)
を得、
(m)第 2の縮合工程において、 式 X I Iの化合物と式 V Iの化合物とを 縮合させて式 X I I Iの化合物
(式中、 R
2及び R
3は式 I と同じである。)
を得、
(iv)工程において、 式 X I I Iの化合物の tert-ブトキシカルボ二ル基を 除去する、
ことが好ましい。
上記のすべての態様の第 1及び第 2の縮合工程において、 1-ェチル- 3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルポジィミ ド塩酸塩 [1-(3- (ジメチルァ ミノ)プロピル) -3-ェチルカルポジィミ ド塩酸塩と同義である]及び 1-ヒ ドロキシべンゾトリアゾール水和物を用いて縮合を行うことが好ましい < 式 I〜X I I Iの化合物の定義において、 好ましい態様を以下に述べ る。
R iで表される炭素数 1〜4の直鎖又は分枝鎖状のアルキル基として は、 メチル基、 ェチル基が好ましく、 特にェチル基が好ましい。
R 2は、 水素原子、 メチル基が好ましく、 特に水素原子が好ましい。 R 3のハロゲン原子としては、 フッ素原子、 塩素原子、 臭素原子が好 ましく、 フッ素原子、 塩素原子がさらに好ましく、 特にフッ素原子が好 ましい。
R 4または R 4 ' で表される保護用エステル形成基としては、 通常当業 者に用いられるものが包含され、 置換されてもよい炭素数 1〜 6の直鎖 若しくは分枝鎖状のアルキル基 (例えば、 メチル基、 置換メチル基、 ェ チル基、 置換ェチル基など)、 置換されてもよいァラルキル基 (例えば、 ベンジル基、置換べンジル基など)、置換されてもよいシリル基などがあ げられる (有機合成実験法八ンドブック、 有機合成化学協会編、 第 4 0 2〜4 0 5頁、 平成 2年 3月 3 1 日発行、 丸善株式会社発行参照)。 ここ で、 置換メチル基としては、 メトキシメチル、 メチルチオメチル、 テト ラヒドロピラニル、 メトキシェトキシメチル、 ベンジルォキシメチル、 フエナシル、 ジァシルメチル、 フ夕ルイミ ドメチルなどがあげられる。 置換ェチル基としては、 2 , 2 , 2—トリクロロェチル、 2—クロロェ チル、 2一 (トリメチルシリル) ェチル、 2ーメチルチオェチル、 2―
( P _トルエンスルホニル) ェチル、 t 一ブチルなどがあげられる。 置 換ベンジル基としては、 ジフエ二ルメチル、 トリフエニルメチル、 P— ニトロベンジル、 4一ピコリル、 p—メトキシベンジル、 2— ( 9 , 1 0—ジォキソ) アンスリルメチルなどがあげられる。 置換シリル基とし ては、 トリメチルシリル、 t 一プチルジメチルシリル、 フエニルジメチ ルシリルなどがあげられる。
好ましい保護用エステル形成基としては、 置換されてもよい炭素数 1 〜 6の直鎖若しくは分枝鎖状のアルキル基であり、 さらに好ましくはメ チル基である。
アルカリ金属としては、 ナトリウム、 カリウム及びリチウム等があげ られる。
式 Iの化合物において、 がェチル基であるときは、 R 2は水素原子、 R 3はフッ素原子であることが好ましい。
Pで表されるァミノ保護基としては、 当業界に公知であるアミノ保護 基を用いることができ、 その例として、 ベンジルォキシカルボニル基、 tert-ブトキシカルポニル基、 9-フルォレニルメチルォキシカルボニル基, 7リールォキシカルポニル基、 ベンゾィル基、 ァセチル基、 卜リフル才 ロアセチル基、 ベンゼンスルホニル基、 P-トルエンスルホニル基等があ り、 ベンジルォキシカルポニル基、 tert-ブトキシカルボニル基、 9-フル ォレニルメチルォキシカルポニル基、 ァリールォキシカルポニル基が好 ましく、 特に、 ベンジルォキシカルボ二ル基、 tert-ブトキシカルポニル 基が好ましい。
以下、 本発明の方法について反応式を用いながら詳述する。 以下の反 応式において、 R 2、 R 3、 R 4、 R 4 '、 P及び Bocは上記と同じ 意味を示す。
また、 下記の説明に記載された後処理とは、 一般的な有機合成反応の 後に行う有機溶媒による抽出操作、 水、 酸性水溶液、 塩基性水溶液、 飽 和食塩水等による抽出液の洗浄操作、 抽出液の乾燥操作、 不溶物の濾過 による除去操作、 溶媒の減圧下に蒸留除去操作等、 各反応による一連の
反応後の処理過程を示す。
式 I Iの化合物から第 1の縮合工程及び N-メチル化工程を経て式 V の化合物が製造されるが、 その具体的な反応経路について以下に詳述す る。
式 I Iの化合物と式 I I I ' の化合物 (式 I I Iの化合物において R ^ が保護用エステル形成基である場合) とが出発物質であるとき
式 I Iの化合物と式 I I I ' の化合物とを縮合させて式 I V' の化合 物を得た後、 反応経路 ( 1 )、 (2) 及び (3) の三つの経路を経て式 V の化合物を得ることができる (下記反応式 1では、 R4' の水素への変 換の例として加水分解をあげる)。 反応式 1
式 I Iの化合物と式 I I I ' の化合物とを縮合させて、 式 I V' の化
合物を得ることができる。
式 I Iの N-保護されたアミノ酸は、 商業的に入手することができる。 式 I I I ' の化合物は商業的に入手可能であるが、 塩 (特に塩酸塩) として市販されていることが多い。
この縮合反応における溶媒としては、 非プロトン性溶媒が好ましく、 また塩基の存在下で反応を行うことが好ましい。
縮合方法としては、 次に挙げられた方法のうちのいずれかにより、 式 I Iの化合物のカルボキシル基を活性化して縮合することが可能である が、 このような方法に限定されるものではない。 1,3-ジイソプロピル力 ルポジイミ ドを用いる方法、 1-ェチル -3-(3-ジメチルァミノプロピル)力 ルポジィミ ドを用いる方法、 ジシクロへキシルカルポジィミドを用いる 方法、 ジフエニルホスホリルアジドを用いる方法、 2-クロ口- 1-メチルピ リジゥムョージドを用いる方法、 ベンゾトリアゾール -1-ィルォキシトリ ス(ジメチルアミノ)ホスホニゥムへキサフルォロホスフエ一卜を用いる 方法、 クロ口- Ν,Ν,Ν',Ν'-ビス(テトラメチレン)ホルムアミジニゥムへキ サフルォロホスフェートを用いる方法、 プロモトリスピロリジノホスホ ニゥムへキサフルォロホスフエ一トを用いる方法、 クロロトリスピロリ ジノホスホニゥムへキサフルォロホスフエ一トを用いる方法、 〇-(7-ァ ザべンゾトリァゾール -1-ィル) -1,1,3,3-テトラメチルゥロニゥムへキサ フルォロホスフェートを用いる方法、 それぞれこれらの試薬と 1-ヒドロ キシベンゾトリアゾ一ル又は Ν-ヒドロキシスクシンィミ ドとを組合せ て用いる方法、 ィソブチルクロ口ホルメートを用いる混合酸無水物法、 又は力ルポキシル基をペン夕フルオロフェニルエステルとするかまたは Ν-ヒドロキシスクシンィミ ドエステルとし、 それぞれこれらのエステル と 1-ヒドロキシベンゾトリアゾールとを組合せて用いる方法等がある。 これらの縮合方法及びその反応条件は、 式 I Iで表された化合物のアミ ノ保護基の種類に対して適宜選択できる。 '
式 I Iの化合物のァミノ保護基 (Ρ)が tert-ブトキシカルポニル基また エル基であるとき、 好ましい縮合剤は、 1-ェチ
ル -3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルポジィミ ドと 1-ヒドロキシベンゾ トリアゾールの混合物、 2-クロロ- 1-メチルピリジニゥムョージド等であ る。 ここで、 1-ェチル -3-(3-ジメチルァミノプロピル)カルポジイミ ドは 塩酸塩であることが好ましく、 1-ヒドロキシベンゾトリアゾールは 1水 和物であることが好ましい。 これらの縮合剤の使用量は、 式 I Iの化合 物に対して 1当量乃至 1.5当量がよく、 1.1当量乃至 1.2当量が好ましい 1-ヒドロキシベンゾトリアゾ一ル水和物の使用量は式 I Iの化合物に対 して 1当量以下でもよい。
式 I Iの化合物のァミノ保護基 (P)が tert-ブトキシカルポニル基また はべンジルォキシカルボニル基であるとき、 非プロトン性溶媒は、 1,4- ジォキサン、 (無水) テトラヒドロフラン、 ェチルアセテート、 ェチルェ 一テル、 tert-ブチルメチルエーテル、 N,N-ジメチルホルムアミ ド、 Ν,Ν- ジメチルァセトアミド、 Ν-メチルピペリ ドン、 ジクロロメタン、 1,2-ジ クロロェタン、 ァセトニトリル等が有用である。 この中でも、 テトラヒ ドロフラン、 ェチルアセテート等が好ましい。 上記溶媒は含水溶媒とし て用いることもでき、 含水溶媒としては、 含水テトラヒドロフランが好 ましく、 テトラヒドロフランに対する水の容量比率は、 20%以下が好ま しく、 10 %以下がさらに好ましい。
式 I Iの化合物のァミノ保護基 (Ρ)が tert-ブトキシカルポニル基また はべンジルォキシカルボニル基であるとき、塩基は、 トリェチルァミン、 ジィソプロピルアミン、 N-メチルモルホリン、 ピリジン、 4-(N,N-ジメ チルァミノ)ピリジン等があげられ、 トリェチルァミンを用いることが好 ましい。 トリェチルァミンの使用量は、 式 I Iの化合物に対して 1当量 乃至 3当量がよく、 1.1当量乃至 2.5当量が更に好ましい。
式 I I I ' の化合物の使用量は、 式 I Iの化合物に対して 1当量乃至 1.5当量がよく、 1.0当量乃至 1.2当量が更に好ましい。 '
反応温度は、 O t:から 50 が好ましく、 室温 (20°C -30°C ) が更に好 ましい。 反応時間は、 反応温度や各化合物の濃度によって異なるが、 1 時間から 10時間が好ましく、 2時間から 4時間が更に好ましい。
以下に、 反応経路 ( 1 )、 ( 2 ) 及び (3 ) の三つの経路について詳述 する。
反応経路 (1)
式 I V ' の化合物の R 4 ' の水素への変換 (例えば、 加水分解) をす ることによって式 V I I Iの化合物を得、 これを N-メチル化することに よって式 Vの化合物を得ることができる。
式 I V ' の化合物の加水分解は、 水性溶媒中で塩基存在下に攪拌する ことによっておこなうことができる。塩基としては、水酸化ナトリウム、 水酸化セリウム、 水酸化リチウム、 及び水酸化リチウム水和物等があげ られるが、 水酸化リチウムが好ましい。 水性溶媒としては、 メタノール、 エタノール、 ィソプロピルアルコール等のアルコール水溶液等があげら れるが、 メタノール水溶液が好ましく、 メタノールに対して水の容量比 率は 50 %以下が好ましく、 35%以下がさらに好ましい。反応温度は、 0 °C から 50°Cが好ましく、 室温 (20-30°C)が更に好ましい。 反応時間は、 反 応温度や各化合物の濃度により異なるが、 10時間から 24時間が好まし く、 12時間から 20時間が更に好ましい。
式 V I I Iの化合物は、 上記反応生成物を後処理した後、 ェチルァセ テート/ n-へキサン、 ェチルアセテート/ n-ヘプタン、 ェチルエーテル/ n- へキサン等で再結晶して精製分離することができるが、 これ以上精製せ ず、 次の反応に用いることが可能である。
式 V I I Iの化合物の N-メチル化反応は、式 V I I Iの化合物を非プ 口トン性溶媒中、 塩基存在下で、 ョ一ドメタン、 ジメチル硫酸、 P-トル エンスルホン酸メチル等のメチル化試薬で処理することによっておこな うことができる。 非プロトン性溶媒としては、 1,4-ジォキサン、 (無水) テトラヒドロフラン、 tert-ブチルメチルエーテル、 N,N-ジメチルホルァ ミド、 Ν,Ν-ジメチルァセトアミド、 Ν-メチルピペリ ドン等があげられる。 式 V I I Iの化合物のァミノ保護基 (Ρ)が tert-ブトキシカルポニル基 またはべンジルォキシカルポニル基であるとき、 好ましい溶媒は、 無水 テトラヒドロフランであり、 メチル化試薬は、 ョードメタンまたは P-ト
ルエンスルホン酸メチルが好ましい。
メチル化試薬の使用量は、 式 V I I Iの化合物に対して 3当量乃至 1 0当量がよく、 5当量乃至 8当量が更に好ましい。
塩基としては、 水素化ナトリウム(NaH)、 tert-ブトキシドカリウム、 tert-ブトキシドナトリウム等が好ましい。 塩基の使用量は、 式 V I I I の化合物に対して 4当量乃至 8当量よく、 5当量乃至 7当量が更に好ま しい。
反応温度は、 0°Cから 50°Cが好ましく、 室温 (20-30 )が更に好ましい, 反応時間は、 反応温度や各化合物の濃度により異なるが、 10 時間から 26時間が好ましく、 18時間から 24時間が更に好ましい。
反応経路 (2)
式 I V, の化合物の R 4 ' の水素への変換 (例えば、 加水分解) と同 時に N-メチル化することによって式 Vの化合物を得ることができる。 式 I V ' の化合物を、 加水分解と同時に N-メチル化するためには、 式 I V ' の化合物を非プロトン性溶媒と水との混合液に加え、 塩基存在下 で、 ョードメタン、 ジメチル硫酸、 P-トルエンスルホン酸メチル等のメ チル化試薬で処理することによっておこなうことができる。
非プロトン性溶媒としては、 1,4-ジォキサン、 (無水) テトラヒドロフ ラン、 tert-ブチルメチルエーテル、 Ν,Ν-ジメチルホルムアミ ド、 Ν,Ν- ジメチルァセトアミド、 Ν-メチルビペリ ドン等があげられるが、 テトラ ヒドロフランが好ましい。
水の使用量は、式 I V ' の化合物に対して 1当量乃至 1.5当量がよく、 1当量乃至 1.2当量が更に好ましい。
式 I V ' の化合物のァミノ保護基 (Ρ)が tert-ブトキシカルポ二ル基ま たはべンジルォキシカルポニル基であるとき、 好ましい溶媒は、 無水テ トラヒドロフランであり、 メチル化試薬は、 ョードメタンまたは P-トル エンスルホン酸メチルが好ましい。
メチル化試薬の使用量は、 式 I V ' の化合物に対して 3当量乃至 1 0 当量がよく、 5当量乃至 8当量が更に好ましい。 塩基としては、 水素化
ナトリウム(NaH)、 tert-ブトキシドカリウム、 tert-ブトキシドナトリゥ ム等が好ましい。 塩基の使用量は、 式 I V ' の化合物に対して 4当量乃 至 8当量がよく、 5当量乃至 7当量が更に好ましい。 反応温度は、 0 °C から 50°Cが好ましく、 室温 (20-30°C )が更に好ましい。 反応時間は、 反 応温度や各化合物の濃度によって異なるが、 10時間から 28時間が好ま しく、 20時間から 26時間が更に好ましい。
反応経路(3)
式 I V ' の化合物の N-メチル化をして式 I Xの化合物を得、 これの R 4 ' の水素への変換 (例えば、 加水分解) をすることによって式 Vの化 合物を得ることができる。
式 I V ' の化合物の N-メチル化反応は、 式 I V ' の化合物を非プロト ン性(aprotic)溶媒中、 塩基存在下で、 ョ一ドメタン、 ジメチル硫酸、 P- トルエンスルホン酸メチル等のメチル化試薬で処理することによってお こなうことができる。
非プロトン性(aprotic)溶媒としては、 1,4-ジォキサン、 (無水) テトラ ヒドロフラン、 tert-ブチルメチルエーテル、 N, N-ジメチルホルムアミ ド、 Ν,Ν-ジメチルァセトアミド、 Ν-メチルピペリ ドン等の単一溶媒又は (無水) テトラヒドロフラン/ Ν,Ν-ジメチルホルムアミ ド、 (無水) テト ラヒドロフラン/ Ν,Ν-ジメチルァセトアミ ド等の混合溶媒等があげられ る。
式 I V ' の化合物のァミノ保護基 (Ρ)が tert-ブトキシカルボ二ル基ま たはべンジルォキシカルポニル基であるとき、 好ましい溶媒は、 無水テ トラヒドロフラン /N,N-ジメチルホルムアミ ドの混合溶媒であり、 メチ ル化試薬は、 ョ一ドメタンまたは P-トルエンスルホン酸メチルが好まし い。 無水テトラヒドロフラン/ N,N-ジメチルホルムアミ ドの混合溶媒と しては、テトラヒドロフランに対する Ν,Ν-ジメチルホルムアミ ドの容量 比率は 50 %以下が好ましく、 35%以下がさらに好ましい。
メチル化試薬の使用量は、 式 I V ' の化合物に対して 3当量乃至 1 0 当量がよく、 5当量乃至 8当量が更に好ましい。
塩基としては、 水素化ナトリウム(NaH)、 tert-ブトキシドカリウム、 tert-ブトキシドナトリウム等が好ましい。 塩基の使用量は、 式 I V ' の 化合物に対して 4当量乃至 8当量がよく、 5当量乃至 7当量が更に好ま しい。
反応温度は、 0 °Cから 50°Cが好ましく、 室温 (20-30°C)が更に好まし い。 反応時間は、 反応温度や各化合物の濃度によって異なるが、 10時間 から 26時間が好ましく、 18時間から 24時間が更に好ましい。
式 I Xの化合物の加水分解は、 水性溶媒中で塩基存在下に攪拌するこ とによっておこなうことができる。 塩基としては、 水酸化ナトリウム、 水酸化セリウム、 水酸化リチウム、 及び水酸化リチウム水和物等があげ られるが、 水酸化リチウムが好ましい。 水性溶媒としては、 メタノール、 エタノール、 ィソプロピルアルコール等のアルコール水溶液等があげら れるが、 メタノール水溶液が好ましく、 メタノールに対する水の容量比 率は 50%以下が好ましく、 35 %以下がさらに好ましい。反応温度は、 0 から 50°Cが好ましく、 室温 (20-30^:)が更に好ましい。 反応時間は、 反 応温度や各化合物の濃度によって異なるが、 10時間から 24時間が好ま しく、 12時間から 20時間が更に好ましい。
式 I Iの化合物と L —バリン (式 I I Iの化合物において R Aが水素ま たはそのアル力リ金属である場合) とが出発物質であるとき
式 I Iの化合物と保護されていない L一パリン (またはそのアルカリ 金属塩) とを反応させて、 式 V I I Iの化合物 (またはそのアルカリ金 属塩) を得る際に、 式 I Iの化合物のカルボキシル基を活性エステルと した後それを L-バリン等と反応させることができる (下記反応式 2参 照)。
反応式 2
(Π) (νιπ) 式 I Iの化合物の力ルポキシル基の活性化は、 式 I Iの化合物のカル ポキシル基を有機溶媒中においてトリェチルァミン、 ジィソプロピルァ ミン、 N-メチルモルホリン等の塩基の存在下にメチルクロ口ホルメート. ェチルクロ口ホルメ一ト、 イソプロビルクロロホルメート等のクロルギ 酸エステルで活性化した後、 4-二トロフエノ-ルゃ 1-ヒドロキシベンゾト リアゾール等を加えて活性化させたエステルを製造することによってお こなうことができる。 有機溶媒としては、 1,4-ジォキサン、 テトラヒド 口フラン、 ェチルァセテ一ト、 tert-ブチルメチルエーテル、 N,N-ジメチ ルホルムアミ ド、 N,N-ジメチルァセトアミ ド等が有用である。
好ましくは、ェチルァセテ一ト溶媒に N-メチルモルホリンとェチルク ロロホルメートとを用い、 4-二ト口フエノールを加えて活性化されたェ ステル (活性エステル) を製造する。 この反応を例にして説明すると、 ェチルクロ口ホルメートの使用量は、 式 I Iの化合物に対して 1当量乃 至 1.5当量が良く、 N-メチルモルホリンの使用量は、 2当量乃至 2.5当 量が良く、 4-ニトロフエノールの使用量は、 式 I Iの化合物に対して 1 当量乃至 1.2当量が良い。
上記活性エステルに L-バリンを反応させることができる。
この反応において、 L-バリン (またはそのアルカリ金属塩) の使用量 は、 1当量乃至 1.2当量が良い。 反応温度は、 -IO から 70°Cが好まし く、 0 °Cから 50°Cが更に好ましい。 反応時間は、 反応温度や各化合物の
濃度によって異なるが、 1時間から 10 時間が好ましく、 2時間から 5 時間が更に好ましい。
式 V I I Iの化合物は、 上記反応生成物を後処理してから再結晶する (例えば、 ェチルアセテートと n-へキサンとを用いて) ことにより分離 できるが、 これ以上精製せず、 次の反応に用いることが可能である。 式 V I I Iの化合物の N—メチル化は、 反応経路 ( 1 ) で述べた式 V I I Iの化合物の N—メチル化反応と同様にしておこない、 式 V化合物 を得ることができる。
次に、 式 Vの化合物から第 2の縮合工程及び脱保護工程を経て式 Iの 化合物を得ることができるが、 その具体的な反応経路について以下に詳 述する。
反応式 3
P=Boc, llT)の場合
(り
第 2の縮合反応
式 Vの化合物 (P = B o cの場合、 式 X I I の化合物) と式 V Iの化 合物との縮合させることによって、 式 V I I Iの化合物 (P = B o cの 場合、 式 X I I Iの化合物) を得ることができる。
式 V Iの化合物は公知の化合物であり、 L-チロシンから合成が可能で ある。
この縮合反応における溶媒としては、 非プロトン性溶媒が好ましく、 また塩基の存在下で反応を行うことが好ましい。
縮合方法としては、 次に挙げられた方法のうちのいずれかにより、 式 Vの化合物の力ルポキシル基を活性化させて行うのがよいが、 このよう な方法に限定されるものではない。 1,3-ジイソプロピルカルポジイミ ド を用いる方法、 1-ェチル -3-(3-ジメチルァミノプロピル)カルポジイミ ド を用いる方法、 ジシクロへキシルカルポジイミドを用いる方法、 ジフエ ニルホスホリルアジドを用いる方法、 2-クロ口- 1-メチルピリジニゥムョ ージドを用いる方法、 ベンゾトリァゾール -1-ィルォキシトリス(ジメチ ルアミノ)ホスホニゥムへキサフルォロホスフェートを用いる方法、ク口 口- Ν,Ν,Ν',Ν'-ビス(テトラメチレン)ホルムアミジニゥムへキサフルォロ ホスフエ一トを用いる方法、 プロモトリスピロリジノホスホニゥムへキ サフルォロホスフェートを用いる方法、 クロロトリスピロリジノホスホ ニゥムへキサフルォロホスフェートを用いる方法、 Ο -(7-ァザべンゾ一 ルトリアゾール -1-ィル) -1, 1, 3, 3-テトラメチルゥロニゥムへキサフルォ 口ホスフェートを用いる方法、 それぞれこれらの試薬と 1-ヒドロキシべ ンゾトリアゾール若しくは Ν-ヒドロキシスクシンィミ ドとを組み合わ せて用いる方法、 イソブチルクロ口ホルメートを用いる混合酸無水物法 (mixed acid anhydride法)、 又は力ルポキシル基をペン夕フルオロフェ ニルエステルとするか若しくは N-ヒドロキシスクシンィミ ドエステル とし、 それぞれこれらのエステルと 1-ヒドロキシベンゾトリアゾ一ルと を組み合わせて用いる方法等がある。 これらの縮合方法及びその反応条 件は、 式 Vで表された化合物のァミノ保護基の種類に対して適宜選択で さる。
式 Vの化合物のァミノ保護基 (P)が tert-ブトキシカルボニル基または ベンジルォキシカルポニル基であるとき、 好ましい縮合剤は、 1 -ェチ ル -3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルポジィミドと 1-ヒドロキシベンゾ
トリアゾールの混合物、 2-クロロ- 1-メチルピリジニゥムョ一ジド等であ る。 ここで、 1-ェチル -3-(3-ジメチルァミノプロピル)カルポジイミ ドは 塩酸塩として用いられ、 1-ヒドロキシベンゾトリアゾールは 1水和物で もよい。 これらの縮合剤の使用量は、 式 Vの化合物に対して 1当量乃至 1.5当量がよく、 1.1当量乃至 1.2当量が好ましい。 1-ヒドロキシベンゾ トリアゾ一ル水和物の使用量は式 Vの化合物に対して 1当量乃至 1.5当 量がよい。
式 Vの化合物のァミノ保護基 (P)が tert-ブトキシカルポニル基または ベンジルォキシカルボニル基であるとき、 非プロトン性溶媒は、 1,4-ジ ォキサン、 テトラヒドロフラン、 ェチルアセテート、 ェチルェ一テル、 tert-プチルメチルェ一テル、 N, N-ジメチルホルムアミ ド、 Ν,Ν-ジメチ ルァセトアミ ド、 Ν-メチルピペリ ドン、 ジクロロメタン、 1,2-ジクロロ ェタン、 ァセトニトリル等が有用である。 この中でも、 テトラヒドロフ ラン、 ェチルァセテ一ト等が好ましい。
式 Vの化合物のァミノ保護基 (Ρ)が tert-ブトキシカルポニル基または ベンジルォキシカルボニル基であるとき、 塩基は、 トリェチルァミン、 ジイソプロピルアミン、 N-メチルモルホリン、 ピリジン、 4-(N,N-ジメ チルァミノ)ピリジン等があげられるが、 トリェチルァミンを用いること が好ましい。 トリェチルァミンの使用量は、 式 Vの化合物に対して 1当 量乃至 3当量がよく、 1.1 当量乃至 2.5 当量が更に好ましい。 式 V Iの 化合物の使用量は、 式 Vの化合物に対して 1当量乃至 1.5当量がよく、 1当量乃至 1.1当量が更に好ましい。 反応温度は、 0 °Cから 50 が好ま しく、 室温 (20°C -30°C ) が更に好ましい。 反応時間は、 反応温度や各 化合物の濃度によって異なるが、 10時間から 24時間が好ましく、 16時 間から 20時間が更に好ましい。
式 V I Iの化合物は、 後処理の後それ以上精製せず、 次の反応に用い ることが可能である。
式 V I Iの化合物のァミノ保護基の脱保護
式 V I Iの化合物のァミノ保護基 (P)の脱保護反応条件は、ァミノ保護
基 (P)の種類によって適切な選択が可能である。
ァミノ保護基 (P)がべンジルォキシカルポニル基であるとき、アルコ一 ル溶媒又はェチルァセテ一ト中に触媒量のパラジウム/炭素、水酸化パラ ジゥム /炭素等を使用して水素化分解する方法が好ましく、ァミノ保護基 (P)が tert-ブトキシカルポニル基であるとき、 ェチルアセテート、 ァセ トニトリル、 1,2-ジメトキシェタン、 ジクロロメタン等の極性溶媒中に 硫酸、 メタンスルホン酸、 塩酸、 トリフルォロ酢酸等の酸処理方法等が 好ましい。 酸の使用量は、 式 V I Iの化合物に対して 1当量乃至 10 当 量がよく、 3当量乃至 7当量が更に好ましい。
脱保護反応温度は、 0°Cから 50°Cが好ましく、 0°Cから室温(20°C -30°C ) が更に好ましい。 反応時間は、 10分から 10時間が好ましく、 30分から 5時間が更に好ましい。
式 Iの化合物の分離は、 後処理の後、 得られた残渣をアルコール/水、 ェチルアセテート/ n-へキサン、 ジェチルエーテル /n-へキサン、 tert-ブ チルメチルェ一テル/ n-へキサン、 ァセトニトリル/ n-へキサン、 1,2-ジメ トキシェタン/水等の溶媒(なお、 n-へキサンの代わりに n-ヘプタンを用 いてもよい)中で攪拌するときに析出する固体を濾過することによって 行うことができる。
[実施例]
本発明は下記実施例によりさらに詳しく説明されるが、 これらにより 本発明が限定されるものではない。
実施例 1 : N-(tert-ブトキシカルポニル) -L-4-フルオロフェニルァラエル -L-バリンメチルエステルの合成
N-(tert-ブトキシカルポニル )-L-(4-フルオロフェニル)ァラニン (14.17g、 0·05ηιο1)と、 L-バリンメチルエステル塩酸塩(9.22g、 0.055mol) を、 テトラヒドロフラン(90ml)と水(10ml)に溶かし、 1-ヒドロキシベン ゾトリァゾール水和物(3.83g、 0.025mol)、 トリエチルアミン(8.3ml、 0.06mol)と 1-ェチル- 3-(3-ジメチルァミノプロピル)カルポジイミド塩 酸塩(11.50g、 0.06mol)を、 氷-水浴下で加え、 反応物を室温にて 3時間
攪拌した。 反応物に n-へキサン(60ml)とェチルァセテ一ト(60ml)を加え、 水(40ml)、 10 %クェン酸(60ml)、 10%NaHCO3(60ml)と飽和塩水(50ml) によりそれぞれ洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム(30g)で乾燥させ、 濾過後、 減圧下で濃縮させた。 残渣 をェチルアセテート(20ml)と n-へ キサン(200ml)で固体化 して濾過し、 乾燥させて 目的化合物 18.75g(94.6% )を得た。
¾ NMR(CDC135 300 MHz): δ 0.87(dd, 6H, J=7.11Hz and 7.23Hz), 1.42(s, 9H), 2.11(m, 1H), 3.04(d, 2H, J=7.23Hz), 3.7(s, 3H), 4.3(q, 1H, J=7.31Hz), 4.45(dd, 1H, J=5.32Hz and 8.67Hz), 5.03(bs, 1H), 6.35(d, 1H, J=8.35Hz), 6.97(t, 2H, J=8.68Hz), 7.18(dd, 2H, J=5.32Hz and 8.62Hz).
実施例 2 : N-(tert-ブトキシカルポニル) -N-メチル -L-4-フルオロフェニ ルァラニル -N-メチル -L-バリンメチルエステルの合成
N-(tert-ブトキシカルポ二ル) -L-4-フルオロフェニルァラニル -L-バリ ンメチルエステル(3.96g、 O.Olmol)とョードメタン(5.0ml、 0.08mol)を、 無水テトラヒ ドロフラン(60ml)と無水 N,N-ジメチルホルムアミ ド (20ml)に溶かし、 60 %水素化ナトリウム(1.6g、 0.04mol)を n-へキサン で洗浄し、 氷-水浴下でゆつくり加え、 反応物を室温にて 3時間攪拌した。 反応物に n-へキサン (200ml)を加え、 20 分間攪拌した。 不溶性固体を 濾過して除去し、 濾液を水(100ml)、 10 %炭酸水素ナトリウム(50ml)と 飽和塩水 (50ml)によりそれぞれ洗浄した。 有機層を無水硫酸ナトリゥム (30g)で乾燥させ、 濾過後、 減圧下で濃縮させた。 残渣を真空下で乾燥さ せ、 目的化合物 4.12g(97% )を得た。
XH NMR(CDC13, 300 MHz): (two Rotamers) δ 0.7-1.07(m, 6H), 1.28(dd, 9H, J=4.22Hz and J=3.36Hz), 2.1-2.3(m, 1H), 2.68-3.00(m, 7H), 3.00- 3.20(m, 1H), 3.68(q, 3H, J=2.65Hz), 4.06(d, 0.25H, J=10.3Hz), 4.21(d, 0.25H, J=10.6Hz), 4.81(q, 0.5H, J=10.8Hz), 4.85-4.98(m, 0.5H), 5.20- 5.34(m, 0.5H), 6.87-7.03(m, 2H), 7.06-7.25(m, 2H).
実施例 3 : N-(tert-ブトキシカルポニル) -N-メチル -L-4-フルオロフェニ
ルァラニル -N-メチル -L-バリンの合成
N-(tert-ブトキシカルポ二ル) -N-メチル -L-4-フルオロフェニルァラニ ル -N-メチル -L-パリンメチルエステル(3.40g、 8.0mmol)を、 メタノール (30ml)と水(10ml)の混合溶媒に入れ、 水酸化リチウム(0.96g、 40mmol) を加え、 反応物を室温にて 16 時間攪拌した。 反応物のメタノールを除 去するために、 減圧下で濃縮させた。 残渣を水(50ml)で溶解し、 2N 塩 酸溶液 (21ml)をゆつくり加え、 pH約 3.5まで酸性化させた。その混合物 に、 ェチルアセテート(50ml)と n-へキサン(50ml)を加えて抽出した。 有 機層を 10 %クェン酸(40ml)、水(40ml)と飽和塩水(40ml)によりそれぞれ 洗浄した。 有機層を無水硫酸ナトリウム(20g)で乾燥させ、 濾過後、 減圧 下で濃縮させた。 残渣を真空下で乾燥させ、 ジェチルエーテル(10ml)と n-へキサン(150ml)で固体化して濾過し、 乾燥させて目的化合物 2.99g(91 % )を得た。
NMR(CDC13, 300 MHz): δ 0.65-1.10(m, 6H), 1.21-1.35(m, 9H), 2.15-2.35(m, 1H), 2.69-3.01(m, 7H), 3.01-3.23(m, 1H), 3.60-3.80(m, 0.6H), 4.02(d, 0.2H, J=9.9Hz), 4.30(d, 0.2H, J=9.8Hz), 4.54(d, 0.3H, J=10.6Hz), 4.72(d, 0.3H, J=10.7Hz), 4.88-4.97(m, 0.4H), 5.28(t, 0.5H, J=7.6Hz), 6.83-7.03(m, 2H), 7.06-7.25(m, 2H).
実施例 4 : N-(tert-ブトキシカルポニル) -N-メチル -L-4-フルオロフェニ ルァラニル -N-メチル -L-パリン -3-tert-ブチル -L-チロシンェチルアミ ド の合成
N-(tert-ブトキシカルポ二ル) -N-メチル -L-4-フルォロフエ二ルァラ二 ル -N-メチル -L-パリン(2.87g、 7.0mmol)と、 3-tert-ブチル -L-チロシンェ チルアミ ド(1.85g、 7.0mmol)を、 無水テトラヒドロフラン(14ml)に溶か し、 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(1.07g、 7.0mmol)、 トリエ チルアミン(2.9ml、 21mmol)と 1-ェチル- 3-(3-ジメチルアミノプロピル) カルポジイミド塩酸塩(1.48g、 7.7mmol)を、 氷-水浴下で加え、 反応物を 室温にて 18時間攪拌した。 反応物を n-へキサン/ェチルァセテ一ト =1/1 混合物(100ml)と水で抽出した。有機層を水(50ml)、 10 %クェン酸(50ml)、
o
M
d
卜 O
寸
〇 lO o
(H5ぬ Λ)ト soZ.
((i)HSs 96999Sf ΐ ΐο卜 6k2H.··
9.14(d, 0.5H, J=8.2Hz).
実施例 6 : N-(tert-ブトキシカルボニル) -L-4-フルオロフェニルァラエル -N-バリンの合成
方法 A)
N-(tert-ブトキシカルボニル) -L-4-フルオロフェニルァラエル- L-バリ ンメチルエステル(396mg、 l mmol)を、 テトラヒドロフラン( 5 ml)と水 ( 5 ml)に溶かし、 水酸化リチウム(60mg、 2.5mmol)を加え、 室温にて 1.5 時間攪拌した。 反応物を 1N塩酸溶液で pH=3.5まで酸性化した後、 ェ チルァセテート(30ml)を加え、 水(30ml)と飽和塩水(30ml)によりそれぞ れ洗浄した。 有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、 濾過後、 減圧下 で濃縮し、 目的化合物 (410mg、 定量的収率)を得た。
Ή NMR(CDC13, 300 MHz): δ 0.91(t, 6H, J=6.6Hz), 1.34(s, 9H), 2.1- 2.3(m, IH), 3.91-3.10(m, 2H), 4.31-4.55(m, 2H), 5.39(bs, IH), 6.73(bs, 1H), 6.95(t, 2H, H=8.7Hz), 7.16(dd, 2H, J=5.4 and 5.8Hz).
方法 B)
N-(tert-ブトキシカルボ二ル) -L(4-フルオロフェニル)ァラニン(1.42g、 5.0mmol)を、 ェチルアセテート(15ml)に溶かし、 N-メチルモルホリン (1.37mL 12.5mmol)とェチルクロ口ホルメート(0.57ml、 6.0mmol)を、 氷-水浴下で加え、 反応物を 0 にて 30分間攪拌した。 その混合物に 4- ニトロフエノール(0.83g、 6.0mmol)を加え、 0 °Cにて 1時間攪拌した。 反応物に水(5 ml)と塩水(5 ml)を加え、 20分間攪拌した後、 有機層を分 離した。 有機層を水(5 ml)と飽和塩水 (50ml)によりそれぞれ洗浄した。 有機層を無水硫酸ナトリウム(30g)で乾燥させ、 濾過後、 減圧下で濃縮さ せた。
残渣を THF(15ml)で溶かし、 水(5 ml)、 L-バリン(0.64g、 5.5mmol) と、 炭酸ナトリウム(1.06g、 lOmmol)を加えて、 常温にて 2時間攪拌し た。 混合物にェチルアセテート(50ml)を加え、 1N 塩酸溶液 (21ml)をゆ つく り加えて酸性化し、 20 分間攪拌した。 有機層を分離し、 水 (30ml) と塩水 (20ml)により洗浄した。無水硫酸ナトリゥムで乾燥させ、 濾過後、
減圧下で濃縮して得られた残渣を、 シリカゲルカラムクロマトグラフィ
(メチレンクロライ ド : メタノール = 15: 1 )して目的化合物を(2.6g、 24 % )を得た。
実施例 7 : N-(tert-ブトキシカルボニル) -N-メチル -L-4-フルオロフェニ ルァラニル -N-メチル -L-バリンの合成
N-(tert-ブトキシカルポ二ル) -L-4-フルオロフェニルァラニル -L-バリ ン(263g、 0.688mmol)を、 無水テトラヒドロフラン(10ml)に溶かし、 ョ 一ドメタン(428 x l、 6.88mmol)と 60 %水素化ナトリウム(165mg、 4.128mmol)を冷却下で加え、 反応物を室温にて 22時間攪拌した。 反応 物を飽和クェン酸で酸性化した後、 ェチルアセテート(50ml)を加え、 水 と飽和塩水(50ml)によりそれぞれ洗浄した。 有機層を、 無水硫酸ナトリ ゥムで乾燥させ、 濾過後、 減圧下で濃縮させた。 残渣を、 シリカゲル力 ラムクロマトグラフィ(メチレンクロライ ド : メタノール = 15: 1 )して 目的化合物を(196mg,79 % )を得た。
実施例 8 : N-(tert-ブトキシカルポニル) -N-メチル -L-4-フルオロフェニ ルァラニル -N-メチル -L-バリンの合成
N-(tert-ブトキシカルボ二ル) -L-4-フルオロフェニルァラニル -L-バリ ンメチルエステル(1.5mg、 3.78mmol)を、 無水 THF(40ml)に溶かし、 水 (68 l、 3.78nmiol)、 ョ一ドメタン(2.3ml、 36.9imnol)と 60 %水素化ナ トリウム(908mg、 22.68nmiol)を冷却下で加え、 反応物を室温にて 24時 間攪拌した。 反応物を飽和クェン酸で酸性化した後、 ェチルアセテート (100ml)を加え、 チォ硫酸ナトリウム水溶液(100ml)、 水(100ml)と、 飽 和塩水 (50ml)によりそれぞれ洗浄した。 有機層を無水硫酸ナトリゥムで 乾燥させ、 濾過後、 減圧下で濃縮させた。 残渣を、 シリカゲルカラムク 口マトグラフィ(メチレンクロライ ド : メタノール = 15: 1 )して目的化 合物を(1.3g、 84% )を得た。
実施例 9 : N- (ベンジルォキシカルポニル) -L-4-フルオロフェニルァラニ ニル) -L-4-フルオロフェニルァラニン(2.7g、
8.5mmol)と、 L-バリンメチルエステル塩酸塩(1.43g、 8.5mmol)を、 無水 テトラヒドロフラン(300ml)に溶かし、 1-ヒドロキシベンゾトリァゾ一ル 水和物(1.3g、 8.5mmol)、 トリェチルァミン(3.61111, 25.511111101)、 そして 1-ェチル- 3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルポジィミ ド塩酸塩 (1.8g、 9.4mmol)を冷却下で加え、 反応物を室温にて 24時間攪拌した。 反応物 にェチルアセテート(300ml)を加え、 水(200ml)と、 飽和塩水(200ml)に よりそれぞれ洗浄した。 有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、 濾過 後、 減圧下で濃縮させた。 残渣を、 シリカゲルカラムクロマトグラフィ (n-へキサン : ェチルァセテ一ト = 3: 1 )して目的化合物を(2.6g、 71 % ) を得た。
¾ NMR(CDC13, 300 MHz) : δ 0.81(dd, 6H, J=6.9Hz), 2.05-2.15(m, 1H), 3.03(d, 2H, J=7.16Hz), 3.7(s, 3H), 4.44(q, 1H, J=4.90Hz), 5.09 (s, 2H), 5.37 (brd, 1H), 6.39(brd, 1H), 6.94(t, 2H, J=8.68Hz), 7.14(dd, 2H, J=5.63Hz and 8.7Hz), 7.35(m, 5H).
実施例 10: N- (ベンジルォキシカルポニル) -N-メチル -L-4-フルォ口フエ ニルァラニル -N-メチル -L-パリンメチルエステルの合成
N- (ベンジルォキシ力ルポ二ル) -L-4-フルオロフェニルァラニル -L-バ リンメチルエステル(1.58g、 3.67mmol)を、 無水テトラヒドロフラン (24ml)と無水 Ν,Ν-ジメチルホルムアミ ド(8ml)に溶かし、 ョードメタン (1.83mL 29.4mmol)と 60 %水素化ナトリウム(590mg,14.68mmol)を冷 却下で加え、 反応物を室温にて 3時間攪拌した。 反応物にェチルァセテ 一ト(200ml)を加え、 水(200ml)と飽和塩水(200ml)によりそれぞれ洗浄 した。 有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、 濾過後、 減圧下で濃縮さ せた。 残渣を、 シリカゲルカラムクロマトグラフィ(n-へキサン:ェチル アセテート = 4 : 1 )して目的化合物を(515mg,31 % )を得た。
¾ NMR(CDC13, 300 MHz) : δ 0.7-0.96(m, 6H), 2.05-2.15(m, 1H), 2.79(d, 3H, J=11.66Hz), 2.88(d, 3H, J=8.25Hz), 2.9-3.2(m, 2H), 3.46(s, 1.5H), 3.65(s, 1.5H), 4.65-4.74(m, 1H), 4.96-4.13(m, 2H), 5.22-5.34(m, 1H), 6.84-6.93(m, 2H), 7.0-7.4(m, 7H).
実施例 11: N- (ベンジルォキシカルボニル) -N-メチル -L-4-フルオロフェ ニルァラニル -N-メチル -L-バリンの合成
N- (ベンジルォキシカルポニル) -N-メチル -L-4-フルオロフェニルァラ ニル -N-メチル -L-バリンメチルエステル(500mg、 1.09mmol)を、 テトラ ヒ ドロフラン(10ml)と水(5ml)に溶かし、 水酸化リチウム(88mg、 3.67mmol)を加え、 室温にて 24時間攪拌した。 反応物を飽和クェン酸で 酸性化した後、 ェチルアセテート(20ml)を加え、 水(20ml)と飽和塩水 (20ml)によりそれぞれ洗浄した。 有機層を無水硫酸ナトリゥムで乾燥さ せ、 濾過後、 濃縮して目的化合物を(484mg,定量的収率)を得た。
XH NMR(CDC13, 300 MHz) : δ 0.7-0.96(m, 6H), 2.15-2.30(m, 1H), 2.7(d, 3H, J=7.95Hz), 2.88(d, 3H, J=2.95Hz), 3.01-3.19(m, 2H), 4.3(d, 0.2H, J=10.48Hz), 4.45(d, 0.2H, J=10.49Hz), 4.6(d, 0.3H, J=10.52Hz), 4.75(d, 0.3H, J=10.52Hz), 4.91-5.05(m, 2H), 5.26-5.34(m, 1H), 6.85- 6.96(m, 2H), 7.0-7.4(m, 7H).
産業上の利用可能性
本発明によると、 胃、 腸管疾患に有用な医薬として、 モチリンレセプ ターアンタゴニスト作用を有する式 Iのべプチド誘導体を、 商業的に入 手しやすく、 比較的安価なアミノ酸またはその誘導体を出発物質として 使用して、 工程上更に簡便で且つ高い収率で製造することができる方法 を提供することができ、 式 Iのペプチド誘導体の製造の工業化を可能に する。 ―