技術分野
本発明は、 頭皮に育毛用の薬液を塗布し、 温風や高濃度酸素を供給するこ とによって育毛効果を促進するためのヘルメット状の育毛補助装置に関する ものである。
,景: 技術
従来より、 頭皮に育毛用の薬液を塗布し、 温風や高濃度酸素を供給するこ とによって育毛効果を促進するための育毛補助装置としては、 営業用の自立 型のスタンド状のものが、 営業用の施術所等に設置されて使用されていた。
しかし、 このような装置は、 営業用の大型のものであるので、 各家庭で使 用するには適していなかつたので、 出願人は家庭においても使用できるコン パクトな育毛補助装置を特許第 2798838号において提案し、 家庭において 使用になったという点で多大な効果を得ている。
そこで、 近年においては、 前述した特許第 2798838 号の育毛補助装置を 、 さらに快適に使用できるように改善することが望まれていた。
そこで、 本発明は、 特許第 2798838 号の育毛補助装置に、 クール機能と もみ機能とを付加して、 より効果的な育毛と快適な使用が可能な育毛補助装 置の提供を目的としてなされたものである。 発明の開示
本発明にかかる請求の範囲第 1項の育毛補助装置においては、 オゾンを含 んだ空気流を発生させるオゾン空気発生手段と、 設定された温度に加温され た空気流を発生させる加熱手段と、 後頸部を冷却する冷却手段と、 前記ォゾ
ン空気発生手段と、 加熱手段と、 冷却手段とを所定のタイムスケジュールで 制御する制御手段とを備えるという手段を講じた。
請求の範囲第 2項の育毛補助装置においては、 オゾンを含んだ空気流を発 生させるォゾン空気発生手段と、 設定された温度に加温された空気流を発生 させる加熱手段と、 頭部をマッサージするもみ手段と、 前記オゾン空気発生 手段と、 加熱手段と、 もみ手段とを所定のタイムスケジュールで制御する制 御手段とを備えるという手段を講じた。
また、 冷却手段ともみ手段の両方を備えてもよい。 図面の簡単な説明
第 1図は、 本発明にかかる育毛補助装置の使用状態の斜視図であり、 第 2図は、 図 1の育毛補助装置の内部構成を説明する一部断面側面図であ り、
第 3図は、 図 1の育毛補助装置の内部構成を説明する裏返した状態の斜視 図であり、
第 4図は、 図 1の育毛補助装置の高濃度酸素発生装置の斜視図であり、 第 5図は、 図 4の高濃度酸素発生装置のブロック図である。 発明を実施するための最良の形態
以下に、 本発明にかかる育毛補助装置を、 その実施の形態を示した図面に 基づいて詳細に説明する。
図 1、 2、 3、 4には育毛補助装置 1の一例を図示した。
2はプラスチック製のキャップであり頭部にか被せるようにへルメット状 に成形されている。 3はエアーバッグであり、 前記キャップの内部の後頭部 に面ファスナーによって着脱自在に装着されている。 このエアーバッグ 3は チューブ 31 を介して接続されているエアーポンプ 32 を握ったり開放した
りする動作を繰り返すことによって膨張され、 エア 抜きバルブ 33 を開放 することによって空気の抜くことによって縮まされる。 このエアーバッグ 3 のカバーは取り外して洗濯することができる。
4は前頭部クッシヨンであり、 前記キャップの内部の前頭部に面ファスナ 一によつて着脱自在に装着されている。 この前頭部クッション 4に充填され たスポンジを取り出すことによりカバーを洗濯することができる。
5は冷却装置であり、 キヤップ 2に対して回動自在に取り付けられたホル ダー 51 に取り付けられており、 ほぼ後頭部の後頸部に位置するように配設 されている。 前記ホルダー 51はホルダー調節ノブ 52を調節することによつ て、 好みの位置に固定することができる。 前記冷却装置 5はペルチェ素子に よる電子冷却モジュールを用いたものであり、 後述するコントロ^ "ラ 9から 供給される電気エネルギーによつて冷却される吸熱部と、 この吸熱部で吸熱 して温度が上昇する放熱部に空気を吹き付けて放熱効果を高めるための小型 ファンとを備えている。 そして、 この冷却装置 5の後頭部側にはパッド 53 が配設されており、 使用者の後頸部に当接して後頸部を冷やすように構成さ れている。 このパッド 53のカバーは取り外して洗濯することができる。
6はセラミックヒータであり、 キャップ 2の内部の頭頂部に配設され、 小 型ファン (図示せず) による空気流を加温してキャップ 2の内部に放出し頭 皮を温めて刺激する。
7はもみ機構であり、 キャップ 2の内部の頭頂部に配設され、 小型のギア 一ドモータを駆動源として頭頂部をマッサージするもみ機能を実現している このもみ機能 7は、 頭皮刺激用のゴム製半球状部材 (もみ導子) が複数設 けられ、 これらのゴム製半球部材を前記小型モータで揺動させることによつ て頭頂部をマッサージして頭皮に刺激を与えるように構成されている。 これ らのゴム製半球状部材 (もみ導子) の取り付け座面には、 加熱によって遠赤
外線を発生する塗料を塗布した。
8は放電用ネオン管を用いてオゾンを含んだ高濃度酸素を発生するオゾン 発生装置であり、 後述するコントローラ 9から供給される電気エネルギーに よって放電することでオゾンを含んだ高濃度酸素を発生し、 前記小型ファン (図示せず) による空気流をオゾンを含んだ高濃度酸素としてキャップ 2の 内部に放出し頭皮を酸ィヒ状態の雰囲気として頭皮の組織鵜を刺激する。 また、 前記セラミックヒータ 6から照射される遠赤外線は頭頂部とその周 りを温める。 特に、 遠赤外線は皮膚の表面だけでなく皮下の毛根部まで温め るので、 毛根部を刺激して発毛 ·育毛を促進するのである。
9はコントローラであり、 前記遠赤外線ヒーター 6の発熱量を制御する温 度制御部 93 と、 前記もみ機構 7を制御するもみ機構制御部 94 と、 前記冷 却装置 5を制御するための冷却制御部 95 と、 オゾン発生制御部 96 と、 こ れらの各機能を設定された所定のタイムスケジュールに従って制御する制御 部 97と、 電源部 99とを備えている。
前記温度制御部 93、 もみ機構制御部 94、 冷却制御部 95、 およびオゾン発 生制御部 96は F E T素子による電流制御機能を備えている。
前記電源部 99 は商用電源を、 セラミックヒータ用の直流 24 ポルトと、 オゾン発生装置、 冷却装置、 もみ機構用の 12 ボルトと、 制御回路用の 5ボ ルトに変換して供給するものであり、 トランス式もしくはスィツチングレギ ユレータ式とする。 スイッチングレギユレータ式の場合には高容量の電流を 簡便にとれるとともに装置の重量を軽くできる。
前記コントローラ 9とキャップ 2とは、 前記前記遠赤外線ヒーター 6を制 御する電源ケーブルと、 前記もみ機構 7を制御する電源ケーブルと、 前記冷 却装置 5を制御する電源ケーブルとが束ねられた 1本の接続ケープノレで接続 されている。 従って、 コント口一ラ 9とキャップ 2とは電源ケーブルだけで 接続されており、 ホース等を必要としないので効率よく且つコンパクトに装
置を構成することができる。
なお、 前記コントローラ 9の内部にオゾン発生装置を内蔵して、 発生させ た高濃度酸素をホース等でキャップ 2の内部に導いてもよい。
前記コントローラ 9は、 モード 1選択スィッチ 11 とモード 2選択スイツ チ 12とを備えている。
また、 モード 1の動作時における温風の温度を調整する温度調整ボリュー ム 13、 各モードでの時間制御の開始 Z停止を制御するスタート /ストップ スィッチ 14、 残り動作時間を表示する 4つの表示灯 15、 温風の吹き出しが 作動中であることを表示する表示灯 16、 高濃度酸素が発生中であることを 表示する表示灯 17、 7令却装置が作動中であることを表示する表示灯 18、 も み機構が作動中であることを表示する表示灯 19を備えている。
図 5は、 前記コントローラ 9の制御部 97のブロック図である。
図中、 961 は例えば 8ビッ トのマイコンユニットであり、 前記モード 1選 択スィツチ 11、 モード 2選択スィッチ 12、 スタート Zストップスィッチ 14 、 各表示灯 15、 16、 17、 18、 19、 温度制御部 93、 もみ機構制御部 94、 冷却制御 部 95、 オゾン発生制御部 96、 ブザー 98、 及ぴ電源部 99 が接続され、 これ らを系統的に制御する。 前記マイコンユニット 961 は水晶振動子を用いて 生成されるクロック周波数で駆動されるので、 正確な時間制御が可能である また、 異常な温度上昇を防止するためにサーモスタットと、 温度フューズ とを備えている。
以上の構成の育毛補助装置の操作および動作を説明する。
まず、 育毛用の薬液を頭部に塗布した後に、 キャップ 2を頭に被ってエア 一ポンプ 32 を操作してエアーバッグ 3を膨張させ、 もみ機構の頭皮刺激用 ゴムが適度の圧力で頭部に接 j¾虫するように調整する。
そして、 モード 1動作もしくはモード 2動作をそれぞれスィツチで選択す
る。
モード 1選択スィツチ 11を押してモ^"ド 1動作を選択した場合、 スタート Zストップスィッチ 14 を押すと、 パネル面にある動作時間表示ラ ンプ 4個が転倒してモード 1動作を開始する。
モード 1動作においては、 スタート/ストップスィッチ 14 を押した後 1
0分間に渡つて前記ヒータによつて温風が頭部に供給される。 このときの温 風の温度は前記温度調節用ボリューム 13によって調整する。
動作開始後、 2. 5分経過する毎に前記 4個のランプが 1個ずつ順次消灯し て時間経過を表示する。 そして、 1 0分後には全て消灯して、 ブザーが鳴動 するとともに、 温風の供給も終了する。
モード 2選択スィツチ 12を押してモード 2動作を選択した場合、 スタート/ストップスィッチ 14 を押すと、 パネル面にある動作時間表示ラ ンプ 4個が転倒してモード 1動作を開始する。
モード 2動作においては、 スタート/ストップスィッチ 14 を押した後、 初めの 2. 5 分間は、 高濃度酸素が供給されて、 頭部にオゾンを含んだ高濃 度酸素を供給して薬液による育毛効果を促進するとともに、 冷却装置 5が作 動して後頸部を冷却して快適に保つ。
次の 5分間は、 前記高濃度酸素の供給と後頸部の冷却に加えて、 もみ機構 による頭皮のマッサージ動作が加えられ、 頭皮を刺激して薬液による育毛効 果を促進する。
そして、 最後の 2. 5 分間は、 再ぴ、 前記高濃度酸素の供給と後頸部の冷 却が行われる。
動作開始後、 2. 5分経過する毎に前記 4個のランプが 1個ずつ順次消灯し て時間経過を表示する。 そして、 1 0分後には全て消灯して、 ブザーが鳴動 するとともに、 全ての動作が終了する。
なお、 前記モード 1、 2における各部の動作の時間や組み合わせは、 あく
までもひとつの例であって、 状況に応じて種々の設定組み合わせができるこ とはいうまでもない。
そして、 ヒータによる温風の供給や高濃度酸素の供給に加えて、 後頸部の 冷却機能や、 頭皮のもみ機能を具備したので、 温風による温熱効果と、 後頸 部の冷却によるクール効果とによつて更に育毛効果を促進することができる とともに、 快適に使用することができるようになった。 産業上の利用可能性
本発明の育毛補助装置によれば、 加温手段による温風の供給ゃォゾン発生 装置による高濃度酸素の供給に加えて、 後頸部の冷却機能や、 頭皮のもみ機 能を具備したので、 温風による温熱効果と、 後頸部の冷却によるクール効果 とによつて更に育毛効果を促進することができるという効果が得られる。 従って、 家庭においても使用可能となった特許第 2798838 号の育毛補助 装置を、 さらに効果的且つ快適に使用できるようになつたのである。