WO1999049833A1

WO1999049833A1 - Film couvrant pour la peau ou les cheveux

Info

Publication number: WO1999049833A1
Application number: PCT/JP1999/000660
Authority: WO
Inventors: Nobuya Sato; Michihide Yamauchi
Original assignee: Kao Corporation
Priority date: 1998-03-30
Filing date: 1999-02-16
Publication date: 1999-10-07
Also published as: EP1068853A4; EP1068853A1

Description

明細書皮膚又は毛髪用被覆シート技術分野

本発明は皮膚又は毛髪用被覆シー卜に関し、更に詳細には皮膚又は毛髪に対して有用な薬剤を効率的に皮膚又は毛髪に作用させることができ、かつ使用感の良好な皮膚又は毛髪用被覆シートに関する。背景技術

身体、特に皮膚又は毛髪に種々の薬剤を適用する場合の手段としては、直接塗布する手段やペースト状の薬剤を不織布などの基布に塗りそれを貼付する手段が一般的である。例えば、特開昭 6 2 - 2 8 6 9 0 8号公報にひまし油とみつろう等のヮックスを用いてゼリ一状にした皮膚外用美容促進剤が開示されている。しかしながら、このような形態では衣類に付いたり、使用後に肌に残ったりして使いにくいという問題がある。更に肌に貼り付けることを前提に粘着剤成分に美肌成分を含ませたパック剤が特開昭 5 5 - 9 2 3 0 6号に、同様に美白成分を含ませたパック剤が特開平 7— 2 5 8 0 6 0号に、皺除去剤を含ませたパック剤が特開平 9— 2 9 5 9 2 9号に開示されている。また、加熱柔軟化させたフィルムを顔面あるいは体の一部に貼り付け冷却固化して用いるパック被覆材が特開平 2 - 3 6 1 1 2号に開示されている。また、皮膚付着性の高いポリマーを用いることによる肌荒れ防止剤が特開平 9— 1 9 4 3 4 2号に開示されている。しかし、これらの発明はいずれも皮膚に接着させることを目的としていることから粘着成分が多く、皮膚に強く貼り付き違和感があったり、剝がす際の問題も多い。あるいは、剝がす際にフィルム（シート）強度が低いために皮膚上に破れたフィルム '―ト）を残してしまう場合もある。本発明の目的は、皮膚に対する接着性に伴なう問題がなく、かつ所定の薬剤を効率良く皮膚等の目的部位に供給し作用させることのできる新しい外用製剤を提供することにある。発明の開示

本発明者は、従来薬剤を効率良く皮膚に作用させるには、粘着層を形成させて皮膚に接着させることが前提となっていたが、全く意外にも熱可塑性樹脂シートに一定量の薬剤を含有せしめただけのシ一トが当該シートによる皮膚等の蒸らし効果により効率的に薬剤を皮膚等に作用させる効果に優れ、かつ剝がす際の問題等も解決できることを見出した。

すなわち、本発明は熱可塑性樹脂 (A) 1 0 0重量部に対し皮膚又は毛髪作用性薬剤（B ) を 0 . 0 1〜2 0 0重量部含有する皮膚又は毛髪用被覆シ一トを提供するものである。

また、本発明は上記のシ一トを皮膚又は毛髪を被覆することを特徴とする皮膚又は毛髪の局所への該薬剤（B ) の供給方法を提供するものである。発明を実施するための最良の形態

本発明における「シート」という用語は広い意味で用いられ、例えば厚さが 1 0 0 m以下の、通常フイルムと呼ばれるものや、不織布等の繊維集合体を含めたシ一ト状のものを含み、適用部位をその曲面に沿って覆うことのできる部材をいう。

本発明シートに使用される熱可塑性樹脂（A) としては、一般的な熱可塑性樹脂、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、極低密度ポリエチレンなどのポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ一 4—メチルペンテン— 1などのポリオレフィン樹脂；ェチレンー酢酸ビニル共重合体、エチレン—ビニルアルコール共重合体、エチレン—メチルメタクリレート共重合体、エチレン— ォレフィン共重合体等のポリオレフィンの変性樹脂あるいは共重合体； 6—ナイロン、 6 6—ナイロン等のポリアミド；ポリェチレンテレフ夕レート、ポリブチレンテレフ夕レート等のポリエステル；ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン及びこれらの変性樹脂あるいは共重合体、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリアクリレートなどを使用することができる。

特にシートに柔軟性を付与し、皮膚又は毛髪に対して良好なフィット性を与えるには、密度が 0. 920 gZcm³未満のエチレンーひォレフイン共重合体 (例えばシクロペンタジェニル触媒を用いたもの）、曲げ弾性率（ASTM— D 790により測定）が 5000 cN/cm²以下のポリプロピレン、重合段階からェチレン—プロピレンゴムを混合したもの（例えばモンテル社のキヤ夕 αィ等）などを用いるのが好ましい。

また熱可塑性エラストマ一（ΤΡΕ) として知られているものも使用することができる。例えば、ハードセグメントがポリスチレンであり、ソフトセグメントがポリブ夕ジェン、ポリイソプレン、ポリエチレン一ポリプチレンなどからなるスチレン系 ΤΡΕ ；ハードセグメント力くポリプロピレン、ソフトセグメン卜が EPDM、 EPMからなるォレフィン系 TPE ；ハードセグメントがポリウレ夕ン、ソフトセグメントがポリエーテル、ポリエステルからなるウレタン系 TPE ：ハードセグメントがポリエステル、ソフトセグメントがポリエーテル、ポリェステルからなるエステル系 TPE ；あるいは PVC系 TPE、ポリエチレンとブチルゴムからなるプチルゴムグラフトポリエチレン、 1, 2—シンジォク夕ティックポリブタジエンと非結晶性ポリブタジエンからなる 1， 2—ポリブタジエン、トランス 1， 4一ポリイソプレンと ^結晶ポリイソプレンからなるトランス 1， 4—ポリイソプレン、金属カルボキシレートクラス夕一と非結晶性ポリエチレンからなるアイオノマ一、ポリプロピレンと天然ゴムのブレンドでなる天然ゴム系 TPEを用いることができる。これら熱可塑性エラストマ一を配合すると、シートに柔軟性を付与し、皮膚又は毛髪に対して良好なフィット性を与えることができる。そのためには、樹脂

(A) 1 0 0重量部に対して熱可塑性エラストマ一を 1〜9 5重量部、特に 1 0 〜8 0重量部、更に 2 0〜6 0重量部配合するのが好ましい。

本発明に使用される薬剤（B ) としては、保湿剤、美白剤、紫外線吸収剤、瘦身剤、血行促進剤、収斂剤、抗炎症剤、しわ形成予防剤 ·改善剤、冷感剤、温感剤、脱毛剤、育毛剤、制毛剤、養毛剤などが挙げられる。

具体的には次のようなものである。

( 1 ) 天然油脂及びこれらを水素添加して得られる硬化油ゃグリセライド誘導体、例えば牛脂、牛乳脂、豚油、イワシ油、サバ油、マグロ油、サメ肝油、アマ二油、サフラワー油、ヒマヮリ油、大豆油、コーン油、落花生油、ゴマ油、ナ夕ネ油、オリ一ブ油、パ一ム油、パ一厶核油、ヤシ油、ひまし油等。

( 2 ) 中級及び高級脂肪酸、例えば酪酸、カブロン酸、力プリル酸、力プリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パノレミトレイン酸、ステアリン酸、ォレイン酸、リノール酸、リノレン酸、モロクチン酸、ァラキジン酸、エイコセン酸、ァラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ベへニン酸、エル力酸、ドコサぺン夕ェン酸、ドコサへキサェン酸、リグノセリン酸、セラコレン酸、イソステアリン酸等。

( 3 ) 上記（2 ) の高級脂肪酸とグリセリンあるいはポリグリセリンとのモノェステル、ジエステル等のエステル誘導体。

( 4 ) 前記（2 ) の高級脂肪酸を還元することにより得られる高級アルコール、例えばラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ォレイルアルコール等の高級アルコール及びそのエステル誘導体。

( 5 ) 流動パラフィン、パラフィン、ヮセリン、パラフィンマイクロクリスタリンワックス、セレシン、プリスタン、スクヮラン等の炭化水素類。

( 6 ) カルナバロウ、ミツロウ、ラノリン等のワックス類。 (7) セラミド及びその類似構造物質、コレステリルエステル、ビタミン類（例えばビタミン A、ビタミン B、ビタミン C、ビタミン D、ビタミン E及びその誘導体等）、ポリオキシプロピレン脂肪酸エステル、コレステロール。

(8) 生薬、漢方薬、ハーブ類、香料類、シリコーン類。

(9) 紫外線防止、吸収、防御剤、例えばべンゾフエノン系化合物、パラアミノ安息香酸系化合物、メトキシケィ皮酸系化合物、サリチル酸系化合物。また、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化鉄及びこれらの微粒子化処理物、シリコーン、ジルコニァ .アルミナなどによる表面処理、複合処理物。

これらの中から 1つ以上を選んで使用することができる。これら薬剤（B) のうち、（ 1 ) 〜（6) の油性成分が好ましい。更に、目的に応じて、（ 1 ) 〜 (6) と（7) 又は酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどの弱アルカリ性無機化合物を適量添加することもできる。

薬剤（B) の含量は、樹脂（A) 1 00重量部に対して 0. 0 1〜200重量部であるが、好ましくは 0. 1〜 1 00重量部、更に好ましくは 1〜 50重量部である。薬剤（B) が 0. 0 1重量部未満では、期待している効果を得ることができず、更に 200重量部を超えると、シートの高速製造が不安定となりやすい。本発明シートは、樹脂（A) 中に薬剤（B) を分散させてシート状にしたもので、対象部位を被覆したとき、必要量を被覆部位に供給できるようにしたものである。従って、従来の貼付剤に必須の粘着層を必要としない。

このようなシートは、例えば以下の方法により製造できる。

まず、樹脂（A) と薬剤（B) を混合する。それには、樹脂（A) を加熱溶融して薬剤（B) と混ぜ合わせても、樹脂（A) を所定の溶剤で溶解して薬剤 (B) と混ぜ合わせてもいずれでも良い。

シ一トは、 Tダイ、インフレーション、カレンダ一等による成形で、単層又は 2層以上の複層でフィルムあるいはシート化したものを所定の大きさあるいは形状にカットして用いることができる。また、スパンポンド、メルトブローなどの不織布を製造する過程においても樹脂（A) と薬剤（B ) とを樹脂（A) の溶融する温度以上で混練して不織布にすることができる。

また、高圧下では樹脂（A) と相容し、低圧下では相分離するような溶剤を用い、高圧下で樹脂（A) と薬剤（B ) とを混合したのち成形しても良い。この方法は、いわゆるフラッシュ紡糸繊維を作るときの方法であり、得られるシートは繊維集合体の形態を有し、通気性と防水性を有する。

上記方法で得た本発明シートは、適用部位を包帯あるいはバンテージで巻くように使用すると使いやすい。

例えば、シート表面を平滑にすると、本発明シート自体にシート間の密着力を発現させることができるため、肌、衣類には接着せず、身体をラッピングしてぴつたりと密閉し、皮膚表面からの水分蒸散を抑制することができ、蒸らし効果で少量の薬剤（B ) でも有効に経皮吸収させることができる。

このように適用する場合、シート間密着力は、 2 0 0 0 c NZ 4 cm²以上、特に 3 0 0 0 c N/ 4 cm²以上、更に 5 0 0 0 c NZ 4 cm²以上が好ましい。シ一ト間密着力は、 2 0 °Cで長さ 7 5腿、幅 2 O rnraのシ一トを互いに 4 cm²の面積を重ね、 4 0 0 gのゴム製ローラ一で 1 O cmZ s e cで 2往復の加重をかけた後、テンシロン（オリエンテック社製）によりせん断剝離強度を測定することにより求められる。

本発明シートに、樹脂（A) 自体が有する以上の密着力を持たせるためには、薬剤（B ) として、又はその他成分として各種油性成分を配合すれば良く、その種類と配合量により密着カをコントロールできる。

例えば、樹脂（A) に天然油脂及びこれらを水素添加して得られる硬化油ゃグリセライド誘導体、高級脂肪酸、高級アルコール及びそのエステル誘導体、高級脂肪酸とグリセリンあるいはポリグリセリンとのモノエステル、ジエステル等のエステル誘導体、炭化水素類等を添加すると、樹脂（A) は軟化されると共に高いシート間密着力を発現する。この発現した密着力は肌、衣類等には接着せずシート同士を密着させるには十分な効果を発揮する。また、上記油性成分によるコントロールの他に、樹脂密度を下げることによってもシ一ト間密着力を上げることが可能である。

また、形状の複雑な部位や可動部位に適用する場合には、シート自身の密着力に頼らないで、他の固定方法を用いても良い。例えばサボ一夕、手袋、靴下、ストツキング等を使用することにより、本発明シートを目的とする部位に有効に接触させることができる。

こうして使用するには、シートは、なるべく皮膚等にフイツ卜し、柔軟であるのが好ましい。そのような見地からすると、本発明シートの厚さは 5〜2 0 0 〃mが好ましく、特に 5〜1 0 0〃mがより好ましい。

更に、本発明シートが不織布形態の場合、その柔軟性は厚さよりも目付で表示した方が良く、目付は、 5〜2 0 0 g /m²、特に 5〜1 0 0 g Zm²が好ましい。この範囲内であれば、身体に対して形状追従性（密着性）が向上し、柔軟性も良好である。更に、このシートをベースに別の不織布や別のシート等を積層したり、複合化するなら、このシ一トの目付に対して積層あるいは複合するシートの目付を加えた目付になる。その際にはトータルの目付は本発明シ一卜の好ましい上限範囲より大きくなつても良い。

また、樹脂（A) のシートの柔軟性を高めるためには、前記のような熱可塑性エラストマ一や油性成分を加えたり、柔軟なポリオレフィン系樹脂を用いるのが好ましい。本発明シートは、柔軟性の尺度として 5 0 %以上伸長することが可能であり、その際の 5 0 %モジュラスが 1〜2 0 0 0 c NZ 1 0誦、特に 1 0〜 1 0 0 0 c N/ 1 0 mm, 更に 1 0〜5 0 0 c N/ 1 0腿であるのが、良好なフット性が得られ好ましい。

本発明シートは、皮膚又は毛髪を被覆して用いるが、皮膚等を痛めないために皮膚又は毛髪に対して非接着性であるのが好ましい。ここで非接着性とは、実質上皮膚等に接着しないこと、すなわち皮膚等を被覆した後剥離するときに特別な力を必要としないことを意味する。ただし、例えば複雑な形状の部位やほんの一部だけに使用する場合には、本発明の趣旨を損ねない範囲で粘着付与剤を配合して用いても良い。粘着付与剤としては、例えばロジン、ダンマル等の天然樹脂、ポリテルペン系樹脂、脂肪族系炭化水素樹脂など、高分子加工、別冊 8、粘着 (高分子刊行会、昭和 5 1年 7月 1 5日再版、第 1 0 5頁、表 1 ) に記載されているものなどを用いることができる。これらの中から 1種以上を用いることができ、その配合量は、肌を痛めないレベルに留めなければならない。そのためには、これら粘着付与剤はポリオレフィン系樹脂（A) 1 0 0重量部に対して 9 9重量部以下、特に 7 5重量部以下、更に 5 0重量部以下の配合に留めるのが好ましい。本発明シートは、薬剤（B ) が樹脂（A) のシートの内部及び表面に存在するため、身体に接する面と反対の面に存在する薬剤（B ) が身体の別な部位あるいは衣類等に付着しては困るようなときには、なんらかのバリア材を積層し、多層にすることができる。例えば、薬剤（B ) を含まない熱可塑性樹脂あるいは無機化合物薄膜によりバックコートしてもよいし、不織布を用し、て積層してもよい。樹脂（A) のシートをべ一スに不織布や別のシート等を積層したり、複合化する場合には、ト一タルの厚さは前記シ一卜の好ましい厚さの上限範囲より厚くなつても良い。

また、本発明シートは、 Ηϋϋ虫りをコントロールするために、エンボスなどにより賦形することも可能である。基本的なシート自体の厚さが上記 5〜 2 0 0 / m の範囲であれば、いかに賦形して嵩高にしても本発明の効果が損なわれることはない。

また本発明シー卜に適度に透湿性をもたせ、蒸らし感と爽快感を両立させるようにすることもできる。具体的には、比較的低い透湿性を有するエチレン—酢酸ビニル共重合体等の極性基を導入したェチレン系共重合体、高し、透湿度性を期待できるポリウレタン系エラストマ一、ポリエステル系エラストマ一を用いて単独あるいはブレンドすることにより透湿度をコントロールすることができる。また得られたシートに微孔を開ける方法も用いることができる。微孔を開ける方法については限定されないが、例えばレーザ一加工、特開平 4一 2 7 9 3 2 1号公報に開示されているような放電加工、無機フィラーを添加したのち延伸開孔する方法、熱したピンにより溶融させて開孔する方法などがある。

—方上記フラッシュ紡糸、メルトプロ一、スノンポンドなどによるシート（不織布）は通気性を有しているが、これらのシートの通気性をコントロールするためにロール等によりプレスして処理しても良レ、。実施例

実施例 1

樹脂（A ) として直鎖低密度ポリエチレン（三井化学社製、ウルトゼックス 1 5 1 0 0 ) 8 0重量部、極低密度ポリエチレン（日本ュニカー社製、 D F D B 9 0 4 2 ) 2 0重量部に、薬剤（B ) としてひまし油を 5重量部添加して 1 7 0 でで溶融状態で混練した。その後、 Tダイ成形機により 2 0 0 °Cで厚さ 3 0 m の本発明シ一トを得た。

実施例 2〜 1 5

実施例 1 と同様にして、表 1 〜 4に示す条件で本発明シートを製造した。

比較例 1

樹脂（A) として直鎖低密度ポリエチレン（三井化学社製、ウルトゼックス 1 5 1 0 0 ) にて厚さ 2 0〃mのシ一トを成形した。

試験例 1

上記のシートを用いて、被験者 5人により手の甲、かかと、ひざ、首において、実施例 1 〜 1 5及び比較例 1について各部位を 3 0分ラッピング又は貼付することにより使用感（密着性、フィット性、使用後のしっとり感、剥がしやすさ）を官能評価し、以下の基準で判定した。結果を表 1 〜 4に示す。

(判定基準） ( 1 ) 密着性：

前記の方法により、シート間密着力を測定した。

( 2 ) フイツト性：

「使用部位からのズレがなく、関節部の動きに対する追従性がある」と答えた被験者数により判定。

4人以上；良好。

3人以下；不良。

( 3 ) 使用後のしっとり感：

「使用した後の部位がしっとりしてレ、た、又はしわが少なくなつたことが観察される」と答えた被験者数により判定。

4人以上；良好。

3人以下；不良。

( 4 ) 剝がしゃすさ：

「皮膚への刺激感がなく、使用後のシート面に、はぎ取られた皮膚表層の一部あるいは体毛が観察されない」と答えた被験者数により判定。

4人以上；良好。

3人以下；不良。

表 1

tt 1 it H 2 日本ュニカー 3 ダウケミカル^、 it 4 三井デュポンネ; I ! tt 5 « 6 モンテル ¾Μ a 7 グランドポリマー ¾t¾

表 2

(配合

a l 三井化学 ¾¾k « 2 日本ュニカー社製、 a 3 ダウケミカル觀、お 5 住友化学社製、 S 7 グランドポリマー社製、 if 8 シェル化学社製表 3

(配合!

It 1 三匕学 it 3 ダウケミカル社製、 if 4 三井デュポン社製 it 5 東洋紡社

表 4

a l 三井化学ネ a 3 ダウケミカル tt 、お 4 三井デュポン s 5 東洋紡社;!

表 1〜4から明らかなように本発明シートは皮膚への密着性、フィット性が良好で、薬剤による皮膚のしっとり感に優れるとともに、皮膚への刺激感がなく、剝離時の皮膚へのダメージの少ないものであつた。

試験例 2

被験者の両腕を 3 0分間、 2 5で、湿度 5 0 %の雰囲気におき、この時点で両腕の角質水分量を皮膚表面の電気伝導度により測定した（高周波抵抗計、 S K I C O N— 2 0 0、ハママツ製）。次に薬剤としてオリーブ油 1 0重量部を用いる以外は実施例 1 と同様にして得たフィル厶で右腕を 1 5分間被覆し、次、でつィルムをはずし 1 5分後に再度右腕の角質水分量を測定した。また、対照として左腕に比較例 1のフィル

ムで被覆し、同様の測定を行った。得られた結果を表 5に示す。

表 5

表 5より、本発明シートにより被覆すれば、含有する薬剤の作用（表ではオリ —ブ油による保湿作用）が良好に発現されることがわかる。産業上の利用可能性

本発明シートは、上記の効果の他に、ラッピング使用した場合は以下の効果が発揮される。すなわち、ラッピングにより皮膚表面が密閉されるために、薬剤の浸透が早く、また、蒸らし効果により充分な経皮吸収が行われる。更に、ラッピングによる外的刺激からの防御、例えば皮膚にかゆみがあるときに、かきむしりによる荒れの防止が可能となる。

また、本発明シートは構成が簡単であるため、加工性に優れ、効率的に製造することができる。

Claims

請求の範囲

1. 熱可塑性樹脂（A) 1 0 0重量部に対し皮膚又は毛髪作用性薬剤（B) を 0. 0 1〜200重量部含有する皮膚又は毛髪用被覆シート。

2. 成分（A) と（B) を含有するシート以外に粘着層を有さないものである請求項 1記載のシート。

3. 成分（A)が、ポリオレフイン系樹脂である請求項 1又は 2記載のシート。

4. 成分（B) t、保湿剤、美白剤、紫外線吸収剤、瘦身剤、血行促進剤、収斂剤、抗炎症剤、しわ形成予防剤 ·改善剤、冷感剤、温感剤、脱毛剤、育毛剤、制毛剤及び養毛剤から選ばれるものである請求項 1又は 2記載のシート。

5. 熱可塑性樹脂（A) 1 0 0重量部に対し皮膚又は毛髪作用性薬剤（B) を 0. 0 1〜200重量部含有するシートで皮膚又は毛髪を被覆することを特徴とする皮膚又は毛髪の局所への該薬剤（B) の供給方法。