明細書
低比重リ ポ蛋白質結合用ペプチド
技術分野
本発明は、 低比重リ ポ蛋白質 (以下、 屡々 、 " L D L " と 称す) 結合用のペプチ ド、 及び水不溶性担体に該ペプチ ドを 結合させてなる吸着材に関する。 更に詳細には、 本発明は、 2〜 1 0個のアミ ノ酸残基からなるペプチ ドであって、 少な く とも 1つの P h e又は T r p及び少なく と も 1つの A r g 又は L y s を含む特定のア ミ ノ酸配列を有し、 且つ特定の電 荷 (E) [但し Eは式 : ; E = (該ぺプチ ド中の正電荷を有す る官能基の数) 一 (該ペプチ ド中の負電荷を有する官能基の 数) で定義される ] を有する L D L結合用ペプチ ドに関する。 本発明は又、 水不溶性担体に、 上記のペプチ ドを結合させて なる、 体液から L D Lを除去するための吸着材に関する。 更 に本発明は、 体液を上記のペプチ ドと接触させることによ リ、 体液から L D Lを除去する方法にも関する。
本発明の L D L結合用ペプチ ドは、 L D Lに対して特異的 に優れた結合性を有し、 それでいて、 ブラジキニンの産生、 血液細胞の活性化やペプチ ドへの吸着、 血液凝固系の活性化 等を惹起しないために安全性に優れるので、 全血や血漿等の 体液から L D Lを除去するための吸着林用の試薬、 更には L D Lが関与している疾患に対するペプチ ド医薬品及び医薬品 のキヤ リヤーペプチ ドと して有利に用いるこ とができる。 更
に、 本発明の L D L結合用ペプチ ドは、 1 0個以下のァミ ノ 酸残基からなるため、 比較的容易に、 しかも低コス ト で調製 するこ とができるだけでなく 、 滅菌操作等に対する安定性や、 保存性に優れている。 又、 水不溶性担体に本発明のペプチ ド を結合させてなる吸着材を、 血液中の L D Lが病的な原因に ょ リ、 健常人よ リ も多く なる疾患において、 その L D Lを血 液中から除去する場合に必要な血液浄化処理装置等に用いる と、 有利なことに、 効率よく 、 しかも安全に L D Lの除去を 行う こ とができる。 又、 上記の水不溶性担体と して、 ァガロ ースゲルなどのソフ トゲル、 又は架橋されたポリ ビニルアル コールなどのハー ドゲルを用いた場合には、 液体クロマ トグ ラフィ一等において、 L D Lの分離、 精製用ゲルと して用い ること もできる。
本明細書において、 ァミ ノ酸及びべプチ ドは下記に示す I U P A C— I U B生化学命名委員会 ( C B N) で採用された 略号を用いて表される。 尚、 アミ ノ酸などに関し特に記載の ない場合は、 L体も しく は!)体のいずれかの立体構造をとる アミ ノ酸残基を示すものとする。 更に、 特に明示しない限リ ぺプチ ドのアミ ノ酸配列の左端及び右端はそれぞれ N末端及 び C末端である。
A又は A l a : ァラニン残基、
D又は A s p : ァスパラギン酸残基、
E又は G 1 u : グルタ ミ ン酸残基、
F又は P h e : フエ二ルァラニン残基
G又は G 1 y : グリ シン残基、
H又は H i s : ヒ スチジン残基
I又は I 1 e : イ ソロイ シン残基
K又は L y s : リ ジン残基
L又は L e u : ロイシン残基、
M又は M e ΐ : メチォニン残基、
Ν又は A s n : ァスパラギン残基
P又は P r o : プロ リ ン残基、
Q又は G 1 n : グルタ ミ ン残基、
R又は A r g : アルギニン残基、
S又は S e r : セリ ン残基、
T又は T h r : ス レオニン残基
V又は V a l : バ リ ン残基、
W又は T r p : ト リ プ トファ ン残基、
Y又は T y r : チロシン残基、 .
C又は C y s : システィ ン残基。
従来技術
血液中に存在する リ ポ蛋白の う ち、 L D Lはコ レステロ一 ルを多く含み動脈硬化の原因になる こ とが知られている。 従 来、 血液中の L D Lの量が多い家族性高コ レステ ロール血症 患者において、 L D Lを吸着する吸着材を用いた血液体外循 環治療 (以下、 屡々 、 L D Lァフ ェ レ一シス と称す) が施さ
れ、 患者の種々の症状が改善されてきた。
公知の L D L除去用の吸着材と しては、 例えば、 E P特許 第 0 2 2 5 8 6 7号公報 (日本国、 特公昭 6 2— 5 6 7 8 2号公報及び日本国、 特公昭 6 3 - 1 9 2 1 4号公報に対 応) に開示されている陰性の電荷を有する硫酸化多糖を リ ガ ン ドと して化学的に固定化させた樹脂が公知であ り 、 実際に、 デキス ト ラン硫酸を リ ガン ドと してセルロース粒子坦体に固 定化したものが市販されている。
しかし、 デキス ト ラン硫酸を リ ガン ドと した L D L吸着材 を用いて L D Lァフヱ レーシスを行う と、 デキス ト ラ ン硫酸 がもつ陰性電荷の影響によ リ 、 血液中にブラ 'ジキニンと呼ば れる生理活性物質が産生されてしま う。 ブラジキニンは血圧 降下作用、 平滑筋収縮作用及び膜透過性亢進作用等を有する 物質である こ とが知られている (例えば、 E P特許出願公開 第 9 3 1 0 4 3 4 8 . 3号公報を参照) 。
又、 例えば、 WO 9 0 / 0 4 4 1 6号公報には、 ァガロー ス粒子にヒ ト低比重リ ポ蛋白質と結合性をもつ抗体を結合さ せたものが提案されている。
しかし、 抗体は、 一般的に細胞培養や生物体內で産生され るために、 L D Lが関与している疾患に対する治療に用いる のに十分な量を調製するためには、 多大な労力 と生産コス ト がかかる等の不利があるばかり でなく 、 体外循環治療に用い るには滅菌操作等に対する安定性が低いため、 安全性などの
点で問題がある。
又、 L D Lに対する結合性を有する こ とが示唆されている 物質と しては、 例えば、 約 2 5〜 2 5 0個のア ミ ノ酸残基か らなるポ リ リ ジンやポリ アルギニン (Olov Wiklund, e t . a 1.: し at ionic po lypept ides modulat e in v i t ro assoc iat ion o f low dens i ty l i poprotein with ar ter ial proteoglycans, f ibloblas t s, and ar terial t issue. Art er iosc leros is. 10, 695-702 ( 1990)) 及び V V W R L T R K R G L K V V V の 1 5個のアミ ノ酸残基からなるペプチ ド (Urban Olsson, e t . a 1.: Binding of a synthet ic apo l ipoprotein B - 100 Pept ide and pe t ide analogues to chon d r o i t i n 6— sul fate :
Ef f ects of the l i i d e n i ronmen t . Biochemist ry, 1993,
32, 1858-1865) が知られている。
しかし、 上記の約 2 5〜 2 5 0個のア ミ ノ酸残基からなる ポリ リ ジン、 ポリ アルギニン及び V VW R L T R K R G L K V V Vの 1 5個のア ミ ノ酸残基からなるペプチ ド等のポリべ プチ ドは、 いずれも 1 0残基を越えるア ミ ノ酸残基からなつ ているので、 抗体と同様に耐滅菌性や保存性に劣る。
又、 一般に極端な陽性電荷を有する物質においては、 この よ うな物質の表面に血液が接触した際に、 血液中の赤血球や 白血球ならびに血小板等の細胞成分が、 活性化されて しまつ たリ 、 強い静電的相互作用によって上記の物質の表面に吸着 されて しま う こ とが知られている。 更に、 このよ う な物質は
血漿蛋白の非特異的吸着や血液凝固系因子の活性化等を惹起 してしま うため、 安全に L D Lァフ ェ レ一シス治療を実施す るためにはこ のよ うな物質を吸着材に用いるこ とは好ま しく なレヽと考えられる。
従って、 全血及び血漿等の体液からの L D Lの吸着除去を 行う際に、 L D Lに対する優れた特異的結合性を示すだけで なく 、 ブラジキニンの産生、 血液細胞の吸着や活性化、 血液 凝固系の活性化等を惹起しない等安全性に優れるために、 L D L除去用吸着材に有利に使用することのできる L D L結合 用物質の開発が望まれていた。
発明の概要
本発明者らは、 上記のよ う な問題点を解決するために鋭意 研究を重ねた。 その結果、 2〜 1 0個のアミ ノ酸残基からな るペプチドであって、 少なく とも 1つのアミ ノ酸残基 α ( Ρ h e又は T r ρ ) 及び少なく と も 1つのアミ ノ酸残基 /3 ( A r g又は L y s ) を含む特定のァミ ノ酸配列を有し、 且つ該 ペプチ ドが有する電荷 (E ) [但し Eは式 : E = (該ぺプチ ド中の正電荷を有する官能基の数) 一 (該ペプチド中の負電 荷を有する官能基の数) で定義される ] が式 : 十 1 E≤ + 4を満足するペプチ ドが、 驚く べきことに、 L D Lに対して 特異的に優れた結合性を有し、 それでいて、 ブラジキニンの 産生、 血液細胞の活性化やペプチ ドへの吸着、 血液凝固系の 活性化等を惹起しないために安全性に優れるこ とを知見した。
更にこのペプチ ドは、 1 0個以下のアミ ノ酸残基からなる ため、 比較的容易に、 しかも低コス ト で調製することができ るだけでなく 、 滅菌操作等に対する安定性や、 保存性に優れ ている。
従って、 本発明の 1つの目的は、 L D Lに対する優れた結 合性を有し、 それでいて、 ブラジキニンの産生、 血液細胞の 活性化やペプチ ドへの吸着、 血液凝固系の活性化等を惹起し ないために安全性に優れておリ、 全血や血漿等の体液から L D Lを除去するため吸着材用の試薬、 更には L D Lが関与し ている疾患に対するべプチ ド医薬品及ぴ医薬品のキヤ リャ一 ぺプチ ドと して有利に用いることができる L D L結合用ぺプ チドを提供することにある。
本発明の更に他の 1つの目的は、 上記の優れた特性を有し、 更に比較的容易に、 しかも低コス トで調製することができる だけでなく 、 滅菌操作等に対する安定性や、 保存性に優れた L D L結合用ペプチ ドを提供することにある。
本発明の更に他の 1つの目的は、 水不溶性担体に本発明の ぺプチ ドを結合させてなる L D L除去用吸着材であつて、 L D Lァフェ レ一シスに用いる血液浄化処理装置等に用いると、 効率よ く 、 しかも安全に L D Lの除去を行う こ とができる吸 着材を提供するこ とにある。
本発明の更に他の 1つの目的は、 体液を上記のペプチ ドと 接蝕させることによ リ 、 効率よ く しかも安全に体液から L D
Lを除去する方法を提供するこ と にある。
本発明の上記及びその他の諸目的、 諸特徴ならびに諸利益 は、 添付の図面を参照しながら行う以下の詳細な説明及び請 求の範囲の記載から明らかになる。
図面の簡単な説明
図面において :
図 1 は、 B I A c o r e装置 (ス ウェーデン国、 フアルマ シァ社製) による、 実施例 1 2及び比較例 9で得られたぺブ チ ドに対する L D Lの結合性測定のプロ フ ァ イルの 1例を示 す図である。
発明の詳細な説明
本発明によれば、 式 ( 1 ) 又は式 ( 2 ) で表されるァミ ノ 酸配列を有するペプチ ドであ リ 、 且つ該ペプチ ドが有する電 荷 ( E ) [但し Eは式 : E = (該ペプチ ド中の正電荷を有す る官能基の数) 一 (該ペプチ ド中の負電荷を有する官能基の 数) で定義される ] が式 : + 1 ≤ Ε≤ + 4の条件を満足する こ とを特徴とする低比重リ ポ蛋白質結合用ペプチ ドが提供さ れる。
( ~ P ~ m^ 2^ ~ q ~ n x3) r (1) 、 又は
(X1}— iS →X^ ~ →X3) (2)
P n 4 m r
[但し、 式 ( 1 ) 及び ( 2 ) の左端及び右端 はそれぞれ N末端および C末端でぁ リ 、 各ひ
は、 それぞれ独立して、 P h e又は T r pで ぁリ、 各 は、 それぞれ独立して、 A r g又 は L y s であり 、 各 X 1、 各 X 2及ぴ各 X3は、 それぞれ独立して、 任意のアミ ノ酸残基であ リ'、 m及び nはそれぞれアミ ノ酸残基 α及び i8の数でぁリ、 p、 q及び r はそれぞれアミ ノ酸残基 X 1、 X2及び X3の数でぁリ (但し、 P 、 q及び r は同じでも異なっていてもよ レヽ) ; 更に m、 n、 p、 q及び r は次の関係 を満足する。
2≤ m+ n -t- p -f- q + r ≤ l 0
(但し、 m及び nは次式 :
2≤ m + n≤ 1 0及び
1 ≤ m、 n ^ 9
の条件を満足し、
卩、 4及び 1: は次式 :
0≤ p + q + r ≤ 8 ,
0≤ p , r ≤ 8及び
0≤ q ≤ 5
の条件を満足する。 ) ]
本発明のペプチドにおいて、 式 ( 1 ) 又は ( 2 ) で表され るアミ ノ酸配列を有するペプチ ドは芳香族炭化水素基を側鎖 とするアミ ノ酸残基である T r p又は P h e から選ばれるァ
ミノ酸残基 αを少なく とも 1つ有し、 更に陽性電荷を有する グァニジル基を側鎖にもつ A r g、 又は陽性電荷を有するァ ミ ノ基を側鎖にもつ L y s から選ばれるァミ ノ酸残基 β を少 なく と も 1つ有するこ とが必須である。
本発明において、 上記のアミ ノ酸残基 α及び は、 いずれ も L型であっても D型であってもよい。
陽性電荷を有するグァニジル基を側鎖にもつ A r g、 及び 陽性電荷を有するアミ ノ基を側鎖にもつ L y s は、 L D Lが 有する リ ン脂質のリ ン酸部位と静電的に相互作用するこ とが できる と考えられる。 本発明においては、 少なく と も 1つの アミ ノ酸残基 3が、 L y s ょ リ強い正電荷を有するグァニジ ル基をもつ A r gが、 ょ リ強く L D L と結合することができ るので好ま しい。
本発明の少なく と も 1つのアミ ノ酸残基 α ( 1< 又は? h e ) と少なく と も 1つのアミ ノ酸残基 (A r g又は L y s ) を有するペプチ ドが優れた L D L結合性を発揮する理由 は明らかではないが以下のよ うに考えられる。
一般に、 疎水性分子は L D Lのよ うな脂溶性物質と相互作 用すると言われている。 同じ疎水性アミ ノ酸に分類されるも のに、 I 1 e、 L e u , V a 1 等の脂肪族アミ ノ酸と T r p 、 P h e の芳香族アミ ノ酸がある。 本発明者らは、 A r g又は L y s を有し、 更に I 1 e 、 L e ιι及び V a 1 等の脂肪族ァ ミ ノ酸を有するペプチ ドの L D L結合性と、 A r g又は L y
s を有し、 更に芳香族ァミ ノ酸である T r p及び P h e を有 するペプチ ドの L D L結合性それぞれ測定し、 比較した。 そ の結果、 驚く べきことに、 後者の方が前者に比べ、 L D Lと の結合性が高いという ことを見いだした。 即ち、 該ペプチド において芳香族炭化水素基を側鎖にもつアミ ノ酸である T r p及び P h e は、 脂肪族炭化水素基を側鎖にもつアミ ノ酸よ リ も、 L D Lに存在する脂質部分と強く相互作用することが できるので、 L D L とよ リ強く結合することができる と考え られる。
• 式 ( 1 ) または ( 2 ) で表されるアミ ノ酸配列を有する本 発明のペプチ ドにおいて、 X X 2及び X3と して用いるこ とのできるアミ ノ酸残基とは 1分子内に少なく とも 1つのァ ミ ノ基と少なく とも 1つのカルボキシル基をもつ有機化合物 分子であるアミ ノ酸に由来するも のであれば特に限定はなく 、 アミ ノ基の水素が分子内の他の部分と置換して二級ァミンと なった環状化合物に由来する残基であってもよ く 、 又、 非蛋 白質性のアミ ノ酸に由来する残基であってもよい。 上記のァ ミノ酸の例と しては L体の立体構造を有する ひ一アミ ノ酸、 D体の立体構造を有する α—アミ ノ酸、 β—アミ ノ酸、 γ— アミ ノ酸及び δ—アミ ノ酸が挙げられる。
L体の立体構造を有する α—アミ ノ酸の例と しては、 L一 ァラニン、 Lーァスパラギン酸、 L一グルタ ミ ン酸、 Lーフ ェニルァラニン、 L一グ リ シン、 L一ヒ スチジン、 L一イ ソ
ロ イ シン、 L一リ ジン、 L—ロ イ シン、 L一メ チォニン、 L ーァスパラギン、 L一プロ リ ン、 L一グルタ ミ ン、 L -アル ギニン、 L—セ リ ン、 L ース レオニン、 L—ノく リ ン、 L— ト リ プ ト フア ン、 Lーチロシン及ぴ L—システィ ンが挙げられ る。 '
D型の立体構造を有するア ミ ノ酸の例と しては、 上記した L型ア ミ ノ酸の光学異性体が挙げられる。
非蛋白質性のアミ ノ酸の例と しては、 β —了ラニン、 Ί — ァ ミ ノ酪酸、 ホモシスティ ン、 オル二チン、 5 — ヒ ドロ キシ ト リ プ ト フ ァ ン、 3 , 4 ージヒ ドロ キシフエ二ルァラニン、 ト リ ョー ドチロニン及ぴチロキシンが挙げられる。
本発明において電荷 (E ) とは、 式 : E - (該ペプチ ド中 の正電荷を有する官能基の数) 一 (該ペプチ ド中の負電荷を 有する官能基の数) で定義される。
本発明において、 正電荷を有する官能基又は負電荷を有す る官能基とは、 該ペプチ ドが有する官能基の中で中性 ( P H 7. 0 ) の水溶液中でイオン化して正又は負の電荷を帯びる 官能基のことである。 例えば、 ペプチ ド分子の N末端のアミ ノ基は正の電荷を有し、 C末端のカルボキシル基は負の電荷 を有する。 但し、 アミ ノ酸は水溶液中において、 その種類及 び水溶液の P Hによって様々な電離状態を有するので、 側鎖 に官能基を有するアミ ノ酸残基の場合、 そのアミ ノ酸を有す るペプチ ドの中性 ( P H 7. 0〉 水溶液においてそのアミ ノ 酸残基の 8 0 %以上が有する電離状態に基づき、 イオン化し た官能基の数を求める。 例えば、 ペプチ ドが、 側鎖にグァニ ジル基を有する A r gを有する場合、 そのペプチ ドの中性
( P H 7. 0 ) 水溶液中において、 8 0 %以上のA r gが、 イオン化されて正電荷を帯びたグァニジル基を有するので、 A r gが側鎖に有するグァニジル基は正電荷を有する官能基 とみなす。 L y s が側鎖に有するアミ ノ基も正電荷を有する 官能基である。 一方、 A s pや G l uが側鎖に有するカルボ キシル基等は負電荷をもつ官能基である。 但し、 該ペプチ ド 分子が有するアミ ノ基又はカルボキシル基が、 該ペプチ ド分 子以外の分子と反応して酸アミ ド結合等を形成したリ 、 保護
基によって保護されたリ して、 電荷をもたない状態になった 基は、 もちろん、 イオン化した官能基とはみなさない。
本発明のペプチ ドの電荷 ( E) は、 + 1 以上、 + 4以内で あるこ とが必要である。 電荷 ( E ) が 0以下の場合には、 L D Lとの結合に重要なリ ン脂質に存在する リ ン酸部位との静 電的な相互作用が弱ま り、 L D L との結合性が低下する。 更 に、 電荷 (E ) が負の場合、 陰性電荷の影響にょ リ、 血液中 にブラジキニンと呼ばれる生理活性物質が生成されてしま う 恐れがある。
—方、 ペプチ ドの電荷 ( E ) が + 5以上の場合、 血液がそ のよ うなぺプチ ドに接触する と血液中の赤血球や白血球なら びに血小板等の細胞成分が、 ペプチ ドと強い静電的相互作用 によって、 活性化されてしまつたり、 ペプチ ドに吸着されて しまう という よ うな不利が生じる。 又、 この場合、 血漿蛋白 の非特異的吸着や血液凝固系の活性化等を惹起し、 安全に L D Lァフ ェ レ一シス治療を実施することができない。 従って、 本発明のペプチ ド分子の電荷 ( E ) は、 + 1〜十 4に範囲で あるこ とが必須であり、 + 1〜+ 2の範囲にあることが好ま しい。
本発明のペプチ ドの総ァミ ノ酸残基数 [式 ( 1 ) 及び ( 2 ) において、 m+ n + p + q + r で表される ] は、 最低 2残基 が必要である。 又、 アミ ノ酸残基数は一般に多く なれば物理 化学的な安定性が悪く なリ、 1 0個を越えるアミ ノ酸残基か
らなるペプチ ドは、 耐滅菌性や保存性が低下する傾向にある。 更に経済性を考慮する と、 5残基以下が好ま しい。
式 ( 1 ) 又は ( 2 ) で表されるアミ ノ酸配列を有する本発 明のぺプチ ドにおいては、 L D Lの有する脂質部位と相互作 用するア ミ ノ酸残基ひ (丁 て 又は? 6 ) と L D Lのリ ン 脂質の陰性電荷を帯ぴた リ ン酸部位と相互作用するア ミ ノ酸 残基 (A r g又は L y s ) との間の距離が L D Lに対する 優れた結合性を達成するために特に重要である。
即ち、 L D L と結合する本発明のペプチ ドは、 式 ( 1 ) 及 び式 ( 2 ) におけるア ミ ノ酸残基 X2の数 qが 0〜 5である ことが必要がある。 q力 S 6以上になる と、 アミ ノ酸残基ひ と ]3 との共同作用による L D Lとの相互作用が弱ま り 、 ぺプチ ドと L D L との結合性は著しく低下する。 ペプチ ドに存在す るアミ ノ酸残基 α と β との共同作用によ る効果を利用 して L D Lと の結合性を高めるには、 qが 0〜 3の範囲にあるこ と が好ま しい。
本発明において、 例えば、 アミ ノ酸残基にその光学異性体 や光学異性体の混合物を用いたリ 、 該ペプチ ドの N末端部分 のアミ ノ基ゃ C末端部分のカルボキシル基及び該ペプチ ドに 含まれるアミ ノ酸残基が側鎖に有するア ミ ノ基、 グァニジル 基、 イ ミ ダゾリル基、 カルボキシル基、 カルバミ ド基、 水酸 基、 メルカプ ト基及びイ ン ドリル基等を保護基にて保護して もよい。
ペプチ ドの N末端部分のア ミ ノ基や、 ア ミ ノ酸残基の側鎖 に存在するァミ ノ基の保護基の例と しては、 ベンジルォキシ カルボニル ( z ) 基、 p —メ トキシベンジルォキシカルボ二 ル ( Z ( O M e ) ) 基、 p —ク ロ 口べンジルォキシカルボ二 ル ( Z ( C 1 ) ) 基、 p —二 ト ロべンジルォキシカルボニル
( Z ( N O 2 ) ) 基、 p —フエ二ルァゾベンジルォキシカノレ ボニル ( P z ) 基、 p —メ トキシフエ二ルァゾベンジルォキ シカルボニル ( M 2 ) 基、 3, 5 —ジメ トキシベンジルォキ シカルボニル ( Z ( OM e ) 2) 基、 3, 4 , 5 — ト リ メ ト キシベンジルォキシカルポニル ( Z ( O M e ) 3 ) 基、 第三 ブ トキシカルボニル (B o c ) 基、 第三ア ミ ロキシカルボ二 ル ( A o c ) 基、 p —ビフエ二ノレイ ソプロ ピノレオキシカルボ ニル ( B p o c ) 基、 ジイ ソプロ ピルメチロキシカルボエル
( D i p m o c ) 基、 ァダマンチルォキシカルボニル (A d o c ) 基、 イ ソボルニルォキシカノレボニル基、 シク ロペンチ ルォキシカルボニル ( P o c ) 基、 シク ロへキシルォキシ力 ルボニル基、 フルフ リルォキシカルボニル基、 ベンズヒ ドリ ルォキシカルボ-ル基、 ピペリ ジノォキシカルボニル基、 ホ ルミル (H C O) 基、 ト リ フルォロアセチル ( T f a ) 基、 フタ リ ル ( P h t ) 基、 ト シル (T o s ) 基、 o—二 ト ロフ ェ ニノレスノレフエ二 ,レ ( p s ) 基、 ベンゾィノレ ( B z ) 基、 ク ロ ロアセチル基、 ァセ トァセチル基、 ト リ チル (T r t ) 基、 ベンジリ デン基、 ベンジル基、 2—べンゾィルー 1 ーメ
チルビュル ( B m v ) 基、 ト リ メ チルシリル ( T m s ) 基、 2— ヒ ドロキシァ リ リデン基、 ェナミ ン基、 ジメ ドン ( 5, 5—ジメチルシク ロへキサン一 1 , 3 —ジオン) 基、 9—フ クレオレニルメ チルォキシカルボニル ( F m 0 c ) 基等が挙げ られる。
ペプチ ドの C末端部分のカルボキシル基や、 ア ミ ノ酸残基 の側鎖に存在するカルボキシル基の保護基の例と しては、 ァ ミ ド、 ジメチルアミ ド、 メ チルエステル (一 OM e ) 、 ェチ ルエステル (― 0 E t ) 、 ベンジルエステル (一 O B z 1 ) 、 p—二 ト ロべンジルエステル (一O B z 1 ( N O 2) ) 、 p ーメ ト キシベンジルエステル、 2, 4 , 6 — ト リ メ チルベン ジノレエステル、 ペンタメチルベンジルエステル、 第三ブチル エステル (一 O B u 1) 、 ジフ エニルメ チルエステル (一 O D P ) 、 ベンズヒ ド リ ルエステノレ、 ト リ チルエステノレ、 フ タルイ ミ ドメ チノレエステル、 シク ロペンチノレエステ/レ、 β— メチルチオェチノレエステル、 β— ( ρ —ニ ト ロチォフ エ -ノレ) ーェチノレエステノレ、 フエナシ /レエステノレ、 4一 ピコ リ /レエス テルなどが挙げられる。 その他のアミ ノ酸残基が側鎖に有す る官能基に対して、 種々の保護基を用いるこ とができ る (例 えば、 泉屋信夫、 加藤哲夫、 青柳東彦、 脇道典著 「ペプチ ド 合成の基礎と実験」 日本国、 丸善株式会社 ( 1 9 8 5年) 参 照) 。
ペプチ ドの合成は、 ぺプチ ド合成において通常用いられる
方法、 例えば固相合成法、 又は液相合成法にょ リ行われるが、 固相合成法によ リ行う方が、 操作が簡便であるため好ま しい (例えば、 日本国、 日本生化学会編 「新生化学実験講座 1 タ ンパク質 I V 合成および発現」 日本国、 東京化学同人 ( 1 9 9 2年) 参照) 。
固相合成法によるペプチ ドの合成は、 市販のペプチ ド合成 用の樹脂、 例えば、 ジビニルベンゼンを含むポ リ スチ レンな どの重合体にペプチ ド固相合成に適した反応性をもつ官能基 を結合させた樹脂を用い、 目的とするペプチ ドの合成をその C末端側から N末端方向に向かって行う。 例えば、 α —カル ボキシル基以外の、 アミ ノ基などの官能基を保護したァミ ノ 酸と、 α—ァミ ノ基以外の、 カルボキシル基等の官能基を保 護したアミ ノ酸と を縮合させて結合させる操作と、 結合した アミ ノ酸における α —ァミ ノ基などのペプチ ド結合を形成す るァミ ノ基が有する保護基のみを除去する操作を、 順次繰返 していく こ とによってペプチ ド鎖を伸長させ、 所望のァミ ノ 酸配列をもつペプチ ドを形成し、 次いで、 該ペプチ ドを榭脂 から脱離させて、 保護基が付加されている全ての官能基から 保護基を除去する こ と によ リ 、 目的とするペプチ ドを得るこ とができる。 必要に応じてこのペプチ ドを更に精製するこ と によ リ 、 純度の高いものが得るこ とができる。 ペプチ ドの精 製は有機化合物の精製に一般的に用いられている方法が使用 できる。 特にカラムク ロマ ト グラ フ ィ ーによる精製は、 効率
良く精製を行えるので好ま しい。
本発明の L D L結合用ペプチドは、 水不溶性担体に、 直接 又はスぺーサーを介して間接的に結合させるこ とによって、 腹水、 組織液、 全血及び血漿等の体液から L D Lを除去する ための吸着材と して使用することができる。 - 例えば、 血液を 人工的な装置によって体外循環させ、 血液中の L D Lを除去 する際に用いる吸着材と して用いることができ、 例えば、 家 族性高コ レステロ ール血症等の疾病を有する患者に対し、 L D L ァフェ レ一シスを行う際に、 上記の吸着材を利用した装 置を用いると、 効率よ く 、 しかも安全に L D Lを除去するこ とができるので高い治療効果を得ることが可能である。 上記 の吸着材は該ペプチ ドの N末端部分のアミ ノ基や、 C末端部 分のカルボキシル基、 又はアミ ノ酸の側鎖が有する官能基を 利用して水不溶性担体に固定化することによ リ得るこ とがで きる。
ぺプチドを水不溶性担体へ固定化する具体的な方法と して は、 例えば、 水不溶性担体上に、 保護基を外す条件において も切断されない結合性の基を付加し、 上記水不溶性担体上で ペプチドを上記のペプチ ドの固相合成法で合成し、 保護基が 付加されている全ての官能基から保護基を除去するこ とによ リ得る方法が挙げられる。
又、 ペプチドの不溶性担体への固定化は、 一般にペプチ ド 又はタンパク質を担体上に固定化する方法を用いて行う こと
ができ る。 そのよ う な方法と しては、 例えば、 カルボキシル 基を有する担体を用い、 このカルボキシル基を N — ヒ ドロキ シコハク酸イ ミ ドと反応させるこ とによって、 スクシンイ ミ ドォキシカルボニル基に変換し、 これにべプチ ドをア ミ ノ基 の部分で反応させて結合させる方法 (活性エステル法) 、 ァ ミ ノ基又はカルボキシル基を有する担体を用いジシク 口へキ シルカルポジイ ミ ドなどの縮合試薬の存在下で、 担体のアミ ノ基又はカルボキシル基とペプチ ドのカルボキシル基又はァ ミ ノ基を縮合反応させて結合させる方法 (縮合法) 、 担体と ぺプチ ドとをグルタルアルデヒ ドなどの 2個以上の官能基を 有する化合物を用いて架橋させて結合させる方法 (担体架橋 法) > 水酸基を有する担体を用い、 臭化シアンなどのハロゲ ン化シアンを担体に作用させ、 ペプチ ドやタ ンパク質のアミ ノ基の部分で反応させて結合させる方法、 及びェピク ロ ロ ヒ ドリ ンなどのエポキシ ドを担体に作用させ、 ペプチ ドのアミ ノ基の部分や水酸基の部分で反応させて結合させる方法等が 挙げられる。
更に、 必要に応じて水不溶性担体とペプチ ドを任意の長さ の分子 (スぺーサ一) を介して結合させてもよい。 スぺーサ 一の詳細に関しては、 例えば、 「ァフィ -ティーク ロマ トグ ラフィー」 笠井献一ら、 日本国、 東京化学同人、 1 9 9 1 年、 1 0 5 〜 1 0 8 頁を参照するこ とができる。 スぺーサーを使 用する こ とは、 本発明の L D L結合用ペプチ ドと水不溶性担
体との間に距離をもたせる こ とによ リ 、 該ペプチ ドと L D L の結合部位を増加させる観点から好ま しい。 スぺーサ一の例 と しては、 ポリ メ チレン鎖及びポリエチレングリ コール鎖等 が挙げられる。 スぺ一サ一の長さは 5 0 0人以下であるこ と が好ま しく'、 2 0 O A以下であるこ とが更に好ま しい。 スぺ 一サーを介して水不溶性担体にぺプチ ドを結合させる方法と しては、 例えば、 水不溶性担体と してァガロースを用いる場 合、 ァガロースの水酸基とスぺーサ一と して用いるへキサメ チレンジイ ソシアナ一 トの片側のイ ソシアナ一ト基を反応、 結合させ、 残ったイ ソシアナー ト基とペプチ ドのア ミ ノ基、 水酸基又はカルボキシル基等を反応、 結合させる方法が挙げ られる。
水不溶性担体と しては、 親水性の表面を有し、 且つべプチ ドとの間で共有結合を形成するこ とができるア ミ ノ基、 カル ボキシル基及び水酸基などの反応性の官能基を有する ものが 好ま しい。 又、 上記の不溶性担体は吸着させ得る有効表面積 が広い多孔質あるものが好ま しい。 多孔質の担体は、 排除限 界分子量が 2, 0 0 0 , 0 0 0〜 1 0, 0 0 0, 0 0 0の範 囲であるこ とが好ま しく 、 2 , 2 0 0, 0 0 0〜 8, 0 0 0, 0 0 0の範囲であるこ とが更に好ま しい。 又、 多孔質の担体 の平均細孔径については 2 0〜 1 00 n mの範囲であるこ と が好ま しく 、 2 2〜 8 0 n mの範囲である こ とが更に好ま し い。 担体は粒子状、 繊維状、 シー ト状、 中空糸状などの任意
の形状を用いるこ とができ る。
使用できる担体の材質と しては、 表面にペプチ ドを担持で きるものであれば特に限定されず、 無機化合物、 有機化合物 であってもよ く 、 又、 通常のァフィ 二テイ ク 口マ ト グラフィ 一に用いられる担体用の材料は全て用いる こ とができ る。
有機化合物からなる担体の具体例と しては、 旭化成マイ ク 口キャ リ ア (日本国、 旭化成工業 (株) 社製) 、 CM—セル 口ファイ ン C H (排除限界タンパク質分子量 : 約 3 X 1 06、 日本国、 生化学工業 (株) 社販売) 等のセルロース系担体 ; セフアデックス [ S e p h a d e x : スウェーデン国、 ファ ノレマシアノ ィォテク ( P h a r m a c i a B i o t e c h
A B ) 社製] 等のデキス トラン系担体 ; 日本国、 特公平 1 一 4 4 7 2 5号公報記載の全多孔質活性化ゲルや、 CM— ト ョパール 6 5 0 C (排除限界タンパク質分子量 : 5 X 1 06、 日本国、 東ソー (株) 社製) 等のポリ ビニルアルコール系担 体 ; CM— ト !; スアク リル M (CM— T r i s a c r y 1 M) 〔排除限界タンパク質分子量 : 1 X 1 0 7、 スウェーデ ン国、 フアルマシア一 L K B ( P h a r m a c i a — L KB) 社製〕 等のポリ アク リルア ミ ド系担体 ; 及びセファ ロース C L - 4 B ( S e p a r o s e C L - 4 B ) 〔排除限界タン パク質分子量 : 2 X 1 0 7、 ス ウェーデン国、 フアルマシア 一 L K B ( P h a r m a c i a — L K B ) 社製〕 等のァガロ ース系担体が挙げられる。 無機化合物からなる担体の具体例
と しては C P G— 1 0 — 1 0 0 0 〔排除限界タンパク質分子 量 : 1 X 1 08、 平均細孔径 : 1 0 0 n m、 米国、 エ レク ト ロ ー ニ ユ ーク レ才ニク ス ( E 1 e c t r o — n u c 1 e o n i c s ) 社製〕 などの多孔性ガラス等が挙げられる。
水不溶性担体に固定化するペプチ ドの量は、 一般的には、 0. 0 0 1 / m o 1 /m l (担体) 〜 1 , Ο Ο Ο μ πι ο ΐ Ζ m l (担体) の範囲でぁリ 、 0. 0 1 /i m o l //m l 〜 5 0 O /x m o l Zm l の範囲であることが好ましく 、 0. l m 0 l Zm l 〜 2 0 0 m o l Zm l の範囲であることがょ リ 好ましい。
又、 上記の水不溶性担体と して、 ァガロースゲルなどのソ フ トゲル又は架橋されたポリ ビニルアルコールなどのハー ド ゲルを用いた場合には、 液体クロマ トグラフィ一等において L D Lの分離、 精製用ゲルと して用いることもできる。
水不溶性担体にぺプチ ドを結合させてなる吸着材の L D L に対する結合性を評価する方法の例と しては、 吸着材に L D Lを吸着させ、 L D Lの吸着した吸着材を染色する方法が挙 げられる 匸 A B C法 (avidin-biot in complex method) ] 。 例えば、 ビォチン標識化された L D Lを血漿中に添加し、 吸 着材をその血漿中に、 一定時間浸漬後、 吸着材を取リ 出して、 洗浄し、 これを西洋ヮサビペルォキシダーゼで標識されたス トレブ トアビジン溶液に浸漬し、 上記酵素の基質である 3 , 3 ' —ジァミ ノべンジジン溶液を添加することによって、 担
体を染色させることによ リ L D Lの結合性を評価することが できる。 尚、 L D Lの結合性の評価方法に関しては、 例えば、 S . . Hsu, L . Ra ine, H . Fanger: J . Histchem. Cy t o ch em. ,
29 , 577 (1981) 及び H. Towb in, T. Staehe 1 in, J.
Gordon: Proc. Natl. Acad. Sc i . U.S.A. , 76 , 4350 ( 1979) を参照することができる。
又、 水不溶性担体に固定化されたペプチ ドの L D Lの吸着 量を測定する方法の例と しては、 吸着材に L D Lを吸着させ、 L D Lの減少率を測定する方法が挙げられる。 例えば、 ぺブ チドが固定化された担体を、 一定時間 L D L溶液に浸漬させ、 その後 L D Lの減少率をコ レステロールを定量して求めるこ とができる。
又、 吸着材を、 一定時間血漿に浸漬させ、 その後、 L D L コレステロールを分離し、 その滅少率をコ レステロールを定 量して求めるこ とができる。 尚、 L D Lの吸着量の測定方法 については、 例えば、 Richmond, .: Scand. J - Cl in. Lab. Invest., 29 (supp 1.) , 126 (1972) 及び Al lain, C. C. , Poo n , L. S. , Chan, C. S. G. , Richmond, W. and Fu, P . C .: Clin. Chem. , 20 , 470-475 ( 1974) を参照することができる。
又、 水不溶性担体に固定化されたペプチ ドの L D Lに対す る結合性の測定は、 B I A c o r e (スウェーデン国、 ファ ルマシア社製) を用いて、 添付の取リ扱い説明書に従って行 う ことができる。 即ち、 B I A c 0 r e のセンサーチップに
ペプチ ドを固定化し、 L D Lを含む溶液や血漿を流すことに よって、 ペプチ ドに対する L D Lの結合性を測定することが できる。
発明を実施するための最良の形態
以下、 実施例及び比較例を挙げて本発明をさ らに詳細に説 明するが、 本発明は何らこれに限定される ものではない。 又、 実施例中ではア ミ ノ酸残基は 1文字で表記する。 実施例 1及び比較例 1
マルチペプチ ド合成システム、 R a M P S (米国、 N E N R e s e a r c h P r o d u c t s社製) を用レ、て、 添 付の取扱い説明書に従い、 末端にア ミ ノ基を有するポリェチ レング リ コール鎖が結合したポ リ スチレン樹脂 (T Gレジン ; 米国、 ノ ヴァバイオケミ カル社製) を使用 し、 L体の F m o c一ア ミ ノ酸を用いて、 5個のアミ ノ酸残基からなるぺブチ ドを固相合成した。
実施例 1 において得られた表 1 に示すア ミ ノ酸配列を有す るペプチ ドは、 下記の ( 1 ) 〜 ( 3 ) の条件を満足するよ う に合成した。
( 1 ) ペプチ ドが、 予め定めた位置に、 正電荷を有する基 を側鎖にもつアミ ノ酸残基 ^ ( R又は K) を 1個有する。
( 2 ) ペプチ ドが、 上記 ( 1 ) で定めた位置以外の任意の 位置に、 芳香族炭化水素基を側鎖にもつア ミ ノ酸残基 α (W 又は F ) を 1個有する。
( 3 ) ペプチ ドが、 上記 ( 1 ) 及び ( 2 ) で定めた位置以 外の残 り の 3つの位置に、 ペプチ ドの電荷 ( Ε ) が + 1 にな
るよ う に、 それぞれ、 2 0種類の L体の天然ア ミ ノ酸の残基 から適宜選択された 3個のア ミ ノ酸残基を有する。
比較例 1 において得られた表 1 に示すア ミ ノ酸配列を有す るペプチ ドは、 下記の ( 1 , ) 〜 ( 3 , ) の条件を満足する よ う に合成した。
( 1 , ) ペプチ ドが、 予め定めた位置に正電荷を有する基 を側鎖にもつア ミ ノ酸残基 /3 (R又は K) を 1個有する。
( 2 ' ) ペプチ ドが、 上記 ( 1 ) で定めた位置以外の任意 の位置に、 脂肪族炭化水素を側鎖にもつ L体の天然ア ミ ノ酸 の残基 (V又は L又は I ) を 1個有する。
( 3 , ) ペプチ ドが、 上記 ( 1 , ) 及び ( 2 , ) で定めた 位置以外の残リ の 3つの位置については、 ぺプチ ドの電荷
(E) が + 1 になるよ う に、 それぞれ、 アミ ノ酸残基 a (W 及び F ) を除く 1 8種類の L体の天然ア ミ ノ酸の残基から適 宜選択された 3個のア ミ ノ酸残基を有する。
又、 それぞれのペプチ ドの L D Lに対する結合性の評価は、 以下の手順にて行った。 即ち、 健常な人の血液に、 その 1 0 分の 1 量の 3 . 8 %クェン酸ナ ト リ ウム溶液を添加し、 遠心 分離器で血球成分と血漿成分に分離した。 この血漿成分に、 ピオチン標識キッ ト (英国、 アマシャム製) を用いて、 添付 の取扱い説明書に従い、 L D L (米国、 シグマ社製) をピオ チン標識した溶液を終濃度が 1 0 μ g /m l になるよ う に添 加した„
上記の樹脂に結合したペプチ ドの L D L との結合性を評価 するために、 それぞれの榭脂を取リ 出 し濾過フ ィルター付き カラム (米国、 バイオラ ッ ド社製) に入れ、 続いて、 上記の 溶液を添加し室温で 1時間放置した。 その後、 0. 1 % T w e e n 2 0 と リ ン酸ナ ト リ ゥムを含む生理食塩水で洗浄 した。 洗浄後、 1 0 %ブロ ッ クェ一ス (日本国、 大日本製薬 社製) を含む西洋ヮサビペルォキシダーゼ標識ス ト レプ トァ ビジン溶液 ( 0 . 2 μ g / m 1 ) 1 m 1 を添加し、 3 0分間 室温で放置した。 その後、 0. 0 0 5 %の過酸化水素水を含 む 3, 3 ' —ジァ ミ ノ べンジジン四塩酸塩溶液 ( 0. 5 g Z m l ) 1 m l を加えて、 1 0分間室温で放置し染色した。 結 果を表 1 に示す。 尚、 表 1 において茶褐色に染色された樹脂 を + (プラス) 、 染色されなかった樹脂を一 (マイ ナス) で 表した。
実施例 1 で作成したペプチ ドを結合させた樹脂は染色され たが、 比較例 1 で作成したペプチ ドは染色されなかった。 こ の結果から Rまたは Kを含み、 更に芳香族炭化水素基を持つ Wや Fを含むペプチ ドが、 L D L との結合性を有する こ とが 明らかになった。 実施例 2及び比較例 2
マルチペプチ ド合成システム、 R a M P S (米国、 N E N R e s e a r c h P r o d u c t s社製) を用いて、 添
付の取扱い説明書に従い、 末端にア ミ ノ基を有するポリ ェチ レングリ コール鎖が結合したポ リ スチ レン樹脂 ( T G レジン : 米国、 ノ ヴァバイオケ ミ カル社製) を使用 し、 L体の F m o c—ア ミ ノ酸を用いて、 5個のア ミ ノ酸残基からなるぺプチ ドを固相合成した。
実施例 2において得られた表 2 に示すア ミ ノ酸配列を有す るペプチ ドは、 下記の ( 1 ) 〜 ( 3 ) の条件を満足するよ う に合成した。
( 1 ) ペプチ ドが、 予め定めた位置に、 正電荷を有する基 を側鎖にもつア ミ ノ酸残基 (R又は K) を 1個有する。
( 2 ) ペプチ ドが、 上記 ( 1 ) で定めた位置以外の任意の 位置に、 芳香族炭化水素基を側鎖にもつア ミ ノ酸残基 α (W 又は F ) を 1個有する。
( 3 ) ペプチ ドが、 上記 ( 1〉 及び ( 2 ) で定めた位置以 外の残リ の 3つの位置に、 ペプチ ドの電荷 ( Ε ) が + 1以上 であって且つ + 4以内になるよ う に、 それぞれ、 2 0種類の L体の天然ア ミ ノ酸の残基から適宜選択された 3個のア ミ ノ 酸残基を有する。
比較例 2において得られた表 2に示すア ミ ノ酸配列を有す るペプチ ドは、 下記の ( 1 ' ) の条件を満足するよ う に合成 した。
( 1 , ) ペプチ ドが、 それぞれ、 2 0種類の L体の天然ァ ミ ノ酸残基から重複を許して任意に選択された 5個のアミ ノ
酸残基を有する。 但し、 こ のペプチ ドは、 以下の a 及び b の 条件を同時に満足しない。
a : ペプチ ド內に W又は Fから選択されるア ミ ノ酸残基と R又は Kから選択されるア ミ ノ酸残基を同時に含む。 b : ペプチ ドの電荷 ( E ) が + 1 以上であって且つ + 4以 内の.範囲にある。
又、 それぞれのペプチ ドと L D L との結合性の評価につい ては、 実施例 1 と同様の手順にて行った。 結果を表 2に示す。 表 2から、 実施例 2で得たペプチ ドを結合させた樹脂は染色 されてぉリ 、 L D L との結合性を有するこ とがわかる。 実施例 3及び比較例 3
マルチペプチ ド合成システム、 R a MP S (米国、 N E N
R e s e a r c h P r o d u c t s社製) を用いて、 添 付の取扱い説明書に従い、 末端にァ ミ ノ基を有するポ リ ェチ レングリ コール鎖が結合したポリ スチ レン樹脂 ( T Gレジン : 米国、 ノ ヴァバイオケミ カル社製) を使用 し、 L体の F nx o c一ア ミ ノ酸を用いて、 ペプチ ドを固相合成した。
実施例 3においては、 WAWR R、 L F L MR、 A R R G G G G G、 L F LMR G G G G Gの配列を持つペプチ ドを、 それぞれ樹脂上に固相合成した。
比較例 3においては、 電荷数 ( E ) が 0以下である W A W E E G G G G Gと F F F F F G G G G Gの配列を持つぺプチ
ドをそれぞれ樹脂上に固相合成した。
得られたペプチ ド結合樹脂に関し、 樹脂上に固定化された ペプチ ドの L D L吸着率を以下の方法で測定した。
乾燥重量 8 5 m g のペプチ ド結合樹脂を、 リ ン酸緩衝生理 食塩水 (以下、 屡々 、 P B S と称す) で膨潤させた後、 P B Sで希釈した L D L溶液 ( 5 0 μ g /m 1 ) (米国、 シグマ 社製) を l m l 添加した。 添加前後での L D Lの減少率を、 コ レステロールを定量して求め、 得られた値をペプチ ドの L D L吸着率と した。 コ レステ ロールの定量は、 コ レステロ一 ル E —テス ト ヮ コ一 (日本国、 和光純薬社製) を用い、 添付 の取扱い説明書に従って行った。 結果を表 3 に示す。 表 3力 ^ ら、 比較例 3 で得た樹脂上に固定化されたペプチ ドは L D L を充分吸着していないが、 実施例 3で作成した樹脂上に固定 化されたぺプチ ドは、 L D Lを充分吸着している こ とがわか る。 実施例 4
マルチペプチ ド合成システム、 R a M P S (米国、 N E N R e s e a r c h P r o d u c t s 社製) を用いて、 添 付の取扱い説明書に従い、 末端にアミ ノ基を有するポリェチ レングリ コール鎖が結合したポリ スチ レン樹脂 (T G レジン : 米国、 ノ ヴァバイオケミ カル社製) を使用 し、 L体の F m o c —ア ミ ノ酸を用いて、 WVTR、 WW K , W F WR、 W F
K、 W F WR R、 W F W K K , の配列を持つペプチ ドを、 そ れぞれ樹脂上に固相合成した。
得られたぺプチ ド結合樹脂に関し、 樹脂上に固定化された ペプチ ドの L D L吸着率を以下の方法で測定した。 乾燥重量 8 5 m gのペプチ ド結合樹脂を、 P B Sで膨潤させた後、 P B Sで希釈した L D L溶液 ( 5 0 g Zni l ) (米国、 シグ マ社製) を 1 m 1 添加した。 添加前後での L D Lの減少率を、 コ レステ ロールを定量して求め、 得られた値をペプチ ドの L D L吸着率と した。 コ レステ ロールの定量は、 コ レステロ一 ル E—テス ト ヮ コー (日本国、 和光純薬社製) を用い添付の 取扱い説明書に従って行った。 結果を表 4に示す。 表 4から、 実施例 4で作成した樹脂上に固定化されたペプチ ドは L D L を充分吸着している こ とがわかる。 実施例 5
マルチペプチ ド合成システム、 を用いて、 添付の取扱い説 明書に従い、 末端にアミ ノ基を有するポ リ エチ レンダリ コー ル鎖が結合したポ リ スチ レン樹脂 ( T Gレジン : 米国、 ノ ヴ アバイォケミ カル社製) を使用 し、 D体のア ミ ノ酸を用いて、 R , WWR、 WW R , W F WR Rの配列を持つペプチ ド をそれぞれ樹脂上に合成し、 比較のために L体のアミ ノ酸を 用いて、 WR、 WWR、 WWW R % WF WR Rの配列を持つ ペプチ ドを、 それぞれ榭脂上に合成した。
得られたペプチ ド結合樹脂に関し、 実施例 4 と同様な方法 で、 ペプチ ドの L D L吸着率を測定した。 結果を表 5 に示す。 表 5から、 上記の樹脂上に固定化されたペプチ ドは、 いずれ も L D Lを充分吸着している こ とがわかる。 実施例 6
マルチペプチ ド合成システム、 R a M P S (米国、 N E N R e s e a r c h. P r o d u c t s社製) を用いて、 添 付の取扱い説明書に従い、 末端にア ミ ノ基を有するポ リ ェチ レング リ コール鎖が結合したポ リ スチレン樹脂 ( T G レジン : 米国、 ノ ヴァバイオケミカル社製) を使用 し、 L体の F m o c ーァミ ノ酸を用いて表 6 に示したぺプチ ドを樹脂上に固相 合成し、 得られた榭脂上に固定化されたぺプチ ドの L D L吸 着率を、 実施例 4 と同様な方法で測定した。 結果を表 6 に示 す。 表 6から、 得られた樹脂上に固定化されたペプチ ドは、 いずれも L D Lを充分吸着している こ とがわかる。 実施例 7及び比較例 4
ペプチ ド自動合成機 ( 9 0 5 0 p i u sペプチ ドシンセ サイザ一、 日本国、 日本パーセブティブ . リ ミテッ ド社製) を用いて固相合成法にょ リペプチ ドを合成した。 即ち、 4一 ア ミ ノ メ チルー 3, 5 -ジメ ト キシフエ ノ キシメ チル基を 0 . 1 8 m m o 1 / g (榭脂) の割合で有するスチ レン一ジビニ
ルベンゼン共重合体からなる粒状榭脂 ( F m o c — P A L— P E G - P S : 日本国、 日本パーセプティブリ ミ テツ ド社製) を用い、 L体の F m o c —ア ミ ノ酸を用いて定法に従って固 相合成を行った。
実施例 7においては、 C末端がア ミ ド化された WF WR K — C O NH2の配列をもつぺプチ ドを得た。
得られたペプチ ドを分析用高速液体ク ロマ ト グラフィ一に て、 逆相系カラム ( T S K g e 1 O D S - 8 0 TM : 日本 国、 東ソ一 (株) 社製〉 を用いて、 2 2 0 n mの波長で分析 し、 単一のピークであるこ と を確認した。
同様にして、 L体のアミ ノ酸を用いて、 C末端がアミ ド化 された K RWFW— C O N H 2の配列をもつペプチ ドを得た。 比較例 4においては、 L体のア ミ ノ酸を用いて、 C末端が アミ ド化された Q D G S D E V Y K— C O NH2の配列をも つぺブチ ドと Q G D D S E V Y K— C O NH2の配列をもつ ぺプチ ドを合成した。
実施例 7で合成したぺプチ ド W F WR K— C O NH2と K R F W- C O N H2, 及び比較例 4で合成した Q D G S D E VYK— C O N H2と Q G D D S E V Y K— C O NH2を用 いて、 これらのペプチ ドと L D L との結合性を以下の方法で 測定した。 ペプチ ド溶液 ( l mm o 1 / β ) 1 0 μ 1 を L D L溶液 ( 5 m g /m l ) (米国、 シグマ社製) 9 0 1 に添 加し、 室温で 1 時間イ ンキュベ一シ ヨ ン した後、 限外濾過膜
(ウル ト ラフ リ ー C 3 L G C : 米国、 ミ リ ポア社製) を用レヽ て、 遠心濾過した。 遊離ペプチ ドを含む濾液画分を高速液体 ク ロマ トグラフィーにて逆相系カラム ( O D S コ スモシー ル 5 C 1 8 : 日本国、 n a c a l a i t a s q u e社製) を用いてぺプチ ドを分離し、 2 7 5 n mの波長で分析した。 ぺプチ ドの L D L結合率は、 ぺプチ ドビークの高さの変化か ら算出した。 結果を表 7に示す。 表 7から、 比較例 4のぺブ チ ドと比べて、 実施例 7のペプチ ドは L D L と強く結合して いるこ とがわかる。 実施例 8及び比較例 5
実施例 8 においては、 実施例 7で得た W F W R K— C 0 N H2及び K RWF Wの一C ONH2の配列をもつぺプチ ドを、 比較例 5においては、 比較例 4で得られた Q D G S D E VY K一 C O NH2の配列をもつペプチ ドを、 それぞれ臭化シァ ン活性ィ匕セファ ロース (ス ウェーデン国、 ファルマシア社製) に、 定法に従い固定化した。 即ち、 上記の樹脂を秤リ取リ 、 1 πιΜの塩酸溶液で洗浄後、 精製したペプチ ド 1 0 m gを 0. 51 [の食塩を含む 0. 1 M、 p H 8 . 4の炭酸水素ナ ト リ ウ ム緩衝溶液に溶解し、 膨潤 したゲル 8 m 1 に加えて室温で 2 時間反応させた。 反応終了後、 ゲルを P H = 8 に調整した 1 Mのエタノールァミ ン溶液に移し、 反応を終了 させた。
得られたペプチ ド結合榭脂に関し、 榭脂上に固定化された
ぺプチ ドの L D L吸着率を以下の方法で測定した。
ペプチ ド結合樹脂を P B Sで洗浄後、 得られた膨潤状態の 樹脂 2 5 0 μ Ι に、 P B S で希釈した L D L ( 2 0 0 g / m l ) (米国、 シグマ社製) 溶液 5 0 0 μ 1 を添加した。 添 加前後での L D Lの減少率を、 コ レステロールを定量して求 め、 得られた値を L D L吸着率と した。 コ レステ ロ ールの定 量は、 コ レステロール Ε—テス ト ヮコ一 (日本国、 和光純薬 社製) を用い、 添付の取扱い説明書に従って行った。 結果を 表 8 に示す。 表 8 から比較例 5 で得られた樹脂上に固定化さ れたペプチ ドと比べて、 実施例 8 で得られた樹脂に固定化さ れたペプチ ドはいずれも L D Lを非常によ く 吸着しているこ とがわかる。 実施例 9及び比較例 6
実施例 9 においては、 実施例 7で合成したぺプチ ド W F W R K— C O N H 2及び K R W F W— C O N H 2を実施例 8 と同 様の方法で臭化シア ン活性化セファ ロース (ス ウェーデン国、 フアルマシア社製) に結合させたものを用い、 比較例 6 にお いては、 市販のデキス トラン硫酸固定化セルロ ースを用いて、 ブラジキニン産生量の測定を以下の方法で行った。
へパリ ン ( l O I U Z m l ) を添加した健常人の血液を遠 心分離器で分離し、 得られた血漿にカプ トプリ ル ( 5 0 n g / m l ) (米国、 シグマ社製) を添加した血漿成分 5 m 1 を、
膨潤状態の樹脂 l m 1 の入ったポリ カーボネー ト製三角フラ スコに加え、 3 7。Cで 5分間放置した。
その後、 直ちに血漿成分を分離し、 その血漿成分に トラジ ロール、 大豆 ト リ プシンイ ン ヒ ビター、 硫酸プロタ ミ ン及び E D T A— 2 N a の入ったイ ンヒ ビタ一溶液 2 m 1 を加え反 応を停止させ、 血漿中に産生されたブラジキニン量を R I A 法にて測定した。 尚、 対照と して、 ブラジキニン産生を顕著 に促進させる と考えられるガラス製三角フ ラ ス コを用い、 樹 脂を入れずにこの操作を行った。 結果を表 9に示す。 表 9力 ら、 WF WR K— C O NH2固定化セフ ァ ロ一ス及び KRW F W— C◦ N H 2固定化セファ ロースは、 対照と して用いた 空容器試験以上のブラジキニンを産生していないこ とがわか る。 実施例 1 0及び比較例 7
実施例 1 0においては、 固相合成用担体 (榭脂) と してス チレンージビエルベンゼン共重合体からなる粒状榭脂 ( P A C一 P E G— P S : 日本国、 日本パーセプティ ブリ ミテッ ド 社製) を用いた以外は実施例 7 と 同様にして、 WF WR K及 び K RWFWの配列をもつぺプチ ドを固相合成し、 得られた 樹脂に固定化されたぺプチ ドの血液細胞に対する吸着性を評 価した。
比較例 7においては、 固相合成用担体 (樹脂) と してスチ
レン一 ジビニルベンゼン共重合体からなる粒状樹脂 ( P A C — P E G— P S : 日本国、 日本パーセプティブリ ミテッ ド社 製) を用いた以外は実施例 7 と同様にして、 VVWR L T R KR G L KV V Vの配列をもつペプチ ドを固相合成し、 得ら れた樹脂に固定化されたペプチ ド及びポリ リ ジン (平均分子 量 5 3 , 9 0 0、 米国、 シグマ社製) をそれぞれ実施例 8 と 同様の方法で臭化シァン活性化セファロース (スゥエーデン 国、 フ アルマシア社製) に結合させたものの血液細胞に対す る吸着性を評価した。 評価は以下の方法で行った。
終濃度が 1 I U/m 1 になるよ うにへバリ ンを添加して得 た健常人の血液を、 生理食塩水にて膨潤させた状態の榭脂 0. 5 m 1 に添加し 3 7でで 3 0分間放置した。 その後、 樹脂を 分離し、 生理食塩氷で洗浄後、 肉眼観察を行った。 結果を表 1 0に示した。 ペプチ ドの電荷が + 5以上の比較例 7のサン ブル 1 、 サンプル 2に関しては明らかに、 血球細胞の付着も しく は血液凝固が認められたが、 WFWR K固定化セファロ ース及び K RWF W固定化セフ ァ ロースについては、 血球の 付着はほとんど認められなかった。 実施例 1 1及び比較例 8
実施例 7 と同様の方法にて作製された表 1 1 に示すぺブチ ドを 3 . 5 X 1 0 -3m o I ノ m l の濃度に 1 0 mM酢酸緩衝 溶液 ( P H 5. 5 ) にて調整し、 活性化された: B I A c o r
eセンサーチップ CM 5 C e n t i f i e d (ス ウェーデ ン国、 フアルマシア社製) に、 添付の取リ极ぃ説明書の方法 に従って、 ァ ミ ノ カ ップリ ングにて結合させた。 イ ンジェク ショ ン量は 3 5 μ 1 で行い、 結合後エタノールア ミ ンでブ口 ッキングして、 ベースライ ンが安定するまで、 H B S緩衝溶 液で洗浄した。 ぺプチ ドのセンサーチップへの結合のための 流速は 5 1 / m i nで行った。
B I A c o r e による !) u f f e r 系におけるペプチ ドと L D Lの結合性測定の条件は以下のよ う に行った。
上記のペプチ ドが結合したセンサーチップに対し L D L溶 液 6 0 1 を 6分間流した。 測定のための流速は、 1 0 X 1 /m i nで行った。 R U ( R e s o n a n c e U n i t ) 値は、 L D L溶液を 6分間流し終わる 1 0秒前の値とベース ライ ンの値との差をペプチ ドの L D L結合性と した。 但し、 各ペプチ ドのセンサーチップへの固定化量には違いがあるた め、 各ペプチ ドの L D L結合性は、 R HW FW— C O NH2 のセンサーチップへの固定化量を基準と して求めた。
測定結果を表 1 1 に示す。 表 1 1 から実施例 1 1 で用いた ぺブチ ドは、 比較例 8で用いたぺプチ ドに比較して L D Lを 強く 結合しているこ とがわかる。 実施例 1 2及び比較例 9
実施例 7 と同様の方法にて作製された表 1 2 に示すぺプチ
ドを 3 . 5 X 1 0 "3m o 1 / m 1 の濃度に 1 O mM酢酸緩衝 溶液 ( p H 5 . 5 ) にて調整し、 活性化された B I A c o r eセンサーチップ C M 5 C e n t i f i e d (スウェーデ ン国、 フアルマシア社製) に、 添付の取リ扱い説明書の方法 に従って、 ァ ミ ノ カ ップリ ングにて結合させた。 イ ンジェク シヨ ン量は 3 5 1 で行い、 結合後エタ ノールァ ミ ンでブロ ッキングして、 ベースライ ンが安定するまで、 H B S緩衝溶 液で洗浄した。 ぺプチ ドのセンサーチップへの結合のための 流速は 5 μ 1 / m i nで行った。
B I A c o r e による血漿存在下におけるペプチ ドと L D Lの結合性測定の条件は以下のよ う に行った。 上記のぺブチ ドが結合したセンサーチップに対し L D L除去血漿 6 0 μ 1
( 6分間) で流し、 その後、 続いて l m g Zm l の L D Lを 含む血漿を 6 0 μ 1 ( 6分間) を流した。 測定のための流速 は、 1 0 i l Zm i nで行った。 そのプロファイルの 1例を 図 1 に示す。
R U (R e s o n a n c e U n i t ) 値は、 L D L除去 血漿を 6分間流し終わる 1 0秒前の値 (図の Aで示す) と最 終的に H B S緩衝溶液に置き換わった直後値 (即ち L D L添 加血漿導入後 6分 1 0秒後の値。 図の Bで示す) の 2点の値 の差を血漿存在下におけるぺプチ ドの L D L結合性と した。 伹し、 各ぺプチ ドのセンサーチップへの固定量には違いがあ るため、 各ペプチ ドの L D L結合性は、 : R RW FW— C O N
H2のセンサーチップへの固定化量を基準と して求めた。 測 定結果を表 1 2 に示す。 表 1 2から実施例 1 2で用いたぺプ チ ドは比較例 9で用いたぺプチ ドと比べて L D Lに対する結 合性が高いこ とがわかる。 実施例 1 3及び比較例 1 0
実施例 1 3においては、 実施例 7 と同様の方法にて得た R RWF W— C ONH2、 R RWAW— C O NH2、 R RWEW — C O NH2、 R RWRW— C〇 NH2の配列をもつペプチ ド を、 比較例 1 0においては比較例 4で得られた Q D G S D E V Y K— C O N H2の配列をもつペプチ ドを、 それぞれ臭化 シアン活性化セフ ァ ロース (ス ウ ェーデン国、 フ ァノレマシア 社製) に、 常法に従い固定化した。 即ち、 上記の樹脂を秤リ 取リ 、 1 の塩酸溶液で洗浄後、 精製したペプチ ド 1 0 m gを 0. 5 Mの食塩を含む 0 . 1 M、 p H 8 . 4の炭酸水素 ナ ト リ ゥム緩衝溶液に溶解し、 膨潤したゲル 8 m 1 に加えて 室温で 2時間反応させた。 反応終了後、 ゲルを p H= 8に調 整した 1 Mのエタ ノールァ ミ ン溶液に移し、 反応を終了させ た。
得られたペプチ ド結合樹脂に関し、 樹脂上に固定化された ぺプチ ドの L D L吸着率を以下の方法で測定した。
ペプチ ド結合樹脂を P B Sで洗浄後、 得られた膨潤状態の 樹脂 2 に、 健常人血漿 l m l を添加した。 L D Lの
吸着量は、 L D Lコ レステ ロール分離キッ ト (米国、 SIGMA DIAGNOSTICS社製) を用いて、 L D Lコ レステ ロールを血漿 中から分離し、 添加前後での L D Lの減少率を、 コ レステロ ール E—テス ト ヮコー (日本国、 和光純薬社製) を用いて求 め、 得られた値を L D L吸着率と した。 結果を表 1 3 に示す。 表 1 3 から比較例 1 0で得られた樹脂上に固定化されたぺブ チドと比べて、 実施例 1 3で得られた樹脂に固定化されたぺ プチ ドはいずれも L D Lを非常によ く吸着しているこ とがわ かる。
試料番号 N1 N2 N3 N4 N5 亀荷 染色度 実施例 1
1 F Y Y +1
2 F K I ¥ W +1 +
0 W r\ p
y u n Γ 1
4 I F Y K W +1 +
5 f A L Y R +1 + 比較例 1
1 R A H I N +1
2 P K S 1 N +1
3 L H R H L +1
4 L T U K U +1
5 U L T V R +1
表 2
試料番号 N1 N3 N4 N5 亀荷 染色度 実施例 2
1 W T A R +2
2 F A Y R +2 +
3 R Ϊ I L Q +1 +
4 R F ¥ L F +1
5 R Y A F f +1 +
6 K H I Y ¥ +1
7 W R Y D R +1 +
8 L K f F Q +1 +
9 Y Y W F +1 +
10 L w S F +1 +
11 F F ¥ R G +1 +
12 L N F R ¥ +1 +
13 F L U R F +1 +
14 ¥ L M W R +1 + 比較例 2
1 T H R Q R + 2 -
2 H Y Y L Q ±0 -
3 V H V Q T ±0 -
4 P N A F A ±0 ―
5 H W V V H ±0 - g γ I n w v •H ft
7 F G A I V ±0
8 fl A S N P ±0
9 E V S U T
10 F I I u E
11 ϊ V D H N
12 E k K H E
13 F N F E S
14 V E E E - 3
表 3
サンプル LD L吸着率 (%) 実施例 3
1. WAWR R 6 2. 2
2. L F LMR 3 9 - 3
3. WAWR R G G G G G 4 9. 8
4. L F LMR G G G G G 3 6 - 9 比較例 3
1. WA E E G G G G G 4. 3
2. F F F F F GGGGG 2. 6
表 4
サンプル L D L吸着率 (% )
• WW R 3 2 . 0
2 . WWK 2 5 . 0
3 , W F WR 3 5 . 0
4 . W F WK 3 3 . 0
5 . W F WR R 4 9 . 0
6 . W F WK K 4 3 . 0
表 5
サ ン プ ル LD L吸着率 (%) R (D体) 3 8. 6 WWR (D体) 4 1. 6 WWWR (D体) 3 3. 8 WF WR R (D体) 38. 3 WR ( L体〉 2 7. 7 WWR ( L体) 3 3. 8 WWWR ( L体) 4 2. 2 WF WR R ( L体) 3 9.
表 6
サ ン プ ル LD L吸着率 (%) . WR 2 7. 7
. WAR 3 2. 3
. WA A R 3 6. 3
. W A A AR 3 9. 3
. WA A AAR 2 6. 3
. W A A AAAR 2 3. 7
サ ン プ ル プチド結合率 (%) 実施例 7
1. WF WRK- C ONH2 7 1. 6
2. KRWF -CONH2 64. 8
比較例 4
1. QDG S DEVYK-CONH2 0 5
2. QGDD S EVYK-CONH2 5
表 8
サ ン プ ル LDL吸着率 (°/。) 実施例 8
1. WFWRK— CONH2固定化セファロース 68. 5
2. KRWFW— CONH2固定化セファロ一ス 68. 3 比較例 5
1. QDGSDEVYK— CONH2固定化セファロース 6. 4
表 9 サ ン プ ル ブラジキュン産生!: (pg/ml) 実施例 9
1. WFWRK— CONH2固定化セファロース 6 , 4 3 0
2. KRWFW— C 0NH2固定化セファロ一ス 7 , 7 90 比較例 6
1. デキス トラン硫酸固定化セルロース (市販品) 6 , 6 00 対照
1. ポリカーボネート製三角フラスコのみ 8 , 7 00
2. ガラス製三角フラスコのみ 2 0, 400
表 1 0
サ ン プ ル リガン Pの 肉眼観察結果
電荷
実施例 1 0
1. WFWRK固定化セファロ一ス + 2 血球付着ほとんどなし
2. KRWFW固定化セファロ一ス + 2 血球付着ほとんどなし 比較例 7
1. ポリ リ ジン固定化セファロース + 100超 赤血球の付着ぁリ
2. VVMLTRKRGLKVVV固定化セファ ロ一ス + 5 血液凝固発生
サ ン プ ル L D L結合性 ( R U) 実施例
1. R R W F W一 C O N H 1 6 0 0 0
2. F WR K一 C 0 N H 2 4 4 0 0
3. K W F W — C O N H 2 1 0 5 0 0
4 - WF W R R一 C O N H2 2 8 0 0
5. L F F R一 C O N H 8 7 0 0
6. F F F R W ― C 0 N H2 7 , 8 0 0
7. R F F L W ― C O N H2 5 0 0 0
8. R R W F F一 C O N H 8 , 5 0 0
9. R R W AW ― C 0 N H 3 , 4 0 0
1 0. R K V WW一 C 0 N H 2 2 3 0 0
1 1 . K R V WW一 C O N H 2 2 7 0 0
1 2. K F F L 一 C O N H 2 4 6 0 0
1 3. KM L F F一 C O N H 3 , 0 0 0
1 4 K W L F W一 C O N H 4 6 0 0
1 5. R R WWW一 C 0 N H 6 6 0 0
1 6. R R WWF一 C O N H 1 3 5 0 0
1 7 R R F WW一 C O N H 2 7 7 0 0
1 8. R R F F W一 C O N H 2 6 2 0 0
1 9. R R F WF一 C O N H 2 9 8 0 0
2 0 R R W L W C O N H , Q 1 o o
2 1 . R R W V W C O N H 3 5 0 0
2 2. R R W I W C O N H 2 5 5 0 0
2 3. R R W Y W C O N H 4 0 0 0
2 4. R R W S W C O N H 3 2 0 0
2 5. R R W R W C O N H 3 , 9 0 0
2 6 - R R W E W C O N H 2 3 5 0 0 比較例 8
1 . D P S V Y C O N H 2 3 1 0
2. Y V S P D C O N H 2 4 4 0
3. V E E M E C O N H 8 8 0
4 EM E E V C O N H 7 3 0
5
2 サ ン プ ノレ L D L結合性 ( R U ) 実施例 1 2
丄 , W r W - C O N H 2 2 , 2 0 0 ム · W W - C 0 N H 2 2 , 9 0 0 ο
· w W τ Lr * Γρ τ J? - C O N H 2 3 , 9 0 0
Λ
± · Κ W r - C 0 N H 2 2 , 0 0 0
C D . ΐ r r Τ rΓ Wΐτ - C O N H 2 1 , 1 0 0
Ό . ϋ τ r? τ Γ? τ L W - C O N H 2 1 , 8 0 0
7 ( . IS. r Γ L W - C O N H 2 1 , 3 0 0 o . τ Τ
XV W L Γ W - C O N H 2 1 , 5 0 0
Q IV Κ V W W - C O N H 2 1 , 3 0 0 丄 (J . Κ W A W一 C O N H 2 5 , 1 0 0 丄 丄 , W r W R R - C O N H 2 3 , 1 0 0
1 F F W— C O N H 2 4 , 0 0 0
1
丄 d · Κ Ό Κ Ο T r? T Γ? Τ r?
- C O N H 2 2 , 3 0 0
1 4 Λ
丄 · r Τ? r Τ r? Ό T Κ - C O N H 2 5 , 7 0 0
1 5 . Κ R F F F - C O N H 2 1 , 8 0 0
1 6 . R R W W W一 C O N H 2 1 , 8 0 0
1 7 . R R W W F - C O N H 2 4 , 8 0 0
1 8 . R R F W W - C O N H 2 4 , 4 0 0
1 9 . R R F F W - C O N H 2 3 , 5 0 0
2 0 . R F W F - C O N H 2 7 , 8 0 0
2 1 . R R W L W - C O N H 2 8 , 1 0 0
2 2, R W V W - C O N H 2 1 , 9 0 0
2 3 . R W I W - C O N H 2 3 , 5 0 0
2 4 . R R W Y W一 C O N H。 , Q•j nj n
2 5 . R R W S W - C 0 N H 2 2 , 5 0 0
2 6 . R R W R W一 C O N H 2 4 , 5 0 0
2 7 . R R W E W - C O N H 2 4 , 9 0 0 比較例 9
1 . D P S V Y - C 0 N H 2 2 5 0
2 . Y V S P D - C 0 N H a 2 1 0
3 . V E E M E - C 0 N H 2 2 9 0
4 . E M E E V - C O N H 2 2 7 0
表 1 3 サ ン プ ル LDL吸着率 (%) 実施例 1 3
1. R RWF W— C ON H2固定化セファ ロ一ス 6 5 2
2. RRWAW— CONH2固定化セファ ロ一ス 6 3 9
3. : RRWEW— CONH2固定化セファ ロース 64 3
4. R RWR W— C ONH2固定化セファ ロース 5 3 2 比較例 1 0
1. QDG S DE V YK— C ONH,固定化セフ ロース
産業上の利用可能性
本発明の L D L結合用ペプチ ドは、 L D Lに対して特異的 に優れた結合性を有し、 それでいて、 ブラジキニンの産生、 血液細胞の活性化やペプチ ドへの吸着、 血液凝固系の活性化 等を惹起しないために安全性に優れるので、 全血や血漿等の 体液から L D Lを除去するための吸着材用の試薬、 更には L D Lが関与している疾患に対するペプチ ド医薬品及び医薬品 のキヤ リヤーべプチ ドと して有利に用いることができる。 更 に、 本発明の L D L結合用ペプチ ドは、 1 0個以下のァミ ノ 酸残基からなるため、 比較的容易に、 しかも低コス ト で調製 するこ とができるだけでなく 、 滅菌操作等に対する安定性や、 保存性に優れている。 又、 水不溶性担体に本発明のペプチ ド を結合させてなる吸着材を、 血液中の L D Lが病的な原因に よ り、 健常人よ リ も多く なる疾患において、 その L D Lを血 液中から除去する場合に必要な血液浄化処理装置等に用いる と、 有利なことに、 効率よ く 、 しかも安全に L D Lの除去を 行う こ とができる。 又、 上記の水不溶性担体と して、 ァガロ ースゲルなどのソフ トゲル、 又は架橋されだポリ ビエルアル コールなどのハー ドゲルを用いた場合には、 液体クロマ トグ ラフィ一等において、 L D Lの分離、 精製用ゲルと して用い ること もできる。