WO2000039256A1

WO2000039256A1 - Composition d'huile lubrifiante haute temperature

Info

Publication number: WO2000039256A1
Application number: PCT/JP1999/007202
Authority: WO
Inventors: Hideto Kamimura; Hiroshi Nagakawa
Original assignee: Idemitsu Kosan Co., Ltd.
Priority date: 1998-12-25
Filing date: 1999-12-22
Publication date: 2000-07-06
Also published as: KR100637961B1; DE69927293T2; US6465400B1; JP4049916B2; CN1332784A; EP1154011B1; TW531559B; DE69927293D1; CN1179024C; EP1154011A1; KR20010110411A; EP1154011A9; USRE39382E1; JP2000192071A

Description

糸田 » 高温用潤滑油組成物技術分野

本発明は高温用潤滑油組成物に関し、さらに詳しくは、チェーン，口一ラーチヱ一ン，チヱ一ンコンベア，軸受け等に使用される高温用潤滑油組成物に関する。背景技術

チェーン，ローラ一チェーン，チェ一ンコンベア，軸受け等に用いられる潤滑油は高温に曝されるので、潤滑油の蒸発量が装置寿命に大きな影響を与える。このように高温の条件下で、潤滑油は従来の粘性を失い薄膜となり、より厳しい条件の下で蒸発量を抑制しなければならない。従来の高温用潤滑油として、蒸発量を抑制するために高分子で高粘度の油剤が使用されていた。しかしながら、そのような油剤は、蒸発量は少ないが、動力損失が大きく、潤滑油トータルの性能として見た場合好ましいものではない。また、そのような油剤は、概して、薄膜、高温下に曝された場合、残渣量は多いものの固化してしまい、液体としての特性を失うばかり力、それが固化スラッジとなって油剤の流れを阻止し、潤滑部の貧潤滑を招く結果となる。したがって、高温用潤滑油において薄膜、高温下での蒸発量が抑制され、かつ流動性が長時間維持されるものが望まれていた。

本発明は、上記観点からなされたもので、薄膜、高温下での蒸発量が抑制され、かつ流動性が長時間維持される高温用潤滑油組成物を提供することを目的とするものである。発明の開示

本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、基油として特定の芳香族エステル化合物を使用することにより上記本発明の目的を効果的に達成しうることを見出し本発明を完成したものである。

すなわち、本発明の要旨は下記の通りである。

( 1 ) (a) 下記一般式（ I ) — (COOR n (I)

(式中、 R ¹は炭素数 6〜 1 6のアルキル基を示し、 nは 1〜6の整数を示す。 )

で表される芳香族エステル化合物 20〜 1 0 0重量％及び（b) その他の基油 0〜 80重量％からなる基油組成物に、潤滑油組成物全量基準で、

(c) 酸化防止剤 0. 1〜 1 0重量％を配合してなる高温用潤滑油組成物。

(2_) 基油組成物が、（ a ) 芳香族エステル化合物 3 0〜 80重量％及び（b) その他の基油 20〜70重量％からなるものである上記（1 ) 記載の高温用潤滑油組成物。

(3.) (a) 芳香族エステル化合物が、トリメリット酸アルキルエステル及ぴピロメリット酸アルキルエステルから選ばれるものである上記

(1) 又は（2) に記載の高温用潤滑油組成物。

( ) (b) その他の基油が、ひ一ォレフィンオリゴマー、エチレン一ひ一ォレフィンオリゴマ一、ポリブテン及びこれらの水素化物から選ばれる一種又は二種以上である上記（1) 〜（3) のいずれかに記載の高温用潤滑油組成物。 (_5 ) ( c ) 酸化防止剤が、分子中に硫黄及び Z又はリンを含むものである上記（1 ) 〜（4 ) のいずれかに記載の高温用潤滑油組成物。

( 6_) 酸化防止剤が、ジチォリン酸塩及びチォリン酸エステルから選ばれるものである上記（1 ) 〜（5 ) のいずれかに記載の高温用潤滑油組成物。

酸化防止剤が、 2， 6—ジ一 t e r t —ブチルー 4一（4， 6 - ビス（ォクチルチオ）ー 1， 3， 5— トリアジン一 2—ィルァミノ）フエノ一ルである上記（1 ) 〜（5 ) のいずれかに記載の高温用潤滑油組成物。発明を実施するための最良の形態

以下に本発明の実施の形態につき説明する。

本発明の高温用潤滑油組成物を構成する基油組成物は、（a ) 上記一般式（ I )で表される芳香族エステル化合物 2 0〜1 0 0重量％及び（b ) その他の基油 0〜8 0重量％からなる。

( a ) 成分の芳香族エステル化合物を構成する芳香族カルボン酸は、ベンゼンに結合するカルボン酸の数は 3又は 4が好ましく、中でもトリメリツト酸、ピロメリツト酸が好ましい。芳香族カルボン酸エステルに使用する脂肪族アルコールとしては、炭素数 6〜1 6の直鎖状又は分岐鎖状アルコールが好ましい。具体的には、トリ _n一へキシルトリメリテート、トリ 2—ェチルへキシルトリメリテート、トリ n—ォクチルトリメリテート、トリ 3， 5， 5—トリメチルへキシルトリメリテート、テトラ n—へキシルビロメリテート、テトラ 2—ェチルへキシルピロメリテート、テトラ n—ォクチルピロメリテート、テトラ 3， 5， 5—トリメチルへキシルピロメリテートなどを挙げることができる。なお、芳香族カルボン酸エステルは一種または二種以上を混合して使用してもよく、また、フルエステルの中に部分エステルを含んでいてもよい。

( b ) その他の基油としては、通常の設備油の基油として使用されているもので鉱油系、合成油系を問わず使用することができる。鉱油系基油としては、 .例えば、パラフィン基系原油、中間基系原油、ナフテン基系原油を常圧蒸留または減圧蒸留して得られる潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理などの常法に従って精製した精製油などが使用できる。また、合成油系基油としては、例えば、 α—才レフインオリゴマー、エチレン一 α—オリゴマー、ポリブテン、二塩基酸エステル、ポリアルキレングリコ一ノレ、ヒンダ一ドエステノレ、アルキノレベンゼン、ァノレキノレナフタレン、ポリエーテルなど様々なものが使用できる。中でも、流動性を長期間維持できる点で、 α—ォレフインオリゴマー、エチレン一 _α —オリゴマー、ポリブテン又はこれらの水素化物が好ましい。なお、（b ) 成分は一種又は二種以上を混合してもよく、鉱油と合成油を混合して使用してもよレ、。

( a ) 芳香族カルボン酸エステル化合物と（b ) その他の基油の割合は、（a ) 成分 2 0〜 1 0 0重量％に対して（b ) 成分 0〜8 0重量％で、好ましくは（a ) 成分 3 0〜8 0重量⁰ /₀に対して（b ) 成分 2 0〜 7 0重量％である。（a ) 成分が 2 0重量％未満であると本発明の効果が得られない。

次に、基油に配合される（c ) 成分の酸化防止剤として、アミン系酸化防止剤、フニノール系酸化防止剤も使用できるが、効果の点で分子中に硫黄及び Z又はリンを含むものが好ましい。

アミン系酸化防止剤としては、例えばモノォクチルジフヱニルァミン；モノノニルジフエニルァミンなどのモノアルキルジフエニルァミン系、

4， 4 ' 一ジブチノレジフエニルァミン； 4 , 4 ' ージペンチルジフエ二ノレアミン； 4， 4，一ジへキシノレジフエ二/レアミン； 4， 4，ージヘプチノレジフエニノレアミン； 4， 4 ' 一ジォクチノレジフエニノレアミン； 4， 4，ージノニノレジフエニルァミンなどのジァノレキノレジフエニノレアミン系、テトラブチルジフエニルァミン；テトラへキシルジフエニルァミン；テトラォクチルジフエニルァミン；テトラノニルジフエニルァミンなどのポリアルキルジフエニルァミン系、 α—ナフチルァミン；フエニル一 _α 一ナフチルァミン；ブチルフエ二ルー α—ナフチルァミン；ペンチルフェニノレーひ一ナフチノレアミン；へキシノレフエ二ノレ一 _α一ナフチノレアミン；へプチノレフエ二ルー α—ナフチルァミン；ォクチノレフエ二/レーひ一ナフチノレアミン；ノ二ノレフエ二ノレ一 α—ナフチノレアミンなどのナフチ /レアミン系を挙げることができる。

フエノール系酸化防止剤としては、例えば 2， 6—ジー t e r t—ブチノレー 4ーメチノレフェノ一ノレ； 2， 6ージー t e r t—ブチノレー 4ーェチルフエノールなどのモノフエノール系、 4， 4，ーメチレンビス（2， 6ージー t e r t —ブチルフエノール）； 2， 2 ' —メチレンビス（4 ーェチノレー 6— t e r t —プチ/レフェノ一ノレ）などのジフエノ一ノレ系を挙げることができる。

分子中に硫黄及び Z又はリンを含む酸化防止剤とは、分子中に硫黄及び Z又はリンを含んでいて、酸化防止能力がある添加剤であればよく、他の目的で添加されている場合もさしつかえない。

まず、分子中に硫黄を含む酸化防止剤について述べると、例えば硫化油脂，硫化鉱油，硫化脂肪酸，硫化エステル，硫化ォレフィン，ジヒドロカノレビルポリサルフアイド，チアジアゾール化合物，アルキルチオ力ルバモイル化合物，トリアジン化合物，チォテルペン化合物，ジアルキルチオジプロピオネート化合物などを挙げることができる。

ここで、硫化油脂は硫黄や硫黄含有化合物と油脂（ラード油，鯨油，植物油，魚油等）を反応させて得られるものであり、その硫黄含有量は特に制限はないが、一般に 5〜3 0重量％のものが好適である。その具体例としては、硫化ラード，硫化なたね油，硫化ひまし油，硫化大豆油，硫化米ぬか油などを挙げることができる。硫化脂肪酸の例としては、硫化ォレイン酸などを、硫化エステルの例としては、硫化ォレイン酸メチルゃ硫化米ぬか脂肪酸ォクチルなどを挙げることができる。

硫化ォレフィンとしては、例えば、下記の一般式（II)

R² - S _a -R° . . . (II)

(式中、 R ²は炭素数 2〜 1 5のアルケニル基、 R ³は炭素数 2〜 1 5のアルキル基又はアルケニル基を示し、 aは 1〜8の整数を示す。）で表される化合物などを挙げることができる。この化合物は、炭素数 2 〜 1 5のォレフィン又はその 2〜4量体を、硫黄，塩化硫黄等の硫化剤と反応させることによって得られ、該ォレフインとしては、プロピレン，ィソブテン，ジィソブテンなどが好ましい。

また、ジヒドロカルビルポリサルフアイドは、下記の一般式（III)

R⁴ -S b -R ⁵ · . · (Ill)

(式中、 1¾⁴及び1¾ ⁵は、それぞれ炭素数 1〜 20のアルキル基又は環状アルキル基，炭素数 6〜 2 0のァリール基，炭素数 7〜2 0のアルキルァリ一ル基又は炭素数 7〜 2 0のァリールアルキル基を示し、それらは互いに同一でも異なっていてもよく、 bは 2〜8の整数を示す。）で表される化合物である。ここで、 R⁴及び R ⁵がアルキル基の場合、硫化アルキルと称される。

上記一般式（III)における R⁴及び R ⁵の具体例としては、メチル基，ェチル基， n—プロピル基，イソプロピル基， n—ブチル基，ィソブチノレ基， s e c—ブチル基， t e r t 一ブチル基，各種ペンチル基，各種キシル基，各種へプチル基，各種ォクチル基，各種ノニル基，各種デシル基，各種ドデシル基，シクロへキシル基，シクロォクチル基，フエニル基，ナフチル基，トリノレ基，キシリル基，ベンジル基，フエネチル基などを挙げることができる。

このジヒドロカルビルポリサルフアイドとしては、例えば、ジベンジルポリサルファイド， Nc各種ジノニルポリサルファイド，各種ジドデシル

ヽ s

ポリサルファイド，各種ジiブ Nチルポリサルファイド，各種ジォクチルポリサルファイド，ジフエ二ルポリサルファイド，ジシクロへキシルポリ

S

サルフアイドなどを好ましく挙げる dことができる。

チアジアゾ一ル化合物としては、例え Rば、下記一般式（IV)

R ⁶ — S

( I V)

R S C一 N

Nゝ — S _d — R

S

(式中、 R ⁶及び R ⁷は、それぞれ水素原子、炭素数 1〜2 0の炭化水素基を示し、 c及び dは、それぞれ 0〜 8の整数を示す。）

で表される 1， 3， 4ーチアジアゾ一ルや 1， 2， 4—チアジアゾ一ル化合物が好ましく用いられる。

このようなチアジアゾ一ル化合物の具体例としては、 2， 5—ビス（n —へキシルジチォ）ー 1， 3， 4—チアジアゾール、 2， 5—ビス（n —ォクチルジチォ）一 1， 3， 4ーチアジアゾール、 2 , 5—ビス（n —ノニルジチォ）一 1， 3， 4—チアジアゾ一ル、 2， 5—ビス（1，

1， 3， 3，ーテトラメチルブチルジチォ）一 1， 3， 4一 —ル、 3， 5—ビス（n—へキシノレジチォ）一 1， 2， 4 - —ル、 3， 5—ビス（n—ォクチルジチォ）一 1， 2， 4—チアジアゾ —ル、 3， 5—ビス（n—ノニルジチォ）一 1， 2， 4ーチアジアゾ一ノレ、 3， 5—ビス（ 1， 1， 3， 3，一テトラメチルブチルジチォ）一 1， 2， 4ーチアジアゾールなどを好ましく挙げることができる。

アルキルチオ力ルバモイル化合物としては、例えば、下記一般式（V)

(V )

(式中、 R S R ^{1 1}は、それぞれ炭素数 1〜 2 0のアルキル基を示し、 eは 1〜8の整数を示す。）

で表されるものが好ましく用いられる。

このようなアルキルチオ力ルバモイル化合物の具体例としては、ビス (ジメチノレチォカノレバモイノレ）モノス^/フイド，ビス（ジブチノレチォ力ノレバモイノレ）モノスノレフイド，ビス（ジメチノレチォカノレバモイル）ジスルフィド，ビス（ジブチルチオ力ルバモイル）ジスノレフィド，ビス（ジアミノレチォカノレバモイル）ジスノレフイド，ビス（ジォクチノレチォカノレバモイル）ジスルフィドなどを好ましく挙げることができる。

トリアジン化合物としては、例えば 2， 6—ジ— t e r t—プチルー 4— ( 4， 6—ビス（ォクチルチオ）一 1， 3， 5— トリアジン一 2— ィルァミノ）フエノ一ルなどを好ましく挙げることができる。

さらに、チォテルペン化合物としては、例えば、五硫化リンとピネンの反応物を、ジアルキルチオジプロビオネ一ト化合物としては、例えば、ジラゥリルチオジプロビオネ一ト，ジステアリルチオジプロビオネ一トなどを挙げることができる。

また、硫黄と金属を含んでいるものとして、ジアルキルジチォ力ルバミン酸亜鉛 RRR RRR R（Z n— DTC) ，ジアルキルジチォ力ルバミン酸モリブデン（Mo— D 234 23 iT oC) ，ジアルキルジチォ力ルバミン酸鉛，ジアルキルジチォカルバミン酸錫，ナトリウムスノレホネート，カルシウムスルホネ一 o pl

トなどを使用すること一一も Hできる。

) o

次に、分子中にリンを含んでいる酸化防止剤について述べると、代表的なものは、リン酸エステル類とそのアミン塩である。

リン酸エステル類は、下記の一般式（VI) 〜（X) で表されるリン酸エステル，酸性リン酸エステル，亜リン酸エステル，酸性亜リン酸エステルを包含する。

(VIII)

上記一般式（VI) 〜（X ) において、 R ^{1 2}〜R ^{1 4}は炭素数 4〜 3 0 のアルキル基，アルケニル基，アルキルァリール基及びァリールアルキル基を示し、 R ^{1 2}〜R ^{1 4}は同一でも異なっていてもよい。

リン酸エステルとしては、トリァリールホスフエ一ト，トリアルキルホスフェート，トリアルキルァリールホスフエ一ト，トリァリ一ルアルキルホスフェート，トリアルケニルホスフェートなどがあり、具体的には、例えばトリフエニルホスフェート，トリクレジルホスフェート，ベンジ /レジフエ二ノレホスフエ一ト，ェチノレジフエ二/レホスフェート，トリブチノレホスフエ一ト，ェチノレジブチノレホスフエ一ト，クレジノレジフエ二ノレホスフエ一ト，ジクレジノレフエ二ノレホスフエ一ト，ェチノレフエニノレジフエ二/レホスフエ一ト，ジェチノレフエ二ノレフエ二ノレホスフェート，プロピノレフェニ /レジフエ二ノレホスフエ一ト，ジプロピノレフェ二/レフェニノレホスフエ一ト，卜リエチノレフェニノレホスフエ一ト，トリプロヒレフエ二ノレホスフェート，ブチノレフエニルジフエ二ノレホスフエ一ト，ジブチゾレフエ二ノレフエ二ノレホスフエ一ト，トリブチノレフエニレホスフエ一ト，トリへキシルホスフェート，トリ（2—ェチルへキシル）ホスフェート，トリデシルホスフヱ一ト，トリラウリルホスフ-—ト，トリミリスチルホスフェート，トリノくノレミチルホスフェート，トリステアリルホスフエ一ト，トリオレイルホスフエ一トなどを挙げることができる。

酸性リン酸エステルとしては、具体的には、例えば 2—ェチルへキシノレアシッドホスフェート，ェチルァシッドホスフェート，ブチルァシッドホスフエ一ト，ォレイノレアシッドホスフェート，テトラコシルァシッドホスフエ一ト，イソデシルアシッドホスフエ一ト，ラウリルアシッドホスフェート，トリデシルアシッドホスフェート，ステアリルアシッドホスフエ一ト，ィソステアリルァシッドホスフエートなどを挙げることができる。亜リン酸エステルとしては、具体的には、例えばトリェチルホスファイト，トリブチルホスファイト，トリフエニルホスファイト，トリタレジルホスファイト，トリ（ノニルフエニル）ホスファイト，トリ（2— ェチノレへキシノレ）ホスファイト，トリデシルホスファイト，トリラウリノレホスファイト，トリイソォクチルホスファイト，ジブヱニルイソデシルホスファイト，トリステアリルホスファイト，トリオレィルホスファィトなどを挙げることができる。

酸性亜リン酸エステルとしては、具体的には、例えばジブチルハイドロゲンホスファイト，ジラウリルハイドロゲンホスファイト，ジォレイゾレハイドロゲンホスフアイト，ジステアリグレハイドロゲンホスフアイト，ジフエニルハイドロゲンホスフアイトなどを挙げることができる。

さらに、これらとアミン塩を形成するァミン類としては、例えば一般式 (XI)

R ^{1 5} m N Pi 3 - m · · · (XI)

(式中、 R ^{1 5}は炭素数 3〜 3 0のアルキル基もしくはアルケニル基，炭素数 6〜 3 0のァリール基もしくはァリールアルキル基又は炭素数 2〜 3 0のヒドロキシアルキル基を示し、 mは 1， 2又は 3を示す。また、

R ^{1 5}が複数ある場合、複数の R ^{1 5}は同一でも異なっていてもよい。）で表されるモノ置換アミン，ジ置換アミン又はトリ置換ァミンが挙げられる。上記一般式（XI) における R ^{1 5}のうちの炭素数 3〜 3 0のアルキル基もしくはアルケニル基は、直鎖状，分岐状，環状のいずれであってもよい。

ここで、モノ置換ァミンの例としては、ブチルァミン，ベンチルアミン，へキシルァミン，シクロへキシルァミン，ォクチルァミン，ラウリルァミン，ステアリルァミン，ォレイルァミン，ベンジルァミンなどを挙げることができ、ジ置換ァミンの例としては、ジブチルァミン，ジぺンチルァミン，ジへキシルァミン，ジシクロへキシルァミン，ジォクチルァミン，ジラウリルアミン，ジステアリルァミン，ジォレイルァミン，ジペンジノレアミン，ステアリノレ .モノエタノ一ノレアミン，デシノレ .モノエタノ一ノレアミン，へキシノレ 'モノプロパノ一ルァミン，ベンジル 'モノエタノ一ルァミン，フエニル .モノエタノーノレアミン，トリノレ .モノプロパノールなどを挙げることができる。また、トリ置換ァミンの例としては、トリブチルァミン，トリペンチルァミン，トリへキシルァミン，トリシクロへキシノレアミン，トリオクチルァミン，トリラウリノレアミン，トリステアリルァミン，トリオレィルァミン，トリベンジルァミン，ジォレイノレ ·モノエタノ一/レアミン，ジラゥリノレ ' モノプロパノーノレアミン，ジォクチ/レ ' モノエタノ一ノレアミン，ジへキシノレ ' モノプロパノ一ノレアミン，ジブチル 'モノプロパノ一ルァミン，ォレイル ' ジェタノ一 /レアミン，ステアリノレ ' ジプロパノ一ルァミン，ラウリノレ . ジエタノーノレアミン，ォクチ/レ ' ジプロノノーノレアミン，ブチ/レ ' ジェタノ一ノレアミン，ベンジル ' ジエタノールァミン，フエ二ノレ 'ジエタノールァミン，トリノレ ' ジプロノノ一ルァミン，キシリノレ ' ジエタノールァミン，トリエタノールァミン，トリプロパノールァミンなどを挙げることができる。

リンとハロゲン原子を含んでいるものとして、塩素化リン酸エステルを挙げることができる。

分子中に硫黄とリンを含んでいる酸化防止剤として、リン硫化油脂，リン硫化ォレフィン，チォリン酸エステル（チォホスファイト，チォホスフェート）などを挙げることができ、中でもチォホスファイト（アルキル型）、チォホスフェート（アルキルァリール型）が好ましい。

硫黄，リン及び金属を含んでいるものとして、ジチォリン酸亜鉛（Z n— D T P ) ，ジチォリン酸モリブデン（M o— D T P ) ，ジチォリン酸鉛，ジチォリン酸錫などのジチォリン酸塩を挙げることができ、中でもアルキルァリ一ル基を有するものが好ましい。

以上述べた酸化防止剤のなかで、蒸発量を抑制するという効果の点で、

2 , 6— t e r t—ブチノレー 4一（4， 6—ビス（ォクチルチオ）一 1， 3， 5— トリアジン一 2—ィルァミノ）フエノール、 Z n— D T P (ァルキルァリール型）、チォホスファイト（アルキル型）、チォホスフエ —ト（アルキルァリール型）が好ましい。

また、以上の酸化防止剤は単独で、また二種以上を組み合わせて使用することができる。

以上の酸化防止剤の好ましい配合量は、組成物全量基準で、 0 . 1〜 ] 0重量％の範囲である。この配合量が 0 . 1重量％未満では、本発明の目的が充分に発揮されず、 1 0重量％を超えても、その量の割には効果の向上がみられない場合があり、また基油に対する溶解性が低下する場合がある。更に好ましい配合量は 1〜 7重量％の範囲である。

本発明の高温用潤滑油組成物には、必要に応じ、防鍩剤，清浄分散剤，金属不活性化剤，消泡剤などの各種公知の添加剤を本発明の目的を阻害しない範囲で適宜配合することができる。

防鲭剤として、金属系スルホネート，コハク酸エステルなどを挙げることができる。

清浄分散剤として、金属スルホネート，金属サリチレ一ト，金属フィネート，コハク酸イミドなどを挙げることができる。

金属不活性化剤として、ベンゾトリァゾ一ル，チアジアゾ一ルなどを挙げることができる。

消泡剤として、メチルシリコーン油，フルォロシリコーン油，ポリアクリレートなどを挙げることができる。

本発明の高温用潤滑油組成物は、 4 0 °Cにおける動粘度を 1 0〜5 0 0mm²Z sに調整するのが目的を達成する上で好ましい。さらに好ましくは、 50〜 320 mm²Z sの範囲である。

なお、本発明の高温用潤滑油組成物は、使用期間中の 50%以上の時間において 1 50°Cを超える温度になる場合好適に使用される。

次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。

[実施例 1〜 6及び比較例 1， 2]

第 1表に示すとおり、基油に酸化防止剤を配合し潤滑油組成物を調製した。その組成物の粘度については、 α—ォレフインオリゴマーの粘度を調整して配合することにより全て 40°Cにおける動粘度を 22 Omm

²/ sに調整した。その組成物について、下記の要領で薄膜残渣試験を行った。また、容器を傾け、その時の流動性の有無を目視で判断した。その結果を第 1表に示す。

J I S K 2 540の潤滑油熱安定度試験に示されている容器及び恒温空気浴を用い、サンプル量を 1 gとして、 200°C， 24時間の残渣量を測定した。それを百分率で表し残渣率とした。なお、測定中は絶えず空気を 1 0リツトル Zh r流し込むようにした。

第 1 表（υ

m 実施例 1 実施例 2 難例 3 H¾例 4 一才レフ >—インオリゴマー " 残部残部残部残部配

ポリ一、.*₂ 2 0 2 0 2 0 2 0 芳香族エステル 1 *³ 5 0 5 0 5 0 5 0 割

芳香族エステル 2 *⁴ ビスフエノール *⁵ 1 1 1 1 ジフエニルァミン" 1 1 1 1 量

% ジチ才リン 2

チ才リン酸エステル * ⁹ 2 卜リアジン ^有 ί匕^ *⁹ 2

6 2. 5 了 0， 2 6了 _ 3 7 6. 6 ありありありあり

表（2)

(注）

* 1 1ーデセンのオリゴマーの水素化物

(40°Cにおける動粘度 30〜63mm²Z s)

* 2 数平均分子量； 2， 300

ネ 3 トリ n—ォクチルトリメリテート

* 4 トリ n—ォクチルピロメリテート

* 5 4， 4，一メチレンビス（2， 6—ジ一 t e r t—ブチルフエノ

—ル） * 6 4， 4，一ジブチルジフエニルァミン

* 7 アルキルァリール型 Z n— DT P

* 8 トリイソノニノレフヱノ一ノレチォホスフエ一ト

* 9 2, 6—ジ一 t e r t—ブチノレー 4一（4， 6—ビス（ォクチノレチォ）一 1， 3， 5—トリアジン一 2—ィルァミノ）フエノール産業上の利用分野

本発明によれば、薄膜、高温下での蒸発量が抑制され、かつ流動性が長時間維持される高温用潤滑油組成物を提供することができる。

Claims

言青求の範囲

1. (a) 下記一般式（ I )

(式中、 R ¹は炭素数 6〜 1 6のアルキル基を示し、 nは 1〜 6の整数を示す。）

で表される芳香族エステル化合物 20〜 1 00重量％及び（b) その他の基油 0〜80重量％からなる基油組成物に、潤滑油組成物全量基準で、

(c) 酸化防止剤 0. 1〜 1 0重量⁰ /₀を配合してなる高温用潤滑油組成物。

2. 基油組成物が、（ a ) 芳香族エステル化合物 3 0〜 80重量％及び（b) その他の基油 20〜 70重量％からなるものである請求項 1記載の高温用潤滑油組成物。

3. (a) 芳香族エステル化合物が、トリメリット酸アルキルエステル及びピロメリット酸アルキルエステルから選ばれるものである請求項 1 又は 2に記載の高温用潤滑油組成物。

4. (b) その他の基油が、 α—ォレフィンオリゴマー、エチレン一ひ —ォレフインオリゴマ一、ポリブテン及びこれらの水素化物から選ばれる一種又は二種以上である請求項 1〜 3のいずれかに記載の高温用潤滑油組成物。

5. (c) 酸化防止剤が、分子中に硫黄及び又はリンを含むものである請求項 1〜 4のいずれかに記載の高温用潤滑油組成物。

6. (c) 酸化防止剤が、ジチォリン酸塩及びチォリン酸エステルから選ばれるものである請求項 1〜 5のいずれかに記載の高温用潤滑油組成物。

7. (c) 酸化防止剤が、 2， 6—ジー t e r t—ブチルー 4— (4， 6—ビス（ォクチルチオ）ー 1， 3， 5— トリアジン一 2—ィルァミノ）フエノールである請求項 1〜 5のいずれかに記載の高温用潤滑油組成物。