WO1980001387A1 - Ink compositions - Google Patents

Description

i 明 細 書 ィ ン ク組成物 技術分野 -

5 本発明は、 鮮明る色調を有するイ ン ク画像を与えるが水によ D消 去可能なイ ン ク組成物に関する。 さらに詳しぐいえば、 本発明は、 液体媒体中にチォシアン酸イ オン、 このチォシア ン酸イ オンに特定 の呈色を示す金属ィ オンお よびポ リ アルキレング リ コ ールを主成分 と して含有し、 紙 どの.被転写材料に鮮明な色調のィ ンク画像を与 1 0える一方、 必要に応じこのイ ン ク画像を水によ 容易に消去できる ィ ンク組成物に関する。

背景技術

チ才シ アン酸ィオンはある種金属ィオン例えば鉄属の金属ィオン の存在下で特殊 呈色を示す。 例えば、 無色のチォシアン酸カリ ゥ 15 ム水溶液に微黄色の硝酸鉄または淡紅色の塩化コパルトの水溶液を 添加するとそれぞれ橙褐色または赤紫色で沈でんの伴わない水溶液 が生成する。 したがってチオシ アン酸ィ オンおよびこれら呈色性金 - . 属イ オンは、 これらの特定の呈色反応の故にそれぞれ簡単な定性分 析に利用されていた。 従来、 水性の着色コロイ ド分散液およびある 20種の有機染料水溶液がィ ン ク組成物と して広く使用されていたが、 チォシアン酸ィ オンを含有するィ ンク組成物は知られていなかった。 本発明者は、 先に、 チォシアン酸コパル トを主剤と して含むィ ン ク組成物を提供した （特公昭 49 - 27527 特許第 76 5826号 ）。 こ or PI のイ ンク組成物によれば、 記載した文字や直線は、 必要に応じ、 水 を含浸させた布や紙、 繊維などで拭ぐことによ 容易に消去し得る という特長を有している。

しかしながら、 このイ ンク組成物にお ては、 チォシアン酸コバ ルト使用量を節約し、 濃度の薄い溶液でィ ンクと して使用すると、 記載した文字は直ちに青色を呈することがな ぐ、 溶媒が蒸発して濃 度が大に つた場合に初めて實色を呈するようになるという使用上 の難点がある。 このよ うな難点を克服するには、 その濃度 ¾ 3 0 ^ 以上に高めて使用するこ.とが必要であるが、 この場合には、 逆に、 高濃度のために、 流動性が悪ぐ 、 イ ン クを ンしんに装入する 場合に、 その装入が困難になるという問題が生じ、 また、 使用を重 ねていぐ うちに、 溶媒が蒸発してチォシ アン酸コバルト濃度が一層 大に った場合には、 ィ ンクの流出が悪ぐ )、 筆記の際に文字が かすれるなどの問題も生じる。 このよ うなことから、 チォシアン酸 コバル トを主剤とするイ ン クは通常 2 0 程度の濃度で用 られて いる力;、 この場合には、 前記したよ うに、 濃度が薄すぎることから、 使用上の難点があつた。

発明の開示 . - 本発明は前記した従来の 「容易に消失可能な」 イ ンク組成物にお ける欠点を克服するため鋭意研究¹を重ねた結果、 液状媒体にチオシ アン酸コパル ト単独またはチォシアン酸ィオンおよびコバルトイォ ンを含有する溶液にポリ アルキ レングリ コールを加えることによ D チォシアン酸ィ オンおよびコバル ト ィ オン間における呈色.を著しぐ 強めることができ、 チォシアン酸ィ オンおよびコバル トィ オンのい ずれかまたは双方を低めても濃實色のイ ンク組成物を得ることがで きることを見出 し、 本発明を完成するに到った。

- 本発明によれば、 水および （または）有機溶剤のよう..な液状媒体 中にチォシアン酸コバル トまたはチォシアン酸イ オンを生成する化 合物とコバル トィオンを生成する化合物との混合物を溶解させた溶 液に濃色化助剤と してポリアルキ レンダリ- コールを配合してなるィ . ンク組成物が提供される。

チォシアン酸コパルトは水および多くの有機溶剤に易溶であ 、 その水溶液は恐ら ぐ 5分子の水が配位したコバルト錯体の生成によ

赤紫色を呈する。 このよう ¾呈色はテオシアン酸を生成する化合 物例えばチオシァン酸カ リ ゥ ムおよびコ バル トィ ォンを生成する化 ' 合妫例えば硝酸コバルトの混合水溶液にお ても呈色する。 しかし ながら、 ポリアルキ レングリ コ ールをこの水溶液に添加すると、 ィ ソク組成物と して好適な 2 0 程度の低濃度の溶液の場合において も濃青色の色調を与え、 しかも このィンク組成物で記載した文字や 図案のィ ンク画像も鮮明であ ]?、 必要に応じて水を含ませた布や紙、 繊維質材料るどを用いて拭ぐことによ D容易に消去が可能である。

チォシアン酸の他の水溶性金属塩 ©多くは無色であるが、 チオシ アン酸ニ ッケルの溶液は青緑色を呈色を示し、 チォシ アン酸コパル ト単独の場合のィ ンク組成物の實色の色調に近い。 しかしながら、 このチォシアン酸ニッケル単独では色調が弱ぐ所期のィ ンク組成物 を与え い。 一方、 水溶性コバルト塩である塩化コバル ト、 硫酸コ i バル トまたは硝酸コバル トの水溶液は淡紅色ない し淡赤紫色であ 、 高濃度においてもその色調は弱いので単独でィ ン ク組成物と して使 用することはでき い。 またチォシアン酸ニッケルとこれら水溶性 のコバルト塩の混合溶液はその濃度に関係 ¾ ぐ通常赤褐色の色調を 示し、 しかもその溶液で記載した文字は薄ぐ、 不明瞭であって、 実 際のイ ンクの呈色主材と して使用することができない。 しかしなが ら、 意外 ¾ことには、 この混合溶液にポリ エチレ ングリ コールの よ うなポリ アルキ レングリ コ ールを加えると、 鮮明 ¾實色を呈し、 チ オシア ン酸コバル ト単独-の場合と同様な色調のィ ン ク組成物を与え る。 したがってチォシアン酸ニ ッ ケルをチオシ アン酸ィオンを生成 する化合物と して使用し、 塩化コバル トなどの水溶性コバルト塩を コバル ト ィ オンを生成する化合物と して使用するのが好適である。 チォシアン酸の他の有色水溶性金属塩たとえばチォシアン酸鉄また はチオシアン酸パラジウムのような赤色系色調を持つ化合物をチォ シアン酸ィオンを生成する化合物と して使用する場合はチオ シアン · 酸コ' バルトに依存する實色の色調が変化するので、 そのよう ¾変調 された色調のィ ソク組成物が所望される場合以外には使用され ¾い。 しかもチォシ アン酸鉄塩の色調は経時変化を起す傾向があるので好 ま しく い。 本発明においては、 呈色成分と してチォシ アン酸コバ ルトを単独で使用するかあるいはチォシアン酸ィ オンを生成する化 合物と してチォシ アン酸ニ ッケルを使用 し、 コバル ト ィ オンを生成 する化合物と して塩化二ッケルを使用するのが好適である。 .

本発明で使用する濃色化助剤のポリ アルキ レングリ コ ールと して

- ·'； ·ΛΤ10 はポ リ エチレン グ リ コ ール、 ポ リ プ ロ ピレング リ コ ールお よびそれ らの共重合体などが挙げられる。 これらの分子量はこれらが水溶性 である限 J9特に制約され いが一般には 1 0 0〜 1 0 0 0、 好適には 20 0 - 300の-範囲内である。 分子量が 20.0〜 a0 0.の範囲のボリェチ レングリ コールの使用が特に好適である。

本発明においてポリアルキ レングリ コールは低饞度のチオシアン 酸コバル ト溶液の色調を濃色化するだけで ¾ ぐ、 溶液の粘度を増大 し、 インク組成物の粘性を適度に し、 肇記の際に滑らかを付与する と共に、 紙等への 「にじ-み」 を防止できる。 またイ ン ク組成物から の液状媒体例えば水の蒸発が防止され、 ペン芯からのィ ンク液の滴 下も防止される。

本発明のイ ンク組成物は、 液状媒体すなわち水や適当な有機溶剤 例えばメ タ ノ ール、 エタ ノ ール、 アセ ト ン、 クロ 口 ホルム、 酢酸ェ チルまたはこれらの混合溶剤にチォシアン酸コバル ト またはチオシ アン酸ィオンを生成する化合物とコバル ト ィ オンを生成する化合物 との組合わせをポリ アルキ レングリ コ一ルと一緒にまたは任意の順 序で添加することによ ]?調製される。 液状媒体と しては水または水 と前記の有機溶剤の混合物の使用が好ま しい。

このィ ン ク組成物の調製に際して、 チォシアン酸コバル トは濃度 3 0 以下、 通常、 濃度 5 〜 2 0 の範囲で添加される。 チオシァ ン酸ィ オンを生成する化合物およびコ バル ト ィ オンを生成する化合 物を使用する場合は、 この両者から生成するチオシアン酸コバルト の濃度が上記の範囲にあるよ うにそれぞれの量を調節する。.特にチ

o pi オシア ン酸ィ オンを生成する化合物と してチォシ アン酸-ッ ケルを 用い、 コ バル トィ オンを生成する-化合物と して塩化コバル トを用 る好適 ¾例においては、 チォシ アン酸ニ ッ ケルは液状媒体中 0.5〜 1 5重量 1o、 通常 1〜 1 0重量 使用し、 塩化コバル トは 1〜 1 5重 量 、 通常 1〜 1 0重量 の割合で用 るのが望ま しい。 この場合、 チォシアン酸- ッ ケルに対する塩化コ パル ト の割合はチオシアン酸 ニ ッ ケル 1重量部に対し 0. 1〜 3重量部、 通常 0. 5〜 2.5重量部で ある。 また、 ポリ アルキレングリ コ ールの添加量は、 呈色成分例え ばチオ シアン酸コバルト-の濃度と関連して選定され、 チォシアン酸 コバル ト の濃度が少ないと多量必要に j？、 他方、 その濃度が大き ぐ ると、 少量ですむ。 一般的には、 ポリ アルキレングリ コール濃 度は、 液状媒体中 1〜 3 0重量 、 通常 5〜 2 0重量 である。 ま た、 チォシ アン酸コバル トに対しては、 チォシアン酸コ バル ト 1重 量部に対し、 0.2〜 2.5重量部、 好ま しくは 0.5〜2重量部の範囲で 適用される。 チォシアン酸ィオンを生成する化合物と してチォシァ ン酸ニッケルを用いる好ま しい態様においては、 このポリ アルキ レ ング リ コールのチォシ アン酸ニ ッケルに対する割合は、 チオシ了ン 酸ニ ッ ケル 1重量部に対し、 .0.5〜 7重量部、 通常 1〜 5重量部で る O

チォシ アン酸金属塩例えばチォシ アン酸コバル トまたはチォシァ ン酸ニ ッ ケルは市販のものを利用することができる力 チォシ アン 酸およびコ バル トまたはニ ッ ケルの炭酸塩または水酸化物から製造 し、 そのま 単離することな ぐ使用してもよい。

C.v'Pl また、 本発明のイ ンク組成物においては、 前記した成分の他、 適 用するイ ンク組成物の用途に応じ、 適当な補助添加剤、 例えば印刷 ィ ンクゃ騰写ィン クと して用いるときには、 デンプン、 カルボキシ メチルセリレ ·σ_ ^ス、 ゼラ.チン どの増.粘剤を加えること-もできる。 発明を実施するための最良の形態

次に本発明を実施例によ Όさらに詳細に説明するが、 本発明はこ れらの例示した態様だけに限定されるものでは い。

実施例 1

チォシ アン酸コバル ト ： 1 5 を水 1 0 0 に溶解した。 この濃度の 溶液は淡赤紫色を呈し、 所要の實色は呈さなかった。 次に、 この溶 液にポ リ エチレングリ コ ール （分子量 2 0 0 ) 1 0 を添加したとこ ろ、 溶液は青色を呈した。

この實色溶液をサイ ンペンにおけるインクと して用いて紙 布に 文字や図案を筆記したところ、 青色に呈色したものが得られた。 こ のイ ンク画像をそのまま の状態で放置して もイ ンク画像には変化は なかった。 また、 乾燥布でマサッ しても消えるようなことはなかつ ' た。 次に、 これを消去するために、 水を少量含ませた紙や布でその ィ ンク画像の面を拭ぐ と、 そのイ ンク画像は直ちに消去された。

実施例 2

チォシ ア ン酸コ バル ト 1 0 を水 1 0 0 に溶解したところ、 淡赤 紫色の溶液が得られた。 これにポリ エチレングリ コール 1 8 ^を加 えると、 その溶液は實色に変色した。 この溶液を実施例 1 と同様に して筆記用ィ ンクと して用いて文字を筆記したのち、 少量の水を含

' r-ypi ませた布でその面を拭く と、 そのイ ンク画像は直ちに消去された。 実施例 3 ' 水 1 0 0 にチォ シアン酸ニ ッ ケル 5 と塩化コ バル ト 1 0 とを . それぞれ加え、 溶解した。 この状態で溶液は赤褐色を呈していた。 - 次に、 この溶液にポリエ チレングリ コール（分子量 2 0 0 ) 1 0 ^を 添加したところ溶液は直ちに青色を呈した。 この溶液をポリ エステ ルぉよびァク リ ル製のペン芯に含浸させて、 紙および布の上に画線 を書いた。 記載された文字は鮮明な實色を呈した。 イ ン ク画像をそ のままの状態で放置して-も、 何等イ ンク画像に変化はなかった。

次に、 これを消去するために少量の水を布に含浸させ、 これでィ ンク画像の上を拭くと画線は直ちに消去された。

実施例 4

水 1 0 0 ^にチオシアン酸二 ッ ケル 3 ψと塩化コバル ト 5 とをそ れぞれ加え溶解した。 この状態で溶液は赤褐色を呈していた。 この 溶液をポリ エステルおよびァクリル製のペン芯に含浸させ、 紙に画 線をかいても極め" '希薄な呈色しかせず、 インクと しての作用はな かった。 次に、 この溶液にポリ エチレングリ コール （分子量 2 0 0 ) l S ^を添加したところ溶液は直ちに實色を呈した。 この溶液をボリ エステルおよびァクリ ルのペン芯に含浸させて紙および布に画線を か た。 記載された画線は、 紙および布上で實色を呈した。 イ ンク 画像をそのままの状態で放置しても、 このイ ンク画像に何らの変化 もなかった。 次にこれを消去するために少量の水を布に含浸させ、 これでイ ンク画像の上を拭ぐ と画線は直ちに消去された。

— ⁰ 産業上の利用可能性 .

本発明のィ ン ク組成物は呈色成分と して最初から使用したチオシ ア ン酸コ バル トまたはイ ンク組成物中で生成したチォ シア ン酸コバ ルトを用いているため、 この呈色成分の濃-度..が高- 時は鮮明な青色 を呈するが、 水によ ]?希釈する時には、 ほぼ無色に消色するという 特性を有している。 したがって、 このイ ン クで記載した文字や図案 は、 水を含ませた布 ¾どによ その面を拭ぐ ことによ 消去するこ とができる。 また、 本発明のイ ン ク組成物は、 濃色化剤と してポリ アルキレングリ コールを加えたことから、 前記したよう 従来の欠 点が解消される他、 チォシアン酸コバル トの添加量を著しぐ減少さ せることができ、 高価なチオシアン酸コ バ ル ト使用量を節約するこ とができるという利点がある他、 それによつて溶媒の蒸発を防止で きるだけで ¾ ぐ、 サイ ンペン等に充塡した際の保存性が高められる。 また筆記の際のペンの走 が円滑で 「にじみ」 やイ ンクの 「ボタ落 ち」 も起らない。

したがって本発明のィン ク組成物はそのまま肇'記用ィ ンクと して 使用でき、 またサイ ンペン等に充塡して万年筆型の商品に加工でき る外、 適当 ¾補助添加剤を配合して印刷ィン ク等と して使用するこ とができる。

Claims

CIO) 請求の範囲

1. 液状媒体中にチォシアン酸コバル トまたはチォシアン酸ィ オン

. を生成する化合物とコバル ト ィ オンを生成する化合物との混合物 を溶解させた溶液にポリ アルキ レングリ コ ールを配合して るィ ン ク組成物。

2. 前記のポリ アルキレングリ コ一ルが分子量 1 0 0〜 1 0 0 0 を有 するポ リ エチレングリ コール、 ポ リ プロ ピレング リ コールまたは これらの共重合体である、 前記第 1項記載のィ ンク組成物。

3. 前記の液状媒体が水 メ タノール、 エタノール、 アセ ト ン、 ク ロロホルム、 酢酸ェチルまたはこれらの混合物である、 前記第 1 項記載のィン ク組成物。

4. 増粘剤と してデン プン、 カルボキ シメ チルセルロ ースおよび（ または） ゼラチンを配合した、 前記第 1項記載のィ ンク組成物。

5. 前記のチォシアン酸コバル ト の濃度が 3 0 %以下、 通常、 5〜

2 0 の範囲である、 前記第 1項記載のィ ン ク組成物。

6. 前記ポリ アルキレンダリ コールの濃度が前記液状媒体中 1〜3 0 重量 、 通常 5〜2 0重量 であ ]?、 前記チォシアン酸コバル ト 1重量部に対し 0.2〜2.5重量部、 好ま しぐは 0.5〜2重量部であ 前記第 1項記載のイ ン ク組成物。 .

7. 前記のチォシアン酸イ オンを'生成する化合物がチォシアン酸- ッ ケルであ ]?、 前記のコ バル トィオンを生成する化合物が塩化コ バル ト である、 前記第 1項記載のイ ン ク組成物。

8. 前記のチォシアン酸- ッ ケルの濃度が液状媒体中 0.5〜1 5重量

Ο,ν.ΡΙ 、- ^Wirj° ひ1)

°h、 通常 1〜10重量 であ 、 前記の塩化コバル ト の濃度が液状 媒体中 1〜15重量 、 通常 1〜10重量 でぁ 、 この際前記の チォシアン酸-ッ ケルに対する塩化コバル ト の割合がチォシアン 酸ニッ ケル 1重量部に対し 0.1―〜 3·重量部、 通常..0 〜2 重量部 である、 前記第 7項記載のイ ンク組成物。

9. 前記のポリアルキレンダリ コ ールの割合が前記のチオシアン酸 ニ ッ ケル 1重量部に対して 0.5〜 7重量部、 通常 1〜 5重量部で ある、 前記第 7項記載のイ ン ク組成物。

C. PI ν..ί-o