明細書 力ルバぺネムの製造に有用な中間体とその立体選択的製造方法 産業上の利用分野
本発明は抗菌剤として有用な力ルバぺネム誘導体の製造に有用な中間体および その製造方法に関する。 従来の技術
力ルバぺネム系抗生物質は 1 9 7 6年のチェナマイシンの発見以来、 数多くの 化合物の合成研究が行われている。 近年、 力ルバぺネム骨格の 2位に、 2 _置換 ピロリジン一 4一チォ基を有するカルペネム誘導体の研究が多く見られ、 なかで も Drugs of the Future 1996, 21(4) :361-365 には緑膿菌 (p. aeruginosa) に対 して優れた抗菌力を示す下記力ルバぺネム誘導体が開示されている。
また関連誘導体が特開平 8 — 7 3 4 6 2号公報に開示されている。
これらの報告に見られる力ルバぺネム誘導体の製造は力ルバぺネム骨格の反応 性誘導体と光学活性なピ口リジン -4-チオール誘導体(ΥΙΠ)
(式中、 PNZは p-ニトロベンジルォキシカルポ二ル基を意味する。 ) との縮合によ つて行われているが、 光学活性な該ピロリジン- 4-チオール綉導体(VI I I )は下記反 応式に示す方法で製造されている。
TBDMSO
N- Boc
' N 、CHO
I
Boc
第一工程
第二工程
第三工程脱 Bcc化 第四工程 PNZ化 第五工程 脱 TBDMSO化 第六工程 メシル化 第七工程 ァセチルチオ化 第八工程 脱ァセチル化
(式中、 Bocは卜ブトキシカルボニル基を、 PNZは P-ニトロべンジルォキシカルボ ニル基を、 TBDMSは卜プチルジメチルシリル基を意味する。 )
しかし、 開示されている方法では第一工程で不必要な配位のジァステレオマ一 も生成するので、 目的の配位のジァステレオマーのみを得るためには工業的に次 のような不利な点がある。 1 ) 不必要な配位のジァステレオマ一を分離除去しな ければならない。 2 ) 目的の配位を有するジァステレオマ一の収率が低下する。 本発明の開示
本発明はこれらを克服すること、 即ち、 目的の配位を有するジァステレオマ一 のみを選択的に、 収率よく製造することである。
鋭意検討の結果、 以下に示す様な立体選択的なピロリジン一 4ーチオール誘導 体の製造方法が、 上記問題点を解決することを見いだし本発明を完成した。
即ち、 本発明は、 一般式(I I I )
(式中、 《'は低級アルキルスルホニル基又は置換基を有していてもよいァリ一ル スルホニル基、 又はアルキルシリル基を、 R 2はァミノ基の保護基を意味する。 ) で示される(2 S, 4R) -ピロリジン- 2-カルバルデヒ ド誘導体に、 一般式(I V)
0
Y- (CH2)m人'
I X
(IV)
(式中、 R 3は置換又は非置換低級アルキル基、 又はァリール基を意味し、 Xは酸素
原子または硫黄原子を意味し、 Yはアジド基又はニトロ基を意味する, mは 2ないし 5の整数を意味する。 ) で示される(4R〉-3-(o>-置換アルカノィル) ォキサゾリジ ン- 2-オン (またはチアゾリジン- 2-チオン) 锈導体を作用させて、 一般式(I)
(式中、 R1は低級アルキルスルホニル基又は置換基を有していてもよいァリール スルホニル基、 又はアルキルシリル基を、 R2はァミノ基の保 91基を、 R3は置換又 は非置換低級アルキル基、 又はァリール基を意味し、 Xは酸素原子または硫黄原子 を意味し、 Yはアジド基またはニトロ基を意味する。 nは 1ないし 4の整数を意味す る。 ) で示される(4R)-[3- [2- (ω -置換アルキル)- 3-00-ヒドロキシ-卜ォキソ -3 -(2S, 4R)- 2-ピロリジニル]プロ'ビル]ォキサゾリジン- 2-オン (またはチアゾリジ ン -2 -チオン) 锈導体とし、 アジド基又はニトロ基を還元して一般式(Υ)
(式中、 R'は低級アルキルスルホニル基又は置換基を有していてもよいァリール スルホニル基、 又はアルキルシリル基を、 R
2はァミノ基の保護基を意味する。 ηは 1ないし 4の整数を意味する。 ) で示される(3S)- [[(R)-ヒ ドロキシ-(2S, 4R)- 2-ピ ロリジニル〗メチル]ラク夕ム誘導体を得、 生成した環状アミ ドの ΝΗ基を保" する かあるいはそのままでカルボ二ル基を還元して一般式(Υ I )
(式中、 R'は低級アルキルスルホニル基又は S換基を有していてもよいァリール スルホニル基、 又はアルキルシリル基を、 R2はァミノ基の保護基を意味し、 R<は 水素原子又はアミノ基の保護基を意味し、 nは 1ないし 4の整数を意味する。 ) で示 される(2S, 4R)- 2- [〔(10-ヒ ドロキシ-(3R)-サイクリックアミン- 3-ィル]メチル]ビ 口リジン誘導体に導き、 R1がアルキルシリル基の場合はこのアルキルシリル基を 選択的に脱離した後, 低級アルキルスルホニル基又は置換基を有していてもよい ァリ一ルスルホニル基に変換後、 ァシルチオ化することを特徵とする一般式(ΥΙΙ)
(式中、 R2はァミノ基の保護基を、 R<は水素原子又はアミノ基の保護基を、 Rsは ァシル基を意味し、 nは 1ないし 4の整数を意味する„ ) で示される(2S, 4S)- 2- [ [(R)-ヒ ド口キシ-(3R)-サイクリックアミン -3-ィル]メチル〕-4-ァシルチオビ口リ ジン誘導体とし、 次に保護基を脱離することを特徴とする一般式(II)
(式中、 nは 1ないし 4の整数を意味する。 ) で示される(2S, 4S)- 2- [[(R)-ヒ ド.ロキ
シ-(3R) _サイクリックアミン- 3-ィル]メチル]ピロリジン- 4-チオール又はその塩 の製造方法。 さらに新規な中間体である(4R) - [3- [2- ( ω -置換アルキル)- 3- (R) -ヒ ドロキシ-卜ォキソ -3- (2S, 4R) - 2-ピロリジニル]プロピル]ォキサゾリジン- 2-オン (またはチアゾリジン- 2-チオン) 誘導体および(2S, 4S) - 2- [ [ (R) -ヒ ドロキシ-(3 R) -サイクリ ックアミン- 3-ィル]メチル]ピロリジン- 4-チオール又はその塩に関す る。
新規な中間体である(2S, 4S) - 2- [ [ (R) -ヒドロキシ-(3R) -サイクリ ックアミン- 3 -ィル]メチル]ピロリジン- 4-チオールは酸の存在下に塩を形成しうるがその塩も 本発明に含まれることは言うまでもない。 塩として塩酸塩、 臭化水素酸塩、 ヨウ 化水素酸塩、 硫酸塩、 硝酸塩、 リン酸塩、 トリフロロ酸塩あるいはメタンスルホ ン酸塩、 P-トルエンスルホン酸塩などのスルホン酸塩を挙げることができる。 本発明において、 R 1の定義に見られる低級アルキルスルホニル基とはメチルス ルホニル基、 ェチルスルホニル基、 プロビルスルホ二ル基等を意味し、 ァリール スルホニル基とはフェニールスルホニル基、 P-トルエンスルホニル基等を意味す る。 又、 R1の定義に見られるアルキルシリル基とはトリメチルシリル基、 トリェ チルシリル基、 イソプロピルジメチルシリル基、 卜プチルジメチルシリル基、 t - プチルジフエニルシリル基、 ビニルジメチルシリル基等を意味する。
R 2および R4の定義に見られるァミノ基の保護基とはホルミル基、 ァセチル基、 クロロアセチル基、 ジクロロアセチル基、 プロピオニル基、 フエニルァセチル基、 チェ二ルァセチル基等の置換又は非置換の低級アルカノィル基、 又は t一ブトキシ カルボ二ル基、 ベンジルォキシカルボ二ル基、 P-ニトロべンジルォキシカルボ二 ル基、 P-メ トキシベンジルォキシカルボニル基、 p—ブロモベンジルォキシカルボ ニル基、 2, 4-ジクロロべンジルォキシカルボニル基等の置換又は非置換の低級ァ ルコキシカルボ二ル基を意味する。
R 3の定義に見られる置換又は非置換低級アルキル基とはメチル基、 ェチル基、 イソプロピル基、 ベンジル基等を意味し、 ァリール基とはフエ二ル基等を意味す る。
R 5の定義に見られるァシル基とはホルミル基、 ァセチル基、 プロピオニル基、 ァク リ ロイル基等の飽和あるいは不飽和脂肪酸から銹導される基、 シクロへキシ
ルカルポニル基、 ベンゾィル基、 トルオイル基、 シンナモイル基等の炭素環式力 ルボン酸から誘導される基、 ニコチノィル基、 テノィル基等の複素環カルボン酸 から誘導される基、 モルホリニルァセチル基、 チオモルホリニルァセチル基等を 意味する。
発明の実施の形態 以下に本発明にかかる製造方法を更に詳述する <
(式中、 R
1は低級アルキルスルホニル基又は置換基を有していてもよいァリール スルホニル基、 又はアルキルシリル基を、 R
2はァミノ基の保護基を、 R
3は置換又 は非置換低級アルキル基、 又はァリール基を、 R
4は水素原子又はアミノ基の保護 基を、 R
5はァシル基を意味し、 Xは酸素原子または硫黄原子を意味し、 Yはアジド 基またはニトロ基を意味する。 mは 2ないし 5の整数を、 nは 1ないし 4の整数を意味 する。 )
(工程 A )
本工程は(2 S, 4R) -ピロリジン- 2-カルバルデヒ ド誘導体と(4R) - 3- ( ω -置換アル カノィル) ォキサゾリジン- 2-オン (またはチアゾリジン- 2-チオン) 誘導体とを 非プロ トン性溶媒中塩基の存在下に反応させて不斉アルドール反応により、 目的 の配位を有する(4R) - [3- [2- ( ω -置換アルキル)- 3- (R) -ヒ ドロキシ-卜ォキソ -3- (2S, 4R) - 2-ピロリジニル]プロピル]ォキサゾリジン- 2-オン (またはチアゾリジン -2 -チオン) 誘導体を選択的に製造する工程である。 塩基としては η -プチルリチウ ム (n- BuL i ) 、 リチウムジイソプロピルアミ ド (LDA) 、 リチウム ビス (トリメ チルシリル) アミ ド (LHMDS) 、 ナトリウム ビス (トリメチルシリル) アミ ド
( NaHMDS) 等が挙げられるがリチウム ビス (トリメチルシリル) アミ ド (LHMD S) が特に好ましい。 非プロ トン性溶媒としてはジェチルェ一テル、 テトラヒ ドロ フラン (THF) 、 ジォキサン、 1 , 2 -ジメチル- 2-イミダゾリジノン (DMI ) 、 ジメチ ルァセトアミ ド (DMA) 、 ジメチルホルムアミ ド (DMF) 、 ジメチルスルホキシド
( DMS0) 等を挙げることができる。 反応は— 4 0でから一 1 0 0でで行われる。
(工程
本工程は(4R) - [3- [2- ( ω -置換アルキル)- 3- (R) -ヒ ド口キシ-卜ォキソ -3- (2S, 4 R) - 2-ピロリジニル]プロピル]ォキサゾリジン- 2-オン (またはチアゾリジン- 2 -チ オン) 誘導体のアジド基又はニトロ基を還元すると同時に、 ォキサゾリジニル基 またはチアゾリジニル基を脱離し、 ラク夕ム環を形成する工程である。 還元はパ ラジウム一カーボン、 酸化白金触媒等を用いた接触還元か、 あるいは水素化ホウ 素ナトリウムを用いて行われる。 接触還元における溶媒としては特に制限はない が、 テロラヒ ドロフラン (THF) が好ましく、 水素化ホウ素ナトリウムを用いる場 合はアルコール系溶媒、 中でもィソプロピルアルコールが好ましい。
この反応で生成してくる光学活性なォキサゾリジン- 2-オン誘導体またはチアゾ リジン- 2-チオン誘導体は回収され、 (4R) -3- ( ω -置換アル力ノィル)ォキサゾリジ ン -2-オン (またはチアゾリジン- 2-チオン) 誘導体の製造に再利用される。
(工程 C )
本工程は工程 Βで得られたラクタム誘導体の力ルポ二ル基を還元し、 サイクリ ックァミン誘導体を得る工程である。 還元はラクタム環の ΝΗ基を保護するか又は 保護せずに行われる。 ここで使用される還元剤として水素化アルミニウム、 水素 化リチウムアルミニウム、 リチウムトリメ トキシアルミノヒ ドリ ド等のアルミ二 ゥム系還元剤、 ジポランあるいはジメチルスルフイ ド—ボラン錯体、 ルイス酸の 存在下でのトリメチルアミン—ポラン錯体等のポラン錯体を挙げることができる が、 ジメチルスルフイ ド一ボラン錯体が好ましい。 反応溶媒としては反応に関与 しないテトラヒドロフラン (THF) 、 ジォキサン、 ジグリム (DGM) 等を挙げるこ とができる。 ラクタム環 ΝΗ基の保護はァセチルクロリ ド、 ベンゾイルク口リ ド等 の酸塩化物、 無水酢酸等の酸無水物、 Ρ-ニトロべンジルォキシカルボニルクロリ ド等の置換低級アルキルォキシカルボニルハロゲニド、 あるいは二炭酸ジ t -プチ ル等を用いてジメチルァミノ ピリジン等の塩基の存在下ァセトン、 ァセトニロリ ル、 テトラヒ ドロフラン (THF) 、 ジォキサン等の溶媒中で行われる。
(工程 D )
本工程は(2S, 4R) -2- [ [ (R) -ヒ ドロキシ-(3R) -サイクリックアミン- 3-ィル]メチ ル]ピロリジン誘導体のピロリジン環の R配位の 4位の低級アルキルスルホニルォ キシ基又は置換基を有していてもよいァリ一ルスルホニルォキシ基 (R 1がアルキ ルシリル基の場合にはこのアルキルシリル基を選択的に脱離した後、 低級アルキ ルスルホニル基又は置換基を有していてもよいァリ一ルスルホニル基に変換後) を、 S配位のァシルチオ基に変換する工程である。 反応はァセトニトリル、 ァセト ン、 1 , 2-ジメチル- 2 -イミダゾリジノン (DM I ) 、 ジメチルァセトアミ ド (DMA) 、 ジメチルホルムアミ ド (DMF) 、 ジメチルスルホキシド (DMS0) 等の極性溶媒中チ ォ酢酸カリウム、 チォ酢酸ナトリウムなどのチォカルボン酸塩と反応させること により、 あるいは炭酸カリウム、 炭酸セシウムなどの塩基の存在下にチォ酢酸、 チォ安息香酸等のチォカルボン酸を作用させることにより行われる。
(工程 E )
本工程は(2S, 4S) -2- [ [ (R) -ヒ ドロキシ-(3R) -サイクリックアミン- 3-ィル]メチ ル] - 4-ァシルチオピロリジン誘導体のァシルチオ基のァシル基およびピロリジン 環上のアミノ基の保護基を、 さらにはもう一方のサイクリ ックアミン環上のアミ ノ基が保護基を有する場合はこの保護基をも脱離する工程である。 反応はメタノ ールあるいはェ夕ノール等のアルコール系溶媒中あるいはテトラヒ ドロフラン
( THF) やジォキサン溶媒中、 塩酸や硫酸の等の鉱酸存在下に行われる。 反応は又. 上記溶媒中水酸化ナトリウム ' 水酸化力リゥム · 水酸化リチウム水溶液を作用さ せて行われる。 更に、 ァミノ基の保護基が還元的に脱離されるベンジルォキシカ ルポニル基、 ニトロベンジルォキシカルポニル基等の場合は、 これらの保護基を 先に還元的に脱離後、 上記酸やアル力リでァシルチオ基のァシル基を脱離しても よい。 実施例
以下に本発明の理解を更に容易にするために実施例を掲げるが、 本発明はこれ に限定されるものでないことは言うまでもない。 又実施例に先だって本発明の製 造方法の原料となる化合物の製造例を示した。 さらに、 参考例 1 により本発明方 法の有用性を示した。
製造例 1
(4R) -3- (4-ァジドブタノィル)- 4-フェニルォキサゾリジン- 2-ォン
4-アジド酪酸(1 0. 3g , 80. OmM)の塩化メチレン溶液 1 00m lに触媒量のジメチルホ ルムアミ ドを加えた後、 氷冷下、 塩化チォニル (8. 7ra l , 1 1 9. 5raM) を滴下した。 反 応混合物を室温下 1時間撹拌後、 減圧下に濃縮し粗体の酸クロり ドを得た。
(4R)- 4-フエニル- 2-ォキサゾリジノ ン(Aldrich製 ; 10g, 61.3mM)のテトラヒ ドロ フラン溶液 (80ml) に- 781 にて n-プチルリチウム 1.6Mへキサン溶液 (40.2ml, 64. 3mM) を滴下し、 同温度にて 30分撹拌した。 反応混合物に先に合成した酸クロリ ド のテトラヒ ドロフラン溶液 (100ml) をゆっく り と滴下し、 さらに 30分撹拌した。 反応混合物に飽和炭酸水素ナト リウム水溶液を滴下して反応を停止し、 室温まで 昇温した。 混合物を水に注ぎ、 酢酸ェチルにて抽出し、 有機層を飽和炭酸水素ナ ト リ ウム水溶液、 水、 飽和食塩水の順にて洗浄し、 無水硫酸マグネシウムにて乾 燥させた。 溶媒を留去し、 残渣をシリカゲルカラムクロマ トグラフィー (へキサ ン Z酢酸ェチル =5ハ) に付し、 標記化合物を得た (17g, 99S 。
'H-NMR(CDC13) δ :1.84(2H, quint, J = 7Hz), 2.88 (2H, t, J = 7Hz), 3.25 (ZH, t, J = 7Hz), 4.24(1H, dd, J=4, 9Hz), 4.65(1H, t, J = 7Hz), 5.36(1H, dd, J = 4, 9Hz), 7.22~7.35(5 H, m)
製造例 2
メチル (2S.4R)- N-卜ブ卜キシカルボニル- 4-メ夕ンスルホニルォキシピロリジン - 2 -カルボキシラート
Boc メチル (2S, 4R)- N-卜ブトキシカルボニル- 4-ヒ ドロキシピロ リジン- 2-力ルポ キシラー ト (20g, 81.5raM)の無水テトラヒ ドロフラン(200ra 1 )溶液に窒素気流 · 氷冷 下、 ト リェチルァミ ン(U.8ral, 106. OmM)、 および塩化メタンスルホニル(6.9ra 1 , 9 0. OraM)を加え 30分撹拌した。 反応混合物を水に注ぎ、 酢酸ェチルにて抽出し、 有 機層を飽和塩化アンモニゥム水溶液、 飽和炭酸水素ナト リ ウム水溶液、 水、 飽和 食塩水の順で洗浄し、 無水硫酸マグネシウムにて乾燥させた。 溶媒を留去し、 標 記化合物をほぼ定量的に得た(27g)。
'H-NMR(CDC13) <5 :1.42(5H, s), 1.47(4H, s), 2.22〜 2.31 ( 1 H. ra) . 2.54-2.61 (1H. m), 3.07(3H, s), 3.73〜3.90(5H, ra), 4.43(1H, td. J = 7, 28Hz). 5.25- 5.30 ( 1H, m)
製造例 3
(2S, 4R)- N- 1-ブトキシカルボニル -4-メタンスルホニルォキシ -2-ヒ ドロキシメ チルピロリジン
メチル (2S, 4R)- N_t-ブトキシカルボニル- 4-メ夕ンスルホニルォキシピロリジ ン- 2-カルボキシラート(26.5g, 81.5mM)の無水テトラヒ ドロフラン(300ral)溶液に 窒素気流 · 氷冷下、 水素化ホウ素リチウム(3.6g, 163.0IBM)を加え、 室温にて 3時 間撹拌した。 反応混合物を再び氷冷し、 '飽和塩化アンモニゥム水溶液を注意しな がら滴下して反応を停止し、 溶媒を留去した。 残渣を水に注ぎ、 1規定塩酸にて 不溶物を溶解後、 酢酸ェチルにて抽出し、 有機層を 1規定塩酸、 水、 飽和炭酸水 素ナトリウム水溶液、 水、 飽和食塩水の順で洗浄し、 無水硫酸マグネシウムにて 乾燥させた。 溶媒を留去し、 標記化合物をほぼ定量的に得た(24g)。
'H-NMR(CDC13) (5: 1. 8(9H, s), 1.82〜 1.95 (1H, m) , 2.32~2.42(1H, m), 3.06 (3H, s), 3.56(2H, dd, J = 6, 12Hz), 3.74〜 3.90 (2H, m) , 4.20〜 4.48 (1H, m) , 5.15~5.24 (1H, ID)
製造例 4
(2S, 4R)-N-卜ブトキシカルボニル- 4 -メタンスルホニルォキシピロりジン- 2-力ル バルデヒ上
塩化ォキザリル(3.5 nil, 40.3mM)の無水塩化メチレン(100ml)溶液に、 窒素気流下. -70°Cにてジメチルスルホキシド(4.2ml, 59.3mM)の無水塩化メチレン(20ml)溶液を
滴下し、 20分撹絆した。 (2S, 4R)-N- 1-ブトキシカルポニル- 4 -メタンスルホニルォ キシ -2-ヒ ドロキシメチルピロリジン(7g, 23.7raM)の無水塩化メチレン(20ml)溶液 を滴下し、 さらに 20分撹絆した。 トリェチルァミン(11.6ml, 83. OmM)を滴下後、 室 温まで昇温した。 反応混合物を水に注ぎ、 有機層を 10¾クェン酸水溶液、 水、 飽和 炭酸ナ ト リウム水溶液、 飽和食塩水の順で洗浄し、 無水硫酸マグネシウムにて乾 燥させた。 溶媒を留去後、 生じた固形物をへキサンにて洗浄し、 標記化合物を得 た (6.5g, 93%)。
'H-NMR(CDC13) δ : 1. 5(4.5Η, s), 1.49(4.5H, s), 2.10~2.21 (1H, m) , 2.44(0.5H, q, J = 7Hz), 2.55(0.5H, q, J = 7Hz), 3.07(3H, s), 3.70(1H, dd, J = 4, 13Hz), 3.84(0.5H, bd, J = 13Hz), 3.95(0.5H, bd,】 = 13Hz), 4.27〜 4.33 (0.5H, m) , 4.38〜 4.47 (0.5H, m) , 5.22〜5.32(1H, ra), 9.47 (0.6H, d, 4 Hz) , 9.59(0.4H, d, J = 2Hz)
実施例 1
(4R)-3-[(2S, 3R〉- 2-ァジドェチル - 3-[(2S, 4R)-N-卜ブヒキシカルボニル- 4-卜プチ ルジメチルシリルォキシピロリジン- 2-ィル]- 3-ヒ ドロキシ-卜ォキソプロピル] - 4 -フエニルォキサゾリジン- 2-オン
(4R)- 3- (4-ァジドブ夕ノィル)- 4-フェニルォキサゾリ ジン- 2-ォン(2.5g, 9. lmM) のテ トラヒ ドロフラン(50ral)溶液に窒素気流下- 70°Cにてリチウム ビス(ト リ メチ ルシリル)アミ ド(LHMDS) 1.0Mテトラヒ ドロフラン溶液(lOral, 10. OraM)を滴下し同温 度にて 1時間撹袢した。 次に、 この反応液に(2S, 4R)- N-t-ブトキシカルボ二ル- 4 - t -ブチルジメチルシリルォキシピロ リ ジン- 2-カルバルデヒ ド(3.6g, 10.9mM)のテ トラヒ ドロフラン(15ral)溶液を滴下しそのままの温度にて 40分撹拌した。 酢酸(1. lg, 18.3raM)のテトラヒ ドロフラン(5ral)を滴下して反応を停止し、 混合物を 10¾ク ェン酸水溶液に注ぎ、 酢酸ェチルにて抽出後、 有機層を 10¾クェン酸水溶液、 水、
飽和炭酸水素ナトリ ウム水溶液、 水、 飽和食塩水の順に洗浄し、 無水硫酸マグネ シゥムにて乾燥させた。
溶媒を留去し、 残渣をシリカゲルカラムクロマ トグラフィー (Wakogel C-200: へキサン 酢酸ェチル = 4/1) に付し標記化合物を得た (4. Og, 72¾) 。
'H-NMR(CDC13) δ 0.08(6H, s), 0.81 (9H, s), 1.38(9H, s), 1.60- 2.30 (5H, m) , 2. 98(0.5H, t, J = 8Hz), 3.17(1H, dd, J = 5, 12Hz), 3.27(0.5H, t, J = 8Hz), 3.20〜3.66(2 H, m), 3.90~4.32(3H, m) , 4.76(1H, dd, J = 6, 9Hz), 4· 60〜4· 68 (1H, m), 5.34〜5.4 4(1H, m), 7.22~7.38(5H, m)
実施例 2
(3S)- 3- [[(R)-ヒ ドロキシ-(2S.4R)- (N- 1-ブトキシカルポニル- 4-卜ブチルジメチ ルシリルォキシ)ピロ リジン -2-ィル]メチル]ピロリ ジン- 2-ォン
(4R)-3-[(2S, 3R)- 2_アジドエチル- 3- {(2S, 4R) - N- 1 -ブトキシカルボニル- 4-卜ブ チルジメチルシリルォキシピロリジン- 2-ィル}- 3-ヒ ドロキシ-卜ォキソプロピル] -4-フエニルォキサゾリジン -2-オン(3.8g, 6.3mM)のテトラヒ ドロフラン (50ml) 溶液に 10 パラジウム一炭素 (1.9g) を加え、 室温下、 4気圧にて 1時間 40分接触 水素還元を行なった。 反応混合物をセライ ト濾過し、 濾液を濃縮した。
残渣をシリカゲルカラムクロマ トグラフィー (Wakoge卜 C200: へキサン 酢酸 ェチル = 1Z2) に付し、 標記化合物を無色結晶として得た (2.32g, 87 ) 。
'H-NMR(CDC13) <5 : 0.08(6H, s), 0.81 (9H, s), 1. 0(9H, s), 1.60〜 1.74 (1H, m) . 1. 75〜2.27(4H, ra), 3.22〜 3.35 (3H, ra) . 3.36〜 3.43 (1H, ra) , 3.78〜 3.80 (0.3H. ra) . 3.8 "?〜 3.94(0.7H, ra), 4.05〜 4.13 (0.3H, m) , 4.18〜 4.25 (0.7H. m) , 4.45〜4.55(1 H, ID), 6.02 (0.7H, m) , 6.22 (0.3H, ra)
実施例 3
(3S)- N- (-ブトキシカルボニル -3-[[(R)-ヒ ドロキシ _(2S」 4R)- (N- I-ブトキシカル
ボニル -4- 1-プチルジメチルシリルォキ)ピロリジン- 2-ィル]メチル]ピロリジン- 2-ォン
(3S)-3- [[(R)-ヒ ド口キシ-(2S, 4R)- (N- 1-ブトキシカルボニル- 4-卜プチルジメ チルシリルォキシ)ピロリジン- 2-ィル]メチル]ピロリジン- 2-ォン(850mg, 2. ImM) の塩化メチレン : ァセトニトリル =1 : 1 (10ml)溶液に 4-ジメチルァミノピリジン (275mg, 2.3mM), およびジ- 1-ブチル ジカーボネート(517mg, 2.5mM)を加え、 室温 にて 5時間撹拌した。 混合物を水に注ぎ、 酢酸ェチルにて抽出し、 有機層を飽和塩 化アンモニゥム水溶液、 飽和食塩水の順にて洗浄し、 無水硫酸マグネシウムにて 乾燥させた。 溶媒を留去し、 残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ffako gel C-200: へキサン 酢酸ェチル = 5/1) に付し、 標記化合物を得た(874mg, 83¾)。 'H-NMRCCDCU, (5 : 0.08(6H, s), 0.87 (9H, s), 1.45(9H. s), 1.54(9H, s), 1.60~1. 74(1H, m), 1.84~2.13(2H, m), 2.24(1H, td, J = 6, 13z), 2.40(1H, dd, J =l 1, 21Hz), 3.31 (1H, dd, J = 4, 11Hz), 3.39〜3.60 (2H, m), 3.76〜3.98(2H, m), 4.13~4.55 (3H, m)
実施例 4
(3S)- 3- [「(R)-ヒ ドロキシ-(2S, 4R)- (N- 1-ブトキシカルポニル- 4 -メタンスルホ二 ルォキシ)ピロリジン- 2-ィル]メチル]ピロリジン- 2-ォン
(4R)_3- (4-ァジドブタノィル) -4-フエニルォキサゾリジン- 2-オン(1.3g.4.7mM) のテトラヒ ドロフラン(25ral)溶液に窒素気流下 - 781:にてリチウム ビス(トリメチ
ルシリリレ)アミ ド(LHMDS)l. OMテトラヒ ドロフラン溶液 (5.2ml, 5.2mM) を滴下し 同温度にて 30分撹拌した。 (2S, 4R)-N-卜ブトキシカルポニル- 4-メ夕ンスルホニル ォキシピロリジン- 2-カルバルデヒ ド(1.8g, 6. ImM)のテトラヒ ドロフラン(5nil)溶 液を滴下しそのままの温度にて 20分撹拌した。 酢酸(630ing.9.4πιΜ)のテトラヒ ドロ フラン(5nil)溶液を滴下して反応を停止し、 混合物を 10%クェン酸水溶液に注ぎ、 酢酸ェチルにて抽出し、 有機層を水、 飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、 飽和食塩 水の順にて洗浄し、 無水硫酸マグネシウムにて乾燥させた。
溶媒を濃縮後、 残渣をテトラヒ ドロフラン (30ml) に溶かし、 10!¾パラジウム一 炭素 (lg) を加え、 室温下、 4気圧にて 1.5時間接触水素還元を行なった。 反応 混合物をセライ ト濾過し、 濾液を濃縮した。 残渣をメタノール 50πι1に溶かし、 少 量の活性炭を加え撹拌の後、 再びセライ ト濾過した。 濾液を濃縮し、 残渣をシリ 力ゲルカラムクロマトグラフィー (Wakogel C-200: へキサンノ酢酸ェチル = 1/5) に付し、 標記化合物を得た (1.2g, 2steps 67¾) 。
また、 (4R)- 4-フエニルォキサゾリジン- 2-オンを回収した ( 670mg, 87%回収) 。
'H-NMR(CDC13) 6: 1.47(9H, s), 2.00~2.26(4H. m), 2.55~2.66(1H, m), 3.04 (3H, s), 3.30~3.42(2H, m), 3.56~4.08(4H. m), 4.14(0.3H, bd, J = 9Hz), 4.25(0.7H, b d, I = 9Hz), 5.30~5.40(1H, m), 6.05(0.7H. bs), 6.18(0.3H, bs)
実施例 5
(3S)- N-卜ブトキシカルボニル- 3- [[(R)-ヒ ド口キシ-(2S, 4R)- (N- 1-ブトキシカル ポニル -4-メタンスルホニルォキシ)ピロリジン- 2-ィル]メチル]ピロリジン- 2 -才 ン
(3S)- 3- [[(R)-ヒ ドロキシ-(2S, 4R)- (N-卜ブトキシカルボニル -4-メタンスルホ 二ルォ シ)ピロりジン- 2-ィル]メチル]ピロリジン- 2 -才ン(800rag.2. ImM)の塩化 メチレン : ァセトニトリル = 1 : 1 (20ml)溶液に 4-ジメチルァミノ ピリジン(284π
g, 2.3mM) および、 ジ -t-ブチル ジカーボネート(507mg, 2.3mM)を加え、 室温に て 1時間撹拌した。 混合物を水に注ぎ、 酢酸ェチルにて抽出し、 有機層を飽和塩化 アンモニゥム水溶液、 飽和食塩水の順にて洗浄し、 無水硫酸マグネシウムにて乾 燥させた。 溶媒を留去し、 標記化合物をほぼ定量的に得た(1.01g)。
'H-NMR(CDC13) (5: 1. 6(9H, s), 1.53(9H, s), 1.60- 1.75 (1H, m) , 1.86~2.20(3H, m), 2.47(1H, dd, J = 8, 10Hz), 2.50~2.62(1H. m).3.02(3H, s), 3.51〜 4.34 (6H, m) , 5.24~5.36(1H, m)
実施例 6
(2S, 4R)- N- 1-ブトキシカルボニル- 2- [[(3R)- N- 1-ブトキシカルボニルピロリジン - 3-ィル-(R)-ヒ ドロキシ 1メチル ]-4-メタンスルホニルォキシピロリジン
(3S)- N- 1-ブトキシカルボニル- 3- [[(R)-ヒド口キシ-(2S, 410- (N-卜ブトキシカ ルポニル- 4-メ夕ンスルホニルォキシ)ピロリジン- 2-ィル]メチル]ピロリジン- 2- オン(500mg, 1. IraM)の無水テトラヒドロフラン(30ra 1)溶液に室温下、 ポラン · ジメ チルスルフイ ド錯体(0.3ral, 3, 3mM)を滴下し、 1時間加熱還流させた。 反応混合物 を氷冷し、 メタノール 10mlを滴下した。 溶媒を留去し、 残渣をシリカゲルカラム クロマトグラフィー (Wakogel C- 200: へキサンノ酢酸ェチル = 1/5) に付し、 標記 化合物を得た ( 365mg, 75¾) 。
'H-NMRCCDCl 3) δ 1. 4(9H, s), 1.48(9H, s), 1.70〜 2.57 (5H, m) , 3.04 (3H. s), 3. 10〜3.33(2H, m), 3.45〜 3.70 (3H, m) , 3.80〜 4.20 (3H, m) , 5.21~5.38(1H. m) 実施例 7
(2S, 4S)- 4_ァセチルチオ- N- t-ブトキシカルボニル- 2- [[(3R)- N- 1-ブトキシカルボ ニルピロリジン- 3-ィル-(R)-ヒ ドロキシ]メチル】ピロリジン
(2S, 4R)-N-卜ブトキシカルボニル- 2- [[(3R)- N- 1-ブトキシカルポニルピロリ ジ ン- 3-ィル-(R)-ヒ ドロキシ]メチル ]-4 -メタンスルホニルォキシピロリジン(30.1 g、 64.8mM)を無水ジメチルホルムアミ ド 120mlに溶解後、 窒素気流下、 チォ酢酸力 リ ゥム(和光 : 〉90!ϋ以上 : 12. lg, 95mM)を加え 80 で 7時間撹拌した。 反応後溶媒 を減圧留去し、 水を加え酢酸ェチルにて抽出した。 有機層を水、 飽和食塩水で洗 浄後、 無水硫酸マグネシウムで乾燥した。 溶媒を留去後、 シリカゲルカラムクロ マ トグラフィ一( Kieselgel 60:Merck : へキサン Z齚酸ェチル =3/20~1/5〜3/1 0〜2/5) に付し、 標記化合物を得た (18.6g, 66¾) 。
'H-NMR(CDC13) 6: 1.44(9H, s), 1.46(9H, s), 1.78~2.40(5H, in), 2.34(3H, s), 2. 98~3.33(3H, m). 3.40〜 4.16 (6H. m)
実施例 8
(2S, 4S)- 2- [[(3R)-ピロリジン- 3-ィル-(R)-ヒ ドロキシ]メチル -4-メルカプトピ 口リジン · 2塩酸塩
(2S, 4S)-4-ァセチルチオ- N-卜ブトキシカルボニル- 2- [{(3R)- N- 1-ブトキシカル ボニルピ口 リ ジン- 3-ィル-(R)-ヒ ドロキシ}メチル]ピロリ ジン(18.6g, 42.8mM)を 10%塩酸-メ夕ノール溶液 186mlに溶解後、 室温で一昼夜撹拌した。 反応後溶媒を減 圧留去した後、 メタ ノール 800ralに溶解し、 活性炭 (白紫) 3.72g加えた。 30分撹 拌した後濾過し、 溶媒を減圧留去した。 残渣をジイ ソプロピルエーテル一ェ夕ノ ール系から結晶化し、 標記化合物を得た (10.7g. 93¾) 。
'H-NMR(D20) (5 : 1.56~2.50(5H, m), 2.96~3.90(9H. m)
参考例 1
(1R.5S.6S)- 6- [(R) - 1-ヒドロキシェチル卜卜メチル -2-「 Γ (2S.4S) - 2- [ (3R) -ピロリ ジン _3 -ィル-(R)-ヒ ドロキシ]メチル]ピロリジン -4-ィルチオ]-卜力ルバペン- 2- ェム- 3-カルボン酸 · 酢酸塩
• AcOH
(2S, 4S)-2-[[(3R)-ピロリジン- 3-ィル-(R)-ヒ ド口キシ]メチル ]-4-メルカプト ピロリジン ' 2塩酸塩(0.55g, 2mM)および、 p-二トロべンジル(1R, 5S, 6S)- 2-ジフエ ノキシホスホリルォキシ- 6- [(R)-l-ヒ ドロキシェチル] -卜メチル -卜力ルバペン - 2 -ェム -3-カルボキシラート(19g> 2mM)をジメチルホルムアミ ド 12ralに溶解し、 氷 冷下トリエチルァミン(0.92ml, 6.6mM)を加え、 同温度で 3時間撹拌した。 溶媒を減 圧留去後、 テトラヒドロフラン Ππιΐおよび 0.35Mリ ン酸緩衝液 (pH:6.0) 24mlに 溶解し、 亜鉛末 2.4gを加えた。 室温で 2時間撹拌後 GF濾紙で濾過した。 濾液を減圧 濃縮後、 酢酸ェチルにて洗浄し、 水層を 1規定水酸化ナトリウム水溶液で pH8.0に 調節し、 ミ リポア濾過後 0DSカラムに付した。 3¾メタノール / 0.06%酢酸水で溶出 し、 目的画分を濃縮、 凍結乾燥して標記化合物を得た ( 264mg, 26¾) 。
lH -醒(D20)
δ : 1.16(3H, d, J = 7H), 1.23(3H, d, J = 6Hz), 1.65- 1.78 (1H, m) , 1.78〜 1.90 (1H, ra), 1, 85(3H, s), 2.07〜 2.18 (1H, m) , 2.43(1H, qd.1 = 9, 18Hz), 2.57 (1H, td, J = 8, 14Hz). 3.15 (1H, dd, J = 10, 12Hz), 3.20〜 3.36 (3H, ra) , 3.38〜 3.47 (2H, in), 3.50 (1H, dd. J = 8, 12Hz), 3.63(1H, dd, J = 7, 12Hz), 3.80(1H, ddd, J = 4, 8, 12 Hz), 3.90~ 4.00 (2H, m), 4.14〜4.23 (2H, ra)
この操作で、 ODSカラムクロマ卜グラフィ一での溶出を水〜 20%メタノール水溶
液で行い、 目的画分を濃縮後、 1規定塩酸にて溶液の pHを 6に調整した後、 凍結乾 燥すると(1R, 5S, 6S)- 6- [(R)- 1-ヒドロキシェチル] -卜メチル -2- [[ (2S, 4S)-2-[(3 R)-ピロリジン- 3-ィル-(R)-ヒドロキシ]メチル]ピロリジン- 4-ィルチオ]-卜カル バペン- 2-ェム -3-カルボン酸の塩酸塩が非晶質として得られる。
参考例 2
(1R.5S, 6S)- 6- [(R)-卜ヒ ドロキシェチル] -卜メチル -2- [[(2S.4S) - 2- [ (3R) -ピロリ ジン- 3-ィル-(R)-ヒ ドロキシ]メチル]ピロリジン- 4-ィルチオ]-卜力ルバペン- 2- ェム- 3-カルボン酸 · 塩酸塩の結晶化法
まず、 非晶質塩酸塩 lOOragを蒸留水(0.3ml)に溶解し、 イソプロピルアルコール (40滴)を添加し、 4*Cにて 3昼夜静置した。 生成した固形物を濾取し、 少量のイソ プロピルアルコールにて洗浄し、 微粉末固体を得た。 この固体は粉末 X線結晶回 析により結晶であることが示された。
次に非晶質塩酸塩 5. lgを蒸留水(55ml)に溶解し、 氷冷下にェタノール(300ml)を 加えた。 この溶液を室温に戻し、 エタノール(10ml)を少しづつ滴下した。 生じた 白色溶液に先に得られた結晶を種付けし、 室温にて 5分間撹拌した。 これにェタノ —ル(50ml)を 20分間かけて 5回に分けて加え、 さらに氷冷下ェタノ—ル(140ml)を 10分間かけて加え、 同温度にて 25分間撹拌した。 得られた結晶を濾取し、 冷エタ ノールにて洗浄し、 一昼夜風乾し、 さらに真空下に 5昼夜乾燥し、 白色結晶(4.55 g)を得た。
m 192° (.decomp. )
'H-NMR(D20) (5 : 1. 17(3H, d, J = 7H), 1.24(3H, d, J = 6Hz), 1.73(1H, qd, J = 9, 13Hz), 1.84(1H, ddd, J = 7, 10, 12Hz), 2.07~2. 18(1H, m) , 2.44(1H. qd, J = 9, 18Hz), 2.58(1 H, td, J = 8, 14Hz), 3. 15(1H, dd, J = 10, 12Hz), 3.21-3.37(3H, m) , 3.39〜 3.47 (2H, m), 3. 51 (1H, dd. J = 8, 12Hz), 3.64(1H, dd, J = 7, 12Hz), 3.83(1H, ddd. J = 3, 8, 1 lHz).
3.92〜4.01 (2H, m), 4. 15〜 4.23 (2H, ra)
[ ] D2'1- 2 +8.41° (C=l.01, H20)
HPLC puri ty: 99.6¾ (SHIMADZU LIQUID CHROMATOGRAPH LC-6A 、 ガスクロ工業分 析用カラム Inerlsi 1 0DS-2(lot.0D110157), SHIMADZU UV SPECTR0PH0T0METRI C D ETECT0R SPD-6A; 波長 294nra、 流速 1. Oml/min; 10¾Me0H-0. l¾Ac0NH.,- H20または 20
¾MeOH-0. l¾AcONH4-H20) 発明の効果
本発明の効果を従来の技術と比較する。
Drugs of the Future 1996, (4): 36卜 365あるいは特開平 8 — 7 3 4 6 2号 公報に開示された方法の工程 1 と本発明の A工程一 B工程とは、 一方の原料化合 物が同じかあるいはほぼ同じであり、 生成物が同じ (生成するラクタム環の NH基 が保護基を有するかどうかだけ) であることから、 これらの工程間を比較する。 工程 1は特開平 8 — 7 3 4 6 2号公報の製造例 6に示されており、 ジァステレ ォマ一 Bが目的の立体配位を有する。 このジァステレオマ一 B、 即ち(3S)- 3 - [ [(R)-ヒ ドロキシ-(2S, 4R)- (N-卜ブトキシカルポニル- 4-卜プチルジメチルシリル ォキシ) ピロリジン- 2-ィル]メチル]- N-t-ブトキシカルボニルピロリジン- 2-オン の収率は 30. 2 と記載されている。
—方、 本発明の A工程一 B工程で上記ジァステレオマ一 Bに対応する具体例は、 生成したラクタム環の NH基に保護基を有しない(3S)- 3 - [[(R)-ヒ ドロキシ-(2S, 4R) - (N-卜ブトキシカルボニル- 4- 1 -プチルジメチルシリルォキシ) ピロリジン- 2 -ィ ル]メチル]ピロリジン- 2-オンの製造方法を示している実施例 1 —実施例 2、 およ び置換基が 1部異なる(3S)- 3- [[(R)-ヒ ドロキシ-(2S, 4R)- (N- 1-ブトキシカルボ二 ルー 4—メ夕ンスルホニルォキシ)ピ口リジン- 2-ィル]メチル] -ピロリジン- 2-オンの 製造方法を示している実施例 4である。 そしてそれらの収率はそれぞれ 63% ( 2ェ 程収率) および 67¾である。 即ち、 本発明の方法では目的の立体構造を有する化合 物の製造収率は従来法の約 2倍にまで上昇した。
以上のように本発明では従来法に比し、
1 ) 収率が 2倍となる。
2 ) 高価な光学活性体、 (2S.4R)-ピロリジン- 2-カルバルデヒ ド誘導体、 を無駄な く利用できる。
という利点がある。
目的の配位を得るために新たに(4R) -4-フエニルォキサゾリジン- 2-オン等が必 要となったが、 これらは回収し再利用できる。