JP2002360279A - 新規gタンパク質共役型レセプタータンパク質およびそのdna - Google Patents

新規gタンパク質共役型レセプタータンパク質およびそのdna

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JP2002360279A
JP2002360279A JP2002008445A JP2002008445A JP2002360279A JP 2002360279 A JP2002360279 A JP 2002360279A JP 2002008445 A JP2002008445 A JP 2002008445A JP 2002008445 A JP2002008445 A JP 2002008445A JP 2002360279 A JP2002360279 A JP 2002360279A
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JP2002008445A
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Masataka Miwa
真敬 三輪
Takashi Ito
隆司 伊藤
Yasushi Shintani
靖 新谷
Nobuyuki Miyajima
伸行 宮嶋
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規Gタンパク質共役型レセプタータンパク
質を検索し、機能を解明する。 【解決手段】 配列番号:1で表わされるアミノ酸配列
と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する
新規Gタンパク質共役型レセプタータンパク質またはそ
の塩およびそれをコードするポリヌクレオチドなどを提
供する。それらの医薬用等の用途も提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒト胎盤由来の新
規Gタンパク質共役型レセプタータンパク質またはその
塩およびそれをコードするDNAに関する。
【0002】
【従来の技術】多くのホルモンや神経伝達物質などの生
理活性物質は、細胞膜に存在する特異的なレセプタータ
ンパク質を通じて生体の機能を調節している。これらの
レセプタータンパク質のうち多くは共役しているguanin
e nucleotide-binding protein(以下、Gタンパク質と
略称する)の活性化を通じて細胞内のシグナル伝達を行
ない、また、7個の膜貫通領域を有する共通した構造を
もっていることから、Gタンパク質共役型レセプタータ
ンパク質あるいは7回膜貫通型レセプタータンパク質
(7TMR)と総称される。Gタンパク質共役型レセプ
タータンパク質は生体の細胞や臓器の各機能細胞表面に
存在し、それら細胞や臓器の機能を調節する分子、例え
ば、ホルモン、神経伝達物質および生理活性物質等の標
的として生理的に重要な役割を担っている。レセプター
は生理活性物質との結合を介してシグナルを細胞内に伝
達し、このシグナルにより細胞の賦活や抑制といった種
々の反応が惹起される。各種生体の細胞や臓器の内の複
雑な機能を調節する物質と、その特異的レセプタータン
パク質、特にはGタンパク質共役型レセプタータンパク
質との関係を明らかにすることは、各種生体の臓器や細
胞の機能を解明し、それら機能と密接に関連した医薬品
開発に非常に重要な手段を提供することとなる。
【0003】例えば、生体の種々の器官では、多くのホ
ルモン、ホルモン様物質、神経伝達物質あるいは生理活
性物質による調節のもとで生理的な機能の調節が行なわ
れている。特に、生理活性物質は生体内の様々な部位に
存在し、それぞれに対応するレセプタータンパク質を通
してその生理機能の調節を行っている。生体内には未知
のホルモンや神経伝達物質その他の生理活性物質も多
く、それらのレセプタータンパク質の構造に関しても、
これまで報告されていないものが多い。さらに、既知の
レセプタータンパク質においてもサブタイプが存在する
かどうかについても分かっていないものが多い。生体に
おける複雑な機能を調節する物質と、その特異的レセプ
タータンパク質との関係を明らかにすることは、レセプ
タータンパク質に対するアゴニスト、アンタゴニストを
含む医薬品開発に非常に重要な手段である。しかし従来
は、レセプタータンパク質に対するアゴニスト、アンタ
ゴニストを効率よくスクリーニングし、医薬品を開発す
るためには、生体内で発現しているレセプタータンパク
質の遺伝子の機能を解明し、それらを適当な発現系で発
現させることが必要であった。また、近年、生体内で発
現している遺伝子を解析する手段として、cDNAの配
列をランダムに解析する研究が活発に行なわれており、
このようにして得られたcDNAの断片配列がExpresse
d Sequence Tag(EST)としてデータベースに登録さ
れ、公開されている。しかし、多くのESTは配列情報
のみであり、その機能を推定することは困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、Gタンパク質共
役型レセプターとそのリガンドである生理活性物質との
結合を阻害する物質や、結合して生理活性物質と同様な
シグナル伝達を引き起こす物質は、これらレセプターの
特異的なアンタゴニストまたはアゴニストとして、生体
機能を調節する医薬品として活用されてきた。従って、
このように生体内での生理発現において重要であるばか
りでなく、医薬品開発の標的ともなりうるGタンパク質
共役型レセプタータンパク質を新規に見出し、その遺伝
子(例えばcDNA)をクローニングすることは、新規
Gタンパク質共役型レセプタータンパク質の特異的リガ
ンドや、アゴニスト、アンタゴニストを見出す際に、非
常に重要な手段となる。しかし、Gタンパク質共役型レ
セプターはその全てが見出されているわけではなく、現
時点でもなお、未知のGタンパク質共役型レセプター、
またそのリガンドが同定されていない、いわゆるオーフ
ァンレセプターが多数存在しており、新たなGタンパク
質共役型レセプターの探索および機能解明が切望されて
いる。Gタンパク質共役型レセプターは、そのシグナル
伝達作用を指標とする、新たなリガンド(生理活性物
質)の探索、また、該レセプターに対するアゴニストま
たはアンタゴニストの探索に有用である。一方、生理的
なリガンドが見出されなくても、該レセプターの不活化
実験(ノックアウト動物)から該レセプターの生理作用
を解析することにより、該レセプターに対するアゴニス
トまたはアンタゴニストを作製することも可能である。
これら該レセプターに対するリガンド、アゴニストまた
はアンタゴニストなどは、Gタンパク質共役型レセプタ
ーの機能不全に関連する疾患の予防/治療薬や診断薬と
して活用することが期待できる。さらにまた、Gタンパ
ク質共役型レセプターの遺伝子変異に基づく、生体での
該レセプターの機能の低下または昂進が、何らかの疾患
の原因となっている場合も多い。この場合には、該レセ
プターに対するアンタゴニストやアゴニストの投与だけ
でなく、該レセプター遺伝子の生体内(またはある特定
の臓器)への導入や、該レセプター遺伝子に対するアン
チセンス核酸の導入による、遺伝子治療に応用すること
もできる。この場合には該レセプターの塩基配列は遺伝
子上の欠失や変異の有無を調べるために必要不可欠な情
報であり、該レセプターの遺伝子は、該レセプターの機
能不全に関与する疾患の予防/治療薬や診断薬に応用す
ることもできる。本発明は、上記のように有用な新規G
タンパク質共役型レセプタータンパク質を提供するもの
である。すなわち、新規Gタンパク質共役型レセプター
タンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩、該
Gタンパク質共役型レセプタータンパク質またはその部
分ペプチドをコードするポリヌクレオチド(DNA、R
NAおよびそれらの誘導体)を含有するポリヌクレオチ
ド(DNA、RNAおよびそれらの誘導体)、該ポリヌ
クレオチドを含有する組換えベクター、該組換えベクタ
ーを保持する形質転換体、該Gタンパク質共役型レセプ
タータンパク質またはその塩の製造法、該Gタンパク質
共役型レセプタータンパク質もしくはその部分ペプチド
またはその塩に対する抗体、該Gタンパク質共役型レセ
プタータンパク質の発現量を変化させる化合物、該Gタ
ンパク質共役型レセプターに対するリガンドの決定方
法、リガンドと該Gタンパク質共役型レセプタータンパ
ク質との結合性を変化させる化合物(アンタゴニスト、
アゴニスト)またはその塩のスクリーニング方法、該ス
クリーニング用キット、該スクリーニング方法もしくは
スクリーニングキットを用いて得られうるリガンドと該
Gタンパク質共役型レセプタータンパク質との結合性を
変化させる化合物(アンタゴニスト、アゴニスト)また
はその塩、およびリガンドと該Gタンパク質共役型レセ
プタータンパク質との結合性を変化させる化合物(アン
タゴニスト、アゴニスト)もしくは該Gタンパク質共役
型レセプタータンパク質の発現量を変化させる化合物ま
たはその塩を含有してなる医薬などを提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、ヒト胎盤由来の新規なGタンパク質共役
型レセプタータンパク質をコードするcDNAを単離
し、その全塩基配列を解析することに成功した。そし
て、この塩基配列をアミノ酸配列に翻訳したところ、第
1〜第7膜貫通領域が図1に示される疎水性プロット上
で確認され、これらのcDNAにコードされるタンパク
質が7回膜貫通型のGタンパク質共役型レセプタータン
パク質であることを確認した。本発明者らは、これらの
知見に基づいて、さらに研究を重ねた結果、本発明を完
成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、 (1) 配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一も
しくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特
徴とするGタンパク質共役型レセプタータンパク質また
はその塩; (2) 配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有す
る上記(1)記載のGタンパク質共役型レセプタータン
パク質; (3) 上記(1)記載のGタンパク質共役型レセプタ
ータンパク質の部分ペプチドまたはその塩; (4) 上記(1)記載のGタンパク質共役型レセプタ
ータンパク質をコードするポリヌクレオチドを含有する
ポリヌクレオチド; (5) DNAである上記(4)記載のポリヌクレオチ
ド; (6) 配列番号:2で表される塩基配列を含有する上
記(5)記載のDNA;(7) 上記(4)記載のポリ
ヌクレオチドを含有する組換えベクター; (8) 上記(7)記載の組換えベクターで形質転換さ
せた形質転換体; (9) 上記(8)記載の形質転換体を培養し、上記
(1)記載のGタンパク質共役型レセプタータンパク質
またはその塩を生成せしめることを特徴とする上記
(1)記載のGタンパク質共役型レセプタータンパク質
またはその塩の製造法; (10) 上記(1)記載のGタンパク質共役型レセプ
タータンパク質もしくは上記(3)記載の部分ペプチド
またはそれらの塩に対する抗体; (11) 上記(1)記載のGタンパク質共役型レセプ
タータンパク質のシグナル伝達を不活性化する中和抗体
である上記(10)記載の抗体; (12) 上記(10)記載の抗体を含有してなる診断
薬; (13) 上記(10)記載の抗体を含有してなる医
薬; (14) 上記(1)記載のGタンパク質共役型レセプ
タータンパク質もしくは上記(3)記載の部分ペプチド
またはそれらの塩を用いることにより得られうる上記
(1)記載のGタンパク質共役型レセプタータンパク質
またはその塩に対するリガンド; (15) 上記(14)記載のGタンパク質共役型レセ
プタータンパク質またはその塩に対するリガンドを含有
してなる医薬; (16) 上記(1)記載のGタンパク質共役型レセプ
タータンパク質もしくは上記(3)記載の部分ペプチド
またはそれらの塩を用いることを特徴とする上記(1)
記載のGタンパク質共役型レセプタータンパク質または
その塩に対するリガンドの決定方法; (17) 上記(1)記載のGタンパク質共役型レセプ
タータンパク質もしくは上記(3)記載の部分ペプチド
またはそれらの塩を用いることを特徴とするリガンドと
上記(1)記載のGタンパク質共役型レセプタータンパ
ク質またはその塩との結合性を変化させる化合物または
その塩のスクリーニング方法; (18) 上記(1)記載のGタンパク質共役型レセプ
タータンパク質もしくは上記(3)記載の部分ペプチド
またはそれらの塩を含有することを特徴とするリガンド
と上記(1)記載のGタンパク質共役型レセプタータン
パク質またはその塩との結合性を変化させる化合物また
はその塩のスクリーニング用キット; (19) 上記(17)記載のスクリーニング方法また
は上記(18)記載のスクリーニング用キットを用いて
得られうるリガンドと上記(1)記載のGタンパク質共
役型レセプタータンパク質またはその塩との結合性を変
化させる化合物またはその塩; (20) 上記(17)記載のスクリーニング方法また
は上記(18)記載のスクリーニング用キットを用いて
得られうるリガンドと上記(1)記載のGタンパク質共
役型レセプタータンパク質またはその塩との結合性を変
化させる化合物またはその塩を含有してなる医薬; (21) 上記(4)記載のポリヌクレオチドとハイス
トリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌク
レオチド; (22) 上記(4)記載のポリヌクレオチドと相補的
な塩基配列またはその一部を含有してなるポリヌクレオ
チド; (23) 上記(4)記載のポリヌクレオチドまたはそ
の一部を用いることを特徴とする上記(1)記載のGタ
ンパク質共役型レセプタータンパク質のmRNAの定量
方法。 (24) 上記(10)記載の抗体を用いることを特徴
とする上記(1)記載のGタンパク質共役型レセプター
タンパク質の定量方法; (25) 上記(23)または(24)記載の定量方法
を用いることを特徴とする上記(1)記載のGタンパク
質共役型レセプターの機能が関連する疾患の診断方法。 (26) 上記(23)記載の定量方法を用いることを
特徴とする上記(1)記載のGタンパク質共役型レセプ
タータンパク質の発現量を変化させる化合物またはその
塩のスクリーニング方法; (27) 上記(24)記載の定量方法を用いることを
特徴とする細胞膜における上記(1)記載のGタンパク
質共役型レセプタータンパク質量を変化させる化合物ま
たはその塩のスクリーニング方法; (28) 上記(26)記載のスクリーニング方法を用
いて得られうる上記(1)記載のGタンパク質共役型レ
セプタータンパク質の発現量を変化させる化合物または
その塩; (29) 上記(27)記載のスクリーニング方法を用
いて得られうる細胞膜における上記(1)記載のGタン
パク質共役型レセプタータンパク質量を変化させる化合
物またはその塩; (30) 上記(28)記載の化合物またはその塩を含
有してなる医薬; (31) 上記(29)記載の化合物またはその塩を含
有してなる医薬; (32) 中枢性疾患、内分泌疾患、代謝疾患、癌、循
環器疾患、呼吸器系疾患、消化器系疾患、免疫系疾患、
炎症性疾患または感染症の予防・治療剤である上記(1
3)、(15)、(20)、(30)または(31)記
載の医薬; (33) 哺乳動物に対して、上記(19)、(28)
または(29)記載の化合物またはその塩の有効量を投
与することを特徴とする中枢疾患、内分泌疾患、代謝疾
患、癌、循環器疾患、呼吸器系疾患、消化器系疾患、免
疫系疾患、炎症性疾患または感染症の予防・治療方法; (34) 中枢疾患、内分泌疾患、代謝疾患、癌、循環
器疾患、呼吸器系疾患、消化器系疾患、免疫系疾患、炎
症性疾患または感染症の予防・治療剤を製造するための
上記(19)、(28)または(29)記載の化合物ま
たはその塩の使用等に関する。
【0007】さらには、 (35)タンパク質が、配列番号:1で表わされるア
ミノ酸配列、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列中
の1または2個以上(好ましくは、1〜30個程度、より
好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数個(1〜
5個))のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、配列番
号:1で表わされるアミノ酸配列に1または2個以上
(好ましくは、1〜30個程度、より好ましくは1〜10個
程度、さらに好ましくは数個(1〜5個))のアミノ酸
が付加したアミノ酸配列、配列番号:1で表わされる
アミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは1〜30
個程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましく
は数個(1〜5個))のアミノ酸が他のアミノ酸で置換
されたアミノ酸配列、またはそれらを組み合わせたア
ミノ酸配列を含有するタンパク質である上記(1)記載
のGタンパク質共役型レセプタータンパク質またはその
塩、 (36)上記(1)記載のGタンパク質共役型レセプタ
ータンパク質もしくはその塩または上記(3)記載の部
分ペプチドもしくはその塩と、試験化合物とを接触させ
ることを特徴とする上記(16)記載のリガンドの決定
方法、 (37)リガンドが、例えば、アンギオテンシン、ボン
ベシン、カナビノイド、コレシストキニン、グルタミ
ン、セロトニン、メラトニン、ニューロペプチドY、オ
ピオイド、プリン、バソプレッシン、オキシトシン、P
ACAP(例、PACAP27、PACAP38)、セ
クレチン、グルカゴン、カルシトニン、アドレノメジュ
リン、ソマトスタチン、GHRH、CRF、ACTH、
GRP、PTH、VIP(バソアクティブ インテステ
ィナル ポリペプチド)、ソマトスタチン、ドーパミ
ン、モチリン、アミリン、ブラジキニン、CGRP(カ
ルシトニンジーンリレーティッドペプチド)、ロイコト
リエン、パンクレアスタチン、プロスタグランジン、ト
ロンボキサン、アデノシン、アドレナリン、ケモカイン
スーパーファミリー(例、IL-8、GROα、GROβ、
GROγ、NAP-2、ENA-78、GCP-2、PF4、IP-10、Mig、P
BSF/SDF-1などのCXCケモカインサブファミリー;MCA
F/MCP-1、MCP-2、MCP-3、MCP-4、eotaxin、RANTES、MIP
-1α、MIP-1β、HCC-1、MIP-3α/LARC、MIP-3β/ELC、I
-309、TARC、MIPF-1、MIPF-2/eotaxin-2、MDC、DC-CK1/
PARC、SLCなどのCCケモカインサブファミリー;lymph
otactinなどのCケモカインサブファミリー;fractalki
neなどのCX3Cケモカインサブファミリー等)、エン
ドセリン、エンテロガストリン、ヒスタミン、ニューロ
テンシン、TRH、パンクレアティックポリペプタイ
ド、ガラニン、リゾホスファチジン酸(LPA)または
スフィンゴシン1−リン酸である上記(36)記載のリ
ガンドの決定方法、
【0008】(38)(i)上記(1)記載のGタンパ
ク質共役型レセプタータンパク質もしくはその塩または
上記(3)記載の部分ペプチドもしくはその塩と、リガ
ンドとを接触させた場合と、(ii)上記(1)記載のG
タンパク質共役型レセプタータンパク質もしくはその塩
または上記(3)記載の部分ペプチドもしくはその塩
と、リガンドおよび試験化合物とを接触させた場合との
比較を行なうことを特徴とする上記(17)記載のスク
リーニング方法、 (39)(i)標識したリガンドを上記(1)記載のG
タンパク質共役型レセプタータンパク質もしくはその塩
または上記(3)記載の部分ペプチドもしくはその塩に
接触させた場合と、(ii)標識したリガンドおよび試験
化合物を上記(1)記載のGタンパク質共役型レセプタ
ータンパク質もしくはその塩または上記(3)記載の部
分ペプチドもしくはその塩に接触させた場合における、
標識したリガンドの上記(1)記載のGタンパク質共役
型レセプタータンパク質もしくはその塩または上記
(3)記載の部分ペプチドもしくはその塩に対する結合
量を測定し、比較することを特徴とするリガンドと上記
(1)記載のGタンパク質共役型レセプタータンパク質
またはその塩との結合性を変化させる化合物またはその
塩のスクリーニング方法、 (40)(i)標識したリガンドを上記(1)記載のG
タンパク質共役型レセプタータンパク質を含有する細胞
に接触させた場合と、(ii)標識したリガンドおよび試
験化合物を上記(1)記載のGタンパク質共役型レセプ
タータンパク質を含有する細胞に接触させた場合におけ
る、標識したリガンドの該細胞に対する結合量を測定
し、比較することを特徴とするリガンドと上記(1)記
載のGタンパク質共役型レセプタータンパク質またはそ
の塩との結合性を変化させる化合物またはその塩のスク
リーニング方法、 (41)(i)標識したリガンドを上記(1)記載のG
タンパク質共役型レセプタータンパク質を含有する細胞
の膜画分に接触させた場合と、(ii)標識したリガンド
および試験化合物を上記(1)記載のGタンパク質共役
型レセプタータンパク質を含有する細胞の膜画分に接触
させた場合における、標識したリガンドの該細胞の膜画
分に対する結合量を測定し、比較することを特徴とする
リガンドと上記(1)記載のGタンパク質共役型レセプ
タータンパク質またはその塩との結合性を変化させる化
合物またはその塩のスクリーニング方法、
【0009】(42)(i)標識したリガンドを上記
(8)記載の形質転換体を培養することによって該形質
転換体の細胞膜に発現したGタンパク質共役型レセプタ
ータンパク質に接触させた場合と、(ii)標識したリガ
ンドおよび試験化合物を上記(8)記載の形質転換体を
培養することによって該形質転換体の細胞膜に発現した
Gタンパク質共役型レセプタータンパク質に接触させた
場合における、標識したリガンドの該Gタンパク質共役
型レセプタータンパク質に対する結合量を測定し、比較
することを特徴とするリガンドと上記(1)記載のGタ
ンパク質共役型レセプタータンパク質またはその塩との
結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニン
グ方法、 (43)(i)上記(1)記載のGタンパク質共役型レ
セプタータンパク質またはその塩を活性化する化合物を
上記(1)記載のGタンパク質共役型レセプタータンパ
ク質を含有する細胞に接触させた場合と、(ii)上記
(1)記載のGタンパク質共役型レセプタータンパク質
またはその塩を活性化する化合物および試験化合物を上
記(1)記載のGタンパク質共役型レセプタータンパク
質を含有する細胞に接触させた場合における、Gタンパ
ク質共役型レセプタータンパク質を介した細胞刺激活性
を測定し、比較することを特徴とするリガンドと上記
(1)記載のGタンパク質共役型レセプタータンパク質
またはその塩との結合性を変化させる化合物またはその
塩のスクリーニング方法、 (44)上記(1)記載のGタンパク質共役型レセプタ
ータンパク質またはその塩を活性化する化合物を上記
(8)記載の形質転換体を培養することによって該形質
転換体の細胞膜に発現したGタンパク質共役型レセプタ
ータンパク質に接触させた場合と、上記(1)記載のG
タンパク質共役型レセプタータンパク質またはその塩を
活性化する化合物および試験化合物を上記(8)記載の
形質転換体を培養することによって該形質転換体の細胞
膜に発現したGタンパク質共役型レセプタータンパク質
に接触させた場合における、Gタンパク質共役型レセプ
タータンパク質を介する細胞刺激活性を測定し、比較す
ることを特徴とするリガンドと上記(1)記載のGタン
パク質共役型レセプタータンパク質またはその塩との結
合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング
方法、
【0010】(45)上記(1)記載のGタンパク質共
役型レセプタータンパク質を活性化する化合物が、アン
ギオテンシン、ボンベシン、カナビノイド、コレシスト
キニン、グルタミン、セロトニン、メラトニン、ニュー
ロペプチドY、オピオイド、プリン、バソプレッシン、
オキシトシン、PACAP(例、PACAP27、PA
CAP38)、セクレチン、グルカゴン、カルシトニ
ン、アドレノメジュリン、ソマトスタチン、GHRH、
CRF、ACTH、GRP、PTH、VIP(バソアク
ティブ インテスティナル ポリペプチド)、ソマトス
タチン、ドーパミン、モチリン、アミリン、ブラジキニ
ン、CGRP(カルシトニンジーンリレーティッドペプ
チド)、ロイコトリエン、パンクレアスタチン、プロス
タグランジン、トロンボキサン、アデノシン、アドレナ
リン、ケモカインスーパーファミリー(例、IL-8、GR
Oα、GROβ、GROγ、NAP-2、ENA-78、GCP-2、PF
4、IP-10、Mig、PBSF/SDF-1などのCXCケモカインサブフ
ァミリー;MCAF/MCP-1、MCP-2、MCP-3、MCP-4、eotaxi
n、RANTES、MIP-1α、MIP-1β、HCC-1、MIP-3α/LARC、
MIP-3β/ELC、I-309、TARC、MIPF-1、MIPF-2/eotaxin-
2、MDC、DC-CK1/PARC、SLCなどのCCケモカインサブファ
ミリー;lymphotactinなどのCケモカインサブファミリ
ー;fractalkineなどのCX3Cケモカインサブファミリー
等)、エンドセリン、エンテロガストリン、ヒスタミ
ン、ニューロテンシン、TRH、パンクレアティックポ
リペプタイド、ガラニン、リゾホスファチジン酸(LP
A)またはスフィンゴシン1−リン酸である上記(4
3)または(44)記載のスクリーニング方法、 (46)上記(38)〜(45)記載のスクリーニング
方法で得られうるリガンドと上記(1)記載のGタンパ
ク質共役型レセプタータンパク質またはその塩との結合
性を変化させる化合物またはその塩、 (47)上記(38)〜(45)記載のスクリーニング
方法で得られうるリガンドと上記(1)記載のGタンパ
ク質共役型レセプタータンパク質またはその塩との結合
性を変化させる化合物またはその塩を含有することを特
徴とする医薬、
【0011】(48)上記(1)記載のGタンパク質共
役型レセプタータンパク質を含有する細胞を含有するこ
とを特徴とする上記(18)記載のスクリーニング用キ
ット、 (49)上記(1)記載のGタンパク質共役型レセプタ
ータンパク質を含有する細胞の膜画分を含有することを
特徴とする上記(18)記載のスクリーニング用キッ
ト、 (50)上記(8)記載の形質転換体を培養することに
よって該形質転換体の細胞膜に発現したGタンパク質共
役型レセプタータンパク質を含有することを特徴とする
上記(18)記載のスクリーニング用キット、 (51)上記(48)〜(50)記載のスクリーニング
用キットを用いて得られうる、リガンドと上記(1)記
載のGタンパク質共役型レセプタータンパク質またはそ
の塩との結合性を変化させる化合物またはその塩、 (52)上記(48)〜(50)記載のスクリーニング
用キットを用いて得られうる、リガンドと上記(1)記
載のGタンパク質共役型レセプタータンパク質またはそ
の塩との結合性を変化させる化合物またはその塩を含有
することを特徴とする医薬、 (53)上記(10)記載の抗体と、上記(1)記載の
Gタンパク質共役型レセプタータンパク質もしくは上記
(3)記載の部分ペプチドまたはその塩とを接触させる
ことを特徴とする上記(1)のGタンパク質共役型レセ
プタータンパク質もしくは上記(3)記載の部分ペプチ
ドまたはその塩の定量法、 (54)上記(10)記載の抗体と、被検液および標識
化された上記(1)記載のGタンパク質共役型レセプタ
ータンパク質もしくは上記(3)記載の部分ペプチドま
たはその塩とを競合的に反応させ、該抗体に結合した標
識化された上記(1)記載のGタンパク質共役型レセプ
タータンパク質もしくは上記(3)記載の部分ペプチド
またはその塩の割合を測定することを特徴とする被検液
中の上記(1)記載のGタンパク質共役型レセプタータ
ンパク質もしくは上記(3)記載の部分ペプチドまたは
その塩の定量法、および (55)被検液と担体上に不溶化した上記(10)記載
の抗体および標識化された上記(10)記載の抗体とを
同時あるいは連続的に反応させたのち、不溶化担体上の
標識剤の活性を測定することを特徴とする被検液中の上
記(1)記載のGタンパク質共役型レセプタータンパク
質もしくは上記(3)記載の部分ペプチドまたはその塩
の定量法等を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のGタンパク質共役型レセ
プタータンパク質(以下、レセプタータンパク質と略記
する場合がある)は、配列番号:1で表わされるアミノ
酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含
有するレセプタータンパク質である。本発明のレセプタ
ータンパク質は、例えば、ヒトや非ヒト哺乳動物(例え
ば、モルモット、ラット、マウス、ウサギ、ブタ、ヒツ
ジ、ウシ、サルなど)のあらゆる細胞(例えば、脾細
胞、神経細胞、グリア細胞、膵臓β細胞、骨髄細胞、メ
サンギウム細胞、ランゲルハンス細胞、表皮細胞、上皮
細胞、内皮細胞、繊維芽細胞、繊維細胞、筋細胞、脂肪
細胞、免疫細胞(例、マクロファージ、T細胞、B細胞、
ナチュラルキラー細胞、肥満細胞、好中球、好塩基球、
好酸球、単球)、巨核球、滑膜細胞、軟骨細胞、骨細
胞、骨芽細胞、破骨細胞、乳腺細胞、肝細胞もしくは間
質細胞、またはこれら細胞の前駆細胞、幹細胞もしくは
ガン細胞など)や血球系の細胞、またはそれらの細胞が
存在するあらゆる組織、例えば、脳、脳の各部位(例、
嗅球、扁頭核、大脳基底球、海馬、視床、視床下部、視
床下核、大脳皮質、延髄、小脳、後頭葉、前頭葉、側頭
葉、被殻、尾状核、脳染、黒質)、脊髄、下垂体、胃、
膵臓、腎臓、肝臓、生殖腺、甲状腺、胆のう、骨髄、副
腎、皮膚、筋肉、肺、消化管(例、大腸、小腸)、血
管、心臓、胸腺、脾臓、顎下腺、末梢血、末梢血球、前
立腺、睾丸、精巣、卵巣、胎盤、子宮、骨、関節、骨格
筋などに由来するタンパク質であってもよく、また合成
タンパク質であってもよい。
【0013】配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と
実質的に同一のアミノ酸配列としては、例えば、配列番
号:1で表わされるアミノ酸配列と約50%以上、好まし
くは約60%以上、より好ましくは約70%以上、さらに好
ましくは約80%以上、なかでも好ましくは約90%以上、
最も好ましくは約95%以上の相同性を有するアミノ酸配
列などが挙げられる。本発明の配列番号:1で表わされ
るアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有す
るタンパク質としては、例えば、配列番号:1で表わさ
れるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有
し、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と実質的に
同質の活性を有するタンパク質などが好ましい。実質的
に同質の活性としては、例えば、リガンド結合活性、シ
グナル情報伝達作用などが挙げられる。実質的に同質と
は、それらの活性が性質的に同質であることを示す。し
たがって、リガンド結合活性やシグナル情報伝達作用な
どの活性が同等(例、約0.01〜100倍、好ましくは約0.5
〜20倍、より好ましくは約0.5〜2倍)であることが好ま
しいが、これらの活性の程度やタンパク質の分子量など
の量的要素は異なっていてもよい。リガンド結合活性や
シグナル情報伝達作用などの活性の測定は、公知の方法
に準じて行なうことができるが、例えば、後に記載する
リガンドの決定方法やスクリーニング方法に従って測定
することができる。
【0014】また、本発明のレセプタータンパク質とし
ては、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列中の1
または2個以上(好ましくは、1〜30個程度、より好ま
しくは1〜10個程度、さらに好ましくは数個(1〜5
個))のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、配列番
号:1で表わされるアミノ酸配列に1または2個以上
(好ましくは、1〜30個程度、より好ましくは1〜10個
程度、さらに好ましくは数個(1〜5個))のアミノ酸
が付加したアミノ酸配列、配列番号:1で表わされる
アミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜
30個程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好まし
くは数個(1〜5個))のアミノ酸が他のアミノ酸で置
換されたアミノ酸配列、またはそれらを組み合わせた
アミノ酸配列を含有するタンパク質なども用いられる。
【0015】本明細書におけるレセプタータンパク質の
アミノ酸配列は、ペプチド標記の慣例に従って、左端が
N末端(アミノ末端)、右端がC末端(カルボキシル末
端)である。配列番号:1で表わされるアミノ酸配列を
含有するレセプタータンパク質をはじめとする、本発明
のレセプタータンパク質は、C末端がカルボキシル基
(−COOH)、カルボキシレート(−COO-)、Cアミド
(−CONH2)またはエステル(−COOR)のいずれであっ
てもよい。ここでエステルにおけるRとしては、例え
ば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルもし
くはn−ブチルなどのC1-6アルキル基、例えば、シクロ
ペンチル、シクロヘキシルなどのC3-8シクロアルキル
基、例えば、フェニル、α−ナフチルなどのC6-12アリ
ール基、例えば、ベンジル、フェネチルなどのフェニル
−C1-2アルキル基もしくはα−ナフチルメチルなどのα
−ナフチル−C1-2アルキル基などのC7-14アラルキル基
のほか、経口用エステルとして汎用されるピバロイルオ
キシメチル基などが用いられる。本発明のレセプタータ
ンパク質がC末端以外にカルボキシル基(またはカルボ
キシレート)を有している場合、カルボキシル基がアミ
ド化またはエステル化されているものも本発明のレセプ
タータンパク質に含まれる。この場合のエステルとして
は、例えば上記したC末端のエステルなどが用いられ
る。さらに、本発明のレセプタータンパク質には、上記
したタンパク質において、N末端のメチオニン残基のア
ミノ基が保護基(例えば、ホルミル基、アセチルなどの
C2-6アルカノイル基などのC1-6アシル基など)で保護さ
れているもの、N端側が生体内で切断され生成したグル
タミル基がピログルタミン酸化したもの、分子内のアミ
ノ酸の側鎖上の置換基(例えば、−OH、−SH、アミノ
基、イミダゾール基、インドール基、グアニジノ基な
ど)が適当な保護基(例えば、ホルミル基、アセチルな
どのC2-6アルカノイル基などのC1-6アシル基など)で保
護されているもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖
タンパク質などの複合タンパク質なども含まれる。本発
明のレセプタータンパク質の具体例としては、例えば、
配列番号:1で表わされるアミノ酸配列を含有するレセ
プタータンパク質などが用いられる。
【0016】本発明のレセプタータンパク質の部分ペプ
チド(以下、部分ペプチドと略記する場合がある)とし
ては、上記した本発明のレセプタータンパク質の部分ペ
プチドであれば何れのものであってもよいが、例えば、
本発明のレセプタータンパク質分子のうち、細胞膜の外
に露出している部位であって、実質的に同質の活性を有
するものなどが用いられる。ここで、「実質的に同質の
活性」とは、例えばリガンド結合活性を示す。リガンド
結合活性の測定は上記と同様に行なうことができる。具
体的には、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列を有
するレセプタータンパク質の部分ペプチドとしては、図
1に示される疎水性プロット解析において細胞外領域
(親水性(Hydrophilic)部位)であると分析された部
分を含むペプチドである。また、疎水性(Hydrophobi
c)部位を一部に含むペプチドも同様に用いることがで
きる。個々のドメインを個別に含むペプチドも用い得る
が、複数のドメインを同時に含む部分のペプチドでもよ
い。本発明の部分ペプチドのアミノ酸数は、上記した本
発明のレセプタータンパク質の構成アミノ酸配列のうち
少なくとも20個以上、好ましくは50個以上、より好まし
くは100個以上のアミノ酸配列を有するペプチドなどが
好ましい。実質的に同一のアミノ酸配列とは、これらア
ミノ酸配列と約50%以上、好ましくは約60%以上、より
好ましくは約70%以上、さらに好ましくは約80%以上、
なかでも好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%
以上の相同性を有するアミノ酸配列を示す。
【0017】また、本発明の部分ペプチドは、上記ア
ミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜10
個程度、さらに好ましくは数個(1〜5個))のアミノ
酸が欠失し、上記アミノ酸配列に1または2個以上
(好ましくは、1〜20個程度、より好ましくは1〜10個
程度、さらに好ましくは数個(1〜5個))のアミノ酸
が付加し、または上記アミノ酸配列中の1または2個
以上(好ましくは、1〜10個程度、より好ましくは数
個、さらに好ましくは1〜5個程度)のアミノ酸が他の
アミノ酸で置換されていてもよい。また、本発明の部分
ペプチドのC末端は、カルボキシル基(−COOH)、カル
ボキシレート(−COO-)、アミド(−CONH2)またはエ
ステル(−COOR)のいずれであってもよい(Rは前記と
同意義を示す)。本発明の部分ペプチドがC末端以外に
カルボキシル基(またはカルボキシレート)を有してい
る場合、カルボキシル基がアミド化またはエステル化さ
れているものも本発明の部分ペプチドに含まれる。この
場合のエステルとしては、例えば上記したC末端のエス
テルなどが用いられる。さらに、本発明の部分ペプチド
には、上記した本発明のレセプタータンパク質と同様
に、N末端のメチオニン残基のアミノ基が保護基で保護
されているもの、N端側が生体内で切断され生成したGl
nがピログルタミン酸化したもの、分子内のアミノ酸の
側鎖上の置換基が適当な保護基で保護されているもの、
あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖ペプチドなどの複合
ペプチドなども含まれる。本発明のレセプタータンパク
質またはその部分ペプチドの塩としては、酸または塩基
との生理学的に許容される塩が挙げられ、とりわけ生理
学的に許容される酸付加塩が好ましい。この様な塩とし
ては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水
素酸、硫酸)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、
ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク
酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メ
タンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸)との塩などが用
いられる。
【0018】本発明のレセプタータンパク質またはその
塩は、上記したヒトや非ヒト哺乳動物の細胞または組織
から公知のレセプタータンパク質の精製方法によって製
造することもできるし、後に記載する本発明のレセプタ
ータンパク質をコードするDNAを含有する形質転換体
を培養することによっても製造することができる。ま
た、後に記載するタンパク質合成法またはこれに準じて
製造することもできる。ヒトや非ヒト哺乳動物の組織ま
たは細胞から製造する場合、ヒトや非ヒト哺乳動物の組
織または細胞をホモジナイズした後、酸などで抽出を行
ない、該抽出液を逆相クロマトグラフィー、イオン交換
クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィーを組み合
わせることにより精製単離することができる。
【0019】本発明のレセプタータンパク質もしくはそ
の部分ペプチドまたはその塩またはそのアミド体の合成
には、通常市販のタンパク質合成用樹脂を用いることが
できる。そのような樹脂としては、例えば、クロロメチ
ル樹脂、ヒドロキシメチル樹脂、ベンズヒドリルアミン
樹脂、アミノメチル樹脂、4−ベンジルオキシベンジル
アルコール樹脂、4−メチルベンズヒドリルアミン樹
脂、PAM樹脂、4−ヒドロキシメチルメチルフェニルアセ
トアミドメチル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、4−
(2',4'−ジメトキシフェニル−ヒドロキシメチル)フ
ェノキシ樹脂、4−(2',4'−ジメトキシフェニル−Fmoc
アミノエチル)フェノキシ樹脂などを挙げることができ
る。このような樹脂を用い、α−アミノ基と側鎖官能基
を適当に保護したアミノ酸を、目的とするタンパク質ま
たはペプチドのアミノ酸配列通りに、公知の各種縮合方
法に従い、樹脂上で縮合させる。反応の最後に樹脂から
タンパク質またはペプチドを切り出すと同時に各種保護
基を除去し、さらに高希釈溶液中で分子内ジスルフィド
結合形成反応を実施し、目的のタンパク質もしくは部分
ペプチドまたはそのアミド体を取得する。上記した保護
アミノ酸の縮合に関しては、タンパク質合成に使用でき
る各種活性化試薬を用いることができるが、特に、カル
ボジイミド類がよい。カルボジイミド類としては、DC
C、N,N'−ジイソプロピルカルボジイミド、N−エチル−
N'−(3−ジメチルアミノプロリル)カルボジイミドな
どが用いられる。これらによる活性化にはラセミ化抑制
添加剤(例えば、HOBt、HOOBt)とともに保護アミノ酸
を直接樹脂に添加するか、または、対称酸無水物または
HOBtエステルあるいはHOOBtエステルとしてあらかじめ
保護アミノ酸の活性化を行なった後に樹脂に添加するこ
とができる。
【0020】保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用
いられる溶媒としては、タンパク質縮合反応に使用しう
ることが知られている溶媒から適宜選択されうる。例え
ば、N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチルアセト
アミド,N−メチルピロリドンなどの酸アミド類、塩化
メチレン,クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類、
トリフルオロエタノールなどのアルコール類、ジメチル
スルホキシドなどのスルホキシド類、ピリジン,ジオキ
サン,テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトニ
トリル,プロピオニトリルなどのニトリル類、酢酸メチ
ル,酢酸エチルなどのエステル類あるいはこれらの適宜
の混合物などが用いられる。反応温度はタンパク質結合
形成反応に使用され得ることが知られている範囲から適
宜選択され、通常約−20℃〜50℃の範囲から適宜選択さ
れる。活性化されたアミノ酸誘導体は通常1.5〜4倍過
剰で用いられる。ニンヒドリン反応を用いたテストの結
果、縮合が不十分な場合には保護基の脱離を行うことな
く縮合反応を繰り返すことにより十分な縮合を行なうこ
とができる。反応を繰り返しても十分な縮合が得られな
いときには、無水酢酸またはアセチルイミダゾールを用
いて未反応アミノ酸をアセチル化することができる。
【0021】原料のアミノ基の保護基としては、例え
ば、Z、Boc、ターシャリーペンチルオキシカルボニル、
イソボルニルオキシカルボニル、4−メトキシベンジル
オキシカルボニル、Cl−Z、Br−Z、アダマンチルオキシ
カルボニル、トリフルオロアセチル、フタロイル、ホル
ミル、2−ニトロフェニルスルフェニル、ジフェニルホ
スフィノチオイル、Fmocなどが用いられる。カルボキシ
ル基は、例えば、アルキルエステル化(例えば、メチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、ターシャリーブチル、
シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シ
クロオクチル、2−アダマンチルなどの直鎖状、分枝状
もしくは環状アルキルエステル化)、アラルキルエステ
ル化(例えば、ベンジルエステル、4−ニトロベンジル
エステル、4−メトキシベンジルエステル、4−クロロベ
ンジルエステル、ベンズヒドリルエステル化)、フェナ
シルエステル化、ベンジルオキシカルボニルヒドラジド
化、ターシャリーブトキシカルボニルヒドラジド化、ト
リチルヒドラジド化などによって保護することができ
る。セリンの水酸基は、例えば、エステル化またはエー
テル化によって保護することができる。このエステル化
に適する基としては、例えば、アセチル基などの低級ア
ルカノイル基、ベンゾイル基などのアロイル基、ベンジ
ルオキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などの炭
酸から誘導される基などが用いられる。また、エーテル
化に適する基としては、例えば、ベンジル基、テトラヒ
ドロピラニル基、t−ブチル基などである。チロシンの
フェノール性水酸基の保護基としては、例えば、Bzl、C
l2−Bzl、2−ニトロベンジル、Br−Z、ターシャリーブ
チルなどが用いられる。ヒスチジンのイミダゾールの保
護基としては、例えば、Tos、4−メトキシ−2,3,6−ト
リメチルベンゼンスルホニル、DNP、ベンジルオキシメ
チル、Bum、Boc、Trt、Fmocなどが用いられる。
【0022】原料のカルボキシル基の活性化されたもの
としては、例えば、対応する酸無水物、アジド、活性エ
ステル〔アルコール(例えば、ペンタクロロフェノー
ル、2,4,5−トリクロロフェノール、2,4−ジニトロフェ
ノール、シアノメチルアルコール、パラニトロフェノー
ル、HONB、N−ヒドロキシスクシミド、N−ヒドロキシフ
タルイミド、HOBt)とのエステル〕などが用いられる。
原料のアミノ基の活性化されたものとしては、例えば、
対応するリン酸アミドが用いられる。保護基の除去(脱
離)方法としては、例えば、Pd-黒あるいはPd-炭素など
の触媒の存在下での水素気流中での接触還元や、また、
無水フッ化水素、メタンスルホン酸、トリフルオロメタ
ンスルホン酸、トリフルオロ酢酸あるいはこれらの混合
液などによる酸処理や、ジイソプロピルエチルアミン、
トリエチルアミン、ピペリジン、ピペラジンなどによる
塩基処理、また液体アンモニア中ナトリウムによる還元
なども用いられる。上記酸処理による脱離反応は、一般
に約−20℃〜40℃の温度で行なわれるが、酸処理におい
ては、例えば、アニソール、フェノール、チオアニソー
ル、メタクレゾール、パラクレゾール、ジメチルスルフ
ィド、1,4−ブタンジチオール、1,2−エタンジチオール
などのようなカチオン捕捉剤の添加が有効である。ま
た、ヒスチジンのイミダゾール保護基として用いられる
2,4−ジニトロフェニル基はチオフェノール処理により
除去され、トリプトファンのインドール保護基として用
いられるホルミル基は上記の1,2−エタンジチオール、
1,4−ブタンジチオールなどの存在下の酸処理による脱
保護以外に、希水酸化ナトリウム溶液、希アンモニアな
どによるアルカリ処理によっても除去される。
【0023】原料の反応に関与すべきでない官能基の保
護ならびに保護基、およびその保護基の脱離、反応に関
与する官能基の活性化などは公知の基または公知の手段
から適宜選択しうる。タンパク質のアミド体を得る別の
方法としては、例えば、まず、カルボキシ末端アミノ酸
のα−カルボキシル基をアミド化して保護した後、アミ
ノ基側にペプチド(タンパク質)鎖を所望の鎖長まで延
ばした後、該ペプチド鎖のN末端のα−アミノ基の保護
基のみを除いたタンパク質とC末端のカルボキシル基の
保護基のみを除去したタンパク質とを製造し、この両タ
ンパク質を上記したような混合溶媒中で縮合させる。縮
合反応の詳細については上記と同様である。縮合により
得られた保護タンパク質を精製した後、上記方法により
すべての保護基を除去し、所望の粗タンパク質を得るこ
とができる。この粗タンパク質は既知の各種精製手段を
駆使して精製し、主要画分を凍結乾燥することで所望の
タンパク質のアミド体を得ることができる。タンパク質
のエステル体を得るには、例えば、カルボキシ末端アミ
ノ酸のα−カルボキシル基を所望のアルコール類と縮合
しアミノ酸エステルとした後、タンパク質のアミド体と
同様にして、所望のタンパク質のエステル体を得ること
ができる。
【0024】本発明のタンパク質の部分ペプチドまたは
その塩は、公知のペプチドの合成法に従って、あるいは
本発明のタンパク質を適当なペプチダーゼで切断するこ
とによって製造することができる。ペプチドの合成法と
しては、例えば、固相合成法、液相合成法のいずれによ
っても良い。すなわち、本発明のタンパク質を構成し得
る部分ペプチドもしくはアミノ酸と残余部分とを縮合さ
せ、生成物が保護基を有する場合は保護基を脱離するこ
とにより目的のペプチドを製造することができる。公知
の縮合方法や保護基の脱離としては、例えば、以下の
〜に記載された方法が挙げられる。 M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペプチド シン
セシス (Peptide Synthesis), Interscience Publisher
s, New York (1966年) SchroederおよびLuebke、ザ ペプチド(The Peptide),
Academic Press, NewYork (1965年) 泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善(株)
(1975年) 矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座 1、 蛋白
質の化学IV、 205、(1977年) 矢島治明監修、続医薬品の開発 第14巻 ペプチド合成
広川書店 また、反応後は通常の精製法、例えば、溶媒抽出・蒸留
・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィー
・再結晶などを組み合わせて本発明の部分ペプチドを精
製単離することができる。上記方法で得られる部分ペプ
チドが遊離体である場合は、公知の方法によって適当な
塩に変換することができるし、逆に塩で得られた場合
は、公知の方法によって遊離体に変換することができ
る。
【0025】本発明のレセプタータンパク質をコードす
るポリヌクレオチドとしては、上記した本発明のレセプ
タータンパク質をコードする塩基配列(DNAまたはR
NA、好ましくはDNA)を含有するものであればいか
なるものであってもよい。該ポリヌクレオチドとして
は、本発明のレセプタータンパク質をコードするDN
A、mRNA等のRNAであり、二本鎖であっても、一
本鎖であってもよい。二本鎖の場合は、二本鎖DNA、
二本鎖RNAまたはDNA:RNAのハイブリッドでも
よい。一本鎖の場合は、センス鎖(すなわち、コード
鎖)であっても、アンチセンス鎖(すなわち、非コード
鎖)であってもよい。本発明のレセプタータンパク質を
コードするポリヌクレオチドを用いて、公知の実験医学
増刊「新PCRとその応用」15(7)、1997記載の方法ま
たはそれに準じた方法、例えば、TaqMan PCRなどの方法
により、本発明のレセプタータンパク質のmRNAを定
量することができる。本発明のレセプタータンパク質を
コードするDNAとしては、ゲノムDNA、ゲノムDN
Aライブラリー、上記した細胞・組織由来のcDNA、
上記した細胞・組織由来のcDNAライブラリー、合成
DNAのいずれでもよい。ライブラリーに使用するベク
ターは、バクテリオファージ、プラスミド、コスミド、
ファージミドなどいずれであってもよい。また、上記し
た細胞・組織よりtotal RNAまたはmRNA画分を調
製したものを用いて直接Reverse Transcriptase Polyme
rase Chain Reaction(以下、RT−PCR法と略称する)に
よって増幅することもできる。具体的には、本発明のレ
セプタータンパク質をコードするDNAとしては、例え
ば、配列番号:2で表わされる塩基配列を含有するDN
A、または配列番号:2で表わされる塩基配列を有する
DNAとハイストリンジェントな条件下でハイブリダイ
ズするDNAを有し、本発明のレセプタータンパク質と
実質的に同質の活性(例、リガンド結合活性、シグナル
情報伝達作用など)を有するレセプタータンパク質をコ
ードするDNAであれば何れのものでもよい。配列番
号:2で表わされる塩基配列を有するDNAとハイスト
リンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAとし
ては、例えば、配列番号:2で表わされる塩基配列と約
70%以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約90
%以上、さらに好ましくは約95%以上の相同性を有する
塩基配列を含有するDNAなどが用いられる。
【0026】ハイブリダイゼーションは、公知の方法あ
るいはそれに準じる方法、例えば、モレキュラー・クロ
ーニング(Molecular Cloning)2nd(J. Sambrook et
al.,Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の
方法などに従って行なうことができる。また、市販のラ
イブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の
方法に従って行なうことができる。より好ましくは、ハ
イストリンジェントな条件に従って行なうことができ
る。該ハイストリンジェントな条件とは、例えば、ナト
リウム濃度が約19〜40 mM、好ましくは約19〜20 mM
で、温度が約50〜70℃、好ましくは約60〜65℃の条件を
示す。特に、ナトリウム濃度が約19 mMで温度が約65
℃の場合が最も好ましい。より具体的には、配列番号:
1で表わされるアミノ酸配列を含有するレセプタータン
パク質をコードするDNAとしては、配列番号:2で表
わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられる。
本発明のレセプタータンパク質をコードするDNAの塩
基配列の一部、または該DNAと相補的な塩基配列の一
部を含有してなるポリヌクレオチドとは、下記の本発明
の部分ペプチドをコードするDNAを包含するだけでは
なく、RNAをも包含する意味で用いられる。本発明に
従えば、Gタンパク質共役型レセプタータンパク質遺伝
子の複製または発現を阻害することのできるアンチセン
ス・ポリヌクレオチド(核酸)を、クローン化した、あ
るいは決定されたGタンパク質共役型レセプタータンパ
ク質をコードするDNAの塩基配列情報に基づき設計
し、合成しうる。そうしたポリヌクレオチド(核酸)
は、Gタンパク質共役型レセプタータンパク質遺伝子の
RNAとハイブリダイズすることができ、該RNAの合
成または機能を阻害することができるか、あるいはGタ
ンパク質共役型レセプタータンパク質関連RNAとの相
互作用を介してGタンパク質共役型レセプタータンパク
質遺伝子の発現を調節・制御することができる。Gタン
パク質共役型レセプタータンパク質関連RNAの選択さ
れた配列に相補的なポリヌクレオチド、およびGタンパ
ク質共役型レセプタータンパク質関連RNAと特異的に
ハイブリダイズすることができるポリヌクレオチドは、
生体内および生体外でGタンパク質共役型レセプタータ
ンパク質遺伝子の発現を調節・制御するのに有用であ
り、また病気などの治療または診断に有用である。ま
た、Gタンパク質共役型レセプタータンパク質遺伝子の
5'端ヘアピンループ、5'端6−ベースペア・リピー
ト、5'端非翻訳領域、ポリペプチド翻訳開始コドン、
タンパク質コード領域、ORF翻訳終止コドン、3'端非翻
訳領域、3'端パリンドローム領域、および3'端ヘアピ
ンループは好ましい対象領域として選択しうるが、Gタ
ンパク質共役型レセプタータンパク質遺伝子内の如何な
る領域も対象として選択しうる。
【0027】目的核酸と、対象領域の少なくとも一部に
相補的なポリヌクレオチドとの関係、即ち、対象物とハ
イブリダイズすることができるポリヌクレオチドとの関
係は、「アンチセンス」であるということができる。ア
ンチセンス・ポリヌクレオチドは、2−デオキシ−D−リ
ボースを含有しているポリデオキシヌクレオチド、D−
リボースを含有しているポリヌクレオチド、プリンまた
はピリミジン塩基のN−グリコシドであるその他のタイ
プのポリヌクレオチド、あるいは非ヌクレオチド骨格を
有するその他のポリマー(例えば、市販のタンパク質核
酸および合成配列特異的な核酸ポリマー)または特殊な
結合を含有するその他のポリマー(但し、該ポリマーは
DNAやRNA中に見出されるような塩基のペアリング
や塩基の付着を許容する配置をもつヌクレオチドを含有
する)などが挙げられる。それらは、二本鎖DNA、一
本鎖DNA、二本鎖RNA、一本鎖RNA、さらにDN
A:RNAハイブリッドであることができ、さらに非修
飾ポリヌクレオチド(または非修飾オリゴヌクレオチ
ド)、さらには公知の修飾の付加されたもの、例えば当
該分野で知られた標識のあるもの、キャップの付いたも
の、メチル化されたもの、1個以上の天然のヌクレオチ
ドを類縁物で置換したもの、分子内ヌクレオチド修飾の
されたもの、例えば非荷電結合(例えば、メチルホスホ
ネート、ホスホトリエステル、ホスホルアミデート、カ
ルバメートなど)を持つもの、電荷を有する結合または
硫黄含有結合(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロ
ジチオエートなど)を持つもの、例えばタンパク質(ヌ
クレアーゼ、ヌクレアーゼ・インヒビター、トキシン、
抗体、シグナルペプチド、ポリ−L−リジンなど)や糖
(例えば、モノサッカライドなど)などの側鎖基を有し
ているもの、インターカレント化合物(例えば、アクリ
ジン、ソラレン(psoralen)など)を持つもの、キレー
ト化合物(例えば、金属、放射活性をもつ金属、ホウ
素、酸化性の金属など)を含有するもの、アルキル化剤
を含有するもの、修飾された結合を持つもの(例えば、
αアノマー型の核酸など)であってもよい。ここで「ヌ
クレオシド」、「ヌクレオチド」および「核酸」とは、
プリンおよびピリミジン塩基を含有するのみでなく、修
飾されたその他の複素環型塩基をもつようなものを含ん
でいて良い。こうした修飾物は、メチル化されたプリン
およびピリミジン、アシル化されたプリンおよびピリミ
ジン、あるいはその他の複素環を含むものであってよ
い。修飾されたヌクレオチドおよび修飾されたヌクレオ
チドはまた糖部分が修飾されていてよく、例えば、1個
以上の水酸基がハロゲンとか、脂肪族基などで置換され
ていたり、あるいはエーテル、アミンなどの官能基に変
換されていてよい。
【0028】本発明のアンチセンス・ポリヌクレオチド
(核酸)は、RNA、DNA、あるいは修飾された核酸
(RNA、DNA)である。修飾された核酸の具体例と
しては核酸の硫黄誘導体やチオホスフェート誘導体、そ
してポリヌクレオシドアミドやオリゴヌクレオシドアミ
ドの分解に抵抗性のものが挙げられるが、それに限定さ
れるものではない。本発明のアンチセンス核酸は次のよ
うな方針で好ましく設計されうる。すなわち、細胞内で
のアンチセンス核酸をより安定なものにする、アンチセ
ンス核酸の細胞透過性をより高める、目標とするセンス
鎖に対する親和性をより大きなものにする、そしてもし
毒性があるならアンチセンス核酸の毒性をより小さなも
のにする。このような修飾は当該分野で数多く知られて
おり、例えば J. Kawakami et al., Pharm Tech Japan,
Vol. 8, pp.247, 1992; Vol. 8, pp.395, 1992; S. T.
Crooke et al. ed., Antisense Research and Applica
tions, CRC Press, 1993などに開示がある。本発明のア
ンチセンス核酸は、変化せしめられたり、修飾された
糖、塩基、結合を含有していて良く、リポゾーム、ミク
ロスフェアのような特殊な形態で供与されたり、遺伝子
治療により適用されたり、付加された形態で与えられる
ことができうる。こうして付加形態で用いられるものと
しては、リン酸基骨格の電荷を中和するように働くポリ
リジンのようなポリカチオン体、細胞膜との相互作用を
高めたり、核酸の取込みを増大せしめるような脂質(例
えば、ホスホリピド、コレステロールなど)といった疎
水性のものが挙げられる。付加するに好ましい脂質とし
ては、コレステロールやその誘導体(例えば、コレステ
リルクロロホルメート、コール酸など)が挙げられる。
こうしたものは、核酸の3'端あるいは5'端に付着させ
ることができ、塩基、糖、分子内ヌクレオシド結合を介
して付着させることができうる。その他の基としては、
核酸の3'端あるいは5'端に特異的に配置されたキャッ
プ用の基で、エキソヌクレアーゼ、RNaseなどのヌ
クレアーゼによる分解を阻止するためのものが挙げられ
る。こうしたキャップ用の基としては、ポリエチレング
リコール、テトラエチレングリコールなどのグリコール
をはじめとした当該分野で知られた水酸基の保護基が挙
げられるが、それに限定されるものではない。アンチセ
ンス核酸の阻害活性は、本発明の形質転換体、本発明の
生体内や生体外の遺伝子発現系、あるいはGタンパク質
共役型レセプタータンパク質の生体内や生体外の翻訳系
を用いて調べることができる。該核酸は、公知の各種の
方法で細胞に適用できる。
【0029】本発明の部分ペプチドをコードするDNA
としては、上記した本発明の部分ペプチドをコードする
塩基配列を含有するものであればいかなるものであって
もよい。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリ
ー、上記した細胞・組織由来のcDNA、上記した細胞
・組織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいず
れでもよい。ライブラリーに使用するベクターは、バク
テリオファージ、プラスミド、コスミド、ファージミド
などいずれであってもよい。また、上記した細胞・組織
よりmRNA画分を調製したものを用いて直接RT−PCR
法によって増幅することもできる。具体的には、本発明
の部分ペプチドをコードするDNAとしては、例えば、
(1)配列番号:2で表わされる塩基配列を有するDN
Aの部分塩基配列を有するDNA、または(2)配列番
号:2で表わされるDNAとハイストリンジェントな条
件下でハイブリダイズするDNAを有し、本発明のタン
パク質ペプチドと実質的に同質の活性(例、リガンド結
合活性、シグナル情報伝達作用など)を有するタンパク
質をコードするDNAの部分塩基配列を有するDNAな
どが用いられる。配列番号:2で表わされるDNAとハ
イストリンジェントな条件でハイブリダイズするDNA
としては、例えば、配列番号:2で表わされる塩基配列
と約70%以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは
約90%以上、さらに好ましくは約95%以上の相同性を有
する塩基配列を含有するDNAなどが用いられる。
【0030】本発明のレセプタータンパク質またはその
部分ペプチド(以下、本発明のレセプタータンパク質と
略記する場合がある)を完全にコードするDNAのクロ
ーニングの手段としては、本発明のペプチドをコードす
るDNAの塩基配列の部分塩基配列を有する合成DNA
プライマーを用いてPCR法によって増幅するか、また
は適当なベクターに組み込んだDNAを本発明のレセプ
タータンパク質の一部あるいは全領域をコードするDN
A断片もしくは合成DNAを用いて標識したものとのハ
イブリダイゼーションによって選別することができる。
ハイブリダイゼーションの方法は、例えば、モレキュラ
ー・クローニング(Molecular Cloning)2nd(J. Sambr
ook et al., Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)
に記載の方法などに従って行なうことができる。また、
市販のライブラリーを使用する場合、添付の使用説明書
に記載の方法に従って行なうことができる。
【0031】DNAの塩基配列の置換は、PCRや公知
のキット、例えば、MutanTM−superExpress Km(宝酒造
(株))、MutanTM−K(宝酒造(株))等を用いて、OD
A−LA PCR法、gapped duplex法、Kunkel法等の公知の方
法あるいはそれらに準じる方法に従って行なうことがで
きる。クローン化されたレセプタータンパク質をコード
するDNAは目的によりそのまま、または所望により制
限酵素で消化したり、リンカーを付加したりして使用す
ることができる。該DNAはその5'末端側に翻訳開始
コドンとしてのATGを有し、また3'末端側には翻訳
終止コドンとしてのTAA、TGAまたはTAGを有し
ていてもよい。これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コド
ンは、適当な合成DNAアダプターを用いて付加するこ
ともできる。本発明のレセプタータンパク質の発現ベク
ターは、例えば、(イ)本発明のレセプタータンパク質
をコードするDNAを含む、例えばcDNAから目的と
するDNA断片を切り出し、(ロ)該DNA断片を適当
な発現ベクター中のプロモーターの下流に連結すること
により製造することができる。
【0032】ベクターとしては、大腸菌由来のプラスミ
ド(例、pCR4、pCR2.1、pBR322、pBR325、pUC12、pUC1
3)、枯草菌由来のプラスミド(例、pUB110、pTP5、pC1
94)、酵母由来プラスミド(例、pSH19、pSH15)、λフ
ァージなどのバクテリオファージ、レトロウイルス、ワ
クシニアウイルス、バキュロウイルスなどの動物ウイル
スなどの他、pA1-11、pXT1、pRc/CMV、pRc/RSV、pcDNAI
/Neoなどが用いられる。本発明で用いられるプロモータ
ーとしては、遺伝子の発現に用いる宿主に対応して適切
なプロモーターであればいかなるものでもよい。例え
ば、動物細胞を宿主として用いる場合は、SRαプロモ
ーター、SV40プロモーター、LTRプロモーター、
CMVプロモーター、HSV-TKプロモーターなどが挙げら
れる。これらのうち、CMVプロモーター、SRαプロ
モーターなどを用いるのが好ましい。宿主がエシェリヒ
ア属菌である場合は、trpプロモーター、lacプロモータ
ー、recAプロモーター、λPLプロモーター、lppプロモ
ーターなどが、宿主がバチルス属菌である場合は、SPO1
プロモーター、SPO2プロモーター、penPプロモーターな
ど、宿主が酵母である場合は、PHO5プロモーター、PG
Kプロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモー
ターなどが好ましい。宿主が昆虫細胞である場合は、ポ
リヘドリンプロモーター、P10プロモーターなどが好
ましい。
【0033】発現ベクターには、以上の他に、所望によ
りエンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加
シグナル、選択マーカー、SV40複製オリジン(以
下、SV40oriと略称する場合がある)などを含有し
ているものを用いることができる。選択マーカーとして
は、例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素(以下、dhfrと略称
する場合がある)遺伝子〔メソトレキセート(MTX)
耐性〕、アンピシリン耐性遺伝子(以下、Amprと略称す
る場合がある)、ネオマイシン耐性遺伝子(以下、Neor
と略称する場合がある、G418耐性)等が挙げられる。特
に、CHO(dhfr -)細胞を用いてdhfr遺伝子を選択マ
ーカーとして使用する場合、チミジンを含まない培地に
よっても目的遺伝子を選択できる。また、必要に応じ
て、宿主に合ったシグナル配列を、本発明のレセプター
タンパク質のN端末側に付加する。宿主がエシェリヒア
属菌である場合は、PhoA・シグナル配列、OmpA・シグナ
ル配列などが、宿主がバチルス属菌である場合は、α−
アミラーゼ・シグナル配列、サブチリシン・シグナル配
列などが、宿主が酵母である場合は、MFα・シグナル配
列、SUC2・シグナル配列など、宿主が動物細胞である場
合には、インシュリン・シグナル配列、α−インターフ
ェロン・シグナル配列、抗体分子・シグナル配列などが
それぞれ利用できる。このようにして構築された本発明
のレセプタータンパク質をコードするDNAを含有する
ベクターを用いて、形質転換体を製造することができ
る。
【0034】宿主としては、例えば、エシェリヒア属
菌、バチルス属菌、酵母、昆虫細胞、昆虫、動物細胞な
どが用いられる。エシェリヒア属菌の具体例としては、
エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12・DH1〔プ
ロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・
オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Pro
c. Natl. Acad. Sci. USA),60巻,160 (1968)〕,JM1
03〔ヌクイレック・アシッズ・リサーチ,(Nucleic Ac
idsResearch),9巻,309 (1981)〕,JA221〔ジャーナ
ル・オブ・モレキュラー・バイオロジー(Journal of M
olecular Biology)〕,120巻,517 (1978)〕,HB101
〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー,41
巻,459 (1969)〕,C600〔ジェネティックス(Genetic
s),39巻,440 (1954)〕,DH5α〔Inoue, H.,Nojima,
H. and Okayama, H., Gene, 96, 23-28 (1990)〕,DH10
B〔プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデ
ミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー
(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),87巻,4645−4649
(1990)〕などが用いられる。バチルス属菌としては、例
えば、バチルス・ズブチルス(Bacillus subtilis)MI1
14〔ジーン,24巻,255 (1983)〕,207−21〔ジャーナ
ル・オブ・バイオケミストリー(Journal of Biochemis
try),95巻,87 (1984)〕などが用いられる。酵母とし
ては、例えば、サッカロマイセス セレビシエ(Saccha
romyces cerevisiae)AH22、AH22R、NA87-11A、DKD-5
D、20B-12、シゾサッカロマイセス ポンベ(Schizosac
charomyces pombe)NCYC1913、NCYC2036、ピキア パス
トリス(Pichia pastoris)などが用いられる。
【0035】昆虫細胞としては、例えば、ウイルスがAc
NPVの場合は、ヨトウガの幼虫由来株化細胞(Spodopter
a frugiperda cell;Sf細胞)、Trichoplusia niの中腸
由来のMG1細胞、Trichoplusia niの卵由来のHigh Five
TM 細胞、Mamestra brassicae由来の細胞またはEstigme
na acrea由来の細胞などが用いられる。ウイルスがBmNP
Vの場合は、カイコ由来株化細胞(Bombyx mori N;BmN
細胞)などが用いられる。該Sf細胞としては、例えば、
Sf9細胞(ATCC CRL1711)、Sf21細胞(以上、Vaughn,
J.L.ら、イン・ヴィボ(In Vivo), 13, 213-217 (197
7))などが用いられる。昆虫としては、例えば、カイコ
の幼虫などが用いられる〔前田ら、ネイチャー(Natur
e),315巻,592 (1985)〕。動物細胞としては、例え
ば、サル細胞COS-7、Vero、チャイニーズハムスター細
胞CHO(以下、CHO細胞と略記)、dhfr遺伝子欠損
チャイニーズハムスター細胞CHO(以下、CHO(dh
fr-)細胞と略記)、マウスL細胞,マウスAtT-20、マ
ウスミエローマ細胞、ラットGH3、ヒトFL細胞など
が用いられる。
【0036】エシェリヒア属菌を形質転換するには、例
えば、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカ
デミー・オブ・サイエンジイズ・オブ・ザ・ユーエスエ
ー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),69巻,2110 (197
2)やジーン(Gene),17巻,107 (1982)などに記載の方
法に従って行なうことができる。バチルス属菌を形質転
換するには、例えば、モレキュラー・アンド・ジェネラ
ル・ジェネティックス(Molecular & General Genetic
s),168巻,111 (1979)などに記載の方法に従って行な
うことができる。酵母を形質転換するには、例えば、メ
ッソズ・イン・エンザイモロジー(Methods in Enzymol
ogy),194巻,182−187(1991)、プロシージングズ・
オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシ
イズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA),75巻,1929 (1978)などに記載の方法に従っ
て行なうことができる。昆虫細胞または昆虫を形質転換
するには、例えば、バイオ/テクノロジー(Bio/Techno
logy), 6, 47-55 (1988))などに記載の方法に従って行
なうことができる。動物細胞を形質転換するには、例え
ば、細胞工学別冊8 新細胞工学実験プロトコール.26
3−267(1995)(秀潤社発行)、ヴィロロジー(Virolo
gy),52巻,456 (1973)に記載の方法に従って行なうこ
とができる。このようにして、Gタンパク質共役型レセ
プタータンパク質をコードするDNAを含有する発現ベ
クターで形質転換された形質転換体が得られる。宿主が
エシェリヒア属菌、バチルス属菌である形質転換体を培
養する際、培養に使用される培地としては液体培地が適
当であり、その中には該形質転換体の生育に必要な炭素
源、窒素源、無機物その他が含有せしめられる。炭素源
としては、例えば、グルコース、デキストリン、可溶性
澱粉、ショ糖など、窒素源としては、例えば、アンモニ
ウム塩類、硝酸塩類、コーンスチープ・リカー、ペプト
ン、カゼイン、肉エキス、大豆粕、バレイショ抽出液な
どの無機または有機物質、無機物としては、例えば、塩
化カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化マグネシ
ウムなどが挙げられる。また、酵母エキス、ビタミン
類、生長促進因子などを添加してもよい。培地のpHは
約5〜8が望ましい。
【0037】エシェリヒア属菌を培養する際の培地とし
ては、例えば、グルコース、カザミノ酸を含むM9培地
〔ミラー(Miller),ジャーナル・オブ・エクスペリメ
ンツ・イン・モレキュラー・ジェネティックス(Journa
l of Experiments in Molecular Genetics),431−43
3,Cold Spring Harbor Laboratory, New York 1972〕
が好ましい。ここに必要によりプロモーターを効率よく
働かせるために、例えば、3β−インドリル アクリル
酸のような薬剤を加えることができる。宿主がエシェリ
ヒア属菌の場合、培養は通常約15〜43℃で約3〜24時間
行ない、必要により、通気や撹拌を加えることもでき
る。宿主がバチルス属菌の場合、培養は通常約30〜40℃
で約6〜24時間行ない、必要により通気や撹拌を加える
こともできる。宿主が酵母である形質転換体を培養する
際、培地としては、例えば、バークホールダー(Burkho
lder)最小培地〔Bostian, K. L. ら、「プロシージン
グズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイ
エンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Ac
ad. Sci. USA),77巻,4505 (1980)」や0.5%カザミノ
酸を含有するSD培地〔Bitter, G. A. ら、「プロシー
ジングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・
サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Nat
l. Acad. Sci. USA),81巻,5330(1984)」が挙げら
れる。培地のpHは約5〜8に調整するのが好ましい。
培養は通常約20℃〜35℃で約24〜72時間行ない、必要に
応じて通気や撹拌を加える。
【0038】宿主が昆虫細胞または昆虫である形質転換
体を培養する際、培地としては、Grace's Insect Mediu
m(Grace, T.C.C., ネイチャー(Nature),195, 788 (1
962))に非動化した10%ウシ血清等の添加物を適宜加え
たものなどが用いられる。培地のpHは約6.2〜6.4に調
整するのが好ましい。培養は通常約27℃で約3〜5日間
行ない、必要に応じて通気や撹拌を加える。宿主が動物
細胞である形質転換体を培養する際、培地としては、例
えば、約5〜20%の胎児牛血清を含むMEM培地〔サイ
エンス(Science),122巻,501 (1952)〕,DMEM培
地〔ヴィロロジー(Virology),8巻,396 (1959)〕,
RPMI 1640培地〔ジャーナル・オブ・ザ・アメリカ
ン・メディカル・アソシエーション(The Journal of t
he American Medical Association)199巻,519 (196
7)〕,199培地〔プロシージング・オブ・ザ・ソサイエ
ティ・フォー・ザ・バイオロジカル・メディスン(Proc
eeding of the Society for the Biological Medicin
e),73巻,1 (1950)〕などが用いられる。pHは約6
〜8であるのが好ましい。培養は通常約30℃〜40℃で約
15〜60時間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加える。
以上のようにして、形質転換体の細胞内、細胞膜または
細胞外に本発明のGタンパク質共役型レセプタータンパ
ク質を生成せしめることができる。
【0039】上記培養物から本発明のレセプタータンパ
ク質を分離精製するには、例えば、下記の方法により行
なうことができる。本発明のレセプタータンパク質を培
養菌体あるいは細胞から抽出するに際しては、培養後、
公知の方法で菌体あるいは細胞を集め、これを適当な緩
衝液に懸濁し、超音波、リゾチームおよび/または凍結
融解などによって菌体あるいは細胞を破壊したのち、遠
心分離やろ過によりレセプタータンパク質の粗抽出液を
得る方法などが適宜用いられる。緩衝液の中に尿素や塩
酸グアニジンなどのタンパク質変性剤や、トリトンX−1
00TMなどの界面活性剤が含まれていてもよい。培養液中
にレセプタータンパク質が分泌される場合には、培養終
了後、公知の方法で菌体あるいは細胞と上清とを分離
し、上清を集める。このようにして得られた培養上清、
あるいは抽出液中に含まれるレセプタータンパク質の精
製は、公知の分離・精製法を適切に組み合わせて行なう
ことができる。これらの公知の分離、精製法としては、
塩析や溶媒沈澱法などの溶解度を利用する方法、透析
法、限外ろ過法、ゲルろ過法、およびSDS−ポリアク
リルアミドゲル電気泳動法などの主として分子量の差を
利用する方法、イオン交換クロマトグラフィーなどの荷
電の差を利用する方法、アフィニティークロマトグラフ
ィーなどの特異的親和性を利用する方法、逆相高速液体
クロマトグラフィーなどの疎水性の差を利用する方法、
等電点電気泳動法などの等電点の差を利用する方法など
が用いられる。
【0040】このようにして得られるレセプタータンパ
ク質が遊離体で得られた場合には、公知の方法あるいは
それに準じる方法によって塩に変換することができ、逆
に塩で得られた場合には公知の方法あるいはそれに準じ
る方法により、遊離体または他の塩に変換することがで
きる。なお、組換え体が産生するレセプタータンパク質
を、精製前または精製後に適当なタンパク修飾酵素を作
用させることにより、任意に修飾を加えたり、ポリペプ
チドを部分的に除去することもできる。タンパク修飾酵
素としては、例えば、トリプシン、キモトリプシン、ア
ルギニルエンドペプチダーゼ、プロテインキナーゼ、グ
リコシダーゼなどが用いられる。このようにして生成す
る本発明のレセプタータンパク質またはその塩の活性
は、標識したリガンドとの結合実験および特異抗体を用
いたエンザイムイムノアッセイなどにより測定すること
ができる。
【0041】本発明のレセプタータンパク質もしくはそ
の部分ペプチドまたはその塩に対する抗体は、本発明の
レセプタータンパク質もしくはその部分ペプチドまたは
その塩を認識し得る抗体であれば、ポリクローナル抗
体、モノクローナル抗体の何れであってもよい。本発明
のレセプタータンパク質もしくはその部分ペプチドまた
はその塩(以下、本発明のレセプタータンパク質等と略
記する場合がある)に対する抗体は、本発明のレセプタ
ータンパク質等を抗原として用い、公知の抗体または抗
血清の製造法に従って製造することができる。
【0042】〔モノクローナル抗体の作製〕 (a)モノクローナル抗体産生細胞の作製 本発明のレセプタータンパク質等は、哺乳動物に対して
投与により抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担
体、希釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産生
能を高めるため、完全フロイントアジュバントや不完全
フロイントアジュバントを投与してもよい。投与は通常
2〜6週毎に1回ずつ、計2〜10回程度行なわれる。用
いられる哺乳動物としては、例えば、サル、ウサギ、イ
ヌ、モルモット、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギが挙げ
られるが、マウスおよびラットが好ましく用いられる。
モノクローナル抗体産生細胞の作製に際しては、抗原を
免疫された温血動物、例えば、マウスから抗体価の認め
られた個体を選択し最終免疫の2〜5日後に脾臓または
リンパ節を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞を骨
髄腫細胞と融合させることにより、モノクローナル抗体
産生ハイブリドーマを調製することができる。抗血清中
の抗体価の測定は、例えば、後記の標識化レセプタータ
ンパク質等と抗血清とを反応させたのち、抗体に結合し
た標識剤の活性を測定することにより行なうことができ
る。融合操作は既知の方法、例えば、ケーラーとミルス
タインの方法〔ネイチャー(Nature)、256巻、495頁
(1975年)〕に従い実施することができる。融合促進剤
としては、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)
やセンダイウィルスなどが挙げられるが、好ましくはP
EGが用いられる。骨髄腫細胞としては、例えば、NS-
1、P3U1、SP2/0などが挙げられるが、P3U1が好ましく用
いられる。用いられる抗体産生細胞(脾臓細胞)数と骨
髄腫細胞数との好ましい比率は1:1〜20:1程度であ
り、PEG(好ましくは、PEG1000〜PEG6000)が10〜80
%程度の濃度で添加され、約20〜40℃、好ましくは約30
〜37℃で約1〜10分間インキュベートすることにより効
率よく細胞融合を実施できる。
【0043】モノクローナル抗体産生ハイブリドーマの
スクリーニングには種々の方法が使用できるが、例え
ば、レセプタータンパク質等の抗原を直接あるいは担体
とともに吸着させた固相(例、マイクロプレート)にハ
イブリドーマ培養上清を添加し、次に放射性物質や酵素
などで標識した抗免疫グロブリン抗体(細胞融合に用い
られる細胞がマウスの場合、抗マウス免疫グロブリン抗
体が用いられる)またはプロテインAを加え、固相に結
合したモノクローナル抗体を検出する方法、抗免疫グロ
ブリン抗体またはプロテインAを吸着させた固相にハイ
ブリドーマ培養上清を添加し、放射性物質や酵素などで
標識したレセプタータンパク質等を加え、固相に結合し
たモノクローナル抗体を検出する方法などが挙げられ
る。モノクローナル抗体の選別は、公知あるいはそれに
準じる方法に従って行なうことができるが、通常はHA
T(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)を添
加した動物細胞用培地などで行なうことができる。選別
および育種用培地としては、ハイブリドーマが生育でき
るものならばどのような培地を用いても良い。例えば、
1〜20%、好ましくは10〜20%の牛胎児血清を含むRP
MI 1640培地、1〜10%の牛胎児血清を含むGIT培
地(和光純薬工業(株))またはハイブリドーマ培養用
無血清培地(SFM-101、日水製薬(株))などを用いる
ことができる。培養温度は、通常20〜40℃、好ましくは
約37℃である。培養時間は、通常5日〜3週間、好まし
くは1週間〜2週間である。培養は、通常5%炭酸ガス
下で行なうことができる。ハイブリドーマ培養上清の抗
体価は、上記の抗血清中の抗体価の測定と同様にして測
定できる。
【0044】(b)モノクローナル抗体の精製 モノクローナル抗体の分離精製は、通常のポリクローナ
ル抗体の分離精製と同様に免疫グロブリンの分離精製法
〔例、塩析法、アルコール沈殿法、等電点沈殿法、電気
泳動法、イオン交換体(例、DEAE)による吸脱着
法、超遠心法、ゲルろ過法、抗原結合固相またはプロテ
インAあるいはプロテインGなどの活性吸着剤により抗
体のみを採取し、結合を解離させて抗体を得る特異的精
製法〕に従って行なうことができる。
【0045】〔ポリクローナル抗体の作製〕本発明のポ
リクローナル抗体は、公知あるいはそれに準じる方法に
したがって製造することができる。例えば、免疫抗原
(本発明のタンパク質等の抗原)とキャリアータンパク
質との複合体をつくり、上記のモノクローナル抗体の製
造法と同様に哺乳動物に免疫を行ない、該免疫動物から
本発明のレセプタータンパク質等に対する抗体含有物を
採取して、抗体の分離精製を行なうことにより製造でき
る。哺乳動物を免疫するために用いられる免疫抗原とキ
ャリアータンパク質との複合体に関し、キャリアータン
パク質の種類およびキャリアーとハプテンとの混合比
は、キャリアーに架橋させて免疫したハプテンに対して
抗体が効率良くできれば、どの様なものをどの様な比率
で架橋させてもよいが、例えば、ウシ血清アルブミン、
ウシサイログロブリン、キーホール・リンペット・ヘモ
シアニン等を重量比でハプテン1に対し、約0.1〜20、好
ましくは約1〜5の割合でカプルさせる方法が用いられ
る。また、ハプテンとキャリアーのカプリングには、種
々の縮合剤を用いることができるが、グルタルアルデヒ
ドやカルボジイミド、マレイミド活性エステル、チオー
ル基、ジチオビリジル基を含有する活性エステル試薬等
が用いられる。縮合生成物は、温血動物に対して、抗体
産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤とと
もに投与される。投与に際して抗体産生能を高めるた
め、完全フロイントアジュバントや不完全フロイントア
ジュバントを投与してもよい。投与は、通常約2〜6週
毎に1回ずつ、計約3〜10回程度行なうことができる。
ポリクローナル抗体は、上記の方法で免疫された哺乳動
物の血液、腹水など、好ましくは血液から採取すること
ができる。抗血清中のポリクローナル抗体価の測定は、
上記の血清中の抗体価の測定と同様にして測定できる。
ポリクローナル抗体の分離精製は、上記のモノクローナ
ル抗体の分離精製と同様の免疫グロブリンの分離精製法
に従って行なうことができる。
【0046】本発明のレセプタータンパク質またはその
塩、その部分ペプチドまたはその塩、および該レセプタ
ータンパク質またはその部分ペプチドをコードするDN
Aは、(1)本発明のGタンパク質共役型レセプタータ
ンパク質に対するリガンド(アゴニスト)の決定、
(2)本発明のGタンパク質共役型レセプタータンパク
質の機能不全に関連する疾患の予防および/または治療
剤、(3)遺伝子診断剤、(4)本発明のレセプタータン
パク質またはその部分ペプチドの発現量を変化させる化
合物のスクリーニング方法、(5)本発明のレセプター
タンパク質またはその部分ペプチドの発現量を変化させ
る化合物を含有する各種疾病の予防および/または治療
剤、(6)本発明のGタンパク質共役型レセプタータン
パク質に対するリガンドの定量法、(7)本発明のGタ
ンパク質共役型レセプタータンパク質とリガンドとの結
合性を変化させる化合物(アゴニスト、アンタゴニスト
など)のスクリーニング方法、(8)本発明のGタンパ
ク質共役型レセプタータンパク質とリガンドとの結合性
を変化させる化合物(アゴニスト、アンタゴニスト)を
含有する各種疾病の予防および/または治療剤、(9)
本発明のレセプタータンパク質もしくはその部分ペプチ
ドまたはその塩の定量、(10)細胞膜における本発明の
レセプタータンパク質またはその部分ペプチドの量を変
化させる化合物のスクリーニング方法、(11)細胞膜に
おける本発明のレセプタータンパク質またはその部分ペ
プチドの量を変化させる化合物を含有する各種疾病の予
防および/または治療剤、(12)本発明のレセプタータ
ンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩に対す
る抗体による中和、(13)本発明のGタンパク質共役型
レセプタータンパク質をコードするDNAを有する非ヒ
トトランスジェニック動物の作製などに用いることがで
きる。特に、本発明の組換え型Gタンパク質共役型レセ
プタータンパク質の発現系を用いたレセプター結合アッ
セイ系を用いることによって、ヒトや非ヒト哺乳動物に
特異的なGタンパク質共役型レセプターに対するリガン
ドの結合性を変化させる化合物(例、アゴニスト、アン
タゴニストなど)をスクリーニングすることができ、該
アゴニストまたはアンタゴニストを各種疾病の予防・治
療剤などとして使用することができる。本発明のレセプ
タータンパク質もしくは部分ペプチドまたはその塩(以
下、本発明のレセプタータンパク質等と略記する場合が
ある)、本発明のレセプタータンパク質またはその部分
ペプチドをコードするDNA(以下、本発明のDNAと
略記する場合がある)および本発明のレセプタータンパ
ク質等に対する抗体(以下、本発明の抗体と略記する場
合がある)の用途について、以下に具体的に説明する。
【0047】(1)本発明のGタンパク質共役型レセプ
タータンパク質に対するリガンド(アゴニスト)の決定 本発明のレセプタータンパク質もしくはその塩または本
発明の部分ペプチドもしくはその塩は、本発明のレセプ
タータンパク質またはその塩に対するリガンド(アゴニ
スト)を探索し、または決定するための試薬として有用
である。すなわち、本発明は、本発明のレセプタータン
パク質もしくはその塩または本発明の部分ペプチドもし
くはその塩と、試験化合物とを接触させることを特徴と
する本発明のレセプタータンパク質に対するリガンドの
決定方法を提供する。試験化合物としては、公知のリガ
ンド(例えば、アンギオテンシン、ボンベシン、カナビ
ノイド、コレシストキニン、グルタミン、セロトニン、
メラトニン、ニューロペプチドY、オピオイド、プリ
ン、バソプレッシン、オキシトシン、PACAP(例、
PACAP27、PACAP38)、セクレチン、グル
カゴン、カルシトニン、アドレノメジュリン、ソマトス
タチン、GHRH、CRF、ACTH、GRP、PT
H、VIP(バソアクティブ インテスティナル アン
ドリレイテッド ポリペプチド)、ソマトスタチン、ド
ーパミン、モチリン、アミリン、ブラジキニン、CGR
P(カルシトニンジーンリレーティッドペプチド)、ロ
イコトリエン、パンクレアスタチン、プロスタグランジ
ン、トロンボキサン、アデノシン、アドレナリン、ケモ
カインスーパーファミリー(例、IL-8、GROα、GR
Oβ、GROγ、NAP-2、ENA-78、GCP-2、PF4、IP-10、
Mig、PBSF/SDF-1などのCXCケモカインサブファミリ
ー;MCAF/MCP-1、MCP-2、MCP-3、MCP-4、eotaxin、RANT
ES、MIP-1α、MIP-1β、HCC-1、MIP-3α/LARC、MIP-3β
/ELC、I-309、TARC、MIPF-1、MIPF-2/eotaxin-2、MDC、
DC-CK1/PARC、SLCなどのCCケモカインサブファミリ
ー;lymphotactinなどのCケモカインサブファミリー;
fractalkineなどのCX3ケモカインサブファミリー
等)、エンドセリン、エンテロガストリン、ヒスタミ
ン、ニューロテンシン、TRH、パンクレアティックポ
リペプタイド、ガラニン、リゾホスファチジン酸(LP
A)、スフィンゴシン1−リン酸など)の他に、例え
ば、ヒトまたは非ヒト哺乳動物(例えば、マウス、ラッ
ト、ブタ、ウシ、ヒツジ、サルなど)の組織抽出物、細
胞培養上清などが用いられる。例えば、該組織抽出物、
細胞培養上清などを本発明のレセプタータンパク質に添
加し、細胞刺激活性などを測定しながら分画し、最終的
に単一のリガンドを得ることができる。
【0048】具体的には、本発明のリガンド決定方法
は、本発明のレセプタータンパク質もしくはその部分ペ
プチドもしくはその塩を用いるか、または組換え型レセ
プタータンパク質の発現系を構築し、該発現系を用いた
レセプター結合アッセイ系を用いることによって、本発
明のレセプタータンパク質に結合して細胞刺激活性(例
えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内
Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシト
ールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内タンパク質の
リン酸化、c-fos活性化、pHの低下などを促進する活
性または抑制する活性)を有する化合物(例えば、ペプ
チド、タンパク質、非ペプチド性化合物、合成化合物、
発酵生産物など)またはその塩を決定する方法である。
本発明のリガンド決定方法においては、本発明のレセプ
タータンパク質またはその部分ペプチドと試験化合物と
を接触させた場合の、例えば、該レセプタータンパク質
または該部分ペプチドに対する試験化合物の結合量や、
細胞刺激活性などを測定することを特徴とする。
【0049】より具体的には、本発明は、 標識した試験化合物を、本発明のレセプタータンパク
質もしくはその塩または本発明の部分ペプチドもしくは
その塩に接触させた場合における、標識した試験化合物
の該タンパク質もしくはその塩、または該部分ペプチド
もしくはその塩に対する結合量を測定することを特徴と
する本発明のレセプタータンパク質またはその塩に対す
るリガンドの決定方法、 標識した試験化合物を、本発明のレセプタータンパク
質を含有する細胞または該細胞の膜画分に接触させた場
合における、標識した試験化合物の該細胞または該膜画
分に対する結合量を測定することを特徴とする本発明の
レセプタータンパク質またはその塩に対するリガンドの
決定方法、 標識した試験化合物を、本発明のレセプタータンパク
質をコードするDNAを含有する形質転換体を培養する
ことによって細胞膜上に発現したレセプタータンパク質
に接触させた場合における、標識した試験化合物の該レ
セプタータンパク質またはその塩に対する結合量を測定
することを特徴とする本発明のレセプタータンパク質に
対するリガンドの決定方法、
【0050】試験化合物を、本発明のレセプタータン
パク質を含有する細胞に接触させた場合における、レセ
プタータンパク質を介した細胞刺激活性(例えば、アラ
キドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、
細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸
産生、細胞膜電位変動、細胞内タンパク質のリン酸化、
c-fosの活性化、pHの低下などを促進する活性または
抑制する活性など)を測定することを特徴とする本発明
のレセプタータンパク質またはその塩に対するリガンド
の決定方法、および 試験化合物を、本発明のレセプタータンパク質をコー
ドするDNAを含有する形質転換体を培養することによ
って細胞膜上に発現したレセプタータンパク質に接触さ
せた場合における、レセプタータンパク質を介する細胞
刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン
遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生
成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内
タンパク質のリン酸化、c-fosの活性化、pHの低下な
どを促進する活性または抑制する活性など)を測定する
ことを特徴とする本発明のレセプタータンパク質または
その塩に対するリガンドの決定方法を提供する。 特に、上記〜の試験を行ない、試験化合物が本発明
のレセプタータンパク質に結合することを確認した後
に、上記〜の試験を行なうことが好ましい。
【0051】まず、リガンド決定方法に用いるレセプタ
ータンパク質としては、上記した本発明のレセプタータ
ンパク質または本発明の部分ペプチドを含有するもので
あれば何れのものであってもよいが、動物細胞を用いて
大量発現させたレセプタータンパク質が適している。本
発明のレセプタータンパク質を製造するには、上記の発
現方法が用いられるが、該レセプタータンパク質をコー
ドするDNAを哺乳動物細胞や昆虫細胞で発現すること
により行なうことが好ましい。目的とするタンパク質部
分をコードするDNA断片には、通常、cDNAが用い
られるが、必ずしもこれに制約されるものではない。例
えば、遺伝子断片や合成DNAを用いてもよい。本発明
のレセプタータンパク質をコードするDNA断片を宿主
動物細胞に導入し、それらを効率よく発現させるために
は、該DNA断片を昆虫を宿主とするバキュロウイルス
に属する核多角体病ウイルス(nuclear polyhedrosis v
irus;NPV)のポリヘドリンプロモーター、SV40
由来のプロモーター、レトロウイルスのプロモーター、
メタロチオネインプロモーター、ヒトヒートショックプ
ロモーター、サイトメガロウイルスプロモーター、SR
αプロモーターなどの下流に組み込むのが好ましい。発
現したレセプターの量と質の検査は公知の方法で行うこ
とができる。例えば、文献〔Nambi,P.ら、ザ・ジャー
ナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J. Biol.
Chem.),267巻,19555〜19559頁,1992年〕に記載の
方法に従って行うことができる。
【0052】したがって、本発明のリガンド決定方法に
おいて、本発明のレセプタータンパク質もしくはその部
分ペプチドまたはその塩を含有するものとしては、公知
の方法に従って精製したレセプタータンパク質もしくは
その部分ペプチドまたはその塩であってもよいし、該レ
セプタータンパク質を含有する細胞またはその細胞膜画
分を用いてもよい。本発明のリガンド決定方法におい
て、本発明のレセプタータンパク質を含有する細胞を用
いる場合、該細胞をグルタルアルデヒド、ホルマリンな
どで固定化してもよい。固定化方法は公知の方法に従っ
て行なうことができる。本発明のレセプタータンパク質
を含有する細胞としては、本発明のレセプタータンパク
質を発現した宿主細胞をいうが、該宿主細胞としては、
大腸菌、枯草菌、酵母、昆虫細胞、動物細胞などが用い
られる。細胞膜画分としては、細胞を破砕した後、公知
の方法で得られる細胞膜が多く含まれる画分のことをい
う。細胞の破砕方法としては、Potter−Elvehjem型ホモ
ジナイザーで細胞を押し潰す方法、ワーリングブレンダ
ーやポリトロン(Kinematica社製)による破砕、超音波
による破砕、フレンチプレスなどで加圧しながら細胞を
細いノズルから噴出させることによる破砕などが挙げら
れる。細胞膜の分画には、分画遠心分離法や密度勾配遠
心分離法などの遠心力による分画法が主として用いられ
る。例えば、細胞破砕液を低速(500〜3000 rpm)で短
時間(通常、約1分〜10分)遠心し、上清をさらに高速
(15000〜30000 rpm)で通常30分〜2時間遠心し、得ら
れる沈澱を膜画分とする。該膜画分中には、発現したレ
セプタータンパク質と細胞由来のリン脂質や膜タンパク
質などの膜成分が多く含まれる。
【0053】該レセプタータンパク質を含有する細胞や
その膜画分中のレセプタータンパク質の量は、1細胞当
たり103〜108分子であるのが好ましく、105〜107分子で
あるのが好適である。なお、発現量が多いほど膜画分当
たりのリガンド結合活性(比活性)が高くなり、高感度
なスクリーニング系の構築が可能になるばかりでなく、
同一ロットで大量の試料を測定できるようになる。本発
明のレセプタータンパク質またはその塩に対するリガン
ドを決定する上記の〜の方法を実施するためには、
適当なレセプタータンパク質画分と、標識した試験化合
物が必要である。レセプタータンパク質画分としては、
天然型のレセプタータンパク質画分か、またはそれと同
等の活性を有する組換え型レセプター画分などが望まし
い。ここで、同等の活性とは、同等のリガンド結合活
性、シグナル情報伝達作用などを示す。標識した試験化
合物としては、〔3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕な
どで標識したアンギオテンシン、ボンベシン、カナビノ
イド、コレシストキニン、グルタミン、セロトニン、メ
ラトニン、ニューロペプチドY、オピオイド、プリン、
バソプレッシン、オキシトシン、PACAP(例、PA
CAP27、PACAP38)、セクレチン、グルカゴ
ン、カルシトニン、アドレノメジュリン、ソマトスタチ
ン、GHRH、CRF、ACTH、GRP、PTH、V
IP(バソアクティブ インテスティナル アンド リ
イテッド ポリペプチド)、ソマトスタチン、ドーパミ
ン、モチリン、アミリン、ブラジキニン、CGRP(カ
ルシトニンジーンリレーティッドペプチド)、ロイコト
リエン、パンクレアスタチン、プロスタグランジン、ト
ロンボキサン、アデノシン、アドレナリン、ケモカイン
スーパーファミリー(例、IL-8、GROα、GROβ、
GROγ、NAP-2、ENA-78、GCP-2、PF4、IP-10、Mig、P
BSF/SDF-1などのCXCケモカインサブファミリー;MCAF/M
CP-1、MCP-2、MCP-3、MCP-4、eotaxin、RANTES、MIP-1
α、MIP-1β、HCC-1、MIP-3α/LARC、MIP-3β/ELC、I-3
09、TARC、MIPF-1、MIPF-2/eotaxin-2、MDC、DC-CK1/PA
RC、SLCなどのCCケモカインサブファミリー;lymphot
actinなどのCケモカインサブファミリー;fractalkine
などのCX3ケモカインサブファミリー等)、エンドセ
リン、エンテロガストリン、ヒスタミン、ニューロテン
シン、TRH、パンクレアティックポリペプタイド、ガ
ラニン、リゾホスファチジン酸(LPA)、スフィンゴ
シン1−リン酸などが好適である。
【0054】具体的には、本発明のレセプタータンパク
質またはその塩に対するリガンドの決定方法を行なうに
は、まず本発明のレセプタータンパク質を含有する細胞
または細胞の膜画分を、決定方法に適したバッファーに
懸濁することによりレセプター標品を調製する。バッフ
ァーには、pH4〜10(望ましくはpH6〜8)のリン
酸バッファー、トリス−塩酸バッファーなどのリガンド
とレセプタータンパク質との結合を阻害しないバッファ
ーであればいずれでもよい。また、非特異的結合を低減
させる目的で、CHAPS、Tween-80TM(花王−アトラ
ス社)、ジギトニン、デオキシコレートなどの界面活性
剤やウシ血清アルブミンやゼラチンなどの各種タンパク
質をバッファーに加えることもできる。さらに、プロテ
アーゼによるリセプターやリガンドの分解を抑える目的
でPMSF、ロイペプチン、E-64(ペプチド研究所
製)、ペプスタチンなどのプロテアーゼ阻害剤を添加す
ることもできる。0.01〜10 mlの該レセプター溶液に、
一定量(5000〜500000 cpm)の〔3H〕、〔125I〕、〔14
C〕、〔35S〕などで標識した試験化合物を共存させる。
非特異的結合量(NSB)を知るために大過剰の未標識
の試験化合物を加えた反応チューブも用意する。反応は
約0℃〜50℃、望ましくは約4℃〜37℃で、約20分〜24
時間、望ましくは約30分〜3時間行なう。反応後、ガラ
ス繊維濾紙等で濾過し、適量の同バッファーで洗浄した
後、ガラス繊維濾紙に残存する放射活性を液体シンチレ
ーションカウンターあるいはγ−カウンターで計測す
る。全結合量(B)から非特異的結合量(NSB)を引
いたカウント(B−NSB)が0 cpmを越える試験化合
物を本発明のレセプタータンパク質またはその塩に対す
るリガンド(アゴニスト)として選択することができ
る。
【0055】本発明のレセプタータンパク質またはその
塩に対するリガンドを決定する上記の〜の方法を実
施するためには、該レセプタータンパク質を介する細胞
刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン
遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生
成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内
タンパク質のリン酸化、c-fosの活性化、pHの低下な
どを促進する活性または抑制する活性など)を公知の方
法または市販の測定用キットを用いて測定することがで
きる。具体的には、まず、レセプタータンパク質を含有
する細胞をマルチウェルプレート等に培養する。リガン
ド決定を行なうにあたっては前もって新鮮な培地あるい
は細胞に毒性を示さない適当なバッファーに交換し、試
験化合物などを添加して一定時間インキュベートした
後、細胞を抽出あるいは上清液を回収して、生成した産
物をそれぞれの方法に従って定量する。細胞刺激活性の
指標とする物質(例えば、アラキドン酸など)の生成
が、細胞が含有する分解酵素によって検定困難な場合
は、該分解酵素に対する阻害剤を添加してアッセイを行
なってもよい。また、cAMP産生抑制などの活性について
は、フォルスコリンなどで細胞の基礎的産生量を増大さ
せておいた細胞に対する産生抑制作用として検出するこ
とができる。
【0056】本発明のレセプタータンパク質またはその
塩に結合するリガンド決定用キットは、本発明のレセプ
タータンパク質もしくはその塩、本発明の部分ペプチド
もしくはその塩、本発明のレセプタータンパク質を含有
する細胞、または本発明のレセプタータンパク質を含有
する細胞の膜画分などを含有するものである。本発明の
リガンド決定用キットの例としては、次のものが挙げら
れる。 1. リガンド決定用試薬 測定用緩衝液および洗浄用緩衝液 Hanks' Balanced Salt Solution(ギブコ社製)に、0.0
5%のウシ血清アルブミン(シグマ社製)を加えたも
の。孔径0.45 μmのフィルターで濾過滅菌し、4℃で保
存するか、あるいは用時調製しても良い。 Gタンパク質共役型レセプタータンパク質標品 本発明のレセプタータンパク質を発現させたCHO細胞
を、12穴プレートに5×105個/穴で継代し、37℃、5%
CO2、95% airで2日間培養したもの。 標識試験化合物 市販の〔3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで標識
した化合物、または適当な方法で標識化したもの水溶液
の状態のものを4℃あるいは−20℃にて保存し、用時に
測定用緩衝液にて1 μMに希釈する。水に難溶性を示す
試験化合物については、ジメチルホルムアミド、DMS
O、メタノール等に溶解する。 非標識試験化合物 標識化合物と同じものを100〜1000倍濃い濃度に調製す
る。
【0057】2. 測定法 12穴組織培養用プレートにて培養した本発明のレセプ
タータンパク質発現CHO細胞を、測定用緩衝液1 ml
で2回洗浄した後、490 μlの測定用緩衝液を各穴に加
える。 標識試験化合物を5 μl加え、室温にて1時間反応さ
せる。非特異的結合量を知るためには非標識試験化合物
を5 μl加えておく。 反応液を除去し、1 mlの洗浄用緩衝液で3回洗浄す
る。細胞に結合した標識試験化合物を0.2N NaOH−1%
SDSで溶解し、4 mlの液体シンチレーターA(和光
純薬製)と混合する。 液体シンチレーションカウンター(ベックマンコール
ター社製)を用いて放射活性を測定する。
【0058】本発明のレセプタータンパク質またはその
塩に結合することができるリガンドとしては、例えば、
視床下部、大脳皮質、結腸癌、肺癌、心臓、胎盤、肺な
どに特異的に存在する物質などが挙げられ、具体的に
は、アンギオテンシン、ボンベシン、カナビノイド、コ
レシストキニン、グルタミン、セロトニン、メラトニ
ン、ニューロペプチドY、オピオイド、プリン、バソプ
レッシン、オキシトシン、PACAP(例、PACAP
27、PACAP38)、セクレチン、グルカゴン、カ
ルシトニン、アドレノメジュリン、ソマトスタチン、G
HRH、CRF、ACTH、GRP、PTH、VIP
(バソアクティブ インテスティナル アンドリイテッ
ド ポリペプチド)、ソマトスタチン、ドーパミン、モ
チリン、アミリン、ブラジキニン、CGRP(カルシト
ニンジーンリレーティッドペプチド)、ロイコトリエ
ン、パンクレアスタチン、プロスタグランジン、トロン
ボキサン、アデノシン、アドレナリン、ケモカインスー
パーファミリー(例、IL-8、GROα、GROβ、GR
Oγ、NAP-2、ENA-78、GCP-2、PF4、IP-10、Mig、PBSF/
SDF-1などのCXCケモカインサブファミリー;MCAF/MC
P-1、MCP-2、MCP-3、MCP-4、eotaxin、RANTES、MIP-1
α、MIP-1β、HCC-1、MIP-3α/LARC、MIP-3β/ELC、I-3
09、TARC、MIPF-1、MIPF-2/eotaxin-2、MDC、DC-CK1/PA
RC、SLCなどのCCケモカインサブファミリー;lymphot
actinなどのCケモカインサブファミリー;fractalkine
などのCX3ケモカインサブファミリー等)、エンドセ
リン、エンテロガストリン、ヒスタミン、ニューロテン
シン、TRH、パンクレアティックポリペプタイド、ガ
ラニン、リゾホスファチジン酸(LPA)、スフィンゴ
シン1−リン酸などが用いられる。
【0059】(2)本発明のGタンパク質共役型レセプ
タータンパク質の機能不全に関連する疾患の予防および
/または治療剤 上記(1)の方法において、本発明のレセプタータンパ
ク質に対するリガンドが明らかになれば、該リガンドが
有する作用に応じて、本発明のレセプタータンパク質
または該レセプタータンパク質をコードするDNA
を、本発明のレセプタータンパク質の機能不全に関連す
る疾患の予防および/または治療剤などの医薬として使
用することができる。例えば、生体内において本発明の
レセプタータンパク質が減少しているためにリガンドの
生理作用が期待できない(該レセプタータンパク質の欠
乏症)患者がいる場合に、本発明のレセプタータンパ
ク質を該患者に投与し該レセプタータンパク質の量を補
充したり、(イ)本発明のレセプタータンパク質をコ
ードするDNAを該患者に投与し発現させることによっ
て、あるいは(ロ)対象となる細胞に本発明のレセプタ
ータンパク質をコードするDNAを挿入し発現させた後
に、該細胞を該患者に移植することなどによって、患者
の体内におけるレセプタータンパク質の量を増加させた
りして、リガンドの作用を充分に発揮させることができ
る。すなわち、本発明のレセプタータンパク質をコード
するDNAは、安全で低毒性な本発明のレセプタータン
パク質の機能不全に関連する疾患の予防および/または
治療剤として有用である。本発明のレセプタータンパク
質は、低分子をリガンドとするレセプタータンパク質、
例えば、ロドプシン(アミノ酸レベルの相同性が23%)
(CRANDALL K.A.,and HILLIS D.M. NATURE 387:667-668
(1997))、5−ヒドロキシトリプタミンレセプター(WI
TZ P., AMLAIKY N., PLASSAT J.-L., MAROTEAUX L., BO
RRELLI E., and HEN R. PROC. NATL. ACAD. SCI. U.S.
A. 87:8940-8944(1990))、CC−ケモカインレセプタ
ー(Bonini,J.A., Martin,S.K., Dralyuk,F., Roe,M.
W., Philipson,L.H. and Steiner,D.F. "Cloning, expr
ession, and chromosomal mapping of a novel human C
C-chemokine receptor (CCR10) that displays high-af
finity binding for MCP-1 and MCP-3"DNA Cell Biol.
16 (10), 1249-1256 (1997))、κ型オピオイドレセプ
ター(CHEN Y., MESTEK A., LIU J., and YU L. BIOCHE
M. J. 295:625-628(1993):MINAMI M., TOYA T., KATAO
Y., MAEKAWA K.,NAKAMURA S., ONOGI T., KANEKO S.,
and SATOH M. FEBS LETT. 329:291-295(1993):LI S.,
ZHU J., CHEN C., CHEN Y.-W., DERIEL J.K., ASHBY
B., and LIU-CHEN L.- Y. BIOCHEM. J. 295:629-633(19
93))にアミノ酸配列レベルで相同性が認められる新規
7回膜貫通型レセプタータンパク質である。本発明のレ
セプタータンパク質または該レセプタータンパク質をコ
ードするDNAは中枢疾患(例えば、アルツハイマー
病、痴呆、摂食障害など)、内分泌疾患(例えば、高血圧
症、性腺機能異常、甲状腺機能異常、下垂体機能異常な
ど)、代謝疾患(例えば、糖尿病、脂質代謝異常、高脂血
症など)、癌(例えば、非小細胞肺癌、卵巣癌、前立腺
癌、胃癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸部癌、結腸癌、直腸癌
など)、循環器疾患(例えば、狭心症、心筋梗塞な
ど)、呼吸器系疾患(例えば、気道閉塞性疾患、感染性
肺疾患など)、消化器系疾患(例えば、胃潰瘍、十二指
腸潰瘍、胃炎、逆流性食道炎など)、免疫系疾患(例え
ば、自己免疫性疾患など)、炎症性疾患(例えば、アレ
ルギー、喘息、リュウマチなど)、感染症(例えば、免
疫機能不全、肺炎、インフルエンザなど)などの予防お
よび/または治療に有用である。本発明のレセプタータ
ンパク質を上記予防・治療剤として使用する場合は、常
套手段に従って製剤化することができる。一方、本発明
のレセプタータンパク質をコードするDNA(以下、本
発明のDNAと略記する場合がある)を上記予防・治療
剤として使用する場合は、本発明のDNAを単独あるい
はレトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、
アデノウイルスアソシエーテッドウイルスベクターなど
の適当なベクターに挿入した後、常套手段に従って実施
することができる。本発明のDNAは、そのままで、あ
るいは摂取促進のための補助剤とともに、遺伝子銃やハ
イドロゲルカテーテルのようなカテーテルによって投与
できる。例えば、本発明のレセプタータンパク質また
は該レセプタータンパク質をコードするDNAは、必
要に応じて糖衣を施した錠剤、カプセル剤、エリキシル
剤、マイクロカプセル剤などとして経口的に、あるいは
水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性
溶液、または懸濁液剤などの注射剤の形で非経口的に使
用できる。例えば、本発明のレセプタータンパク質ま
たは該レセプタータンパク質をコードするDNAを生
理学的に認められる公知の担体、香味剤、賦形剤、ベヒ
クル、防腐剤、安定剤、結合剤などとともに一般に認め
られた製剤実施に要求される単位用量形態で混和するこ
とによって製造することができる。これら製剤における
有効成分量は指示された範囲の適当な用量が得られるよ
うにするものである。
【0060】錠剤、カプセル剤などに混和することがで
きる添加剤としては、例えば、ゼラチン、コーンスター
チ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性
セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチ
ン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグ
ネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリ
ンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチ
ェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形態
がカプセルである場合には、上記タイプの材料にさらに
油脂のような液状担体を含有することができる。注射の
ための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性
物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油など
を溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って
処方することができる。注射用の水性液としては、例え
ば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張
液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩化
ナトリウムなど)などが用いられ、適当な溶解補助剤、
例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリアルコー
ル(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル)、非イオン性界面活性剤(例、ポリソルベート8
0TM、HCO-50)などと併用してもよい。油性液として
は、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いられ、溶解補助
剤である安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールなどと
併用してもよい。
【0061】また、上記予防・治療剤は、例えば、緩衝
剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝
液)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸
プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミ
ン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤(例えば、
ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸化防止剤な
どと配合してもよい。調製された注射液は通常、適当な
アンプルに充填される。このようにして得られる製剤は
安全で低毒性であるので、例えば、ヒトや非ヒト哺乳動
物(例えば、ラット、マウス、ウサギ、ヒツジ、ブタ、
ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与することが
できる。本発明のレセプタータンパク質の投与量は、投
与対象、対象臓器、症状、投与方法などにより差異はあ
るが、経口投与の場合、一般的に例えば、癌患者(60 k
gとして)においては、一日につき約0.1〜100 mg、好ま
しくは約1.0〜50 mg、より好ましくは約1.0〜20 mgであ
る。非経口的に投与する場合は、その1回投与量は投与
対象、対象臓器、症状、投与方法などによっても異なる
が、例えば、注射剤の形では通常例えば、癌患者(60 k
gとして)においては、一日につき約0.01〜30 mg程度、
好ましくは約0.1〜20 mg程度、より好ましくは約0.1〜1
0 mg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。
他の動物の場合も、60 kg当たりに換算した量を投与す
ることができる。本発明のDNAの投与量は、投与対
象、対象臓器、症状、投与方法などにより差異はある
が、経口投与の場合、一般的に例えば、癌患者(60 kg
として)においては、一日につき約0.1〜100 mg、好ま
しくは約1.0〜50 mg、より好ましくは約1.0〜20 mgであ
る。非経口的に投与する場合は、その1回投与量は投与
対象、対象臓器、症状、投与方法などによっても異なる
が、例えば、注射剤の形では通常例えば、癌患者(60 k
gとして)においては、一日につき約0.01〜30 mg程度、
好ましくは約0.1〜20 mg程度、より好ましくは約0.1〜1
0 mg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。
他の動物の場合も、60 kg当たりに換算した量を投与す
ることができる。
【0062】(3)遺伝子診断剤 本発明のDNAは、プローブとして使用することによ
り、ヒトまたは非ヒト哺乳動物(例えば、ラット、マウ
ス、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルな
ど)における本発明のレセプタータンパク質またはその
部分ペプチドをコードするDNAまたはmRNAの異常
(遺伝子異常)を検出することができるので、例えば、
該DNAまたはmRNAの損傷、突然変異あるいは発現
低下や、該DNAまたはmRNAの増加あるいは発現過
多などの遺伝子診断剤として有用である。本発明のDN
Aを用いる上記の遺伝子診断は、例えば、公知のノーザ
ンハイブリダイゼーションやPCR−SSCP法(ゲノミック
ス(Genomics),第5巻,874〜879頁(1989年)、プロ
シージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オ
ブ・サイエンシイズ・オブ・ユーエスエー(Proceeding
s of the National Academyof Sciences of the United
States of America),第86巻,2766〜2770頁(1989
年))などにより実施することができる。
【0063】(4)本発明のレセプタータンパク質また
はその部分ペプチドの発現量を変化させる化合物のスク
リーニング方法 本発明のDNAは、プローブとして用いることにより、
本発明のレセプタータンパク質またはその部分ペプチド
の発現量を変化させる化合物のスクリーニングに用いる
ことができる。すなわち、本発明は、例えば、(i)非
ヒト哺乳動物の血液、特定の臓器、臓器から単離
した組織もしくは細胞、または(ii)形質転換体等に含
まれる本発明のレセプタータンパク質またはその部分ペ
プチドのmRNA量を測定することによる、本発明のレ
セプタータンパク質またはその部分ペプチドの発現量を
変化させる化合物のスクリーニング方法を提供する。
【0064】本発明のレセプタータンパク質またはその
部分ペプチドのmRNA量の測定は具体的には以下のよ
うにして行なう。 (i)正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物(例え
ば、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネ
コ、イヌ、サルなど、より具体的には痴呆ラット、肥満
マウス、動脈硬化ウサギ、担癌マウスなど)に対して、
薬剤(例えば、抗痴呆薬、血圧低下薬、抗癌剤、抗肥満
薬など)あるいは物理的ストレス(例えば、浸水ストレ
ス、電気ショック、明暗、低温など)などを与え、一定
時間経過した後に、血液、あるいは特定の臓器(例え
ば、脳、肺、大腸など)、または臓器から単離した組
織、あるいは細胞を得る。得られた細胞に含まれる本発
明のレセプタータンパク質またはその部分ペプチドのm
RNAは、例えば、通常の方法により細胞等からmRN
Aを抽出し、例えば、TaqMan PCRなどの手法を用いるこ
とにより定量することができ、公知の手段によりノザン
ブロットを行うことにより解析することもできる。 (ii)本発明のレセプタータンパク質もしくはその部分
ペプチドを発現する形質転換体を上記の方法に従い作製
し、該形質転換体に含まれる本発明のレセプタータンパ
ク質またはその部分ペプチドのmRNAを同様にして定
量、解析することができる。
【0065】本発明のレセプタータンパク質またはその
部分ペプチドの発現量を変化させる化合物のスクリーニ
ングは、(i)正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物
に対して、薬剤あるいは物理的ストレスなどを与える一
定時間前(30分前〜24時間前、好ましくは30分前〜12時
間前、より好ましくは1時間前〜6時間前)もしくは一
定時間後(30分後〜3日後、好ましくは1時間後〜2日
後、より好ましくは1時間後〜24時間後)、または薬剤
あるいは物理的ストレスと同時に被検化合物を投与し、
投与後一定時間経過後(30分後〜3日後、好ましくは1
時間後〜2日後、より好ましくは1時間後〜24時間
後)、細胞に含まれる本発明のレセプタータンパク質ま
たはその部分ペプチドのmRNA量を定量、解析するこ
とにより行なうことができ、(ii)形質転換体を常法に
従い培養する際に被検化合物を培地中に混合させ、一定
時間培養後(1日後〜7日後、好ましくは1日後〜3日
後、より好ましくは2日後〜3日後)、該形質転換体に
含まれる本発明のレセプタータンパク質またはその部分
ペプチドのmRNA量を定量、解析することにより行な
うことができる。
【0066】本発明のスクリーニング方法を用いて得ら
れる化合物またはその塩は、本発明のレセプタータンパ
ク質またはその部分ペプチドの発現量を変化させる作用
を有する化合物であり、具体的には、(イ)本発明のレ
セプタータンパク質またはその部分ペプチドの発現量を
増加させることにより、Gタンパク質共役型レセプター
を介する細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、ア
セチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、
細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位
変動、細胞内タンパク質のリン酸化、c-fosの活性化、
pHの低下などを促進する活性または抑制する活性な
ど)を増強させる化合物、(ロ)本発明のレセプタータ
ンパク質またはその部分ペプチドの発現量を減少させる
ことにより、該細胞刺激活性を減弱させる化合物であ
る。該化合物としては、ペプチド、タンパク、非ペプチ
ド性化合物、合成化合物、発酵生産物などが挙げられ、
これら化合物は新規な化合物であってもよいし、公知の
化合物であってもよい。該細胞刺激活性を増強させる化
合物は、本発明のレセプタータンパク質等の生理活性を
増強するための安全で低毒性な医薬として有用である。
該細胞刺激活性を減弱させる化合物は、本発明のレセプ
タータンパク質等の生理活性を減少させるための安全で
低毒性な医薬として有用である。
【0067】本発明のスクリーニング方法を用いて得ら
れる化合物またはその塩を医薬組成物として使用する場
合、常套手段に従って実施することができる。例えば、
上記した本発明のレセプタータンパク質を含有する医薬
と同様にして、錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイ
クロカプセル剤、無菌性溶液、懸濁液剤などとすること
ができる。このようにして得られる製剤は安全で低毒性
であるので、例えば、ヒトや非ヒト哺乳動物(例えば、
ラット、マウス、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、
イヌ、サルなど)に対して投与することができる。該化
合物またはその塩の投与量は、投与対象、対象臓器、症
状、投与方法などにより差異はあるが、経口投与の場
合、一般的に、例えば、癌患者(60 kgとして)におい
ては、一日につき約0.1〜100 mg、好ましくは約1.0〜50
mg、より好ましくは約1.0〜20 mgである。非経口的に
投与する場合は、その1回投与量は投与対象、対象臓
器、症状、投与方法などによっても異なるが、例えば、
注射剤の形では通常例えば、癌患者(60 kgとして)に
おいては、一日につき約0.01〜30mg程度、好ましくは約
0.1〜20 mg程度、より好ましくは約0.1〜10 mg程度を静
脈注射により投与するのが好都合である。他の動物の場
合も、60 kg当たりに換算した量を投与することができ
る。
【0068】(5)本発明のレセプタータンパク質また
はその部分ペプチドの発現量を変化させる化合物を含有
する各種疾病の予防および/または治療剤 本発明のレセプタータンパク質は上記のとおり、例え
ば、中枢機能など生体内で何らかの重要な役割を果たし
ていると考えられる。したがって、本発明のレセプター
タンパク質またはその部分ペプチドの発現量を変化させ
る化合物は、本発明のレセプタータンパク質の機能不全
に関連する疾患の予防および/または治療剤として用い
ることができる。該化合物を本発明のレセプタータンパ
ク質の機能不全に関連する疾患の予防および/または治
療剤として使用する場合は、常套手段に従って製剤化す
ることができる。例えば、該化合物は、必要に応じて糖
衣を施した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロ
カプセル剤などとして経口的に、あるいは水もしくはそ
れ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、または
懸濁液剤などの注射剤の形で非経口的に使用できる。例
えば、該化合物を生理学的に認められる公知の担体、香
味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、結合剤など
とともに一般に認められた製剤実施に要求される単位用
量形態で混和することによって製造することができる。
これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当
な用量が得られるようにするものである。
【0069】錠剤、カプセル剤などに混和することがで
きる添加剤としては、例えば、ゼラチン、コーンスター
チ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性
セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチ
ン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグ
ネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリ
ンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチ
ェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形態
がカプセルである場合には、上記タイプの材料にさらに
油脂のような液状担体を含有することができる。注射の
ための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性
物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油など
を溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って
処方することができる。注射用の水性液としては、例え
ば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張
液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩化
ナトリウムなど)などが用いられ、適当な溶解補助剤、
例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリアルコー
ル(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル)、非イオン性界面活性剤(例、ポリソルベート8
0TM、HCO-50)などと併用してもよい。油性液として
は、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いられ、溶解補助
剤である安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールなどと
併用してもよい。
【0070】また、上記予防・治療剤は、例えば、緩衝
剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝
液)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸
プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミ
ン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤(例えば、
ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸化防止剤な
どと配合してもよい。調製された注射液は通常、適当な
アンプルに充填される。このようにして得られる製剤は
安全で低毒性であるので、例えば、ヒトや非ヒト哺乳動
物(例えば、ラット、マウス、ウサギ、ヒツジ、ブタ、
ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与することが
できる。該化合物またはその塩の投与量は、投与対象、
対象臓器、症状、投与方法などにより差異はあるが、経
口投与の場合、一般的に例えば、癌患者(60 kgとし
て)においては、一日につき約0.1〜100 mg、好ましく
は約1.0〜50 mg、より好ましくは約1.0〜20 mgである。
非経口的に投与する場合は、その1回投与量は投与対
象、対象臓器、症状、投与方法などによっても異なる
が、例えば、注射剤の形では通常例えば、癌症患者(60
kgとして)においては、一日につき約0.01〜30mg程
度、好ましくは約0.1〜20 mg程度、より好ましくは約0.
1〜10 mg程度を静脈注射により投与するのが好都合であ
る。他の動物の場合も、60 kg当たりに換算した量を投
与することができる。
【0071】(6)本発明のGタンパク質共役型レセプ
タータンパク質に対するリガンドの定量法 本発明のレセプタータンパク質等は、リガンドに対して
結合性を有しているので、生体内におけるリガンド濃度
を感度良く定量することができる。本発明の定量法は、
例えば、競合法と組み合わせることによって用いること
ができる。すなわち、被検体を本発明のレセプタータン
パク質等と接触させることによって被検体中のリガンド
濃度を測定することができる。具体的には、例えば、以
下のまたはなどに記載の方法あるいはそれに準じる
方法に従って用いることができる。 入江寛編「ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和49
年発行) 入江寛編「続ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和
54年発行)
【0072】(7)本発明のGタンパク質共役型レセプ
タータンパク質とリガンドとの結合性を変化させる化合
物(アゴニスト、アンタゴニストなど)のスクリーニン
グ方法 本発明のレセプタータンパク質等を用いるか、または組
換え型レセプタータンパク質等の発現系を構築し、該発
現系を用いたレセプター結合アッセイ系を用いることに
よって、リガンドと本発明のレセプタータンパク質等と
の結合性を変化させる化合物(例えば、ペプチド、タン
パク質、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物
など)またはその塩を効率よくスクリーニングすること
ができる。このような化合物には、(イ)Gタンパク質
共役型レセプターを介して細胞刺激活性(例えば、アラ
キドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、
細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸
産生、細胞膜電位変動、細胞内タンパク質のリン酸化、
c-fosの活性化、pHの低下などを促進する活性または
抑制する活性など)を有する化合物(いわゆる、本発明
のレセプタータンパク質に対するアゴニスト)、(ロ)
該細胞刺激活性を有しない化合物(いわゆる、本発明の
レセプタータンパク質に対するアンタゴニスト)、
(ハ)リガンドと本発明のGタンパク質共役型レセプタ
ータンパク質との結合力を増強する化合物、あるいは
(ニ)リガンドと本発明のGタンパク質共役型レセプタ
ータンパク質との結合力を減少させる化合物などが含ま
れる(なお、上記(イ)の化合物は、上記したリガンド
決定方法によってスクリーニングすることが好まし
い)。すなわち、本発明は、(i)本発明のレセプター
タンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩と、
リガンドとを接触させた場合と(ii)本発明のレセプタ
ータンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩
と、リガンドおよび試験化合物とを接触させた場合との
比較を行なうことを特徴とするリガンドと本発明のレセ
プタータンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその
塩との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリ
ーニング方法を提供する。本発明のスクリーニング方法
においては、(i)と(ii)の場合における、例えば、
該レセプタータンパク質等に対するリガンドの結合量、
細胞刺激活性などを測定して、比較することを特徴とす
る。
【0073】より具体的には、本発明は、 標識したリガンドを、本発明のレセプタータンパク質
等に接触させた場合と、標識したリガンドおよび試験化
合物を本発明のレセプタータンパク質等に接触させた場
合における、標識したリガンドの該レセプタータンパク
質等に対する結合量を測定し、比較することを特徴とす
るリガンドと本発明のレセプタータンパク質等との結合
性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方
法、 標識したリガンドを、本発明のレセプタータンパク質
等を含有する細胞または該細胞の膜画分に接触させた場
合と、標識したリガンドおよび試験化合物を本発明のレ
セプタータンパク質等を含有する細胞または該細胞の膜
画分に接触させた場合における、標識したリガンドの該
細胞または該膜画分に対する結合量を測定し、比較する
ことを特徴とするリガンドと本発明のレセプタータンパ
ク質等との結合性を変化させる化合物またはその塩のス
クリーニング方法、 標識したリガンドを、本発明のDNAを含有する形質
転換体を培養することによって細胞膜上に発現したレセ
プタータンパク質等に接触させた場合と、標識したリガ
ンドおよび試験化合物を本発明のDNAを含有する形質
転換体を培養することによって細胞膜上に発現した本発
明のレセプタータンパク質等に接触させた場合におけ
る、標識したリガンドの該レセプタータンパク質等に対
する結合量を測定し、比較することを特徴とするリガン
ドと本発明のレセプタータンパク質等との結合性を変化
させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
【0074】本発明のレセプタータンパク質等を活性
化する化合物(例えば、本発明のレセプタータンパク質
等に対するリガンドなど)を本発明のレセプタータンパ
ク質等を含有する細胞に接触させた場合と、本発明のレ
セプタータンパク質等を活性化する化合物および試験化
合物を本発明のレセプタータンパク質等を含有する細胞
に接触させた場合における、レセプターを介した細胞刺
激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊
離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生
成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内
タンパク質のリン酸化、c-fosの活性化、pHの低下な
どを促進する活性または抑制する活性など)を測定し、
比較することを特徴とするリガンドと本発明のレセプタ
ータンパク質等との結合性を変化させる化合物またはそ
の塩のスクリーニング方法、および 本発明のレセプタータンパク質等を活性化する化合物
(例えば、本発明のレセプタータンパク質等に対するリ
ガンドなど)を本発明のDNAを含有する形質転換体を
培養することによって細胞膜上に発現した本発明のレセ
プタータンパク質等に接触させた場合と、本発明のレセ
プタータンパク質等を活性化する化合物および試験化合
物を本発明のDNAを含有する形質転換体を培養するこ
とによって細胞膜上に発現した本発明のレセプタータン
パク質等に接触させた場合における、レセプターを介す
る細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチル
コリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内
cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、
細胞内タンパク質のリン酸化、c-fosの活性化、pHの
低下などを促進する活性または抑制する活性など)を測
定し、比較することを特徴とするリガンドと本発明のレ
セプタータンパク質等との結合性を変化させる化合物ま
たはその塩のスクリーニング方法を提供する。
【0075】本発明のレセプタータンパク質等が得られ
る以前は、Gタンパク質共役型レセプターアゴニストま
たはアンタゴニストをスクリーニングする場合、まずラ
ットなどのGタンパク質共役型レセプタータンパク質を
含む細胞、組織またはその細胞膜画分を用いて候補化合
物を得て(一次スクリーニング)、その後に該候補化合
物が実際にヒトのGタンパク質共役型レセプタータンパ
ク質とリガンドとの結合を阻害するか否かを確認する試
験(二次スクリーニング)が必要であった。細胞、組織
または細胞膜画分をそのまま用いれば他のレセプタータ
ンパク質も混在するために、目的とするレセプタータン
パク質に対するアゴニストまたはアンタゴニストを実際
に直接的にスクリーニングすることは困難であった。し
かしながら、例えば、本発明のヒト由来レセプタータン
パク質を用いることによって、一次スクリーニングの必
要がなくなり、リガンドとGタンパク質共役型レセプタ
ータンパク質との結合を阻害する化合物を効率良くスク
リーニングすることができる。さらに、スクリーニング
された化合物がアゴニストかアンタゴニストかを簡便に
評価することができる。本発明のスクリーニング方法の
具体的な説明を以下にする。まず、本発明のスクリーニ
ング方法に用いる本発明のレセプタータンパク質等とし
ては、上記した本発明のレセプタータンパク質等を含有
するものであれば何れのものであってもよいが、本発明
のレセプタータンパク質等を含有する哺乳動物の臓器の
細胞膜画分が好適である。しかし、特にヒト由来の臓器
は入手が極めて困難なことから、スクリーニングに用い
られるものとしては、組換え体を用いて大量発現させた
ヒト由来のレセプタータンパク質等などが適している。
【0076】本発明のレセプタータンパク質等を製造す
るには、上記の方法が用いられるが、本発明のDNAを
哺乳細胞や昆虫細胞で発現することにより行なうことが
好ましい。目的とするタンパク質部分をコードするDN
A断片にはcDNAが用いられるが、必ずしもこれに制
約されるものではない。例えば、遺伝子断片や合成DN
Aを用いてもよい。本発明のレセプタータンパク質をコ
ードするDNA断片を宿主動物細胞に導入し、それらを
効率よく発現させるためには、該DNA断片を昆虫を宿
主とするバキュロウイルスに属する核多角体病ウイルス
(nuclear polyhedrosis virus;NPV)のポリヘドリ
ンプロモーター、SV40由来のプロモーター、レトロ
ウイルスのプロモーター、メタロチオネインプロモータ
ー、ヒトヒートショックプロモーター、サイトメガロウ
イルスプロモーター、SRαプロモーターなどの下流に
組み込むのが好ましい。発現したレセプターの量と質の
検査は公知の方法で行うことができる。例えば、文献
〔Nambi,P.ら、ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカ
ル・ケミストリー(J. Biol. Chem.),267巻, 19555〜1
9559頁, 1992年〕に記載の方法に従って行なうことがで
きる。したがって、本発明のスクリーニング方法におい
て、本発明のレセプタータンパク質等を含有するものと
しては、公知の方法に従って精製したレセプタータンパ
ク質等であってもよいし、該レセプタータンパク質等を
含有する細胞を用いてもよく、また該レセプタータンパ
ク質等を含有する細胞の膜画分を用いてもよい。
【0077】本発明のスクリーニング方法において、本
発明のレセプタータンパク質等を含有する細胞を用いる
場合、該細胞をグルタルアルデヒド、ホルマリンなどで
固定化してもよい。固定化方法は公知の方法に従って行
なうことができる。本発明のレセプタータンパク質等を
含有する細胞としては、該レセプタータンパク質等を発
現した宿主細胞をいうが、該宿主細胞としては、大腸
菌、枯草菌、酵母、昆虫細胞、動物細胞などが好まし
い。細胞膜画分としては、細胞を破砕した後、公知の方
法で得られる細胞膜が多く含まれる画分のことをいう。
細胞の破砕方法としては、Potter−Elvehjem型ホモジナ
イザーで細胞を押し潰す方法、ワーリングブレンダーや
ポリトロン(Kinematica社製)のよる破砕、超音波によ
る破砕、フレンチプレスなどで加圧しながら細胞を細い
ノズルから噴出させることによる破砕などが挙げられ
る。細胞膜の分画には、分画遠心分離法や密度勾配遠心
分離法などの遠心力による分画法が主として用いられ
る。例えば、細胞破砕液を低速(500〜3000 rpm)で短
時間(通常、約1〜10分)遠心し、上清をさらに高速
(15000〜30000 rpm)で通常30分〜2時間遠心し、得ら
れる沈澱を膜画分とする。該膜画分中には、発現したレ
セプタータンパク質等と細胞由来のリン脂質や膜タンパ
ク質などの膜成分が多く含まれる。該レセプタータンパ
ク質等を含有する細胞や膜画分中のレセプタータンパク
質の量は、1細胞当たり103〜108分子であるのが好まし
く、105〜107分子であるのが好適である。なお、発現量
が多いほど膜画分当たりのリガンド結合活性(比活性)
が高くなり、高感度なスクリーニング系の構築が可能に
なるばかりでなく、同一ロットで大量の試料を測定でき
るようになる。
【0078】リガンドと本発明のレセプタータンパク質
等との結合性を変化させる化合物をスクリーニングする
上記の〜を実施するためには、例えば、適当なレセ
プタータンパク質画分と、標識したリガンドが必要であ
る。レセプタータンパク質画分としては、天然型のレセ
プタータンパク質画分か、またはそれと同等の活性を有
する組換え型レセプタータンパク質画分などが望まし
い。ここで、同等の活性とは、同等のリガンド結合活
性、シグナル情報伝達作用などを示す。標識したリガン
ドとしては、標識したリガンド、標識したリガンドアナ
ログ化合物などが用いられる。例えば〔3H〕、
125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで標識されたリガンド
などが用いられる。具体的には、リガンドと本発明のレ
セプタータンパク質等との結合性を変化させる化合物の
スクリーニングを行なうには、まず本発明のレセプター
タンパク質等を含有する細胞または細胞の膜画分を、ス
クリーニングに適したバッファーに懸濁することにより
レセプタータンパク質標品を調製する。バッファーに
は、pH4〜10(望ましくはpH6〜8)のリン酸バッ
ファー、トリス−塩酸バッファーなどのリガンドとレセ
プタータンパク質との結合を阻害しないバッファーであ
ればいずれでもよい。また、非特異的結合を低減させる
目的で、CHAPS、Tween-80TM(花王−アトラス
社)、ジギトニン、デオキシコレートなどの界面活性剤
をバッファーに加えることもできる。さらに、プロテア
ーゼによるレセプターやリガンドの分解を抑える目的で
PMSF、ロイペプチン、E-64(ペプチド研究所製)、
ペプスタチンなどのプロテアーゼ阻害剤を添加すること
もできる。0.01〜10 mlの該レセプター溶液に、一定量
(5000〜500000 cpm)の標識したリガンドを添加し、同
時に10-4〜10-10 Mの試験化合物を共存させる。非特異
的結合量(NSB)を知るために大過剰の未標識のリガ
ンドを加えた反応チューブも用意する。反応は約0℃か
ら50℃、望ましくは約4℃から37℃で、約20分から24時
間、望ましくは約30分から3時間行う。反応後、ガラス
繊維濾紙等で濾過し、適量の同バッファーで洗浄した
後、ガラス繊維濾紙に残存する放射活性を液体シンチレ
ーションカウンターまたはγ−カウンターで計測する。
拮抗する物質がない場合のカウント(B0)から非特異的
結合量(NSB)を引いたカウント(B0−NSB)を10
0%とした時、特異的結合量(B−NSB)が、例えば、
50%以下になる試験化合物を拮抗阻害能力のある候補物
質として選択することができる。
【0079】リガンドと本発明のレセプタータンパク質
等との結合性を変化させる化合物スクリーニングする上
記の〜の方法を実施するためには、例えば、レセプ
タータンパク質を介する細胞刺激活性(例えば、アラキ
ドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細
胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産
生、細胞膜電位変動、細胞内タンパク質のリン酸化、c-
fosの活性化、pHの低下などを促進する活性または抑
制する活性など)を公知の方法または市販の測定用キッ
トを用いて測定することができる。具体的には、まず、
本発明のレセプタータンパク質等を含有する細胞をマル
チウェルプレート等に培養する。スクリーニングを行な
うにあたっては前もって新鮮な培地あるいは細胞に毒性
を示さない適当なバッファーに交換し、試験化合物など
を添加して一定時間インキュベートした後、細胞を抽出
あるいは上清液を回収して、生成した産物をそれぞれの
方法に従って定量する。細胞刺激活性の指標とする物質
(例えば、アラキドン酸など)の生成が、細胞が含有す
る分解酵素によって検定困難な場合は、該分解酵素に対
する阻害剤を添加してアッセイを行なってもよい。ま
た、cAMP産生抑制などの活性については、フォルスコリ
ンなどで細胞の基礎的産生量を増大させておいた細胞に
対する産生抑制作用として検出することができる。細胞
刺激活性を測定してスクリーニングを行なうには、適当
なレセプタータンパク質を発現した細胞が必要である。
本発明のレセプタータンパク質等を発現した細胞として
は、天然型の本発明のレセプタータンパク質等を有する
細胞株、上記の組換え型レセプタータンパク質等を発現
した細胞株などが望ましい。試験化合物としては、例え
ば、ペプチド、タンパク、非ペプチド性化合物、合成化
合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織
抽出液などが用いられ、これら化合物は新規な化合物で
あってもよいし、公知の化合物であってもよい。
【0080】リガンドと本発明のレセプタータンパク質
等との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリ
ーニング用キットは、本発明のレセプタータンパク質
等、本発明のレセプタータンパク質等を含有する細胞、
または本発明のレセプタータンパク質等を含有する細胞
の膜画分を含有するものなどである。本発明のスクリー
ニング用キットの例としては、次のものが挙げられる。 1. スクリーニング用試薬 測定用緩衝液および洗浄用緩衝液 Hanks' Balanced Salt Solution(ギブコ社製)に、0.0
5%のウシ血清アルブミン(シグマ社製)を加えたも
の。孔径0.45 μmのフィルターで濾過滅菌し、4℃で保
存するか、あるいは用時調製しても良い。 Gタンパク質共役型レセプター標品 本発明のレセプタータンパク質を発現させたCHO細胞
を、12穴プレートに5×105個/穴で継代し、37℃、5%
CO2、95% airで2日間培養したもの。 標識リガンド 市販の〔3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで標識
したリガンド 水溶液の状態のものを4℃あるいは−20℃にて保存し、
用時に測定用緩衝液にて1 μMに希釈する。 リガンド標準液 リガンドを0.1% ウシ血清アルブミン(シグマ社製)を
含むPBSで1 mMとなるように溶解し、−20℃で保存す
る。
【0081】2. 測定法 12穴組織培養用プレートにて培養した本発明のレセプ
タータンパク質発現CHO細胞を、測定用緩衝液1 ml
で2回洗浄した後、490 μlの測定用緩衝液を各穴に加
える。 10-3〜10-10 Mの試験化合物溶液を5 μl加えた後、
標識リガンドを5 μl加え、室温にて1時間反応させ
る。非特異的結合量を知るためには試験化合物の代わり
に10-3 Mのリガンドを5 μl加えておく。 反応液を除去し、1 mlの洗浄用緩衝液で3回洗浄す
る。細胞に結合した標識リガンドを0.2N NaOH−1% S
DSで溶解し、4 mlの液体シンチレーターA(和光純
薬製)と混合する。 液体シンチレーションカウンター(ベックマンコール
ター社製)を用いて放射活性を測定し、Percent Maximu
m Binding(PMB)を次の式で求める。 PMB=[(B−NSB)/(B0−NSB)]×100 PMB:Percent Maximum Binding B :検体を加えた時の値 NSB:Non-specific Binding(非特異的結合量) B0 :最大結合量
【0082】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
は、リガンドと本発明のレセプタータンパク質等との結
合性を変化させる作用を有する化合物であり、具体的に
は、(イ)Gタンパク質共役型レセプターを介して細胞
刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン
遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生
成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内
タンパク質のリン酸化、c-fosの活性化、pHの低下な
どを促進する活性または抑制する活性など)を有する化
合物(いわゆる、本発明のレセプタータンパク質に対す
るアゴニスト)、(ロ)該細胞刺激活性を有しない化合
物(いわゆる、本発明のレセプタータンパク質に対する
アンタゴニスト)、(ハ)リガンドと本発明のGタンパ
ク質共役型レセプタータンパク質との結合力を増強する
化合物、あるいは(ニ)リガンドと本発明のGタンパク
質共役型レセプタータンパク質との結合力を減少させる
化合物である。該化合物としては、ペプチド、タンパ
ク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物など
が挙げられ、これら化合物は新規な化合物であってもよ
いし、公知の化合物であってもよい。本発明のレセプタ
ータンパク質等に対するアゴニストは、本発明のレセプ
タータンパク質等に対するリガンドが有する生理活性と
同様の作用を有しているので、該リガンド活性に応じて
安全で低毒性な医薬として有用である。本発明のレセプ
タータンパク質等に対するアンタゴニストは、本発明の
レセプタータンパク質等に対するリガンドが有する生理
活性を抑制することができるので、該リガンド活性を抑
制する安全で低毒性な医薬として有用である。リガンド
と本発明のGタンパク質共役型レセプタータンパク質と
の結合力を増強する化合物は、本発明のレセプタータン
パク質等に対するリガンドが有する生理活性を増強する
ための安全で低毒性な医薬として有用である。リガンド
と本発明のGタンパク質共役型レセプタータンパク質と
の結合力を減少させる化合物は、本発明のレセプタータ
ンパク質等に対するリガンドが有する生理活性を減少さ
せるための安全で低毒性な医薬として有用である。
【0083】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
を上記の医薬組成物として使用する場合、常套手段に従
って実施することができる。例えば、上記した本発明の
レセプタータンパク質を含有する医薬と同様にして、錠
剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤、
無菌性溶液、懸濁液剤などとすることができる。このよ
うにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、例え
ば、ヒトや非ヒト哺乳動物(例えば、ラット、ウサギ、
ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して
投与することができる。該化合物またはその塩の投与量
は、投与対象、対象臓器、症状、投与方法などにより差
異はあるが、経口投与の場合、一般的に例えば、癌患者
(60 kgとして)においては、一日につき約0.1〜100 m
g、好ましくは約1.0〜50 mg、より好ましくは約1.0〜20
mgである。非経口的に投与する場合は、その1回投与
量は投与対象、対象臓器、症状、投与方法などによって
も異なるが、例えば、注射剤の形では通常例えば、癌患
者(60 kgとして)においては、一日につき約0.01〜30
mg程度、好ましくは約0.1〜20 mg程度、より好ましくは
約0.1〜10 mg程度を静脈注射により投与するのが好都合
である。他の動物の場合も、60 kg当たりに換算した量
を投与することができる。
【0084】(8)本発明のGタンパク質共役型レセプ
タータンパク質とリガンドとの結合性を変化させる化合
物(アゴニスト、アンタゴニスト)を含有する各種疾病
の予防および/または治療剤 本発明のレセプタータンパク質は上記のとおり、例えば
中枢機能、循環機能、消化機能、心機能など生体内で何
らかの重要な役割を果たしていると考えられる。従っ
て、本発明のレセプタータンパク質とリガンドとの結合
性を変化させる化合物(アゴニスト、アンタゴニスト)
や本発明のレセプタータンパク質に対するリガンドは、
本発明のレセプタータンパク質の機能不全に関連する疾
患の予防および/または治療剤として用いることができ
る。該化合物やリガンドを本発明のレセプタータンパク
質の機能不全に関連する疾患の予防および/または治療
剤として使用する場合は、常套手段に従って製剤化する
ことができる。例えば、該化合物やリガンドは、必要に
応じて糖衣を施した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、
マイクロカプセル剤などとして経口的に、あるいは水も
しくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶
液、または懸濁液剤などの注射剤の形で非経口的に使用
できる。例えば、該化合物を生理学的に認められる公知
の担体、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、
結合剤などとともに一般に認められた製剤実施に要求さ
れる単位用量形態で混和することによって製造すること
ができる。これら製剤における有効成分量は指示された
範囲の適当な用量が得られるようにするものである。
【0085】錠剤、カプセル剤などに混和することがで
きる添加剤としては、例えば、ゼラチン、コーンスター
チ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性
セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチ
ン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグ
ネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリ
ンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチ
ェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形態
がカプセルである場合には、上記タイプの材料にさらに
油脂のような液状担体を含有することができる。注射の
ための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性
物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油など
を溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って
処方することができる。注射用の水性液としては、例え
ば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張
液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩化
ナトリウムなど)などが用いられ、適当な溶解補助剤、
例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリアルコー
ル(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル)、非イオン性界面活性剤(例、ポリソルベート8
0TM、HCO-50)などと併用してもよい。油性液として
は、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いられ、溶解補助
剤である安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールなどと
併用してもよい。
【0086】また、上記予防・治療剤は、例えば、緩衝
剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝
液)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸
プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミ
ン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤(例えば、
ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸化防止剤な
どと配合してもよい。調製された注射液は通常、適当な
アンプルに充填される。さらに、上記予防・治療剤は適
当な薬剤と組み合わせて例えば本発明のレセプタータン
パク質が高発現している臓器や組織を特異的なターゲッ
トとしたDDS製剤として使用することもできる。この
ようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、例
えば、ヒトや非ヒト哺乳動物(例えば、ラット、マウ
ス、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルな
ど)に対して投与することができる。該化合物またはそ
の塩の投与量は、投与対象、対象臓器、症状、投与方法
などにより差異はあるが、経口投与の場合、一般的に例
えば、癌患者(60 kgとして)においては、一日につき
約0.1〜100 mg、好ましくは約1.0〜50 mg、より好まし
くは約1.0〜20 mgである。非経口的に投与する場合は、
その1回投与量は投与対象、対象臓器、症状、投与方法
などによっても異なるが、例えば、注射剤の形では通常
例えば、癌患者(60 kgとして)においては、一日につ
き約0.01〜30 mg程度、好ましくは約0.1〜20 mg程度、
より好ましくは約0.1〜10 mg程度を静脈注射により投与
するのが好都合である。他の動物の場合も、60 kg当た
りに換算した量を投与することができる。
【0087】(9)本発明のレセプタータンパク質もし
くはその部分ペプチドまたはその塩の定量 本発明の抗体は、本発明のレセプタータンパク質等を特
異的に認識することができるので、被検液中の本発明の
レセプタータンパク質等の定量、特にサンドイッチ免疫
測定法による定量などに使用することができる。すなわ
ち、本発明は、例えば、(i)本発明の抗体と、被検液
および標識化レセプタータンパク質等とを競合的に反応
させ、該抗体に結合した標識化レセプタータンパク質等
の割合を測定することを特徴とする被検液中の本発明の
レセプタータンパク質等の定量法、(ii)被検液と担体
上に不溶化した本発明の抗体および標識化された本発明
の抗体とを同時あるいは連続的に反応させたのち、不溶
化担体上の標識剤の活性を測定することを特徴とする被
検液中の本発明のレセプタータンパク質等の定量法を提
供する。上記(ii)においては、一方の抗体が本発明の
レセプタータンパク質等のN端部を認識する抗体で、他
方の抗体が本発明のレセプタータンパク質等のC端部に
反応する抗体であることが好ましい。
【0088】本発明のレセプタータンパク質等に対する
モノクローナル抗体(以下、本発明のモノクローナル抗
体と称する場合がある)を用いて本発明のレセプタータ
ンパク質等の測定を行なえるほか、組織染色等による検
出を行なうこともできる。これらの目的には、抗体分子
そのものを用いてもよく、また、抗体分子のF(ab')2、F
ab'、あるいはFab画分を用いてもよい。本発明のレセプ
タータンパク質等に対する抗体を用いる測定法は、特に
制限されるべきものではなく、被測定液中の抗原量(例
えば、レセプタータンパク質量)に対応した抗体、抗原
もしくは抗体−抗原複合体の量を化学的または物理的手
段により検出し、これを既知量の抗原を含む標準液を用
いて作製した標準曲線より算出する測定法であれば、い
ずれの測定法を用いてもよい。例えば、ネフロメトリ
ー、競合法、イムノメトリック法およびサンドイッチ法
が好適に用いられるが、感度、特異性の点で、後に記載
するサンドイッチ法を用いるのが特に好ましい。標識物
質を用いる測定法に用いられる標識剤としては、例え
ば、放射性同位元素、酵素、蛍光物質、発光物質などが
用いられる。放射性同位元素としては、例えば、
125I〕、〔131I〕、〔3H〕、〔14C〕などが用いられ
る。上記酵素としては、安定で比活性の大きなものが好
ましく、例えば、β−ガラクトシダーゼ、β−グルコシ
ダーゼ、アルカリフォスファターゼ、パーオキシダー
ゼ、リンゴ酸脱水素酵素などが用いられる。蛍光物質と
しては、例えば、フルオレスカミン、フルオレッセンイ
ソチオシアネートなどが用いられる。発光物質として
は、例えば、ルミノール、ルミノール誘導体、ルシフェ
リン、ルシゲニンなどが用いられる。さらに、抗体ある
いは抗原と標識剤との結合にビオチン−アビジン系を用
いることもできる。
【0089】抗原あるいは抗体の不溶化に当っては、物
理吸着を用いてもよく、また通常、タンパク質あるいは
酵素等を不溶化、固定化するのに用いられる化学結合を
用いる方法でもよい。担体としては、例えば、アガロー
ス、デキストラン、セルロースなどの不溶性多糖類、ポ
リスチレン、ポリアクリルアミド、シリコン等の合成樹
脂、あるいはガラス等が用いられる。サンドイッチ法に
おいては不溶化した本発明のモノクローナル抗体に被検
液を反応させ(一次反応)、さらに標識化した本発明の
モノクローナル抗体を反応させ(二次反応)た後、不溶
化担体上の標識剤の活性を測定することにより被検液中
の本発明のレセプタータンパク質量を定量することがで
きる。一次反応と二次反応は逆の順序に行なっても、ま
た、同時に行なってもよいし時間をずらして行なっても
よい。標識化剤および不溶化の方法は上記のそれらに準
じることができる。また、サンドイッチ法による免疫測
定法において、固相用抗体あるいは標識用抗体に用いら
れる抗体は必ずしも1種類である必要はなく、測定感度
を向上させる等の目的で2種類以上の抗体の混合物を用
いてもよい。本発明のサンドイッチ法によるレセプター
タンパク質等の測定法においては、一次反応と二次反応
に用いられる本発明のモノクローナル抗体はレセプター
タンパク質等の結合する部位が相異なる抗体が好ましく
用いられる。すなわち、一次反応および二次反応に用い
られる抗体は、例えば、二次反応で用いられる抗体が、
レセプタータンパク質のC端部を認識する場合、一次反
応で用いられる抗体は、好ましくはC端部以外、例えば
N端部を認識する抗体が用いられる。
【0090】本発明のモノクローナル抗体をサンドイッ
チ法以外の測定システム、例えば、競合法、イムノメト
リック法あるいはネフロメトリーなどに用いることがで
きる。競合法では、被検液中の抗原と標識抗原とを抗体
に対して競合的に反応させたのち、未反応の標識抗原と
(F)と抗体と結合した標識抗原(B)とを分離し(B/F
分離)、B、F何れかの標識量を測定し、被検液中の抗
原量を定量する。本反応法には、抗体として可溶性抗体
を用い、B/F分離をポリエチレングリコール、上記抗体
に対する第2抗体などを用いる液相法、および、第1抗
体として固相化抗体を用いるか、あるいは、第1抗体は
可溶性のものを用い第2抗体として固相化抗体を用いる
固相化法とが用いられる。イムノメトリック法では、被
検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の標識化抗体に対
して競合反応させた後固相と液相を分離するか、あるい
は、被検液中の抗原と過剰量の標識化抗体とを反応さ
せ、次に固相化抗原を加え未反応の標識化抗体を固相に
結合させたのち、固相と液相を分離する。次に、何れか
の相の標識量を測定し被検液中の抗原量を定量する。ま
た、ネフロメトリーでは、ゲル内あるいは溶液中で抗原
抗体反応の結果、生じた不溶性の沈降物の量を測定す
る。被検液中の抗原量が僅かであり、少量の沈降物しか
得られない場合にもレーザーの散乱を利用するレーザー
ネフロメトリーなどが好適に用いられる。
【0091】これら個々の免疫学的測定法を本発明の測
定方法に適用するにあたっては、特別の条件、操作等の
設定は必要とされない。それぞれの方法における通常の
条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本発
明のレセプタータンパク質またはその塩の測定系を構築
すればよい。これらの一般的な技術手段の詳細について
は、総説、成書などを参照することができる〔例えば、
入江 寛編「ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和49
年発行)、入江 寛編「続ラジオイムノアッセイ」(講
談社、昭和54年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定
法」(医学書院、昭和53年発行)、石川栄治ら編「酵素
免疫測定法」(第2版)(医学書院、昭和57年発行)、
石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第3版)(医学書
院、昭和62年発行)、「メソッズ・イン・エンザイモロ
ジー(Methods in ENZYMOLOGY)」 Vol.70 (Immunochem
ical Techniques (Part A))、 同書 Vol. 73 (Immunoch
emicalTechniques (Part B))、 同書 Vol. 74 (Immunoc
hemical Techniques (Part C))、同書 Vol. 84 (Immuno
chemical Techniques (Part D:Selected Immunoassay
s))、 同書 Vol. 92 (Immunochemical Techniques (Par
t E:Monoclonal Antibodies and General Immunoassay
Methods))、 同書 Vol. 121 (Immunochemical Techniqu
es (Part I:Hybridoma TechnoloGy and Monoclonal Ant
ibodies))(以上、アカデミックプレス社発行)など参
照〕。以上のように、本発明の抗体を用いることによっ
て、本発明のレセプタータンパク質またはその塩を感度
良く定量することができる。さらに、本発明の抗体を用
いて、生体内での本発明のレセプタータンパク質またそ
の塩を定量することによって、本発明のレセプタータン
パク質の機能不全に関連する各種疾患の診断をすること
ができる。また、本発明の抗体は、体液や組織などの被
検体中に存在する本発明のレセプタータンパク質等を特
異的に検出するために使用することができる。また、本
発明のレセプタータンパク質等を精製するために使用す
る抗体カラムの作製、精製時の各分画中の本発明のレセ
プタータンパク質等の検出、被検細胞内における本発明
のレセプタータンパク質の挙動の分析などのために使用
することができる。
【0092】(10)細胞膜における本発明のレセプター
タンパク質またはその部分ペプチドの量を変化させる化
合物のスクリーニング方法 本発明の抗体は、本発明のレセプタータンパク質もしく
はその部分ペプチドまたはその塩を特異的に認識するこ
とができるので、細胞膜における本発明のレセプタータ
ンパク質またはその部分ペプチドの量を変化させる化合
物のスクリーニングに用いることができる。すなわち本
発明は、例えば、(i)非ヒト哺乳動物の血液、特
定の臓器、臓器から単離した組織もしくは細胞等を破
壊した後、細胞膜画分を単離し、細胞膜画分に含まれる
本発明のレセプタータンパク質またはその部分ペプチド
を定量することによる、細胞膜における本発明のレセプ
タータンパク質またはその部分ペプチドの量を変化させ
る化合物のスクリーニング方法、(ii)本発明のレセプ
タータンパク質もしくはその部分ペプチドを発現する形
質転換体等を破壊した後、細胞膜画分を単離し、細胞膜
画分に含まれる本発明のレセプタータンパク質またはそ
の部分ペプチドを定量することによる、細胞膜における
本発明のレセプタータンパク質またはその部分ペプチド
の量を変化させる化合物のスクリーニング方法、(ii
i)非ヒト哺乳動物の血液、特定の臓器、臓器か
ら単離した組織もしくは細胞等を切片とした後、免疫染
色法を用いることにより、細胞表層での該レセプタータ
ンパク質の染色度合いを定量化することにより、細胞膜
上の該タンパク質を確認することによる、細胞膜におけ
る本発明のレセプタータンパク質またはその部分ペプチ
ドの量を変化させる化合物のスクリーニング方法を提供
する。(iv)本発明のレセプタータンパク質もしくはそ
の部分ペプチドを発現する形質転換体等を切片とした
後、免疫染色法を用いることにより、細胞表層での該レ
セプタータンパク質の染色度合いを定量化することによ
り、細胞膜上の該タンパク質を確認することによる、細
胞膜における本発明のレセプタータンパク質またはその
部分ペプチドの量を変化させる化合物のスクリーニング
方法を提供する。
【0093】細胞膜画分に含まれる本発明のレセプター
タンパク質またはその部分ペプチドの定量は具体的には
以下のようにして行なう。(i)正常あるいは疾患モデ
ル非ヒト哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、
ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど、より具体
的には痴呆ラット、肥満マウス、動脈硬化ウサギ、担癌
マウスなど)に対して、薬剤(例えば、抗痴呆薬、血圧
低下薬、抗癌剤、抗肥満薬など)あるいは物理的ストレ
ス(例えば、浸水ストレス、電気ショック、明暗、低温
など)などを与え、一定時間経過した後に、血液、ある
いは特定の臓器(例えば、脳、肺、大腸など)、または
臓器から単離した組織、あるいは細胞を得る。得られた
臓器、組織または細胞等を、例えば、適当な緩衝液(例
えば、トリス塩酸緩衝液、リン酸緩衝液、ヘペス緩衝液
など)等に懸濁し、臓器、組織あるいは細胞を破壊し、
界面活性剤(例えば、トリトンX100TM、ツイーン20TM
ど)などを用い、さらに遠心分離や濾過、カラム分画な
どの手法を用いて細胞膜画分を得る。
【0094】細胞膜画分としては、細胞を破砕した後、
公知の方法で得られる細胞膜が多く含まれる画分のこと
をいう。細胞の破砕方法としては、Potter−Elvehjem型
ホモジナイザーで細胞を押し潰す方法、ワーリングブレ
ンダーやポリトロン(Kinematica社製)のよる破砕、超
音波による破砕、フレンチプレスなどで加圧しながら細
胞を細いノズルから噴出させることによる破砕などが挙
げられる。細胞膜の分画には、分画遠心分離法や密度勾
配遠心分離法などの遠心力による分画法が主として用い
られる。例えば、細胞破砕液を低速(500〜3000 rpm)
で短時間(通常、約1〜10分)遠心し、上清をさらに高
速(15000〜30000 rpm)で通常30分〜2時間遠心し、得
られる沈澱を膜画分とする。該膜画分中には、発現した
レセプタータンパク質等と細胞由来のリン脂質や膜タン
パク質などの膜成分が多く含まれる。
【0095】細胞膜画分に含まれる本発明のレセプター
タンパク質またはその部分ペプチドは、例えば、本発明
の抗体を用いたサンドイッチ免疫測定法、ウエスタンブ
ロット解析などにより定量することができる。かかるサ
ンドイッチ免疫測定法は上記の方法と同様にして行なう
ことができ、ウエスタンブロットは公知の手段により行
なうことができる。
【0096】(ii)本発明のレセプタータンパク質もし
くはその部分ペプチドを発現する形質転換体を上記の方
法に従い作製し、細胞膜画分に含まれる本発明のレセプ
タータンパク質またはその部分ペプチドを定量すること
ができる。
【0097】細胞膜における本発明のレセプタータンパ
ク質またはその部分ペプチドの量を変化させる化合物の
スクリーニングは、(i)正常あるいは疾患モデル非ヒ
ト哺乳動物に対して、薬剤あるいは物理的ストレスなど
を与える一定時間前(30分前〜24時間前、好ましくは30
分前〜12時間前、より好ましくは1時間前〜6時間前)
もしくは一定時間後(30分後〜3日後、好ましくは1時
間後〜2日後、より好ましくは1時間後〜24時間後)、
または薬剤あるいは物理的ストレスと同時に被検化合物
を投与し、投与後一定時間経過後(30分後〜3日後、好
ましくは1時間後〜2日後、より好ましくは1時間後〜
24時間後)、細胞膜における本発明のレセプタータンパ
ク質またはその部分ペプチドの量を定量することにより
行なうことができ、(ii)形質転換体を常法に従い培養
する際に被検化合物を培地中に混合させ、一定時間培養
後(1日後〜7日後、好ましくは1日後〜3日後、より
好ましくは2日後〜3日後)、細胞膜における本発明の
レセプタータンパク質またはその部分ペプチドの量を定
量することにより行なうことができる。
【0098】細胞膜画分に含まれる本発明のレセプター
タンパク質またはその部分ペプチドの確認は具体的には
以下のようにして行なう。(iii)正常あるいは疾患モ
デル非ヒト哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ウサ
ギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど、より
具体的には痴呆ラット、肥満マウス、動脈硬化ウサギ、
担癌マウスなど)に対して、薬剤(例えば、抗痴呆薬、
血圧低下薬、抗癌剤、抗肥満薬など)あるいは物理的ス
トレス(例えば、浸水ストレス、電気ショック、明暗、
低温など)などを与え、一定時間経過した後に、血液、
あるいは特定の臓器(例えば、心臓、胎盤、肺など)、
または臓器から単離した組織、あるいは細胞を得る。得
られた臓器、組織または細胞等を、常法に従い組織切片
とし、本発明の抗体を用いて免疫染色を行う。細胞表層
での該レセプタータンパク質の染色度合いを定量化する
ことにより、細胞膜上の該タンパク質を確認することに
より、定量的または定性的に、細胞膜における本発明の
レセプタータンパク質またはその部分ペプチドの量を確
認することができる。(iv)本発明のレセプタータンパ
ク質もしくはその部分ペプチドを発現する形質転換体等
を用いて同様の手段をとることにより確認することもで
きる。
【0099】本発明のスクリーニング方法を用いて得ら
れる化合物またはその塩は、細胞膜における本発明のレ
セプタータンパク質またはその部分ペプチドの量を変化
させる作用を有する化合物であり、具体的には、(イ)
細胞膜における本発明のレセプタータンパク質またはそ
の部分ペプチドの量を増加させることにより、Gタンパ
ク質共役型レセプターを介する細胞刺激活性(例えば、
アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+
離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリ
ン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内タンパク質のリン酸
化、c-fosの活性化、pHの低下などを促進する活性ま
たは抑制する活性など)を増強させる化合物、(ロ)細
胞膜における本発明のレセプタータンパク質またはその
部分ペプチドの量を減少させることにより、該細胞刺激
活性を減弱させる化合物である。該化合物としては、ペ
プチド、タンパク、非ペプチド性化合物、合成化合物、
発酵生産物などが挙げられ、これら化合物は新規な化合
物であってもよいし、公知の化合物であってもよい。該
細胞刺激活性を増強させる化合物は、本発明のレセプタ
ータンパク質等の生理活性を増強するための安全で低毒
性な医薬として有用である。該細胞刺激活性を減弱させ
る化合物は、本発明のレセプタータンパク質等の生理活
性を減少させるための安全で低毒性な医薬として有用で
ある。
【0100】本発明のスクリーニング方法を用いて得ら
れる化合物またはその塩を医薬組成物として使用する場
合、常套手段に従って実施することができる。例えば、
上記した本発明のレセプタータンパク質を含有する医薬
と同様にして、錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイ
クロカプセル剤、無菌性溶液、懸濁液剤などとすること
ができる。このようにして得られる製剤は安全で低毒性
であるので、例えば、ヒトや非ヒト哺乳動物(例えば、
ラット、マウス、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、
イヌ、サルなど)に対して投与することができる。該化
合物またはその塩の投与量は、投与対象、対象臓器、症
状、投与方法などにより差異はあるが、経口投与の場
合、一般的に例えば、癌患者(60 kgとして)において
は、一日につき約0.1〜100 mg、好ましくは約1.0〜50 m
g、より好ましくは約1.0〜20 mgである。非経口的に投
与する場合は、その1回投与量は投与対象、対象臓器、
症状、投与方法などによっても異なるが、例えば、注射
剤の形では通常例えば、癌患者(60 kgとして)におい
ては、一日につき約0.01〜30 mg程度、好ましくは約0.1
〜20 mg程度、より好ましくは約0.1〜10 mg程度を静脈
注射により投与するのが好都合である。他の動物の場合
も、60 kg当たりに換算した量を投与することができ
る。
【0101】(11)細胞膜における本発明のレセプター
タンパク質またはその部分ペプチドの量を変化させる化
合物を含有する各種疾病の予防および/または治療剤 本発明のレセプタータンパク質は上記のとおり、例え
ば、心臓または中枢機能など生体内で何らかの重要な役
割を果たしていると考えられる。したがって、細胞膜に
おける本発明のレセプタータンパク質またはその部分ペ
プチドの量を変化させる化合物は、本発明のレセプター
タンパク質の機能不全に関連する疾患の予防および/ま
たは治療剤として用いることができる。該化合物を本発
明のレセプタータンパク質の機能不全に関連する疾患の
予防および/または治療剤として使用する場合は、常套
手段に従って製剤化することができる。例えば、該化合
物は、必要に応じて糖衣を施した錠剤、カプセル剤、エ
リキシル剤、マイクロカプセル剤などとして経口的に、
あるいは水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得る液と
の無菌性溶液、または懸濁液剤などの注射剤の形で非経
口的に使用できる。例えば、該化合物を生理学的に認め
られる公知の担体、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐
剤、安定剤、結合剤などとともに一般に認められた製剤
実施に要求される単位用量形態で混和することによって
製造することができる。これら製剤における有効成分量
は指示された範囲の適当な用量が得られるようにするも
のである。
【0102】錠剤、カプセル剤などに混和することがで
きる添加剤としては、例えば、ゼラチン、コーンスター
チ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性
セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチ
ン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグ
ネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリ
ンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチ
ェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形態
がカプセルである場合には、上記タイプの材料にさらに
油脂のような液状担体を含有することができる。注射の
ための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性
物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油など
を溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って
処方することができる。注射用の水性液としては、例え
ば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張
液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩化
ナトリウムなど)などが用いられ、適当な溶解補助剤、
例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリアルコー
ル(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル)、非イオン性界面活性剤(例、ポリソルベート8
0TM、HCO-50)などと併用してもよい。油性液として
は、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いられ、溶解補助
剤である安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールなどと
併用してもよい。
【0103】また、上記予防・治療剤は、例えば、緩衝
剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝
液)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸
プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミ
ン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤(例えば、
ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸化防止剤な
どと配合してもよい。調製された注射液は通常、適当な
アンプルに充填される。このようにして得られる製剤は
安全で低毒性であるので、例えば、ヒトや非ヒト哺乳動
物(例えば、ラット、マウス、ウサギ、ヒツジ、ブタ、
ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与することが
できる。該化合物またはその塩の投与量は、投与対象、
対象臓器、症状、投与方法などにより差異はあるが、経
口投与の場合、一般的に例えば、癌患者(60 kgとし
て)においては、一日につき約0.1〜100 mg、好ましく
は約1.0〜50 mg、より好ましくは約1.0〜20 mgである。
非経口的に投与する場合は、その1回投与量は投与対
象、対象臓器、症状、投与方法などによっても異なる
が、例えば、注射剤の形では通常例えば、癌患者(60 k
gとして)においては、一日につき約0.01〜30 mg程度、
好ましくは約0.1〜20 mg程度、より好ましくは約0.1〜1
0 mg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。
他の動物の場合も、60 kg当たりに換算した量を投与す
ることができる。
【0104】(12)本発明のレセプタータンパク質、そ
の部分ペプチドまたはそれらの塩に対する抗体による中
和 本発明のレセプタータンパク質もしくはその部分ペプチ
ドまたはその塩に対する抗体の、それらレセプタータン
パク質などに対する中和活性とは、すなわち、該レセプ
タータンパク質の関与するシグナル伝達機能を不活性化
する活性を意味する。従って、該抗体が中和活性を有す
る場合は、該レセプタータンパク質の関与するシグナル
伝達、例えば、該レセプタータンパク質を介する細胞刺
激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊
離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生
成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内
タンパク質のリン酸化、c-fosの活性化、pHの低下な
どを促進する活性または抑制する活性など)を不活性化
することができる。したがって、該レセプタータンパク
質の過剰発現などに起因する疾患の予防および/または
治療に用いることができる。
【0105】(13)本発明のGタンパク質共役型レセプ
タータンパク質をコードするDNAを有するトランスジ
ェニック動物の作出 本発明のDNAを用いて、本発明のレセプタータンパク
質等を発現するトランスジェニック動物を作出すること
ができる。動物としては、哺乳動物(例えば、ラット、
マウス、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サ
ルなど)など(以下、動物と略記する場合がある)が挙
げられるが、特に、マウス、ウサギなどが好適である。
本発明のDNAを対象動物に導入するにあたっては、該
DNAを動物細胞で発現させうるプロモーターの下流に
結合した遺伝子コンストラクトとして用いるのが一般に
有利である。例えば、ウサギ由来の本発明のDNAを導
入する場合、これと相同性が高い動物由来の本発明のD
NAを動物細胞で発現させうる各種プロモーターの下流
に結合した遺伝子コンストラクトを、例えば、ウサギ受
精卵へマイクロインジェクションすることによって本発
明のレセプタータンパク質等を高産生するDNA導入動
物を作出できる。このプロモーターとしては、例えば、
ウイルス由来プロモーター、メタロチオネイン等のユビ
キアスな発現プロモーターも使用しうるが、好ましくは
心臓で特異的に発現する遺伝子のプロモーターが用いら
れる。
【0106】受精卵細胞段階における本発明のDNAの
導入は、対象動物の胚芽細胞および体細胞の全てに存在
するように確保される。DNA導入後の作出動物の胚芽
細胞において本発明のレセプタータンパク質等が存在す
ることは、作出動物の子孫が全てその胚芽細胞および体
細胞の全てに本発明のレセプタータンパク質等を有する
ことを意味する。遺伝子を受け継いだこの種の動物の子
孫はその胚芽細胞および体細胞の全てに本発明のレセプ
タータンパク質等を有する。本発明のDNA導入動物
は、交配により遺伝子を安定に保持することを確認し
て、該DNA保有動物として通常の飼育環境で飼育継代
を行うことができる。さらに、目的DNAを保有する雌
雄の動物を交配することにより、導入遺伝子を相同染色
体の両方に持つホモザイゴート動物を取得し、この雌雄
の動物を交配することによりすべての子孫が該DNAを
有するように繁殖継代することができる。本発明のDN
Aが導入された動物は、本発明のレセプタータンパク質
等が高発現させられているので、本発明のレセプタータ
ンパク質等に対するアゴニストまたはアンタゴニストの
スクリーニング用の動物などとして有用である。本発明
のDNA導入動物を、組織培養のための細胞源として使
用することもできる。例えば、本発明のDNA導入マウ
スの組織中のDNAもしくはRNAを直接分析するか、
あるいは遺伝子により発現された本発明のレセプタータ
ンパク質が存在する組織を分析することにより、本発明
のレセプタータンパク質等について分析することができ
る。本発明のレセプタータンパク質等を有する組織の細
胞を標準組織培養技術により培養し、これらを使用し
て、例えば、脳や末梢組織由来のような一般に培養困難
な組織からの細胞の機能を研究することができる。ま
た、その細胞を用いることにより、例えば、各種組織の
機能を高めるような医薬の選択も可能である。また、高
発現細胞株があれば、そこから、本発明のレセプタータ
ンパク質等を単離精製することも可能である。
【0107】本明細書および図面において、塩基やアミ
ノ酸などを略号で表示する場合、その表示は、IUPAC-IU
B Commission on Biochemical Nomenclatureによる略号
あるいは当該分野における慣用略号に基づくものであ
る。その例を以下に示す。またアミノ酸に関し光学異性
体があり得る場合は、特に明示しなければL体を示すも
のとする。
【0108】Gly :グリシン Ala :アラニン Val :バリン Leu :ロイシン Ile :イソロイシン Ser :セリン Thr :スレオニン Cys :システイン Met :メチオニン Glu :グルタミン酸 Asp :アスパラギン酸 Lys :リジン Arg :アルギニン His :ヒスチジン Phe :フェニルアラニン Tyr :チロシン Trp :トリプトファン Pro :プロリン Asn :アスパラギン Gln :グルタミン pGlu :ピログルタミン酸 Me :メチル基 Et :エチル基 Bu :ブチル基 Ph :フェニル基 TC :チアゾリジン−4(R)−カルボキサミド基
【0109】また、本明細書中で繁用される置換基、保
護基および試薬を下記の記号で表記する。 Tos :p−トルエンスルフォニル CHO :ホルミル Bzl :ベンジル Cl2Bzl :2,6−ジクロロベンジル Bom :ベンジルオキシメチル Z :ベンジルオキシカルボニル Cl-Z :2−クロロベンジルオキシカルボニル Br-Z :2−ブロモベンジルオキシカルボニル Boc :t−ブトキシカルボニル DNP :ジニトロフェノール Trt :トリチル Bum :t−ブトキシメチル Fmoc :N-9−フルオレニルメトキシカルボニル HOBt :1−ヒドロキシベンズトリアゾール HOOBt :3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリア ジン HONB :1−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド DCC :N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド
【0110】本明細書の配列表の配列番号は、以下の配
列を示す。 配列番号:1 本発明のヒト由来新規Gタンパク質共役型レセプタータ
ンパク質TGR31のアミノ酸配列を示す。 配列番号:2 本発明のヒト由来新規Gタンパク質共役型レセプタータ
ンパク質TGR31をコードするcDNAの塩基配列を示
す。 配列番号:3 以下の実施例1におけるPCR反応で使用したプライマ
ー1の塩基配列を示す。 配列番号:4 以下の実施例1におけるPCR反応で使用したプライマ
ー2の塩基配列を示す。 配列番号:5 以下の実施例2におけるPCR反応で使用したプライマ
ー1の塩基配列を示す。 配列番号:6 以下の実施例2におけるPCR反応で使用したプライマ
ー2の塩基配列を示す。 配列番号:7 以下の実施例2におけるPCR反応で使用したプローブ
の塩基配列を示す。
【0111】以下の実施例1で得られた形質転換体、大
腸菌(Escherichia coli)TOP10/pCR2.1-hTGR31は、2
001年(平成13年)3月5日から茨城県つくば市東
1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−856
6)の独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託
センター(旧 経済産業省産業技術総合研究所生命工学
工業技術研究所(NIBH))に寄託番号FERM B
P−7488として、2001年(平成13年)2月2
0日から大阪府大阪市淀川区十三本町2−17−85
(郵便番号532−8686)の財団法人・発酵研究所
(IFO)に寄託番号IFO 16575として寄託さ
れている。
【0112】
【実施例】以下に実施例を示して、本発明をより詳細に
説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものでは
ない。なお、大腸菌を用いての遺伝子操作法は、モレキ
ュラー・クローニング(Molecular cloning)に記載され
ている方法に従った。
【0113】実施例1 ヒト胎盤のGタンパク質共役型
レセプタータンパク質をコードするcDNAのクローニ
ングと塩基配列の決定 ヒト胎盤cDNA(CLONTECH社)を鋳型とし、2個のプ
ライマー、プライマー1(配列番号:3)およびプライ
マー2(配列番号:4)を用いてPCR反応を行った。
該反応における反応液の組成は上記cDNAを1/10量鋳
型として使用し、Advantage-GC2 Polymerase Mix (ク
ロンテック社(CLONTECH社))1/50量、プライマー1(配
列番号:3)およびプライマー2(配列番号:4)を各
0.5 μM、dNTPsを200 μM、および酵素に添付のバッ
ファーを1/5量、GC Meltを1/5量加え、20 μlの液量と
した。PCR反応は、94℃・5分の後、94℃・30秒、60
℃・30秒、68℃・4分のサイクルを35回繰り返し、最後
に68℃・5分の伸長反応を行った。該PCR反応産物を
TAクローニングキット(インビトロジェン社(Invitro
gen社))の処方に従いプラスミドベクターpCR2.1(イン
ビトロジェン社)へサブクローニングした。これを大腸
菌TOP10に導入し、cDNAを持つクローンをアンピシ
リン含有LB寒天培地中で選択した。個々のクローンの
配列を解析した結果、新規Gタンパク質共役型レセプタ
ータンパク質をコードするcDNA配列(配列番号:
2)を得た。また、このアミノ酸配列(配列番号:1)
を含有する新規Gタンパク質共役型レセプタータンパク
質をTGR31と命名した。また形質転換体を大腸菌(Esche
richia coli)TOP10/pCR2.1-hTGR31と命名した。
【0114】実施例2 TGR31のヒト組織における
発現分布解析 TGR31のヒト組織における発現分布解析はTaqMan P
CR法を用いることにより調べた。鋳型としては、各臓器
のHuman Poly A+ RNA(クロンテック社)をSMART PCR c
DNA Synthesis Kit(クロンテック社)で調製したcDNA
ライブラリーを用いた。PCR用プライマーとしてプライ
マー1(配列:5)及びプライマー2(配列番号:6)
を、また配列番号:7を有するプローブを使用してTaqM
an PCRを行った。該反応における反応液組成は、TaqMan
Universal PCR Master Mix(アプライドバイオシステ
ムズジャパン)を12.5μl、10μM のプライマー1とプ
ライマー2を各0.5μl、5μMのプローブを1μl、鋳型を
2μl、蒸留水を8.5μlの合計25μlであり、PCR反応
は、50℃・2分、95℃・10分保持した後、95℃・15秒、
60℃・1分のサイクルを40回繰り返した。得られた結果
より標準化に用いたβ-アクチン1×105当たりのコピー
数として算出した値を図2に示す。これよりTGR31
の発現量は、胎盤・肝臓で高く発現していることがわか
った。
【0115】
【発明の効果】本発明のGタンパク質共役型レセプター
タンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩、該
レセプタータンパク質またはその部分ペプチドをコード
するポリヌクレオチド(例えば、DNA、RNAおよび
それらの誘導体)は、リガンド(アゴニスト)の決
定、抗体および抗血清の入手、組換え型レセプター
タンパク質の発現系の構築、同発現系を用いたレセプ
ター結合アッセイ系の開発と医薬品候補化合物のスクリ
ーニング、構造的に類似したリガンド・レセプターと
の比較にもとづいたドラッグデザインの実施、遺伝子
診断におけるプローブやPCRプライマーの作成のため
の試薬、トランスジェニック動物の作出または遺伝
子治療剤等の医薬等として用いることができる。
【0116】
【配列表】 <110> Takeda Chemical Industries, Ltd. <120> Novel G Protein-Coupled Receptor and its DNA <130> P01-0282 <150> JP 2001-10814 <151> 2001-01-18 <150> JP 2001-102558 <151> 2001-03-30 <160> 7 <210> 1 <211> 318 <212> PRT <213> Human <400> 1 Met Asn Gly Asp His Met Val Leu Gly Ser Ser Val Thr Asp Lys Lys 5 10 15 Ala Ile Ile Leu Val Thr Ile Leu Leu Leu Leu Arg Leu Val Ala Ile 20 25 30 Ala Gly Asn Gly Phe Ile Thr Ala Ala Leu Gly Val Glu Trp Val Leu 35 40 45 Arg Arg Met Leu Leu Pro Cys Asp Lys Leu Leu Val Ser Leu Gly Ala 50 55 60 Ser Arg Phe Cys Leu Gln Ser Val Val Met Gly Lys Thr Ile Tyr Val 65 70 75 80 Phe Leu His Pro Met Ala Phe Pro Tyr Asn Pro Val Leu Gln Phe Leu 85 90 95 Ala Phe Gln Trp Asp Phe Leu Asn Ala Ala Thr Leu Trp Ser Ser Thr 100 105 110 Trp Leu Ser Val Phe Tyr Cys Val Lys Ile Ala Thr Phe Thr His Pro 115 120 125 Val Phe Phe Trp Leu Lys His Lys Leu Ser Gly Trp Leu Pro Trp Met 130 135 140 Leu Phe Ser Ser Val Gly Leu Ser Ser Phe Thr Thr Ile Leu Phe Phe 145 150 155 160 Ile Gly Asn His Arg Met Tyr Gln Asn Tyr Leu Arg Asn His Leu Gln 165 170 175 Pro Trp Asn Val Thr Gly Asp Ser Ile Arg Ser Tyr Cys Glu Lys Phe 180 185 190 Tyr Leu Phe Pro Leu Lys Met Ile Thr Trp Thr Met Pro Thr Ala Val 195 200 205 Phe Phe Ile Cys Met Ile Leu Leu Ile Thr Ser Leu Gly Arg His Arg 210 215 220 Lys Lys Ala Leu Leu Thr Thr Ser Gly Phe Arg Glu Pro Ser Val Gln 225 230 235 240 Ala His Ile Lys Ala Leu Leu Ala Leu Leu Ser Phe Ala Met Leu Phe 245 250 255 Ile Ser Tyr Phe Leu Ser Leu Val Phe Ser Ala Ala Gly Ile Phe Pro 260 265 270 Pro Leu Asp Phe Lys Phe Trp Val Trp Glu Ser Val Ile Tyr Leu Cys 275 280 285 Ala Ala Val His Pro Ile Ile Leu Leu Phe Ser Asn Cys Arg Leu Arg 290 295 300 Ala Val Leu Lys Ser Arg Arg Ser Ser Arg Cys Gly Thr Pro 305 310 315 <210> 2 <211> 954 <212> DNA <213> Human <400> 2 atgaatggag accacatggt tctaggatct tcggtgactg acaagaaggc catcatcttg 60 gttaccattt tactcctttt acgcctggta gcaatagcag gcaatggctt catcactgct 120 gctctgggcg tggagtgggt gctacggaga atgttgttgc cttgtgataa gttattggtt 180 agcctagggg cctctcgctt ctgtctgcag tcagtggtaa tgggtaagac catttatgtt 240 ttcttgcatc cgatggcctt cccatacaac cctgtactgc agtttctagc tttccagtgg 300 gacttcctga atgctgccac cttatggtcc tctacctggc tcagtgtctt ctattgtgtg 360 aaaattgcta ccttcaccca ccctgtcttc ttctggctaa agcacaagtt gtctgggtgg 420 ctaccatgga tgctcttcag ctctgtaggg ctctccagct tcaccaccat tctatttttc 480 ataggcaacc acagaatgta tcagaactat ttaaggaacc atctacaacc ttggaatgtc 540 actggcgata gcatacggag ctactgtgag aaattctatc tcttccctct aaaaatgatt 600 acttggacaa tgcccactgc tgtctttttc atttgcatga ttttgctcat cacatctctg 660 ggaagacaca ggaagaaggc tctccttaca acctcaggat tccgagagcc cagtgtgcag 720 gcacacataa aggctctgct ggctctcctc tcttttgcca tgctcttcat ctcatatttc 780 ctgtcactgg tgttcagtgc tgcaggtatt tttccacctc tggactttaa attctgggtg 840 tgggagtcag tgatttatct gtgtgcagca gttcacccca tcattctgct cttcagcaac 900 tgcaggctga gagctgtgct gaagagtcgc cgttcctcaa ggtgtgggac acct 954 <210> 3 <211> 32 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 3 gtcgacatga atggagacca catggttcta gg 32 <210> 4 <211> 32 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 4 tactagttca aggtgtccca caccttgagg aa 32 <210> 5 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 5 ttacaacctc aggattccga gag 23 <210> 6 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 6 agcatggcaa aagagaggag ag 22 <210> 7 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Probe <400> 7 tgcaggcaca cataaaggct ctgctg 26
【図面の簡単な説明】
【図1】 TGR31の疎水性プロット図である。
【図2】 TGR31のヒト組織における発現分布解析図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 3/00 A61P 5/00 5/00 9/00 9/00 11/00 11/00 25/28 25/28 29/00 29/00 31/00 31/00 35/00 35/00 37/00 37/00 C07K 14/705 C07K 14/705 16/28 16/28 C12N 1/15 C12N 1/15 1/19 1/19 1/21 1/21 C12P 21/02 C 5/10 C12Q 1/02 C12P 21/02 1/68 A C12Q 1/02 G01N 33/15 Z 1/68 33/50 Z G01N 33/15 33/53 D 33/50 M 33/53 33/566 C12N 15/00 ZNAA 33/566 5/00 A (72)発明者 新谷 靖 大阪府大阪市淀川区新高6丁目14番8− 606号 (72)発明者 宮嶋 伸行 茨城県つくば市吾妻4−16−4 プレビュ ー吾妻403

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号:1で表されるアミノ酸配列と
    同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するこ
    とを特徴とするGタンパク質共役型レセプタータンパク
    質またはその塩。
  2. 【請求項2】 配列番号:1で表されるアミノ酸配列を
    含有する請求項1記載のGタンパク質共役型レセプター
    タンパク質。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のGタンパク質共役型レセ
    プタータンパク質の部分ペプチドまたはその塩。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のGタンパク質共役型レセ
    プタータンパク質をコードするポリヌクレオチドを含有
    するポリヌクレオチド。
  5. 【請求項5】 DNAである請求項4記載のポリヌクレ
    オチド。
  6. 【請求項6】 配列番号:2で表される塩基配列を含有
    する請求項5記載のDNA。
  7. 【請求項7】 請求項4記載のポリヌクレオチドを含有
    する組換えベクター。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の組換えベクターで形質転
    換させた形質転換体。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の形質転換体を培養し、請
    求項1記載のGタンパク質共役型レセプタータンパク質
    またはその塩を生成せしめることを特徴とする請求項1
    記載のGタンパク質共役型レセプタータンパク質または
    その塩の製造法。
  10. 【請求項10】 請求項1記載のGタンパク質共役型レ
    セプタータンパク質もしくは請求項3記載の部分ペプチ
    ドまたはそれらの塩に対する抗体。
  11. 【請求項11】 請求項1記載のGタンパク質共役型レ
    セプタータンパク質のシグナル伝達を不活性化する中和
    抗体である請求項10記載の抗体。
  12. 【請求項12】 請求項10記載の抗体を含有してなる
    診断薬。
  13. 【請求項13】 請求項10記載の抗体を含有してなる
    医薬。
  14. 【請求項14】 請求項1記載のGタンパク質共役型レ
    セプタータンパク質もしくは請求項3記載の部分ペプチ
    ドまたはそれらの塩を用いることにより得られうる請求
    項1記載のGタンパク質共役型レセプタータンパク質ま
    たはその塩に対するリガンド。
  15. 【請求項15】 請求項14記載のGタンパク質共役型
    レセプタータンパク質またはその塩に対するリガンドを
    含有してなる医薬。
  16. 【請求項16】 請求項1記載のGタンパク質共役型レ
    セプタータンパク質もしくは請求項3記載の部分ペプチ
    ドまたはそれらの塩を用いることを特徴とする請求項1
    記載のGタンパク質共役型レセプタータンパク質または
    その塩に対するリガンドの決定方法。
  17. 【請求項17】 請求項1記載のGタンパク質共役型レ
    セプタータンパク質もしくは請求項3記載の部分ペプチ
    ドまたはそれらの塩を用いることを特徴とするリガンド
    と請求項1記載のGタンパク質共役型レセプタータンパ
    ク質またはその塩との結合性を変化させる化合物または
    その塩のスクリーニング方法。
  18. 【請求項18】 請求項1記載のGタンパク質共役型レ
    セプタータンパク質もしくは請求項3記載の部分ペプチ
    ドまたはそれらの塩を含有することを特徴とするリガン
    ドと請求項1記載のGタンパク質共役型レセプタータン
    パク質またはその塩との結合性を変化させる化合物また
    はその塩のスクリーニング用キット。
  19. 【請求項19】 請求項17記載のスクリーニング方法
    または請求項18記載のスクリーニング用キットを用い
    て得られうるリガンドと請求項1記載のGタンパク質共
    役型レセプタータンパク質またはその塩との結合性を変
    化させる化合物またはその塩。
  20. 【請求項20】 請求項17記載のスクリーニング方法
    または請求項18記載のスクリーニング用キットを用い
    て得られうるリガンドと請求項1記載のGタンパク質共
    役型レセプタータンパク質またはその塩との結合性を変
    化させる化合物またはその塩を含有してなる医薬。
  21. 【請求項21】 請求項4記載のポリヌクレオチドとハ
    イストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリ
    ヌクレオチド。
  22. 【請求項22】 請求項4記載のポリヌクレオチドと相
    補的な塩基配列またはその一部を含有してなるポリヌク
    レオチド。
  23. 【請求項23】 請求項4記載のポリヌクレオチドまた
    はその一部を用いることを特徴とする請求項1記載のG
    タンパク質共役型レセプタータンパク質のmRNAの定
    量方法。
  24. 【請求項24】 請求項10記載の抗体を用いることを
    特徴とする請求項1記載のGタンパク質共役型レセプタ
    ータンパク質の定量方法。
  25. 【請求項25】 請求項23または請求項24記載の定
    量方法を用いることを特徴とする請求項1記載のGタン
    パク質共役型レセプターの機能が関連する疾患の診断方
    法。
  26. 【請求項26】 請求項23記載の定量方法を用いるこ
    とを特徴とする請求項1記載のGタンパク質共役型レセ
    プタータンパク質の発現量を変化させる化合物またはそ
    の塩のスクリーニング方法。
  27. 【請求項27】 請求項24記載の定量方法を用いるこ
    とを特徴とする細胞膜における請求項1記載のGタンパ
    ク質共役型レセプタータンパク質量を変化させる化合物
    またはその塩のスクリーニング方法。
  28. 【請求項28】 請求項26記載のスクリーニング方法
    を用いて得られうる請求項1記載のGタンパク質共役型
    レセプタータンパク質の発現量を変化させる化合物また
    はその塩。
  29. 【請求項29】 請求項27記載のスクリーニング方法
    を用いて得られうる細胞膜における請求項1記載のGタ
    ンパク質共役型レセプタータンパク質量を変化させる化
    合物またはその塩。
  30. 【請求項30】 請求項28記載の化合物またはその塩
    を含有してなる医薬。
  31. 【請求項31】 請求項29記載の化合物またはその塩
    を含有してなる医薬。
  32. 【請求項32】 中枢性疾患、内分泌疾患、代謝疾患、
    癌、循環器疾患、呼吸器系疾患、消化器系疾患、免疫系
    疾患、炎症性疾患または感染症の予防・治療剤である請
    求項13、15、20、30または31記載の医薬。
  33. 【請求項33】 哺乳動物に対して、請求項19、28
    または29記載の化合物またはその塩の有効量を投与す
    ることを特徴とする中枢疾患、内分泌疾患、代謝疾患、
    癌、循環器疾患、呼吸器系疾患、消化器系疾患、免疫系
    疾患、炎症性疾患または感染症の予防・治療方法。
  34. 【請求項34】 中枢疾患、内分泌疾患、代謝疾患、
    癌、循環器疾患、呼吸器系疾患、消化器系疾患、免疫系
    疾患、炎症性疾患または感染症の予防・治療剤を製造す
    るための請求項19、28または29記載の化合物また
    はその塩の使用。
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