明細書
新規組成物、 スティ ッキング防止剤および感熱転写記録フィルム 〔発明の属する技術分野〕
本発明は主として耐候性、 潤滑性、 離型性を必要とされる分野において有 効な塗料、 例えば着氷着雪防止用塗料、 貼紙防止用塗料として、 またポリ塩 化ビニル、 ポリエステル等のフィルムや電子写真に使用されるキヤリヤーあ るいは紙等の基材の表面または裏面に撥水性、 潤滑性、 離型性、 耐熱性等の 機能を与えるコ一ティ ング剤として、 さらには感熱転写記録媒体に使用され るスティ ッキング防止剤として有用な新規組成物、 それを用いたスティ ツキ ング防止剤および感熱転写記録フィルムに関するものである。
〔従来の技術および発明が解決しょうとする課題〕
例えば着氷着雪防止用塗料、 あるいは落書き防止や貼紙防止用塗料として 、 シリコーン系塗料が利用されている。 また電子写真に使用される鉄粉ゃフ ェライ ト等に耐環境性、 耐久性、 耐摩耗性等を与える目的、 あるいは磁気テ —プ、 熱転写ィンクリボンの基材として使用されるポリエステル系のポリェ チレンテレフタレ一卜 (P E T) やポリエチレンナフタレ一卜 (P E N) 等 のプラスチックフィルム基材の表面または裏面に撥水性、 潤滑性、 耐熱性等 を付与する目的でコ一ティ ング剤による処理が行われている。
従来より、 このような塗料やコーティング剤としては、 主として反応性シ リコーンやポリジメチルシロキサンオイル等を添加した組成物が使用されて いる。
しかしながら、 上記反応性シリコーンやポリジメチルシロキサンオイル等 を添加した組成物では、 塗膜の密着性や透明性が低下したり、 塗膜表面の夕 ック感があったり、 あるいは撥水性、 潤滑性、 耐熱性等を基材の表面または 裏面に与える効果が十分でなく、 またその効果の持続性も不十分であるとい
う問題点があった。
一方、 感熱転写記録フィルムは基材フィルムの一方の面に感熱性ィンキ層 を設けたものであって、 該感熱転写記録フィルムは該感熱性ィンキ層側を記 録紙に接触させ、 該感熱性ィンキ層側とは反対の側に配置したサ一マルへッ ドからパルス信号を送って該基材フィルムを通して該感熱性ィンキ層の所定 箇所を選択加熱し、 この箇所の感熱性ィンキ層を溶融または昇華させること によって記録紙に転写して記録像を形成するものである。
このような感熱転写記録方式は印字の際に騒音がなく、 また記録像の耐熱 性、 耐水性、 耐薬品性、 耐可塑剤性が良く保存性に優れている等の利点を有 しているが、 その一方ではサーマルへッ ドの高温が原因で基材フィルムが部 分的に溶融し、 溶融物がサーマルへッ ドに固着して感熱転写記録フィルムの 搬送が不良となったり、 あるいは感熱転写記録フィルムの感熱性ィンキ層か ら記録紙への転写も困難となるいわゆるステイ ツキングの発生という問題が あつた o
上記スティ ッキング防止対策としては、 基材フィルムのサーマルへッ ド側 にスティ ッキング防止層が設けられる。 従来より、 上記スティ ッキング防止 層としては、 アルミニウム等の金属層、 シリコンやパラフィ ン等の潤滑性材 料の塗布層、 ポリウレタン、 エポキシ樹脂、 メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂 層、 ェチルセルロース等の繊維素誘導体層等が提案されている。
しかしながら、 上記従来のスティ ッキング防止層はいずれもスティ ッキン グ防止効果が不充分であり、 また熱硬化性樹脂の場合は硬化のために長時間 高温加熱が必要であり、 作業性が悪く実用性に乏しく、 またスティ ッキング 防止効果があっても基材フィルムへの密着性が悪い等の問題点があった。 上記問題点を解決するための手段として、 スティ ッキング防止層としてポ リジメチルシロキサンを枝成分とするグラフ卜共重合体層を使用することが 提案された (特開平 1 一 2 1 4 4 7 5号) 。
しかしながら、 このようにグラフ卜共重合体のみからなるスティ ッキング
防止層を設けた場合、 塗膜の密着性ゃ耐摩耗性が悪く、 引張り強さ、 抗張力 等の機械的強度に劣るため、 剝離したスティ ッキング防止剤がサーマルへッ ドに付着する (ヘッ ドカスの発生) という問題点があった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は上記従来の課題を解決するための手段として、 ポリジメチルシロ キサン系共重合体 (A ) と、 第 2成分 (B ) 、 即ちポリ酢酸ビニル誘導体、 ポリアミ ド、 アクリル系樹脂、 エポキシ系樹脂、 不飽和ポリエステル系樹脂 および不飽和ポリエステル系樹脂の前駆体からなる群から選ばれる少なくと も 1種の合成樹脂 (B— 1 ) および Zまたはセルロース誘導体 (B— 2 ) と を含有する組成物ならびに該組成物を含んでなるスティ ッキング防止剤、 さ らには基材フィルムの一方の面に感熱性ィンキ層を設け、 もう一方の面にポ リジメチルシロキサン系共重合体 (A) と、 第 2成分 (B ) 、 即ちポリ酢酸 ビニル誘導体、 ポリアミ ド、 アクリル系樹脂、 エポキシ系樹脂、 不飽和ポリ エステル系樹脂および不飽和ポリエステル系樹脂の前駆体からなる群から選 ばれる少なくとも 1種の合成樹脂 (B— 1 ) および/またはセルロース誘導 体 (B— 2 ) との混合物を含んでなるスティ ッキング防止層を設けた感熱転 写記録フィルムを提供するものである。
該ポリジメチルシロキサン系共重合体として望ましいものは、 ブロック夕 イブのもの、 特にァゾ基含有ポリジメチルシロキサンアミ ドを開始剤として ビニル単量体を重合することによつて製造されたものである。
該第 2成分 (B ) として望ましいものは、 ポリ酢酸ビニル誘導体、 ポリア ミ ドおよびァクリル系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも 1種の合成樹 脂および Zまたはセル口一ス誘導体である。
〔発明の実施の形態〕
以下に本発明を更に詳しく説明する。
〔ポリジメチルシロキサン系共重合体 (A ) 〕
本発明のスティ ッキング防止剤または感熱転写記録フィルムのスティ ツキ ング防止層に用いられるポリジメチルシロキサン系共重合体 (A) は、 グラ フ卜タイプのものであってもよいしプロックタイプのものであってもよいが 、 ブロックタイプのポリジメチルシロキサン系共重合体を用いることにより 、 未反応シリコンが基材フィルムの反対側の感熱性ィンキ塗布面に移行して 、 該感熱性インキを塗布する際のハジキの原因となることを防止したり、 ま た得られた感熱転写記録フィルムの保存中に未反応シリコンが感熱性ィンキ 層側に移行して転写不良の原因となることを防止することができる。
ポリジメチルシロキサン系グラフ卜共重合体 (A— 1 ) は、 グラフ卜タイ プの反応性シリコーンと、 該反応性シリコーンと共重合可能なビニル単量体 とを、 例えばマクロモノマ一法により共重合することにより得られる。 グラフ卜タイプの反応性シリコーンとしては、 例えば、
〔化学式 1〕 C H3 C H3 ' CH,、
CII2 = C C O C3He Si - 0 SiO Si(CH3):
II I
0 C H3 C' H3 nは。〜 6 4の纖
〔化学式 2〕
等の、 一方の末端に不飽和二重結合を有するものが挙げられる。
上記反応性シリコーンと共重合可能なビニル単量体としては、 例えばメチ ルァクリレー卜、 ェチルァクリレー卜、 n—プロピルァクリレー卜、 イソプ 口ピルァクリレー卜、 n —ブチルァクリレート、 イソブチルァクリレート、 t 一ブチルァクリレート、 2—ェチルへキシルァクリレー卜、 シクロへキシ ルァクリレー卜、 テトラヒドロフルフリルァクリレート、 ステアリルァクリ レー卜、 ラウリルァクリレー卜、 メチルメタクリレート、 ェチルメ夕クリレ ート、 n—プロピルメ夕クリレー卜、 イソプロピルメタクリレート、 n—ブ チルメタクリレー卜、 イソブチルメタクリレ一卜、 2—ェチルへキシルメタ クリレート、 シクロへキシルメタクリレー卜、 テトラヒドロフルフリルメタ クリレート、 ステアリルメタクリレート、 ラウリルメタクリレート等の脂肪 族または環式ァクリレー卜および/またはメタクリレ一卜、 メチルビニルェ —テル、 ェチルビ二ルェ一テル、 n—プロピルビニルエーテル、 n—ブチル ビニルエーテル、 イソブチルビ二ルェ一テル等のビニルエーテル類、 スチレ ン、 α—メチルスチレン等のスチレン類、 アクリロニトリル、 メタクリロニ 卜リル等の二トリル系単量体、 酢酸ビニル、 プロピオン酸ビニル等の脂肪酸 ビニル、 塩化ビニル、 塩化ビニリデン、 弗化ビニル、 弗化ビニリデン等のハ ロゲン含有単量体、 エチレン、 プロピレン、 イソプレン等のォレフィ ン類、 クロ口プレン、 ブタジエン等のジェン類、 アクリル酸、 メタクリル酸、 イタ コン酸、 マレイン酸、 無水マレイン酸、 クロ卜ン酸、 ァ卜ロパ酸、 シトラコ ン酸等の α, /S—不飽和カルボン酸、 アクリルアミ ド、 メ夕クリルアミ ド、 Ν, Ν—メチロールアクリルアミ ド、 Ν, Ν—ジメチルアクリルアミ ド、 ジ アセトンアクリルアミ ド、 メチルアクリルアミ ドグリコレ一トメチルェ一テ ル等のアミ ド類、 Ν, Ν—ジメチルアミノエチルメタクリレート、 Ν, Ν— ジェチルアミノエチルメタクリレート、 Ν, Ν—ジメチルァミノプロピルメ タクリレート、 Ν, Ν—ジメチルアミノエチルァクリレート、 Ν, Ν—ジェ チルアミノエチルァクリレート、 Ν, Ν—ジメチルァミノプロピルァクリレ
一卜等のアミノ基含有単量体、 グリシジルァクリレ一卜、 グリシジルメ夕ク リレー卜、 グリシジルァリルエーテル等のエポキシ基含有単量体、 2—ヒド 口キシェチルメタクリレー卜、 2—ヒドロキシェチルァクリレー卜、 2—ヒ ドロキシプロピルメ夕クリレート、 2—ヒドロキシプロピルァクリレー卜、 4ーヒドロキシブチルァクリレート、 ァリルアルコール、 カージユラ Eとァ クリル酸、 メタクリル酸、 イタコン酸、 マレイン酸、 クロ卜ン酸等との反応 物、 その他ビニルピロリ ドン、 ビニルピリジン、 ビニルカルバゾール等があ り、 更に加水分解性シリル基を有するビニル単量体としては、 7—メタクリ ロキシプロピル卜リメ トキシシラン、 ァーメ夕クリロキシプロピル卜リエ卜 キシシラン、 ァ一メタクリロキシプロピルメチルジメ 卜キシシラン、 7—メ タクリロキシプロピルメチルジェトキシシラン、 ァ一メタクリロキシプロピ ルメ トキシェ卜キシシラン、 ビニル卜リメ 卜キシシラン、 ビニル卜リエトキ 8シラン等のシランカツプリング剤が使用できる。 上記単量体は一種または 二種以上混合使用される。 上記例示は本発明を限定するものではない。
—方、 ポリジメチルシロキサン系ブロック共重合体 (A— 2 ) としては、 以下の構造で示されるものがある。
① (a 1 * a 2 ) ,
② a 1 氺 ( a 1 木 a 2 ) m
③ a 2 * ( a 1 * a 2 ) n
ここに
1 , m, nは 1 ~ 1 0の整数であり、
a
1 は下記の構造を有するポリジメチルシロキサン部分であり、 〔化学式 3〕
a
2 はビニル重合体部分である。
上記ポリジメチルシロキサン系ブロック共重合体 (A— 2) を合成するた めには、 ①リビング重合法、 ②高分子開始剤法、 ③高分子連鎖移動法等を用 いることができる力 工業的には②または③の方法が好ましい。
②高分子開始剤法においては、 例えば、
〔化学式 4〕
HO"|CO(CI-I2)2C— N=N— C(CH2)2CONH(CH2)3Si(OSi)x(CH2)3NH H
CN CN CH3 CH3
xは 10〜300の纖
nは 1〜50の麵 のごときポリジメチルシロキサン部分を導入した高分子ァゾ開始剤 (ァゾ 基含有ポリジメチルシロキサンアミ ド) が用いられ、 該高分子開始剤を用い て共重合可能なビニル単量体を共重合すれば、 効率よくプロック共重合体を 製造できる。 また過酸化型高分子開始剤、 ァゾ型高分子開始剤等のポリメリ ック開始剤を用いれば二段階で重合することもできる。 例えばァゾ型高分子 開始剤を使用した場合には、 以下のように反応が進行する。
〔化学式 5〕
R-N=N- + n mMi R- ■M, R-N = N-
〔化学式 6〕
R-fM, R-N
.こに m, n, n', 1は 1以上の整数であり、
M, は下記構造を有するマクロモノマーであり、
〔化学式 Ί〕 CH3 CH3 CH,
CH2 = CCOC3HeSi - O SiO Si(CH3):
II I
0 CIIc 、CI- nは。〜 64の麵
〔化学式 8〕
Si-O SiCHa
SiCH3
SiCH3
1 +m+n≤ 64
M2 は と共重合可能なビニル単量体である。
Rとしては、 例えば
〔化学式 9〕 CHj CH
C(CH2)2CONH(CH2)eNHCO(CH2)2C—
CN CN
〔化学式 1 0〕
CH3 CH3
-C(CHz)2COO(CH2)eOOC(CH2)2C- I I CN CN
等がある。
③高分子連鎖移動法では、
〔化学式 1 1〕 CHn CH3 CH3
I I I
CH2-CHCH2OC3H6-SiO(SiO)mSiC3H6OCH2CH-CH2
0 CHa CH3 CH3 0 mは 10〜400の龍
〔化学式 12〕
CH3 CH3 CH3
I I I CH3-SiO-(SiO)mSiC3HeO-CH2CH-CH2
CH3 CH3 CH3 0 mは 10〜400の纖 のごときエポキシ環を有するポリジメチルシロキサンに HS— CH2 CO OHや HS— CH2 CH2 COOHを付加させた、 SH基を有するポリジメ チルシロキサンが用いられ、 該ポリジメチルシロキサンの S H基の連鎖移動 を利用して共重合可能なビニル単量体を重合することによりプロック共重合 体が得られる。
上記②高分子開始剤法ゃ③高分子連鎖移動法において使用される共重合可 能なビニル単量体としては、 例えばメチルァクリレー卜、 ェチルァクリレー 卜、 n—プロピルァクリレー卜、 イソプロピルアタリレート、 n—プチルァ クリレ一卜、 イソプチルァクリレー卜、 t一プチルァクリレー卜、 2—ェチ ルへキシルァクリレー卜、 シクロへキシルァクリレー卜、 テ卜ラヒドロフノレ フリルァクリレート、 ステアリルァクリレー卜、 ラウリルァクリレート、 メ チルメタクリレー卜、 ェチルメタクリレート、 n—プロピルメタクリレー卜 、 イソプロピルメ夕クリレー卜、 n—プチルメタクリレー卜、 イソプチルメ タクリレー卜、 2—ェチルへキシルメタクリレート、 シクロへキシルメ夕ク リレート、 テトラヒドロフルフリルメタクリレー卜、 ステアリルメタクリレ —ト、 ラウリルメタクリレー卜等の脂肪族または環式ァクリレー卜および またはメタクリレー卜、 メチルビニルエーテル、 ェチルビニルエーテル、 n 一プロピルビニルエーテル、 n—ブチルビニルエーテル、 ィソブチルビニル エーテル等のビニルエーテル類、 スチレン、 α—メチルスチレン等のスチレ ン類、 アクリロニトリル、 メタクリロニトリル等の二卜リル系単量体、 酢酸 ビニル、 プロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル、 塩化ビニル、 塩化ビニリデ ン、 弗化ビニル、 弗化ビニリデン等のハロゲン含有単量体、 エチレン、 プロ ピレン、 イソプレン等のォレフィ ン類、 クロ口プレン、 ブタジエン等のジェ
ン類、 アクリル酸、 メタクリル酸、 ィタコン酸、 マレイン酸、 無水マレイン 酸、 クロトン酸、 アトロパ酸、 シトラコン酸等の a, S—不飽和カルボン酸 、 アクリルアミ ド、 メタクリルアミ ド、 N, N—メチロールアクリルアミ ド 、 N, N—ジメチルアクリルアミ ド、 ジアセトンアクリルアミ ド、 メチルァ クリルアミ ドグリコレートメチルェ一テル等のアミ ド類、 N , N—ジメチル アミノエチルメ夕クリレート、 N, N—ジェチルアミノエチルメタクリレー 卜、 N, N—ジメチルァミノプロピルメタクリレ一卜、 N, N—ジメチルァ ミノェチルァクリレー卜、 N, N—ジェチルアミノエチルァクリレート、 N , N—ジメチルァミノプロピルァクリレー卜等のアミノ基含有単量体、 グリ シジルァクリレー卜、 グリシジルメ夕クリレート、 グリシジルァリルェ一テ ル等のエポキシ基含有単量体、 2—ヒドロキシェチルメ夕クリレート、 2— ヒドロキシェチルァクリレート、 2—ヒドロキシプロピルメタクリレート、 2—ヒドロキシプロピルァクリレート、 4ーヒドロキシプチルァクリレ一ト 、 ァリルアルコール、 力一ジユラ Eとアクリル酸、 メタクリル酸、 ィタコン 酸、 マレイン酸、 クロトン酸等との反応物、 その他ビニルピロリ ドン、 ビニ ルビリジン、 ビニルカルバゾ一ル等があり、 更に加水分解性シリル基を有す るビニル単量体としては、 ァ一メタクリロキシプロピル卜リメ トキシシラン 、 7—メタクリロキシプロピル卜リエトキシシラン、 7—メタクリロキシプ 口ピルメチルジメ トキシシラン、 ァ一メタクリロキシプロピルメチルジェト キシシラン、 7—メタクリロキシプロピルメ トキシェ卜キシシラン、 ビニル トリメ トキシシラン、 ビニルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤 が使用できる。 上記単量体は一種または二種以上混合使用される。 上記例示 は本発明を限定するものではない。
〔第 2成分 (B ) 〕
本発明において上記ポリジメチルシロキサン系共重合体 (A) と混合され る第 2成分 ( B ) は、 ポリ酢酸ビニル誘導体、 ポリアミ ド、 アタリル系樹脂 、 エポキシ系樹脂、 不飽和ポリエステル系樹脂および不飽和ポリエステル系
樹脂の前駆体からなる群から選ばれる少なくとも 1種の合成樹脂 (B— 1 ) 、 またはセルロース誘導体 (B— 2 ) 、 あるいはそれら B— 1と B— 2との 混合物であり、 望ましくは、 ポリ酔酸ビニル誘導体、 ポリアミ ドおよびァク リル系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも 1種の合成樹脂 (B— Γ ) 、 またはセルロース誘導体 (B— 2 ) 、 あるいはそれら B— Γ と B— 2と の混合物である。
ポリ酢酸ビニル誘導体としては、 例えばポリビニルァセトァセタール、 ポ リビニルブチラ一ル、 ポリビニルホルマール等が挙げられ、 ポリアミ ドとし ては、 例えば N—メ 卜キシメチル化ナイロン等が挙げられ、 不飽和ポリエス テル系樹脂の前駆体としては、 例えばポリエステルポリアクリレー卜、 ポリ エステルポリメタクリレー卜等が挙げられる。 また、 セルロース誘導体とし ては、 例えばニトロセルロース、 ェチルセルロース、 ヒドロキシェチルセル ロース、 ェチルヒドロキシェチルセルロース、 ヒドロキシプ口ピルセルロー ス、 カルボキシメチルセルロース、 セルロースアセテート、 セル口一スァセ テ一卜プロピオネー卜、 セルロースァセテ一卜ブチレ一卜等が挙げられる。 上記合成樹脂およびセルロース誘導体の各種は、 それぞれ単独で使用しても よいし、 2種以上を併用してもよい。
〔ポリジメチルシロキサン系共重合体 (A) の製造方法〕
上述したとおり、 本発明におけるポリジメチルシロキサン系グラフト共重 合体 (A— 1 ) は、 グラフトタイプの反応性シリコーンと、 該反応性シリコ -ンと共重合可能なビニル単量体とを、 例えばマクロモノマー法によって共 重合させることによって製造される。 また、 ポリジメチルシロキサン系プロ ック共重合体 (A— 2 ) は、 ②高分子開始剤法においては、 上記ポリジメチ ルシロキサンを導入した高分子開始剤によって共重合可能なビニル単量体を 添加して重合させることによって製造され、 ③高分子連鎖移動法においては 、 上記 S H基を有するポリジメチルシロキサンの S H基の連鎖移動を利用し て上記共重合可能なビニル単量体を共重合させることによつて製造される。
上記重合反応は通常溶液において行われる。 上記溶液重合においては、 トル ェン、 キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、 アセトン、 メチルェチルケトン 、 メチルイソブチルケトン等のケ卜ン系溶剤、 酢酸ェチル、 酢酸プロピル、 酢酸イソプチル、 酢酸ブチル等のエステル系溶剤、 メタノール、 エタノール 、 イソプロパノール、 ブタノ一ル、 イソブタノール等のアルコール系溶剤等 の単独または混合溶剤が使用できる。
また上記溶液重合においては、 例えばベンゾィルパーォキサイ ド、 ラウリ ルパ一ォキサイド、 クメンハイ ドロパーォキサイ ド、 ジクミルパーォキサイ ド、 tーブチルバ一ォキシイソプロピルカーボネ一卜、 t一ブチルパーベン ゾェ一卜、 ジー t一ブチルパーォキサイ ド、 ァゾビスィソブチロニ卜リル、 ァゾビスバレロ二卜リル等の重合開始剤の併用も可能であるカ^ ②高分子開 始剤法では必ずしも使用しなくてもよい。
このようにして得られるポリジメチルシロキサン系共重合体 (A ) におい て、 シロキサン含有比率は 1〜6 0重量%、 好ましくは 5〜 4 0重量%、 そ の他共重合可能なビュル単量体の含有比率は 9 9〜 4 0重量%、 好ましくは
9 5〜6 0重量%とし、 その中に O H基やエポキシ基を有するビニル単量体 が含有されるのが望ましい。
〔ポリジメチルシロキサン系共重合体 (A ) と第 2成分 (B ) との混合物〕 ポリジメチルシロキサン系共重合体 (A ) と第 2成分 (B ) との混合は常 法によって行えばよく、 その配合割合は、 A : Bが固形分比で 9 9 : 1〜2
0 : 8 0、 好ましくは 9 5 : 5〜 3 0 : 7 0、 更に好ましくは 9 5 : 5〜5
0 : 5 0の範囲内である。
ポリジメチルシロキサン系共重合体 (A ) と第 2成分 (B ) とを含有する 本発明の組成物は、 以下説明する感熱転写記録フィルムのスティ ッキング防 止剤に用いることができる。 またそれ以外にも、 該組成物を表面および/ま たは裏面に塗布したプラスチックフィルムまたは紙は、 磁気テープ、 剝離フ イルム、 粘着テープ基材、 粘着ラベルまたはシール用基材、 キャスティ ング
、 医療用ポリウレタンフォーム製造用等に供せられる工程フィルムまたはェ 程紙、 食品包装用シートまたは包装紙等に用いることができる。
〔感熱転写記録フィルムの製造〕
本発明に使用される基材フィルムとしては、 例えばポリエチレン、 ポリプ ロピレン、 ポリ塩化ビニル、 ポリ塩化ビニリデン、 ポリエステル、 ポリアミ ド等のプラスチックフィルム、 ポリイミ ド、 ポリエチレンテレフ夕レート、 ポリ力一ボネ一卜、 ポリアセタール、 ポリフエ二レンォキシド等のェンジ二 ァリ ングプラスチックのフィルム、 セロファン等の繊維素誘導体のフィルム などがあり、 該基材フィルムの一方の面には上記ポリジメチルシロキサン系 共重合体 (A) と上記第 2成分 (B ) との混合物を塗布してスティ ッキング 防止層を形成する。
該ステイ ツキング防止層を形成するに際しては該ポリジメチルシロキサン 系共重合体 (A) と第 2成分 (B ) との混合物をアセトン、 メチルェチルケ トン、 メチルイソプチルケトン、 酢酸メチル、 酢酸ェチル、 ベンゼン、 トル ェン、 キシレン、 テトラヒドロフラン、 エチレンダリコールモノメチルエー テル、 プロピレングリコールモノメチルエーテル等の有機溶剤に溶解した溶 液を、 スプレー、 バーコ一タ一、 ロールコ一夕一、 ナイフコーター、 ェアナ ィフコータ一等によつて該基材フィルム表面に塗布し、 所望なれば加熱して 乾燥させる。 該有機溶剤溶液の塗布量は通常固形分として 0 . 0 l〜5 g / m 2 、 望ましくは 0 . 0 5〜2 g /m 2 であり、 形成される該スティ ッキン グ防止層の厚みは通常 0 . 0 1〜5 / m、 望ましくは 0 . 0 5〜2 mとす る。
上記ポリジメチルシロキサン系共重合体 (A) と第 2成分 (B ) との混合 物の有機溶剤溶液には、 トルエンジイソシアナ一卜、 トリレンジイソシアナ 一卜、 パラフエ二レンジイソシアナ一卜、 へキサメチレンジイソシアナ一ト 等の多価イソシアナ一ト化合物やメラミン、 アルコール変性メラミン等の架 橋剤を添加してもよい。 上記架橋剤の添加によってスティ ッキング防止層の
耐熱性を向上させることができる。 更に上記有機溶剤溶液にはジブチルスズ ジラウレートのような硬化触媒が添加されてもよい。
更に上記有機溶剤溶液には、 例えば炭酸カルシウム、 カーボンブラックあ るいはシリカ粉末等の充塡剤が添加されてもよい。
上記スティ ッキング防止層を一方の面に形成した基材フィルムの他方の面 には、 感熱性インキ層が形成される。 該感熱性インキ層は従前から用いられ るものが使用され、 熱可塑性 ί脂、 染料および顔料等の混合物からなる。 該熱可塑性樹脂としては例えばポリエチレン、 ポリプロピレン、 エチレン —プロピレン共重合体、 エチレン—酢酸ビニル共重合体、 エチレン一ァクリ ル酸エステル共重合体、 酢酸ビニルー塩化ビニル共重合体、 スチレンーァク リロ二卜リル共重合体、 アクリロニトリル—ブタジエン共重合体、 スチレン 一ブタジエン共重合体、 ァクリロ二卜リル一ブタジエン一スチレン共重合体 、 スチレン一アクリル酸エステル一アクリルアミ ド共重合体、 ポリ (メタ) アクリル酸エステル、 ポリ酢酸ビニル、 熱可塑性ポリアミ ド、 熱可塑性ポリ エステル等が使用され、 また染料としてはォレオゾ一ルファーストブルー Ε L (住友化学工業株式会社製) 、 ォレオゾ一ルファーストブラック B L (住 友化学工業株式会社製) 、 あるいはスミプラストブルー O R (住友化学工業 株式会社製) 等の油溶性染料が好ましく、 また顔料を添加する場合にはァゾ 染料系、 アン卜ラキノ ン系、 インジゴ系およびシァニン系等の有機系顔料、 カーボンブラック、 クロムイェロー、 酸化チタン等の無機系顔料が使用され る
該感熱性ィンキには所望なれば更にパラフィンオイル、 シリコンオイル、 ミネラルオイル、 夕一ペン等のオイル類ゃジォクチルフ夕レート、 ジブチル フタレート等の可塑剤、 更には分散剤、 安定剤等が添加されてもよい。
該感熱性ィンキは上記スティ ッキング防止層の塗布方法と同様な方法で基 材フィルム表面に塗布される。
本発明の組成物はポリジメチルシロキサン系共重合体 (A) と第 2成分 (
B ) とを含有しており、 これらが混合されていることによって、 塗膜状態に おいてミクロ層分離構造が形成され、 その結果ポリジメチルシロキサンの表 面濃縮機能が働き、 表面で潤滑性、 耐熱性、 撥水性等の機能が充分に発揮さ れる。
また、 本発明のスティ ッキングの防止剤はポリジメチルシロキサン系共重 合体 (A) と第 2成分 (B ) とを混合したものを使用する力 第 2成分 (B ) としてのポリ酢酸ビニル誘導体、 ポリアミ ド、 アクリル系樹脂、 エポキシ 系樹脂、 不飽和ポリエステル系樹脂および不飽和ポリエステル系樹脂の前駆 体からなる群から選ばれる少なくとも 1種の合成樹脂 (B— 1 ) および Zま たはセルロース誘導体 (B— 2 ) は、 塗膜の密着性や、 耐摩耗性、 引張り強 さ、 抗張力等の機械的強度を付与し得るため、 本発明の感熱転写記録フィル ムは、 スティ ッキング防止層が基材フィルムから剝離したり、 サ一マルへッ ドとの摩擦によりスティ ッキング防止層が削れたりすることがなく、 へッ ド カスが発生しないという優れた性能をも有する。
また、 ポリジメチルシロキサン系共重合体 (A) の中でも特にポリジメチ ルシロキサン系ブロック共重合体 (A— 2 ) では、 ポリジメチルシロキサン とビュル単量体がブロック構造を形成しており、 未反応シリコーンが存在し ないため、 該ポリジメチルシロキサン系ブロック共重合体 (A— 2 ) を用い た本発明の感熱転写記録フィルムは滑り性が良く、 感熱性ィンキのハジキが なく、 更に感熱性ィンキの転写阻害も発生しないという優れた性能をも有す る。
〔実施例〕
ポリジメチルシロキサン系ブロック共重合体 (A— 2 ) の製造
〔製造例 1〕
攪拌機、 温度計、 コンデンサ一および窒素ガス導入管を備えた 5 0 0 m l フラスコに、 イソプロピルアルコール 2 0 0重量部 (以下、 単に部とする。
) 、 メチルメタクリレー卜 4 5部、 n—プチルメタクリレー卜 1 5部、 2— ヒドロキシェチルメタクリレート 2 0部および VP S— 0 5 0 1 (和光純薬 工業株式会社製商品名, ァゾ基含有ポリジメチルシロキサンアミ ド, シリコ —ン鎖長 5 0 0 0 ) 2 0部を仕込み、 均一になるまで攪拌した後、 8 0°Cま で昇温し、 5時間で重合を終了した。
このようにして、 固形分 3 3. 3重量% (以下、 単に%とする。 ) の共重 合体溶液 A -(1) を得た。
〔製造例 2〕
製造例 1と同様の設備で、 製造例 1のメチルメタクリレー卜 4 5部、 n— プチルメタクリレー卜 1 5部および V P S - 0 5 0 1, 2 0部を、 メチルメ タクリレー卜 4 0部、 n—ブチルメタクリレート 2 0部、 ァ一メ夕クリロキ シプロピル卜リメ 卜キシシラン 1 0部および VPS— 0 5 0 1, 1 0部に変 更した以外は製造例 1と同様の配合、 操作により固形分 3 3. 3%の共重合 体溶液 A—(2) を得た。
〔製造例 3〕
製造例 1と同様の設備で、 製造例 1の VP S - 0 5 0 1, 2 0部およびメ チルメタクリレート 4 5部を V P S - 1 0 0 1 (和光純薬工業株式会社製商 品名, ァゾ基含有ポリジメチルシロキサンアミ ド, シリコーン鎖長 1 0 0 0 0) 30部およびメチルメタクリレート 3 5部に変更した以外は製造例 1と 同様の配合、 操作により固形分 33. 3%の共重合体溶液 A -(3) を得た。
〔製造例 4 )
製造例 1と同様の設備で、 製造例 3の V P S— 1 0 0 1, 3 0部および 2 一ヒドロキシェチルメタクリレート 2 0部を、 VP S— 1 0 0 1, 2 5部、 VPS- 0 5 0 1, 1 5部およびグリシジルメ夕クリレート 1 0部に変更し た以外は製造例 3と同様の配合、 操作により固形分 3 3. 3 %の共重合体溶 液 A—(4) を得た。
〔製造例 5〕
製造例 1と同様の設備で、 製造例 3のメチルメタクリレー卜 3 5部および 2—ヒドロキシェチルメタクリレー卜 2 0部を、 メチルメタクリレー卜 2 0 部、 2—ヒドロキシェチルメタクリレート 1 0部およびメ夕クリル酸 2 5部 に変更した以外は製造例 3と同様の配合、 操作により固形分 3 3. 3%の共 重合体溶液 A—(5) を得た。
ポリジメチルシロキサン系グラフト共重合体 (A— 1) の製造
〔製造例 6〕
製造例 1と同様の設備で、 イソプロピルアルコール 2 0 0部、 メチルメタ クリレート 4 0部、 n—ブチルメ夕クリレー卜 1 5部、 2—ヒドロキシェチ ルメタクリレー卜 2 0部、 FM— 0 7 2 5 (チッソ株式会社製商品名, 片末 端メタクリロイル型ポリジメチルシロキサン, シリコーン鎖長 1 0 0 0 0 ) 1 5部、 7—メタクリロキシプロピル卜リメ トキシシラン 1 0部およびァゾ ビスイソプチロニ卜リル 1部を仕込み、 8 0°Cまで昇温し、 5時間で重合を 終了した。 このようにして固形分 33. 3%の共重合体溶液 A— (6) を得た c 〔製造例 7〕
製造例 1と同様の設備で、 製造例 6の FM— 0 7 2 5, 1 5部、 メチルメ タクリレート 4 0部、 2—ヒドロキシェチルメタクリレー卜 2 0部およびァ ーメタクリロキシプロビルトリメ トキシシラン 1 0部を、 FM— 0 7 2 1 ( チッソ株式会社製商品名, 片末端メタクリロイル型ポリジメチルシロキサン , シリコ一ン鎖長 50 0 0) 2 5部、 メチルメタクリレート 2 5部、 2—ヒ ドロキシェチルメタクリレー卜 1 0部およびメタクリル酸 2 5部に変更した 以外は製造例 6と同様の配合、 操作により固形分 3 3. 3%の共重合体溶液 A -(7) を得た。
第 2成分 (B) の製造
〔製造例 8〕
製造例 1と同様の設備を使用して、 エスレック KS - 5 (積水化学株式会 社製商品名, ポリビニルァセ卜ァセタール) 1 0部、 トルエン 4 5部および
エタノール 4 5部を仕込み、 均一になるまで溶解して固形分 1 0%の樹脂液 B— (1) を得た。
〔製造例 9〕
製造例 1と同様の設備で、 製造例 8のエスレック KS— 5をトレジン F— 3 0 (帝国化学産業株式会社商品名, N -メ 卜キシメチル化ナイロン) に変 更した以外は製造例 8と同様の配合、 操作により固形分 1 0%の樹脂液 B— (2) を得た。
〔製造例 1 0〕
製造例 1と同様の設備で、 製造例 8のエスレック KS - 5, 1 0部、 トル ェン 4 5部およびエタノール 4 5部を、 BR— 8 0 (三菱レイヨン株式会社 製商品名, アクリル樹脂) 1 0部およびトルエン 9 0部に変更した以外は製 造例 8と同様の操作により固形分 1 0%の樹脂液8-(3) を得た。
〔製造例 1 1〕
製造例 1と同様の設備で、 製造例 8のエスレック KS— 5を、 EC N- 1 0 0 (ハーキュレス社製商品名, ェチルセルロース) に変更した以外は製 造例 8と同様の配合、 操作により固形分 1 0%の樹脂液8—(4) を得た。
〔製造例 1 2〕
製造例 1と同様の設備で、 製造例 8のエスレック KS - 5, 1 0部、 トル ェン 4 5部およびエタノール 4 5部を、 CAP 4 8 2— 0. 5 (イーストマ ンケミカル社製商品名, セルロースアセテートプロピオネート) 1 0部およ びメチルェチルケトン 9 0部に変更した以外は製造例 8と同様の操作により 固形分 1 0%の樹脂液8-(5) を得た。
〔実施例 1〕
製造例 1で得られた共重合体溶液 A -(1) 5 5部と製造例 8で得られた樹 脂液 B—(1) 4 5部とを混合し、 固形分 2 2. 8%の混合液を得た。 得られ た混合液をメチルェチルケトンで固形分 5%まで希釈し、 これを 2 5 //mの PETフィルム上にバーコ一ターで塗布した後、 1 0 0°Cで 3分間加熱乾燥
し、 膜厚 0. 5 //mの無色透明の塗膜 (スティッキング防止層) を形成した。 これを試料 aとする。
〔実施例 2〕
製造例 2で得られた共重合体溶液 A -(2) 8 5部と製造例 9で得られた樹 脂液 B—(2) 1 5部とを混合し、 固形分 2 9. 8%の混合液を得た。 得られ た混合液をメチルェチルケトンで固形分 5%まで希釈し、 これを 2 5 の P ETフィルム上にバーコ一ターで塗布した後、 1 0 0°Cで 3分間加熱乾燥 し、 膜厚 0. 5 mの無色透明の塗膜 (スティ ッキング防止層) を形成した。 これを試料 bとする。
〔実施例 3〕
製造例 3で得られた共重合体溶液 A -(3) 3 5部と製造例 1 0で得られた 樹脂液 B—(3) 6 5部とを混合し、 固形分 1 8. 2 %の混合液を得た。 得ら れた混合液をメチルェチルケトンで固形分 5 %まで希釈し、 これを 2 5 βΐη の P ETフィルム上にバーコ一ターで塗布した後、 1 0 0°Cで 3分間加熱乾 燥し、 膜厚 0. 5 //mの無色透明の塗膜 (スティ ッキング防止層) を形成し た。 これを試料 cとする。
〔実施例 4〕
製造例 4で得られた共重合体溶液 A—(4) 2 4部と製造例 1 1で得られた 樹脂液 B—(4) 7 6部とを混合し、 固形分 1 5. 6 %の混合液を得た。 得ら れた混合液をメチルェチルケトンで固形分 5 %まで希釈し、 これを 2 5〃m の P ETフィルム上にバーコ一ターで塗布した後、 1 0 0°Cで 3分間加熱乾 燥し、 膜厚 0. 5 の無色透明の塗膜 (スティ ッキング防止層) を形成し た。 これを試料 dとする。
〔実施例 5〕
製造例 5で得られた共重合体溶液 A -(5) 4 0部と製造例 8で得られた樹 脂液 B—(1) 2 0部と製造例 1 1で得られた樹脂液 B -(4) 4 0部とを混合 し、 固形分 1 9. 3 %の混合液を得た。 得られた混合液をメチルェチルケト
ンで固形分 5 %まで希釈し、 これを 2 5 / mの P ETフィルム上にバーコ一 ターで塗布した後、 1 0 0°Cで 3分間加熱乾燥し、 膜厚 0. 5 mの無色透 明の塗膜 (ステイツキング防止層) を形成した。 これを試料 eとする。
〔実施例 6〕
製造例 6で得られた共重合体溶液 A -(6) 7 5部と製造例 1 2で得られた 樹脂液 B—(5) 2 5部とを混合し、 固形分 2 7. 5%の混合液を得た。 得ら れた混合液をメチルェチルケトンで固形分 5%まで希釈し、 これを 2 5 βπ\ の Ρ Ε Τフィルム上にバーコ一タ一で塗布した後、 1 0 0 °Cで 3分間加熱乾 燥し、 膜厚 0. 5 mの無色透明の塗膜 (スティッキング防止層) を形成し た。 これを試料 f とする。
〔実施例 Ί〕
製造例 7で得られた共重合体溶液 A—(7) 3 0部と製造例 1 0で得られた 樹脂液 B—(3) 5 0部と製造例 1 2で得られた樹脂液 B—(5) 2 0部とを混 合して、 固形分 1 7. 0%の混合液を得た。 得られた混合液をメチルェチル ケ卜ンで固形分 5%まで希釈し、 これを 2 5 /mの P ETフィルム上にバー コ―ターで塗布した後、 1 0 0 °Cで 3分間加熱乾燥し、 膜厚 0. 5 // mの無 色透明の塗膜 (スティッキング防止層) を形成した。 これを試料 gとする。
〔比較例 1〕
製造例 2で得られた共重合体溶液 A - (2) をメチルェチルケ卜ンで固形分 5%まで希釈し、 これを 2 5 /mの P ETフィルム上にバーコ一ターで塗布 した後、 1 0 0°Cで 3分間加熱乾燥し、 膜厚 0. 5 mの無色透明の塗膜 ( ステイツキング防止層) を形成した。 これを試料 hとする。
〔比較例 2〕
製造例 4で得られた共重合体溶液 A -(4) をメチルェチルケトンで固形分 5 %まで希釈し、 これを 2 5 //mの P ETフィルム上にバーコ一ターで塗布 した後、 1 0 0°Cで 3分間加熱乾燥し、 膜厚 0. 5 / mの無色透明の塗膜 ( スティッキング防止層) を形成した。 これを試料 iとする。
〔比較例 3〕
製造例 6で得られた共重合体溶液 A—(6) をメチルェチルケ卜ンで固形分 5%まで希釈し、 これを 2 5 //mの PETフィルム上にバーコ一ターで塗布 した後、 1 0 0°Cで 3分間加熱乾燥し、 膜厚 0. 5 //mの無色透明の塗膜 ( スティッキング防止層) を形成した。 これを試料 j とする。
実施例 1 ~ 7および比較例 1〜 3で製造した試料 a〜 jを切り出し、 それ ぞれ 5枚を表 ·裏交互に接するように重ね、 2枚のガラス板に挟み、 4 0 g /cm2 の荷重をかけ、 4 0°Cで 2 4時間加熱した。 その後、 スティ ッキング 防止層を設けていないフィルムの面にパラフィ ンワックス 5 0部、 カルナバ ワックス 2 5部、 エチレン一酢酸ビニル共重合体 1 0部およびカーボンブラ ック 1 5部からなる感熱性インキを厚さ 4. 0 mになるように塗布し、 感 熱転写記録シートとした。 その際、 インキのハジキの程度を評価した。 結果 を表 1に示す。
〔表 1〕
更に、 上記実施例および比較例で得られた感熱転写記録シー卜について、 それぞれ 5枚を感熱性ィンキ塗布面とスティ ッキング防止層とが接するよう に重ね、 2枚のガラス板に挟み、 4 0 g /cni2 の荷重をかけ、 6 0 °Cで 2 4 時間加熱した。 これらの感熱転写記録シートを、 実際にサーマルへッ ドにか ける電圧とパルス幅を変えて 1 . 0〜3 . O m j Z d 0 tまで記録を行った 。 その際、 印字の状態、 スティ ッキング防止性およびスティ ッキング防止剤 の剝離によるサ一マルへッ ドへの付着物 (へッ ドカス) の発生度合いについ て観察した。 結果を表 2に示す。
〔表 2〕
実施例 1〜 7で得られたシートではスティ ッキングは発生せず、 へッ ドカ スも生じなかった。 特に実施例 1〜5で得られたシートでは、 インキのハジ キも印字のムラ (転写阻害) もなかった。 それに対し、 比較例 1〜3で得ら れたシ一卜ではスティ ッキングの発生はなかったが、 へッ ドカスの発生が見 られた。
〔発明の効果〕
本発明の組成物は、 ポリジメチルシロキサン系共重合体 (A) と第 2成分 ( B ) とを含有しており、 塗膜状態においてミクロ層分離構造を形成するた め、 シリコーンの有する潤滑性、 耐熱性、 撥水性等の機能が充分に発揮され る。
このような組成物を使用した本発明のスティ ッキング防止剤によれば、 <咸
熱転写記録フィルムに、 へッ ドカスが発生しないという優れた性能を付与す ることができ、 特に、 ポリジメチルシロキサン系ブロック共重合体を用いる ことにより、 感熱転写記録フィルムに、 滑り性が良く、 感熱性インキのハジ キがなく、 感熱性ィンキの転写阻害を防止するという性能をも付与すること ができる。