明 細 書 新規タンパク質、 その製造法および用途 技術分野
本発明は、 ヒト肝臓由来およびヒト精巣、 ヒト脳由来の新規 S SD含有タン パク質またはその塩およびそれをコードする DN Aに関する。 背景技術
コレステロールは真核細胞の形質膜に豊富に存在し、膜の透過性や機械的強 度-耐久性等に関与し、 膜調節の重要な機能を持つ分子であり、 また、 種々の ステロイドホルモン前駆体としても必須な脂質である。動物細胞は生体内の恒 常性を保っために、形質膜の主要構成脂質の 1つであるコレステロ一ルの細胞 内レベルを調節する複雑な機構を備えている。形質膜 ·細胞内オルガネラにお けるコレステロール濃度は厳密な制御下にあることが知られているが、そのた めには必ずその濃度を感知する機能が必要である。 それを担う候補として SSD (sterol-sensing domain)が考えられてレ る [ Current Opinion in Structural Biology, 8, 435-439 (1998) ]。 SSDは当初、 細胞内コレステロールの増加で 自分自身のプロテアーゼ分解が促進されるコレステロール生合成経路の律速 释素、 HMG- CoA (3-hydroxy-3-methylglutaryl-coenzyme A)還元酵素と、 小胞 体のステロールレベル低下で SREBP (ステロ一ル調節エレメント結合タンパク) のプロセッシングを活性化する分子として得られた SCAP (SREBP cleavage activating protein) に相同性を有する 5回膜貫通領域が存在することから、 この 5膜領域がステロール濃度を感知している可能性があるとして提唱され た [ Cell, 87, 415-426 (1996)] 。 SSDは、 一次構造上それほど高いホモ口 ジ一が有るわけではなく (identity 約 20%, possibility 約 40%程度) 、 コン センサスモチーフが存在するわけでもない。 しかしながら、その疎水性プロッ トは極めて良く類似し、 二次構造的には良く保存されていると推測される。 ニーマン ·ピック病 C型は常染色体劣性遺伝病で、 LDL由来コレステロールの
リソソ一ムからの輸送に欠陥をもち、 細胞内に LDLコレステロールが異常蓄積 し、神経障害と肝脾腫を引き起こす代謝疾患であるが、その原因遺伝子とし最 近 NPC1がポジショナルクローニングされ、 そのタンパクが SSDを持っているこ とが分かっている [ Molecular Medicine Today, 4, 525-531 (1998) ] 。 PC1 には現在、 その SSDがリソソームのコレステロールを感知して、 閾値以上にな ると小胞の出芽のように NPC—顆粒を遊離し、 小胞体や形質膜へのコレステロ ール輸送を行うことが提唱されており [Current Opinion in Lipidology, 9, 131-135 (1998)] 、 数々の実験事実がこのモデルを支持している [Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 96, 805-810 (1999); J. Biol. Chem. , 274, 9627-9635 (1999) ] 。 細胞内脂質小胞輸送系でセンサ一分子が同定されているのは NPC1 のみであるが、他のオルガネラにもセンサ一輸送小胞系が存在する可能性は高 い。
Patchedは基低細胞母斑症候群の候補遺伝子であることが報告されているが [Science, 272, 1668-1671 (1996)] 、 形態形成にかかわる分泌性タンパク、 へッジホッグの受容体として機能しており、へッジホッグは胎生神経上皮にお いてコレステロールの修飾を受けている [ Nature Genet. , 15, 123-124 (1997) ]。 SSDは、 この Patchedにも認められている [Cold SpringHarb. Symp. Quant. Biol., 62, , 191-204 (1997); Science, 277, 228-231 (1997)] 。 NPCl はリソソームコレステロールセンサ一 (lysosome cholesterol sensor) とし て、 Patchedはヘッジホッグの修飾コレステロールのセンサーとして機能して いると考えられるので、 今までに見いだされた 4つの SSD含有タンパク質には すべてステロールセンサー機能が認められたことになる。 最近、 さらに SSD含 有タンパクとして TRC8 [ Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 95, 9572-9577 (1998) ]、 DHCR (7-dehydrocholesterol reductase) [Ϊ. Biol. Chem. , 274, 14624-14631 (1999)] 、 Dispatched [Cell, 99, 803-815 (1999)]などが報告されている。 最近 P糖蛋白質 ABC1がコレステロール搬出の受容体であるという説が浮上し ているが [Nature Genetics, 22, 336-345 (1999); Nature Genetics, 22, 347-351 (1999); Nature Genetics, 22, 352-355 (1999)] 、 以前から多剤耐 性 (MDR) 分子が細胞内脂質転送に関与するという報告はあった [Cell, 87,
507-517 (1996) ] 。 興味深いのは一群の MDR阻害剤がコレステロール転送を阻 害するのみならず、 NPC細胞様のリソソ一ムへの脂質蓄積を来たし、 また、 催 奇形性を有し、 これらの強さが相関するという説である [ Sc i ence, 280, 1603-1607 (1998) ] 。 これらのことから、 コレステロール輸送に関わる MDRは SSD含有タンパクと共存もしくは相互作用し、 活性調節を受けている可能性が あり、 ABC1もまた同様の可能性があると推定される。また、形質膜と小胞体, ゴ ルジ体の間には活発な脂質輸送が存在するが、まだセンサー分子は同定されて いない。 ACATは細胞内コレステロール濃度の上昇に伴い、本来局在する小胞体 からプロテアーゼ分解を免れるかの様に細胞質全体に分布することが知られ ているが、 ここにセンサー分子の存在を予測させる。
細胞内 ·外には、 これまでに見いだされた SSD含有タンパク質では説明でき ないステロールセンサーの存在を思わせる現象が多くあり、 SSDを有する新規 タンパク質を見いだすことが出来れば、 それらの中にはマクロファージ ACAT のコレステロール負荷によるタンパク局在性の変化、すなわち、 ACAT含有小胞 の輸送、 マク口ファ一ジ中性コレステロールエステラーゼ (例、 ホルモンセン シティブリパーゼ (HSL) ) のコレステロール負荷によるプロテア一ゼ分解亢 進、 小胞体やゴルジ体から形質膜へのコレステロール輸送小胞、 形質膜から 小胞体へのコレステロール輸送小胞、 コレステロール合成系の律速酵素、胆汁 酸合成系の律速酵素、ステロイド合成の場であるミトコンドリアへの輸送小胞 などに関与する機能分子があることが想定される。
この様 SSD含有タンパクは生理的に非常に重要な役割を演じている可能性 は高く、 その新規タンパク質の発見および機能解明が待ち望まれていた。 本発明は新規 SSD含有タンパク質またはその塩、 該タンパク質をコードする DNA、 組換えべクタ一、 形質転換体、 該タンパク質の製造法、 該タンパク質ま たは DNAを含有する医薬、 該タンパク質に対する抗体、 該タンパク質またはそ の塩の活性を促進または阻害する化合物のスクリーニング方法、該タンパク質 またはその塩のステロール感知能を変化させる化合物スクリーニング方法、該 スクリ一ニング方法によって得られうる化合物またはその塩、並びに該化合物 またはその塩などを提供することを目的とする。
SSDを有する新規タンパク質を見いだすことが出来れば、 マクロファージ ACATのコレステロール負荷によるタンパク局在性の変化、すなわち、 ACAT含有 小胞の輸送、 マクロファ一ジ中性コレステロールエステラーゼ(例、 ホルモン センシティブリパーゼ (HSL) ) のコレステロール負荷によるプロテア一ゼ分 解宂進、 小胞体やゴルジ体から形質膜へのコレステロール輸送小胞、 形質膜 から小胞体へのコレステロール輸送小胞、コレステロール合成系の律速酵素、 胆汁酸合成系の律速酵素、ステロイド合成の場であるミトコンドリアへの輸送 小胞などに関与する機能分子の解析をより一層進展させることができ、該タン パク質に対して阻害活性或いは促進活性を発揮し、 脂質代謝疾患に関連する 種々の疾患、 例えば、 糖尿病、 肥満、 癌、 動脈硬化症、 高脂血症または神経変 性疾患、 神経障害などの予防や診断、 治療に役立つ新たな医薬品の開発をする ことができる。 発明の開示
本発明者らは、 鋭意研究を重ねた結果、 ヒト肝臓、 ヒト脳、 精巣由来 CDNA ライブラリーからそれぞれ新規な塩基配列を有する cDNAをクローニングする ことに成功した。 そして、 本発明者らは、 得られた cDNAにコードされるタンパ ク質が SSD含有タンパク質であることを見出した。 これらの知見に基づいて、 さらに検討を重ねた結果、 本発明を完成するに至った。
すなわち、 本発明は、
( 1 )配列番号: 1 6で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一 のアミノ酸配列を含有するタンパク質またはその塩、
.( 2 )配列番号: 1 7で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一 のアミノ酸配列を含有する上記 (1 ) 記載のタンパク質またはその塩、 ( 3 )配列番号: 3 4で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一 のアミノ酸配列を含有する上記 (1 ) 記載のタンパク質またはその塩、 ( 4 )配列番号: 3 5で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一 のアミノ酸配列を含有する上記 (1 ) 記載のタンパク質またはその塩、 ( 5 )配列番号: 4 0で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一
のアミノ酸配列を含有する上記 (1) 記載のタンパク質またはその塩、
(6)配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一の アミノ酸配列を含有し、配列番号: 38で表わされるアミノ酸配列を含まない タンパク質またはその塩、
(7)配列番号: 9で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一の アミノ酸配列を含有する上記 (6) 記載のタンパク質またはその塩、
(8) ①上記 (1) 記載のタンパク質または②配列番号: 8で表わされるアミ ノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列番号: 3 8で表わされるアミノ酸配列を含まないタンパク質をコ一ドする塩基配列を 含有する DNAを含有する DNA、
(9)①配列番号: 7で表される塩基配列の第 64番目〜第 3999番目の塩 基配列、 ②配列番号: 1 5で表される塩基配列、 ③配列番号: 32で表される 塩基配列、 ④配列番号: 33で表される塩基配列または⑤配列番号: 41で表 される塩基配列を含有する上記 (8) 記載の DNA、
(1 0) 上記 (8) 記載の DNAを含有する組換えベクター、
(1 1) 上記 (1 0) 記載の組換えべクタ一で形質転換された形質転換体、
(1 2) 上記 (1 1) 記載の形質転換体を培養し、 該タンパク質を生成せしめ ることを特徴とする、 ①上記 (1) 記載のタンパク質もしくは②配列番号: 8 で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含 有し、配列番号: 38で表わされるアミノ酸配列を含まないタンパク質または その塩の製造法、
(1 3) ①上記 (1) 記載のタンパク質または②配列番号: 8で表わされるァ ミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ酸配列を含有し、配列番号: 3 8で表わされるアミノ酸配列を含まないタンパク質またはその塩に対する 抗体、
(14) ①上記 (1) 記載のタンパク質または②配列番号: 8で表わされるァ ミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ酸配列を含有するタンパク 質 (好ましくは、 配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質 的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列番号: 38で表わされるアミノ酸配列
を含まないタンパク質) またはその塩を含有する医薬、
(15) 上記 (8) 記載の DNAを含有する医薬、
(16) 糖尿病、 肥満、 癌、 動脈硬化症、 高脂血症、 神経変性疾患または神経 障害の予防'治療剤である上記 (14) または (15) .記載の医薬、
(17) 上記 (8) 記載の DNAまたは上記 (13) 記載の抗体を含有してな る糖尿病、 肥満、 癌、 動脈硬化症、 高脂血症、 神経変性疾患または神経障害の 診断剤、
(18) ①上記 (1) 記載のタンパク質または②配列番号: 8で表わされるァ ミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク 質 (好ましくは、 配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質 的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列番号: 38で表わされるアミノ酸配列 を含まないタンパク質) またはその塩を用いることを特徴とする①上記 (1) 記載のタンパク質もしくは②配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一も しくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質(好ましくは、配列 番号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配 列を含有し、配列番号: 38で表わされるァミノ酸配列を含まないタンパク質) またはその塩の活性を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリー二 ング方法、
(1 9) ①上記 (1) 記載のタンパク質もしくは②配列番号: 8で表わされる ァミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ酸配列を含有する夕ンパ ク質 (好ましくは、 配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実 質的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列番号: 38で表わされるアミノ酸配 列を含まないタン,パク質) またはその塩を含有してなる、 ①上記 (1) 記載の タンパク質もしくは②配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは 実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質(好ましくは、配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を 含有し、 配列番号: 38で表わされるアミノ酸配列を含まないタンパク質) ま たはその塩の活性を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニン グ用キッ卜、
( 2 0 ) 上記 (1 8 ) 記載のスクリーニング方法または上記 (1 9 ) 記載のス クリーニング用キットを用いて得られうる、 ①上記 (1 ) 記載のタンパク質も しくは②配列番号: 8で表わされるァミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一 のアミノ酸配列を含有するタンパク質 (好ましくは、 配列番号: 8で表わされ るアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列番 号: 3 8で表わされるアミノ酸配列を含まないタンパク質) またはその塩の活 性を促進または阻害する化合物またはその塩、
( 2 1 ) 上記 (1 8 ) 記載のスクリーニング方法または上記 (1 9 ) 記載のス クリーニング用キットを用いて得られうる、 ①上記 (1 ) 記載のタンパク質も しくは②配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一 のアミノ酸配列を含有するタンパク質 (好ましくは、 配列番号: 8で表わされ るァミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ酸配列を含有し、配列番 号: 3 8で表わされるアミノ酸配列を含まないタンパク質) またはその塩の活 性を促進または阻害する化合物またはその塩を含有してなる医薬、
( 2 2 ) 上記 (1 8 ) 記載のスクリーニング方法または上記 (1 9 ) 記載のス クリーニング用キットを用いて得られうる、 ①上記 (1 ) 記載のタンパク質も しくは②配列番号: 8で表わされるァミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一 のアミノ酸配列を含有するタンパク質 (好ましくは、 配列番号: 8で表わされ るァミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ酸配列を含有し、配列番 号: 3 8で表わされるアミノ酸配列を含まないタンパク質) またはその塩の活 性を促進する化合物またはその塩を含有してなる糖尿病、 肥満、 癌、 動脈硬化 症、 高脂血症、 神経変性疾患または神経障害の予防'治療剤、
( 2 3 ) ①上記 (1 ) 記載のタンパク質もしくは②配列番号: 8で表わされる アミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ酸配列を含有するタンパ ク質またはその塩を用いることを特徴とする、 ①上記 (1 ) 記載のタンパク質 もしくは②配列番号: 8で表わされるァミノ酸配列と同一もしくは実質的に同 一のアミノ酸配列を含有するタンパク質 (好ましくは、 配列番号: 8で表わさ れるァミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ酸配列を含有し、配列 番号: 3 8で表わされるアミノ酸配列を含まないタンパク質) またはその塩の
ステロール感知能を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
( 2 4 ) ①上記 (1 ) 記載のタンパク質もしくは②配列番号: 8で表わされる ァミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ酸配列を含有する夕ンパ ク質またはその塩を含有することを特徴とする、 ①上記 (1 ) 記載のタンパク 質もしくは②配列番号: 8で表わされるァミノ酸配列と同一もしくは実質的に 同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質 (好ましくは、 配列番号: 8で表わ されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、配 列番号: 3 8で表わされるアミノ酸配列を含まないタンパク質) またはその塩 のステロール感知能を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング用キ ット、
( 2 5 ) 上記 (2 3 ) 記載のスクリーニング方法または上記 (2 4 ) 記載のス クリーニング用キットを用いて得られうる、 ①上記 (1 ) 記載のタンパク質も しくは②配列番号: 8で表わされるァミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一 のアミノ酸配列を含有するタンパク質 (好ましくは、 配列番号: 8で表わされ るァミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ酸配列を含有し、配列番 号: 3 8で表わされるアミノ酸配列を含まないタンパク質) またはその塩のス テロール感知能を変化させる化合物またはその塩、
( 2 6 ) 上記 (2 3 ) 記載のスクリーニング方法または上記 (2 4 ) 記載のス クリーニング用キットを用いて得られうる、 ①上記 (1 ) 記載のタンパク質も しくは②配列番号: 8で表わされるァミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一 のアミノ酸配列を含有するタンパク質 (好ましくは、 配列番号: 8で表わされ るァミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ酸配列を含有し、配列番 号: 3 8で表わされるアミノ酸配列を含まないタンパク質) またはその塩のス テロール感知能を変化させる化合物またはその塩を含有してなる医薬、 ( 2 7 ) 上記 (2 3 ) 記載のスクリーニング方法または上記 (2 4 ) 記載のス クリーニング用キットを用いて得られうる、 ①上記 (1 ) 記載のタンパク質も しくは②配列番号: 8で表わされるァミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一 のアミノ酸配列を含有するタンパク質 (好ましくは、 配列番号: 8で表わされ るアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列番
号: 38で表わされるアミノ酸配列を含まないタンパク質) またはその塩のス テロール感知能を増強させる化合物またはその塩を含有してなる糖尿病、肥満、 癥、 動脈硬化症、 高脂血症、 神経変性疾患または神経障害の予防 ·治療剤、 (28) 上記 (8) 記載の DNAまたはその一部を用いることを特徴とする① 上記 (1) 記載のタンパク質もしくは②配列番号: 8で表わされるアミノ酸配 列と同一もしくは実質的に同一のァミノ酸配列を含有する夕ンパク質(Iffまし くは、配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一の アミノ酸配列を含有し、配列番号: 38で表わされるアミノ酸配列を含まない タンパク質) の mRNAの定量方法、
(29) 上記 (1 3) 記載の抗体を用いることを特徴とする①上記 (1) 記載 のタンパク質もしくは②配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一もしく は実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質 (好ましくは、 配列番 号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列 を含有し、 配列番号: 38で表わされるアミノ酸配列を含まないタンパク質) の定量方法、
(30) 上記 (28または上記 (29) 記載の定量方法を用いることを特徴と する、 ①上記 (1) 記載のタンパク質もしくは②配列番号: 8で表わされるァ ミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ酸配列を含有するタンパク 質 (好ましくは、 配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質 的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列番号: 38で表わされるアミノ酸配列 を含まないタンパク質) の機能が関連する疾患の診断方法、
(31)上記(28)記載の定量方法を用いることを特徴とする、①上記(1) 記載のタンパク質もしくは②配列番号: 8で表わされるァミノ酸配列と同一も しくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質(好ましくは、配列 番号: 8で表わされるァミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ酸配 列を含有し、配列番号: 38で表わされるアミノ酸配列を含まないタンパク質) の発現量を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(32) 上記 (31) 記載のスクリーニング方法を用いて得られうる、 ①上記
(1)記載のタンパク質もしくは②配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列と
同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質(好ましくは、 配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ 酸配列を含有し、配列番号: 3 8で表わされるアミノ酸配列を含まないタンパ ク質) の発現量を変化させる化合物またはその塩、
( 3 3 ) 上記 (3 1 ) 記載のスクリーニング方法を用いて得られうる、 ①上記
( 1 )記載のタンパク質もしくは②配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列と 同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質(好ましくは、 配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ 酸配列を含有し、配列番号: 3 8で表わされるアミノ酸配列を含まないタンパ ク質) の発現量を変化させる化合物またはその塩を含有してなる医薬、
( 3 4 ) 上記 (3 1 ) 記載のスクリーニング方法を用いて得られうる、 ①上記
( 1 )記載のタンパク質もしくは②配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列と 同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質(好ましくは、 配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ 酸配列を含有し、配列番号: 3 8で表わされるアミノ酸配列を含まないタンパ ク質) の発現量を増加させる化合物またはその塩を含有してなる糖尿病、肥満、 癌、 動脈硬化症、 高脂血症、 神経変性疾患または神経障害の予防 ·治療剤、
( 3 5 ) 上記 (2 9 ) 記載の定量方法を用いることを特徴とする、 細胞内の① 上記 (1 ) 記載のタンパク質もしくは②配列番号: 8で表わされるアミノ酸配 列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質(好まし くは、配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一の アミノ酸配列を含有し、配列番号: 3 8で表わされるアミノ酸配列を含まない タンパク質)のタンパク質量を変化させる化合物またはその塩のスクリ一ニン グ方法、
( 3 6 ) 上記 (3 5 ) 記載のスクリーニング方法を用いて得られうる、 細胞内 における①上記 (1 ) 記載のタンパク質もしくは②配列番号: 8で表わされる アミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパ ク質 (好ましくは、'配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実 質的に同一のアミノ酸配列を含有し、 配列番号: 3 8で表わされるアミノ酸配
列を含まないタンパク質) のタンパク質量を変化させる化合物またはその塩、
( 3 7 ) 上記 (3 5 ) 記載のスクリーニング方法を用いて得られうる、 細胞内 における①上記 (1 )記載のタンパク質もしくは②配列番号: 8で表わされる アミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパ ク質 (好ましくは、.配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実 質的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列番号: 3 8で表わされるアミノ酸配 列を含まないタンパク質)のタンパク質量を変化させる化合物またはその塩を 含有してなる医薬、
( 3 8 ) 上記 (3 5載のスクリーニング方法を用いて得られうる、 細胞内にお ける①上記 (1 ) 記載のタンパク質もしくは②配列番号: 8で表わされるアミ ノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質 (好ましくは、配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的 に同一のアミノ酸配列を含有し、配列番号: 3 8で表わされるアミノ酸配列を 含まないタンパク質)のタンパク質量を増加させる化合物またはその塩を含有 してなる糖尿病、 肥満、 癌、 動脈硬化症、 高脂血症、 神経変性疾患または神経 障害の予防 ·治療剤、 .
( 3 9 ) S S D含有タンパク質に働いて細胞内コレステロール輸送調節作用を 有する化合 またはその塩を含有してなる糖尿病、 肥満、 癌、 動脈硬化症、 高 脂血症、 神経変性疾患または神経障害の予防 ·治療剤、
( 4 0 )哺乳動物に対して、①上記(1 )記載のタンパク質または②配列番号:
8で表わされるァミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ酸配列を 含有するタンパク質 (好ましくは、 配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列と 同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、 配列番号: 3 8で表わさ れるアミノ酸配列を含まないタンパク質)またはその塩の有効量を投与するこ とを特徴とする糖尿病、 肥満、 癌、 動脈硬化症、 高脂血症、 神経変性疾患また は神経障害の予防 ·治療方法、
( 1 ) 哺乳動物に対して、 上記 (8 ) 記載の D NAの有効量を投与すること を特徴とする糖尿病、 肥満、 癌、 動脈硬化症、 高脂血症、 神経変性疾患または 神経障害の予防 ·治療方法、
( 4 2 ) 哺乳動物に対して、 上記 (1 8 ) 記載のスクリーニング方法または上 記 (1 9 ) 記載のスクリーニング用キットを用いて得られうる、 ①上記 (1 ) 記載のタンパク質もしくは②配列番号: 8で表わされるァミノ酸配列と同一も しくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質(好ましくは、配列 番号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配 列を含有し、配列番号: 3 8で表わされるァミノ酸配列を含まないタンパク質) またはその塩の活性を促進する化合物またはその塩の有効量を投与すること を特徴とする糖尿病、 肥満、 癌、 動脈硬化症、 高脂血症、 神経変性疾患または 神経障害の予防 ·治療方法、
( 4 3 ) 哺乳動物に対して、 上記 (2 3 ) 記載のスクリーニング方法または上 記 (2 4 ) 記載のスクリーニング用キットを用いて得られうる、 ①上記 (1 ) 記載のタンパク質もしくは②配列番号: 8で表わされるァミノ酸配列と同一も しくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質(好ましくは、配列 番号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配 列を含有し、配列番号: 3 8で表わされるアミノ酸配列を含まないタンパク質) またはその塩のステロ一ル感知能を増強させる化合物またはその塩の有効量 を投与することを特徴とする糖尿病、 肥満、 癌、 動脈硬化症、 高脂血症、 神経 変性疾患または神経障害の予防 ·治療方法、
( 4 4 ) 哺乳動物に対して、 上記 (3 1 ) 記載のスクリーニング方法を用いて 得られうる、 ①上記 (1 ) 記載のタンパク質もしくは②配列番号: 8で表わさ れるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する夕 ンパク質 (好ましくは、 配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一もしく は実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列番号: 3 8で表わされるァミノ 酸配列を含まないタンパク質)の発現量を増加させる化合物またはその塩の有 効量を投与することを特徴とする糖尿病、 肥満、 癌、 動脈硬化症、 高脂血症、 神経変性疾患または神経障害の予防 ·治療方法、
( 4 5 )哺乳動物に対して、 S S D含有タンパク質に働いて細胞内コレステロ ール輸送調節作用を有する化合物またはその塩の有効量を投与することを特 徴とする糖尿病、 肥満、 癌、 動脈硬化症、 高脂血症、 神経変性疾患または神経
障害の予防 ·治療方法、 (
( 4 6 ) 糖尿病、.肥満、 癌、 動脈硬化症、 高脂血症、 神経変性疾患または神経 障害の予防 ·治療剤を製造するための①上記 (1 ) 記載のタンパク質または② 配列番号: 8で表わされるァミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ 酸配列を含有するタンパク質 (好ましくは、 配列番号: 8で表わされるァミノ 酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列番号: 3 8 で表わされるァ.ミノ酸配列を含まないタンパク質) またはその塩の使用、
( 4 7 ) 糖尿病、 肥満、 癌、 動脈硬化症、 高脂血症、 神経変性疾患または神経 障害の予防 ·治療剤を製造するための上記 (8 ) 記載の D N Aの使用、
( 4 8 ) 糖尿病、 肥満、 癌、 動脈硬化症、 高脂血症、 神経変性疾患または神経 障害の予防 ·治療剤を製造するための上記 (1 8 ) 記載のスクリーニング方法 または上記 (1 9 ) 記載のスクリーニング用キットを用いて得られうる、 ①上 記 (1 ) 記載のタンパク質もしくは②配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列 と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質(好ましく は、配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァ ミノ酸配列を含有し、配列番号: 3 8で表わされるアミノ酸配列を含まない夕 ンパク質) またはその塩の活性を促進する化合物またはその塩の使用、 ( 4 9 ) 糖尿病、 肥満、 癌、 動脈硬化症、 高脂血症、 神経変性疾患または神経 障害の予防 ·治療剤を製造するための哺乳動物に対して、 上記 (2 3 ) 記載の スクリーニング方法または上記(2 4 )記載のスクリーニング用キットを用い て得られうる、 ①上記 (1 ) 記載のタンパク質もしくは②配列番号: 8で表わ されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する タンパク質 (好ましくは、 配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一もし くは実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列番号: 3 8で表わされるアミ ノ酸配列を含まないタンパク質)またはその塩のステロール感知能を増強させ る化合物またはその塩の使用、
( 5 0 ) 糖尿病、 肥満、 癌、 動脈硬化症、 高脂血症、 神経変性疾患または神経 障害の予防 ·治療剤を製造するための上記 (3 1 ) 記載のスクリーニング方法 を用いて得られうる、 ①上記 (1 ) 記載のタンパク質もしくは②配列番号: 8
で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含 有するタンパク質 (好ましくは、 配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列と同 一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列番号: 3 8で表わされ るアミノ酸配列を含まないタンパク質)の発現量を増加させる化合物またはそ の塩の使用、
( 5 1 ) 糖尿病、 肥満、 癌、 動脈硬化症、 高脂血症、 神経変性疾患または神経 障害の予防 ·治療剤を製造するための S S D含有タンパク質に働いて細胞内コ レステロール輸送調節作用を有する化合物またはその塩の使用などに関する、 さらには、 '
( 5 2 ) タンパク質が、 ①配列番号: 1 6で表わされるアミノ酸配列中の 1ま たは 2個以上 (好ましくは、 1〜3 0個程度、 より好ましくは 1〜 9個程度、 さらに好ましくは数個 (1〜5個) ) のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、 ② 配列番号: 1 6で表わされるアミノ酸配列に 1または 2個以上(好ましくは、 1〜3 0個程度、 より好ましくは 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数個(1 〜5個) ) のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、 ③配列番号: 1 6で表わされ るアミノ酸配列中の 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜3 0個程度、 より好 ましくは 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数個 (1〜5個) ) のアミノ酸が 他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、または④それらを組み合わせたアミ ノ酸配列を含有するタンパク質である上記(1 )記載のタンパク質またはその 塩、
( 5 3 ) タンパク質が、 ①配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列で表わされ るアミノ酸配列中の 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜3 0個程度、 より好 ましくは 1〜9個程度、 さらに好ましくは数個 (1〜5個) ) のアミノ酸が欠 失したアミノ酸配列、②配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列で表わされる アミノ酸配列に 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜3 0個程度、 より好まし くは 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数個 (1〜5個) ) のアミノ酸が付加 したアミノ酸配列、③配列番号: 8で表わされるァミノ酸配列で表わされるァ ミノ酸配列中の 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜3 0個程度、 より好まし くは 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数個 (1〜5個) ) のアミノ酸が他の
アミノ酸で置換されたアミノ酸配列、または④それらを組み合わせたアミノ酸 配列を含有し、配列番号: 3 8で表わされるアミノ酸配列を含まないタンパク 質である上記 (6 )'記載のタンパク質またはその塩、
( 5 4 ) 上記 (1 ) 〜 (3 ) のいずれかに記載のタンパク質の部分ペプチド、 ( 5 5 ) ステロール感知能を有する上記 (5 4 ) 記載の部分ペプチド、
,( 5 6 ) ( i ) ①上記 ( 1 ) 記載のタンパク質もしくは②配列番号: 8で表わ されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する タンパク質 (好ましくは、 配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一もし くは実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、 配列番号: 3 8で表わされるアミ ノ酸配列を含まないタンパク質) もしくはその塩と、 ステロールとを接触させ た場合と、 (i i) ①上記 (1 ) 記載のタンパク質もしくは②配列番号: 8で表 わされるァミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ酸配列を含有す るタンパク質 (好ましくは、 配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一も しくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列番号: 3 8で表わされるァ ミノ酸配列を含まないタンパク質)またはその塩タンパク質とステロールおよ び試験化合物とを接触させた場合との比較を行なうことを特徴とする上記(2 3 ) 記載のスクリーニング方法、
( 5 7 ) ( i ) ステロ一ルを①上記 (1 ) 記載のタンパク質もしくは②配列番 号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列 を含有するタンパク質 (好ましくは、 配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列 と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列番号: 3 8で表わ されるアミノ酸配列を含まないタンパク質)を含有する細胞に接触させた場合 と、 (i i) ステロールおよび試験化合物を①上記 (1 ) 記載のタンパク質もし くは②配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一の アミノ酸配列を含有するタンパク質 (好ましくは、 配列番号: 8で表わされる ァミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ酸配列を含有し、 配列番 号: 3 8で表わされるアミノ酸配列を含まないタンパク質) を含有する細胞に 接触させた場合における、該タンパク質を介した細胞刺激活性を測定し、 比較 することを特徴とする①上記 (1 ) 記載のタンパク質または②配列番号: 8で
表わされるァミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ酸配列を含有 するタンパク質 (好ましくは、 配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一 もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列番号: 3 8で表わされる アミノ酸配列を含まないタンパク質)のステロール感知能を変化させる化合物 またはその塩のスクリーニング方法、
( 5 8 ) ステロールを上記 (1 1 ) 記載の形質転換体を培養することによって 該形質転換体の細胞膜に発現したタンパク質に接触させた場合と、ステロール および試験化合物を上記(1 1 )記載の形質転換体を培養することによって該 形質転換体の細胞膜に発現したタンパク質に接触させた場合における、該夕ン パク質を介する細胞刺激活性を測定し、比較することを特徴とする①上記(1 ) 記載の夕ンパク質もしくは②配列番号: 8で表わされるァミノ酸配列と同一も しくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質(好ましくは、配列 番号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配 列を含有し、配列番号: 3 8で表わされるァミノ酸配列を含まないタンパク質) のステロール感知能を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、 ( 5 9 ) 上記 (5 6 ) または (5 7 ) 記載のスクリーニング方法で得られうる、 ①上記 (1 ) 記載のタンパク質もしくは②配列番号: 8で表わされるアミノ酸 配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質(好ま しくは、配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一 のアミノ酸配列を含有し、配列番号: 3 8で表わされるアミノ酸配列を含まな いタンパク質) のステロ一ル感知能を変化させる化合物またはその塩、
( 6 0 ) 上記 (5 7 ) または上記 (5 8 ) 記載のスクリーニング方法で得られ うる、 ①上記 (1 ) 記載のタンパク質もしくは②配列番号: 8で表わされるァ ミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク 質 (好ましくは、 配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質 的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列番号: 3 8で表わされるアミノ酸配列 を含まないタンパク質)のステロール感知能を変化させる化合物またはその塩 を含有することを特徴とする医薬、
( 6 1 ) ①上記 (1 ) 記載のタンパク質もしくは②配列番号: 8で表わされる
アミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパ ク質 (好ましくは、 配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実 質的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列番号: 38で表わされるアミノ酸配 列を含まないタンパク質) を含有する細胞を含有することを特徴とする上記 (24) 記載のスクリーニング用キット、
(62) ①上記 (1) 記載のタンパク質もしくは②配列番号: 8で表わされる アミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパ ク質 (好ましくは、 配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実 質的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列番号: 38で表わされるアミノ酸配 列を含まないタンパク質)を含有する細胞の膜画分を含有することを特徴とす る上記 (24) 記載のスクリーニング用キット、
(63) 上記 (1 1) 記載の形質転換体を培養することによって該形質転換体 の細胞膜に発現したタンパク質を含有することを特徴とする上記(24)記載 のスクリーニング用キット、
(64) 上記 (61) 〜 (63) 記載のスクリーニング用キットを用いて得ら れうる、 ①上記 (1) 記載のタンパク質もしくは②配列番号: 8で表わされる ァミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ酸配列を含有する夕ンパ ク質 (好ましくは、 配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実 質的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列番号: 38で表わされるアミノ酸配 列を含まないタンパク質)のステロール感知能を変化させる化合物またはその
(65) 上記 (61) 〜 (63) 記載のスクリーニング用キッ卜を用いて得ら れうる、 ①上記 (1) 記載のタンパク質もしくは②配列番号: 8で表わされる アミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパ ク質 (好ましくは、 配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実 質的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列番号: 38で表わされるアミノ酸配 列を含まないタンパク質)のステロ一ル感知能を変化させる化合物またはその 塩を含有することを特徴とする医薬、
(66) 上記 (13) 記載の抗体と、 ①上記 (1) 記載のタンパク質もしくは
②配列番号.: 8で表わされるァミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミ ノ酸配列を含有するタンパク質 (好ましくは、 配列番号: 8で表わされるアミ ノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列番号: 3 8で表わされるアミノ酸配列を含まないタンパク質) もしくは③上記 (1 ) 記 載のタンパク質もしくは④配列番号: 8で表わされるァミノ酸配列と同一もし くは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質(好ましくは、配列番 号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列 を含有し、 配列番号: 3 8で表わされるアミノ酸配列を含まないタンパク質) の部分ペプチド、 またはその塩とを接触させることを特徵とする①上記 (1 ) 記載のタンパク質もしくは②配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一も しくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質(好ましくは、配列 番号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配 列を含有し、配列番号: 3 8で表わされるアミノ酸配列を含まないタンパク質) もしくは③上記 (1 ) 記載のタンパク質もしくは④配列番号: 8で表わされる アミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパ ク質 (好ましくは、 配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実 質的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列番号: 3 8で表わされるアミノ酸配 列を含まないタンパク質) の部分ペプチド、 .またはその塩の定量法、
( 6 7 ) 上記 (1 3 ) 記載の抗体と、 被検液および標識化された①上記 (1 ) 記載のタンパク質もしくは②配列番号: 8で表わされるァミノ酸配列と同一も しくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質(好ましくは、配列 番号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配 列を含有し、配列番号: 3 8で表わされるアミノ酸配列を含まないタンパク質) もしくは③上記 (1 ) 記載のタンパク質もしくは④配列番号: 8で表わされる アミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ酸配列を含有するタンパ ク質 (好ましくは、 配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実 質的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列番号: 3 8で表わされるアミノ酸配 列を含まないタンパク質) の部分ペプチド、 またはその塩とを競合的に反応さ せ、 該抗体に結合した標識化された①上記 (1 ) 記載のタンパク質もしくは②
配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ 酸配列を含有するタンパク質 (好ましくは、 配列番号: 8で表わされるァミノ 酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列番号: 3 8 で表わされるアミノ酸配列を含まないタンパク質) もしくは③上記 (1 ) 記載 のタンパク質もしくは④配列番号: 8で表わされるァミノ酸配列と同一もしく は実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質 (好ましくは、 配列番 号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列 を含有し、 配列番号: 3 8で表わされるアミノ酸配列を含まないタンパク質) の部分べプチド、またはその塩の割合を測定することを特徴とする被検液中の ①上記 (1 ) 記載のタンパク質もしくは②配列番号: 8で表わされるアミノ酸 配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質(好ま しくは、配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一 のアミノ酸配列を含有し、配列番号: 3 8で表わされるアミノ酸配列を含まな いタンパク質) もしくは③上記 (1 )記載のタンパク質もしくは④配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を 含有するタンパク質 (好ましくは、 配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列と 同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列番号: 3 8で表わさ れるアミノ酸配列を含まないタンパク質)の部分べプチドまたはその塩の定量 法、 および
( 6 8 ) 被検液と担体上に不溶化した上記 (1 3 ) 記載の抗体および標識化さ れた上記 (1 3 ) 記載の抗体とを同時あるいは連続的に反応させたのち、 不溶 化担体上の標識剤の活性を測定することを特徴とする被検液中の①上記 ( 1 ) 記載のタンパク質もしくは②配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一も しくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質(好ましくは、配列 番号: 8で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配 列を含有し、配列番号: 3 8で表わされるァミノ酸配列を含まないタンパク質) またはその塩の定量法などを提供する。 図面の簡単な説明
図 1は SSPlmRNAの発現組織特異性の解析結果を示す。 図中、 heartは心臓を、 brainは脳を、 placentaは胎盤を、 lungは肺を、 liverは肝臓を、 skeletal muscle は骨格筋を、' kidneyは腎臓を、 pancreasは塍臓を、 spleenは脾臓を、 thymus は胸腺を、 prostateは前立腺を、 testisは精巣を、 ovaryは卵巣を、 small intestineは小腸を、 colonは大腸を、 PBL (peripheral blood monocyte)は末梢 血白血球を、 stomachは胃を、 thyroidは甲状腺を、 spinal cordは脊髄を、 tracheaは気管を、 adrenal grandは副腎を、 bone marrowは骨髄を示す。
図 2は SSP2mRNAの発現組織特異性の解析結果を示す。 図中、 heartは心臓を、 brainは脳を、 placentaは胎盤を、 lungは肺を、 liverは肝臓を、 skeletal muscle は骨格筋を、 kidneyは腎臓を、 pancreasは滕臓を、 spleenは脾臓を、 thymus は胸腺を、 prostateは前立腺を、 test isは精巣を、 ovaryは卵巣を、 small intestineは小腸を、 colonは大腸を、 PBL (peripheral blood monocyte)は末梢 血白血球を、 stomachは胃を、 thyroidは甲状腺を、 spinal cordは脊髄を、 tracheaは気管を、 adrenal grandは副腎を、 bone marrowは骨髄を示す。
図 3は SSP1の発現解析を行った結果を示す。図中、横軸は反応液中の SSP1 cDNA のコピー濃度 (copies/ 1) を、 縦軸は検出域に達するに要した PCRサイクル 数を示す。
図 4は SSP2の発現解析を行った結果を示す。図中、横軸は反応液中の SSP2 cDNA のコピー濃度 (copies/ 1) を、 縦軸は検出域に達するに要した PCRサイクル 数を示す。
図 5は SSP1の遺伝子発現組織特異性を調べた結果を示す。 図中、縦軸の C a c o-2は結腸癌由来ヒト細胞株 Caco-2細胞を、 He pG2は肝癌由来ヒト細胞 株 HepG2を、 M. Gr andは乳腺を、 B. Ma r r owは骨髄を、 Ad i p 0 c y t eは脂肪細胞を、 Re t i n aは網膜を、 U t e r u sは子宮を、 P r o s t a t eは前立腺を、 S p l e e nは脾臓を、 P an c r e a sは塍臓 を、 F e t u s B r a i nは胎児脳を、 P . G r andは脳下垂体を、 T e s t i sは精巣を、 L e uk o c y t eは白血球を、 C o 1 o nは大腸を、 A, G r andは副腎を、 Ov a r yは卵巣を、 S . Mu s c 1 eは平滑筋を、 S. I n t e s t i n eは小腸を、 Lun gは肺を、 L i v e rは肝臓を、 K i d.
n e yは腎臓を、 He a r tは心臓を、 F e t u sは胎児を示す。横軸は遺伝 子の発現量を示す。
図 6はノーザンブロットによる SSP1 mRNAの小腸部位特異的発現を調べた結果 を示す。 .
図 7は HepG2細胞内コレステロールレベルによる SSP1遺伝子の発現変化を調べ た結果を示す。
図 8は SSP2遺伝子の神経系細胞株での神経芽細胞腫特異的発現と IMR- 32細胞 での分化依存性発現誘導を調べた結果を示す。横軸の数値は SSP2遺伝子の発現 量を示す。
図 9は SSP1安定発現細胞の SSP1タンパクの産生量を調べた結果を示す。
図 10は SSP1安定過剰 ¾現型 HepG2細胞における Ap o Bリポタンパク分泌量 を調べた結果を示す。 縦軸は Ap oBリポタンパク分泌量を示す。
図 1 1はアルツハイマー病患者における SS mRNAの脳部位特異的発現を調べ た結果を示す。縦軸の C e r e e l 1 umは小脳を、 Amy g d a 1 a hは 扁桃体を、 H i p p o c a n p u sは海馬を、 Temp o r a l. L o b eは 側頭葉を、 P a r i e t a l L o b eは頭頂葉を、 Oc c i p i t a l L o b eは後頭葉を、 F r on t a l L o b eは前頭葉を示す。 横軸は SS mRNA 発現量を示す。 発明を実施するための最良の形態
本発明のタンパク質は、 (1)配列番号: 16で表わされるアミノ酸配列(S SD配列)と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質 または (2) 配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列 (S SD配列) と同一も しくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列番号: 38で表わされるァ ミノ酸配列を含まないタンパク ¾である。
本発明のタンパク質は、 例えば、 ヒトゃ哺乳動物 (例えば、 モルモット、 ラ ット、 マウス、 ゥサギ、 ブタ、 ヒッジ、 ゥシ、 サルなど) のあらゆる細胞 (例 えば、 脾細胞、 神経細胞、 グリア細胞、 腾臓 ]3細胞、 骨髄細胞、 メサンギゥム 細胞、 ランゲルハンス細胞、 表皮細胞、 上皮細胞、 内皮細胞、 繊維芽細胞、 繊
維細胞、 筋細胞、 脂肪細胞、 免疫細胞 (例、 マクロファ一ジ、 T細胞、 B細胞、 ナチュラルキラ一細胞、 肥満細胞、 好中球、 好塩基球、 好酸球、 単球) 、 巨核 球、 滑膜細胞、 軟骨細胞、 骨細胞、 骨芽細胞、 破骨細胞、 乳腺細胞、 肝細胞も しくは間質細胞、またはこれら細胞の前駆細胞、幹細胞もしくはガン細胞など) や血球系の細胞、 またはそれらの細胞が存在するあらゆる組織、 例えば、 脳、 脳の各部位 (例、 嗅球、 扁頭核、 大脳基底球、 海馬、 視床、 視床下部、 視床下 核、 大脳皮質、 延髄、 小脳、 後頭葉、 前頭葉、 側頭葉、 被殻、 尾状核、 脳染、 黒質) 、 脊髄、 下垂体、 胃、 塍臓、 腎臓、 肝臓、 生殖腺、 甲状腺、 胆のう、 骨 髄、 副腎、 皮膚、 筋肉、 肺、 消化管 (例、 大腸、 小腸) 、 血管、 心臓、 胸腺、 脾臓、 顎下腺、 末梢血、 末梢血球、 前立腺、 睾丸、 精巣、 卵巣、 胎盤、 子宮、 骨、 関節、 骨格筋など (特に、 脳や脳の各部位) に由来するタンパク質であつ てもよく、 また合成タンパク質であってもよい。
配列番号: 1 6で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列と しては、 例えば、 配列番号: 1 6で表わされるアミノ酸配列と約 5 0 %以上、 好ましくは約 6 0 %以上、 より好ましくは約 7 0 %以上、 さらに好ましくは約 8 0 %以上、 なかでも好ましくは約 9 0 %以上、最も好ましくは約 9 5 %以上 の相同性を有するァミノ酸配列などが挙げられる。
本発明の配列番号: 1 6で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のァミノ 酸配列を含有するタンパク質としては、 例えば、 配列番号: 1 6で表わされる アミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列番号: 1 6で表わ されるアミノ酸配列を有するタンパク質と実質的に同質の活性を有するタン パク質などが好ましい。
本発明の配列番号: 1 6で表わされるアミノ酸配列として具体的には、例え ば、
( 1 ) 配列番号: 1 7で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質 (例え ば、 ヒト精巣由来の S S P 2 ) 、
( 2 )配列番号: 3 4で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質 (例え ば、 ヒト精巣由来の未成熟 S S P 2 ) 、
( 3 ) 配列番号: 3 5で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質 (例え
ば、 ヒト精巣由来の未成熟 S S P 2) 、 または
(4) 配列番号: 40で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質(例え ば、 ヒト脳由来の S SP 2) などが挙げられる。
さらに、 本発明のタンパク質には、 配列番号: 1 7、 配列番号: 34、 配列 番号: 3 5または配列番号: 40で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一の アミノ酸配列を含有するタンパク質も含まれる。
配列番号: 1 7、 配列番号: 34、 配列番号: 35または配列番号: 40で 表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、例えば、配 列番号: 1 7、 配列番号: 34、 配列番号: 3 5または配列番号: 40で表わ されるアミノ酸配列と約 50 %以上、好ましくは約 60 %以上、 より好ましく は約 70 %以上、 さらに好ましくは約 80%以上、 なかでも好ましくは約 9 0 %以上、最も好ましくは約 9 5 %以上の相同性を有するアミノ酸配列などが 挙げられる。
本発明の配列番号: 1 7、配列番号: 34、配列番号: 3 5または配列番号: 40で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタ ンパク質としては、 例えば、 配列番号: 1 7、 配列番号: 34、 配列番号: 3 5または配列番号: 40で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸 配列を含有し、 配列番号: 1 7、 配列番号: 34、 配列番号: 35または配列 番号: 40で表わされるアミノ酸配列を有するタンパク質と実質的に同質の活 性を有するタンパク質などが好ましい。
配列番号: 8で表わされるァミノ酸配列と実質的に同一のァミノ酸配列とし ては、 例えば、 配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列と約 50 %以上、 好ま しくは約 60%以上、 より好ましくは約 70 %以上、 さらに好ましくは約 8 0 %以上、 なかでも好ましくは約 90 %以上、最も好ましくは約 9 5 %以上の 相同性を有するアミノ酸配列などが挙げられる。
本発明の配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸 配列を含有するタンパク質としては、 例えば、 配列番号: 8で表わされるアミ ノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列番号: 8で表わされる アミノ酸配列を有するタンパク質と実質的に同質の活性を有するタンパク質
などが好ましい。
本発明の配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸 配列を含有し、配列番号: 3 8で表わされるアミノ酸配列を含まないタンパク 質として、 より具体的にほ、 例えば、 ①配列番号: 9で表わされるアミノ酸配 列の第 2 2番目〜 1 3 3 2番目のアミノ酸配列または②配列番号: 9で表わさ れるアミノ酸配列を含有するタンパク質 (例えば、 ヒト肝臓由来の S S P 1 ) などが挙げられる。
さらに、 本発明のタンパク質には、 ①配列番号: 9で表わされるアミノ酸配 列の第 2 2番目〜 1 3 3 2番目のアミノ酸配列または②配列番号: 9で表わさ れるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質も含 まれる。
①配列番号: 9で表わされるアミノ酸配列の第 2 2番目〜 1 3 3 2番目のァ ミノ酸配列または②配列番号: 9で表わされるァ'ミノ酸配列と実質的に同一の アミノ酸配列としては、 例えば、 ①配列番号: 9で表わされるアミノ酸配列の 第 2 2番目〜 1 3 3 2番目のアミノ酸配列または②配列番号: 9で表わされる ァミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列と約 5 0 %以上、好ましくは約 6 0 %以上、 より好ましくは約 7 0 %以上、 さらに好ましくは約 8 0 %以上、 な かでも好ましくは約 9 0 %以上、最も好ましくは約 9 5 %以上の相同性を有す るァミノ酸配列などが挙げられる。
本発明の①配列番号: 9で表わされるアミノ酸配列の第 2 2番目〜 1 3 3 2 番目のアミノ酸配列または②配列番号: 9で表わされるアミノ酸配列と実質的 に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質としては、例えば、①配列番号: 9で表わされるアミノ酸配列の第 2 2番目〜 1 3 3 2番目のアミノ酸配列ま たは②配列番号: 9で表わされるァミノ酸配列と実質的に同一のァミノ酸配列 を含有し、①配列番号: 9で表わされるアミノ酸配列の第 2 2番目〜 1 3 3 2 番目のアミノ酸配列または②配列番号: 9で表わされるアミノ酸配列を有する タンパク質と実質的に同質の活性を有するタンパク質などが好ましい。
実質的に同質の活性としては、 例えば、 ステロール(好ましくはコレステロ —ル) 感知能などが挙げられる。 実質的に同質とは、 それらの活性が性質的に
同質である.ことを示す。 したがって、 ステロール感知能などの活性が同等 (例、 約 0 . 0 1〜 1 0 0倍、 好ましくは約 0 . 5〜2 0倍、 より好ましくは約 0 . 5〜2倍)であることが好ましいが、 これらの活性の程度やタンパク質の分子 量などの量的要素は異なっていてもよい。
ステロール感知能などの活性の測定は、ステロール濃度に応じた細胞応答な ど(細胞刺激活性など) の測定方法またはそれに準じた方法により行なうこと ができるが、例えば、後述するスクリーニング方法に従って測定することがで さる。
本発明のタンパク質としては、①配列番号: 1 6で表わされるアミノ酸配列 中の 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜3 0個程度、 より好ましくは 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数個 (1〜5個) ) のアミノ酸が欠失したァミノ 酸配列、 ②配列番号: 1 6で表わされるアミノ酸配列に 1または 2個以上(好 ましくは、 1〜3 0個程度、 より好ましくは 1〜1 0個程度、 さらに好ましく は数個 (1〜5個) ) のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、 ③配列番号: 1 6 で表わされるアミノ酸配列中の 1または 2個以上(好ましくは、 1〜3 0個程 度、 より好ましくは 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数個 (1〜5個) ) の ァミノ酸が他のァミノ酸で置換されたァミノ酸配列、または④それらの欠失、 付加または置換を組み合わせたアミノ酸配列を含有する蛋白質なども用いら れる。
また、 本発明のタンパク質としては、 ①配列番号: 8で表わされるアミノ酸 配列中の 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜3 0個程度、 より好ましくは 1 〜1 0個程度、 さらに好ましくは数個 (1〜5個) ) のアミノ酸が欠失したァ ミノ酸配列、②配列番号: 8で表わされるァミノ酸配列に 1または 2個以上(好 ましくは、 1〜3 0個程度、 より好ましくは 1〜1 0個程度、 さらに好ましく は数個 (1〜5個) ) のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、 ③配列番号: 8で' 表わされるアミノ酸配列中の 1または 2個以上(好ましくは、 1〜3 0個程度、 より好ましくは 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数個 (1〜5個) ) のアミ ノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、 または④それらの欠失、付加 または置換を組み合わせたアミノ酸配列を含有し、配列番号: 3で表わされる
アミノ酸配列を含まない蛋白質なども用いられる。
また、 本発明のタンパク質としては、 ①配列番号: 9で表わされるアミノ酸 配列の第 2 2番目〜 1 3 3 2番目のアミノ酸配列、配列番号: 9で表わされる アミノ酸配列、 配列番号: 1 7で表わされるアミノ酸配列、 配列番号: 3 4、 配列番号: 3 5で表わされるアミノ酸配列または配列番号: 4 0で表わされる アミノ酸配列中の 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜3 0個程度、 より好ま しくは 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数個 (1〜5個) ) のアミノ酸が欠 失したアミノ酸配列、②配列番号: 9で表わされるアミノ酸配列の第 2 2番目 〜1 3 3 2番目のアミノ酸配列、 配列番号: 9で表わされるアミノ酸配列、 配 列番号: 1 7で表わされるアミノ酸配列または配列番号: 4 0で表わされるァ ミノ酸配列に 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜3 0個程度、 より好ましく は 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数個 (1〜5個) ) のアミノ酸が付加し たアミノ酸配列、③配列番号: 9で表わされるアミノ酸配列の第 2 2番目〜 1 3 3 2番目のアミノ酸配列、 配列番号: 9で表わされるアミノ酸配列、 配列番 号: 1 7で表わされるアミノ酸配列または配列番号: 4 0で表わされるァミノ 酸配列中の 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜3 0個程度、 より好ましくは 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数個 (1〜5個) ) のアミノ酸が他のアミ ノ酸で置換されたアミノ酸配列、 または④それらの欠失、 付加または置換を組 み合わせたァミノ酸配列を含有するタンパク質なども用いられる。
ただし、 本発明のタンパク質には、 配列番号: 9で表わされるアミノ酸配列 に配列番号: 3 8で表わされるアミノ酸配列が挿入されたアミノ酸配列を含む タンパク質 (ゲノミクス (Genomi cs) , 6 5, 1 3 7— 1 4 5, 2 0 0 0 ) は 含まれない。
また、 本発明の蛋白質から、 配列番号: 4 2で表わされる塩基配列を有する D N Aにコードされるアミノ酸配列を有するタンパク質を除くのが好ましい。 本明細書におけるタンパク質は、ペプチド標記の慣例に従って左端が N末端 (ァミノ末端) 、 右端が C末端 (力ルポキシル末端) である。 配列番号: 8で 表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質をはじめとする、本発明のタン パク質は、 C末端が通常力ルポキシル基 (一 C O O H) またはカルポキシレー
ト(— C〇〇—)であるが、 C末端がアミド (_ C O N H 2 ) またはエステル(一 C Oひ R ) であってもよい。
ここでエステルにおける Rとしては、 例えば、 メチル、 ェチル、 n—プロピ ル、 イソプロピルもしくは n —プチルなどの( ェ— 6アルキル基、 例えば、 シク 口ペンチル、 シクロへキシルなどの C 3— 8シクロアルキル基、 例えば、 フエ二 ル、 α—ナフチルなどの C 6 ^ 2ァリール基、 例えば、 ベンジル、 フエネチル などのフエニル— アルキル基もしくは α —ナフチルメチルなどの α— ナフチル—C ^ sアルキル基などの C 7— 1 4ァラルキル基のほか、 経口用エス テルとして汎用されるピパ口ィルォキシメチル基などが用いられる。
本発明のタンパク質が C末端以外に力ルポキシル基(またはカルポキシレ一 ト) を有している場合、 力ルポキシル基がアミド化またはエステル化されてい るものも本発明のタンパク質に含まれる。 この場合のエステルとしては、例え ば上記した C末端のエステルなどが用いられる。
さらに、 本発明のタンパク質には、 上記したタンパク質において、 Ν末端の メチォニン残基のァミノ基が保護基 (例えば、 ホルミル基、 ァセチルなどの C 2 _ 6アルカノィル基などの(^— 6ァシル基など) で保護されているもの、 Ν端 側が生体内で切断され生成したダル夕ミル基がピ口グルタミン酸化したもの、 分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基 (例えば、 一 O H、 _ S H、 アミノ基、 ィ ミダゾ一ル基、 インド一ル基、 グァニジノ基など) が適当な保護基 (例えば、 ホルミル基、ァセチルなどの C 2— 6アルカノィル基などの C i— 6ァシル基など) で保護されているもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖タンパク質などの 複合タンパク質なども含まれる。
本発明のタンパク質の部分ペプチド (以下、部分ペプチドと略記する場合が ある) としては、前記した本発明のタンパク質の部分ペプチドであれば何れの ものであってもよいが、 例えば、 本発明のタンパク質分子のうち、 細胞膜貫通 領域であって、 ステロールに対する結合活性を有するものなどが用いられる。 具体的には、 (1 ) 配列番号: 1 6またはで表わされるアミノ酸配列を有す るタンパク質または (2 ) 配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列を有し、 配 列番号: 3 8で表わされるアミノ酸配列を含まないタンパク質の部分ペプチド
としては、 図 3で示される疎水性プロット解析において膜貫通領域 (疎水性 (Hydrophob i c) 部位) であると分析された部分を含むペプチドである。 また、 親水性 (Hydroph i l i c) 部位を一部に含むペプチドも同様に用いることができ る。個々のドメインを個別に含むペプチドも用い得るが、複数のドメインを同 時に含む部分のぺプチドでも良い。
本発明の部分ペプチドのアミノ酸の数は、前記した本発明のタンパク質の構 成アミノ酸配列のうち少なくとも 2 0偭以上、好ましくは 5 0個以上、 より好 ましくは 1 0 0個以上のアミノ酸配列を有するペプチドなどが好ましい。
実質的に同一のアミノ酸配列とは、 これらアミノ酸配列と約 5 0 %以上、好 ましくは約 7 0 %以上、 より好ましくは約 8 0 %以上、 さらに好ましくは約 9 0 %以上、最も好ましくは約 9 5 %以上の相同性を有するアミノ酸配列を示す。 ここで、 「実質的に同質の活性」 とは、 前記と同意義を示す。 「実質的に同 質の活性」 の測定は前記と同様に行なうことができる。
また、本発明の部分べプチドは、上記ア ノ酸配列中の 1または 2個以上(好 ましくは、 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数個 (1〜5個) ) のアミノ酸 が欠失し、 または、 そのアミノ酸配列に 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜 2 0個程度、 より好ましくは 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数個 (1〜5 個) ) のアミノ酸が付加し、 または、 そのアミノ酸配列中の 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜1 0個程度、 より好ましくは数個、 さらに好ましくは 1〜 5個程度) のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されていてもよい。
また、 本発明の部分ペプチドは C末端が通常力ルポキシル基 (一 C O O H) またはカルポキシレート (― C O O— ) であるが、 前記した本発明のタンパク 質のごとく、 C末端がアミド (一 C O N H 2 ) またはエステル (― C〇〇R ) であってもよい。
さらに、本発明の部分ペプチドには、前記した本発明のタンパク質と同様に、 N末端のメチォニン残基のァミノ基が保護基で保護されているもの、 N端側が 生体内で切断され生成した G 1 nがピ口グルタミン酸化したもの、 分子内のアミ ノ酸の側鎖上の置換基が適当な保護基で保護されているもの、あるいは糖鎖が 結合したいわゆる糖ペプチドなどの複合べプチドなども含まれる。
また、 本発明の部分ペプチドは C末端が通常力ルポキシル基 (一 C O O H) またはカルポキシレート(—C O O—)であるが、前記した本発明のタンパク質 のごとく、 C末端がアミド (一 C O N H 2 ) またはエステル (一 C〇〇R) で あってもよい。
本発明のタンパク質またはその部分ペプチドの塩としては、酸または塩基と の生理学的に許容される塩が挙げられ、とりわけ生理学的に許容される酸付加 塩が好ましい。 この様な塩としては、 例えば無機酸 (例えば、 塩酸、 リン酸、 臭化水素酸、 硫酸) との塩、 あるいは有機酸 (例えば、 酢酸、 ギ酸、 プロピオ ン酸、 フマル酸、 マレイン酸、 コハク酸、 酒石酸、 クェン酸、 リンゴ酸、 蓚酸、 安息香酸、 メタンスルホン酸、 ベンゼンスルホン酸) との塩などが用いられる。 本発明のタンパク質またはその塩は、前述したヒトゃ哺乳動物の細胞または 組織から自体公知のタンパク質の精製方法によつて製造することもできるし、 後述する本発明のタンパク質をコードする D N Aを含有する形質転換体を培 養することによつても製造することができる。 また、後述のタンパク質合成法 またはこれに準じて製造することもできる。
ヒトゃ哺乳動物の組織または細胞から製造する場合、ヒトゃ哺乳動物の組織 または細胞をホモジナイズした後、 酸などで抽出を行ない、 該抽出液を逆相ク ロマトグラフィ一、イオン交換クロマトグラフィ一などのクロマトグラフィー を組み合わせることにより精製単離することができる。
本発明のタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩またはそのァ ミド体の合成には、通常市販のタンパク質合成用樹脂を用いることができる。 そのような樹脂としては、 例えば、 クロロメチル樹脂、 ヒドロキシメチル樹脂、 ベンズヒドリルァミン樹脂、 アミノメチル樹脂、 4 _ベンジルォキシベンジル アルコール樹脂、 4一メチルベンズヒドリルァミン樹脂、 PAM樹脂、 '4—ヒド ロキシメチルメチルフエ二ルァセ卜アミドメチル樹脂、ポリアクリルアミド樹 脂、 4 _ (2',4' -ジメトキシフエ二ル―ヒドロキシメチル) フエノキシ樹脂、 4一 (2' 4' -ジメトキシフエ二ルー Fmocアミノエチル) フエノキシ樹脂などを 挙げることができる。 このような樹脂を用い、 α—ァミノ基と側鎖官能基を適 当に保護したアミノ酸を、 目的とするタンパク質の配列通りに、 自体公知の各
種縮合方法に従い、樹脂上で縮合させる。反応の最後に樹脂からタンパク質を 切り出すと同時に各種保護基を除去し、さらに高希釈溶液中で分子内ジスルフ ィド結合形成反応を実施し、目的のタンパク質またはそのアミド体を取得する。 上記した保護アミノ酸の縮合に関しては、タンパク質合成に使用できる各種 活性化試薬を用いることができるが、 特に、 カルポジイミド類がよい。 力ルポ ジイミド類としては、 DCC、 Ν, Ν' -ジイソプロピルカルポジイミド、 Ν-ェチル- Ν' - (3-ジメチルァミノプロリル)カルポジイミドなどが用いられる。 これらに よる活性化にはラセミ化抑制添加剤 (例えば、 H0Bt, HOOBt)とともに保護アミ ノ酸を直接樹脂に添加するかまたは、対称酸無水物または HOBtエステルあるい は HOOBtエステルとしてあらかじめ保護アミノ酸の活性化を行なった後に樹脂 に添加することができる。
保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用いられる溶媒としては、タンパク 質縮合反応に使用しうることが知られている溶媒から適宜選択されうる。例え ば、 N, N—ジメチルホルムアミド, N, N—ジメチルァセトアミド, N—メ チルピロリドンなどの酸アミド類、塩化メチレン, クロ口ホルムなどのハロゲ ン化炭化水素類、 トリフルォロエタノールなどのアルコール類、 ジメチルスル ホキシドなどのスルホキシド類、 ピリジン, ジォキサン,'テトラヒドロフラン などのエーテル類、 ァセトニトリル, プロピオ二トリルなどの二トリル類、 酢 酸メチル,酢酸ェチルなどのエステル類あるいはこれらの適宜の混合物などが 用いられる。反応温度は夕ンパク質結合形成反応に使用され得ることが知られ ている範囲から適宜選択され、通常約一 2 0 °C〜5 0 °Cの範囲から適宜選択さ れる。 活性化されたアミノ酸誘導体は通常 1 . 5〜4倍過剰で用いられる。 二 ンヒドリン反応を用いたテストの結果、縮合が不十分な場合には保護基の脱離 を行うことなく縮合反応を繰り返すことにより十分な縮合を行なうことがで きる。反応を繰り返しても十分な縮合が得られないときには、無水酢酸または ァセチルイミダゾールを用いて未反応アミノ酸をァセチル化することができ る。
原料のァミノ基の保護基としては、 例えば、 Z、 Boc、 夕ーシャリーペンチ ルォキシカルポニル、 イソポルニルォキシカルポニル、 4ーメトキシベンジル
ォキシ力ルポニル、 C卜 Z、 Br- Z、 ァダマンチルォキシカルポニル、 トリフルォ ロアセチル、 フタロイル、 ホルミル、 2—ニトロフエニルスルフエニル、 ジフ ェニルホスフィノチオイル、 Fmocなどが用いられる。
力ルポキシル基は、 例えば、 アルキルエステル化 (例えば、 メチル、 ェチル、 プロピル、 ブチル、 ターシャリ一ブチル、 シクロペンチル、 シクロへキシル、 シクロへプチル、 シクロォクチル、 2 _ァダマンチルなどの直鎖状、 分枝状も しくは環状アルキルエステル化) 、 ァラルキルエステル化 (例えば、 ベンジル エステル、 4—ニトロべンジルエステル、 4—メトキシベンジルエステル、 4 —クロ口べンジルエステル、 ベンズヒドリルエステル化) 、 フエナシルエステ ル化、 ベンジルォキシカルポニルヒドラジド化、 ダ一シャリーブトキシカルボ ニルヒドラジド化、 トリテルヒドラジド化などによって保護することができる。 セリンの水酸基は、例えば、 エステル化またはェ一テル化によって保護する ことができる。 このエステル化に適する基としては、 例えば、 ァセチル基など の低級アル力ソィル基、 ベンゾィル基などのァロイル基、 ベンジルォキシカル ポニル基、エトキシカルポニル基などの炭酸から誘導される基などが用いられ る。 また、 エーテル化に適する基としては、 例えば、 ベンジル基、 テトラヒド ロビラニル基、 t-ブチル基などである。
チロシンのフエノール性水酸基の保護基としては、 例えば、 Bz l、 C l 2 -Bz l、 2—二卜口ベンジル、 Br-Z、 夕一シャリーブチルなどが用いられる。
ヒスチジンのイミダゾールの保護基としては、 例えば、 Tos、 4 -メトキシ- 2, 3, 6 -トリメチルベンゼンスルホニル、 DNP、ベンジルォキシメチル、 Bum, Boc、 Tr t、 Fmocなどが用いられる。
原料の力ルポキシル基の活性化されたものとしては、例えば、対応する酸無 水物、 アジド、 活性エステル 〔アルコール (例えば、 ペンタクロロフエノ一ル、 2, 4, 5-トリクロロフエノ一ル、 2, 4 -ジ二'トロフエノール、 シァノメチルアルコ —ル、 パラニトロフエノール、 H0NB、 N-ヒドロキシスクシミド、 N-ヒドロキシ フタルイミド、 HOBt ) とのエステル〕 などが用いられる。 原料のァミノ基の活 性化されたものとしては、 例えば、 対応するリン酸アミドが用いられる。
保護基の除去 (脱離) 方法としては、 例えば、 P d -黒あるいは P d -炭素な
どの触媒の存在下での水素気流中での接触還元や、 また、 無水フッ化水素、 メ タンスルホン酸、 トリフルォロメタンスルホン酸、 トリフルォロ酢酸あるいは これらの混合液などによる酸処理や、 ジィソプロピルェチルァミン、 トリェチ ルァミン、 ピぺリジン、 ピぺラジンなどによる塩基処理、 また液体アンモニア 中ナトリウムによる還元なども用いられる。上記酸処理による脱離反応は、一 般に約— 2 0 °C〜 4 0 °Cの温度で行なわれるが、酸処理においては、例えば、 ァニソール、 フエノール、 チオアニソ一ル、 メタクレゾール、 パラクレゾ一ル、 ジメチルスルフィド、 1, 4-ブタンジチオール、 1, 2-エタンジチオールなどのよ うなカチオン捕捉剤の添加が有効である。 また、 ヒスチジンのイミダゾ一ル保 護基として用いられる 2, 4-ジニトロフエニル基はチォフエノール処理により 除去され、 トリブトファンのインドール保護基として用いられるホルミル基は 上記の 1 , 2-エタンジチオール、 1, 4 -ブタンジチオールなどの存在下の酸処理に よる脱保護以外に、希水酸化ナトリウム溶液、希アンモニアなどによるアル力 リ処理によっても除去される。
原料の反応に関与すべきでない官能基の保護ならびに保護基、およびその保 護基の脱離、反応に関与する官能基の活性化などは公知の基または公知の手段 から適宜選択しうる。
タンパク質のアミド体を得る別の方法としては、 例えば、 まず、 カルポキシ 末端アミノ酸の —力ルポキシル基をアミド化して保護した後、アミノ基側に ペプチド (タンパク質) 鎖を所望の鎖長まで延ばした後、 該ペプチド鎖の N末 端の —アミノ基の保護基のみを除いたタンパク質と C末端のカルボキシル 基の保護基のみを除去したタンパク質とを製造し、この両タンパク質を上記し たような混合溶媒中で縮合させる。縮合反応の詳細については上記と同様であ る。縮合により得られた保護タンパク質を精製した後、 上記方法によりすベて の保護基を除去し、所望の粗タンパク質を得ることができる。 この粗タンパク 質は既知の各種精製手段を駆使して精製し、主要画分を凍結乾燥することで所 望のタンパク質のアミド体を得ることができる。
タンパク質のエステル体を得るには、例えば、 カルポキシ末端アミノ酸の 一力ルポキシル基を所望のアルコール類と縮合しアミノ酸エステルとした後、
タンパク質のアミド体と同様にして、所望のタンパク質のエステル体を得るこ とができる。
本発明のタンパク質の部分ペプチドまたはその塩は、自体公知のペプチドの 合成法に従って、あるいは本発明のタンパク質を適当なぺプチダ一ゼで切断す ることによって製造することができる。ペプチドの合成法としては、例えば、 固相合成法、 液相合成法のいずれによっても良い。 すなわち、 本発明のタンパ ク質を構成し得る部分ペプチドもしくはアミノ酸と残余部分とを縮合させ、生 成物が保護基を有する場合は保護基を脱離することにより目的のぺプチドを 製造することができる。 公知の縮合方法や保護基の脱離としては、 例えば、 以 下の①〜⑤に記載された方法が挙げられる。
ΦΜ. Bodanszky および M.A. 0ndetti、 ペプチド シンセシス (Peptide Synthesis; , Interscience Publishers, New York (1966年 j
② Schroederおよび Luebke、 ザ ペプチド(The Peptide), Academic Press, New York (1965年)
③泉屋信夫他、 ペプチド合成の基礎と実験、 丸善 (株) (1975年)
④矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座 1、 タンパク質の化学 IV、 205、 (1977年)
⑤矢島治明監修、 続医薬品の開発 第 14巻 ペプチド合成広川書店 .
また、 反応後は通常の精製法、 たとえば、 溶媒抽出 ·蒸留 ·カラムクロマト グラフィー '液体クロマトグラフィー ·再結晶などを組み合わせて本発明の部 分べプチドを精製単離することができる。上記方法で得られる部分べプチドが 遊離体である場合は、公知の方法によって適当な塩に変換することができるし、 逆に塩で得られた場合は、公知の方法によって遊離体に変換することができる。 本発明のタンパク質をコードする DNAを用いて、例えば、公知の実験医学 増刊 「新 P C Rとその応用」 15(7)、 1997記載の方法またはそれに準じた方法 により、 本発明のタンパク質の mRN Aを定量することができる。
本発明のタンパク質をコードする DNAとしては、 ゲノム DNA、 ゲノム D NAライブラリー、 前記した細胞 ·組織由来の c DNA、 前記した細胞 ·組織 由来の cDNAライブラリ一、合成 DNAのいずれでもよい。 ライブラリ一に
使用するべクタ一は、 バクテリオファージ、 プラスミド、 コスミド、 ファージ ミドなどいずれであってもよい。 また、 前記した細胞 ·組織より totalRNA または mRN A画分を調製したものを用いて直接 Reverse Transcriptase Polymerase Chain Reaction (以下、 R T- P C R法と略称する) によって増幅 することもできる。
具体的には、 本発明のタンパク質をコードする DNAとしては、 例えば、 配 列番号: 28または配列番号: 29で表わされる塩基配列を含有する DNA、 または配列番号: 28または配列番号: 29で表わされる塩基配列とハイスト リンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、本発明のタンパ ク質と実質的に同質の活性 (例、 ステロ一ル (好ましくはコレステロール) 結 合活性など)を有するタンパク質をコードする D N Aであれば何れのものでも よい。 配列番号: 28または配列番号: 29で表わされる塩基配列とハイブ リダィズできる DN Aとしては、 例えば、 配列番号: 28または配列番号: 2 9で表わされる塩基配列と約 70%以上、好ましくは約 80%以上、 より好ま しくは約 90 %以上、最も好ましくは約 95%以上の相同性を有する塩基配列 を含有する DN Aなどが用いられる。
ただし、 本発明のタンパク質をコードする DN Aには、 配列番号: 7で表わ される塩基配列に配列番号: 39で表わされる塩基配列を挿入した塩基配列を 有する DNA (ゲノミクス (Genomics) , 65, 137— 145, 2000) は含まれない。
また、 本発明のタンパク質をコードする DN Aから、 配列番号: 42で表わ される塩基配列を有する DN Aを除くのが好ましい。
ハイブリダィゼ一シヨンは、 自体公知の方法あるいはそれに準じる方法、例 えば、. モレキュラー ·クロ一ニング (Molecular Cloning) 2nd (J. Sambrook et al. , Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989) に記載の方法などに従って 行なうこどができる。 また、 市販のライブラリーを俾用する場合、 添付の使用 説明書に記載の方法に従って行なうことができる。 より好ましくは、ハイスト リンジェントな条件に従って行なうことができる。
該ハイストリンジェントな条件とは、例えば、 ナトリゥム濃度が約 19〜 4
0 mM、 好ましくは約 1 9〜 20 mMで、 温度が約 50〜 70 °C、 好ましくは 約 60〜6 5 °Cの条件を示す。特に、 ナトリウム濃度が約 1 9 mMで温度が約 6 5 °Cの場合が最も好ましい。 '
より具体的には、配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパ ク質をコードする DNAとしては、配列番号: 28で表わされる塩基配列など が用いられ、配列番号: 1 6で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質 をコードする DNAとしては、配列番号: 29で表わされる塩基配列を含有す る DN Aなどが用いられる。
また、 配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列を含有し、 配列番号: 38で 表わされるアミノ酸配列を含有しないタンパク質をコードする DNAとして は、 配列番号: 28で表わされる塩基配列を含有し、 配列番号: 3 9で表わさ れる塩基配列を含有しない D N Aなどが用いられる。
さらに、
(1)配列番号: 9で表わされるアミノ酸配列の第 22番目〜第 1 332番目 のアミノ酸配列を含有するタンパク質をコードする DNAとしては、 配列番 号: 7で表される塩基配列の第 64番目〜第 3999番目の塩基配列を含有す る DNAなどが用いられ、 (2) 配列番号: 9で表わされるアミノ酸配列を含 有するタンパク質をコードする DNAとしては、配列番号: 7で表わされる塩 基配列を含有する DNAなどが用いられ、 (3) 配列番号: 1 7で表わされる アミノ酸配列を含有するタンパク質をコードする DN Aとしては、配列番号: 1 5で表わされる塩基配列を含有する DNAなどが用いられ、(4)配列番号: 34で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質をコードする DN Aと しては、配列番号: 32で表わされる塩基配列を含有する DNAなどが用いら れ、 (5) 配列番号: 3 5で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質を コードする DNAとしては、配列番号: 33で表わされる塩基配列を含有する DNAなどが用いられ、 (6) 配列番号: 40で表わされるアミノ酸配列を含 有するタンパク質をコ一ドする DNAとしては、配列番号: 41で表わされる 塩基配列を含有する D N Aなどが用いられる。
本発明のタンパク質またはその部分ペプチド (以下、本発明のタンパク質と
略記する場合がある)を完全にコ一ドする DNAのクローニングの手段として は、本発明のタンパク質の部分塩基配列を有する合成 DN Aプライマ一を用い て PCR法によって増幅するか、または適当なベクターに組み込んだ DNAを 本発明のタンパク質の一部あるいは全領域をコードする DN A断片もしくは 合成 DNAを用いて標識したものとのハイブリダィゼーシヨンによって選別 することができる。ハイプリダイゼ一ションの方法は、例えば、モレキュラー - クロ一ニンク (Molecular Cloning) 2nd (J. Sambrook et al. , Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989) に記載の方法などに従って行なうことができる。 また、市販のライブラリ一を使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法に 従って行なうことができる。
DN Aの塩基配列の変換は、公知のキット、例えば、 MutanTM- G (宝酒造(株))、 Mutan™-K (宝酒造 (株) ) などを用いて、 Gupped duplex法や Kunkel法など の自体公知の方法あるいはそれらに準じる方法に従って行なうことができる。 クロ一ン化されたタンパク質をコードする DN Aは目的によりそのまま、ま たは所望により制限酵素で消化したり、リンカ一を付加したりして使用するこ とができる。該 DNAはその 5'末端側に翻訳開始コドンとしての ATGを有 し、 また 3' 末端側には翻訳終止コドンとしての TAA、 TGAまたは TAG を有していてもよい。 これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは、適当な合 成 DN Aアダプターを用いて付加することもできる。
本発明のタンパク質の発現ベクターは、 例えば、 (ィ) 本発明のタンパク質 をコードする DNAから目的とする DNA断片を切り出し、 (口) 該 DNA断 片を適当な発現べクタ一中のプロモーターの下流に連結することにより製造 することができる。
ベクターとしては、 大腸菌由来のプラスミド (例、 pBR 322, pBR 3 25, pUC 12, pUC 13) 、 枯草菌由来のプラスミド (例、 pUB 1 1 0, TP 5, p C 1 94) 、 酵母由来プラスミド (例、 p SH 19, p SH 1 5) 、 λファ一ジなどのバクテリオファ一ジ、 レトロウイルス, ワクシニア ウィルス, バキュロウィルスなどの動物ウィルスなどの他、 pAl— 1 1、 p XT 1、 pR c/CMV, pRcZRSV、 p c D N A I ZN e oなどが用い
られる。
本発明で用いられるプロモーターとしては、遺伝子の発現に用いる宿主に対 応して適切なプロモーターであればいかなるものでもよい。例えば、動物細胞 を宿主として用いる場合は、 SRひプロモーター、 SV40プロモーター、 L TRプロモ一夕一、 CMVプロモー夕一、 HS V- TKプロモータ一などが挙 げられる。
これらのうち、 CMVプロモ一夕一、 S Rひプロモータ一などを用いるのが 好ましい。 宿主がェシエリヒア属菌である場合は、 t r pプロモーター、 1 a cプロモ一夕一、 r e cAプロモーター、 λ Ρ^プロモーター、 l p pプロモ —ターなどが、 宿主がバチルス属菌である場合は、 S PO lプロモー夕一、 S PO 2プロモー夕一、 p e n Pプロモーターなど、宿主が酵母である場合は、 PH05プロモータ一、 PGKプロモータ一、 GAPプロモーター、 ADHプ 口モーターなどが好ましい。宿主が昆虫細胞である場合は、 ポリヘドリンプロ モー夕一、 p 1 0プロモ一ターなどが好ましい。
発現ベクターには、 以上の他に、 所望によりェンハンサー、 スプライシング シグナル、 ポリ A付加シグナル、 選択マ一カー、 SV40複製オリ.ジン (以下、 S V40 o r i-と略称する場合がある)などを含^■しているものを用いること ができる。 選択マ一カーとしては、 例えば、 ジヒドロ葉酸還元酵素 (以下、 d h f rと略称する場合がある) 遺伝子 〔メソトレキセート (MTX) 耐性〕 、 アンピシリン耐性遺伝子 (以下、 Amp 1"と略称する場合がある) 、 ネオマイ シン耐性遺伝子 (以下、 Ne o 1"と略称する場合がある、 G418耐性) 等が 挙げられる。 特に、 CHO (d h f r-) 細胞を用いて d h f r遺伝子を選択 マ一力一として使用する場合、目的遺伝子をチミジンを含まない培地によって も選択できる。
また、 必要に応じて、 宿主に合ったシグナル配列を、 本発明のタンパク質の N端末側に付加する。 宿主がェシエリヒア属菌である場合は、 PhoA ·シグナ ル配列、 OrnpA ·シグナル配列などが、 宿主がバチルス属菌である場合は、 α 一アミラーゼ ·シグナル配列、 サブチリシン ·シグナル配列などが、 宿主が酵 母である場合は、 MF a,シグナル配列、 SUC 2 ·シグナル配列など、 宿主
が動物細胞である場合には、 インシュリン'シグナル配列、 α—イン夕一フエ ロン■シグナル配列、 抗体分子 ·シグナル配列などがそれぞれ利用できる。 このようにして構築された本発明のタンパク質をコードする DN Αを含有 するベクターを用いて、 形質転換体を製造することができる。
宿主としては、 例えば、 ェシエリヒア属菌、 バチルス属菌、 酵母、 昆虫細胞、 昆虫、 動物細胞などが用いられる。
ェシエリヒア属菌の具体例としては、 ェシエリヒア 'コリ (Escherichia coli) K 12 · DH 1 〔プロシ一ジングズ ·ォブ ·ザ ·ナショナル ·ァカデミ ― ·ォブ ·サイェンシィズ ·ォブ ·ザ ·ユーエスエー (Pro atl. Acad. Sci. USA) , 60巻, 160 (1968)〕 , J M 103 〔ヌクイレック 'ァシッ ズ . リサ—チ, (Nucleic Acids Research) , 9巻, 309 (1981)〕 , J A 221 〔ジャーナル 'ォブ ·モレキュラー 'バイオロジー (Journal of Molecular Biology) 〕 , 120巻, 517 (1978)〕 , H B 101 〔ジャ 一ナル 'ォブ'モレキュラー 'バイオロジー, 41巻, 459 (1969)〕 , C 600 〔ジェネティックス (Genetics) , 39巻, 440 ( 1954)〕 など が用いられる。
バチルス属菌としては、例えば、バチルス ·ズブチルス (Bacillus subtil is) M I 1 14 〔ジーン, 24巻, 255 (1983)〕 , 207 - 21 〔ジャーナ ル ·ォブ ·バイオケミストリ一 (Journal of Biochemistry) , 95巻, 87 (1 984)〕 などが用いられる。
酵母としては、 例えば、 サッカロマイセス セレピシェ (Saccharomyces cerevisiae) AH 22, AH22 R―, NA 87 - 1 1 A, DKD— 5D, 2 0 B— 12、 シゾサッカロマイセス ボンべ (Schizosaccharomyces pombe) NCYC 19 13, N,CYC 2036、ピキア パストリス(PicMa pastoris) などが用いられる。
昆虫細胞としては、 例えば、 ウィルスが Ac NPVの場合は、 夜盗蛾の幼虫 由来株化細胞 (Spodoptera frugiperda cell; S f細胞) 、 Trichoplusia ni の中腸由来 ©MG 1細胞、 Trichoplusia niの卵由来の High Five™ 細胞、 Mamestra brassicae由来の細胞または Estigmena acrea由来の細胞などが用い
られる。 ウィルスが BmNP Vの場合は、 蚕由来株化細胞 (Bombyx mori N; BmN細胞)などが用いられる。該 S f細胞としては、例えば、 S f 9細胞(ATCC CRL1711)ゝ S'f 21細胞(以上、 Vaughn, J.L.ら、イン ·ヴィポ (InVivo) , 13, 213-217, (1977)) などが用いられる。
昆虫としては、 例えば、 カイコの幼虫などが用いられる 〔前田ら、 ネィチヤ 一 (Nature) , 315巻, 592 (1985)〕 。
動物細胞としては、 例えば、 サル細胞 COS— 7, Vero, チャイニーズハム スター細胞 CHO (以下、 CHO細胞と略記) , dh f r遺伝子欠損チヤィニ —ズハムスター細胞 CHO (以下、 CHO (dh f r") 細胞と略記) , マウ ス L細胞, マウス A t T_20, マウスミエローマ細胞, ラット GH3, ヒト FL細胞などが用いられる。
ェシエリヒア属菌を形質転換するには、 例えば、 プロシージングズ ·ォブ · ザ ·ナショナル ·ァカデミ一 ·ォブ ·サイェンジィズ ·ォブ ·ザ ·ユーエスェ - (Proc. Natl. Acad. Sci. USA) , 6'9巻, 21 10 ( 1972 )ゃジ一 ン (Gene) , 17巻, 107 (1982 )などに記載の方法に従って行なうこと ができる。
バチルス属菌を形質転換するには、 例えば、 モレキュラー ·アンド ·ジエネ ラル 'ジェネティックス (Molecular & General Genetics) , 168巻, 1
1 1 (1 979)などに記載の方法に従って行なうことができる。 '
酵母を形質転換するには、 例えば、 メッソズ ·イン ·ェンザィモロジ一
(Methods in Enzymology) , 194卷, 182— 187 (1991) 、 プロ シ一ジングズ ·ォブ ·ザ ·ナショナル ·アカデミー ·ォブ ·サイェンシィズ · ォブ ·ザ 'ユーエスェ一 (Proc. Natl. Acad. Sci. USA) , 75卷, 19
29 (1978) などに記載の方法に従って行なうことができる。
昆虫細胞または昆虫を形質転換するには、 例えば、 バイオ Zテクノロジー (Bio/Technology) ,6, 47-55 (1988)) などに記載の方法に従って行なうこと ができる。
動物細胞を形質転換するには、例えば、細胞工学別冊 8新細胞工学実験プロ 卜コール. 263— 267 (1995) (秀潤社発行)、ヴイロロジー(Virology) ,
52巻, 456 (1973 )に記載の方法に従って行なうことができる。
このようにして、タンパク質をコードする DN Aを含有する発現ベクターで 形質転換された形質転換体が得られる。
宿主がェシエリヒア属菌、バチルス属菌である形質転換体を培養する際、培 養に使用される培地としては液体培地が適当であり、その中には該形質転換体 の生育に必要な炭素源、 窒素源、 無機物その他が含有せしめられる。 炭素源と しては、 例えば、 グルコース、 デキストリン、 可溶性澱粉、 ショ糖など、 窒素 源としては、 例えば、 アンモニゥム塩類、 硝酸塩類、 コーンスチープ ·リカー、 ペプトン、 カゼイン、 肉エキス、 大豆粕、 バレイショ抽出液などの無機または 有機物質、 無機物としては、 例えば、 塩化カルシウム、 リン酸二水素ナトリウ ム、 塩化マグネシウムなどが挙げられる。 また、 酵母エキス、 ビタミン類、 生 長促進因子などを添加してもよい。 培地の pHは約 5〜 8が望ましい。
ェシエリヒア属菌を培養する際の培地としては、 例えば、 グルコース、 カザ ミノ酸を含む M 9培地 〔ミラー (Miller) , ジャーナル.ォブ ·ェクスぺリメ ンッ ·イン -モレキュラー ·ジェ不ティックス (Journal of Experiments in Molecular Genetics) , 43 1 -433, Cold Spring Harbor Laboratory, New York 1972] が好ましい。 ここに必要によりプロモーターを効率よく働か せるために、例えば、 3 j8—インドリル アクリル酸のような薬剤を加えるこ とができる。
宿主がェシエリヒア属菌の場合、培養は通常約 15〜43 で約 3〜24時 間行ない、 必要により、 通気や撹拌を加えることもできる。
宿主がバチルス属菌の場合、培養は通常約 30〜40 で約6〜24時間行 ない、 必要により通気や撹拌を加えることもできる。
宿主が酵母である形質転換体を培養する際、 培地としては、 例えば、 バーク ホールダー (Burkholder) 最小培地 〔Bostian, K. L. ら、 「プロシージング 'ズ ·ォブ 'ザ ·ナショナル ·アカデミー ·ォブ ·サイェンシィズ ·ォブ ·ザ · ユーエスェ一 (Proc. Natl. Acad. Sci. USA) , 77巻, 4505 (198 0)〕 や 0.5%カザミノ酸を含有する SD培地 〔Bitter, G. A. ら、 「プロシ —ジングズ ·ォブ ·ザ ·ナショナル ·アカデミー ·ォブ ·サイェンシィズ ·ォ
ブ .ザ.ユーエスエー (pro Natl. Acad. Sci. USA) , 8 1卷, 5 3 3 0 ( 1 9 8 4) 3が挙げられる。 培地の ρΗは約 5〜 8に調整するのが好まし い。培養は通常約 2 0°C〜3 5°Cで約 2 4〜7 2時間行ない、必要に応じて通 気や撹拌を加える。
宿主が昆虫細胞または昆虫である形質転換体を培養する際、培地としては、 Grace' s Insect Medium (Grace, T. C. C. ,ネイチヤー (Nature), 195, 788 (1962)) に非動化した 1 0 %ゥシ血清等の添加物を適宜加えたものなどが用いられる。 培地の pHは約 6. 2〜6. 4に調整するのが好ましい。培養は通常約 2 7°C で約 3〜5日間行ない、 必要に応じて通気や撹拌を加える。
宿主が動物細胞である形質転換体を培養する際、 培地としては、 例えば、 約 5〜 2 0 %の胎児牛血清を含む MEM培地 〔サイエンス (Science) , 1 2 2 巻, 5 0 1 (1 9 5 2)〕 , DMEM培地 〔ヴイロロジー (Virology) , 8卷, 3 9 6 (1 9 5 9)〕 , RPM I 1 640培地 〔ジャーナル 'ォブ ·ザ ·ァメ リカン'メディカル'ァソシエーション(The Journal of the American Medical Association) 1 9 9巻, 5 1 9 (1 9 6 7)〕 , 1 9 9培地〔プロシ一ジング · ォブ 'ザ'ソサイエティ ·フォー 'ザ'バイオロジカル ·メディスン(Proceeding of the Society for the Biological Medicine) , 7 3卷, 1 (1 9 5 0)〕 な どが用いられる。 pHは約 6〜8であるのが好ましい。培養は通常約 3 0°C〜 4 0°Cで約 1 5〜6 0時間行ない、 必要に応じて通気や撹拌を加える。
以上のようにして、形質転換体の細胞内、形質膜または細胞外に本発明のタ ンパク質を生成せしめることができる。
上記培養物から本発明のタンパク質を分離精製するには、例えば、下記の方 法により行なうことができる。
本発明のタンパク質を培養菌体あるいは細胞から抽出するに際しては、培養 後、 公知の方法で菌体あるいは細胞を集め、 これを適当な緩衝液に懸濁し、 超 音波、リゾチームおよび または凍結融解などによって菌体あるいは細胞を破 壊したのち、遠心分離やろ過によりタンパク質の粗抽出液を得る方法などが適 宜用いられる。緩衝液の中に尿素や塩酸グァニジンなどの蛋白質変性剤や、 ト リトン X— 1 0 0TMなどの界面活性剤が含まれていてもよい。 培養液中に夕
ンパク質が分泌される場合には、培養終了後、それ自体公知の方法で菌体ある いは細胞と上清とを分離し、 上清を集める。
このようにして得られた培養上清、あるいは抽出液中に含まれるタンパク質 の精製は、 自体公知の分離 ·精製法を適切に組み合わせて行なうことができる。 これらの公知の分離、精製法としては、塩析ゃ溶媒沈澱法などの溶解度を利用 する方法、 透析法、 限外ろ過法、 ゲルろ過法、 および S D S —ポリアクリルァ ミドゲル電気泳動法などの主として分子量の差を利用する方法、イオン交換ク 口マトグラフィ一などの荷電の差を利用する方法、ァフィ二ティークロマトグ ラフィーなどの特異的新和性を利用する方法、逆相高速液体クロマトグラフィ 一などの疎水性の差を利用する方法、等電点電気泳動法などの等電点の差を利 用する方法などが用いられる。
かくして得られるタンパク質が遊離体で得られた場合には、自体公知の方法 あるいはそれに準じる方法によって塩に変換することができ、逆に塩で得られ た場合には自体公知の方法あるいはそれに準じる方法により、遊離体または他 の塩に変換することができる。
なお、組換え体が産生するタンパク質を、精製前または精製後に適当な蛋白 修飾酵素を作用させることにより、任意に修飾を加えたり、 ポリペプチドを部 分的に除去することもできる。 蛋白修飾酵素としては、 例えば、 トリプシン、 キモトリブシン、 アルギニルエンドべプチダーゼ、 プロテインキナーゼ、 ダリ コシダーゼなどが用いられる。
かくして生成する本発明のタンパク質またはその塩の活性は、標識したステ ロール(好ましくはコレステロール) との結合実験および特異抗体を用いたェ ンザィムィムノアッセィなどにより測定することができる。
本発明のタンパク質またはその塩に対する抗体は、本発明のタンパク質また はその塩を認識し得る抗体であれば、 ポリクローナル抗体、 モノクローナル抗 体の何れであってもよい。
本発明のタンパク質またはその塩(以下、本発明のタンパク質と略記する場 合がある) に対する抗体は、 本発明のタンパク質を抗原として用い、 自体公知. の抗体または抗血清の製造法に従って製造することができる。
〔モノクローナル抗体の作製〕
( a) モノクロナール抗体産生細胞の作製
本発明のタンパク質は、哺乳動物に対して投与により抗体産生が可能な部位 にそれ自体あるいは担体、希釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産生 能を高めるため、完全フロイントアジュバントゃ不完全フロイントアジュバン トを投与してもよい。投与は通常 2〜 6週毎に 1回ずつ、 計 2〜1 0回程度行 なわれる。 用いられる哺乳動物としては、 例えば、 サル、 ゥサギ、 ィヌ、 モル モット、 マウス、. ラット、 ヒッジ、 ャギが挙げられるが、 マウスおよびラット が好ましく用いられる。
モノクローナル抗体産生細胞の作製に際しては、抗原を免疫された温血動物、 例えば、マウスから抗体価の認められた個体を選択し最終免疫の 2〜 5日,後に 脾臓またはリンパ節を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞を骨髄腫細胞と 融合させることにより、モノクローナル抗体産生ハイプリド一マを調製するこ とができる。 抗血清中の抗体価の測定は、 例えば、 後記の標識化タンパク質と 抗血清とを反応させたのち、抗体に結合した標識剤の活性を測定することによ り行なうことができる。 融合操作は既知の方法、 例えば、 ケ一ラーとミルスタ インの方法 〔ネィチヤ一 (Nature)、 2 5 6巻、 4 9 5頁 (1 9 7 5年) 〕 に 従い実施することができる。 融合促進剤としては、 例えば、 ポリエチレンダリ コール (P EG) やセンダイウィルスなどが挙げられるが、 好ましくは P EG が用いられる。
骨髄腫細胞としては、 例えば、 N S— 1、 P 3 U 1、 S P 2 Z 0などが挙げ られるが、 P 3 U 1が好ましく用いられる。 用いられる抗体産生細胞(脾臓細 胞) 数と骨髄腫細胞数との好ましい比率は 1 : 1〜2 0 : 1程度であり、 PE G (好ましくは、 PEG 1 0 0 0〜PEG 6 0 0 0) が 1 0〜8 0 %程度の濃 度で添加され、約 2 0〜 40 °C、好ましくは約 3 0〜 3 7 °Cで約 1〜 1 0分間 ィンキュベートすることにより効率よく細胞融合を実施できる。
モノクローナル抗体産生ハイプリドーマのスクリーニングには種々の方法 が使用できるが、例えば、 タンパク質の抗原を直接あるいは担体とともに吸着 させた固相 (例、 マイクロプレート) にハイプリドーマ培養上清を添加し、 次
に放射性物質や酵素などで標識した抗免疫グロブリン抗体(細胞融合に用いら れる細胞がマウスの場合、抗マウス免疫グロブリン抗体が用いられる) または プロテイン Aを加え、 固相に結合したモノクローナル抗体を検出する方法、抗 免疫グロプリン抗体またはプロテイン Aを吸着させた固相にハイプリドーマ 培養上清を添加し、放射性物質や酵素などで標識したタンパク質を加え、 固相 に結合したモノクローナル抗体を検出する方法などが挙げられる。
モノクローナル抗体の選別は、自体公知あるいはそれに準じる方法に従って 行なうことができるが、 通常は H A T (ヒポキサンチン、 アミノプテリン、 チ ミジン) を添加した動物細胞用培地などで行なうことができる。選別および育 種用培地としては、ハイプリドーマが生育できるものならばどのような培地を 用いても良い。 例えば、 1〜2 0 %、 好ましくは 1 0〜 2 0 %の牛胎児血清を 含む R P M I 1 6 4 0培地、 1〜1 0 %の牛胎児血清を含む G I T培地 (和 光純薬工業 (株) ) またはハイプリドーマ培養用無血清培地 (S F M— 1 0 1、 日水製薬 (株) ) などを用いることができる。 培養温度は、 通常 2 0〜4 0 ° (:、 好ましくは約 3 7 である。培養時間は、 通常 5日〜 3週間、 好ましくは 1週 間〜 2週間である。 培養は、 通常 5 %炭酸ガス下で行なうことができる。 ハイ プリドーマ培養上清の抗体価は、上記の抗血清中の抗体価の測定と同様にして 測定できる。
( b ) モノクロナール抗体の精製
モノクローナル抗体の分離精製は、通常のポリクローナル抗体の分離精製と 同様に免疫グロブリンの分離精製法 〔例、 塩析法、 アルコール沈殿法、 等電点 沈殿法、 電気泳動法、 イオン交換体 (例、 D E A E) による吸脱着法、 超遠心 法、ゲルろ過法、抗原結合固相またはプロテイン Aあるいはプロテイン Gなど の活性吸着剤により抗体のみを採取し、結合を解離させて抗体を得る特異的精 製法〕 に従って行なうことができる。
〔ポリクロ一ナル抗体の作製〕
本発明のポリクロ一ナル抗体は、それ自体公知あるいはそれに準じる方法に したがって製造することができる。 例えば、 免疫抗原 (タンパク質の抗原) と キャリアー蛋白質との複合体をつくり、上記のモノクローナル抗体の製造法と
同様に哺乳動物に免疫を行ない、該免疫動物から本発明のタンパク質に対する 抗体含有物を採取して、 抗体の分離精製を行なうことにより製造できる。
哺乳動物を免疫するために用いられる免疫抗原とキヤリァ一蛋白質との複 合体に関し、キャリア一蛋白質の種類およびキヤリア一とハプテンとの混合比 は、キヤリア一に架橋させて免疫したハプテンに対して抗体が効率良くできれ ば、 どの様なものをどの様な比率で架橋させてもよいが、 例えば、 ゥシ血清ァ ルブミン、 ゥシサイログロブリン、 キーホール ·リンペット ·へモシァニン等 を重量比でハプテン 1に対し、 約 0 . 1〜 2 0、 好ましくは約 1〜 5の割合で カプルさせる方法が用いられる。
また、 ハプテンとキャリア一の力プリングには、種々の縮合剤を用いること ができるが、 ダルタルアルデヒドゃカルポジイミド、マレイミド活性エステル、 チオール基、 ジチオビリジル基を含有する活性エステル試薬等が用いられる。 縮合生成物は、温血動物に対して、抗体産生が可能な部位にそれ自体あるい は担体、 希釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産生能を高めるため、 完全フロインドアジュバントや不完全フロインドアジュバントを投与しても よい。 投与は、 通常約 2〜 6週毎に 1回ずつ、 計約 3〜1 0回程度行なうこと ができる。
ポリクローナル抗体は、上記の方法で免疫された哺乳動物の血液、腹水など、 好ましくは血液から採取することができる。
抗血清中のポリクローナル抗体価の測定は、上記の血清中の抗体価の測定と 同様にして測定できる。ポリクローナル抗体の分離精製は、 上記のモノクロ一 ナル抗体の分離精製と同様の免疫グロプリンの分離精製法に従って行なうこ とができる。
本発明に従えば、タンパク質遺伝子の複製又は発現を阻害することのできる アンチセンスポリヌクレオチドを、クローン化したあるいは決定されたタンパ ク質をコードする D N Aの塩基配列情報に基づき設計し、合成しうる。そうし 'たポリペプチドは、タンパク質遺伝子の m R N Aとハイプリダイズすることが でき、該 R N Aの合成又は機能を阻害することができるか、 あるいはタンパク 質をコードする R N Aとの相互作用を介.してタンパク質遺伝子の発現を調
節 ·制御することができる。 タンパク質をコードする R N Aの選択された配列 に相補的な D N A、及び夕ンパク質をコードする R N Aと特異的にハイブリダ ィズすることができる D N Aは、生体内及び生体外でタンパク質遺伝子の発現 を調節 '制御するのに有用であり、 また病気などの治療又は診断に有用である。 「対応する」 とは、遺伝子を含めたヌクレオチド又は核酸の特定の配列に相同 性を有するあるいは相補的であることを意味する。ヌクレオチド又は核酸とぺ プチドまたはタンパク質との間で 「対応する」 とは、 ヌクレオチド (核酸) の 配列又はその相補体から誘導される指令にあるペプチド (蛋白質) のアミノ酸 を通常指している。 タンパク質遺伝子の 5 ' 端ヘアピンル一プ、 5 ' 端 6—ベ 一スペア · リピート、 5 ' 端非翻訳領域、 ポリペプチド翻訳開始コドン、 蛋白 質コード領域、 O R F翻訳開始コドン、 3 ' 端非翻訳領域、 3 ' 端パリンドロ ーム領域、及ぴ 3 '端ヘアピンループは好ましい対象領域として選択しうるが、 タンパク質遺伝子内の如何なる領域も対象として選択しうる。
目的核酸と、対象領域の少なくとも一部に相補的なポリヌクレオチド、例え ば、 対象物とハイブリダィズすることができるポリヌクレオチド、 「アンチセ ンス」 であるということができる。 アンチセンス ·ポリヌクレオチドは、 2— デォキシ— D—リポースを含有しているポリデォキシヌクレオチド、 D—リポ —スを含有しているポリデォキシヌクレオチド、プリン又はピリミジン塩基の N—グリコシドであるその他のタイプのポリヌクレオチド、あるいは非ヌクレ 'ォチド骨格を有するその他のポリマー(例えば、市販の蛋白質核酸及び合成配 列特異的な核酸ポリマー)又は特殊な結合を含有するその他のポリマ一(但し、 該ポリマ一は D N Aや R N A中に見出されるような塩基のペアリングゃ塩基 の付着を許容する配置をもつヌクレオチドを含有する)などが挙げられる。そ れらは、 2本鎖 D N A、 1本鎖 D NA、 2本鎖 R NA、 1本鎖 R NA、 さらに D N A: R N Aハイブリッドであることができ、 さらに非修飾ポリヌクレオチ ド (又は非修飾オリゴヌクレオチド) 、 さらには公知の修飾の付加されたもの、 例えば当該分野で知られた標識のあるもの、 キャップの付いたもの、 メチル化 されたもの、 1個以上の天然のヌクレオチドを類縁物で置換したもの、分子内 ヌクレオチド修飾のされたもの、 例えば非荷電結合 (例えば、 メチルホスホネ
—ト、 ホスホトリエステル、 ホスホルアミデート、 力ルバメートなど) を持つ もの、 電荷を有する結合又は硫黄含有結合 (例えば、 ホスホロチォェ一ト、 ホ スホロジチォェ一トなど) を持つもの、 例えば蛋白質 (ヌクレアーゼ、 ヌクレ ァ一ゼ,インヒビ夕一、 トキシン、 抗体、 シグナルペプチド、 ポリ— Lーリジ ンなど) や糖 (例えば、 モノサッカライドなど) などの側鎖基を有しているも の、 インターカレント化合物 (例えば、 ァクリジン、 プソラレンなど) を持つ もの、 キレート化合物 (例えば、 金属、 放射活性をもつ金属、 ホウ素、 酸化性 の金属など) を含有するもの、 アルキル化剤を含有するもの、 修飾された結合 を持つもの (例えば、 ひァノマ一型の核酸など) であってもよい。 ここで 「ヌ クレオシド」 、 「ヌクレオチド」 及び 「核酸」 とは、 プリン及びピリミジン塩 基を含有するのみでなく、修飾されたその他の複素環型塩基をもつようなもの を含んでいて良い。 こうした修飾物は、 メチル化されたプリン及びピリミジン、 ァシル化されたプリン及びピリミジン、あるいはその他の複素環を含むもので あってよい。修飾されたヌクレオチド及び修飾されたヌクレオチドはまた糖部 分が修飾されていてよく、例えば 1個以上の水酸基がハロゲンとか、脂肪族基 などで置換されていたり、 あるいはエーテル、 ァミンなどの官能基に変換され ていてよい。 '
本発明のアンチセンス ·ポリヌクレオチド (核酸) は、 RNA、 DNA、 あ るいは修飾された核酸.(RNA、 DNA) である。 修飾された核酸の具体例と しては核酸の硫黄誘導体ゃチォホスフエ一ト誘導体、そしてポリヌクレオシド アミドゃオリゴヌクレオシドアミドの分解に抵抗性のものが挙げられるが、そ れに限定されるものではない。本発明のアンチセンス核酸は次のような方針で 好ましく設計されうる。すなわち、細胞内でのアンチセンス核酸をより安定な ものにする、 アンチセンス核酸め細胞透過性をより高める、 目標とするセンス 鎖に対する親和性をより大きなものにする、そしてもし毒性があるならアンチ センス核酸の毒性をより小さなものにする。
こうして修飾は当該分野で数多く知られており。例えば J. Kawakami ei al., Pharm Tech Japan, Vol. 8, pp.247, 1992; Vol. 8, pp.395, 1992; S. T. Crooke et al. ed. , Antisense Research and Applications, CRC Press, 1993 など
に開示がある。
本発明のアンチセンス核酸は、 変化せしめられたり、 修飾された糖、 塩基、 結合を含有していて良く、 リボゾーム、 ミクロスフエアのような特殊な形態で 供与されたり、遺伝子治療により適用されたり、 付加された形態で与えられる ことができうる。 こうして付加形態で用いられるものとしては、 リン酸基骨格 の電荷を中和するように働くポリリジンのようなポリカチオン体、細胞膜との 相互作用を高めたり、 核酸の取込みを増大せしめるような脂質 (例えば、 ホス ホリピド、 コレステロールなど) といつた粗水性のものが挙げられる。 付加す るに好ましい脂質としては、 コレステロールやその誘導体 (例えば、 コレステ リルクロ口ホルメート、 コール酸など) が挙げられる。 こうしたものは、 核酸 の 3 ' 端あるいは 5, 端に付着させることができ、 塩基、 糖、 分子内ヌクレオ シド結合を介して付着させることができうる。その他の基としては、核酸の 3 ' 端あるいは 5,端に特異的に配置されたキャップ用の基で、 ェキソヌクレア一 ゼ、 R N a s eなどのヌクレアーゼによる分解を阻止するためのものが挙げら れる。 こうしたキャップ用の基としては、 ポリエチレングリコール、 テトラエ チレングリコールなどのグリコールをはじめとした当該分野で知られた水酸 基の保護基が挙げられるが、 それに限定されるものではない。
本発明の D N Aに実質的に相補的な塩基配列とは、例えば、本発明の D N A に相補的な塩基配列 (すなわち、 本発明の D NAの相補鎖) の全塩基配列ある いは部分塩基配列と約 7 0 %以上、好ましくは約 8 0 %以上、 より好ましくは 約 9 0 %以上、最も好ましくは約 9 5 %以上の相同性を有する塩基配列等が挙 げられる。特に、 本発明の D N Aの相補鎖の全塩基配列うち、 本発明のポリべ プチドの N末端部位をコードする部分の塩基配列(例えば、 開始コドン付近の 塩基配列等) の相補鎖と約 7 0 %以上、 好まし'くは約 8 0 %以上、 より好まし くは約 9 0 %以上、最も好ましくは約 9 5 %以上の相同性を有するアンチセン ス D N Aが好適である。 これらのアンチセンス D N Aは、公知の D N A合成装 置等を用いて製造することができる。
アンチセンス核酸の阻害活性は、本発明の形質転換体、本発明の生体内や生 体外の遺伝子発現系、あるいはタンパク質の生体内や生体外の翻訳系を用いて
調べることができる。該核酸それ自体公知の各種の方法で細胞に適用できる。 本発明のタンパク質(配列番号: 9で表わされるアミノ酸配列に配列番号: 38で表わされるァミノ酸配列が挿入されたァミノ酸配列を含む夕ンパク質 も含む) および該タンパク質をコ一ドする DNAは、
(1)本発明のタンパク質の機能不全に関連する疾患の予防および Zまたは治 療剤、
(2) 遺伝子診断剤、
(3)本発明のタンパク質の発現量を変化させる化合物またはその塩のスクリ 一二ング方法、
(4)本発明のタンパク質の発現量を変化させる化合物またはその塩を含有す る各種疾病の予防および Zまたは治療剤、
( 5 )本発明の夕ンパク質のステロール感知能を変化させる化合物またはその 塩のスクリーニング方法、
(6)本発明のタンパク質のステロール感知能を変化させる化合物またはその 塩を含有する各種疾病の予防および/または治療剤、
(7) 本発明のタンパク質の定量、
(8) 本発明のタンパク質に対する抗体による中和、
(9)本発明のタンパク質をコードする DN Aを有する非ヒト動物の作製など に用いることができる。
特に、本発明の組換え型タンパク質の発現系を用いたスクリーニング法を用 いることによって、本発明のタンパク質のステロール感知能を変化させる化合 物またはその塩(以下、 化合物と略記することがある) をスクリーニングする ことができ、該化合物を各種疾病の予防 ·治療剤などとして使用することがで きる。
本発明のタンパク質をコードする DNA (以下、本発明の DNAと略記する 場合がある) および本発明のタンパク質に対する抗体 (以下、 本発明の抗体と 略記する場合がある) の用途について、 以下に具体的に説明する。
( 1 )本発明のタンパク質の機能不全に関連する疾患の予防および Zまたは治
①本発明のタンパク質または②該タンパク質をコードする D N Aを、本発明 のタンパク質の機能不全に関連する疾患の予防および/または治療剤などの 医薬として使用することができる。
例えば、生体内において本発明のタンパク質が減少しているためにステロー ルを感知することが期待できない(該タンパク質の欠乏症)患者がいる場合に、 ①本発明のタンパク質を該患者に投与し該タンパク質の量を補充したり、 ② (ィ)本発明のタンパク質をコードする D N Aを該患者に投与し発現させるこ とによって、 あるいは (口)対象となる細胞に本発明のタンパク質をコードす る D N Aを揷入し発現させた後に、該細胞を該患者に移植することなどによつ て、患者の体内におけるタンパク質の量を増加させ、該タンパク質の作用を充 分に発揮させることができる。即ち、本発明のタンパク質をコードする D NA は、安全で低毒性な本発明のタンパク質の機能不全に関連する疾患の予防およ び Zまたは治療剤として有用である。
本発明のタンパク質は、ニーマンピックタイプ C症の原因遺伝子とされる N P C 1および発生 ·分化のシグナル分子とされる Patched及びコレステロール 生合成系の律速酵素である HMG_CoA Reduc taseおよび脂肪酸合成系、 コレステ ロール合成系、およびそれらの異化代謝系を支配する主要な転写調節物質であ る SCAPの配列と約 2 0 %以上のホモロジ一を有する部分配列を含有しており、 また上記 4種のタンパクの中で、 この部分配列にホモロジ一を有する配列は SSD配列と考えられている。 [ Current Opini on in S t ruc tural Bi o logy, 8, 435-439 (1998) ]。 このことから、 本発明のタンパク質は上記 4種と同様に、 ステロール濃度を感知する機能を有していることが予想され、すなわち、高脂 血症、動脈硬化などの脂質代謝性疾患の予防および Zまたは治療に有用である。 また、本発明のタンパク質と 4 0 %以上のホモロジ一を有する NPC1の機能とし ては、細胞内の脂質輸送を制御することが提唱されている [Current Opini on in Lipi do l ogy, 9, 131-135 (1998) ] 。 従って、 N P C 1と相同性が認められる 本発明のタンパク質は、細胞内の脂質輸送を制御することが予想され、各種の 脂質代謝異常症、 循環器疾患、 中枢性疾患、 呼吸器疾患、 消化器疾患 ·肝/胆 / 鹧疾患 ·内分泌疾患の予防およびノまたは治療に有用である。
本発明のタンパク質を上記予防 ·治療剤として使用する場合は、常套手段に 従って製剤化することができる。
一方、 本発明のタンパク質をコードする D NA (以下、 本発明の D N Aと略 記する場合がある) を上記予防 ·治療剤として使用する場合は、 本発明の D N Aを単独あるいはレトロウイルスベクタ一、 アデノウイルスベクタ一、 アデノ ウィルスァソシエーテツドウィルスベクターなどの適当なベクターに揷入し た後、 常套手段に従って実施することができる。 本発明の D N Aは、 そのまま で、 あるいは摂取促進のための補助剤とともに、遺伝子銃やハイドロゲルカテ —テルのようなカテーテルによって投与できる。
例えば、本発明のタンパク質または本発明の D N Aは、必要に応じて糖衣を 施した錠剤、 カプセル剤、 エリキシル剤、 マイクロカプセル剤などとして経口 的に、あるいは水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、 または懸濁液剤などの注射剤の形で非経口的に使用できる。例えば、本発明の タンパク質または本発明の D N Aを生理学的に認められる公知の担体、香味剤、 賦形剤、 べヒクル、 防腐剤、 安定剤、 結合剤などとともに一般に 、められた製 剤実施に要求される単位用量形態で混和することによって製造することがで きる。これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な用量が得られ るようにするものである。
錠剤、 カプセル剤などに混和することができる添加剤としては、例えばゼラ チン、 コーンスターチ、 トラガント、 アラビアゴムのような結合剤、 結晶性セ ルロースのような賦形剤、 コーンスターチ、 ゼラチン、 アルギン酸などのよう な膨化剤、 ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、 ショ糖、 乳糖またはサ ッカリンのような甘味剤、 ペパーミント、 ァカモノ油またはチェリーのような 香味剤などが用いられる。調剤単位形態がカプセルである場合には、 上記タイ プの材料にさらに油脂のような液状担体を含有することができる。注射のため の無菌組成物は注射用水のようなべヒクル中の活性物質、胡麻油、椰子油など のような天然産出植物油などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施 に従って処方することができる。 注射用の水性液としては、 例えば、 生理食塩 水、 ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液 (例えば、 D—ソルビトール、 D
一マンニトール、 塩化ナトリウムなど) などが用いられ、 適当な溶解補助剤、 例えば、 アルコール (例、 エタノール) 、 ポリアルコール (例、 プロピレング リコール、 ポリエチレングリコール) 、 非イオン性界面活性剤 (例、 ポリソル ベ一ト 80TM、 HCO— 50) などと併用してもよい。 油性液としては、 例 えば、 ゴマ油、 大豆油などが用いられ、 溶解補助剤である安息香酸ベンジル、 ベンジルアルコールなどと併用してもよい。
また、 上記予防 ·治療剤は、 例えば、 緩衝剤 (例えば、 リン酸塩緩衝液、 酢 酸ナトリウム緩衝液) 、 無痛化剤 (例えば、 塩化ベンザルコニゥム、 塩酸プロ 力インなど) 、 安定剤 (例えば、 ヒト血清アルブミン、 ポリエチレングリコー ルなど) 、 保存剤 (例えば、 ベンジルアルコール、 フエノールなど) 、 酸化防 止剤などと配合してもよい。調製された注射液は通常、 適当なアンプルに充填 される。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、 ヒ卜ゃ哺 乳動物 (例えば、 ラット、 マウス、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) に対して投与することができる。
本発明のタンパク質の投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法など により差異はあるが、 経口投与の場合、 一般的に例えば、 高脂血症患者 (60 k gとして) においては、 一日につき約 0. lmg〜l 00mg、 好ましくは 約 1. 0〜5 Omg、 より好ましくは約 1. 0~20mgである。 非経口的に 投与する場合は、 その 1回投与量は投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法など によっても異なるが、 例えば、 注射剤の形では通常例,えば、 高脂血症患者 (6 0 k gとして) においては、 一日につき約 0. 0 1〜3 Omg程度、 好ましく は約 0. 1〜2 Omg程度、 より好ましくは約 0. 1〜 1 Omg程度を静脈注 射により投与するのが好都合である。他の動物の場合も、 60 k g当たりに換 算した量を投与することができる。
本発明の DN Aの投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などによ り差異はあるが、 経口投与の場合、 一般的に例えば、 高脂血症患者 (60 k g として) においては、 一日につき約 0. lmg〜l 0 Omg、 好ましくは約 1. 0〜 5 Omg、 より好ましくは約 1. 0〜 2 Omgである。 非経口的に投与す
る場合は、 その 1回投与量は投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などによつ ても異なるが、 例えば、 注射剤の形では通常例えば、 高脂血症患者 (60 k g として) においては、 一日につき約 0. 0 1〜3 Omg程度、 好ましくは約 0. 1〜2 Omg程度、 より好ましくは約 0. 1〜1 Omg程度を静脈注射により 投与するのが好都合である。他の動物の場合も、 6 O k g当たりに換算した量 を投与することができる。
(2) 遺伝子診断剤
本発明の DN Aは、 プロ一ブとして使用することにより、 ヒトまたは哺乳動 物 (例えば、 ラット、 マウス、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サ ルなど)における本発明のタンパク質またはその部分ペプチドをコードする D NAまたは mRNAの異常 (遺伝子異常) を検出することができるので、 例え ば、 該 DNAまたは mRNAの損傷、 突然変異あるいは発現低下や、 該 DNA または m R N Aの増油あるいは発現過多などの遺伝子診断剤として有用であ る。
本発明の DNAを用いる上記の遺伝子診断は、例えば、 自体公知のノーザン ハイブリダィゼーシヨンや PC R— S S CP法 (ゲノミックス (Genomics) , 第 5巻, 874〜 879頁 (1 989年) 、 プロシ一ジングズ ·ォブ .ザ ·ナ ショナル 'アカデミー'ォブ 'サイェンシィズ 'ォブ 'ュ一エスェ一(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America) , 第 86巻, 2 766〜 27 7 0頁 (1 989年) ) などにより実施することが できる。
( 3 )本発明のタンパク質またはその部分べプチドの発現量を変化させる化合 物のスクリーニング方法
本発明の DNAは、 プローブとして用いることにより、本発明のタンパク質 またはその部分ペプチドの発現量を変化させる化合物のスクリーニングに用 いることができる。
すなわち本発明は、 例えば、 ( i) 非ヒト哺乳動物の①血液、 ②特定の臓器、 ③臓器から単離した組織もしくは細胞、 または (ii) 形質転換体等に含まれる 本発明のタンパク質またはその部分べプチドの mRNA量を測定することに
よる、本発明のタンパク質またはその部分ペプチドの発現量を変化させる化合 物のスクリーニング方法を提供する。
本発明のタンパク質の m R N A量の測定は具体的には以下のようにして行 なう。
( i ) 正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物 (例えば、 マウス、 ラッド、 ゥ サギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど、 より具体的には痴呆ラッ ト、 肥満マウス、 動脈硬化ゥサギ、 担癌マウスなど) に対して、 薬剤 (例えば、 抗痴呆薬、 血圧低下薬、 抗癌剤、 抗肥満薬など) あるいは物理的ストレス (例 えば、 浸水ストレス、 電気ショック、 明暗、 低温など) などを与え、 一定時間 経過した後に、 血液、 あるいは特定の臓器 (例えば、 脳、 肝臓、 腎臓など) 、 または臓器から単離した組織、 あるいは細胞を得る。
得られた細胞に含まれる本発明のタンパク質の m R N Aは、例えば、通常の 方法により細胞等から m R N Aを抽出し、 例えば TaqManPCRなどの手法を用い ることにより定量することができ、自体公知の手段によりノザンブロットを行 うことにより解析することもできる。
( i i )本発明のタンパク質を発現する形質転換体を前述の方法に従い作製し、 該形質転換体に含まれる本発明のタンパク質の m R N Aを同様にして定量、解 析することができる。
本発明のタンパク質の発現量を変化させる化合物のスクリーニングは、 ( i )正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物に対して、薬剤あるいは物理的 ストレスなどを与える一定時間前(3 0分前ないし 2 4時間前、好ましくは 3 0分前ないし 1 2時間前、 より好ましくは 1時間前ないし 6時間前) もしくは 一定時間後 (3 0分後ないし 3日後、 好ましくは 1時間後ないし 2日後、 より 好ましくは 1時間後ないし 2 4時間後)、 または薬剤あるいは物理的ストレス と同時に被検化合物を投与し、投与後一定時間経過後(3 0分後ないし 3日後、 好ましくは 1時間後ないし 2日後、 より好ましくは 1時間後ないし 2 4時間 後) 、 細胞に含まれる本発明のタンパク質の m R N A量を定量、 解析すること により行なうことができ、
( i i )形質転換体を常法に従い培養する際に被検化合物を培地中に混合させ、
一定時間培養後 (1日後ないし 7日後、 好ましくは 1日後ないし 3日後、 より 好ましくは 2日後ないし 3日後)、該形質転換体に含まれる本発明のタンパク 質の m R N A量を定量、 解析することにより行なうことができる。
本発明のスクリーニング方法を用いて得られる化合物は、本発明のタンパク 質の発現量を変化させる作用を有する化合物であり、 具体的には、 (ィ) 本発 明のタンパク質の発現量を増加させることにより、本発明のタンパク質を介す る細胞刺激活性 (例えば、 ァラキドン酸遊離、 アセチルコリン遊離、 細胞内 C a 2 +遊離、 細胞内 c AM P生成、 細胞内 c G M P生成、 イノシトールリン酸 産生、 細胞膜電位変動、 細胞内蛋白質のリン酸化、 c一 f o sの活性化、 p H の低下などを促進する活性または抑制する活性など) を増強させる化合物、
(口)本発明のタンパク質の発現量を減少させることにより、該細胞刺激活性 を減弱させる化合物である。
該化合物としては、 ペプチド、 タンパク、 非ペプチド性化合物、 合成化合物、 発酵生産物などが挙げられ、これら化合物は新規な化合物であってもよいし、 公知の化合物であってもよい。
該細胞刺激活性を増強させる化合物は、本発明のタンパク質等の生理活性を 増強するための安全で低毒性な医薬として有用である。
該細胞刺激活性を減弱させる化合物は、本発明のタンパク質等の生理活性を 減少させるための安全で低毒性な医薬として有用である。
本発明のスクリーニング方法を用いて得られる化合物を医薬組成物として 使用する場合、 常套手段に従って実施することができる。 例えば、 上記した本 発明のタンパク質を含有する医薬と同様にして、 錠剤、 カプセル剤、 エリキシ ル剤、 マイクロカプセル剤、 無菌性溶液、 懸濁液剤などとすることができる。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、 例えば、 ヒトゃ哺 乳動物 (例えば、 ラット、 マウス、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブ夕、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど).に対して投与することができる。
該化合物の投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などにより差異 はあるが、経口投与の場合、一般的に例えば、高脂血症患者(6 0 k gとして) においては、 一日につき約 0 . 1〜: L 0 O m g、 好ましくは約 1 . 0〜5 0 m
g、 より好ましくは約 1 . 0〜2 O m gである。 非経口的に投与する場合は、 その 1回投与量は投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などによっても異なる が、 例えば、 注射剤の形では通常例えば、 高脂血症患者 (6 O k gとして) に おいては、 一日につき約 0 . 0 1〜3 O m g程度、 好ましくは約 0 . 1〜2 0 m g程度、 より好ましくは約 0 . 1〜1 O m g程度を静脈注射により投与する のが好都合である。他の動物の場合も、 6 O k g当たりに換算した量を投与す ることができる。
( 4 )本発明のタンパク質の発現量を変化させる化合物を含有する各種疾病の 予防および/または治療剤
本発明のタンパク質は前述のとおり、細胞内脂質の代謝 ·転送など生体内で 何らかの重要な役割を果たしていると考えられる。従って、本発明のタンパク 質の発現量を変化させる化合物は、本発明のタンパク質の機能の亢進または不 全に関連する疾患の予防および Zまたは治療剤として用いることができる。特 に、本発明のタンパク質の発現量を増加させる化合物は脂質代謝疾患に関連す る種々の疾患、 例えば、 糖尿病、 肥満、 癌、 動脈硬化症、 高脂血症または神経 障害などの疾患 (特に、 動脈硬化症、 高脂血症など) の予防および/または治 療剤として用いることができる。
該化合物を本発明のタンパク質の機能の亢進または不全に関連する疾患の 予防および Zまたは治療剤として使用する場合は、常套手段に従って製剤化す ることができる。
例えば、 該化合物は、 必要に応じて糖衣を施した錠剤、 カプセル剤、 エリキ シル剤、 マイクロカプセル剤などとして経口的に、 あるいは水もしくはそれ以 外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、または懸濁液剤などの注射剤の形 で非経口的に使用できる。例えば、該化合物を生理学的に認められる公知の担 体、 香味剤、 賦形剤、 べヒクル、 防腐剤、 安定剤、 結合剤などとともに一般に 認められた製剤実施に要求される単位用量形態で混和することによって製造 することができる。これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な 用量が得られるようにするものである。
錠剤、 カプセル剤などに混和することができる添加剤としては、例えばゼラ
チン、 コーンスターチ、 トラガント、 アラビアゴムのような結合剤、 結晶性セ ルロースのような賦形剤、 コーンスターチ、 ゼラチン、 アルギン酸などのよう な膨化剤、 ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、 ショ糖、 乳糖またはサ ッカリンのような甘味剤、 ペパーミント、 ァカモノ油またはチェリーのような 香味剤などが用いられる。調剤単位形態がカプセルである場合には、上記タイ プの材料にさらに油脂のような液状担体を含有することができる。注射のため の無菌組成物は注射用水のようなべヒクル中の活性物質、胡麻油、 椰子油など のような天然産出植物油などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施 に従って処方することができる。 注射用の水性液としては、 例えば、 生理食塩 水、 ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液 (例えば、 D—ソルビト一ル、 D 一マンニトール、 塩化ナトリウムなど) などが用いられ、 適当な溶解補助剤、 例えば、 アルコール (例、 エタノール) 、 ポリアルコール (例、 プロピレング リコール、 ポリエチレングリコール) 、 非イオン性界面活性剤 (例、 ポリソル ベ一ト 8 0 TM、 H C O— 5 0 ) などと併用してもよい。 油性液としては、 例 えば、 ゴマ油、 大豆油などが用いられ、 溶解補助剤である安息香酸ベンジル、 ベンジルアルコールなどと併用してもよい。
また、 上記予防 ·治療剤は、 例えば、 緩衝剤 (例えば、 リン酸塩緩衝液、 酢 酸ナトリウム緩衝液) 、 無痛化剤 (例えば、 塩化ベンザルコニゥム、 塩酸プロ 力インなど) 、 安定剤 (例えば、 ヒト血清アルブミン、 ポリエチレングリコ一 ルなど) 、 保存剤 (例えば、 ベンジルアルコール、 フエノールなど) 、 酸化防 止剤などと配合してもよい。調製された注射液は通常、適当なアンプルに充填 される。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、 ヒ卜ゃ哺 乳動物 (例えば、 ラット、 マウス、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) に対して投与することができる。
該化合物の投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などにより差異 はあるが、経口投与の塲合、一般的に例えば、高脂血症患者(6 0 k gとして) においては、 一日につき約 0 . 1〜; L 0 O m g、 好ましくは約 1 . 0〜5 0 m g、 より好ましくは約 1 . 0〜2 O m gである。 非経口的に投与する場合は、
その 1回投与量は投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などによっても異なる が、 例えば、 注射剤の形では通常例えば、 高脂血症患者 (60 kgとして) に おいては、 一日につき約 0. 01〜3 Omg程度、 好ましくは約 0. 1〜20 mg程度、 より好ましくは約 0. 1〜1 Omg程度を静脈注射により投与する のが好都合である。他の動物の場合も、 60 k g当たりに換算した量を投与す ることができる。
( 5 )本発明のタンパク質のステロール感知能を変化させる化合物のスクリー ニング方法
本発明のタンパク質等を用いるか、または組換え型タンパク質等の発現系を 構築し、 該発現系を用いた、 スクリーニング法を用いることによって、.本発明 のタンパク質のステロール感知能を変化させる化合物 (例えば、 ペプチド、 蛋 白質、 非ペプチド性化合物、 合成化合物、 発酵生産物など) またはその塩を効 率よくスクリーニングすることができる。
このような化合物には、 (ィ)本発明のタンパク質を介する細胞刺激活性(例 えば、 ァラキドン酸遊離、 アセチルコリン遊離、 細胞内 C a2+遊離、 細胞内 c AMP生成、 細胞内 c GMP生成、 イノシトールリン酸産生、 細胞膜電位変 動、 細胞内蛋白質のリン酸化、 c一 f o sの活性化、 pHの低下などを促進す る活性または抑制する活性など) を増強する化合物、 (口) 該細胞刺激活性を 減弱する化合物などが含まれる。
すなわち、 本発明は、 ( i) 本発明のタンパク質と標識したステロールとを 接触させた場合と (ii)本発明のタンパク質と標識したステロールおよび試験 化合物とを接触させた場合との比較を行なうことを特徴とする、本発明のタン パク質のステロール感知能を変化させる化合物のスクリーニング方法を提供 する。
本発明のスクリーニング方法においては、 ( i) と (ii) の場合における、 例えば、該タンパク質等の細胞刺激活性などを測定して、 比較することを特徴 とする。
より具体的には、 本発明は、
①ステロールを本発明のタンパク質を含有する細胞に接触させた場合と、ステ
ロールおよび試験化合物を本発明のタンパク質を含有する細胞に接触させた 場合における、 本発明のタンパク質を介した細胞刺激活性 (例えば、 ァラキド ン酸遊離、 アセチルコリン遊離、 細胞内 C a2+遊離、 細胞内 CAM P生成、 細胞内 c GMP生成、 イノシトールリン酸産生、 細胞膜電位変動、 細胞内蛋白 質のリン酸化、 c一 f o sの活性化、 pHの低下などを促進する活性または抑 制する活性など) を測定し、 比較することを特徴とする、 本発明のタンパク質 のステロール感知能を変化させる化合物のスクリーニング方法、 および
②ステロールを本発明の DN Aを含有する形質転換体を培養することによつ て細胞膜上に発現した本発明のタンパク質に接触させた場合と、ステロールお よび試験化合物を本発明の DNAを含有する形質転換体を培養することによ つて細胞膜上に発現した本発明のタンパク質に接触させた場合における、本発 明のタンパク質を介した細胞刺激活性 (例えば、 ァラキドン酸遊離、 ァセチル コリン遊離、 細胞内 C a2+遊離、 細胞内 cAMP生成、 細胞内 c GMP生成、 イノシトールリン酸産生、 細胞膜電位変動、 細胞内蛋白質のリン酸化、 c一 f 0 sの活性化、 pHの低下などを促進する活性または抑制する活性など) を測 定し、比較することを特徴とする、本発明のタンパク質のステロール感知能を 変化させる化合物のスクリーニング方法を提供する。
本発明のスクリーニング方法の具体的な説明を以下にする。
まず、本発明のスクリーニング方法に用いる本発明のタンパク質としては、 上記した本発明のタンパク質を含有するものであれば何れのものであっても よいが、本発明のタンパク質を含有する哺乳動物の臓器の細胞膜画分が好適で ある。 しかし、 特にヒト由来の臓器は入手が極めて困難なことから、 スクリ一 ニングに用いられるものとしては、組換え体を用いて大量発現させたヒト由来 のタンパク質などが適している。
本発明のタンパク質を製造するには、 前述の方法が用いられるが、本発明の DNAを哺乳細胞や昆虫細胞で発現することにより行なうことが好ましい。目 的とする蛋白質部分をコ一ドする DN A断片には相補 DNAが用いられるが、 必ずしもこれに制約されるものではない。例えば、遺伝子断片や合成 DNAを 用いてもよい。本発明のタンパク質をコードする DN A断片を宿主動物細胞に
導入し、 それらを効率よく発現させるためには、 該 DNA断片を昆虫を宿主と するバキュロウィルスに属する核多角体病ウィルス (nuclear polyhedrosis virus; NP V) のポリヘドリンプロモーター、 S V 40由来のプロモーター、 レトロウイルスのプロモーター、 メタ口チォネインプロモータ一、 ヒトヒ一ト ショックプロモ一夕一、サイトメガロウィルスプロモーター、 S R Q;プロモ一 ターなどの下流に組み込むのが好ましい。発現したレセプ夕一の量と質の検査 はそれ自体公知の方法で行うことができる。例えば、文献〔Nambi, P. ら、ザ · ジャーナル 'ォブ ·バイオロジカル ·ケミストリ一 (J. Biol. Chem. ) ,267 巻, 19555〜19559頁, 1992年〕 に記載の方法に従って行なうことができる。
したがって、本発明のスクリーニング方法において、 本発明のタンパク質を 含有するものとしては、それ自体公知の方法に従って精製したタンパク質であ つてもよいし、該タンパク質を含有する細胞を用いてもよく、 また該タンパク 質を含有する細胞の膜画分を用いてもよい。
本発明のスクリーニング方法において、本発明のタンパク質を含有する細胞 を用いる場合、該細胞をダルタルアルデヒド、 ホルマリンなどで固定化しても よい。 固定化方法はそれ自体公知の方法に従って行なうことができる。
本発明のタンパク質を含有する細胞としては、該タンパク質を発現した宿主 細胞をいうが、 該宿主細胞としては、 大腸菌、 枯草菌、 酵母、 昆虫細胞、 動物 細胞などが好ましい。
細胞膜画分としては、細胞を破砕した後、それ自体公知の方法で得られる細 胞膜が多く含まれる画分のことをいう。 細胞の破碎方法としては、 Potter— Elvehjem型ホモジナイザーで細胞を押し潰す方法、ヮ一リングブレンダーゃポ リトロン (Kinematica社製) のよる破砕、 超音波による破砕、 フレンチプレス などで加圧しながら細胞を細いノズルから噴出させることによる破枠などが 挙げられる。細胞膜の分画には、分画遠心分離法や密度勾配遠心分離法などの 遠心力による分画 が主として用いられる。 例えば、 細胞破碎液を低速 (5 0 0 r pm〜3 0 0 0 r pm) で短時間 (通常、 約 1分〜 1 0分) 遠心し、 上清 をさらに高速( 1 5 0 0 0 r p m〜 3 0 0 0 0 r pm) で通常 3 0分〜 2時間 遠心し、 得られる沈澱を膜画分とする。 該膜画分中には、 発現したタンパク質
と細胞由来のリン脂質や膜蛋白質などの膜成分が多く含まれる。
該タンパク質を含有する細胞や膜画分中のタンパク質の量は、 1細胞当たり 1 0 3〜1 0 8分子であるのが好ましく、 1 0 5〜1 0 7分子であるのが好適で ある。なお、発現量が多いほど膜画分当たりのステロール感知能が高くなり、 高感度なスクリーニング系の構築が可能になるばかりでなく、同一ロッ卜で大 量の試料を測定できるようになる。
本発明のタンパク質のステロール感知能を変化させる化合物のスクリ一二 ング法を実施するためには、 例えば、 適当なタンパク質画分が必要である。 タンパク質画分としては、天然型のタンパク質画分か、 またはそれと同等の 活性を有する組換え型タンパク質画分などが望ましい。 ここで、 同等の活性と は、 同等のシグナル情報伝達作用などを示す。
本発明のタンパク質のステロール感知能を変化させる化合物スクリーニン グ法を実施するためには、 例えば、 タンパク質を介する細胞刺激活性(例えば、 ァラキドン酸遊離、 アセチルコリン遊離、 細胞内 C a遊離、 細胞内 c A M P生 成、 細胞内 c G M P生成、 イノシトールリン酸産生、 細胞膜電位変動、 細胞内 蛋白質のリン酸化、 c一 f o sの活性化、 p Hの低下などを促進する活性また は抑制する活性など)を公知の方法または市販の測定用キットを用いて測定す ることができる。
具体的には、 まず、本発明のタンパク質を含有する細胞をマルチウエルプレ —ト等に培養する。スクリーニングを行なうにあたっては前もって新鮮な培地 あるいは細胞に毒性を示さない適当なバッファーに交換し、試験化合物などを 添加して一定時間ィンキュベ一トした後、細胞を抽出あるいは上清液を回収し て、 生成した産物をそれぞれの方法に従って定量する。細胞刺激活性の指標と する物質 (例えば、 ァラキドン酸など) の生成が、 細胞が含有する分解酵素に よつて検定困難な場合は、該分解酵素に対する阻害剤を添加してアツセィを行 なってもよい。 また、 c AM P産生抑制などの活性については、 フオルスコリ ンなどで細胞の基礎的産生量を増大させておいた細胞に対する産生抑制作用 として検出することができる。 '
細胞刺激活性を測定してスクリーニングを行なうには、適当なタンパク質を
発現した細胞が必要である。本発明のタンパク質を発現した細胞としては、天 然型の本発明のタンパク質を有する細胞株、前述の組換え型ダンパク質を発現 した細胞株などが望ましい。
試験化合物としては、 例えば、 ペプチド、 タンパク、 非ペプチド性化合物、 合成化合物、 発酵生産物、 細胞抽出液、 植物抽出液、 動物組織抽出液などが用 いられ、 これら化合物は新規な化合物であってもよいし、公知の化合物であつ てもよい。
ステロール(好ましくはコレステロール) と本発明のタンパク質との結合性 を変化させる化合物のスクリーニング用キットは、本発明のタンパク質、本発 明のタンパク質を章有する細胞、または本発明のタンパク質を含有する細胞の 膜画分を含有するものなどである。
本発明のスクリーニング用キッ卜の例としては、 次のものが挙げられる。 1. スクリーニング用試薬
①測定用緩衝液および洗浄用緩衝液
Hanks' Balanced Salt Solution (ギブコ社製) に、 0.05%のゥシ血清ァ ルブミン (シグマ社製) を加えたもの。
孔径 0.45 mのフィルタ'一で濾過滅菌し、 4°Cで保存するか、 あるいは 用時調製しても良い。
②本発明のタンパク質標品
本発明のタンパク質を発現させた CHO細胞を、 12穴プレートに 5 X 10 5個 Z穴で継代し、 37 :、 5%C〇2、 95 % a i rで 2日間培養したもの。 本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得ら れる化合物は、本発明のタンパク質のステロール感知能を変化させる作用を有 する化合物であり、 具体的には、 (ィ) 本発明のタンパク質を介して細胞刺激 活性 (例えば、 ァラキドン酸遊離、 アセチルコリン遊離、 細胞内 C a2+遊離、 細胞内 cAMP生成、 細胞内 c GMP生成、 イノシトールリン酸産生、 細胞膜 電位変動、 細胞内蛋白質のリン酸化、 c— f o sの活性化、 pHの低下などを 促進する活性または抑制する活性など) を有する化合物、 (口) 該細胞刺激活 性を減弱する化合物である。
該化合物としては、 ペプチド、 タンパク、 非ペプチド性化合物、 合成化合物、 発酵生産物などが挙げられ、これら化合物は新規な化合物であってもよいし、 公知の化合物であってもよい。
本発明のタンパク質等のステロール感知能を増強させる化合物は、本発明の タンパク質の有するステロールに対する生理活性を促進することができるの で、本発明のタンパク質の活性を促進する安全で低毒性な医薬として有用であ る。
本発明のタンパク質等のステロール感知能を減弱させる化合物は、本発明の タンパク質の有するステロ一ルに対する生理活性を抑制することができるの で、本発明のタンパク質の活性を抑制する安全で低毒性な医薬として有用であ る。
本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得ら れる化合物を上述の医薬組成物として使用する場合、常套手段に従って実施す ることができる。例えば、 上記した本発明のタンパク質を含有する医薬と同様 にして、 錠剤、 カプセル剤、 エリキシル剤、 マイクロカプセル剤、 無菌性溶液、 懸濁液剤などとすることができる。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、 ヒトゃ哺 乳動物 (例えば、 ラット、 マウス、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) に対して投与することができる。
該化合物の投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などにより差異 はあるが、経口投与の塲合、一般的に例えば、高脂血症患者(6 0 k gとして) においては、 一日につき約 0 . 1〜: L 0 O m g、 好ましくは約 1 . 0〜5 0 m g、 より好ましくは約 1 . 0〜2 O m gである。 非経口的に投与する場合は、 その 1回投与量は投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などによっても異なる が、 例えば、 注射剤の形では通常例えば、 高脂血症患者 (6 0 k gとして) に おいては、 一日につき約 0 . 0 1〜3 O m g程度、 好ましくは約 0 . 1〜2 0 m g程度、 より好ましくは約 0 . 1〜 1 O m g程度を静脈注射により投与する のが好都合である。他の動物の場合も、 6 0 k g当たりに換算した量を投与す ることができる。
( 6 )本発明の夕ンパク質のステロール感知能を変化させる化合物を含有する 各種疾病の予防および Zまたは治療剤
本発明のタンパク質は前述のとおり、細胞内脂質の代謝 ·転送など生体内で 何らかの重要な役割を果たしていると考えられる。従って、本発明のタンパク 質のステロール感知能を変化させる化合物は、本発明のタンパク質の機能の亢 進または不全に関連する疾患の予防および Zまたは治療剤として用いること ができる。
該化合物を本発明のタンパク質の機能不全に関連する疾患の予防および/ または治療剤として使用する場合は、常套手段に従って製剤化することができ る。
例えば、 該化合物は、 必要に応じて糖衣を施した錠剤、 カプセル剤、 エリキ シル剤、 マイクロカプセル剤などとして経口的に、 あるいは水もしくはそれ以 外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、または懸濁液剤などの注射剤の形 で非経口的に使用できる。例えば、該化合物を生理学的に認められる公知の担 体、 香味剤、 賦形剤、 べヒクル、 防腐剤、 安定剤、 結合剤などとともに一般に 認められた製剤実施に要求される単位用量形態で混和することによって製造 することができる。これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な 用量が得られるようにするものである。
綻剤、 カプセル剤などに混和することができる添加剤としては、例えばゼラ チン、 コーンス夕一チ、 トラガント、 アラビアゴムのような結合剤、 結晶性セ ルロースのような賦形剤、 コーンスターチ、 ゼラチン、 アルギン酸などのよう な膨化剤、 ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、 ショ糖、 乳糖またはサ ッカリンのような甘味剤、 ペパーミント、 ァカモノ油またほチェリーのような 香味剤などが用いられる。調剤単位形態がカプセルである場合には、 上記タイ プの材料にさらに油脂のような液状担体を含有することができる。注射のため の無菌組成物は注射用水のようなべヒクル中の活性物質、胡麻油、椰子油など のような天然産出植物油などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施 に従って処方することができる。 注射用の水性液としては、 例えば、 生理食塩 水、 ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液 (例えば、 D—ソルビトール、 D
一マンニトール、 塩化ナトリウムなど) などが用いられ、 適当な溶解補助剤、 例えば、 アルコ一ル (例、 エタノール) 、 ポリアルコール (例、 プロピレング リコ一ル、 ポリエチレングリコ一ル) 、 非イオン性界面活性剤 (例、 ポリソル ペート 80TM、 HCO- 50) などと併用してもよい。 油性液としては、 例 えば、 ゴマ油、 大豆油などが用いられ、 溶解補助剤である安息香酸ベンジル、 ベンジルアルコールなどと併用してもよい。
また、 上記予防 ·治療剤は、 例えば、 緩衝剤 (例えば、 リン酸塩緩衝液、 酢 酸ナトリウム緩衝液) 、 無痛化剤 (例えば、 塩化ベンザルコニゥム、 塩酸プロ 力インなど) 、 安定剤 (例えば、 ヒト血清アルブミン、 ポリエチレングリコ一 ルなど) 、 保存剤 (例えば、 ベンジルアルコール、 フエノールなど) 、 酸化防 止剤などと配合してもよい。調製された注射液は通常、.適当なアンプルに充填 される。
このようにし 得られる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、 ヒトゃ哺 乳動物 (例えば、 ラット、 マウス、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブ夕、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) に対して投与することができる。
該化合物の投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などにより差異 はあるが、経口投与の場合、一般的に例えば、高脂血症患者(60 kgとして) においては、 一日につき約 0.1〜: L 00mg、 好ましくは約 1. 0〜50m g、 より好ましくは約 1. 0〜2 Omgである。 非経口的に投与する場合は、 その 1回投与量は投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などによっても異なる が、 例えば、 注射剤の形では通常例えば、 高脂血症患者 (6 O kgとして) に おいては、 一日につき約 0. 01〜3 Omg程度、 好ましくは約 0. 1〜20 mg程度、 より好ましくは約 0. 1〜1 Omg程度を静脈注射により投与する のが好都合である。他の動物の場合も、 60 kg当たりに換算した量を投与す ることができる。
(7) 本発明のタンパク質の定量
本発明の抗体は、本発明のタンパク質を特異的に認籲することができるので、 被検液中の本発明の夕ンパク質の定量、特にサンドィツチ免疫測定法による定 量などに使用することができる。 すなわち、 本発明は、 例えば、 ( i) 本発明
の抗体と、被検液および標識化タンパク質とを競合的に反応させ、該抗体に結 合した標識化タンパク質の割合を測定することを特徴とする被検液中の本発 明のタンパク質の定量法、
( i i)被検液と担体上に不溶化した本発明の抗体および標識化された本発明の 抗体とを同時あるいは連続的に反応させたのち、不溶化担体上の標識剤の活性 を測定することを特徴とする被検液中の本発明のタンパク質の定量法を ίί供 する。
上記 (i i) においては、 一方の抗体が本発明のタンパク質の N端部を認識す る抗体で、他方の抗体が本発明のタンパク質の C端部に反応する抗体であるこ とが好ましい。
本発明のタンパク質に対するモノクローナル抗体(以下、本発明のモノク口 一.ナル抗体と称する場合がある)を用いて本発明のタンパク質の測定を行なえ るほか、 組織染色等による検出を行なうこともできる。 これらの百的には、 抗 体分子そのものを用いてもよく、 また、 抗体分子の F ( a b ' ) 2 、 F a b '、 あ るいは F a b画分を用いてもよい。本発明のタンパク質に対する抗体を用いる 測定法は、 特に制限されるべきものではなく、 被測定液中の抗原量 (例えば、 タンパク質量) に対応した抗体、抗原もしくは抗体一抗原複合体の量を化学的 または物理的手段により検出し、これを既知量の抗原を含む標準液を用いて作 製した標準曲線より算出する測定法であれば、いずれの測定法を用いてもよい。 例えば、 ネフロメトリ一、競合法、 ィムノメトリック法およびサンドイッチ法 が好適に用いられるが、 感度、 特異性の点で、 後述するサンドイッチ法を用い るのが特に好ましい。
標識物質を用いる測定法に用いられる標識剤としては、例えば、 放射性同位 元素、 酵素、 蛍光物質、 発光物質などが用いられる。 放射性同位元素としては、 例えば、 〔1 2 5 I〕 、 〔1 3 1 I〕 、 〔3 H〕 、 〔1 4 C〕 などが用いられる。 上 記酵素としては、 安定で比活性の大きなものが好ましく、 例えば、 ιδ—ガラク トシダーゼ、 /3—ダルコシダ一ゼ、 アルカリフォスファタ一ゼ、 パーォキシダ ーゼ、 リンゴ酸脱水素酵素などが用いられる。 蛍光物質としては、 例えば、 フ ルォレスカミン、 フルォレツセンイソチオシァネートなどが用いられる。発光
物質としては、 例えば、 ルミノール、 ルミノール誘導体、 ルシフェリン、 ルシ ゲニンなどが用いられる。 さらに、抗体あるいは抗原と標識剤との結合にピオ チン一アビジン系を用いることもできる。
抗原あるいは抗体の不溶化に当っては、物理吸着を用いてもよく、 また通常、 蛋白質あるいは酵素等を不溶化、固定化するのに用いられる化学結合を用いる 方法でもよい。 担体としては、 例えば、 ァガロース、 デキストラン、 セルロー スなどの不溶性多糖類、 ポリスチレン、 ポリアクリルアミド、 シリコン等の合 成樹脂、 あるいはガラス等が用いられる。
サンドィツチ法においては不溶化した本発明のモノクローナル抗体に被検 液を反応させ (1次反応) 、 さらに標識化した本発明のモノクローナル抗体を 反応させ (2次反応) たのち、 不溶化担体上の標識剤の活性を測定することに より被検液中の本発明のタンパク質量を定量することができる。 1次反応と 2 次反応は逆の順序に行なっても、 また、 同時に行なってもよいし時間をずらし て行なつてもよい。標識化剤および不溶化の方法は上記のそれらに準じること ができる。
また、サンドイッチ法による免疫測定法において、 固相用抗体あるいは標識 用抗体に用いられる抗体は ずしも 1種類である必要はなく、測定感度を向上 させる等の目的で 2種類以上の抗体の混合物を用いてもよい。
本発明のサンドイッチ法によるタンパク質の測定法においては、 1次反応と 2次反応に用いられる本発明のモノクローナル抗体は夕ンパク質の結合する 部位が相異なる抗体が好ましく用いられる。即ち、 1次反応および 2次反応に 用いられる抗体は、 例えば、 2次反応で用いられる抗体が、 タンパク質の C端 部を認識する場合、 1次反応で用いられる抗体は、 好ましくは C端部以外、 例 えば N端部を認識する抗体が用いられる。
本発明のモノクローナル抗体をサンドイツチ法以外の測定システム、例えば、 競合法、ィムノメトリック法あるいはネフロメトリ一などに用いることができ る。競合法では、 被検液中の抗原と標識抗原とを抗体に対して競合的に反応さ せたのち、 未反応の標識抗原と(F ) と抗体と結合した標識抗原 (B ) とを分 離し (B / F分離) 、 B , Fいずれかの標識量を測定し、 被検液中の抗原量を
定量する。 本反応法には、 抗体として可溶性抗体を用い、 BZF分離をポリエ チレングリコール、 上記抗体に対する第 2抗体などを用いる液相法、および、 第 1抗体として固相化抗体を用いるか、 あるいは、第 1抗体は可溶性のものを 用い第 2抗体として固相化抗体を用いる固相化法とが用いられる。
ィムノメトリック法では、被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の標識化 抗体に対して競合反応させた後固相と液相を分離するか、 あるいは、被検液中 の抗原と過剰量の標識化抗体とを反応させ、次に固相化抗原を加え未反応の標 識化抗体を固相に結合させたのち、 固相と液相を分離する。 次に、 いずれかの 相の標識量を測定し被検液中の抗原量を定量する。
また、 ネフロメトリーでは、 ゲル内あるいは溶液中で抗原抗体反応の結果、 生じた不溶性の沈降物の量を測定する。被検液中の抗原量が僅かであり、 少量 の沈降物しか得られない場合にもレーザ一の散乱を利用するレーザ一ネフ口 メトリーなどが好適に用いられる。
これら個々の免疫学的測定法を本発明の測定方法に適用するにあたっては、 特別の条件、操作等の設定は必要とされない。それぞれの方法における通常の 条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本発明のタンパク質または その塩の測定系を構築すればよい。これらの一般的な技術手段の詳細について は、 総説、 成書などを参照することができる 〔例えば、 入江 寛編 「ラジオィ ムノアツセィ〕 (講談社、 昭和 49年発行) 、 入江 寛編 「続ラジオィムノア ッセィ〕 (講談社、 昭和 54年発行) 、 石川栄治ら編 「酵素免疫測定法」 (医 学書院、 昭和 53年発行) 、 石川栄治ら編 「酵素免疫測定法」 (第 2版) (医 学書院、 昭和 57年発行) 、 石川栄治ら編 「酵素免疫測定法」 (第 3版) (医 学書院、 昭和 62年発行) 、 「メソッズ 'イン ·ェンジモノジー (Methods in ENZYMOLOGY) J Vol. 70 (Immunochemical Techniques (Part A))、 同書 Vol. 73 (Immunochemical Techniques (Part B))、 同書 Vol. 74 (Immunochemical Techniques (Part C))、 同書 Vol. 8 (Immunochemical Techniques (Part D:Selected Immunoassays)), 同書 Vol. 92 (Immunochemical Techniques (Part E:Monoclonal Antibodies and General Immunoassay Methods)) > 同書 Vol. 121 (Immunochemical Techniques (Part I: Hybr idoma Technology and
Monoc l onal Ant ibodies) ) (以上、 アカデミックプレス社発行)など参照〕 。 以上のように、本発明の抗体を用いることによって、本発明のタンパク質ま たはその塩を感度良く定量することができる。
さらに、本発明の抗体を用いて、生体内での本発明のタンパク質またはその 塩を定量することによって、本発明のタンパク質の機能不全に関連する各種疾 患の診断をすることができる。
また、本発明の抗体は、体液や組織などの被検体中に存在する本発明のタン パク質を特異的に検出するために使用することができる。 また、本発明のタン パク質を精製するために使用する抗体カラムの作製、精製時の各分画中の本発 明のタンパク質の検出、被検細胞内における本発明のタンパク質の挙動の分析 などのために使用することができる。
( 8 ) 本発明のタンパク質に対する抗体による中和
本発明のタンパク質に対する抗体の、該タンパク質に対する中和活性とは、 即ち、該タンパク質の関与するシグナル伝達機能を不活性化する活性を意味す る。 従って、 該抗体が中和活性を有する場合は、 該タンパク質の関与するシグ ナル伝達、 例えば、 該タンパク質を介する細胞刺激活性 (例えば、 ァラキドン 酸遊離、 アセチルコリン遊離、 細胞内 C a 2 +遊離、 細胞内 c AM P生成、 細 胞内 c GM P生成、 イノシト一ルリン酸産生、 細胞膜電位変動、 細胞内蛋白質 のリン酸化、 c— f o sの活性化、 p Hの低下などを促進する活性または抑制 する活性など) を不活性化することができる。 従って、 該タンパク質の過剰発 現などに起因する疾患の予防および または治療に用いることができる。
( 9 ) 本発明のタンパク質をコードする D N Aを有する動物の作製
本発明の D N Aを用いて、本発明のタンパク質を発現するトランスジェニッ ク動物を作製することができる。 動物としては、 哺乳動物 (例えば、 ラット、 マウス、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) など (以下、 動物と略記する場合がある) が挙げれるが、 特に、 マウス、 ゥサギなどが好適 である。
本発明の D N Aを対象動物に転移させるにあたっては、該 D N Aを動物細胞 で発現させうるプロモーターの下流に結合した遺伝子コンストラクトとして
用いるのが一般に有利である。例えば、 ゥサギ由来の本発明の D N Aを転移さ せる場合、これと相同性が高い動物由来の本発明の D N Aを動物細胞で発現さ せうる各種プロモータ一の下流に結合した遺伝子コンストラクトを、例えば、 ゥサギ受精卵へマイクロインジェクションすることによって本発明のタンパ ク質を高産生する D N A転移動物を作出できる。このプロモータ一としては、 例えば、 ウィルス由来プロモーター、 メタ口チォネ ン等のュビキアスな発現 プロモーターも使用しうるが、好ましくは脳で特異的に発現する N G F遺伝子 プロモーターやエノラーゼ遺伝子プロモーターなどが用いられる。
受精卵細胞段階における本発明の D N Aの転移は、対象動物の胚芽細胞およ び体細胞の全てに存在するように確保される。 D N A転移後の作出動物の胚芽 細胞において本発明のタンパク質が存在することは、作出動物の子孫が全てそ の胚芽細胞及び体細胞の全てに本発明のタンパク質を有することを意味する。 遺伝子を受け継いだこの種の動物の子孫はその胚芽細胞および体細胞の全て に本発明のタンパク質を有する。
本発明の D N A転移動物は、交配により遺伝子を安定に保持することを確認 して、該 D N A保有動物として通常の飼育環境で飼育継代を行うことができる。 さらに、 目的 D N Aを保有する雌雄の ¾物を交配することにより、導入遺伝子 を相同染色体の両方に持つホモザィゴ一ト動物を取得し、この雌雄の動物を交 配することによりすべての子孫が該 D N Aを有するように繁殖継代すること ができる。
本発明の D N Aが転移された動物は、本発明のタンパク質が高発現させられ ているので、本発明のタンパク質のステロール感知能を変化させる化合物のス クリーニング用の動物などとして有用である。
本発明の D N A転移動物を、組織培養のための細胞源として使用することも できる。例えば、本発明の D N A転移マウスの組織中の D N Aもしくは R N A を直接分析するか、あるいは遺伝子により発現された本発明のタンパク質が存 在する組織を分析することにより、本発明の夕ンパク質について分析すること ができる。本発明のタンパク質を有する組織の細胞を標準組織培養技術により 培養し、 これらを使用して、 例えば、 脳や末梢組織由来のような一般に培養困
難な組織からの細胞の機能を研究することができる。 また、その細胞を用いる ことにより、例えば、各種組織の機能を高めるような医薬の選択も可能である。 また、 高発現細胞株があれば、 そこから、 本発明のタンパク質を単離精製する ことも可能である。
(10) S SD含有タンパクに働いて細胞内コレステロール輸送調節作用を有 する化合物
さらに、本発明の夕ンパク質などの S S D含有夕ンパクに働いて細胞内コレ ステロール輸送調節作用を有する化合物は、コレステロールの生合成や吸収、 またはリポタンパク質としての分泌やその細胞内への取り込みや蓄積'貯蔵、 あるいは放出を制御することができる。 したがって、 該化合物を含有してなる 医薬は脂質代謝疾患に関連する種々の疾患、 例えば、 糖尿病、 肥満、 癌、 動脈 硬化症、 高脂血症または神経障害などの疾患 (特に、 動脈硬化症、 高脂血症な ど) の予防 ·治療剤として用いることができる。
本明細書および図面において、塩基やアミノ酸などを略号で表示する場合、 I UPAC— I UB Commission on Biochemical Nomenclature による略号 あるいは当該分野における慣用略号に基づくものであり、その例を下記する。 またアミノ酸に関し光学異性体があり得る場合は、特に明示しなければ L体を 示すものとする。
DNA デォキシリポ核酸
c DNA 相補的デォキシリポ核酸
A アデニン
T チミン
G グァニン
C
RNA リポ核酸
mRNA メッセンジャーリポ核酸
d ATP デォキシアデノシン三リン酸
d TTP デォキシチミジン三リン酸
d GTP デォキシグァノシン三リン酸
d CTP '三リン酸 ATP アデノシン三リン酸
EDTA エチレンジァミン四酢酸 SD S ドデシル硫酸ナトリウム G 1 y グリシン
A 1 a ァラニン
V a 1 パリン
L e u ロイシン
I 1 e イソロイシン
S e r セリン
Th r スレオニン
C y s
Me t メチォニン
G 1 u グルタミン酸
As p
L y s U
A r g アルギニン
H i s ヒスチジン
P h e フエ二ルァラニン
Ty r
T r p トリブトファン
P r o プロリン
A s n
G 1 n グルタミン
p G 1 u ピログルタミン酸
M e メチル基
E t ェチル基
B u ブチル基
P h フエニル基"
TC :チアゾリジン一 4 (R) 一力ルポキサミド基
また、本明細書中で繁用される置換基、保護基および試薬を下記の記号で表 記
する。
T 0 S : P—トルエンスルフォニル
CHO :ホルミル
B z 1 :ベンジル
Cl2Bzl : 2, 6—ジクロロべンジル
B om :ベンジルォキシメチル
Z ;:ベンジルォキシカルポニル
C 1一 Z : 2—クロ口べンジルォキシカルポニル
B r— Z : 2—ブロモベンジルォキシカルポニル
B o c : t—ブトキシカルポニル
DNP :ジニトロフエノール
Τ Γ t : トリチル
Bum : t一ブトキシメチル
Fmo c : N— 9—フルォレニルメトキシカルポニル
HOB t : 1ーヒドロキシベンズトリアゾ一ル
HOOB t : 3, 4—ジヒドロ一 3—ヒドロキシ一 4一ォキソ一
1, 2, 3—ベンゾ卜リアジン
HONB : 1-ヒドロキシ -5-ノルポルネン- 2, 3-ジカルポキシィミド 本明細書の配列表の配列番号は、 以下の配列を示す。
〔配列番号: 1〕
本発明のヒト SSP1タンパク質をコードする c DNAをクローニングするた めに使用したプライマ一の塩基配列を示す。
〔配列番号: 2〕
本発明のヒト SSP1タンパク質をコ一ドする c DNAをクローニングするた めに使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 3〕
本発明のヒト SSP1タンパク質をコ一ドする c DNAをクローニングするた めに使用したプライマ一の塩基配列を示す。
〔配列番号: 4〕 ,
本発明のヒト SSP1タンパク質をコードする cDNAをクローニングするた めに使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 5〕
本発明のヒト SSP1タンパク質をコ一ドする c DNAをクローニングするた めに使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 6〕
本発明のヒト SSP1タンパク質をコードする c DNAをクローニングするた めに使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 7〕
配列番号: 9で表わされるアミノ酸配列を有する本発明のヒト SSP1タンパク 質をコードする c DNAの塩基配列を示す。
〔配列番号: 8〕
本発明のヒト SSP1タンパク質に含有される SSDのアミノ酸配列を示す。 〔配列番号: 9〕
本発明のヒ卜肝臓由来 SSP1タンパク質のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 1 0〕
本発明のヒト SSP2タンパク質をコ一ドする c DNAをクローニングするた めに使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 1 1〕
本発明のヒト SSP2タンパク質をコ一ドする c DNAをクローニングするた めに使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 1 2〕
本発明のヒト SSP2タンパク質をコ一ドする c DNAをクローニングするた めに使用したプライマ一の塩基配列を示す。
〔配列番号: 1 3〕
本発明のヒト SSP2タンパク質をコードする c DNAをクローニングするた めに使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 14〕 '
本発明のヒト SSP2夕ンパク質をコードする c DN Aをクローニングするた めに使用したプライマ一の塩基配列を示す。
〔配列番号: 1 5〕
配列番号: 1 7で表わされるアミノ酸配列を有する本発明のヒト精巣由来 SSP2タンパク質をコ一ドする c DNAの塩基配列を示す。
〔配列番号: 1 6〕
本発明のヒト SSP2タンパク質に含有される SSDのアミノ酸配列を示す。 〔配列番号: 1 7〕
本発明のヒト精巣由来 SSP2タンパク質のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 1 8〕
本発明のヒト SSP1のノーザン解析に用いるプロ一ブを作製するために使用 したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 1 9〕
本発明のヒト S SP 1のノーザン解析に用いるプローブを作製するために使用 したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 20〕
本発明のヒト SSP1のノーザン解析に用いるプロ一ブを作製するために使用 したプライマ一の塩基配列を示す。
〔配列番号: 2 1〕
本発明のヒト SSP1のノーザン解析に用いるプローブを作製するために使用 したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 22〕
本発明のヒト SSP1タンパク質をコードする c DNAをクローニングするた めに使用したプライマーの塩基配列を示す。 ' 〔配列番号: 23〕
本発明のヒト SSP2タンパク質をコ一ドする c DNAをクローニングするた
めに使用したプライマ一の塩基配列を示す。
〔配列番号: 24〕
本発明のヒト SSP2タンパク質をコードする c DN Aをクロ一ニングするた めに使用したプライマ一の塩基配列を示す。
〔配列番号: 2 5〕
本発明のヒト SSP2タンパク質をコードする c DNAをクローニングするた めに使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 26〕
本発明のヒト SSP2タンパク質をコードする c DNAをクローニングするた めに使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 27〕
本発明のヒト SSP2タンパク質をコードする c DNAをクローニングするた めに使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 28〕
配列番号: 8で表わされるァミノ酸配列を有する本発明のヒト SSP1タンパク 質の SSDをコードする c DN Aの塩基配列を示す。
〔配列番号: 29〕
配列番号: 1 6で表わされるアミノ酸配列を有する本発明のヒト SSP2タンパ ク質の SSDをコ一ドする c DNAの塩基配列を示す。
〔配列番号: 30〕
本発明のヒト SSP2タンパク質をコードする c DNAをクローニングするた めに使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 3 1〕
本発明のヒト SSP2タンパク質をコードする c DNAをクローニングするた めに使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 3 2〕
配列番号: 34で表されるアミノ酸配列を有する本発明のヒ卜精巣由来 SSP2- VIタンパク質をコードする c DNAの塩基配列を示す。 ·
〔配列番号: 3 3〕
配列番号: 3 5で表されるアミノ酸配列を有する本発明のヒ卜精巣由来 SSP2- V2タンパク質をコードする c DN Aの塩基配列を示す。
〔配列番号: 34〕
本発明のヒト精巣由来 SSP2- VIタンパク質のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 3 5〕
本発明のヒト精巣由来 SSP2-V2タンパク質のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 36〕
本発明のヒト SSP2タンパク質をコードする c DNAをクローニングするた めに使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 37〕
本発明のヒト SSP2タンパク質をコ一ドする c DNAをクローニングするた めに使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 38〕
ゲノミクス (Genomics) , 6 5, 1 37 - 145, 20 00に記載のァミノ 酸配列に挿入されているアミノ酸配列であり、配列番号: 9で表わされるアミ ノ酸配列に含まれないアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 3 9〕'
配列番号: 38で表わされるアミノ酸配列をコードする cDNAめ塩基配列 を示す。
〔配列番号: 40〕
本発明のヒト脳由来 SSP2タンパク質のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 41〕
配列番号: 40で表わされるアミノ酸配列を有する本発明のヒト脳由来 SSP2 タンパク質をコ一ドする c DN Aの塩基配列を示す。
〔配列番号: 42〕
KIAAI377 (DNA Res., 7, 65-73 (2000)) の塩基配列を示す。
〔配列番号: 43〕
本発明のヒト脳由来 SSP2タンパク質をコードする c DNAをクロ一ニング するために使用したプライマ一の塩基配列を示す。
〔配列番号: 44.〕
本発明のヒト脳由来 SSP2タンパク質をコ一ドする c DNAをクロ一ニング するために使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 45〕
本発明のヒト脳由来 SSP2タンパク質をコ一ドする c DNAをクロ一ニング するために使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 46〕
本発明のヒト脳由来 SSP2タンパク質をコ一ドする c DNAをクローニング するために使用したプライマ一の塩基配列を示す。
〔配列番号: 47〕
本発明のヒト脳由来 SSP2タンパク質をコ一ドする c DNAをクロ一ニング するために行った P C Rで増幅した領域を示す。
〔配列番号: 48〕
本発明のヒト脳由来 SSP2タンパク質をコ一ドする c DNAをクローニング するために行った P CRで増幅した領域を示す。
〔配列番号: 49〕
本発明のヒト脳由来 SSP2タンパク質をコードする c DNAに含まれる未知 領域を示す。
〔配列番号: 50〕
本発明のヒト脳由来 SSP2タンパク質をコードする c DNAをクローニング するために行った P CRで増幅した領域を示す。
〔配列番号: 5 1〕
本発明のヒト脳由来 SSP2タンパク質をコ一ドする c DNAをクローニング するために行った P CRで増幅した領域を示す。
〔配列番号: 52〕
本発明のヒト脳由来 SSP2タンパク質をコ一ドする c DNAをクロ一ニング するために行った P CRで増幅した領域を示す。
〔配列番号: 5 3〕
本発明のヒト脳由来 SSP2タンパク質をコ一ドする c DNAをクロ一ニング
するために行った P C Rで増幅した領域を示す。
〔配列番号: 54〕
本発明のヒト SSP1遺伝子の発現解析に用いたプローブの塩基配列を示す。 〔配列番号: 55〕
本発明のヒト SSP1遺伝子の発現解析に用いたプロ一ブの塩基配列を示す。 〔配列番号: 56〕
本発 のヒト SSP1遺伝子の発現解析に用いたプローブの塩基配列を示す。 〔配列番号: 57〕
本発明のヒト SSP2遺伝子の発現解析に用いたプローブの塩基配列を示す。 〔配列番号: 58〕
本発明のヒト SSP2遺伝子の発現解析に用いたプローブの塩基配列を示す。 〔配列番号: 59〕
本発明のヒト SSP2遺伝子の発現解析に用いたプローブの塩基配列を示す。 後述の実施例 1で得られた形質転換体ェシエリヒア コリ (Escherichia coli)DH 5 αΖρΤΒ 2080は、 平成 12年 2月 2日から通商産業省工業 技術院生命工学工業技術研究所 (Ν Ι ΒΗ) に寄託番号 FERM BP - 70 15として、 平成 12年 1月 13日から財団法人 ·発酵研究所 ( I FO) に寄 託番号 I F〇 16351として寄託されている。
後述の実施例 2で得られた形質転換体ェシエリヒア コリ (Escherichia colODH 5 α/ρΤΒ 2081は、 平成 12年 2月 2日から通商産業省工業 技術院生命工学工業技術研究所 (Ν Ι ΒΗ) に寄託番号 FERM BP - 70 16として、 平成 12年 1月 13日から財団法人 ·発酵研究所 ( I FO) に寄 託番号 I FO 16352として寄託されている。
後述の実施例 5で得られた形質転換体ェシエリヒア コリ (Escherichia coli)DH 5 QiZpTB 2221は、 平成 13年 3月 14日から経済産業省産 業技術総合研究所生命工学工業技術研究所(N I BH)に寄託番号 FERM B P- 7502として、平成 13年 3月 8日から財団法人 '発酵研究所( i FO) に寄託番号 I F〇 16580として寄託されている。
実施例
以下に実施例を示して、本発明をより詳細に説明するが、 これらは本発明の 範囲を限定するものではない。 なお、 大腸菌を用いての遺伝子操作法は、 モレ キユラ一 .クロ一ニング (Mo l ecu l ar c l oni ng) に記載されている方法に従つ た。
実施例 1 ヒト肝臓由来 SSP 1 タンパク質をコードする cDNA のクローニン グ
ヒト肝臓由来 cDNA L i brary を用いて以下'の要領で PCR を行うことにより ヒト SSP 1 タンパク質をコードする cDNA のクロ一ニングを行った。 ヒト肝臓 由来 Gene Poo l cDNA ( Invi t rogen社)及び、 HepG2細胞から精製した mRNA からランダムプライマ一を用いて RT-PCRを行つて取得した cDNAを用いて、配列 番号: 1で表されるオリゴ DNAをセンス鎖プライマーとして、 配列番号: 2で表 されるオリゴ DNAをアンチセンス鎖プライマ一として PCRを行い、各プライマー 起点とする 5 '上流側の配列を得た。 同じく配列番号: 3及び配列番号: 4 で表されるオリゴ DNAをセンス鎖及びアンチセンス鎖プライマ一として PCRを 行い、各プライマ一を起点とするその下流側の配列を得た。さらに、配列番号: 5及び配列番号: 6で表されるオリゴ DNAをセンス鎖及びアンチセンス鎖ブラ イマ一として PCRを行い、各プライマ一を起点とする 3 '下流側の配列を得た。 ここで得られた 3つの各 2本鎖 DNAの塩基配列を決定したところ、オーバ一ラッ プする共通配列が存在していたことから、これらの配列は同一遺伝子に由来す ることが判った。 そこで 3つの PCRにより得られた各 cDNA断片をこの共通配列 部分で制限酵素処理により接合し、最終的に配列番号: 7で表される 0RFとして 全長 3, 999 塩基対 (bp) の cDNA断片を得た。 この cDNA断片には配列番号: 7で 表される 1 9 4アミノ酸残基の SSD配列を含む 配列番号: 9で表される 1 , 3 3 2個のアミノ酸からなる新規なヒト SSP1 タンパク質がコードされてい た。 配列番号: 8で表される SSD配列をコードする塩基配列は、 配列番号: 2 8で表される。このヒト SSP 1 タンパク質はヒト NPC1 タンパク質と相同性が 最も高く、 N末の NPC Doma i n の領域に 8 力所存在するシスティン残基の位置 がー致しており、 その両者間の相同性はアミノ酸レベルで 42. 0% であった。 本発明のヒト肝臓 SSP 1 タンパク質をコードする c D N A (配列番号: 7 )
を pUC 1 1 8 (宝酒造) に導入し、 得られたプラスミド pTB 2080を自 体公知の方法に従い大腸菌 (Escherichia coli) DH5 o;に導入して、 形質転 換体:大腸菌 (Escherichia coli) DH 5 α/ρ TB 2080を得た。
実施例 2 ヒト精巣由来 SSP2 タンパク質をコードする cDNA のクロ一ニング ヒト精巣由来 cDNA Library を用いて以下の要領で PCR を行うことにより ヒト SSP2 タンパク質をコードする cDNA のクローニングを行った。 ヒト精巣 由来 Marathon- Ready cDNA ( CL0NTECH社) を用いて、 配列番号: 1 0で表さ れるオリゴ DNAをアンチセンス鎖プライマーとして 5' RACE を行い、 各プライ マーを起点とする 5'上流側の配列を得た。 また、 ヒト SSP1 タンパク質をコ一 ドする cDNA のクローニングの場合と同様にして、配列番号: 1 1及び配列番 号: 1 2で表されるオリゴ DNAをセンス鎖及びアンチセンス鎖プライマ一とし て PCRを行い、 各プライマーを起点とするその下流側の配列を得た。 さらに、 配列番号: 1 3及び配列番号: 14で表されるオリゴ DNAをセンス鎖及びアン チセンス鎖プライマーとして PCRを行レ 、各プライマ一を起点とする 3 '下流側 の配列を得た。ここで得られた 3つの各 2本鎖 DNAの塩基配列を決定したところ、 オーバ一ラップする共通配列が存在していたことから、これらの配列は同一遺 伝子に由来することが判った。 この共通配列部分で接合した cDNA 断片の 0RF は配列番号: 1 5で表される 全長 3,264塩基対(bp)の cDNAだった。この cMA 断片には配列番号: 1 6で表される 200 アミノ酸残基の SSD 配列を含む 配列 番号: 1 7で表される 1,087 個のアミノ酸からなる新規なヒト SSP2 タンパク 質がコードされていた。 配列番号: 1 6で表される SSD配列をコードする塩基 配列は、 配列番号: 29で表される。
本発明のヒト精巣由来 SSP2 タンパク質をコードする cDNA (配列番号: 1 5) を取得するために、 ヒト精巣由来 Marathon-Ready cDNA (CL0NTECH社 ) を用いて、 さらにこの配列領域について PCRを行った。 配列番号: 30及び配 列番号: 3 1で表されるオリゴ DNA をセンス鎖及びアンチセンス鎖プライマ —として PCR を行い、 各プライマーを起点とする 5'上流側の配列を得た。 こ の時、 オル夕ネーティブスプライシングバリアントと思われる、 0RFとして配 列番号: 32及び配列番号: 33で表される、 目的とする配列以外の塩基配列
を有する cDNA断片を取得した。 これらは全て、 配列番号: 1 6で表される SSD 領域をコードする部位を含有するものの、塩基の挿入や欠失が入ることで生じ るフレームシフトにより 0RF配列の途中にストップコドンが入るために未成熟 な SSP2タンパクをコードしていた。 配列番号: 32で示される cDNAは配列番 号: 34で表される 456個のアミノ酸からなる SSP2- VIをコードし、配列番号: 33で示される cDNAは配列番号: 35で表される 445個のアミノ酸からなる SSP2- V2をコードしていた。
また、 配列番号: 3 6及び配列番号: 37で表されるオリゴ DNA をセンス鎖 及びアンチセンス鎖プライマ一として PCR を行い、 各プライマ一を起点とす る 3'下流側の配列を得た。これらの PCR で得られた各 cDNA断片をこの共通 配列部分にある制限酵素処理により接合し、最終的に配列番号: 1 5で表され る cDNA 断片を pT7 (Novagene社) に導入し、 プラスミド pT.B 208 1を 得た。 得られたプラスミド pTB 208 1を自体公知の方法に従い大腸菌 . (Escherichia coli) DH 5ひに導入して、 形質転換体:大腸菌(Escherichia coli) DH 5 αΖρΤΒ 208 1を得た。
実施例 3 SSP 1のヒト組織における発現およびその組織特異性の検討
ノーザン解析に用いるプローブはヒト胎児由来 cDNA Library を用いて以 下の要領で PCR を行うことにより行った。 ヒト胎児由来 Marathon Ready cDNA ( CLONTECH社)を用いて、 配列番号: 1 8で表されるオリゴ MAをセンス鎖プ ライマーとして、 配列番号: 1 9で表されるオリゴ DNAをアンチセンス鎖ブラ イマ一として PCRを行い、 得られた増幅産物を用いて配列番号: 20で表され るオリゴ MAをセンス鎖プライマーとして、 配列番号: 2 1で表されるオリゴ DNAをアンチセンス鎖プライマーとして PCRを行い、配列番号: 22で表される cDNAを得た。
配列番号: 22で表される cDNAをプロ一ブとして用い、 Multiple Tissue Northern Blots (CLONTECH) , Multiple Tissue Northern Blots II (CLONTECH) , 及び Multiple Tissue Northern Blots III (CLONTECH)に対してハイブリダィ ズすることにより、 SSP1 mRNAの発現組織特異性を解析した (図 1 ) 。 図 1に 示す様に、 SSP1は肝特異的に発現していることが判った。
実施例 4 SSP2のヒト組織における発現およびその組織特異性の検討 ノーザン解析に用いるプローブはヒト胎児由来 cDNA Library を用いて以 下の要領で PCR を行うことにより行った。 ヒト胎児由来 Marathon Ready cDNA ( CL0NTECH社)を用いて、 配列番号: 2 3で表されるオリゴ DNAをセンス鎖プ ライマーとして、 配列番号: 24で表されるオリゴ DNAをアンチセンス鎖ブラ イマ一として PCRを行い、 得られた増幅産物を用いて配列番号: 25で表され るオリゴ DNAをセンス鎖プライマーとして、 配列番号: 26で表されるオリゴ DNAをアンチセンス鎖プライマ一として PCRを行い、配列番号: 27で表される cDNAを得た。
配列番号: 27で表される cDNAをプロ一ブとして用い、 Multiple Tissue Northern Blots (CL0NTECH)、 Multiple Tissue Northern Blots II (CL0NTECH)、 及び Multiple Tissue Northern Blots III (CLONTECH)に対してハイブリダィ ズすることにより、 SS mRNAの発現組織特異性を解析した (図 2) 。 図 2に示 すように、 SSP2は脳、 脊髄に約 6kbの mRNAとして発現され、 また精巣では約 4kb の mRNAとして発現されることが判った。
実施例 5 ヒト脳由来 SSP2 タンパク質をコ一ドする cDNA のクロ一ニング 脳 -脊髄に発現する SSP2遺伝子は約 6kbpの mRNAと、 精巣のものより長く、 よ り上流から転写されている可能性が考えられた。 また、 KIAA1377として報告さ れたヒト脳由来 ESTクローンの配列 (DNA Res., 7, 65-73 (2000)) は、 上記で 得たヒト精巣由来 SSP2の配列を含み、 さらに上流約 lkbpを含んでいた(配列番 号: 42) 。 しかし、 この KIAA1377の配列は明確に 5'末端を規定するものでは なかった。 そこで、 ヒト脳に発現する SSP2遺伝子の 5'末端構造を決定した。 具 体的には、 ヒト脳 poly(A)+RNAより配列番号: 43で表されるプライマーを用 いて逆転写反応を行う際に、 配列番号: 44で表される SMART III oligo (Clontech)を混在させて反応し、 5'末端における伸長鎖の変換を起こさせた。 これを鍀型として、 配列番号: 45および配列番号: 46でそれぞれ表される 5'リン酸化プライマ一を用いた PCRを行い、 SSP2 5'末端領域を増幅した。 増幅 産物を精製した後に、 ライゲーシヨン反応を行い、産物の環状化あるいはコン 力テマ一化を行い、 これを鎵型として配列番号: 47で表される塩基配列と配
列番号: 48で表される塩基配列で挟まれる領域を増幅することで、 5,末端未 知領域を含む増幅断片を得た。 未知領域の配列を配列番号: 49に示す。 この 領域には、下流の SSP2遺伝子の翻訳枠で終始コドンも出現することから、配列 番号: 41で表される SS 遺伝子には、 配列番号: 40で表されるアミノ酸配 列を有するタンパク質がコードされていることが明らかとなった。これらの情 報から、 配列番号: 50で表される塩基配列と配列番号: 5 1で表される塩基 配列で挟まれる領域を PCRによって得た。配列番号: 1 5で表される精巣発現型 SSP2より、 配列番号: 52で表される塩基配列と配列番号: 53で表される塩 基配列で挟まれる領域を PCRによって取得し、上記の PCR産物とを制限酵素によ つて切断後にライゲーシヨンし、 これを錶型として配列番号: 50および配列 番号: 53でそれぞれ表されるプライマ一とした PCR反応により、脳発現型 SSP2 遺伝子全長を含む遺伝子を得た。 全長遺伝子は PCDNA3.1 (+)にサブクローニン グし、 プラスミド PTB 222 1を得た。得られたプラスミド pTB 222 1 を自体公知の方法に従い大腸菌 (Escherichiacoli) DH5 aに導入して、 形 質転換体:大腸菌 (Escherichia col i) DH 5 α/ρ T B 222 1を得た。 実施例 6 TaqMan PCRを用いた発現解析系の設定
SSP1のより詳細な発現解析を行うために、 TaqMan PCR条件を設定した。 用い たプライマーは Upper Primer (配列番号: 54) と Lower Primer (配列番号: 5 5) で、 検出に用いたプロ一ブは配列番号: 56に示した。 TaqManPCRには、 TaqMan Universal Mixtureと Upper Primer 250 nM, Lower Primer 250 nM, フ ローブ 75 nM, 及びテンプレート DNAを混合し、 95°C 1 5秒と 60°C 60秒 の 40サイクルのリアルタイム PCRによって SSP1遺伝子を定量した。 典型的な検 量線パターンを図 3に示した。
SSP2のより詳細な発現解析を行うために、 TaqManPCR条件を設定した。 用い たプライマ一は Upper Primer (配列番号: 57) と Lower Primer (配列番号: 58) で、 検出に用いたプローブは配列番号: 5 9に示した。 TaqManPCRには、 TaqMan Universal Mixtureと Upper Primer 250 nM, Lower Primer 250 nM, フ ローブ 75 nM, 及びテンプレート MAを混合し、, 95°C 1 5秒と 60°C 60秒 の 40サイクルのリアルタイム PCRによって SS 遺伝子を定量した。 典型的な検
量線パターンを図 4に示した。
実施例 7 TaqMan PCR法による SSP1遺伝子発現組織.特異性に関する検討
実施例 6で作製した TaqMan PCRによる SSP1遺伝子発現定量系を用い、 各種 Marathon Ready cDNA及び、 HepG2細胞、 Caco- 2細胞より抽出した RNAをもとに、 oligo dTをプライマ一とした逆転写反応によって得られた cDMについて SSP1 mRNA発現量を定量した。 結果を図 5に示した。
実施例 8 ノーザンブロットによる SSP1 mRNAの小腸部位特異的発現
配列番号: 22で表される cDNAをプローブとして用い、 Multiple Tissue Northern Blots (CLONTECH) , Multiple Tissue Northern Blots II (CLONTECH), 及び Multiple Tissue Northern Blots III (CLONTECH)に対してハイブリダィ ズすることにより、 SSP1 mRNAの小腸組織内の部位特異性を解析した (図 6) 。 図 6に示す様に、 SSHは十二指腸、空腸に特異的に発現していることが判った c 実施例 9 SSP1遺伝子の細胞内コレステロールレベルによる発現変化
HepG2細胞に図中に示した処理を 1日間行い、 RNAを抽出、 oligo dTをプライ マーとした逆転写反応を行い、 実施例 6で示した SSP1 mRNA発現量定量系を用 いて SSP1 mRNAの発現量の変化を解析した。 具体的には HepG2細胞を 24穴プレ —トに培養し、 無血清 D- MEM培地(serum free), 10¾ FBS存在下(10% FBS)、 25-hydroxycholesterol 5^g/ml (25-OH), ゥサギ ]3VLDL 100 /x g-TC/ml ( jS VL'DL)、 Atrvastatin 1 (AT0S)、 5 mM hydroxypropyl- jS -cyclodextr in (HP β CD) 10 M progesterone (Progesterone) ^ 及び 100 M dibutyト cycl ic AMP (db- cAMP)の存在下に 24時間インキュベートし、これらから抽出した RNA中の SSP1 mRNA発現量を内部標準として測定した GAP皿 mRMAに対する割合 (%) と して求めた。 結果を図 7に示した。 これらの結果から SSP1 mRNAはコレステロ ール負荷条件 (/3VLDL、 250H、 10% FBS) で発現低下し、 逆に無血清条件やさ らに HP ]3CDによってコレステロールを減少せしめた条件では発現上昇した。こ れらの結果から SSP1 mRNAはステロールレベルによって発現制御を受けること が示された。
実施例 1 0 TaqMan PCRによる SSP2遺伝子の神経系細胞株での神経芽細胞種 特異的発現、 IMR-32細胞での分化依存性発現誘導
IMR - 32細胞を 2.5xl0e-5 cells/well (6 well plate)で一夜培養し、 ImM dibutyl cycle AMP (db-cAMP) > 10 zM Bromo deoxyuridine (BrDU)、 ImM db - cAMP/ΙΟ^Μ BrDU、 及び分化誘導剤非添加の 4種の条件で 14日間培養を行つ た。 7日目、 14日目の各細胞から RNAを抽出後、 TaqManPCRにより SSP2 mRNA の定量を行った。 10 MBrDUによって形態的にも神経細胞分化を遂げた細胞に おいて SSP2 mRNAの発現誘導が認められた (図 8) 。
実施例 1 1 SSP1安定過剰発現型 HepG2細胞の取得
HepG2細胞に SSP1遺伝子を pcDNA3.1 (+)_mycベクタ一 (Invitrogen) にサブ クローニングし、 得られた C末端 Mycタグ付加真核細胞発現用プラスミドを HepG2細胞にリポフエクシヨン法によりトランスフエクシヨンし、 500 ug/ml G418存在下に培養を行い、 G418耐性株を取得した。 これらの細胞について TaqMan PCRにより SSP1 mRNAの発現量を定量し、 SSP1 mRNA安定高発現細胞 4株 を取得した。 これらの細胞の SSP1 mRNA発現量を表に示す。 また SSP1タンパク のアミノ酸番号 33 - 273をコードする遺伝子を pET 21(+)ベクタ一
(Novagen) にサブクローニングし、 大腸菌で産生した SSP1部分タンパクを抗 原として定法によりポリク口一ナル抗体を得た。抗原夕ンパクのアミノ酸配列 を配列番号 (抗原 AP-1) に示す。 本抗体 (AP- 1) を用いて SSP1安定発現細胞 4 株の細胞抽出液中の SSP1夕ンパク発現を Wes tern blotti ng法により検討した 結果、 安定発現細胞の SSH mRNAレベルに相応し、 SSP1タンパクの産生が認め られた (図 9および表 1) 。
〔表 1〕 i Copies % of GAPDH ί ΜΗ5ί ΜΗ15! MH171 MH18) Hep G2:
mean ,. .9| 23.9 i ― ― 50.9Ϊ 3.2: 1.4 iSD ; 0.51 2.8ι 3.0: 0.31 0.2 :
実施例 1 2 SSP1安定過剰発現型 HepG2細胞における Ap oBリポタンパク分 泌の低下
上記で得られた安定発現細胞の 24時間の ApoBリポタンパク産生を親株の HepG2細胞と比較した。 ApoBリポタンパクの定量には抗ヒト apoBャギポリク口 ーナル抗体と抗ヒト apoBマウスモノクローナル抗体のサンドイッチ EIA法を用
いi 56;た。 定量にはヒト LDLを標準物質に用い、 上清中に分泌された ApoBリポタン パク濃度をヒト LDL換算値で示した。 その結果 SSP1安定発現細胞で ApoB産生分 泌の低値が認められた。また、これらの細胞株では、ォレイン酸添加による apoB リポタンパク分泌の促進作用が消失していた (図 1 0および表 2 ) 。
; 〔表 2〕 ;ー一 + +ナ + +一
•Conditions
5%, LPDS
ι2 ;5% LPDS |25-hYdroxycholesterpl )
!3 ,5% LPDS 125-hvdroxycholesterol: + G卜 976
!4 ;5% LPDS jAtrvastatin ¾
[5% LPDS joleate (BSA complex;
5% LPDS β VLDL ― !
:1— _5%JLPDS i + j25-hydroxyc olesterol VLDL
:8 1 Serum free '·
!9 !5% FBS ! I
, 実施例 1 3 SSP2 mRNAのアルツハイマー患者脳部位特異的発現誘導
TaqMan PCRを用いて正常人、 アルツハイマー患者の脳各部位における SSP2 mRNA発現レベルを定量した。実験に用いた脳部位別 cDNAは Bi oChain社より購入 した。 定量の結果、 SSP2 mRNAは正常では小脳 ·海馬 ·扁桃体などの脳部位に 局在的に発現しているのに対し、 アルツハイマー患者脳では頭頂葉 ·後頭葉 - 側頭葉などの大脳半球各部位にも発現していた (図 1 1 ) 。 産業上の利用可能性
本発明のタンパク質はステロール感知能を有し、細胞内脂質の代謝 *転送な ど生体内で何らかの重要な役割を果たしていることから、脂質代謝疾患に関連 する種々の疾患、 例えば、 糖尿病、 肥満、 癌、 動脈硬化症、 高脂血症または神 経障害などの疾患 (特に、 動脈硬化症、 高脂血症など) の予防 ·治療剤として 用いることができ、該ステロール感知能を変化させる化合物のスクリーニング に用いることもできる。