明 細 書 殺菌剤組成物の使用方法 技術分野
本発明は、 植物病害の防除剤として有用な一般式(I) で表される 1, 2, 3— チアジアゾール誘導体又はその塩類を含有する殺菌剤組成物の使用方法に関する ものである。 更に詳しくは、 該使用方法が防除対象植物の種子又は対象植物を播 種する栽培担体への処理方法に関するものである。
背景技術
一般式(I) で表される 1, 2, 3—チアジアゾール誘導体又はその塩類は一部 新規な 1, 2, 3—チアジアゾール誘導体又はその塩類を含むものであるが、 多 くは特開平 8— 3 2 5 1 1 0号公報等に記載の公知の化合物であり、 植物病害防 除剤として有用であることが記載されている。
発明の開示
本発明者等は、 一般式(I) で表される 1, 2, 3—チアジアゾール誘導体又は その塩類の更なる使用薬量低減を目的に種々の使用方法を試みたところ、 当該 1, 2, 3—チアジアゾ一ル誘導体又はその塩類の施用を種子処理や播種時に栽培担 体への処理等によって実施することにより、 茎葉への散布処理からは予期できな い優れた効果を挙げうることを見出し、 本発明を完成させたものである。
本願発明の殺菌組成物の使用方法、 即ち、 一般式 (I ) で示される 1, 2, 3 —チアジアゾール誘導体又はその塩類を有効成分として含有する殺菌剤組成物の 対象植物の種子又は播種を行うための培地担体等への施用は、 薬剤のより有効な 使用方法を提供するものである。
発明を実施するための形態
〔式中、 R1は水素原子、 (C^— 6)アルキル基又は(C 3— 7)シクロアルキル基 を示し、 R は
3
C0-Y-R
(式中、 R°は水素原子、 ((^— 20) アルキル基、 ハロ((^—20) アルキル 基、 (C2— 20) アルケニル基、 ノヽロ(C2— 2 0) アルケニル基、 (C2一 20) アル キニル基、 ノヽロ(C2— 20) アルキニノレ基、 (C3— 12) シクロアルキル基、 (C! _ 6 )アルコキシ(C丄— 6 )アルキル基、 (C丄— 6 )アルコキシ(C — 6 )アルコキ シ(Ci— 6)アルキル基、 カルボキシ — 6)アルキル基、 0^— 20) アルコキシ カルボニル(C^— 6)アルキル基、 力ルバモイル(C^— 6)アルキル基、 同一又は異 なっても良く、 ((^—6)アルキル基、 フエニル基又は 1以上の同一又は異なって も良いハロゲン原子又は(C丄— 6 )アルキル基により置換されたフエニル基から選 択される 1〜 2個の置換基を有する力ルバモイル (C^— 6)アルキル基、 シァノ ((^—6)アルキル基、 ((^― 6)アルキルカルボニルォキシ((^—6)アルキル基、 ((^— 6)アルキルカルボニルァミノ(Ci— 6)アルキル基、 フエニル基、 同一又は 異なっても良く、 ハロゲン原子、 水酸基、 シァノ基、 ニトロ基、 (C^— 6)アルキ ル基、 ハロ(C — 6)アルキル基、 ((^-6)アルコキシ基、 ハロ((^— 6)アルコキ シ基、 カルボキシル基、 ((^_1 2) アルコキシカルボニル基、 力ルバモイル基 又は同一若しくは異なっても良く、 ハロゲン原子、 (C —丄 2)アルキル基、 フエ ニル基又は 1〜5個の同一又は異なっても良い((^― 6)アルキル基により置換さ れたフエニル基から選択される 1〜 2個の置換基を有する力ルバモイル基から選 択される 1〜 5個の置換基を有するフエニル基、 フエニル (C^— 6)アルキル基、 同一又は異なっても良く、 ハロゲン原子、 水酸基、 シァノ基、 ニトロ基、
((:ェ- アルキル基、 ハロ(C i—6)アルキル基、 (C — 6)アルコキシ基、 ハロ (Ci— 6)アルコキシ基、 カルボキシル基、 (Ci— 1 2) アルコキシカルボニル基、 力ルバモイル基又は同一若しくは異なっても良く、 ハロゲン原子、 (c^— 1 2) アルキル基、 フエニル基又は 1〜5個の同一又は異なっても良い((^— 6)アルキ ル基により置換されたフユニル基から選択される 1〜 2個の置換基を有するカル バモイル基から選択される 1〜5個の置換基を環上に有するフエニル ((^_6)ァ ルキル基、 フエニルカルボニルォキシ(C i— e)アルキル基、 同一又は異なっても 良く、 ハロゲン原子、 水酸基、 シァノ基、 ニトロ基、 (C^— 6)アルキル基、 ハロ (C^— 6)アルキル基、 (Ci— 6)アルコキシ基、 ノヽロ(C^— 6)アルコキシ基、 カル ボキシル基、 ((^— i 2)アルコキシカルボニル基、 力ルバモイル基又は同一若し くは異なっても良く、 ハロゲン原子、 (C]L— 1 2) アルキル基、 フエニル基又は ;!〜 5個の同一又は異なっても良い 0^— 6)アルキル基により置換されたフエ二 ル基から選択される 1〜 2個の置換基を有する力ルバモイル基から選択される 1
〜 5個の置換基を環上に有するフェニルカルボニルォキシ(C !_6)アルキル基、 フエニルカルボニル(C^— 6)アミノアルキル基、 同一又は異なっても良く、 ハロ ゲン原子、 水酸基、 シァノ基、 ニトロ基、 (Ci— 6)アルキル基、 ハロ(Ci-6)ァ ルキル基、 (C^— 6)アルコキシ基、 ハロ((^—6)アルコキシ基、 カルボキシル基、 (Cl _ 1 2) アルコキシカルボニル基、 力ルバモイル基又は同一若しくは異なつ ても良く、 ハロゲン原子、 (Ci— 1 2) アルキル基、 フエニル基又は 1〜 5個の 同一又は異なっても良い(C 1— 6)アルキル基により置換されたフエニル基から選 択される 1〜 2個の置換基を有する力ルバモイル基から選択される 1〜 5個の置 換基を環上に有するフユニルカルボニル(Ci—6)アミノアルキル基、 酸素原子、 硫黄原子又は窒素原子から選択される同一又は異なっても良い 1以上のへテ口原 子を有する 5〜 6員複素環、 同一又は異なっても良く、 ハロゲン原子、 水酸基、 シァノ基、 ニトロ基、 (Ci— 6 )アルキル基、 ハロ((^― 6)アルキル基、 (C^— 6) アルコキシ基、 ノヽロ — 6)アルコキシ基、 カルボキシル基、 (Ci— 1 2) アル コキシカルボニル基、 力ルバモイル基又は同一若しくは異なっても良く、 ハロゲ ン原子、 (C^— 1 2) アルキル基、 フエニル基又は 1〜 5個の同一又は異なって も良い — アルキル基により置換されたフエニル基から選択される 1〜2個
の置換基を有する力ルバモイル基から選択される 1〜 5個の置換基で置換された 5〜 6員複素環、 酸素原子、 硫黄原子又は窒素原子から選択される同一又は異な つても良い 1以上のへテロ原子を有する 5〜 6員複素環 — アルキル基、 同 一又は異なっても良く、 ハロゲン原子、 水酸基、 シァノ基、 ニトロ基、 ((^— 6) アルキル基、 ノヽロ((:丄 —6)アルキル基、 ( — 6)アルコキシ基、 ノヽロ((^— ァ ルコキシ基、 カルボキシル基、 (C! _! 2 ) アルコキシカルボニル基、 カルバモ ィル基又は同一若しくは異なっても良く、 ハロゲン原子、 (^— 1 2) アルキル 基、 フエ-ル基又は 1〜5個の同一又は異なっても良い((^— 6)アルキル基によ り置換されたフユニル基から選択される 1〜 2個の置換基を有する力ルバモイル 基から選択される 1 ~ 5個の置換基で置換された 5 ~ 6員複素環 ((^_ 6)アルキ ル基、 酸素原子、 硫黄原子又は窒素原子から選択される同一又は異なっても良い 1以上のへテ口原子を有する 5〜 6員複素環カルボニルォキシ(C i— 6 )アルキル 基、 同一又は異なっても良く、 ハロゲン原子、 水酸基、 シァノ基、 ニトロ基、 ((:丄— 6)アルキル基、 ハロ((^—6)アルキル基、 (C — 6)アルコキシ基、 ノヽロ (Ci—6)アルコキシ基、 カルボキシル基、 ((^— 1 2) アルコキシカルボニル基、 力ルバモイル基又は同一若しくは異なっても良く、 ハロゲン原子、 ((^— 1 2) アルキル基、 フエニル基又は 1〜5個の同一又は異なっても良い ((^— 6)アル キル基により置換されたフエニル基から選択される 1〜 2個の置換基を有する力 ルバモイル基から選択される 1〜 5個の置換基で置換された 5〜 6員複素環カル ボニルォキシ ((^— 6)アルキル基、 酸素原子、 硫黄原子又は窒素原子から選択さ れる同一又は異なっても良い 1以上のへテロ原子を有する 5〜 6員複素環カルボ ニルァミノ(Ci— 6)アルキル基、 同一又は異なっても良く、 ハロゲン原子、 水酸 基、 シァノ基、 ニトロ基、 (C 1—6)アルキル基、 ハロ((^— 6)アルキル基、 ((^—6)アルコキシ基、 ハロ(^ —6)アルコキシ基、 カルボキシル基、 ((:丄ー 丄 2) アルコキシカルボニル基、 力ルバモイル基又は同一若しくは異なっても良く、 ハロゲン原子、 (CJL— 1 2) アルキル基、 フエニル基又は 1〜 5個の同一又は異 なっても良い((^— 6)アルキル基により置換されたフエニル基から選択される 1 〜 2個の置換基を有する力ルバモイル基から選択される 1〜 5個の置換基で置換 された 5 ~ 6員複素環カルボニルァミノ((^— 6)アルキル基又は
-N=C(R5)R6
(式中、 R5及び R6は同一又は異なっても良く、 水素原子、 ((^—6)アルキ ル基、 ノヽロ(Ci— 6)アルキル基、 (C 3— 6)シクロアルキル基、 フエニル基又は同 一若しくは異なっても良く、 ハロゲン原子、 (C^— 6)アルキル基又は((^— 6)7 ルコキシ基から選択される置換基を有するフエ二ル基を示し、 1^"及び1¾6はー 緒になって、 0、 S又は NR4 (式中、 R 4は水素原子又は(C^— 6)アルキル基 を示す。 ) により中断されても良い(c2— 6)アルキレン基を示すこともでき る。 ) を示し、 Yは 0、 S又は NR4 (式中、 R 4は前記に同じ。 ) を示す。 ) 又は
(式中、 Xは同一又は異なっても良く、 ハロゲン原子、 水酸基、 シァノ基、 二 トロ基、 (C^— 6)アルキル基、 ハロ(Ci— 6)アルキル基、 (Ci— 6)アルコキシ基、 ハロ(C^— 6)アルコキシ基、 ((^—6)アルキルカルボニル基、 カルボキシル基、
(Cl-12)アルコキシカルボニル基、 力ルバモイル基又は同一若しくは異なって も良く、 ハロゲン原子、 ((^― 1 2) アルキル基、 フエニル基又は 1〜 5個の同 一又は異なつても良い(C i— 6 )アルキル基により置換されたフエ二ル基から選択 される 1〜 2個の置換基を有する力ルバモイル基を示し、 nは 0〜4の整数を示 す。 ) 〕
で表される 1, 2, 3—チアジアゾ一ル誘導体又はその塩類から選択される 1種 又は 2種以上を有効成分として含有する殺菌剤組成物の有効量を対象植物の種子 又は対象植物を播種する栽培担体に処理する殺菌剤組成物の使用方法に関するも のである。
本発明における置換基の定義において、 「n—」 とはノルマルを、 「 i一」 と はイソを、 「t一」 とはターシャリ一を、 「s—」 とはセカンダリーを意味する。
「(C i _ i 2 ) アルキル」 とは炭素原子数 1 〜 1 2の直鎖又は分岐鎖状のアルキ ル基を示し、 例えばメチル基、 ェチル基、 n—プロピル基、 i 一プロピル基、 n 一ブチル基、 i 一プチル基、 s—ブチル基、 t一ブチル基、 ネオペンチル基、 1 , 2—ジメチルプロピル基、 n—へキシル基、 n—へプチル基、 n—ォクチル基、 デシル基、 ドデシル基等が挙げられ、 「ハロゲン原子」 とは塩素原子、 臭素原子 沃素原子又はフッ素原子を意味する。
「酸素原子、 硫黄原子又は窒素原子から選択される同一又は異なっても良い 1 以上のへテロ原子を有する 5〜 6員複素環」 としては、 例えば 2—フリル基、 3 一フリル基、 2—チェニル基、 3—チェニル基、 2—ピロリル基、 2—ピリジル 基、 3—ピリジル基、 4一ピリジル基、 イソキサゾール一 3—ィル基、 1 , 3— ォキサゾール _ 2—ィル基、 1, 3—チアゾ一ルー 2—ィル基、 1 , 3—チアゾ ール— 4—ィル基、 1, 3—チアゾ一ルー 5—ィル基、 2—イミダゾリル基、 2 一ピリミジル基、 4—ピリミジル基、 3 _ピリダジニル基、 2—ビラジニル基、 2—インドリル基、 2—キノ リノレ基、 2—プリ -ル基、 1—ベンゾフラン一 2— イノレ基、 1, 3 _ベンゾォキサゾーノレ一 2—ィル基、 1, 2—べンゾイソチアゾ —ノレ一 3—イノレ基、 1, 3—ベンゾチアゾーノレ一 6—ィノレ基、 1, 3—ベンズィ ミダゾール _ 2 fル基、 1, 3, 4ーチアジアゾ一ルー 2—ィル基、 1, 2, 3—チアジアゾールー 5—ィル基、 1, 2, 3, 4—テトラゾ一ルー 5—ィル基 等が挙げられる。
本発明における塩類とは、 酸との塩、 例えば塩酸、 硫酸、 燐酸等の鉱酸との塩、 酢酸、 シユウ酸、 乳酸、 酒石酸、 フマール酸、 マレイン酸、 メタンスルホン酸、 ベンゼンスルホン酸等の有機酸との塩等を、 塩基類との塩、 例えばナトリウム、 カリウム、 カルシウム、 銅等の金属との塩、 ピリジン、 イミダゾ一ル、 アンモ- ァ等の有機塩基との塩等を例示することができる。
本発明の有効成分化合物である一般式(I) で表される 1, 2, 3—チアジアゾ —ル誘導体又はその塩類で、 好ましい化合物は R 1が — 6 )アルキル基を示し、 R 2は C O— Y— R 3 ( Yは酸素原子が好ましく、 は水素原子又は同一若し
くは異なっても良いハロゲン原子又は (C i— 6 )アルキル基により置換されたフエ ニル基が好ましい) を示し、 更に好ましくは N— ( 3—クロ口一4—メチルフエ 二ル) 一 4—メチノレー 1, 2, 3—チアジアゾ一ル一 5—カルボキサミ ドである c 本発明の有効成分化合物である一般式(I) で表される 1, 2, 3—チアジアゾ —ル誘導体又はその塩類の代表的な化合物を第 1表及び第 3表に示すが、 本発明 はこれらに限定されるものではない。
一般式 (1-1)
第 1表
R1 Y R3 物 性
CH3 NH 2-Cl-Ph m. p.101 。C
CH3 NH 3-Cl-Ph m. p.136-142 °C
CH3 NH 4-Cl-Ph ra. p.114 °C
CH3 NH 2-CH3-Ph m. p.115 °C
CH3 NH 3- CH3- Ph m. p. Ill °C
CH3 NH 4- CH3 - Ph m. p.109 。C
CH3 NH 2, 4-Cl2-Ph m. p.118-119 。C
CH3 NH 3, 4-Cl2-Ph m. p.138—139 °C
CH3 NH 3 - CI- 4_CH3 - Ph m. p.113 °C
CH3 NH 3,4- (CH 3) 2- Ph m. p. Ill 。C
CH3 NH 4_CH30 - Ph m. p.117 °C
CH3 NH 4 - NO 2 - Ph m. p.175 。C
CH3 NH 4-CN-Ph m. p.172 。C
CH3 NH 2-COOH-Ph m. p.223 °C
CH3 NH 2 - C00C2H5 - Ph m. p.63。C
CH3 NH 4-COOCH 3 -Ph m. p.133 °C
CH3 NH 2-CONHCH 3 -Ph m. p.162 。C
CH3 NH 2-CONHC 3H 7 -i-Ph m. p.177 。C
CH3 NH 3-C0NHC3H7-i-Ph m. p.158 °C
CH3 NH 4 - CON (CH 3) 2 - Ph m. p.176.8-178.6 °C
CH3 NH CH2-Ph m. p.53。C
CH3 NH CH(CH3) (4- CI - Ph) m. p.108 °C
CH
3 NH CH
2CN m. p.76-78 。C
又、 第 1表中、 物性がペース トの化合物の NM R値を第 2表に示す。
第 2表
一般式(1-2)
本発明に用いられる殺菌剤組成物には有効成分として、 一般式 (I) で表される 1, 2, 3—チアジアゾ一ル誘導体又はその塩類を含有するが、 単独の使用ばか りでなく種々の化合物、 例えば、 以下に示す殺菌活性を有する化合物と混合して 使用することもできる。
殺菌活性を示す化合物としては、 例えば、 メラニン合成阻害剤、 ストロビルリ ン系殺菌剤、 エルゴステロール生合成阻害剤、 酸アミ ド系殺菌剤、 コハク酸合成 酵素阻害系殺菌剤、 ァシルァラニン系殺菌剤、 ジカルボキシイミ ド系殺菌剤、 ベ ンズイミダゾール系殺菌剤、 ジチォカーバメート系殺菌剤、 金属含有性殺菌剤、 抗生物質等の種々の殺菌剤が挙げられる。
本発明の使用方法で用いることができる一般式(I) で表される 1, 2, 3—チ アジアゾ一ル誘導体又はその塩類を含有する殺菌剤組成物の使用対象としては、 下記の植物病害を例示することができる。
大きく分ければ、 糸状菌類病害、 細菌類病害、 ウィルス病病害を含むものであ り、 例えば、 不完全菌類 (例えば、 ボトリチス (Botrytis) 属病害、 ヘルミント スポリゥム (Helminthosporium) 属病害、 フザリウム (Fusarium) 属病害、 セプ トリア(Septoria)属病害、 サルコスポラ(Cercospora)属病害、 ピリキユラリア (Pyricularia)属病害、 アルタナリア(Alternaria)属病害等) 、 担子菌類 (例え ばへミレイァ(Hemi leia)属病害、 リゾク トニア(Rhizoctonia) 属病害、 プツキ二 ァ(Puccinia)属病害等) 、 子のう菌類 (例えば、 ベンチユリア(Venturia)属病害、 ポドスフェラ(Podosphaera) 属病害、 ェリシフエ(Erysiphe)属病害、 モニリニア (Moni l inia) 属病害、 ゥンシヌラ(Unsinula)属病害等) 、 その他の菌類 (例えば、 ァスコキータ(Ascochyta) 属病害、 フォマ(Phoma) 属病害、 ピシゥム(Pythium) 属病害、 コノレティシゥム(Corticium) 属病害、 ピレノフオラ(Pyrenophora) 属病 害等) 等、 細菌類による病害である、 例えば、 シユードモナス(Pseudomonas) 属病害、 キサントモナス(Xanthomonas) 属病害、 エルヴィユァ(Erwinia) 属病害 等、 あるいは、 ウィルス類 (例えば、 タバコモザイクウィルス) による病害等を 含むものである。
個々の病害としては、 例えば、 イネいもち病(Pyricularia oryzae)、 イネ紋枯 病 (Rhizoctonia solani)、 イ^ こま葉枯 (Cochiobolus miyabeanus)、 ネ苗 AL ¾>枯れ (Rhizopus chinensis, Pythium grammicola, Fusarium graminicola, Fusarium roseum, Mucor sp. , Phoma sp. , Tricoderma sp. )、 イネ馬鹿苗病 (Gibberel la fuj ikuroi) , ォォムギ及びコムギ等のうどんこ病(Erysiphe graminis)又はキュゥリ等のうどんこ病(Sphaerotheca ful iginea)及び他の宿主
植物のうどんこ病、 ォォムギ及びコムギ等の眼紋病(Pseudocercosporella herpotrichoides) 、 コムギ等の黒穂病(Urocystis tritici) 、 ォォムギ及びコ ム: 3f等の雪腐;) ¾ (Fusariumu nivale, Pytnium iwayamai, Typhla ishikariensi s, Typhi a incarnata, Sclerotinia borealis)、 ェンノくクの;0:さび;/ (Puccinia coronata) 及び他の植物のさび病、 キユウリ、 イチゴ等の灰色かび病(Botrytis cinerea) Λ 卜マ卜、 キャベツ等の菌核炳 (Sclerotinia sclerotio m)、 シャガイ モ、 トマト等の疫病(Phytophthora infestans)及び他の植物の疫病、 キュウリベ (Pseudoperonospora cubensis 、 フ、、卜フベと^ ! Plasmopara viticola) 等 CD 種々の植物のベと病、 リンゴ黒星病(Venturia inaequal is) 、 リンゴ斑点落葉病 (Alternaria mal i) 、 ナシ黒斑病(Alte進 ria kikuchiana) 、 カンキッ黒点病 (Diaporthe ci tri) 、 カンキッそう力病(Elsinoe fawcetti) , テンサイ褐斑病 (Cercospora beticola) 、 フッ; v ¾斑炳 (Cercospora arachidicola) ゝ フッ 力セィ黒渋病 (Cercospora personata)、 コムギ葉枯病 (Septoria tritici)、 コム ふ枯 ί丙 (Septoria nodorura 、 ォォムキ ^型;/內 (Rhynchosporium secal is)、 コ ムギなまぐさ黒穂病(Til letia caries) 、 シバの葉腐病(Rhizoctonia solani;)、 シノ のタラースホット丙 (Sclerotinia homoeocarpa) 、 Psuedomonas 属、 例 Xjま キユウリ 土 '点糸田菌病 (Pseudomonas syringae pv. lachrymans) 、 トマト青枯病 (Pseudomonas solanacearum)及び ィ、初枯細菌;/丙 (Pseudomonas glumae)、
Xanthomonas属、 例えばキャベツ黒腐病(Xanthomonas campestri s) イネ白葉枯 病 (Xanthomonas oryzae)及びカンキッ力、レヽよう 內 (Xanthomonas citri) 、
Erwinia属、 例えばキャベツ軟腐病(Erwinia carotovora)等の細菌病、 タバコモ ザイク病(Tobacco mosaic virus)等のウィルス病等に対して顕著な防除効果を有 するものである。
本発明の殺菌剤組成物を使用できる対象植物は特に限定されるものではないが、 例えば以下に示した植物が挙げられる。
穀類 (例えば、 稲、 大麦、 小麦、 ライ麦、 オート麦、 トウモロコシ、 高粱等) 、 豆類 (大豆、 小豆、 そら豆、 えんどう豆、 落花生等) 、 果樹 ·果実類 (リンゴ、 柑橘類、 梨、 ブドウ、 挑、 梅、 黄桃、 クルミ、 アーモンド、 バナナ、 イチゴ等) 、 野菜類 (キャベツ、 トマト、 ほうれん草、 ブロッコリ一、 レタス、 タマネギ、 ネ
ギ、 ピーマン等) 、 根菜類 (ニンジン、 馬鈴薯、 サツマィモ、 大根、 蓮根、 かぶ 等) 、 加工用作物類 (綿、 麻、 コゥゾ、 ミツマタ、 菜種、 ホップ、 サトウキビ、 テンサイ、 オリ一ブ、 ゴム、 コ一ヒ一、 タバコ、 茶等) 、 瓜類 (カボチヤ、 キュ ゥリ、 スイカ、 メロン等) 、 牧草類 (オーチャードグラス、 ソルガム、 チモシ一、 クローバー、 アルフアルファ等) 、 芝類 (高麗芝、 ベントグラス等) 、 香料等用 作物類 (ラベンダー、 ローズマリー、 タイム、 パセリ、 胡椒、 しょうが等) 、 花 卉類 (キク、 バラ、 蘭等) 等の植物に使用できる。
本発明の使用方法に用いる殺菌剤組成物は、 各種病害を防除するためにそのま ま、 又は水等で適宜希釈し、 若しくは懸濁させた形で植物病害防除に有効な量を 当該病害の発生が予測される対象植物の種子又は播種するための栽培担体等に適 用して使用すれば良く、 稲育苗箱施用、 種子粉衣等の施用方法、 種子消毒法等の 施用方法で使用することができ、 果樹、 穀類、 野菜等の畑作において発生する病 害に対しては粉衣ゃ浸漬等の種子処理、 育苗用の栽培容器や植え穴等の育苗担体 等に灌注、 表面散布処理後灌水等して植物に吸収させて使用することにより実施 できる。 水耕栽培における水耕液に処理しても良い。
種子処理の方法としては、 例えば、 液状又固体状の製剤を希釈又は希釈せずし て液体状態にて種子を浸漬して薬剤を浸透させる方法、 固形製剤又は液状製剤を 種子と混和、 粉衣処理等して種子の表面に付着させる方法、 樹脂、 ポリマー等の 付着性の担体と混和して種子にコーティングする方法、 植え付けと同時に種子の 近辺に散布する方法等をあげることができる。
当該種子処理を行う 「種子」 とは、 広義には本発明における 「繁殖用植物体」 と同義であり、 いわゆる種子の他、 球根、 塊茎、 種いも、 鱗茎、 あるいは挿し木 栽培用の茎等の栄養繁殖用の植物体を含むものである。
本発明の使用方法を実施する場合の 「土壌」 又は 「栽培担体」 とは、 植物を栽 培するための支持体を示すものであり、 材質は特に制限されないが、 植物が生育 しうる材質であれば良く、 例えば、 いわゆる各種土壌、 育苗マット、 水等を含む ものであり、 砂、 バ一ミキユラィ ト、 綿、 紙、 珪藻土、 寒天、 ゲル状物質、 高分 子物質、 グラスウール、 発泡スチロール、 木材チップ、 バーク、 軽石等を含むこ ともできる。
土壌への施用方法としては、 例えば、 液体製剤を水に希釈又は希釈せずして植 物体の設置場所近辺又は育苗のための苗床等に施用する方法、 粒剤を植物体の設 置場所近辺又は苗床に散布する方法、 播種前又は移植前に粉剤、 水和剤、 顆粒水 和剤、 粒剤等を散布し土壌全体と混和する方法、 播種前又は植物体を植える前に 植え穴、 作条等に粉剤、 水和剤、 顆粒水和剤、 粒剤等を散布する方法などが挙げ られる。
水稲の育苗箱への施用方法としては、 剤型は、 例えば、 播種時施用、 緑化期施 用、 移植時施用など施用時期により異なる場合もあるが、 粉剤、 顆粒水和剤、 粒 剤等の剤型で施用すれば良い。 培土との混和によっても施用することができ、 培 土と粉剤、 顆粒水和剤又は粒剤等との混和、 例えば、 床土混和、 覆土混和、 培土 全体への混和等することができる。 単に、 培土と各種製剤を交互に層状にして施 用しても良い。 播種時の施用の時期は播種の前、 同時、 播種後いずれでも良く、 覆土後に施用しても良い。
畑作物、 例えば麦等においては、 播種から育苗期において、 種子又は植物体に 近接する栽培担体等への処理が好ましい。 畑へ直接播種する植物においては、 種 子への直接の処理の他、 栽培中の植物に近接する栽培担体等への処理が好適であ る。 粒剤を用レ、て散布処理又は水に希釈又は希釈しなレ、薬剤を液状にて灌注処理 を行うこと等ができる。
移植を行う栽培植物の播種、 育苗期の処理としては、 種子への直接の処理の他、 育苗用の苗床への液状とした薬剤の灌注処理又は粒剤の散布処理が好ましい。 又、 定植時に粒剤を植え穴に処理したり、 移植場所近辺の栽培担体に混和することも 好ましい態様である。
本発明の使用方法に用いられる殺菌剤組成物は通常の剤型、 例えば乳剤、 水和 剤、 懸濁剤、 液剤、 粒剤、 粉剤等の剤形に製剤して施用すれば良く、 その施用量 は、 有効成分化合物の配合割合、 気象条件、 製剤形態、 施用時期、 施用方法、 施 用場所、 防除対象病害、 対象作物等により異なるが、 通常種子重量当たり有効成 分化合物として 0 . ◦ 1〜4 0 %の範囲から適宜選択して施用すれば良く、 好ま しくは 0 . 1〜1 0 %の範囲が良い。 乳剤、 水和剤、 懸濁剤、 液剤等を水等で希 釈して施用する場合、 その施用濃度は有効成分として 0 . 0 0 1〜7 0 %であり、
粒剤、 粉剤あるいは種子に処理する場合の液剤等は、 通常製剤を希釈することな くそのまま施用すれば良い。
本発明の使用方法に用いられる殺菌剤組成物には、 必要に応じて他の成分を混 合又は併用することができ、 例えば種子処理に際して、 鳥類をはじめとする動物 類による摂取 (誤飲を含む) を避けるために忌避剤や他の成分を含有することが できる。 忌避剤としては、 例えばナフタレン化合物等の臭気性化合物、 ひまし油、 松脂、 ポリブタン、 ジフエ-ルァミンペンタクロロフエノール、 キノン、 酸化亜 鉛、 芳香族溶媒等の接触阻害剤、 N— (トリクロロメチルチオ) 一 4ーシクロへ キセン一 1, 2—カルボキシイミ ド、 アントラキノン、 蓚酸銅、 テルペン油等の 苦味物質類、 パラジクロルベンゼン、 ァリールイソチオシアナート、 酢酸ァミル、 ァネトール、 柑橘油、 クレゾ一ル類、 ゼラニゥム油又はラベンダー油等のハーブ 油、 メントール、 サリチル酸メチル、 ニコチン、 ペンタンチォ一ル、 ピリジン類、 塩化トリブチルスズ、 チラム、 ジラム、 カーバメート系殺虫剤 (例えばメチォ力 ルブ等) 、 グァザチン、 塩素化シクロジェン系殺虫剤 (例えばエンドリン等) 、 有機リン系殺虫剤 (例えばフェンチオン等) 等を例示することができる。
他の成分として、 毒性物質又は増殖抑制物質 (不妊化剤) としては、 例えば 3 一クロロー 4一トルイジン塩酸塩、 ストリキニーネ 2 0、 2 5—ジァザコレス テロール塩酸塩 (コード名 : S C _ 1 2 9 3 7 ) 等を例示することができる。 実施例
以下に本発明の代表的な実施例、 試験例を例示するが、 本発明はこれらに限定 されるものではない。 尚、 実施例中、 部とあるのは重量部を示す。
実施例 1
第 1表又は第 3表記載の化合物 1 0部
焼成珪藻土 7 3部
ポリオキシエチレンノエルフエ二ルェ一テル 5部
ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物 4部
含水珪酸 8部
以上を均一に混合粉砕して、 水和剤とする。
実施例 2
第 1表又は第 2表記載の化合物 5部
合成含水酸化珪素 1部
リグニンスルホン酸カノレシゥム 2部
ベントナイ ト 3 0部
カオリンクレー 6 2部
以上を均一に混合粉砕し、 適量の水を加えて混練し、 造粒、 乾燥して粒剤とす る。
実施例 3
第 1表又は第 3表記載の化合物 3 5部
アルキルナフタレンス/レホン酸ナトリウム 3部
プロピレンダリコ一ノレ 5部
ジメチルポリシロキサン 0 . 2 5部 ノヽ。ラク口ロメタキシレノ一ノレ 0 1 0部
0 3 0部 水 5 6 3 5部 以上を均一に混合湿式粉砕し、 水性懸濁剤とする。
試験例 1 . イネ馬鹿苗病に対する種子粉衣処理による防除効果試験
イネ馬鹿苗病菌 (Giberel la fujikuroi)に汚染したイネ (品種:金南風) のも み及び実施例に準じて作成した水和剤をビニール袋の中に入れ、 少量の水を入れ てよく混和し、 粉衣処理を行った。 処理後、 もみをー晚風乾させ、 1 5 °Cの水に
1週間浸潰した後、 3 0 °Cで発芽を促進させた。 このもみを育苗箱に播種し、 3 日間、 3 0 °Cで催芽を行った後、 温室で約 1ヶ月間栽培した。 このイネの発病苗 率を調査し、 下記の式に従い防除価を算出した。 なお、 無処理区の発病苗率は 7
8 %であった。
無処理区の発病苗率一処理区の発病苗率
防随 = X 0 0
無処理区の発病苗率
結果を第 4表に示す。
第 4表
試験例 2 . キュウリベと病に対する土壌混和処理による防除効果試験
実施例に準じて作成した水和剤を土壌と混和し、 ポットあたり 5 gの水和剤が 施用されるように土壌をポッ トに充填した。 ここに子葉展開期のキユウリ (品 種:四葉) の苗を移植した。 ポットを温室内で 2週間栽培した後に、 ベと病菌 (Pseudoperonospora cubensis) の遊走子を接種した。 接種 7日後に調査し、 下 記の基準に準じて評価を行い、 防除価を求めた。 尚、 無処理区の発病指数は 6 . 5だった。
発病指数
0 : 発 3丙無し
1 : 病斑面積率 1 〜 1 0 %
2 : 病斑面積率 1 :!〜 2 0 %
3 : 病斑面積率 2 :!〜 3 0 %
4 : 病斑面積率 3 :!〜 4 0 %
5 : 病斑面積率 4 :!〜 5 0 %
6 : 病斑面積率 5 1〜 6 0 %
7 : 病斑面積率 6 :!〜 7 0 %
8 : 病斑面積率 7 :!〜 8 0 %
9 : 病斑面積率 8 :!〜 9 0 %
0 : 病斑面積率 9 1〜 1 0 0 %
無処理区の発病指数一処理区の発病指数
防除価 (%) X 1 0 0
無処理区の発病指数 結果を第 5表に示した
第 5表
試験例 3 . コムギうどんこ病に対する種子粉衣処理に対する防除効果試験
コムギ (品種:チホク) の種子と実施例に準じて作成した水和剤をビニール袋 の中に入れ少量の水を加え、 よく混和し、 粉衣処理を行った。 処理後、 種子を 1 晚風乾させ、 ポットに播種し、 温室内で栽培した。 播種 1ヶ月後にうどんこ病菌 (Erysiphe graminis) の胞子をふりかけ接種した。 接種 7 後に病斑数を調査し. 下記式より防除価を算出した。 尚、 無処理区の 1葉あたりの病斑数は 2 5個であ つた。 無処理区の病斑数一処理区の病斑数
防除価 (%) = X 1 0 0
無処理区の病斑数 結果を第 6表に示す。
第 6表
比較試験例 1 キユウリベと病に対する散布予防効果
ポットで栽培した 2 . 5葉期のキユウリ (品種:四葉) に、 実施例に準じて作 成した水和剤を水で所定濃度に希釈し、 茎葉散布した。 散布後、 ポットを温室内 で栽培し、 処理 6日後にベと病菌(Pseudoperonospora cubensis)遊走子を接種し た。 接種 7 後に調査し、 試験例 2に従って発病指数を評価し、 防除価を算出し た。 無処理区の発病指数は 7 . 8であった。
結果を第 7表に示す。
第 7表
節間伸長期に実施例に準じて作成した水和剤を 1 0 0 リツ トル Z l 0アールの 割合で散布した。 薬剤処理 2ヶ月後に止葉の病斑面積率を調査し、 試験例 3に従 つて防除価を算出した。 無処理区の病斑面積率は 1 5 %であった。
結果を第 8表に示す。
第 8表
以上の結果から明らかな通り、 一般式(I) で示される化合物を含有する殺菌剤 組成物を種子粉衣処理した場合、 栽培中の植物の茎葉に散布処理する場合 (比較 試験例 1、 2 ) と比較して優れた防除効果を示した。 本願発明の使用方法は、 栽 培面積当たりの使用量に換算して、 総合的に見て良好な結果を与えることが示さ れた。