JP3576554B2 - 新規ペプチド - Google Patents
新規ペプチド Download PDFInfo
- Publication number
- JP3576554B2 JP3576554B2 JP50968995A JP50968995A JP3576554B2 JP 3576554 B2 JP3576554 B2 JP 3576554B2 JP 50968995 A JP50968995 A JP 50968995A JP 50968995 A JP50968995 A JP 50968995A JP 3576554 B2 JP3576554 B2 JP 3576554B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gly
- ala
- peptide
- arg
- represented
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K7/00—Peptides having 5 to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
- C07K7/50—Cyclic peptides containing at least one abnormal peptide link
- C07K7/54—Cyclic peptides containing at least one abnormal peptide link with at least one abnormal peptide link in the ring
- C07K7/56—Cyclic peptides containing at least one abnormal peptide link with at least one abnormal peptide link in the ring the cyclisation not occurring through 2,4-diamino-butanoic acid
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K14/00—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
- C07K14/435—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
- C07K14/46—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates
- C07K14/47—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates from mammals
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K14/00—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
- C07K14/435—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
- C07K14/575—Hormones
- C07K14/58—Atrial natriuretic factor complex; Atriopeptin; Atrial natriuretic peptide [ANP]; Cardionatrin; Cardiodilatin
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K14/00—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
- C07K14/435—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
- C07K14/745—Blood coagulation or fibrinolysis factors
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K16/00—Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
- C07K16/40—Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against enzymes
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K38/00—Medicinal preparations containing peptides
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- Biophysics (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- Gastroenterology & Hepatology (AREA)
- Zoology (AREA)
- Toxicology (AREA)
- Hematology (AREA)
- Immunology (AREA)
- Cardiology (AREA)
- Endocrinology (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
Description
技術分野
本発明は、特定の構造からなる環状ペプチドと生理活性ペプチドとを必要によりスペーサーを介して結合させた新規ペプチドに関する。本発明のペプチドは、環状ペプチドが結合していない直鎖状の生理活性ペプチドより高い安定性及び/又は活性を有する。
生理活性ペプチドとしては、細胞接着阻害作用を有するペプチド、蛋白質ファルネシル化酵素阻害ペプチド、心房性ナトリウム利尿ペプチド受容体結合ペプチド、ブラジキニン拮抗ペプチドなどがあげられる。細胞接着阻害作用を有するペプチドは、一般に血小板や血球細胞へのフィブリン及び他の蛋白質の結合を阻害し、細胞付着の調節に関与し、血小板凝集、骨粗しょう症、炎症などの治療剤として有用である。蛋白質ファルネシル化酵素阻害ペプチドは、一般に蛋白質のファルネシル化修飾を阻害し、細胞の分化及び増殖の調節に関与し、癌や動脈硬化症の治療薬として有用である。心房性ナトリウム利尿ペプチド受容体結合ペプチドは、一般にナトリウム利尿ペプチド受容体に結合し、血圧及び体液量の調節に関与し、心不全、腎不全、高血圧、浮腫などの治療薬として有用である。ブラジキニン拮抗ペプチドは、一般にブラジキニン拮抗作用を有し、高血圧、炎症、とう痛、喘息、敗血症などの治療薬として有用である。
背景技術
直鎖状の生理活性ペプチドの多くは溶液中の立体構造が均一ではなく、また対プロテアーゼ安定性が悪いことが知られている。そこで、これらの点を解決する目的から立体構造の固定を意図した環状ペプチド誘導体が知られている。
例えば、ソマトスタチンの環状ペプチドは、環状化により、直鎖ペプチドに比べ活性上昇、安定性の向上が認められている〔Nature,292,55(1981)〕。
また、ガラニンの部分ペプチドについての環状ペプチドは、立体構造の安定化ははかられているが、活性の著しい減少が認められている〔Int.J.Peptide Protein Res.,38,267(1991)〕。
Arg−Gly−Asp(RGD)配列を有するペプチドはインテグリンの結合に関与していることが知られている。インテグリンを介した細胞接着による病態として血小板血栓、血管再閉塞、骨粗しょう症、炎症などがあり、RGD配列のインテグリンへの結合を阻害するペプチドはこれらの治療薬として有用である〔Endocrinology,132(3),1411(1993),J.Cell Biology,111,1713(1990),J.Bone and Mineral Research,8,239(1993),Science,233,467(1986),組織培養,15(14),486(1989),Br.J.Cancer,60,722(1989),Jpn.J.Cancer Res.,8 1,668(1990),Cell,65,359(1991),Science,260,906(1993),実験医学,10(11),76(1992)〕。
RGD関連ペプチドに関して、下記のヒトフィブロネクチンの部分配列が知られている[Nature 350,66(1991)]。
RGD関連ペプチドに関しては環状ペプチドCyclic(−Arg−Gly−Asp−D−Phe−Val−)はGly−Arg−Gly−Asp−Serに比べ、20〜100倍の活性上昇が認められている〔FEBS Lett.,291,50(1991)〕。
また、自然界でRGD配列を有し、Cys−Cys環状構造を有するヘビ毒ペプチドTrigramin(72残基)〔Biochemistry,28,661(1989)〕、Albolarin(73残基),Flavoridin(65残基)〔Biochemistry,30,5225(1991)〕などが知られており、活性的にはGly−Arg−Gly−Asp−Serの約1000倍近い活性を有している。さらに、これらの部分構造を利用した下記の環状ペプチドが知られている〔特開平5−70364〕。
(式中、XはH、少なくとも一つのアミノ酸残基、YはOH、少なくとも一つのアミノ酸残基、Rは各々、同一または異なるアミノ酸残基である。)
この他、環状Arg−Gly−Asp関連ペプチドに関して、多数の報告がある[Biochem.Biophys.Res.Commun.,177,74(1991),Angew.Chem.,104,341(1992),Tetrahedron Lett.,33,1479(1992),J.Chem.Soc.Perkin Trans.,2,601(1991),Cancer Lett.,65,259(1992),J.Med.Chem.,35,3962(1992),USP 4683291,WO89−05150,EP−A−0319506,EP−A−0341915,特開平4−506803。〕
蛋白質のファルネシル化修飾は、ファルネシルトランスフェラーゼ(FTase)によって触媒されることが知られている。この修飾により活性化されるRas蛋白質は、細胞の分化、増殖の調節に関与しており、何等かの変異により調節を逸脱した場合、細胞が形質転換を起こし癌化すると考えられている。従ってRas蛋白質のファルネシル化修飾を阻害する物質は抗癌剤として有用である。
FTaseは、蛋白質のC末端4残基のアミノ酸配列、Ca1a2X(Cはシステイン残基、a1、a2は脂肪族アミノ酸残基、Xは任意のアミノ酸残基)を特異的に認識し、ファルネシルピロリン酸のファルネシル基をシステイン残基に転移する働きを有する酵素である。
FTaseが認識する配列Ca1a2XをC末に有するペプチドは、FTase阻害剤として多数報告されている[Cell,62,81(1990)、J.Biol.Chem.,265,14701(1990)、ibid.,2 66,15575(1991)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,88,732(1991)、ibid.,89,8313(1992)、特開平6−157589、特開平6−157590、Cell 57,1167(1989)、蛋白質・核酸・酵素(Protein,Nucleic Acid and Enzyme)38,1695(1993)]。
例えば、下記配列を有するペプチドが知られている。
また、これらペプチドの類縁体についても報告がなされている[J.Biol.Chem.,268,18145(1993)、ibid.,26 8,20695(1993)、ibid.,269,12410(1994)、Science,260,1934(1993)、Bio.Med.Chem.Lett.,4,887(1994)]。
FTase阻害ペプチドに関しても、環状化を目的として誘導体化がなされ、10〜50倍の活性の上昇が認められている[Science,260,1937(1993)]。
ヒト心房より見いだされたナトリウム利尿ペプチド(以下、ANPと略記する。)は、2種類の受容体GC−A、GC−Bを介して生理活性を発現することが知られており[Nature,338,78(1989)、Cell,58,1155(1989)、Nature,341,68(1989)]、代表的な作用に利尿、降圧作用が知られている[Life Sci.,28,89(1981)、Biochem.Biophys.Res.Commun.,118,131(1984)、J.Clin.Invest.,84,145(1989)]。従って、ANPアゴニストは降圧利尿剤として有用である。
一方、これらの受容体とは別に、細胞内シグナル伝達ドメインを持たないC受容体の存在も知られており、この受容体はANPが結合しても生理作用を示さず、ANPのクリアランスレセプターとして働いていると考えられている[Science,238,675(1987)、Cellular Signalling,6,125(1994)]。従って、C受容体に結合する物質は、ANPのクリアランスを阻害することにより血中ANP濃度を上昇させることができ、ANPアゴニストと同様の効果を示すと考えられる。
C受容体結合ペプチドは、ANP部分ペプチドと、それらの誘導体を主に、多数報告がなされている["Peptide Regulation of Cardiovascular Function",pp.65−77,Ed.,Imura,Matuo and Masaki,Academic Press(1991)、Eur.J.Pharmacol.,147,49(1988)、J.Med.Chem.,32,869(1989)、J.Biol.Chem.,263,10989(1988)、特表平3−50348、Int.J.Peptide Protein Res.,43,332(1994)、WO94/14839、WO94/14840]。
例えば、"Peptide Regulation of Cardiovascular Function",pp.65−77,Ed.,Imura,Matuo and Masaki,Academic Press(1991)には、下記のヒトANPの8〜15番目のアミノ酸配列を有する部分ペプチド
やヒトANPの7〜18番目のアミノ酸配列を有する部分ペプチドのうち、7および18番目のアミノ酸がアラニンに置換された下記配列を有する誘導体
が知られている。
ANP部分ペプチドに関しても、環状化を目的として誘導体化がなされ、2倍程度の受容体結合活性の上昇が認められている[J.Med.Chem.,32,67(1989)]。
ブラジキニン(以下、BKと略記する。)は、血管収縮、気管支収縮、炎症反応、痛覚伝達など様々な生理作用を有する内因性ペプチドであり、高血圧、炎症、とう痛、喘息、敗血症等の病態に関与する物質の1つと考えられている。従って、BKに拮抗しこの作用を阻害する物質はこれらの病気の治療並びに予防に有用と期待される。
BK拮抗ペプチドに関しては多くの報告がなされている["Small Peptides,Chemistry,Biology and Clinical Studies"pp.83−102,Ed.,A.S.Dutta,Elsevier(1993)、"Peptides,Chemistry,Structure and Biology(Proceedings of the 13th American Peptide Symposium)"pp.349−352,353−355 and 449−451,Ed.,Hodges and Smith,ESCOM(1994)、Bio.Med.Chem.Lett.,4,781(1994)]。例えば、下記配列を有するBK拮抗ペプチドが知られている。
["Peptides,Chemistry,Structure and Biology(Proceedings of the 13th American Peptide Symposium)"pp.349−352,353−355 and 449−451,Ed.,Hodges and Smith,ESCOM(1994)]
また環状のBK拮抗ペプチドも報告されている["Peptides,Chemistry,Structure and Biology(Proceedings of the 13th American Peptide Symposium)"pp.381−383,547−549,550−552 and 687−689,Ed.,Hodges and Smith,ESCOM(1994)]。
しかしながら、本発明で提供される新規ペプチドに関する報告はない。
発明の開示
本発明によれば、下記式(A)で表されるペプチドまたはその薬理学的に許容される塩が提供される。
(式中、Qは生理活性ペプチド残基を表わし、Xは同一または異なったα−アミノ酸残基を表す。MはGlyまたはCysを表わし、mは5〜8、nは0〜3のそれぞれ整数である。)
式Qで表される生理活性ペプチド残基としては、例えば下記式(I)で表される細胞接着阻害作用を有するペプチド残基
(式中、Y1およびZ1はα−アミノ酸残基を表わし、W1はヒドロキシ、低級アルコキシまたはアミノを表わす。p1は0〜5、q1は0〜10のそれぞれ整数である。p1が2以上の場合のY1およびq1が2以上の場合のZ1で表わされるα−アミノ酸残基は同一または異なっていてもよい。)、下記式(II)で表される蛋白質ファルネシル化酵素阻害ペプチド残基
(式中、A2、B2およびC2はα−アミノ酸残基を表わし、p2は0〜8の整数を表わし、Y2およびW2は前記Y1およびW1と同義である。p2が2以上の場合のY2で表されるα−アミノ酸残基は同一または異なっていてもよい。)、下記式(III)で表される心房性ナトリウム利尿ペプチド受容体結合ペプチド残基
(式中、p3は0〜1の整数であり、W3は前記W1と同義である。A3は、Phe、Gly、Phe−Gly、Gly−Gly、Phe−Gly−Glyまたは単結合を表し、B3およびB3aは、同一または異なってArgまたはD−Argを表し、C3およびC3aは、同一または異なってIleまたは(N−Me)Ileを表し、D3は、Gly、Ala、Gly−Ala、Ala−Ala、Gly−Ala−Alaまたは単結合を表す。)または下記式(IV)で表されるブラジキニン拮抗ペプチド残基などがあげられる。
(式中、A4はArg、D−Argまたは単結合を表し、B4はヒドロキシプロリンまたはProを表し、C4はSerまたはCysを表し、W4は前記W1と同義である。)
以下、上記式(A)で表わされるペプチド化合物を化合物(A)という。
上記式(A)、(I)、(II)、(III)および(IV)の定義において、低級アルコキシのアルキル部分としては、直鎖もしくは分岐状の炭素数1〜6の、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル等があげられる。
α−アミノ酸残基としては、D−もしくはL−体のアラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、アルギニン、システイン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリンおよびグリシンなどの天然型アミノ酸の各残基または合成的手法により得られる非天然型アミノ酸の各残基があげられる。
上記式(A)の定義において、−(X)m−としては、例えば、−X1−Trp−X2−Gly−Thr−Ala−X3−(式中、X1はAsnまたはAspを表し、X2はHisまたはLysを表し、X3はProまたはAlaを表す。)、−Ser−Ala−Ala−Val−Tyr−Phe−、−Phe−Ile−Gly−Trp−Gly−Asn−、−Tyr−Pro−Trp−Trp−Asn−Tyr−Arg−、−Leu−Gly−Val−Gly−Ser−X4−Asn−(式中、X4はCys、AlaまたはSerを表す。)などがあげられる。
式(I)の定義において、−(Y1)p1−としては、例えば、−Gly−、−Pro−、−Cys−、−Arg−、−Lys−、−Arg−Ala−、−Phe−Pro−、−Pro−Lys−、−Gly−Arg−、−Ile−Pro−、−Met−Thr−、−Leu−Phe−、−Gly−Ser−Arg−、−Val−Thr−Gly−、−Ile−Cys−Lys−Arg−Ala−、−Ile−Ser−Lys−Arg−Ala−、−Ile−Ala−Lys−Arg−Ala−、−Tyr−Ile−Gly−Ser−Arg−、−Tyr−Ala−Val−Thr−Gly−、−Val−Tyr−Ala−Val−Thr−Gly−、−Lys−Gly−Thr−Ile−Cys−Arg−Arg−Ala−などがあげられ、−(Z1)q1−としては、例えば、−Asp−、−Leu−、−Ile−、−Phe−、−Trp−、−Asp−Asp−、−Thr−Pro−、−Phe−Val−、−Phe−Leu−、−Ser−Lys−、−Phe−Gly−、−Ser−Pro−、−Cys−Leu−、−Leu−Pro−、−Leu−Arg−、−Leu−Gly−、−Gly−Trp−、−Gly−Phe−、−Phe−Val−Ala−、−Phe−Val−Gly−、−Phe−Pro−Gly−、−Phe−Leu−Ala−、−Phe−Leu−Gly−、−Ser−Pro−Ala−、−Arg−Pro−Gly−、−Ser−Trp−Gly−、−Leu−His−Leu−、−Phe−Trp−Gln−、−Leu−Trp−Thr−、−Gly−Trp−Leu−、−Ser−Pro−Cys−Ala−、−Ser−Pro−Ser−Ala−、−Gly−Phe−Gly−Ser−、−Asp−Leu−Asp−Asp−Tyr−、−Asp−Asp−Met−Asp−Asp−Tyr−、−Asp−Asp−Gly−Asp−Asp−Tyr−、−Asp−Asp−Ser−Asp−Asp−Tyr−、−Ser−Pro−Ala−Ser−Ser−Lys−、−Asp−Leu−Asp−Asp−Tyr−Cys−Asn−、−Asp−Leu−Asp−Asp−Tyr−Ser−Asn−などがあげられる。
式(II)の定義において、A2およびB2としては、脂肪族アミノ酸残基または芳香族アミノ酸残基が好ましく、例えば、Val、Ile、Leu、Pheなどのアミノ酸残基があげられる。また、C2としては、例えば、Met、Ser、Leu、Gln、Asnなどのアミノ酸残基があげられる。−(Y2)p2−としては、例えば、−Ser−Ser−Gly−、−Ser−Met−Gly−Leu−Pro−、−Gly−Ser−Met−Ser−Cys−Lys−、−Gly−Ala−Met−Ser−Cys−Lys−、−Cys−Val−Lys−Ile−Lys−Lys−、−Lys−Lys−Ser−Lys−Thr−Lys−、−Lys−Lys−Ser−Arg−Thr−Arg−、−Gly−Cys−Met−Gly−Leu−Pro−、−Gly−Cys−Met−Gly−Ser−Pro−、−Gly−Lys−Lys−Lys−Ser−Gly−、−Asn−Gly−Cys−Ile−Asn−Cys−、−Asn−Lys−Arg−Arg−Arg−Gly−、−Lys−Pro−Lys−Lys−Lys−Ser−、−Ala−Arg−Lys−Lys−Ser−Ser−、−Asp−Pro−Cys−Cys−Ser−Ala−、−Lys−Lys−Arg−Lys−Arg−Lys−、−Arg−Gln−Gln−Lys−Arg−Ala−、−Lys−Arg−Ile−Arg−Glu−Arg−、−Lys−Ser−Phe−Lys−Glu−Arg−、−Gln−Pro−Thr−Arg−Asn−Gln−、−Thr−Gln−Ser−Pro−Gln−Asn−、−Ala−Pro−Ala−Pro−Gln−Cys−、−Gln−Val−Ala−Pro−Gln−Asn−、−Lys−Ser−Gly−Asn−Lys−Asn−、−Arg−Ala−Trp−Asn−Lys−Ser−、−Arg−Lys−Pro−Glu−Arg−Ser−、−Arg−Thr−Thr−Ser−Arg−Gly−、−Arg−Glu−Lys−Lys−Phe−Phe−、−Lys−Glu−Leu−Lys−Gly−Gly−、−Asp−Lys−Lys−Ser−Lys−Thr−、−Gly−Pro−Ala−Ser−Lys−Ser−などがあげられる。
化合物(A)の薬理学的に許容される塩としては、酸付加塩、金属塩、有機塩基付加塩があげられる。薬理上許容される酸付加塩の例としては、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の有機酸塩があげられ、薬理上許容される金属塩の例としてはナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等があげられる。薬理上許容される有機塩基の例としてはメチルアミン、エチルアミン、アニリン等の一級アミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン等の二級アミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン等の三級アミンおよびアンモニア等があげられる。
本発明において使用したアミノ酸及びその保護基に関する略号は、生化学命名に関するIUPAC−IUB委員会(IUPAC−IUB Joint Commission on Biochemical Nomenclature)の勧告〔Eur.J.Biochem.,138,9(1984)〕に従った。
以下の略号は、特にことわらない限り対応する下記のアミノ酸及び保護基を表す。
Gly;グリシン
Ala;L−アラニン
Thr;L−スレオニン
Pro;L−プロリン
Asp;L−アスパラギン酸
Asn;L−アスパラギン
Asx;L−アスパラギン酸またはL−アスパラギン
His;L−ヒスチジン
Tyr;L−チロシン
Trp;L−トリプトファン
Val;L−バリン
Ser;L−セリン
Leu;L−ロイシン
Ile;L−イソロイシン
Met;L−メチオニン
Cys;L−システイン
Phe;L−フェニルアラニン
Arg;L−アルギニン
D−Arg;D−アルギニン
D−Phe;D−フェニルアラニン
(N−Me)Ile;N−メチル−L−イソロイシン
Hyp;トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリン
Fmoc;9−フルオレニルメチルオキシカルボニル
Boc;t−ブチルオキシカルボニル
t−Bu;t−ブチル
Bzl;ベンジル
CHO;ホルミル
Bom;ベンジルオキシメチル
Pmc;2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルフォニル
Trt;トリチル
Wang Resin;4−(ヒドロキシメチル)フェノキシメチル−樹脂
Rink Amide HBHA Resin;4−{2',4'−ジメトキシフェニル−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)アミノメチル}フェノキシアセトアミドノルロイシル−(4−メチル−ベンズヒドリルアミン)−樹脂
以下の略号は対応する下記の側鎖保護アミノ酸を表す。
Fmoc−Hyp(t−Bu)−OH;Nα−9−フルオレニルメチルオキシカルボニル−O−t−ブチル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリン
Fmoc−His(Trt)−OH;Nα−9−フルオレニルメチルオキシカルボニル−Nim−トリチル−L−ヒスチジン
Fmoc−Asn(Trt)−OH;Nα−9−フルオレニルメチルオキシカルボニル−Nγ−トリチル−L−アスパラギン
Fmoc−Cys(Trt)−OH;Nα−9−フルオレニルメチルオキシカルボニル−S−トリチル−L−システイン
Fmoc−(N−Me)Ile−OH;Nα−9−フルオレニルメチルオキシカルボニル−N−メチル−L−イソロイシン
Fmoc−Asp−(Ot−Bu)−OH;Nα−9−フルオレニルメチルオキシカルボニル−L−アスパラギン酸−β−t−ブチルエステル
Fmoc−Tyr(t−Bu)−OH;Nα−9−フルオレニルメチルオキシカルボニル−O−t−ブチル−L−チロシン
Fmoc−Thr(t−Bu)−OH;Nα−9−フルオレニルメチルオキシカルボニル−O−t−ブチル−L−スレオニン
Fmoc−Ser(t−Bu)−OH;Nα−9−フルオレニルメチルオキシカルボニル−O−t−ブチル−L−セリン
Fmoc−Arg(Pmc)−OH;Nα−9−フルオレニルメチルオキシカルボニル−N−2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルフォニル−L−アルギニン
Boc−Thr(Bzl)−OH;Nα−t−ブチルオキシカルボニル−O−ベンジル−L−スレオニン
Boc−His(Bom)−OH;Nα−t−ブチルオキシカルボニル−Nim−ベンジルオキシメチル−L−ヒスチジン
Boc−Trp(CHO)−OH;Nα−t−ブチルオキシカルボニル−Nind−ホルミル−L−トリプトファン
H−Trp−OBzl;L−トリプトファン ベンジルエステル
以下の略号は、対応する下記の反応溶媒及び反応試薬を表す。
PyBOP;ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノフォスフォニウム ヘキサフルオロフォスフェート
HOBt;N−ヒドロキシベンゾトリアゾール
NMM;N−メチルモルホリン
DCC;ジシクロヘキシルカルボジイミド
HONSu;N−ヒドロキシスクシンイミド
DMF;N,N−ジメチルホルムアミド
TFA;トリフルオロ酢酸
PBS;リン酸緩衝生理食塩水
DCM;ジクロロメタン
DIEA;ジイソプロピルカルボジイミド
DEPC;ジエチルリン酸シアニド
Pd/C;パラジウム/炭素触媒
TCA;トリクロロ酢酸
PMSF;フェニルメタンスルホニルフルオリド
DMSO;ジメチルスルホキシド
PyBroP;ブロモトリピロリジノフォスフォニウム ヘキサフルオロフォスフェート
DTT;ジチオスレイトール
SDS;ドデシル硫酸ナトリウム
化合物(A)の製造法について説明する。
化合物(A)中の環状ペプチドは、適当に側鎖保護した部分ペプチドをペプチド合成機あるいは一般的な液相ペプチド合成法(“ペプチド合成の基礎と実験”泉屋信夫ら、丸善)にしたがって合成し、PyBOP等の縮合剤を用いた環化反応により得られる。さらにペプチド合成機あるいは液相合成法を用い、あるいは両法を適宜組合わせて得られるC末側直鎖ペプチドと上記環状ペプチドとを縮合することにより化合物(A)を得ることができる。
ペプチド合成機によるペプチドの合成は、Applied Biosystems,Inc.,U.S.A.(ABI社)製ペプチド合成機又は島津製作所製ペプチド合成機上で、適当に側鎖保護したNα−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸等を用いるか、あるいは適当に側鎖保護したNα−9−フルオレニルメチルオキシカルボニルアミノ酸等を用い、同社の合成プログラムに従い、実施することができる。
化合物(A)の原料となる保護アミノ酸は、ABI社、島津製作所、国産化学(株)、Nova biochem社、ペプチド研究所(株)および渡辺化学(株)から入手することができる。
このようにして得られた化合物(A)はC−4,C−8あるいはC−18逆相シリカゲルカラムを用いた高速液体クロマトグラフィー(以下、HPLCと言う)あるいは分配、吸着樹脂、シリカゲル、化学修飾シリカゲル、逆相シリカゲル、アルミナ、珪藻土、珪酸マグネシウム、イオン交換樹脂、あるいはゲル濾過等のカラムクロマトグラフィーもしくは薄層クロマトグラフィーにより精製することができる。
化合物(A)の薬理学的に許容される塩を取得するときは常法に従う。すなわち、化合物(A)の酸付加塩および有機塩基付加塩は、対応する酸あるいは有機塩基の水溶液に化合物(A)を溶解し、凍結乾燥することによって得られる。また化合物(A)の金属塩は、対応する金属イオンを含む水溶液に化合物(A)を溶解しゲル濾過もしくはHPLCで精製することによって得られる。
次に化合物(A)の具体例を第1表に示す。
次に化合物(A)の生理活性および蛋白質分解酵素に対する安定性を示す。
試験例1 生理活性
(1) 細胞接着阻害作用
96wells Flat bottomプレート(住友ベークライト)に、マウスフィブロネクチン(テリオス社)50μl/well(5μg/ml培養液)を加えて室温で2時間のコーティングを行った。ここに試験化合物として、PBSに溶解した化合物1または化合物bを図1に示す各濃度で加え、次に、ビオチン標識したB16−F10(mouse melanoma)細胞を加えて、37℃、30分間のインキュベートを行った。反応後、未接着の細胞を吸引法により除き、0.25%グルタールアルデヒド/PBSにより接着細胞を固定した。固定後、Tween−PBSで洗浄し、Peroxidase標識アビジンD(VECTOR社)を加え室温で1時間反応させ、以下、Tween−PBSによる洗浄、ABTS溶液による発色後、NJ−2001(日本インターメッド社)でOD415での吸光度を比色測定した。
測定した吸光度より、下記の式にしたがって細胞接着阻害率を計算した。
未接着細胞の洗浄操作はエッペンドルフピペットによる注入(未固定のため、洗浄は培養液で行った)と先端に18G注射針をつけた吸引装置を用いて行った(およそ3〜5回の吸引操作で未接着の細胞は除かれる)。また、その他の洗浄操作はエッペンドルフによる注入とデカントによる除去で行った。
なお、細胞のビオチン標識は、以下の方法により行った。
NHS−LC−Biotin(PIERCE社)0.2〜0.5mgを1mlのPBSに溶解後、血球系細胞1〜2×107cells/ml培養液と混合し、室温で30分間のインキュベートを行った。反応後、PBSで3回洗浄して未標識のビオチンを除き、ビオチン標識細胞を調製した。
結果を図1に示す。化合物bが細胞接着を50%阻害する濃度(IC50)は、1130μMであったが、化合物1では、IC50は290μMであった。
同様の試験を、化合物2および化合物cについて行った。結果を図2に示す。両化合物は、ほぼ同等の細胞接着阻害活性を示した。
(2) コラーゲン刺激による血小板凝集に対する阻害作用
白ウサギ(オス、2kg)より、3.8%クエン酸ナトリウム:血液(1:9)で心臓採血し、900r.p.m.で遠心した上清を多血小板血清(Platelet−Rich Plasma,PRP)として、また、上清を採取した後の下層を2500r.p.m.で遠心し、その上清を乏血小板血清(Platelet−Poor Plasma,PPP)としてそれぞれ実験に供した。血小板凝集率は、エルマ光学(株)製血小板凝集測定装置TE−500を用いて測定した。凝集率の基準としては、PRP自身の測定値を凝集率0%に、PPP自身の測定値を凝集率100%に設定した。試験化合物(化合物1及び化合物b)溶液は、最終濃度が1、0.3、0.1mMとなるように調製した。
キュベットにコントロールとして再蒸留水、または試験化合物溶液を10μlと、PRP200μlを加え3分間プレインキュベートした後、最終濃度10μg/mlとなるように調製したコラーゲンを10μl添加し、凝集率を測定した。結果を第2表に示す。
(3) 蛋白質ファルネシル化酵素阻害作用(1)
Ras蛋白質を基質とした系
牛の脳から調製した蛋白質ファルネシル化酵素を用いて、Ras蛋白質(v−Ki−Ras p21)に転移された[3H]ファルネシルジホスフェート(Amersham 20Ci/mmol)の量を、液体シンチレーションカウンターで放射線量を測定することにより定量した。反応液は50μl中にv−Ki−Ras p21(2μg)、[3H]ファルネシルジホスフェート(0.1μM)、50mM トリスー塩酸(Tris−HCl)(pH7.5)、20mM KC1、10mM MgCl2、5mM DTT、以下に示す方法で得た蛋白質ファルネシル化酵素1.5μg及び試験化合物(5μlDMSO溶液)を含むように調製した。具体的方法としては、[3H]ファルネシルジホスフェートを除く上記の反応液を37℃で3分間プレインキュベートした後[3H]ファルネシルジホスフェートを加えることにより反応を開始させた。37℃で30分間反応させた後、4%SDSの0.5mlを添加して反応を止め、30%TCA 0.5mlを加えて、氷中に60分間放置し変性した蛋白質を吸引濾過(ADVANTEC MULTI FILTER MF12G)によりガラスフィルター(Whatman GF/C 2.4cm)に吸着させた。反応に使用した容器を2mlの2%SDS/5%TCAで2回、ガラスフィルターを2mlの6%TCAで5回洗浄後、30分間乾燥させ、シンチレーション液6mlと混合し、液体シンチレーションカウンターで放射線量を測定した。
測定した放射線量より、以下の式にしたがって酵素阻害率を計算した。
アッセイの基質としたv−Ki−Ras p21は大腸菌を用いて発現させ、顆粒状となったものを、3.5M塩酸グアニジン、50mM Tris−HCl(pH7.5)、1mM エチレンジアミン四酢酸(EDTA)で可溶化し、原ら[Oncogene research,2,325−333(1988)]の方法に従って精製して使用した。
アッセイに用いた蛋白質ファルネシル化酵素は下記の方法[J.Biol.Chem.,266,14603−10(1991)]により牛の脳より調製した。
牛の脳300gを、50mM Tris−HCl(pH8.0)、1mM EDTA、1mM MgCl2、5mM DTT、2μg/ml ロイペプチン(Leupeptin)、2μg/ml アンチパイン(Antipain)、0.2mM PMSFを含有する緩衝液2l中でホモジナイズし、10,000×gで1時間遠心分離した。その上清をさらに33,000×gで2時間遠心分離して得られた上清を、上記緩衝液であらかじめ平衡化しておいたDEAE−Sephacelカラム(カラム容積500ml)に通塔した。その後カラムを同緩衝液で洗浄してから同緩衝液中NaCl0〜500mM 1l+1lの直線勾配で蛋白質を溶出した。溶出された各フラクションについて酵素活性を測定し、活性画分を濃縮後、20mM Tris−HCl(pH8.0)、50mM NaCl、20mM ZnCl2、0.2mM PMSFを含む緩衝液に対して透析したものを部分精製標品としてアッセイに用いた。結果を第3表に示す。
(4) 蛋白質ファルネシル化酵素阻害作用(2)
SPA enzyme assay kitを利用した系
Farnesyl transferase[3H]−SPA enzyme assay kit(Amersham社)と試験例1(3)で用いた蛋白質ファルネシル化酵素とを用いて、biotin−lamin−B peptideに対する[3H]ファルネシルジホスフェートの取り込みを測定した。kitの使用方法は、添付の説明書に従い、試験例1(3)と同様に酵素阻害率を計算した。結果を第4表に示す。
(5) 牛肺臓ANPレセプターへのANPの結合に対する阻害作用
牛肺臓組織を4℃で緩衝液A(1mM NaHCO3、5mM EDTA、5μg/ml ロイペプチン、5μg/ml ペプスタチンA、40μM PMSF、pH8.3)中ポリトロン(タイプPT10/35 Kinematica Gmbh社)を用いて均質化した。
得られた懸濁液を4℃で8,000×g、10分間遠心分離し、上清液を得た。得られた上清液を4℃、40,000×gで更に60分間遠心分離し、固形物を得た。得られた固形物を緩衝液Aに懸濁し、再び4℃で40,000×g、60分間遠心分離した。得られた固形物をタンパク質含量が2mg/mlになるように懸濁し、膜画分液とした。
緩衝液B(50mM Tris−HCl、1mM EDTA、0.2%牛血清アルブミン、pH7.6)1mlあたり膜画分液12.5μlを加えて膜画分溶液を調製した。
非標識ラットANP(最終濃度1μM)添加または試験化合物添加またはどちらも無添加の膜画分溶液に125I−ラットANP(約30,000cpm)を加えた。これらの混合物を25℃で2時間インキュベートした後、予め0.3%ポリエチレンイミンに浸したグラスフィルターGF/B(Whattman社)で濾過した。フィルターを緩衝液C(50mM Tri−HCl、1mM EDTA、pH7.6)で洗浄後、グラスフィルター上の放射活性を測定して、受容体および非特異的に結合した125I−ラットANP量を測定し、以下の式にしたがってラットANP受容体結合阻害率を計算した。
結果を第5表に示す。
(6) BK受容体結合阻害作用
モルモット回腸BKレセプターへのBKの結合に対する阻害作用
モルモット回腸組織を4℃で緩衝液A〔25mM N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸−NaOH、pH6.8〕中ポリトロン(タイプPT10/35 Kinematica Gmbh社)を用いて均質化した。
得られた懸濁液を4℃、8,000×gで10分間遠心分離し、上清液を得た。得られた上清液を4℃、40,000×gで更に60分間遠心分離し、固形物を得た。得られた固形物を緩衝液Aに懸濁し、再び4℃、40,000×gで60分間遠心分離した。得られた固形物をタンパク質含量が2mg/mlになるように懸濁溶液として調製し、膜画分液とした。
緩衝液B(25mM N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸−NaOH、0.1%牛血清アルブミン、0.014%バシトラシン、pH6.8)1mlあたり膜画分液12.5μlを加えて膜画分溶液を調製した。
非標識BK(最終濃度1μM)添加または被験薬添加またはどちらも無添加の膜画分溶液に3H−BK(200pM)を加えた。これら混合物を25℃で1.5時間インキュベートした後、前もって0.3%ポリエチレンイミンに浸したグラスフィルターGF/B(Whattman社)で濾過した。フィルターを緩衝液C(50mM Tris−HCl、1mM EDTA、pH7.6)で洗浄後、グラフフィルター上の放射活性を液体シンチレーションカウンター(LSC3500、アロカ社)で測定して、受容体および非特異的に結合した。3H−BK量を測定し、以下の式にしたがってモルモットBK受容体結合阻害率を計算した。
結果を第6表に示す。
試験例2 トリプシンに対する安定性
化合物1または化合物bを、0.01%のアジ化ナトリウム及び0.1mMの塩化カルシウムを含むpH7.2のPBS(−)緩衝液を用いて、25μg/mlの濃度の溶液に調製した後、化合物1またはbに対し重量比で20分の1量のトリプシン(SIGMA社)を加え、37℃の恒温槽中でインキュバーし、経時的に一定量を採取した。採取液の分析は、逆相カラム(YMC−Pack ODS−AM 150×6mmI.D.)を用いたHPLCを用いて行い、0.1%TFAを含む0%〜45%アセトニトリルを用いた30分間の直線濃度勾配で溶出し、220nmでの吸光度により検出した。
経時的な分析値は、トリプシン未処理の化合物1、bのピーク高さを100%とし、これに対する相対値として化合物1およびbの残存率を計算した。結果を図3に示す。化合物bは、半減期が2時間以内であるのに対し、化合物1は、9時間後も約60%が残存していた。
試験例3 α−キモトリプシンに対する安定性
化合物2または化合物cを0.01%のアジ化ナトリウム及び0.1mMの塩化カルシウムを含むpH7.2のPBS(−)緩衝液を用いて、25μg/mlの濃度の溶液に調製した後、化合物2またはcに対し重量比で10分の1量のα−キモトリプシン(SIGMA社)とNα−p−トシル−L−リジン クロロメチルケトン(SIGMA社)を加え、37℃の恒温槽中でインキュベートし、経時的に一定量を採取した。採取液の分析は、逆相カラム(YMC−Pack ODS−AM 150×6mmI.D.)を用いたHPLCを用いて行い、0.1%TFAを含む0%〜45%アセトニトリルを用いた30分間の直線濃度勾配で溶出し、220nmでの吸光度により検出した。
経時的な分析値は、α−キモトリプシン未処理の化合物2、cのピーク高さを100%とし、これに対する相対値として化合物2およびcの残存率を計算した。結果を図4に示す。化合物cは、半減期が1時間以内であるのに対し、化合物2は、6時間後も約95%が残存していた。
試験例4 プロリルエンドペプチダーゼに対する安定性
化合物3または化合物dを、0.01%のアジ化ナトリウム、0.1mMの塩化カルシウム及び0.5mMのDTTを含むpH7.2のPBS(−)緩衝液を用いて、25μg/mlの濃度の溶液に調整した後、化合物3またはdに対し重量比で500分の1量のプロリルエンドペプチダーゼ(生化学工業)を加え、37℃の恒温槽中でインキュベートし、経時的に一定量を採取した。採取液の分析は逆相カラム(YMC−Pack ODS−AM 150×6mmI.D.)を用いたHPLCを用いて行い、0.1%TFAを含む0〜45%アセトニトリルを用いた30分間の直線濃度勾配で溶出し、220nmでの吸光度により検出した。
経時的な分析値は、プロリルエンドペプチダーゼ未処理の化合物3、dのピーク高さを100%とし、これに対する相対値として化合物3およびdの残存率を計算した。結果を図5に示す。化合物dは、半減期が1時間以内であるのに対し、化合物3は、7時間後も約60%が残存していた。
同様の試験を化合物5および化合物fについて行った。その結果を図6に示す。化合物fは1時間後に残存率が12%であったのに対し、化合物5は63%が残存していた。
【図面の簡単な説明】
図1は、化合物1および化合物bの各濃度における細胞接着阻害率を示す。
図2は、化合物2および化合物cの各濃度における細胞接着阻害率を示す。
図3は、化合物1および化合物bのトリプシンに対する安定性を残存率で示す。
図4は、化合物2および化合物cのα−キモトリプシンに対する安定性を残存率で示す。
図5は、化合物3および化合物dのプロリルエンドペプチダーゼに対する安定性を残存率で示す。
図6は、化合物5および化合物fのプロリルエンドペプチダーゼに対する安定性を残存率で示す。
発明を実施するための最良の形態
以下の実施例において、化合物の理化学的性質は以下の機器により測定した。
マススペクトル:日本電子JMS−SX102A(FAB法により測定)
アミノ酸分析はBidlingmeyer.B.A.等[J.Chromatogr.,336,93(1984)]の方法で実施した。加水分解は塩酸蒸気中110℃で22時間実施した。加水分解物のアミノ酸組成はWaters Pico Tagアミノ酸分析計で分析した。なお、実測値はAlaの値を1.00として表した。
実施例1 化合物1の合成
参考例1で得られた化合物a3.4mgを0.49mlのDMFに溶解し、氷冷下でPyBOP3.1mg、HOBt0.8mg、NMM0.99μlを加え氷冷下のまま20分間放置した。ここに、参考例2で得られた、ペプチドの結合した担体樹脂のうち25mgを加えて、4℃で21時間攪拌した。担体樹脂を濾取し、メタノール、ブチルエーテルで洗浄後、減圧下1時間乾燥した。得られた樹脂に、2−メチルインドールを5mg/mlの割合で含む、82.5%TFA、5%チオアニソール、5%水、3%エチルメチルスルフィド、2.5%1,2−エタンジチオール、2%チオフェノールの混合溶液150μlを加えて室温で7時間放置し、側鎖保護基を除去するとともに樹脂よりペプチドを切り出した。次いで樹脂を濾別し、得られた溶液におよそ10mlのエーテルを加え、生じる沈澱を粗ペプチドとして得た。これを参考例2と同様HPLCで精製し、化合物1を0.9mg得た。
質量分析[FABMS]:1962(M+H)
アミノ酸分析:Asx2.9(3),Gly4.8(4),Thr1.9(2),Ala2.0(2),Pro1.9(2),Val1.0(1),His0.8(1)、Arg1.1(1),Ser1.4(1),Trpは分析せず
実施例2 化合物2の合成
参考例1で得られた化合物a2.24mgを1mlのDMFに溶解し、氷冷下でPyBOP1.04mg、HOBt0.27mg、NMM0.22μlの各10μlDMF溶液を加え氷冷下のまま15分間、室温で10分間放置した。この溶液を再び氷冷した後、参考例3で得られた化合物c3.57mgの0.5mlDMF溶液を加えて、4℃で16時間、室温で3時間攪拌した。これを再び氷冷し、上記と等量のPyBOP、HOBt、NMMのDMF溶液を加え、氷冷下のまま30分間放置後、化合物c3.57mgを加え、4℃で51時間、室温で4時間攪拌した。2M酢酸で中和した後、参考例2と同様HPLCで精製し、化合物2を3.0mg得た。
質量分析[FABMS]:2294(M+H)
アミノ酸分析:Asx2.4(3),Gly4.2(4),Thr1.9(2),Ala3.0(3),Pro1.9(2),Val1.8(2),His1.0(1),Arg1.0(1),Ser0.9(1),Tyr0.9(1),Trpは分析せず
実施例3 化合物3の合成
参考例1で得られた化合物a5.6mgを0.91mlのDMFに溶解し、氷冷下でPyBOP5.3mg、HOBt1.4mg、NMM1.6μlを加え氷冷下のまま20分間放置した。ここに、参考例4で得られた、ペプチドの結合した担体樹脂のうち40mgを加えて、4℃で24時間攪拌した。担体樹脂を濾取し、メタノール、ブチルエーテルで洗浄後、減圧下1時間乾燥した。得られた樹脂に、2−メチルインドールを5mg/mlの割合で含む、90%TFA、5%チオアニソール、5%1,2−エタンジチオールの混合溶液200μlを加えて室温で2時間放置し、側鎖保護基を除去するとともに樹脂よりペプチドを切り出した。次いで樹脂を濾別し、得られた溶液におよそ2mlのエーテルを加え、生じる沈澱を粗ペプチドとして得た。これを参考例2と同様HPLCで精製し、化合物3を0.24mg得た。
質量分析[FABMS]:2039(M+H)
アミノ酸分析:Asx1.2(2),Gly3.0(3),Thr1.0(1),Ala0.9(1),Pro1.7(2),Val1.3(2),His0.9(1),Met1.7(2),Ser1.1(1),Leu1.0(1),Cys,Trpは分析せず
実施例4 化合物4の合成
参考例1で得られた化合物a3.5mgを0.95mlのDMFに溶解し、氷冷下でPyBOP3.3mg、HOBt0.9mg、NMM1.0μlを加え氷冷下のまま1時間放置した。ここに、参考例5で得られた、ペプチドの結合した担体樹脂のうち15.1mgを加えて、4℃で24時間攪拌した。担体樹脂を濾取し、実施例3と同様に洗浄、乾燥、ペプチドの切り出し及びHPLCによる精製を行い、化合物4を1.9mg得た。
質量分析[FABMS]:1755(M+H)
アミノ酸分析:Asx0.6(2),Gly2.7(3),Thr0.8(1),Ala0.9(1),Pro0.9(1),Val0.8(1),His0.7(1),Leu1.0(1),Ser2.5(3),Cys,Trpは分析せず
実施例5 化合物5の合成
参考例1で得られた化合物a9.71mgを0.76mlのDMFに溶解し、氷冷下でPyBOP9.0mg、HOBt2.65mg、NMM2.85μlを加え氷冷下のまま20分間放置した。ここに、参考例6で得られた、ペプチドの結合した担体樹脂のうち40.3mgを加えて、4℃で24時間攪拌した。担体樹脂を濾取し、実施例3と同様に洗浄、乾燥、ペプチドの切り出し及びHPLCによる精製を行い、化合物5を8.9mg得た。
質量分析[FABMS]:2101(M+H)
アミノ酸分析:Asx1.3(2)、Ser1.1(1)、Gly3.2(3)、His0.9(1)、Ala1.0(1)、Pro2.1(2)、Met2.0(2)、Ile0.9(1)、Leu1.2(1)、Phe1.0(1)、Trp、Cysは分析せず
実施例6 化合物6の合成
参考例1で得られた化合物a4.0mgを0.65mlのDMFに溶解し、氷冷下でPyBOP3.7mg、HOBt1.0mg、NMM1.2μlを加え氷冷下のまま20分間放置した。ここに、参考例7で得られた、ペプチドの結合した担体樹脂のうち43.1mgを加えて、4℃で24時間攪拌した。担体樹脂を濾取し、メタノール、ブチルエーテルで洗浄後、減圧下1時間乾燥した。得られた樹脂に、2−メチルインドールを5mg/mlの割合で含む、82.5%TFA、5%水、5%チオアニソール、2.5%1,2−エタンジチオール、3%エチルメチルサルファイド、2%チオフェノールの混合溶液200μlを加えて室温で6時間放置し、側鎖保護基を除去するとともに樹脂よりペプチドを切り出した。次いで樹脂を濾別し、得られた溶液におよそ2mlのエーテルを加え、生じる沈澱を粗ペプチドとして取得した。これを参考例2と同様HPLCで精製し、化合物6を1.3mg得た。
質量分析[FABMS]:2035(M+H)
アミノ酸分析:Asx1.6(3)、Gly3.8(4)、His0.9(1)、Arg1.7(2)、Thr1.0(1)、Ala1.0(1)、Pro0.9(1)、Ile1.8(2)、Phe0.8(1)、Trpは分析せず
実施例7 化合物7の合成
参考例1で得られた化合物a3.8mgを0.62mlのDMFに溶解し、氷冷下でPyBOP3.5mg、HOBt0.9mg、NMM1.1μlを加え氷冷下のまま20分間放置した。ここに、参考例8で得られた、ペプチドの結合した担体樹脂のうち48.9mgを加えて、4℃で24時間、さらに室温で24時間攪拌した。担体樹脂を濾別し、濾液に氷冷下でPyBOP1.8mg、HOBt0.5mg、NMM0.4μlを加え2時間放置後、再び濾別した担体樹脂を加えて4℃で24時間攪拌した。担体樹脂を濾取し、実施例6と同様に洗浄、乾燥後、ペプチドの切り出し及びHPLCによる精製を行い、化合物7を1.3mg得た。
質量分析[FABMS]:2305(M+H)
アミノ酸分析:Asx2.3(3)、Gly5.3(5)、His0.9(1)、Arg1.9(2)、Thr1.0(1)、Ala4.0(4)、Pro1.0(1)、Ile2.0(2)、Phe1.0(1)、Trpは分析せず
実施例8 化合物8の合成
参考例1で得られた化合物a1.0mgを0.22mlのDMFに溶解し、氷冷下でPyBOP0.94mg、HOBt0.24mg、NMM0.3μlを加え氷冷下のまま20分間放置した。ここに、参考例9で得られた、ペプチドの結合した担体樹脂のうち3.53mgを加えて、4℃で48時間攪拌した。担体樹脂を濾取し、実施例6と同様に洗浄、乾燥後、ペプチドの切り出し及びHPLCによる精製を行い、化合物8を21μg得た。
質量分析[FABMS]:2035(M+H)
アミノ酸分析:Asx2.2(3)、Gly4.1(4)、His0.9(1)、Arg1.7(2)、Thr1.1(1)、Ala1.0(1)、Pro1.0(1)、Ile1.9(2)、Phe0.8(1)、Trpは分析せず
実施例9 化合物9の合成
参考例1で得られた化合物a7.56mgを1.46mlのDMFに溶解し、氷冷下でPyBOP7.10mg、HOBt1.81mg、NMM2.27μlを加え氷冷下のまま20分間放置した。ここに、参考例10で得られた、ペプチドの結合した担体樹脂のうち65mgを加えて、4℃で24時間攪拌した。担体樹脂を濾取し、実施例6と同様に洗浄、乾燥後、ペプチドの切り出し及びHPLCによる精製を行い、化合物9を0.5mg得た。
質量分析[FABMS]:2.35(M+H)
アミノ酸分析:Asx2.3(3)、Gly4.1(4)、His1.0(1)、Arg1.8(2)、Thr1.0(1)、Ala1.0(1)、Pro1.0(1)、Ile2.0(2)、Phe1.0(1)、Trpは分析せず
実施例10 化合物10の合成
参考例1で得られた化合物a7.63mgを0.597mlのDMFに溶解し、氷冷下でPyBOP7.08mg、HOBt2.08mg、NMM2.24μlを加え氷冷下のまま20分間放置した。ここに、参考例11で得られた、ペプチドの結合した担体樹脂のうち38.35mgを加えて、4℃で24時間攪拌した。担体樹脂を濾取し、実施例6と同様に洗浄、乾燥後、ペプチドの切り出し及びHPLCによる精製を行い、化合物10を1.8mg得た。
質量分析[FABMS]:2.49(M+H)
アミノ酸分析:Asx1.5(3)、Gly4.0(4)、His0.9(1)、Arg1.8(2)、Thr1.0(1)、Ala1.0(1)、Pro1.0(1)、Ile0.9(1)、Phe0.9(1)、(N−Me)IleおよびTrpは分析せず
実施例11 化合物11の合成
参考例1で得られた化合物a6.97mgを1.5mlのDMFに溶解し、氷冷下でPyBOP6.55mg、HOBt1.67mg、NMM2.09μlを加え氷冷下のまま5分間放置した。ここに、参考例12で得られた、ペプチドの結合した担体樹脂のうち38.85mgを加えて、4℃で24時間攪拌した。担体樹脂を濾取し、メタノール、ブチルエーテルで洗浄後、減圧下2時間乾燥した。得られた樹脂に、2−メチルインドールを5mg/mlの割合で含む、82.5%TFA、5%水、5%チオアニソール、2.5%1,2−エタンジチオール、3%エチルメチルサルファイド、2%チオフェノールの混合溶液600μlを加えて室温で6時間放置し、側鎖保護基を除去するとともに樹脂よりペプチドを切り出した。次いで樹脂を濾別し、得られた溶液におよそ2mlのエーテルを加え、生じる沈澱を粗ペプチドとして取得した。これを参考例2と同様にHPLCで精製し、化合物11を2.0mg得た。
質量分析[FABMS]:2351(M+H)
アミノ酸分析:Asx1.2(2)、Gly3.0(3)、His0.8(1)、Arg2.7(3)、Thr1.0(1)、Ala1.0(1)、Pro1.6(2)、Leu1.0(1)、Phe1.9(2)、Ser1.1(1)、Hyp0.9(1)、Trpは分析せず
参考例1 化合物aの合成
工程1:Fmoc−Gly−Asn−Trp−His−Gly−Thr−Ala−Pro−OH(配列番号1)
ABI社の合成プログラムに従い、Boc−Pro0.5mmolが結合した担体樹脂0.73gを自動合成機の反応器に入れ、次の操作を行った。
(1)33%TFAを含む塩化メチレン溶液処理(80秒)
(2)50%TFAを含む塩化メチレン溶液処理(18.5分)
(3)塩化メチレン洗浄(3回)
(4)10%ジイソプロピルエチルアミンを含む塩化メチレン溶液処理(1分、2回)
(5)DMF洗浄(5回)
こうして得られたProの結合した担体樹脂に
(6)Boc−Ala−OHの対称酸無水物2.0mmolを含むDMF溶液4mlを加え、反応容器を18分間撹拌した。
(7)塩化メチレン洗浄(5回)
こうして、Boc−Ala−Proが担体上に合成された。次に、上記(1)〜(5)の脱保護工程を行った後、(6)の工程でBoc−Thr(Bzl)−OHの対称酸無水物を加えて縮合反応を行い、次いで(7)の洗浄工程を得てBoc−Thr(Bzl)−Ala−Proを担体樹脂上に合成した。以下、工程(1)〜(7)を順次繰り返して保護ペプチドの結合した担体樹脂1.2gを得た。尚、工程(6)には順次Boc−Gly−OH,Boc−His(Bom)−OH,Boc−Trp(CHO)−OH,Boc−Asn−OHおよびFmoc−Gly−OHを用いた。得られた担体樹脂に1,2−エタンジチオール0.8ml,ジメチルスルフィド0.8ml,アニソール0.2mlを加え3時間放置した後フッ化水素18mlを加えて70分間氷冷下撹拌した。次いでフッ化水素を減圧除去し、担体樹脂に酢酸エチル100mlを加え0.5時間攪拌した。濾過して得られた担体樹脂にDMF100mlを加えて1時間撹拌した。担体樹脂を(全自動高速冷却遠心機、RS−20型、トミー精工)10000rpm、10分間で除き上清液を得た。この液から濃縮機(ROTARY VACUUM EVAPORATOR N−2型 東京理化器機)でDMFを除去し、2M酢酸処理により粗製品464.0mgを得た。これを逆相カラム(CAPCELL PACK C18 SG−120 30×250mm)を用いたHPLCで精製した。0.1%TFAを含むアセトニトリル及び水を用いた直線濃度勾配法で溶出し、220nmで検出し目的物を含む画分を得た。この画分を凍結乾燥して131.9mgのFmoc−Gly−Asn−Trp−His−Gly−Thr−Ala−Pro−OHを得た。
工程2:H−Asp(Ot−Bu)−Trp−OBzlの合成
(a)Fmoc−Asp(Ot−Bu)−OH41mgを塩化メチレン1mlに溶かし、0℃において、HONSu12mg、DCC21mgを加えて0℃で30分間攪拌した。ここに、H−Trp−OBzl塩酸塩33mgの1ml塩化メチレン溶液とトリエチルアミン14μlを加え、0℃のまま3時間攪拌した。不溶物を濾別、冷塩化メチレンで洗浄し、濾液を回収した。減圧下溶媒を留去し、残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC−200、50g、クロロホルム/メタノール=25/1で溶出)で精製し、Fmoc−Asp(Ot−Bu)−Trp−OBz167mgを白色粉末として得た。
(b)(a)で得られたジペプチド10mgをDMF3mlに溶かし、ピペリジン0.75mlを加えて、室温で10分間放置した。反応液にエーテル、ヘキサンを加え析出する白色結晶を濾取し、減圧下乾燥して、H−Asp(Ot−Bu)−Trp−OBz12mgを得た。
工程3:H−Gly−Asn−Trp−His−Gly−Thr−Ala−Pro−Asp−Trp−OBzl(配列番号2)の合成
(a)工程1で得られたペプチド4.4mgに、工程2で得られたジペプチド1.7mgを含む5.5ml DMF溶液を加え0℃に冷却した。ここに、DEPC0.5μl、トリエチルアミン1.0μlを順次加え、0℃で5日間攪拌した。溶媒を減圧下留去し、残さを再びDMF1mlに溶解し、逆相カラム(YMC−Pack ODS−AM 150×6mm I.D.)を用いたHPLCで精製し、Fmoc−Gly−Asn−Trp−His−Gly−Thr−Ala−Pro−Asp(Ot−Bu)−Trp−OBzl(配列番号3)320μgを白色粉末として得た。
(b)(a)で得られた保護ペプチド250μgに、TFA900μl、1,2−エタンジチオール50μl、アニソール50μl、2−メチルインドール5mgからなる混合液のうち50μlを加え、室温で1.5時間放置した。エーテルを加えて生成する白色沈澱を濾取し、乾燥させ、20%ピペリジンを含むDMF100μlを加え、室温で15分間放置した。再びエーテルを加えて生成する白色沈澱を濾取し乾燥させ、H−Gly−Asn−Trp−His−Gly−Thr−Ala−Pro−Asp−Trp−OBzl200μgを得た。
工程4:化合物aの合成
(a)工程3で得られたペプチド66μgをDMF66μlに溶解し、室温においてPyBOPの0.1Mを含んだDMF溶液1.6μl、HOBtの0.1Mを含んだDMF溶液1.6μl、NMMの1%を含むDMF溶液3μlを加え、室温で3時間攪拌した。減圧下溶媒を留去し、生成物を工程3と同様にHPLCで精製し、化合物aのベンジルエステル体20μgを得た。
(b)(a)で得られたベンジルエステル体250μgをメタノール/酢酸=3/1の混合液80μlに溶解し、窒素雰囲気下、10%Pd/C約0.5mgを加え、系を水素雰囲気下にした後、室温で1時間攪拌した。Pd/Cを濾別し、濾液にエーテルを加えて生成する白色沈澱を濾取し、乾燥することにより、化合物a100μgを得た。
質量分析[FABMS];1122(M+H)
アミノ酸分析;Gly2.0(2),Asx1.7(2),His1.0(1),Thr1.0(1),Ala1.0(1),Pro1.0(1),Trpは分析せず
参考例2
化合物b(H−Val−Thr−Gly−Arg−Gly−Asp−Ser−Pro−Ala−OH:配列番号4)の合成
Fmoc−Ala30μmolが結合した担体樹脂(Fmoc−Ala−Wang Resin)50mgを自動合成機の反応器に入れ、島津製作所の合成プログラムに従い次の操作を行った。
(a)担体樹脂をDMFにより3分間洗浄し、該溶液を排出した。
(b)30%ピペリジンを含むDMF溶液を加えて混合物を4分間攪拌し、該溶液を排出し、この操作をもう1回繰り返した。
(c)担体樹脂をDMFで1分間洗浄し、該溶液を排出し、この操作を5回繰り返した。
こうして、Fmoc基を除去したAlaの結合した担体樹脂を得た。
(d)Fmoc−Pro−OH240μmol、PyBOP240μmol、HOBt240μmol、NMM360μmolを840μlのDMF中3分間攪拌し、得られた溶液を樹脂に加え混合物を30分間攪拌し、溶液を排出した。
(e)担体樹脂をDMFで1分間洗浄し、これを5回繰り返した。こうして、Fmoc−Pro−Alaが担体上に合成された。
次に、(a)〜(c)の洗浄、脱保護工程を行った後、(d)の工程でFmoc−Ser(t−Bu)−OHを用いて縮合反応を行い、次いで(e)の洗浄工程を経て、Fmoc−Ser(t−Bu)−Pro−Alaが担体上に合成された。以下、工程(d)において、Fmoc−Asp(Ot−Bu)−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Arg(Pmc)−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Thr(t−Bu)−OH、Fmoc−Val−OHを順次用いて、(a)〜(e)を繰り返し、保護ペプチドの結合した担体樹脂を得、さらに(a)〜(c)の洗浄、脱保護工程を行って得られた担体樹脂をメタノール、ブチルエーテルで洗浄し、減圧下3時間乾燥した。得られた担体樹脂のうち50mgを取り除いた残りに、82.5%TFA、5%チオアニソール、5%水、3%エチルメチルスルフィド、2.5%1,2−エタンジチオール、2%チオフェノールの混合溶液200μlを加えて室温で8時間放置し、側鎖保護基を除去するとともに樹脂よりペプチドを切り出した。次いで樹脂を濾別し、得られた溶液におよそ10mlのエーテルを加えて、生じる沈澱を粗ペプチドとして17.9mg濾取した。この粗生成物を逆相カラム(CAPCELL PAK C18 30mmφ×250mm、資生堂)を用いたHPLCで精製した。0.1TFAと0〜90%アセトニトリルを用いた直線濃度勾配で溶出し、220nmで検出し、標記化合物を含む画分を得た。この画分を凍結乾燥して、化合物bを6.2mgを得た。
質量分析[FABMS];859(M+H)
アミノ酸分析;Gly2.1(2),Ala1.0(1),Asx1.0(1),Pro0.9(1),Thr0.9(1),Val0.9(1),Ser1.0(1),Arg1.0(1)
参考例3
化合物c(H−Val−Tyr−Ala−Val−Thr−Gly−Arg−Gly−Asp−Ser−Pro−Ala−NH2:配列番号5)の合成
参考例2と同様な方法により、Fmoc−NH40.8μmolが結合した担体樹脂(Rink Amide MBHA Resin)を出発物質として用い、N−保護アミノ酸として順次、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Ser(t−Bu)−OH、Fmoc−Asp(Ot−Bu)−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Arg(Pmc)−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Thr(t−Bu)−OH、Fmoc−Val−OH、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Tyr(t−Bu)−OH、Fmoc−Val−OHを用いて保護ペプチドを合成した。得られた担体樹脂50mgを用い、樹脂からのペプチドの切り出し及びHPLCによる精製を参考例2と同様に行い、化合物c12.6mgを得た。
質量分析[FABMS]:1191(M+H)
アミノ酸分析:Asx0.9(1),Gly1.7(2),Thr1.0(1),Ala2.0(2),Pro0.9(1),Val1.9(2),Tyr0.9(1),Arg1.0(1),Ser0.9(1)
参考例4
化合物d(H−Ser−Met−Gly−Leu−Pro−Cys−Val−Val−Met−OH:配列番号6)の合成
Fmoc−Met38μmolが結合した担体樹脂(Fmoc−Met−Wang Resin)80mgを自動合成機の反応器に入れ、島津製作所の合成プログラムに従い次の操作を行った。
(a)担体樹脂をDMFにより3分間洗浄し、該溶液を排出した。
(b)30%ピペリジンを含むDMF溶液を加えて混合物を4分間攪拌し、該溶液を排出し、この操作をもう1回繰り返した。
(c)担体樹脂をDMFで1分間洗浄し、該溶液を排出し、この操作を5回繰り返した。
こうして、Fmoc基を除去したMetの結合した担体樹脂を得た。
(d)Fmoc−Val−OH190μmol、PyBOP190μmol、HOBt190μmol、NMM285μmolを665μlのDMF中3分間攪拌し、得られた溶液を樹脂に加え混合物を30分間攪拌し、溶液を排出した。
(e)担体樹脂をDMFで1分間洗浄し、これを5回繰り返した。こうして、Fmoc−Val−Metが担体上に合成された。
次に、(a)〜(c)の洗浄、脱保護工程を行った後、(d)の工程でFmoc−Val−OHを用いて縮合反応を行い、次いで(e)の洗浄工程を経て、Fmoc−Val−Val−Metが担体上に合成された。以下、工程(d)において、Fmoc−Cys(Trt)−OH、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Leu−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Met−OH、Fmoc−Set(t−Bu)−OHを順次用いて、(a)〜(e)を繰り返し、保護ペプチドの結合した担体樹脂を得、さらに(a)〜(c)の洗浄、脱保護工程を行って得られた担体樹脂をメタノール、ブチルエーテルで洗浄し、減圧下3時間乾燥して、保護ペプチドの結合した担体樹脂120.9mgを得た。このうちの40.3mgに90%TFA、5%1,2−エタンジチオール、5%チオアニソールの混合液400μlを加えて室温で2時間放置し、側鎖保護基を除去するとともに樹脂よりペプチドを切り出した。次いで樹脂を濾別し、得られた溶液におよそ10mlのエーテルを加えて、生じる沈澱を遠沈により回収し、粗ペプチドとして12.7mg得た。この粗生成物を参考例2と同様にHPLCで精製し、化合物dを6.2mg得た。
質量分析[FABMS];936(M+H)
アミノ酸分析;Gly1.1(2),Pro0.9(1),Val1.2(2),Ser0.9(1),Met1.9(2),Ler1.0(1),Cysは分析せず
参考例5
化合物e(H−Ser−Ser−Gly−Cys−Val−Leu−Ser−OH:配列番号7)の合成
参考例4と同様な方法により、Fmoc−Ser(t−Bu)59.0μmolが結合した担体樹脂(Fmoc−Ser(t−Bu)−Wang Resin)70mgを出発物質として用い、N−保護アミノ酸として順次、Fmoc−Leu−OH、Fmoc−Val−OH、Fmoc−Cys(Trt)−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Ser(t−Bu)−OH、Fmoc−Ser(t−Bu)−OHを用いて、保護ペプチドの結合した担体樹脂99.3mgを得た。このうちの33.1mgを用い、樹脂からのペプチドの切り出し及びHPLCによる精製を参考例4と同様に行い、化合物e5.3mgを得た。
質量分析[FABMS]:652(M+H)
アミノ酸分析:Gly1.1(1),Val0.8(1),Ser2.9(3),Leu1.0(1),Cysは分析せず
参考例6
化合物f(H−Ser−Met−Gly−Leu−Pro−Cys−Ile−Phe−Met−OH:配列番号8)の合成
参考例4と同様な方法により、Fmoc−Met52.0μmolが結合した担体樹脂(Fmoc−Met−Wang Resin)80mgを出発物質として用い、N−保護アミノ酸として順次、Fmoc−Phe−OH、Fmoc−Ile−OH、Fmoc−Cys(Trt)−OH、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Leu−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Met−OH、Fmoc−Ser(t−Bu)−OHを用いて、保護ペプチドの結合した担体樹脂120.8mgを得た。このうちの40.3mgに、2−メチルインドールを5mg/mlの割合で含む、90%TFA、5%チオアニソール、5%1,2−エタンジチオール50μlの混合溶液600μlを加えて室温で2時間放置し、側鎖保護基を除去するとともに樹脂よりペプチドを切り出した。次いで樹脂を濾別し、得られた溶液におよそ2mlのエーテルを加え、生じる沈澱を粗ペプチドとして得た。これを参考例4と同様HPLCで精製し、化合物f8.8mgを得た。
質量分析[FABMS]:998(M+H)
アミノ酸分析:Ser1.0(1)、Gly1.1(1)、Pro1.1(1)、Met1.9(2)、Ile0.9(1)、Leu1.0(1)、Phe0.9(1)、Cysは分析せず
参考例7
化合物g(H−Phe−Gly−Gly−Arg−Ile−Asp−Arg−Ile−NH2:配列番号9)の合成
Fmoc−NH40.8μmolが結合した担体樹脂(Rink amide MBHA Resin)80mgを自動合成機の反応器に入れ、島津製作所の合成プログラムに従い次の操作を行った。
(a)担体樹脂をDMFにより3分間洗浄し、該溶液を排出した。
(b)30%ピペリジンを含むDMF溶液を加えて混合物を4分間攪拌し、該溶液を排出し、この操作をもう1回繰り返した。
(c)担体樹脂をDMFで1分間洗浄し、該溶液を排出し、この操作を5回繰り返した。
こうして、Fmoc基を除去したNHの結合した担体樹脂を得た。
(d)Fmoc−Ile−OH2040μmol、PyBOP204μmol、HOBt204μmol、NMM306μmolを714μlのDMF中3分間攪拌し、得られた溶液を樹脂に加え混合物を30分間攪拌し、溶液を排出した。
(e)担体樹脂をDMFで1分間洗浄し、これを5回繰り返した。こうして、Fmoc−Ileが担体上に合成された。
次に、(a)〜(c)の洗浄、脱保護工程を行った後、(d)の工程でFmoc−Arg(Pmc)−OHを用いて縮合反応を行い、次いで(e)の洗浄工程を経て、Fmoc−Arg(Pmc)−Ileが担体上に合成された。以下、工程(d)において、Fmoc−Asp(Ot−Bu)−OH、Fmoc−Ile−OH、Fmoc−Arg(Pmc)−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Phe−OHを順次用いて、(a)〜(e)を繰り返し、保護ペプチドの結合した担体樹脂を得、さらに(a)〜(c)の洗浄、脱保護工程を行って得られた担体樹脂をメタノール、ブチルエーテルで洗浄し、減圧下3時間乾燥し、保護ペプチドの結合した担体樹脂122.1mgを得た。このうちの40.7mgに、82.5%TFA、5%チオアニソール、5%水、3%エチルメチルスルフィド、2.5%1,2−エタンジチオール、2%チオフェノールの混合溶液600μlを加えて室温で8時間放置し、側鎖保護基を除去するとともに樹脂よりペプチドを切り出した。次いで樹脂を濾別し、得られた溶液におよそ2mlのエーテルを加えて、生じる沈澱を粗ペプチドとして16.2mg得た。この粗生成物を参考例2と同様にHPLCで精製し、化合物gを12.0mg得た。
質量分析[FABMS];測定値932(M+H)
アミノ酸分析;Asx1.0(1)、Gly2.1(2)、Arg1.9(2)、Ile2.0(2)、Phe1.0(1)
参考例8
化合物h(H−Ala−Phe−Gly−Gly−Arg−Ile−Asp−Arg−Ile−Gly−Ala−Ala−NH2:配列番号10)の合成
参考例7と同様な方法により、Fmoc−NH 40.8μmolが結合した担体樹脂(Rink amide MBHA Resin)80mgを出発物質として用い、N−保護アミノ酸として順次、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Ile−OH、Fmoc−Arg(Pmc)−OH、Fmoc−Asp(Ot−Bu)−OH、Fmoc−Ile−OH、Fmoc−Arg(Pmc)−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Phe−OH、Fmoc−Ala−OHを用いて、保護ペプチドの結合した担体樹脂147.1mgを得た。このうちの49.0mgを用い、樹脂からのペプチドの切り出し及びHPLCによる精製を参考例7と同様に行い、化合物h13.6mgを得た。
質量分析[FABMS]:1202(M+H)
アミノ酸分析:Asx0.9(1)、Gly3.0(3)、Arg1.8(2)、Ala3.0(3)、Ile1.9(2)、Phe0.9(1)
参考例9
化合物i(H−Phe−Gly−Gly−D−Arg−Ile−Asp−Arg−Ile−NH2)の合成
参考例7と同様な方法により、Fmoc−NH 40.8μmolが結合した担体樹脂(Rink amide MBHA Resin)80mgを出発物質として用い、N−保護アミノ酸として順次、Fmoc−Ile−OH、Fmoc−Arg(Pmc)−OH、Fmoc−Asp(Ot−Bu)−OH、Fmoc−Ile−OH、Fmoc−D−Arg(Pmc)−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Phe−OHを用いて、保護ペプチドを結合した担体樹脂221.5mgを得た。このうちの72.2mgを用い、樹脂からのペプチドの切り出し及びHPLCによる精製を参考例7と同様に行い、化合物i13.8mgを得た。
質量分析[FABMS]:932(M+H)
アミノ酸分析:Asx1.0(1)、Gly2.1(2)、Arg1.8(2)、Ile1.9(2)、Phe1.0(1)
参考例10
化合物j(H−Phe−Gly−Gly−D−Arg−Ile−Asp−D−Arg−Ile−NH2)の合成
参考例7と同様な方法により、Fmoc−NH 40.8μmolが結合した担体樹脂(Rink amide MBHA Resin)80mgを出発物質として用い、N−保護アミノ酸として順次、Fmoc−Ile−OH、Fmoc−D−Arg(Pmc)−OH、Fmoc−Asp(Ot−Bu)−OH、Fmoc−Ile−OH、Fmoc−D−Arg(Pmc)−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Phe−OHを用いて、保護ペプチドを結合した担体樹脂202.0mgを得た。このうちの72.0mgを用い、樹脂からのペプチドの切り出し及びHPLCによる精製を参考例7と同様に行い、化合物j11.3mgを得た。
質量分析[FABMS]:932(M+H)
アミノ酸分析:Asx1.0(1)、Gly2.1(2)、Arg1.8(2)、Ile1.9(2)、Phe1.0(1)
参考例11
化合物k(H−Phe−Gly−Gly−Arg−(N−Me)Ile−Asp−Arg−Ile−NH2:配列番号11)の合成
参考例7と同様な方法により、Fmoc−NH 40.8μmolが結合した担体樹脂(Rink amide MBHA Resin)80mgを出発物質として用い、N−保護アミノ酸として順次、Fmoc−Ile−OH、Fmoc−Arg(Pmc)−OH、Fmoc−Asp(Ot−Bu)−OH、Fmoc−(N−Me)Ile−OHを用いて、(N−Me)Ile−Asp−Arg−Ileが結合した樹脂を得た。ここに、Fmoc−Arg(Pmc)−OH 135.2mg、PyBroP104.6mgを含む1mlのDMF溶液を加え、氷冷下DIEA71μlを加えた。氷冷下のまま10分間放置後、室温で21時間攪拌し、樹脂を濾取し、DMF1mlで5回洗浄した。こうしてFmoc−Arg(Pmc)−(N−Me)Ile−Asp(Ot−Bu)−Arg(Pmc)−Ileの結合した樹脂を得た。続いて参考例7と同様に合成プログラムにしたがい、Fmocアミノ酸として順次、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Phe−OHを縮合し、保護ペプチドの結合した担体樹脂115.0mgを得た。このうちの38.3mgを用い、樹脂からのペプチドの切り出し及びHPLCによる精製を参考例7と同様に行い、化合物k1.3mgを得た。
質量分析[FABMS]:946(M+H)
アミノ酸分析:Asx0.9(1)、Gly2.1(2)、Arg2.0(2)、Ile1.0(1)、Phe1.0(1)、(N−Me)Ileは分析せず
参考例12
化合物m(H−D−Arg−Arg−Pho−Hyp−Gly−Phe−Ser−D−Phe−Ler−Arg−OH)の合成
参考例7と同様な方法により、Fmoc−Arg(Pmc)37.6μmolが結合した担体樹脂(Fmoc−Arg(Pmc)−Wang Resin)80mgを出発物質として用い、N−保護アミノ酸として順次、Fmoc−Leu−OH、Fmoc−D−Phe−OH、Fmoc−Ser(t−Bu)−OH、Fmoc−Phe−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Hyp(t−Bu)−OH、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Arg(Pmc)−OH、Fmoc−D−Arg(Pmc)−OHを用いて、保護ペプチドの結合した担体樹脂116.5mgを得た。このうちの38.8mgを用い、樹脂からのペプチドの切り出し及びHPLCによる精製を参考例7と同様に行い、化合物m6.3mgを得た。
質量分析[FABMS]:1248(M+H)
アミノ酸分析:Hyp1.1(1)、Ser1.1(1)、Gly1.2(1)、Arg3.1(3)、Pro0.9(1)、Leu1.0(1)、Phe2.0(2)
産業上の利用可能性
本発明により、特定の構造からなる環状ペプチドと生理活性ペプチドとを必要によりスペーサーを介して結合させた新規ペプチドが提供される。本発明のペプチドは、環状ペプチドが結合していない生理活性ペプチドより高い安定性及び/又は活性を有する。
配 列 表
配列番号:1
配列の長さ:8
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列の特徴
特徴を表す記号:Modified−site
存在位置:1
特徴を決定した方法:E
他の情報:XaaはNα−9−フルオレニルメチルオキシカルボニルグリシンを表す
配列
配列番号:2
配列の長さ:10
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列の特徴
特徴を表す記号:Modified−site
存在位置:10
特徴を決定した方法:E
他の情報:XaaはL−トリプトファンベンジルエステルを表す
配列
配列番号:3
配列の長さ:10
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列の特徴
特徴を表す記号:Modified−site
存在位置:1
特徴を決定した方法:E
他の情報:XaaはNα−9−フルオレニルメチルオキシカルボニルグリシンを表す
存在位置:9
特徴を決定した方法:E
他の情報:XaaはL−アスパラギン酸−β−t−ブチルエステルを表す
特徴を表す記号:Modified−site
存在位置:10
特徴を決定した方法:E
他の情報:XaaはL−トリプトファンベンジルエステルを表す
配列
配列番号:4
配列の長さ:9
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列
配列番号:5
配列の長さ:12
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列の特徴
特徴を表す記号:Modified−site
存在位置:12
特徴を決定した方法:E
他の情報:XaaはL−アラニンアミドを表す
配列
配列番号:6
配列の長さ:9
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列
配列番号:7
配列の長さ:7
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列
配列番号:8
配列の長さ:9
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列
配列番号:9
配列の長さ:8
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列の特徴
特徴を表す記号:Modified−site
存在位置:8
特徴を決定した方法:E
他の情報:XaaはL−イソロイシンアミドを表す
配列
配列番号:10
配列の長さ:12
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列の特徴
特徴を表す記号:Modified−site
存在位置:12
特徴を決定した方法:E
他の情報:XaaはL−アラニンアミドを表す
配列
配列番号:11
配列の長さ:8
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列の特徴
特徴を表す記号:Modified−site
存在位置:5
特徴を決定した方法:E
他の情報:XaaはN−メチル−L−イソロイシンを表す
特徴を表す記号:Modified−site
存在位置:8
特徴を決定した方法:E
他の情報:XaaはL−イソロイシンアミドを表す
配列
本発明は、特定の構造からなる環状ペプチドと生理活性ペプチドとを必要によりスペーサーを介して結合させた新規ペプチドに関する。本発明のペプチドは、環状ペプチドが結合していない直鎖状の生理活性ペプチドより高い安定性及び/又は活性を有する。
生理活性ペプチドとしては、細胞接着阻害作用を有するペプチド、蛋白質ファルネシル化酵素阻害ペプチド、心房性ナトリウム利尿ペプチド受容体結合ペプチド、ブラジキニン拮抗ペプチドなどがあげられる。細胞接着阻害作用を有するペプチドは、一般に血小板や血球細胞へのフィブリン及び他の蛋白質の結合を阻害し、細胞付着の調節に関与し、血小板凝集、骨粗しょう症、炎症などの治療剤として有用である。蛋白質ファルネシル化酵素阻害ペプチドは、一般に蛋白質のファルネシル化修飾を阻害し、細胞の分化及び増殖の調節に関与し、癌や動脈硬化症の治療薬として有用である。心房性ナトリウム利尿ペプチド受容体結合ペプチドは、一般にナトリウム利尿ペプチド受容体に結合し、血圧及び体液量の調節に関与し、心不全、腎不全、高血圧、浮腫などの治療薬として有用である。ブラジキニン拮抗ペプチドは、一般にブラジキニン拮抗作用を有し、高血圧、炎症、とう痛、喘息、敗血症などの治療薬として有用である。
背景技術
直鎖状の生理活性ペプチドの多くは溶液中の立体構造が均一ではなく、また対プロテアーゼ安定性が悪いことが知られている。そこで、これらの点を解決する目的から立体構造の固定を意図した環状ペプチド誘導体が知られている。
例えば、ソマトスタチンの環状ペプチドは、環状化により、直鎖ペプチドに比べ活性上昇、安定性の向上が認められている〔Nature,292,55(1981)〕。
また、ガラニンの部分ペプチドについての環状ペプチドは、立体構造の安定化ははかられているが、活性の著しい減少が認められている〔Int.J.Peptide Protein Res.,38,267(1991)〕。
Arg−Gly−Asp(RGD)配列を有するペプチドはインテグリンの結合に関与していることが知られている。インテグリンを介した細胞接着による病態として血小板血栓、血管再閉塞、骨粗しょう症、炎症などがあり、RGD配列のインテグリンへの結合を阻害するペプチドはこれらの治療薬として有用である〔Endocrinology,132(3),1411(1993),J.Cell Biology,111,1713(1990),J.Bone and Mineral Research,8,239(1993),Science,233,467(1986),組織培養,15(14),486(1989),Br.J.Cancer,60,722(1989),Jpn.J.Cancer Res.,8 1,668(1990),Cell,65,359(1991),Science,260,906(1993),実験医学,10(11),76(1992)〕。
RGD関連ペプチドに関して、下記のヒトフィブロネクチンの部分配列が知られている[Nature 350,66(1991)]。
RGD関連ペプチドに関しては環状ペプチドCyclic(−Arg−Gly−Asp−D−Phe−Val−)はGly−Arg−Gly−Asp−Serに比べ、20〜100倍の活性上昇が認められている〔FEBS Lett.,291,50(1991)〕。
また、自然界でRGD配列を有し、Cys−Cys環状構造を有するヘビ毒ペプチドTrigramin(72残基)〔Biochemistry,28,661(1989)〕、Albolarin(73残基),Flavoridin(65残基)〔Biochemistry,30,5225(1991)〕などが知られており、活性的にはGly−Arg−Gly−Asp−Serの約1000倍近い活性を有している。さらに、これらの部分構造を利用した下記の環状ペプチドが知られている〔特開平5−70364〕。
(式中、XはH、少なくとも一つのアミノ酸残基、YはOH、少なくとも一つのアミノ酸残基、Rは各々、同一または異なるアミノ酸残基である。)
この他、環状Arg−Gly−Asp関連ペプチドに関して、多数の報告がある[Biochem.Biophys.Res.Commun.,177,74(1991),Angew.Chem.,104,341(1992),Tetrahedron Lett.,33,1479(1992),J.Chem.Soc.Perkin Trans.,2,601(1991),Cancer Lett.,65,259(1992),J.Med.Chem.,35,3962(1992),USP 4683291,WO89−05150,EP−A−0319506,EP−A−0341915,特開平4−506803。〕
蛋白質のファルネシル化修飾は、ファルネシルトランスフェラーゼ(FTase)によって触媒されることが知られている。この修飾により活性化されるRas蛋白質は、細胞の分化、増殖の調節に関与しており、何等かの変異により調節を逸脱した場合、細胞が形質転換を起こし癌化すると考えられている。従ってRas蛋白質のファルネシル化修飾を阻害する物質は抗癌剤として有用である。
FTaseは、蛋白質のC末端4残基のアミノ酸配列、Ca1a2X(Cはシステイン残基、a1、a2は脂肪族アミノ酸残基、Xは任意のアミノ酸残基)を特異的に認識し、ファルネシルピロリン酸のファルネシル基をシステイン残基に転移する働きを有する酵素である。
FTaseが認識する配列Ca1a2XをC末に有するペプチドは、FTase阻害剤として多数報告されている[Cell,62,81(1990)、J.Biol.Chem.,265,14701(1990)、ibid.,2 66,15575(1991)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,88,732(1991)、ibid.,89,8313(1992)、特開平6−157589、特開平6−157590、Cell 57,1167(1989)、蛋白質・核酸・酵素(Protein,Nucleic Acid and Enzyme)38,1695(1993)]。
例えば、下記配列を有するペプチドが知られている。
また、これらペプチドの類縁体についても報告がなされている[J.Biol.Chem.,268,18145(1993)、ibid.,26 8,20695(1993)、ibid.,269,12410(1994)、Science,260,1934(1993)、Bio.Med.Chem.Lett.,4,887(1994)]。
FTase阻害ペプチドに関しても、環状化を目的として誘導体化がなされ、10〜50倍の活性の上昇が認められている[Science,260,1937(1993)]。
ヒト心房より見いだされたナトリウム利尿ペプチド(以下、ANPと略記する。)は、2種類の受容体GC−A、GC−Bを介して生理活性を発現することが知られており[Nature,338,78(1989)、Cell,58,1155(1989)、Nature,341,68(1989)]、代表的な作用に利尿、降圧作用が知られている[Life Sci.,28,89(1981)、Biochem.Biophys.Res.Commun.,118,131(1984)、J.Clin.Invest.,84,145(1989)]。従って、ANPアゴニストは降圧利尿剤として有用である。
一方、これらの受容体とは別に、細胞内シグナル伝達ドメインを持たないC受容体の存在も知られており、この受容体はANPが結合しても生理作用を示さず、ANPのクリアランスレセプターとして働いていると考えられている[Science,238,675(1987)、Cellular Signalling,6,125(1994)]。従って、C受容体に結合する物質は、ANPのクリアランスを阻害することにより血中ANP濃度を上昇させることができ、ANPアゴニストと同様の効果を示すと考えられる。
C受容体結合ペプチドは、ANP部分ペプチドと、それらの誘導体を主に、多数報告がなされている["Peptide Regulation of Cardiovascular Function",pp.65−77,Ed.,Imura,Matuo and Masaki,Academic Press(1991)、Eur.J.Pharmacol.,147,49(1988)、J.Med.Chem.,32,869(1989)、J.Biol.Chem.,263,10989(1988)、特表平3−50348、Int.J.Peptide Protein Res.,43,332(1994)、WO94/14839、WO94/14840]。
例えば、"Peptide Regulation of Cardiovascular Function",pp.65−77,Ed.,Imura,Matuo and Masaki,Academic Press(1991)には、下記のヒトANPの8〜15番目のアミノ酸配列を有する部分ペプチド
やヒトANPの7〜18番目のアミノ酸配列を有する部分ペプチドのうち、7および18番目のアミノ酸がアラニンに置換された下記配列を有する誘導体
が知られている。
ANP部分ペプチドに関しても、環状化を目的として誘導体化がなされ、2倍程度の受容体結合活性の上昇が認められている[J.Med.Chem.,32,67(1989)]。
ブラジキニン(以下、BKと略記する。)は、血管収縮、気管支収縮、炎症反応、痛覚伝達など様々な生理作用を有する内因性ペプチドであり、高血圧、炎症、とう痛、喘息、敗血症等の病態に関与する物質の1つと考えられている。従って、BKに拮抗しこの作用を阻害する物質はこれらの病気の治療並びに予防に有用と期待される。
BK拮抗ペプチドに関しては多くの報告がなされている["Small Peptides,Chemistry,Biology and Clinical Studies"pp.83−102,Ed.,A.S.Dutta,Elsevier(1993)、"Peptides,Chemistry,Structure and Biology(Proceedings of the 13th American Peptide Symposium)"pp.349−352,353−355 and 449−451,Ed.,Hodges and Smith,ESCOM(1994)、Bio.Med.Chem.Lett.,4,781(1994)]。例えば、下記配列を有するBK拮抗ペプチドが知られている。
["Peptides,Chemistry,Structure and Biology(Proceedings of the 13th American Peptide Symposium)"pp.349−352,353−355 and 449−451,Ed.,Hodges and Smith,ESCOM(1994)]
また環状のBK拮抗ペプチドも報告されている["Peptides,Chemistry,Structure and Biology(Proceedings of the 13th American Peptide Symposium)"pp.381−383,547−549,550−552 and 687−689,Ed.,Hodges and Smith,ESCOM(1994)]。
しかしながら、本発明で提供される新規ペプチドに関する報告はない。
発明の開示
本発明によれば、下記式(A)で表されるペプチドまたはその薬理学的に許容される塩が提供される。
(式中、Qは生理活性ペプチド残基を表わし、Xは同一または異なったα−アミノ酸残基を表す。MはGlyまたはCysを表わし、mは5〜8、nは0〜3のそれぞれ整数である。)
式Qで表される生理活性ペプチド残基としては、例えば下記式(I)で表される細胞接着阻害作用を有するペプチド残基
(式中、Y1およびZ1はα−アミノ酸残基を表わし、W1はヒドロキシ、低級アルコキシまたはアミノを表わす。p1は0〜5、q1は0〜10のそれぞれ整数である。p1が2以上の場合のY1およびq1が2以上の場合のZ1で表わされるα−アミノ酸残基は同一または異なっていてもよい。)、下記式(II)で表される蛋白質ファルネシル化酵素阻害ペプチド残基
(式中、A2、B2およびC2はα−アミノ酸残基を表わし、p2は0〜8の整数を表わし、Y2およびW2は前記Y1およびW1と同義である。p2が2以上の場合のY2で表されるα−アミノ酸残基は同一または異なっていてもよい。)、下記式(III)で表される心房性ナトリウム利尿ペプチド受容体結合ペプチド残基
(式中、p3は0〜1の整数であり、W3は前記W1と同義である。A3は、Phe、Gly、Phe−Gly、Gly−Gly、Phe−Gly−Glyまたは単結合を表し、B3およびB3aは、同一または異なってArgまたはD−Argを表し、C3およびC3aは、同一または異なってIleまたは(N−Me)Ileを表し、D3は、Gly、Ala、Gly−Ala、Ala−Ala、Gly−Ala−Alaまたは単結合を表す。)または下記式(IV)で表されるブラジキニン拮抗ペプチド残基などがあげられる。
(式中、A4はArg、D−Argまたは単結合を表し、B4はヒドロキシプロリンまたはProを表し、C4はSerまたはCysを表し、W4は前記W1と同義である。)
以下、上記式(A)で表わされるペプチド化合物を化合物(A)という。
上記式(A)、(I)、(II)、(III)および(IV)の定義において、低級アルコキシのアルキル部分としては、直鎖もしくは分岐状の炭素数1〜6の、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル等があげられる。
α−アミノ酸残基としては、D−もしくはL−体のアラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、アルギニン、システイン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリンおよびグリシンなどの天然型アミノ酸の各残基または合成的手法により得られる非天然型アミノ酸の各残基があげられる。
上記式(A)の定義において、−(X)m−としては、例えば、−X1−Trp−X2−Gly−Thr−Ala−X3−(式中、X1はAsnまたはAspを表し、X2はHisまたはLysを表し、X3はProまたはAlaを表す。)、−Ser−Ala−Ala−Val−Tyr−Phe−、−Phe−Ile−Gly−Trp−Gly−Asn−、−Tyr−Pro−Trp−Trp−Asn−Tyr−Arg−、−Leu−Gly−Val−Gly−Ser−X4−Asn−(式中、X4はCys、AlaまたはSerを表す。)などがあげられる。
式(I)の定義において、−(Y1)p1−としては、例えば、−Gly−、−Pro−、−Cys−、−Arg−、−Lys−、−Arg−Ala−、−Phe−Pro−、−Pro−Lys−、−Gly−Arg−、−Ile−Pro−、−Met−Thr−、−Leu−Phe−、−Gly−Ser−Arg−、−Val−Thr−Gly−、−Ile−Cys−Lys−Arg−Ala−、−Ile−Ser−Lys−Arg−Ala−、−Ile−Ala−Lys−Arg−Ala−、−Tyr−Ile−Gly−Ser−Arg−、−Tyr−Ala−Val−Thr−Gly−、−Val−Tyr−Ala−Val−Thr−Gly−、−Lys−Gly−Thr−Ile−Cys−Arg−Arg−Ala−などがあげられ、−(Z1)q1−としては、例えば、−Asp−、−Leu−、−Ile−、−Phe−、−Trp−、−Asp−Asp−、−Thr−Pro−、−Phe−Val−、−Phe−Leu−、−Ser−Lys−、−Phe−Gly−、−Ser−Pro−、−Cys−Leu−、−Leu−Pro−、−Leu−Arg−、−Leu−Gly−、−Gly−Trp−、−Gly−Phe−、−Phe−Val−Ala−、−Phe−Val−Gly−、−Phe−Pro−Gly−、−Phe−Leu−Ala−、−Phe−Leu−Gly−、−Ser−Pro−Ala−、−Arg−Pro−Gly−、−Ser−Trp−Gly−、−Leu−His−Leu−、−Phe−Trp−Gln−、−Leu−Trp−Thr−、−Gly−Trp−Leu−、−Ser−Pro−Cys−Ala−、−Ser−Pro−Ser−Ala−、−Gly−Phe−Gly−Ser−、−Asp−Leu−Asp−Asp−Tyr−、−Asp−Asp−Met−Asp−Asp−Tyr−、−Asp−Asp−Gly−Asp−Asp−Tyr−、−Asp−Asp−Ser−Asp−Asp−Tyr−、−Ser−Pro−Ala−Ser−Ser−Lys−、−Asp−Leu−Asp−Asp−Tyr−Cys−Asn−、−Asp−Leu−Asp−Asp−Tyr−Ser−Asn−などがあげられる。
式(II)の定義において、A2およびB2としては、脂肪族アミノ酸残基または芳香族アミノ酸残基が好ましく、例えば、Val、Ile、Leu、Pheなどのアミノ酸残基があげられる。また、C2としては、例えば、Met、Ser、Leu、Gln、Asnなどのアミノ酸残基があげられる。−(Y2)p2−としては、例えば、−Ser−Ser−Gly−、−Ser−Met−Gly−Leu−Pro−、−Gly−Ser−Met−Ser−Cys−Lys−、−Gly−Ala−Met−Ser−Cys−Lys−、−Cys−Val−Lys−Ile−Lys−Lys−、−Lys−Lys−Ser−Lys−Thr−Lys−、−Lys−Lys−Ser−Arg−Thr−Arg−、−Gly−Cys−Met−Gly−Leu−Pro−、−Gly−Cys−Met−Gly−Ser−Pro−、−Gly−Lys−Lys−Lys−Ser−Gly−、−Asn−Gly−Cys−Ile−Asn−Cys−、−Asn−Lys−Arg−Arg−Arg−Gly−、−Lys−Pro−Lys−Lys−Lys−Ser−、−Ala−Arg−Lys−Lys−Ser−Ser−、−Asp−Pro−Cys−Cys−Ser−Ala−、−Lys−Lys−Arg−Lys−Arg−Lys−、−Arg−Gln−Gln−Lys−Arg−Ala−、−Lys−Arg−Ile−Arg−Glu−Arg−、−Lys−Ser−Phe−Lys−Glu−Arg−、−Gln−Pro−Thr−Arg−Asn−Gln−、−Thr−Gln−Ser−Pro−Gln−Asn−、−Ala−Pro−Ala−Pro−Gln−Cys−、−Gln−Val−Ala−Pro−Gln−Asn−、−Lys−Ser−Gly−Asn−Lys−Asn−、−Arg−Ala−Trp−Asn−Lys−Ser−、−Arg−Lys−Pro−Glu−Arg−Ser−、−Arg−Thr−Thr−Ser−Arg−Gly−、−Arg−Glu−Lys−Lys−Phe−Phe−、−Lys−Glu−Leu−Lys−Gly−Gly−、−Asp−Lys−Lys−Ser−Lys−Thr−、−Gly−Pro−Ala−Ser−Lys−Ser−などがあげられる。
化合物(A)の薬理学的に許容される塩としては、酸付加塩、金属塩、有機塩基付加塩があげられる。薬理上許容される酸付加塩の例としては、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の有機酸塩があげられ、薬理上許容される金属塩の例としてはナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等があげられる。薬理上許容される有機塩基の例としてはメチルアミン、エチルアミン、アニリン等の一級アミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン等の二級アミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン等の三級アミンおよびアンモニア等があげられる。
本発明において使用したアミノ酸及びその保護基に関する略号は、生化学命名に関するIUPAC−IUB委員会(IUPAC−IUB Joint Commission on Biochemical Nomenclature)の勧告〔Eur.J.Biochem.,138,9(1984)〕に従った。
以下の略号は、特にことわらない限り対応する下記のアミノ酸及び保護基を表す。
Gly;グリシン
Ala;L−アラニン
Thr;L−スレオニン
Pro;L−プロリン
Asp;L−アスパラギン酸
Asn;L−アスパラギン
Asx;L−アスパラギン酸またはL−アスパラギン
His;L−ヒスチジン
Tyr;L−チロシン
Trp;L−トリプトファン
Val;L−バリン
Ser;L−セリン
Leu;L−ロイシン
Ile;L−イソロイシン
Met;L−メチオニン
Cys;L−システイン
Phe;L−フェニルアラニン
Arg;L−アルギニン
D−Arg;D−アルギニン
D−Phe;D−フェニルアラニン
(N−Me)Ile;N−メチル−L−イソロイシン
Hyp;トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリン
Fmoc;9−フルオレニルメチルオキシカルボニル
Boc;t−ブチルオキシカルボニル
t−Bu;t−ブチル
Bzl;ベンジル
CHO;ホルミル
Bom;ベンジルオキシメチル
Pmc;2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルフォニル
Trt;トリチル
Wang Resin;4−(ヒドロキシメチル)フェノキシメチル−樹脂
Rink Amide HBHA Resin;4−{2',4'−ジメトキシフェニル−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)アミノメチル}フェノキシアセトアミドノルロイシル−(4−メチル−ベンズヒドリルアミン)−樹脂
以下の略号は対応する下記の側鎖保護アミノ酸を表す。
Fmoc−Hyp(t−Bu)−OH;Nα−9−フルオレニルメチルオキシカルボニル−O−t−ブチル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリン
Fmoc−His(Trt)−OH;Nα−9−フルオレニルメチルオキシカルボニル−Nim−トリチル−L−ヒスチジン
Fmoc−Asn(Trt)−OH;Nα−9−フルオレニルメチルオキシカルボニル−Nγ−トリチル−L−アスパラギン
Fmoc−Cys(Trt)−OH;Nα−9−フルオレニルメチルオキシカルボニル−S−トリチル−L−システイン
Fmoc−(N−Me)Ile−OH;Nα−9−フルオレニルメチルオキシカルボニル−N−メチル−L−イソロイシン
Fmoc−Asp−(Ot−Bu)−OH;Nα−9−フルオレニルメチルオキシカルボニル−L−アスパラギン酸−β−t−ブチルエステル
Fmoc−Tyr(t−Bu)−OH;Nα−9−フルオレニルメチルオキシカルボニル−O−t−ブチル−L−チロシン
Fmoc−Thr(t−Bu)−OH;Nα−9−フルオレニルメチルオキシカルボニル−O−t−ブチル−L−スレオニン
Fmoc−Ser(t−Bu)−OH;Nα−9−フルオレニルメチルオキシカルボニル−O−t−ブチル−L−セリン
Fmoc−Arg(Pmc)−OH;Nα−9−フルオレニルメチルオキシカルボニル−N−2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルフォニル−L−アルギニン
Boc−Thr(Bzl)−OH;Nα−t−ブチルオキシカルボニル−O−ベンジル−L−スレオニン
Boc−His(Bom)−OH;Nα−t−ブチルオキシカルボニル−Nim−ベンジルオキシメチル−L−ヒスチジン
Boc−Trp(CHO)−OH;Nα−t−ブチルオキシカルボニル−Nind−ホルミル−L−トリプトファン
H−Trp−OBzl;L−トリプトファン ベンジルエステル
以下の略号は、対応する下記の反応溶媒及び反応試薬を表す。
PyBOP;ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノフォスフォニウム ヘキサフルオロフォスフェート
HOBt;N−ヒドロキシベンゾトリアゾール
NMM;N−メチルモルホリン
DCC;ジシクロヘキシルカルボジイミド
HONSu;N−ヒドロキシスクシンイミド
DMF;N,N−ジメチルホルムアミド
TFA;トリフルオロ酢酸
PBS;リン酸緩衝生理食塩水
DCM;ジクロロメタン
DIEA;ジイソプロピルカルボジイミド
DEPC;ジエチルリン酸シアニド
Pd/C;パラジウム/炭素触媒
TCA;トリクロロ酢酸
PMSF;フェニルメタンスルホニルフルオリド
DMSO;ジメチルスルホキシド
PyBroP;ブロモトリピロリジノフォスフォニウム ヘキサフルオロフォスフェート
DTT;ジチオスレイトール
SDS;ドデシル硫酸ナトリウム
化合物(A)の製造法について説明する。
化合物(A)中の環状ペプチドは、適当に側鎖保護した部分ペプチドをペプチド合成機あるいは一般的な液相ペプチド合成法(“ペプチド合成の基礎と実験”泉屋信夫ら、丸善)にしたがって合成し、PyBOP等の縮合剤を用いた環化反応により得られる。さらにペプチド合成機あるいは液相合成法を用い、あるいは両法を適宜組合わせて得られるC末側直鎖ペプチドと上記環状ペプチドとを縮合することにより化合物(A)を得ることができる。
ペプチド合成機によるペプチドの合成は、Applied Biosystems,Inc.,U.S.A.(ABI社)製ペプチド合成機又は島津製作所製ペプチド合成機上で、適当に側鎖保護したNα−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸等を用いるか、あるいは適当に側鎖保護したNα−9−フルオレニルメチルオキシカルボニルアミノ酸等を用い、同社の合成プログラムに従い、実施することができる。
化合物(A)の原料となる保護アミノ酸は、ABI社、島津製作所、国産化学(株)、Nova biochem社、ペプチド研究所(株)および渡辺化学(株)から入手することができる。
このようにして得られた化合物(A)はC−4,C−8あるいはC−18逆相シリカゲルカラムを用いた高速液体クロマトグラフィー(以下、HPLCと言う)あるいは分配、吸着樹脂、シリカゲル、化学修飾シリカゲル、逆相シリカゲル、アルミナ、珪藻土、珪酸マグネシウム、イオン交換樹脂、あるいはゲル濾過等のカラムクロマトグラフィーもしくは薄層クロマトグラフィーにより精製することができる。
化合物(A)の薬理学的に許容される塩を取得するときは常法に従う。すなわち、化合物(A)の酸付加塩および有機塩基付加塩は、対応する酸あるいは有機塩基の水溶液に化合物(A)を溶解し、凍結乾燥することによって得られる。また化合物(A)の金属塩は、対応する金属イオンを含む水溶液に化合物(A)を溶解しゲル濾過もしくはHPLCで精製することによって得られる。
次に化合物(A)の具体例を第1表に示す。
次に化合物(A)の生理活性および蛋白質分解酵素に対する安定性を示す。
試験例1 生理活性
(1) 細胞接着阻害作用
96wells Flat bottomプレート(住友ベークライト)に、マウスフィブロネクチン(テリオス社)50μl/well(5μg/ml培養液)を加えて室温で2時間のコーティングを行った。ここに試験化合物として、PBSに溶解した化合物1または化合物bを図1に示す各濃度で加え、次に、ビオチン標識したB16−F10(mouse melanoma)細胞を加えて、37℃、30分間のインキュベートを行った。反応後、未接着の細胞を吸引法により除き、0.25%グルタールアルデヒド/PBSにより接着細胞を固定した。固定後、Tween−PBSで洗浄し、Peroxidase標識アビジンD(VECTOR社)を加え室温で1時間反応させ、以下、Tween−PBSによる洗浄、ABTS溶液による発色後、NJ−2001(日本インターメッド社)でOD415での吸光度を比色測定した。
測定した吸光度より、下記の式にしたがって細胞接着阻害率を計算した。
未接着細胞の洗浄操作はエッペンドルフピペットによる注入(未固定のため、洗浄は培養液で行った)と先端に18G注射針をつけた吸引装置を用いて行った(およそ3〜5回の吸引操作で未接着の細胞は除かれる)。また、その他の洗浄操作はエッペンドルフによる注入とデカントによる除去で行った。
なお、細胞のビオチン標識は、以下の方法により行った。
NHS−LC−Biotin(PIERCE社)0.2〜0.5mgを1mlのPBSに溶解後、血球系細胞1〜2×107cells/ml培養液と混合し、室温で30分間のインキュベートを行った。反応後、PBSで3回洗浄して未標識のビオチンを除き、ビオチン標識細胞を調製した。
結果を図1に示す。化合物bが細胞接着を50%阻害する濃度(IC50)は、1130μMであったが、化合物1では、IC50は290μMであった。
同様の試験を、化合物2および化合物cについて行った。結果を図2に示す。両化合物は、ほぼ同等の細胞接着阻害活性を示した。
(2) コラーゲン刺激による血小板凝集に対する阻害作用
白ウサギ(オス、2kg)より、3.8%クエン酸ナトリウム:血液(1:9)で心臓採血し、900r.p.m.で遠心した上清を多血小板血清(Platelet−Rich Plasma,PRP)として、また、上清を採取した後の下層を2500r.p.m.で遠心し、その上清を乏血小板血清(Platelet−Poor Plasma,PPP)としてそれぞれ実験に供した。血小板凝集率は、エルマ光学(株)製血小板凝集測定装置TE−500を用いて測定した。凝集率の基準としては、PRP自身の測定値を凝集率0%に、PPP自身の測定値を凝集率100%に設定した。試験化合物(化合物1及び化合物b)溶液は、最終濃度が1、0.3、0.1mMとなるように調製した。
キュベットにコントロールとして再蒸留水、または試験化合物溶液を10μlと、PRP200μlを加え3分間プレインキュベートした後、最終濃度10μg/mlとなるように調製したコラーゲンを10μl添加し、凝集率を測定した。結果を第2表に示す。
(3) 蛋白質ファルネシル化酵素阻害作用(1)
Ras蛋白質を基質とした系
牛の脳から調製した蛋白質ファルネシル化酵素を用いて、Ras蛋白質(v−Ki−Ras p21)に転移された[3H]ファルネシルジホスフェート(Amersham 20Ci/mmol)の量を、液体シンチレーションカウンターで放射線量を測定することにより定量した。反応液は50μl中にv−Ki−Ras p21(2μg)、[3H]ファルネシルジホスフェート(0.1μM)、50mM トリスー塩酸(Tris−HCl)(pH7.5)、20mM KC1、10mM MgCl2、5mM DTT、以下に示す方法で得た蛋白質ファルネシル化酵素1.5μg及び試験化合物(5μlDMSO溶液)を含むように調製した。具体的方法としては、[3H]ファルネシルジホスフェートを除く上記の反応液を37℃で3分間プレインキュベートした後[3H]ファルネシルジホスフェートを加えることにより反応を開始させた。37℃で30分間反応させた後、4%SDSの0.5mlを添加して反応を止め、30%TCA 0.5mlを加えて、氷中に60分間放置し変性した蛋白質を吸引濾過(ADVANTEC MULTI FILTER MF12G)によりガラスフィルター(Whatman GF/C 2.4cm)に吸着させた。反応に使用した容器を2mlの2%SDS/5%TCAで2回、ガラスフィルターを2mlの6%TCAで5回洗浄後、30分間乾燥させ、シンチレーション液6mlと混合し、液体シンチレーションカウンターで放射線量を測定した。
測定した放射線量より、以下の式にしたがって酵素阻害率を計算した。
アッセイの基質としたv−Ki−Ras p21は大腸菌を用いて発現させ、顆粒状となったものを、3.5M塩酸グアニジン、50mM Tris−HCl(pH7.5)、1mM エチレンジアミン四酢酸(EDTA)で可溶化し、原ら[Oncogene research,2,325−333(1988)]の方法に従って精製して使用した。
アッセイに用いた蛋白質ファルネシル化酵素は下記の方法[J.Biol.Chem.,266,14603−10(1991)]により牛の脳より調製した。
牛の脳300gを、50mM Tris−HCl(pH8.0)、1mM EDTA、1mM MgCl2、5mM DTT、2μg/ml ロイペプチン(Leupeptin)、2μg/ml アンチパイン(Antipain)、0.2mM PMSFを含有する緩衝液2l中でホモジナイズし、10,000×gで1時間遠心分離した。その上清をさらに33,000×gで2時間遠心分離して得られた上清を、上記緩衝液であらかじめ平衡化しておいたDEAE−Sephacelカラム(カラム容積500ml)に通塔した。その後カラムを同緩衝液で洗浄してから同緩衝液中NaCl0〜500mM 1l+1lの直線勾配で蛋白質を溶出した。溶出された各フラクションについて酵素活性を測定し、活性画分を濃縮後、20mM Tris−HCl(pH8.0)、50mM NaCl、20mM ZnCl2、0.2mM PMSFを含む緩衝液に対して透析したものを部分精製標品としてアッセイに用いた。結果を第3表に示す。
(4) 蛋白質ファルネシル化酵素阻害作用(2)
SPA enzyme assay kitを利用した系
Farnesyl transferase[3H]−SPA enzyme assay kit(Amersham社)と試験例1(3)で用いた蛋白質ファルネシル化酵素とを用いて、biotin−lamin−B peptideに対する[3H]ファルネシルジホスフェートの取り込みを測定した。kitの使用方法は、添付の説明書に従い、試験例1(3)と同様に酵素阻害率を計算した。結果を第4表に示す。
(5) 牛肺臓ANPレセプターへのANPの結合に対する阻害作用
牛肺臓組織を4℃で緩衝液A(1mM NaHCO3、5mM EDTA、5μg/ml ロイペプチン、5μg/ml ペプスタチンA、40μM PMSF、pH8.3)中ポリトロン(タイプPT10/35 Kinematica Gmbh社)を用いて均質化した。
得られた懸濁液を4℃で8,000×g、10分間遠心分離し、上清液を得た。得られた上清液を4℃、40,000×gで更に60分間遠心分離し、固形物を得た。得られた固形物を緩衝液Aに懸濁し、再び4℃で40,000×g、60分間遠心分離した。得られた固形物をタンパク質含量が2mg/mlになるように懸濁し、膜画分液とした。
緩衝液B(50mM Tris−HCl、1mM EDTA、0.2%牛血清アルブミン、pH7.6)1mlあたり膜画分液12.5μlを加えて膜画分溶液を調製した。
非標識ラットANP(最終濃度1μM)添加または試験化合物添加またはどちらも無添加の膜画分溶液に125I−ラットANP(約30,000cpm)を加えた。これらの混合物を25℃で2時間インキュベートした後、予め0.3%ポリエチレンイミンに浸したグラスフィルターGF/B(Whattman社)で濾過した。フィルターを緩衝液C(50mM Tri−HCl、1mM EDTA、pH7.6)で洗浄後、グラスフィルター上の放射活性を測定して、受容体および非特異的に結合した125I−ラットANP量を測定し、以下の式にしたがってラットANP受容体結合阻害率を計算した。
結果を第5表に示す。
(6) BK受容体結合阻害作用
モルモット回腸BKレセプターへのBKの結合に対する阻害作用
モルモット回腸組織を4℃で緩衝液A〔25mM N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸−NaOH、pH6.8〕中ポリトロン(タイプPT10/35 Kinematica Gmbh社)を用いて均質化した。
得られた懸濁液を4℃、8,000×gで10分間遠心分離し、上清液を得た。得られた上清液を4℃、40,000×gで更に60分間遠心分離し、固形物を得た。得られた固形物を緩衝液Aに懸濁し、再び4℃、40,000×gで60分間遠心分離した。得られた固形物をタンパク質含量が2mg/mlになるように懸濁溶液として調製し、膜画分液とした。
緩衝液B(25mM N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸−NaOH、0.1%牛血清アルブミン、0.014%バシトラシン、pH6.8)1mlあたり膜画分液12.5μlを加えて膜画分溶液を調製した。
非標識BK(最終濃度1μM)添加または被験薬添加またはどちらも無添加の膜画分溶液に3H−BK(200pM)を加えた。これら混合物を25℃で1.5時間インキュベートした後、前もって0.3%ポリエチレンイミンに浸したグラスフィルターGF/B(Whattman社)で濾過した。フィルターを緩衝液C(50mM Tris−HCl、1mM EDTA、pH7.6)で洗浄後、グラフフィルター上の放射活性を液体シンチレーションカウンター(LSC3500、アロカ社)で測定して、受容体および非特異的に結合した。3H−BK量を測定し、以下の式にしたがってモルモットBK受容体結合阻害率を計算した。
結果を第6表に示す。
試験例2 トリプシンに対する安定性
化合物1または化合物bを、0.01%のアジ化ナトリウム及び0.1mMの塩化カルシウムを含むpH7.2のPBS(−)緩衝液を用いて、25μg/mlの濃度の溶液に調製した後、化合物1またはbに対し重量比で20分の1量のトリプシン(SIGMA社)を加え、37℃の恒温槽中でインキュバーし、経時的に一定量を採取した。採取液の分析は、逆相カラム(YMC−Pack ODS−AM 150×6mmI.D.)を用いたHPLCを用いて行い、0.1%TFAを含む0%〜45%アセトニトリルを用いた30分間の直線濃度勾配で溶出し、220nmでの吸光度により検出した。
経時的な分析値は、トリプシン未処理の化合物1、bのピーク高さを100%とし、これに対する相対値として化合物1およびbの残存率を計算した。結果を図3に示す。化合物bは、半減期が2時間以内であるのに対し、化合物1は、9時間後も約60%が残存していた。
試験例3 α−キモトリプシンに対する安定性
化合物2または化合物cを0.01%のアジ化ナトリウム及び0.1mMの塩化カルシウムを含むpH7.2のPBS(−)緩衝液を用いて、25μg/mlの濃度の溶液に調製した後、化合物2またはcに対し重量比で10分の1量のα−キモトリプシン(SIGMA社)とNα−p−トシル−L−リジン クロロメチルケトン(SIGMA社)を加え、37℃の恒温槽中でインキュベートし、経時的に一定量を採取した。採取液の分析は、逆相カラム(YMC−Pack ODS−AM 150×6mmI.D.)を用いたHPLCを用いて行い、0.1%TFAを含む0%〜45%アセトニトリルを用いた30分間の直線濃度勾配で溶出し、220nmでの吸光度により検出した。
経時的な分析値は、α−キモトリプシン未処理の化合物2、cのピーク高さを100%とし、これに対する相対値として化合物2およびcの残存率を計算した。結果を図4に示す。化合物cは、半減期が1時間以内であるのに対し、化合物2は、6時間後も約95%が残存していた。
試験例4 プロリルエンドペプチダーゼに対する安定性
化合物3または化合物dを、0.01%のアジ化ナトリウム、0.1mMの塩化カルシウム及び0.5mMのDTTを含むpH7.2のPBS(−)緩衝液を用いて、25μg/mlの濃度の溶液に調整した後、化合物3またはdに対し重量比で500分の1量のプロリルエンドペプチダーゼ(生化学工業)を加え、37℃の恒温槽中でインキュベートし、経時的に一定量を採取した。採取液の分析は逆相カラム(YMC−Pack ODS−AM 150×6mmI.D.)を用いたHPLCを用いて行い、0.1%TFAを含む0〜45%アセトニトリルを用いた30分間の直線濃度勾配で溶出し、220nmでの吸光度により検出した。
経時的な分析値は、プロリルエンドペプチダーゼ未処理の化合物3、dのピーク高さを100%とし、これに対する相対値として化合物3およびdの残存率を計算した。結果を図5に示す。化合物dは、半減期が1時間以内であるのに対し、化合物3は、7時間後も約60%が残存していた。
同様の試験を化合物5および化合物fについて行った。その結果を図6に示す。化合物fは1時間後に残存率が12%であったのに対し、化合物5は63%が残存していた。
【図面の簡単な説明】
図1は、化合物1および化合物bの各濃度における細胞接着阻害率を示す。
図2は、化合物2および化合物cの各濃度における細胞接着阻害率を示す。
図3は、化合物1および化合物bのトリプシンに対する安定性を残存率で示す。
図4は、化合物2および化合物cのα−キモトリプシンに対する安定性を残存率で示す。
図5は、化合物3および化合物dのプロリルエンドペプチダーゼに対する安定性を残存率で示す。
図6は、化合物5および化合物fのプロリルエンドペプチダーゼに対する安定性を残存率で示す。
発明を実施するための最良の形態
以下の実施例において、化合物の理化学的性質は以下の機器により測定した。
マススペクトル:日本電子JMS−SX102A(FAB法により測定)
アミノ酸分析はBidlingmeyer.B.A.等[J.Chromatogr.,336,93(1984)]の方法で実施した。加水分解は塩酸蒸気中110℃で22時間実施した。加水分解物のアミノ酸組成はWaters Pico Tagアミノ酸分析計で分析した。なお、実測値はAlaの値を1.00として表した。
実施例1 化合物1の合成
参考例1で得られた化合物a3.4mgを0.49mlのDMFに溶解し、氷冷下でPyBOP3.1mg、HOBt0.8mg、NMM0.99μlを加え氷冷下のまま20分間放置した。ここに、参考例2で得られた、ペプチドの結合した担体樹脂のうち25mgを加えて、4℃で21時間攪拌した。担体樹脂を濾取し、メタノール、ブチルエーテルで洗浄後、減圧下1時間乾燥した。得られた樹脂に、2−メチルインドールを5mg/mlの割合で含む、82.5%TFA、5%チオアニソール、5%水、3%エチルメチルスルフィド、2.5%1,2−エタンジチオール、2%チオフェノールの混合溶液150μlを加えて室温で7時間放置し、側鎖保護基を除去するとともに樹脂よりペプチドを切り出した。次いで樹脂を濾別し、得られた溶液におよそ10mlのエーテルを加え、生じる沈澱を粗ペプチドとして得た。これを参考例2と同様HPLCで精製し、化合物1を0.9mg得た。
質量分析[FABMS]:1962(M+H)
アミノ酸分析:Asx2.9(3),Gly4.8(4),Thr1.9(2),Ala2.0(2),Pro1.9(2),Val1.0(1),His0.8(1)、Arg1.1(1),Ser1.4(1),Trpは分析せず
実施例2 化合物2の合成
参考例1で得られた化合物a2.24mgを1mlのDMFに溶解し、氷冷下でPyBOP1.04mg、HOBt0.27mg、NMM0.22μlの各10μlDMF溶液を加え氷冷下のまま15分間、室温で10分間放置した。この溶液を再び氷冷した後、参考例3で得られた化合物c3.57mgの0.5mlDMF溶液を加えて、4℃で16時間、室温で3時間攪拌した。これを再び氷冷し、上記と等量のPyBOP、HOBt、NMMのDMF溶液を加え、氷冷下のまま30分間放置後、化合物c3.57mgを加え、4℃で51時間、室温で4時間攪拌した。2M酢酸で中和した後、参考例2と同様HPLCで精製し、化合物2を3.0mg得た。
質量分析[FABMS]:2294(M+H)
アミノ酸分析:Asx2.4(3),Gly4.2(4),Thr1.9(2),Ala3.0(3),Pro1.9(2),Val1.8(2),His1.0(1),Arg1.0(1),Ser0.9(1),Tyr0.9(1),Trpは分析せず
実施例3 化合物3の合成
参考例1で得られた化合物a5.6mgを0.91mlのDMFに溶解し、氷冷下でPyBOP5.3mg、HOBt1.4mg、NMM1.6μlを加え氷冷下のまま20分間放置した。ここに、参考例4で得られた、ペプチドの結合した担体樹脂のうち40mgを加えて、4℃で24時間攪拌した。担体樹脂を濾取し、メタノール、ブチルエーテルで洗浄後、減圧下1時間乾燥した。得られた樹脂に、2−メチルインドールを5mg/mlの割合で含む、90%TFA、5%チオアニソール、5%1,2−エタンジチオールの混合溶液200μlを加えて室温で2時間放置し、側鎖保護基を除去するとともに樹脂よりペプチドを切り出した。次いで樹脂を濾別し、得られた溶液におよそ2mlのエーテルを加え、生じる沈澱を粗ペプチドとして得た。これを参考例2と同様HPLCで精製し、化合物3を0.24mg得た。
質量分析[FABMS]:2039(M+H)
アミノ酸分析:Asx1.2(2),Gly3.0(3),Thr1.0(1),Ala0.9(1),Pro1.7(2),Val1.3(2),His0.9(1),Met1.7(2),Ser1.1(1),Leu1.0(1),Cys,Trpは分析せず
実施例4 化合物4の合成
参考例1で得られた化合物a3.5mgを0.95mlのDMFに溶解し、氷冷下でPyBOP3.3mg、HOBt0.9mg、NMM1.0μlを加え氷冷下のまま1時間放置した。ここに、参考例5で得られた、ペプチドの結合した担体樹脂のうち15.1mgを加えて、4℃で24時間攪拌した。担体樹脂を濾取し、実施例3と同様に洗浄、乾燥、ペプチドの切り出し及びHPLCによる精製を行い、化合物4を1.9mg得た。
質量分析[FABMS]:1755(M+H)
アミノ酸分析:Asx0.6(2),Gly2.7(3),Thr0.8(1),Ala0.9(1),Pro0.9(1),Val0.8(1),His0.7(1),Leu1.0(1),Ser2.5(3),Cys,Trpは分析せず
実施例5 化合物5の合成
参考例1で得られた化合物a9.71mgを0.76mlのDMFに溶解し、氷冷下でPyBOP9.0mg、HOBt2.65mg、NMM2.85μlを加え氷冷下のまま20分間放置した。ここに、参考例6で得られた、ペプチドの結合した担体樹脂のうち40.3mgを加えて、4℃で24時間攪拌した。担体樹脂を濾取し、実施例3と同様に洗浄、乾燥、ペプチドの切り出し及びHPLCによる精製を行い、化合物5を8.9mg得た。
質量分析[FABMS]:2101(M+H)
アミノ酸分析:Asx1.3(2)、Ser1.1(1)、Gly3.2(3)、His0.9(1)、Ala1.0(1)、Pro2.1(2)、Met2.0(2)、Ile0.9(1)、Leu1.2(1)、Phe1.0(1)、Trp、Cysは分析せず
実施例6 化合物6の合成
参考例1で得られた化合物a4.0mgを0.65mlのDMFに溶解し、氷冷下でPyBOP3.7mg、HOBt1.0mg、NMM1.2μlを加え氷冷下のまま20分間放置した。ここに、参考例7で得られた、ペプチドの結合した担体樹脂のうち43.1mgを加えて、4℃で24時間攪拌した。担体樹脂を濾取し、メタノール、ブチルエーテルで洗浄後、減圧下1時間乾燥した。得られた樹脂に、2−メチルインドールを5mg/mlの割合で含む、82.5%TFA、5%水、5%チオアニソール、2.5%1,2−エタンジチオール、3%エチルメチルサルファイド、2%チオフェノールの混合溶液200μlを加えて室温で6時間放置し、側鎖保護基を除去するとともに樹脂よりペプチドを切り出した。次いで樹脂を濾別し、得られた溶液におよそ2mlのエーテルを加え、生じる沈澱を粗ペプチドとして取得した。これを参考例2と同様HPLCで精製し、化合物6を1.3mg得た。
質量分析[FABMS]:2035(M+H)
アミノ酸分析:Asx1.6(3)、Gly3.8(4)、His0.9(1)、Arg1.7(2)、Thr1.0(1)、Ala1.0(1)、Pro0.9(1)、Ile1.8(2)、Phe0.8(1)、Trpは分析せず
実施例7 化合物7の合成
参考例1で得られた化合物a3.8mgを0.62mlのDMFに溶解し、氷冷下でPyBOP3.5mg、HOBt0.9mg、NMM1.1μlを加え氷冷下のまま20分間放置した。ここに、参考例8で得られた、ペプチドの結合した担体樹脂のうち48.9mgを加えて、4℃で24時間、さらに室温で24時間攪拌した。担体樹脂を濾別し、濾液に氷冷下でPyBOP1.8mg、HOBt0.5mg、NMM0.4μlを加え2時間放置後、再び濾別した担体樹脂を加えて4℃で24時間攪拌した。担体樹脂を濾取し、実施例6と同様に洗浄、乾燥後、ペプチドの切り出し及びHPLCによる精製を行い、化合物7を1.3mg得た。
質量分析[FABMS]:2305(M+H)
アミノ酸分析:Asx2.3(3)、Gly5.3(5)、His0.9(1)、Arg1.9(2)、Thr1.0(1)、Ala4.0(4)、Pro1.0(1)、Ile2.0(2)、Phe1.0(1)、Trpは分析せず
実施例8 化合物8の合成
参考例1で得られた化合物a1.0mgを0.22mlのDMFに溶解し、氷冷下でPyBOP0.94mg、HOBt0.24mg、NMM0.3μlを加え氷冷下のまま20分間放置した。ここに、参考例9で得られた、ペプチドの結合した担体樹脂のうち3.53mgを加えて、4℃で48時間攪拌した。担体樹脂を濾取し、実施例6と同様に洗浄、乾燥後、ペプチドの切り出し及びHPLCによる精製を行い、化合物8を21μg得た。
質量分析[FABMS]:2035(M+H)
アミノ酸分析:Asx2.2(3)、Gly4.1(4)、His0.9(1)、Arg1.7(2)、Thr1.1(1)、Ala1.0(1)、Pro1.0(1)、Ile1.9(2)、Phe0.8(1)、Trpは分析せず
実施例9 化合物9の合成
参考例1で得られた化合物a7.56mgを1.46mlのDMFに溶解し、氷冷下でPyBOP7.10mg、HOBt1.81mg、NMM2.27μlを加え氷冷下のまま20分間放置した。ここに、参考例10で得られた、ペプチドの結合した担体樹脂のうち65mgを加えて、4℃で24時間攪拌した。担体樹脂を濾取し、実施例6と同様に洗浄、乾燥後、ペプチドの切り出し及びHPLCによる精製を行い、化合物9を0.5mg得た。
質量分析[FABMS]:2.35(M+H)
アミノ酸分析:Asx2.3(3)、Gly4.1(4)、His1.0(1)、Arg1.8(2)、Thr1.0(1)、Ala1.0(1)、Pro1.0(1)、Ile2.0(2)、Phe1.0(1)、Trpは分析せず
実施例10 化合物10の合成
参考例1で得られた化合物a7.63mgを0.597mlのDMFに溶解し、氷冷下でPyBOP7.08mg、HOBt2.08mg、NMM2.24μlを加え氷冷下のまま20分間放置した。ここに、参考例11で得られた、ペプチドの結合した担体樹脂のうち38.35mgを加えて、4℃で24時間攪拌した。担体樹脂を濾取し、実施例6と同様に洗浄、乾燥後、ペプチドの切り出し及びHPLCによる精製を行い、化合物10を1.8mg得た。
質量分析[FABMS]:2.49(M+H)
アミノ酸分析:Asx1.5(3)、Gly4.0(4)、His0.9(1)、Arg1.8(2)、Thr1.0(1)、Ala1.0(1)、Pro1.0(1)、Ile0.9(1)、Phe0.9(1)、(N−Me)IleおよびTrpは分析せず
実施例11 化合物11の合成
参考例1で得られた化合物a6.97mgを1.5mlのDMFに溶解し、氷冷下でPyBOP6.55mg、HOBt1.67mg、NMM2.09μlを加え氷冷下のまま5分間放置した。ここに、参考例12で得られた、ペプチドの結合した担体樹脂のうち38.85mgを加えて、4℃で24時間攪拌した。担体樹脂を濾取し、メタノール、ブチルエーテルで洗浄後、減圧下2時間乾燥した。得られた樹脂に、2−メチルインドールを5mg/mlの割合で含む、82.5%TFA、5%水、5%チオアニソール、2.5%1,2−エタンジチオール、3%エチルメチルサルファイド、2%チオフェノールの混合溶液600μlを加えて室温で6時間放置し、側鎖保護基を除去するとともに樹脂よりペプチドを切り出した。次いで樹脂を濾別し、得られた溶液におよそ2mlのエーテルを加え、生じる沈澱を粗ペプチドとして取得した。これを参考例2と同様にHPLCで精製し、化合物11を2.0mg得た。
質量分析[FABMS]:2351(M+H)
アミノ酸分析:Asx1.2(2)、Gly3.0(3)、His0.8(1)、Arg2.7(3)、Thr1.0(1)、Ala1.0(1)、Pro1.6(2)、Leu1.0(1)、Phe1.9(2)、Ser1.1(1)、Hyp0.9(1)、Trpは分析せず
参考例1 化合物aの合成
工程1:Fmoc−Gly−Asn−Trp−His−Gly−Thr−Ala−Pro−OH(配列番号1)
ABI社の合成プログラムに従い、Boc−Pro0.5mmolが結合した担体樹脂0.73gを自動合成機の反応器に入れ、次の操作を行った。
(1)33%TFAを含む塩化メチレン溶液処理(80秒)
(2)50%TFAを含む塩化メチレン溶液処理(18.5分)
(3)塩化メチレン洗浄(3回)
(4)10%ジイソプロピルエチルアミンを含む塩化メチレン溶液処理(1分、2回)
(5)DMF洗浄(5回)
こうして得られたProの結合した担体樹脂に
(6)Boc−Ala−OHの対称酸無水物2.0mmolを含むDMF溶液4mlを加え、反応容器を18分間撹拌した。
(7)塩化メチレン洗浄(5回)
こうして、Boc−Ala−Proが担体上に合成された。次に、上記(1)〜(5)の脱保護工程を行った後、(6)の工程でBoc−Thr(Bzl)−OHの対称酸無水物を加えて縮合反応を行い、次いで(7)の洗浄工程を得てBoc−Thr(Bzl)−Ala−Proを担体樹脂上に合成した。以下、工程(1)〜(7)を順次繰り返して保護ペプチドの結合した担体樹脂1.2gを得た。尚、工程(6)には順次Boc−Gly−OH,Boc−His(Bom)−OH,Boc−Trp(CHO)−OH,Boc−Asn−OHおよびFmoc−Gly−OHを用いた。得られた担体樹脂に1,2−エタンジチオール0.8ml,ジメチルスルフィド0.8ml,アニソール0.2mlを加え3時間放置した後フッ化水素18mlを加えて70分間氷冷下撹拌した。次いでフッ化水素を減圧除去し、担体樹脂に酢酸エチル100mlを加え0.5時間攪拌した。濾過して得られた担体樹脂にDMF100mlを加えて1時間撹拌した。担体樹脂を(全自動高速冷却遠心機、RS−20型、トミー精工)10000rpm、10分間で除き上清液を得た。この液から濃縮機(ROTARY VACUUM EVAPORATOR N−2型 東京理化器機)でDMFを除去し、2M酢酸処理により粗製品464.0mgを得た。これを逆相カラム(CAPCELL PACK C18 SG−120 30×250mm)を用いたHPLCで精製した。0.1%TFAを含むアセトニトリル及び水を用いた直線濃度勾配法で溶出し、220nmで検出し目的物を含む画分を得た。この画分を凍結乾燥して131.9mgのFmoc−Gly−Asn−Trp−His−Gly−Thr−Ala−Pro−OHを得た。
工程2:H−Asp(Ot−Bu)−Trp−OBzlの合成
(a)Fmoc−Asp(Ot−Bu)−OH41mgを塩化メチレン1mlに溶かし、0℃において、HONSu12mg、DCC21mgを加えて0℃で30分間攪拌した。ここに、H−Trp−OBzl塩酸塩33mgの1ml塩化メチレン溶液とトリエチルアミン14μlを加え、0℃のまま3時間攪拌した。不溶物を濾別、冷塩化メチレンで洗浄し、濾液を回収した。減圧下溶媒を留去し、残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC−200、50g、クロロホルム/メタノール=25/1で溶出)で精製し、Fmoc−Asp(Ot−Bu)−Trp−OBz167mgを白色粉末として得た。
(b)(a)で得られたジペプチド10mgをDMF3mlに溶かし、ピペリジン0.75mlを加えて、室温で10分間放置した。反応液にエーテル、ヘキサンを加え析出する白色結晶を濾取し、減圧下乾燥して、H−Asp(Ot−Bu)−Trp−OBz12mgを得た。
工程3:H−Gly−Asn−Trp−His−Gly−Thr−Ala−Pro−Asp−Trp−OBzl(配列番号2)の合成
(a)工程1で得られたペプチド4.4mgに、工程2で得られたジペプチド1.7mgを含む5.5ml DMF溶液を加え0℃に冷却した。ここに、DEPC0.5μl、トリエチルアミン1.0μlを順次加え、0℃で5日間攪拌した。溶媒を減圧下留去し、残さを再びDMF1mlに溶解し、逆相カラム(YMC−Pack ODS−AM 150×6mm I.D.)を用いたHPLCで精製し、Fmoc−Gly−Asn−Trp−His−Gly−Thr−Ala−Pro−Asp(Ot−Bu)−Trp−OBzl(配列番号3)320μgを白色粉末として得た。
(b)(a)で得られた保護ペプチド250μgに、TFA900μl、1,2−エタンジチオール50μl、アニソール50μl、2−メチルインドール5mgからなる混合液のうち50μlを加え、室温で1.5時間放置した。エーテルを加えて生成する白色沈澱を濾取し、乾燥させ、20%ピペリジンを含むDMF100μlを加え、室温で15分間放置した。再びエーテルを加えて生成する白色沈澱を濾取し乾燥させ、H−Gly−Asn−Trp−His−Gly−Thr−Ala−Pro−Asp−Trp−OBzl200μgを得た。
工程4:化合物aの合成
(a)工程3で得られたペプチド66μgをDMF66μlに溶解し、室温においてPyBOPの0.1Mを含んだDMF溶液1.6μl、HOBtの0.1Mを含んだDMF溶液1.6μl、NMMの1%を含むDMF溶液3μlを加え、室温で3時間攪拌した。減圧下溶媒を留去し、生成物を工程3と同様にHPLCで精製し、化合物aのベンジルエステル体20μgを得た。
(b)(a)で得られたベンジルエステル体250μgをメタノール/酢酸=3/1の混合液80μlに溶解し、窒素雰囲気下、10%Pd/C約0.5mgを加え、系を水素雰囲気下にした後、室温で1時間攪拌した。Pd/Cを濾別し、濾液にエーテルを加えて生成する白色沈澱を濾取し、乾燥することにより、化合物a100μgを得た。
質量分析[FABMS];1122(M+H)
アミノ酸分析;Gly2.0(2),Asx1.7(2),His1.0(1),Thr1.0(1),Ala1.0(1),Pro1.0(1),Trpは分析せず
参考例2
化合物b(H−Val−Thr−Gly−Arg−Gly−Asp−Ser−Pro−Ala−OH:配列番号4)の合成
Fmoc−Ala30μmolが結合した担体樹脂(Fmoc−Ala−Wang Resin)50mgを自動合成機の反応器に入れ、島津製作所の合成プログラムに従い次の操作を行った。
(a)担体樹脂をDMFにより3分間洗浄し、該溶液を排出した。
(b)30%ピペリジンを含むDMF溶液を加えて混合物を4分間攪拌し、該溶液を排出し、この操作をもう1回繰り返した。
(c)担体樹脂をDMFで1分間洗浄し、該溶液を排出し、この操作を5回繰り返した。
こうして、Fmoc基を除去したAlaの結合した担体樹脂を得た。
(d)Fmoc−Pro−OH240μmol、PyBOP240μmol、HOBt240μmol、NMM360μmolを840μlのDMF中3分間攪拌し、得られた溶液を樹脂に加え混合物を30分間攪拌し、溶液を排出した。
(e)担体樹脂をDMFで1分間洗浄し、これを5回繰り返した。こうして、Fmoc−Pro−Alaが担体上に合成された。
次に、(a)〜(c)の洗浄、脱保護工程を行った後、(d)の工程でFmoc−Ser(t−Bu)−OHを用いて縮合反応を行い、次いで(e)の洗浄工程を経て、Fmoc−Ser(t−Bu)−Pro−Alaが担体上に合成された。以下、工程(d)において、Fmoc−Asp(Ot−Bu)−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Arg(Pmc)−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Thr(t−Bu)−OH、Fmoc−Val−OHを順次用いて、(a)〜(e)を繰り返し、保護ペプチドの結合した担体樹脂を得、さらに(a)〜(c)の洗浄、脱保護工程を行って得られた担体樹脂をメタノール、ブチルエーテルで洗浄し、減圧下3時間乾燥した。得られた担体樹脂のうち50mgを取り除いた残りに、82.5%TFA、5%チオアニソール、5%水、3%エチルメチルスルフィド、2.5%1,2−エタンジチオール、2%チオフェノールの混合溶液200μlを加えて室温で8時間放置し、側鎖保護基を除去するとともに樹脂よりペプチドを切り出した。次いで樹脂を濾別し、得られた溶液におよそ10mlのエーテルを加えて、生じる沈澱を粗ペプチドとして17.9mg濾取した。この粗生成物を逆相カラム(CAPCELL PAK C18 30mmφ×250mm、資生堂)を用いたHPLCで精製した。0.1TFAと0〜90%アセトニトリルを用いた直線濃度勾配で溶出し、220nmで検出し、標記化合物を含む画分を得た。この画分を凍結乾燥して、化合物bを6.2mgを得た。
質量分析[FABMS];859(M+H)
アミノ酸分析;Gly2.1(2),Ala1.0(1),Asx1.0(1),Pro0.9(1),Thr0.9(1),Val0.9(1),Ser1.0(1),Arg1.0(1)
参考例3
化合物c(H−Val−Tyr−Ala−Val−Thr−Gly−Arg−Gly−Asp−Ser−Pro−Ala−NH2:配列番号5)の合成
参考例2と同様な方法により、Fmoc−NH40.8μmolが結合した担体樹脂(Rink Amide MBHA Resin)を出発物質として用い、N−保護アミノ酸として順次、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Ser(t−Bu)−OH、Fmoc−Asp(Ot−Bu)−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Arg(Pmc)−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Thr(t−Bu)−OH、Fmoc−Val−OH、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Tyr(t−Bu)−OH、Fmoc−Val−OHを用いて保護ペプチドを合成した。得られた担体樹脂50mgを用い、樹脂からのペプチドの切り出し及びHPLCによる精製を参考例2と同様に行い、化合物c12.6mgを得た。
質量分析[FABMS]:1191(M+H)
アミノ酸分析:Asx0.9(1),Gly1.7(2),Thr1.0(1),Ala2.0(2),Pro0.9(1),Val1.9(2),Tyr0.9(1),Arg1.0(1),Ser0.9(1)
参考例4
化合物d(H−Ser−Met−Gly−Leu−Pro−Cys−Val−Val−Met−OH:配列番号6)の合成
Fmoc−Met38μmolが結合した担体樹脂(Fmoc−Met−Wang Resin)80mgを自動合成機の反応器に入れ、島津製作所の合成プログラムに従い次の操作を行った。
(a)担体樹脂をDMFにより3分間洗浄し、該溶液を排出した。
(b)30%ピペリジンを含むDMF溶液を加えて混合物を4分間攪拌し、該溶液を排出し、この操作をもう1回繰り返した。
(c)担体樹脂をDMFで1分間洗浄し、該溶液を排出し、この操作を5回繰り返した。
こうして、Fmoc基を除去したMetの結合した担体樹脂を得た。
(d)Fmoc−Val−OH190μmol、PyBOP190μmol、HOBt190μmol、NMM285μmolを665μlのDMF中3分間攪拌し、得られた溶液を樹脂に加え混合物を30分間攪拌し、溶液を排出した。
(e)担体樹脂をDMFで1分間洗浄し、これを5回繰り返した。こうして、Fmoc−Val−Metが担体上に合成された。
次に、(a)〜(c)の洗浄、脱保護工程を行った後、(d)の工程でFmoc−Val−OHを用いて縮合反応を行い、次いで(e)の洗浄工程を経て、Fmoc−Val−Val−Metが担体上に合成された。以下、工程(d)において、Fmoc−Cys(Trt)−OH、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Leu−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Met−OH、Fmoc−Set(t−Bu)−OHを順次用いて、(a)〜(e)を繰り返し、保護ペプチドの結合した担体樹脂を得、さらに(a)〜(c)の洗浄、脱保護工程を行って得られた担体樹脂をメタノール、ブチルエーテルで洗浄し、減圧下3時間乾燥して、保護ペプチドの結合した担体樹脂120.9mgを得た。このうちの40.3mgに90%TFA、5%1,2−エタンジチオール、5%チオアニソールの混合液400μlを加えて室温で2時間放置し、側鎖保護基を除去するとともに樹脂よりペプチドを切り出した。次いで樹脂を濾別し、得られた溶液におよそ10mlのエーテルを加えて、生じる沈澱を遠沈により回収し、粗ペプチドとして12.7mg得た。この粗生成物を参考例2と同様にHPLCで精製し、化合物dを6.2mg得た。
質量分析[FABMS];936(M+H)
アミノ酸分析;Gly1.1(2),Pro0.9(1),Val1.2(2),Ser0.9(1),Met1.9(2),Ler1.0(1),Cysは分析せず
参考例5
化合物e(H−Ser−Ser−Gly−Cys−Val−Leu−Ser−OH:配列番号7)の合成
参考例4と同様な方法により、Fmoc−Ser(t−Bu)59.0μmolが結合した担体樹脂(Fmoc−Ser(t−Bu)−Wang Resin)70mgを出発物質として用い、N−保護アミノ酸として順次、Fmoc−Leu−OH、Fmoc−Val−OH、Fmoc−Cys(Trt)−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Ser(t−Bu)−OH、Fmoc−Ser(t−Bu)−OHを用いて、保護ペプチドの結合した担体樹脂99.3mgを得た。このうちの33.1mgを用い、樹脂からのペプチドの切り出し及びHPLCによる精製を参考例4と同様に行い、化合物e5.3mgを得た。
質量分析[FABMS]:652(M+H)
アミノ酸分析:Gly1.1(1),Val0.8(1),Ser2.9(3),Leu1.0(1),Cysは分析せず
参考例6
化合物f(H−Ser−Met−Gly−Leu−Pro−Cys−Ile−Phe−Met−OH:配列番号8)の合成
参考例4と同様な方法により、Fmoc−Met52.0μmolが結合した担体樹脂(Fmoc−Met−Wang Resin)80mgを出発物質として用い、N−保護アミノ酸として順次、Fmoc−Phe−OH、Fmoc−Ile−OH、Fmoc−Cys(Trt)−OH、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Leu−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Met−OH、Fmoc−Ser(t−Bu)−OHを用いて、保護ペプチドの結合した担体樹脂120.8mgを得た。このうちの40.3mgに、2−メチルインドールを5mg/mlの割合で含む、90%TFA、5%チオアニソール、5%1,2−エタンジチオール50μlの混合溶液600μlを加えて室温で2時間放置し、側鎖保護基を除去するとともに樹脂よりペプチドを切り出した。次いで樹脂を濾別し、得られた溶液におよそ2mlのエーテルを加え、生じる沈澱を粗ペプチドとして得た。これを参考例4と同様HPLCで精製し、化合物f8.8mgを得た。
質量分析[FABMS]:998(M+H)
アミノ酸分析:Ser1.0(1)、Gly1.1(1)、Pro1.1(1)、Met1.9(2)、Ile0.9(1)、Leu1.0(1)、Phe0.9(1)、Cysは分析せず
参考例7
化合物g(H−Phe−Gly−Gly−Arg−Ile−Asp−Arg−Ile−NH2:配列番号9)の合成
Fmoc−NH40.8μmolが結合した担体樹脂(Rink amide MBHA Resin)80mgを自動合成機の反応器に入れ、島津製作所の合成プログラムに従い次の操作を行った。
(a)担体樹脂をDMFにより3分間洗浄し、該溶液を排出した。
(b)30%ピペリジンを含むDMF溶液を加えて混合物を4分間攪拌し、該溶液を排出し、この操作をもう1回繰り返した。
(c)担体樹脂をDMFで1分間洗浄し、該溶液を排出し、この操作を5回繰り返した。
こうして、Fmoc基を除去したNHの結合した担体樹脂を得た。
(d)Fmoc−Ile−OH2040μmol、PyBOP204μmol、HOBt204μmol、NMM306μmolを714μlのDMF中3分間攪拌し、得られた溶液を樹脂に加え混合物を30分間攪拌し、溶液を排出した。
(e)担体樹脂をDMFで1分間洗浄し、これを5回繰り返した。こうして、Fmoc−Ileが担体上に合成された。
次に、(a)〜(c)の洗浄、脱保護工程を行った後、(d)の工程でFmoc−Arg(Pmc)−OHを用いて縮合反応を行い、次いで(e)の洗浄工程を経て、Fmoc−Arg(Pmc)−Ileが担体上に合成された。以下、工程(d)において、Fmoc−Asp(Ot−Bu)−OH、Fmoc−Ile−OH、Fmoc−Arg(Pmc)−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Phe−OHを順次用いて、(a)〜(e)を繰り返し、保護ペプチドの結合した担体樹脂を得、さらに(a)〜(c)の洗浄、脱保護工程を行って得られた担体樹脂をメタノール、ブチルエーテルで洗浄し、減圧下3時間乾燥し、保護ペプチドの結合した担体樹脂122.1mgを得た。このうちの40.7mgに、82.5%TFA、5%チオアニソール、5%水、3%エチルメチルスルフィド、2.5%1,2−エタンジチオール、2%チオフェノールの混合溶液600μlを加えて室温で8時間放置し、側鎖保護基を除去するとともに樹脂よりペプチドを切り出した。次いで樹脂を濾別し、得られた溶液におよそ2mlのエーテルを加えて、生じる沈澱を粗ペプチドとして16.2mg得た。この粗生成物を参考例2と同様にHPLCで精製し、化合物gを12.0mg得た。
質量分析[FABMS];測定値932(M+H)
アミノ酸分析;Asx1.0(1)、Gly2.1(2)、Arg1.9(2)、Ile2.0(2)、Phe1.0(1)
参考例8
化合物h(H−Ala−Phe−Gly−Gly−Arg−Ile−Asp−Arg−Ile−Gly−Ala−Ala−NH2:配列番号10)の合成
参考例7と同様な方法により、Fmoc−NH 40.8μmolが結合した担体樹脂(Rink amide MBHA Resin)80mgを出発物質として用い、N−保護アミノ酸として順次、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Ile−OH、Fmoc−Arg(Pmc)−OH、Fmoc−Asp(Ot−Bu)−OH、Fmoc−Ile−OH、Fmoc−Arg(Pmc)−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Phe−OH、Fmoc−Ala−OHを用いて、保護ペプチドの結合した担体樹脂147.1mgを得た。このうちの49.0mgを用い、樹脂からのペプチドの切り出し及びHPLCによる精製を参考例7と同様に行い、化合物h13.6mgを得た。
質量分析[FABMS]:1202(M+H)
アミノ酸分析:Asx0.9(1)、Gly3.0(3)、Arg1.8(2)、Ala3.0(3)、Ile1.9(2)、Phe0.9(1)
参考例9
化合物i(H−Phe−Gly−Gly−D−Arg−Ile−Asp−Arg−Ile−NH2)の合成
参考例7と同様な方法により、Fmoc−NH 40.8μmolが結合した担体樹脂(Rink amide MBHA Resin)80mgを出発物質として用い、N−保護アミノ酸として順次、Fmoc−Ile−OH、Fmoc−Arg(Pmc)−OH、Fmoc−Asp(Ot−Bu)−OH、Fmoc−Ile−OH、Fmoc−D−Arg(Pmc)−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Phe−OHを用いて、保護ペプチドを結合した担体樹脂221.5mgを得た。このうちの72.2mgを用い、樹脂からのペプチドの切り出し及びHPLCによる精製を参考例7と同様に行い、化合物i13.8mgを得た。
質量分析[FABMS]:932(M+H)
アミノ酸分析:Asx1.0(1)、Gly2.1(2)、Arg1.8(2)、Ile1.9(2)、Phe1.0(1)
参考例10
化合物j(H−Phe−Gly−Gly−D−Arg−Ile−Asp−D−Arg−Ile−NH2)の合成
参考例7と同様な方法により、Fmoc−NH 40.8μmolが結合した担体樹脂(Rink amide MBHA Resin)80mgを出発物質として用い、N−保護アミノ酸として順次、Fmoc−Ile−OH、Fmoc−D−Arg(Pmc)−OH、Fmoc−Asp(Ot−Bu)−OH、Fmoc−Ile−OH、Fmoc−D−Arg(Pmc)−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Phe−OHを用いて、保護ペプチドを結合した担体樹脂202.0mgを得た。このうちの72.0mgを用い、樹脂からのペプチドの切り出し及びHPLCによる精製を参考例7と同様に行い、化合物j11.3mgを得た。
質量分析[FABMS]:932(M+H)
アミノ酸分析:Asx1.0(1)、Gly2.1(2)、Arg1.8(2)、Ile1.9(2)、Phe1.0(1)
参考例11
化合物k(H−Phe−Gly−Gly−Arg−(N−Me)Ile−Asp−Arg−Ile−NH2:配列番号11)の合成
参考例7と同様な方法により、Fmoc−NH 40.8μmolが結合した担体樹脂(Rink amide MBHA Resin)80mgを出発物質として用い、N−保護アミノ酸として順次、Fmoc−Ile−OH、Fmoc−Arg(Pmc)−OH、Fmoc−Asp(Ot−Bu)−OH、Fmoc−(N−Me)Ile−OHを用いて、(N−Me)Ile−Asp−Arg−Ileが結合した樹脂を得た。ここに、Fmoc−Arg(Pmc)−OH 135.2mg、PyBroP104.6mgを含む1mlのDMF溶液を加え、氷冷下DIEA71μlを加えた。氷冷下のまま10分間放置後、室温で21時間攪拌し、樹脂を濾取し、DMF1mlで5回洗浄した。こうしてFmoc−Arg(Pmc)−(N−Me)Ile−Asp(Ot−Bu)−Arg(Pmc)−Ileの結合した樹脂を得た。続いて参考例7と同様に合成プログラムにしたがい、Fmocアミノ酸として順次、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Phe−OHを縮合し、保護ペプチドの結合した担体樹脂115.0mgを得た。このうちの38.3mgを用い、樹脂からのペプチドの切り出し及びHPLCによる精製を参考例7と同様に行い、化合物k1.3mgを得た。
質量分析[FABMS]:946(M+H)
アミノ酸分析:Asx0.9(1)、Gly2.1(2)、Arg2.0(2)、Ile1.0(1)、Phe1.0(1)、(N−Me)Ileは分析せず
参考例12
化合物m(H−D−Arg−Arg−Pho−Hyp−Gly−Phe−Ser−D−Phe−Ler−Arg−OH)の合成
参考例7と同様な方法により、Fmoc−Arg(Pmc)37.6μmolが結合した担体樹脂(Fmoc−Arg(Pmc)−Wang Resin)80mgを出発物質として用い、N−保護アミノ酸として順次、Fmoc−Leu−OH、Fmoc−D−Phe−OH、Fmoc−Ser(t−Bu)−OH、Fmoc−Phe−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Hyp(t−Bu)−OH、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Arg(Pmc)−OH、Fmoc−D−Arg(Pmc)−OHを用いて、保護ペプチドの結合した担体樹脂116.5mgを得た。このうちの38.8mgを用い、樹脂からのペプチドの切り出し及びHPLCによる精製を参考例7と同様に行い、化合物m6.3mgを得た。
質量分析[FABMS]:1248(M+H)
アミノ酸分析:Hyp1.1(1)、Ser1.1(1)、Gly1.2(1)、Arg3.1(3)、Pro0.9(1)、Leu1.0(1)、Phe2.0(2)
産業上の利用可能性
本発明により、特定の構造からなる環状ペプチドと生理活性ペプチドとを必要によりスペーサーを介して結合させた新規ペプチドが提供される。本発明のペプチドは、環状ペプチドが結合していない生理活性ペプチドより高い安定性及び/又は活性を有する。
配 列 表
配列番号:1
配列の長さ:8
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列の特徴
特徴を表す記号:Modified−site
存在位置:1
特徴を決定した方法:E
他の情報:XaaはNα−9−フルオレニルメチルオキシカルボニルグリシンを表す
配列
配列番号:2
配列の長さ:10
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列の特徴
特徴を表す記号:Modified−site
存在位置:10
特徴を決定した方法:E
他の情報:XaaはL−トリプトファンベンジルエステルを表す
配列
配列番号:3
配列の長さ:10
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列の特徴
特徴を表す記号:Modified−site
存在位置:1
特徴を決定した方法:E
他の情報:XaaはNα−9−フルオレニルメチルオキシカルボニルグリシンを表す
存在位置:9
特徴を決定した方法:E
他の情報:XaaはL−アスパラギン酸−β−t−ブチルエステルを表す
特徴を表す記号:Modified−site
存在位置:10
特徴を決定した方法:E
他の情報:XaaはL−トリプトファンベンジルエステルを表す
配列
配列番号:4
配列の長さ:9
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列
配列番号:5
配列の長さ:12
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列の特徴
特徴を表す記号:Modified−site
存在位置:12
特徴を決定した方法:E
他の情報:XaaはL−アラニンアミドを表す
配列
配列番号:6
配列の長さ:9
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列
配列番号:7
配列の長さ:7
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列
配列番号:8
配列の長さ:9
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列
配列番号:9
配列の長さ:8
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列の特徴
特徴を表す記号:Modified−site
存在位置:8
特徴を決定した方法:E
他の情報:XaaはL−イソロイシンアミドを表す
配列
配列番号:10
配列の長さ:12
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列の特徴
特徴を表す記号:Modified−site
存在位置:12
特徴を決定した方法:E
他の情報:XaaはL−アラニンアミドを表す
配列
配列番号:11
配列の長さ:8
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列の特徴
特徴を表す記号:Modified−site
存在位置:5
特徴を決定した方法:E
他の情報:XaaはN−メチル−L−イソロイシンを表す
特徴を表す記号:Modified−site
存在位置:8
特徴を決定した方法:E
他の情報:XaaはL−イソロイシンアミドを表す
配列
Claims (21)
- 下記式(A)で表されるペプチドまたはその薬理学的に許容される塩。
(式中、Qは生理活性ペプチド残基を表わし、X 1 はAs n、Gln、His、Asp、Glu、LysまたはArgを表わし、X 2 はT rp、Phe、Tyr、Met、Leu、IleまたはValを表わし、X 3 は His、Lys、Arg、Asn、Gln、AspまたはGluを表わし、 X 4 、X 5 、X 6 およびX 7 は同一または異なってGly、Ala、Se r、ThrまたはProを表わし、nは0〜3の整数である。
但し、Qは−Ile−Phe−Gly−His−Tyr−Ser−Gly−Asp−Phe−OH、−Leu−Phe−Gly−Gly−His−Thr−Phe−Ile−Ser−Pro−OH、−Trp−Phe−Phe−Asn−Tyr−Tyr−Trp−OHではない。) - X 1 がAsnまたはAspであり、X 2 がTrpであ り、X 3 がHisまたはLysであり、X 4 がGlyであり、X 5 がThr であり、X 6 がAlaであり、かつX 7 がProまたはAlaである 請求の範囲第1項記載のペプチドまたはその薬理学的に 許容される塩。
- X 1 がAsnであり、X 2 がTrpであり、X 3 がHis であり、X 4 がGlyであり、X 5 がThrであり、X 6 がAlaであ り、かつX 7 がProである請求の範囲第1項記載のペプチ ドまたはその薬理学的に許容される塩。
- X 1 がAsnまたはAspであり、X 2 がTrpであ り、X 3 がHisまたはLysであり、X 4 がGlyであり、X 5 がThr であり、X 6 がAlaであり、かつX 7 がProまたはAlaである 請求の範囲第8項記載の生理活性ペプチドの活性を向上 させる方法。
- X 1 がAsnであり、X 2 がTrpであり、X 3 がHi sであり、X 4 がGlyであり、X 5 がThrであり、X 6 がAlaであ り、かつX 7 がProである請求の範囲第8項記載の生理活 性ペプチドの活性を向上させる方法。
- X 1 がAsnまたはAspであり、X 2 がTrpであ り、X 3 がHisまたはLysであり、X 4 がGlyであり、X 5 がThr であり、X 6 がAlaであり、かつX 7 がProまたはAlaである 請求の範囲第8項記載の生理活性ペプチドの安定性を向 上させる方法。
- X 1 がAsnであり、X 2 がTrpであり、X 3 がHi sであり、X 4 がGlyであり、X 5 がThrであり、X 6 がAlaであ り、かつX 7 がProである請求の範囲第8項記載の生理活 性ペプチドの安定性を向上させる方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23515293 | 1993-09-21 | ||
PCT/JP1994/001554 WO1995008566A1 (fr) | 1993-09-21 | 1994-09-21 | Nouveau peptide |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3576554B2 true JP3576554B2 (ja) | 2004-10-13 |
Family
ID=16981826
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP50968995A Expired - Fee Related JP3576554B2 (ja) | 1993-09-21 | 1994-09-21 | 新規ペプチド |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
EP (1) | EP0672680A4 (ja) |
JP (1) | JP3576554B2 (ja) |
CA (1) | CA2149783A1 (ja) |
WO (1) | WO1995008566A1 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
PL3177635T3 (pl) * | 2014-08-07 | 2019-02-28 | F. Hoffmann-La Roche Ag | Sposoby wytwarzania analogów oksytocyny |
Family Cites Families (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE3855458T2 (de) * | 1987-12-10 | 1996-12-05 | Jolla Cancer Res Found | Verfahren zur herstellung von conformationnell stabilisierten zelladhäsionspeptiden |
JP2855143B2 (ja) * | 1987-12-24 | 1999-02-10 | サイオス インコーポレイテッド | 心房の,ナトリウム排出亢進性ペプチドの直鎖アナログ |
JP2945680B2 (ja) * | 1988-09-09 | 1999-09-06 | 旭硝子株式会社 | ペプチド誘導体およびその用途 |
JPH0395125A (ja) * | 1989-05-23 | 1991-04-19 | Otsuka Pharmaceut Co Ltd | カルシウム代謝改善剤 |
EP0415219A1 (de) * | 1989-09-01 | 1991-03-06 | F. Hoffmann-La Roche Ag | ANF-Antagonist |
CA2044333A1 (en) * | 1990-06-12 | 1991-12-13 | Jackson B. Gibbs | Chemotherapeutic agents |
CA2106677A1 (en) * | 1991-04-01 | 1992-10-02 | John C. Cheronis | Bradykinin antagonists |
JP3092877B2 (ja) * | 1991-06-20 | 2000-09-25 | 雪印乳業株式会社 | 新規ペプチドsna−115及びsna−115t、その製造法及び新規ペプチド産生菌株 |
EP0603399B1 (en) * | 1991-12-27 | 2002-09-11 | Kyowa Hakko Kogyo Kabushiki Kaisha | Endothelin-antagonizing peptide |
CA2144180A1 (en) * | 1992-09-08 | 1994-03-17 | George A. Heavner | Peptide inhibitors of cellular adhesion |
WO1995000546A1 (fr) * | 1993-06-25 | 1995-01-05 | Kyowa Hakko Kogyo Co., Ltd. | Peptide a effet antagoniste de l'endotheline |
-
1994
- 1994-09-21 WO PCT/JP1994/001554 patent/WO1995008566A1/ja not_active Application Discontinuation
- 1994-09-21 JP JP50968995A patent/JP3576554B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 1994-09-21 EP EP94927080A patent/EP0672680A4/en not_active Withdrawn
- 1994-09-21 CA CA 2149783 patent/CA2149783A1/en not_active Abandoned
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
AU7665994A (en) | 1995-04-10 |
EP0672680A1 (en) | 1995-09-20 |
EP0672680A4 (en) | 1999-04-07 |
CA2149783A1 (en) | 1995-03-30 |
WO1995008566A1 (fr) | 1995-03-30 |
AU676770B2 (en) | 1997-03-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5446130A (en) | Parathyroid hormone antagonists | |
JP2726647B2 (ja) | 環状ペプチドおよびその用途 | |
CA1339793C (en) | Cyclic analogs of atrial natriuretic peptides | |
US5190920A (en) | Method for using synthetic analogs of thrombospondin for inhibiting metastasis activity | |
JPH07165797A (ja) | 立体配座的に安定化された細胞接着ペプチド | |
WO1994020534A1 (en) | Vasonatrin peptide and analogs thereof | |
EP0478101B1 (en) | Therapeutic use of peptides having thrombospondin-like activity | |
WO1991007978A1 (en) | Synthetic calcitonin peptides | |
US5516889A (en) | Synthetic thrombin receptor peptides | |
US5631222A (en) | Endothelin-antagonizing peptide | |
EP0514721B1 (en) | Peptides having thrombospondin-like activity and their therapeutic use | |
WO2022206587A1 (zh) | 一种多肽化合物及其应用 | |
US5149779A (en) | Humoral hypercalcemic factor antagonists | |
JP3576554B2 (ja) | 新規ペプチド | |
JPH08509960A (ja) | 骨原性成長オリゴペプチドおよびそれを含む医薬組成物 | |
US5087562A (en) | Humoral hypercalcemic factor antagonists with modification at position 13 . . . | |
US6872803B1 (en) | Peptides | |
US6239110B1 (en) | Synthetic analogs of thrombospondin and therapeutic use thereof | |
JP4104671B2 (ja) | 潜在型TGF―βの活性化を促進するペプチドおよびTGF―β活性調節化合物のスクリーニング方法 | |
AU690923B2 (en) | Linear adhesion inhibitors | |
US5648461A (en) | Synthetic analogs of thrombospondin and therapeutic use thereof | |
US5252705A (en) | Peptide derivatives | |
US7081447B2 (en) | Organic compounds with biological activity as thrombin inhibitors and use thereof | |
JP3821485B2 (ja) | 新規カルシトニン誘導体 | |
JPH0597891A (ja) | 血管弛緩ペプチド類 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040203 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040401 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040608 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040708 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |