明細書
頻尿若しくは尿失禁の治療又は予防剤
技術分野
本発明は、 キノリノィソキノリン誘導体またはその薬理学的に許容される酸付 加塩からなる頻尿もしくは尿失禁の治療または予防剤に関する。
背景技術
近年、 高齢化社会の到来とともに、 頻尿または尿失禁に悩む患者数は年々増加 の傾向をたどっている。 現在、 頻尿または尿失禁の疾患に対する薬物治療剤とし ては、 主に抗コリン作用、 平滑筋直接弛緩作用を有する塩酸プロピベリン、 塩酸 ォキシプチニン及び塩酸フラボキサー卜が使用されている。
しかしこれら既存薬は、 ロ渴、 便秘等の消化器症状、 起立性低血圧などの循環 器症状、 また尿閉、 残尿等の排尿障害が副作用として多く発生する。
脳血管障害や痴呆症は、 高齢者における排尿障害の最大の原因と考えられてい る。 近年、 これら脳疾患にともなう頻尿または尿失禁の治療に抗コリン作用を有 する既存薬を適応することで、 脳内のアセチルコリンの働きが抑制され、 脳疾患 自体が進行してしまうことが懸念されている。
これら既存薬が有する副作用は患者のクォリティー 'ォブ■ライフ (Q0L) に おいて満足できないものであり、 副作用のない頻尿もしくは尿失禁の治療または 予防剤の開発が強く望まれている。
—方、 キノリノイソキノリン誘導体の先行技術として、 特開平 4— 2 7 5 2 8 8をはじめ国際公開特許 9 3 0 1 1 8 6号、 国際公開特許 9 9 0 2 1 5 7号があ る。 これら特許には、 免疫抑制剤、 鎮痛剤、 鎮咳剤などが記載されているが、 頻 尿もしくは尿失禁の治療または予防剤については開示されていない。
発明の開示
本発明の目的は、 副作用の軽減された新規な頻尿もしくは尿失禁の治療または 予防剤を提供することにある。
本願発明者らは、 鋭意研究の結果、 特定のキノリノイソキノリン誘導体が頻尿 もしくは尿失禁の治療または予防に有効であり、 かつ、 副作用が少ないことを見
出し本発明を完成した。
すなわち、 本発明は、 一般式(I )
(I)
(式中 R 1は、 水素、 炭素数 1 〜 5のアルキル、 炭素数 4〜 7のシクロアルキル アルキル、 炭素数 5〜7のシクロアルケニルアルキル、 炭素数 7〜 1 4のァラル キル、 炭素数 4〜5のトランスアルケニル、 ァリル、 フラニル一 2—ィルアルキ ル、 チェニル一 2—ィルアルキル、 炭素数 1 〜 5のアルカノィル、 ベンゾィル、 ビニロキシカルポニル、 トリクロ口エトキシカルボニル、 ベンジルォキシカルボ ニルまたは炭素数 8 ~ 1 4のァリールアルカノィルを表し、 R 2は水素または O R 6 (ここで R 6は水素、 炭素数 1 ~ 5のアルキル、 または炭素数 1 〜5のアル カノィルを表す) を表し、 R 3、 R 3 ' は独立して炭素数 1 ~ 5のアルキル、 水 素、 塩素、 フッ素、 臭素、 ヨウ素、 トリフルォロメチル、 シァノ、 ヒドロキシ、 炭素数 1 ~ 3のアルコキシカルボニル、 炭素数 1 〜 3のアルキルカルボニルアミ ノ、 炭素数 1 〜 5のアルコキシ、 ニトロ、 ァミノ、 または炭素数 1 〜 3のアルキ ルァミノを表し、 R 4は水素、 ヒドロキシ、 炭素数 1 ~ 3のアルコキシ、 ベンジ ル、 または炭素数 1 〜5のアルカノィル、 ハロゲンを表し、 Xは窒素または炭素 を表し、 R 5は Xが炭素の場合のみ存在し、 炭素数 1 ~ 5のアルキル、 水素、 塩 素、 フッ素、 臭素、 ヨウ素、 トリフルォロメチル、 シァノ、 ヒドロキシ、 炭素数 1 〜3のアルコキシカルボニル、 炭素数 1 〜3のアルキルカルボニルァミノ、 炭 素数 1 〜 5のアルコキシ、 ニトロ、 ァミノ、 または炭素数 1 〜 3のアルキルアミ ノを表す) で示されるキノリノィソキノリン誘導体またはその薬理学的に許容さ れる酸付加塩を有効成分として含有する頻尿もしくは尿失禁の治療または予防剤 を提供する。
本発明の頻尿もしくは尿失禁の治療または予防剤は、 優れた頻尿もしくは尿失 禁の治療または予防効果を有し、 かつ、 副作用が少ない。
また、 本発明は、 上記一般式(I )で示されるキノリノイソキノリン誘導体また はその薬理学的に許容される酸付加塩の有効量を投与することを特徴とする、 頻 尿もしくは尿失禁の治療または予防方法である。
さらに本発明は、 上記一般式(I )で示されるキノリノイソキノリン誘導体また はその薬理学的に許容される酸付加塩の頻尿もしくは尿失禁の治療または予防剤 製造のための使用である。
発明を実施するための最良の形態
本発明の一般式 (I ) で示されるイソキノリン誘導体またはその薬理学的に許 容される酸付加塩からなる頻尿もしくは尿失禁の治療または予防剤のなかで、 好 ましし、実施形態は以下の通りである。
R 1としては水素、 炭素数 1 〜 5のアルキル、 炭素数 4〜 7のシクロアルキル アルキル、 炭素数 5〜7のシクロアルケニルアルキル、 炭素数 7 ~ 1 4のァラル キル、 炭素数 4〜5のトランスアルケニル、 ァリル、 フラニル一 2—ィルアルキ ル、 チェニル一 2 rルアルキル、 炭素数 1 〜5のアルカノィル、 ベンゾィル、 ビニロキシカルボニル、 トリクロ口エトキシカルボニル、 ベンジルォキシカルボ ニルまたは炭素数 8〜 1 4のァリールアルカノィルが好ましく、 特に水素、 メチ ル、 ェチル、 シクロプロピルメチル、 ァリル、 フエネチル、 フラン一 2—ィルェ チル、 チォフェン一 2—ィルェチルが好ましい。
R 2としては水素または O R 6 (ここで R 6は水素、 炭素数 1 〜5のアルキル、 または炭素数 1 〜5のアルカノィルを表す) が好ましく、 特に水素、 ヒドロキシ、 メ トキシ、 エトキシが好ましい。
R 3、 R 3 ' としては、 独立して炭素数 1 〜 5のアルキル、 水素、 塩素、 フッ 素、 臭素、 ヨウ素、 トリフルォロメチル、 シァノ、 ヒドロキシ、 炭素数 1 〜3の アルコキシカルボニル、 炭素数 1 〜 3のアルキルカルボニルァミノ、 炭素数 1 〜 5のアルコキシ、 ニトロ、 ァミノ、 または炭素数 1 ~ 3のアルキルァミノが好ま しく、 特にメチル、 水素、 塩素、 フッ素、 臭素、 ヨウ素、 ヒドロキシ、 メ トキシ、
ニトロ、 ァミノ、 ジメチルァミノが好ましい
R しては水素、 ヒドロキシ、 炭素数 1 〜3のアルコキシ、 ベンジル、 また は炭素数 1 〜5のアルカノィル、 ハロゲンが好ましく、 特に水素、 ヒドロキシ、 メ トキシが好ましい。
Xは窒素または炭素を表し、 R 5としては Xが炭素の場合のみ存在し、 炭素数
1 ~ 5のアルキル、 水素、 塩素、 フッ素、 臭素、 ヨウ素、 トリフルォロメチル、 シァノ、 ヒドロキシ、 炭素数 1 ~ 3のアルコキシカルボニル、 炭素数 1 〜3のァ ルキルカルボニルァミノ、 炭素数 1 〜5のアルコキシ、 ニトロ、 ァミノ、 または 炭素数 1 ~ 3のアルキルァミノが好ましく、 特にメチル、 水素、 塩素、 フッ素、 臭素、 ヨウ素、 ヒドロキシ、 メ トキシ、 ニトロ、 ァミノ、 ジメチルァミノが好ま しい。 もちろん本発明はこれらに限定されるものではない。
薬理学的に好ましい酸付加塩としては、 塩酸塩、 硫酸塩、 硝酸塩、 臭化水素酸 塩、 ヨウ化水素酸塩、 リン酸塩等の無機酸塩、 酢酸塩、 乳酸塩、 クェン酸塩、 シ ユウ酸塩、 グルタル酸塩、 リンゴ酸塩、 酒石酸塩、 フマル酸塩、 マンデル酸塩、 マレイン酸塩、 安息香酸塩、 フタル酸塩等の有機カルボン酸塩、 メタンスルホン 酸塩、 エタンスルホン酸塩、 ベンゼンスルホン酸塩、 P-トルエンスルホン酸塩、 カンファースルホン酸塩等の有機スルホン酸塩等が挙げられ、 中でも塩酸塩、 臭 化水素酸塩、 リン酸塩、 酒石酸塩、 メタンスルホン酸塩等が好まく用いられるが、 これもまた、 これらに限られるものではない。
本発明に示される化合物には、 下記一般式 (I I ) で表される新規化合物も包含 される。
( II )
( (A) 式中 R 1は、 水素、 炭素数 1 〜5のアルキル、 炭素数 4〜7のシクロア
ルキルアルキル、 炭素数 5〜 7のシクロアルケニルアルキル、 炭素数 7〜 1 4の ァラルキル、 炭素数 4〜5のトランスアルケニル、 ァリル、 フラニル一2—ィル アルキル、 チェニル一 2—ィルアルキル、 炭素数 1 〜5のアルカノィル、 ベンゾ ィル、 ビニロキシカルボニル、 トリクロ口エトキシカルボニル、 ベンジルォキシ カルボニルまたは炭素数 8 ~ 1 4のァリールアルカノィルを表し、 R 2は水素ま たは O R 6 (ここで R 6は水素、 炭素数 1 〜5のアルキル、 または炭素数 1 〜5 のアルカノィルを表す) を表し、 R 3、 R 3 ' は独立して炭素数 1 〜5のアルキ ル、 塩素、 フッ素、 臭素、 ヨウ素、 トリフルォロメチル、 シァノ、 ヒドロキシ、 炭素数 1 〜3のアルコキシカルボニル、 炭素数 1 ~ 3のアルキルカルボニルアミ ノ、 炭素数 1 〜 5のアルコキシ、 ニトロ、 ァミノ、 または炭素数 1 〜 3のアルキ ルァミノを表し、 R 4は水素もしくは炭素数 1 〜 3のアルキルを表し、 R 5は炭 素数 1 ~ 5のアルキル、 塩素、 フッ素、 臭素、 ヨウ素、 トリフルォロメチル、 シ ァノ、 ヒドロキシ、 炭素数 1 〜3のアルコキシカルボニル、 炭素数 1 〜3のアル キルカルボニルァミノ、 炭素数 1 〜 5のアルコキシ、 ニトロ、 ァミノ、 または炭 素数 1 〜 3のアルキルアミノを表す。 または、
(B) 式中 R 1は、 水素、 チェニル一 2—ィルアルキル、 炭素数 1 〜5のアル力 ノィル、 ベンゾィル、 ビニロキシカルボニル、 トリクロ口エトキシカルボニル、 ベンジルォキシカルボニルまたは炭素数 8〜 1 4のァリ一ルアルカノィルを表し、 R 2は水素または O R 6 (ここで O R 6は水素、 炭素数 1 〜5のアルキル、 また は炭素数 1 〜5のアルカノィルを表す) を表し、 R 3、 R 3 ' は独立して炭素数 1 ~ 5のアルキル、 水素、 塩素、 フッ素、 臭素、 ヨウ素、 トリフルォロメチル、 シァノ、 ヒドロキシ、 炭素数 1 〜3のアルコキシカルボニル、 炭素数 1 〜3のァ ルキルカルボニルァミノ、 炭素数 1 〜 5のアルコキシ、 ニトロ、 ァミノ、 または 炭素数 1 〜 3のアルキルアミノを表し、 R 4は水素もしくは炭素数 1 〜3のアル キルを表し、 R 5は炭素数 1 〜 5のアルキル、 塩素、 フッ素、 臭素、 ヨウ素、 ト リフルォロメチル、 シァノ、 ヒドロキシ、 炭素数 1 〜 3のアルコキシカルボニル、 炭素数 1 ~ 3のアルキルカルボニルァミノ、 炭素数 1 ~ 5のアルコキシ、 ニトロ、 ァミノ、 または炭素数 1 〜 3のアルキルアミノを表す。 )
また本発明の一般式 (I) の化合物は、 例えば特開平 4_275288や国際 公開特許 99021 57号に記載された方法で、 ケトン体(III)を原料とし、 酸 触媒の共存下、 溶媒中 O—ァミノべンズアルデヒド誘導体 (IVa) または O—ァ ミノァセ卜フエノン誘導体 (IVb) または O—ァミノべンゾニトリル (IVc) と縮 合して得ることができ、 原料に光学活性体を用いれば光学活性な化合物を得るこ とができる (スキーム 1 ) 。
(III)
("a)
スキーム 1
なおケトン体 (ΙΠ) の光学活性体は、 例えば国際公開特許 91 1 8901号 I:
記載された方法で、 ラセミ体のケトン体に対して光学活性なジー (p—トルオイ ル) 一酒石酸を用いて光学分割法による再結晶で光学活性なケトン体 (m ) を得 ることができる。
一般式 (I ) で示されるキノリノイソキノリン誘導体が頻尿もしくは尿失禁の 治療または予防に有効であることは、 動物において律動的膀胱収縮運動を抑制す る作用あるいは排尿反射を延長する作用を示すことで確認できる。 動物において 律動的膀胱収縮運動を抑制する作用あるいは排尿反射を延長する作用の評価はす でに報告されている文献 [Bra i n. Res. , vo l . 297, 191 (1984)または J. Pharmc o l . Exp. Ther. , vo l . 240, 978 (1987) ] の方法で行いうるが、 必ずしもこれら に限定されるものではない。
本発明の化合物は、 哺乳動物 (例えばマウス、 ラッ卜、 ハムスター、 ゥサギ、 ネコ、 ィヌ、 ゥシ、 ヒッジ、 サル、 ヒトなど) に対する頻尿もしくは尿失禁の治 療または予防に有用な医薬品として用いることができる。 特に、 神経性頻尿、 心 因性頻尿、 神経因性膀胱障害、 夜間頻尿、 過活動型膀胱、 不安定膀胱、 夜尿症、 膀胱けいれん、 慢性膀胱炎、 慢性前立腺炎、 前立腺肥大、 前立腺癌など、 これら 疾患によって引き起こされる頻尿または尿失禁などの排尿障害の治療または予防 に用いることができる。 ここでいう神経因性膀胱障害とは膀胱、 尿道、 外尿道括 約筋からなる下部尿路を支配している神経が何らかの障害を受けた結果、 下部尿 路の蓄尿、 排尿機能が異常を来した状態をいう。 神経に障害を与える疾患として は、 脳血管障害、 脳腫瘍、 脳外傷、 脳炎、 脳腫瘍、 正常圧水頭症、 痴呆、 パーキ ンソン病、 線条体黒質変性症、 進行性核上性麻痺、 ォリーブ '橋 '小脳萎縮症、 Shy- Drager症候群、 脊髄損傷、 脊髄血管障害、 脊髄腫瘍、 脊髄炎、 頸髄圧迫性 疾患、 脊髄空洞症、 多発性硬化症、 二分脊椎、 脊髄髄膜瘤、 Tethered cord症候 群、 ミエロバチ一、 心因性頻尿などがある。 また、 加齢によっても同様の異常が 起こり得る。 ただし、 本発明の化合物の利用は、 これらの疾患例のみに限定され るものではない。
本発明の頻尿もしくは尿失禁の治療または予防剤を医薬品として臨床で使用す る際には、 薬剤はフリーの塩基またはその塩自体でもよく、 また賦形剤、 安定剤、
保存剤、 緩衝剤、 溶解補助剤、 乳化剤、 希釈剤、 等張化剤などの添加剤が適宜混 合されていてもよい。 投与形態としては非経口投与、 経口投与のいずれでも使用 できる。 投与剤型としては注射剤、 錠剤、 液剤、 カプセル剤、 顆粒剤、 散剤など が挙げられ、 これら剤型は公知の製剤技術によって製造することができる。 投与 量は患者の症状や年齢、 体重、 投与方法等に応じて適宜選択されるが、 成人に対 する有効成分量は 1 日 0. 000 1 mg ~ 1 O g、 好ましくは 0. 00 1 mg ~ 1 gであり、 それぞれ 1回または数回に分けて投与することができる。
本発明の化合物 ( I ) 又はその塩は、 例えば他の頻尿もしくは尿失禁予防■治 療薬または他の疾患 (例えば前立腺肥大症、 糖尿病、 脳循環代謝疾患など) の予 防■治療薬と組合せて用いることもできる。
他の疾患の予防■治療薬としては例えば前立腺肥大予防■治療薬、 糖尿病予防 •治療薬、 脳循環代謝疾患予防 ·治療薬などがあげられる。
他の頻尿または尿失禁予防 '治療薬としては、 例えば Doxazosin, Indramin, T erazos ι n, Urapidi l, Alfuzosin, Prazosin, Naftop ι d ι I , Tamsu I os i n, Selodos in, fuduxos i nなどの αブロッ力一、 Oxybutyn i n, Prop i ver i ne, Tolterod i ne, T emiver ine, Trosp i um, Dar i fenac i nなどのムスカリン括抗薬、 Flavoxateなどの 平滑筋弛緩薬、 NS- 8, ZD- 0947, KW-7158, WAY- 141608などのカリウム 'チャネル -ォ一プナ一、 Lanper i soneなとの骨格月 tB!fis薬、 Des i prami ne, Fluoxetine, Pa roxetine, Du I oxet ί neなどの抗うつ薬、 Desmopress i nなどのノ、ソプレツシン作働 薬、 TAK- 637などのタキキニン拮抗薬、 0NO - 8711などの PGE拮抗薬などがあげられ る。
前立腺肥大予防■治療薬としては、 例えば Leuprorel in, Goserel in, Buserel i n, Nafarel in, Tr iptorel in, などの LH- RH作働薬、 Cetrorel ix, Ganirel ix, Aba rel ixなどの l_H - RH拮抗薬、 Finasteride, Dutaster ide, Izonster ide, CS-891 , M K - 434などの 5 "―レダクタ一 " t P且害薬、 Fl utamide, Bicalutamide, i lutamide などのアンドロゲン受容体拮抗薬、 Al lylestrenol, Ch I ormad i none, Gestonoron e, Cyproterone, Osaterone, Nomegestro Iなどの抗アンドロゲン薬、 SB- 217242, TA-0201などのェンドセリン拮抗薬、 上記した α—ブロッカーなどがあげられる。
糖尿病予防 '治療薬としては、 例えばインスリンや、 Piogl itazone, Trogl ita zone, Rosigl itazone どのインスリン抵キ几 Ti改善 、 Tolbutamide, Chlorpropa mide, lolazamide, Acetohezamide, Glyclopyramide, Gl ι bene ι amide, G I i c I az ι de, Gl imepiride, Repagl inide, Nategl ί n i deなどのインスリン分泌促進薬、 Met form in, Buf orm i n¾:どのヒグ、アナ- 1 卜 lj、 Acarbose, Vogl ibose, Migl itol , Emi gl itateなどの α—グルコシダ一ゼ阻害薬、 SR-58611- A, SB- 226552, AZ40140な どの 3アドレナリン受容体作働薬、 Erogoset, Praml intide, Leptin, BAY-27- 9955などがあげられる。
脳循環代謝疾患予防 '治療薬としては、 例えばァニラセタム、 イブジラスト、 ァマンタジン、 チアプリ ド、 カルジォクローム、 シチコリン、 イフェンブシル、 ニセルゴリン、 ビンボセチン、 ニゾフエノン、 ベンシクラン、 シネバヂドなどが あげられる。
実施例
以下、 参考例および実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
参考例 1
(4 a S, 1 2 a S) — 2—メチルー 4 a— (3—ヒドロキシフエニル) 一 1, 2, 3, 4, 4 a , 5, 1 2, 1 2 a—ォクタヒドロ一キノリノ [2, 3 - g] イソキノリン 丄 メタンスルホン酸塩
本化合物は特開平 4一 2 7 5 2 8 8号に記載されている方法にて合成した。 参考例 2
2—シクロプロピルメチルー 4 a α— ( 3—ヒドロキシフエニル) 一 1、 2, 3, 4, 4 a、 5, 1 2, 1 2 a ーォクタヒドロ一キノリノ [2, 3 - g] ィ ソキノリン メタンスルホン酸塩
本化合物は特開平 4一 2 7 528 8号に記載されている方法にて合成した。 参考例 3
2—メチル一4 a a- ( 3—メ トキシフエ二ル) 一 1 1 —ァミノ一 1、 2, 3, 4, 4 a、 5, 1 2, 1 2 a 一ォクタヒドローキノリノ [2, 3 - g] イソキ ノリン 3 メタンスルホン酸塩
2—メチルー 4 a a- (3—メ トキシフエ二ル) 一6—ォキソ _ 1、 2, 3, 4, 4 a、 5, 6, 7, 8, 8 a 一ォクタヒドロイソキノリン 1 50 m g (0. 5 5mmo I ) と O—ァミノべンゾニトリル 1 3 Omg ( 1 . 1 Ommo I ) を 酢酸 5 m Lに加えて 44時間加熱還流した。 放冷後、 飽和炭酸水素ナトリウム水 5 溶液を加えて、 クロ口ホルム: メタノール (4 : 1 ) 混合液で抽出した。 有機層 を飽和食塩水で洗浄し、 無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。 得られた残査 をアミンコ一トシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ク口口ホルム: メタノ一 ル = 50 : 1 ) により分離精製し、 8 3mgの標題化合物が得られた (収率 4 1 %) 。
]() 参考例 4
2—メチル一 4 a a— ( 3—ヒドロキシフエニル) 一 1 1 —アミノー 1、 2, 3, 4, 4 a、 5, 1 2, ^ 2 a β—ォクタヒドロ一キノリノ [2, 3 - g] ィ ソキノリン メタンスルホン酸塩
参考例 3で得られた 2—メチル _ 4 a α- (3—メ トキシフエニル) 一 1 1 一
15 ァミノ一 1、 2, 3, 4, 4 a、 5, 1 2, 1 2 a 一ォクタヒドロ一キノリノ
[2, 3 - g] イソキノリン 8 3 mg (0. 2 2 mmo I ) 、 n—プロパンチォ —ル 0. 1 Om L ( 1 . 06 Ommo I ) をアルゴン雰囲気下、 DM F溶媒 7 m Lに溶かし、 力リウムー t—ブトキシド 1 06mg (0. 9 5 mmo I ) を加え て 1 20度で 20時間加熱攪拌した。 氷冷下 1規定塩酸 4m Lを加えて酸性にし 0 た後、 飽和炭酸水素ナ卜リゥム水溶液を加えて再度アル力リ性にして、 クロロホ ルム: メタノール (4 : 1 ) 混合液で抽出した。 有機層を水で洗浄し、 無水硫酸 マグネシウムで乾燥後濃縮した。 得られた残査をジクロロメタン一メタノ一ル混 合液で再結晶して 35mgの標題化合物を得た (収率 44%) 。 これをメタノ一 ルに懸濁し、 メタンスルホン酸を加えて塩化し、 濃縮後、 エーテルを加えて固体 5 を濾過して標題化合物のメタンスルホン酸塩 4 Omgを得た。
参考例 5
2—フエネチルー 4 a (3—ヒドロキシフエ二ル) 一 1、 2, 3, 4, 4 a、 5, 1 2, 1 2 a ーォクタヒドロ一キノリノ [2, 3 - g] イソキノリン
5_ メタンスルホン酸塩
2—フエネチル一4 a α— ( 3—ヒドロキシフエニル) 一 6 _ォキソ一 1、 2, 3, 4, 4 a、 5, 6, 7, 8, 8 a ーォクタヒドロイソキノリン 92 m g ( 0. 26 mmo I ) と O—ァミノべンズアルデヒド 95mg (0. 7 8 mmo I ;) とメタンスルホン酸 74mg (0. 7 7 mmo I ) をエタノール 3m Lに加え て 3時間加熱還流した。 放冷後、 飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて、 クロ 口ホルム: メタノール (3 : 1 ) 混合液で抽出した。 有機層を水で洗浄し、 無水 硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。 得られた残査をジクロロェタン: メタノー ルの混合溶液から再結晶し、 8 4 m gの標題化合物が得られた (収率 74 %) 。 これをメタノールに懸濁し、 メタンスルホン酸を加えて塩化し、 濃縮後、 酢酸ェ チルを加えて固体を濾過して標題化合物のメタンスルホン酸塩 9 Omgを得た。 参考例 6
(4 a S, 1 2 a S) —2—フエネチルー 4 a— (3—ヒドロキシフエニル) 一 1, 2, 3, 4, 4 a , 5, 1 2, 1 2 a ーォクタヒドローキノリノ [2, 3 — g] イソキノリン旦 メタンスルホン酸塩
(4 a S, 1 2 a S) _2—フエネチル一 4 a— (3—ヒドロキシフエニル) — 6—ォキソ一 1, 2, 3, 4, 4 a , 5, 6, 7, 8, 8 a S—ォクタヒドロ イソキノリン 2 48 mg (0. 7 1 mmo I ) と O—ァミノべンズアルデヒド 4 3 1 mg (3. 56 mmo I ) とメタンスルホン酸 0. 22 mL (3. 4 Omm o I ) をエタノール 8mLに加えて 3時間加熱還流した。 放冷後、 飽和炭酸水素 ナトリウム水溶液を加えて、 クロ口ホルム: メタノール (5 : 1 ) 混合液で抽出 した。 有機層を水で洗浄し、 無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。 得られた 残渣をシリカゲルカラムクロマトで簡単な精製後、 ジクロロエタン: メタノール の混合溶液から再結晶し、 2 45mgの標題化合物が得られた (収率 8 0%) 。 これをメタノールに懸濁し、 メタンスルホン酸を加えて塩化し、 濃縮後、 酢酸ェ チルを加えて固体を濾過して標題化合物のメタンスルホン酸塩 3 1 8 m gを得た。 なお参考例に記載した化合物 , ±, 5_, 互の構造式、 酸付加塩、 各種スぺク トルデータを以下の表 1及び表 2に示す。
表 1
表 2
化合物さ NMR (ppm) (600 MHz, D20) 融点 (r).
メ タンスルホン酸塩 2.17 (IH, dt, J=14.6, 3.4Hz), 2.39 (6H, s), 2.61 (IH, d, 元素分析値
J=14.6Hz), 2.72 (IH, t, J=11.7Hz), 2.87 (IH, m), 3.0-3.1 (2H, 組成式 C30H30N2O / 2.4MeS03H / 0.5H2O m), 3.38-3.6 (7H, m), 3.80 (IH, d, J= 17.1 Hz), 3.86 (IH, d, 計算 ί直 C:57.72, H:6.07, N:4.15, S: 1 1.41 6.55 (IH, dd, J=7.8, 1.5Hz), 6.93 (IH, s), 6.98 (IH, 実測値 C:57.60, H:6.30, N:4.1 , S: 1 1.49 , 7.07 (I H, t, J=8.3Hz), 7.25-7.4 (5H, m), 7.84 (IH IR (cm 1)
8.02 (IH, t, J=7.8Hz), 8.08 (1H, d, J=8.3Hz), 8.20 Mass (FAB) 435 ((M+H) +)
実施例 ラット律動的膀胱収縮運動に対する作用
S D系雌性ラットをウレタン (1.0g/kg) の腹腔内投与によって麻酔した。 動 物の尿道口よリポリエチレンチューブを膀胱まで挿入し結紮固定した後、 同チュ 一ブょリ生理食塩水を適宜注入 (注入速度:約 0.2ml/min、 最大約 1.5ml/匹) し 膀胱の律動的収縮運動を発現させた。 なお、 膀胱の律動的収縮運動については、 膀胱内に挿入したポリエチレンチューブを介して膀胱内圧を測定することにより モニターした。 安定した律動的収縮運動が少なくとも 10回認められるのを確認 した後、 被験化合物を 1ml/kgの用量で静脈内投与した。 披験化合物投与後 10分 以内における膀胱内圧が投与直後に示した膀胱内圧の 50%以下を示した場合膀胱 収縮ありと判定し、 再び 50%以上の膀胱内圧を示すまでの間を律動的膀胱収縮抑 制時間とした。 被験化合物の投与溶媒として、 被験化合物丄、 互には生理食塩水 を用い、 被験化合物 、 には 5%キシリ トール溶液を用いた。 なお、 5%キ シリ I ^一ル溶液についても 1ml/kgの用量で検討した。 この結果を表 3に示した。 いずれの化合物においても用いた溶媒のみにくらべ律動的膀胱収縮抑制作用が認 められた。
表 3
被験化合物 投与量 例数 律動的膀胱収縮
抑制時間 (分)
5%キシリ トール 4 1.3
化合物丄 10 mg/kg 6 7.72
化合物 20 mg/kg 3 3
5 mg/kg 3 2.94
化合物 3 mg/kg 6 15.9
化合物旦 10 mg/kg 6 12.1