WO1999052391A1 - Boucle d'oreille - Google Patents

Description

明 細 書

ピアス 技術分野

本発明は、 耳飾りとしてのピアスに関する。 背景技術

ピアスは、 耳たぶに開けたピアス孔に針部を通し、 その針部によってピアス本 体を耳たぶに支持させるものである。 ピアス本体は、 例えば針側本体と針対向側 本体とが基端部の支点の周りに開くように構成されることがある。 針部は一般に 針側本体の自由端側の先端部に、 針対向側本体に向かって突出するように固定さ れる。 耳に装着する際には、 ピアス本体を開き、 その針部がピアス孔に入るよう にピアス本体を閉じる。 その閉じた状態が維持されるように、 針部の先端に形成 された引っかけ用の溝が、 針対向側本体の端面を貫通して形成された貫通孔の縁 部に掛け止められる。

ピアスをはずすときには、 ピアス本体に開く方向の力を加えれば針部先端の溝 が相手方の開口縁部から外れ、 針部をピアス孔から抜くことができる。 発明の開示

しかしながら、 ピアスの閉じた状態が、 そのような針部の溝と針対向側本体の 開口縁部との引つかかり構造で維持するものであるため、 ピアスを繰り返し脱着 していると、その針部の溝や、相手方の孔の開口縁部が摩耗して外れやすくなる。 あるいは、 針側本体に固定された針が曲がってその向きが変わると、 針部の溝と 針対向側本体の開口縁部との引つかかり状態が不十分又は全く得られなくなる。 そのように、 針部の摩耗や位置ずれ等が生じると、 針部が針対向側本体から容易 に離脱して、 知らない間にピアス本体が開き、 針部がピアス孔から脱落してピア スを落として紛失してしまう場合がある。

ピアスは通常は貴金属を主体とする比較的高価なものであり、 高価なものであ るほど、また気に入ったものであるほど、知らない間の落下による紛失によって、 ピアス所有者は相当大きな精神的苦痛あるいは金銭的損失を被ることとなってし まう。

この発明の課題は、そのようなピアスの落下による紛失を防止することにある。 このような課題を解決するために、 本発明では、 耳たぶのピアス孔に揷入され る針部と、 その針部が取り付けられた針側本体と、 その針部の前記ピアス孔から 突出した部分に対向する針対向側本体とを備え、 前記針部により前記針側本体と 針対向側本体を含むピアス本体が前記耳たぶに支持されるピアスにおいて、 前記針部が前記針対向側本体に対し相対的に接近することにより前記針部がピ ァス孔から抜けることを阻止する閉位置に、 また前記針部が前記針対向側本体か ら相対的に離間することによりその針部がピアス孔から抜けることを許容する開 位置になるとともに、 その針部を前記閉位置に常に付勢しているばね部材が設ら れたことを特徴とする。

ここで、 針側本体は針対向側本体に対し回動可能に連結することができる。 そ の回動によって、 上述の閉位置と開位置とに開閉可能にされるとともに、 その針 側本体を相対的に針対向側本体に接近する向きに回動させるように、 かつ針部を 上記閉位置に常に付勢するばね部材が設けられる。 ばね部材は通常、 針部を閉位 置に常に付勢し、 かつ針部が針側本体から離れるほど大きな閉位置への復元力を 持つ。

針部、 針側本体及び針対向側本体は、 閉じた状態で 1つの環状の形態をなすも のにすることができる。 また、 針側本体と針対向側本体との回動方向は、 両者を 含む平面内において回動可能とすることもできるし、 両者を含む平面とはほぼ直 角な方向で回動可能にすることもできる。 また、 その回動の支点である回動軸部 は、 針側本体と針対向側本体との中央部の基端部に設定することができる。 ある いは、 針側本体と針対向側本体との、 上述の環状の形態の中央から外れた位置に 回動軸を設定することもできる。

ばね部材としては、 例えばねじりばねを用い、 その環状のねじり部を回動軸部 が貫通するようにし、 かつその環状のねじり部の両側から延びるそれぞれの腕部 の一方を針側本体に、 他方を針対向側本体に所定のセット荷重を付与した状態で 装着することができる。

ばね部材としては、 他に板ばねを採用することもでき、 この板ばねを針側本体 と針对向側本体との回動軸部を跨ぐように所定のセッ ト荷重で装着することがで きる。

なお、 針側本体と針対向側本体とを互いに一体的なものとし、 針部を針対向側 本体に対し回動可能に連結するとともに、 その回動部に針部を閉位置に付着する ばね部材を設けることもできる。

また、 針側本体と針対向側本体とを、 互いに材質等の異なるもの （例えば前者 を金系、 後者をプラチナ等） とすることにより、 いわゆるリバーシブルでの使用 が可能となる。

さらに、 ピアスを開位置で一時的に保持できるように、 回動部にかしめ部を形 成したり、 いわゆるターンオーバ式の付勢機構を採用し、 板ばね等のばね部材を 相手方のカム部に弾性的に押圧して、 回動の中間では付勢力は中立、 これより閉 位置に寄れば閉方向に、 開位置に寄れば開方向に付勢力の向きを反転させること も可能である。

以上のように、 ピアスの針部が閉位置に維持されるようにばね部材で付勢する ことにより、 ピアスが誤って開いてしまうこと、 さらには知らない間に耳から外 れて落下し、 大切なピアスを紛失してしまうようなことが防止される。 つまり、 従来において針部の溝と相手方の開口縁部との引つかかりにより閉位置に維持す る場合は、 その摩耗により外れやすくなつたり、 あるいは針部の正規位置からの 曲がり等により相手方との係合自体ができなくなって、 知らない間にピアスを落 としてしまうことが生じやすかつたのであるが、 この発明では、 ばね部材によつ て針部は常に定位置にばね力で保持されるため、 針部の機械的な摩耗や変形等に 影響されず、 一旦ピアスを装着すれば、 ばね部材によって常に閉じた状態に保た れるから、知らない間にピアスが落ちて紛失してしまうようなことが回避できる。 なお、 永久磁石等の磁力によって針部を閉じた状態に維持することも考えられ るが、 磁力の場合、 ピアスがある一定以上開くと元に戻す復帰力はほとんど及ば W

4 ず、 閉位置に近づけば近づくほど大きな磁力を生じることとなるが、 本発明のば ね部材 （例えばねじりばね等） によればピアスが開いて脱落しそうになればなる ほど、 閉位置に戻そうとするより大きな復帰力が生じる。 つまり、 永久磁石等に よる磁力では、 一定以上離れればもはや閉状態の復帰力は期待できず、 そのまま 落ちてしまうおそれがあるのに対し、 本発明のばね部材であれば、 開こうとすれ ばするほど元に戻そうとする力が大きくなるため、 ピアスの脱落を効果的かつ確 実に防止することができる。

なお、 針部材の閉位置において、 その針部材の先端が針対向側本体に形成され たテーパ状の揷入孔の内壁部にばね部材の付勢力で押し付けられるようにするこ ともできる。 その場合、 針部はばね部材の付勢力で閉位置に維持されることに加 え、 その針部がテーパ状の貫通孔の内壁面に押し付けられる摩擦力も加わって閉 位置から離脱しにくくなる。 つまり、 ばね部材の付勢力と摩擦力とが相乗的に作 用して、 針部材の針対向側本体からの離脱、 ひいてはピアスの脱落をさらに有効 に防止する。

なお、 ピアスの閉位置において針部が相手方の針対向側本体に、 そのテーパ状 の揷入孔に限らずその端面等に押し付けられる （押圧される） ことは必ずしも必 須ではない。 針側本体と針対向側本体との接近方向の移動限度が例えばストツパ 等により規定され、 針部の先端が針対向側本体に押し付けられることなく、 ごく 近接して対向する （隙間が生じる） 形態でもよい。 そのように針部と針対向側本 体とを閉位置において非接触とすれば、 針が細くて変形しやすい場合でも、 針対 向側本体に突き当てたり、 ばね力で押し付けたりすることがないため、 針の変形 等を生じるおそれが少なくなる。 図面の簡単な説明

図 1は、 本発明の実施例 1のピアスの正面図。

図 2は、 その Α部分の分解斜視図。

図 3は、 図 2の組付状態の断面図。

図 4は、 図 3における A— A断面図。 図 5は、 図 1の一部を拡大して示す断面図。

図 6は、 図 5の変形例を示す断面図。

図 7は、 図 5のさらに別の変形例を示す断面図。

図 8は、 図 1のピアスを耳に装着する際の説明図。

図 9は、 耳への装着が完了した状態の説明図。

図 1 0は、 本発明の実施例 2のピアスの正面図。

図 1 1は、 本発明の実施例 3のピアスの正面図。

図 1 2は、 図 1 1の分解斜視図。

図 1 3は、 図 1 1の C部分の拡大断面図。

図 1 4は、 図 1 1の一部を拡大して示す側面図。

図 1 5は、 図 1 4の正面図。

図 1 6は、 図 1 4の別の例を示す側面図。

図 1 7は、 図 1 4のさらに別の例を示す側面図。

図 1 8は、 図 1 1のピアスを開いた状態の側面図。

図 1 9は、 図 1 8のピアスを耳に装着した状態の側面図。

図 2 0は、 本発明の実施例 4のピアスの正面図。

図 2 1は、 図 2 0の D部分の分解斜視図。

図 2 2は、 図 2 0のピアスを開く状態の側面図。

図 2 3は、 図 2 0のピアスを耳に装着するために開いた状態と、 閉じて耳への 装着を完了した状態を示す正面図。

図 2 4は、 その取り付けたピアスを頭部の後方から見た側面図。

図 2 5は、 本発明の実施例 5のピアスの正面図。

図 2 6は、 本発明の実施例 6のピアスの正面図。

図 2 7は、 本発明の実施例 7のピアスの正面図。

図 2 8は、 本発明の実施例 8のピアスの正面図。

図 2 9は、 図 3においてねじりばねに代えて板ばねを用いた変形例を示す断面 図。

図 3 0は、 その板ばねの一例を示す斜視図。 図 3 1は、 本発明の実施例 1 0のピアスの開状態及び閉状態の正面図。

図 3 2は、 本発明の実施例 1 1のピアスを示す概念的な正面図。

図 3 3は、 本発明の実施例 1 2のピアスを示す概念的な正面図。

図 3 4は、 本発明の実施例 1 3のピアスを示す正面図。

図 3 5は、 図 3 4の側面図。

図 3 6は、 図 3 4の E部分の拡大断面図。

図 3 7は、 図 3 6の分解斜視図。

図 3 8は、 図 3 7の変形例を示す分解斜視図。

図 3 9は、 図 3 4のピアスの装着手順を示す図。

図 4 0は、 図 3 5の変形例を示す側面図。

図 4 1は、 図 4 0のさらに変形例を示す側面図。

図 4 2は、 本発明の実施例 1 4のピアスを示す斜視図。

図 4 3は、 ピアスが開状態に一時的に保たれるようにかしめ部を形成した、 本 発明の実施例 1 5の部分正面図。

図 4 4は、 ピアスを開状態に一時的に保持した状態の正面図。

図 4 5は、 本発明の実施例 1 5の開状態の正面図。

図 4 6は、 図 4 5をより詳しく示す作用説明図。 発明を実施するための最良の形態

以下、 本発明の実施の形態を図面に示す実施例を参照しつつ説明する。

図 1に示すピアス 1は、 耳たぶのピアス孔に挿入される針部 2と、 この針部 2 が固定された針側本体 3と、針部 2の対向側に位置する針対向側本体 4とを備え、 これら針側本体 3及び針対向側本体 4がピアス本体 5を構成する。 針側本体 3及 び針対向側本体 4は、 いずれも外側に膨らみでた円弧状 （この例では特に半円弧 状） の、 中央線に関し互いに対称的な形態をなしている。 針部 2は針側本体 3の 先端部にロウ付けその他適宜の固定手段により固定され、 その先端が針対向側本 体 4の先端部に向かって突出し、この針部 2と針側本体 3及び針対向側本体 4は、 ほぼ 1平面内において環状 （この例では特に円還状） の形態をなしている。 針側 本体 3及び針対向側本体 4は、 針部 2とは反対側の基端部において、 回動軸 6に より針側及び針対向側本体 3、 4を含む平面内において回動可能に連結されてい る。 この回動によって針側及び針対向側本体 3、 4が開いたり閉じたりし、 これ に対応して針部 2は、 針対向側本体 4に対し閉じた閉位置と、 その針対向側本体 4の先端から離間した開位置とに移動可能である。 その閉位置では、 針側及び針 対向側本体 3、 4からなるピアス本体 5が、 その針部 2を介して耳たぶに支持さ れ、開位置では、その耳たぶのピアス孔から針部 2が抜かれるようになつている。 針側及び針対向側本体 3、 4の連結部にはばね部材としてねじりばね 7が設け られ、 このねじりばね 7は針側本体 3及び針対向側本体 4を常に接近する向きに 付勢し、 その結果、 針部 2が針対向側本体 4に対して閉じた上記閉状態に常に付 勢されている。 図 2にその回動連結部の詳細を示す。

針側本体 3の基端部には、互いに平行に対向する一対の連結部 1 0が形成され、 そのほぼ中心部に軸挿通用の貫通孔 1 1がそれぞれ形成されている。 この連結部 の先端は、 ほぼ半円弧状に形成されている。 一方、 針対向側本体 4には、 針側本 体 3の連結部 1 1の間に嵌まり込む一対の互いに平行な連結部 1 2が形成され、 そのほぼ中心部に軸揷入用の貫通孔 1 3が形成されている。 針対向側本体 4の連 結部 1 2、 1 2が針側本体 3の連結部 1 0、 1 0の間に挿入され、 かつ両者の貫 通孔 1 1、 1 3が 1軸線上に一致した状態で、 回動軸 6がそれらの貫通孔 1 1、 1 3に跨って挿入されることにより、 針側本体 3と針対向側本体 4とは回動可能 に連結される。 ここで、 針対向側本体 4の連結部 1 2の基端部には、 針側本体 3 の連結部 1 0の先端の円弧状形態に対応する円弧状 （この例では特に半円弧状） の切欠 （段部） 1 4が形成され、 ここに連結部 1 0の先端が嵌まって、 回動時に は段部 1 4と摺接又はごく近接して移動する。

針側本体 3は、 その外形を構成する両縁の対向壁部 1 5、 1 5を備え、 それら の基端が底部 1 6で連結されるとともに、 それらに囲まれた部分は空洞 1 7とな つている。 一方、 針対向側本体 4も針側本体 3と実質的に同様に、 一定距離隔て て平行に対向する対向壁部 1 8、 1 8と、 これらの基端を連結する底部 1 9とを 備え、 これらで囲まれた部分が空間 2 0となっている。 なお、 針側本体 3や針対 向側本体 4をこのような空洞 1 7及び 2 0を有する構造とする理由の 1つは、 こ れらがブラチナゃ金等の貴金属で形成される場合、 その材料を少なくするためで あり、 またそれらの比重が大きいため、 耳に装着したとき過大な重みとならない ようにその重量を調整するためでもある。 針対向側本体 4の互いに対向する連結 部 1 2、 1 2の間のスペースは、 ばね収容部 2 1とされている。

ねじりばね 7は、 少なくとも 1周り以上螺旋状に卷かれたねじり部 8と、 その 両端から突出した 1対の腕部 9とを備え、 ねじり部 8を回動軸 6が貫通した状態 でねじり部 8は連結部 1 2、 1 2間に収容される。 針側本体 3の基端部には、 連 結部 1 0の貫通孔 1 1から一定量後退して対向壁部 1 5、 1 5をつなぐ連結壁の 形態でばね押さえ部 2 2が形成され、 また、 針対向側本体 4の連結部 1 2の貫通 孔 1 3から一定量後退して、 その対向壁部 1 8、 1 8をつなぐ連結壁の形態でば ね受け部 2 3が形成されている。

ばね受け部 2 2と、 底部 1 6との間には一定の隙間が設けられ、 針対向側本体 4のばね受け部 2 3とその底部 1 9との間にも所定の隙間が設けられている。 そ して、 ねじりばね 7はその一方の腕部 9が針側本体 1 2のばね受け部 2 2に、 ま た他方の腕部 9が針対向側本体 4のばね受け部 2 3に所定のセット荷重をもって 係止される。 すなわち図 3に示すように、 ねじりばね 7は、 その螺旋状のねじり 部 8が回動軸 6の外側に装着されるとともに、 2点鎖線で示す原形状態から弾性 変形させられた状態で各腕部 9が針側本体 3と針対向側本体 4の各ばね受け部 2 2、 2 3に掛け止められる。 その結果、 針側本体 3及び針対向側本体 4には矢印 に示すように、互いに接近する向きのばね力が常時作用する。図 4に示すように、 針対向側本体 4 (針側本体 3も同様） のばね受け部 2 3 (及びばね受け部 2 2 ) の下縁にはねじりばね 7の腕部 9を嵌まり込ませる円弧状断面の位置決め溝 2 4 が形成され、 ここに腕部 9が嵌まることで、腕部 9の位置決めがなされる。 なお、 ばね受け部 2 3と底部 1 6との隙間 Sをなく し、 溝 2 4を貫通孔として、 ここに ねじりばね 7の腕部 9を挿入することもできる。 針側本体 3についても同様であ る。

図 5に示すように、 針対向側本体 4の回動の自由端部には、 針部 2に対向する 円形又は角形等の孔 2 6が形成され、 その底部にテーパ状の針押付孔 2 7が形成 されている。 針部 2は、 その閉位置において、 その先端がテーパ状の針押付孔 2 7に前述のねじりばね 7のばね力で押し付けられる。 この際、 この針押付孔 2 7 のテ一パ状の内壁面と針部 2の先端外周面との間に、 針部 2が開くことを妨げる 摩擦力を作用させることができる。 また、 この針押付孔 2 7は、 針部 2の閉位置 において、 針部 2が針対向側本体 4に押圧される位置を決める位置決め孔として も機能させることができる。

なお、 図 6に示すように、 上述のテーパ状の針押付孔 2 7を省略し、 針対向孔 2 6の底部に針部 2の先端を前述のねじりばね 7の付勢力で当接させることもで きる。 この針対向孔 2 6の内壁面を、 針部 2の先端と一定の隙間を隔てたテーパ 状の内壁面とすることもできる。 仮想線はその形態を示している。

また、 図 7に示すように、 針部 2が自身の閉位置で針対向側本体 4に直接接触 することなく、 所定の隙間を隔てて針部 2の先端が針対向側本体 4 (例えば針対 向孔 2 8の底部） に所定距離隔てて対向させることもできる。 この場合、 針側本 体 3と針対向側本体 4との接近限度 （結局は針部 2の先端と針対向側本体 4との 接近限度） を規定するために、 例えば図 3に示すように、 針側本体 3の連結部 1 0にストッパ部 2 9を形成し、 針対向側本体 4の連結部 1 2にストッパ対向部 3 0を形成しておき、 このストツパ部 2 9とストツパ対向部 3 0とが当接すること で、 針側本体 3と針対向側本体 4との接近限度、 ひいては針部 2の閉位置を規定 することができる。 このようなス トッパ 2 9を設けることにより、 針部 2をその 閉位置において針対向側本体 4に非接触にすることができる。

図 8に示すように、 以上のようなピアス 1を耳たぶ 1 0 0に装着するには、 ね じりばね 7のばね力に逆らつて針側本体 3及び針対向側本体 4を開き、 針部 2と 針対向側本体 4との間に耳たぶ 1 0 0を通す隙間を形成する。 そして、 針部 2の 先端を耳たぶ 1 0 0のピアス孔 1 0 1に位置させ、 両本体 3及び 4を開いている 力を解除すれば、 これらの本体 3及び 4はねじりばね 7の付勢力により閉じる向 きに回動し、 針部 2がピアス孔 1 0 1に挿入され、 かつそのピアス孔 1 0 1から 突出した針部 2の先端が針対向側本体 4に押し付けられ、 又はごく近接して閉状 W

10 態となる。

この閉状態において、 ねじりばね 7はその原形状態から一定量弾性変形させら れているため、 針側本体 3及び針対向側本体 4は常に閉じる方向の力を受け、 言 い換えれば針部 2は常に自身の閉位置に付勢された状態である。 従って、 もし何 らかの理由で本体 3及び 4に開く方向の力が作用し、 針部 2が針対向側本体 4か ら離れようとしても、 ねじりばね 7の弾性復帰力はそのような針部 2の離間を阻 止し、 あるいは一定量離れたとしても元の閉位置に戻す。 よって、 ピアス 2が何 らかの理由で開いて、 知らない間に耳たぶ 1 ◦ 0から落下してこれを紛失してし まうような事態が回避される。

針側本体 3及び針対向側本体 4からなるピアス本体 5は、 針部 2により耳たぶ 1 0 0に支持されるが、 耳たぶ 1 0 0はピアス装着者の通常の活動 （例えば隣人 との会話、 電話の対応等） において頻繁に振動や摇れを繰り返し、 何らかの理由 でピアス本体 5が一旦開いてしまうと、 通常は知らない間にピアス孔 1 0 1から 針部 2が脱落して落下してしまうことがある。 ピアス装着者は、 そのことに気が 付かないで後からピアスの紛失に気付くが、 それではもはや手遅れとなる。 この ようなピアスの開き、 ひいては落下のおそれは、 例えば髮をブラッシングするよ うな場合も、 ブラシがピアスに当たり、 これを開いてしまうようなケースも生じ 得る。

本発明のピアス iでは、 針部 2が針対向側本体 4から離れようとすればするほ ど、 ねじりばね 7のより強力な弾性復帰力が作用するため、 日常活動の様々な要 因によっても、ピアス 1が開いて脱落するような事態を防止ないしは抑制できる。 なお、 ピアス 1を耳から取り外すときは、 ねじりばね 7の弾性力に逆らって針 部 2を針対向側本体 4から引き離すだけの力をピアス装着者が自らの手で加えれ ば、 針部 2はピアス孔 1 0 1から抜け出るため、 ピアス 1を耳たぶ 1 0 0から外 すことができる。

図 1 0に示すピアス 3 1は、 図 1における回動連結部 Aが中央から偏ったとこ ろへ位置変更されて、 そこに回動連結部 Bを設定したものである。 特にこの例で は、 針部 3 2を介して円環状をなすピアス本体 3 5を周方向に 9 0 ° ずつ 4等分 したとき、 その 4分の 3周分のところに回動連結部 Bが設定されている。 すなわ ち、 針側本体 3 3の先端には針部 3 2が、 針対向側本体 3 4の先端に向かって突 出するように固定され、 針側本体 3 3はほぼ 4分の 3周分の円弧状形態をなし、 針対向側本体 3 4は針部 3 2を含めてほぼ 4分の 1周分の円弧状の形態をなす。 そして、 針側本体 3 3の基端部と針対向側本体 3 4の基端部とが、 回動軸 3 6に より連結され、それら本体 3 3、 3 4を含む平面内で回動可能に連結されている。 この回動連結部 Bの構造は、 図 1に示す回動連結部 A、 すなわち図 2の連結構造 と同様であるため、 図 2を援用して詳しい説明は省略する。

ねじりばね 3 7は、 針部 3 2の先端が針対向側本体 3 4に接し又はごく近接す る閉位置に維持されるように、 針側本体 3 3及び針対向側本体 3 4を互いに接近 する方に常時付勢している。 このピアス 3 1を装着する際は、 例えば針側本体 3 3を一方の手で持ち、 他方の手で針対向側本体 3 4を持ってこの針対向側本体 3 4をねじりばね 3 7の付勢力に抗して外側へ開き、 その状態で耳たぶのピアス孔 に針部 3 2を通した後、 針対向側本体 3 4から手を離してねじりばね 3 7の弾性 復帰力で針部 3 2と針対向側本体 3 4との間を閉ざせばよい。 そして、 針対向側 本体 3 4は、 常に針部 3 2に向かって付勢されているため、 針部 3 2が知らない 間にピアス孔から抜ける心配はない。なお、図 1 0の回動連結部を Bの代わりに、 反対側の B ' に設定してもよい。 この場合は、 針側本体 3 3が短く、 針対向側本 体 3 4が長い、 中央に関して互いに非対称の形状となる。

図 1 1に示すピアス 4 1は、 針部 4 2が固定された針側本体 4 3と、 針部 4 2 に対向する針対向側本体 4 4とからなるピアス本体 4 5を備え、 このピアス本体 4 5の中央部に図 1の回動軸 6とは 9 0 ° 向きの異なる回動軸 4 6が設けられ、 これにより本体 4 3、 4 4が互いに回動可能に連結されている。 この図から明ら かなように、 針側本体 4 3と針対向側本体 4 4とは中央に関してほぼ対称的な円 弧状の形態をなし、 上記針部 4 2をこれら本体 4 3及び 4 4が円環状に連なるよ うになっているが、これらを含む平面とほぼ平行に上述の回動軸 4 6が設けられ、 言い換えればこれらを含む平面と直交する （直角な） 平面方向において針側本体 4 3と針対向側本体 4 4とが回動する。 図 1 2及び図 1 3に示すように、 針側本体 4 3と針対向側本体 4 4とは、 その 横断面は、 図 2及び図 3と同様、 相対向する 1対の対向壁部 1 5、 同じく対向壁 部 1 8を有し、 これらが底部 1 6、 1 9で連結され、 内部が空洞 1 7、 2 0とさ れたものである。 針対向側本体 4 4の基端部には、 回動軸 4 6が針側本体 4 3の 基端部に向かって突出するように設けられ、 針部 4 2は閉位置にある状態で、 こ の回動軸 4 6とほぼ平行である。 言い換えれば、 回動軸 4 6の軸線と、 針部 4 2 の軸線とはほぼ同一平面内にある。 回動軸 4 6は、 針対向側本体 4 4の基端部に おいて底部 1 9から立ち上がる端壁部 5 6に形成された貫通孔 5 1、 及び針側本 体 4 3の基端部において底部 1 6から立ち上がる端壁部 5 5に形成された貫通孔 5 2に跨って挿入されている。 回動軸 4 6は一端に頭部 5 0を有し、 その頭部 5 0は端壁部 5 6に当接して挿入量が規定され、 かつ回動軸 4 6の針側本体 4 3の 端壁部 5 5から突出した部分に止輪 5 3が装着され、 この止輪 5 3と頭部 5 0と で端壁部 5 5、 5 6が挟まれた状態で針側本体 4 3と針対向側本体 4 4とが連結 される。

そして、 針側本体 4 3と針対向側本体 4 4とのいずれか一方又は双方に跨って ばね収容部 5 7が形成されている。 この例では、 針側本体 4 3の端壁部 5 5に、 貫通孔 5 2より大きく形成された扁平な孔部がばね収容部 5 7となっている。 こ こにねじりばね 4 7が装着されており、ねじりばね 4 7は図 1 2にも示すように、 1周以上の螺旋状に巻かれたねじり部 4 8と、 その両端から伸び出て先端部がか ぎ型に曲げられた腕部 4 9、 4 9を備える。 ねじりばね 4 7のねじり部 4 8は、 回動軸 4 6の外側に装着されて、 かつ一方の腕部 4 9が針側本体 4 3のばね収容 部 5 7の底部に形成されたばね取付孔 5 4に、 また、 他方の腕部 4 9が針対向側 本体 4 4に形成された同様なばね取付孔にそれぞれ挿入されて、 ねじりばね 4 7 がセットされる。 その際、 ねじりばね 4 7の原形状態から一定量弾性変形させら れた状態で、 双方の腕部 4 9が針側本体 4 3及び針対向側本体 4 4に掛け止めら れることで、 針部 4 2が横方向から針対向側本体 4 4の先端部 （5 8 ) に向かつ て常に付勢され、 針部 4 2が閉位置に維持される。

図 1 4及び図 1 5に示すように、 針対向側本体 4 4の先端部には、 針部 4 2を 側方から当接又はごく近接させる壁面を備えた切欠部 5 8が形成され、 針部 4 2 はその閉位置において、 針部 4 2の軸線を含む平面とほぼ平行な壁面を有する切 欠部 5 8に前述のねじりばね 4 7の付勢力で押し付けられ、 又はごく近接する。 なお、 ごく近接させる場合は、 針側本体 4 3と針対向側本体 4 4との接近方向の 回動限度を規定するストッパ及びストッパ対向部を設ければよい。

また、 図 1 6に示すように、 凹状の切欠部 5 9内に針部 4 2を押し付け又はご く近接させてもよレ、。 さらに、 図 1 7に示すように、 針対向側本体 4 4の先端部 に針部 4 2を収容する針部収容溝 6 0を形成するとともに、 この溝 6 0を開口側 ほど溝幅を広くすることにより、 針部 4 2が矢印方向から接近する際に、 この収 容溝 6 0に入りやすくすることができる。 なお、 図 1 4、 図 1 6及び図 1 7に示 すように、 閉位置において針部 4 2は、 その軸線が針対向側本体 4 4の厚さ方向 のほぼ真ん中に位置するように設定することができる。

図 1 8に示すように、 以上のようなピアス 4 1を耳に装着する際には、 ねじり ばね 4 7の付勢力に逆らって針対向側本体 4 4を針側本体 4 3から遠ざけるよう に回動させる。 その状態で針部 4 2を耳たぶのピアス孔に揷入した後、 針対向側 本体 4 4をねじりばね 4 7の弾性復帰力により元に戻せば、 その針対向側本体 4 4の先端の切欠部 5 8がピアス孔を貫通した針部 4 2の突出部分に横方向から押 圧又はごく近接して、 針部 4 2と針対向側本体 4 4とは互いに閉じた閉位置とな る。 ねじりばね 4 7は、 この閉位置を維持するように常に針部 4 2を針対向側本 体 4 4とを互いに接近方向に付勢し、 両者が離れようとすればするほど大きな弾 性復帰力を生じさせる。 従ってピアス 4 1が知らない間に耳から抜け落ちてしま うようなことが生じにくレ、。

なお、 図 1 9に示すように、 切欠部 5 8は外側から見えないように、 言い換え ればこの切欠部 5 8が内側を向くようにピアス 4 1を装着することが望ましい。 それにより、 切欠部 5 8や針部 4 2が内側に隠れ、 意匠効果が高まる。

図 2 0に示すピアス 6 1は、 図 1 1に示す回動連結部 Cがピアス本体 6 5の周 方向の約 4分の 1周分のところに位置変更され、 ここが中央から外れた回動連結 部 Dとなっている。 すなわち、 針部 6 2が針側本体 6 3の先端に固定されるとと もに、 針側本体 6 3はほぼ 4分の 3周に相当する円弧状の長さを有し、 この基端 部にほぼ 4分の 1周弱の円弧状の長さを有する針対向側本体 6 4の基端部が回動 連結部 Dにおいて連結され、 針対向側本体 6 4が針部 6 2に対し起立状態から倒 れるように横方向へ回動できる。 なお、 回動連結部 Dの代わりにこれとは反対側 の D ' を回動連結部としてもよい。 この場合は、 針側本体 6 3が短く、 針対向側 本体 6 4が長い、 互いに非対称のものとなる。

そして、 図 2 0において回動連結部 Dの構造は、 基本的には図 2に示した連結 構造と同様であるが、 図 2 0に示すように、 針側本体 6 3と針対向側本体 6 4と を含む平面と、 回動方向の平面とがほぼ直交する点が異なる。

図 2 1は、 その回動連結部 Dの詳細を示すが、 その構造自体は先ほどの図 2に 示したものと実質的に同様であるため、 図 1 と同様の部分は同じ符号を付して詳 しい説明は省略する。 要するに、 ねじりばね 6 7のねじり部 8を回動軸 6 6が貫 通し、 ねじりばね 6 7の一方の腕部 9が針側本体 6 3のばね受け部 2 2に、 他方 の腕部 9が針対向側本体 6 4のばね受け部 2 3にそれぞれ掛止される。 この状態 でねじりばね 6 7は原形状態から弾性変形させられた状態でセットされ、 それに より図 2 0において針対向側本体 6 4が常に起立する方向の復元力が作用する。 つまりこの復元力は、 針部 6 2と針対向側本体 6 4の切欠部 5 8とを互いに押圧 状態又はごく近接状態として、 閉位置に維持する役割を果たす。

このようなピアス 6 1を身につけるには、 図 2 2に示すように、 針側本体 6 3 に対して針対向側本体 6 4をねじりばね 6 7の付勢力に抗して倒れるように回動 させる。 例えば図 2 3のようにほぼ 9 0 ° 倒せば、 耳たぶ 1 0 0のピアス孔 1 0 1に針部 6 2を通すことができ、 その後、 針対向側本体 6 4を離せば、 ねじりば ね 6 7の付勢力で針対向側本体 6 4が起立し、 針部 6 2がその針対向側本体 6 4 の切欠部 5 8に押圧され、 両者が閉じた閉位置にねじりばね 6 7のばね力で維持 される。 従って、 ピアス 6 1が知らない間に耳から抜け落ちてしまうようなこと が防止される。 なお、 図 2 4に示すように、 針側本体 6 3と針対向側本体 6 4と の回動軸 6 6が、 耳の後ろ側にくるように （正面から見えないように） 、 ピアス 6 1を装着することが望ましい。 なお、 以上の実施例では、 いずれも円環状の形態のピアスを例にとったが、 例 えば図 2 5に示すように、 全体として角形環状のピアス 7 1でもよい。 このピア ス 7 1は、 針部 7 2が固定された針側本体 7 3と、 針部 7 2が対向する針対向側 本体 7 4とからなるピアス本体 7 5を備え、 両本体 7 3、 7 4がピアス 7 1の中 央線に対し互いに非対称又は対称の形態をなし、 その中央から偏った位置又は中 央部で回動軸 7 6により互いに連結され、 かつ前述のようなねじりばね 7と同様 なばね部材で針部 7 2と針対向側本体 7 4とが閉じた閉位置に常時付勢される。 図 2 6に示すピアス 8 1は、 針部 8 2が針側本体 8 3の先端よりやや基端側に 寄った中間部に固定され、 また針対向側本体 8 4の、 針部 8 2が押圧もしくはご く近接する位置も、針対向側本体 8 4の先端から基端側に入り込んだ位置にある。 このような本体 8 3、 8 4を有するピアス本体 8 5は、 その連結部に設けられた 回動軸 8 6により回動可能とされ、 かつ例えば図 2に示したねじりばね 7等によ り常時閉位置に付勢されている。

図 2 7に示すピアス 9 1は、針部 9 2が針側本体 9 3と一体に形成されている。 このような針側本体 9 3と針対向側本体 9 4とからなるピアス本体 9 5は、 回動 軸 9 6において互いに回動可能とされ、 かつ例えば図 2に示したねじりばね 7の ようなばね部材により常に閉位置に維持される。

図 2 8に示すピアス 1 0 1は、 針部 1 0 2が固定された針側本体 1 0 3と針対 向側本体 1 0 4とが回動軸 1 0 6によって中央から偏った位置で回動可能に連結 され、 かつ図 2 1のようなねじりばね 6 7で針対向側本体 1 0 4と針部 1 0 2と が側方から閉じる位置に付勢されている。

なお、 図 2 5〜図 2 8においては、 その回動軸 7 6、 8 6、 9 6及び 1 0 6の 方向や位置は、 図示したものと直角な方向でもよいし、 また中央線上に位置する もの、 あるいは中央線上から回動軸部が偏った位置にあるものでもよい。 要する に、 図 1〜図 2 4で説明した実施例と、 図 2 5〜図 2 8の形態とを組み合わせた 各種実施例が存在する。

以上の説明では、 ばね部材としてねじりばねが用いられていたが、 これに代え て図 2 9及び図 3 0に示すような板ばね 1 0 7を採用することもできる。 例えば 図 2の回動連結部において、 ねじりばね 7に代えて板ばねを用いた例を示すのが 図 2 9である。 図 2及び図 3と同様な部分は对応する符号を付して詳しい説明は 省略する。 この板ばね 1 0 7は、 回動軸 6の外周に沿う円弧状断面の支点部 1 0 8と、 その両側に伸びる腕部 （作用部） 1 0 9、 1 0 9を一体に備えたものであ る。 このような板ばね 1 0 7は、 その支点部 1 0 8が回動軸 6の外周面に対しそ の周方向の一部 （例えば半周分又はそれ以下） に押し付けられ、 かつ原形状態か ら弾性変形させられた状態で、 両側の作用部 1 0 9、 1 0 9のうち一方が針側本 体 3のばね受け部 2 2に、 他方が針対向側本体 4のばね受け部 2 3にそれぞれ掛 け止められ、 これによつて針側本体 3及び針対向側本体 4が互いに接近する方向 の復元力を生じ、ひいてはこの復元力によって前述の針部が閉位置に維持される。 なお、 このような板ばね 1 0 7は、 図 1の A部分のみならず、 図 1 0の B又は B ' 部分、 図 1 1の C部分、 図 2 0の D又は D ' 部分、 さらには、 図 2 5の回動軸 7 6、 図 2 6の回動軸 8 6、 図 2 7の回動軸 9 6、 図 2 5の回動軸 1 0 6等に、 ね じりばねに置き換えて使用することができる。

さらに、 図 3 1に示すピアス 1 1 1は、 針部 1 1 2が取り付けられた針側本体 1 1 3と、 その針部 1 1 2が対向する針対向側本体 1 1 4とが互いに一体的に形 成されたピアス本体 1 1 5を備え、 回動連結部は存在しない。 その代わり、 針部 1 1 2は針側本体 1 1 3に対し固定されるのではなく、 針対向側本体 1 1 4に対 し接近 ·離間可能に取り付けられている。 そして、 この針部 1 1 2の中間部に設 けられたばね受け部 1 1 8と針側本体 1 1 3との間に、 所定の圧縮荷重を付与さ れた状態で圧縮コイルばね 1 1 7がばね部材として装着され、 針部 1 1 2を針対 向側本体 1 1 4に向かって常時付勢している。

針部 1 1 2の基端部には、 つまみ部 1 1 9が形成され、 このつまみ部 1 1 9を 持って針部 1 1 2を圧縮コイルばね 1 1 7のばね力に逆らって引き出せば、 その 針部 1 1 2の先端と針対向側本体 1 1 4との間に耳たぶ 1 0 0を挿入することが できる。 その後つまみ部 1 1 9を手から離せば、 針部 1 1 2は圧縮コイルばね 1 1 7の復元力でピアス孔 1 0 1を貫通し、 針対向側本体 1 1 4に押し付けられた 閉位置、 又はごく近接した閉位置にそのばね力によって維持される。 なお、 針対向側本体 1 1 4には、 針部 1 1 2の先端を受ける受け凹部 1 2 0を 形成することもできる。 このようなピアス 1 1 1でも、 針部 1 1 2は圧縮コイル ばね 1 1 7のばね力によって常に閉位置に保たれるから、 ピアス 1 1 1の予期せ ぬ脱落 '紛失を防ぐことができる。 なお、 針部 1 1 2のつまみ部 1 1 9側が頭部 後方となるようにこのピアス 1 1を装着すれば、 前から見てそのつまみ部 1 1 9 や針側本体 1 1 3の突出部分 （ばね 1 1 7の収容部） が隠れるため見栄え上好ま しい。 なお、 ばね 1 1 7が外部から見えないようにその周囲を筒状に覆うことが できる。

さらに図 3 2に示すピアス 1 2 1のように、 ばね部材としてねじりばねや板ば ねではなく、 引張コイルばね 1 2 7を用いることもできる。 針部 1 2 2は針側本 体 1 2 3に固定され、 この針側本体 1 2 3と針対向側本体 1 2 4とでピアス本体 1 2 5が構成されるが、 それらの本体 1 2 3及び 1 2 4が回動軸 1 2 6で互いに 回動可能に連結されるとともに、 望ましくはその回動軸 1 2 6の近傍であって回 動軸 1 2 6と針部 1 2 2の間に位置して、 引張コイルばね 1 2 7が針側本体 1 2 3と針対向側本体 1 2 4との間に所定の引張荷重を付与した状態で掛け渡される。 なお、 図 3において、 引張コイルばねをばね受け部 2 2及びばね受け部 2 3の 間に掛け渡し、 かつその対向壁部 1 5及び 1 8の内部に隠れるようにすれば、 そ の引張コイルばねが外部から見えにくく意匠面で有利である。

さらに、 図 3 3に示すピアス 1 3 1のように、 針部 1 3 2が固定された針側本 体 1 3 3と、 これに対向する針対向側本体 1 3 4からなるピアス本体 1 3 5を、 両本体 1 3 3及び 1 3 4の基端同士で回動軸 1 3 6により回動可能に連結し、 か つ前述のようなねじりばね 7、 3 7、 4 7、 6 7又は板ばね 1 0 7、 あるいは引 張コイルばね 1 2 7等のばね部材により互いに接近する方向に常時付勢する構成 において、 針側本体 1 3 3と針対向側本体 1 3 4との、 少なくとも表面の材質、 光沢、 色彩、 模様その他の意匠要素を互いに異ならせることができる。

例えば針側本体 1 3 3をプラチナ製のものとし、 針対向側本体 1 3 4を 1 8金 その他の金製のものとしたり、 それら本体 1 3 3及び 1 3 4でメツキの材質や光 沢、 色彩等を変える。 このように、 針側本体と針対向側本体とで少なくとも外観 に現れる意匠形態 （視覚要素） を変えれば、 いわばリバーシブルのピアスとなる。 つまり、 ある時は針側本体 1 3 3が頭部の前側にくるようにこのピアス 1 3 1を 装着すれば、 正面からは針側本体 1 3 3が主に目立ち、 頭部の裏側に回る針対向 側本体 1 3 4はあまり目立たない。 従って針側本体 1 3 3が例えばプラチナ製の ものであれば、 周りの人がこのピアスの装着者を正面から見て、 プラチナ製の、 又はこれに似たピアスをしているものと認識される。

一方、 このようなピアス 1 3 1を 1 8 0 ° 向きを変えて、 針対向側本体 1 3 4 が頭部の前側に、 針側本体 1 3 3が頭部の後ろ側 （裏側） に位置するように装着 すれば、 針対向側本体 1 3 4が目立ち、 針側本体 1 3 3は目立たなくなる。 従つ て針対向側本体 1 3 4が、 例えば 1 8金等の金製品からなっていれば、 このよう なピアス 1 3 1の全体があたかも金製品のピアスであるかのような印象を受ける。 従って 1つのピアス 1 3 1でありながら、 その装着の向きを 1 8 0 ° 変えること により、 あたかも 2個のピアスを持っているかのように使用でき、 このピアスの 所有者が気分に応じて、 あるいは目的に応じて針側本体 1 3 3を主に見せる力、 あるいは針対向側本体 1 3 4を主に見せるかで使い分けが可能となる。 これは例 えば、 プラチナ製のピアスを買おう力、 金製のピアスを買おうか消費者は非常に 迷うところであるが、 上記のようなリバーシブルのピアスであれば、 1つのピア スでありながら 2個のピアスを持っているのと同じように使うことができ、 消費 者の多様な好みに応え、 また、 ピアスの汎用性も増す。

図 3 4に示すピアス 1 4 1は、 針側本体 1 4 3と針対向側本体 1 4 4とが一体 化されたピアス本体 1 4 5を有し、 針側本体 1 4 3の先端部に針部 1 4 2が回動 軸 1 4 6により回動可能に取り付けられている。 これにより針部 1 4 2は、 ピア ス本体 1 4 5を含む平面内で、 針対向側本体 1 4 4の針受け部 1 5 1に収まる閉 位置と （図 3 5参照） 、 そこから 9 0 ° 程度又はそれ以上開いた開位置とに回動 できる。 そして、 針部 1 4 2は、 図 3 6、 図 3 7に示すように、 ねじりばね 1 4 7により常に閉位置に保たれるように付勢されている。針部 1 4 2の基端部には、 リング状部 1 5 2が形成され、 針側本体 1 4 3の軸孔 1 5 3に通される回動軸 1 4 6に、 針部 1 4 2のリング状部 1 5 2が回動可能に嵌合するとともに、 回動軸 1 4 6にねじりばね 1 4 7の環状のねじり部 1 4 8が嵌まる。

そして、 ねじりばね 1 4 7及び針部 1 4 2のリング状部 1 5 2は、 針側本体 1 4 3の先端に形成されたばね収容部 （空所又は切欠部） 1 5 4に収容される。 ね じりばね 1 4 7の一方の腕部 1 4 9が、 そのばね収容部 1 5 4に形成されたばね 受け部 1 5 5 (図 3 6参照） に掛止される一方、 他方の腕部 1 4 9の先端に形成 された掛止部 1 5 0が針部 1 4 2の軸状部分に係合し、 その状態でねじりばね 1 4 7は針部 1 4 2を閉じる方向のセット荷重を生じるようになつている。 なお、 図 3 8に示すように、 針部 1 4 2の基端部に板状の端部金具 1 5 6をかしめつけ て、 これに軸孔 1 5 7を形成し、 この軸孔 1 5 7に回動軸 1 4 6が挿し通される ようにしてもよレヽ。

そして、 図 3 9に示すように、 このようなピアス 1 4 1を耳たぶ 1 0 0に装着 するには、 針部 1 4 2を開いた状態でピアス孔 1 0 1に通しながら、 ピアス 1 4 1を図のように回すことにより、 耳たぶ 1 0 0への装着ができる。 装着が完了し た状態では、 針部 1 4 2が前述のねじりばね 1 4 7により常に閉位置に保たれる ため、 ピアス 1 4 1を誤って落としてしまったりすることが防止される。

なお、 図 4 0に示すように、 針側本体 1 4 4 ' に弾性変形可能な針受け部 1 5 8を設けることもできる。 この針受け部 1 5 8は、 針部 1 4 2の直径より大きな 開口を有するとともに、中間部にその直径より小さい幅のくびれ部 1 5 9を有し、 針部 1 4 2の挿入により、 そのくびれ部 1 5 9が一旦外側に弾性変形して針部 1 4 2の通過を許容し、 その状態で針部 1 4 2を包み込むように保持する。 このよ うな針受け部 1 5 8を設ければ、 くびれ部 1 5 9により針部 1 4 2の解放が妨げ るとともに、 仮にその保持力が弱まり、 又は期待できなくなっても、 前述のねじ りばね 1 4 7が針部 1 4 2を常に閉位置へ付勢しているため、 針部 1 4 2の開き を有効に防止する。 図 4 1に示す針受け部 1 6◦は、 そのようなくびれ部 1 5 9 がないもので、 針部 1 4 2を当接させてこれを閉位置に維持する。

図 4 2に示すピアス 1 6 1は、 針側本体 1 6 3と針対向側本体 1 6 4がー体と なったピアス本体 1 6 5を有し、 針側本体 1 6 3の先端部に、 針部 1 6 2が軸 1 6 6によりほぼ水平方向に回動可能に取り付けられている。 そして、 詳しい図示 はしないが、 ねじりばね、 板ばねその他適宜のばね部材により、 針部 1 6 2はピ ァス本体 1 6 5の上端を横断する閉位置、 言い換えれば針部 1 6 2の先端部が針 対向側本体 1 6 4の針受け部 1 6 7で受けられる閉位置に常に付勢されている。 このようなピアス 1 6 1によっても、 図 3 4等に示した実施例と実質的に同様な 効果を得ることができる。

これまでの説明では、 ピアスの針部がばね部材により常に閉位置に付勢され、 ピアスの装着時等には、 指でピアスの開状態を保ちながら装着することを前提と した。 これに対して図 4 3、 図 4 4に示すように、 ピアス 1 ' が一時的に開位置 に保たれるようにして、 ピアスの装着を容易にすることもできる。図 4 3の例は、 針側本体 3と針対向側本体 4との回動連結部の特定の部分にかしめ部 1 6 8を形 成したものである。 例えば図 2を例にとって言えば、 針側本体 3の連結部 1 0の 一部に、 その幅を局部的に狭めるかしめ部 1 6 8を形成する。 そして、 図 4 3に 示すように、 このかしめ 1 6 8部は、 針側本体 3と針対向側本体 4とが開位置及 びその近傍にあるとき以外は両本体 3及び 4の回動に影響を与えないが、 それが 開位置又はその近傍にあるときは、 針側本体 3と針対向側本体 4との回動部にお ける摩擦が大きくなつて、 図 4 4に示すように、 その摩擦力により開位置に維持 される。 これを閉じる場合は、 その摩擦力に打ち勝つようにピアス 1 ' を少し閉 じれば、 そのかしめ部 1 6 8による摩擦が解消して、 ピアス 1 ' は前述のばね部 材により閉位置に自動的に回動する。

このようなかしめ部 1 6 8に代えて、 ばね部材自体の付勢方向を反転させるこ ともできる。 図 4 5は、 そのような付勢力が反転するタイプのピアス 1 7 1を示 すものである。 このピアス 1 7 1は、 針側本体 1 7 3と針対向側本体 1 7 4とが 回動軸 1 7 6で連結された形態のピアス本体 1 7 5を有する。 そして、 針側本体 1 7 3の先端部に針部 1 7 2が固定され、 その閉位置では、 2点鎖線で示すよう に、 針対向側本体 1 7 4の上端に針部 1 7 2の先端が押圧又はごく接近する。 針 対向側本体 1 7 4には、 真珠玉その他の宝飾部 1 7 8等を取り付けることができ る。

図 4 6に示すように、 針側本体 1 7 3にはばね部材として板ばね 1 7 7が固定 され、 他方、 針対向側本体 1 7 4の端部 （回動連結部） には、 カム部 1 7 9が形 成されている。 このカム部 1 7 9の近傍に回動軸 1 7 6が通っている。 カム部 1

7 9は、 針対向側本体 1 7 4の延長線上においてほぼ垂直面からなる第 1カム面 1 8 0と、 これと所定角度で （例えば直角近傍又は鋭角に） 交差する第 2カム面 1 8 1とを備え、 板ばね 1 7 7の弾性作用部分は、 この第 1カム面 1 8 0に押し 付けられる状態から、 第 2カム面 1 8 1に押し付けられる状態まで、 このカム部 1 7 9を回り動くように押圧作用をなす。

いま、 図 4 6の上段に示すように、 板ばね 1 7 7の弾性作用部が第 1カム面 1

8 0に沿う状態では、 針側本体 1 7 3ひいては針部 1 7 2は、 閉位置側へ付勢さ れる。 この状態から針側本体 1 7 3を後方へ倒すように （開くように） 、 回動さ せると、 中段に示すように、 板ばね 1 7 7は第 1カム面 1 8 0と第 2カム面 1 8 1の角部に乗り上がった状態となり、 その過程で、 針側本体 1 7 3に対する回動 軸 1 7 6周りの回転モーメントを生じさせない中立位置が存在する。 それよりさ らに針側本体 1 7 3を後方へ回動させると、 板ばね 1 7 7の弾性力は針側本体 1 7 3を今度は開位置に向かって付勢するようになり、 ここに付勢力の反転が生じ る。 そして、 図 4 6の下段に示すように、 針側本体 1 7 3がほぼ横倒しになった 開位置では、 板ばね 1 7 7が第 1カム面 1 8 0を押圧し、 針側本体 1 7 3ひいて は針部 1 7 2を開位置に付勢する。 従って、 図 4 5に示すように、 針部 1 7 2は 板ばね 1 7 7により開位置に保持される。 この状態でピアス 1 7 1を耳元に近づ ける。 ピアス孔に針部 1 7 2を通すときは、 針側本体 1 7 3を板ばね 1 7 7の付 勢力に抗して起立させるように回動させれば、 前述の中立位置を経た後、 板ばね 1 7 7の弾性力が針部 1 7 2を開位置に向かって付勢するように反転し、以後は、 常に針部 1 7 2を開位置に付勢する。

このようなピアス 1 7 1によれば、 ピアスの装着時にはこれを開状態に保持す ることができ、 また、 ピアスの装着完了後は、 これを閉状態に常時保持すること ができるため、 装着が容易で、 しかも耳からの脱落等を効果的に防止できる。 なお、 板ばね 1 7 7を針対向側本体 1 7 4に取り付け、 逆にカム部 1 7 9を針 側本体 1 7 3に形成することもできる。 つまり、 針側本体 1 7 3と針対向側本体 1 74との一方に板ばね 1 77を、他方に力ム部 1 79を形成することができる。 また、 図 45及び図 46に示したような付勢力を反転させるタイプのばね部材 を、 例えば図 1の回動連結部 A、 図 1 0の回動連結部 B又は B' 、 図 1 1の回動 連結部 C、 図 20の回動連結部 D又は D' 、 図 25〜図 28の回動連結部 （76、 86、 96、 1 06) 、 図 34の回動連結部 （146) 、 図 42の回動連結部 （ 1 66) 等に採用することもできる。

以上、本発明のいくつかの実施例を説明したが、 これらは文字通り例示であり、 本発明はこれらの具体的な記載に限定して解釈されるものでは決してない。 本発 明は、 その請求の範囲を逸脱しない限りにおいて、 当業者の知識に基づく種々の 変更 ·改良等を施した態様で実施できることは言うまでもない。 産業上の利用可能性

この発明は、 ピアスの製造 ·販売等において利用することができる。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 耳たぶのピアス孔に挿入される針部と、 その針部が取り付けられた針側本体 と、その針部の前記ピアス孔から突出した部分に対向する針対向側本体とを備え、 前記針部により前記針側本体と針対向側本体を含むピアス本体が前記耳たぶに支 持されるピアスにおいて、

前記針部が前記針対向側本体に対し相対的に接近することにより前記針部がピ ァス孔から抜けることを阻止する閉位置に、 また前記針部が前記針対向側本体か ら相対的に離間することによりその針部がピアス孔から抜けることを許容する開 位置になるとともに、 その針部を前記閉位置に常に付勢しているばね部材が設ら れたことを特徴とするピアス。

2 . 耳たぶのピアス孔に揷入される針部と、 その針部が取り付けられた針側本体 と、 その針部の前記ピアスから突出した部分に対向する針対向側本体とを備え、 前記針部により前記針側本体と針対向側本体を含むピアス本体が前記耳たぶに支 持されたピアスにおいて、

前記針側本体は針対向本体に対し回動可能に連結され、 その回動によって、 前 記針部が前記針対向側本体に対し相対的に接近することにより前記針部がピアス 孔から抜けることを阻止する閉位置に、 また前記針部が前記針対向側本体から相 対的に離間することによりその針部がピアス孔から抜けることを許容する開位置 になるとともに、 前記針側本体を相対的に針対向側本体に接近する向きに回動さ せるように、 かつ前記針部を前記閉位置に常に付勢するばね部材が設けられたこ とを特徴とするピアス。

3 . 前記ばね部材は、 前記針部を前記閉位置に常に付勢し、 かつ前記針部が前記 針対向側本体から離れるほど大きな前記閉位置への復元力を付与している請求の 範囲第 1項又は第 2項に記載のピアス。

4 . 前記針側本体と針対向側本体とは、 両者を含む平面内で互いに接近 ·離間す るように、 その平面とほぼ直交する軸線のまわりに回動軸部において回動可能に 連結され、 前記平面内で前記針部の先端が前記針対向側本体に向かって前記ばね 部材により付勢されて前記閉位置に維持される請求の範囲第 2項又は第 3項に記 載のピアス。

5 . 前記針側本体と針対向側本体とは、 これら 2者を含む平面とほぼ直角な平面 内で互いに接近 ·離間するように、 前記 2者を含む平面とほぼ平行な軸線のまわ りに回動軸部において回動可能に連結され、 前記 2者を含む平面とほぼ直角な平 面内で前記針部の側面が横から前記針対向側本体に向って前記ばね部材により付 勢されて前記閉位置に維持される請求の範囲第 2項又は第 3項に記載のピアス。

6 . 前記閉位置において前記針側本体、 針对向側本体及び針部は全体として環状 の形態をなし、 それらの針側本体と針対向側本体の基端部が前記環状の形態の中 央で前記回動軸部により互いに回動可能に連結され、 前記ばね部材はその回動軸 部の近傍に設けられている請求の範囲第 2項ないし第 5項のいずれかに記載のピ ァス。

7 . 前記閉位置において前記針側本体、 針対向側本体及び針部は全体として環状 の形態をなし、その環状の形態の中央から外れた位置に前記回動軸部が形成され、 前記ばね部材はその回動軸部の近傍に設けられている請求の範囲第 2項ないし第 5項のいずれかに記載のピアス。

8 . 前記ばね部材は環状のねじり部を備えたねじりばねであり、 その両端からそ れぞれ腕部が突出する形態をなし、 前記針側本体と針対向側本体との回動軸部が そのねじり部を貫通し、 前記ばね部材の一方の腕部が針側本体に、 他方の腕部が 針対向側本体に所定のセット荷重を付与された状態で装着されている請求の範囲 第 2項ないし第 7項のいずれかに記載のピアス。

9 . 前記ばね部材は板ばねであり、 前記針側本体と針対向側本体との回動軸部を 跨ぐように所定のセット荷重で装着されている請求の範囲第 2項ないし第 7項の いずれかに記載のピアス。

1 0 . 前記針部材は前記針側本体の回動の自由端側に、 前記針対向側本体の側に 突出するように固定され、 前記閉位置においてその針部の先端が前記針対向側本 体に形成されたテーパ状の揷入孔の内壁面に前記ばね部材の付勢力で押し付けら れる請求の範囲第 2項ないし第 4項又は第 6項ないし第 9項のいずれかに記載の ピアス。

1 1 . 耳たぶのピアス孔に挿入される針部と、 その針部が取り付けられた針側本 体と、その針部の前記ピアスから突出した部分に対向する針対向側本体とを備え、 前記針部により前記針側本体と針対向側本体を含むピアス本体が前記耳たぶに支 持されるピアスにおいて、

前記針部は針側本体に対し回動可能に連結され、 針側本体と針対向側本体とは 互いに一体的なものとされ、 針部の回動によって、 前記針部が前記針対向側本体 に対し相対的に接近することにより前記針部がピアス孔から抜けることを阻止す る閉位置に、 また前記針部が前記針対向側本体から相対的に離間することにより その針部がピアス孔から抜けることを許容する開位置になるとともに、 前記針部 を相対的に針対向側本体に接近する向きに回動させるように、 かつ前記針部を前 記閉位置に常に付勢するばね部材が設けられたことを特徴とするピアス。

1 2 . 前記針側本体と針対向側本体との、 少なくとも表面の材質、 光沢、 色彩、 模様その他の意匠要素を互いに異なるものとし、 前記針側本体が耳たぶの表面又 は前方側に位置する第 1の装着状態と、 前記針対向側本体が耳たぶの表面又は前 方側に位置する第 2の装着状態とに選択使用が可能な請求の範囲第 1項ないし第 1 1項のいずれかに記載のピアス。

1 3 . 前記針部を前記ばね部材の付勢力に抗して前記開位置に拡げた状態で、 そ の開位置の状態を一時的に維持する固定手段が設けられている請求の範囲第 1項 ないし第 1 2項のいずれかに記載のピアス。

1 4 . 前記針部を前記閉位置に常時付勢するとともに、 前記針部が前記針対向側 本体から一定以上離れた中間位置ではその付勢力は中立となり、 前記針部がその 中間位置よりさらに開位置に寄った領域ではその針部を該開位置に向かって付勢 するばね部材が設けられ、 前記針部を前記閉位置から前記ばね部材の付勢力に抗 して前記中間位置を超えつつ、 前記針対向側本体から離間させれば、 該ばね部材 の付勢力の向きが前記閉位置から開位置へ向かうものとなって、 前記針部が開位 置に保たれる請求の範囲第 1項ないし第 1 3項のいずれかに記載のピアス。

1 5 . 互いに回動可能に連結された針側本体と針対向側本体との一方、 又は互い に回動可能に連結された針部と針側本体との一方に、 カム部が形成され、 他方に そのカム部に弾性的に押圧された板ばねその他のばね部材が設けられ、 そのばね 部材のカム部に対する相対的な押圧角度が変化することで前記付勢力の向きが変 わるようになっている請求の範囲第 1 4項に記載のピアス。