明細書 うつ血性心不全の治療または予防剤 技術分野
本発明は、 うつ血性心不全、 特に虚血性心疾患 (例えば、 心筋梗塞、 狭心症等) による心不全の治療または予防剤に関する。 背景技術
うつ血性心不全 (心不全) は虚血性心疾患 (例えば、 心筋梗塞、 狭心症等) 、 心筋症 (例えば、 拡張型心筋症、 肥大型心筋症等) 、 高血圧症 (高血圧性心肥大 等) などの様々な原因により心機能が低下した最終病態である。 形態学的には、 心室容積の拡張および心室壁厚の短縮といった心臓の器質的変化(リモデリング) が生じている。
心不全の治療には強心薬、 利尿薬等が用いられてきた。 これらの薬剤は短期的 には臨床症状を改善をするが死亡率は改善しない。 また近年、 A C E阻害薬が汎 用され一定の治療効果を上げているが満足の行く ものではない。 上記の薬剤が有 効性を示さない理由と しては、 強心薬を使用した場合、 心臓の動きを強制的にあ げることにより心筋へのダメージを増加すること、 利尿薬や A C E阻害薬を使用 した場合、 その効果が血圧の低下や体液量の減少によるうつ血の改善という間接 的作用に起因することが挙げられる。
心臓のリモデリングはコラーゲンなどの細胞外マ 卜 リ ックスの再構成により生 じるという考えが提唱され、 拡張型心筋症の動物モデルである心ぺ一シング心不 全ブタおよび高血圧性心不全ラッ トにおいて、 M M P一 1および M M P - 3の阻 害薬が有効であることが 1 9 9 7年 1 1月のアメ リカ心臓学会 (抄録 N o . 2 9 1 5, 2 9 1 6 ) で報告されている。
心不全および心室拡張の治療または予防に MM P阻害剤が有効であることが W O 9 8 / 2 5 5 9 7に記載されている。
本発明予防または治療剤と して有用なスルホンアミ ド誘導体の一部は、 W09 7 / 2 7 1 7 4に記載されている。 発明の開示
本発明は、 うつ血性心不全の治療または予防剤、 特に虚血性心疾患 (例えば、 心筋梗塞、 狭心症等) による うつ血性心不全の治療または予防剤を提供する。 さ らに詳しくは、 冠動脈永久閉塞による心不全ラッ 卜を用いることにより見出され た、 うつ血性心不全、 特に心筋梗塞後のうつ血性心不全の治療または予防剤を提 供する。
本発明は、 I ) 一般式 ( I )
R1
R5-R4-R3-S02-N' 、COY (I)
[式中、 R】は水素原子、 置換されていてもよい低級アルキル、 置換されていて もよぃァリール、 置換されていてもよいァラルキル、 置換されていてもよいへテ ロアリールまたは置換されていてもよいへテロアリールアルキル;
R 2は水素原子、 置換されていてもよい低級アルキル、 置換されていてもよいァ リール、 置換されていてもよいァラルキル、 置換されていてもよいへテロアリー ルまたは置換されていてもよいへテロアリールアルキル ;
R 3は単結合、 置換されていてもよいァリ一レンまたは置換されていてもよいへ テロア リーレン ;
R
4は単結合、 ― (C H
2) m―、 一 C H = C H -、 — Cョ C一、 — C O -、 — C O— N H 、 一 N = N—、 - N (R
A) —、 一 N H— C O— NH—、 — N H— C O—、 一 O—、 — S—、 一 S O
? NH―、 — S O ー NH— N = C H―、 または式:
で表わされる基 ; ―
R 5は置換されていてもよい低級アルキル、 置換されていてもよい C 3— C 8シク 口アルキル、 置換されていてもよいァリール、 置換されていてもよいへテロァリ ール、 または置換されていてもよい非芳香性複素環式基 ;
R Αは水素原子または低級アルキル ;
Yは N H O Hまたは O H;
mは 1 または 2 ] で示される化合物、 その光学活性体、 そのプロ ドラッグ、 もし くはそれらの製薬上許容される塩、 またはそれらの水和物を含有するうつ血性心 不全治療または予防剤、 に関する。 詳細には以下の I I ) 〜X) に関する。
I I ) R 4が単結合、 一 Cョ C一、 — O—、 一 S—、 または式 :
N=N N=N jj—— O—— N N- ~ 0
— 、Ν^~' ~ΛΝ ー, ~ 0 ~' "S "もしくは- Ν · で表わされる基 (ただし、 R 3が置換されていてもよいフエ二レン、 R 5が置換さ れていてもよいフユニルである場合、 R 4は単結合ではない) である I ) に記載 の化合物、 その光学活性体、 そのプロ ドラッグ、 もしくはそれらの製薬上許容さ れる塩、 またはそれらの水和物を含有するうつ血性心不全治療または予防剤。
I I I ) 一般式 ( I I ) :
R6
R10-R9-R8-SO2-N' 、COY (Π)
R7
(式中、 R 6は置換されていてもよい低級アルキル、 置換されていてもよいァリ ール、 置換されていてもよいァラルキル、 または置換されていてもよいへテロア リ ーノレァノレキノレ :
R 7は水素原子、 低級アルキル、 またはァラルキル ;
R 8は置換されていてもよいァリ一レンまたは置換されていてもよいへテロア —レン ;
R
9は単結合、 一 Cョ C一、 または式 : 一
で表わされる基 ;
R 1。は置換されていてもよいァリールまたは置換されていてもよいへテロァリ 一ノレ ;
Yは N H O Hまたは O H :
ただし、 R 8が置換されていてもよいフエ二レン、 R 1。が置換されていてもよい フエニルである場合、 R 9は単結合ではない) で示される化合物、 その光学活性 体、 そのプロ ドラッグ、 もしくはそれらの製薬上許容される塩、 またはそれらの 水和物を含有するうつ血性心不全治療または予防剤。
I V ) R 3および R 8力; 2 , 5ーチォフエンジィルである I ) 〜 I I I ) のいず れかに記載の化合物、 その光学活性体、 そのプロ ドラッグ、 もしくはそれらの製 薬上許容される塩、 またはそれらの冰和物を含有するうつ血性心不全治療または 予防剤。
V ) 一般式 ( I I I ) :
(m)
[式中、 R 6および Yは前記と同意義 ;
R 1 1は水素原子、 ヒ ドロキシ、 置換されていてもよい低級アルキルォキシ、 メル カプト、 低級アルキルチオ、 C 3— C 8シクロアルキル、 ハロゲン、 カルボキシ、 低級アルキルォキシカルボニル、 ニ トロ、 シァノ、 低級ハロアルキル、 ァリール ォキシ、 置換されていてもよいァミノ、 グァニジノ、 置換されていてもよい低級
アルキル、 低級アルケニル、 低級アルキニル、 ァシル、 ァシルォキシ、 一 CON RBRC、 - N (RD) CO RE (式中、 RB、 Rc、 および RDは同一または異な つて水素原子、 低級アルキルまたはァラルキル ; REは低級アルキル、 ァ リーノレ またはァラルキル) 、 置換されていてもよい非芳香性複素環基、 または置換され ていてもよいへテロアリール] で示される化合物、 その光学活性体、 そのプロ ド ラッグ、 もしくはそれらの製薬上許容される塩、 またはそれらの水和物を含有す るうつ血性心不全治療または予防剤。
V I ) 式 :
で示される化合物、 そのプロ ドラッグ、 もしくはそれらの製薬上許容される塩、 またはそれらの水和物を含有する うつ血性心不全治療または予防剤。
V I I ) うつ血性心不全が虚血性心疾患による I ) 〜ν ι ) のいずれかに記載の 治療または予防剤。
V I I I ) うつ血性心不全が心筋梗塞による I ) 〜V I ) のいずれかに記載の ½ 療または予防剤。
I X ) うつ血性心不全を治療または予防するための医薬を製造するための I ) 〜 V I ) のいずれかに記載の化合物の使用。
X ) I ) 〜V I ) のいずれかに記載の化合物の治療上効果を示す量を人を含む哺 乳動物に投与することからなる、 心不全による影響を緩和するための哺乳動物を 治療する方法。
本明細書中、 「うつ血性心不全」 とは、 心臓のポンプ作用の低下による心拍出 量の低下 (心室充満圧 (心室拡張期末圧) の上昇) (前方障害) 、 還流静脈血量 が減少、 静脈側に生じるうつ血 (後方障害) により引き起こされる心機能の低下 による症候群をいう。
本明細書中、 「虚血性心疾患」 とは、 冠不全により心筋虚血を生じた結果、 種々 の臨床的症候を呈するものをいう。 この原因と しては、 冠動脈狭窄、 冠動脈硬化 症、 冠動脈硬化症に伴う冠動脈血栓症、 種々の炎症性疾患、 先天性冠動脈異常、 外傷、 冠動脈栓塞症等が挙げられる。
本明細書中、 単独でもしくは他の用語と組み合わせて用いられる 「低級アルキ ル」 なる用語は、 1 一 8個の炭素原子を有する、 直鎖または分枝鎖の 1価の炭化 水素基を包含する。 例えば、 メチル、 ェチル、 n —プロピル、 イソプロピル、 n 一プチル、 イソブチル、 s e c—ブチル、 t e r t ーブチノレ、 n —ペンチル、 ィ ソペンチノレ、 n e o —ペンチノレ、 n —へキシノレ、 イソへキシノレ、 n —ヘプチノレ、 n—ォクチル等が挙げられる。 好ましくは、 C 1 一 C 6アルキルが挙げられる。 さらに好ましくは、 C 1 一 C 3アルキルが挙げられる。
本明細書中、 単独でもしくは他の用語と組み合わせて用いられる 「ァリール J なる用語は、 単環状もしくは縮合環状芳香族炭化水素基を包含する。 例えば、 フ ヱニル、 1 一ナフチル、 2—ナフチル、 アン ト リル等が挙げられる。 好ましくは、 フエニル、 1 一ナフチル、 2—ナフチルが挙げられる。 さらに好ましくは、 フエ
ニルが挙げられる。
本明細書中、 「ァラルキル」 とは、 前記 「低級アルキル」 に前記 「ァ リ ール」 が置換したものを包含する。 例えば、 ベンジル、 フエニルェチル (例えば、 2 — フエニルェチル) 、 フエニルプロピル (例えば、 3—フエニルプロ ピル) 、 ナフ チルメチル (例えば、 1 一ナフチルメチル、 2 —ナフチルメチル) 、 アン ト リル メチル (例えば、 9 一アン ト リルメチル) 等が挙げられる。 好ま しく は、 ベンジ フエ チルが挙げられる。
本明細書中、 単独でも しく は他の用語と組み合わせて用いられる 「ヘテロァ リ ール」 なる用語は、 任意に選ばれる、 酸素原子、 硫黄原子又は窒素原子を環内に 1 個以上含む 5 — 6員の芳香環基を包含する。 これらはさ らに前記 「ァリール」 、 ヘテロァ リ一ル、 も しく は非芳香族複素環と縮合していてもよレ、。 例えば、 イ ン ド リノレ (例えば、 3 —イ ン ド リル) 、 ベンゾイ ミ ダゾリ ル (例えば、 2 ンゾ ィ ミダゾリル) 、 ピリ ジル (例えば、 3— ピリ ジル、 4 一ピリジル) 、 ピラジ二 ノレ (例えば、 2 —ピラジュル) 、 イ ソォキサゾリル (例えば、 3 —イ ソォキサゾ リ ル、 5 —イ ソォキサゾリル) ベンゾォキサゾリル (例えば、 2 —ベンゾォキ サゾリル) チアゾリル (例えば、 4 一チアゾリル) ベンゾチアゾリル (例え ば、 2 ンゾチアゾリル) 、 ジベンゾフラニル (例えば、 ジベンゾフラン一 2 一ィル) チェニル (例えば、 2 —チェニル、 3 —チェニル) ベンゾチェニル (例えば、 2 ンゾチェニル) テ トラゾリ ル、 ォキサジァゾリ ル (例えば、 1 , 3 4 一ォキサジァゾリル、 1 , 2 , 4 —ォキサジァゾリル) ォキサゾリ ノレ (例えば、 2 —才キサゾリル) ピロ リ ノレ (例えば、 1 一ピロ リル) 力ルバ ゾリノレ (例えば、 3—力ルバゾリル) 、 イ ミダゾリ ノレ (例えば、 4 一イ ミダゾリ ル) ピラゾリル (例えば、 3—ピラゾリ ル、 5—ビラゾリル) 、 イ ンダゾリル (例えば、 3—インダゾリル) 、 イン ドリ ジニル (例えば、 6 —イン ドリ ジニル) 、 キノ リ ノレ (例えば、 5—キノ リル) 、 イ ソキノ リノレ (例えば、 3—イ ソキノ リル) 、 ァク リ ジル (例えば、 1 —アタ リ ジル) 、 フエナン ト リ ジニル (例えば、 2 —フ
ェナン ト リ ジニル) 、 ピリダジニル (例えば、 3 — ピリ ダジニル) 、 ピリ ミ ジニ ノレ (例えば、 4 一ピリ ミジニル) 、 シンノ リニル (例えば、 3 —シンノ リニル) 、 フタラジニル (例えば、 2 —フタラジニル) 、 キナゾリニル (例えば、 2—キナ ゾリニル) 、 ベンゾイ ソォキサゾリル (例えば、 3 —べンゾイ ソォキサゾリル) 、 ォキサゾリル (例えば、 2 —ォキサゾリル) 、 ベンゾォキサジァゾリル (例えば、 4 一べンゾォキサジァゾリル) 、 イ ソチアゾリル (例えば、 3—イ ソチアゾリル) 、 ベンゾイ ソチアゾリル (例えば、 2 —ベンゾイ ソチアゾリル) 、 フ リノレ (例えば、 2 —フ リル、 3 — フ リル) 、 ベンゾフ リル (例えば、 3 —ベンゾフ リ ル) 等が挙 げられる。 好ま しく は、 イ ン ド リ ル、 ベンゾイ ミ ダゾリ ル、 ピリ ジル、 ピラジュ ノレ、 イ ソォキサゾリル、 ベンゾォキサゾリノレ、 チアゾリル、 ベンゾチアゾリル、 ジベンゾフラニル、 チェニル、 ベンゾチェニル、 テ トラゾリル、 ォキサジァゾリ ル、 ォキサゾリル、 ピロ リル等が挙げられる。
単独で用いられる 「ヘテ ロァ リール」 と しては、 ピリ ジル、 ピラジニル、 イ ソ ォキサゾリル、 ベンゾォキサゾリル、 ベンゾチアゾリル、 ジベンゾフラニル、 ベ ンゾチェニル、 ピロ リル等が挙げられる。
本明細書中、 単独でもしく は他の用語と組み合わせて用いられる 「ヘテロァ リ ールアルキル」 なる用語は、 前記 「低級アルキル」 に前記 「ヘテロァ リ ール」 力 ' 置換したものを包含する。 例えば、 (イ ン ドールー 3 —ィル) メチル、 (チアゾ —ルー 4 一ィル) メチル、 (ピリ ジン一 4ーィノレ) メチル、 (ベンゾチアゾール 一 2—ィル) メチル、 (ベンゾイ ミダゾ一ルー 2—ィル) メチル等が挙げられる。 本明細書中、 「ァ リーレン」 とは、 例えば、 フユ二レン、 ナフチレン等が挙げ られる。 さ らに詳しく は、 1 , 2 —フエ二レン、 1, 3 —フエ二レン、 1 , 4— フエ二レン等が挙げられる。 好ま しく は、 1, 4 一フヱニレンが挙げられる。 本明細書中、 「ヘテロァリーレン」 とは、 例えば、 チォフェンジィル、 フラン ジィル、 ピリ ジンジィル等が挙げられる。 さ らに詳しく は、 2, 5—チォフェン ジィル、 2 , 5 —フランジィル等が挙げられる。 好ま しく は 2 , 5—チォフェン
:挙げ、られる。 ― 本明細書中、 「 C 3— C 8シクロアルキル」 とは、 シク ロプロピル、 シク ロプチ ノレ シク ロペンチノレ、 シク ロへキシノレ、 シク ロへプチノレ、 シク ロォクチノレが挙げ' られる。 好ま しく は C 3— C 6シクロアルキルが挙げられる。
本明細書中、 「非芳香族複素環基」 とは、 任意に選ばれる、 酸素原子、 硫黄原 子又は窒素原子を環内に 1個以上含む非芳香族の 5— 7員環またはそれらが 2個 以上縮合した環を意味する。 例えば、 ピロ リ ジニル (例えば 1 一 ピロ リ ジニル) 、 ピぺリ ジニノレ、 ピペラジニル、 ォクタヒ ドロキノ リニル、 テ トラ ヒ ドロフラニル、 テ ト ラ ヒ ドロ ビラニル、 モルホ リ ニル (例えばモルホ リ ノ) 等が挙げられる。 好 ま しく は、 ピロ リ ジニル、 モルホ リ ノが挙げられる。
本明細書中、 「低級アルキルォキシ j とは、 アルキル部分が前記 「低級アルキ ル J であるアルキルォキシを包含する。 例えば、 メチルォキシ、 ェチルォキシ、 n —プロピルォキシ、 i 一プロピルォキシ、 n—ブチルォキシ、 i ーブチルォキ シ、 s e c —プチルォキシ、 t e r t —ブチルォキシ等が挙げられる。 好ま しく は C 一 C 4アルキルォキシが挙げられる。
本明細書中、 「低級アルキルチオ」 とは、 アルキル部分が前記 「低級アルキル J であるアルキルチオを包含する。 例えば、 メチルチオ、 ェチルチオ等が挙げられ る。 好ま しくは C ! 一 C 3アルキルチオが挙げられる。
本明細書中、 「ハロゲン」 とはフッ素、 塩素、 臭素、 およびヨ ウ素を意味する。 好ま しく は、 フッ素、 塩素および臭素が挙げられる。
本明細書中、 「低級アルキルォキシカルボニル」 とは、 アルキルォキシ部分が 前記 「低級アルキルォキシ」 である低級アルキルォキシカルボニルを包含する。 例えば、 メチルォキシカルボニル、 ェチルォキシカノレボニル、 n —プロピノレオキ シカルボニル等が挙げられる。
本明細書中、 「低級ハロアルキル」 とは、 前記 「ハロゲン」 で 1 〜 5 ケ所置換 された前記 「低級アルキル」 を包含する。 例えば、 ト リ クロロメチル、 ト リ クロ
ロェチル、 ト リフルォロメチル、 ト リ フルォロェチル等が挙げられる。 ― 本明細書中、 「ァリールォキシ」 とは、 ァ リール部分が前記 「ァリール」 であ る 「ァリールォキシ j を包含する。 例えば、 フエニルォキシ等が挙げられる。 本明細書中、 「低級アルケニル」 とは、 C 2— c e直鎖状または分枝状の 「アル ケニル」 を包含する。 例えば、 ビニル、 ァリル、 プロぺニル、 ブテニル等が挙げ られる。
本明細書中、 「低級アルキニル」 とは、 C 2— C 8直鎖状または分枝状の 「アル キニル j を包含する。 例えば、 ェチニル、 1 一プロピニル、 プロパルギル、 1 一 へキシュル等が挙げられる。
本明細書中、 f ァシル」 とは、 カルボニルに前記 「低級アルキル」 または 「c
3— C sシク ロアルキル」 が結合したアルカノィル、 およぴカルボニルに前記 「ァ リ一ル」 が結合したァロイルを包含する。 例えば、 ァセチル、 n —プロパノィル、 イソプロノヽ0ノィノレ、 n—ブチロ イ ノレ、 t ーブチロ イ ノレ、 シクロプロ ノ ノィ ル、 シ クロブタノィノレ、 シク ロペンタノィノレ、 シク ロへキサノィノレ、 ベンゾィル等が挙 げられる。 好ましくは、 ァセチル、 ベンゾィル等が挙げられる。
本明細書中、 「ァシルォキシ」 とは、 酸素原子に直接前記 「ァシル j が結合し たァシルォキシを包含する。 例えば、 ァセチルォキシ、 n —プロパノィルォキシ、 イ ソプロ ノィルォキシ、 n —ブチロイノレオキシ、 t 一ブチロイノレオキシ、 シク ロプ ノィルォキシ、 シクロブタノイノレオキシ、 シク ロペンタノィルォキシ、 シク ロへキサノイ ノレオキシ、 ベンゾイ ノレオキシ、 α —ナフ ト イ ノレォキシ、 β —ナ フ トイルォキシ等が挙げられる。
本明細書中、 「置換されていてもよいァミノ」 とは、 前記 「低級アルキル」 、 「ァラルキル」 、 「ァシル」 、 も しく は 「ヘテロァリールアルキル」 で 1 または 2個所置換されているァミ ノまたは非置換アミ ノを意味する。 例えば、 ァミノ、 メチルァミ ノ、 ジメチルァミ ノ、 ェチルメチルァミ ノ、 ジェチルァミ ノ、 ベンジ ノレアミノ . ァセチルァミノ等が挙げられる。
本明細書中、 R l、 R 2、 R 5、 R 6、 および R 7における 「置換されていてもよ いアルキル」 における置換基と してはヒ ドロキシ、 アルキルォキシ (例えば、 メ チルォキシ、 ェチルォキシ) 、 メルカプト、 低級アルキルチオ (例えば、 メチル チォ) 、 C 3— C 8シクロアルキル (例えば、 シクロプロ ピル、 シク ロブチル、 シ ク ロペンチル、 シク ロへキシル) 、 ハロゲン (例えば、 フッ素、 塩素、 臭素、 ョ ゥ素) 、 カルボキシ、 低級アルキルォキシカルボニル (例えば、 メチルォキシ力 ルボニル、 ェチルォキシカルボニル) 、 ニ トロ、 シァノ、 低級ハロアルキル (例 えば、 ト リ フルォロメチル) 、 置換されていてもよいアミ ノ (例えば、 メチルァ ミ ノ、 ジメチルァミ ノ、 力ルバモイルァミ ノ) 、 置換されていてもよいカルバモ ィル (例えば、 フエ二ルカルバモイル) 、 グァニジノ、 ベンジルォキシ等が挙げ られる。 これらは、 全ての可能な位置で 1個以上置換しう る。
R R 2 、 R 6、 および R 7における 「置換されていてもよいアルキル」 と し ては、 メチノレ、 ェチノレ、 n —プロピル、 i 一プロピノレ、 i ーブチノレ、 s e c —プ- チル、 t ーブチノレ、 ト リ フノレオロメチノレメチノレ、 シク ロへキシノレメチノレ、 カルボ キシメチル、 カルボキシェチノレ、 ヒ ドロキシメチル、 ベンジルォキシメチル、 メ チルチオェチル、 フヱニルカルバモイルェチル、 アミ ノブチル等が挙げられる。
R 5における 「置換されていてもよいアルキル」 と しては、 n —ブチル、 n — へキシル、 n—ォクチル等が挙げられる。
本明細書中、 R 1 1における 「置換されていてもよいアルキル」 における置換基 と しては、 保護されていてもよいヒ ドロキシ (ヒ ドロキシ、 メチルスルホニルォ キシ、 p — トルエンスルホニルォキシ) 、 低級アルキルォキシ (例えば、 メチル ォキシ、 ェチルォキシ、 n —プロピルォキシ、 n—ブチルォキシ) 、 アジ ド、 メ ルカプト、 低級アルキルチオ (例えば、 メチルチオ) 、 シクロアルキル (例えば、 シクロプロ ピノレ、 シクロブチル、 シク ロペンチノレ、 シクロへキシノレ) 、 ハロゲン (例えば、 フッ素、 塩素、 臭素、 ヨ ウ素) 、 カルボキシ、 低級アルキルォキシ力 ルボニル (例えば、 メチルォキシカルボニル、 ェチルォキシカルボニル) 、 ニ ト
口、 シァノ、 低級ハロアルキル (例えば、 ト リ フルォロメチル) 、 置換されてい てもよいァミ ノ (例えば、 メチルァミ ノ、 ジメチルァミ ノ、 力ルバモイルァミ ノ) 、 グァニジノ、 ァ リール (例えば、 フエニル) 、 ァラルキルォキシ (例えば、 ベン ジルォキシ) 等が挙げられる。 これらは、 全ての可能な位置で 1 個以上置換しう る。 好ま しい置換基と しては、 保護されていてもよいヒ ドロキシ、 アジド、 ハロ ゲン、 置換されていてもよいァミ ノが挙げられる。
R 1 1における 「置換されていてもよいアルキル」 と しては、 メチル、 ェチル、 n —プロ ピル、 i 一プロピル、 n—ブチル、 t ーブチル、 ヒ ドロキシメチル、 2 ーヒ ドロキシェチル、 2—アジ ドエチル、 ト リ フルォロメチル等が挙げられる。 本明細書中、 「置換されていてもよいァ リ ール」 、 「置換されていてもよいァ ラルキル」 、 r置換されていてもよいへテロア リ ール」 、 「置換されていてもよ いへテロァ リ ールアルキル」 、 「置換されていてもよいァ リ ーレン」 、 および 「置 換されていてもよいへテロァリ—レン」 における芳香環上の置換基とは、 例えば、 保護されていてもよいヒ ドロキシ (ヒ ドロキシ、 メチルスルホニルォキシ、 p — 卜ルエンスルホニルォキシ) 、 置換されていてもよい低級アルキルォキシ (例え ぱ、 メチノレオキシ、 ェチノレオキシ、 n —プロ ピノレオキシ、 n—ブチノレオキシ、 ジ メチルァミ ノプロ ピルォキシ) 、 メルカプ ト、 低級アルキルチオ (例えば、 メチ ルチオ) 、 C 3— C 8シクロアノレキル (例えば、 シクロプロ ピル、 シク ロブチル、 シク ロペンチル、 シク ロへキシル) 、 ハロゲン (例えば、 フッ素、 塩素、 臭素、 ヨ ウ素) 、 カルボキシ、 低級アルキルォキシカルボニル (例えば、 メチルォキシ カルボニル、 ェチルォキシカルボニル) 、 二 トロ、 シァノ、 低級ハロアルキル (例 えば、 ト リ フルォロメチル) 、 ァリ ールォキシ (例えば、 フエニルォキシ) 、 置 換されていてもよいアミ ノ (例えば、 ァミ ノ、 メチルァミ ノ、 ジメチルァミ ノ、 ジェチルァミノ、 ェチルメチルァミ ノ、 ベンジリデンァミ ノ) 、 グァニジノ、 置 換されていてもよい低級アルキル (例えば、 メチル、 ェチル、 n —プロピル、 i 一プロピノレ、 n—ブ'チノレ、 i ー フ"チノレ、 s e c —ブチノレ、 t e r t —ブチノレ、 n
一ペンチノレ、 i 一ペンチノレ、 n e o —ペンチノレ、 t e r t —ペンチノレ、 ヒ ドロキ シメチル、 2—ヒ ドロキシェチル、 2 —アジ ドエチル) 、 低級アルケニル (例え ば、 ビニル、 プロぺニル) 、 低級アルキニル (例えば、 ェチニル、 フエ二ルェチ ニル) 、 ァシル (例えば、 ホルミル、 ァセチル、 プロピオニル、 ベンゾィル) 、 ァシルォキシ (例えば、 ァセチルォキシ) 、 ァシルァミ ノ (例えば、 ァセチルァ ミ ノ) 、 低級アルキルスルホニル (例えば、 メチルスルホニル) 、 アミ ノスルホ ニル、 フエニル、 ベンジル、 ァゾ基 (例えば、 フエニルァゾ) 、 アジド、 置換さ れていてもよいへテロアリ ール (例えば、 3 — ピリ ジル) 、 置換されていてもよ ぃゥ レイ ド (例えば、 ウレイ ド、 フヱニルウレイ ド) 、 ァ リール (例えば、 フェ ニル) 、 ァラルキルォキシ (例えば、 ベンジルォキシ) 、 一 C O N R B R c、 一 N ( R D ) C O R E (式中、 R B、 R c、 および R Dは同一または異なって水素原子、 低級アルキルまたはァラルキル ; R Eは低級アルキル、 ァ リールまたはァラルキ ル) (例えば、 力ルバモイル、 ァセチルァミ ノ) 、 置換されていてもよい非芳香 性複素環基 (例えば、 ピロ リジニル、 モルホリノ) 等が挙げられる。 これらは、 全ての可能な位置で 1個以上置換しうる。
R 5および R 1。における 「置換されていてもよいフ エニル j における芳香環上 の置換基と しては、 例えば、 保護されていてもよいヒ ドロキシ (ヒ ドロキシ、 メ チノレスノレホニルォキシ、 p — 卜ノレエンスルホニルォキシ) 、 置換されていてもよ い低級アルキルォキシ (例えば、 メチルォキシ、 ェチルォキシ、 n —プロ ピルォ キシ、 n—ブチルォキシ、 ジメチルァミ ノプロ ピルォキシ) 、 メルカプ ト、 低級 アルキルチオ (例えば、 メチルチオ) 、 C 3— C 8シク ロアルキル (例えば、 シク 口プロ ピル、 シク ロプチノレ、 シクロペンチノレ、 シクロへキシノレ) 、 ハロゲン (例 えば、 フッ素、 塩素、 臭素、 ヨ ウ素) 、 カルボキシ、 低級アルキルォキシカルボ ニル (例えば、 メチルォキシカノレボニル、 ェチノレオキシカノレボニル) 、 ニ トロ、 シァノ、 低級ハロアルキル (例えば、 ト リ フルォロメチル) 、 ァリ ールォキシ (例 えば、 フエニルォキシ) 、 置換されていてもよいアミ ノ (例えば、 ァミ ノ、 メチ
ノレアミ ノ、 ジメチルァミ ノ、 ジェチルァミ ノ、 ェチルメチルァミ ノ) 、 置換され ていてもよい低級アルキル (例えば、 メチル、 ェチル、 n —プロ ピル、 i —プロ ピノレ、 n —ブチノレ、 i ーブチノレ、 s e c ーブ'チノレ、 t e r t —ブ-チノレ、 n —ペン チノレ、 i —ペンチノレ、 n e o —ペンチノレ、 t e r t —ペンチノレ、 ヒ ドロキシメチ ル、 2 — ヒ ドロキシェチル、 2—アジドエチル) 、 低級アルケニル (例えば、 ビ ニル、 プロぺニル) 、 低級アルキニル (例えば、 ェチニル、 フエニルェチュル) 、 ァシル (例えば、 ホルミル、 ァセチル、 プロピオニル、 ベンゾィル) 、 ァシルォ キシ (例えば、 ァセチルォキシ) 、 ァシルァミ ノ (例えば、 ァセチルァミ ノ) 、 低級ァノレキノレスノレホニル (例えば、 メチルスノレホニル) 、 ア ミ ノ スノレホニル、 フ ェニル、 ベンジル、 ァ リール (例えば、 フエニル) 、 ァラルキルォキシ (例えば、 ベンジルォキシ) 、 一 C O N R B R c、 一 N ( R D) C O RE (式中、 R B、 Rc、 および R Dは同一または異なって水素原子、 低級アルキルまたはァラルキル ; R E は低級アルキル、 ァリールまたはァラルキル) (例えば、 力ルバモイル、 ァセチ ルァミ ノ) 、 置換されていてもよい非芳香性複素環基 (例えば、 ピロ リ ジニル、 モルホ リ ノ) 等が挙げられる。 これらは、 全ての可能な位置で 1 個以上置換しう る。
R 1および R 6 :こおける 「置換されていてもよいァ リール」 と しては、 フエニル 等が挙げられる。
R 1および R 6における 「置換されていてもよいァラルキル」 と しては、 ベンジ ノレ、 4ー ビフエニノレメチノレ、 4一二 ト ロ フエニノレメチノレ、 4ー フゾレオ口 フエ二ノレ メチル、 4一力ノレボキシフエニルメチル、 4ー ヒ ドロキシフエニル、 フエ-ルェ チル、 1 一ナフチノレメチル、 2—ナフチルメチル、 (フエニル) (ヒ ドロキシ) メチル等が挙げられる。
R 1および R 6における 「置換されていてもよいへテロアリールアルキル」 と し ては、 (イン ドールー 3—ィル) メチル、 ( 5 —メ トキシイン ド一ルー 3—ィル) ^チル、 ( 1 一メチルイン ド—ノレ一 3—ィル) メチル、 ( 1 ーァセチルイン ドー
ノレ一 3 —ィル) メチル、 ( 1 一エ トキシイン ドールー 3 —ィル) メチル、 ( 1 一 メチルスノレホニルイン ドールー 3 —ィル) メチル、 ( 1 ーホノレミルイン ドーノレ一 3—ィル) メチル、 ( 4 一メチルイン ド一ルー 3—ィル) メチル、 ( 5—メチル イン ドールー 3—ィル) メチル、 ( 5—フルォロイン ド一ルー 3—ィル) メチル、
( 5—フルォロ一 7 —メチルイン ドール) メチル、 ( 6 —メ トキシイン ドール) メチル、 ( 7 —メチルイン ドール) メチル、 (チアゾーノレ一 4 一ィル) メチル、
(ピリ ジン一 4 一ィル) メチル、 (チアゾールー 2 —ィル) メチル、 (ベンゾィ ミダゾールー 2—ィル) メチル等が挙げられる。
本明細書中、 「置換されていてもよい非芳香性複素環基」 の置換基と しては、 低級アルキル (例えば、 メチル、 ェチル、 n —プロピル、 i 一プロピル) 等が挙 げられる。
「置換されていてもよい非芳香性複素環基」 と しては、 1 一ピロ リジニル、 モ ルホリ ノ、 ピペラジノ、 ピペリ ジノ、 ォキサゾリ ジノ等が挙げられる。
本明細書中、 「置換されていてもよいイン ドールメチル」 の置換基と しては、 低級アルキル、 低級アルキルォキシ、 ァシル、 低級アルキルスルホニル、 ハロゲ ン等が挙げられる。 図面の簡単な説明
図 1 心筋梗塞モデルラッ 卜、 正常ラッ ト、 および心筋梗塞モデルラッ トに被験 化合物を投与した場合の左心室内圧の値を示すグラフである。
図 2 心筋梗塞モデルラッ ト、 正常ラッ ト、 および心筋梗塞モデルラッ 卜に被験 化合物を投与した場合の左心室収縮速度の変化を示すグラフである。
図 3 心筋梗塞モデルラッ ト、 正常ラッ 卜、 および心筋梗塞モデルラッ トに被験 化合物を投与した場合の圧—容量曲線 (コンプライアンス) を示すグラフである。 発明を実施するための最良の形態
本発明うつ血性心不全治療または予防剤と しての作用を以下のように検討した, (実験動物)
実験には 1 0— 1 5週齢、 好ましくは 1 2 — 1 3週齢の W i s t a r系雄性ラ ッ トまたは S D系雄性ラッ トを用いた。
(ラッ 卜心不全モデルである冠動脈永久閉塞)
上記の W i s t a r系雄性ラッ トをチォペンタール、 ペン トバルビタール等で 麻酔し、 人工呼吸を施し開胸する。 左冠動脈前下行枝を 5 — 1 0ナイロン糸によ り結紮した後、 速やかに閉胸する。 麻酔覚醒後、 飼育ケージに戻し通常飼育を行 う。 冠動脈結紮 7 日後、 第 1誘電心電図を記録し、 Q波の下降が認められた (心 筋梗塞を発症した) 個体のみを使用する。 結紮後 8 日 目〜 2 1 目まで検体化合物 ( 3 0 m g / k g 日、 経口、 s o l v e d i n 1 . 5 %アラビアゴム) の 投与を行った。 翌日、 左心室内圧 (心機能) の測定および左心室圧一容量曲線 (コ ンプライアンス) の記録を行った。
(左心室内圧の測定)
ハロセン麻酔下で右頸動脈から左心室内へカテーテルを挿入し、 圧 トランスデ サーを介して左心室内圧、 収縮速度を経時的に記録した。
(左心室 容量曲線の記録および右心室重量の測定)
ノ、ロセン麻酔下で、 尾静脈より 5 M— K C 〗 ( l m l Z r a t ) をし、 心臓を 拡張期で停止させ、 心臓を速やかに摘出した。 右心室を切開除去した後、 大動脈 から左心室へ生理食塩水を満たしたカテーテルを挿入 ( 6 mm) し、 房室溝を結 紮した。 カテーテルよりへパリ ン生理食塩水を灌流し、 心室内の血液を完全に除 去した。 初期圧を一 5 mmH gにした後、 L V圧が 3 0 m m H gになるまで生理 食塩水を 0. 6 8または 0. S O m l Zm i n ( 0. 3 4 m l /m i n = 2 0. 4 m 1 / h ) の速度で注入し、同時に圧変化を記録した( S o n o k i e t a 1 . J J P 7 4 , 1 7 1 ( 1 9 9 7 ) ) 。
測定終了後、 心房を除去して右心室を分別し、 電子天秤でその重量を測定した。
一般式 ( I ) で表わされる本発明化合物は、 W 0 9 7 / 2 7 1 7 4等に記載さ れている公知の方法により行うことができる。
本発明治療または予防剤における活性化合物は、 製薬上許容される塩、 または その水和物も抱合される。 例えば、 アルカ リ金属 (リチウム、 ナ ト リ ウム、 カ リ ゥム等) 、 アルカ リ土類金属 (マグネシウム、 カルシウム等) 、 アンモニゥム、 有機塩基およびアミノ酸との塩、 または無機酸 (塩酸、 臭化水素酸、 リン酸、 硫 酸等) 、 および有機酸 (酢酸、 クェン酸、 マレイン酸、 フマル酸、 ベンゼンスル ホン酸、 p — トルエンスルホン酸等) との塩が挙げられる。 硝酸塩が好ましい。 これらの塩は、 通常行われる方法によって形成させることができる。 水和物を形 成する時は、 任意の数の水分子と配位していてもよい。 また、 本化合物は特定の 異性体に限定するものではなく、 全ての可能な異性体やラセミ体を含むものであ る。
プロ ドラッグは、 化学的または代謝的に分解できる基を有する本発明化合物の 誘導体であり、 加溶媒分解によりまたは生理学的条件下でィンビボにおいて薬学 的に活性な本発明化合物となる化合物である。 適当なプロ ドラッグ誘導体を選択 する方法および製造する方法は、 例えば D e s i g n o f P r o d r u g s , E 1 s e v i e r , A m s t e r d a m 1 9 8 5に記載されている。 本発明化 合物がカルボキシル基を有する場合は、 もとになる酸性化合物と適当なアルコ 一 ルを反応させることによって製造されるエステルプロ ドラッグ、 またはもとにな る酸性化合物と適当なァミンを反応させることによって製造されるアミ ドプロ ド ラッグのようなプロ ドラッグが例示される。 プロ ドラッグと してはエステルプロ ドラッグが好ましく、 例えば、 メチルエステル、 ェチルエステル、 n —プロピル エステノレ、 イ ソプロピルエステル、 n —プチノレエステノレ、 イソブチルエステル、 t e r t —ブチルエステル、 モルホ リ ノェチルエステル、 N , N—ジェチルグリ コールアミ ドエステル等が挙げられる。 本発明化合物がヒ ドロキシル基を有する 場合は、 例えばヒ ドロキシル基を有する化合物と適当なァシルハライ ドまたは適
当な酸無水物とを反応させることに製造されるァシルォキシ誘導体のようなプロ ドラッグが例示される。 プロ ドラッグと して特に好ましいァシルォキシと しては、 一 O C O C 2 H 5、 一 O C O ( t - B u ) 、 - O C O C j s H 3 J , 一 O C O ( m - C O O N a - P h ) 、 一 O C O C H 2 C H 2 C O O N a 、 - O C O C H ( N H 2 ) C H 3、 - O C O C H 2 N ( C H 3) 2等が挙げられる。 本発明化合物がアミノ基 を有する場合は、 アミノ基を有する化合物と適当な酸ハロゲン化物または適当な 混合酸無水物とを反応させることにより製造されるアミ ド誘導体のようなプロ ド ラッグが例示される。 プロ ドラッグと して特に好ましいアミ ドと しては、 一 N H C O ( C H 2 ) 2。 C H 3、 一 NH C O C H (N H 2 ) C H 3等が挙げられる。
本化合物を、 心不全の治療または予防を目的と してヒ 卜に投与する場合は、 散 剤、 顆粒剤、 錠剤、 カプセル剤、 丸剤、 液剤等と して経口的に、 または注射剤、 坐剤、 経皮吸収剤、 吸入剤等と して非経口的に投与することができる。 また、 本 化合物の有効量にその剤型に適した賦形剤、 結合剤、 湿潤剤、 崩壊剤、 滑沢剤等 の医薬用添加剤を必要に応じて混合し、 医薬製剤とすることができる。 注射剤の 場合には、 適当な担体と共に滅菌処理を行って製剤とする。
投与量は疾患の状態、 投与ルー ト、 患者の年齢、 または体重によっても異なる 、 成人に経口で投与する場合、 通常 0. 0 1 〜 1 0 0 mgZkgZ日であり、 好ま しくは 0. 1 〜 2 0 mgZkgZ日である。
本発明化合物 (すなわち、 一般式 ( I ) 、 ( 1 1 ) 、 および ( I I I ) で表わ される化合物またはこれらの化合物を含有する医薬製剤) は、 哺乳動物に投与す るためには 1回の服用量の形態であるのが好ましい。 1回の服用量の形態と して は、 カプセル剤もしくはそれ自身の錠剤、 またはこれらのうちのいくつかを挙げ ることができる。 1回服用分の製剤中の有効成分の量は、 約 0. 1〜約 1 0 0 0 ミ リグラムの間で、 特別な治療においてはそれ以上の範囲で変更または調節する ことができる。 患者の年齢や状態によって服用量を慣例的に変えることも必要で あろう と判断される。 服用量はまた、 投与ルートにもよると考えられる。
本発明化合物 (すなわち、 一般式 ( I ) 、 ( 1 1 ) 、 および ( I I I ) で表わ される化合物またはこれらの化合物を含有する医薬製剤) を用いた心不全の治療 の改良方法は、 以下のように行われる :
本発明医薬製剤は、 慢性の患者に経口投与することが好ましい。 皮下や筋肉組 織中への注射、 および静脈注射によっても投与することができる。
本発明は、 治療上有効な量の治療または予防剤を必要とする哺乳動物に投与す ることによる、 心不全の治療または予防方法である。 心不全の患者に対する投与 は、 継続的にまたは断続的に行う ことができる。
心不全の治療を始めるにあたっての決定は、 心不全の臨床症状の出現の開始を 示す臨床検査に基づく。 典型的な臨床症状と しては、 肺うつ血による息切れ、 呼 吸困難、 浮腫等が挙げられる。
本発明化合物は、 うつ血性心不全を治療または予防するための医薬を製造する ために使用することができる。
一般式 ( I ) に示す化合物は優れたうつ血性心不全の予防および治療効果を有 するが、 以下の表 1〜表 2 4に示す化合物群が好ましい。
表中、 以下の略号を使用する。
M e : メチル
E t : ェチル
P r : プロピノレ
B u : ブチノレ
P e n : ペンチル
H e x :へキシノレ
O c t : ォクチノレ
P h : フエニル
B n : ベンジル
好ましくは、 ィ匕合物 N o . 2 1 0、 2 1 2、 2 2 0、 2 2 4、 2 8 4、 3 1 8、
が挙げられる
R1
R12-S02-N'*"CONHOH
R1
2
R'
R12— S02— N * CONHOH
H 7
N -2 os - y
R1
R12 - S02 - NT *、COOH
≠ 5
R'
R 2-S02-N' *、COOH
R'
R12 - S02— *、COOH
-4
7
R1
R12 - S02— N,* COOH
≠ 8
R1
R12-SO,-N' *、COOH
≠ 9
R, 〇
R12-S02— N今 COOH
R1
R12-SO,-N' *、COOH
R'
R12 - S02— rT*、COOH
R1
R12-S02— N H *、COOH
i 3
R1
R12-SO,-N' *、COOH
1
R1
12-SO,-N' *、COOH
R1
R12 - S02 - *、COOH
L2
L I ¾ S8fO/66<If/lD<I ClZSl/00 ΟΛ\
R1
R12-S02-N' *、C00H
R'
R12 - S02— *、COOH
≠ 1
R1
R12 - S02— * COOH
微 22
さ zsl/:_
£ S:
Η ,
ΗΟΟΟゝ Ν— S—^ o
4
M e : メチル
E t : ェチノレ
S h a m : 偽手術群 (開胸手術のみ)
V e h i : V e h i c 1 e。 アラ ビアゴム水溶液のみの投与群
参考例 1 (化合物 4 2 2の合成)
(第 1 工程)
ィ匕合物 ( i ) (5)-Et,hyl-2-pyrrolidine-5-carboxylate) は、 Aldrich, Fluka、 関東化学などから入手可能であり、 また Silverman. R. B.; Levy, M. A. J. Org. Chem. 1980.45, 815.に記載の方法によ り合成可能である。
ィ匕合物 ( i i ) の合成は、 Li, H.; Sakamoto, T.; Kato, M.; Kikugawa, Y. Synth. Commun.1995, 25, 4045.に記載の方法〉に準じて行った。 すなわち、 化合物 ( i ) (80.34 g) をテ 卜ラヒ ドロフラン (800 mL) に溶解し、 -73°Cでリチウムビス ト リ メチルシリルアミ ド(600mL, 1.0MTHF溶液) を 4 0分力"ナて滴下した。 -72で
にて 1時間攪拌した後にクロ口炭酸メチル (51.3 mL) を 1 時間かけて滴下し、- 同温にて 2時間攪拌した。 反応溶液を氷一 2N塩酸 (400 mL) —水 (400 mL) に 注ぎ、 酢酸ェチルにて抽出した (1 L、 500 mL) 。 有機層を 5%炭酸水素ナ ト リ ウ ム水溶液 (400 mL) および飽和食塩水 (400 mL) にて洗浄し、 硫酸マグネシゥ ムにて乾燥後、 減圧濃縮した。 得られた残渣をシリカゲルク ロマ トグラフィーに 付し、 酢酸ェチル Zn-へキサン = 1 Z 1 にて溶出する部分を集め化合物 ( i i )
(黄色油状物、 74.35 g) を得た。 収率 68%。
IR V max (cm-i)(KBr): 1797, 1741.
iH-NMR (δ ppm)(CDCl3) 1.30(t, J = 7.2 Hz.3H), 2.09 (m. 1H).2.30-2.73 (m, 3H), 3.87 (s. 3H). 4.25 (q, J = 7.2 Hz. 2H), 4.6 (dd. J = 2.7, 9.3 Hz. 1H).
[a]25D -29.6土 1.4(0.513 %、 DMSO).
HR-FABMS m/z 216.0875 [M + H]+ (calcd for C9H"N05216.0872).
(第 2工程)
ィヒ合物 ( i i i ) の合成は、 Pedregal, C.: Ezquerra, J. Tetrahedron Lett.1994, 35, 2053.に記載の方法に準じて行った。 すなわち、 化合物 ( i i ) (71.0 g) を テ トラ ヒ ドロフラン (700 mL) に溶解し、 -74°Cに冷却し、 リチウム ト リェチル ボロ ヒ ドリ ド (36:3 mL. 1.0M THF溶液) を 45分力 けて滴下した。 -74°Cにて 80 分間攪拌した後に 5%炭酸水素ナ ト リ ゥム水溶液 (660 mL) を 5分かけて加え、 氷冷下にて 20分間攪拌した。 更に 30%過酸化水素水溶液 (66 mL) を 40分かけ て加え、 氷冷下 (内温は 15°C前後) にて 1時間攪拌した。 反応溶液を氷一水 (1 L) に注ぎ、 酢酸ェチルにて抽出した (1.5L、 500 mL) 。 有機層を飽和食塩水 (500 mL) にて洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、 減圧濃縮し化合物 ( 1 i (黄 色油状物、 58.77 g) を得た。 収率 82%。
iH-NMR (δ ppm)(CDCl3) 1.26 (t. J = 7.2 Hz, 3H), 1.8-2.6 (m, 4H). 3.70 and 3.78 (s. 3H), 4.1-4.5 (m, 3H), 5.5-5.7 (m. 1H).
HR-FABMS m/z 240.0850 [M + Na]+ (calcd for CgHisNOsNa 240.0848).
(第 3工程) - 化合物 ( i ) の合成は、 Irie. K.; Ishida, A.; Nakamura. T.; Oh-ishi. T. Chem. Pharm. Bull. 1984, 32.2126.記載の方法に準じて行った。 すなわち、 化合物 ( i i i ) の粗生成物 (31.15 g) をジォキサン (150mL) に溶解し、 4—フルオロ フ ェニルヒ ドラジン塩酸塩 (23.32 g) 、 水 (150 mL) 、 IN塩酸 (15 mL) を順次 加え、 100°Cにて 5時間攪拌した。 室温まで冷却後、 反応溶液を氷一水 (200 mL) に注ぎ、 酢酸ェチルにて抽出した (500raL、 300 mL) 。 有機層を 5%炭酸水素ナ ト リ ウム水溶液 (200 mL) および飽和食塩水 (200 mL) にて洗浄し、 硫酸マグ ネシゥムにて乾燥後、 減圧濃縮した。 得られた残渣をシリカゲルクロマ 卜グラフ ィ一に付し、 酢酸ェチル /トルエン = 1 1 にて溶出する部分を集め、 ジェチル エーテル Zn-へキサンより結晶化し化合物 ( i V ) (白色粒状晶、 15.4 g) を得 た。 収率 35%。
融点 119-121 °C.
IR V max (cm.')(KBr): 3361, 1730, 1711.
iH-NMR (δ ppm)(CDCl3) 1.22 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 3.26 (d, J = 5.1 Hz, 2H), 3.68 (s,
3H), 4.13 (m, 2H), 4.67 (m. 1H), 5.23 (m, 1H), 6.93 (dt, J = 2.4, 8.7 Hz. 1H). 7.05
(d. J = 2.4 Hz. 1H).7.18 (tld. J = 2.7, 9.6 Hz. 1H), 7.26 (del. J = 4.5, 8.7 Hz. 1H).
8.10 (br s, 1H).
元素分析 CwHnFNsC^と して
計算値: C.58.44; H'5.56: N.9.09; F,6.16.
実測値: C.58.41: H.5.51; N,9.02: F.6.09.
fa D -7.2 ± 0.9 (0.501%、 DMSO).
HR-FABMS m/z 308.1169 M+ (calcd for C15H17FN2O4 308.1172).
(第 4工程)
化合物 ( i v ) (2.77 g) を塩化メチレン (30 mL) に溶解し、 ヨウ化ト リ メ チルシラン (1.92mL) を力 Dえ、 45分間加熱還流した。氷冷後メタノール (3.0mL)
をゆつく り と加え、 氷冷下にて 30分間攪拌し濃縮した。 濃縮残渣に氷一 5%炭酸 水素ナ ト リ ゥム水溶液ーチォ硫酸ナト リ ゥム水溶液を加え、 酢酸ェチルにて 2回 抽出した。 有機層を飽和食塩水にて洗浄し、 硫酸マグネシウムにて乾燥後、 減圧 濃縮し化合物 ( V ) (茶色油状物、 2.30 g) を得た。 収率 100%。
IR V max (cm.i)(film): 3367. 1730.
Ή-NMR (δ ppm)(CDCl3) 1.25 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 3.02 (dd, J = 7.5, 14.4 Hz. 1H), 3.21 (dd, J = 5.4. 14.4 Hz. 1H), 3.78 (dd, J = 4.8, 7.2 Hz, 1H), 4.16 (dq, J = 1.5, 7.2 Hz, 2H), 6.94 (dt, J = 2.4, 9.0 Hz, 1H), 7.12 (d. J = 2.4 Hz, 1H), 7.24-7.29 (m, 2H), 8.09 (br s. 1H).
[<xp5D +24.9 ± 1.3 (0.506%、 DMSO).
HR-FABMS m/z 251.1201 [M + H]+ (calcd for C13H16FN2O2251.1196).
(第 5工程)
ィ匕合物 ( v ) の粗生成物 (7f31 mg) をテ トラヒ ドロフラン (8 mL) に溶解し、 N-メチルモルホリ ン (0.50 mL) およぴ 5-ブロモチォフェン- 2-スルホニルク ロ リ ド (706 mg) を加え、 室温で 12時間攪拌した。 反応溶液を氷— 2N塩酸水溶液に 注ぎ、 酢酸ェチルにて 2回抽出した。 有機層を 5%炭酸水素ナ ト リ ウム水溶液お よび飽和食塩水で洗浄し、 硫酸マグネシウムにて乾燥後、 減圧濃縮した。 得られ た残渣をシリ 力ゲルク ロマ トグラフィ一に付し、酢酸ェチル Zn-へキサン == 1 /\ にて溶出する部分を集め、 化合物 ( V i ) (黄色粉末、 790 mg) を得た。 収率 55%。 IR V max (cm )(KBr): 3415, 1734, 1344, 1155.
iH-NMR (δ ppm)(CDCl3) 1.14 (t, J = 7.2 Hz. 3H), 3.23 (m, 2H). 4.02 (m, 2H), 4.27 (dt. J = 5.7. 8.7 Hz, 1H), 5.27 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 6.92 (d, J = 3.9 Hz, 1H), 6.93 (m, 1H). 7.08-7.14 (m, 2H), 7.21 (d, J = 3.9 Hz. 1H). 7.26 (dd., J = 4.5, 8.7 Hz, 1H), 8.10 (br s. 1H).
元素分析 Ci7Hi6BrFN204S2と して
計算値: C, 42.95: H.3.39: N.5.89: S, 13.49; Br. 16.81: F.6.16.
実測値: C.42.96: H.3.52; N.5.81: S. 13.25: Br. 16.47: F,6.09. - [o〗25D +1.5 ± 0.8 (0.519%、 DMSO).
(第 6工程)
化合物 ( v i ) (713 mg) を 1,2-ジメ トキシェタン (6 mL) に溶解し、 ェタ ノール (1.5mL) 、 ボロン酸化合物 (322mg) および 2M炭酸ナ ト リ ウム水溶液 (3mL) を加えた。 反応容器内をアルゴン置換し、 テ トラキス ( ト リ フユニルホ スフイ ン) パラジウム (0) (174 mg) を加え、 90°Cで 45分間攪拌した。 室温に なるまで放冷した後に氷— 10% クェン酸水溶液に注ぎ、酢酸ェチルにて 2回抽出 する。 有機層を 5%炭酸水素ナ ト リ ウム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、 硫酸 マグネシウムにて乾燥後、 減圧濃縮した。 得られた残渣をシリカゲルクロマ トグ ラフィ一に付し、 酢酸ェチル /n-へキサン = 1 /\ にて溶出する部分を集め、 ァ セ トン ジェチルエーテル Zn-へキサンから結晶化し化合物 ( V i i ) (白色粒 状晶、 680 mg) を得た。 収率 86%。
融点 166-169 °C
IR V max (cm.り(KBr): 3406, 1728, 1348, 1159.
iH-NMR (5ppm)(CDCl3) 1.07 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 1.15 (t, J = 7.2 Hz, 3H).2.97 (s, 3H), 3.23 (d, J = 5.7 Hz, 2H), 3.44 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 3.95 (m.2H), 4.32 (dt. J = 5.7, 8.7 Hz, IH), 5.24 (d, J = 8.7 Hz. IH), 6.68 (d. J = 8.7 Hz, 2H), 6.89 (dt, J = 2.7, 8.7 Hz, IH), 6.96 (d, J = 3.6 Hz. IH), 7.11-7.15 (m.2H), 7.20 (dd, J = 4.8, 8.7 Hz, IH), 7.40 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.41 (d, J = 3.6 Hz, IH), 8.05 (br s, IH). 元素分析 C26H28FN3O4S2'0.5 acetone と して
計算値: C,59.12: H.5.59; N,7.52: S, 11.48; F,3.40.
実測値: C, 59.42: H,5.59: N.7.53; S, 11.38; F,3.19.
[a]25D +9.6土 1.0 (0.502%, DMSO).
(第 7工程)
化合物 ( v i i ) (650 mg) をジメチルスルホキシ ド (13mL) に溶解し、 1N
W 15
水酸化ナ 卜 リ ゥム水溶液 (3.1 mL) を加え、 室温.にて 17時間攪拌した。 反応溶 液を氷一 10% クェン酸水溶液に注ぎ、 酢酸ェチルにて 2回抽出した。 有機層を飽 和食塩水で 2回洗浄し、 硫酸マグネシウムにて乾燥後、 減圧濃縮した。 得られた 残渣をエタノール/水から結晶化し化合物 (4 2 2 ) (黄色粒状晶、 520 mg) を 得た。 収率 84 %。
融点 1 18- 120 °C
IR V max (cm" (KBr): 3404, 1726, 1608, 1333, 1 153.
iH-NMR (δ ppm)(DMSO) 1.06 (t, J = 6.9 HZ. 3H), 2.92 (s, 3H), 2.85-2.94 (m , 1H),
3.06 (dd, J = 6.0, 14.1 Hz, 1H), 3.44 (q, J = 6.9 Hz, 2H), 3.95 (m , 1H), 6.73 (d, J = 9.0 Hz. 2H), 6.83 (dt, J = 2.7. 9.0 Hz, 1H), 7.09 (d, J = 3.9 Hz, 1H), 7.14 (dd, J=
2.7, 9.9 Hz. 1H). 7.19-7.24 (m, 2H), 7.24 (d, J = 3.9 Hz, 1H), 7.41 (d, J = 9.0 Hz,
2H), 8.37 (m, 1H), 10.92 (s, 1 H), 12.71 (br s, 1H).
元素分析 C24H24FN3O4S2 ' 0.6H2O と して
計算値: C.56.26; H,4.96; N.8.20; S, 12.52; F.3.71.
実測値: C, 56.25; H.4.94; N.8.27; S, 12.39; F, 3.48.
[α] 2 - 14.4 ± 1.0 (0.500%、 DMSO).
実施例
実施例 1 冠動脈永久閉塞
Wistar系雄性ラッ ト(12週齢)をペン トバルビタール(30 mg/kg)麻酔下に人工呼 吸を施し開胸した。 左冠動脈前下行枝を 5-0ナイロン糸により結紮した後、 速や かに閉胸した。 麻酔覚醒後、 飼育ケージに戻し通常飼育を行う。 冠動脈結紮 7 日 後、 第 1誘導心電図を記録し、 Q波の下降が認められた (心筋梗塞を発症した) 個体のみを用いた。 結紮後 8 日 目より 21 日 目まで被験化合物 (30 mg/kg/day p.o suspended in 1.5% アラ ビアゴム) の投与を行った。 翌日、 以下の実施例 2およ び実施例 3の手法を用いて左心室内圧の測定および左心室圧一容量曲線(コンプ ライアンス)の記録を行った。
実施例 2 左心室内圧 (心機能) の測定 - ハロセン麻酔下で右頸動脈から右心室内へカテーテルを挿入し、 圧 ト ランスデ ユーザーを介して左心室内圧 ( L VE D P) および収縮速度 ( d P d t ) を記 録した。 結果を表 2 5に示した。 また、 L VE D Pおよび + d P/ d t.について は図 1および図 2にその結果を示した。
実施例 3 左心室圧一容量曲線の記録
ハロセン麻酔下で、 右頸動脈より 5MK C 1 ( l m l / r a t ) を投与し、 心 臓を拡張期で停止させ速やかに摘出した。 右心室を切開除去した後、 大動脈から 左心室へ生理食塩水を満たしたカテーテルを挿入 ( 6 mm) し、 房室溝を結紮し た。 カテーテルよりへパ リ ン生理食塩水を灌流し、 心室内の血液を完全に除去し た。 初期圧を _ 5 mmH gにした後、 L V圧が 3 0 m m H gになるまで生理食塩 水を 0. 6 8または 0 , S O m l Zm i n ( 0. 3 4 m l /m i n = 2 0. 4 m 1 / h ) の速度で注入し、 同時に圧変化を記録した ( S o n o k i e t a 1 . J . J . P 7 4 , 1 7 1 ( 1 9 9 1 ) 参照) 。 得られた左心室容量および実施 例 2で得られた左心室圧からコンプライアンス (心室拡張 : リモデリ ング) を算 出した。 圧が 2 0 m m H gになった時の左心室圧を表 2 5および図 3に示した。
表 2 5および図 1から検体化合物の投与により、 左心室内圧 ( L V E D P) が ビークル群と比較して低下していることがわかる。
表 2 5および図 2から検体化合物の投与により、 V e h i c 1 e群と比較して 収縮速度 ( d PZd t ) が改善されていることがわかる。
表 2 5および図 3から検体化合物の投与により、 圧一容量曲線 (コンプライア ンス) が改善されていることがわかる。
製剤例
製剤例 1
以下の成分を含有する顆粒剤を製造する。
成分 式 ( I ) で表わされる化合物 10mg
乳糖 700 rag コーンスターチ 274 mg
H P C - L _ 16 mg
1000 mg 式 ( I ) で表わされる化合物と乳糖を 6 0メ ッシュのふるレ、に通す。 コーンス ターチを 1 2 0メ ッシュのふるいに通す。 これらを V型混合機にて混合する。 混 合末に H P C— L (低粘度ヒ ドロキシプロピルセル口一ス) 水溶液を添加し、 練 合、 造粒 (押し出し造粒 孔怪 0. 5— l mm) したのち、 乾燥する。 得られた 乾燥顆粒を振動ふるい ( 1 2ノ 6 0メ ッシュ) で櫛過し顆粒剤を得る。
製剤例 2
以下の成分を含有するカプセル充填用散剤を製造する。
成分 式 ( I ) で表わされる化合物 lOmg
乳糖 79 mg コーンスターチ 10 mg ステアリン酸マグネシウム — ― 1 mg
100 mg
式 ( I ) で表わされる化合物、 乳糖を 6 0 メ ッ シュのふるレ、に通す。 コーンス ターチは 1 2 0メ ッシュのふるレ、に通す。 これらとステアリン酸マグネシウムを V型混合機にて混合する。 】 0倍散 1 0 0 m gを 5号硬ゼラチンカプセルに充填 する。
製剤例 3
以下の成分を含有する力プセル充填用顆粒剤を製造する。
成分 式 ( I ) で表わされる化合物 15 mg
乳糖 90 mg コーンスターチ 42 mg H P C— L 3 mg
150 mg 式 ( I ) で表わされる化合物、 乳糖を 6 0 メ ッ シュのふるいに通す。 コーンス ターチを 1 2 0 メ ッシュのふるレ、に通す。 これらを混合し、 混合末に H P C— L 溶液を添加して練合、 造粒、 乾燥する。 得られた乾燥顆粒を整粒後、 その 1 5 0 m gを 4号硬ゼラチンカプセルに充填する。
製剤例 4
以下の成分を含有する錠剤を製造する。
成分 式 ( I ) で表わされる化合物 10 mg
乳糖 90 mg 微結晶セルロース 30 mg
C M C - N a 15 mg ステア リ ン酸マグネシウム 5 mg
150 mg 式 ( I ) で表わされる化合物、 乳糖、 微結晶セルロース、 C M C— N a' (カル ボキシメチルセルロース ナト リ ウム塩) を 6 0メ ッシュのふるレ、に通し、 混合 する。 混合末にステアリン酸マグネシウム混合し、 製錠用混合末を得る。 本混合
末を直打し、 1 5 0 m gの錠剤を得る。 - 産業上の利用可能性
本発明に係るスルホンアミ ド誘導体は、 ラッ ト心不全モデルにおいて心機能の 改善作用を有する。 従ってうつ血性心不全、 特に虚血性心疾患 (例えば、 心筋梗 塞、 狭心症等) によるうつ血性心不全の治療または予防剤と して有効である。