WO2001049443A1 - Echangeur thermique - Google Patents

Description

明糸田書

熱交換器 技術分野

本発明は、 媒体を流通するチューブを備え、 チューブに伝わる熱によ つて媒体の熱交換を行う熱交換器に関する。 背景技術

一般に、 自動車に搭載されるコンデンサ、 エバポレータ、 ラジェ一夕、 ヒー夕コア等の熱交換器は、 媒体を流通するチューブと、 チューブに装 着されたフィンと、 チューブの端部が接続されたタンクとを備え、 チュ —ブ及びフィンに伝わる熱によって媒体の熱交換がなされるように構 成されている。

また、 この種の熱交換器は、 アルミニウム製又はアルミニウム合金製 のチューブ、 フィン、 及びタンクを組み立てて、 これらを炉中で加熱し て一体にろう付けし、 製造されている。 ろう付けに必要なろう材及びフ ラックスは、 加熱に先だって、 各部材の要所に設けられる。

熱交換器のチューブとしては、 プレート状の素材を成形してなるもの が知られている。 そして、 このようなチューブには、 素材を屈曲してな るビ一ドが設けられており、 ビ一ドによれば、 チューブの熱交換性及び 耐圧性が向上される。

更に、 このような熱交換器においては、 チューブの外面に犠牲層を設 けることにより、 チューブの耐食性を向上することができる。

例えば、 A 1—M n系合金からなるチューブの芯材に、 A l— Z n系 合金からなる犠牲層を設けることにより、 チューブの芯材の電位は、 犠 牲層に対して貴となる。 その結果、 チューブの耐食性は、 犠牲陽極効果 によって向上される。

ところで、前述したようにプレート状の素材を成形してなるチューブ の場合、 ビードを設けると、 その外面にはビ一ドに応じて凹部が形成さ れる。

このようなチューブ外面の凹部は、 チューブとタンクとの接続を困難 にするうえ、 ゴミゃ水が付着し易いために、 チューブの腐食を進行させ る原因となる。

特に、 特開平 4— 2 0 7 9 1号に記載されているように、 ビ一ドにお ける素材の対向面同士を寄せることによって、外面の凹部を解消するチ ユーブもあるが、 実際には、 凹部を完全に解消するのは非常に困難であ り、 このようなチューブについても、 僅かながら凹部が残る場合がほと んどである。

また、 チューブ外面となる素材の面に、 ろう材をクラッドする場合は、 加熱によって溶融したろう材が凹部に溜まることにより、 凹部をろう材 で充填することができる。 ところ力 s、 この凹部に充填するためのろう材 をチューブに別途に設けると、 製造コストが高騰する問題がある。

そこで本発明は、 このような問題を考慮し、 チューブの耐食性を効率 よく確保することができ、 しかも省コスト化の可能な熱交換器を提供す ることを目的としている。 発明の開示

本発明は、 媒体を流通するチューブと、 前記チューブの端部が接続さ れたタンクとを備え、前記チューブに伝わる熱によって前記媒体の熱交 換を行う熱交換器であって、前記チュ一ブ及び夕ンクを組み立てて熱交 換器コアを形成し、 この熱交換器コアを一体にろう付けしてなる熱交換 器において、 前記チューブは、 プレート状の素材を成形してなるととも に、 前記素材を屈曲してなるビ一ドを有し、 更に、 その外面には犠牲層 を設けたものであり、 少なくともチューブを除く熱交換器コアには、 前 記ビ一ドの形成により生じるチューブ外面の凹部に充填されるろう材 を備えておくものであり、 前記チューブ外面の凹部には、 前記一体ろう 付けの際に前記熱交換器コアから溶融するるう材を充填した熱交換器 である。 このような構成によると、チューブの耐食性が効率よく確保される。 すなわち、 チューブ外面の凹部は、 ゴミゃ水が付着し易いために、 チュ —ブの腐食を進行させる原因となるが、 本発明では、 チューブ外面に犠 牲層を設けるとともに、 そのような凹部には、 熱交換器コアから溶融す るろう材を充填したので、 チューブの耐食性が確実に向上される。 チュ —ブに、 前記凹部に充填するためのろう材を設けると、 製造コストが高 騰するので、 チューブ以外の熱交換器コアに、 前記凹部に充填するため のろう材を設けて、 省コスト化を図るものである。

ろう材は、 タンクにクラッドして設けたものや、 ろう材を有するフィ ンの当該ろう材ゃ、 熱交換器コアに、 置きろうを配置したもの等を利用 する。 図面の簡単な説明

【図 1】 本発明の具体例に係り、 熱交換器を示す正面図である。 【図 2】 本発明の具体例に係り、 チューブ、 フィン、 及びタンク を示す斜視図である。

【図 3】 本発明の具体例に係り、 チューブを示す断面図である。

【図 4】 本発明の具体例に係り、 チューブを示す断面図である。 【図 5】 本発明の具体例に係り、 チューブ及びタンクを示す上面 図である。

【図 6】 本発明の具体例に係り、 チューブ及びフィンを示す側面 図である。 発明を実施するための最良の形態

以下に、 本発明の具体例を図面に基づいて詳細に説明する。

図 1乃至図 2に示すように、 本例の熱交換器は、 自動車に搭載される 車内空調用冷凍サイクルのコンデンサであり、複数のチューブ 2及び複 数のフィン 3を交互に積層し、 チューブ 2の両端部をそれそれ一対の夕 ンク 4に接続して熱交換器コア 1を構成している。 本例のタンク 4は、外部の配管を連結する入口継手 4 0 1及び出口継 手 4 0 2を設けるとともに、チューブ 2の端部を挿入して接続する孔部 4 0 3を設け、更にその内部を所定の幅で区画した円筒状の部材である _c 媒体は、 入口継手 4 0 1から内部に取り入れられて、 チューブ 2及び フィン 3に伝わる熱によって熱交換をしつつチューブ 2を通過し、 出口 継手 4 0 2から排出される。

また、 チューブ 2及びフィン 3からなる層の上下には、 補強部材たる サイ ドプレート 5を設けている。各サイ ドプレート 5の両端部は、 それ それタンク 4に支持している。

しかるに、 チューブ 2、 フィン 3、 タンク 4、 及びサイ ドブレ一ト 5 は、 ジグを用いて組み立てて、 これを炉中で加熱することにより、 一体 にろう付けされている。 これらの各部材の要所には、 予め、 ろう材及び フラックスを設けている。

図 3に示すように、 本例のチューブ 2は、 アルミニウム合金製のプレ —ト状の素材 2 0 0をロール成形してなる偏平状のものであり、素材 2 0 0の幅方向端部同士を結んでなる結合部 2 0 1と、素材 2 0 0を内方 向に屈曲してなる複数のビ一ド 2 0 2とを有し、 結合部 2 0 1、 並びに、 ビード 2 0 2の頂部と内部の対向部位とをろう付けしたものである。ま た、 チューブ 2の外面となる素材 2 0 0の面には、 犠牲層 2 1 0を設け ている。

ビード 2 0 2は、チューブ 2の熱交換性及び耐圧性を向上するもので あり、 また、 犠牲層 2 1 0は、 チューブ 2の耐食性を向上するものであ o

尚、 ビード 2 0 2については、 図 4に示すように、 対向する頂部同士 をろう付けするように構成してもよい。

更に、 ビード 2 0 2に応じて形成されるチューブ 2外面の凹部 2 0 3 には、 ろう材 Rを充填している。

このような凹部 2 0 3に充填されるろ-う-本 tR—は-、 -図五乃至図 6に示す ように、 ろう付けの際にフィン 3及びタンク 4から溶融し、 凹部 2 0 3 に入り込んだものである。

すなわち、 フィン 3にはろう材をクラッド又は置きろうを配置してお り、 ろう付けによると、 チューブ 2は、 フィン 3の頂部がろう付けされ るとともに、 凹部 2 0 3には、 フィン 3から溶融するろう材 Rが充填さ れる 0

また、 タンク 4にはろう材をクラッド又は置きろうを配置しており、 ろう付けによると、 チューブ 2は、 その端部をタンク 4の孔部 4 0 3に ろう付けされるとともに、 凹部 2 0 3には、 タンク 4から溶融するろう 材 Rが充填される。

ここで、 置きろうについては、 チューブ 2とフィン 3との間や、 チュ —ブ 2とタンク 4との間に配置してもよい。

このように、 凹部 2 0 3にろう材: を充填することによれば、 凹部 2 0 3にゴミゃ水が進入するのを防止することができ、チューブ 2の耐食 性を向上することができる。 また、 このようなろう材 Rによれば、 チュ ーブ 2の補強をなすことができ、チューブ 2の耐圧性及び強度を向上す ることもできる。

尚、 本例では、 チューブ 2外面における凹部 2 0 3全体にろう材 Rを 充填するように構成したが、 或いは、 このようなろう材 Rの充填は、 フ ィン 3の頂部の周辺や、 タンク 4の孔部 4 0 3の周辺等、 部分的であつ てもよい。

また、 チューブ 2の外面に置きろうを配置し、 凹部 2 0 3には、 この 置きろうによるろう材を充填してもよい。 すなわち、 フィン 3やタンク 4から溶融するろう材以外にも、チューブ 2に配置した置きろうによつ て凹部 2 0 3を充填するように構成してもよい。

以上説明したように、 本例の熱交換器によると、 チューブは、 プレー ト状の素材を成形してなるとともに、素材を屈曲してなるビ一ドを有し、 更に、 その外面には犠牲層を設けたものであって、 ビ一ドに応じて形成 されるチューブ外面の凹部には、 ろう付けの際にフィンゃタンクから溶 融するろう材を充填したので、チューブの耐食性を効率よく確保するこ とができる。

すなわち、 チューブ外面の凹部は、 ゴミゃ水が付着し易いために、 チ ュ一ブの腐食を進行させる原因となるが、 本発明では、 チューブ外面に 犠牲層を設けるとともに、 そのような凹部にはタンクやフィンから溶融 するろう材を充填したので、チューブの耐食性を確実に向上することが できる。

また、 本例のチューブは、 プレート状の素材を成形してなるとともに、 素材を屈曲してなるビ一ドを有し、 更に、 その外面には犠牲層を設けた ものであって、 ろう付けの際にはチューブに置きろうを配置し、 ビ一ド に応じて形成されるチューブ外面の凹部には、置きろうによるろう材を 充填した構成の熱交換器であり、 このような構成によると、 チューブの 耐食性が効率よく確保される。

すなわち、 凹部にはチューブに配置した置きろうによるろう材を充填 したので、 チューブの耐食性を確実に向上することができる。

尚、 図示の具体例では、 チューブ 2及び複数のフィン 3を交互に積層 し、チューブ 2の両端部をそれぞれ一対のタンク 4に接続して熱交換器 コア 1を構成したが、 本発明はこの例に限定されるものでなく、 例えば、 熱交換器コアにフィンを用いないものや、 その他の態様の熱交換器コア に適用することができるものである。 産業上の利用可能性

本発明は、 チューブの耐食性を効率よく確保することができる熱交換 器であり、 自動車に搭載されるコンデンサ、 エバポレー夕、 ラジェ一夕、 ヒー夕コア等の熱交換器として好適である。 請求の範囲

1 . 媒体を流通するチューブと、 前記チューブの端部が接続された夕 ンクとを備え、前記チューブに伝わる熱によって前記媒体の熱交換を行 う熱交換器であって、前記チューブ及びタンクを組み立てて熱交換器コ ァを形成し、 この熱交換器コアを一体にろう付けしてなる熱交換器にお いて、

前記チューブは、 プレート状の素材を成形してなるとともに、 前記素 材を屈曲してなるビ一ドを有し、 更に、 その外面には犠牲層を設けたも のであり、

少なくともチューブを除く熱交換器コアには、前記ビ一ドの形成によ り生じるチューブ外面の凹部に充填されるろう材を備えておくもので あり、

前記チューブ外面の凹部には、前記一体ろう付けの際に前記熱交換器 コアから溶融するろう材を充填したことを特徴とする熱交換器。

2 . 前記チューブ外面の凹部には、 一体ろう付けの際に前記タンクか ら溶融するろう材を充填したことを特徴とする請求項 1記載の熱交換

3 . 前記熱交換器コアには、 ろう材を有するフィンが装着されるもの であって、 一体ろう付けの際に前記フィンから溶融するろう材を、 前記 チューブ外面の凹部に充填したことを特徴とする請求項 1記載の熱交

4 . 前記熱交換器コアには、 置きろうを配置し、 一体ろう付けの際に 前記置きろうから溶融するろう材を前記チューブ外面の凹部に充填し たことを特徴とする請求項 1記載の熱交換器。

5 . 前記置きろうは、 前記チューブ、 フィン、 タンクのいずれか一つ、 又はいずれか複数のものに配置したことを特徴とする請求項 4記載の 熱交換器。