明細書 新規 Gタンパク質共役型レセプタータンパク質およびその D N A 技術分野
本発明は、 ヒト胎盤由来の新規 Gタンパク質共役型レセプタータンパク質また はその塩おょぴそれをコードする D NAに関する。 背景技術
多くのホルモンや神経伝達物質などの生理活性物質は、 細胞膜に存在する特異 的なレセプタータンパク質を通じて生体の機能を調節している。 これらのレセプ タータン /ヽ0ク質のうち多く ίま共役してレヽる guanine nucleotide一 binding protein (以下、 Gタンパク質と略称する) の活性化を通じて細胞内のシグナル伝達を行 ない、 また、 7個の膜貫通領域を有する共通した構造をもっていることから、 G タンパク質共役型レセプタータンパク質あるいは 7回膜貫通型レセプタータンパ ク質 (7 TMR) と総称される。
Gタンパク質共役型レセプタータンパク質は生体の細胞や臓器の各機能細胞表 面に存在し、 それら細胞や臓器の機能を調節する分子、 例えば、 ホルモン、 神経 伝達物質および生理活性物質等の標的として生理的に重要な役割を担っている。 レセプターは生理活性物質との結合を介してシグナルを細胞内に伝達し、 このシ グナルにより細胞の賦活ゃ抑制といった種々の反応が惹起される。
各種生体の細胞や臓器の内の複雑な機能を調節する物質と、 その特異的レセプ タータンパク質、 特には Gタンパク質共役型レセプタータンパク質との関係を明 らかにすることは、 各種生体の臓器や細胞の機能を角军明し、 それら機能と密接に 関連した医薬品開発に非常に重要な手段を»することとなる。
例えば、 生体の種々の器官では、 多くのホルモン、 ホルモン様物質、 神経伝達 物質あるいは生理活性物質による調節のもとで生理的な機能の調節が行なわれて いる。 特に、 生理活性物質は生体内の様々な部位に存在し、 それぞれに対応する レセプタータンパク質を通してその生理機能の調節を行っている。 生体内には未
知のホルモンや神経伝達物質その他の生理活性物質も多く、 それらのレセプター タンパク質の構造に関しても、 これまで報告されていないものが多い。 さらに、 既知のレセプタータンパク質においてもサブタイプが存在するかどうかについて も分かっていないものが多い。
生体における複雑な機能を調節する物質と、 その特異的レセプタータンパク質 との関係を明らかにすることは、 レセプタータンパク質に対するァゴニスト、 ァ ンタゴ二ストを含む医薬品開発に非常に重要な手段である。 しかし従来は、 レセ プタータンパク質に対するァゴニスト、 アンタゴニストを効率よくスクリーニン グし、 医薬品を開発するためには、 生体内で発現しているレセプタータンパク質 の遺伝子の機能を解明し、 それらを適当な発現系で発現させることが必要であつ た。
また、 近年、 生体内で発現している遺伝子を解析する手段として、 c D N Aの 配列をランダムに解析する研究が活発に行なわれており、 このようにして得られ た c D N Aの断片配列が Expressed Sequence Tag (E S T) としてデータベース に登録され、 公開されている。 し力 し、 多くの E S Tは配列情報のみであり、 そ の機能を推定することは困難である。 従来、 Gタンパク質共役型レセプターとそのリガンドである生理活性物質との 結合を阻害する物質や、 結合して生理活性物質と同様なシグナル伝達を引き起こ す物質は、 これらレセプターの特異的なアンタゴニストまたはァゴニストとして、 生体機能を調節する医薬品として活用されてきた。 従って、 このように生体内で の生理発現において重要であるばかりでなく、 医薬品開発の標的ともなりうる G タンパク質共役型レセプタータンパク質を新規に見出し、 その遺伝子 (例えば c D N A) をクローユングすることは、 新規 Gタンパク質共役型レセプタータンパ ク質の特異的リガンドゃ、 ァゴニスト、 アンタゴニストを見出す際に、 非常に重 要な手段となる。
しかし、 Gタンパク質共役型レセプターはその全てが見出されているわけでは なく、 現時点でもなお、 未知の Gタンパク質共役型レセプター、 またそのリガン ドが同定されていない、 いわゆるォーファンレセプターが多数存在しており、 新
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3 たな Gタンパク質共役型レセプターの探索およぴ機能解明が切望されている。
Gタンパク質共役型レセプターは、 そのシグナル伝達作用を指標とする、 新た なリガンド (生理活性物質) の探索、 また、 該レセプタ^"に対するァゴニストま たはアンタゴニストの探索に有用である。 一方、 生理的なリガンドが見出されな くても、 該レセプターの不活化実験 (ノックアウト動物) 力 ら該レセプターの生 理作用を解析することにより、 該レセプターに対するァゴ-ストまたはアンタゴ 二ストを作製することも可能である。 これら該レセプターに対するリガンド、 ァ ゴニストまたはアンタゴニストなどは、 Gタンパク質共役型レセプターの機能不 全に関連する疾患の予防 Z治療薬や診断薬として活用することが期待できる。
さらにまた、 Gタンパク質共役型レセプターの遺伝子変異に基づく、 生体での 該レセプターの機能の低下または昂進が、 何らかの疾患の原因となっている場合 も多い。 この場合には、 該レセプターに対するアンタゴニストやァゴニストの投 与だけでなく、 該レセプター遺伝子の生体内 (またはある特定の臓器) への導入 や、 該レセプター遺伝子に対するアンチセンス核酸の導入による、 遺伝子治療に 応用することもできる。 この場合には該レセプターの塩基配列は遺伝子上の欠失 や変異の有無を調べるために必要不可欠な情報であり、 該レセプターの遺伝子は、 該レセプターの機能不全に関与する疾患の予防 治療薬や診断薬に応用すること もできる。
本発明は、 上記のように有用な新規 Gタンパク質共役型レセプタータンパク質 を提供するものである。 すなわち、 新規 Gタンパク質共役型レセプタータンパク 質もしくはその部分ペプチドまたはその塩、 該 Gタンパク質共役型レセプタータ ンパク質またはその部分ペプチドをコードするポリヌクレオチド (D NA、 R N Aおよびそれらの誘導体) を含有するポリヌクレオチド (D NA、 R NAおよび それらの誘導体) 、 該ポリヌクレオチドを含有する糸且換えベクター、 該組換えべ クタ一を保持する形質転換体、 該 Gタンパク質共役型レセプタータンパク質また はその塩の製造法、 該 Gタンパク質共役型レセプタータンパク質もしくはその部 分ペプチドまたはその塩に対する抗体、 該 Gタンパク質共役型レセプタータンパ ク質の発現量を変化させる化合物、 該 Gタンパク質共役型レセプターに対するリ ガンドの決定方法、 リガンドと該 Gタンパク質共役型レセプタータンパク質との
結合性を変化させる化合物 (アンタゴニスト、 ァゴニスト) またはその塩のスク リーユング方法、 該スクリーニング用キット、 該スクリーニング方法もしくはス クリーニングキットを用いて得られうるリガンドと該 Gタンパク質共役型レセプ タータンパク質との結合性を変化させる化合物 (アンタゴニスト、 ァゴニスト) またはその塩、 およびリガンドと該 Gタンパク質共役型レセプタータンパク質と の結合性を変化させる化合物 (アンタゴニスト、 ァゴュスト) もしくは該 Gタン パク質共役型レセプタータンパク質の発現量を変化させる化合物またはその塩を 含有してなる医薬などを提供する。 発明の開示
本発明者らは、 鋭意研究を重ねた結果、 ヒ ト胎盤由来の新規な Gタンパク質共 役型レセプタータンパク質をコードする cDNAを単離し、 その全塩基配列を解 析することに成功した。 そして、 この塩基配列をアミノ酸配列に翻訳したところ、 第 1〜第 7膜貫通領域が図 1に示される疎水性プロット上で確認され、 これらの c DNAにコードされるタンパク質が 7回膜貫通型の Gタンパク質共役型レセプ タータンパク質であることを確認した。 本発明者らは、 これらの知見に基づいて、 さらに研究を重ねた結果、 本発明を完成するに至った。
すなわち、 本発明は、
(1) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァ ミノ酸配列を含有することを特徴とする Gタンパク質共役型レセプタータンパク 質またはその塩;
(2) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列を含有する上記 (1) 記載の Gタ ンパク質共役型レセプタータンパク質;
(3) 上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質の部分ぺプ チドまたはその塩;
(4) 上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質をコードす るポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;
(5) DNAである上記 (4) 記載のポリヌクレオチド;
(6) 配列番号: 2で表される塩基配列を含有する上記 (5) 記載の DNA ;
(7) 上記 (4) 記載のポリヌクレオチドを含有する組換えベクター;
(8) 上記 (7) 記載の組換えベクターで形質転換させた形質転換体;
(9) 上記 (8) 記載の形質転換体を培養し、 上記 (1) 記載の Gタンパク質 共役型レセプタータンパク質またはその塩を生成せしめることを特徴とする上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質またはその塩の製造法;
(10) 上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質もしくは 上記 (3) 記載の部分ペプチドまたはそれらの塩に対する抗体;
(1 1) 上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質のシグナ ル伝達を不活性化する中和抗体である上記 (10) 記載の抗体;
(12) 上記 (10) 記載の抗体を含有してなる診断薬;
(13) 上記 (10) 記載の抗体を含有してなる医薬;
(14) 上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質もしくは 上記 (3) 記載の部分ペプチドまたはそれらの塩を用いることにより得られうる 上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質またはその塩に対す るリガンド;
(15) 上記 (14) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質または その塩に対するリガンドを含有してなる医薬;
(16) 上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質もしくは 上記 (3) 記載の部分ペプチドまたはそれらの塩を用いることを特徴とする上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質またはその塩に対するリ ガンドの決定方法;
(17) 上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質もしくは 上記 (3) 記載の部分ペプチドまたはそれらの塩を用いることを特徴とするリガ ンドと上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質またはその塩 との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法;
(18) 上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質もしくは 上記 (3) 記載の部分ペプチドまたはそれらの塩を含有することを特徴とするリ ガンドと上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質またはその 塩との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング用キット ;
(19) 上記 (17) 記載のスクリーニング方法または上記 (18) 記載のス クリーニング用キットを用いて得られうるリガンドと上記 (1) 記載の Gタンパ ク質共役型レセプタータンパク質またはその塩との結合性を変化させる化合物ま たはその塩;
(20) 上記 (17) 記載のスクリーニング方法または上記 (18) 記載のス クリーニング用キットを用いて得られうるリガンドと上記 (1) 記載の Gタンパ ク質共役型レセプタータンパク質またはその塩との結合性を変化させる化合物ま たはその塩を含有してなる医薬;
(21) 上記 (4) 記載のポリヌクレオチドとハイストリンジェントな条件下 でハイブリダィズするポリヌクレオチド;
(22) 上記 (4) 記載のポリヌクレオチドと相補的な塩基配列またはその一 部を含有してなるポリヌクレオチド;
(23) 上記 (4) 記載のポリヌクレオチドまたはその一部を用いることを特 徴とする上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質の mRNA の定量方法。
(24) 上記 (10) 記載の抗体を用いることを特徴とする上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質の定量方法;
(25) 上記 (23) または (24) 記載の定量方法を用いることを特徴とす る上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプターの機能が関連する疾患の診断 方法。
(26) 上記 (23) 記載の定量方法を用いることを特徴とする上記 (1) 記 載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質の発現量を変化させる化合物また はその塩のスクリーユング方法;
(27) 上記 (24) 記載の定量方法を用いることを特徴とする細胞膜におけ る上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質量を変化させる化 合物またはその塩のスクリーユング方法;
(28) 上記 (26) 記載のスクリーユング方法を用いて得られうる上記
(1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質の発現量を変化させる化 合物またはその塩;
(29) 上記 (27) 記載のスクリーニング方法を用いて得られうる細胞膜に おける上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質量を変化させ る化合物またはその塩;
(30) 上記 (28) 記載の化合物またはその塩を含有してなる医薬;
(31) 上記 (29) 記載の化合物またはその塩を含有してなる医薬;
(32) 中枢性疾患、 内分泌疾患、 代謝疾患、 癌、 循環器疾患、 呼吸器系疾患、 消化器系疾患、 免疫系疾患、 炎症性疾患または感染症の予防,治療剤である上記
(1 3) 、 (15) 、 (20) 、 (30) または (31) 記載の医薬;
(33) 哺乳動物に対して、 上記 (1 9) 、 (28) または (29) 記載の化 合物またはその塩の有効量を投与することを特徴とする中枢疾患、 内分泌疾患、 代謝疾患、 癌、 循環器疾患、 呼吸器系疾患、 消化器系疾患、 免疫系疾患、 炎症性 疾患または感染症の予防 ·治療方法;
(34) 中枢疾患、 内分泌疾患、 代謝疾患、 癌、 循環器疾患、 呼吸器系疾患、 消化器系疾患、 免疫系疾患、 炎症性疾患または感染症の予防 ·治療剤を製造する ための上記 (19) 、 (28) または (29) 記載の化合物またはその塩の使用 等に関する。
さらには、
(35) タンパク質が、 ①配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列、 配列番号 : 1で表わされるアミノ酸配列中の 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜30個程 度、 より好ましくは 1〜10個程度、 さらに好ましくは数個 (1〜5個) ) のアミ ノ酸が欠失したアミノ酸配列、 ②配列番号: 1で表わされるァミノ酸配列に 1ま たは 2個以上 (好ましくは、 1〜30個程度、 より好ましくは 1〜10個程度、 さら に好ましくは数個 (1〜5個) ) のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、 ③配列番 号: 1で表わされるアミノ酸配列中の 1または 2個以上 (好ましくは 1〜30個程 度、 より好ましくは 1〜10個程度、 さらに好ましくは数個 (1〜5個) ) のアミ ノ酸が他のァミノ酸で置換されたァミノ酸配列、 または④それらを組み合わせた アミノ酸配列を含有するタンパク質である上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型 レセプタータンパク質またはその塩、
(36) 上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質もしくは
その塩または上記 (3) 記載の部分ペプチドもしくはその塩と、 試験化合物とを 接触させることを特徴とする上記 (16) 記載のリガンドの決定方法、
(3 7) リガンドが、 例えば、 アンギオテンシン、 ボンべシン、 カナビノイド 、 コレシストキニン、 グノレタミン、 セロ トニン、 メラトニン、 ニューロペプチド Y、 ォピオイド、 プリン、 パソプレツシン、 ォキシトシン、 PACAP (例、 Ρ ACAP 27、 PACAP 38) 、 セクレチン、 グルカゴン、 カルシトニン、 ァ ドレノメジュリン、 ソマトスタチン、 GHRH、 CRF、 ACTH、 GRP、 P TH、 V I P (バソアクティブ インテスティナル ポリペプチド) 、 ソマトス タチン、 ドーパミン、 モチリン、 アミリン、 ブラジキニン、 CGRP (カノレシト ニンジーンリレーティッドぺプチド) 、 ロイコトリェン、 パンクレアスタチン、 プロスタグランジン、 ト口ンボキサン、 アデノシン、 アドレナリン、 ケモカイン スーパーファミ リー (例、 IL— 8、 GROa、 GRO j3、 GROy, NAP— 2、 ENA— 78、 GCP-2、 PF4、 IP- 10、 Mig、 PBSF/SDF- 1などの C X Cケモカインサブファミリ 一; MCAF/MCP - 1、 MCP-2、 MCP - 3、 MCP-4、 eotaxin、 RANTES、 MIP-1 a , MIP - 1 ]3、 HCC- 1、 MIP- 3CK/LARC、 MIP- 3j3/ELC、 1-309、 TARC、 MIPF- 1、 MIPF- 2/eotaxin- 2 、 MDC、 DC- CK1/PARC、 SLCなどの C Cケモカインサブファミリー; lymphotactin などの Cケモカインサブファミリ一; fractalkineなどの CX 3 Cケモカインサ プファミリ一等) 、 エンドセリン、 ェンテロガストリン、 ヒスタミン、 ニューロ テンシン、 TRH、 パンクレアティックポリぺプタイド、 ガラニン、 リゾホスフ ァチジン酸 (LPA) またはスフインゴシン 1—リン酸である上記 (3 6) 記載 のリガンドの決定方法、
(3 8) (i) 上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質も しくはその塩または上記 (3) 記載の部分ペプチドもしくはその塩と、 リガンド とを接触させた場合と、 (ii) 上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプター タンパク質もしくはその塩または上記 (3) 記載の部分ペプチドもしくはその塩 と、 リガンドぉよび試験化合物とを接触させた場合との比較を行なうことを特徴 とする上記 (1 7) 記載のスクリーニング方法、
(3 9) (i) 標識したリガンドを上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセ プタータンパク質もしくはその塩または上記 (3) 記載の部分ペプチドもしくは
その塩に接触させた場合と、 (ii) 標識したリガンドおよび試験ィ匕合物を上記 ( 1 ) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質もしくはその塩または上記 ( 3 ) 記載の部分ペプチドもしくはその塩に接触させた場合における、 標識した リガンドの上記 (1 ) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質もしくは その塩または上記 (3 ) 記載の部分ペプチドもしくはその塩に対する結合量を測 定し、 比較することを特徴とするリガンドと上記 ( 1 ) 記載の Gタンパク質共役 型レセプタータンパク質またはその塩との結合性を変化させる化合物またはその 塩のスクリーニング方法、
( 4 0 ) (i) 標識したリガンドを上記 (1 ) 記載の Gタンパク質共役型レセ プタータンパク質を含有する細胞に接触させた場合と、 (ii) 標識したリガンド および試験化合物を上記 (1 ) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質 を含有する細胞に接触させた場合における、 標識したリガンドの該細胞に対する 結合量を測定し、 比較することを特徴とするリガンドと上記 (1 ) 記載の Gタン パク質共役型レセプタータンパク質またはその塩との結合性を変化させる化合物 またはその塩のスクリーニング方法、
( 4 1 ) (i) 標識したリガンドを上記 (1 ) 記載の Gタンパク質共役型レセ プタータンパク質を含有する細胞の膜画分に接触させた場合と、 (ii) 標識した リガンドおよび試験化合物を上記 (1 ) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータ ンパク質を含有する細胞の膜画分に接触させた場合における、 標識したリガンド の該細胞の膜画分に対する結合量を測定し、 比較することを特徴とするリガンド と上記 (1 ) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質またはその塩との 結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
( 4 2 ) (i) 標識したリガンドを上記 (8 ) 記載の形質転換体を培養するこ とによつて該形質転換体の細胞膜に発現した Gタンパク質共役型レセプタータン パク質に接触させた場合と、 (ii) 標識したリガンドおよび試験化合物を上記 ( 8 ) 記載の形質転換体を培養することによつて該形質転換体の細胞膜に発現した Gタンパク質共役型レセプタータンパク質に接触させた場合における、 標識した リガンドの該 Gタンパク質共役型レセプタータンパク質に対する結合量を測定し 、 比較することを特徴とするリガンドと上記 (1 ) 記載の Gタンパク質共役型レ
セプタータンパク質またはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩の スクリーニング方法、
(43) (i) 上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質ま たはその塩を活性ィヒする化合物を上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタ 一タンパク質を含有する細胞に接触させた場合と、 (ii) 上記 (1) 記載の Gタ ンパク質共役型レセプタータンパク質またはその塩を活性化する化合物および試 験化合物を上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質を含有す る細胞に接触させた場合における、 Gタンパク質共役型レセプタータンパク質を 介した細胞刺激活性を測定し、 比較することを特徴とするリガンドと上記 ( 1 ) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質またはその塩との結合性を変化 させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(44) 上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質またはそ の塩を活性ィ匕する化合物を上記 (8) 記載の形質転換体を培養することによって 該形質転換体の細胞膜に発現した Gタンパク質共役型レセプタータンパク質に接 触させた場合と、 上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質ま たはその塩を活性化する化合物および試験化合物を上記 (8) 記載の形質転換体 を培養することによつて該形質転換体の細胞膜に発現した Gタンパク質共役型レ セプタータンパク質に接触させた場合における、 Gタンパク質共役型レセプター タンパク質を介する細胞刺激活性を測定し、 比較することを特徴とするリガンド と上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質またはその塩との 結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(45) 上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質を活性化 する化合物が、 アンギオテンシン、 ボンべシン、 カナビノイ ド、 コレシストキ二 ン、 グノレタミン、 セロトニン、 メラトニン、 ニューロペプチド Y、 ォピオイド、 プリン、 バソプレツシン、 ォキシトシン、 PACAP (例、 PACAP 27、 P ACAP 38) 、 セクレチン、 グルカゴン、 カルシトニン、 アドレノメジユリン 、 ソマトスタチン、 GHRH、 CRF、 ACTH、 GRP、 PTH、 V I P (バ ソアクティブ インテスティナル ポリペプチド) 、 ソマトスタチン、 ドーパミ ン、 モチリン、 アミリン、 ブラジキニン、 CGRP (カルシトニンジーンリレー
ティッドペプチド) 、 ロイコトリェン、 パンクレアスタチン、 プロスタグランジ ン、 トロンポキサン、 アデノシン、 アドレナリン、 ケモカインスーパーファミ リ 一 (例、 IL— 8、 GRO a GROj3、 GROy, NAP— 2、 ENA— 78、 GCP- 2、 PF4、 IP- 10、 Mig、 PBSF/SDF- 1などの CXCケモカインサブファミリー; MCAF/MCP- 1、 MCP_2、 MCP— 3、 MCP - 4、 eotaxin, 謹 TES、 MIP-1 a , MIP-1 β , HCC_1、 MIP-3 a /LARC、 MIP- 3/3/ELC、 1-309、 TARC、 MIPF- 1、 MIPF- 2/eotaxin- 2、 MDCゝ DC- CK1/PARC、 SLCなどの CCケモカインサブフアミリー; lymphotactinなどの Cケモカ ィンサブフアミリ一; fractalkineなどの CX3Cケモカインサブフアミリ一等) 、 エンドセリン、 ェンテロガストリン、 ヒスタミン、 ニューロテンシン、 TRH、 パンクレアティックポリぺプタイド、 ガラニン、 リゾホスファチジン酸 (LPA ) またはスフインゴシン 1一リン酸である上記 (4 3) または (44) 記載のス クリーニング方法、
(46) 上記 (3 8) 〜 (45) 記載のスクリーニング方法で得られうるリガ ンドと上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質またはその塩 との結合性を変化させる化合物またはその塩、
(4 7) 上記 (3 8) 〜 (45) 記載のスクリーニング方法で得られうるリガ ンドと上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質またはその塩 との結合性を変化させる化合物またはその塩を含有することを特徴とする医薬、 (48) 上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質を含有す る細胞を含有することを特徴とする上記 (1 8) 記載のスクリーニング用キット
(49) 上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質を含有す る細胞の膜画分を含有することを特徴とする上記 (1 8) 記載のスクリーニング 用キット、
(50) 上記 (8) 記載の形質転換体を培養することによって該形質転換体の 細胞膜に発現した Gタンパク質共役型レセプタータンパク質を含有することを特 徴とする上記 (1 8) 記載のスクリーニング用キット、
(5 1) 上記 (48) 〜 (50) 記載のスクリーニング用キットを用いて得ら れうる、 リガンドと上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質
またはその塩との結合 I"生を変化させる化合物またはその塩、
(52) 上記 (48) 〜 (50) 記載のスクリーニング用キットを用いて得ら れうる、 リガンドと上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質 またはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩を含有することを特徴 とする医薬、
(53) 上記 (10) 記載の抗体と、 上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レ セプタータンパク質もしくは上記 (3) 記載の部分ペプチドまたはその塩とを接 触させることを特徴とする上記 (1) の Gタンパク質共役型レセプタータンパク 質もしくは上記 (3) 記載の部分ペプチドまたはその塩の定量法、
(54) 上記 (10) 記載の抗体と、 被検液および標識化された上記 (1) 記 載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質もしくは上記 (3) 記載の部分べ プチドまたはその塩とを競合的に反応させ、 該抗体に結合した標識化された上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質もしくは上記 (3) 記載 の部分べプチドまたはその塩の割合を測定することを特徴とする被検液中の上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質もしくは上記 (3) 記載 の部分ペプチドまたはその塩の定量法、 および
(55) 被検液と担体上に不溶化した上記 (10) 記載の抗体および標識化さ れた上記 (10) 記載の抗体とを同時あるいは連続的に反応させたのち、 不溶ィ匕 担体上の標識剤の活性を測定することを特徴とする被検液中の上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質もしくは上記 (3) 記載の部分べプチ ドまたはその塩の定量法等を提供する。 図面の簡単な説明
図 1は、 TGR31の疎水性プロット図である。
図 2は、 TGR31のヒト組織における発現分布解析図である。 発明を実施するための最良の形態
本発明の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質 (以下、 レセプタータンパ ク質と略記する場合がある) は、 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列と同一
もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプタータンパク質である。 本発明のレセプタータンパク質は、 例えば、 ヒトゃ非ヒト哺乳動物 (例えば、 モルモット、 ラット、 マウス、 ゥサギ、 ブタ、 ヒッジ、 ゥシ、 サルなど) のあら ゆる細胞 (例えば、 脾細胞、 神経細胞、 グリア細胞、 腌臓 細胞、 骨髄細胞、 メ サンギゥム細胞、 ランゲルハンス細胞、 表皮細胞、 上皮細胞、 内皮細胞、 繊維芽 細胞、 繊維細胞、 筋細胞、 脂肪細胞、 免疫細胞 (例、 マクロファージ、 T細胞、 B 細胞、 ナチュラルキラー細胞、 肥満細胞、 好中球、 好塩基球、 好酸球、 単球) 、 巨核球、 滑膜細胞、 軟骨細胞、 骨細胞、 骨芽細胞、 破骨細胞、 乳腺細胞、 肝細胞 もしくは間質細胞、 またはこれら細胞の前駆細胞、 幹細胞もしくはガン細胞など ) や血球系の細胞、 またはそれらの細胞が存在するあらゆる組織、 例えば、 脳、 脳の各部位 (例、 嗅球、 扁頭核、 大脳基底球、 海馬、 視床、 視床下部、 視床下核 、 大脳皮質、 延髄、 小脳、 後頭葉、 前頭葉、 側頭葉、 被殻、 尾状核、 脳染、 黒質 ) 、 脊髄、 下垂体、 胃、 脖臓、 腎臓、 肝臓、 生殖腺、 甲状腺、 胆のう、 骨髄、 副 腎、 皮膚、 筋肉、 肺、 消化管 (例、 大腸、 小腸) 、 血管、 心臓、 胸腺、 脾臓、 顎 下腺、 末梢血、 末梢血球、 前立腺、 睾丸、 精巣、 卵巣、 胎盤、 子宮、 骨、 関節、 骨格筋などに由来するタンパク質であってもよく、 また合成タンパク質であって あよい。
配列番号: 1で表わされるァミノ酸配列と実質的に同一のァミノ酸配列として は、 例えば、 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列と約 50%以上、 好ましくは 約 60%以上、 より好ましくは約 70%以上、 さらに好ましくは約 80%以上、 なかで も好ましくは約 90%以上、 最も好ましくは約 95%以上の相同性を有するアミノ酸 配列などが挙げられる。
本発明の配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配 列を含有するタンパク質としては、 例えば、 配列番号: 1で表わされるアミノ酸 配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有し、 配列番号: 1で表わされるアミノ酸 配列と実質的に同質の活性を有するタンパク質などが好ましい。
'実質的に同質の活性としては、 例えば、 リガンド結合活性、 シグナル情報伝達 作用などが挙げられる。 実質的に同質とは、 それらの活性が性質的に同質である ことを示す。 したがって、 リガンド結合活性やシグナル情報伝達作用などの活性
が同等 (例、 約 0. 01〜: L00倍、 好ましくは約 0. 5〜20倍、 より好ましくは約 0. 5〜2 倍) であることが好ましいが、 これらの活性の程度やタンパク質の分子量などの 量的要素は異なっていてもよい。
リガンド結合活性やシグナル情報伝達作用などの活性の測定は、 公知の方法に 準じて行なうことができるが、 例えば、 後に記載するリガンドの決定方法ゃスク リ一二ング方法に従って測定することができる。
また、 本発明のレセプタータンパク質としては、 ①配列番号: 1で表わされる アミノ酸配列中の 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜30個程度、 より好ましく は 1〜10個程度、 さらに好ましくは数個 (1〜 5個) ) のアミノ酸が欠失したァ ミノ酸酉 21列、 ②酉己列番号: 1で表わされるァミノ酸配列に 1または 2個以上 (好 ましくは、 1〜30個程度、 より好ましくは 1〜; 10個程度、 さらに好ましくは数個
( 1〜 5個) ) のァミノ酸が付加したァミノ酸配列、 ③配列番号: 1で表わされ るアミノ酸配列中の 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜30個程度、 より好まし くは 1〜: 10個程度、 さらに好ましくは数個 (1〜 5個) ) のアミノ酸が他のアミ ノ酸で置換されたァミノ酸配列、 または④それらを組み合わせたァミノ酸配列を 含有するタンパク質なども用いられる。
本明細書におけるレセプタータンパク質のァミノ酸配列は、 ぺプチド標記の慣 例に従って、 左端が N末端 (ァミノ末端) 、 右端が C末端 (カルボキシル末端) である。 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列を含有するレセプタータンパク 質をはじめとする、 本発明のレセプタータンパク質は、 C末端がカルボキシノレ基
(-C00H) 、 カルボキシレート (― C00— ) 、 Cアミ ド (一 C0NH2) またはエステ ル (― C00R) のいずれであってもよい。
ここでエステノレにおける Rとしては、 例えば、 メチル、 ェチル、 n—プロピル 、 イソプロピルもしくは n—ブチルなどの アルキル基、 例えば、 シクロペンチ ル、 シクロへキシルなどの C3_8シクロアルキル基、 例えば、 フエニル、 α—ナフ チルなどの C6_127リール基、 例えば、 ベンジル、 フエネチルなどのフエ二ルー C - 2アルキル基もしくは 一ナフチルメチルなどの α—ナフチル一 _2アルキル基な どの C7— 14ァラルキル基のほカ 経口用エステルとして汎用されるビバロイルォキ シメチノレ基などが用いられる。
本発明のレセプタータンパク質が C末端以外にカノレポキシノレ基 (またはカルボ キシレート) を有している場合、 カルボキシル基がアミド化またはエステルイ匕さ れているものも本発明のレセプタータンパク質に含まれる。 この場合のエステル としては、 例えば上記した C末端のエステルなどが用いられる。
さらに、 本発明のレセプタータンパク質には、 上記したタンパク質において、 N末端のメチォニン残基のァミノ基が保護基 (例えば、 ホノレミル基、 ァセチルな どの C2— 6アルカノィル基などの ( 6ァシル基など) で保護されているもの、 N端側 が生体内で切断され生成したグルタミル基がピログルタミン酸化したもの、 分子 内のアミノ酸の側鎖上の置換基 (例えば、 — 0H、 _SH、 アミノ基、 イミダゾール 基、 インドール基、 グァニジノ基など) が適当な保護基 (例えば、 ホルミル基、 ァセチルなどの c2_6アル力ノィル基などの _6ァシル基など) で保護されているも の、 あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖タンパク質などの複合タンパク質なども 含まれる。
本発明のレセプタータンパク質の具体例としては、 例えば、 配列番号: 1で表 わされるアミノ酸配列を含有するレセプタータンパク質などが用いられる。 本発明のレセプタータンパク質の部分ペプチド (以下、 部分ペプチドと略記す る場合がある) としては、 上記した本発明のレセプタータンパク質の部分べプチ ドであれば何れのものであってもよいが、 例えば、 本発明のレセプタータンパク 質分子のうち、 細胞膜の外に露出している部位であって、 実質的に同質の活性を 有するものなどが用いられる。
ここで、 「実質的に同質の活性」 とは、 例えばリガンド結合活性を示す。 リガ ンド結合活性の測定は上記と同様に行なうことができる。
具体的には、 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列を有するレセプタータン パク質の部分ぺプチドとしては、 図 1に示される疎水性プロット解析において細 胞外領域 (親水性 (Hydrophilic) 部位) であると分析された部分を含むぺプチ ドである。 また、 疎水性 (Hydrophobic) 部位を一部に含むペプチドも同様に用 いることができる。 個々のドメインを個別に含むペプチドも用い得るが、 複数の ドメィンを同時に含む部分のぺプチドでもよレ、。
本発明の部分べプチドのアミノ酸数は、 上記した本発明のレセプタータンパク
質の構成ァミノ酸配列のうち少なくとも 20個以上、 好ましくは 50個以上、 より好 ましくは 100個以上のアミノ酸配列を有するぺプチドなどが好ましい。
実質的に同一のアミノ酸配列とは、 これらアミノ酸配列と約 50%以上、 好まし くは約 60%以上、 より好ましくは約 70%以上、 さらに好ましくは約 80%以上、 な かでも好ましくは約 90°/0以上、 最も好ましくは約 95%以上の相同性を有するアミ ノ酸配列を示す。
また、 本発明の部分ペプチドは、 ①上記アミノ酸配列中の 1または 2個以上 ( 好ましくは、 1〜10個程度、 さらに好ましくは数個 (1〜5個) ) のアミノ酸が 欠失し、 ②上記アミノ酸配列に 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜20個程度、 より好ましくは 1〜10個程度、 さらに好ましくは数個 (1〜5個) ) のアミノ酸 が付加し、 または③上記アミノ酸配列中の 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜 10個程度、 より好ましくは数個、 さらに好ましくは 1〜5個程度) のアミノ酸が 他のアミノ酸で置換されていてもよい。
また、 本発明の部分ペプチドの C末端は、 カルボキシル基 (一 C00H) 、 カルボ キシレート (一 C00— ) 、 アミ ド (一 C0NH2) またはエステル (一 C00R) のいずれ であってもよい (Rは前記と同意義を示す) 。 本発明の部分ペプチドが C末端以 外にカルボキシル基 (またはカルボキシレート) を有している場合、 カルボキシ ル基がアミド化またはエステルィヒされているものも本発明の部分ペプチドに含ま れる。 この場合のエステルとしては、 例えば上記した C末端のエステルなどが用 レヽられる 0
さらに、 本発明の部分ペプチドには、 上記した本発明のレセプタータンパク質 と同様に、 N末端のメチォニン残基のァミノ基が保護基で保護されているもの、 N端側が生体内で切断され生成した Ginがピ口グルタミン酸ィヒしたもの、 分子内 のアミノ酸の側鎖上の置換基が適当な保護基で保護されているもの、 あるいは糖 鎖が結合したいわゆる糖べプチドなどの複合べプチドなども含まれる。
本発明のレセプタータンパク質またはその部分ペプチドの塩としては、 酸また は塩基との生理学的に許容される塩が挙げられ、 とりわけ生理学的に許容される 酸付加塩が好ましい。 この様な塩としては、 例えば、 無機酸 (例えば、 塩酸、 リ ン酸、 臭化水素酸、 硫酸) との塩、 あるいは有機酸 (例えば、 酢酸、 ギ酸、 プロ
ピオン酸、 フマル酸、 マレイン酸、 コハク酸、 酒石酸、 クェン酸、 リンゴ酸、 蓚 酸、 安息香酸、 メタンスルホン酸、 ベンゼンスルホン酸) との塩などが用いられ る。
本発明のレセプタータンパク質またはその塩は、 上記したヒ トゃ非ヒ ト哺乳動 物の細胞または組織から公知のレセプタータンパク質の精製方法によつて製造す ることもできるし、 後に記載する本発明のレセプタータンパク質をコードする D N Aを含有する形質転換体を培養することによつても製造することができる。 ま た、 後に記載するタンパク質合成法またはこれに準じて製造することもできる。 ヒトゃ非ヒ ト哺乳動物の組織または細胞から製造する場合、 ヒ トゃ非ヒ ト哺乳 動物の組織または細胞をホモジナイズした後、 酸などで抽出を行ない、 該抽出液 を逆相クロマトグラフィー、 イオン交換クロマトグラフィーなどのクロマトグラ フィーを組み合わせることにより精製単離することができる。
本発明のレセプタータンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩または そのアミ ド体の合成には、 通常市販のタンパク質合成用樹脂を用いることができ る。 そのような樹脂としては、 例えば、 クロロメチル樹脂、 ヒ ドロキシメチル樹 脂、 ベンズヒ ドリルナミン樹脂、 アミノメチル樹脂、 4一べンジルォキシベンジ ルアルコール樹脂、 4—メチルベンズヒドリルアミン樹脂、 PAM樹脂、 4—ヒ ドロ キシメチルメチルフエ二ルァセトアミ ドメチル樹脂、 ポリアクリルアミ ド樹脂、 4- (2',4'ージメ トキシフエ二ル一ヒ ドロキシメチ^^) フエノキシ榭脂、 4一 ( 2',4'—ジメ トキシフエ二ル一 Fmocアミノエチル) フエノキシ樹脂などを挙げる ことができる。 このような樹脂を用い、 ひ一アミノ基と側鎖官能基を適当に保護 したアミノ酸を、 目的とするタンパク質またはペプチドのァミノ酸配列通りに、 公知の各種縮合方法に従い、 樹脂上で縮合させる。 反応の最後に樹脂からタンパ ク質またはべプチドを切り出すと同時に各種保護基を除去し、 さらに高希釈溶液 中で分子内ジスルフイ ド結合形成反応を実施し、 目的のタンパク質もしくは部分 ペプチドまたはそのアミ ド体を取得する。
上記した保護ァミノ酸の縮合に関しては、 タンパク質合成に使用できる各種活 性ィ匕試薬を用いることができるが、 特に、 カルポジイミド類がよい。 カルボジィ ミ ド類としては、 DCC、 Ν, Ν'—ジィソプロピルカルポジィミ ド、 Ν—ェチルー Ν,一
(3—ジメチルァミノプロリル) カルポジイミドなどが用いられる。 これらによ る活性化にはラセミ化抑制添加剤 (例えば、 H0Bt、 HOOBt) とともに保護アミノ 酸を直接樹脂に添加する力 \ または、 対称酸無水物または HOBtエステルあるいは HOOBtエステルとしてあらかじめ保護アミノ酸の活性ィ匕を行なった後に樹脂に添 加することができる。
保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用いられる溶媒としては、 タンパク質 縮合反応に使用しうることが知られている溶媒から適宜選択されうる。 例えば、 Ν, Ν—ジメチルホルムアミ ド, Ν,Ν—ジメチルァセトアミ ド, Ν—メチルピロリ ド ンなどの酸アミド類、 塩化メチレン, クロ口ホルムなどのハロゲン化炭化水素類 、 トリフルォロエタノールなどのアルコール類、 ジメチルスルホキシドなどのス ルホキシド類、 ピリジン, ジォキサン, テトラヒドロフランなどのエーテル類、 ァセトニトリル, プロピオ二トリルなどの二トリル類、 酢酸メチル, 酢酸ェチル などのエステル類あるいはこれらの適宜の混合物などが用いられる。 反応温度は タンパク質結合形成反応に使用され得ることが知られている範囲から適宜選択さ れ、 通常約 _20°C〜50°Cの範囲から適宜選択される。 活性化されたアミノ酸誘導 体は通常 1. 5〜4倍過剰で用いられる。 ニンヒドリン反応を用いたテストの結果 、 縮合が不十分な場合には保護基の脱離を行うことなく縮合反応を繰り返すこと により十分な縮合を行なうことができる。 反応を繰り返しても十分な縮合が得ら れないときには、 無水酢酸またはァセチルイミダゾールを用いて未反応アミノ酸 をァセチル化することができる。
原料のァミノ基の保護基としては、 例えば、 Z、 Boc、 ターシャリーペンチルォ キシカルボニル、 イソボルニルォキシカルボニル、 4ーメ トキシベンジルォキシ カルボニル、 ci— Z、 Br— Z、 ァダマンチルォキシカルボニル、 トリフルォロアセ チノレ、 フタロイノレ、 ホノレミノレ、 2—二トロフエニルスノレフエュノレ、 ジフエニルホ スフイノチオイル、 Fmocなどが用いられる。
カルボキシル基は、 例えば、 アルキルエステルイ匕 (例えば、 メチル、 ェチル、 プロピノレ、 ブチ^ ターシャリーブチノレ、 シクロペンチノレ、 シクロへキシノレ、 シ クロへプチル、 シクロォクチル、 2—ァダマンチルなどの直鎖状、 分枝状もしく は環状アルキルエステル化) 、 ァラルキルエステルィヒ (例えば、 ベンジルエステ
ノレ、 4—ニトロべンジルエステノレ、 4ーメ トキシべンジルエステノレ、 4一クロ口べ ンジルエステル、 ベンズヒ ドリルエステ/レ化) 、 フエナシルエステル化、 ベンジ ルォキシカルボニルヒドラジド化、 ターシャリ一ブトキシカルボニルヒドラジド 化、 トリチノレヒドラジド化などによって保護することができる。
セリンの水酸基は、 例えば、 エステル化またはエーテル化によって保護するこ とができる。 このエステル化に適する基としては、 例えば、 ァセチル基などの低 級アルカノィル基、 ベンゾィル基などのァロイル基、 ベンジルォキシカルポニル 基、 エトキシカルボニル基などの炭酸から誘導される基などが用いられる。 また 、 エーテノレイヒに適する基としては、 例えば、 ベンジル基、 テトラヒドロビラニル 基、 t一プチル基などである。
チロシンのフエノール性水酸基の保護基としては、 例えば、 Bzl、 Cl2— Bzl、 2 —ニトロベンジル、 Br_Z、 ターシャリーブチルなどが用いられる。
ヒスチジンのイミダゾールの保護基としては、 例えば、 Tos、 4—メ トキシ一 2, 3, 6-トリメチルベンゼンスルホニル、 DNP、 ベンジルォキシメチル、 Bum, Boc 、 Trt、 Fmocなどが用いられる。
原料のカルボキシル基の活性ィ匕されたものとしては、 例えば、 対応する酸無水 物、 アジド、 活性エステル 〔アルコール (例えば、 ペンタクロロフエノーノレ、 2, 4, 5—トリクロ口フエノーノレ、 2, 4—ジニトロフエノーノレ、 シァノメチノレアノレコ ール、 パラ二トロフエノール、 H0NB、 N—ヒ ドロキシスクシミ ド、 N—ヒ ドロキシ フタルイミ ド、 HOBt) とのエステル〕 などが用いられる。 原料のァミノ基の活性 ィ匕されたものとしては、 例えば、 対応するリン酸アミドが用いられる。
保護基の除去 (脱離) 方法としては、 例えば、 Pd-黒あるいは Pd-炭素などの触 媒の存在下での水素気流中での接触還元や、 また、 無水フッ化水素、 メタンスル ホン酸、 トリフルォロメタンスルホン酸、 トリフルォロ酢酸あるいはこれらの混 合液などによる酸処理や、 ジイソプロピルェチルァミン、 トリェチルァミン、 ピ ペリジン、 ピぺラジンなどによる塩基処理、 また液体アンモニア中ナトリウムに よる還元なども用いられる。 上記酸処理による脱離反応は、 一般に約一 20°C〜40 °Cの温度で行なわれるが、 酸処理においては、 例えば、 ァニソール、 フエノール . チオアニソール、 メタクレゾーノレ、 パラクレゾーノレ、 ジメチルスルフィ ド、
1, 4一ブタンジチオール、 1, 2—エタンジチオールなどのようなカチオン捕捉剤の 添加が有効である。 また、 ヒスチジンのイミダゾーノレ保護基として用いられる 2, 4ージニトロフエニル基はチオフェノール処理により除去され、 トリプトファ ンのインドール保護基として用いられるホルミル基は上記の 1, 2—ェタンジチォ ール、 1, 4—ブタンジチオールなどの存在下の酸処理による脱保護以外に、 希水 酸化ナトリゥム溶液、 希アンモニアなどによるアルカリ処理によっても除去され る。
原料の反応に関与すべきでない官能基の保護ならびに保護基、 およびその保護 基の脱離、 反応に関与する官能基の活性化などは公知の基または公知の手段から 適宜選択しうる。
タンパク質のアミ ド体を得る別の方法としては、 例えば、 まず、 カルボキシ末 端アミノ酸の α—カルボキシル基をアミド化して保護した後、 アミノ基側にぺプ チド (タンパク質) 鎖を所望の鎖長まで延ばした後、 該ペプチド鎖の Ν末端の ーァミノ基の保護基のみを除いたタンパク質と C末端のカルボキシル基の保護基 のみを除去したタンパク質とを製造し、 この両タンパク質を上記したような混合 溶媒中で縮合させる。 縮合反応の詳細については上記と同様である。 縮合により 得られた保護タンパク質を精製した後、 上記方法によりすベての保護基を除去し 、 所望の粗タンパク質を得ることができる。 この粗タンパク質は既知の各種精製 手段を駆使して精製し、 主要画分を凍結乾燥することで所望のタンパク質のァミ ド体を得ることができる。
タンパク質のエステル体を得るには、 例えば、 カルボキシ末端アミノ酸の α— カルボキシル基を所望のアルコール類と縮合しアミノ酸エステルとした後、 タン パク質のアミド体と同様にして、 所望のタンパク質のエステル体を得ることがで さる。
本発明のタンパク質の部分ぺプチドまたはその塩は、 公知のぺプチドの合成法 に従って、 あるいは本発明のタンパク質を適当なぺプチダーゼで切断することに よって製造することができる。 ペプチドの合成法としては、 例えば、 固相合成法 、 液相合成法のいずれによっても良い。 すなわち、 本発明のタンパク質を構成し 得る部分べプチドもしくはァミノ酸と残余部分とを縮合させ、 生成物が保護基を
有する場合は保護基を脱離することにより目的のぺプチドを製造することができ る。 公知の縮合方法や保護基の脱離としては、 例えば、 以下の①〜⑤に記載され た方法が挙げられる。
(DM. Bodanszkyおよぴ M. A. 0ndetti、 ペプチド シンセシス (Peptide Synthesis) , Interscience Publishers, New York (1966年)
② Schroederおよぴ Luebke、 ザペプチド (The Peptide) , Academic Press, New York (1965年)
③泉屋信夫他、 ペプチド合成の基礎と実験、 丸善 (株) (1975年)
④矢島治明 および榊原俊平、 生化学実験講座 1、 蛋白質の化学 IV、 205、 (1977年)
⑤矢島治明監修、 続医薬品の開発第 14卷ペプチド合成広川書店
また、 反応後は通常の精製法、 例えば、 溶媒抽出 ·蒸留,カラムクロマトダラ フィー '液体クロマトグラフィー '再結晶などを組み合わせて本発明の部分ぺプ チドを精製単離することができる。 上記方法で得られる部分べプチドが遊離体で ある場合は、 公知の方法によって適当な塩に変換することができるし、 逆に塩で 得られた場合は、 公知の方法によって遊離体に変換することができる。
本発明のレセプタータンパク質をコードするポリヌクレオチドとしては、 上記 した本発明のレセプタータンパク質をコードする塩基配列 (D NAまたは R NA 、 好ましくは D NA) を含有するものであればいかなるものであってもよい。 該 ポリヌクレオチドとしては、 本発明のレセプタータンパク質をコードする D N A 、 mR NA等の R NAであり、 二本鎖であっても、 一本鎖であってもよい。 二本 鎖の場合は、 二本鎖 D NA、 二本鎖 R NAまたは D NA: R N Aのハイブリッド でもよい。 一本鎖の場合は、 センス鎖 (すなわち、 コード鎖) であっても、 アン チセンス鎖 (すなわち、 非コード鎖) であってもよい。
本発明のレセプタータンパク質をコードするポリヌクレオチドを用いて、 公知 の実験医学増刊 「新 P C Rとその応用」 15 (7)、 1997記載の方法またはそれに準 じた方法、 例えば、 TaqMan PCRなどの方法により、 本発明のレセプタータンパク 質の mR NAを定量することができる。
本発明のレセプタータンパク質をコードする D N Aとしては、 ゲノム D NA、
ゲノム D N Aライブラリー、 上記した細胞 ·糸且織由来の c D NA、 上記した細胞 •組織由来の c D N Aライプラリー、 合成 D N Aのいずれでもよい。 ライブラリ 一に使用するベクターは、 パクテリオファージ、 プラスミド、 コスミド、 ファー ジミドなどいずれであってもよい。 また、 上記した細胞 ·組織より total R N A または m R N A画分を調製したものを用いて直接 Reverse Transcriptase
Polymerase Chain Reaction (以下、 RT— PCR法と略称する) によって増幅するこ ともできる。
具体的には、 本発明のレセプタータンパク質をコードする D N Aとしては、 例 えば、 配列番号: 2で表わされる塩基配列を含有する D NA、 または配列番号: 2で表わされる塩基配列を有する D N Aとハイストリンジェントな条件下でハイ プリダイズする D N Aを有し、 本発明のレセプタータンパク質と実質的に同質の 活性 (例、 リガンド結合活性、 シグナル情報伝達作用など) を有するレセプター タンパク質をコードする D NAであれば何れのものでもよレ、。
配列番号: 2で表わされる塩基配列を有する D N Aとハイストリンジヱントな 条件下でハイブリダィズする D N Aとしては、 例えば、 配列番号: 2で表わされ る塩基配列と約 70%以上、 好ましくは約 80%以上、 より好ましくは約 90%以上、 さらに好ましくは約 95%以上の相同性を有する塩基配列を含有する D N Aなどが 用いられる。
ハイブリダィゼーシヨンは、 公知の方法あるいはそれに準じる方法、 例えば、 モレキュラー · クローニング (Molecular Cloning) 2 nd (J. Sambrook et al. , Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989) に記載の方法などに従って行なう ことができる。 また、 市販のライブラリーを使用する場合、 添付の使用説明書に 記載の方法に従って行なうことができる。 より好ましくは、 ハイストリンジェン トな条件に従って行なうことができる。
該ハイストリンジェントな条件とは、 例えば、 ナトリゥム濃度が約 19〜40 m M、 好ましくは約 19〜20 mMで、 温度が約 50〜70°C、 好ましくは約 60〜65°Cの 条件を示す。 特に、 ナトリウム濃度が約 19 mMで温度が約 65°Cの場合が最も好 ましい。
より具体的には、 配列番号: 1で表わされるァミノ酸配列を含有するレセプタ
一タンパク質をコードする D NAとしては、 配列番号: 2で表わされる塩基配列 を含有する D N Aなどが用いられる。
本発明のレセプタータンパク質をコードする D N Aの塩基配列の一部、 または 該 D NAと相補的な塩基配列の一部を含有してなるポリヌクレオチドとは、 下記 の本発明の部分ペプチドをコードする D N Aを包含するだけではなく、 R NAを も包含する意味で用いられる。
本発明に従えば、 Gタンパク質共役型レセプタータンパク質遺伝子の複製また は発現を阻害することのできるアンチセンス 'ポリヌクレオチド (核酸) を、 ク ローン化した、 あるいは決定された Gタンパク質共役型レセプタータンパク質を コードする D NAの塩基配列情報に基づき設計し、 合成しうる。 そうしたポリヌ クレオチド (核酸) は、 Gタンパク質共役型レセプタータンパク質遺伝子の R N Aとハイプリダイズすることができ、 該 R N Aの合成または機能を阻害すること ができる力、、 あるいは Gタンパク質共役型レセプタータンパク質関連 R NAとの 相互作用を介して Gタンパク質共役型レセプタ一タンパク質遺伝子の発現を調節 '制御することができる。 Gタンパク質共役型レセプタータンパク質関連 R N A の選択された配列に相補的なポリヌクレオチド、 および Gタンパク質共役型レセ プタータンパク質関連 R NAと特異的にハイブリダイズすることができるポリヌ クレオチドは、 生体内および生体外で Gタンパク質共役型レセプタータンパク質 遺伝子の発現を調節 ·制御するのに有用であり、 また病気などの治療または診断 に有用である。 また、 Gタンパク質共役型レセプタータンパク質遺伝子の 5 '端 ヘアピンループ、 5 '端 6—ベースペア ' リピート、 5,端非翻訳領域、 ポリぺプ チド翻訳開始コドン、 タンパク質コード領域、 0RF翻訳終止コドン、 3 '端非翻訳 領域、 3,端パリンドローム領域、 および 3,端ヘアピンループは好ましい対象領 域として選択しうるが、 Gタンパク質共役型レセプタータンパク質遺伝子内の如 何なる領域も対象として選択しうる。
目的核酸と、 対象領域の少なくとも一部に相捕的なポリヌクレオチドとの関係 、 即ち、 対象物とハイブリダィズすることができるポリヌクレオチドとの関係は 、 「アンチセンス」 であるということができる。 アンチセンス 'ポリヌクレオチ ドは、 2—デォキシー D—リポースを含有しているポリデォキシヌクレオチド、 D
ーリポースを含有しているポリヌクレオチド、 プリンまたはピリミジン塩基の N —ダリコシドであるその他のタイプのポリヌクレオチド、 あるいは非ヌクレオチ ド骨格を有するその他のポリマー (例えば、 市販のタンパク質核酸おょぴ合成配 列特異的な核酸ポリマー) または特殊な結合を含有するその他のポリマー (但し 、 該ポリマーは D NAや R N A中に見出されるような塩基のペアリングや塩基の 付着を許容する配置をもつヌクレオチドを含有する) などが挙げられる。 それら は、 二本鎖 D NA、 一本鎖 D NA、 二本鎖 R NA、 一本鎖 R NA、 さらに D NA : R N Aハイブリツドであることができ、 さらに非修飾ポリヌクレオチド (また は非修飾ォリゴヌクレオチド) 、 さらには公知の修飾の付加されたもの、 例えば 当該分野で知られた標識のあるもの、 キャップの付いたもの、 メチル化されたも の、 1個以上の天然のヌクレオチドを類縁物で置換したもの、 分子内ヌクレオチ ド修飾のされたもの、 例えば非荷電結合 (例えば、 メチルホスホネート、 ホスホ トリエステル、 ホスホルアミデート、 力ルバメートなど) を持つもの、 電荷を有 する結合または硫黄含有結合 (例えば、 ホスホロチォエート、 ホスホロジチォェ ートなど) を持つもの、 例えばタンパク質 (ヌクレアーゼ、 ヌクレア一ゼ 'イン ヒビター、 トキシン、 抗体、 シグナルぺプチド、 ポリ一 L一リジンなど) や糖 ( 例えば、 モノサッカライドなど) などの側鎖基を有しているもの、 インターカレ ント化合物 (例えば、 アタリジン、 ソラレン (psoralen) など) を持つもの、 キ レート化合物 (例えば、 金属、 放射活性をもつ金属、 ホウ素、 酸化性の金属など ) を含有するもの、 アルキルィヒ剤を含有するもの、 修飾された結合を持つもの ( 例えば、 aァノマー型の核酸など) であってもよい。 ここで 「ヌクレオシド」 、 「ヌクレオチド」 および 「核酸」 とは、 プリンおよびピリミジン塩基を含有する のみでなく、 修飾されたその他の複素環型塩基をもつようなものを含んでいて良 い。 こうした修飾物は、 メチル化されたプリンおょぴピリミジン、 ァシル化され たプリンおよびピリミジン、 あるいはその他の複素環を含むものであってよい。 修飾されたヌクレオチドぉよび修飾されたヌクレオチドはまた糖部分が修飾され ていてよく、 例えば、 1個以上の水酸基がハロゲンと力 \ 脂肪族基などで置換さ れていたり、 あるいはエーテル、 ァミンなどの官能基に変換されていてよい。 本発明のアンチセンス 'ポリヌクレオチド (核酸) は、 R NA、 D NA、 ある
いは修飾された核酸 (R NA、 D NA) である。 修飾された核酸の具体例として は核酸の硫黄誘導体ゃチォホスフェート誘導体、 そしてポリヌクレオシドアミ ド やオリゴヌクレオシドアミドの分解に抵抗性のものが挙げられるが、 それに限定 されるものではない。 本発明のアンチセンス核酸は次のような方針で好ましく設 計されうる。 すなわち、 細胞内でのアンチセンス核酸をより安定なものにする、 アンチセンス核酸の細胞透過性をより高める、 目標とするセンス鎖に対する親和 性をより大きなものにする、 そしてもし毒性があるならァンチセンス核酸の毒性 をより小さなものにする。
このような修飾は当該分野で数多く知られており、 例えば J. Kawakami et al. , Pharm Tech Japan, Vol. 8, pp. 247, 1992; Vol. 8, pp. 395, 1992 ; S. T. Crooke et a丄. ed., Ant is ens e Research and Applications, CRC Press, 1993 などに開示がある。
本発明のアンチセンス核酸は、 変化せしめられたり、 修飾された糖、 塩基、 結 合を含有していて良く、 リボゾーム、 ミクロスフヱァのような特殊な形態で供与 されたり、 遺伝子治療により適用されたり、 付加された形態で与えられることが できうる。 こうして付加形態で用いられるものとしては、 リン酸基骨格の電荷を 中和するように働くポリリジンのようなポリカチオン体、 細胞膜との相互作用を 高めたり、 核酸の取込みを増大せしめるような脂質 (例えば、 ホスホリピド、 コ レステロールなど) といった疎水性のものが挙げられる。 付加するに好ましレ、脂 質としては、 コレステロールやその誘導体 (例えば、 コレステリルクロ口ホルメ ート、 コーノレ酸など) が挙げられる。 こうしたものは、 核酸の 3 '端あるいは 5 ' 端に付着させることができ、 塩基、 糖、 分子内ヌクレオシド結合を介して付着さ せることができうる。 その他の基としては、 核酸の 3 '端あるいは 5 '端に特異的 に配置されたキャップ用の基で、 ェキソヌクレアーゼ、 R N a s eなどのヌクレ ァーゼによる分解を阻止するためのものが挙げられる。 こうしたキャップ用の基 としては、 ポリエチレングリコール、 テトラエチレングリコールなどのグリコー ルをはじめとした当該分野で知られた水酸基の保護基が挙げられるが、 それに限 定されるものではない。
アンチセンス核酸の阻害活性は、 本発明の形質転換体、 本発明の生体内や生体
外の遺伝子発現系、 あるいは Gタンパク質共役型レセプタータンパク質の生体内 や生体外の翻訳系を用いて調べることができる。 該核酸は、 公知の各種の方法で 細胞に適用できる。
本発明の部分べプチドをコ一ドする DNAとしては、 上記した本発明の部分ぺ プチドをコ一ドする塩基配列を含有するものであればいかなるものであってもよ レ、。 また、 ゲノム DNA、 ゲノム DNAライブラリー、 上記した細胞 '組織由来 の cDNA、 上記した細胞 ·組織由来の c DNAライブラリー、 合成 DNAのい ずれでもよい。 ライブラリーに使用するベクターは、 バタテリオファージ、 ブラ スミ ド、 コスミ ド、 ファージミドなどいずれであってもよレ、。 また、 上記した細 胞 ·組織より mRNA画分を調製したものを用いて直接 RT— PCR法によって増幅 することもできる。
具体的には、 本発明の部分ペプチドをコードする DNAとしては、 例えば、 ( 1) 配列番号: 2で表わされる塩基配列を有する DN Aの部分塩基配列を有する DNA、 または (2) 配列番号: 2で表わされる DNAとハイス トリンジェント な条件下でハイブリダィズする DNAを有し、 本発明のタンパク質ペプチドと実 質的に同質の活性 (例、 リガンド結合活性、 シグナル情報伝達作用など) を有す るタンパク質をコードする D N Aの部分塩基配列を有する D N Aなどが用いられ る。
配列番号: 2で表わされる DNAとハイストリンジェントな条件でハイブリダ ィズする DN Aとしては、 例えば、 配列番号: 2で表わされる塩基配列と約 70% 以上、 好ましくは約 80%以上、 より好ましくは約 90%以上、 さらに好ましくは約 95%以上の相同性を有する塩基配列を含有する DN Aなどが用いられる。
本発明のレセプタータンパク質またはその部分ペプチド (以下、 本発明のレセ プタータンパク質と略記する場合がある) を完全にコードする DNAのクロー二 ングの手段としては、 本発明のぺプチドをコ一ドする DN Aの塩基配列の部分塩 基配列を有する合成 DN Aプライマーを用いて PC R法によって増幅するカ ま たは適当なベクターに組み込んだ D N Aを本発明のレセプタータンパク質の一部 あるいは全領域をコードする DNA断片もしくは合成 DNAを用いて標識したも のとのハイプリダイゼーシヨンによつて選別することができる。 ハイブリダイゼ
ーシヨンの方法は、 例えば、 モレキュラー 'クローニング (Molecular Cloning ) 2nd (J. Sambrook et al. , Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989) に記載の 方法などに従って行なうことができる。 また、 市販のライブラリーを使用する場 合、 添付の使用説明書に記載の方法に従って行なうことができる。
D N Aの塩基配列の置換は、 P C Rや公知のキット、 例えば、 Mutan™— super Express Km (宝酒造 (株) ) 、 MutanTM_K (宝酒造 (株) ) 等を用いて、 0DA— LA PCR法、 gapped duplex法、 Kunkel法等の公知の方法あるいはそれらに準じる 方法に従って行なうことができる。
クローンィ匕されたレセプタータンパク質をコードする D NAは目的によりその まま、 または所望により制限酵素で消化したり、 リンカ一を付加したりして使用 することができる。 該 D N Aはその 5 '末端側に翻訳開始コドンとしての A T G を有し、 また 3 '末端側には翻訳終止コドンとしての T AA、 T G Aまたは T A Gを有していてもよい。 これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは、 適当な合 成 D N Aアダプターを用いて付加することもできる。
本発明のレセプタータンパク質の発現ベクターは、 例えば、 (ィ) 本発明のレ セプタータンパク質をコードする D NAを含む、 例えば c D NAから目的とする D NA断片を切り出し、 (口) 該 D NA断片を適当な発現ベクター中のプロモー ターの下流に連結することにより製造することができる。
ベクターとしては、 大腸菌由来のプラスミド (例、 pCR4、 pCR2. 1、 pBR322、 pBR325、 pUC12、 pUC13) 、 枯草菌由来のプラスミド (例、 pUB110、 pTP5、 pC194 ) 、 酵母由来プラスミド (例、 pSH19、 pSH15) 、 λファージなどのパクテリオフ ァ一ジ、 レトロウイルス、 ワクシニアウィルス、 バキュロウイノレスなどの動物ゥ ィルスなどの他、 pAl-11, pXTl、 pRc/CMV, pRc/RSV、 pcDNAI/Neoなどが用いられ る。
本発明で用いられるプロモーターとしては、 遺伝子の発現に用いる宿主に対応 して適切なプロモーターであればいかなるものでもよい。 例えば、 動物細胞を宿 主として用いる場合は、 S R aプロモーター、 S V 4 0プロモーター、 L T Rプ 口モーター、 CMVプロモーター、 HSV-TKプロモーターなどが挙げられる。 これらのうち、 CMVプロモーター、 S R αプロモーターなどを用いるのが好
ましい。 宿主がェシエリヒア属菌である場合は、 trpプロモーター、 lacプロモー ター、 recAプロモーター、 ; L PLプロモーター、 lppプロモーターなどが、 宿主が バチルス属菌である場合は、 SP01プロモーター、 SP02プロモーター、 penPプロモ 一ターなど、 宿主が酵母である場合は、 PH05プロモーター、 P G Kプロモーター 、 G A Pプロモーター、 AD Hプロモーターなどが好ましい。 宿主が昆虫細胞で ある場合は、 ポリヘド ンプロモータ一、 P 1 0プロモーターなどが好ましい。 発現ベクターには、 以上の他に、 所望によりェンハンサー、 スプライシングシ ダナル、 ポリ A付加シグナル、 選択マーカー、 S V 4 0複製オリジン (以下、 S V 4 O oriと略称する場合がある) などを含有しているものを用いることができ る。 選択マーカーとしては、 例えば、 ジヒドロ葉酸還元酵素 (以下、 dhfrと略称 する場合がある) 遺伝子 〔メソトレキセート (MT X) 耐性〕 、 アンピシリン耐 性遺伝子 (以下、 Amprと略称する場合がある) 、 ネオマイシン耐性遺伝子 (以下 、 Neorと略称する場合がある、 G418耐性) 等が挙げられる。 特に、 C H O (dhfr -) 細胞を用いて dhfr遺伝子を選択マーカーとして使用する場合、 チミジンを含 まない培地によっても目的遺伝子を選択できる。
また、 必要に応じて、 宿主に合ったシグナノレ配列を、 本発明のレセプタータン パク質の N端末側に付加する。 宿主がェシエリヒア属菌である場合は、 PhoA 'シ グナル配列、 OmpA ·シグナル配列などが、 宿主がバチルス属菌である場合は、 α —アミラーゼ ·シグナル配列、 サブチリシン ·シグナル配列などが、 宿主が酵母 である場合は、 MF o; ·シグナル配列、 SUC2 -シグナル配列など、 宿主が動物細胞 である場合には、 ィンシュリン ·シグナル配列、 aーィンターフェロン ·シグナ ル配列、 抗体分子 · シグナル配列などがそれぞれ利用できる。
このようにして構築された本発明のレセプタータンパク質をコードする D N A を含有するベクターを用いて、 形質転換体を製造することができる。
宿主としては、 例えば、 ェシエリヒア属菌、 バチノレス属菌、 酵母、 昆虫細胞、 昆虫、 動物細胞などが用いられる。 .
ェシェリヒア属菌の具体例としては、 ェシェリヒア 'コリ (Escherichia coli ) K12 · DH1 〔プロシージングズ ·ォプ ·ザ ·ナショナル ·アカデミー ·ォブ ·サ イエンシィズ'ォブ.ザ.ユーエスエー (Proc. Natl. Acad. Sci. USA) , 60卷
, 160 (1968)〕 , JM103 〔ヌクイレック · ァシッズ · リサーチ, (Nucleic Acids Research) , 9卷, 309 (1981)〕 , JA221 〔ジャーナル'ォブ 'モレキュラー 'パ ィォロジー (Journal of Molecular Biology) 〕 , 120卷, 517 (1978)〕 , HB101 〔ジャーナル'ォブ 'モレキュラー 'バイオロジー, 41卷, 459 (1969)〕 , C600 〔ジェネティックス (Genetics) , 39卷, 440 (1954)〕 , DH5 a [Inoue, H. , Nojima, Η. and Okayama, H. , Gene, 96, 23-28 (1990)〕 , DH10B 〔プロシージ ングズ ·ォブ ·ザ ·ナショナノレ ·アカデミー ·ォブ ·サイェンシィズ ·ォブ ·ザ • ユーエスエー (proc. Natl. Acad. Sci. USA) , 87卷, 4645— 4649 (1990)〕 などが用いられる。
バチルス属菌としては、 例えば、 バチルス 'ズブチルス (Bacillus subtilis ) MI 114 〔ジーン, 24卷, 255 (1983)〕 , 207—21 〔ジャーナル'ォプ 'バイオケ ミストリー (Journal of Biochemistry) , 95卷, 87 (1984)〕 などが用いられる 酵母としては、 例えば、 サッカロマイセス セレビシェ (Saccharomyces cerevisiae) AH22、 AH22R、 NA87- 11A、 DKD- 5D、 20B- 12、 シゾサッカロマイセス ボンべ (Schizosaccharomyces pombe) NCYC1913、 NCYC2036、 ピキア パストリ ス (Pichia pastoris) などが用いられる。
昆虫細胞としては、 例えば、 ウィルスが AcNPVの場合は、 ョトウガの幼虫由来 株化細胞 (Spodoptera frugiperda cell ; Sf細胞) 、 Trichoplusia niの中腸由 来の MG1細胞、 Trichoplusia niの卵由来の High Five™細胞、 Mamestra brassicae由来の細胞または Estigmena acrea由来の細胞などが用いられる。 ウイ ルスカ SBmNPVの場合は、 カイコ由来株化細胞 (Bombyx mori N; BmN細胞) などが 用いられる。 該 Sf細胞としては、 例えば、 Sf9細胞 (ATCC CRL1711) 、 Sf21細胞 (以上、 Vaughn, J.しら、 イン 'ヴイボ (In Vivo) , 13, 213-217 (1977) ) な どが用いられる。
昆虫としては、 例えば、 カイコの幼虫などが用いられる 〔前田ら、 ネイチヤー (Nature) , 315卷, 592 (1985)〕 。
動物細胞としては、 例えば、 サル細胞 COS- 7、 Vero、 チャイニーズハムスター 細胞 C H O (以下、 C H O細胞と略記) 、 dhfr遺伝子欠損チャイニーズハムスタ
一細胞 C H O (以下、 C H O (dhfr— ) 細胞と略記) 、 マウス L細胞, マウス AtT - 20、 マウスミエローマ細胞、 ラット GH 3、 ヒ ト F L細胞などが用いられる ェシェリヒア属菌を形質転換するには、 例えば、 プロシージングズ ·ォブ ·ザ ·ナショナノレ ·アカデミー ·ォブ ·サイェンジィズ ·ォブ ·ザ ·ユーエスエー ( Proc. Natl. Acad. Sci. USA) , 69卷, 2110 (1972)やジーン (Gene) , 17卷, 107 (1982)などに記載の方法に従つて行なうことができる。
バチルス属菌を形質転換するには、 例えば、 モレキュラー 'アンド 'ジエネラ ノレ 'ジェネティックス (Molecular & General Genetics) , 168卷, 111 (1979) などに記載の方法に従って行なうことができる。
酵母を形質転換するには、 例えば、 メッソズ'イン 'ェンザィモロジ一 ( Methods in Enzyraology) , 194卷, 182—187 (1991) 、 プロシージングズ 'ォブ •ザ ·ナショナル ·アカデミー ·ォブ ·サイェンシィズ ·ォブ ·ザ ·ユーエスェ 一 (Proc. Natl. Acad. Sci. USA) , 75卷, 1929 (1978)などに記載の方法に従 つて行なうことができる。
昆虫細胞または昆虫を形質転換するには、 例えば、 バイオ/テクノロジー ( Bio/Technology) , 6, 47-55 (1988) )などに記載の方法に従って行なうことがで さる。
動物細胞を形質転換するには、 例えば、 細胞工学別冊 8 新細胞工学実験プロ トコール. 263— 267 (1995) (秀潤社発行) 、 ヴイロロジー (Virology) , 52卷 , 456 (1973)に記載の方法に従って行なうことができる。
このようにして、 Gタンパク質共役型レセプタータンパク質をコードする D N Aを含有する発現べクタ一で形質転換された形質転換体が得られる。
宿主がェシエリヒア属菌、 バチルス属菌である形質転換体を培養する際、 培養 に使用される培地としては液体培地が適当であり、 その中には該形質転換体の生 育に必要な炭素源、 窒素源、 無機物その他が含有せしめられる。 炭素源としては 、 例えば、 グルコース、 デキストリン、 可溶性澱粉、 ショ糖など、 窒素源として は、 例えば、 アンモニゥム塩類、 硝酸塩類、 コーンスチープ' リカ^"、 ペプトン 、 カゼイン、 肉エキス、 大豆粕、 バレイショ抽出液などの無機または有機物質、
無機物としては、 例えば、 塩ィヒカルシウム、 リン酸二水素ナトリウム、 塩化マグ ネシゥムなどが挙げられる。 また、 酵母エキス、 ビタミン類、 生長促進因子など を添加してもよレ、。 培地の p Hは約 5〜 8が望ましい。
ェシエリヒア属菌を培養する際の培地としては、 例えば、 グルコース、 カザミ ノ酸を含む M9培地 〔ミラー (Miller) , ジャーナル ·ォブ 'エタスぺリメンッ . イン ·モレキュラー · シエネティックス (Journal of Experiments in
Molecular Genetics) , 431—433, Cold Spring Harbor Laboratory, New York 1972〕 が好ましい。 ここに必要によりプロモーターを効率よく働かせるために、 例えば、 3 ]3—インドリノレ アクリル酸のような薬剤を加えることができる。 宿主がェシェリヒァ属菌の場合、 培養は通常約 15〜43°Cで約 3〜24時間行ない 、 必要により、 通気や撹拌を加えることもできる。
宿主がバチルス属菌の場合、 培養は通常約 30〜40°Cで約 6〜24時間行ない、 必 要により通気や撹拌を加えることもできる。
宿主が酵母である形質転換体を培養する際、 培地としては、 例えば、 バークホ 一ルダー (Burkholder) 最小培地 〔Bostian, K. L. ら、 「プロシージングズ' ォブ ·ザ ·ナショナル 'アカデミー 'ォブ ·サイェンシィズ ·ォブ ·ザ ·ユーェ スエー (pro Natl. Acad. Sci. USA) , 77卷, 4505 (1980)」 や 0. 5%カザミノ 酸を含有する S D培地 〔Bitter, G. A. ら、 「プロシージングズ'ォブ 'ザ 'ナ ショナル ·アカデミー ·ォブ ·サイェンシィズ ·ォブ ·ザ ·ユーエスエー ( Proc. Natl. Acad. Sci. USA) , 81卷, 5330 (1984) 」 が挙げられる。 培地の p Hは約 5〜 8に調整するのが好ましい。 培養は通常約 20°C〜35°Cで約 24〜72時間 行ない、 必要に応じて通気や撹拌を加える。
宿主が昆虫細胞または昆虫である形質転換体を培養する際、 培地としては、 Grace' s Insect Medium (Grace, T. C. C., ネイチヤー (Nature) , 195, 788 (1962) ) に非動化した 10%ゥシ血清等の添加物を適宜加えたものなどが用いられ る。 培地の p Hは約 6. 2〜6. 4に調整するのが好ましレ、。 培養は通常約 27°Cで約 3 〜 5日間行ない、 必要に応じて通気や撹拌を加える。
宿主が動物細胞である形質転換体を培養する際、 培地としては、 例えば、 約 5 〜20%の胎児牛血清を含む MEM培地 〔サイエンス (Science) , 122卷, 501
(1952) ] , DMEM培地 〔ヴイロロジー (Virology) , 8卷, 396 (1959)〕 , R P M I 1640培地 〔ジャーナル ·ォブ ·ザ ·アメリカン ·メディカル ·ァソシェ ーシヨン (The Journal of the American Medical Association) 199^, 519 (1967) ] , 199培地 〔プロシージング ·ォブ ·ザ · ソサイエティ ·フォー 'ザ ' / ィ才ロジカノレ ·メテイスン (Proceeding of the Society for the Biological Medicine) , 73卷, 1 (1950)〕 などが用いられる。 p Hは約 6〜 8であるのが 好ましい。 培養は通常約 30°C〜40°Cで約 15〜60時間行ない、 必要に応じて通気や 撹拌を加える。
以上のようにして、 形質転換体の細胞内、 細胞膜または細胞外に本発明の Gタ ンパク質共役型レセプタータンパク質を生成せしめることができる。
上記培養物から本発明のレセプタータンパク質を分離精製するには、 例えば、 下記の方法により行なうことができる。
本発明のレセプタータンパク質を培養菌体あるいは細胞から抽出するに際して は、 培養後、 公知の方法で菌体あるいは細胞を集め、 これを適当な緩衝液に懸濁 し、 超音波、 リゾチームおよび/または凍結融解などによって菌体あるいは細胞 を破壌したのち、 遠心分離やろ過によりレセプタータンパク質の粗抽出液を得る 方法などが適宜用いられる。 緩衝液の中に尿素や塩酸グァ二ジンなどのタンパク 質変性剤や、 トリ トン X— 100™などの界面活性剤が含まれていてもよレ、。 培養液 中にレセプタータンパク質が分泌される場合には、 培養終了後、 公知の方法で菌 体あるいは細胞と上清とを分離し、 上清を集める。
このようにして得られた培養上清、 あるいは抽出液中に含まれるレセプタータ ンパク質の精製は、 公知の分離 ·精製法を適切に組み合わせて行なうことができ る。 これらの公知の分離、 精製法としては、 塩析ゃ溶媒沈澱法などの溶解度を利 用する方法、 透析法、 限外ろ過法、 ゲルろ過法、 および S D S—ポリアクリルァ ミ ドゲル電気泳動法などの主として分子量の差を利用する方法、 イオン交換クロ マトグラフィーなどの荷電の差を利用する方法、 ァフィ二ティーク口マトグラフ ィーなどの特異的親和性を利用する方法、 逆相高速液体ク口マトグラフィーなど の疎水性の差を利用する方法、 等電点電気泳動法などの等電点の差を利用する方 法などが用いられる。
このようにして得られるレセプタータンパク質が遊離体で得られた場合には、 公知の方法あるいはそれに準じる方法によって塩に変換することができ、 逆に塩 で得られた場合には公知の方法あるいはそれに準じる方法により、 遊離体または 他の塩に変換することができる。
なお、 組換え体が産生するレセプタ^ "タンパク質を、 精製前または精製後に適 当なタンパク修飾酵素を作用させることにより、 任意に修飾を加えたり、 ポリべ プチドを部分的に除去することもできる。 タンパク修飾酵素としては、 例えば、 トリプシン、 キモトリプシン、 T レギニルェンドぺプチダーゼ、 プロテインキナ ーゼ、 グリコシダーゼなどが用いられる。
このようにして生成する本発明のレセプタータンパク質またはその塩の活性は
、 標識したリガンドとの結合実験およぴ特異抗体を用いたェンザィムィムノアツ セィなどにより測定することができる。
本発明のレセプタータンパク質もしくはその部分ぺプチドまたはその塩に対す る抗体は、 本発明のレセプタータンパク質もしくはその部分べプチドまたはその 塩を認識し得る抗体であれば、 ポリクローナル抗体、 モノクローナル抗体の何れ であってもよい。
本発明のレセプタータンパク質もしくはその部分べプチドまたはその塩 (以下 、 本発明のレセプタータンパク質等と略記する場合がある) に対する抗体は、 本 発明のレセプタータンパク質等を抗原として用い、 公知の抗体または抗血清の製 造法に従つて製造することができる。
〔モノクローナル抗体の作製〕
(a) モノクローナル抗体産生細胞の作製
本発明のレセプタータンパク質等は、 哺乳動物に対して投与により抗体産生が 可能な部位にそれ自体あるいは担体、 希釈剤とともに投与される。 投与に際して 抗体産生能を高めるため、 完全フロイントアジュバントや不完全フロイントアジ ュバントを投与してもよい。 投与は通常 2〜 6週毎に 1回ずつ、 計 2〜10回程度 行なわれる。 用いられる哺乳動物としては、 例えば、 サル、 ゥサギ、 ィヌ、 モル モット、 マウス、 ラッ ト、 ヒッジ、 ャギが挙げられるが、 マウスおよびラットが 好ましく用いられる。
モノクローナル抗体産生細胞の作製に際しては、 抗原を免疫された温血動物、 例えば、 マウスから抗体価の認められた個体を選択し最終免疫の 2〜 5日後に脾 臓またはリンパ節を採取し、 それらに含まれる抗体産生細胞を骨髄腫細胞と融合 させることにより、 モノクローナル抗体産生ハイプリ ドーマを調製することがで きる。 抗血清中の抗体価の測定は、 例えば、 後記の標識化レセプタータンパク質 等と抗血清とを反応させたのち、 抗体に結合した標識剤の活性を測定することに より行なうことができる。 融合操作は既知の方法、 例えば、 ケーラーとミルスタ インの方法 〔ネイチヤー (Nature) 、 256卷、 495頁 (1975年) 〕 に従い実施する ことができる。 融合促進剤としては、 例えば、 ポリエチレングリコール ( P E G ) やセンダイウィルスなどが挙げられる力 好ましくは P E Gが用いられる。 骨髄腫細胞としては、 例えば、 NS- 1、 P3U1、 SP2/0などが挙げられるが、 P3U1 が好ましく用いられる。 用いられる抗体産生細胞 (脾臓細胞) 数と骨髄腫細胞数 との好ましい比率は 1 : 1〜20: 1程度であり、 P E G (好ましくは、 PEG1000 〜PEG6000) が 10〜80%程度の濃度で添加され、 約 20〜40°C、 好ましくは約 30〜 37°Cで約 1〜: 10分間ィンキュベートすることにより効率よく細胞融合を実施でき る。
モノクローナル抗体産生ハイブリ ドーマのスクリーユングには種々の方法が使 用できるが、 例えば、 レセプタータンパク質等の抗原を直接あるいは担体ととも に吸着させた固相 (例、 マイクロプレート) にハイプリドーマ培養上清を添カロし 、 次に放射性物質や酵素などで標識した抗免疫グロブリン抗体 (細胞融合に用い られる細胞がマウスの場合、 抗マウス免疫グロブリン抗体が用いられる) または プロテイン Aを加え、 固相に結合したモノクローナル抗体を検出する方法、 抗免 疫グロブリン抗体またはプロティン Aを吸着させた固相にハイプリ ドーマ培養上 清を添加し、 放射性物質や酵素などで標識したレセプタータンパク質等を加え、 固相に結合したモノクローナル抗体を検出する方法などが挙げられる。
モノクローナル抗体の選別は、 公知あるいはそれに準じる方法に従つて行なう ことができるが、 通常は HA T (ヒポキサンチン、 アミノプテリン、 チミジン) を添加した動物細胞用培地などで行なうことができる。 選別および育種用培地と しては、 ハイブリ ドーマが生育できるものならばどのような培地を用いても良い
。 例えば、 1〜20%、 好ましくは 10〜20%の牛胎児血清を含む R P M I 1640培 地、 1〜: 10%の牛胎児血清を含む G I T培地 (和光純薬工業 (株) ) またはハイ プリドーマ培養用無血清培地 (SFM- 101、 日水製薬 (株) ) などを用いることが できる。 培養温度は、 通常 20〜40°C、 好ましくは約 37°Cである。 培養時間は、 通 常 5日〜 3週間、 好ましくは 1週間〜 2週間である。 培養は、 通常 5 %炭酸ガス 下で行なうことができる。 ハイプリ ドーマ培養上清の抗体価は、 上記の抗血清中 の抗体価の測定と同様にして測定できる。
(b) モノクローナル抗体の精製
モノクローナル抗体の分離精製は、 通常のポリクローナル抗体の分離精製と同 様に免疫グロプリンの分離精製法 〔例、 塩析法、 アルコール沈殿法、 等電点沈殿 法、 電気泳動法、 イオン交換体 (例、 D E A E) による吸脱着法、 超遠心法、 ゲ ルろ過法、 抗原結合固相またはプロテイン Aあるいはプロテイン Gなどの活性吸 着剤により抗体のみを採取し、 結合を解離させて抗体を得る特異的精製法〕 に従 つて行なうことができる。
〔ポリクローナル抗体の作製〕
本発明のポリクローナル抗体は、 公知あるいはそれに準じる方法にしたがって 製造することができる。 例えば、 免疫抗原 (本発明のタンパク質等の抗原) とキ ャリア一タンパク質との複合体をつくり、 上記のモノクローナル抗体の製造法と 同様に哺乳動物に免疫を行ない、 該免疫動物から本発明のレセプタータンパク質 等に対する抗体含有物を採取して、 抗体の分離精製を行なうことにより製造でき る。
哺乳動物を免疫するために用いられる免疫抗原とキャリアータンパク質との複 合体に関し、 キャリアータンパク質の種類おょぴキャリアーとハプテンとの混合 比は、 キヤリァ一に架橋させて免疫したハプテンに対して抗体が効率良くできれ ば、 どの様なものをどの様な比率で架橋させてもよいが、 例えば、 ゥシ血清アル ブミン、 ゥシサイログロプリン、 キーホーノレ ' リンペット 'へモシァニン等を重 量比でハプテン 1に対し、 約 0. 1〜20、 好ましくは約 1〜5の割合でカプルさせる 方法が用いられる。
また、 ハプテンとキャリアーの力プリングには、 種々の縮合剤を用いることが
できるが、 ダルタルアルデヒ ドゃカルポジイミ ド、 マレイミ ド活性エステル、 チ オール基、 ジチォビリジル基を含有する活性ェステル試薬等が用レヽられる。 縮合生成物は、 温血動物に対して、 抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは 担体、 希釈剤とともに投与される。 投与に際して抗体産生能を高めるため、 完全 フロイントアジュバントや不完全フロイントアジュパントを投与してもよい。 投 与は、 通常約 2〜 6週毎に 1回ずつ、 計約 3〜10回程度行なうことができる。 ポリクローナル抗体は、 上記の方法で免疫された哺乳動物の血液、 腹水など、 好ましくは血液から採取することができる。
抗血清中のポリク口ーナル抗体価の測定は、 上記の血清中の抗体価の測定と同 様にして測定できる。 ポリクローナル抗体の分離精製は、 上記のモノクローナル 抗体の分離精製と同様の免疫グロブリンの分離精製法に従って行なうことができ る。
本発明のレセプタータンパク質またはその塩、 その部分べプチドまたはその塩
、 および該レセプタータンパク質またはその部分ぺプチドをコ一ドする D NAは 、 (1) 本発明の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質に対するリガンド ( ァゴニスト) の決定、 (2) 本発明の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質 の機能不全に関連する疾患の予防および/または治療剤、 (3) 遺伝子診断剤、 (4) 本発明のレセプタータンパク質またはその部分ぺプチドの発現量を変化さ せる化合物のスクリーニング方法、 (5) 本発明のレセプタータンパク質または その部分べプチドの発現量を変化させる化合物を含有する各種疾病の予防および Zまたは治療剤、 (6) 本発明の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質に対 するリガンドの定量法、 (7) 本発明の Gタンパク質共役型レセプタータンパク 質とリガンドとの結合性を変化させる化合物 (ァゴ二スト、 アンタゴニストなど ) のスクリーユング方法、 (8) 本発明の Gタンパク質共役型レセプタータンパ ク質とリガンドとの結合性を変化させる化合物 (ァゴニスト、 アンタゴニスト) を含有する各種疾病の予防および/または治療剤、 (9) 本発明のレセプタータ ンパク質もしくはその部分ぺプチドまたはその塩の定量、 (10) 細胞膜における 本発明のレセプタータンパク質またはその部分ペプチドの量を変化させる化合物 のスクリーニング方法、 (11) 細胞膜における本発明のレセプタータンパク質ま
たはその部分ペプチドの量を変化させる化合物を含有する各種疾病の予防および ノまたは治療剤、 (12) 本発明のレセプタータンパク質もしくはその部分べプチ ドまたはその塩に対する抗体による中和、 (13) 本発明の Gタンパク質共役型レ セプタータンパク質をコードする D NAを有する非ヒ トトランスジエニック動物 の作製などに用いることができる。
特に、 本発明の組換え型 Gタンパク質共役型レセプタータンパク質の発現系を 用いたレセプター結合アツセィ系を用いることによって、 ヒ トゃ非ヒ ト哺乳動物 に特異的な Gタンパク質共役型レセプターに対するリガンドの結合性を変化させ る化合物 (例、 ァゴニスト、 アンタゴニストなど) をスクリーニングすることが でき、 該ァゴニストまたはアンタゴニストを各種疾病の予防 ·治療剤などとして 使用することができる。
本発明のレセプタータンパク質もしくは部分ペプチドまたはその塩 (以下、 本 発明のレセプタータンパク質等と略記する場合がある) 、 本発明のレセプタータ ンパク質またはその部分ペプチドをコードする D N A (以下、 本発明の D NAと 略記する場合がある) および本発明のレセプタータンパク質等に対する抗体 (以 下、 本発明の抗体と略記する場合がある) の用途について、 以下に具体的に説明 する。
(1) 本発明の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質に対するリガンド ( ァゴエスト) の決定
本発明のレセプタータンパク質もしくはその塩または本発明の部分ぺプチドも しくはその塩は、 本発明のレセプタータンパク質またはその塩に対するリガンド (ァゴ二スト) を探索し、 または決定するための試薬として有用である。
すなわち、 本発明は、 本発明のレセプタ一タンパク質もしくはその塩または本 発明の部分ペプチドもしくはその塩と、 試験化合物とを接触させることを特徴と する本発明のレセプタータンパク質に対するリガンドの決定方法を提供する。 試験化合物としては、 公知のリガンド (例えば、 アンギオテンシン、 ボンべシ ン、 カナビノイド、 コレシストキニン、 グルタミン、 セロトニン、 メラトニン、 ニューロペプチド γ、 ォピオイド、 プリン、 バソプレツシン、 ォキシトシン、 ρ
271
38
ACAP (例、 PACAP 27、 PACAP 38) 、 セクレチン、 グノレ力ゴン、 カルシトニン、 アドレノメジユリン、 ソマトスタチン、 GHRH、 CRF、 AC TH、 GRP、 PTH、 V I P (バソアクティブ インテスティナル アンド リレイテッド ポリペプチド) 、 ソマトスタチン、 ドーパミン、 モチリン、 アミ リン、 ブラジキニン、 CGRP (カルシトユンジーンリレーティッドペプチド) 、 ロイコトリェン、 パンクレアスタチン、 プロスタグランジン、 トロンボキサン 、 アデノシン、 アドレナリン、 ケモカインスーパーファミリー (例、 IL- 8、 GR Oa、 GRO/3、 GROv、 NAP— 2、 ENA- 78、 GCP-2、 PF4、 IP-10、 Mig、
PBSF/SDF- 1などの CXCケモカインサブファミリ一; MCAF/MCP- 1、 MCP- 2、 MCP-3 、 MCP - 4、 eotaxin、 画 TES、 MIP- 1 α、 ΜΙΡ-1 β , HCC- 1、 ΜΙΡ- 3 a /LARC、 ΜΙΡ-3 β /ELC、 1-309、 TARC、 MIPF- 1、 MIPF- 2/eotaxin- 2、 DC、 DC- CK1/PARC、 SLCなどの CCケモカインサブフアミリー; lymphotactinなどの Cケモカインサブファミリ 一; fractalkineなどの CX 3ケモカインサブファミリ一等) 、 エンドセリン、 ェンテロガストリン、 ヒスタミン、 ニューロテンシン、 TRH、 パンクレアティ ックポリぺプタイド、 ガラニン、 リゾホスファチジン酸 (LPA) 、 スフインゴ シン 1—リン酸など) の他に、 例えば、 ヒ トまたは非ヒト哺乳動物 (例えば、 マ ウス、 ラット、 プタ、 ゥシ、 ヒッジ、 サルなど) の組織抽出物、 細胞培養上清な どが用いられる。 例えば、 該組織抽出物、 細胞培養上清などを本発明のレセプタ 一タンパク質に添加し、 細胞刺激活性などを測定しながら分画し、 最終的に単一 のリガンドを得ることができる。
具体的には、 本発明のリガンド決定方法は、 本発明のレセプタータンパク質も しくはその部分ペプチドもしくはその塩を用いるか、 または組換え型レセプター タンパク質の発現系を構築し、 該発現系を用いたレセプター結合アツセィ系を用 いることによって、 本発明のレセプタータンパク質に結合して細胞刺激活性 (例 えば、 ァラキドン酸遊離、 アセチルコリン遊離、 細胞内 Ca2+遊離、 細胞内 cAMP生 成、 細胞内 cGMP生成、 イノシトールリン酸産生、 細胞膜電位変動、 細胞内タンパ ク質のリン酸化、 c - fos活性化、 pHの低下などを促進する活性または抑制する 活性) を有する化合物 (例えば、 ペプチド、 タンパク質、 非ペプチド†生ィヒ合物、 合成化合物、 発酵生産物など) またはその塩を決定する方法である。
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39 本発明のリガンド決定方法においては、 本発明のレセプタータンパク質または その部分ペプチドと試験化合物とを接触させた場合の、 例えば、 該レセプタータ ンパク質または該部分ぺプチドに対する試験化合物の結合量や、 細胞刺激活性な どを測定することを特徴とする。
より具体的には、 本発明は、
①標識した試験化合物を、 本発明のレセプタータンパク質もしくはその塩また は本発明の部分ぺプチドもしくはその塩に接触させた場合における、 標識した試 験化合物の該タンパク質もしくはその塩、 または該部分べプチドもしくはその塩 に対する結合量を測定することを特徴とする本発明のレセプタータンパク質また はその塩に対するリガンドの決定方法、
②標識した試験化合物を、 本発明のレセプタータンパク質を含有する細胞また は該細胞の膜画分に接触させた場合における、 標識した試験化合物の該細胞また は該膜画分に対する結合量を測定することを特徴とする本発明のレセプタータン パク質またはその塩に対するリガンドの決定方法、
③標識した試験化合物を、 本発明のレセプタータンパク質をコードする D NA を含有する形質転換体を培養することによつて細胞膜上に発現したレセプタータ ンパク質に接触させた場合における、標識した試験化合物の該レセプタ一タンパ ク質またはその塩に対する結合量を測定することを特徴とする本発明のレセプタ 一タンパク質に対するリガンドの決定方法、
④試験化合物を、 本発明のレセプタータンパク質を含有する細胞に接触させた 場合における、 レセプタータンパク質を介した細胞刺激活性 (例えば、 ァラキド ン酸遊離、 ァセチルコリン遊離、 細胞内 Ca2+遊離、 細胞内 cAMP生成、 細胞内 cGMP 生成、 イノシトールリン酸産生、 細胞膜電位変動、 細胞内タンパク質のリン酸ィ匕 、 c-fosの活性化、 p Hの低下などを促進する活性または抑制する活性など) を 測定することを特徴とする本発明のレセプタータンパク質またはその塩に対する リガンドの決定方法、 および
⑤試験化合物を、 本発明のレセプタータンパク質をコードする D N Aを含有す る形質転換体を培養することによって細胞膜上に発現したレセプタータンパク質 に接触させた場合における、 レセプタータンパク質を介する細胞刺激活性 (例え
ば、 ァラキドン酸遊離、 アセチルコリン遊離、 細胞内 Ca2+遊離、 細胞内 cAMP生成 、 細胞内 cGMP生成、 イノシトールリン酸産生、 細胞膜電位変動、 細胞内タンパク 質のリン酸化、 c- fosの活性化、 p Hの低下などを促進する活性または抑制する 活性など) を測定することを特徴とする本発明のレセプタータンパク質またはそ の塩に対するリガンドの決定方法を提供する。
特に、 上記①〜③の試験を行ない、 試験ィヒ合物が本発明のレセプタータンパク 質に結合することを確認した後に、 上記④〜⑤の試験を行なうことが好ましい。 まず、 リガンド決定方法に用いるレセプタータンパク質としては、 上記した本 発明のレセプタータンパク質または本発明の部分ペプチドを含有するものであれ ば何れのものであってもよいが、 動物細胞を用いて大量発現させたレセプタータ ンパク質が適している。
本発明のレセプタータンパク質を製造するには、 上記の発現方法が用いられる 力 該レセプタータンパク質をコードする D N Aを哺乳動物細胞や昆虫細胞で発 現することにより行なうことが好ましい。 目的とするタンパク質部分をコ一ドす る D NA断片には、 通常、 c D NAが用いられるが、 必ずしもこれに制約される ものではない。 例えば、 遺伝子断片や合成 D N Aを用いてもよい。 本発明のレセ プタータンパク質をコードする D NA断片を宿主動物細胞に導入し、 それらを効 率よく発現させるためには、 該 D N A断片を昆虫を宿主とするバキュロウィルス に属する核多角体病ゥイノレス (nuclear polyhedrosis virus; N P V) のポリへ ドリンプロモーター、 S V 4 0由来のプロモーター、 レトロウイ レスのプロモー ター、 メタ口チォネインプロモーター、 ヒ トヒートショックプロモーター、 サイ トメガロウィルスプロモーター、 S R ceプロモーターなどの下流に組み込むのが 好ましい。 発現したレセプターの量と質の検査は公知の方法で行うことができる 。 例えば、 文献 〔Nambi, P. ら、 ザ'ジャーナル ·ォブ ·バイオロジカル ·ケミ ストリー (J. Biol. Chem. ) , 267卷, 19555〜19559頁, 1992年〕 に記載の方法 に従って行うことができる。
したがって、 本発明のリガンド決定方法において、 本発明のレセプタータンパ ク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を含有するものとしては、 公知の方 法に従って精製したレセプタータンパク質もしくはその部分べプチドまたはその
塩であってもよいし、 該レセプタータンパク質を含有する細胞またはその細胞膜 画分を用いてもよい。
本発明のリガンド決定方法において、 本発明のレセプタータンパク質を含有す る細胞を用いる場合、 該細胞をダルタルアルデヒド、 ホルマリンなどで固定化し てもよい。 固定ィ匕方法は公知の方法に従って行なうことができる。
本発明のレセプタータンパク質を含有する細胞としては、 本発明のレセプター タンパク質を発現した宿主細胞をいう力 該宿主細胞としては、 大腸菌、 枯草菌 、 酵母、 昆虫細胞、 動物細胞などが用いられる。
細胞膜画分としては、 細胞を破枠した後、 公知の方法で得られる細胞膜が多く 含まれる画分のことをいう。 細胞の破碎方法としては、 Potter— Elvehjem型ホモ ジナイザ一で細胞を押し潰す方法、 ワーリンダブレンダーゃポリ トロン ( Kinematica社製) による破砕、 超音波による破砕、 フレンチプレスなどで加圧し ながら細胞を細いノズルから噴出させることによる破砕などが挙げられる。 細胞 膜の分画には、 分画遠心分離法や密度勾配遠心分離法などの遠心力による分画法 が主として用いられる。 例えば、 細胞破砕液を低速 (500〜3000 rpm) で短時間 (通常、 約 1分〜 10分) 遠心し、 上清をさらに高速.(15000〜30000 rpm) で通常 30分〜 2時間遠心し、 得られる沈澱を膜画分とする。 該膜画分中には、 発現した レセプタータンパク質と細胞由来のリン脂質や膜タンパク質などの膜成分が多く 含まれる。
該レセプタータンパク質を含有する細胞やその膜画分中のレセプタータンパク 質の量は、 1細胞当たり 103〜108分子であるのが好ましく、 105〜107分子であるの が好適である。 なお、 発現量が多いほど膜画分当たりのリガンド結合活性 (比活 性) が高くなり、 高感度なスクリーニング系の構築が可能になるばかりでなく、 同一口ットで大量の試料を測定できるようになる。
本発明のレセプタータンパク質またはその塩に対するリガンドを決定する上記 の①〜③の方法を実施するためには、 適当なレセプタータンパク質画分と、 標識 した試験ィヒ合物が必要である。
レセプタータンパク質画分としては、 天然型のレセプタータンパク質画分か、 またはそれと同等の活性を有する組換え型レセプター画分などが望ましい。 ここ
で、 同等の活性とは、 同等のリガンド結合活性、 シグナル情報伝達作用などを示 す。
標識した試験ィ匕合物としては、 〔¾〕 、 [1251] 、 〔14C〕 、 〔3¾〕 などで標識 したアンギオテンシン、 ボンべシン、 カナビノイ ド、 コレシストキニン、 グ タ ミン、 セロトニン、 メラトニン、 ニューロペプチド Υ、 ォピオイド、 プリン、 バ ソプレツシン、 ォキシトシン、 PACAP (例、 PACAP 27、 PACAP 3 8) 、 セクレチン、 グノレ力ゴン、 カルシトニン、 アドレノメジユリン、 ソマトス タチン、 GHRH、 CRF、 ACTH、 GRP、 PTH、 V I P (バソァクティ プ インテスティナル アンド リイテッド ポリペプチド) 、 ソマトスタチン 、 ドーパミン、 モチリン、 アミリン、 ブラジキュン、 CGRP (カルシトニンジ ーンリレーティッドペプチド) 、 ロイコトリェン、 パンクレアスタチン、 プロス タグランジン、 トロンボキサン、 アデノシン、 アドレナリン、 ケモカインスーパ 一ファミリー (例、 IL- 8、 GROa、 GRO/3、 GROY、 NAP_2、 ENA - 78、 GCP- 2、 PF4、 IP- 10、 Mig、 PBSF/SDF- 1などの CXCケモカインサブファミリー; MCAF/MCP- 1、 MCP- 2、 MCP - 3、 MCP-4、 eotaxin, 画 TES、 MIP- 1 α、 MIP-l ]3、 HCC - 1、 MIP- 3a/LARC、 MIP-3j3/ELC、 I - 309、 TARC、 MIPF-1、 MIPF-2/eotaxin- 2、 MDC 、 DC- CK1/PAR SLCなどの C Cケモカインサブフアミリー; lymphotactinなどの Cケモカインサブファミリー; fractalkineなどの CX3ケモカインサブファミ リー等) 、 エンドセリン、 ェンテロガストリン、 ヒスタミン、 ニューロテンシン 、 TRH、 パンクレアティックポリぺプタイド、 ガラニン、 リゾホスファチジン 酸 (LPA) 、 スフインゴシン 1—リン酸などが好適である。
具体的には、 本発明のレセプタータンパク質またはその塩に対するリガンドの 決定方法を行なうには、 まず本発明のレセプタータンパク質を含有する細胞また は細胞の膜画分を、 決定方法に適したバッファーに懸濁することによりレセプタ 一標品を調製する。 バッファーには、 pH4〜10 (望ましくは pH6〜8) のリ ン酸バッファー、 トリスー塩酸バッファーなどのリガンドとレセプタータンパク 質との結合を阻害しないバッファーであればいずれでもよい。 また、 非特異的結 合を低減させる目的で、 CHAPS、 Tween-80™ (花王一アトラス社) 、 ジギト ニン、 デォキシコレートなどの界面活性剤ゃゥシ血清アルブミンゃゼラチンなど
の各種タンパク質をバッファーに加えることもできる。 さらに、 プロテアーゼに よるリセプターやリガンドの分解を抑える目的で P M S F、 ロイぺプチン、 E- 64 (ぺプチド研究所製) 、 ぺプスタチンなどのプロテアーゼ阻害剤を添加すること もできる。 0. 01〜: 10 mlの該レセプター溶液に、 一定量 (5000〜500000 cpm) の 〔¾〕 、 〔125I〕 、 ひ 〕 、 〔3¾〕 などで標識した試験ィ匕合物を共存させる。 非 特異的結合量 (N S B ) を知るために大過剰の未標識の試験化合物を加えた反応 チューブも用意する。 反応は約 O °C〜50°C、 望ましくは約 4 °C〜37°Cで、 約 20分 〜24時間、 望ましくは約 30分〜 3時間行なう。 反応後、 ガラス繊維濾紙等で濾過 し、 適量の同バッファーで洗浄した後、 ガラス繊維濾紙に残存する放射活性を液 体シンチレーシヨンカウンターあるいは γ—カウンターで計測する。 全結合量 ( Β ) から非特異的結合量 (N S B ) を引いたカウント (B— N S B ) が 0 cpmを 越える試験ィ匕合物を本発明のレセプタータンパク質またはその塩に対するリガン ド (ァゴ二ス ト) として選択することができる。
本発明のレセプタータンパク質またはその塩に対するリガンドを決定する上記 の④〜⑤の方法を実施するためには、 該レセプタータンパク質を介する細胞刺激 活性 (例えば、 ァラキドン酸遊離、 アセチルコリン遊離、 細胞内 Ca2+遊離、 細胞 内 cAMP生成、 細胞内 cGMP生成、 イノシトールリン酸産生、 細胞膜電位変動、 細胞 内タンパク質のリン酸化、 C- fosの活性化、 p Hの低下などを促進する活性また は抑制する活性など) を公知の方法または市販の測定用キットを用いて測定する ことができる。 具体的には、 まず、 レセプタータンパク質を含有する細胞をマル チウエルプレート等に培養する。 リガンド決定を行なうにあたっては前もって新 鮮な培地あるいは細胞に毒性を示さない適当なバッファーに交換し、 試験化合物 などを添加して一定時間ィンキュベートした後、 細胞を抽出あるいは上清液を回 収して、 生成した産物をそれぞれの方法に従って定量する。 細胞刺激活性の指標 とする物質 (例えば、 ァラキドン酸など) の生成が、 細胞が含有する分解酵素に よって検定困難な場合は、 該分解酵素に対する阻害剤を添カ卩してアツセィを行な つてもよい。 また、 cAMP産生抑制などの活性については、 フオルスコリンなどで 細胞の基礎的産生量を増大させておいた細胞に対する産生抑制作用として検出す ることができる。
本発明のレセプタータンパク質またはその塩に結合するリガンド決定用キット は、 本発明のレセプタータンパク質もしくはその塩、 本発明の部分ペプチドもし くはその塩、 本発明のレセプタータンパク質を含有する細胞、 または本発明のレ セプタータンパク質を含有する細胞の膜画分などを含有するものである。
本発明のリガンド決定用キットの例としては、 次のものが挙げられる。
1. リガンド決定用試薬
①測定用緩衝液および洗浄用緩衝液
Hanks' Balanced Salt Solution (ギブコネ土製) に、 0. 05%のゥシ血清アルブ ミン (シグマ社製) を加えたもの。
孔径 0. 45 のフィルターで濾過滅菌し、 4°Cで保存するか、 あるいは用時調 製しても良い。
② Gタンパク質共役型レセプタータンパク質標品
本発明のレセプタータンパク質を発現させた C H O細胞を、 12穴プレートに 5 X 105個 Z穴で継代し、 37° (、 5 % C02、 95% airで 2日間培養したもの。
③標識試験化合物
市販の 〔¾〕 、 〔125i〕 、 [140 、 〔3¾〕 などで標識した化合物、 または適当 な方法で標識化したもの
水溶液の状態のものを 4°Cあるいは— 20°Cにて保存し、 用時に測定用緩衝液に て 1 に希釈する。 水に難溶性を示す試験化合物については、 ジメチルホルム アミ ド、 DM S O、 メタノール等に溶解する。
④非標識試験化合物
標識化合物と同じものを 100〜1000倍濃レ、濃度に調製する。
2. 測定法
① 12穴組織培養用プレートにて培養した本発明のレセプタータンパク質発現 C H O細胞を、 測定用緩衝液 1 mlで 2回洗浄した後、 490 μ 1の測定用緩衝液を各 穴に加える。
②標識試験化合物を 5 μ ΐ加え、 室温にて 1時間反応させる。 非特異的結合量 を知るためには非標識試験化合物を 5 ; u l加えておく。
③反応液を除去し、 1 mlの洗浄用緩衝液で 3回洗浄する。 細胞に結合した標識
PC蘭 2/00271
45 試験化合物を 0.2N NaOH- 1 % SD Sで溶解し、 4 mlの液体シンチレーター A (和光純薬製) と混合する。
④液体シンチレーシヨンカウンター (ベックマンコールター社製) を用いて放 射活性を測定する。
本発明のレセプタータンパク質またはその塩に結合することができるリガンド としては、 例えば、 視床下部、 大脳皮質、 結腸癌、 肺癌、 心臓、 胎盤、 肺などに 特異的に存在する物質などが挙げられ、 具体的には、 アンギオテンシン、 ボンべ シン、 カナピノイ ド、 コレシストキュン、 グ^レタミン、 セロ トニン、 メラ トニン 、 ニューロペプチド Y、 ォピオイド、 プリン、 バソプレツシン、 ォキシトシン、 PACAP (例、 PACAP 27、 PACAP 38) 、 セクレチン、 グルカゴン 、 カルシトニン、 アドレノメジュリン、 ソマトスタチン、 GHRH、 CRF、 A CTH、 GRP. PTHS V I P (バソアクティブ インテスティナル アンド リイテッド ポリペプチド) 、 ソマトスタチン、 ドーパミン、 モチリン、 ァミリ ン、 ブラジキニン、 CGRP (カルシトニンジーンリレーティッドペプチド) 、 ロイコ トリエン、 パンクレアスタチン、 プロスタグランジン、 トロンボキサン、 アデノシン、 アドレナリン、 ケモカインスーパーファミリー (例、 IL- 8、 GRO a、 GRO/3、 GROy、 NAP— 2、 ENA— 78、 GCP_2、 PF4、 IP— 10、 Mig、 PBSF/SDF- 1などの C X Cケモカインサプフアミリー; MCAF/MCP- 1、 MCP- 2、 MCP-3, MCP- 4、 eotaxin, 麵 TESゝ MIP- 1α、 ΜΙΡ- 1 ]3、 HCC-1、 MIP- 3 a /LARC、 ΜΪΡ-3 β /ELC, I - 309、 TARC、 MIPF- 1、 MIPF- 2/eotaxin- 2、 MDC、 DC- CK1/PARC、 SLCなどの CCケモ 力インサブファミリ一; lymphotactinなどの Cケモカインサブフアミリー; fractalkineなどの CX 3ケモカインサブファミリ一等) 、 エンドセリン、 ェン テロガストリン、 ヒスタミン、 ニューロテンシン、 TRH、 パンクレアティック ポリぺプタイ ド、 ガラニン、 リゾホスファチジン酸 (LPA) 、 スフインゴシン 1—リン酸などが用いられる。
(2) 本発明の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質の機能不全に関連す る疾患の予防および Zまたは治療剤
上記 (1) の方法において、 本発明のレセプタータンパク質に対するリガンド
が明らかになれば、 該リガンドが有する作用に応じて、 ①本発明のレセプタータ ンパク質または②該レセプタータンパク質をコードする D NAを、 本発明のレセ プタータンパク質の機能不全に関連する疾患の予防および Zまたは治療剤などの 医薬として使用することができる。
例えば、 生体内において本発明のレセプタータンパク質が減少しているために リガンドの生理作用が期待できない (該レセプタータンパク質の欠乏症) 患者が いる場合に、 ①本発明のレセプタータンパク質を該患者に投与し該レセプタータ ンパク質の量を補充したり、 ② (ィ) 本発明のレセプタータンパク質をコードす る DNAを該患者に投与し発現させることによって、 あるいは (口) 対象となる 細胞に本発明のレセプタータンパク質をコードする D NAを挿入し発現させた後 に、 該細胞を該患者に移植することなどによって、 患者の体内におけるレセプタ 一タンパク質の量を増加させたりして、 リガンドの作用を充分に発揮させること ができる。 すなわち、 本発明のレセプタータンパク質をコードする D N Aは、 安 全で低毒性な本発明のレセプタータンパク質の機能不全に関連する疾患の予防お よび/または治療剤として有用である。
本発明のレセプタータンパク質は、 低分子をリガンドとするレセプタータンパ ク質、 例えば、 ロ ドプシン (アミノ酸レベルの相同性が 23%) (CRA DALL K. A. , and HILLIS D. M. NATURE 387 : 667 - 668 (1997) ) 、 5—ヒ ドロキシトリプタミンレ セプター (WITZ P. , AMLAIKY Ν·, PLASSAT J. - L. , MAROTEAUX L. , B0RRELLI Ε· , and HEN R. PRO ATL. ACAD. SCI. U. S. A. 87 : 8940-8944 (1990) ) 、 C C—ケ モカインレセプター (Bonini, J. A. , Martin, S. K. , Dralyuk, F. , Roe, M. W. , Philipson, L. H. and Steiner, D. F. "Cloning, expression, and chromosomal mapping of a novel human CC - chemokine receptor (CCR10) that displays high-affinity binding for MCP- 1 and MCP-3" DNA Cell Biol. 16 (10) , 1249- 1256 (1997) ) 、 κ型オビオイドレセプター (CHEN Y. , MESTEK A. , LIU J. , and YU L. BI0CHEM. J. 295:625-628(1993): MINAMI M. , T0YA T. , KATA0 Y. , MAEKAWA K. , NAKAMURA S. , 0N0GI T., KANEK0 S., and SAT0H M. FEBS LETT. 329: 291-295 (1993): LI S. , ZHU J. , CHEN C. , CHEN Y.— W., DERIEL J. K. , ASHBY B. , and LIU-CHEN L. - Y. BI0CHEM. J. 295 : 629—633 (1993) ) にアミノ酸
配列レベルで相同性が認められる新規 7回膜貫通型レセプタータンパク質である 本発明のレセプタータンパク質または該レセプタータンパク質をコードする D N Aは中枢疾患 (例えば、 アルツハイマー病、 痴呆、 摂食障害など)、 内分泌疾患 (例えば、 高血圧症、 性腺機能異常、 甲状腺機能異常、 下垂体機能異常など)、 代 謝疾患 (例えば、 糖尿病、 脂質代謝異常、 高脂血症など)、 癌 (例えば、 非小細胞 肺癌、 卵巣癌、 前立腺癌、 胃癌、 膀胱癌、 乳癌、 子宮頸部癌、 結腸癌、 直腸癌な ど) 、 循環器疾患 (例えば、 狭心症、 心筋梗塞など) 、 呼吸器系疾患 (例えば、 気道閉塞性疾患、 感染性肺疾患など) 、 消化器系疾患 (例えば、 胃潰瘍、 十二指 腸潰瘍、 胃炎、 逆流性食道炎など) 、 免疫系疾患 (例えば、 自己免疫性疾患など ) 、 炎症性疾患 (例えば、 アレルギー、 喘息、 リュウマチなど) 、 感染症 (例え ば、 免疫機能不全、 肺炎、 インフルエンザなど) などの予防および/または治療 に有用である。
本発明のレセプタータンパク質を上記予防 ·治療剤として使用する場合は、 常 套手段に従って製剤化することができる。
一方、 本発明のレセプタータンパク質をコードする D NA (以下、 本発明の D NAと略記する場合がある) を上記予防 ·治療剤として使用する場合は、 本発明 の D NAを単独あるいはレトロウイルスベクター、 アデノウイルスベクター、 ァ デノウィルスァソシエーテツドウィルスベクターなどの適当なベクターに挿入し た後、 常套手段に従って実施することができる。 本発明の D N Aは、 そのままで 、 あるいは摂取促進のための補助剤とともに、 遺伝子銃やハイ ド口ゲル力テーテ ルのようなカテーテルによって投与できる。
例えば、 ①本発明のレセプタータンパク質または②該レセプタータンパク質を コードする D NAは、 必要に応じて糖衣を施した錠剤、 カプセル剤、 エリキシル 剤、 マイクロカプセル剤などとして経口的に、 あるいは水もしくはそれ以外の薬 学的に許容し得る液との無菌性溶液、 または懸濁液剤などの注射剤の形で非経口 的に使用できる。 例えば、 ①本発明のレセプタータンパク質または②該レセプタ 一タンパク質をコードする D NAを生理学的に認められる公知の担体、 香味剤、 賦形剤、 べヒクル、 防腐剤、 安定剤、 結合剤などとともに一般に認められた製剤
実施に要求される単位用量形態で混和することによつて製造することができる。 これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な用量が得られるように するものである。
錠剤、 カプセル剤などに混和することができる添加剤としては、 例えば、 ゼラ チン、 コーンスターチ、 トラガント、 アラビアゴムのような結合剤、 結晶性セル ロースのような賦形剤、 コーンスターチ、 ゼラチン、 アルギン酸などのような膨 化剤、 ステアリン酸マグネシゥムのような潤滑剤、 ショ糖、 乳糖またはサッカリ ンのような甘味剤、 ペパーミント、 ァカモノ油またはチェリーのような香味剤な どが用いられる。 調剤単位形態がカプセルである場合には、 上記タイプの材料に さらに油脂のような液状担体を含有することができる。 注射のための無菌組成物 は注射用水のようなべヒクル中の活性物質、 胡麻油、 椰子油などのような天然産 出植物油などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って処方するこ とができる。 注射用の水性液としては、 例えば、 生理食塩水、 ブドウ糖やその他 の補助薬を含む等張液 (例えば、 D—ソルビトール、 D—マンニトール、 塩化ナト リウムなど) などが用いられ、 適当な溶解補助剤、 例えば、 アルコール (例、 ェ タノール) 、 ポリアルコール (例、 プロピレングリコール、 ポリエチレングリコ ル) 、 非イオン性界面活性剤 (例、 ポリソルベート 80™、 HCO-50) などと併用 してもよい。 油性液としては、 例えば、 ゴマ油、 大豆油などが用いられ、 溶解補 助剤である安息香酸ベンジル、 ベンジルアルコールなどと併用してもよレ、。 また、 上記予防 ·治療剤は、 例えば、 緩衝剤 (例えば、 リン酸塩緩衝液、 酢酸 ナトリウム緩衝液) 、 無痛化剤 (例えば、 塩化ベンザルコニゥム、 塩酸プロカイ ンなど) 、 安定剤 (例えば、 ヒト血清アルブミン、 ポリエチレングリコールなど ) 、 保存剤 (例えば、 ベンジルアルコール、 フエノールなど) 、 酸化防止剤など と配合してもよい。 調製された注射液は通常、 適当なアンプルに充填される。 このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、 例えば、 ヒ トゃ非ヒ ト哺乳動物 (例えば、 ラット、 マウス、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ネコ、 ィ ヌ、 サルなど) に対して投与することができる。
本発明のレセプタータンパク質の投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投与 方法などにより差異はあるが、 経口投与の場合、 一般的に例えば、 癌患者 (60
T/JP02/00271
49 kgとして) においては、 一日につき約 0. 1〜100 mg、 好ましくは約 1. 0〜50 mg、 より好ましくは約 1. 0〜20 mgである。 非経口的に投与する場合は、 その 1回投与 量は投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などによっても異なるが、 例えば、 注 射剤の形では通常例えば、 癌患者 (60 kgとして) においては、 一日につき約 0: 01〜30 mg程度、 好ましくは約 0. 1〜20 mg程度、 より好ましくは約 0. 1〜10 mg 程度を静脈注射により投与するのが好都合である。 他の動物の場合も、 60 kg当 たりに換算した量を投与することができる。
本発明の D N Aの投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などにより 差異はあるが、 経口投与の場合、 一般的に例えば、 癌患者 (60 kgとして) にお いては、 一日につき約 0. 1〜100 mg、 好ましくは約 1. 0〜50 mg、 より好ましくは 約 1. 0〜20 mgである。 非経口的に投与する場合は、 その 1回投与量は投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などによっても異なるが、 例えば、 注射剤の形では通 常例えば、 癌患者 (60 kgとして) においては、 一日につき約 0. 01〜30 rag程度、 好ましくは約 0.:!〜 20 mg程度、 より好ましくは約 0. 1〜: 10 mg程度を静脈注射によ り投与するのが好都合である。 他の動物の場合も、 60 kg当たりに換算した量を 投与することができる。
(3) 遺伝子診断剤
本発明の D N Aは、 プローブとして使用することにより、 ヒトまたは非ヒト哺 乳動物 (例えば、 ラット、 マウス、 ゥサギ、 ヒッジ、 プタ、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) における本発明のレセプタータンパク質またはその部分べプチドをコ ードする D N Aまたは mR N Aの異常 (遺伝子異常) を検出することができるの で、 例えば、 該 D NAまたは m R NAの損傷、 突然変異あるいは発現低下や、 該 D N Aまたは m R N Aの増加あるいは発現過多などの遺伝子診断剤として有用で ある。
本発明の D N Aを用いる上記の遺伝子診断は、 例えば、 公知のノーザンハイブ リダィゼーシヨンや PCR— SSCP法 (ゲノミックス (Genomics) , 第 5卷, 874〜879 頁 (1989年) 、 プロシージングズ ·ォプ ·ザ ·ナショナル ·アカデミー ·オフ、' · サイェンシィス ·ォブ ·ユーエスエー (Proceedings of the National Academy
271
50 of Sciences of the United States of America) , 第 86卷, 2766〜2770頁 ( 1989年) ) などにより実施することができる。
(4) 本発明のレセプタータンパク質またはその部分べプチドの発現量を変化 させる化合物のスクリーニング方法
本発明の D NAは、 プローブとして用いることにより、 本発明のレセプタータ ンパク質またはその部分べプチドの発現量を変化させる化合物のスクリ一ユング に用いることができる。
すなわち、 本発明は、 例えば、 (i) 非ヒト哺乳動物の①血液、 ②特定の臓器 、 ③臓器から単離した組織もしくは細胞、 または (ii) 形質転換体等に含まれる 本発明のレセプタータンパク質またはその部分ぺプチドの m R N A量を測定する ことによる、 本発明のレセプタータンパク質またはその部分べプチドの発現量を 変化させる化合物のスクリーニング方法を提供する。
本発明のレセプタータンパク質またはその部分ペプチドの m R NA量の測定は 具体的には以下のようにして行なう。
(i) 正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物 (例えば、 マウス、 ラット、 ゥ サギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど、 より具体的には痴呆ラット 、 肥満マウス、 動脈硬化ゥサギ、 担癌マウスなど) に対して、 薬剤 (例えば、 抗 痴呆薬、 血圧低下薬、 抗癌剤、 抗肥満薬など) あるいは物理的ス トレス (例えば 、 浸水ス トレス、 電気ショック、 明喑、 低温など) などを与え、 一定時間経過し た後に、 血液、 あるいは特定の臓器 (例えば、 脳、 肺、 大腸など) 、 または臓器 から単離した組織、 あるいは細胞を得る。
得られた細胞に含まれる本発明のレセプタータンパク質またはその部分べプチ ドの m R NAは、 例えば、 通常の方法により細胞等から m R N Aを抽出し、 例え ば、 TaqMan PCRなどの手法を用いることにより定量することができ、 公知の手段 によりノザンブロットを行うことにより解析することもできる。
(ii) 本発明のレセプタータンパク質もしくはその部分べプチドを発現する形 質転換体を上記の方法に従い作製し、 該形質転換体に含まれる本発明のレセプタ 一タンパク質またはその部分べプチドの m R NAを同様にして定量、 解析するこ
とができる。
本発明のレセプタータンパク質またはその部分ぺプチドの発現量を変化させる 化合物のスクリーニングは、
(i) 正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物に対して、 薬剤あるいは物理的 ス トレスなどを与える一定時間前 (30分前〜 24時間前、 好ましくは 30分前〜 12時 間前、 より好ましくは 1時間前〜 6時間前) もしくは一定時間後 (30分後〜 3日 後、 好ましくは 1時間後〜 2日後、 より好ましくは 1時間後〜 24時間後) 、 また は薬剤あるいは物理的ストレスと同時に被検化合物を投与し、 投与後一定時間経 過後 (30分後〜 3日後、 好ましくは 1時間後〜 2日後、 より好ましくは 1時間後 〜24時間後) 、 細胞に含まれる本発明のレセプタータンパク質またはその部分ぺ プチドの mR N A量を定量、 解析することにより行なうことができ、
(ii) 形質転換体を常法に従い培養する際に被検化合物を培地中に混合させ、 一定時間培養後 (1日後〜 7日後、 好ましくは 1日後〜 3日後、 より好ましくは 2日後〜 3日後) 、 該形質転換体に含まれる本発明のレセプタ一タンパク質また はその部分ペプチドの mR N A量を定量、 解析することにより行なうことができ る。
本発明のスクリーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩は、 本発明 のレセプタータンパク質またはその部分ペプチドの発現量を変化させる作用を有 する化合物であり、 具体的には、 (ィ) 本発明のレセプタータンパク質またはそ の部分ペプチドの発現量を増加させることにより、 Gタンパク質共役型レセプタ 一を介する細胞刺激活性 (例えば、 ァラキドン酸遊離、 アセチルコリン遊離、 細 胞内 Ca2+遊離、 細胞内 cAMP生成、 細胞内 cGMP生成、 イノシトールリン酸産生、 細 胞膜電位変動、 細胞内タンパク質のリン酸化、 C- fosの活性化、 p Hの低下など を促進する活性または抑制する活性など) を増強させる化合物、 (口) 本発明の レセプタータンパク質またはその部分べプチドの発現量を減少させることにより 、 該細胞刺激活性を減弱させる化合物である。
該化合物としては、 ぺプチド、 タンパク、 非ぺプチド性化合物、 合成化合物、 発酵生産物などが挙げられ、 これら化合物は新規な化合物であってもよいし、 公 知の化合物であってもよい。
該細胞刺激活性を増強させる化合物は、 本発明のレセプタータンパク質等の生 理活性を増強するための安全で低毒性な医薬として有用である。
該細胞刺激活性を減弱させる化合物は、 本発明のレセプタータンパク質等の生 理活性を減少させるための安全で低毒性な医薬として有用である。
本発明のスクリーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩を医薬組成 物として使用する場合、 常套手段に従って実施することができる。 例えば、 上記 した本発明のレセプタータンパク質を含有する医薬と同様にして、 錠剤、 カプセ ル剤、 エリキシル剤、 マイクロカプセル剤、 無菌性溶液、 懸濁液剤などとするこ とができる。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、 例えば、 ヒトゃ非ヒ ト哺乳動物 (例えば、 ラット、 マウス、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ネコ、 ィ ヌ、 サルなど) に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法など により差異はあるが、 経口投与の場合、 一般的に、 例えば、 癌患者 (60 kgとし て) においては、 一日につき約 0. 1〜100 mg、 好ましくは約 1. 0〜50 mg、 より好 ましくは約 1. 0〜20 mgである。 非経口的に投与する場合は、 その 1回投与量は投 与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などによっても異なるが、 例えば、 注射剤の 形では通常例えば、 癌患者 (60 kgとして) においては、 一日につき約 0. 01~30 mg程度、 好ましくは約 0.:!〜 20 mg程度、 より好ましくは約 0. 1〜; 10 mg程度を静脈 注射により投与するのが好都合である。 他の動物の場合も、 60 kg当たりに換算 した量を投与することができる。
(5) 本発明のレセプタータンパク質またはその部分べプチドの発現量を変化 させる化合物を含有する各種疾病の予防および Zまたは治療剤
本発明のレセプタータンパク質は上記のとおり、 例えば、 中枢機能など生体内 で何らかの重要な役割を果たしていると考えられる。 したがって、 本発明のレセ プタータンパク質またはその部分べプチドの発現量を変化させる化合物は、 本発 明のレセプタータンパク質の機能不全に関連する疾患の予防および/または治療 剤として用いることができる。
該ィ匕合物を本発明のレセプタータンパク質の機能不全に関連する疾患の予防お よび または治療剤として使用する場合は、 常套手段に従って製剤化することが できる。
例えば、 該化合物は、 必要に応じて糖衣を施した腚剤、 カプセル剤、 エリキシ ノレ剤、 マイクロカプセノレ剤などとして経口的に、 あるいは水もしくはそれ以外の 薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、 または懸濁液剤などの注射剤の形で非経 口的に使用できる。 例えば、 該化合物を生理学的に認められる公知の担体、 香味 剤、 賦形剤、 べヒクル、 P方腐剤、 安定剤、 結合剤などとともに一般に認められた 製剤実施に要求される単位用量形態で混和することによって製造することができ る。 これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な用量が得られるよ うにするものである。
錠剤、 力プセル剤などに混和することができる添加剤としては、 例えば、 ゼラ チン、 コーンスターチ、 トラガント、 アラビアゴムのような結合剤、 結晶性セル ロースのような賦形剤、 コーンスターチ、 ゼラチン、 アルギン酸などのような膨 化剤、 ステアリン酸マグネシゥムのような潤滑剤、 ショ糖、 乳糖またはサッカリ ンのような甘味剤、 ペパーミント、 ァカモノ油またはチェリーのような香味剤な どが用いられる。 調剤単位形態がカプセルである場合には、 上記タイプの材料に さらに油脂のような液状担体を含有することができる。 注射のための無菌組成物 は注射用水のようなべヒクル中の活性物質、 胡麻油、 椰子油などのような天然産 出植物油などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って処方するこ とができる。 注射用の水性液としては、 例えば、 生理食塩水、 ブドウ糖やその他 の補助薬を含む等張液 (例えば、 D—ソルビトール、 D—マンニトール、 塩化ナト リウムなど) などが用いられ、 適当な溶解補助剤、 例えば、 アルコール (例、 ェ タノール) 、 ポリアルコール (例、 プロピレングリコール、 ポリエチレングリコ ール) 、 非イオン性界面活性剤 (例、 ポリソルベート 80™、 HC0-50) などと併用 してもよい。 油性液としては、 例えば、 ゴマ油、 大豆油などが用いられ、 溶解補 助剤である安息香酸べンジル、 ベンジルアルコールなどと併用してもよレ、。 また、 上記予防 ·治療剤は、 例えば、 緩衝剤 (例えば、 リン酸塩緩衝液、 酢酸 ナトリウム緩衝液) 、 無痛化剤 (例えば、 塩化ベンザルコニゥム、 塩酸プロカイ
ンなど) 、 安定剤 (例えば、 ヒ ト血清アルブミン、 ポリエチレングリコールなど ) 、 保存剤 (例えば、 ベンジルアルコール、 フエノールなど) 、 酸化防止剤など と配合してもよい。 調製された注射液は通常、 適当なアンプルに充填される。 このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、 例えば、 ヒ トゃ非ヒ ト哺乳動物 (例えば、 ラット、 マウス、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ネコ、 ィ ヌ、 サルなど) に対して投与することができる。
該ィ匕合物またはその塩の投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法など により差異はあるが、 経口投与の場合、 一般的に例えば、 癌患者 (60 kgとして ) においては、 一日につき約 0. 1〜100 mg、 好ましくは約 1. 0〜50 mg、 より好ま しくは約 1. 0〜20 ragである。 非経口的に投与する場合は、 その 1回投与量は投与 対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などによっても異なるが、 例えば、 注射剤の形 では通常例えば、 癌症患者 (60 kgとして) においては、 一日につき約 0. 01〜30 mg程度、 好ましくは約 0. 1〜20 mg程度、 より好ましくは約 0.:!〜 10 mg程度を静脈 注射により投与するのが好都合である。 他の動物の場合も、 60 kg当たりに換算 した量を投与することができる。
(6) 本発明の Gタンパク質共役型レセプタ^"タンパク質に対するリガンドの 定量法
本発明のレセプタータンパク質等は、 リガンドに対して結合性を有しているの で、 生体内におけるリガンド濃度を感度良く定量することができる。
本発明の定量法は、 例えば、 競合法と組み合わせることによって用いることが できる。 すなわち、 被検体を本発明のレセプタータンパク質等と接触させること によって被検体中のリガンド濃度を測定することができる。 具体的には、 例えば 、 以下の①または②などに記載の方法あるいはそれに準じる方法に従って用 、る ことができる。
①入江寛編 「ラジオィムノアツセィ」 (講談社、 昭和 49年発行)
②入江寛編 「続ラジオィムノアツセィ」 (講談社、 昭和 54年発行)
(7) 本発明の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質とリガンドとの結合
性を変化させる化合物 (ァゴ二スト、 アンタゴニストなど) のスクリーニング方 法
本発明のレセプタータンパク質等を用いるカ または組換え型レセプタータン パク質等の発現系を構築し、 該発現系を用いたレセプター結合アツセィ系を用い ることによって、 リガンドと本発明のレセプタータンパク質等との結合性を変化 させる化合物 (例えば、 ペプチド、 タンパク質、 非ペプチド性化合物、 合成化合 物、 発酵生産物など) またはその塩を効率よくスクリーニングすることができる このような化合物には、 (ィ) Gタンパク質共役型レセプターを介して細胞刺 激活性 (例えば、 ァラキドン酸遊離、 アセチルコリン遊離、 細胞内 Ca2+遊離、 細 胞内 cAMP生成、 細胞内 cGMP生成、 イノシトールリン酸産生、 細胞膜電位変動、 細 胞内タンパク質のリン酸化、 C- fosの活性化、 p Hの低下などを促進する活性ま たは抑制する活性など) を有する化合物 (いわゆる、 本発明のレセプタータンパ ク質に対するァゴニスト) 、 (口) 該細胞刺激活性を有しない化合物 (いわゆる 、 本発明のレセプタータンパク質に対するアンタゴニスト) 、 (ハ) リガンドと 本発明の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質との結合力を増強する化合物 、 あるいは (二) リガンドと本発明の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質 との結合力を減少させる化合物などが含まれる (なお、 上記 (ィ) の化合物は、 上記したリガンド決定方法によってスクリーニングすることが好ましい) 。 すなわち、 本発明は、 (i) 本発明のレセプタータンパク質もしくはその部分 ペプチドまたはその塩と、 リガンドとを接触させた場合と (ii) 本発明のレセプ タータンパク質もしくはその部分べプチドまたはその塩と、 リガンドおよび試験 化合物とを接触させた場合との比較を行なうことを特徴とするリガンドと本発明 のレセプタータンパク質もしくはその部分べプチドまたはその塩との結合性を変 化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
本発明のスクリーニング方法においては、 (i) と (ii) の場合における、 例 えば、 該レセプタータンパク質等に対するリガンドの結合量、 細胞刺激活性など を測定して、 比較することを特徴とする。
より具体的には、 本発明は、
①標識したリガンドを、 本発明のレセプタータンパク質等に接触させた場合と 、 標識したリガンドおよび試験化合物を本発明のレセプタータンパク質等に接触 させた場合における、 標識したリガンドの該レセプタータンパク質等に対する結 合量を測定し、 比較することを特徴とするリガンドと本発明のレセプタータンパ ク質等との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
②標識したリガンドを、 本発明のレセプタータンパク質等を含有する細胞また は該細胞の膜画分に接触させた場合と、 標識したリガンドおよび試験化合物を本 発明のレセプタータンパク質等を含有する細胞または該細胞の膜画分に接触させ た場合における、 標識したリガンドの該細胞または該膜画分に対する結合量を測 定し、 比較することを特徴とするリガンドと本発明のレセプタータンパク質等と の結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
③標識したリガンドを、 本発明の D N Aを含有する形質転換体を培養すること によつて細胞膜上に発現したレセプタータンパク質等に接触させた場合と、 標識 したリガンドおよび試験ィヒ合物を本発明の D NAを含有する形質転換体を培養す ることによつて細胞膜上に発現した本発明のレセプタ一タンパク質等に接触させ た場合における、 標識したリガンドの該レセプタータンパク質等に対する結合量 を測定し、 比較することを特 1敷とするリガンドと本発明のレセプタータンパク質 等との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
④本発明のレセプタータンパク質等を活性化する化合物 (例えば、 本発明のレ セプタータンパク質等に対するリガンドなど) を本発明のレセプタータンパク質 等を含有する細胞に接触させた場合と、 本発明のレセプタータンパク質等を活性 化する化合物およぴ試験化合物を本発明のレセプタータンパク質等を含有する細 胞に接触させた場合における、 レセプターを介した細胞刺激活性 (例えば、 ァラ キドン酸遊離、 ァセチルコリン遊離、 細胞内 Ca2+遊離、 細胞内 cAMP生成、 細胞内 cGMP生成、 イノシトールリン酸産生、 細胞膜電位変動、 細胞内タンパク質のリン 酸化、 c- fosの活性化、 p Hの低下などを促進する活性または抑制する活性など ) を測定し、 比較することを特徴とするリガンドと本発明のレセプタータンパク 質等との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、 および
⑤本発明のレセプタータンパク質等を活性化する化合物 (例えば、 本発明のレ
セプタータンパク質等に対するリガンドなど) を本発明の D N Aを含有する形質 転換体を培養することによって細胞膜上に発現した本発明のレセプタータンパク 質等に接触させた場合と、 本発明のレセプタータンパク質等を活性化する化合物 および試験化合物を本発明の D N Aを含有する形質転換体を培養することによつ て細胞膜上に発現した本発明のレセプタ^ "タンパク質等に接触させた場合におけ る、 レセプターを介する細胞刺激活性 (例えば、 ァラキドン酸遊離、 ァセチルコ リン遊離、 細胞内 Ca2+遊離、 細胞内 cAMP生成、 細胞内 cGMP生成、 イノシトールリ ン酸産生、 細胞膜電位変動、 細胞内タンパク質のリン酸化、 C- fosの活性化、 p Hの低下などを促進する活性または抑制する活性など) を測定し、 比較すること を特徴とするリガンドと本発明のレセプタータンパク質等との結合性を変化させ る化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
本発明のレセプタータンパク質等が得られる以前は、 Gタンパク質共役型レセ プターァゴニストまたはアンタゴニストをスクリーニングする場合、 まずラット などの Gタンパク質共役型レセプタータンパク質を含む細胞、 糸且織またはその細 胞膜画分を用いて候補化合物を得て (一次スクリーニング) 、 その後に該候補化 合物が実際にヒトの Gタンパク質共役型レセプタータンパク質とリガンドとの結 合を阻害するか否かを確認する試験 (二次スクリーニング) が必要であった。 細 胞、 組織または細胞膜画分をそのまま用レ、れば他のレセプタータンパク質も混在 するために、 目的とするレセプタータンパク質に対するァゴニストまたはアンタ ゴニストを実際に直接的にスクリーユングすることは困難であった。
し力 しながら、 例えば、 本発明のヒ ト由来レセプタータンパク質を用いること によって、 一次スクリーニングの必要がなくなり、 リガンドと Gタンパク質共役 型レセプタータンパク質との結合を阻害する化合物を効率良くスクリーニングす ることができる。 さらに、 スクリーニングされた化合物がァゴニストかアンタゴ 二ス トかを簡便に評価することができる。
本発明のスクリーニング方法の具体的な説明を以下にする。
まず、 本発明のスクリーエング方法に用いる本発明のレセプタータンパク質等 としては、 上記した本発明のレセプタータンパク質等を含有するものであれば何 れのものであってもよいが、 本発明のレセプタータンパク質等を含有する哺乳動
物の臓器の細胞膜画分が好適である。 しかし、 特にヒ ト由来の臓器は入手が極め て困難なことから、 スクリーニングに用いられるものとしては、 組換え体を用い て大量発現させたヒ ト由来のレセプタータンパク質等などが適している。
本発明のレセプタータンパク質等を製造するには、 上記の方法が用いられるが 、 本発明の D NAを哺乳細胞や昆虫細胞で発現することにより行なうことが好ま しい。 目的とするタンパク質部分をコードする D NA断片には c D NAが用いら れるが、 必ずしもこれに制約されるものではない。 例えば、 遺伝子断片や合成 D N Aを用いてもよい。 本発明のレセプタータンパク質をコードする D N A断片を 宿主動物細胞に導入し、 それらを効率よく発現させるためには、 該 D N A断片を 昆虫を宿主とするバキュロウィルスに属する核多角体病ウィルス (nuclear polyhedrosis virus; N P V) のポリヘドリンプロモーター、 S V 4 0由来のプ 口モーター、 レトロウイノレスのプロモーター、 メタ口チォネインプロモーター、 ヒ トヒートショックプロモーター、 サイトメガロウイノレスプロモーター、 S R a プロモーターなどの下流に組み込むのが好ましレ、。 発現したレセプターの量と質 の検査は公知の方法で行うことができる。 例えば、 文献 〔Nambi, P. ら、 ザ 'ジ ヤーナル■ォブ ·バイオロジカル,ケミストリー (J. Biol. Chera. ) , 267卷, 19555〜19559頁, 1992年〕 に記載の方法に従って行なうことができる。
したがって、 本発明のスクリーニング方法において、 本発明のレセプタータン パク質等を含有するものとしては、 公知の方法に従って精製したレセプタータン パク質等であってもよいし、 該レセプタータンパク質等を含有する細胞を用いて もよく、 また該レセプタータンパク質等を含有する細胞の膜画分を用いてもよい 本発明のスクリーニング方法において、 本発明のレセプタータンパク質等を含 有する細胞を用いる場合、 該細胞をダルタルアルデヒド、 ホルマリンなどで固定 ィ匕してもよレ、。 固定化方法は公知の方法に従って行なうことができる。
本発明のレセプタータンパク質等を含有する細胞としては、 該レセプタータン パク質等を発現した宿主細胞をいうが、 該宿主細胞としては、 大腸菌、 枯草菌、 酵母、 昆虫細胞、 動物細胞などが好ましい。
細胞膜画分としては、 細胞を破砕した後、 公知の方法で得られる細胞膜が多く
含まれる画分のことをいう。 細胞の破碎方法としては、 Potter— Elvehjem型ホモ ジナイザーで細胞を押し潰す方法、 ワーリンダブレンダーゃポリ トロン ( Kinematica社製) のよる破碎、 超音波による破碎、 フレンチプレスなどで加圧し ながら細胞を細いノズルから噴出させることによる破碎などが挙げられる。 細胞 膜の分画には、 分画遠心分離法や密度勾配遠心分離法などの遠心力による分画法 が主として用いられる。 例えば、 細胞破碎液を低速 (500〜3000 rpm) で短時間
(通常、 約 1〜: 10分) 遠心し、 上清をさらに高速 (15000〜30000 rpm) で通常 30 分〜 2時間遠心し、 得られる沈澱を膜画分とする。 該膜画分中には、 発現したレ セプタータンパク質等と細胞由来のリン脂質や膜タンパク質などの膜成分が多く 含まれる。
該レセプタータンパク質等を含有する細胞や膜画分中のレセプタータンパク質 の量は、 1細胞当たり 103〜108分子であるのが好ましく、 105〜107分子であるのが 好適である。 なお、 発現量が多いほど膜画分当たりのリガンド結合活性 (比活性 ) が高くなり、 高感度なスクリーニング系の構築が可能になるばかりでなく、 同 一ロットで大量の試料を測定できるようになる。
リガンドと本発明のレセプタータンパク質等との結合性を変化させる化合物を スクリーニングする上記の①〜③を実施するためには、 例えば、 適当なレセプタ 一タンパク質画分と、 標識したリガンドが必要である。
レセプタータンパク質画分としては、 天然型のレセプタータンパク質画分か、 またはそれと同等の活性を有する組換え型レセプタータンパク質画分などが望ま しい。 ここで、 同等の活性とは、 同等のリガンド結合活性、 シグナル情報伝達作 用などを示す。
標識したリガンドとしては、 標識したリガンド、 標識したリガンドアナログ化 合物などが用いられる。 例えば 〔¾〕 、 〔1251〕 、 〔14c〕 、 〔35s〕 などで標識さ れたリガンドなどが用いられる。
具体的には、 リガンドと本発明のレセプタータンパク質等との結合性を変化さ せる化合物のスクリーニングを行なうには、 まず本発明のレセプタータンパク質 等を含有する細胞または細胞の膜画分を、 スクリーニングに適したバッファーに 懸濁することによりレセプタータンパク質標品を調製する。 バッファーには、 p
H 4〜10 (望ましくは p H 6〜8 ) のリン酸バッファー、 トリス一塩酸バッファ 一などのリガンドとレセプタータンパク質との結合を阻害しないバッファーであ ればいずれでもよい。 また、 非特異的結合を低減させる目的で、 C HA P S、 Tween-80™ (花王一アトラス社) 、 ジギトニン、 デォキシコレートなどの界面活 性剤をバッファーに加えることもできる。 さらに、 プロテアーゼによるレセプタ 一やリガンドの分解を抑える目的で P M S F、 ロイぺプチン、 E- 64 (ペプチド研 究所製) 、 ぺプスタチンなどのプロテアーゼ阻害剤を添加することもできる。 0. 01〜; 10 mlの該レセプター溶液に、 一定量 (5000〜500000 cpra) の標識したリ ガンドを添カ卩し、 同時に 10— 4〜1(T1G Mの試験ィ匕合物を共存させる。 非特異的結合 量 (N S B ) を知るために大過剰の未標識のリガンドを加えた反応チューブも用 意する。 反応は約 0 °Cから 50°C、 望ましくは約 4 °Cから 37°Cで、 約 20分から 24時 間、 望ましくは約 30分から 3時間行う。 反応後、 ガラス繊維濾紙等で濾過し、 適 量の同バッファ一で洗浄した後、 ガラス繊維濾紙に残存する放射活性を液体シン チレーションカウンターまたは Y—カウンターで計測する。 拮抗する物質がない 場合のカウント (Β。) から非特異的結合量 (N S B ) を引いたカウント (Β。一 Ν S B ) を 100%とした時、 特異的結合量 (B— N S B ) 、 例えば、 50%以下にな る試験化合物を拮抗阻害能力のある候補物質として選択することができる。 リガンドと本発明のレセプタータンパク質等との結合性を変化させる化合物ス クリーニングする上記の④〜⑤の方法を実施するためには、 例えば、 レセプター タンパク質を介する細胞刺激活性 (例えば、 ァラキドン酸遊離、 アセチルコリン 遊離、 細胞内 Ca2+遊離、 細胞内 cAMP生成、 細胞内 cGMP生成、 イノシトールリン酸 産生、 細胞膜電位変動、 細胞内タンパク質のリン酸化、 C- fosの活性化、 p Hの 低下などを促進する活性または抑制する活性など) を公知の方法または市販の測 定用キットを用いて測定することができる。
具体的には、 まず、 本発明のレセプタータンパク質等を含有する細胞をマルチ ゥエルプレート等に培養する。 スクリーニングを行なうにあたっては前もって新 鮮な培地あるいは細胞に毒性を示さない適当なバッファ一に交換し、 試験化合物 などを添加して一定時間インキュベートした後、 細胞を抽出あるいは上清液を回 収して、 生成した産物をそれぞれの方法に従って定量する。 細胞刺激活性の指標
とする物質 (例えば、 ァラキドン酸など) の生成が、 細胞が含有する分解酵素に よって検定困難な場合は、 該分解酵素に対する阻害剤を添加してアツセィを行な つてもよい。 また、 cAMP産生抑制などの活性については、 フオルスコリンなどで 細胞の基礎的産生量を増大させておいた細胞に対する産生抑制作用として検出す ることができる。
細胞刺激活性を測定してスクリーニングを行なうには、 適当なレセプタータン パク質を発現した細胞が必要である。 本発明のレセプタータンパク質等を発現し た細胞としては、 天然型の本発明のレセプタータンパク質等を有する細胞株、 上 記の組換え型レセプタータンパク質等を発現した細胞株などが望ましい。
試験化合物としては、 例えば、 ペプチド、 タンパク、 非ペプチド性化合物、 合 成化合物、 発酵生産物、 細胞抽出液、 植物抽出液、 動物組織抽出液などが用いら れ、 これら化合物は新規な化合物であってもよいし、 公知の化合物であってもよ レ、。
リガンドと本発明のレセプタータンパク質等との結合性を変化させる化合物ま たはその塩のスクリーニング用キットは、 本発明のレセプタータンパク質等、 本 発明のレセプタータンパク質等を含有する細胞、 または本発明のレセプタータン パク質等を含有する細胞の膜画分を含有するものなどである。
本発明のスクリーニング用キットの例としては、 次のものが挙げられる。
1. スクリーニング用試薬
①測定用緩衝液およぴ洗浄用緩衝液
Hanks' Balanced Salt Solution (ギブコ社製) に、 0. 05%のゥシ血清アルブ ミン (シグマ社製) を力 Pえたもの。
孔径 0. 45 μ ηιのフィルターで濾過滅菌し、 4°Cで保存するか、 あるいは用時調 製しても良い。
② Gタンパク質共役型レセプター標品
本発明のレセプタータンパク質を発現させた C H O細胞を、 12穴プレートに ^^個 穴で継代し、 37°C、 5 % C02、 95% airで 2日間培養したもの。
③標識リガンド
市販の 〔¾〕 、 〔1251〕 、 〔14C〕 、 〔35S〕 などで標識したリガンド
水溶液の状態のものを 4°Cあるいは— 20°Cにて保存し、 用時に測定用緩衝液に て 1 μ Μに希釈する。
④リガンド標準液
リガンドを 0. 1% ゥシ血清アルブミン (シグマ社製) を含む PBSで 1 mMとな るように溶解し、 一 20°Cで保存する。
2. 測定法
① 12穴組織培養用プレートにて培養した本発明のレセプタータンパク質発現 C H O細胞を、 測定用緩衝液 1 mlで 2回洗浄した後、 490 ; i lの測定用緩衝液を各 穴に加える。
② 10一3〜 ΙΟ^ Μの試験化合物溶液を 5 1加えた後、 標識リガンドを 5 μ ΐカロ え、 室温にて 1時間反応させる。 非特異的結合量を知るためには試験化合物の代 わりに 10— 3 Μのリガンドを 5 加えておく。
③反応液を除去し、 1 mlの洗浄用緩衝液で 3回洗浄する。 細胞に結合した標 識リガンドを 0. 2N NaOH- 1 % S D Sで溶解し、 4 mlの液体シンチレーター A (和光純薬製) と混合する。
④液体シンチレーシヨンカウンター (ベックマンコールター社製) を用いて放 射活性を測定し、 Percent Maximum Binding ( PMB ) を次の式で求める。
PMB= [ (B-NSB) / (B。― NSB) ] X 100
PMB: Percent Maximum Binding
B :検体を加えた時の値
NSB: Non-specific Binding (非特異的結合量)
B0 :最大結合量
本発明のスクリーユング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる 化合物またはその塩は、 リガンドと本発明のレセプタータンパク質等との結合性 を変化させる作用を有する化合物であり、 具体的には、 (ィ) Gタンパク質共役 型レセプターを介して細胞刺激活性 (例えば、 ァラキドン酸遊離、 ァセチルコリ ン遊離、 細胞内 Ca2+遊離、 細胞内 cAMP生成、 細胞内 cGMP生成、 イノシトールリン 酸産生、 細胞膜電位変動、 細胞内タンパク質のリン酸化、 c- fosの活性化、 p H の低下などを促進する活性または抑制する活性など) を有する化合物 (いわゆる
、 本努明のレセプタータンパク質に対するァゴニス ト) 、 (口) 該細胞刺激活性 を有しない化合物 (いわゆる、 本発明のレセプタータンパク質に対するアンタゴ 二スト) 、 (ハ) リガンドと本発明の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質 との結合力を増強する化合物、 あるいは (二) リガンドと本発明の Gタンパク質 共役型レセプタータンパク質との結合力を減少させる化合物である。
該化合物としては、 ペプチド、 タンパク、 非ペプチド性化合物、 合成化合物、 発酵生産物などが挙げられ、 これら化合物は新規な化合物であってもよいし、 公 知の化合物であってもよい。
本発明のレセプタータンパク質等に対するァゴニストは、 本発明のレセプター タンパク質等に対するリガンドが有する生理活性と同様の作用を有しているので 、 該リガンド活性に応じて安全で低毒性な医薬として有用である。
本発明のレセプタータンパク質等に対するアンタゴニストは、 本発明のレセプ タータンパク質等に対するリガンドが有する生理活性を抑制することができるの で、 該リガンド活性を抑制する安全で低毒性な医薬として有用である。
リガンドと本発明の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質との結合力を増 強する化合物は、 本発明のレセプタータンパク質等に対するリガンドが有する生 理活性を増強するための安全で低毒性な医薬として有用である。
リガンドと本発明の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質との結合力を減 少させる化合物は、 本発明のレセプタータンパク質等に対するリガンドが有する 生理活性を減少させるための安全で低毒性な医薬として有用である。
本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる 化合物またはその塩を上記の医薬組成物として使用する場合、 常套手段に従って 実施することができる。 例えば、 上記した本発明のレセプタータンパク質を含有 する医薬と同様にして、 錠剤、 カプセル剤、 エリキシル剤、 マイクロカプセル剤 、 無菌性溶液、 懸濁液剤などとすることができる。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、 例えば、 ヒトゃ非ヒ ト哺乳動物 (例えば、 ラット、 ゥサギ、 ヒッジ、 プタ、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サル など) に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法など
により差異はあるが、 経口投与の場合、 一般的に例えば、 癌患者 (60 kgとして ) においては、 一 Bにっき約 0. 1〜100 mg、 好ましくは約 1. 0〜50 mg、 より好ま しくは約 1. 0〜20 mgである。 非経口的に投与する場合は、 その 1回投与量は投与 対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などによっても異なるが、 例えば、 注射剤の形 では通常例えば、 癌患者 (60 kgとして) においては、 一日につき約 0. 01〜30 mg 程度、 好ましくは約 0. 1〜20 mg程度、 より好ましくは約 0. 1〜10 mg程度を静脈注 射により投与するのが好都合である。 他の動物の場合も、 60 kg当たりに換算し た量を投与することができる。 (8) 本発明の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質とリガンドとの結合 性を変化させる化合物 (ァゴ二ス ト、 アンタゴニス ト) を含有する各種疾病の予 防および zまたは治療剤
本発明のレセプタータンパク質は上記のとおり、 例えば中枢機能、 循環機能、 消化機能、 心機能など生体内で何らかの重要な役割を果たしていると考えられる 。 従って、 本発明のレセプタータンパク質とリガンドとの結合性を変化させる化 合物 (ァゴ二スト、 アンタゴニスト) や本発明のレセプタータンパク質に対する リガンドは、 本発明のレセプタータンパク質の機能不全に関連する疾患の予防お ょぴ Zまたは、冶療剤として用いることができる。
該化合物やリガンドを本発明のレセプタータンパク質の機能不全に関連する疾 患の予防おょひンまたは治療剤として使用する場合は、 常套手段に従って製剤化 することができる。
例えば、 該化合物やリガンドは、 必要に応じて糖衣を施した錠剤、 カプセル剤 、 エリキシノレ剤、 マイクロカプセノレ剤などとして経口的に、 あるいは水もしくは それ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、 または懸濁液剤などの注射剤 の形で非経口的に使用できる。 例えば、 該化合物を生理学的に認められる公知の 担体、 香味剤、 賦形剤、 べヒクル、 防腐剤、 安定剤、 結合剤などとともに一般に 認められた製剤実施に要求される単位用量形態で混和することによって製造する ことができる。 これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な用量が 得られるようにするものである。
錠剤、 力プセル剤などに混和することができる添加剤としては、 例えば、 ゼラ チン、 コーンスターチ、 トラガント、 アラビアゴムのような結合剤、 結晶 'I生セル ロースのような賦形剤、 コーンスターチ、 ゼラチン、 アルギン酸などのような膨 ィ匕剤、 ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、 ショ糖、 乳糖またはサッカリ ンのような甘味剤、 ペパーミント、 ァカモノ油またはチェリーのような香味剤な どが用いられる。 調剤単位形態がカプセルである場合には、 上記タイプの材料に さらに油脂のような液状担体を含有することができる。 注射のための無菌組成物 は注射用水のようなべヒクル中の活性物質、 胡麻油、 椰子油などのような天然産 出植物油などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って処方するこ とができる。 注射用の水性液としては、 例えば、 生理食塩水、 ブドウ糖やその他 の補助薬を含む等張液 (例えば、 D—ソルビトール、 D—マンニトール、 塩化ナト リウムなど) などが用いられ、 適当な溶角補助剤、 例えば、 アルコール (例、 ェ タノール) 、 ポリアルコール (例、 プロピレングリコール、 ポリエチレングリコ ール) 、 非イオン性界面活性剤 (例、 ポリソルベート 80™、 HC0-50) などと併用 してもよい。 油性液としては、 例えば、 ゴマ油、 大豆油などが用いられ、 溶角军補 助剤である安息香酸ベンジル、 ベンジルアルコールなどと併用してもよレ、。
また、 上記予防 ·治療剤は、 例えば、 緩衝剤 (例えば、 リン酸塩緩衝液、 酢酸 ナトリウム緩衝液) 、 無痛化剤 (例えば、 塩化ベンザルコニゥム、 塩酸プロカイ ンなど) 、 安定剤 (例えば、 ヒト血清アルブミン、 ポリエチレングリコールなど ) 、 保存剤 (例えば、 ベンジルアルコール、 フエノールなど) 、 酸化防止剤など と配合してもよい。 調製された注射液は通常、 適当なアンプルに充填される。 さらに、 上記予防 ·治療剤は適当な薬剤と組み合わせて例えば本発明のレセプ タータンパク質が高発現している臓器や,袓織を特異的なターゲットとした D D S 製剤として使用することもできる。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、 例えば、 ヒトゃ非ヒ ト哺乳動物 (例えば、 ラット、 マウス、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ネコ、 ィ ヌ、 サレなど) に対して投与することができる。
該ィ匕合物またはその塩の投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法など により差異はあるが、 経口投与の場合、 一般的に例えば、 癌患者 (60 kgとして
) においては、 一日につき約 0. 1〜100 mg、 好ましくは約 1. 0〜50 mg、 より好ま しくは約 1. 0〜20 mgである。 非経口的に投与する場合は、 その 1回投与量は投与 対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などによっても異なるが、 例えば、 注射剤の形 では通常例えば、 癌患者 (60 kgとして) においては、 一 Θにっき約 0. 01〜30 mg 程度、 好ましくは約 0,:!〜 20 mg程度、 より好ましくは約 0. 1〜10 mg程度を静脈注 射により投与するのが好都合である。 他の動物の場合も、 60 kg当たりに換算し た量を投与することができる。
(9) 本発明のレセプタータンパク質もしくはその部分ぺプチドまたはその塩 の定量
本発明の抗体は、 本発明のレセプタータンパク質等を特異的に認識することが できるので、 被検液中の本発明のレセプタータンパク質等の定量、 特にサンドィ ツチ免疫測定法による定量などに使用することができる。 すなわち、 本発明は、 例えば、
(i) 本発明の抗体と、 被検液および標識化レセプタータンパク質等とを競合 的に反応させ、 該抗体に結合した標識化レセプタータンパク質等の割合を測定す ることを特徴とする被検液中の本発明のレセプタータンパク質等の定量法、
(ii) 被検液と担体上に不溶化した本発明の抗体およぴ標識化された本発明の 抗体とを同時あるいは連続的に反応させたのち、 不溶ィヒ担体上の標識剤の活性を 測定することを特徴とする被検液中の本発明のレセプタータンパク質等の定量法 を提供する。
上記 (ii) においては、 一方の抗体が本発明のレセプタータンパク質等の N端 部を認識する抗体で、 他方の抗体が本発明のレセプタータンパク質等の C端部に 反応する抗体であることが好ましい。
本発明のレセプタータンパク質等に対するモノクローナル抗体 (以下、 本発明 のモノクローナル抗体と称する場合がある) を用いて本発明のレセプタータンパ ク質等の測定を行なえるほか、 組織染色等による検出を行なうこともできる。 こ れらの目的には、 抗体分子そのものを用いてもよく、 また、 抗体分子の F (ab' ) 2 、 Fab' あるいは Fab画分を用いてもよい。 本発明のレセプタ^ "タンパク質等に
対する抗体を用いる測定法は、 特に制限されるべきものではなく、 被測定液中の 抗原量 (例えば、 レセプタータンパク質量) に対応した抗体、 抗原もしくは抗体 一抗原複合体の量を化学的または物理的手段により検出し、 これを既知量の抗原 を含む標準液を用いて作製した標準曲線より算出する測定法であれば、 いずれの 測定法を用いてもよレ、。 例えば、 ネフロメトリー、 競合法、 ィムノメ トリック法 およびサンドイッチ法が好適に用いられるが、 感度、 特異性の点で、 後に記載す るサンドイッチ法を用いるのが特に好ましい。
標識物質を用いる測定法に用いられる標識剤としては、 例えば、 放射性同位元 素、 酵素、 蛍光物質、 発光物質などが用いられる。 放射性同位元素としては、 例 えば、 〔1251〕 、 〔1311〕 、 〔¾〕 、 〔"c〕 などが用いられる。 上記酵素としては 、 安定で比活性の大きなものが好ましく、 例えば、 ]3—ガラクトシダーゼ、 β— ダルコシダーゼ、 アルカリフォスファターゼ、 パーォキシダーゼ、 リンゴ酸脱水 素酵素などが用いられる。 蛍光物質としては、 例えば、 フルォレスカミン、 フル ォレツセンイソチオシァネートなどが用いられる。 発光物質としては、 例えば、 ルミノール、 ルミノール誘導体、 ルシフェリン、 ルシゲニンなどが用いられる。 さらに、 抗体あるいは抗原と標識剤との結合にビォチン一アビジン系を用いるこ ともできる。
抗原あるいは抗体の不溶化に当っては、 物理吸着を用いてもよく、 また通常、 タンパク質あるいは酵素等を不溶化、 固定ィヒするのに用いられる化学結合を用い る方法でもよい。 担体としては、 例えば、 ァガロース、 デキストラン、 セルロー スなどの不溶性多糖類、 ポリスチレン、 ポリアクリルアミド、 シリコン等の合成 樹脂、 あるいはガラス等が用いられる。
サンドィツチ法においては不溶ィ匕した本発明のモノクローナル抗体に被検液を 反応させ (一次反応) 、 さらに標識化した本発明のモノクローナル抗体を反応さ せ (二次反応) た後、 不溶ィ匕担体上の標識剤の活性を測定することにより被検液 中の本発明のレセプタータンパク質量を定量することができる。 一次反応と二次 反応は逆の順序に行なっても、 また、 同時に行なってもよいし時間をずらして行 なってもよい。 標識化剤およぴ不溶化の方法は上記のそれらに準じることができ る。
また、 サンドイッチ法による免疫測定法において、 固相用抗体あるいは標識用 抗体に用いられる抗体は必ずしも 1種類である必要はなく、 測定感度を向上させ る等の目的で 2種類以上の抗体の混合物を用いて.もよい。
本発明のサンドィツチ法によるレセプタータンパク質等の測定法においては、 一次反応と二次反応に用いられる本発明のモノク口ーナル抗体はレセプタータン ノ、。ク質等の結合する部位が相異なる抗体が好ましく用いられる。 すなわち、 一次 反応および二次反応に用いられる抗体は、 例えば、 二次反応で用いられる抗体が 、 レセプタータンパク質の C端部を認識する場合、 一次反応で用いられる抗体は 、 好ましくは C端部以外、 例えば N端部を認識する抗体が用いられる。
本発明のモノクローナル抗体をサンドイッチ法以外の測定システム、 例えば、 競合法、 ィムノメ トリック法あるいはネフロメ トリーなどに用いることができる 。 競合法では、 被検液中の抗原と標識抗原とを抗体に対して競合的に反応させた のち、 未反応の標識抗原と(F)と抗体と結合した標識抗原 ( B ) とを分離し (
B/F分離) 、 B、 F何れかの標識量を測定し、 被検液中の抗原量を定量する。 本 反応法には、 抗体として可溶性抗体を用い、 B/F分離をポリエチレングリコール
、 上記抗体に対する第 2抗体などを用いる液相法、 および、 第 1抗体として固相 化抗体を用いるか、 あるいは、 第 1抗体は可溶性のものを用い第 2抗体として固 相化抗体を用いる固相化法とが用いられる。
ィムノメ トリック法では、 被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の標識ィ匕抗 体に対して競合反応させた後固相と液相を分離するか、 あるいは、 被検液中の抗 原と過剰量の標識化抗体とを反応させ、 次に固相化抗原を加え未反応の標識ィ匕抗 体を固相に結合させたのち、 固相と液相を分離する。 次に、 何れかの相の標識量 を測定し被検液中の抗原量を定量する。
また、 ネフロメ トリーでは、 ゲル内あるいは溶液中で抗原抗体反応の結果、 生 じた不溶性の沈降物の量を測定する。 被検液中の抗原量が僅かであり、 少量の沈 降物しか得られない場合にもレーザーの散乱を利用するレーザーネフロメ トリー などが好適に用いられる。
これら個々の免疫学的測定法を本発明の測定方法に適用するにあたっては、 特 別の条件、 操作等の設定は必要とされない。 それぞれの方法における通常の条件
、 操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本発明のレセプタータンパク質ま たはその塩の測定系を構築すればよい。 これらの一般的な技術手段の詳細につい ては、 総説、 成書などを参照することができる 〔例えば、 入江 寛編 「ラジオィ ムノアツセィ」 (講談社、 昭和 49年発行) 、 入江 寛編 「続ラジオィムノアッセ ィ」 (講談社、 昭和 54年発行) 、 石川栄治ら編 「酵素免疫測定法」 (医学書院、 昭和 53年発行) 、 石川栄治ら編 「酵素免疫測定法」 (第 2版) (医学書院、 昭和 57年発行) 、 石川栄治ら編 「酵素免疫測定法」 (第 3版) (医学書院、 昭和 62年 発行) 、 「メソッズ'イン 'ェンザィモロジ一 (Methods in ENZYMOLOGY) J Vol. 70 (Immunochemical Techniques (Part A) )、 同書 Vol. 73
(Immunochemical Techniques (Part B) )、 同睿 Vol. 74 (Immunochemical Techniques (Part C) )、 同書 Vol. 84 (Immunochemical Techniques (Part D: Selected Immunoassays) )、 |P]書 Vol. 92 (Immunochemical Techniques (Part E: Monoclonal Antibodies and General Immunoassay Methods) )、 同書 Vol. 121 (Immunochemical Techniques (Part I :Hybridoma TechnoloGy and Monoclonal Antibodies) ) (以上、 アカデミックプレス社発行)など参照〕 。
以上のように、 本発明の抗体を用いることによって、 本発明のレセプタータン パク質またはその塩を感度良く定量することができる。
さらに、 本発明の抗体を用いて、 生体内での本発明のレセプタータンパク質ま たその塩を定量することによって、 本発明のレセプタータンパク質の機能不全に 関連する各種疾患の診断をすることができる。
また、 本発明の抗体は、 体液や組織などの被検体中に存在する本発明のレセプ タータンパク質等を特異的に検出するために使用することができる。 また、 本発 明のレセプタータンパク質等を精製するために使用する抗体カラムの作製、 精製 時の各分画中の本発明のレセプタータンパク質等の検出、 被検細胞内における本 発明のレセプタータンパク質の挙動の分析などのために使用することができる。
(10) 細胞膜における本発明のレセプタータンパク質またはその部分ぺプチド の量を変化させる化合物のスクリーニング方法
本発明の抗体は、 本発明のレセプタータンパク質もしくはその部分べプチドま
たはその塩を特異的に認識することができるので、 細胞膜における本発明のレセ プタータンパク質またはその部分べプチドの量を変化させる化合物のスクリー二 ングに用いることができる。
すなわち本発明は、 例えば、
(i) 非ヒ ト哺乳動物の①血液、 ②特定の臓器、 ③臓器から単離した組織もし くは細胞等を破壊した後、 細胞膜画分を単離し、 細胞膜画分に含まれる本発明の レセプタータンパク質またはその部分ペプチドを定量することによる、 細胞膜に おける本発明のレセプタータンパク質またはその部分べプチドの量を変化させる 化合物のスクリ一二ング方法、
(ii) 本発明のレセプタータンパク質もしくはその部分ペプチドを発現する形 質転換体等を破壌した後、 細胞膜画分を単離し、 細胞膜画分に含まれる本発明の レセプタータンパク質またはその部分ぺプチドを定量することによる、 細胞膜に おける本発明のレセプタータンパク質またはその部分ぺプチドの量を変化させる 化合物のスクリ一ユング方法、
(iii) 非ヒ ト哺乳動物の①血液、 ②特定の臓器、 ③臓器から単離した組織も しくは細胞等を切片とした後、 免疫染色法を用いることにより、 細胞表層での該 レセプタータンパク質の染色度合いを定量ィヒすることにより、 細胞膜上の該タン パク質を確認することによる、 細胞膜における本発明のレセプタータンパク質ま たはその部分べプチドの量を変化させる化合物のスクリーニング方法を提供する o
(iv) 本発明のレセプタータンパク質もしくはその部分べプチドを発現する形 質転換体等を切片とした後、 免疫染色法を用いることにより、 細胞表層での該レ セプタータンパク質の染色度合いを定量化することにより、 細胞膜上の該タンパ ク質を確認することによる、 細胞膜における本発明のレセプタータンパク質また はその部分べプチドの量を変化させる化合物のスクリーニング方法を提供する。 細胞膜画分に含まれる本発明のレセプタータンパク質またはその部分ペプチド の定量は具体的には以下のようにして行なう。
(i) 正常あるいは疾患モデレ非ヒ ト哺乳動物 (例えば、 マウス、 ラット、 ゥ サギ、 ヒッジ、 プタ、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど、 より具体的には痴呆ラット
、 肥満マウス、 動脈硬化ゥサギ、 担癌マウスなど) に対して、 薬剤 (例えば、 抗 痴呆薬、 血圧低下薬、 抗癌剤、 抗肥満薬など) あるいは物理的ストレス (例えば 、 浸水ス トレス、 電気ショック、 明暗、 低温など) などを与え、 一定時間経過し た後に、 血液、 あるいは特定の臓器 (例えば、 脳、 肺、 大腸など) 、 または臓器 力 ら単離した組織、 あるいは細胞を得る。 得られた臓器、 組織または細胞等を、 例えば、 適当な緩衝液 (例えば、 トリス塩酸緩衝液、 リン酸緩衝液、 へぺス緩衝 液など) 等に懸濁し、 臓器、 組織あるいは細胞を破壌し、 界面活性剤 (例えば、 トリ トン X100™、 ツイーン 20™など) などを用い、 さらに遠心分離や濾過、 カラ ム分画などの手法を用いて細胞膜画分を得る。
細胞膜画分としては、 細胞を破碎した後、 公知の方法で得られる細胞膜が多く 含まれる画分のことをいう。 細胞の破砕方法としては、 Potter— Elvehjem型ホモ ジナイザ一で細胞を押し潰す方法、 ワーリングブレンダーゃポリ トロン ( Kinematica社製) のよる破砕、 超音波による破碎、 フレンチプレスなどで加圧し ながら細胞を細レヽノズルから噴出させることによる破砕などが挙げられる。 細胞 膜の分画には、 分画遠心分離法や密度勾配遠心分離法などの遠心力による分画法 が主として用いられる。 例えば、 細胞破砕液を低速 (500〜3000 rpra) で短時間
(通常、 約 1〜10分) 遠心し、 上清をさらに高速 (15000〜30000 rpm) で通常 30 分〜 2時間遠心し、 得られる沈澱を膜画分とする。 該膜画分中には、 発現したレ セプタータンパク質等と細胞由来のリン脂質ゃ膜タンパク質などの膜成分が多く 含まれる。
細胞膜画分に含まれる本発明のレセプタータンパク質またはその部分ペプチド は、 例えば、 本発明の抗体を用いたサンドイッチ免疫測定法、 ウェスタンブロッ ト解析などにより定量することができる。
かかるサンドィツチ免疫測定法は上記の方法と同様にして行なうことができ、 ウェスタンブロットは公知の手段により行なうことができる。
(ii) 本発明のレセプタータンパク質もしくはその部分ペプチドを発現する形 質転換体を上記の方法に従い作製し、 細胞膜画分に含まれる本発明のレセプター タンパク質またはその部分ぺプチドを定量することができる。
細胞膜における本発明のレセプタ一タンパク質またはその部分べプチドの量を
71
72 変化させる化合物のスクリーニングは、
(i) 正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物に対して、 薬剤あるいは物理的 ストレスなどを与える一定時間前 (30分前〜 24時間前、 好ましくは 30分前〜 12時 間前、 より好ましくは 1時間前〜 6時間前) もしくは一定時間後 (30分後〜 3日 後、 好ましくは 1時間後〜 2日後、 より好ましくは 1時間後〜 24時間後) 、 また は薬剤あるいは物理的ストレスと同時に被検化合物を投与し、 投与後一定時間経 過後 (30分後〜 3日後、 好ましくは 1時間後〜 2日後、 より好ましくは 1時間後 〜24時間後) 、 細胞膜における本発明のレセプタータンパク質またはその部分べ プチドの量を定量することにより行なうことができ、
(ii) 形質転換体を常法に従い培養する際に被検化合物を培地中に混合させ、
—定時間培養後 (1日後〜 7日後、 好ましくは 1日後〜 3日後、 より好ましくは 2日後〜 3曰後) 、 細胞膜における本発明のレセプタータンパク質またはその部 分ぺプチドの量を定量することにより行なうことができる。
細胞膜画分に含まれる本発明のレセプタータンパク質またはその部分べプチド の確認は具体的には以下のようにして行なう。
(iii) 正常あるいは疾患モデ 非ヒト哺乳動物 (例えば、 マウス、 ラット、 ゥサギ、 ヒッジ、 プタ、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど、 より具体的には痴呆ラッ ト、 肥満マウス、 動脈硬化ゥサギ、 担癌マウスなど) に対して、 薬剤 (例えば、 抗痴呆薬、 血圧低下薬、 抗癌剤、 抗肥満薬など) あるいは物理的ストレス (例え ば、 浸水ストレス、 電気ショック、 明暗、 低温など) などを与え、 一定時間経過 した後に、 血液、 あるいは特定の臓器 (例えば、 心臓、 胎盤、 肺など) 、 または 臓器から単離した組織、 あるいは細胞を得る。 得られた臓器、 組織または細胞等 を、 常法に従い糸且織切片とし、 本発明の抗体を用いて免疫染色を行う。 細胞表層 での該レセプタータンパク質の染色度合いを定量化することにより、 細胞膜上の 該タンパク質を確認することにより、 定量的または定性的に、 細胞膜における本 発明のレセプタータンパク質またはその部分べプチドの量を確認することができ る。
(iv) 本発明のレセプタータンパク質もしくはその部分べプチドを発現する形 質転換体等を用いて同様の手段をとることにより確認することもできる。
02 00271
73 本発明のスクリーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩は、 細胞膜 における本発明のレセプタータンパク質またはその部分ペプチドの量を変化させ る作用を有する化合物であり、 具体的には、 (ィ) 細胞膜における本発明のレセ プタータンパク質またはその部分ペプチドの量を增加させることにより、 Gタン パク質共役型レセプターを介する細胞刺激活性 (例えば、 ァラキドン酸遊離、 ァ セチルコリン遊離、 細胞内 Ca2+遊離、 細胞内 cAMP生成、 細胞内 cGMP生成、 イノシ トールリン酸産生、 細胞膜電位変動、 細胞内タンパク質のリン酸化、 c- fosの活 性化、 p Hの低下などを促進する活性または抑制する活性など) を増強させる化 合物、 (口) 細胞膜における本発明のレセプタータンパク質またはその部分ぺプ チドの量を減少させることにより、 該細胞刺激活性を減弱させる化合物である。 該化合物としては、 ペプチド、 タンパク、 非ペプチド性化合物、 合成化合物、 発酵生産物などが挙げられ、 これら化合物は新規な化合物であってもよいし、 公 知の化合物であってもよい。
該細胞刺激活性を増強させる化合物は、 本発明のレセプタータンパク質等の生 理活性を増強するための安全で低毒性な医薬として有用である。
該細胞刺激活性を減弱させる化合物は、 本発明のレセプタータンパク質等の生 理活性を減少させるための安全で低毒性な医薬として有用である。
本発明のスクリーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩を医薬組成 物として使用する場合、 常套手段に従って実施することができる。 例えば、 上記 した本発明のレセプタータンパク質を含有する医薬と同様にして、 錠剤、 カプセ ノレ斉 ij、 エリキシル剤、 マイクロカプセル剤、 無菌性溶液、 懸濁液剤などとするこ とができる。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、 例えば、 ヒトゃ非ヒ ト哺乳動物 (例えば、 ラット、 マウス、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ネコ、 ィ ヌ、 サルなど) に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法など により差異はあるが、 経口投与の場合、 一般的に例えば、 癌患者 (60 kgとして ) においては、 一日につき約 0. 1〜: 100 mg、 好ましくは約 1· 0〜50 mg、 より好ま しくは約 1. 0〜20 mgである。 非経口的に投与する場合は、 その 1回投与量は投与
対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などによっても異なるが、 例えば、 注射剤の形 では通常例えば、 癌患者 (60 kgとして) においては、 一日につき約 0. 01〜30 rag 程度、 好ましくは約 0. 1-20 mg程度、 より好ましくは約 0. 1〜: 10 mg程度を静脈注 射により投与するのが好都合である。 他の動物の場合も、 60 kg当たりに換算し た量を投与することができる。
(11) 細胞膜における本発明のレセプタータンパク質またはその部分べプチド の量を変化させる化合物を含有する各種疾病の予防および または治療剤 本発明のレセプタータンパク質は上記のとおり、 例えば、 心臓または中枢機能 など生体内で何らかの重要な役割を果たしていると考えられる。 したがって、 細 胞 J3莫における本発明のレセプタータンパク質またはその部分べプチドの量を変化 させる化合物は、 本発明のレセプタータンパク質の機能不全に関連する疾患の予 防および Zまたは治療剤として用いることができる。
該化合物を本発明のレセプタータンパク質の機能不全に関連する疾患の予防お よび Zまたは治療剤として使用する場合は、 常套手段に従って製剤化することが できる。
例えば、 該化合物は、 必要に応じて糖衣を施した錠剤、 カプセル剤、 エリキシ ル剤、 マイクロカプセル剤などとして経口的に、 あるいは水もしくはそれ以外の 薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、 または懸濁液剤などの注射剤の形で非経 口的に使用できる。 例えば、 該化合物を生理学的に認められる公知の担体、 香味 剤、 賦形剤、 べヒクル、 防腐剤、 安定剤、 結合剤などとともに一般に認められた 製剤実施に要求される単位用量形態で混和することによって製造することができ る。 これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な用量が得られるよ うにするものである。
錠剤、 カプセル剤などに混和することができる添加剤としては、 例えば、 ゼラ チン、 コーンスターチ、 トラガント、 アラビアゴムのような結合剤、 結晶性セノレ ロースのような賦形剤、 コーンスターチ、 ゼラチン、 アルギン酸などのような膨 化剤、 ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、 ショ糖、 乳糖またはサッカリ ンのような甘味剤、 ペパーミント、 ァカモノ油またはチェリーのような香味剤な
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75 どが用いられる。 調剤単位形態がカプセルである場合には、 上記タイプの材料に さらに油脂のような液状担体を含有することができる。 注射のための無菌組成物 は注射用水のようなべヒクル中の活性物質、 胡麻油、 椰子油などのような天然産 出植物油などを溶解または懸濁させるなどの通常の製斉 U実施に従って処方するこ とができる。 注射用の水性液としては、 例えば、 生理食塩水、 プドウ糖やその他 の補助薬を含む等張液 (例えば、 D—ソルビトール、 D—マンニトール、 塩化ナト リウムなど) などが用いられ、 適当な溶解補助剤、 例えば、 アルコール (例、 ェ タノール) 、 ポリアルコール (例、 プロピレングリコール、 ポリエチレングリコ ール) 、 非イオン性界面活性剤 (例、 ポリソルベート 80™、 HC0-50) などと併用 してもよい。 油性液としては、 例えば、 ゴマ油、 大豆油などが用いられ、 溶解補 助剤である安息香酸べンジル、 ベンジルアルコールなどと併用してもよい。
また、 上記予防 ·治療剤は、 例えば、 緩衝剤 (例えば、 リン酸塩緩衝液、 酢酸 ナトリウム緩衝液) 、 無痛化剤 (例えば、 塩化ベンザルコニゥム、 塩酸プロカイ ンなど) 、 安定剤 (例えば、 ヒ ト血清アルブミン、 ポリエチレングリコールなど ) 、 保存剤 (例えば、 ベンジルアルコール、 フエノーノレなど) 、 酸化防止剤など と配合してもよレ、。 調製された注射液は通常、 適当なアンプルに充填される。 このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、 例えば、 ヒトゃ非ヒ ト哺乳動物 (例えば、 ラット、 マウス、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ネコ、 ィ ヌ、 サルなど) に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法など により差異はあるが、 経口投与の場合、 一般的に例えば、 癌患者 (60 kgとして ) においては、 一日につき約 0. 1〜100 mg、 好ましくは約 1. 0〜50 mg、 より好ま しくは約 1. 0〜20 mgである。 非経口的に投与する場合は、 その 1回投与量は投与 対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などによっても異なるが、 例えば、 注射剤の形 では通常例えば、 癌患者 (60 kgとして) においては、 一日につき約 0. 01〜30 mg 程度、 好ましくは約 0.:!〜 20 mg程度、 より好ましくは約 0. 1〜10 mg程度を静脈注 射により投与するのが好都合である。 他の動物の場合も、 60 kg当たりに換算し た量を投与することができる。
(12) 本発明のレセプタータンパク質、 その部分ペプチドまたはそれらの塩に 対する抗体による中和
本発明のレセプタータンパク質もしくはその部分べプチドまたはその塩に対す る抗体の、 それらレセプタータンパク質などに対する中和活性とは、 すなわち、 該レセプタータンパク質の関与するシグナル伝達機能を不活性ィ匕する活性を意味 する。 従って、 該抗体が中和活性を有する場合は、 該レセプタータンパク質の関 与するシグナル伝達、 例えば、 該レセプタータンパク質を介する細胞刺激活性 ( 例えば、 ァラキドン酸遊離、 アセチルコリン遊離、 細胞内 Ca2+遊離、 細胞内 cAMP 生成、 細胞内 cGMP生成、 イノシトールリン酸産生、 細胞膜電位変動、 細胞内タン ノ ク質のリン酸化、 C- fosの活性ィ匕、 p Hの低下などを促進する活性または抑制 する活性など) を不活性ィ匕することができる。 したがって、 該レセプタータンパ ク質の過剰発現などに起因する疾患の予防および/または治療に用いることがで さる。 (13) 本発明の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質をコードする D NA を有するトランスジエニック動物の作出
本発明の D NAを用いて、 本発明のレセプタータンパク質等を発現するトラン スジエニック動物を作出することができる。 動物としては、 哺乳動物 (例えば、 ラット、 マウス、 ゥサギ、 ヒッジ、 プタ、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) など ( 以下、 動物と略記する場合がある) が挙げられるが、 特に、 マウス、 ゥサギなど が好適である。
本発明の D N Aを対象動物に導入するにあたっては、 該 D N Aを動物細胞で発 現させうるプロモーターの下流に結合した遺伝子コンストラクトとして用いるの が一般に有利である。 例えば、 ゥサギ由来の本発明の D NAを導入する場合、 こ れと相同性が高い動物由来の本発明の D N Aを動物細胞で発現させうる各種プロ モーターの下流に結合した遺伝子コンストラクトを、 例えば、 ゥサギ受精卵へマ イク口インジェクションすることによって本発明のレセプタータンパク質等を高 産生する D N A導入動物を作出できる。 このプロモーターとしては、 例えば、 ゥ ィルス由来プロモーター、 メタ口チォネイン等のュビキアスな発現プロモーター
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77 も使用しうるが、 好ましくは心臓で特異的に発現する遺伝子のプロモーターが用 レヽられる。
受精卵細胞段階における本発明の D N Aの導入は、 対象動物の胚芽細胞および 体細胞の全てに存在するように確保される。 D N A導入後の作出動物の胚芽細胞 において本発明のレセプタータンパク質等が存在することは、 作出動物の子孫が 全てその胚芽細胞および体細胞の全てに本発明のレセプタータンパク質等を有す ることを意味する。 遺伝子を受け継いだこの種の動物の子孫はその胚芽細胞およ ぴ体細胞の全てに本発明のレセプタータンパク質等を有する。
本発明の D N A導入動物は、 交配により遺伝子を安定に保持することを確認し て、 該 D NA保有動物として通常の飼育環境で飼育継代を行うことができる。 さ らに、 目的 D N Aを保有する雌雄の動物を交配することにより、 導入遺伝子を相 同染色体の両方に持つホ乇ザィゴート動物を取得し、 この雌雄の動物を交配する ことによりすべての子孫が該 D N Aを有するように繁殖継代することができる。 本発明の D N Aが導入された動物は、 本発明のレセプタータンパク質等が高発 現させられているので、 本発明のレセプタータンパク質等に対するァゴニストま たはアンタゴニストのスクリーニング用の動物などとして有用である。
本発明の D N A導入動物を、 組織培養のための細胞源として使用することもで きる。 例えば、 本発明の D NA導入マウスの糸且織中の D NAもしくは R NAを直 接分析するカ あるいは遺伝子により発現された本発明のレセプタータンパク質 が存在する糸且織を分析することにより、 本発明のレセプタータンパク質等につい て分析することができる。 本発明のレセプタータンパク質等を有する糸且織の細胞 を標準組織培養技術により培養し、 これらを使用して、 例えば、 脳や末梢組織由 来のような一般に培養困難な組織からの細胞の機能を研究することができる。 ま た、 その細胞を用いることにより、 例えば、 各種組織の機能を高めるような医薬 の選択も可能である。 また、 高発現細胞株があれば、 そこから、 本発明のレセプ タータンパク質等を単離精製することも可能である。 本明細書および図面において、 塩基やアミノ酸などを略号で表示する場合、 そ の表示は、 IUPAC-IUB Commission on Biochemical Nomenclatureによる略号ある
いは当該分野における «用略号に基づくものである。 その例を以下に示す。 また アミノ酸に関し光学異性体があり得る場合は、 特に明示しなければ L体を示すも のとする。
Gly : グリシン
Ala : ァラニン
Val : ノ リン
Leu : ロイシン
lie :ィソロイシン
Ser :セリン
Thr : スレ才ニン
Cys : システィン
Met :メチォニン
Glu : グルタミン酸
Asp : ァスパラギン酸
し ys : リジン
Arg :アルギニン
His : ヒスチジン
Phe :フエ二ルァラニン
Tyr :チロシン
Trp : トリブトファン
Pro :プロリン
Asn : ァスパラギン
Gin : グルタミン
pGlu : ピログ^^タミン酸
Me : メチル基
Et :ェチノレ基
Bu :プチル基
Ph : フヱニノレ基
TC :チアゾリジン一
本明細書中で繁用される置換基、 保護基および試薬を下記の記号で表記 p- トノレエンスノレフォニノレ
ホノレミノレ
ベンジル .
: 2, 6—ジク口口べンジノレ
ベンジノレォキシメチノレ
ベンジルォキシ力ルポニル
2—クロ口べンジノレ才キシカノレボニノレ
2—ブロモべンジ/レオキシカノレボニル
t—プトキシカルボニル
ジニトロフエノ一ノレ
トリチル
tープトキシメチノレ
N- 9—フノレオレニノレメ トキシカノレポ二ノレ
1ーヒドロキシベンズトリァゾール
3, 4ージヒ ドロー 3—ヒ ドロキシー4一ォキソ一 1, 2, 3—べンゾトリア
H0NB : 1ーヒ ドロキシ一 5—ノルボルネンー 2, 3—ジカルボキシィミ ド DCC : N, N'—ジシクロへキシルカルポジィミ ド 本明細書の配列表の配列番号は、 以下の配列を示す。
配列番号: 1
本発明のヒト由来新規 Gタンパク質共役型レセプタータンパク質 TGR31のアミ ノ酸配列を示す。
配列番号: 2
本発明のヒト由来新規 Gタンパク質共役型レセプタータンパク質 TGR31をコー ドする c D N Aの塩基配列を示す。
配列番号: 3
以下の実施例 1における P C R反応で使用したプライマー 1の塩基配列を示す 配列番号: 4
以下の実施例 1における P C R反応で使用したプライマー 2の塩基配列を示す 配列番号: 5
以下の実施例 2における P C R反応で使用したプライマー 1の塩基配列を示す 配列番号: 6
以下の実施例 2における P C R反応で使用したプライマー 2の塩基配列を示す 配列番号: 7
以下の実施例 2における P CR反応で使用したプローブの塩基配列を示す。 以下の実施例 1で得られた形質転換体、 大腸菌 (Escherichia coli)
T0P10/pCR2.1 - WGR31は、 2001年 (平成 13年) 3月 5日から茨城県つくば 巿東 1丁目 1番地 1 中央第 6 (郵便番号 305— 8566) の独立行政法人産 業技術総合研究所特許生物寄託センター (旧 経済産業省産業技術総合研究所 生命工学工業技術研究所 (N I B H) ) に寄託番号 F ERM BP— 7488と して、 2001年 (平成 13年) 2月 20日から大阪府大阪市淀川区十三本町 2 -17-85 (郵便番号 532— 8686) の財団法人 '発酵研究所 ( I F O) に寄託番号 I FO 16575として寄託されている。 実施例
以下に実施例を示して、 本発明をより詳細に説明するが、 これらは本発明の範 囲を限定するものではない。 なお、 大腸菌を用いての遺伝子操作法は、 モレキュ ラ ·クローニング(Molecular cloning)に記載されている方法に従った。 実施例 1 ヒト胎盤の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質をコードする c
DNAのクローユングと塩基配列の決定
ヒ ト胎盤 cDNA (CLONTECH社) を铸型とし、 2個のプライマー、 プライマー 1 (配列番号: 3) およぴプライマー 2 (配列番号: 4) を用いて PCR反応を 行つた。 該反応における反応液の組成は上記 c D N Aを 1/10量铸型として使用し 、 Advantage - GC2 Polymerase Mix (クロンテック社(CLONTECH社)) 1/50量、 プ ライマー 1 (配列番号: 3) およぴプライマー 2 (配列番号: 4) を各 0.5 μΜ、 dNTPsを 200 μΜ、 および酵素に添付のバッファーを 1/5量、 GC Meltを 1/5量加え 、 20 の液量とした。 PCR反応は、 94°C · 5分の後、 94°C · 30秒、 60°C · '30 秒、 68°C · 4分のサイクルを 35回繰り返し、 最後に 68°C* 5分の伸長反応を行つ た。 該 PCR反応産物を TAクローニングキット (インビトロジェン社
(Invitrogen社)) の処方に従いプラスミ ドベクター pCR2.1 (インビトロジェン社 ) へサブクローユングした。 これを大腸菌 T0P10に導入し、 cDNAを持つクロ ーンをアンピシリン含有 LB寒天培地中で選択した。 個々のクローンの配列を解 祈した結果、 新規 Gタンパク質共役型レセプタータンパク質をコードする cDN A配列 (配列番号: 2) を得た。 また、 このアミノ酸配列 (配列番号: 1) を含 有する新規 Gタンパク質共役型レセプタータンパク質を TGR31と命名した。 また 形質転換体を大腸菌 (Escherichia coli) T0P10/pCR2. l-hTGR31と命名した。 実施例 2 TGR 31のヒト組織における発現分布解析
TGR 31のヒ ト組織における発現分布解析は TaqMan PCR法を用いることに より調べた。 铸型としては、 各臓器の Human Poly A+ RNA (クロンテック社) を SMART PCR cDNA Synthesis Kit (クロンテック社) で調製した c DNA ライブラリ 一を用いた。 PCR用プライマーとしてプライマー 1 (配列: 5) 及びプライマー 2 (配列番号: 6) を、 また配列番号: 7を有するプローブを使用して TaqMan PCR を行った。 該反応における反応液組成は、 TaqMan Universal PCR Master Mix (アプライドバイオシステムズジャパン) を 12.51、 10 Μのプライマー 1 とプライマー 2を各 0.5μ1、 5juMのプロ^"プを l/il、 錡型を 2μ1、 蒸留水を 8.5 μ 1の合計 25 μ 1であり、 PC R反応は、 50°C · 2分、 95°C · 10分保持した 後、 95°C · 15秒、 60°C .1分のサイクルを 40回繰り返した。 得られた結果より
PC漏薩 71
82 標準化に用いた β -ァクチン 1 X 105当たりのコピー数として算出した値を図 2に 示す。 これより T G R 3 1の発現量は、 胎盤 '肝臓で高く発現していることがわ かった。 産業上の利用可能性
本発明の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質もしくはその部分べプチド またはその塩、 該レセプタータンパク質またはその部分ぺプチドをコ一ドするポ リヌクレオチド (例えば、 D N A、 R NAおよびそれらの誘導体) は、 ①リガン ド (ァゴ二スト) の決定、 ②抗体おょぴ抗血清の入手、 ③糸且換え型レセプタータ ンパク質の発現系の構築、 ④同発現系を用いたレセプタ一結合ァッセィ系の開発 と医薬品候補化合物のスクリーニング、 ⑤構造的に類似したリガンド ' レセプタ 一との比較にもとづいたドラッグデザィンの実施、 ⑥遺伝子診断におけるプロ一 プゃ P C Rプライマーの作成のための試薬、 ⑦トランスジエニック動物の作出ま たは⑧遺伝子治療剤等の医薬等として用いることができる。