WO1999025659A1

WO1999025659A1 - Procede de bombage d'une plaque de verre, moule en couronne permettant le cintrage de la plaque, et appareil utilisant ledit moule

Info

Publication number: WO1999025659A1
Application number: PCT/JP1998/005224
Authority: WO
Inventors: Toshimi Yajima; Masahiro Tsuchiya; Hiroshi Yamakawa; Masahiko Kobayashi; Katsuki Saito
Original assignee: Asahi Glass Company Ltd.
Priority date: 1997-11-19
Filing date: 1998-11-19
Publication date: 1999-05-27
Also published as: JPH11157857A; EP0982271A1; US6357263B1; EP0982271A4

Description

明細書

ガラス板の曲げ成形方法、ガラス板の曲げ成形用リング型及びこれを用いた装置技術分野

本発明は、ガラス板を曲げ成形する方法と、ガラス板を曲げ成形するためのリング型及びこれを用いた装置に関する。特に、自動車のフロントガラス、リャガラス等に用いられるガラス板の曲げ成形方法、ガラス板を曲げ成形するためのリング型及びこれを用いた及び装置に関する。

背景技術

一般に、自動車の風防窓であるフロントガラス、リャガラス等には、自動車のデザイン上の理由から曲面形状のものが要求されている。こうしたフロントガラス、リャガラス等は、所定の形状に切出された平板状のガラス板（以下成形前ガラス板という）を曲げ成形したものである。

ここで、ガラス板を曲げ成形する装置における、成形用のリング型について説明する。リング型は、曲げ成形されたガラス板の最終形状（製品形状）の輪郭にほぼ一致するように湾曲している。そして、成形前ガラス板の周縁部をリング型で支持し、この状態でリング型を加熱炉内に搬入する。これにより、成形前ガラス板は曲げ成形温度まで加熱され、自重により下方に垂れ下がり、リング型に周縁部が沿うように湾曲し、所定の形状に曲げ成形される。

こうしたリング型の例として、特開昭 6 3 - 1 5 6 0 2 5号公報に開示されたリング型があげられる。このリング型は、ガラス板周縁部における中央部を支持する固定フレームと、この固定フレームに隣接して配された回動フレームとからなる。そして、回動フレームで成形前ガラス板の周縁側部を支持しながらリング型を加熱炉内に搬入する。成形前ガラス板が加熱軟化すると、成形前ガラス板の湾曲に伴い回動フレームが回動する。こうして、回動フレームと固定フレームとで所定の湾曲形状フレームが形成され、成形前ガラス板の周縁部が自重によりこのフレームに沿うように垂れ下がる。ガラス板の中央領域はリング型で支持されていないので、この部分は単純に自重により下方に垂れ下がる。

ところで、近年の自動車には、複雑な曲面形状を有するものが多く見られる。そのため、フロントガラス、リャガラス等にも、複雑な曲面形状が要求されている。例えば、中央領域が大きく曲がった形状のガラス板についての要求が高まつている。

このような形状のガラス板を曲げ成形するために、上記公報には、フレームの上方に配置されたプレス型をガラス板に押付ける構成が開示されている。プレス型を用いないと、ガラス板に与えられる曲がりを中央領域にのみ大きくすることが困難である。そのため、曲げ成形を補助するプレス型の使用が求められる。し力し、上記のプレス型を用いると、プレス型を別途用意する必要があり、機構が複雑になる。さらに、ガラス板に与えられる外力が増えることから、ガラス板の歪等の光学品質の劣化を招く。

他に、ガラス板を複雑な曲面に成形するときに用いられるリング型としては、例えば特開平 8— 1 8 3 6 2 5号公報に示されたものがある。このリング型は、第 1の成形フレームと第 2の成形フレームとを有する。第 1の成形フレームは、成形前ガラス板の周縁部を支持し、成形前ガラス板が曲げ成形温度まで加熱されたときに成形前ガラス板を湾曲させて中間ガラス板に成形する。第 2の成形フレームは、成形すべきガラス板の最終形状に対応した形状を有する。そして、第 2 の成形フレームにより中間ガラス板の周縁部を支持し、中間ガラス板の周縁部が第 2の成形フレームに沿うように垂れ下がることにより、ガラス板が所望の形状に曲げ成形される。 - このリング型を用いたガラス板の曲げ成形方法は、第 1の成形工程と第 2の成形工程とを有する。第 1の成形工程は以下の工程である。第 1の成形フレーム上に成形前ガラス板を载置し、この状態でリング型を加熱炉内に搬入してガラス板の曲げ成形温度まで加熱する。成形前ガラス板の周縁部が第 1の成形フレームに沿うように垂れ下がることにより、成形前ガラス板を中間ガラス板に成形する。第 2の成形工程は第 1の成形工程に続く以下の工程である。第 1の成形工程で成形された中間ガラス板を第 2の成形フレームに载せ替える。中間ガラス板の周縁部が第 2の成形フレームに沿うように垂れ下がることにより、中間ガラス板を曲げ成形する。こうして、複雑な曲面を有するガラス板が得られる。

ところで、特開平 8— 1 8 3 6 2 5号公報に開示されたリング型は、可動成形フレームが、リング型の中央線を軸として可動するものである。そのため、第 2 W 99/25659

3 の成形工程では、成形フレームの側部が中央線に対して上方に持ち上るように動く。その結果、リング型上でガラス板が跳ね上り易くなり、ガラス板の曲げ形状の精度の劣化や歪等の発生による光学品質の劣化を招く。

自動車用のガラス板は、通常短辺と長辺とを有する概略長方形状あるいは台形状を呈している。このような形状のガラス板を自重により曲げ成形する場合、長辺方向に曲がり易く短辺方向に曲がりにくレ、。そのため、上記 2つの公報等に開示された従来の手法では、短辺方向に十分な曲げ成形が困難であった。

そこで、短辺方向の曲がりを促進するためにこの部分への加熱を増大させることが提案されている。しカゝし、成形前ガラス板を加熱するときの温度分布を細かく調整する必要がある。そのために、特殊なヒータを多数用意する必要があり、制御の複雑化、コストの上昇を招くという問題がある。

本発明の目的は、上述した従来技術の問題点を解決することにあり、従来知られていなかったガラス板の曲げ成形方法、ガラス板を曲げ成形するためのリング型及びこれを用いた装置を提供することにある。

発明の開示

上述した課題を解決するために、本発明は、成形前ガラス板をリング型に載置して成形前ガラス板の周縁部をリング型で支持し、該リング型を加熱炉内に搬送してガラス板を曲げ成形する方法であって、成形前力'ラス板を曲げ成形温度まで加熱して成形前ガラス板を湾曲させて中間ガラス板に成形する第 1の成形工程と、成形すべきガラス板の最終形状に対応した成形面に中間ガラス板の周縁部を支持し、中間ガラス板を該成形面に沿って所定の曲げ形状のガラス板に成形する第 2の成形工程とからなるガラス板の曲げ成形方法において、第 1の成形工程では、成形前ガラス板のうちの短辺方向を湾曲させて中間ガラス板を成形し、第 2の成形工程では、さらに短辺方向を所定の湾曲面状に曲げ成形すると共に、長辺方向を曲げ成形することを特徴とするガラス板の曲げ成形方法を提供する。

また、本発明は、成形前ガラス板の周縁部を支持し、ガラス板を曲げ成形温度まで加熱する加熱炉内に成形前ガラス板が載置された状態で搬入されることにより、ガラス板を曲げ成形するためのリング型であって、前記成形前ガラス板が曲げ成形温度まで加熱されたときに成形前ガラス板を湾曲させて中間ガラス板に成形する第 1の成形フレームと、第 1の成形フレームにより成形された中間ガラス板の周縁部を最終形状に対応した成形面によって支持し、中間ガラス板を該成形面に沿って最終ガラス板に成形する第 2の成形フレームとを備えたガラス板の曲げ成形用リング型において、第 2の成形フレームは、固定的に設けられた固定フレームと、該固定フレームの長さ方向の両側に該固定フレームと分離して配設された回動フレームとから形成され、該各回動フレームは前記固定フレームとの分離位置から離間した中間位置を回動中心として回動可能であることを特徴とするガラス板の曲げ成形用リング型を提供する。

さらに、本発明は、成形前ガラス板を曲げ成形温度まで加熱する加熱炉と、成形前ガラス板の周縁部を支持しながら加熱炉内に搬入されてガラス板の軟化にともなう自重による垂れ下がりによりガラス板を曲げ成形する上記の曲げ成形用リング型とを備えたガラス板の曲げ成形装置を提供する。

図面の簡単な説明

図 1は、本発明のリング型を示す平面図である。

図 2は、本発明における第 1の成形フレームに成形前ガラス板を載置した状態を説明する、図 1中の矢示 II一 II方向から見た側面図である。

図 3は、本発明における第 1の成形フレームを上昇させた状態を説明する、図 1中の矢示 Π— II方向から見た側面図である。 - 図 4は、本発明における第 1の成形フレームを下降させ、第 2の成形フレームに中間ガラス板を載せ替えた状態を説明する、図 1中の矢示 II一 II方向から見た側面図である。

図 5は、本発明における第 2の成形フレームによって最終ガラス板を成形した状態を説明する、図 1中の矢示 II— II方向から見た側面図である。

図 6は、本発明のガラス板の曲げ成形装置の全体構成の一例を示す概略断面図である。

発明を実施するための最良の形態

以下、自動車のフロントガラスを成形する場合を例に挙げ、本発明のガラス板の曲げ成形装置を、図 1〜図 6に従って詳細に説明する。

リング型 1は、後述する基台 2、昇降台 1 2、第 1の成形フレーム 1 5、第 2 W

5 の成形フレーム 1 6等から構成されている。

基台 2は、ガラス板の長辺方向に延びる前梁 2 Aと、前梁 2 Aと平行にガラス板の長辺方向に延びる後梁 2 Bと、前梁 2 A、後粱 2 Bのそれぞれの両端に連結された左梁 2 C，右梁 2 Dとにより形成された長方形状の枠体である。なお、加熱炉内にリング型が搬送される際には、前梁 2 Aが進行方向前側になる。また、基台 2には、その四隅に案内軸 3， 3， …がガラス板面に垂直な方向（上下方向 ) に向かうように設けられている。各案内軸 3は、図 2に示すように後述する案内筒 1 3を介して昇降台 1 2を上下方向に案内するものである。

前梁 2 Aの端よりには、後述する回動フレーム 1 9， 2 0を支持する一対の支持台 4， 4が設けられている。さらに、前梁 2 Aの各支持台 4よりも中央側には、回動フレーム 1 9， 2 0の脚体 1 9 D , 2 0 Dが当接するストッパ 5， 5と、後述する前側固定フレーム 1 7を支持する支持台 6 , 6とが設けられている。各支持台 6は、各ストツバ 5の内側に位置する。同様に、後梁 2 Bには、回動フレ —ム 1 9， 2 0を支持する支持台 7， 7、回動フレーム 1 9， 2 0が当接するストツパ 8， 8、後側固定フレーム 1 8を支持する支持台 9， 9が設けられている支持台 4， 4上には、回動フレーム 1 9 , 2 0の前側を回動可能に支持するボールジョイント 1 0 A， 1 O Aが立設されている。支持台 7 , 7上には、回動フレーム 1 9， 2 0の後側を回動可能に支持するボールジョイント 1 0 B， 1 0 B が立設されている。

保持機構 1 1は、基台 2の各案内軸 3の近傍に設けられた昇降台保持機構である。各保持機構 1 1の主要構成部材は、上下方向に延びる角柱部 1 1 Aと、角柱部 1 1 Aの上側に回動可能にピン結合された回動部材 1 1 Bと、角柱部 1 1 Aの上面に固着され、回動部材 1 1 Bの回動位置を水平位置で規制するストツバ板 1 1 Cとである。回動部材 1 1 Bのピン結合位置は、先端側にずれた位置である。これにより、回動部材 1 1 Bが水平状態にあるときに、各保持機構 1 1の先端側で昇降台 1 2を保持して昇降台 1 2を上昇位置に位置決めする（図 2 ) 。一方、昇降台 1 2をさらに上昇させると、回動部材 1 1 Bの先端側が後述する支持突起 1 4から外れ、回動部材 1 1 Bの基端側が下方に回動して回動部材 1 1 Bが縦向きになる（図 3 ) 。こうして、図 4、図 5に示すように昇降台 1 2の下降が可能になる。

基台 2上に昇降可能に設けられた昇降台 1 2は、前梁 1 2 A、後梁 1 2 B、左梁 1 2 C , 右梁 1 2 Dによって、全体として基台 2とほぼ同様の長方形状の枠体に形成されている。昇降台 1 2の四隅には、各案内軸 3が挿通される案内筒 1 3 ， 1 3 , …が設けられている。また、昇降台 1 2には、各保持機構 1 1の回動部材 1 1 Bが水平状態のとき、回動部材 1 1 Bの先端に当接する支持突起 1 4， 1 4 , … （2個のみ図示）が設けらている。

第 1の成形フレーム 1 5は昇降台 1 2の内側に設けられている。第 1の成形フレーム 1 5は、図 1に示すように成形前ガラス板 2 2 (後述）の周縁形状に一致する、平坦な扇形状に形成されている。また、第 1の成形フレーム 1 5は、連結軸 1 5 A， 1 5 A, …によって昇降台 1 2に固定され、これにより昇降台 1 2と一緒に昇降する。

そして、第 1の成形フレーム 1 5は、成形前ガラス板 2 2の周縁部を支持することにより、成形前ガラス板 2 2がガラス板の曲げ成形温度まで加熱されたときに、中央領域が自重によって垂れ下が湾曲を許し、成形前ガラス板 2 2を平板形状と最終形状との間（図 3、図 4に示す状態）の中間ガラス板 2 3に成形するものである。 .

第 2の成形フレーム 1 6は基台 2の内側に設けられている。第 2の成形フレーム 1 6は、後述する前側固定フレーム 1 7、後側固定フレーム 1 8、左側回動フレーム 1 9、右側回動フレーム 2 0の 4部材から形成されている。第 2の成形フレームは、全体として第 1の成形フレーム 1 5よりも一回り小さい扇形状に形成されている。

前側固定フレーム 1 7は、基台 2の前梁 2 Aに設けられた支持台 6， 6に脚板 1 7 A, 1 7 Aを介して固定されている。前側固定フレーム 1 7は、上に凹形状となるように緩やかに湾曲している。

後側固定フレーム 1 8は、基台 2の後梁 2 Bに設けられた支持台 9 , 9に脚板 (図示せず）を介して固定されている。後側固定フレーム 1 8は、上に凹形状となるように緩やかに湾曲している。左側回動フレーム 1 9は、前側固定フレーム 1 7、後側固定フレーム 1 8の左側に、これらと分離して設けられている。左側回動フレーム 1 9は、前側フレーム部 1 9 Aと後側フレーム部 1 9 Bと左側フレーム部 1 9 Cとから形成されている。前側フレーム部 1 9 Aは、前側固定フレーム 1 7の湾曲形状に連続可能に緩やかに湾曲している。後側フレーム部 1 9 Bは、後側固定フレーム 1 8の湾曲形状に連続可能に緩やかに湾曲している。左側フレーム部 1 9 Cは、上に凹形状となるように緩やかに湾曲していて、前側フレーム部 1 9 Aと後側フレーム部 1 9 Bとを接続するように前後方向に伸長している。こうして、左側回動フレーム 1 9は全体としてほぼコ字状に形成されている。

前側フレーム部 1 9 A、後側フレーム部 1 9 Bには、支持台 4 , 7上に設けられたボールジョイント 1 O A, 1 0 Bがそれぞれ連結されている。ここで、前側のボールジョイント 1 0 Aの連結位置は、前側固定フレーム 1 7の分離位置から寸法 1離間した中間位置に配置されている。後側のボールジョイント 1 0 Bの連結位置は、後側固定フレーム 1 8との分離位置から寸法 L 2離間した中間位置に配置されている。これにより、左側回動フレーム 1 9は、ボールジョイント 1 O A, 1 0 Bの連結位置を回動中心としてシーソのように回動自在となっている前側フレーム部 1 9 Aの前側固定フレーム 1 7側には、脚体 1 9 Dが設けられている。脚体 1 9 Dは、基台 2の前梁 2 Aに設けられたストッパ 5に当接する。後側フレーム部 1 9 Bの後側固定フレーム 1 8側には、脚体 1 9 Eが設けられている。脚体 1 9 Eは、基台 2の後梁 2 Bに設けられたストツバ 8に当接する。そして、前側の脚体 1 9 Dがストッノ、° 5に当接し、後側の脚体 1 9 Eがストッパ 8 に当接した状態で、前側フレーム部 1 9 Aが前側固定フレーム 1 7に連続する位置に位置決めされると共に、後側フレーム部 1 9 Bが後側固定フレーム 1 8に連続する位置に位置決めされる。

右側回動フレーム 2 0は、前側固定フレーム 1 7、後側固定フレーム 1 8の右側に、これらと分離して設けられている。右側回動フレーム 2 0は、前述した左側回動フレーム 1 9とほぼ同様に、前側フレーム部 2 0 A、後側フレ一ム部 2 0 B、右側フレーム部 2 0 Cとにより、全体としてほぼコ字状に形成されている。前側フレーム部 2 0 A、後側フレーム部 2 0 Bには、支持台 4 , 7上に設けられたボールジョイント 1 O A, 1 0 Bがそれぞれ連結されている。ここで、前側のボールジョイント 1 0 Aの連結位置は、前側固定フレーム 1 Ίの分離位置から寸法 L 1離間した中間位置に配置されている。後側のボールジョイント 1 0 Bの連結位置は、後側固定フレーム 1 8との分離位置から寸法 L 2離間した中間位置に配置されている。これにより、右側回動フレーム 2 0は、ボールジョイント 1 O A, 1 0 Bの連結位置を回動中心としてシーソのように回動自在となっている前側フレーム部 2 O Aの前側固定フレーム 1 7側には、脚体 2 0 Dが設けられている。脚体 2 0 Dは、基台 2の前梁 2 Aに設けられたストツバ 5に当接する。後側フレーム部 2 0 Bの後側固定フレーム 1 8側には、脚体 2 0 Eが設けられている。脚体 2 0 Eは、基台 2の後梁 2 Bに設けられたストツバ 8に当接する。そして、前側の脚体 2 0 Dがストッパ 5に当接し、後側の脚体 2 0 Eがストッパ 8 に当接した状態で、前側フレーム部 2 0 Aが前側固定フレーム 1 7に連続する位置に位置決めされると共に、後側フレーム部 2 0 Bが後側固定フレーム 1 8に連続する位置に位置決めされる。

第 2の成形フレーム 1 6は、前側固定フレーム 1 7、後側固定フレーム 1 8、左側回動フレーム 1 9、右側回動フレーム 2 0が連続した状態において、図 5に示すようにそれぞれの上面によって最終ガラス板 2 4の周縁部にほぼ一致する成形面 2 1を形成する。

なお、通常リング型を用いてガラス板を曲げ成形してフロントガラスを得る場合、ガラス板を加熱して曲げ成形した後、徐冷する工程を追加する。この徐冷ェ程でも、まだガラス板が高温にあると、若干の垂れ下がりが発生する。一方、ガラス板が冷えることによる収縮により、ガラス板の曲げ形状が若干変わることもある。こうした事情を考慮し、第 2の成形フレームにより形成される成形面は、最終的に得ようとするガラス板の曲げ形状と若干異なることがある。上記の「ほぼ」は、こうした事情が加味された結果用いられた語句である。また、こうした事情があることから、本発明において「最終ガラス板」は、徐冷工程に入る直前の形状のガラス板と最終的に得ようとする所望の曲げ形状のガラス板との区別をせずに用いている語句である。

第 2の成形フレーム 1 6に中間ガラス板 2 3が載置されるときには、回動フレーム 1 9 , 2 0を中間ガラス板 2 3に沿って回動させることにより、中間ガラス板 2 3を前側フレーム部 1 9 A， 2 O A、後側フレーム部 1 9 B， 2 0 Bの先端と、左，右のフレーム部 1 9 C， 2 0 Cとで安定して支持することができる（図 4 ) 。

そして、中間ガラス板 2 3の自重による垂れ下がりによって湾曲量が増大すると、この湾曲量の増大に応じてフレーム部 1 9 A, 1 9 B , 2 O A, 2 0 Bの固定フレーム 1 7 , 1 8側が自動的に下がる。最終的に、フレーム部 1 9 A, 1 9 B , 2 0 A, 2 0 Bの固定フレーム 1 7， 1 8側が固定フレーム 1 7 , 1 8に連続する位置に位置決めされる。このときに形成される成形面 2 1によって、最終ガラス板 2 4を成形するものである（図 5 ) 。

次に、このリング型 1を用いたガラス板の曲げ成形方法について説明する。図 6に示すように、成形前ガラス板 2 2は台車 3 2等の適宜の搬送手段上に設けられたリング型 1上に载置される。そして、リング型 1が加熱炉 3 0内に搬送されることによってガラス板が加熱され、リング型 1のガラス板を支持している部分の形状にガラス板の周縁部がならうように曲げ成形される。概略として、図中 A ゾーンにて第 1の成形工程が行われ、 Bゾーンにて第 2の成形工程が行われる。また、 3 1は加熱ゾーンを、 3 3は徐冷ゾーンを、 3 4は加熱炉 3 0内と外とを隔離し、リング型 1の搬入、搬出に伴い開閉する扉である。なお、図 6は装置全体の概要を示す略図であることから、リング型 1は簡略化してある。以下、詳細を説明する。

まず、準備作業とし、図 2に示すように各昇降台保持機構 1 1の回動部材 1 1 Bを水平状態とする。そして、回動部材 1 1 B上に支持突起 1 4を介して昇降台 1 2を載せ、昇降台 1 2と一緒に第 1の成形フレーム 1 5を上昇位置に位置決めする。この状態では、第 1の成形フレーム 1 5が第 2の成形フレーム 1 6よりも上側に配置されている。

次に、第 1の成形フレーム 1 5に周縁形状が一致する扇形状に切出した成形前ガラス板 2 2を、第 1の成形フレーム 1 5上に载置する。そして、基台ごと成形前ガラス板 2 2を加熱炉内に搬入し、成形前ガラス板 2 2を曲げ成形温度まで加熱する。これにより、成形前ガラス板 2 2は、図 3に示すように軟化して自重により中央領域が垂れ下がるように湾曲し、中間ガラス板 2 3となる。これが第 1 の成形工程である。

次に、第 2の成形工程について説明する。第 2の成形工程では、まず、第 1の成形工程により得られた中間ガラス板 2 3を、第 2の成形フレーム 1 6上に載せ替える。この場合に、図 3に示すように、基台 2に対して昇降台 1 2を上側に移動し、各昇降台保持機構 1 1の回動部材 1 1 Bを縦向きに回動させる。そして、図 4に示すように、昇降台 1 2を下向きに移動させて下降位置に配置し、第 1の成形フレーム 1 5を第 2の成形フレーム 1 6よりも下げる。こうして、中間ガラス板 2 3を第 1の成形フレーム 1 5から第 2の成形フレーム 1 6に载せ替えることができる。

また、中間ガラス板 2 3を第 1の成形フレーム 1 5から第 2の成形フレーム 1 6に載せ替えるときには、まず、中間ガラス板 2 3を左，右の回動フレーム 1 9 , 2 0により支持しする。その後、中間ガラス板 2 3の重量によって左，右の回動フレーム 1 9 , 2 0が回動し、回動フレーム 1 9， 2 0が中間ガラス板 2 3に沿う状態で中間ガラス板 2 3を支持するようになる。このため、軟化した中間ガラス板 2 3を第 2の成形フレーム 1 6上に載置するときに、中間ガラス板 2 3の荷重をほぼ均一に受承することができる。

'次に、第 2の成形フレーム 1 6上に載置された中間ガラス板 2 3を自重によつてさらに垂れ下がるように湾曲させる。このときには、中間ガラス板 2 3の湾曲量に応じ、基台 2に設けられたストツバ 5 , 8に脚体 1 9 D， 2 0 Dが当接するまで回動フレーム 1 9， 2 0が自動的に回動する。そして、脚体 1 9 D， 2 0 D がストッパ 5， 8に当接した状態で、第 2の成形フレーム 1 6に成形面 2 1が形成される。こうして、中間ガラス板 2 3はこの成形面 2 1に沿って最終ガラス板 2 4に成形される。

こうして成形された最終ガラス板 2 4は、例えば自動車のフロントガラスとして用いられ、自動車の車体に取付けられる。

従って、本実施の形態によれば、第 1の成形フレーム 1 5から第 2の成形フレーム 1 6に中間ガラス板 2 3を載せ替えるときに、第 2の成形フレーム 1 6の回動フレーム 1 9， 2 0により、中間ガラス板 2 3の荷重をほぼ均一に受承することができる。この結果、最終ガラス板 2 4を左，右対象な形状に成形することができ、また、歪等の発生を抑えて光学的品質を向上することができる。こうして、リング型 1に対する信頼性が向上する。

第 1の成形フレーム 1 5によって中間ガラス板 2 3を成形し、第 2の成形フレーム 1 6によって最終ガラス板 2 4を成形することにより、従来技術のように特殊なヒータを多数用意してガラス板の温度分布を細かく調整することなく、複雑な形状の最終ガラス板 2 4を成形することができる。従って、温度制御の簡略化、コストの低減を図ることができる。

第 1の成形フレーム 1 5は、昇降台 1 2と一緒に上下方向に移動可能に設けられている。また、第 1の成形フレーム 1 5等は、各昇降台保持機構 1 1により上昇位置と下降位置とに位置決め可能である。これにより、簡単な構成、操作によつて第 1の成形フレーム 1 5から第 2の成形フレーム 1 6に中間ガラス板 2 3を載せ替えることができる。

なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。例えば、上記の実施の形態では、 1枚の成形前ガラス板 2 2を加熱曲げ成形する場合を例に挙げて説明した。他に、合せガラス用の 2枚の成形前ガラス板を重ねてリング型 1に載置することにより、 2枚同時に曲げ成形することもできる。

また、上記実施の形態では、第 1の成形フレーム 1 5を平坦な扇形状体に形成している。これに替えて、第 1の成形フレーム 1 5を、第 2の成形フレーム 1 6 に比較し、緩やかな曲面をもって凹湾曲させてなる扇形状体として形成してもよレ、。特に、第 1の成形フレーム 1 5のうち、短辺を上に凹形状となる湾曲状とすることは好ましい。これにより、第 1の成形工程において、短辺方向を湾曲させることになる（湾曲の軸は長辺方向である）。このように、まず短辺方向を湾曲させることが好ましい理由は、次の通りである。それは、長辺部と短辺部とを有するガラス板を自重曲げ成形する場合、長辺方向の方が短辺方向に比べて曲がり易いからである。そして、第 1の成形フレーム 1 5のうちの短辺を湾曲形状とすることによって、一連のガラス板の曲げ成形工程において、ガラス板の短辺方向への曲げを長辺方向の曲げよりも積極的に与えることができる。

上記実施の形態では、第 1の成形フレーム 1 5を外側に、第 2の成形フレーム 1 6を内側に配置している。これに替えて、第 1の成形フレーム 1 5を内側に、第 2の成形フレーム 1 6を外側に配置してもよい。

上記実施の形態では、昇降台支持機構 1 1を用いて昇降台 1 2を上昇位置と下降位置とに位置決めしている。他の例として、カム機構、ボールねじ等を用いて昇降台 1 2を上昇位置と下降位置とに位置決めすることもできる。

上記実施の形態では、第 2の成形フレーム 1 6を基台 2に固定的に設け、第 1 の成形フレーム 1 5を昇降台 1 2と一緒に上下方向に移動可能に設けている。本発明はこれに限らず、第 1の成形フレーム 1 5を基台 2に固定し、第 2の成形フレーム 1 6を昇降台 1 2と一緒に上下方向に移動する構成としてもよレ、。

一方、上記実施の形態では、リング型 1によって成形された最終ガラス板 2 4 を自動車のフロントガラスとして用いた場合を例示した。これに替えて、例えば、最終ガラス板を自動車のリャガラス、建築物窓のガラスに用いることもできる。この場合には、最終ガラス板の形状に従って第 1の成形フレーム、第 2の成形フレーム、成形前ガラス板等の形状を適宜変更することにより対応することができる。なお、本発明においては、リング型を加熱炉内に搬送させて、ガラス板の自重による垂れ下がりを利用してガラス板を曲げ成形する。そのため、自動車のフロントガラス用のガラス板を曲げ成形する際に、本発明の曲げ成形方法及び装置を適用させることが好適である。

産業上の利用の可能性

以上詳述した如く、本発明によれば、第 1の成形工程にて、まず短辺方向をある程度曲げ成形した後に、第 2の成形工程にて短辺方向を所定の曲げ形状まで成形すると共に、長辺方向の曲げ成形を行なうことができる。これによつて、構造上曲げ成形のしにくかったガラス板の短辺方向の曲がりを促進でき、ガラス板を短辺、長辺双方向について所望の曲げ形状に成形できる。しかも、第 1の曲げ成形工程を十分な時間をかけて行なうことによって、中央領域の自重垂れ下がりを大きくできるので、中央領域が大きく曲がった形状のガラス板を得ることができる。また、本発明によれば、成形前ガラス板を第 1の成形フレーム上に載置し、この状態で加熱炉内にリング型を搬入して成形前ガラス板を軟化させることにより、第 1の成形フレーム上の成形前ガラス板を中央領域が自重により垂れ下がって湾曲した中間ガラス板に成形できる。次に、中間ガラス板を第 1の成形フレームから第 2の成形フレーム上に載せ替えるときには、中間ガラス板を各回動フレームによって均等に支持することにより、中間ガラス板に作用する荷重を均一にできる。さらに、第 2の成形フレームの回動フレームの回動中心を、固定フレームから離間した位置に設けてあるので、回動フレームの回動時にリング型上でガラス板が跳ね上りにくくなり、ガラス板の曲げ成形形状の精度や歪等の光学品質の劣化を防止できる。

特に、第 1の成形フレームと第 2の成形フレームとを相対的に上下方向に移動させ、第 1の成形フレームよりも第 2の成形フレームを上側に配置することにより、以下の効果が得られる。即ち、第 2の成形フレーム上に中間ガラス板を載置することができ、第 1の成形フレーム上に载置された中間ガラス板を第 2の成形フレーム上に容易に載せ替えることができ、構成の簡略化、コストの低減を図ることができる。

さらに、第 1の成形工程にてまず短辺方向をある程度曲げ成形できるように、第 1の成形フレームのガラス板の短辺側を支持する辺を上に凹形状に湾曲させることにより、以下の効果が得られる。即ち、第 1の成形工程にて、まず短辺方向をある程度曲げ成形した後に、第 2の成形工程にて短辺方向を所定の曲げ形状まで成形すると共に、長辺方向の曲げ成形を行なうことができる。これによつて、構造上曲げ成形のしにくかったガラス板の短辺方向の曲がりを促進でき、ガラス板を短辺、長辺双方向について所望の曲げ形状に成形できる。しかも、第 1の曲げ成形工程を十分な時間をかけて行なうことによって、中央領域の自重垂れ下がりを大きくできるので、中央領域が大きく曲がった形状のガラス板を得ることができる。

Claims

請求の範囲

1 . 成形前ガラス板をリング型に載置して成形前ガラス板の周縁部をリング型で支持し、該リング型を加熱炉内に搬送してガラス板を曲げ成形する方法であつて、成形前ガラス板を曲げ成形温度まで加熱して成形前ガラス板を湾曲させて中間ガラス板に成形する第 1の成形工程と、成形すべきガラス板の最終形状に対応した成形面に中間ガラス板の周縁部を支持し、中間ガラス板を該成形面に沿つて所定の曲げ形状のガラス板に成形する第 2の成形工程とからなるガラス板の曲げ成形方法において、

第 1の成形工程では、成形前ガラス板のうちの短辺方向を湾曲させて中間ガラス板を成形し、第 2の成形工程では、さらに短辺方向を所定の湾曲面状に曲げ成形すると共に、長辺方向を曲げ成形することを特徴とするガラス板の曲げ成形方法。

2 . 前記リング型として、成形前ガラス板を湾曲させて中間ガラス板に成形する第 1の成形フレームと、成形すべきガラス板の最終形状に対応した成形面に中間ガラス板の周縁部を支持し、中間ガラス板を該成形面に沿って所定の曲げ形状のガラス板に成形する第 2の成形フレームとを有するリング型を用いるとともに、第 1の成形フレームとして、ガラス板の長辺を支持する辺がほぼ平坦であり、ガラス板の短辺を支持する辺が上に凹形状に湾曲している成形フレームを用い、第 2の成形フレームとして、固定的に設けられた固定フレームと、該固定フレームの長さ方 ·向の両側に該固定フレームと分離して配設された回動フレームとから形成され、該各回動フレームは前記固定フレームとの分離位置から離間した中間位置を回動中心として回動可能である成形フレームを用いることを特徴とする請求項 1に記載のガラス板の曲げ成形方法。

3 . 第 1の工程と第 2の工程との間で、第 1の成形フレーム及び第 2の成形フレームのうちの少なくとも一方を上下動させて、第 1の成形フレーム上の中間ガラス板を第 2の成形フレーム上に載せ替えることを特徴とする請求項 2に記載のガラス板の曲げ成形方法。

4 . 成形前ガラス板の周縁部を支持し、ガラス板を曲げ成形温度まで加熱する加熱炉内に成形前ガラス板が載置された状態で搬入されることにより、ガラス板を曲げ成形するためのリング型であって、前記成形前ガラス板が曲げ成形温度まで加熱されたときに成形前ガラス板を湾曲させて中間ガラス板に成形する第 1の成形フレームと、第 1の成形フレームにより成形された中間ガラス板の周縁部を最終形状に対応した成形面によって支持し、中間ガラス板を該成形面に沿って最終ガラス板に成形する第 2の成形フレームとを備えたガラス板の曲げ成形用リング型において、

第 2の成形フレームは、固定的に設けられた固定フレームと、該固定フレームの長さ方向の両側に該固定フレームと分離して配設された回動フレームとから形成され、該各回動フレームは前記固定フレームとの分離位置から離間した中間位置を回動中心として回動可能であることを特徴とするガラス板の曲げ成形用リング型。

5 . 第 1の成形フレーム及び第 2の成形フレームのうちの少なくとも一方は上下動可能であり、第 1の成形フレームと第 2の成形フレームとが相対的に移動することにより、第 1の成形フレーム上の中間ガラス板を第 2の成形フレーム上に載せ替える構成としてなることを特徴とする請求項 4に記載のガラス板の曲げ成形用リング型。

6 . 第 1の成形フレームは、ガラス板の長辺を支持する辺がほぼ平坦であり、ガラス板の短辺を支持する辺が上に凹形状に湾曲していることを特徴とする請求項 4または 5に記載のガラス板の曲げ成形用リング型。

7 . 第 1の成形フレームは、成形前ガラス板の周縁形状に概略一致する平坦な枠形状を有することを特徴とする請求項 4または 5に記載のガラス板の曲げ成形用リング型。

8 . 成形前ガラス板を曲げ成形温度まで加熱する加熱炉と、成形前ガラス板の周縁部を支持しながら加熱炉内に搬入されてガラス板の軟化にともなう自重による垂れ下がりによりガラス板を曲げ成形するリング型とを備えたガラス板の曲げ成形装置において、前記リング型が請求項 4〜 7のいずれかに記載のガラス板の曲げ成形用リング型であることを特徴とするガラス板の曲げ成形装置。