明 細 書 キノリンカルボン酸誘導体アル力リ金属塩及びこれを用いたキノリンカルボン 酸誘導体の精製法 技術分野
本発明はキノリンカルボン酸誘導体の精製に適する新規なキノリンカルボン酸 誘導体アル力リ金属塩及びこれを用いたキノリンカルボン酸誘導体の精製法に関 する。 背景技術
キノリンカルボン酸を基本骨格とする化合物の中には、 優れた抗菌力と幅広い 抗菌スぺクトルとを有することから、 合成抗菌剤として有用なものが数多く知ら れ、 これまでにノルフロキサシン (特開昭 5 3— 1 4 1 2 8 6号公報) 、 エノキ サシン (特開昭 5 5 - 3 1 0 4 2号公報) 、 オフロキサシン (特開昭 5 7 - 4 6 9 8 6号公報) 、 シプロフロキサシン (特開昭 5 8— 7 4 6 6 7号公報) 、 トスフロキサシン (特開昭 6 0— 2 2 8 4 7 9号公報) 等が感染症治療剤とし て、 臨床上汎用されている。 しかし、 これらの化合物は抗菌力、 腸管吸収性、 代 謝安定性の点で必ずしも十分とはいえず、 解決すべき問題点も多数残されてい た。
斯かる状況の下、 本発明者らは、 1一位にァミノ基が置換した含窒素へテロ芳 香族基を有するキノリンカルボン酸誘導体が強力な抗菌力を有し、 且つ低毒性で あるという優れた性質を保持すると共に、 光安定性が極めて高いことを見出し (WOZ 9 7 Z 1 1 0 6 8号公報) 、 更に 7—位に 3—ヒドロキシァゼチジン— 1一ィル基を有する化合物は、 グラム陽性菌に対して極めて強い抗菌活性を有す る上に、 特に酸性条件下でこの活性が著しく増強されるという特徴のある化合物
であることを見出した (第 3 7回イン夕一サイエンスコンファレンス ·オン ·ァ ンチミクロビアルエージェンッ ·アンド ·ケモテラビ一、 1 9 9 7年 · トロン ト。 第 3 8回インターサイエンスコンファレンス ·オン ·アンチミクロビアルエ 一ジェンッ ·アンド ·ケモテラピー、 1 9 9 8年 ·サンディエゴ) 。
しかし、 キノリンカルボン酸系化合物は、 一般的に各種溶媒に対する溶解度が 低いことから化合物を再結晶するための溶媒が制限され、 更に医薬品に許容され る残留溶媒に対する規制による溶媒の制限もあることから、 最終段階である化合 物の精製工程が複雑になったり、 精製が充分に行われない等の問題が残されてい た。 発明の開示
本発明の目的は、 高純度のキノリンカルボン酸誘導体を得るための簡易で且つ 効率の良い精製法を提供することにある。
そこで本発明者らは、 キノリンカルボン酸誘導体の再結晶以外の手段による精 製法を種々検討したところ、 キノリンカルボン酸の塩は酸付加塩である場合が殆 どであり、 アルカリ金属塩として単離された例は見当たらないにも拘わらず、 下 記式 (I ) で表されるキノリンカルボン酸誘導体に各種のアルカリ金属化合物を 反応させることにより極めて容易にアル力リ金属塩に変換できること、 また該ァ ルカリ金属塩を酸処理して脱塩することにより高純度の精製キノリンカルボン酸 誘導体が得られること、 更には当該アル力リ金属塩を経由する精製手段において は特殊な溶媒を用いる必要がないことを見出し、 本発明を完成するに至った。 即ち、 本発明は、 下記の式 (Π)
〔式中、 Rはハロゲン原子又はメチル基を示し、 Xはアルカリ金属を示す〕 で表されるキノリンカルボン酸誘導体のアルカリ金属塩を提供するものである。 また本発明は、 化合物 Πのアルカリ金属塩を有効成分とする抗菌剤を提供する ものである。
また本発明は、 化合物 Πのアル力リ金属塩及び薬学的に許容される担体を含有 する抗菌剤組成物を提供するものである。
また本発明は、 化合物 Πのアル力リ金属塩の抗菌剤としての使用を提供するも のである。
また本発明は、 化合物 Πのアル力リ金属塩を投与することを特徴とする感染症 の処置方法を提供するものである。
更に本発明は、 下記の式 ( I )
〔式中、 Rはハロゲン原子又はメチル基を示す〕
で表されるキノリンカルボン酸誘導体にアル力リ金属化合物を反応させてキノリ ンカルポン酸誘導体アル力リ金属塩として単離し、 次いで該ァルカリ金属塩を酸 処理することを特徴とする当該キノリンカルボン酸誘導体の精製法を提供するも のである。 発明を実施するための最良の形態
本発明の精製法は、 キノリンカルボン酸のアルカリ金属塩をその中間体として 用いるものである。
ここで、 キノリンカルボン酸誘導体の多くは両性化合物であり、 前記の如く酸 或いは塩基と塩を形成することは予測されるところである。 しかし、 実際に報告 されている例においては酸付加塩が殆どであり、 塩基との塩は見当たらず、 本発 明の化合物においても、 塩基との塩については有機ァミンとの塩の製造例が報告 されているに止まり (WOZ 9 7 1 1 0 6 8号公報) 、 アルカリ金属塩につい ての製造例は示されていない。
式 (I ) で表されるキノリンカルボン酸誘導体力 該化合物をほとんど溶解し ない各種溶媒中において、 各種のアル力リ金属化合物と反応することにより極め て容易にアルカリ金属塩に変換されたことは意外なことであり、 更に当該アル力 リ金属塩を各種の酸で処理すると高純度の精製キノリンカルボン酸を生成したこ とは全く予想することができなかったものである。
本発明の式 (I I) で表されるキノリンカルボン酸誘導体のアルカリ金属塩は、 未溶媒和型のみならず、 水和物又は溶媒和物としても存在することができる。 従 つて、 本発明の化合物は、 その全ての結晶型及び水和若しくは溶媒和物を含むも のである。
また、 本発明においては、 アルカリ金属塩は精製操作における中間体として有 用であることが示されているが、 このアルカリ金属塩自体、 後記試験例で示すよ うに優れた抗菌作用を示し、 抗菌剤として有用であることは言うまでもない。
本発明の式 (π) で表されるキノリンカルボン酸誘導体のアルカリ金属塩は、 例えば、 式 (I ) で表されるキノリンカルボン酸を各種溶媒に、 各種アルカリ金 属を含有する塩基と共に加え、 適当温度において適当な時間攪拌することにより 析出する沈殿物を分離することにより得ることができる。
ここで使用される溶媒としては、 前記の如く特殊なもでなくてよく、 アルカリ 金属を含む塩基と反応しないものであれば何れでもよく、 例えば、 水;メタノー ル、 エタノール、 プロパノール等のようなアルコール類;ジェチルエーテル、 テ トラヒドロフラン、 ジォキサン、 モノグライム、 ジグライム等のようなエーテル 類;ジメチルホルムアミド、 ジメチルスルホキシド等のような非プロトン性極性 溶媒及びこれらの混合溶媒等が挙げられる。
斯かる溶媒のうち、 水、 アルコール類 (メタノール、 エタノール、 プロパノ一 ル等) 及びエーテル類 (ジェチルエーテル、 テトラヒドロフラン等) に対して は、 通常のキノリンカルボン酸は殆ど溶解されず、 再結晶溶媒として使用できる ものではないが、 本発明の精製法によれば斯かる溶媒、 特に水、 エタノール等を 好適な溶媒として使用することができる。
アルカリ金属化合物としては、 例えば水酸化リチウム、 水酸化ナトリウム、 水 酸化カリウム等の水酸化物、 炭酸ナトリウム、 炭酸カリウム等の炭酸塩、 リチウ ムメトキシド、 リチウムェ卜キシド、 ソジゥムメトキシド、 ソジゥムエトキシ ド、 ソジゥムプロポキシド、 ポッタシゥムェ卜キシド、 ポッタシゥム t e r t— ブトキシド等のアルコキシド類等が挙げられ、 特に水酸化リチウム、 水酸化ナト リウム、 水酸化カリウム、 ソジゥムメトキシド、 ソジゥムェトキシドが好まし い。
また、 アルカリ金属を含む塩基の使用量は、 式 (I ) で表されるキノリンカル ボン酸に対して等モル以上、 とりわけ約 1〜1 0倍モルが好ましい。
本反応は、 通常 0〜1 5 0 °C、 好ましくは 0〜1 0 0 °Cで行われ、 反応時間は 通常 1 0分〜 4 8時間である。
生成したアルカリ金属塩を分離取得するには、 通常の固液分離の方法、 例えば 濾過、 遠心分離等の方法を用いればよく、 必要に応じて、 洗浄、 脱水等の処理、 再結晶操作等の通常用いられる精製手段により精製することができる。
式 (I I) で表されるキノリンカルボン酸のアルカリ金属塩から遊離キノリンカ ルボン酸を単離するには、 アルカリ金属塩を各種溶媒に各種の酸と共に加え、 適 当な温度において適当な時間攪拌すればよい。
ここで使用される溶媒としては、 上記工程で使用したものと同様の溶媒、 例え ば、 水;メタノール、 エタノール、 プロパノ一ル等のようなアルコール類;ジェ チルェ一テル、 テトラヒドロフラン、 ジォキサン、 モノグライム、 ジグライム等 のようなエーテル類;ジメチルホルムアミド、 ジメチルスルホキシド等のような 非プロトン性極性溶媒及びこれらの混合溶媒等が使用でき、 アルカリ金属化合物 を殆ど溶解しない水、 アルコール類 (メタノール、 エタノール、 プロパノール 等) についても好適な溶媒として使用できる。
ここで用いられる酸としては、 塩酸、 臭化水素酸、 硫酸等の鉱酸;ギ酸、 酢 酸、 プロピオン酸、 クェン酸、 トリクロ口酢酸、 トリフルォロ酢酸、 フマール 酸、 マレイン酸等の有機カルボン酸;メタンスルホン酸、 ベンゼンスルホン酸、 p—トルエンスルホン酸、 メシチレンスルホン酸、 ナフタレンスルホン酸等のス ルホン酸等が挙げられ、 特に塩酸、 ギ酸、 酢酸が好ましい。
また、 酸の使用量は、 式 (I I) で表されるキノリンカルボン酸のアルカリ金属 塩に対して等モル以上、 とりわけ約 1〜1 0倍モルが好ましい。
本反応は、 通常 0〜 1 2 0 ° (:、 好ましくは 0〜8 0 °Cで行われ、 反応時間は通 常 1 0分〜 1 0時間である。
生成した遊離キノリンカルボン酸 (I ) を分離取得するには、 通常の固液分離 の方法、 例えば濾過、 遠心分離等の方法を用いればよく、 必要に応じて、 洗浄、 脱水等の処理を行うことができる。 単離されたキノリンカルボン酸は、 このまま でも十分高純度であるが必要に応じて再結晶操作等の通常用いられる精製手段に
より精製することができる。
かくして得られた式 (I) で表される精製キノリンカルボン酸誘導体は、 後記 実施例に示すように、 再結晶を行うことなく H P L Cで 98 %以上という高純度 である。
式 ( I) で表されるキノリンカルボン酸は既知化合物であり、 すでに報告され ている方法 (WOZ97/ 1 1068号公報) の他、 任意の方法で製造される が、 その一例を挙げれば次のとおりである。
(D) (E)
(I)
(F)
〔式中、 R 1 R2は低級アルキル基を示し、 R3は水素原子又は酸処理または水素 添加によって除去可能なァミノ保護基 (例えば t e r t 一ブチル基、 1 , 1, 3, 3 -テ トラメチルブチル基、 ベンジル基、 p—メトキシベンジル基、 1—フエ二ルェチ ル基等) を示し、 Rは前記と同じものを示す〕
即ち、 化合物 (A) にオルトギ酸ェチル又はオルトギ酸メチル等のオルトギ酸 エステル類を反応させてアクリル酸エステル誘導体 (B ) とした後、 ァミノ化合 物 (C ) を反応させ化合物 (D) とし、 次いで環化反応に付し、 R3がァミノ保 護基の場合はさらに脱保護することにより化合物 (E) とし、 3—ヒドロキシァ ゼチジンと反応させることにより (F ) とし、 これを脱保護するとにより化合物
( I ) を得ることができる。
化合物 (A) とオルトギ酸エステル類との反応は通常 0〜1 6 0 °C、 好ましく は 5 0〜 1 5 0 °Cで行われ、 反応時間は通常 1 0分〜 4 8時間、 好ましくは 1〜 1 0時間である。 またオルトギ酸エステルの使用量は、 化合物 (A) に対して等 モル以上、 とりわけ約 1〜1 0倍モルが好ましい。 また、 反応補助剤として、 無 水酢酸等のカルボン酸無水物を加えることが望ましい。 反応補助剤の量として は、 化合物 (A) に対して等モル以上、 とりわけ約 1〜1 0倍モルが好ましい。 化合物 (B) とァミノ化合物 (C) との反応は無溶媒または適当な溶媒中で行 われる。 ここで使用される溶媒としては、 該反応に影響しないものであればいず れでもよく、 例えば、 ベンゼン、 トルエン、 キシレン等のような芳香族炭化水素 類;ジェチルエーテル、 テトラヒドロフラン、 ジォキサン、 モノグライム、 ジグ ライム等のようなエーテル類;ペンタン、 へキサン、 ヘプタン、 リグ口イン等の ような脂肪族炭化水素類;塩化メチレン、 クロ口ホルム、 四塩化炭素等のような ハロゲン化炭化水素類;ジメチルホルムアミド、 ジメチルスルホキシド等のよう な非プロトン性極性溶媒;メタノール、 エタノール、 プロパノール等のようなァ ルコール類等が挙げられる。 本反応は通常 0〜 1 5 0 °C、 好ましくは 0〜 1 0 0 °Cで行われ反応時間は、 通常 1 0分〜 4 8時間である。 ァミノ化合物
( C) の使用量は化合物 (A) に対して、 等モルに近い量を使用するのが望まし い。
また別法として、 化合物 (A) に、 N, N—ジメチルホルムアミドジメチルァ セタール、 N, N—ジメチルホルムアミドジェチルァセタールなどのァセタール 類を反応させた後、 ァミノ化合物 (C ) を反応させて化合物 (D) へ導くことも できる。 ァセタール類との反応に使用される溶媒としては、 本反応に影響しない ものならいずれのものを用いてもよく、 例えば、 前述したものが挙げられる。 本 反応は通常 0から 1 5 0 °C、 好ましくは室温〜 1 0 0 °Cで行われ、 反応時間は、 1 0分〜 4 8時間、 好ましくは 1〜1 0時間である。
次に、 化合物 (D) を環化反応に付して化合物 (E ) を得る反応は、 塩基性化 合物の存在下又は非存在下適当な溶媒中で行われる。 本反応に使用される溶媒と しては、 反応に影響を与えないものであればいずれも使用でき、 例えば、 ベンゼ ン、 トルエン、 キシレン等のような芳香族炭化水素類;ジェチルエーテル、 テト ラヒドロフラン、 ジォキサン、 モノグライム、 ジグライム等のようなエーテル 類;塩化メチレン、 クロ口ホルム、 四塩化炭素等のようなハロゲン化炭化水素 類;ジメチルホルムアミド、 ジメチルスルホキシド等のような非プロトン性極性 溶媒;メタノール、 エタノール、 プロパノール等のようなアルコール類等が挙げ られる。 また使用される塩基性化合物としては、 金属ナトリウム、 金属カリウム 等のようなアルカリ金属類;水素化ナトリウム、 水素化カルシウム等のような金 属水素化物;水酸化リチウム、 水酸化ナトリウム、 水酸化カリウム、 炭酸ナトリ ゥム、 炭酸カリウム等のような無機塩類;ナトリウムメトキシド、 ナトリウムェ トキシド、 カリウム— t e r t —ブトキシド等のようなアルコキシド類、 フッ化 ナトリウム、 フッ化カリウム等のような金属フッ化物; トリェチルァミン、 1, 8—ジァザビシクロ [ 5 . 4. 0 ] ゥンデセン (D B U) 等のような有機塩基類 が挙げられる。 また、 反応補助剤として、 塩化リチウム等の反応補助剤を加える こともできる。 反応補助剤の量としては、 化合物 (A) に対して等モル以上、 と
りわけ約 1〜 1 0倍モルが好ましい。 本反応の温度は通常 0〜 2 0 0 °C、 好まし くは室温〜 1 8 0 °Cがよく、 反応は通常 5分〜 2 4時間で終了する。 塩基性化合 物の使用量は化合物 (D) に対して等モル以上、 好ましくは等モル〜 2倍モルが い。
また、 R3がァミノ保護基の場合は常法により脱保護され、 例えば、 R 3が酸で 除去できる保護基の場合、 トリフルォロ酢酸、 メタンスルホン酸、 塩酸等の酸の 存在下、 テトラヒドロフラン、 ジォキサン等のようなエーテル類、 アセトン、 メ チルェチルケトン等のようなケトン類、 酢酸等の溶媒又はこれらの混合溶媒の存 在下又は非存在下で行われる。 本反応は、 通常室温〜 1 5 0 °C、 好ましくは室温 〜8 0 °Cで行われ、 反応時間は通常 1〜2 4時間である。 また、 R 3が水素添加 で除去できる保護基の場合、 パラジウム触媒、 白金触媒の存在下、 水素雰囲気中 でメタノール、 エタノール等のアルコール類、 テトラヒドロフラン、 ジォキサン 等のようなエーテル類、 アセトン、 メチルェチルケトン等のようなケトン類、 酢 酸等の溶媒又はこれらの混合溶媒の存在下又は非存在下で行われる。 本反応は、 通常室温〜 1 5 0 °C、 好ましくは室温〜 8 0 で行われ、 水素圧は、 常圧〜 1 0 気圧、 反応時間は通常 1〜 2 4時間である。
更に、 化合物 (E ) を 3—ヒドロキシァゼチジンと反応させることにより化合 物 (F ) が得られる。
本反応は、 メタノール、 エタノール等のようなアルコール類;テトラヒドロフ ラン、 ジォキサン、 モノグライム等のようなエーテル類;塩化メチレン、 クロ口 ホルム、 四塩化炭素等のようなハロゲン化炭化水素類;ジメチルホルムアミド、 ジメチルスルホキシド、 N—メチルピロリ ドン等のような非プロトン性極性溶 媒;ァセトニトリル、 ピリジン等の反応に影響を与えない溶媒中、 必要に応じて 脱酸剤、 例えば、 炭酸ナトリウム、 炭酸カルシウム、 トリェチルァミン、 N—メ チルピロリジン、 1, 8—ジァザビシクロ [ 5 . 4 . 0 ] ゥンデセン (D B U) 、 炭酸カリウム等の存在下、 室温〜 1 6 0 °Cにおいて行われる。 反応
時間は数分〜 48時間、 好ましくは 10分〜 24時間である。 3—ヒドロキシァ ゼチジンの使用量は化合物 (F) に対して等モル以上、 好ましくは等モル〜 5倍 モルとするのがよい。
化合物 (F) を加水分解して、 R1のカルボキシ保護基を脱離することにより 化合物 (I) を得ることができる。
脱保護反応は、 一般公知の反応が用いられ、 例えば加水分解が挙げられ、 水酸 化リチウム、 水酸化ナトリウム、 水酸化カリウム、 炭酸ナトリウム、 炭酸力リウ ム等の塩基性化合物;塩酸、 硫酸、 臭化水素酸等の鉱酸;あるいは!)一トルエン スルホン酸等の有機酸等の存在下、 水、 メタノール、 エタノール、 プロパノール 等のようなアルコール類、 テトラヒドロフラン、 ジォキサン等のようなエーテル 類、 アセトン、 メチルェチルケトン等のようなケトン類、 酢酸等の溶媒又はこれ らの混合溶媒中で行なうことができる。 本反応は、 通常室温〜 180°C、 好まし くは室温〜 1 4 0 °Cで行われ、 反応時間は通常 1〜 2 4時間である。 実施例
以下、 実施例及び参考例により本発明を更に詳細に説明する。
実施例 1
2_アミノー 3, 5—ジフルオロー 6— ( r a c— 1—フエニルェチルアミ ノ) ピリジンの合成
2—ァミノ一 3, 5, 6—トリフルォロピリジン 7. 5 gを、 15. 0 gの r a c - 1—フエニルェチルアミンとともに 20 gの N, N'—ジメチル一 2― ォキサゾリジノンに加え、 窒素雰囲気下、 170°Cで 66時間撹拌した。 放冷し た後、 30 OmLのクロ口ホルムを加え、 1. 5 Lの 5%クェン酸水溶液で 2回 洗浄した。 クロ口ホルム層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後減圧下に濃縮した。 暗緑色の油状物として TLCでほぼ単一スポットを示す粗製の標記化合物 62 g を得た。
'HNMR (CDC 13) δ ;
1. 53 (d, J = 7Hz, 3 H) , 4. 1 0 (b r s , 2 H) , 4. 52 (b r s, 1H) , 5. 1 5 (m, 1 H) , 6. 96 ( t , J = 1 0 H z , 1 H) , 7. 21 -7. 37 (m、 5H)
実施例 2
ェチル 3— [ (3, 5—ジフルオロー 6— (r a c— 1—フエニルェチルァ ミノ) ピリジン _2—ィル) ァミノ] —2— (3—クロ口一 2, 4, 5—トリフ ルォ口べンゾィル) ァクリレートの合成
ェチル 3—クロロー 2, 4, 5—トリフルォロベンゾィルアセテート 5. 6 O gに無水酢酸 5. 60 g, オルトぎ酸トリェチル 5. 00 gを加え 140°Cの油浴につけて 1時間 1 5分加熱した。 溶媒を減圧下留去した。 残渣に 6 OmLのトルエンを加え減圧下に濃縮した。 この操作を更に 2回繰り返した。 残渣にクロ口ホルム 1 5mLを加え、 2—アミノー 3, 5—ジフルオロー 6— (r a c— 1—フエニルェチルァミノ) ピリジン 5. 20 gを加え、 減圧下に 濃縮した。 1 OmLのメタノールを加えて数日放置し、 析出した固体を濾取、 メ 夕ノールで洗い、 黄色粉末として標記化合物 8. 00 gを得た。
融点: 138 _ 140 °C
'HNMR (CDC 13) (5 ;
1. 2 1 ( t, J = 7Hz, 3H) , 1. 62 (d, J = 7Hz, 3 H) , 4. 20 (q, J = 7 H z , 2 H) , 5. 0 1 (b r s, 1 H) , 5. 1 4 (q, J = 7 H z , 1 H) , 7. 1 5 ( t , J = 9 H z , 1 H) , 7. 2 1 (m, 2H) , 7. 35 (m, 2H) , 7. 42 (m, 2 H) , 9. 02 (d, J - 13Hz, 1H) , 12. 48 (b r s, 1 H)
実施例 3
ェチル 3— [ (6—ァミノ— 3, 5—ジフルォロピリジン— 2—ィル) アミ ノ] — 2— (3—クロ口一 2, 4, 5—トリフルォ口べンゾィル) ァクリレート
の合成
ェチル 3—クロ口— 2 , 4, 5—トリフルォロベンゾィルアセテート 2. 60 gに無水酢酸 2. 60 g, オルトぎ酸卜リエチル 2. 50 gを加え 140°Cの油浴につけて 1時間加熱した。 溶媒を減圧下留去した。 残渣に 15 mLのトルエンを加え減圧下に濃縮した。 この操作を更に 2回繰り返した。 残渣 にクロ口ホルム 5mLを加え、 2, 6—ジァミノー 3, 5—ジフルォロピリジン 1. 40 gを加え、 減圧下に濃縮した。 析出した固体をメタノールに分散して濾 取、 メタノールで洗い、 黄色粉末として標記化合物 2. 96 gを得た。
融点: 149一 150 °C
'HNMR (CDC 13) δ ;
1. 02 (t, J = 7 H z , 3 H) , 4. 13 (q, J = 7 H z , 2 H) , 4. 6 1 (b r s , 2 H) , 7. 2 1 ( t , J = 9 H z , 1 H) , 7. 38 (m, 1H) , 8. 97 (d, J = 13Hz, 1H) , 1 1. 28 (b r s, 1 H)
実施例 4
ェチル 3_ [ (6—ァミノ— 3, 5—ジフルォロピリジン一 2 _ィル) アミ ノ] —2— (2, 4, 5_トリフルオロー 3—メチルベンゾィル) ァクリレート の合成
ェチル 2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチルベンゾィルアセテート 2. 60 gに無水酢酸 2. 60 g, オルトぎ酸トリェチル 2. 50 gを加え 140°Cの油浴につけて 1時間加熱した。 溶媒を減圧下留去した。 残渣に 15 mLのトルエンを加え減圧下に濃縮した。 この操作を更に 2回繰り返した。 残渣 にクロ口ホルム 5 mLを加え、 2, 6—ジァミノー 3, 5—ジフルォロピリジン 1. 43 gを加え、 減圧下に濃縮した。 析出した固体をメタノールに分散して 濾取、 メタノールで洗い、 黄色粉末として標記化合物 3. 26 gを得た。
融点: 155 _ 156 °C
'HNMR (CDC 13) (5 ;
1. 0 0 ( t , J = 7H z, 3H) , 1. 5 6 (s , 3H) , 4. 1 1 (q, J = 7Hz , 2H) , 4. 6 2 (b r s , 2 H) , 7. 2 0 ( t , J = 9Hz, 1 H) , 7. 2 7 (m, 1 H) , 8. 90 (d, J = 1 3Hz, 1 H) , 1 1. 1 7 (b r s, 1 H)
実施例 5
ェチル 1— (6—ァミノ— 3, 5—ジフルォロピリジン一 2—ィル) 一 8— クロ口一 6, 7—ジフルオロー 4一ォキソ _ 1, 4ージヒドロキノリン一 3—力 ルポキシレー卜の合成
ェチル 3— [ (6—アミノー 3, 5—ジフルォロピリジン _ 2—ィル) アミ ノ] _ 2 _ (3—クロ口一 2, 4, 5—トリフルォ口べンゾィル) ァクリレート
2. 1 8 gを、 塩ィ匕リチウム 60 Omg、 水酸化リチウム 250mgとと もに 7. 0 gのジメチルスルホキシドに加え、 窒素雰囲気下、 60°Cで 1. 5時 間攪拌した。 放冷後、 反応溶液を 4 OmLの 1 0%クェン酸水溶液に攪拌しなが ら加えた。 析出物を濾取、 水洗した。 得られた固体を 7mLのエタノールに分散 し、 1 5分加熱還流した。 沈殿物を濾取、 エタノールで洗った。 黄色粉末として 標記化合物 1. 8 5 gを得た。
融点: 2 04— 208 °C
'HNMR (CDC 13) δ ;
1. 2 7 ( t , J = 7Hz, 3H) , 4. 24 (d, J - 7Hz, 2 H) , 6. 7 6 (b r s , 2H), 7. 9 7 ( t , J = 9Hz, 1 H) , 8. 2 1 ( t , J = 9Hz, 1H) , 8. 63 (s , 1 H)
実施例 6
ェチル 1一 (6—ァミノ— 3, 5—ジフルォロピリジン— 2—ィル) 一 6, 7—ジフルオロー 8—メチル—4—ォキソ一 1, 4—ジヒドロキノリン一 3 _力 ルポキシレートの合成
ェチル 3— [ (6 _アミノー 3, 5—ジフルォロピリジン一 2—ィル) アミ ノ] _ 2 _ (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチルベンゾィル) ァクリレート
8 3 Omgを、 塩化リチウム 43 Omg、 水酸化リチウム 9 0mgととも に 2. 5mLのジメチルスルホキシドに加え、 窒素雰囲気下、 6 0°Cで 5時間、 8 0°Cで 2時間攪拌した。 放冷後、 反応溶液を 1 OmLの 1 0 %クェン酸水溶液 に攪拌しながら加えた。 析出物を濾取、 水洗した。 得られた固体を lmLのエタ ノールに分散し、 1 5分加熱還流した。 沈殿物を濾取、 エタノールで洗った。 黄 色粉末として標記化合物 662mgを得た。
融点: 22 1— 224°C
'HNMR (d6— DMS〇) δ ;
1. 2 9 ( t, J = 7Hz, 3H) , 1. 7 9 (s , 3H) , 4. 2 5 (q, J = 7Hz, 2H) , 6. 87 (b r s , 2H), 8. 00 ( t , J = 9Hz, 1 H) , 8. 07 ( t , J = 9Hz, 1 H) , 8. 60 (s, 1 H)
実施例 7
ェチル 1 _ (3, 5—ジフルオロー 6— (r a c— 1一フエニルェチルアミ ノ) ピリジン _ 2—ィル) 一 8—クロ口 _ 6, 7—ジフルォロ一 4ーォキソ一 1, 4—ジヒドロキノリン— 3—カルポキシレートの合成
ェチル 3 _ [ (3, 5—ジフルオロー 6— ( r a c— 1—フエニルェチルァ ミノ) ピリジン一 2—ィル) ァミノ] 一 2— (3—クロ口一 2, 4, 5—トリフ ルォ口べンゾィル) ァクリレート 7 3. 6 gのジメチルホルムアミド 1 2 5 mL溶液に、 炭酸カリウム 4 5 gを加え、 8 0°Cで 1時間攪拌した。 反応液を 1 Lの蒸留水中に加え、 沈殿物を残して溶液を捨て、 新たに 1 Lの蒸留水を加え て攪拌した後静置し、 デカンテーシヨンで溶液を除いた。 残渣を 30 OmLのク ロロホルムに溶かし、 8 0 OmLの蒸留水で 2回洗った。 クロ口ホルム層を無水 硫酸マグネシウムで乾燥した後減圧下に濃縮した。 得られた固体を 1 0 OmLの エタノールに分散し、 1 0分加熱還流した。 沈殿物を濾取、 エタノールで洗つ
W
た。 無色粉末として標記化合物 66 gを得た。
融点: 224— 229 °C
'HNMR (CDC 13) δ ;
1. 40 (t, J = 7Hz, 3H) , 1. 55 (m, 3H) , 4. 87, 5. 01 (m, 2H) , 7. 1 1 -7. 34 (m, 7 H) , 8. 24 (t, J = 9H z, 1H) , 8. 41 (s, 1 H)
実施例 8
ェチル 1_ (3, 5—ジフルオロー 6 _ (r a c _ 1 _フエニルェチルアミ ノ) ピリジン一 2 Γル) _6, 7—ジフルオロー 8—メチル一 4ーォキソ一 1, 4—ジヒドロキノリン一3—カルボキシレートの合成
ェチル 2, 4, 5 _トリフルオロー 3—メチルベンゾィルアセテート 26. 0 gに無水酢酸 26. 0 g, オルトぎ酸トリェチル 2 5. 0 gを加え 140°Cの油浴につけて 1時間加熱した。 溶媒を減圧下留去した。 残渣に 100 mLのトルエンを加え減圧下に濃縮した。 この操作を更に 2回繰り返した。 残渣 にクロ口ホルム 5 OmLを加え、 2—ァミノ— 3, 5—ジフルオロー 6— (r a c— 1 _フエニルェチルァミノ) ピリジン 27. Ogを加え、 減圧下に 濃縮した。 残渣を塩化リチウム 12. O g、 水酸化リチウム 4. 5 gととも に 8 OmLのジメチルスルホキシドに加え、 60°Cで 4時間攪拌した。 反応液を 1 Lの氷水中に加えた。 析出物を濾取、 水洗した。 得られた固体を 15 OmLの エタノールに分散し、 10分加熱還流した。 沈殿物を濾取、 エタノールで洗つ た。 淡褐色粉末として標記化合物 33. 5 gを得た。
融点: 238— 241 °C
'HNMR (CDC 13) δ ;
1. 17 (d, J = 2H z , 3 H) , 1. 40 ( t, J = 7 H z , 3H) , 1. 52 (d, J = 7Hz , 3H) , 4. 89, 5. 05, 5. 11, 5. 18 (m, 2H) , 7. 1 1-7. 34 (m, 6 H) , 8. 16 ( t , J = 9 H z ,
1 H) , 8. 22 (b r s , 1 H) , 8. 37 (s, 1 H)
実施例 9
ェチル 1一 (6—アミノー 3, 5—ジフルォロピリジン一 2—ィル) 一 6, 7ージフルオロー 8—メチルー 4—ォキソ一 1, 4—ジヒドロキノリン— 3—力 ルポキシレートの合成
ェチル 1一 (3, 5—ジフルオロー 6— (r a c— 1 _フエニルェチルアミ ノ) ピリジン— 2—ィル) _6, 7—ジフルオロー 8—メチルー 4ーォキソ— 1, 4—ジヒドロキノリン一3—カルボキシレート 112mgを 0. 5mLのト リフルォロ酢酸に加え、 80°Cに 2時間加熱した。 減圧下に濃縮した。 残渣に 1 mLの n—へキサンを加え攪拌した。 へキサンをデカンテ一シヨンで除いた。 こ の操作をもう一度繰り返した。 無色固形残渣として標記化合物を定量的に得た。
'HNMR (d6-DMSO) δ ;
1. 29 ( t , J = 7Hz, 3H) , 1. 79 (s, 3 H) , 4. 25 (q, J = 7Hz, 2H) , 6. 87 (b r s , 2H), 8. 00 (t, J = 9Hz, 1H) , 8. 07 (t, J = 9Hz, 1H) , 8. 60 (s, 1 H)
実施例 10
ェチル 1— (6—アミノー 3, 5—ジフルォロピリジン一 2—ィル) 一 6_ フルオロー 7— (3—ヒドロキシァゼチジン一 1—ィル) 一 8—メチル— 1, 4 ージヒドロー 4一ォキソキノリン一 3—カルボキシレートの合成
ェチル 1— (6—アミノー 3, 5—ジフルォロピリジン一 2—ィル) 一 6, 7—ジフルオロー 8—メチルー 4—ォキソ一 1, 4—ジヒドロキノリン一 3—力 ルポキシレート 399mg、 3—ヒドロキシァゼチジン '塩酸塩 137mg、 N —メチルピロリジン 370mg、 塩化リチウム 1 1 Omgを 70 Omgのジメチ ルスルホキシドに加え、 60°Cで 17時間、 85°Cで 3時間攪拌した。 反応溶液 を 6mLの 10%クェン酸水溶液に攪拌しながら加えた。 析出物を濾取、 水洗し た。 得られた固体を lmLのエタノールに分散し、 15分加熱還流した。 沈殿物
を濾取、 エタノールで洗った。 淡黄色粉末として標記化合物 204m gを得た。 融点: 242 - 245 °C
'HNMR (d6-DMSO) δ ;
1. 25 ( t , J = 7Hz, 3Η) , 1. 58 (s, 3H) , 3. 84 (m, 1H) , 3. 92 (m, 1H) , 4. 21 (q, J = 7Hz, 2 H) , 4. 44 (m, 3 H) , 5. 62 (d, J = 5 H z , 1 H) , 6. 79 (b r s , 2
H) , 7. 62 (d, J = 14Hz, 1H) , 7. 93 (t, J = 9Hz, 1
H) , 8. 42 (1H, s)
実施例 11
1 - (6—アミノー 3, 5—ジフルォロピリジン一 2—ィル) 一6—フルォロ - 7 - (3—ヒドロキシァゼチジン— 1—ィル) 一 8_メチル— 1, 4—ジヒド 口— 4一ォキソキノリン— 3—カルボン酸の合成
ェチル 1 _ (6—ァミノ一 3, 5—ジフルォロピリジン一 2—ィル) 一6, 7—ジフルオロー 8 _メチル—4—ォキソ一 1, 4—ジヒドロキノリン— 3—力 ルポキシレート 910mg、 3—ヒドロキシァゼチジン 240mg、 N—メ チルピロリジン 410mg、 塩化リチウム 23 Omgを 161 Omgのジメ チルスルホキシドに加え、 60°Cで 22時間攪拌した。 反応溶液を 6mLの 10%クェン酸水溶液に攪拌しながら加えた。 析出物を濾取、 水洗した。 得られ た固体を、 20 Omgの水酸化ナトリウムとともに 3 mLの水と 3 mLのェタノ 一ルの混液に加え、 窒素雰囲気下、 60°Cで 2時間攪拌した。 室温に戻して、 濃 塩酸を加え pHを 1とした。 室温で 1昼夜攪拌した後、 析出物を濾取、 水洗し た。
得られた固体を 1. 5mLのエタノールに分散し、 19時間、 室温で攪拌し た。 沈殿物を濾取、 エタノールで洗った。 黄色粉末として標記化合物 65 Omg を得た。
'HNMR (d「DMSO) δ ;
1. 64 (s, 3H) , 3. 94 (m, 1 H) , 4. 03 (m, 1 H) , 4. 49 (m, 3H) , 5. 69 (d, J = 5Hz, 1 H) , 6. 85 (b r s , 2 H) , 7. 77 (d, J = 14Hz, 1H) , 7. 96 (t, J = 10Hz, 1 H) , 8. 72 (s, 1 H)
実施例 12
1— (6—ァミノ一 3, 5—ジフルォロピリジン一 2—ィル) 一 6—フルォロ 一 7— (3—ヒドロキシァゼチジン一 1—ィル) 一 8—メチル— 1, 4一ジヒド ロー 4 _ォキソキノリン— 3—力ルボン酸 · リチウム塩の合成
1— (6—ァミノ一 3, 5—ジフルォロピリジン一 2—ィル) 一 6 _フルォロ 一 7— (3—ヒドロキシァゼチジン一 1 fル) 一 8—メチルー 1, 4一ジヒド 口— 4—ォキソキノリン— 3—力ルボン酸 214mg (純度 98. 8%) を、 63 mgの水酸化リチウムとともに 1. 10 gのエタノールに加え、 6時間攪拌 しながら、 加熱還流した。 この間、 大半は固体のまま分散している状態が継続し た。 放冷後、 析出物を濾取、 エタノールで洗った。 五酸化りん上、 減圧下に乾燥 し、 無色粉末として標記化合物 21 Omg (純度 99. 3%) を得た。
尚、 化合物の純度は、 高速液体クロマトグラフィーを用い、 以下の条件下、 逆 相カラムで分離し、 検出されたすベてのピーク面積の総和に対する目的物の面積 比によって示した (以下実施例 13〜17についても同様) 。
Conditions:
Column; LUNA 5u C18(2) 150 X 4.60 mm (Phenomenex)
UV detection; 254 nm or 290nm
Mobile phase; 20mM SDS solution in phoshoric acid (1→10000): aceton itrile(67:33)
Flow rate; 1.2 mL/min
融点: 280°C以上 (275 °C以上で着色)
'HNMR (d6—DMSO:ケミカルシフト値は濃度依存性: 3. 8mgを
0. 8 mLに溶解して測定) δ ;
1. 60 (s, 3H) , 3. 85 (m, 1 H) , 3. 94 (m, 1 H) , 4. 35— 4. 45 (m, 3 H) , 5. 65 (b r s, 1H) , 6. 77 (b r s, 2H) , 7. 69 (d, J = 14Hz, 1 H) , 7. 93 ( t , J = 9Hz, 1 H) , 8. 55 (s, 1H)
実施例 13
1一 (6—ァミノ一 3, 5—ジフルォロピリジン一 2—ィル) 一6—フルォロ -7- (3—ヒドロキシァゼチジン— 1 _ィル) _ 8—メチルー 1, 4—ジヒド 口— 4一ォキソキノリンー 3—力ルボン酸 ·力リゥム塩の合成
1— (6—アミノー 3, 5—ジフルォロピリジン一 2—ィル) 一6—フルォロ — 7— (3—ヒドロキシァゼチジン一 1—ィル) 一 8—メチル— 1, 4一ジヒド ロー 4一ォキソキノリン一 3—カルボン酸 (純度 92. 8 %) 403mgを、 15 Omgの水酸化カリウムとともに 2. 5mLのエタノールに加え、 2時間判 攪拌しながら、 加熱還流した。 この間、 大半は固体のまま分散している状態が継 続した。 放冷後、 析出物を濾取、 エタノールで洗った。 五酸化りん上、 減圧下に 乾燥し、 無色粉末として標記化合物 (純度 95. 6%) 220mgを得た。 融点: 280°C以上 (260°C以上で着色)
'HNMR (d6— DMS〇:ケミカルシフト値は濃度依存性: 5. 6mgを 0. 8 mLに溶解して測定) δ ;
1. 55 (s, 3Η) , 3. 80 (m, 1 H) , 3. 85 (m, 1 H) , 4. 35 (m, 2H) , 4. 43 (m, 1 H) , 5. 71 (b r s, 1 Η) , 6. 6 6 (b r s, 2H) , 7. 57 (d, J = 14Hz, 1 H) , 7. 88 ( t, J = 9Hz, 1H) , 8. 09 (s, 1 H)
実施例 14
1— (6—ァミノ— 3, 5—ジフルォロピリジン一 2—^ Γル) 一8—クロ口一 6—フルォロ— 7— (3—ヒドロキシァゼチジン _ 1—ィル) _ 1, 4—ジヒド
ロー 4—ォキソキノリン— 3—カルボン酸 · リチウム塩の合成
1— (6—ァミノ一 3, 5—ジフルォロピリジン一 2—ィル) 一 8—クロ口一 6—フルオロー 7— (3—ヒドロキシァゼチジン— 1一ィル) 一 1, 4—ジヒド 口—4—ォキソキノリン— 3—カルボン酸 (純度 97. 4%) 222mgを、 63mgの水酸化リチウムとともに 1. 2 mLのエタノールに加え、 6時間攪拌 しながら、 加熱還流した。 この間、 大半は固体のまま分散している状態が継続し た。 放冷後、 析出物を濾取、 エタノールで洗った。 五酸化りん上、 減圧下に乾燥 し、 無色粉末として標記化合物 (純度 97. 8%) 2 15mgを得た。
融点: 280°C以上 (200°C以上で着色)
'HNMR (d6— DMSO:ケミカルシフト値は濃度依存性: 3. 2mgを 0. 8 mLに溶解して測定) δ ;
4. 10 (m, 2H) , 4. 35 (m, 1 H) , 4. 64 (m, 2 H) , 6. 67 (b r s, 2H) , 7. 80 (d, J = 13Hz, 1 H) , 7. 92 (t, J = 9Hz, 1H) , 8. 48 (s, 1 H)
実施例 15
1— (6—ァミノ一 3, 5—ジフルォロピリジン一 2—ィル) 一8—クロ口一 6—フルォロ—7— (3—ヒドロキシァゼチジン _ 1一ィル) 一 1, 4_ジヒド ロー 4—ォキソキノリン— 3—カルボン酸 ·ナトリゥム塩の合成
1— (6—ァミノ一 3, 5—ジフルォロピリジン一 2 Tル) 一8—クロロー 6—フルォロ _ 7— (3—ヒドロキシァゼチジン _ 1—ィル) — 1, 4—ジヒド 口— 4—ォキソキノリン— 3—力ルボン酸 (純度 95. 8%) 310mgを、 9 Omgの水酸化ナトリウムとともに 2. 5 mLのメタノールに加え、 攪拌しな がら、 2時間加熱還流した。 この間、 大半は固体のまま分散している状態が継続 した。 放冷後、 析出物を濾取、 メタノールで洗った。 五酸化りん上、 減圧下に乾 燥し、 無色粉末として標記化合物 (純度 98. 2%) 294mgを得た。
融点: 280°C以上
'HNMR (d6— DMSO:ケミカルシフト値は濃度依存性: 7. 6mgを 0. 8 mLに溶解して測定) δ ;
4. 07 (m, 2H) , 4. 44 (m, 1 H) , 4. 59 (m, 2H) , 5. 74 (b r s, 1Η) , 6. 63 (b r s , 2 H) , 7. 72 (d, J = 13H z, 1H) , 7. 89 (t, J = 9Hz, 1H) , 8. 26 (s, 1 H) 実施例 16
1 - (6—アミノー 3, 5—ジフルォロピリジン一 2—ィル) 一 6 _フルォロ -7- (3—ヒドロキシァゼチジン— 1一ィル) 一 8—メチル _ 1, 4—ジヒド ロー 4一ォキソキノリン一 3—カルボン酸の再生
1— (6—ァミノ一3, 5—ジフルォロピリジン一 2—ィル) 一 6—フルォロ 一 7— (3—ヒドロキシァゼチジン— 1 _ィル) 一 8_メチル— 1, 4—ジヒド ロー 4—ォキソキノリン一 3 _カルボン酸 ·ナトリウム塩 (純度 92. 6%) 180mgを、 57mgの酢酸とともに 1. OmLの蒸留水に加え、 室温で 2時 間、 60°Cで 1時間攪拌した。 この間、 大半は固体のまま分散している状態が継 続した。 放冷後、 析出物を濾取、 エタノールで洗った。 五酸化りん上、 減圧下に 乾燥し、 淡黄色粉末として標記化合物 (純度 94. 3%) 148mgを得た。 融点: 232— 235
'HNMR (d6 - DMSO) δ ;
1. 64 (s, 3Η) , 3. 94 (m, 1 H) , 4. 03 (m, 1 H) , 4. 49 (m, 3H) , 5. 69 (d, J = 5Hz, 1 H) , 6. 85 (b r s , 2 H) , 7. 77 (d, J = 14Hz, 1H) , 7. 96 ( t , J = 10Hz, 1 H) , 8. 72 (s, 1H)
実施例 17
1 - (6—ァミノ _3, 5—ジフルォロピリジン一 2—ィル) 一 8—クロロー 6—フルオロー 7— (3—ヒドロキシァゼチジン一 1—ィル) _ 1, 4_ジヒド ロー 4一ォキソキノリン— 3—力ルボン酸の再生
1— (6—ァミノ一 3, 5—ジフルォロピリジン一 2—ィル) 一8—クロロー 6—フルオロー 7— (3—ヒドロキシァゼチジン一 1 _ィル) 一 1, 4一ジヒド 口— 4—ォキソキノリンー 3—力ルボン酸 · リチウム塩 (純度 97. 8 %) 107mgを、 55mgの酢酸とともに 1. 0 mLのエタノールに加え、 4時間 攪拌しながら、 加熱還流した。 この間、 大半は固体のまま分散している状態が継 続した。 放冷後、 析出物を濾取、 エタノールで洗った。 五酸化りん上、 減圧下に 乾燥し、 無色粉末として標記化合物 (純度 98. 1%) 90mgを得た。
融点: 280°C以上
'HNMR (d「 DMSO) δ ;
4. 18 (m, 2 H) , 4. 51 (m, 3 Η) , 5. 75 ( b r s, 1 H) , 6. 76 (b r s , 2H) , 7. 79 (d, J = 13Hz, 1 H) , 7. 99 ( t , J = 9Hz, 1H) , 8. 75 (s, 1 H) 試験例 (抗菌作用)
1— (6—アミノー 3, 5—ジフルォロピリジン一 2 _ィル) 一6—フルォロ - 7 - (3—ヒドロキシァゼチジン— 1一^ fル) — 8—メチル— 1, 4—ジヒド ロー 4—ォキソキノリン一 3—カルボン酸 ·ナトリウム塩について、 日本化学療 法学会標準法 (CHEMOTHERAPY, 29 (1) , 76, 1981 ) に準 じ、 最小発育阻止濃度 (MI C: g/mL) を測定した。 結果を表 1に示す。 尚、 表中、 CPFXは、 1—シクロプロピル— 6—フルオロー 7 _ (1—ピぺ ラジニル) — 1, 4—ジヒドロ一 4—ォキソキノリン— 3—力ルボン酸、 LVF Xは、 S (-) 一 9—フルオロー 2, 3—ジヒドロ一 3—メチル _ 10— (4一 メチル _ 1—ピペラジニル) — 7—ォキソ一 7H—ピリド [1, 2, 3— d e] [1, 4] ベンゾォキサジン一 6—力ルポン酸を示す。
表 1
産業上の利用可能性
本発明のキノリンカルボン酸誘導体の精製法を用いれば、 式 (I ) で表される キノリンカルボン酸誘導体を殆ど溶解せず、 再結晶溶媒として従来使用できなか つた溶媒からでも当該化合物を短時間で、 十分に高純度で、 且つ回収率よく精製 することできる。 従って、 本発明の精製法は、 式 (I ) で表されるキノリンカル ボン酸誘導体の簡易且つ効率的な精製法として工業的に有用である。 また、 当該 式 (Π ) で表されるキノリンカルボン酸誘導体のアルカリ金属塩は、 式 (I ) で 表されるキノリンカルボン酸誘導体を精製するための中間体及び抗菌剤として有 用である。