WO1997048911A1

WO1997048911A1 - Boulon d'ancrage autoperceur

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Publication number: WO1997048911A1
Application number: PCT/JP1997/002072
Authority: WO
Inventors: Hisayoshi Yamamoto; Takayuki Sato
Original assignee: Yamahiro Co., Ltd.
Priority date: 1996-06-19
Filing date: 1997-06-16
Publication date: 1997-12-24
Also published as: DE69707088T2; DE69707088D1; EP0845605A1; CN1196778A; AU3107697A; US6004085A; EP0845605B1; EP0845605A4; TW382649B; JP3291202B2; JPH109233A

Description

明細書セルフドリリングァンカ一技術分野

本願発明は、コンクリート、レンガ又はブロック等の構造物に各種金具等の被固定物を取り付け、固定する際に使用するアンカ一ピン、アンカーボルト等のァンカーに関し、より詳しくはそれ自身で下孔を穿孔することのできるセルフドリリングアンカーに関するものである。背景技術

従来においては、コンクリート、レンガ又はブロック等の構造物に各種の金具等を取り付け、固定する方法として、コンクリート養生前にアンカ一ボルトゃァンカ一ビン等を埋め込む方法と、コンクリート養生後に施工する後施エアンカー方式、或いは火薬などでビンを打ち込む方法があるが、本願発明は後施工アンカ一に関するものである。

従来の後施エアンカ一の作業方法は、所定太さのコンクリ一トドリルにより所定の深さまで下孔を穿設し、次にアンカ一ビン等を理め込み、そのアンカーの先端部分等を下孔の内径以上に拡張させることによって、引き抜き保持力を付与する方法、或いは下孔に接着剤とアンカーを挿入し、接着力により引き抜き保持力を付与する方法などがあった。

例えば、第 8図は、従来のアンカービンを示しており、その（A ) が正面図、その（B ) が中央縦断面図、その（C ) が平面図、その（D ) が底面図、その（ E ) がビンの正面図である。

このアンカ一ビンは、本体部 5 0とビン 6 0とから成り、本体部 5 0は、上方基端部に設けられた頭部 5 1 と、その頭部 5 1から下方に延長する蚰部 5 2とから成り、頭部 5 1 の外径を蚰部 5 2の外径よりも大きく形成し、蚰部 5 2の外径はその全体に渡りほぼ一定である。

更に、頭部 5 1及び蚰部 5 2の軸芯部には、ビン 6 0を受容するための孔部 5 3が、その基端部側上端から下方の先端部側の適宜位置にまで穿設されている。孔部 5 3の内径は、ビン 6 0の頭部 6 1を受ける部分が大きく形成され、その他のビン 6 0の蚰部 6 2を受容する部分が一定となっている。

轴部 5 2の下方先端部分には、一定長さのスリット 5 4を、蚰部 5 2の先端を 2分割するように（第 8図（D ) ) 形成し、このスリット 5 4は、蚰部 5 2の先端から孔部 5 3に到るまで形成されている。

蚰部 5 2の先端部分の外周には、複数の環状の溝部 5 6力く形成されている。本体部 5 0の孔部 5 3に嵌入させるピン 6 0は、上方基端部に設けられた外径の大きな頭郜 6 1 と、それから下方に伸びる一定の外径を有する蚰部 6 2とから成り、蚰部 6 2の下方先端部が先細の尖った形状を有する釘形状のものである。

このピン 6 0を本体部 5 0の孔部 5 3に嵌入させ、ハンマー等で打ち込むことにより、スリット 5 4によって 2つに分割された本体部 5 0の先端部 5 5、 5 5 が拡開され、このアンカーが構造物に固定されることによって、被固定物が構造物に固定されるのである。

第 9図が、前記アンカービンの使用例を図示する説明図であって、以下の手順で行われる。

第 9図（A ) に示したように、コンクリート等の構造物 6 5に固定する被固定物である金物 6 6を通して、電動ドリルにより下孔を開ける。

第 9図（B ) に示したように、本休都 5 0の孔部にビン 6 0を嵌入したアンカ一ピンを前記下孔にセットする。

第 9図（C ) に示したように、ハンマー 7 1によりビン 6 0を打ち込む。第 9図（D ) に示したように、ピン 6 0の打ち込みにより、本体部 5 0の先端の先端部 5 5、 5 5が拡開して、アンカーが構造物 6 5に固定されると共に、金物 6 6も構造物に固定される。

アンカ一としては、上記のアンカーピンの他に、特に頭部 5 1が設けられておらず、 1本の蚰部から構成され、蚰部 5 2の上方基端部の外周面にネジ山が形成されたアンカ一ボルトもある。このアンカ一ボルトの場合には、これを構造物に固定した後に、ナツト等により被固定物を固定することができる。

以上のように、従来のアンカーにおいては、コンクリートドリル等の電動ドリルによる下孔開けの作業と、被固定物と構造物との位置合わせ作業が必要となり、施工を複雑にしており、手間と時間が掛かり、且つ熟練をも要していた。そこで、本願発明は、被固定物をも舍めてコンクリート等に下孔を開ける穿孔作業を行うと共に、被固定物を構造物に固定できるアンカーの提供をその課題とする。つまり、アンカ一が同時に穿孔作業をも行いうるもので、被固定物及び構造物への下孔の穿孔作業と固定作業を確実に、且つ能率よく行える自己穿孔（セルフドリリング）アンカ一を提供することをその課題としている。発明の開示

上記の課韪を解決するために、本願発明の第 1のものは、軸部〗 2の蚰芯部にピン 1打込用の孔部 1 5力く蚰部 1 2の基端部から蚰部 1 2の先端部に向かって適宜長さ穿設され、轴都 1 2の先端部にはその先端から前記孔部 1 5に到るまでスリット 1 6が形成され,、前記孔部 1 5にはビン 1が嵌入され、ピン 1を打ち込んでスリット 1 6を拡開させることによりコンクリート等の構造物に固定されるァンカーにおいて、蚰部 1 2の基端部が回転工具の回転部と係合することができ、軸部 1 2の先端都がドリル刃 2 0、 2 5、 3 1を有し、このドリル刃 2 0、 2 5 、 3 1の回転によって構造物等に下孔が穿設されるものである。

本願発明の第 2のものは、轴部 1 2の軸芯部にビン 1打込用の孔部 1 5が蚰都 1 2の基端部から蚰部 1 2の先端都に向かって適宜長さ穿設され、蚰部 1 2の先端部にはその先端から前記孔部 1 5に到るまでスリツト 1 6が形成され、前記孔部 1 5にはビン 1力く嵌入され、ピン 1を打ち込んでスリット 1 6を拡開させることによりコンクリート等の構造物に固定されるアンカ一において、轴部 1 2の基端部が回工具の回転部と係合することができ、蚰部 1 2先端部のスリツト】 6 にドリル刃 2 0、 3 1を挟持させ、このドリル刃 2 0、 3 1の回転によって構造物等に下孔が穿設されるものである。

このように、本願発明の第 1及び第 2のものにおいては、蚰部 1 2の先端にドリル刃 2 0、 2 5、 3 1を有しているため、被固定物を構造物の取付位置に配置して、被固定物の上から電動回転工具等を使用してアンカーを打ち込むことによつて下孔が穿設され、その後蚰部 1 2の蚰芯部の孔部 1 5に嵌入されたビン 1を打ち込むことによって、蚰部 1 2の先端部に設けられたスリット 1 6が拡開して、即ち蚰部 1 2の先端部が拡開してアンカーが構造物に固定されるのである。本願発明の第 3のものは、前記第 2の発明において、ドリル刃 2 0、 3 1の下方先端部には切削刃 2 8、 4 8が設けられ、その上方基端部にはその略中央部から下方に向かって切欠都 2 3が適宜長さ設けられ、このドリル刃 2 0、 3 1の基端部側がスリット 1 6に挟持されて、切欠都 2 3力スリット 1 6内に位置し、この切欠都 2 3内に前記ビン 1の先端部分が侵入できるものである。

これにより、蚰部 1 2の先端部のスリット 1 6に挟持されたドリル刃 2 0、 3 1が被固定物及び構造物に有効に下孔を穿設することができ、その後ビン 1を打ち込むに際しても、ドリル刃 2 0、 3 1に設けられた切欠部 2 3の存在により何の問題もなくピンを打ち込むことができる。

また、切欠部 2 3はスリット 1 6内部に位置しているため、ドリノレ刃 2 0、 3 1が蚰部 1 2の先端部で折れてしまうという問題もなく、その強度は十分に保たれるのである。

本願発明の第 4のものは、前記第 1の発明において、蚰部 1 2の先端部に穿孔用のドリル刃 2 5を直接形成したものである。

この発明においては、前記第 1及び第 2の発明と同様の作用を有し、更に穿孔用のドリル刃 2 5力蚰部 1 2の先端に直接形成されるため、前記第 2及び第 3の発明のように、別体に形成されたドリル刃 2 0をアンカ一の蚰部 1 2に組み合わせる手間を省略することができる。図面の簡単な説明

第 1図は、本願発明に係るセルフドリリングアンカ一の実施の形態を図示しており、その（A) がアンカ一の本体部の正面図、その（B) が本体都の中央縦断面図、その（C) が本体部の平面図、その（D) が本体都の底面図、その（E) が本体部の先端部分の拡大側面図、その（F) がピンの正面図である。

第 2図は、第 1図に示したセルフドリリングアンカーの使用例を図示した説明図であって、その（A) がセルフドリリングアンカ一を打ち込みつつある穿孔状態を示し、その（B) が穿孔が完了した状態を示し、その（C) がビンを打ち込んで、アンカーを固定した状態を示している。

第 3図は、本願発明に係るドリル刃の実施の形態を図示しており、その（A) が第 1図に図示した実施形態で用いた板状のドリル刃の正面図、その（B) 力同側面図、その（C) が他の実施形態のドリル刃の正面図、その（D) が同側面図である。

第 4図は、第 3図（A) 及び（B) に図示したものと同様の形態を有するドリル刃の他の 3つの変更例を図示する正面図である。

第 5図は、本願発明に係るセルフドリリングアンカーの他の実施の形態を図示しており、その（A) が本休部の正面図、その（B) が本体部の中央縦断面図、その（C) が本体部の平面図、その（D) が第 5図（B) の S— S線断面図、その（E) が本体部先端の拡大斜視図、その（F) がビンの正面図である。

第 6図は、第 5図に示したセルフドリリングアンカーの使用例を図示した説明図である。

第 7図は、本願発明に係るセルフドリリングアンカーの更に他の 2つの実施形態を図示しており、その蚰部の上方基端部の部分を示す。その（A) がー方の実施形態の蚰部の平面図と中央縦断面説明図、その（B) が他方の実施形態の蚰部の平面図と中央縦断面説明図である。

第 8図は、従来のアンカ一ビンを示しており、その（A) が正面図、その（B ) が中央縦断面図、その（C) が平面図、その（D) が底面図、その（E) がピンの正面図である。

第 9図は、第 8図に示した従来のァンカービンの使用例を図示する説明図であつて、その（A ) が被固定物と構造物に電動ドリルによって下孔を開ける状態を示し、その（B ) がアンカーピンを下孔にセットする状態を示し、その（C ) がビンを打ち込む状態を示し、その（D ) がアンカ一力く構造物に固定され、同時に被固定物も構造物に固定された状態を示す。発明を実施するための最良の形態

以下、添付の図面と共に本願発明の実施の形態について説明する。第 1図乃至第 Ί図が本願発明の実施の形態を図示している。

第 1図は、本願発明に係るセルフドリリングアンカーの実施の形態を図示しており、その（A ) がアンカーの本体部 1 0の正面図、その（B ) が本体部 1 0の中央縱断面図、その（ C ) が本体部 1 0の平面図、その（ D ) が本休部 1 0の底面図、その（E ) が本体部 1 0の先端部分の拡大側面図、その（F ) がピン 1の正面図である。

このセルフドリリングアンカ一は、本体部 1 0とピン 1と力、ら成り、本体部 1 0は、その上方基端部に形成された頭部 1 1と、その頭部 1 1から下方に延長する蚰部 1 2とから成り、岫都 1 2の先端都に穿孔用のドリル刃 2 0が設けられている。

頭部 1 1は、電動回転工具等の回転部と係合しうるような 6角形の断面外形を有する 6角ボルトの頭部形状と同様の形状を有しており、頭部 1 1の座面には、頭部 1 1の外径よりも大きい外径の鍔部 1 3が形成されている。この鍔部 1 3は被固定物を押圧して固定する際に有効となる。

蚰部 1 2は、一定の外径を有する円柱形状を有し、第 1図（E ) に現れているように、その外周面に螺旋状の溝部 4 1又は突条部を形成している。これらの溝部 4 1又は突条部は、蚰部 1 2の先端部が拡開して構造物に固定される際の引つ掛かり部となる。より詳しくは、第 1図（E ) において、螺旋状の溝部 4 1は、進み側フランク 4 2と追い惻フランク 4 3により構成され、進み側フランク 4 2の蚰芯に対する傾斜角度を緩やかに、追い側フランク 4 3の軸芯に対する傾斜角度を急に形成している。これによつて、蚰都の先端部 1 8、 1 8が拡開した際に、この追い側フランク 4 3の面がほぼ水平となり、構造物に有効に引っ掛かることとなる。尚、この溝部 4 1は、他の図において図示簡略化のため省略している。

更に、蚰部 1 2の外周面に形成された、螺旋状の溝都 4 1又は突条部は、このセルフドリリングアンカーを固定する構造物の切り粉等を有効に俳出しうるような手段としての機能をも発揮するものである。この螺旋状の溝都 4 1等は、切り粉等の排出用であるため、そのリード角を通常のネジのリード角よりも大きいものとしてもよい。この螺旋状の溝部は、蚰部 1 2の基端部まで形成しておく。また、軸部 1 2の外径をドリル刃 2 0の横幅よりも小さく形成して切り粉等の排除を有効に行うようにすることもできる。

本体部〗 0の頭部 1 1の上端から先端側に向かって、その軸芯都に一定の内径の孔部 1 5を穿設し、この孔部 1 5は、蚰部 1 2の先端から一定の長さ位置まで設けておく。図中 1 7が孔部 1 5の下方先端部を示している。この下方先端部 1 7を先の尖った形状にして、ビン 1の先端を案内する。孔部 1 5の上方端は、その内径を少し大きくして、ピン 1の頭部 2と適切に適合するように形成する。更に、蚰¾? 1 2の下方先端部には、その先端部を 2分割するように、即ち、蚰部 1 2の中心を含む平面で 2分割するように、スリット 1 6を形成する。このスリット 1 6は、前記孔部 1 5の部分に到るまで設けておく。

このスリット 1 6の部分に、固定される金具やコンクリート等の構造物の穿孔用のドリル刃 2 0を嵌合させ、スリット 1 6にドリル刃 2 0を挟持させている。

ドリル刃 2 0の挟持に際しては、ろう付け等を行うことも自由であり、要するに、このドリル刃 2 0力スリット 1 6の部分に種々の方法により固定されていればよい。勿論、ドリル刃 2 0は、スリット 1 6に強制嵌合されているだけでもよい。ドリル刃 2 0がろう付けされる場合、このろう付けの強度は、あまり強くないため、軸部 1 2の先端部 1 8、 1 8が拡開する際に、何ら問題となることはない。

ピン 1は、その上方基端部に設けられた頭部 2と、その頭部 2から下方に延長する蚰部 3とからなり、頭部 2の外径を蚰部 3の外径よりも大きく形成し、蚰部 3の外径は一定で、その先端部が先細に尖った形状を有している。

このビン 1を前記本体都 1 0の孔部 1 5内に嵌入させて、セルフドリリングァンカ一が形成される。

第 2図が、上記セルフドリリングアンカーの使用例を図示した説明図であって、その（A ) がセルフドリリングアンカ一を打ち込みつつある穿孔状態を示し、その（B ) 力く穿孔が完了した状態を示し、その（C ) がビンを打ち込んで、アン力一を固定した状態を示している。

先ず第 2図（A ) において、コンクリート等の構造物 6 5に被固定物である金具 6 6を配置する。金具 6 6の上からこのセルフドリリングアンカ一を打ち込んで行く。打ち込みに際しては、電動回転工具を使用し、この工具のドライバービット 7 0を頭部 1 1に係合させ、このセルフドリリングアンカ一を回転させつつ、削孔し、金具 6 6と共にコンクリート、レンガ、ブロック等の構造物 6 5を穿孔して行く。

この回転打ち込み力により、軸部 1 2先端に設けられたドリル刃 2 0が金具 6 6及び構造物 6 5に下孔を穿設して行く。

第 2図（B ) において、下孔の穿孔力完了し、頭部 1 1の座面を形成する鍔部 1 3の下面が金具 6 6の表面を押圧する状態となる。この状態で電動画転工具のドライバ一ビット 7 0をアンカーの頭部 1 1から取り外す。その後頭部 1 1の蚰芯から上方に突出しているビン 1の頭部をハンマー 7 1で打擊して、ピン 1をァンカーの舳部 1 2内に打ち込んで行く。

第 2図（C ) において、ビン 1がアンカ一の頭部 1 1及び軸部 1 2内部に打ち込まれると、ビン 1の先端が蚰部 1 2の先端部に形成されたスリット 1 6内に強制的に嵌入して、蚰部 1 2の先端部 1 8、 1 8が拡開することとなり、この先端部 1 8、 1 8の拡開によって、このセルフドリリングアンカーが構造物に固定され、同時に金物 6 6が構造物 6 5に堅固に固定されることとなるのである。尚、第 2図においては、蚰部 1 2の外周に形成された潸部は、第 2図（C ) のみに図示し、その他の図においては簡略化のためその図示を省略している。第 3図は、各種形態のドリル刃を図示しており、その（A ) が上記の実施形態に係るドリル刃 2 0の正面図、その（B ) が同側面図であり、その（C ) が他の実施形態に係るドリル刃 3 1の正面図、その（D ) が同側面図である。

先ず、第 3図（A ) 及び（B ) に図示したものにおいては、ドリル刃 2 0の全休形状は、板状の正面視略 U字形状を呈しており、下方先端部の切削刃 2 8が形成されている肉厚部 2 1と、軸部 1 2の先端部に形成されたスリット 1 6に嵌合する肉薄部 2 2とからなる。

肉薄都 2 2には、その上方基端部の略中央部から下方に向かって適宜長さ切欠部 2 3を設けている。この切欠部 2 3の横幅は、アンカーの轴き IU 2に穿設された孔部 1 5の内 ί圣とほぼ同等に形成し、且つ切欠部 2 3の下方先端部分は先細に尖った形状に形成している。これによりビン 1の先端部をスリット 1 6内に侵入し易くしている。

この実施の形態においては、肉薄都 2 2と肉厚部 2 1 との境界部の段部 2 4が、即ち、アンカーの蚰都 1 2の下方先端部が当接する部位が、切欠部 2 3の下方先端部 2 6よりも長さ Νだけ下方に位置するように形成している。これにより、切欠部 2 3の都分がアンカ一の蚰部 1 2のスリツト 1 6内部に受容されて、ドリル刃 2 0力、その段部 2 4の部位で折れてしまうことを防止することができる。次に、第 3図（C ) 及び（D ) に図示したものにおいては、ドリル刃 3 1がその先端部側の穿孔部 4 2と、基端部側の板状の肉薄都 2 2とから成る。穿孔部 4 2は、上記実施形態のような板状体ではなく、先端が尖った先細の円柱形状を有し、その下方先端部から上方に向かって切削刃 4 8力く形成されている。

基端部側の上記肉薄部 2 2力スリット 1 6に挟持される部分であって、その肉薄部 2 2には、その上方基端部の略中央部から下方に向かって適宜長さの切欠部 2 3力 ^形成されている。この肉薄部 2 2の形態は、第 3図（Α ) 及び（Β ) に図示した形態と同様である。

従って、このドリル刃 3 1を用いたアンカーは、轴部 1 2とその先端のドリル刃 3 1と力 <別体に形成されている力 <、これらが結合されることにより、その全体が一般的なセルフドリリングネジの形態を呈するものである。

第 4図は、第 3図（Α ) 及び（Β ) に図示した板状のドリル刃 2 0と同様の形態を有するものの他の 3つの変更例を図示している。これらのドリル刃 2 0においては、肉薄部 2 2と肉厚部 2 1 との境界線である段部 2 4が切欠部 2 3の下方先端部 2 6よりも上方に位置しているものである。

これら 3つの実施形態においては、段部 2 4にアンカーの蚰部 1 2の下方端部が当接する関係上、また段部 2 4の下方位置に切欠都 2 3の下方先端部 2 6が位置することとなるため、段部 2 4の部位でドリル刃 2 0が折損してしまうという問題を孕んでいる。

従って、ドリル刃 2 0の最良の実施の形態としては、第 3図（Α ) 及び（Β ) に図示した前記実施の形態のように、段部 2 4を切欠部 2 3の下方先端部 2 6よりも下方位置に位置させることが極めて望ましいのである。

ドリル刃 2 0の下方先端部は、その中央部が尖った形状を有し（第 3図（Α ) ) 、その尖った中央都の両側に切削刃 2 8が 2つ形成されている。

段部 2 4は、特に設けなくともよく、その場合には、スリット 1 6の上端部がドリル刃 2 0の上方基端部と当接することとなる。し力、し、スリット 1 6は、その間隔を小さくすることによって、ビン 1を打ち込んだ際に拡開する広さが大きくなるため、スリット 1 6の間隔は小さい方が望ましい。そのためドリル刃 2 0 の強度等を考慮して、蚰部 1 2のスリット 1 6内に挟持される部分の上方基端部側の厚みを薄くし、下方先端部の厚みを厚く形成すること力望ましい。

ドリル刃 2 0において、下方先端部側の肉厚部 2 1と上方基端部側の肉薄部 2 2との間の境界の段部 2 4が設けられている場合には、ドリル刃 2 0の基端部側の端部はスリット 1 6の上端部に当接していなくともよい。第 5図は、本願発明に係るセルフドリリングアンカ一の他の実施の形態を図示しており、その（A ) が本体部の正面図、その（B ) が本体部の中央縦断面図、その（C ) が本体部の平面図、その（D ) が第 5図（B ) の S— S線断面図、その（E ) が本体部先端の拡大斜視図、その（F ) がビンの正面図である。

この実施の形態において、第 1図に図示した実施の形態と異なる点は、本体部 3 0の舳部 1 2の先端部に穿孔用のドリル刃 2 5が直接形成されていることである。その他の構成は、第 1図に図示した実施の形態とほぼ同様である。

即ち、本体部 3 0の上方基端部には 6角ボルトの頭部の形状と同様の頭部 1 1 を設け、頭部 1 1の座面には鍔部 1 3を設け、その鍔部 1 3から下方に向かって一定外径の蚰部 1 2を延長させ、蚰部 1 2の先端部には、穿孔用のドリル刃 2 5 を形成し、頭部 1 1及び蚰都 1 2の蚰芯部には孔部 1 5を形成し、蚰部 1 2の先端部分にはスリット 1 6を形成し、このスリット 1 6は前記孔部 1 5の部分に到るまで設けられているものである。そして、孔部 1 5内にはビン 1を嵌入させ、セルフドリリングアンカーが形成される。

このセルフドリリングアンカ一のドリル刃 2 5は、塑性加工又は切削加工によつて製造することができる。

ドリル刃 2 5の形状も、従来のセルフドリリングネジ等の形態をそのまま利用することができる。

スリット 1 Gを設ける位置に関しては、第 5図（D ) に図示したように、切削刃 2 7の背後のランド 2 9の部分の位置に、例えば線 Pと線 Qとの間の領域に設けることが望ましい。また、スリット 1 6を切削刃 2 7を舍む面（図中、線 Rで示す面）に設けることもできる。

この実施の形態においては、ドリル刃 2 5の先端のチゼルポィント 4 0 (第 5 図（A ) 及び（B ) ) の効果を減少させないようにするため、スリット 1 6は、蚰部 1 2の先端の部位には設けないようにすることもできる。即ち、スリット 1 6は、蚰部 1 2の先端の少し上方の位置から孔部 1 5に到るまで形成するようにすることもできる。更に、このセルフドリリングアンカーにおいては、その蚰部 1 2の外径を先端部のドリル刃 2 5の外径よりも小さくしてもよい。

また、該蚰部 1 2の外周部に切り粉排出用の螺旋状の溝部又は突条部を形成してもよいし、更にはタッビング用のネジ山を形成することもできる。

尚、ドリル刃 2 5は、スリット 1 6を形成した後に、ビンチポイント等の適宜方法によって加工することもできる。この方法の場合、スリット 1 6を形成した後にビンチボイン卜するため、スリット 1 6の間隔が押し潰されて、間隔が 0となってしまう力く、スリット 1 6自体の切り込みは残るため、先端部 1 8、 1 8が拡開するに当たり、特に問題はない。他方、この方法によってドリル刃 2 5を加ェする場合は、スリット 1 6をドリル刃 2 5のランド 2 9の位置等に設定することは困難であり、その位置は不定となる。しかし、スリット 1 6の間隔が無くなり、実質的にスリット 1 6が無くなるため、どの位置にスリット 1 6が位置しようと、全く問韪は生じない。

第 6図が、このセルフドリリングアンカーの使用例を図示した説明図である。先ず一番左の図において、コンクリート等の構造物 6 5に被固定物である金具 6 6を配置して、金具 6 6の上からこのセルフドリリングアンカーを電動回転ェ具によつて回転させつつ、打ち込んで行く。

この回転打ち込み力により、軸部 1 2先端に設けられたドリル刃 2 5が金具 6 6及び構造物 6 5に下孔を穿設して行く。

次に真ん中の図において、下孔の穿孔が完了し、頭部 1 1の座面を形成する鍔部 1 3の下面が金具 6 6の表面を押圧する状態となり、頭部 1 1の蚰芯から上方に突出しているビン 1の頭部をハンマ一 7 1で打撃して、ビン 1をアンカーの蚰都 1 2内に打ち込んで行く。

最後に一番右の図において、ピン 1がアンカーの内部に打ち込まれると、ビン 1の先端が軸邬 1 2の先端都に形成されたスリット 1 6内に強制的に嵌入して、轴部 1 2の先端部 1 8、 1 8が拡開することによって、金物 6 6を構造物 6 5に固定することができる。尚、この第 6図においては、軸部 1 2の外周に設けた螺旋状のネジ山は、中央の図面にのみ図示し、他の図においては簡略化のため省略した。

第 7図は、本願発明に係るセルフドリリングアンカーの他の実施形態を図示しており、前記実施の形態とその軸部の上方基端部の構造を異にするものである。これらの実施形態においては、アンカ一本体部が頭部を有していないものである。

第 7図（A ) は、その平面図と一部中央縦断面図を示しており、アンカーの下方先端部分の図示は省略している。

このアンカーにあっては、本体部 3 2が蚰都 1 2力、ら成り、蚰部 1 2の基端部側の外周面にネジ山 3 3が形成され、蚰部 1 2の基端部の端面部に電動面転工具の回転部と係合する係合孔部 3 4が設けられている。

軸部 1 2の先端部側は、上記の実施形態と同様に形成することができるため、図示省略している。

このァンカーの使用例は以下の通りである。

まず、電動回転工具の回転部を蚰部 1 2の基端部に設けられた係合孔部 3 4に係合し、アンカー本体部 3 2を回転させて、被固定物（図示省略）の上から構造物 6 5に打ち込む。必要な長さだけ打ち込んだ後、アンカーの轴芯部の孔部 1 5 内にビンを嵌入して、このビンを打ち込み、アンカーを構造物に固定する。更に、蚰部 1 2の基端部側の外周面に設けられたネジ山 3 3にナツト（図示省略）等を螺合させて、被固定物を構造物に固定することができるのである。

第 7図（B ) は、更に他のセルフドリリングアンカーの実施の形態を示す平面図と一部中央縦断面図であり、アンカーの下方先端部分の図示は省略している。このアンカーにあっては、本体部 3 5が蚰部 1 2から成り、轴部 1 2の上方基端部 3 6の断面外形を 6角形に形成して電動回転工具の画転部と係合しうるようにし、この基端部 3 6の上端から一定長さ分下方に向かって、ネジ孔 3 7を形成したものである。このネジ孔 3 7の底面からピンが嵌入される孔部 1 5力、'穿設されることになる。蚰部 1 2の先端部側は、上記実施の諸形態と同様に形成できるため、図示省略している。

このアンカーの使用例は以下の通りである。

まず、電動回転工具の回転部を蚰部 1 2の基端部 3 6に係合し、アンカー本体部 3 5を回転させて、被固定物（図示省略）の上から構造物 6 5に打ち込む。ァンカーの本体都 3 5のほぼ全体を構造物に打ち込んだ後、アンカ一の軸芯部の孔部 1 5内にビンを嵌入して、このピンを打ち込み、アンカ一を構造物に固定する。更に、蚰部 1 2の基端部 3 6のネジ孔 3 7にボルト（図示省略）等を螺合させて、被固定物を構造物に固定することができるのである。

以上、実施の形態について説明したが、本願発明においては、以下の通りその形態の変更を行うことができる。

アンカ一本体部の基端部に設けた頭部 1 1は、第 7図に示した実施の形態にある通り、特に設けずに実施することも可能である。

頭部 1 1の座面に設けた鍔部 1 3も設けなくともよい。

頭部 1 1の断面外形、蚰部 1 2の基端部に設けた係合孔部 3 4の断面形状、更には岫部 1 2の基端都 3 6の断面外形は、 6角形でなくとも実施可能で、 4角形やその他の種々の形状であってもよい。

頭部 1 1の外形形状も、皿型や丸型等であってもよく、その皿頭、又は丸頭に種々の断面形状を有する係合孔部を設け、或いは十字状の溝部ゃスリヮリを設けて電動回転工具の回転部と適切に係合しうるようにすれば、頭部の外形形状はどの様な形状であってもよい。

蚰部 1 2の長さ及び外径、孔部 1 5の長さ及び内径、スリット 1 6の長さ及びその間隔、ビン 1の外径及び長さ等の各種寸法或いは形状等は自由に設計可能である。

ビン 1の頭部 2は、これを設けずに実施することもできる。

スリット 1 6は、蚰部 1 2の先端から孔部 1 5に到るまで形成されていればよいが、所定長さ分だけ孔部 1 2の部分に設けられていることが好ましい。スリット 1 6に挟持させるドリル刃 2 0、 3 1の形状、厚みや大きさ等も適宜必要に応じて自由に設計することができるが、上記した通り、切欠部 2 3の下方先端部 2 6の位置力段部 2 4の上方に位置すること力く望ましい。

上記した通り、ドリル刃 2 0には段部 2 4を設けなくともよい力スリット 1 6の間隔やドリル刃 2 0の強度等を考慮すれば、スリット 1 6内に挟持される部分を薄く形成し、先端部側を厚く形成して、これら両者の間に段部 2 4を形成した方力好ましい。

上記実施の形態において、スリット 1 6は、轴部の先端で、蚰部の中心を含む面で、その先端部を 2分割するように、 1本設けている力、その先端部を 4分割或いは 5分割以上に分割することができ、 2本以上設けてもよい。

アンカーの蚰部 1 2の外周面の一都又は全都にネジ切り用（タツビング用）のネジ山を形成することもできる。

アンカ一の蚰部 1 2の外周面に、構造物への固定を有効にするための環状の溝部又は突条部を引っ掛かり部として形成することも自由である。

アンカーの蚰部 1 2の外周面に構造物の切り粉等を排出するための螺旋状の溝部又は突条部を設けることも自由である。

アンカーの蚰部 1 2の外径をドリル刃の幅又は外径よりも小さく形成して、構造物の切り粉等を排出し易くすることもできる。

以上の形態からなる本願発明は以下の効果を有する。

本願発明の第 1及び第 2の何れのものにおいても、アンカ一の轴部の先端にドリル刃を有しているため、電動回転工具等によりこのァンカーに回転力を与えて打ち込むことにより、被固定物と共に構造物に下孔を穿設することができ、従来のアンカ一の施工時に、電動ドリル等により被固定物及び構造物に対して予じめ下孔を開ける作業を全く必要としない。

また、被固定物と共に構造物に下孔を開けることができるため、施工に当たり、被固定物と構造物との位置合わせの必要もなくなるのである。

このように、本願発明は、施工の簡素化と同時に熟練をも必要とせず、作業時間の短縮化にも寄与するものである。

本願発明の第 3のものにおいては、上記の発明と同様に、スリットに挟持されたドリル刃によって被固定物及び構造物に有効に下孔を穿設することができ、且つ、被固定物と構造物との位置合わせの必要もない。

また下孔の穿設後、ピンを打ち込むに際してもドリル刃に設けられた切欠部の存在により何の障害もなくビンがスリット内に侵入することができる。

更に、ドリル刃に設けられた切欠部は、蚰部のスリット内に位置するため、ドリル刃の強度は十分に保証され、蚰部先端部でドリル刃が折れてしまうという問題を払拭するものである。

本願発明の第 4のものにおいては、上記第 1及び第 2の発明と同様の効果を有すると共に、穿孔用のドリル刃が蚰部の先端に直接形成されるため、上記第 2及び第 3の発明のように、別体に形成されたドリル刃をアンカーの轴部に組み合わせる作業を必要としない。

以上、本願発明は多大な効果を発揮するものである。

Claims

請求の範囲

1 . 軸部 Q2)の蚰芯部にビン（1) 打込用の孔部（15)が蚰部（12)の基端部から轴部（12)の先端部に向かって適宜長さ穿設され、軸部（12)の先端部にはその先端から前記孔部（15)に到るまでスリット（16)が形成され、前記孔部 s)にはビン ) が嵌入され、ビン（1) を打ち込んでスリット（16)を拡開させることによりコンクリ一ト等の構造物に固定されるアンカ一において、

蚰部（12)の基端部が回転工具の回転部と係合することができ、

軸部（12)の先端部がドリル刃 (20) (25) (31)を有し、

このドリル刃 (20) (25) (31)の回転によって構造物等に下孔が穿設されることを特徴とするセルフドリリングァン力一。

2 . 蚰部（12)の蚰芯部にビン（1) 打込用の孔部（15)が蚰部（12)の基端部から蚰部（12)の先端部に向かって適宜長さ穿設され、蚰部（12)の先端部にはその先端から前記孔部（15)に到るまでスリット（16)が形成され、前記孔部（15)にはピン（1) が嵌入され、ビン（1) を打ち込んでスリット（16)を拡開させることによりコンクリ一ト等の構造物に固定されるアンカーにおいて、

蚰部（12)先端部のスリ 'ント（16)にドリル刃（20) (31)を挟持させ、

このドリル刃 (20) (31)の回転によつて構造物等に下孔が穿設されることを特徴とするセルフドリリングアンカ一。

3 . ドリル刃 (20) (31)の下方先端部には切削刃（28) (48)が設けられ、その上方基端部にはその略中央部から下方に向かって切欠部（23)が適宜長さ設けられ、このドリル刃（20) (31)の基端部側がスリット（16)に挟持されて、切欠部（23)がスリット（16)内に位置し、

この切欠部 (23)内に前記ビン（1) の先端部分が侵入できることを特徴とする特許請求の範囲第 2項に記載のセルフドリリングアンカー。

4 . 蚰部（12)の先端部に穿孔用のドリル刃（25)を直接形成したことを特徴とする特許請求の範囲第 1項に記載のセルフドリリングアンカ一。