明 細 書
[ 2—ァノレキル一 5 ロゲノ一 6— ( 4—トリフルォロメチルフエニル)一 4一 ピリミジニルァミノ]ァセトアミ ド誘導体、 その製造方法、 それを含有する医薬 組成物およぴ該化合物の中間体 技術分野
本発明は、 免疫性炎症疾患の治療薬または予防薬として有用な新規 [ 2—アル キル一 5—ハロゲノー 6 _ ( 4—トリフルォロメチルフエ二ル)一 4—ピリミジェ ルァミノ]ァセトアミ ド誘導体、 更に詳しくはピリミジン環の 2位のアルキル置 換基が C i - C 6アルキルまたは C 3— C 8シク口アルキルである [ 2—アルキル一 5—ハロゲノ一 6— ( 4—トリフルォロメチルフエ二ル)一 4—ピリミジニルアミ ノ]ァセトアミ ド誘導体、 その製造方法、 該化合物を含有する医薬組成物および 該化合物の中間体に関する。
背景技術
WO 9 6— 3 2 3 8 3号公報には、 下記式で表される酢酸ァミ ド誘導体がベン ゾジァゼピン ω 3受容体に選択的に作用すると共に抗不安作用ゃ抗リゥマチ作用 を有し、 不安関連疾患や免疫疾患の治療に使用できると記載されている。
[式中、 Xは一 Ο—または N R 4—を意味し、
R iは水素原子、 低級アルキル基、 低級アルケニル基またはシクロアルキル(低 級)アルキル基を意味し、
R 2は低級アルキル基、 シクロアルキル基、 非置換もしくは置換フエニル基、 非 置換もしくは置換フエニル (低級)アルキル基等を意味し、
R 3は水素原子、 低級アルキル基またはヒ ドロキシ (低級)アルキル基を意味し、 R 4は水素原子、 低級アルキル基等を意味し、
R 5は水素原子、 低級アルキル基、 低級アルケニル基、 ヒ ドロキシ(低級)アルキ ル基、 非置換もしくは置換べンジルォキシ (低級)アルキル基、 ァシルォキシ (低 級)アルキル基、 低級アルコキシ (低級)アルキル基、 トリフルォロメチル基、 ノヽ ロゲン原子、 アミノ基、 モノもしくはジ低級アルキルアミノ基、 ァシルァミノ基、 ァミノ(低級)アルキル基、 ニトロ基、 力ルバモイル基、 モノもしくはジ低級アル キル力ルバモイル基、 カルボキシル基、 保護されたカルボキシル基、 カルボキシ (低級)アルキル基または保護されたカルボキシ (低級)アルキル基を意味し、 R sは水素原子、 低級アルキル基、 トリフルォロメチル基または非置換もしくは 置換フエ-ル基を意味する力、 或いは R 5および R 6は一緒になって—(C H 2) n —(ここにおいて、 nは 3、 4、 5または 6を意味する)を形成し、
R 7は水素原子、 ハロゲン原子、 低級アルキル基、 低級アルコキシ基、 トリフル ォロメチル基、 ヒドロキシ基、 アミノ基、 モノもしくはジ低級アルキルアミノ基、 シァノ基またはニトロ基を意味し、
R 8は水素原子、 ハロゲン原子、 低級アルキル基または低級アルコキシ基を意味 する]
後記式( I )の化合物は、 上記の化合物とピリミジン環の 2位の置換基が明らか に異なる。
慢性関節リウマチ(以下、 「リウマチ」 と称することもある)、 シエーダレン症 候群、 ベーチェット病、 強直性脊椎炎などの免疫性炎症疾患は、 特定の臓器に発 症する疾患であるか全身性に発症する疾患であるかとの区別はあるものの、 いず れにしても原因不明の難治性の疾患であるという点で共通している。 従って、 そ の治療も非特異的な抗炎症療法や免疫抑制療法に頼らざるを得ないのが現状であ る。 例えば、 リウマチの治療については、 従来、 非ステロイ ド性抗炎症剤ゃステ ロイド剤が用いられてきたが、 近年、 リウマチの病態に免疫反応の異常が関与す ることが明らかにされ、 これを受けて、 リウマチの治療にメ トトレキセ一トゃミ ゾリビンといった免疫抑制薬やサルフアサラジン、 D—ぺニシラミン、 経口金製 剤などの免疫調節薬の積極的な使用が行われるようになってきている。 しかし、
いずれの薬剤もそれぞれに重篤な副作用があり、 治療上副作用の経過観察が非常 に重要となっている。 また、 免疫調節剤の多くはその連用により、 効果が減弱も しくは消失することも臨床使用上の問題点となっている。 このような背景から、 有効性が高く、 安全性も高い免疫炎症疾患の治療剤や免疫調節剤の開発が強く望 まれている。
発明の開示
本発明者らは、 免疫性炎症疾患の治療薬または予防薬としてさらに有用な化合 物を得るべく鋭意研究を重ねた結果、 後記式( I )で表される [ 2—アルキル一 5 ロゲノ一 6—(4一ト リフゾレオロメチノレフェニノレ)ー 4一ピリミジニノレアミ ノ]ァセトアミ ド誘導体がこの目的に合致することを見出し、 本発明を完成した。 本発明は免疫性炎症疾患の治療薬または予防薬として有用な新規な [ 2—アル キル一 5—ハロゲノー 6— ( 4—トリフルォロメチルフエニル)一 4—ピリミジニ ルァミノ]ァセトアミ ド誘導体、 さらに詳しくはピリミジン環の 2位のアルキル 置換基が 一 C 6アルキルまたは C 3— C 8シクロアルキルである [ 2— [ ( C j— C 6アルキル)または(C 3—。8シクロアルキル)]一 5 ロゲノ一 6—(4ート リフルォロメチルフエニル)一 4 _ピリミジェルァミノ] ァセトアミ ド誘導体を 提供することを目的とする。 また、 本発明は、 該化合物の製造方法を提供するこ とを目的とする。 さらに、 本発明は該化合物を含有する医薬組成物を提供するこ とを目的とする。 また、 本発明は該化合物を製造するための中間体を提供するこ とを目的とする。 これらの目的および他の目的および利点は当業者にとつて以下 に示す記載から明らかであろう。
本発明によれば、 下記式(I ) :
(式中、 Aは — C 6アルキル基または C 3—じ8シクロアルキル基を意味し、 R 1および R 2は同一または異なって、 水素原子、 一 C 6アルキル基または C 3
一じ8シクロアルキル基を意味し、
Xはハロゲン原子を意味する)
で表される [ 2—アルキル一5—ハロゲノー 6— ( 4—トリフルォロメチルフエ二 ル)一 4 _ピリミジニルァミノ]ァセトアミ ド誘導体またはその製薬学的に許容さ れる酸付加塩、 その製造方法、 該化合物を含有する医薬組成物、 並びに下記式 (II) :
(式中、 Aは 一 C 6アルキル基または C 3—じ8シクロアルキル基を意味し、 R 1および R 2は同一または異なって、 水素原子、 一 C 6アルキル基または C 3 一 C 8シクロアルキル基を意味する)
で表される中間体が提供される。
式( I )で表される化合物の製薬学的に許容される酸付加塩としては、 酸付加塩 を形成し得るに十分な塩基度を有する場合の式( I )の化合物の製薬学的に許容さ れる酸付加塩を意味し、 例えば、 塩酸塩、 臭化水素酸塩、 ヨウ化水素酸塩、 硫酸 塩、 リン酸塩等の無機酸塩、 およびマレイン酸塩、 フマル酸塩、 シユウ酸塩、 ク ェン酸塩、 酒石酸塩、 乳酸塩、 安息香酸塩、 メタンスルホン酸塩等の有機酸塩が 挙げられる。
式( I )および式 (Π)で表される化合物は水和物および/または溶媒和物の形で 存在することもあるので、 これらの水和物および Zまたは溶媒和物も本発明の化 合物に包含される。
式(I )および式 (II)の化合物は、 場合により 1個以上の不斉炭素原子を有し、 また幾何異性を生ずることがある。 従って、 式(I )および式 (II)の化合物は、 場 合により 2種以上の立体異性体の形で存在し得る。 これらの立体異性体、 その混 合物およびラセミ体は本発明の化合物に包含される。
本明細書における用語を以下に説明する。
「 — C 6アルキル基」 は直鎖状または分枝鎖状のいずれでもよく、 具体例 としては、 メチル、 ェチル、 プロピル、 イソプロピル、 ブチル、 イソブチル、 sec -プチル、 tert-プチル、 ペンチル、 へキシルが挙げられる。
「C 3—〇8シクロアルキル基」 の具体例としてはシクロプロピル、 シクロブ チル、 シクロペンチル、 シクロへキシル、 シクロへプチル、 シクロォクチルが挙 げ'られる。
「ハロゲン原子」 とは、 フッ素原子、 塩素原子、 臭素原子、 ヨウ素原子を意味 するが、 塩素原子および臭素原子が好ましく、 塩素原子が特に好ましい。
本発明の化合物のうちで好適なものとしては、 式( I )において Aがイソプロピ ル基またはシクロプロピル基であり、 R R 2および Xが前掲と同じものであ る化合物が挙げられる。
本発明の化合物のうちでさらに好適なものとしては、 式(I )において Aがイソ プロピル基またはシクロプロピル基であり、 Xが塩素原子、 臭素原子またはョゥ 素原子であり、 R 1および R 2が前掲と同じものである化合物が挙げられる。 本発明の化合物のうちで一層好適なものは、 式( I )において Aがィソプロピル 基またはシクロプロピル基であり、 Xが塩素原子、 臭素原子またはヨウ素原子で あり、 R 1が水素原子またはメチル基であり、 R 2が水素原子、 メチル基、 ェチ ル基、 プロピル基またはィソプロピル基である化合物が挙げられる。
特に好適な化合物としては、 下記式( I一 1 )の化合物またはその製薬学的に許 容される酸付加塩が挙げられる。
(式中、 R 1 1は水素原子を意味し、 R 2 1は水素原子、 メチル基、 ェチル基、 プロ ピル基またはィソプロピル基を意味するか、 或いは R 1 1および R 2 1が共にメチ ル基を意味し、 X 1は塩素原子または臭素原子を意味する)
上記式( I一 1 )で表される化合物としては、 例えば下記ィヒ合物が挙げられる。
2— [ 5—クロロー 2—^ ソプロピル一 6—(4一トリフルォロメチルフエ二 ル)一 4—ピリミジニルァミノ]— N—プロピルァセトアミ ド(実施例 1の化合物) ,
2— [ 5—クロ口一 2—ィソプロピル一 6— ( 4—トリフルォロメチルフエ二 ル)一 4—ピリミジニルァミノ]— N—メチルァセトアミ ド(実施例 2の化合物)、
2— [ 5—クロロー 2—ィソプロピル一 6— ( 4—トリフルォロメチルフエ二 ル)— 4—ピリミジニルァミノ ]一 N—ェチルァセトアミ ド(実施例 3の化合物)、
2— [ 5—クロ口一 2—ィソプロピル一 6—(4一トリフルォロメチノレフェニ ル)一 4一ピリミジニルァミノ]— N—イソプロピルァセトアミ ド(実施例 4の化 合物)、
2— [ 5—クロロー 2—ィソプロピル一 6—(4 _トリフノレオロメチルフエ二 ル)一 4 _ピリミジ -ルァミノ]ァセトアミ ド(実施例 6の化合物)、
2— [ 5—クロロー 2—ィソプロピル一 6—(4—トリフルォロメチルフエ二 ル)一 4 _ピリミジニルァミノ]— N, N—ジメチルァセトアミ ド(実施例 8の化合 物)、 および
2 - [ 5ーブロモー 2ーィソプロピル一 6—(4—トリフノレオ口メチルフエ二 ル)一 4—ピリミジニルァミノ]一 N, N—ジメチルァセトアミ ド(実施例 1 0の化 合物)。
本発明に含まれる化合物の具体例として、 後記実施例の化合物に加えて下記表 1で表される化合物が挙げられる。
なお、 本明細書の表 1並びに後記参考例および実施例にぉレ、て記載の簡略化の ために、 次のような略号を用いることもある。
Me : メチル基
E t : ェチル基
Pr : プロピル基
i P r : イソプロピル基
c P r : シクロプロピル基
Bu : ブチル基
i Bu : イソブチル基
sBu sec-ブチル基
tBu tert-ブチノレ基
c Pent シク口ペンチ/レ基
R R: A X
H H i Pr Br H Me i Pr Br H Me cPr CI H Et iPr Br H Et cPr CI H Pr i Pr I H Pr cPr Br H iPr cPr CI H iPr sBu CI H sBu iPr CI Me Et iPr CI Et Et iPr CI Et Et cPr Br H Pr Bu CI Me Me iBu CI
発明を実施するための最良の形態
本発明の化合物は、 例えば以下の方法により製造することができる c 式(I )の化合物は、 下記式 (Π) :
(式中、 A、 R 1および R 2は前掲と同じものを意味する)
で表される化合物をハロゲン化することにより製造することができる。
本反応におけるハロゲン化剤としては、 N—クロロコハク酸イミドのようなク ロル化剤、 臭素、 N—ブロモコハク酸イミ ドのようなブロム化剤、 ヨウ素、 N— ョードコハク酸ィミ ドのようなョード化剤が挙げられる。
溶媒の具体例としては、 クロ口ホルム、 塩化メチレンのようなハロゲン化炭化 水素類、 酢酸、 塩酸、 硫酸などの酸性の溶媒が挙げられる。 反応温度は、 原料ィ匕 合物の種類、 反応条件等により異なるが、 通常約 0 °C〜約 1 5 0 °Cで、 好ましく は約 2 0 °C〜約 1 0 0 °Cである。
一方、 中間体(II)は以下の方法により製造することができる。
中間体の製法(a )
中間体(Π)におレ、て R 1および R 2が共に水素原子ではなレ、化合物は、 下記式 (III) :
(式中、 Zは脱離原子または脱離基を意味し、 Aは前掲と同じものを意味する) で表される化合物と下記式(IV) :
H2N-CH2-CON(R12)(R22) (IV)
(式中、 R12および R22は、 それぞれ前記 R1および R2と同じものを意味する。 但し、 R1および R2が共に水素原子である場合を除く)
で表される化合物とを反応させることにより製造することができる。
式(III) において Zで表される脱離原子または脱離基とは、 反応条件下に式 (IV)の化合物の N H部分の水素原子と共に H Zの形で脱離し得る原子または基を 意味し、 例えば塩素、 臭素、 ヨウ素のようなハロゲン原子、 メタンスルホニルォ キシのような低級アルキルスルホニルォキシ基、 トリフルォロメタンスルホニル ォキシのようなトリハロゲノメタンスルホニルォキシ基、 ベンゼンスルホニルォ キシ、 p—トルエンスルホニルォキシのようなァリ一ルスルホニルォキシ基が挙 げられる。
式(I 11)で表される化合物と式( IV)で表される化合物との反応は、 常圧または 加圧下に、 溶媒の不存在下または適当な溶媒中で行われる。
溶媒の具体例としては、 トルエン、 キシレンのような芳香族炭化水素類、 メチ ルェチルケトン、 メチルイソブチルケトンのようなケトン類、 ジォキサン、 ジグ ライムのようなエーテル類、 エタノール、 イソプロパノ一ル、 ブタノールのよう なアルコール類、 ァセトニトリル、 ジメチルホルムアミ ド、 ジメチルスルホキシ ドが挙げられる。 本反応は塩基の存在下に行うのが好ましく、 塩基の具体例とし ては、 炭酸ナトリゥム、 炭酸力リゥムのような炭酸アル力リ、 炭酸水素ナトリウ ム、 炭酸水素カリウムのような炭酸水素アルカリ、 トリェチルァミンのような第 三ァミンが挙げられるが、 式(IV)の化合物の過剰量で兼ねることもできる。 反応 温度は、 原料化合物の種類、 反応条件等により異なるが、 通常約 40°C〜約 20 0°Cで、 好ましくは約 100°C〜約 1 70°Cである。
原料化合物(III) は、 例えば下記式(V) :
(式中、 Yは酸素原子または硫黄原子を意味し、 Αは前掲と同じものを意味する) で表される化合物を常法に従って、 ハロゲン化またはスルホニル化することによ り製造することができる。
本反応におけるノ、口ゲン化は、 例えば式(V)の化合物とハロゲン化剤 (例えば、 ォキシ塩化リン、 三臭化リン)とを反応させることにより行われる。 スルホニル 化は、 例えば式( V )におレ、て Yが酸素原子である化合物とスルホニル化剤(例え ば、 メタンスルホニルク口リ ド、 p—トルエンスルホユルク口リ ド、 トリフルォ 口メタンスルホユルク口リ ド、 トリフルォロメタンスルホン酸無水物)とを反応 させることにより行われる。
出発物質(V)は自体公知の方法、 例えば J. Am. Chem. So , 74, 842 (1952)、 Chem. Ber. , 95, 937 (1962)および J. Org. Chem. , 29, 2887 (1964) に記載の 方法またはこれらに準じた方法により製造することができる。
本製法におけるもう一方の原料化合物である式(IV)の化合物は、 自体公知の方 法、 例えば特開平 2— 3 2 0 5 8号公報に記載の方法またはこれらに準じた方法 により製造することができる。
中間体の製法(b )
中間体(I I)において R 1および R 2が共に水素原子である化合物は、 下記式 (VI) :
(式中、 Rは C — C 6アルキル基を意味し、 Aは前掲と同じものを意味する) で表される化合物にアンモエアを反応させることにより製造することができる。 本反応においてのアンモニアは水溶液として用いられるが、 これにエタノール を加えてもよい。 また、 必要に応じてこれに塩化アンモニゥムを加えると、 本反 応を円滑に進めることができる。 反応温度は通常、 約 0 °C〜約 1 0 0 °Cで、 約 0 °C〜約 4 0 °Cが好ましい。
上記式 (VI)で表される化合物は、 前記式(III)の化合物と下記式 (VII) :
H 2 N - C H 2 - C O O R (VII)
(式中、 Rは前掲と同じものを意味する)
で表される化合物とを前記中間体の製法(a )で述べた方法で反応させることによ り製造することができる。
式 (VII)の化合物は市販されているか、 或いは自体公知の方法により製造する ことができる。
前記各製法により得られる生成物は、 クロマトグラフィー、 再結晶、 再沈殿等 の常法により単離 ·精製することができる。
酸付加塩を形成するに十分な塩基度を有する場合の式( I )の化合物は、 常法に 従って各種の酸と処理することによりその酸付加塩に導くことができる。
式( I )の化合物の各種立体異性体は、 クロマトグラフィ一等の常法に従って分 離 ·精製することができる。
以下に本発明の代表的化合物の試験結果を示し、 本発明の化合物の薬理作用の 特徴について説明する。
試験例 1 : コラーゲン誘発関節炎抑制試験
人の慢性関節リゥマチでは結合組織成分のコラーゲンに対する自己免疫反応が 成立している症例が多いことから、 コラーゲンをラットゃマウスに免疫すること により、 人のリゥマチによく似た関節炎を発症させうることが認められるに至つ た。 特にマウスでは遺伝学的な解析が進んでいることから、 マウスを用いたコラ 一ゲン誘発関節炎モデルは慢性関節リゥマチの治療薬の開発と疾患概念の把握の 両方に有用なモデルとして位置づけられている。
コラーゲン誘発関節炎抑制試験は、 当初 Trethan, D. E. らにより報告された 実験的リウマチモデルであり [J. Exp. Med. , 146, 857 (1977)参照]、 その後 Kakimoto, . らによりコラーゲン誘発関節炎抑制試験はその発症機序から抗炎 症薬のみならず、 免疫抑制剤や免疫調節剤の評価系としても有用であることが示 されている [J. Immunol. , 140, 78-83 (1988)参照]。
以下に示すコラーゲン誘発関節炎抑制試験は、 Kakimoto, K.らの方法(上記 Kakimoto, K.らの文献参照)に準じて行った。 即ち、 可溶化した牛軟骨由来のタ イブ IIコラーゲン (エラスチンプロダクツ社製、 米国)をフロイント完全アジュバ
ント(Freund' s complete adjuvant ; DIFCO Lab. 製、 米国)と混和して均一なェ マルジョンとした。 このェマルジョン 1 5 0 μ を D B A, I J系雄性マウス(6 週令; S本チヤ一ルスリバ一製、 日本)の尾部つけ根に注射して初回感作を行つ た。 2 1日後、 上記と同様にして調製したェマルジヨン 1 5 0 / gを再び尾部つ け根に注射して追加免疫を行い、 関節炎を惹起した。 なお、 試験化合物は初回感 作前日または当日より試験終了まで土、 日曜ョを除く週 5日経口投与した。 追加 免疫 7日または 8 後から経日的に、 関節炎の発症の程度を肉眼的に観察し、 Wood, F. D. らの方法 [Int. Arch. Allergy Appl. Immunol. , 35, 456-467 ( 1969)参照]に準じて表 2に示すように 5段階評価とした。 両前肢、 両後肢の 4 箇所の得点の合計を関節炎のスコアとし、 スコア 1を得た時点を発症日とした。
表 2
初回感作 5 1日後 (場合により 5 2日後)における関節炎のスコアを対照群と比 較して抑制率を求め、 その結果を表 3に示す。
表 3
* : 5 2日目に測定。
上記試験例 1の表 3の結果から明らかなように、 実施例 1〜4、 6〜8、 1 0 および 1 1の化合物は、 慢性関節リウマチなどの免疫性炎症疾患のモデルである コラーゲン誘発関節炎の抑制試験において 3 mg/kgで 4 0 %以上の強い抑制効果 が認められた。 また、 溶媒対照群では初回感作 2 8日目より関節炎が発症したの に対し、 実施例 8および 1 0の化合物の 1 O mg/kg投与群では、 試験終了時点の 5 1日目においても一例も発症せず、 完全に関節炎発症を抑制した。
試験例 2 :亜急性毒性試験
健常動物に与える副作用の有無を知る目的で、 反復投与毒性試験を実施した。 日本 S L Cの I C Rマウス、 5週令がこの毒性試験に用いられた。
マウス 1 4日間反復投与により、 亜急性毒性試験を行った。 即ち、 I C R雄性 マウスに試験化合物を 1日 1回、 1 4ョ間経口投与し、 最終投与の翌日にネンブ
タール麻酔下に、 採血し、 さらに各種臓器を摘出した。 各臓器は湿重量を測定し、 体重あたりに換算して比較した。 また血漿は、 肝機能ゃ腎機能のパラメータを中 心に各種生ィヒ学検査に供した。 これらの結果を溶媒対照投与群と統計的に比較し た。
上記試験を実施例 1および 4の化合物について行った結果、 実施例 1および 4 の化合物は、 1 0 O mg/kgの用量でも、 投与開始時から終了時までの体重の変動 は、 溶媒対照群のそれと差は認められず、 肝臓、 脾臓、 胸腺などの各種主要臓器 の湿重量においても溶媒対照群のそれと特に有意な差は認められなかった。 また、 血液生化学検査値についても、 肝臓の障害のパラメータ一としての A L T
(.alanine aminotransferase) ^ A S T (aspartate aminotransferase)や臂臓の障 害のパラメーターとしての B U N (blood urea nitrogen)のいずれも溶媒対照群 のそれと有意な差は認められなかった。 従って、 実施例 1および 4の化合物はそ の安全性は高いものであることが確認された。
以上の薬理試験結果から明らかなように、 式( I )の化合物またはその製薬学的 に許容される酸付加塩 (以下、 「本発明の化合物」 と称することもある)は、 in vivo試験で優れた抗リウマチ作用を示し、 毒性も低いので、 慢性関節リウマチや ベ一チェット病、 強直性脊椎炎などのリゥマチ性疾患、 さらには多発性硬化症、 全身性ェリテマト一デス、 シエーダレン症候群などの自己免疫性炎症疾患などの 免疫性炎症疾患の治療薬および予防薬として有用である。
本発明の化合物の投与経路としては、 経口投与、 非経口投与あるいは直腸内投 与のいずれでもよい。 投与量は、 化合物の種類、 投与方法、 患者の症状 ·年齢等 により異なるが、 通常 0 . 3〜 3 O mgZkg/日、 好ましくは 1 〜 1 O mg/kgZ日 である。
本発明の化合物は通常、 製剤用担体と混合して調製した製剤の形で投与される。 製剤用担体としては、 製剤分野において常用され、 かつ本発明の化合物と反応し ない物質が用いられる。 具体的には、 例えば乳糖、 イノシトール、 ブドウ糖、 マ ンニトール、 デキストラン、 シクロデキストリン、 ソルビトール、 デンプン、 部 分アルファ一化デンプン、 白糖、 メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、 合成ケィ 酸アルミニウム、 結晶セルロース、 カルボキシメチルセルロースナトリウム、 ヒ
ドロキシプロピルデンプン、 カルボキシメチルセルロースカルシウム、 イオン交 換樹脂、 メチルセル口一ス、 ゼラチン、 アラビアゴム、 ヒ ドロキシプロピルセル ロース、 低置換度ヒ ドロキシプロピルセノレロース、 ヒ ドロキシプロピルメチノレセ ルロ一ス、 ポリビュルピロリ ドン、 ポリビニルアルコール、 アルギン酸、 アルギ ン酸ナトリウム、 軽質無水ケィ酸、 ステアリン酸マグネシウム、 タルク、 カルボ キシビ二ルポリマー、 酸化チタン、 ソルビタン脂肪酸エステル、 ラウリル硫酸ナ トリウム、 グリセリン、 脂肪酸グリセリンエステル、 精製ラノリン、 グリセロゼ ラチン、 ポリソルベート、 マクロゴール、 植物油、 ロウ、 プロピレングリコール、 水、 エタノール、 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(H C O)、 塩化ナトリウム、 水酸化ナトリウム、 塩酸、 リン酸一水素ナトリウム、 リン酸二水素ナトリウム、 クェン酸、 グルタミン酸、 ベンジルアルコール、 パラォキシ安息香酸メチル、 パ ラオキシ安息香酸ェチル等が挙げられる。
剤型としては、 錠剤、 カプセル剤、 顆粒剤、 散剤、 シロップ剤、 懸濁剤、 坐剤、 注射剤等が挙げられる。 これらの製剤は常法に従って調製される。 なお、 液体製 剤にあっては、 用時、 水または他の適当な媒体に溶解または懸濁する形であって もよレ、。 また錠剤、 顆粒剤は周知の方法でコ一ティングしてもよい。 注射剤の場 合には、 本発明の化合物を水に溶解させて調製されるが、 必要に応じて等張化剤 や溶解補助剤を用いて溶解させてもよく、 また P H調節剤、 緩衝剤や保存剤を添 加してもよい。
これらの製剤は、 本発明の化合物を 0 . 0 1 %以上、 好ましくは 0 . :!〜 7 0 % の割合で含有することができる。 これらの製剤はまた、 治療上有効な他の成分を 含有していてもよい。
以下に参考例および実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、 本発 明はこれらの実施例に限定されるものではない。 化合物の同定は元素分析 ί直、 マ ス .スぺク トル、 I Rスぺク トル、 NMRスぺク トル等により行った。
また、 以下の参考例および実施例において、 記載の簡略化のために次の略号を 使用することもある。
[再結晶溶媒]
A N : ァセトニトリル
E ジェチノレエーテノレ
HX n—へキサン
I P ィソプロパノ一ル
参考例
2—ィソプロピル一 6—(4—トリフルォロメチルフエ二ル)一 4(3 H)—ピリ ミジノンの製造
ナトリゥムメ トキシド 18.3 gおよび無水エタノール 25 Omlの混合物に、 室 温でィソプロピル力ルバミジン塩酸塩 20. 7 gを加えた。 室温で 30分間撹拌し た後、 4 _ (トリフルォロメチル)ベンゾィル酢酸ェチル 40gを同温で滴下した。 滴下終了後、 1 2時間加熱還流した。 反応混合物を減圧で濃縮した後、 残留物を 水に溶かし、 0〜5°Cで撹拌しながら濃塩酸を pH 4になるまで滴下した。 析出 物を濾取し水洗、 ジェチルエーテル洗浄した後ィソプロパノールから再結晶して 目的物 3 Ogを得た。
融点 241〜 243 °C
参考例 2〜 6
対応する原料化合物を用い、 参考例 1と同様に反応 '処理し、 以下の化合物を 得た。
(参考例 2) : 2—シクロプロピル一 6— (4— トリフルォロメチルフエ二ル)一 4 (3H)—ピリミジノン;融点 219〜220°C (ィソプロパノールから再結晶) (参考例 3) : 2—メチル一6— (4—トリフルォロメチルフエニル)一 4(3 H)— ピリミジノン;融点 226〜227°C (ィソプロパノールから再結晶)
(参考例 4) : 2—ェチル— 6_(4—トリフルォロメチルフエ二ル)— 4 (3 H)- ピリミジノン;融点 220〜221°C (ィソプロパノールから再結晶)
(参考例 5 ) : 2—プロピル一 6— (4 _トリフルォロメチルフエニル)一 4 ( 3 H) 一ピリ ミジノン;融点 222〜 223°C (イソプロパノールから再結晶)
(参考例 6) : 2—シクロペンチル一6—(4 _ トリフルォロメチルフエ二ル)一 4 (3H)—ピリミジノン;融点 264〜265°C (ィソプロパノールから再結晶) 参考例 7
4—クロ口一 2—ィソプロピル一 6—(4— トリフルォロメチルフエニル)ピリ
ミジンの製造
2—イソプロピル一 6—(4— トリフルォロメチルフエ二ル)一 4 ( 3 H)—ピリ ミジノン 4 0 gおよびォキシ塩化リン 4 3 . 5 gの混合物を 8 0。じで 3時間撹拌し た。 反応混合物を減圧で濃縮し、 残留物をクロ口ホルムに溶解し、 氷水中に加え て撹拌した。 1 N水酸化ナトリゥム水溶液で中和した後、 クロロホルム層を分取 し、 無水硫酸ナトリゥムで乾燥後、 减圧で濃縮し、 目的物 4 1 gを油状物として 得た。
参考例 8〜; 1 2
対応する原料化合物を用い、 参考例 7と同様に反応 ·処理し、 以下の化合物を 油状物として得た。
(参考例 8 ) : 4一クロロー 2—シクロプロピル一 6— ( 4— トリフルォロメチル フエニル)ピリ ミジン
(参考例 9 ) : 4—クロロー 2—メチル一 6—( 4一トリフルォロメチルフエニル) ピリミジン
(参考例 1 0 ) : 4—クロ口一 2—ェチル一 6— ( 4—トリフルォロメチルフェ二 ル)ピリミジン
(参考例 1 1 ) : 4—クロロー 2—プロピル一 6— ( 4—トリフルォロメチノレフエ ニル)ピリミジン
(参考例 1 2 ) : 4—クロロー 2—シク口ペンチル一 6— ( 4—トリフルォロメチ ルフエニル)ピリミジン
以下に、 中間体 (II)の化合物について実施例 A〜 Jに示す。
実施例 A
2— [ 2—ィソプロピル一 6— ( 4—トリフルォロメチルフヱニル)一 4—ピリ ミジェルァミノ]— N—プロピルァセトアミ ドの製造
4一クロロー 2—ィソプロピル一 6— ( 4—トリフルォロメチルフエニル)ピリ ミジン 1 5 g、 2—アミノー N—プロピルァセトアミ ド 1 O gおよびトリェチルァ ミン 6 gの混合物を 1 5 0 °Cで 3時間加熱還流した。 反応混合物に水およびク口 口ホルムを加えてクロ口ホルム層を分取し、 無水硫酸ナトリウムで乾燥後、 減圧 で濃縮した。 残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、 クロ口ホル
ムで溶出 '精製し、 ジェチルェ一テルおよび n キサンの混合溶媒から再結晶 して目的物 1 7gを得た。
融点 1 1 1~1 12°C
実施例 B 0
対応する原料化合物を用い、 実施例 Aと同様に反応 '処理し、 表 4で表される 化合物を得た。
表 4
1 4水和物として得られた。
実施例 P
2— [2—ィソプロピル一 6— (4—トリフルォロメチルフエニル)一 4—ピリ ミジェルァミノ]ァセトアミ ドの製造
(1) 4—クロ口一 2—イソプロピル一 6— (4—トリフルォロメチルフエニル)ピ リミジン 7g、 グリシンェチルエステル塩酸塩 6. 5 gの混合物を 150°Cで 2時 間加熱撹袢した。 反応混合物に水およびクロロホルムを加えてクロロホルム層を 分取し、 無水硫酸ナトリウムで乾燥後、 減圧で濃縮した。 残留物をシリカゲル力 ラムクロマトグラフィーに付し、 クロ口ホルムで溶出 '精製し、 2— [2—イソ プロピル一 6— (4 _トリフルォロメチルフェニル)一 4—ピリ ミジ -ルァミノ ] 酢酸ェチル 5 gを得た。
(2)上記生成物 2g、 濃アンモニア水 5 Omlおよびエタノール 15mlの混合物を 室温で 24時間撹袢した。 析出物を濾取し、 水洗した後、 メタノールから再結晶 して目的物の 1Z4水和物 1. 5gを得た。
融点 224〜226°C
実施例 Q〜R
対応する原料化合物を用い、 実施例 Pと同様に反応 '処理し、 以下の化合物を 得た。
(実施例 Q)
2— [2—シクロプロピル一 6—( 4—トリフ レオロメチノレフェニノレ)一 4—ピ リミジニルァミノ]ァセトアミ ド;融点 267〜269°C (エタノールから再結 曰ヽ
曰曰;
(実施例 R)
2— [2—メチル一 6— (4—トリフゾレオロメチルフエニル)一 4一ピリミジニ ルァミノ]ァセトアミ ド;融点 197〜1 98 °C (エタノールから再結晶) 実施例 1
2— [5—クロ口一 2—ィソプロピル一 6— (4—トリフルォロメチルフエ二 ル)一 4—ピリミジニルァミノ]— N—プロピルァセトアミ ドの製造
2— [2—ィソプロピル一 6— (4— トリフスレオロメチルフエ二ル)一 4一ピリ ミジニルァミノ]一 N—プロピルァセトアミ ド 16g、 N—クロロコハク酸ィミ ド
6.3 gおよび酢酸 1 5 Omlの混合物を 90°Cで 3時間撹拌した。 反応混合物を減 圧で濃縮し、 残留物に水およびクロロホルムを加え、 1 N水酸化ナトリゥム水溶 液で中和した後、 クロ口ホルム層を分取した。 無水硫酸ナトリウムで乾燥後、 減 圧で濃縮し、 残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、 クロ口ホル ムで溶出 '精製し、 n—へキサンから再結晶して目的物 1 5gを得た。
融点 100〜 102°C
実施例 2〜 29
対応する原料化合物と N—クロロコハク酸イミ ド、 N—プロモコハク酸イミド または N—ョードコハク酸イミ ドのハロゲン化剤を用い、 実施例 1と同様に反 応 ·処理し、 表 5で表される化合物を得た。
表 5
実施例 R
1 R
2 X A 融点 (°c) 再結晶溶媒
2 H Me CI i Pr 107-108 HX
3 H Et CI iPr 98-99 HX
4 H iPr CI iPr 110-111 E-HX
5* H cPr CI i Pr 136-137 HX
6 H H CI iPr 61-62 HX
7 H H CI cPr 186-187 IP
8 Me Me CI iPr 118-119 HX
9 Me Me CI cPr 129-130 IP
10 Me Me Br iPr 99-101 HX
1 1 Me Me Br cPr 134-135 IP
表 5 (続き)
*: 1Z4水和物として得られた。 製剤例 1 :錠剤の製造
2— [5—クロ口一 2—ィソプロピル一 6— (4—トリフルォロ
メチルフエ二ル)一 4—ピリミジニルァミノ]— N—プロピルァ
セトアミ ド 25 g 乳糖 70 g トゥモロコシデンプン 20 g
結晶セノレロース 25 g ヒ ドロキシプロピゾレセノレロース 3 g 上記成分を常法により混和造粒造粒後、 軽質無水ケィ酸(0. 7g)およびステア リン酸マグネシゥム( 1.3 g)を加えた後、 1錠あたり 145 mgで打碇し、 100 0錠を製する。 製剤例 2 :カプセル剤の製造
2— [5—クロロー 2—ィソプロピノレー 6— ( 4—トリフノレオ口
メチルフエニル)一 4—ピリミジニルァミノ]一 N—プロピルァ
セトアミ ド 50 g 乳糖 1 1 7 g トウモロコシデンプン 25 g ヒ ドロキシプロピレセノレロース 3.5 g 軽質無水ケィ酸 1.8 g ステアリン酸マグネシウム 2.7 g 常法により、 上記成分を混合造粒し、 顆粒 20 Omgをカプセルに充填し、 1〇 00カプセルを製する。
製剤例 3 :散剤の製造
2— [5—クロロー 2—ィソプロピノレー 6— (4— トリフノレオ口
メチルフエニル)一 4—ピリミジニルァミノ]— N—プロピルァ
セトアミ ド 200 g 乳糖 770 g ヒ ドロキシプロピノレセノレロース 25 g 軽質無水ケィ酸 5 g 常法により、 上記成分を混合した後、 散剤に製する。
産業上の利用可能性
本発明の化合物(I)は in vivo試験で優れた抗リウマチ作用を示し、 毒性も低 いので、 慢性関節リウマチやベーチェット病、 強直性脊椎炎などのリウマチ性疾 患、 さらには多発性硬化症、 全身性エリテマト一デス、 シェ一ダレン症候群など の自己免疫性炎症疾患などの免疫性炎症疾患の治療薬および予防薬として有用で
ある。 また、 式(Π)で表される本発明の化合物は、 式(I )の化合物の中間体とし て有用である。