JP2002501082A - β1インテグリンサブユニット依存性細胞接着調節活性を有するペプチド - Google Patents

β1インテグリンサブユニット依存性細胞接着調節活性を有するペプチド

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Abstract

(57)【要約】 C末端の芳香族アミノ酸残基及び2番目のC末端の残基として親油性アルキル側鎖を有するアミノ酸残基を含むβ1インテグリンサブユニット依存性細胞接着を調節することができるペプチドを供する。これらの“LipAr”C末端ペプチドは、典型的にはRamos細胞のような細胞のβ1インテグリンサブユニット依存性接着を調節することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の背景 細胞外マトリックス(“ECM”)タンパク質の及び他の細胞の細胞認識は、
複数の別個の細胞表面レセプターに関する複合分子基質を有する。インテグリン
はECMタンパク質への細胞接着を媒介するために根本的に重要であるレセプタ
ーのファミリーである。腫瘍細胞は、侵入し転移する時に他の細胞上の種々のE
CMタンパク質及び分子に接着する。これらの腫細胞の相互作用はそれらの表現
型に顕著な効果を有する。その正確な役割は複雑であり完全に理解されていない
が、α4β1インテグリンは腫瘍細胞抑制(arrest)及び/又は管外遊出
に関係しており、腫瘍細胞侵入及び転移に関係している。このインテグリンは多
くの造血細胞悪性腫瘍で及び黒色腫のような腫瘍でも発現される。α4β1イン
テグリンはECM成分(例えばフィブロネクチン)並びに活性化された内皮細胞
及び他の細胞型上で発現されるIgスーパーファミリー接着レセプター(例えば
VCAM−1)の両方に結合する点でインテグリンの中でも特有である。α4β
1インテグリンはそれ自体にも結合して同型細胞接着を促進する。α4β1イン
テグリンのための役割は腫瘍細胞生物学の種々の点を調節することにおいて確立
されているが、α4β1インテグリンの機能が調節されるメカニズムは複数であ
り、十分に理解されていない。このような相互作用の性質を理解することはイン
テグリンでしばしば観察されるECMタンパク質での細胞型特異的挙動を説明す
る助けとなり得る。従って、このインテグリンに関連する複雑な相互作用の理解
を進める手段としてα4β1依存性細胞接着を調節することができるペプチドを
同定することの継え間ない必要性がある。
【0002】 発明の概要 本発明は、β1インテグリンサブユニット依存性細胞接着を調節することがで
きるペプチドに関する。そのペプチドは、芳香族基を含む側鎖を有するC末端ア
ミノ酸残基(“−Ar−”)及び2番目のC末端残基として親油性アルキル側鎖
基を有するアミノ酸残基(“−Lip−”)を含む。このC末端ジペプチド配列
は“LipArモチーフ”として本明細書に言及される。例えば、本発明の適切
なペプチドは、C末端チロシン残基及び2番目のC末端残基としてイソロイシン
を含み、即ちC末端“IYモチーフ”(Ile-Tyr )を含む。本ペプチドは比較的
多数のアミノ酸残基、例えば約100アミノ酸残基まで又はそれ超を含んでよい
が、本明細書に開示されるように、LipArモチーフを含む極めて小さなペプ
チド、例えばジペプチドIle-Tyr 及びトリペプチドArg-Ile-Tyr もβ1依存性接
着を調節することができる。本ペプチドは、典型的には、約50以下、好ましく
は約25以下のアミノ酸残基を有する。LipAr C末端ペプチドは、好まし
くは、細胞のβ1インテグリンサブユニット依存性接着、例えばRamos細胞
のα4β1インテグリン依存性接着及び赤白血病細胞(例えば赤白血病細胞系K
562)のα5β1インテグリン依存性接着を阻害することができる。
【0003】 発明の詳細な記載 本発明は、β1インテグリンサブユニット依存性細胞接着を調節することがで
きるペプチドに関する。これらのペプチドはC末端LipArモチーフを含み、
典型的には、β1インテグリンサブユニット依存性細胞接着、特にα4β1イン
テグリン依存性細胞接着を阻害することができる。本ペプチドは典型的には、α
2β1,α3β1及び/又はα5β1インテグリン依存性細胞接着を阻害するこ
ともできる。本明細書に用いる場合、用語“LipArモチーフ”は、C末端の
“Ar”残基が芳香族基を含む側鎖を有するジペプチド配列をいう。芳香族基を
有する適切なアミノ酸残基の例には、チロシン(“Tyr”)、フェニルアラニ
ン(“Phe”)、ヒスチジン(“His”)、及びトリプトファン(“Trp
”)がある。2番目のC末端“Lip”残基は、親油性アルキル側鎖基を含むア
ミノ酸である。本ペプチドのC末端アミノ酸残基のα−カルボキシル基は、典型
的にはカルボン酸(−CO2 H)の形態である。本発明の好ましい実施形態にお
いて“Lip”及び“Ar”残基はL−アミノ酸残基である。
【0004】 親油性アルキル側鎖基を有するアミノ酸残基の例にはロイシン(“Leu”)
、イソロイシン(“Ile”)、及びバリン (“Val”)がある。典型的には
、親油性側鎖基は、少くとも約3.0、好ましくは少くとも約4.0のSCDC
(−RTlnKDとして計算され、kcal/mol で表されるシクロヘキサン−水側
鎖分布係数)を有する。この適用の目的のため、SCDCはRadzickaら、Bioche mistry, 27, 1664 (1988) に従って定義される。特定のアルキル側鎖基のSCD
Cが知られていない場合、SCDC値は、湿潤シクロヘキサンと水との間の分布
係数の測定により又はParkerら(Biochemistry, 25,5425 (1986))の方法に従っ
てHPLC保持から得られる疎水性スケールを用いる同じアルキル側鎖基を含む
化合物の他の同様の化合物との比較により決定することができる。ロイシン、イ
ソロイシン、及びバリンのような親油性アルキル側鎖に対する類似性にかかわら
ず、最後から2番目の位置におけるメチオニンの挿入 (即ち“MY”C末端モチ
ーフ)は不活性なアナログを生じた。
【0005】 フィブロネクチンC末端ヘパリン結合ドメインの異なるフラグメントに対応す
る配列を有する4つのC末端チロシンでタグされたペプチドは、末梢血液単核細
胞及び脾臓細胞のフィブロネクチン及び内皮細胞単層への結合を阻害すると報告
されている(例えばWahlら、J.Clin.Invest., 94, 655-662 (1994)を参照のこと
)。これらのペプチドの2つ、FN−C/H I+Y及びFN−C/H V+Y
はC末端LipArモチーフを含む。FN−C/H I+Yのアミノ酸配列はYE
KPGSPPREV-VPRPRPGVY (配列番号:38)である。FN−C/H V+Yのアミ
ノ酸配列はWQPPRARIY(配列番号:1)である。他の2つのTyrでタ
グしたフィブロネクチンC末端ヘパリン結合ドメイン関連ペプチドはC末端Li
pArモチーフを含まない(両ペプチドとも端は“TY”(Thr−Tyr))
。これらの他の2つのフィブロネクチンC末端ヘパリン結合ドメインフラグメン
トのアミノ酸配列はKNNQKSEPLIGR-KKTY (FN−C/H II+Y;(配列番号:
39))、及びSPPRRARVTY(FN−C/H IV+Y;(配列番号:4
0))である。全部で4つのYでタグしたフラグメントは試験管内でフィブロネ
クチンへの白血球接着を阻害し、それら4つのうちの3つだけ、FN−C/H
I+Y,FN−C/H II+Y及びFN−C/H V+Yが生体内ラットモデル
において抗炎症特性を示すと報告されている。それら4つのうちの1つ、FN−
C/H V+Yは別の細胞外マトリックスタンパク質であるVCAMへの接着を
阻害しなければならないとも報告されている。その報告された結果は、Yでタグ
したフィブロネクチンC末端ヘパリン結合ドメインフラグメントの生物活性がそ
れらペプチドの各々の特定の配列の関数であることを示唆する。
【0006】 β1インテグリン依存性細胞接着の阻害がインヒビターのキラリティーにより
行われるのか否かを検査するためにいくつかのアナログを調製した。FN−C/
H V+Y(配列番号:1)の全てのD型及びretro inverso FN−C/H V
+Yの全てのL型(配列番号:40;YIRARPPQWの全てのL型、FN−
C/H V+Yの逆プライマー配列)を調製し、8A2刺激化Ramos細胞接
着アッセイで検査した。これら2つの化合物のいずれもRamos細胞結合を阻
害せず、このことは、本ペプチドは、好ましくはL−エナンチオマーアミノ酸残
基の形態のC末端モチーフを含むことを示唆する。
【0007】 しかしながら、C末端LipArモチーフを保存する(即ちC末端Ile−T
yrジペプチド配列を保持する)FN−C/H V+Yのアラニンノックアウト
アナログがβ1インテグリン依存性細胞接着を阻害することができることが驚く
ことに発見された。本明細書に用いる場合、用語“アラニンノックアウトアナロ
グ”は、1つの残基がアラニンに置換されているペプチドのアナログをいう。F
N−C/H V+Yのアラニンノックアウトアナログのうち2つは、以前に刺激
化接着域形成に関連することが証明されている(例えばWoods ら、Mdec.Biol.Ce
ll, 4, 605-613 (1993))FN−C/H V+Y内の“PRARI”モチーフ(Pr
o-Arg-Ala-Arg-Ile (配列番号:41))内のアルギニン残基の一方のかわりに
置換されたアラニン残基を有する。これらのアラニンノックアウトアナログは、
アミノ酸配列WQPPRAAIY(配列番号:8)及びWQPPAARIY(配
列番号:17)を有する。他のアラニンノックアウトアナログのうちの2つ、A
QPPRARIY(配列番号:3)、WAPPRARIY(配列番号:4)も、
非保存性アミノ酸置換によりFN−C/H V+Yと異なる(各々Trpのかわ
りにAla及びGlnのかわりにAla)。
【0008】 本明細書に記載される例として、非保存性アミノ酸置換によりFN−C/H
V+Yと異なるがC末端LipArモチーフを保持するペプチドは、そのペプチ
ドの全体の物性特性がFN−C/H V+Yと実質的に異なる場合でさえβ1イ
ンテグリンサブユニット依存性細胞接着を調節することができる。例えば、2つ
のアルギニン残基がアスパラギン酸残基により置換されているFN−C/H V
+YはFN−C/H V+Yと少くとも同じくらい強力にRamos細胞の8A
2刺激化接着を阻害する。アナログ、WQPPDADIY(配列番号:38)は
、それが、(FN−C/H V+Yの+2の実効電荷と対照的に)−2の全体の
実効電荷を有する場合でさえこの活性を示す。
【0009】 FN−C/H V+Yの非保存性置換変異体がβ1インテグリンサブユニット
依存性細胞接着を阻害する能力を保持するという事実より驚くことは、FN−C
/H V+Yに対してほとんど又は全く配列相同性がない他の短いLipAr
C末端ペプチドもこの型の生物活性を有するという事実である。本明細書に開示
される結果は、FN−C/H V+Y又はFN−C/H I+Yの対応するC末
端部分と50%未満の相同性を有するペプチドでさえ、β1インテグリンサブユ
ニット依存性接着を阻害する能力を示すことを確立する。このようなペプチドの
例には、ARITGYIIY(配列番号:14)、RARITGYIY(配列番号
:13)、PRQAWRPIY(配列番号:18)及びRPAPQRWIY(配
列番号:20)がある。
【0010】 本明細書に用いる場合、用語“相同性(%)”は、もとのペプチド配列のもの
と同一であるか又は保存性アミノ酸置換の結果としてのみもとのペプチド配列か
ら異なるペプチドのアミノ酸残基のパーセンテージをいう。例えば、ペプチドP
AIFDRSCGSはペプチド配列PKVMERTCDSに対して40%の同一
性及び80%の相同性である。
【0011】 本発明の目的のため、保存性アミノ酸置換は、次の残基のクラス:クラスI:
Ala, Gly, Ser, Thr、及びPro (小さな脂肪族側鎖及びヒドロキシル基側鎖を示
す);クラスII:Cys, Ser, Thr 及びTyr (−OH又は−SH基を含む側鎖を示
す) ;クラスIII :Glu, Asp, Asn 及びGln (カルボキシル基含有側鎖);クラ
スIV:His, Arg及びLys (塩基性側鎖を示す) ;クラスV:Ile, Val, Leu, Phe
及びMet (疎水性側鎖を示す) ;及びクラスVI:Phe, Trp, Tyr 及びHis (芳香
族側鎖を示す) のうちの1つの中からのアミノ酸残基の交換から生ずると定義さ
れる。それらクラスは、関連するアミノ酸、例えばクラスI内の3Hyp及び4
Hyp、クラスII内のホモシステイン;クラスIII 内の2−アミノアジピン酸、
2−アミノピメリン酸、γ−カルボキシグルタミン酸、β−カルボキシアスパラ
ギン酸、及び対応するアミノ酸アミド;クラスIV内のオルニチン、ホモアルギニ
ン、N−メチルリシン、ジメチルリシン、トリメチルリシン、2,3−ジアミノ
プロピオン酸、2,4−ジアミノ酪酸、ホモアルギニン、サルコシン及びヒドロ
キシリシン;クラスV内の置換化フェニルアラニン、ノルロイシン、ノルバリン
、2−アミノオクタン酸、2−アミノヘプタン酸、スタチン及びβ−バリン;並
びにクラスVI内のナフチルアラニン、置換化フェニルアラニン、テトラヒドロイ
ソキノリン−3−カルボン酸、及びハロゲン化チロシンも含む。
【0012】 本発明の別の実施形態において、ペプチドは、10以下のアミノ酸残基を含み
、FN−C/H V+Yのアミノ酸配列に実質的に対応しない配列を有する。本
明細書に用いる場合、特定のペプチドの配列は、その特定のペプチドが引用配列
と約80%未満の同一性、好ましくは約50%未満の相同性を有するなら、その
引用アミノ酸配列に実質的に対応しない。
【0013】 本発明の特に適したペプチドの1つのグループは、C末端“IIT”モチーフ
を含むもの、即ち最もC末端の3つのアミノ酸残基の配列がIle-Ile-Tyr である
ものである。1つのこのようなペプチドは9アミノ酸残基を含み、配列:ARI
TGYIIY(配列番号:14)を有する。 コスト、製造の容易さ及び全体の効率を含む種々の観点から、本ペプチドのよ
り小さな型が多くの明確な利点を供し得る。これにより、本発明の特に有利なペ
プチドの1つのグループは、C末端IYモチーフを含み、10以下、好ましくは
6以下のアミノ酸残基を含む。ジペプチドIle-Tyr に加えて、このグループの適
切な例には、PRARIY(配列番号:24)、RARIY(配列番号:25)
、ARIY(配列番号:26)及びRIYがある。
【0014】 ペプチドの合成 本発明のペプチドは、t−ブチルオキシカルボニル(BOC)又は9−フルオ
レニルメトキシ−カルボニル(FMOC)保護基のいずれかに基づいて標準的方
法を用いて固相法により合成することができる。この方法は、その開示が引用に
より本明細書に組み込まれるG.B.Fieldsら(Synthetic Peptides: A User's Gui de , W.M.Freeman & Company, New York, NY, pp.77-183 (1992) により記載され
る。ペプチド構造及び純度は、HPLC、並びにアミノ酸分析及び配列決定によ
って分析することができる。
【0015】 本ペプチドは、当業者に公知である組換え技術により合成することもできる。
例えば、その開示が引用により本明細書に組み込まれる米国特許5,595,8
87は、結合性タンパク質及び要求される標的ペプチドの1又は複数のコピーを
含む融合タンパク質をコードする組換え遺伝子構成物の発現を介して種々の比較
的小さなぺプチドを形成する方法を記述する。発現後に、融合タンパク質は、要
求される標的ペプチドを生産するために化学的及び/又は酵素的方法を用いて単
離され、開裂される。
【0016】 本明細書の例に記述されるペプチドは、固相法によって合成することができる
。表I及びIIは、本明細書で報告される実験に記載されるペプチドのアミノ酸配
列を示す。以下の標準的一文字コード略語は、ペプチド内のアミノ酸残基を指す
ために用いる:A−アラニン、C−システイン、D−アスパラテート、E−グル
タメート、F−フェニルアラニン、G−グリシン、H−ヒスチジン、I−イソロ
イシン、K−リシン、L−ロイシン、M−メチオニン、N−アスパラギン、P−
プロリン、Q−グルタミン、R−アルギニン、S−セリン、T−トレオニン、V
−バリン、W−トリプトファン、Y−チロシン。
【0017】 ペプチド担体コンジュゲート 本発明のペプチドは、一価状態(即ち遊離ペプチド又は担体分子に結合した単
一ペプチドフラグメント)で用いることができる。そのペプチドは、単一担体分
子に結合した1を超える (同じ又は異なる) ペプチドフラグメントを有するコン
ジュゲートとして用いることもできる。担体は、生物担体分子 (例えばグリコサ
ミノグリカン、プロテオグリカン、アルブミン等) 又は合成ポリマー (例えばポ
リアルキレングリコール又は合成クロマトグラフィー支持体)であってもよい。
典型的には、オブアルブミン、ヒト血清アルブミン、他のタンパク質、ポリエチ
レングリコール等を担体として用いることができる。このような改良は見掛け上
のアフィニティーを増加させ、及び/又はペプチドの安定性を変化させることが
できる。各々の担体に会合する又は結合するペプチドフラグメントの数は、種々
であるが、担体分子当り約4〜8のペプチドフラグメントが標準的カップリング
条件下で典型的に得られる。
【0018】 例えば、ペプチド/担体分子コンジュゲートは、ペプチド及び担体分子の混合
物をカップリング剤、例えばカルボジイミドで処理することにより調製すること
ができる。カップリング剤は、カルボキシル基が他のペプチド/担体分子のメン
バー上の求核基(例えばアミノ又はヒドロキシル基)と反応してペプチド及び担
体分子の共有結合を形成することができるように、ペプチド又は担体分子のいず
れか上のカルボキシル基を活性化することができる。好ましくは、そのコンジュ
ゲートは、LipAr末端のフラグメントのC末端芳香族アミノ酸のα−カルボ
キシル基とアミド結合を介して担体分子に連結しない少くとも1つのペプチドフ
ラグメントを含む。
【0019】 例えば、オブアルブミンに結合したペプチドのコンジュゲートは、等量の凍結
乾燥したペプチド及びオブアルブミンを少量の水に溶かすことによって調製する
ことができる。第2のチューブにおいて、1−エチル−3−(3−ジメチルアミ
ノ−プロピル)−カルボジイミドヒドロクロライド(EDC;ペプチドの量の1
0倍)を少量の水に溶かす。そのEDC溶液をペプチド/オブアルブミン混合物
に加え、数時間、反応させた。次にその混合物を(例えばリン酸緩衝塩類溶液に
)透析してペプチド/オブアルブミンコンジュゲートの精製溶液を得ることがで
きる。この方法で調製されたペプチド/担体コンジュゲートは、典型的には、オ
ブアルブミン分子当り約4〜5のペプチドフラグメントを含む。
【0020】 本発明は、以下の詳細な例を引用することにより更に記述されよう。それらの
例は、詳述のために供され、本発明の範囲を限定するものとして解釈すべきでな
い。
【0021】 実施例 α4β1依存性細胞接着の阻害についてのアッセイ 以下に記載のアッセイを、特定のペプチドがβ1インテグリンサブユニットが
調節する細胞接着を阻害し、特にα4β1リガンドであるIII CS−GSTへの
α4β1依存性Ramos細胞接着を阻害することができるか否かを決定するた
めに行った。III CS−GSTはグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(“G
ST”)に融合した血漿フィブロネクチンのIII 型CS領域(“III CS”)か
らのフラグメントを含む組換え生産された融合タンパク質である。フィブロネク
チンフラグメントはフィブロネクチンアミノ酸残基1961〜2039に相当し
(米国特許4,839,464に示されるフィブロネクチンについての配列ナン
バリング)、DELPQLVTLPHPNLHGPEILDVPST (配列番号:29)アミノ酸配列(“
CSI”;フィブロネクチン残基1961〜1985)を含む。CSI配列を有
する合成で調製されたペプチドはヒトリンパ球上α4β1インテグリンと相互作
用して細胞接着を促進するがヘパリンに結合しないことが示されている。アッセ
イにおいて、96ウェルプレートを基質III CS−GSTでコートした。β1活
性化モノクローナル抗体8A2( “Ab8A2”)で刺激したRamos細胞を
それらのIII CS−GSTに接着する能力について評価すべきペプチドの1つと
予めインキュベートした。
【0022】 その融合タンパク質は、血漿フィブロネクチンの残基1961−2039につ
いてのコーディング配列を増幅するためにPCRプライマーを最初に用いること
により作製することができる。そのPCR産物はGSTのための遺伝子と共に適
切な細菌発現ベクターに導入することができる。生じたベクターは、適切な宿主
細胞、例えば大腸菌に形質転換し、発現させて融合タンパク質を生産することが
できる。必要に応じて、融合タンパク質はグルタチオンカラムを用いて精製する
ことができる。GSTのみを96ウェルプレートにコートする対照実験において
、8A2活性化Ramos細胞の接着は観察されなかった。
【0023】 96ウェルプレートを、1mM CaCl2 ,MgCl2 を含むPBS(“PB
S/カチオン”)中で3〜5μg/mlに希釈した50μl/ウェルのIII CS−
GSTで3回重複してコートし、37℃で一晩、インキュベートした。III CS
−GST溶液を除去して、ウェルを37℃で 1〜2時間、0.3% BSAを含
む150μl/ウェルのPBS/カチオンでブロックした。アッセイの間、各々
のウェルはペプチドあり又はなしで100μlのRamos細胞(10,000
細胞/ウェル)を含んだ。Ramos細胞を接着媒体(20mMのHEPES及び
3mg/mlのBSAを含むフェノール・レッドを含まないDMEM)で3回、洗浄
した。細胞を計数して200,000細胞/mlで再度懸濁した。濃縮したRam
os細胞を20分、37℃で50μgの蛍光ラベルBCECFで標識し、30μ
lのジメチルスルホキシド(“DMSO”)中に再度懸濁した。その標識した細
胞を遠心し、200,000細胞/mlの濃度で接着媒体に再度懸濁した。その細
胞を、2μg/mlの濃度の精製IgG又は1:1000培養上清で活性化Ab8
A2で活性化した。
【0024】 細胞を標識している時に、阻害性ペプチド希釈物を調製した。凍結乾燥したペ
プチドを計量し最大阻害濃度の2倍の保存濃度で接着媒体に再度懸濁した。ペプ
チドを溶液にするのが困難であった場合、それは最初に30μlのDMSOに再
度懸濁した。ペプチドがDMSOに懸濁することが必要である場合、 (対照を含
む) 特定の実験におけるペプチドの全てを30μlのDMSOに懸濁した。本明
細書に記載する例において研究したペプチドのうち、ジペプチド“Ile-Tyr ”の
みがこの技術の使用を要求した。ペプチドの投与量依存希釈物を接着媒体を用い
て保存ペプチドを希釈して調製した。標識された細胞を100,000細胞/ml
の最終濃度及び適切な最終ペプチド濃度で37℃で5分、ペプチド希釈物と混合
した。
【0025】 96ウェルプレートからブロッキング溶液を除去し、その細胞/ペプチド混合
物を100μl/ウェル(10,0000細胞/ウェル)で加え、37℃で30
分、インキュベートした。標準細胞/ペプチドのアリコート(1000μl)を
、接着を定量するために37℃においた。吸引を用いて、プレートから非接着細
胞を除去した。標準細胞を遠心して1000μlの接着媒体中で再度懸濁した。
その標準細胞を空のウェルに100,80,60,40,20及び0μl/ウェ
ルで加えて各々100%,80%,60%,40%,20%及び0%接着を供し
た。プレート蛍光を励起485及び放射530で読んだ。細胞接着を、接着した
ままの入力細胞の割合 (%) として表し、標準細胞で得られた蛍光の標準曲線に
より決定した。実験の蛍光の読みは、接着割合(%)を得るために標準曲線から
補外した。
【0026】 実施例1−FN−C/H V+Yのアラニンノックアウトアナログ FN C/H V+Yのα4β1依存性細胞接着阻害活性のためにアミノ酸残
基が要求されるか否かを決定するために、アラニンにより置換された単一の個々
の残基を有する一連のアナログを検査した。結果を図1及び2に示す。接着を阻
害する能力を喪失させた唯一のアラニン置換はC末端から2番目の位置における
イソロイシン残基のアラニンでの置換であった、他のアラニンノックアウトペプ
チド全てがFN C/H V+Yのものに匹敵する細胞接着阻害を示した。対照
として、C末端チロシンを有するFN C/H V+Y配列のスクランブル型も
検査した(RPQIPWARY(配列番号:2))。C末端LipArモチーフ
を欠如するスクランブル配列は細胞接着を阻害しなかった。
【0027】 実施例2−C末端チロシンタグ化フィブロネクチンフラグメント いくつかの他のC末端をチロシンでタグしたフィブロネクチンフラグメントも
検査した。これらのペプチドは、フィブロネクチンのC末端に向かって1つのア
ミノ酸残基により増加的に置換されたチロシンでタグされた8残基フィブロネク
チンフラグメントに相当する(表1の配列番号:10〜16)。結果を図3及び
4に示す。予期せぬことに、C末端LipArモチーフを含むこれらのペプチド
のみがα4β1インテグリン依存性細胞接着を阻害することにおいて活性であっ
た。細胞阻害を有する最も活性なペプチドはC末端IIY配列(−Ile-Ile-Tyr
−)の端を有するものであった。このペプチドの全配列はARITGYIIY(
配列番号:14)であった。α4β1インテグリン依存性細胞接着阻害を示した
他の2つのYでタグされたフィブロネクチンフラグメントはRARITGYIY
(配列番号:13)であった。C末端Thr-Tyr (“TY”)、Gly-Tyr (“GY
”)、Tyr-Tyr (“YY”)又はLys-Tyr (“KY”)モチーフを有するYでタ
グされたフィブロネクチンフラグメントはRamos細胞のα4β1インテグリ
ン依存性接着を阻害しなかった。
【0028】 実施例3−スクランブルIYタグ化配列 α4β1依存性細胞接着の阻害へのN末端の7つのアミノ酸配列の効果を検査
するために、FN C/H V+YのIle-Tyr C末端スクランブル型を検査した
。2つのスクランブルペプチドの8アミノ酸des−チロシンアナログの活性も
対照として検査した。図5及び6に示す結果は、明らかに、“LipAr”C末
端ペプチドARITGYIIY(配列番号:14)、PRQAWRPIY(配列
番号:18)及びRPAPQRWIY(配列番号:20)のみが細胞接着を阻害
することを示した。各々の例において、C末端チロシン残基を欠如する同一の最
初のアミノ酸配列はRamos細胞接着を示さなかった。決定的でないのが、こ
の結果は、C末端LipArモチーフを有するペプチドがβ1インテグリンサブ
ユニット依存性細胞接着を阻害するために、配列のN末端部分についてはほとん
ど又は全く必要性がないことを強力に示唆する。
【0029】 実施例4−短いIY末端ペプチドによる阻害 α4β1依存性細胞接着の阻害のために要求されるIY−ペプチドの最小サイ
ズを確立するために、N末端残基を系統的に削除した一連のトランケートしたF
N C/H V+Yアナログで研究を行った。結果を図7及び8に示す。そのデ
ータは“IY”ジペプチド自体がα4β1インテグリン依存性細胞接着を阻害す
ることができることを確立する。ジペプチドの活性はいくつかのより長いIY末
端ペプチドで観察されたのよりも小さかった。6残基ペプチドPRARIY(配
列番号:24)及び5残基ペプチドRARIY(配列番号:25)の細胞接着阻
害活性は、9残基ペプチドY−タグFN C/H Vのものと等モルベースで匹
敵した。これら2つの短いペプチドは両方とも2つのアルギニン残基(“R”)
を含み、中性pHで+2の実効電荷を有する。配列QPPRARIY(配列番号:
22)、PPRARIY(配列番号:23)、ARIY(配列番号:26)及び
RIYを有する他の短いIY末端ペプチドも、α4β1インテグリン依存性細胞
接着阻害活性を示した。ARIY(配列番号:26)及びRIYの細胞接着阻害
活性はY−タグ化FN C/H Vのものと等モルベースで匹敵した。
【0030】 実施例5−Ile-Tyr 対Ile及び/又はTyrの阻害 対照実験として、単一アミノ酸、イソロイシン及びチロシンも、単独で及び混
合物の一部として、細胞接着阻害活性において検査した。図9に示す結果は、個
々のアミノ酸イソロイシン及びチロシンの混合物でさえ、ジペプチド“Ile-Tyr
”が活性である濃度近くでも細胞接着を阻害するのに不十分であることを確立し
た。
【0031】 実施例6−“Xaa-Tyr ”末端ペプチドによる阻害 “LipAr”モチーフの構造的要求を検査するために、α4β1依存性Ra
mos細胞接着の阻害を、2番目のC末端アミノ酸残基での置換でいくつかのF
N C/H V+Yアナログについて検査した。結果を図10及び11に示す。
2番目のC末端位置を置換した親油性脂肪族側鎖残基(Leu又はVal)を伴
う2つのアナログ、WQPPRARLY(配列番号:28)及びWQPPRAR
VY(配列番号:29)はFN C/H V+Yのものに匹敵する細胞接着阻害
活性を有した。2番目のC末端位置に塩基性残基(Lys)、ヒドロキシ側鎖残
基(Thr)、メチオニン残基(Met)又はアラニン残基(Ala)を有する
対応するアナログはアッセイにおいて実質的に不活性であった。
【0032】 実施例7−C末端変異体による阻害 “LipAr”モチーフの構造的要求を検査するため、α4β1依存性Ram
os細胞接着の阻害を、C末端アミノ酸残基での置換を有するいくつかのFN
C/H V+Yアナログについて検査した。結果を図12に示す。C末端位置に
芳香族基(Phe又はTrp)を含む側鎖を有するC末端アミノ酸残基を有する
2つのアナログ、WQPPRAEIR(配列番号:32)及びWQPPRARI
W(配列番号:33)を、FN C/H V+Yのものに匹敵する細胞接着阻害
活性を有した。
【0033】 実施例8−C末端変異体による阻害 異なる位置にあるIYモチーフを有するいくつかのFN C/H V+Yアナ
ログについてのα4β1依存性Ramos細胞接着の阻害を検査した。結果を図
13に示す。N末端に“IY”モチーフを有するペプチド、IYWQPPRAR
(配列番号:34)、又はそのペプチドの中央部分、WQPIYPRAR(配列
番号:35)はアッセイにおいて不活性であった。FN C/H V+Yアナロ
グのC末端でIle及びTyr残基の順番を変えたもの、WQPPRARYI(
配列番号:35)もα4β1依存性Ramos細胞接着阻害アッセイで不活性で
あるペプチドを生じた。最後に、FN C/H V+YのC末端から除去したチ
ロシンタグを有する対照ペプチド、WQPPRARI(配列番号:35)もその
アッセイにおいて不活性であった。
【0034】 実施例9−負に荷電した“LipAr”ペプチドによる接着の阻害 Ramos細胞接着阻害アッセイにおいて活性である上述の例に記載されるL
ipAr末端ペプチド全てが正味の正電荷を有する。この活性のために正味の正
電荷が要求されるか否かを決定するために。2つのアルギニン(正に荷電)をア
スパラギン酸残基(負に荷電)により置換したFN−C/H V+Yアナログを
評価した。重要なのは、C末端“LipAr”モチーフ(“TY”)がこのペプ
チドWQPPDADIY(配列番号:38)において保持されたことであった。
図14はアルギニンのアスパラギン酸残基での置換はβ1インテグリンサブユニ
ット依存性接着を阻害するペプチドの能力を変化させないことを明らかに示し、
それによりこの活性への“LipAr”の重要性を更に証明する。
【0035】 実施例10−PRARIY対PRARIによる接着の阻害 β1インテグリンサブユニット依存性接着とのC末端LipArモチーフの相
関関係を更に証明する実験においてペプチドPRARIY(配列番号:24)及
び末端芳香族残基(“Tyr”)を欠如する対応する配列を、それらがRamo
s細胞アッセイにおいて接着を阻害する能力について評価した。C末端“Lip
Ar”モチーフのための要求を証明する先の結果と一致して、PRARIYは III CS−GSTへのα4β1媒介Ramos細胞接着を阻害することができた
がPRARIはそうでなかった。(図15を参照のこと)。
【0036】 実施例11−α5β1インデグリン依存性接着の阻害 C末端イソロイシン−チロシンによる接着の阻害がα4β1インテグリン接着
に限定されるか否かを決定するために、ペプチドRIY並びにイソロイシン−チ
ロシン(PRARIY)及びイソロイシン(PRARI)をコードするペプチド
をα5β1インテグリン媒介細胞接着を阻害する能力について評価した。細胞接
着アッセイを上述の通り行った。1mM MnCl2 で刺激したK562細胞を示
される濃度のペプチドと共にプレインキュベートし、FNに接着させた。結果を
図16及び17に示す。ここで、(V),(sV)は、各々ペプチドFN−C/
H V−Y及びスクランブルFN−C/H V−Yを示す。各々のデータ点は、
3回重複の測定の平均を示し、 誤差棒は、平均の標準偏差を示す。連結線は、陰
性対照基質、BSAへの接着を示す。
【0037】 α5β1を発現するがα4β1インテグリンを発現しない赤白血病細胞系K5
62のFNへの接着は、テストした最大濃度、0.84mMでの可溶性RGD又は
FN−C/H V−Yとプレインキュベーションの後、 完全に阻害される(図1
6,17)。可溶性ペプチドRGD及びFN−C/H V−Yについての最大の
半分の阻害濃度は各々0.1mM及び0.2mMであった。更に、 ペプチドRIY又
はPRARIYはテストした最大濃度0.84mMでFNへのα5β1依存性K5
62接着を完全に阻害したが、PRARIはそうでなかった。RIY及びPRA
RIYの両方の最大の半分の阻害濃度はRGD及びFN−C/H V−Yについ
て観察されたのと同様に約0.2mMであった。これらの結果は、ペプチドFN−
C/H V−Yと同様に、最も小さな最大活性のペプチドRIY及びイソロイシ
ン−チロシンの端を有するペプチドは(α4β1に加えて)α5β1インテグリ
ン媒介接着を阻害したがイソロイシン(PRARI)はそうでなかった(図16
及び17を参照のこと)。
【0038】 実施例12−α2β1,α3β1インテグリン依存性接着の阻害 ヒト黒色腫細胞(M14#5)に基づくアッセイを用いてα2β1,α3β1
インテグリン依存性細胞接着を阻害するFN−C/H V+Y(配列番号:1)
の能力を検査するために実験を行った。 ラミニン、IV型コラーゲン及びBSAを、10μg/mlで96ウェルマイクロ
タイタープレートで一晩、コートし、0.3% BSAでブロックした。M14
#5細胞を(0.42mM FN−C/H V及びスクランブルFN−C/H V
及び0.17mM CSIと等量の)0.5mg/mlのペプチドとプレインキュベー
トし、30分、基質に接着させた。
【0039】 可溶性ペプチドFN−C/H Vはラミニン及びIV型コラーゲンでコートした
基質へのヒト黒色腫M14#5細胞接着を阻害したが、スクランブルFN−C/
H Vは効果がなかった(図18を参照のこと)。この接着は特定の抗インテグ
リンブロッキングmAbを用いて測定して、α2β1及びα3β1インテグリン
に依存する(データは示さない)。
【0040】 実施例13−α4β1インテグリン依存性接着の阻害へのキラリティーの影響 本ペプチドによるβ1インテグリン依存性細胞接着の潜在的なキラル依存性を
、全てD型のFN−C/H V+Y(配列番号:1)及び全てL型のretro inve
rso FN−C/H V+Y(配列番号:40;全てL型のYIRARPPQW,
FN−C/H V+Yの逆プライマリー配列)を調製することにより検査した。
これら2つの化合物を8A2刺激化Ramos細胞接着アッセイにおいて検査し
た。
【0041】 結果(図19に示す)は、 FN−C/H V−Yの接着阻害活性へのキラル依
存性があることを示す。これは、C末端のイソロイシン−チロシンがL−エナン
チオマー型であるべきであることを示唆する。なぜならD−アミノ酸FN−C/
H V−Y及び(逆プライマリー配列中L−アミノ酸からなる)retro-inverso
FN−C/H V−Yは両方とも接着を阻害できないからである。
【0042】 Ramos細胞及びβ1インデグリン刺激性mAb8A2を示される濃度の合
成ペプチドとプレインキュベートし、次にrCSIをコートしたウェルに加えた
。(V),(sV)は、各々FN−C/H V−Y及びスクランブルFN−C/
H V−Yを示す。各々のデータ点は3回の測定の平均を示し、 誤差棒は平均の
標準偏差を示す。GSTへのRamos接着のバックグラウンドを連続黒像で示
す。
【0043】 実施例14−α1β2インテグリン依存性接着の阻害 可溶性FN−C/H Vによる接着の阻害がb1インテグリンに特異的である
か否かを決定するために、このペプチドがβ2インテグリン依存性接着を阻害す
る能力も評価した。これらの研究のため、可溶性FN−C/H Vの存在下での
精製rCSI又は組換えICAMへの(機能的α4β1及びα1β2インテグリ
ンの両方を発現する)B細胞系M16Bの接着を研究した。予想通り、rCSI
へのα4β1インテグリン依存性Mn+2刺激化M16B接着は可溶性FN−C/
H V及びCSIにより完全に阻害された。しかしながら、rICAMへのα1
β2(LFA−1)インテグリン依存性接着は可溶性FN−C/H Vによって
阻害されなかった。但し、この接着は抗β2インテグリンブロッキングmAbに
より阻害することができる。
【0044】 本発明は、種々の特定の及び好ましい実施形態及び技術を引用して記述されて
いる。しかしながら、本発明の精神及び範囲内にある多くのバリエーション及び
改良を行うことができることが理解されるはずである。 表I−ペプチド配列 配列番号 アミノ酸配列 実効電荷 2 RPQIPWARY +2 3 AQPPRARIY +2 4 WAPPRARIY +2 5 WQAPRARIY +2 6 WQPARARIY +2 7 WQPPAARIY +1 8 WQPPRAAIY +1 9 WQPPRARAY +2 10 QPPRARITY +2 11 PPRARITGY +2 12 PRARITGYY +2 13 RARITGYIY +2 14 ARITGYIIY +1 15 RITGYIIKY 0 16 ITGYIIKYY −1 17 PRQAWRPI +2 18 PRQAWRPIY +2 19 RPAPQRWI +2 20 RPAPQRWIY +2 21 ARIRTGII +1 22 QPPRARIY +2 23 PPRARIY +2 24 PRARIY +2 25 RARIY +2 26 ARIY +1 27 WQPPRARKY +1 28 WQPPRARLY +2 29 WQPPRARVY +2 30 WQPPRARTY +2 31 WQPPRARMY +2 32 WQPPRARIF +2 33 WQPPRARIW +2 34 IYWQPPRAR +2 35 WQPIYPRAR +2 36 WQPPRARYI +2 37 WQPPRARI +2 38 WQPPDADIY ー2 39 PRARI +2 40 YIRARPPQW +2
【図面の簡単な説明】
【図1】 FN−C/H V+Yのいくつかのアラニンノックアウトアナログの濃度の関
数としての、III CS−GSTへの8A2刺激化Ramos細胞の接着率(%)
のグラフを示す。FN C/H V+Y及びC末端IYモチーフを欠如するスク
ランブル変異体(“sV”;RPQIPWARY(配列番号:21)を対照とし
て含めた。
【図2】 FN−C/H V+Yのいくつかのアラニンノックアウトアナログの濃度の関
数としてのIII CS−GSTへの8A2刺激化Ramos細胞の接着率(%)の
グラフを示す。FN C/H V+Y及びそのスクランブルアナログsVを対照
として含めた。
【図3】 C末端チロシン残基でタグをしたいくつかのフィブロネクチンフラグメントの
濃度の関数としてのIII CS−GSTへの8A2刺激化Ramos細胞の接着率
(%)のグラフを示す。FN C/H V+Y及びそのスクランブルアナログs
Vを対照として含めた。
【図4】 C末端チロシン残基でタグをしたいくつかのフィブロラクチンの濃度の関数と
してのIII CS−GSTへの8A2刺激化Ramos細胞の接着率(%)のグラ
フを示す。FN C/H V+Y及びそのスクランブルアナログsVを対照とし
て含めた。
【図5】 2つの“IY”C末端ペプチド及びそれらの対応する“des−Y”アナログ
の濃度の関数としてのIII CS−GSTへの8A2刺激化Ramos細胞の接着
率(%)のグラフを示す。FN C/H V+Y及びそのスクランブルアナログ
sVを対照として含めた。
【図6】 別の“IY”C末端ペプチド及びその対応する“des−Y”アナログの濃度
の関数としてのIII CS−GSTへの8A2刺激化Ramos細胞の接着率(%
)のグラフを示す。FN C/H V+Y及びそのスクランブルアナログsVを
対照として含めた。
【図7】 FN C/H V+Yのいくつかのトランケートしたアナログの濃度の関数と
してのIII CS−GSTへの8A2刺激化Ramos細胞の接着率(%)のグラ
フを示す。対照としてFN C/H V+Y及びそのスクランブルアナログsV
を含めた。
【図8】 FN C/H V+Yのいくつかのトランケートしたアナログの濃度の関数と
してのIII CS−GSTへの8A2刺激化Ramos細胞の接着率(%)のグラ
フを示す。FN C/H V+Y及びそのスクランブルアナログsVを対照とし
て用いた。
【図9】 “IY”及びその成分の1つのアミノ酸残基の濃度の関数としてのIII CS−
GSTへの8A2刺激化Ramos細胞の接着率(%)のグラフを示す。FN
C/H V+Y及びそのスクランブルアナログsVを対照として用いた。
【図10】 FN C/H V+HのいくつかのC末端から2番目の置換変異体の濃度の関
数としてのIII CS−GSTへの8A2刺激化Ramos細胞の接着率(%)の
グラフを示す。FN C/H V+Y及びそのスクランブルアナログsVを対照
として用いた。
【図11】 FN C/H V+HのいくつかのC末端から2番目の置換変異体の濃度の関
数としてのIII CS−GSTへの8A2刺激化Ramos細胞の接着率(%)の
グラフを示す。FN C/H V+Y及びそのスクランブルアナログsVを対照
として用いた。
【図12】 FN C/H V+YのいくつかのC末端置換変異体の濃度の関数としてのII
I CS−GSTへの8A2刺激化Ramos細胞の接着率(%)のグラフを示す
。FN C/H V+Y及びそのスクランブルアナログを対照として用いた。
【図13】 FN C/H V+Yの“IY”配置変異体の濃度の関数としてのIII CS−
GSTへの8A2刺激化Ramos細胞の接着率(%)のグラフを示す。FN
C/H V+Y、そのスクランブルアナログsV、及びタグしていないFN C
/H V(WQPPRARI(配列番号:37))を対照として用いた。
【図14】 負に荷電したLipArで終わるペプチドの濃度の関数としてのIII CS−G
STへの8A2刺激化Ramos細胞の接着率(%)のグラフを示す。FN C
/H V+Y及びそのスクランブルアナログsVを対照として用いた。
【図15】 PRARIY(配列番号:24)及びPRARI(配列番号:39)の濃度の
関数としてのIII CS−GSTへの8A2刺激化Ramos細胞の接着率(%)
のグラフを示す。FN C/H V+Y及びそのスクランブルアナログsVを対
照として用いた。
【図16】 PRARIY(配列番号:24)及びPRARI(配列番号:39)の濃度の
関数としてのフィブロネクチン(“FN”)への赤白血病K562細胞のα5β
1インテグリン依存性Mn+2刺激化接着の接着率(%)のグラフを示す。FN
C/H V+Y、そのスクランブルアナログsV、RGD及びBSA(ウシ血清
アルブミン)を対照として用いた。
【図17】 RIYの濃度の関数としてのフィブロネクチン(“FN”)への赤白血病K5
62細胞のα5β1インテグリン依存性Mn+2刺激化接着の接着率(%)のグラ
フを示す。FN C/H V+Y、そのスクランブルアナログsV、RGD,C
SI及びBSA(ウシ血清アルブミン)を対照として用いた。
【図18】 ラミニン(“LM”)、IV型コラーゲン(“TIV”)及びウシ血清アルブミ
ン(“BSA”)へのα2β1,α3β1インテグリン依存性ヒトメラノーマM
14#5細胞接着の接着率(%)のグラフを示す。
【図19】 全てのD−FN C/H V+Y(配列番号:1)、及びFN C/H V+
Yのretro inverso 型対種々の対照の濃度の関数としてのIII CS−GSTに対
する8A2刺激化Ramos細胞の接着率(%)のグラフを示す。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成11年8月12日(1999.8.12)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】 フィブロネクチンC末端ヘパリン結合ドメインの異なるフラグメントに対応す
る配列を有する4つのC末端チロシンでタグされたペプチドは、末梢血液単核細
胞及び脾臓細胞のフィブロネクチン及び内皮細胞単層への結合を阻害すると報告
されている(例えばWahlら、J.Clin.Invest., 94, 655-662 (1994)を参照のこと
)。これらのペプチドの2つ、FN−C/H I+Y及びFN−C/H V+Y
C末端LipArモチーフを含む。FN−C/H I+Yのアミノ酸配列はYEKP
GSPPREV-VPRPRPGVY (配列番号:42)である。FN−C/H V+Yのアミノ
酸配列はWQPPRARIY(配列番号:1)である。他の2つのTyrでタグ
したフィブロネクチンC末端ヘパリン結合ドメイン関連ペプチドはC末端Lip
Arモチーフを含まない(両ペプチドとも端は“TY”(Thr−Tyr))。
これらの他の2つのフィブロネクチンC末端ヘパリン結合ドメインフラグメント
のアミノ酸配列はKNNQKSEPLIGR-KKTY (FN−C/H II+Y;(配列番号:4
3))、及びSPPRRARVTY(FN−C/H IV+Y;(配列番号:44
))である。全部で4つのYでタグしたフラグメントは試験管内でフィブロネク
チンへの白血球接着を阻害し、それら4つのうちの3つだけ、FN−C/H I
+Y,FN−C/H II+Y及びFN−C/H V+Yが生体内ラットモデルに
おいて抗炎症特性を示すと報告されている。それら4つのうちの1つ、FN−C
/H V+Yは別の細胞外マトリックスタンパク質であるVCAMへの接着を阻
害しなければならないとも報告されている。その報告された結果は、Yでタグし
たフィブロネクチンC末端ヘパリン結合ドメインフラグメントの生物活性がそれ
らペプチドの各々の特定の配列の関数であることを示唆する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】 しかしながら、C末端LipArモチーフを保存する(即ちC末端Ile−T
yrジペプチド配列を保持する)FN−C/H V+Yのアラニンノックアウト
アナログがβ1インテグリン依存性細胞接着を阻害することができることが驚く
ことに発見された。本明細書に用いる場合、用語“アラニンノックアウトアナロ
グ”は、1つの残基がアラニンに置換されているペプチドのアナログをいう。F
N−C/H V+Yのアラニンノックアウトアナログのうち2つは、以前に刺激
化接着域形成に関連することが証明されている(例えばWoods ら、Mdec.Biol.Ce
ll, 4, 605-613 (1993))FN−C/H V+Y内の“PRARI”モチーフ(Pr
o-Arg-Ala-Arg-Ile (配列番号:39))内のアルギニン残基の一方のかわりに
置換されたアラニン残基を有する。これらのアラニンノックアウトアナログは、
アミノ酸配列WQPPRAAIY(配列番号:8)及びWQPPAARIY(配
列番号:17)を有する。他のアラニンノックアウトアナログのうちの2つ、A
QPPRARIY(配列番号:3)、WAPPRARIY(配列番号:4)も、
非保存性アミノ酸置換により、FN−C/H V+Yと異なる(各々Trpのか
わりにAla及びGlnのかわりにAla)。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】 本明細書に用いる場合、用語“相同性(%)”は、もとのペプチド配列のもの
と同一であるか又は保存性アミノ酸置換の結果としてのみもとのペプチド配列か
ら異なるペプチドのアミノ酸残基のパーセンテージをいう。例えば、ペプチドP
AIFDRSCGS(配列番号:41)はペプチド配列PKVMERTCDS(
配列番号:45)に対して40%の同一性及び80%の相同性である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】 実施例 α4β1依存性細胞接着の阻害についてのアッセイ 以下に記載のアッセイを、特定のペプチドがβ1インテグリンサブユニットが
調節する細胞接着を阻害し、特にα4β1リガンドであるIII CS−GSTへの
α4β1依存性Ramos細胞接着を阻害することができるか否かを決定するた
めに行った。III CS−GSTはグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(“G
ST”)に融合した血漿フィブロネクチンのIII 型CS領域(“III CS”)か
らのフラグメントを含む組換え生産された融合タンパク質である。フィブロネク
チンフラグメントはフィブロネクチンアミノ酸残基1961〜2039に相当し
(米国特許4,839,464に示されるフィブロネクチンについての配列ナン
バリング)、DELPQLVTLPHPNLHGPEILDVPST (配列番号:46)アミノ酸配列(“
CSI”;のフィブロネクチン残基1961〜1985)を含む。CSI配列を
有する合成で調製されたペプチドはヒトリンパ球上α4β1インテグリンと相互
作用して細胞接着を促進するがヘパリンに結合しないことが示されている。アッ
セイにおいて、96ウェルプレートを基質III CS−GSTでコートした。β1
活性化モノクローナル抗体8A2( “Ab8A2”)で刺激したRamos細胞
をそれらのIII CS−GSTに接着する能力について評価すべきペプチドの1つ
と予めインキュベートした。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】 実施例8−C末端変異体による阻害 異なる位置にあるIYモチーフを有するいくつかのFN C/H V+Yアナ
ログについてのα4β1依存性Ramos細胞接着の阻害を検査した。結果を図
13に示す。N末端に“IY”モチーフを有するペプチド、IYWQPPRAR
(配列番号:34)、又はそのペプチドの中央部分、WQPIYPRAR(配列
番号:35)はアッセイにおいて不活性であった。FN C/H V+Yアナロ
グのC末端でIle及びTyr残基の順番を変えたもの、WQPPRARYI(
配列番号:36)もα4β1依存性Ramos細胞接着阻害アッセイで不活性で
あるペプチドを生じた。最後に、FN C/H V+YのC末端から除去したチ
ロシンタグを有する対照ペプチド、WQPPRARI(配列番号:35)もその
アッセイにおいて不活性であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 60/096,212 (32)優先日 平成10年8月12日(1998.8.12) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),CA,JP,U S (72)発明者 ファークト,レオ ティー. アメリカ合衆国,ミネソタ 55405,ミネ アポリス,ウエスト トゥエンティーファ ースト ストリート 2100 (72)発明者 ブリエンゾ,アンジェラ アメリカ合衆国,ウィスコンシン 53188, ウォークシャ,キスドン ヒル ドライブ 3108,シー/オー スコット アンド リン フレイ Fターム(参考) 4C084 AA02 AA07 BA01 BA08 BA14 BA15 BA16 BA17 BA18 BA19 BA23 MA01 NA14 ZB212 ZB262 4H045 AA11 BA11 BA15 CA40 DA01 EA28 FA33 FA74

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C末端のLipArモチーフを含む6以下のアミノ酸残基を
    有するペプチド。
  2. 【請求項2】 Ile,Val及びLeuからなる群から選択される後ろか
    ら2番目のC末端Lip残基を含む請求項1に記載のペプチド。
  3. 【請求項3】 Tyr,Phe,His及びTrpからなる群から選択され
    るC末端Ar残基を含む請求項1に記載のペプチド。
  4. 【請求項4】 Ile-Tyr, Ile-Phe, Ile-Trp, Val-Tyr及びLeu-Tyr からなる
    群から選択されるC末端モチーフを含む請求項1に記載のペプチド。
  5. 【請求項5】 C末端のIle-Ile-Tyr モチーフを含む請求項1に記載のペプ
    チド。
  6. 【請求項6】 Pro-Arg-Ala-Arg-Ile-Tyr (配列番号:24)、Arg-Ala-Ar
    g-Ile-Tyr (配列番号:25)、Ala-Arg-Ile-Tyr (配列番号:26)、Arg-Il
    e-Tyr 又はIle-Tyr を有する請求項1に記載のペプチド。
  7. 【請求項7】 前記ペプチドがβ1インテグリンサブユニット依存性接着を
    調節することができることを特徴とする請求項1に記載のペプチド。
  8. 【請求項8】 前記ペプチドがβ1インテグリンサブユニット依存性接着を
    阻害することができることを特徴とする請求項7に記載のペプチド。
  9. 【請求項9】 前記ペプチドがα4β1インテグリン依存性接着を調節する
    ことができることを特徴とする請求項7に記載のペプチド。
  10. 【請求項10】 前記ペプチドがα4β1インテグリン依存性細胞接着を阻
    害することができることを特徴とする請求項9に記載のペプチド。
  11. 【請求項11】 前記ペプチドが、α4β1インテグリン結合性フィブロネ
    クチンフラグメントへのRamos細胞のα4β1インテグリン依存性接着を阻
    害することができることを特徴とする請求項10に記載のペプチド。
  12. 【請求項12】 C末端のLipArモチーフを含み、WQPPRARIY
    (配列番号:1)と約80%以下の同一性を有する約10以下のアミノ酸残基を
    有するペプチドであって、D−アミノ酸残基を含まないことを特徴とするペプチ
    ド。
  13. 【請求項13】 ARITGYIIY(配列番号:14)、RARITGYI
    Y(配列番号:13)、PRQAWRPIY(配列番号:18)、RPAPQR
    WIY(配列番号:20)、及びWQPPDADIY(配列番号:38))から
    なる群から選択されるC末端配列を含む請求項12に記載のペプチド。
  14. 【請求項14】 WQPPRARIY(配列番号:1)と約50%以下の相
    同性を有する請求項12に記載のペプチド。
  15. 【請求項15】 AQPPRARIY(配列番号:3)、WAPPRARI
    Y(配列番号:4)、WQAPRARIY(配列番号:5)、WQPARARI
    Y(配列番号:6)、WQPPAARIY(配列番号:7)、WQPPRAAI
    Y(配列番号:8)、ARITGYIIY(配列番号:14)、RARITGYI
    Y(配列番号:13)、PRQAWRPIY(配列番号:18)、RPAPQR
    WIY(配列番号:20)、WQPPRARLY(配列番号:28)、WQPP
    RARVY(配列番号:29)、WQPPRARIF(配列番号:32)、WQ
    PPRARIW(配列番号:33)、及びWQPPDADIY(配列番号:38
    )からなる群から選択されるC末端の配列を含む約50アミノ酸以下の残基を有
    するペプチド。
  16. 【請求項16】 配列:AQPPRARIY(配列番号:3)、WAPPR
    ARIY(配列番号:4)、WQPPAARIY(配列番号:7)又はWQPP
    RAAIY(配列番号:8)を有する請求項15に記載のペプチド。
  17. 【請求項17】 配列:WQAPRARIY(配列番号:5)又はWQPA
    RARIY(配列番号:6)を有する請求項15に記載のペプチド。
  18. 【請求項18】 配列:ARITGYIIY(配列番号:14)又はRARI
    TGYIY(配列番号:13)を有する請求項15に記載のペプチド。
  19. 【請求項19】 配列:PRQAWRPIY(配列番号:18)又はRPA
    PQRWIY(配列番号:20)を有する請求項15に記載のペプチド。
  20. 【請求項20】 配列:WQPPRARLY(配列番号:28)、WQPP
    RARVY(配列番号:29)、WQPPRARIF(配列番号:32)、又は
    WQPPRARIW(配列番号:33)を有する請求項15に記載のペプチド。
  21. 【請求項21】 配列:WQPPDADIY(配列番号:38)を有する請
    求項15に記載のペプチド。
  22. 【請求項22】 約15アミノ酸以下の残基を有する請求項15に記載のペ
    プチド。
  23. 【請求項23】 細胞の基質への接着を調節するための方法であって、 ペプチドを前記細胞の懸濁液と組み合わせて改変した細胞懸濁液を形成するス
    テップであって、前記ペプチドは約6アミノ酸以下の残基を有し、かつC末端の
    LipArモチーフを含むステップと、 前記改変した細胞懸濁液を前記基質に接触させるスッテプと、 を含む方法。
JP2000528590A 1998-01-22 1999-01-21 β1インテグリンサブユニット依存性細胞接着調節活性を有するペプチド Withdrawn JP2002501082A (ja)

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US9621198P 1998-08-12 1998-08-12
US60/096,212 1998-08-12
US60/072,119 1998-08-12
US60/096,211 1998-08-12
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